説明

熱可塑性フィルムの製造方法、熱可塑性フィルム、偏光板、光学補償フィルム、反射防止フィルムおよび液晶表示装置

【課題】長期経時後の反りの発生を抑制した熱可塑性フィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】溶融した熱可塑性樹脂をダイからキャスティングドラム上にシート状に吐出す工程を経て製膜する熱可塑性フィルムを製造する際に、ダイからシート状に吐出された熱可塑性樹脂がTg+40℃からTgに冷却される間に製膜方向の延伸度が1%〜25%となるように延伸する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融した熱可塑性樹脂をダイからキャスティングドラム上にシート状に吐出する工程を経て製膜する熱可塑性フィルムの製造方法であって、
前記ダイからシート状に吐出された前記熱可塑性樹脂がTg+40℃からTg℃に冷却される間に(Tgは前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度である)、下記式(A)で示される製膜方向の延伸度が25%以下となるように制御して前記熱可塑性樹脂をキャスティングドラム上に吐出することを特徴とする熱可塑性フィルムの製造方法。
【化1】

(上式において、T1は前記熱可塑性樹脂がTg+40℃に冷却された時点おける、製膜方向に設けられたフィルム上の2定点間の距離を表し、T2は前記熱可塑性樹脂がTg℃に冷却された時点おける前記2定点間の距離を表し、T0は製膜された熱可塑性樹脂の25℃における前記2定点間の距離を表す。)
【請求項2】
前記ダイ出口の前記熱可塑性樹脂の溶融粘度が100Pa・s〜2000Pa・sであることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性フィルムの製造方法。
【請求項3】
前記キャスティングドラム上でタッチロールを用いて前記熱可塑性樹脂を製膜することを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性フィルムの製造方法。
【請求項4】
60℃で500時間経時させたときの全方向における寸法変化量が1%以下であることを特徴とする熱可塑性フィルム。
【請求項5】
面内レターデーション(Re)が0nm〜25nmであり、且つ、厚み方向レターデーション(Rth)が0nm〜25nmであることを特徴とする請求項4に記載の熱可塑性フィルム。
【請求項6】
下記式(1)および(2)を満足する組成のセルロースアシレート樹脂を含むことを特徴とする請求項4または5に記載の熱可塑性フィルム。
式(1):2.5≦A+B<3.0
式(2):1.25≦B<3
(式中、Aはアセテート基の置換度を表し、Bは、プロピオネート基、ブチレート基およびペンタノイル基の置換度の総和を表す。)
【請求項7】
下記式(T−1)および(T−2)を満たす組成を有するセルロースアシレートを含むことを特徴とする請求項4または5に記載の熱可塑性フィルム。
式(T−1):2.5≦A+C<3.0
式(T−2):0.1≦C<2
(式中、Aは、アセテート基の置換度を示し、Cは置換もしくは無置換の芳香族アシル基を示す。)
【請求項8】
飽和ノルボルネン樹脂を含むことを特徴とする請求項4または5に記載の熱可塑性フィルム。
【請求項9】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性フィルムの製造方法によって製造されたことを特徴とする請求項4〜8のいずれか1項に記載の熱可塑性フィルム。
【請求項10】
残留溶剤量が0.01質量%以下であることを特徴とする請求項4〜9のいずれか1項に記載の熱可塑性フィルム。
【請求項11】
延伸処理が施され、面内レターデーション(Re)と厚み方向レターデーション(Rth)が下記(3)および(4)を満足することを特徴とする請求項4〜10のいずれか1項に記載の熱可塑性フィルム。
式(3):0nm≦Re≦150nm
式(4):0nm≦Rth≦300nm
【請求項12】
請求項4〜11のいずれか1項に記載の熱可塑性フィルムを、縦横比L/Wが2を超え50以下、或いは0.01〜0.3で延伸したことを特徴とする熱可塑性フィルム。
【請求項13】
請求項4〜12のいずれか1項に記載の熱可塑性フィルムを、横延伸前に延伸温度より1℃〜50℃高い温度で予熱することを特徴とする熱可塑性フィルム。
【請求項14】
請求項4〜13のいずれか1項に記載の熱可塑性フィルムを、横延伸後に延伸温度より1℃〜50℃低い温度で熱処理することを特徴とする熱可塑性フィルム。
【請求項15】
請求項4〜14のいずれか1項に記載の熱可塑性フィルムを、前記横延伸後、または、縦延伸を行った後で、(Tg−50)℃〜(Tg+30)℃で、0.1kg/m〜20kg/mの張力で搬送しながら熱緩和したことを特徴とする熱可塑性フィルム。
【請求項16】
偏光子に、請求項4〜15のいずれか1項に記載の熱可塑性フィルムを少なくとも1層積層したことを特徴とする偏光板、光学補償フィルムまたは反射防止フィルム。
【請求項17】
請求項4〜15のいずれか1項に記載の熱可塑性フィルム、請求項16に記載の偏光板、光学補償フィルムおよび反射防止フィルムの少なくとも一つを用いたことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項18】
溶融した熱可塑性樹脂をダイからキャスティングドラム上に吐出して製膜する熱可塑性フィルムの製造方法であって、
ダイから吐出された前記熱可塑性樹脂を延伸する延伸工程と、前記熱可塑性樹脂がTg+40℃からTg℃に冷却される間に(Tgは前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度である)、下記式(A)で示される製膜方向の延伸度が25%以下となるように制御する延伸度制御工程とを有することを特徴とする熱可塑性フィルムの製造方法。
【化2】


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−23981(P2008−23981A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−124902(P2007−124902)
【出願日】平成19年5月9日(2007.5.9)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】