説明

熱交換器用螺旋管束集成装置

【課題】 従来技術の高コスト性及び欠点を有しない新規な熱交換器を提供する。
【解決手段】 前記課題は螺旋状に捲回された管束からなる熱交換器により解決される。螺旋状に捲回された管束は管板に接合され、二次流体系と流体的に隔離される一次流体系を画成する。管板及び管は、高耐電解腐食性継手である継手によるこれらの接合を容易にする同じ金属材料で形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器に関し、特に、円筒多管式熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
海洋温度差発電(Ocean Thermal Energy Conversion, OTEC)は海水のような莫大な量の水の深い部分の水と浅い部分の水との間の温度差に基づいてエネルギーを発生させる方法である。OTECシステムは熱機関(すなわち、温度差に基づいて電気を発生する熱力学的装置又はシステム)を利用する。この熱機関は、比較的暖かな浅いところの水と比較的冷たい深いところの水との間に熱的に結合される。OTECシステムは例えば、特許文献1に記載されている。
【0003】
OTECに好適な熱機関の一例はランキンサイクル(Rankine cycle)である。これは低圧タービンを使用する。例えば、アンモニアなどのような低沸点を特徴とする流体を含有する閉ループ導管は、低沸点流体が気化される第1の熱交換器で暖かな海水と熱的に結合される。膨張蒸気はタービンに送られ、タービン発電機を駆動する。タービンを出た後、気化作動流体は、閉ループ導管が冷たい海水と熱的に結合される第2の熱交換器で凝縮され、液体状態に戻される。次いで、凝縮作動流体はシステムに再循環される。
【0004】
OTECシステムは技術的に有用であることが判明しているが、これらシステムの高い建設費が商業化を阻んでいる。熱交換器はOTECプラント建設費に対する次ぎに大きな一因である(OTECプラント建設費の最大の一因は沖合係留船又はプラットフォームである)。従って、OTECプラントで必要とされる巨大な熱交換器の最適化は非常に重要であり、OTEC技術の商業的実現性に関して大きな影響を有する。
【0005】
OTECシステムでは様々なタイプの熱交換器が使用されてきている。例えば、プレート・フィン型、プレート・フレーム型、円筒多管式熱交換器などである。円筒多管式熱交換器はOTEC用途で使用するのに特に魅力的な熱交換器である。なぜなら、円筒多管式熱交換器は流量が莫大であり、かつ、背圧が低いという優れた能力を有するからである。円筒多管式熱交換器は2枚の管板間に配置され、圧力容器外殻内に包封された多数の管からなる。第1の流体又は気体が管内に通され、第2の流体又は気体が管の外面に沿って流れるように、圧力容器外殻内に通される。熱エネルギーは管壁を介して第1の流体及び第2の流体間で移動される。管端は一般的に、管板にプレス嵌め又は溶接されている。
【0006】
不都合なことに、円筒多管式熱交換器は、海洋用途におけるこれらの使用を著しく制限する幾つかの欠点を有する。第1の欠点は、OTECシステムにおける穏当な圧力低下に付随する総括伝熱係数(U)が一般的に2000W/mk以下であることである。伝熱係数は特に、(1)第2の流体の乱流及び横断流を引き起こすために圧力容器内に一般的に包含される邪魔板、(2)管に機械的応力及び歪みを引き起こす振動及び軸力の誘発を避けるための第2の流体の流量制限などにより限定される。
【0007】
常用の円筒多管式熱交換器の第2の欠点は、“生物汚損”を被り易いことである。生物汚損は効率を低下させ、維持経費の増大をもたらす(特に、深海レベルに配置された熱交換器の場合は深刻である)。生物汚損は特に、管板にプレス嵌め又は融接された管に付随されるような空隙及び割れ目内などに有機物が閉じ込められることにより生じる。
【0008】
常用の円筒多管式熱交換器の第3の欠点は、この熱交換器がOTECのような海水用途に最適ではないことである。管は管板にプレス嵌め又は融接されているので、管内の一次流体と外殻内の管の周囲を流れる海水との間の流体隔離を確実に行うことが困難である。更に、常用の円筒多管式熱交換器の信頼性は、管を管板にシールするために使用されている溶接継手の部分で生起する電解腐食(電食)により危うくされる。電解腐食は融接内に含まれる非同類金属間の反応により生じる。電解腐食は融接部が海水に曝露されることにより激化する。信頼性はOTEC用途に特別にカスタマイズされた円筒多管式設計であっても、流れの淀み箇所で電解腐食を発生する電位により更に低下される。
【0009】
歴史的に、これらの欠点は円筒多管式熱交換器のサイズ及びコストを実用的な見地からかけ離れたものにしてしまう。
【0010】
エネルギーの必要性が今日益々高まってきているので、再生可能で、一定のベースロード電源を使用する方法は、望ましい解決法である。従って、OTEC発電プラントに対する新たな関心が沸き上がっている。しかし、高い熱交換能力、高い流量、低い揚水寄生損失及び海洋環境下での長い寿命を有する低コストOTEC熱交換器の開発は困難を極めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平5−340342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、従来技術の前記のような高コスト性及び欠点を有しない新規な熱交換器を提供することである。
【0013】
本発明の実施態様は、OTECシステムで使用するのに特に適しているが、原子炉、化学プラントなどのようなその他の熱交換器用途で使用するのにも適する
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するための本発明の代表的な実施態様は、管が複数の管束として配列されており、各管束は一次又は二次流体を搬送するための複数の管を含む円筒多管式熱交換器である。各管束は第1の管板から第2の管板に延びる中心軸により特徴付けられ、各管束はその中心軸の周囲に螺旋状に捲回されている。
【0015】
或る実施態様では、管板及び管は同じ金属から形成されており、かつ、管壁を管板に接合するために摩擦撹拌溶接法を使用する。その結果、管壁及び管板は管内の流体を外殻内の管の周囲を流れる流体からシールし、かつ、隔離する優れた耐電解腐食性継手を形成する。
【0016】
或る実施態様では、複数の管束は各管板のところに、六辺形の密充填配置で配列されている。
【0017】
或る実施態様では、各管束内の管は、その管束内の他の管に対して各管の動きを制限するために機械的に結合されている。或る実施態様では、各管束内の管は、その管束内の他の管に対して各管の動きを実質的に封じるために機械的に結合されている。
【0018】
或る実施態様では、第1の管束は第1の流体を搬送する第1のシュラウド内に密閉されており、第2の管束は、第1の流体と異なり、かつ、管内を流れる流体とも異なる第2の流体を搬送する第2のシュラウド内に密閉されている。
【0019】
本発明の実施態様は、第1の中心軸を有する第1の管束からなり、第1の管束は第1の流体を搬送する第1の複数の管からなり、第1の管束は第1の中心軸の周囲に螺旋状に捲回されていることを特徴とする熱交換器である。
【発明の効果】
【0020】
以上述べたように、本発明によれば、従来技術の熱交換器が有する高コスト性及び欠点を有しない新規な熱交換器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施例によるOTEC発電システムの概要構成図である。
【図2】当業者に周知の常用の円筒多管式熱交換器の概要図である。
【図3A】従来技術による円筒多管式熱交換器で使用するのに適した撚り管の部分概要図である。
【図3B】図3Aに示された撚り管302のz軸方向に沿った異なるポイントにおける一連の横断面図である。
【図4】本発明の一実施例による円筒多管式熱交換器の概要斜視図である。
【図5A】本発明の一実施例による管束の概要斜視図である。
【図5B】本発明の一実施例による管束404−iの部分概要端面図である。
【図6】本発明の別の実施例による管束の配列構成を示す部分概要斜視図である。
【図7A】本発明の他の実施例による管束の配列構成を示す部分概要斜視図である。
【図7B】中心管702の周囲に外側管704を捲回させる前の管束700を示す部分概要斜視図である。
【図7C】本発明の更に別の実施例による管束を形成させるための管束組立機構を示す概要斜視図である。
【図8】管束700の形成中又は形成後に外側管704と中心管702を保持するためのガイドの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら詳述する。
【0023】
図1は本発明の一実施例によるOTEC発電システムの概要構成図である。OTECシステム100は沖合プラットホーム102、タービン発電機104、閉ループ導管106,蒸発器110−1、凝縮器110−2、船殻112、ポンプ114、116及び124及び導管120、122、128及び130からなる。
【0024】
沖合プラットホーム102は浮力船殻112からなるテンション・レグ沖合プラットホームであり、デッキ、ケーソン及びポンツーンを包含する。船殻112は、展開場所134のところの海底136に錨着された硬質なテンション・レグにより海底136上に支持されている。図面の明確化のために、デッキ、ケーソン、ポンツーン及びテンション・レグは図1には図示されていない。
【0025】
或る実施態様では、沖合プラットホーム102は海洋以外の水上(例えば、湖、沼、池など)の展開場所に展開される。或る実施態様では、沖合プラットホーム102は、半潜水艇、翼桁、掘削船、甲板昇降型沖合プラットホーム、放牧プラントなどのようなテンション・レグ沖合プラットホーム以外の沖合プラットホームである。プラットホーム102の設計、製造及び使用法は当業者に自明である。
【0026】
タービン発電機104は船殻112に取付られた常用のタービン駆動発電機である。タービン発電機104は流体の流れに応答して電気エネルギーを発生し、そして、発生された電気エネルギーを出力ケーブル138に供給する。
【0027】
閉ループ導管106は蒸発器110−1、凝縮器110−2及びタービン発電機104を介して作動流体108を搬送する導管である。
【0028】
蒸発器110−1は、表層部118における温海水からの熱を作動流体108に移動させ、それにより作動流体を蒸発させるように構成された円筒多管式熱交換器である。
【0029】
凝縮器110−2は、気化作動流体108からの熱を深層部の冷深層水に移動させ、それにより気化作動流体108を凝縮させて液状に戻すように構成された円筒多管式熱交換器である。蒸発器110−1及び凝縮器110−2は、沖合プラットホーム102と共に機械的に、かつ、流体的に結合されている。
【0030】
蒸発器又は凝縮器としての熱交換器の運転は、OTECシステム100内に流体的に形成された態様に応じて変化する。本発明の代表的な実施例による円筒多管式熱交換器(すなわち、熱交換器110)は下記の図4に関する説明において更に詳述する。
【0031】
タービン発電機104、閉ループ導管106、蒸発器110−1及び凝縮器110−2は全体としてランキンサイクル(Rankine cycle)熱機関を形成する。ランキンサイクル熱機関は表層部118の海水温度と深層部126における深層水温度との温度差に基づいて電気エネルギーを発生する。
【0032】
典型的な操作では、OTECシステムにおける作動流体108としてアンモニアが繁用される。しかし、表層部118の海水温度で蒸発し、深層部126における深層水温度で凝縮する任意の流体を、(材料適合性拘束を条件として)作動流体108として好適に使用できる
【0033】
ポンプ116は、導管120を介して、表層部118の温海水を蒸発器110内に引き入れる。典型的なOTEC展開では、表層部118の海水は、(天候及び太陽光線の状態を条件として)約25℃の概ね一定の温度である。蒸発器110−1において、温海水からの熱は作動流体108により吸収され、これにより、作動流体の蒸発が引き起こされる。蒸発器110−1を通過後、僅かに冷却された海水は導管122を介して海洋140に排吐出される。表層部における平均海水温度の低下を避けるために、導管122の排出口は一般的に、表層部118よりも深い海中部(すなわち、中層部132)に配置される。
【0034】
膨張した作動流体108の蒸気はタービン発電機104に強制給送され、それによりタービン発電機を駆動して電気エネルギーを発生する。発生された電気エネルギーは出力ケーブル138に供給される。タービン発電機104を通過後、気化作動流体は凝縮器110−2に入る。
【0035】
ポンプ124は導管128を介して深層部126からの冷海水を凝縮器110−2内に引き込む。一般的に、深層部126は海面から約1000mの位置であり、この深度における海水は数℃程度の概ね一定温度である。冷海水は凝縮器110−2内を巡り、気化作動流体からの熱を吸収する。その結果、作動流体108は凝縮され液体に戻る。凝縮器110−2内を通過後、僅かに暖かくなった海水は導管130を介して海洋に排吐出される。導管130の吐出口は、深層部における平均海水温の上昇を避けるために、深層部126の深度よりも浅い深度(すなわち、中層部132)の海洋140中に配置される。
【0036】
ポンプ114は凝縮された作動流体108を汲み出し、蒸発器110−1に返送し、そこで作動流体は再び気化される。これにより、タービン発電機104を駆動するランキンサイクルが継続される。
【0037】
図2は当業者に周知の常用の円筒多管式熱交換器の概要図である。熱交換器200は管202、管板204、邪魔板206、入口プレナム208、出口プレナム210、外殻212、二次入口214及び二次出口216からなる。熱交換器200は一次流体と二次流体との間で熱を移動させる。OTEC用途で使用することが企図された熱交換器の場合、一次流体は一般的にアンモニアのような作動流体であり、二次流体は一般的に海水である。
【0038】
管202は、銅合金、ステンレススチール、炭素鋼、非鉄銅合金、インコネル(Inconel)、ニッケル、ハステロイ(Hastelloy)及びチタンなどのような伝熱性金属製の直線的な撚りの無い導管である。作動流体は入口218で熱交換器200内に供給される。入口218は入口プレナム208に流体的に接続されており、入口プレナム208は作動流体を各管202に分配する。管202は作動流体を出口プレナム210に搬送し、出口プレナム210は作動流体を集め、そして、それを出口220に供給する。入口218及び出口220は一般的に、作動流体を搬送する閉ループ導管に接続されている。
【0039】
管板204は概ね同一の板であり、各板は管202を1本毎に受容する穴のアレイからなる。管202は例えば、管を穴内に“圧伸成形”するために管の端部をフレア(拡開)加工することにより管板204に添着される。別法として、管を管板に接合させるために、ろう付け、結合又は溶接が使用される。
【0040】
管板204内の穴は、円筒多管式熱交換器内に多数の管を配設するために、管202間の分離をセットする二次元配置で配列されている。伝熱は主に管の側壁を介して熱交換器内で起こるので、一次流体と二次流体との間で熱を移動させることができる表面積を実質的に最大にするために、出来るだけ多くの管を熱交換器内に包含させることが望ましい。管202間の間隔は、流体背圧の発達による熱交換器の効率の低下無しに、管202の周囲に沿って流れる二次流体の合理的流量を可能にするのに十分な間隔でなければならない。
【0041】
二次流体と管202の壁間の相互作用時間及び長さを増大させるために、邪魔板206は管202の長さに沿って分布されている。しかし、邪魔板206は熱交換器200を介する二次流体の流れも制限する。これにより、二次流体の背圧も増大し、二次流体を汲み出さなければならない力も増大し、その結果、熱交換器の総括伝熱係数が低下する。
【0042】
一次流体(作動流体)は入口プレナム208を介して管202に導入される。入口プレナム208は一般的に、管板204にろう付け又は溶接されている。同様に、一次流体は出口プレナム210を介して管202を出て行く。出口プレナム210は一般的に、その各管板204にろう付け又は溶接されている。
【0043】
外殻212は管202を包封し、二次流体用の導管を形成する。外殻212は一般的に、管板204にボルト締めされている。通常、流体シールを提供するために、外殻と管板との間にはガスケットが配設されている。
【0044】
二次流体は二次流体入口214を介して外殻212内に導入され、そして、二次流体出口216を介して熱交換器200を出て行く。二次流体入口214及び二次流体出口216は一般的に、外殻212にろう付け又は溶接されている。
【0045】
不都合なことに、常用の円筒多管式熱交換器は幾つかの問題点、特に、OTECシステムにおける使用に関する問題点を有する。管材料は良好な伝熱性を有するものを選択しなければならないが、一次流体と二次流体との温度差により発生される大きな熱応力にも耐え得る材料でもなければならない。更に、一次流体及び二次流体は屡々、高圧で使用されるので、管202には曲げモーメントも加わる。更に、管材料は、腐食作用を軽減するために運転条件(例えば、温度、圧力、流量、流速、pH等)下で長期間に亘り円筒多管式熱交換器における一次流体及び二次流体の両方と適合性も有しなければならない。更にまた、管材料又は継手材料(例えば、ろう付け材料又は溶接材料等)の選択は円筒多管式熱交換器側部間の管からの漏洩を生じることがある。この漏洩により、流体の相互汚染を起こしたり、また、圧力損失及び熱交換の失敗なども引き起こされることがある。
【0046】
図3Aは従来技術による円筒多管式熱交換器で使用するの適した撚り管の部分概要図である。管302は熱交換器200における管202として使用するのに好適な、直線状の卵形をした導管である。しかし、管202と異なり、管302はその軸線304に沿って個々に撚られている。管302の卵形断面は軸線304に沿って回転しているが、軸線304は管302の長さに沿って概ね直線状を維持している。
【0047】
図3Bは図3Aに示された撚り管302のz軸方向に沿った異なるポイントにおける一連の横断面図である。
【0048】
z軸方向に沿ってポイントAでは、管302の卵形断面の主軸306はx軸方向に整列されている。ポイントBでは、主軸306はx−y平面において約60゜回転している。ポイントCでは、主軸306はx−y平面において更に60゜回転し、約120゜回転している。ポイントDは、管302の回転周期の波長の約半分の位置であり、主軸306は再びx軸と一直線に並べられる。軸線304に沿って管302を更に約60゜回転させると、各ポイントE、F及びGの位置間に並ぶ。その結果、主軸306は再びx−y平面においてそれぞれ60゜及び120゜回転した位置に存在する。ポイントGは管302の回転周期の1波長分の位置を示す。従って、主軸306は再びx軸方向に整列される。
【0049】
管302の撚り構造はその管壁の表面積を増大させる。その結果、管302の管壁を介する一次流体と二次流体との間の伝熱は、管202の管壁を介する一次流体と二次流体との間の伝熱よりも一層優れた効果を発揮できる。更に、撚り管の機械的共振周波数は、互換的な非撚り管よりも高い。このため、熱交換器内の二次流体流により長期間に亘って持続的に加えられる力による横方向撓みに対して、管302は管202よりも高抵抗性である。
【0050】
しかし、管302は幾つかの欠点を有する。個々に撚られた管は洗浄が困難であり、非撚り管よりも生物汚染を一層受け易い。また、個々に撚られた管は、インターロッキング/高断面係数を維持するために、密充填させなければならない。この密充填の必要性は、望ましからざる制約を円筒多管式熱交換器内における管配列に課する。
【0051】
図4は、本発明の一実施例による円筒多管式熱交換器の概要斜視図である。熱交換器110は管板402,管束404−1〜404−N、外殻408、入口410及び出口412からなる。管板402は熱交換器100の管板204及び206と同様な部材である。しかし、管板402の穴配列は管束404−1〜404−N(全体として、管束404と呼ぶ)に適応している。
【0052】
管板402は海洋品級のアルミニウム合金製である。特定のアルミニウム合金類は海水中の腐食に対して抵抗性を有するので、OTEC用途に最適である。更に、アルミニウム及びその合金類の殆どは摩擦撹拌溶接(FSW)接合法の使用に従順である。
【0053】
摩擦撹拌溶接法は同じ材料の2つの要素を接合する方法として当業者に周知である。常用のFSWは2つの要素間の界面に押し当てられる回転プローブを使用する。プローブと材料との間の巨大な摩擦力は、プローブの直近の材料をその融点以下の温度にまで加熱する。これにより、相接する部分が軟化される。しかし、材料は固相状態のままなので、その元の材料特性は維持される。溶接ラインに沿ってプローブが移動すると、2個のピースから軟化材料が後縁(トレーリングエッジ)に向かって押し当てられて隣接領域が溶融され、その結果、溶接継目が形成される。
【0054】
融接、ろう付けなどのようなその他の常用の結合技法と異なり、FSWは幾つかの性能優位性を有する。特に、得られた溶接継目は結合部分と同じ材料から構成されている。その結果、結合部における非同類金属間の接触による電解腐食(電食)は軽減されるか又は全く無くなる。更に、得られた溶接継目は結合部における材料の材料特性を維持する。
【0055】
熱交換器110の構成部材類を接合するためにFSWを使用すると、下記に説明するような利点が本発明にもたらされる。
【0056】
各管束404は管406−1〜406−3(全体として、管406と呼ぶ)からなる。管406は管板402と同じ材料製の押出管である。或る実施態様では、管406は引抜管である。或る実施態様では、管406は概ねシームレスパイプのように形成されている。管406は熱交換器110の長さを通して海水を搬送する。図示された実施態様では、各管束404は3本の管から構成されているが、少なくとも1個の管束は3本超又は3本未満の管から構成することもできる。
【0057】
図示された実施態様では、管及び管板はアルミニウム製であるが、特に海洋環境下で耐腐食性の別の材料製の管及び管板も使用できる。管板402及び管406に使用される材料は、熱交換器の耐用年数の期間中、海洋環境下で過度な腐食性を示してはならない。更に、管板402及び管406に使用される材料は、熱伝導性でなければならない。管板402及び管406に使用される好適な材料は、アルミニウム、アルミニウム合金、セラミック、鋼合金、チタン、チタン合金、熱伝導性プラスチック、熱伝導性ポリマー等である。これらだけに限定されない。
【0058】
或る実施態様では、FSW以外の接合法を使用し、耐電解腐食性継手により構成部材類を接合させることもできる。好適な接合法は、幾つかのタイプの融接法、弾性、熱可塑性、熱硬化性又はエポキシ系接合化合物を使用する接合法などである。これらだけに限定されない。
【0059】
管406のサイズ、長さ及び壁厚は、本発明の特定の履行条件に応じた設計パラメータである。しかし、代表的な実施態様における一例として、各管406は、直径が約24mm、長さが約10m、壁厚が約2.54mmである。
【0060】
管束404については図5A及び5Bを参照しながら下記で更に詳細に説明する。
【0061】
管束404は六辺形の密充填配列構成で管板402に配列される。或る実施態様では、管束404は六辺形の密充填配列構成以外の充填配列構成で管板402に配列される。
【0062】
外殻408は管束404を密閉し、かつ、管406の表面に沿って一次流体(すなわち、作動流体)を搬送するのに適した外殻である。外殻408は、耐食性であるか又は作動流体への曝露の結果生じるその他のダメージに対して耐性である材料から形成されている。
【0063】
作動流体は入口410を介して外殻408内に入り、出口412を介して外殻408を出て行く。その結果、作動流体は管406に沿って及び管406間を搬送され、これにより、管406内の海水と作動流体間の効果的な伝熱が可能になる。入口410及び出口412の仕様、製法及び使用法は当業者に自明である。
【0064】
代表的な実施態様では、熱交換器110は熱交換器200と異なる方法で運転される。本発明の熱交換器110では、二次流体(すなわち海水)は管板404内の各管により搬送され、作動流体は、外殻408内を進行するにつれて管の周囲及び管に沿って搬送される。しかし、熱交換器110は熱交換器200と同様な方法で運転することもできる。この場合、作動流体は管408内を流れ、二次流体(すなわち海水)は外殻408内を流れる。
【0065】
図5Aは、本発明の一実施例による管束の概要斜視図である。管束404−iは管406−1、406−2及び406−3からなり、場合により管束シュラウド(囲い板)502を有する。
【0066】
管406−1〜406−3の端部504−1〜504−3は中心軸506の周囲に対称的配列構成で管板402(図示されていない)に配列されている。管束404−iは中心軸506の周囲に一体的に撚られており、これにより、螺旋状の捲回配列構成を形成する。螺旋状に捲回された管束の外径、螺旋状捲回スパイラルの周期性及び管束の外径は設計事項である。
【0067】
或る実施態様では、管406−1〜406−3は互いにしっかりと結合されている。従って、管束に対する各管の動作は許されない。或る実施態様では、管406−1〜406−3は互いに部分的に結合されている。例えば、管束内の管がその螺旋状捲回形状の結果として接するようなポイントのみで接合されている。従って、管束に対する各管の動作は制限される。その結果、本発明による管束は非常に高い機械的曲げ剛性を特徴とする。
【0068】
本発明による熱交換器は、直線状の非撚り管からなる従来技術の熱交換器を凌駕する下記のような利点を有する。
(i)一層大きな管壁表面積による改善された伝熱係数、
(ii)向上された管曲げ剛性、
(iii)管の向上された耐流体励起振動性、
(iv)改善された二次流体流動性、
(v)高断面係数、又は
(vi)前記(i)〜(v)の任意の組合せ。
【0069】
本発明による熱交換器は、個別的撚り管からなる従来技術の熱交換器を凌駕する下記のような利点を有する。
(i)生物汚染の低感受性、
(ii)改善された耐食性、
(iii)管当たりの改善された表面積、
(iv)改善された二次流体流動性、又は
(v)前記(i)〜(iv)の任意の組合せ。
【0070】
管の螺旋状配列構成は、管の内側又は外側の境界層の分解により、及び、管の外面に沿った又は外面周辺の流体の軸線方向流れと半径方向流れを結合させることにより、一次流体及び二次流体間の熱流を高める。管を通る流体の管内旋回流は、熱交換器による圧力低下が殆ど起こること無く流体境界層全域における熱移動(伝熱)を高める。その結果、或る実施態様では、外殻502内の流体の流れ方向を変える邪魔板(例えば、前記に説明したような邪魔板206)は不要である。
【0071】
図5Bは、本発明の一実施例による管束404−iの部分概要端面図である。
【0072】
管406−1は側壁508−1からなる。側壁508−1はFSW(摩擦撹拌溶接法)を用いて管板402に接合されており、これにより、管406−1の外縁部周辺に漏れ止めシールが形成される。FSWは非同類材料を含浸させること無く2個の要素を接合させる方法である。FSW溶接継手は、接合される材料の大部分の材料特性を維持し、かつ、接合される材料の金属粒界は通常悪影響を受けない。FSWは米国特許出願第12/484,542号明細書(出願日:2009年6月15日)に詳述されている。FSWは、耐電解腐食性継手を生じる接合技法の一例である。
【0073】
側壁508−1と管板402との間に形成された継手は割れ目(クレバス)の発生を防止する。この割れ目は従来の円筒多管式熱交換器における管板材料周囲と機械的に回転された管端との間に典型的に存在する。これら割れ目の発生を防止することにより、本発明による熱交換器の耐用年数は著しく長くなる。なぜなら、割れ目内で腐食性の海水に曝露されることによる腐食が軽減又は排除されるからである。
【0074】
同様に、管406−2は側壁508−2からなる。側壁508−2は摩擦撹拌溶接法(FSW)を用いて管板402に接合されており、これにより、管406−2の外縁部周辺に漏れ止めシールが形成される。更に、管406−3は側壁508−3からなる。側壁508−3は摩擦撹拌溶接法(FSW)を用いて管板402に接合されており、これにより、管406−3の外縁部周辺に漏れ止めシールが形成される。
【0075】
FSWは、側壁508−1と管板402との間の継手を取り囲む熱影響域510−1を残す。この熱影響域の横方向の広がりは各管板402における管側壁508−1〜508−3間の最少間隔を限定する。
【0076】
螺旋管束はバネ要素として機能する。これにより、管と外殻側面との間の差圧又は材料間の温度膨張/収縮変動から生じる予圧又は軸負荷に容易に対処することができる。或る実施態様では、1個以上の管束404内の管は、それらの共振周波数を高めるために、従って、運転中の流体励起振動に対するそれらの抵抗性を高めるために、予圧されている。
【0077】
更に、螺旋配列管の高められた曲げ剛性は、本発明の熱交換器を、上方流外殻側蒸発器又は下方流外殻側凝縮器のような垂直操作に対して従順にする。
【0078】
管束404は幾つかの任意の方法で形成することができる。或る実施態様では、1個以上の管束404は、図7A〜7Cを参照しながら下記に説明する方法と同様な方法で、中心軸506の周囲に予備成形管を捲回させることにより形成される。別法として、押出ダイを同時に回転させながら又は押出処理中に押出材料を同時に回転させながら、複数の管406における全ての管502を同時に押し出すことにより、1個以上の管束404を螺旋捲回配列形状に形成させることができる。
【0079】
図6は、本発明の別の実施例による管束の配列構成を示す部分概要斜視図である。
【0080】
熱交換器600は管束404の六辺形状の密充填配列からなる。各管束は管束シュラウド602内に包封されている。各管束シュラウドは他の管束シュラウドから流体的に隔離されている。これにより、熱交換器は異なる管束シュラウドにより異なる流体を搬送できる。更に、或る実施態様では、管束404内の1個以上の管は、管束内の少なくとも1個の他の管から異なる流体を搬送する。
【0081】
例えば、管束404−1内の各管は第1の二次流体を搬送し、一方、各管束404−2〜404−N内の各管は第2の二次流体を搬送する。更に、管束シュラウド602−2は第1の一次流体を搬送し、一方、各管束シュラウド602−1及び602−3〜602−Nは第2の一次流体を搬送する。
【0082】
図6に示された配列は大きな熱交換器であることができる。
【0083】
図7Aは、本発明の他の実施例による管束の配列構成を示す部分概要斜視図である。管束700は中心管702と外側管704からなる。
【0084】
各管702及び704は図3を参照しながら前記で説明した管406の一つと同様な管である。
【0085】
中心管702が直線状で撚られていないこと及び外側管704が中心管の周囲に捲回されていることを除いて、管束700は管束404の一つと同類のものである。中心管702は管束700の中心軸706と共線状である。
【0086】
管束700は6個の外側管704からなるが、6個以外の外側管704又は1個以上の中心管702からなる管束700も本発明の熱交換器で使用できる。
【0087】
図7Bは、中心管702の周囲に外側管704を捲回させる前の管束700を示す部分概要斜視図である。
【0088】
図7Cは、本発明の更に別の実施例による管束を形成させるための管束組立機構を示す概要斜視図である。機構708は支持構造体710、固定末端キャップ712及び回転末端キャップ714からなる。
【0089】
管束700を形成する代表的方法において、中心管702及び外側管704は固定末端キャップ及び回転末端キャップ714に挿入される。次いで、回転末端キャップ714を回転させ、外側管704の螺旋配列の所望の捲回量及び周期性が得られるまで、中心軸706の周囲に外側管704を捲回する。次いで、管束700を固定末端キャップ712及び回転末端キャップ714の各々から取り出す。
【0090】
図8は、管束700の形成中又は形成後に外側管704と中心管702を保持するためのガイドの正面図である。ガイド800はアーム802により一緒に結束された外側管704を維持する。開口804は、中心管702に捻れ歪を導入すること無く中心管702の回りをガイド800が回転できるようにする。或る実施態様では、複数のガイドが管束700の長さに沿って配列される。
【0091】
以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。特許請求の範囲の構成要素の後に記載した括弧内の番号は、図面の部品番号に対応し、発明の容易なる理解の為に付したものであり、発明を限定的に解釈するために用いてはならない。また、同一番号でも明細書と特許請求の範囲の部品名は必ずしも同一ではない。これは上記した理由による。用語「又は」に関して、例えば「A又はB」は、「Aのみ」、「Bのみ」ならず、「AとBの両方」を選択することも含む。特に記載のない限り、装置又は手段の数は、単数か複数かを問わない。
【符号の説明】
【0092】
100 OTECシステム
102 沖合プラットホーム
104 タービン発電機
106 閉ループ導管
108 作動流体
110 熱交換器
110−1 蒸発器
110−2 凝縮器
112 船殻
114、116、124 ポンプ
118 表層部
120 導管(温海水入口)
122 導管(温海水出口)
128 導管(冷海水入口)
130 導管(冷海水出口)
126 深層部
132 中層部
134 展開位置
136 海底
138 出力ケーブル
140 海洋
200 常用の円筒多管式熱交換器
202 管
204 管板
206 邪魔板
208 入口プレナム
210 出口プレナム
212 外殻
214 作動流体入口
216 作動流体出口
218 海水入口
220 海水出口
302 管
304 軸線
306 主軸
402 管板
404 管束
406 管
408 外殻
410 入口
412 出口
502 管束シュラウド
504 管端部
506 中心軸
508 管側壁
510 熱影響域
600 熱交換器
602 管束シュラウド
700 管束
702 中心管
704 外側管
706 中心軸
708 管束組立機構
710 支持構造体
712 固定末端キャップ
714 回転末端キャップ
800 ガイド
802 アーム
804 開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)第1の中心軸を有する第1の管束からなり、
第1の管束は第1の流体を搬送するための第1の複数の管からなり、
第1の管束は第1の中心軸の周囲に螺旋状に捲回されている、
ことを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
(b)第1の材料からなる第1の管板と、
(c)第1の材料からなる第2の管板を更に有し、
第1の複数の管の各々は、第1の端部と、第2の端部と、管壁とを有し、かつ、第1の複数の管の各々は、第1の材料からなり、
第1の管板と管壁は各第1の端部のところで、耐電解腐食性の継手からなる漏れ止め性のシールにより接合されており、
第2の管板と管壁は各第2の端部のところで、耐電解腐食性の継手からなる漏れ止め性のシールにより接合されている、
ことを特徴とする請求項1記載の熱交換器。
【請求項3】
(d)殻と、
殻と第1の管板と第2の管板は全体として、第1の管束を入れておくチャンバー(部屋)を画成する、
(e)チャンバーに第2の流体を導入するための入口と、
(f)第2の流体が前記チャンバーから出て行くことが出来るための出口とを更に有し、
第1の複数の管の各々における第1の流体は第2の流体から流体的に隔離されている、
ことを特徴とする請求項2記載の熱交換器。
【請求項4】
第1の材料はアルミニウムからなる、
ことを特徴とする請求項2記載の熱交換器。
【請求項5】
第1の管板、第2の管板及び第1の複数の管の各々は本質的に第1の材料からなる、
ことを特徴とする請求項2記載の熱交換器。
【請求項6】
第1の管板、第2の管板及び第1の複数の管の各々は第1の材料からなる、
ことを特徴とする請求項2記載の熱交換器。
【請求項7】
各耐電解腐食性継手は摩擦撹拌溶接継手である、
ことを特徴とする請求項2記載の熱交換器。
【請求項8】
第1の管束は複数の管束のうちの一つであり、複数の管束は第1の管板のところで六辺形の密充填配列構成で配列されている、
ことを特徴とする請求項1記載の熱交換器。
【請求項9】
第1の複数の管は、第1の中心軸と一致した第1の管を有し、
第1の管は直線状であり、かつ、撚られていない、
ことを特徴とする請求項1記載の熱交換器。
【請求項10】
第1の複数の管の他の管に対する第1の複数の管の各管の運動は抑制されている、
ことを特徴とする請求項1記載の熱交換器。
【請求項11】
第1の複数の管の他の管に対する第1の複数の管の各管の運動は禁じられている、
ことを特徴とする請求項1記載の熱交換器。
【請求項12】
(g)第2の中心軸を有する第2の管束と、
第2の管束は第2の流体を搬送するための第2の複数の管からなる、
(h)第3の流体を搬送するための第1のシュラウドと、
第1のシュラウドは第1の管束を囲み、第3の流体と第1の流体は流体的に隔離されている、
(i)第4の流体を搬送するための第2のシュラウドとを更に有し、
第2のシュラウドは第2の管束を囲み、第4の流体と第2の流体は流体的に隔離されている、
第3の流体と第4の流体は流体的に隔離されている、
ことを特徴とする請求項1記載の熱交換器。
【請求項13】
第1の流体と第2の流体は同じ流体である、
ことを特徴とする請求項12記載の熱交換器。
【請求項14】
第1の管束の少なくとも1個の管は予圧力を受けている、
ことを特徴とする請求項1記載の熱交換器。
【請求項15】
(i)第1の複数の管からなる第1の管束を準備するステップと、
第1の複数の管の各々は、第1の端部と、第2の端部と、管壁とを有し、第1の管束は第1の中心軸を有し、第1の管束は第1の中心軸の周囲に螺旋状に捲回されている、
(ii)第1の管束の各管の第1の端部のところで、第1の管板と管壁とを耐電解腐食性の継手によりシールするステップと、
(iii)第1の管束の各管の第2の端部のところで、第2の管板と管壁とを耐電解腐食性の継手によりシールするステップと、
からなることを特徴とする熱交換器の製造方法。
【請求項16】
(iv)殻内に第1の管束を閉じ込めるステップを更に有し、
第1の管束の各管内を流れる第1の流体は殻内を流れる第2の流体と流体的に隔離されている、
ことを特徴とする請求項15記載の熱交換器の製造方法。
【請求項17】
(iv)第1の管板を準備するステップと、
第1の管板は第1の材料からなる、
(v)第2の管板を準備するステップと、
第2の管板は第1の材料からなる、
(vi)第1の複数の管を準備するステップとを更に有し、
第1の複数の管の各々は第1の材料からなる、
ことを特徴とする請求項15記載の熱交換器の製造方法。
【請求項18】
(iv)第1の管板を準備するステップと、
第1の管板は本質的に第1の材料からなる、
(v)第2の管板を準備するステップと、
第2の管板は本質的に第1の材料からなる、
(vi)第1の複数の管を準備するステップとを更に有し、
第1の複数の管の各々は本質的に第1の材料からなり、
耐電解腐食性継手は摩擦撹拌溶接法により形成されている、
ことを特徴とする請求項15記載の熱交換器の製造方法。
【請求項19】
(iv)第1の管板を準備するステップと、
第1の管板は第1の材料からなる、
(v)第2の管板を準備するステップと、
第2の管板は第1の材料からなる、
(vi)第1の複数の管を準備するステップとを更に有し、
第1の複数の管の各々は第1の材料からなり、
耐電解腐食性継手は摩擦撹拌溶接法により形成されている、
ことを特徴とする請求項15記載の熱交換器の製造方法。
【請求項20】
(vii)第1の複数の第1の管束を準備するステップと、
(viii)第1の複数の第1の管束の各々の各管の第1の端部のところで、第1の管板と管壁とを耐電解腐食性の継手によりシールするステップとを更に有する、
ことを特徴とする請求項15記載の熱交換器の製造方法。
【請求項21】
(ix)第1の管束及び第1の複数の第1の管束を六辺形密充填配列構成に配列させるステップを更に有する、
ことを特徴とする請求項20記載の熱交換器の製造方法。
【請求項22】
第1の管束が、第1の中心軸と一致する第1の管及び第1の管の周囲に螺旋状に捲回された第2の複数の管からなるように第1の管束が準備され、第1の管は直線状で、かつ、撚られていない、
ことを特徴とする請求項15記載の熱交換器の製造方法。
【請求項23】
(x)第1の管束を形成するステップを更に有し、
第1の管束は、
(a)第1の端部キャップ内に第1の複数の管の各々の第1の端部を固定するステップと、 第1の端部は、第1の中心軸と一致する中心第1端部を有する第1の端部キャップのところに配列され、残りの第1の端部は中心第1端部から等距離のところに配列される、
(b)第1の複数の管の各々の第2の端部を第2の端部キャップのところに配列させるステップと、
第2の端部は、第1の中心軸と一致する中心第2端部を有する第2の端部キャップのところに配列され、残りの第2の端部は中心第2端部から等距離のところに配列される、
(c)第1の中心軸のまわりを第2の端部キャップを回転させるステップと、
からなる操作により形成される、
ことを特徴とする請求項22記載の熱交換器の製造方法。
【請求項24】
(a)第1の材料からなる第1の複数の管からなる第1の管束と、
第1の複数の管の各々は第1の端部と、第2の端部と、管壁とを有し、第1の管束は第1の中心軸を有し、第1の管束は第1の中心軸のまわりに螺旋状に捲回されている、
(b)第1の材料からなる第1の管板とからなり、
第1の管板と管壁は第1の管束の各管の第1の端部のところで摩擦撹拌溶接継手により接合されている、
ことを特徴とする熱交換器。
【請求項25】
(c)第1の材料からなる第2の複数の管からなる第2の管束と、
第2の複数の管の各々は第1の端部と、第2の端部と、管壁とを有し、第2の管束は第2の中心軸を有し、第2の管束は第2の中心軸のまわりに螺旋状に捲回されている、
(d)第1の材料からなる第3の複数の管からなる第3の管束と、
第3の複数の管の各々は第1の端部と、第2の端部と、管壁とを有し、第3の管束は第3の中心軸を有し、第3の管束は第3の中心軸のまわりに螺旋状に捲回されている、
(e)第1の材料からなる第4の複数の管からなる第4の管束と、
第4の複数の管の各々は第1の端部と、第2の端部と、管壁とを有し、第4の管束は第4の中心軸を有し、第4の管束は第4の中心軸のまわりに螺旋状に捲回されている、
(f)第1の材料からなる第5の複数の管からなる第5の管束と、
第5の複数の管の各々は第1の端部と、第2の端部と、管壁とを有し、第5の管束は第5の中心軸を有し、第5の管束は第5の中心軸のまわりに螺旋状に捲回されている、
(g)第1の材料からなる第6の複数の管からなる第6の管束と、
第6の複数の管の各々は第1の端部と、第2の端部と、管壁とを有し、第6の管束は第6の中心軸を有し、第6の管束は第6の中心軸のまわりに螺旋状に捲回されている、
(h)第1の材料からなる第7の複数の管からなる第7の管束とを更に有し、
第7の複数の管の各々は第1の端部と、第2の端部と、管壁とを有し、第7の管束は第7の中心軸を有し、第7の管束は第7の中心軸のまわりに螺旋状に捲回されている、
第1、第2、第3、第4、第5、第6及び第7の管束の各管の第1の端部のところで第1の管板と管壁とが摩擦撹拌溶接継手により接合されており、
第1、第2、第3、第4、第5、第6及び第7の管束は第1の管板のところで六辺形密充填配列構成で配列されている、
ことを特徴とする請求項24記載の熱交換器。



【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−533722(P2012−533722A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−520769(P2012−520769)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/042079
【国際公開番号】WO2011/008921
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(504242618)ロッキード マーティン コーポレーション (19)
【Fターム(参考)】