説明

熱源機のリモコン装置

【課題】容易な配線工事により設置可能であって、HA制御信号の受信により熱源機に対して複数種類の運転の実行を指示することができるリモコン装置を、コストを抑えて提供する。
【解決手段】使用者によるHA選択スイッチ80とUPスイッチ70及びDOWNスイッチ71の操作に応じて、湯張り運転と床暖房運転と温風暖房運転とに対して、異なる時間帯を個別に割り当てる時間帯割当手段102と、各時間帯において、HAコントローラからHA端子2を介してHA制御信号を受信したときに、該HA制御信号を受信した時刻が属する時間帯が割り当てられた運転が停止中であったときは熱源機に対して該運転の開始を指示する信号を送信し、該運転が実行中であったときには熱源機に対して該運転の停止を指示する信号を送信する熱源機操作手段101とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、HA(ホームオートメーション)端子を備え、該HA端子を介して受信した制御信号に応じて熱源機を遠隔操作するリモコン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、熱源機のリモコン装置に、家庭内に設置されて電話回線と接続されたHAシステムのコントローラと通信するためのHA端子(日本電子工業規格JME1423で規定)を備えたものが知られている。そして、かかるリモコン装置のHA端子を専用ケーブルを介して前記コントローラに接続することで、使用者は、電話回線を介して前記コントローラに指令信号を送信することができる。
【0003】
ここで、コントローラは、リモコン装置のHA端子から送信されるHAモニタ信号により、操作対象となる端末機器が動作状態であるか停止状態であるかを認識し、リモコン装置に対して、該端末機器の動作状態と停止状態との切替を指示するHA制御信号を送信する。そして、このように、コントローラは、1個のHA端子に対して2つの状態(動作状態/停止状態)の切替を指示する信号を送信する機能しか持たないため、1個のHA端子により操作が可能な端末機器は1台に限定される。
【0004】
そのため、コントローラを介して、熱源機のリモコン装置により複数台の温水暖房機を操作するために、該複数台分の個数のHA端子を備えた温水暖房システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この場合には、コントローラとリモコン装置の各HA端子間を、複数本の専用ケーブルで接続しなければならず、配線工事の手間がかかるという不都合があった。
【0005】
また、熱源機のリモコン装置に複数個のHA端子を備えることで、リモコン装置のサイズが大きくなると共に、リモコン装置のコストも高くなるという不都合があった。
【特許文献1】特開平10−103684号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記背景を鑑みてなされたものであり、容易な配線工事により設置可能であって、HA制御信号の受信により熱源機に対して複数種類の運転の実行を指示することができるリモコン装置を、コストを抑えて提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、加熱生成した温水の供給を伴う複数種類の運転を実行する熱源機を遠隔操作する熱源機操作手段と、使用者の通信端末機とネットワークを介して通信を行うホームオートメーション(HA)システムのコントローラとケーブルにより接続して、該通信端末機から受信した運転指示信号に応じて該コントローラから送信される、運転指示対象である端末機器の動作状態と停止状態との切換えを指示するHA制御信号を受信すると共に、該端末機器が動作状態であるか停止状態であるかを示すHAモニタ信号を該コントローラに送信するための1個のHA端子とを有する熱源機のリモコン装置に関する。
【0008】
そして、計時手段と、前記複数種類の運転に対して、異なる時間帯を個別に割り当てる時間帯割当手段とを備え、前記熱源機操作手段は、前記計時手段による計時時刻が前記時間帯のいずれかに属しているときに、該計時時刻が属する時間帯が割り当てられた運転が停止中の状態で、前記コントローラから前記HA端子を介して前記HA制御信号を受信したときには、該運転を前記熱源機に実行させることを特徴とする。
【0009】
かかる本発明によれば、前記時間帯割当手段により、前記複数種類の運転に対して異なる時間帯が個別に割り当てられる。そして、前記熱源機操作手段は、前記計時手段による計時時刻が前記時間帯のいずれかに属しているときに、該計時時刻が属する時間帯が割り当てられた運転が停止中の状態で、前記コントローラから前記HA端子を介して前記HA制御信号を受信したときには、該運転を前記熱源機に実行させる。そのため、使用者は、実行させたい運転に対して割り当てられた時間帯内で、前記通信端末機を操作して前記HA制御信号を前記コントローラに送信することにより、複数種類の運転の開始を指示することができる。
【0010】
そして、この場合には、前記リモコン装置には1個のHA端子を備えればよいため、前記複数種類の運転分の複数個のHA端子を備える場合に比べて、前記リモコン装置のコストを下げることができる。また、前記コントローラと前記リモコン装置間の配線を、1個のHA端子について行えばよいため、配線工事の手間を軽減することができる。
【0011】
また、前記計時手段による計時時刻が前記時間帯のいずれかに属しているときに、該計時時刻が属する時間帯が割り当てられた運転が停止中であるときは、該割り当てられた運転を行う前記端末機器が停止状態であることを示す前記HAモニタ信号を前記HA端子を介して前記コントローラに送信し、該運転が実行中であるときには、前記端末機器が動作状態であることを示す前記HAモニタ信号を前記HA端子を介して前記コントローラに送信するモニタ信号送信手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
かかる本発明によれば、前記モニタ信号送信手段から前記コントローラに送信される前記HAモニタ信号は、前記計時手段による計時時刻が属する時間帯が割り当てられた運転の状態(実行中/停止中)を反映したものとなる。そのため、使用者は、監視を希望する運転に割り当てられた時間帯に、前記通信端末機から前記コントローラにアクセスして前記HAモニタ信号の受信状況を確認することで、各運転の実行状態を個別に監視することができる。
【0013】
また、使用者の操作に応じて、前記時間帯を変更する時間帯変更手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
かかる本発明によれば、使用者の生活パターンに応じて、前記複数種類の運転の実行を指示する時間帯を任意に設定することができるため、使用者の使い勝手を良好なものとすることができる。
【0015】
また、前記時間帯割当手段は、12時間以下に設定した単位周期ごとに、該単位周期内で前記複数種類の運転に対して異なる時間帯を個別に割り当てることを特徴とする。
【0016】
かかる本発明によれば、例えば前記単位周期を1時間に設定することで、使用者には、1時間が経過する毎に各運転の実行を指示する機会が与えられる。そのため、ある運転の実行を指示してから他の運転の実行を指示するまでの間隔を短くして、使用者の使い勝手を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の実施の形態について、図1〜図8を参照して説明する。図1は本発明の熱源機のリモコン装置を含む温水供給システムの全体構成図、図2は図1に示したリモコン装置の構成図、図3はリモコン装置における複数種類の運転に対する時間帯の割り当ての態様を示した説明図、図4〜図6は複数種類の運転に対する時間帯の割り当て処理のフローチャート、図7は時間帯により制御及び監視の対象とする運転を切り換える処理のフローチャート、図8は湯張り運転の制御及び監視処理のフローチャートである。
【0018】
図1を参照して、リモコン装置1は熱源機10を遠隔操作するものであり、熱源機10と通信ケーブル30を介して接続されると共に、ホームオートメーション(HA)システムのコントローラであるHAコントローラ40と通信ケーブル43を介して接続されている。
【0019】
熱源機10は、マイクロコンピュータ等により構成される熱源機コントローラ15により全体の作動が制御され、給湯管20aを介して浴槽20やカラン(図示しない)等に湯を供給する給湯機能と、温水循環回路21a,24aを介して温水暖房端末(本実施の形態では、床暖房機21と温水ルームヒータ24)に温水を供給する温水暖房機能とを備えている。また、熱源機10は、通信ケーブル23により床暖房機21と接続され、通信ケーブル26により温水ルームヒータ24と接続されている。
【0020】
床暖房機21は、床面に配置された放熱パネルにより温水から放熱して室内を暖房する床暖房運転を実行し、床暖房運転の開始/停止を指示するための運転スイッチ22aと床暖房運転の実行中に点灯する運転ランプ22bとを有する操作部22を備えている。そして、床暖房運転の停止中に運転スイッチ22aが操作されたときに、床暖房機21は、熱源機10に対して温水の供給を要求する信号を送信して、床暖房運転を実行する。また、床暖房運転の実行中に運転スイッチ22aが操作されたときに、床暖房機21は、熱源機10に対して温水の供給停止を要求する信号を送信して、床暖房運転を停止する。
【0021】
温水ルームヒータ24は、供給される温水により加熱された空気をファン(図示しない)により温風として送出する温風暖房運転を実行し、温風暖房運転の開始/停止を指示する運転スイッチ25aと温風暖房運転の実行中に点灯する運転ランプ25bとを有する操作部25を備えている。そして、温風暖房運転の停止中に運転スイッチ25aが操作されたときに、温水ルームヒータ24は、熱源機10に対して温水の供給を要求する信号を送信して、温風暖房運転を実行する。また、温風暖房運転の実行中に運転スイッチ25aが操作されたときに、温水ルームヒータ24は、熱源機10に対して温水の供給停止を要求する信号を送信して、温風暖房運転を停止する。
【0022】
HAコントローラ40は、コネクタ41により電話回線50と接続され、使用者により操作される通信端末機60(固定電話機、携帯電話機等)から送信される端末機器の運転/停止を指示する信号(運転を指示する信号が本発明の運転指示信号に相当する)を受信する。また、HAコントローラ40は、コネクタ42により通信ケーブル43を介してリモコン装置1のHA端子2と接続されている。
【0023】
ここで、HAコントローラ40は、HA端子2を介して、1台の端末機器の状態(動作状態/停止状態)を監視すると共に該端末機器の動作状態と停止状態の切替えを指示する機能を備えている。具体的には、HAコントローラ40は、リモコン装置1のHA端子2を介して送信されるHAモニタ信号のレベル(Hi/Loの2値レベル)により、端末機器が動作状態(HAモニタ信号がHighレベル)にあるか停止状態(HAモニタ信号がLowレベル)にあるかを監視する。
【0024】
そして、HAコントローラ40は、端末機器が停止状態にあるときに、通信端末機60から電話回線50を介して端末機器の運転を指示する信号を受信したときは、HA制御信号(パルス信号)をリモコン装置1に送信して、端末機器の運転を開始させる。また、端末機器が動作状態にあるときに、通信端末機60から端末機器の停止を指示する信号を受信したときにも、HA制御信号(パルス信号)をリモコン装置1に送信して、端末機器の運転を停止させる。
【0025】
次に、図2を参照して、リモコン装置1は、熱源機10の運転状態等を表示する表示部60、種々の選択操作を行うためのUPスイッチ70とDOWNスイッチ71、追焚き運転の実行を指示するための追焚きスイッチ72、浴槽20に所定量の湯を供給する湯張り運転の実行を指示するための自動スイッチ73、熱源機を運転状態と待機状態とに切替えるための運転スイッチ74、複数種類の運転(湯張り運転、床暖房運転、温風暖房運転)に対して、HA端子2を介して監視/制御する時間帯を個別に割り当てるためのHA選択スイッチ80、スイッチ操作又は熱源機による各種運転の実行がなされない状態が所定時間以上継続したときに表示部60を消灯するセーブモードの設定/解除を切替えるためのセーブスイッチ81、ブザー90の音量を変更するための音量スイッチ82、湯張り運転の予約時刻を設定するためのふろ予約スイッチ83、及び湯張り運転における給湯温度を設定するためのふろ温度スイッチ84を備えている。
【0026】
また、リモコン装置1は、マイクロコンピュータ等により構成されたリモコンコントローラ100を備え、該リモコンコントローラ100によりリモコン装置1全体の作動が制御される。そして、リモコンコントローラ100は、各スイッチの操作に応じて熱源機10の作動を制御する熱源機操作手段101、HA選択スイッチ80とUPスイッチ70及びDOWNスイッチ71の操作に応じて、各運転(湯張り運転、床暖房運転、温風暖房運転)に対して異なる時間帯を個別に割り当てる時間帯割当手段102、各時間帯において、各時間帯が割り当てられた運転が実行中であるときに動作状態を示すHiレベルのHAモニタ信号をHA端子2から送信すると共に、該運転が停止中であるときに停止状態を示すLoレベルのHAモニタ信号をHA端子2を介して送信するモニタ信号送信手段103、熱源機10との間で信号の送受信を行うための熱源機通信回路104、及びHAコントローラ40との間で信号の送受信を行うためのHA通信回路105を備えている。
【0027】
ここで、図3(a)は、各運転(湯張り運転、床暖房運転、温風暖房運転)に対する時間帯を0〜24時の範囲内で割り当てる態様による例を示しており、床暖房運転に対して図中A1(19:00〜19:59)の時間帯が割り当てられ、温風暖房運転に対して図中B1(20:00〜20:59)の時間帯が割り当てられ、湯張り運転に対して図中C1(21:00〜22:59)の時間帯が割り当てられている。なお、以下において、湯張り運転に割り当てられた時間帯を湯張り時間帯、床暖房運転に割り当てられた時間帯を床暖房時間帯、温風暖房運転に割り当てられた時間帯を温風暖房時間帯という。
【0028】
この場合、使用者は、通信端末機60により、床暖房時間帯A1においては床暖房運転の開始/停止の指示と床暖房運転の実行中/停止中の監視をすることができる。また、温風暖房時間帯B1においては温風暖房運転の開始/停止の指示と温風暖房運転の運転中/停止中の監視をすることができ、湯張り時間帯C1においては湯張り運転の開始/停止の指示と湯張り運転の運転中/停止中の監視をすることができる。
【0029】
また、図3(b)は、各運転(湯張り運転、床暖房運転、温風暖房運転)に対して時間帯を1時間を単位周期として0〜60分の範囲内で割り当てる態様による例を示しており、床暖房運転に対して図中A2(20min〜39min)の時間帯が割り当てられ、温風暖房運転に対して図中B2(40min〜59min)の時間帯が割り当てられ、湯張り運転に対して図中C2(0min〜19min)の時間帯が割り当てられている。
【0030】
この場合、使用者は、1時間毎に到来する床暖房時間帯A2において、通信端末機60により床暖房運転の開始/停止の指示と床暖房運転の実行中/停止中の監視をすることができる。同様に、1時間毎に到来する温風暖房時間帯B2においては温風暖房運転の開始/停止の指示と温風暖房運転の実行中/停止中の監視をすることができ、1時間毎に到来する湯張り時間帯C2においては湯張り運転の開始/停止の指示と湯張り運転の実行中/停止中の監視をすることができる。なお、単位周期は1時間に限られず、12時間以下で、2時間、3時間、4時間、6時間等に設定してもよい。
【0031】
次に、図4〜図6に示したフローチャートに従って、時間帯割当手段102(図2参照)により、上述した図3(a)の態様で、湯張り時間帯と床暖房時間帯と温風暖房時間帯を割り当てる具体的な処理について説明する。
【0032】
先ず、図4のSTEP1〜STEP8及びSTEP30,STEP40は、湯張り時間帯を割り当てる処理である。時間帯割当手段102は、図4のSTEP1でHA選択スイッチ80が操作されたときにSTEP2に進む。そして、時間帯割当手段102は、表示部60の運転表示部60aの「HA湯張り」と時計表示部60bを点滅パターン1(0.5秒点灯−0.5秒消灯の繰り返し等)で表示して、使用者に湯張り時間帯の開始時刻の設定モードであることを報知する。
【0033】
なお、図4〜図6の時間帯の割り当てを行う処理が行われていない状態では、表示部60の運転表示部60aは全て点灯状態とされるか、或いは、全て消灯状態とされる。
【0034】
続くSTEP3で、時間帯割当手段102は、HA選択スイッチ80が操作されるまで、STEP30に分岐して、UPスイッチ70及びDOWNスイッチ71の操作に応じて時計表示部60bの時刻表示を進め又は遅らせる。そして、HA選択スイッチ80が操作されたときにSTEP4に進み、時間帯割当手段102は、その時点で時計表示部60bに表示されている時刻を湯張り時間帯の開始時刻として確定する。
【0035】
次のSTEP5で、時間帯割当手段102は、表示部60の運転表示部60aの「HA湯張り」と時計表示部60bを上記点滅パターン1と異なる点滅パターン2(0.2秒点灯−0.2秒消灯の繰り返し等)で表示して、使用者に湯張り時間帯の終了時刻の設定モードであることを報知する。
【0036】
続くSTEP6で、時間帯割当手段102は、HA選択スイッチ80が操作されるまで、STEP40に分岐して、UPスイッチ70及びDOWNスイッチ71の操作に応じて時計表示部60bの時刻表示を進め又は遅らせる。そして、HA選択スイッチ80が操作されたときにSTEP7に進み、時間帯割当手段102は、その時点で時計表示部60bに表示されている時刻を湯張り時間帯の終了時刻として確定する。また、STEP8で、時間帯割当手段102は、表示部60の運転表示部60aの「HA湯張り」と時計表示部60bを点滅表示から点灯表示に切換えて、使用者に湯張り時間帯の割り当てが完了したことを報知する。
【0037】
続く図5のSTEP9〜STEP16とSTEP50,STEP60は、床暖房時間帯を割り当てる処理である。時間帯割当手段102は、STEP9でHA選択スイッチ80が操作されたときにSTEP10に進む。そして、時間帯割当手段102は、表示部60の運転表示部60aの「HA床暖房」と時計表示部60bを前記点滅パターン1で表示して、使用者に床暖房時間帯の開始時刻の設定モードであることを報知する。
【0038】
続くSTEP11で、時間帯割当手段102は、HA選択スイッチ80が操作されるまで、STEP50に分岐して、UPスイッチ70及びDOWNスイッチ71の操作に応じて時計表示部60bの時刻表示を進め又は遅らせる。なお、各運転に対して割り当てられる時間帯が重複しないようにするために、既に割り当てられた湯張り時間帯を飛ばして時刻表示がなされる。
【0039】
そして、HA選択スイッチ80が操作されたときにSTEP12に進み、時間帯割当手段102は、その時点で時計表示部60bに表示されている時刻を床暖房時間帯の開始時刻として確定する。
【0040】
次のSTEP13で、時間帯割当手段102は、表示部60の運転表示部60aの「HA床暖房」と時計表示部60bを上記点滅パターン2で表示して、使用者に床暖房時間帯の終了時刻の設定モードであることを報知する。
【0041】
続くSTEP14で、時間帯割当手段102は、HA選択スイッチ80が操作されるまで、STEP60に分岐して、UPスイッチ70及びDOWNスイッチ71の操作に応じて時計表示部60bの時刻表示を進め又は遅らせる。なお、各運転に対して割り当てられる時間帯が重複しないようにするために、既に割り当てられた湯張り時間帯を飛ばして時刻表示がなされる
そして、HA選択スイッチ80が操作されたときにSTEP15に進み、時間帯割当手段102は、その時点で時計表示部60bに表示されている時刻を床暖房時間帯の終了時刻として確定する。また、STEP16で、時間帯割当手段102は、表示部60の運転表示部60aの「HA床暖房」と時計表示部60bを点滅表示から点灯表示に切換えて、使用者に床暖房時間帯の割り当てが完了したことを報知する。
【0042】
続く図6のSTEP17〜STEP24とSTEP70,STEP80は、温風暖房時間帯を割り当てる処理である。時間帯割当手段102は、STEP17でHA選択スイッチ80が操作されたときにSTEP18に進む。そして、時間帯割当手段102は、表示部60の運転表示部60aの「HAルームヒータ」と時計表示部60bを前記点滅パターン1で表示して、使用者に温風暖房時間帯の開始時刻の設定モードであることを報知する。
【0043】
続くSTEP19で、時間帯割当手段102は、HA選択スイッチ80が操作されるまで、STEP70に分岐して、UPスイッチ70及びDOWNスイッチ71の操作に応じて時計表示部60bの時刻表示を進め又は遅らせる。なお、各運転に対して割り当てられる時間帯が重複しないようにするために、既に割り当てられた湯張り時間帯と床暖房時間帯を飛ばして時刻表示がなされる。
【0044】
そして、HA選択スイッチ80が操作されたときにSTEP20に進み、時間帯割当手段102は、その時点で時計表示部60bに表示されている時刻を温風暖房時間帯の開始時刻として確定する。
【0045】
次のSTEP21で、時間帯割当手段102は、表示部60の運転表示部60aの「HAルームヒータ」と時計表示部60bを上記点滅パターン2で表示して、使用者に温風暖房時間帯の終了時刻の設定モードであることを報知する。
【0046】
続くSTEP22で、時間帯割当手段102は、HA選択スイッチ80が操作されるまで、STEP80に分岐して、UPスイッチ70及びDOWNスイッチ71の操作に応じて時計表示部60bの時刻表示を進め又は遅らせる。なお、各運転に対して割り当てられる時間帯が重複しないようにするために、既に割り当てられた湯張り時間帯と床暖房時間帯を飛ばして時刻表示がなされる。
【0047】
そして、HA選択スイッチ80が操作されたときにSTEP23に進み、時間帯割当手段102は、その時点で時計表示部60bに表示されている時刻を温風暖房時間帯の終了時刻として確定する。また、STEP24で、時間帯割当手段102は、表示部60の運転表示部60aの「HAルームヒータ」と時計表示部60bを点滅表示から点灯表示に切換えて、使用者に温風暖房時間帯が割り当てられたことを報知する。
【0048】
以上説明した図4〜図6の処理により、湯張り時間帯、床暖房時間帯、及び温風暖房時間帯が異なる時間帯に割り当てられる。なお、図3(b)に示した1時間を単位周期として時間帯を割り当てる場合は、図4〜図6のSTEP30,STEP40,STEP50,STEP60,STEP70,STEP80における表示が、0〜60分に限定され、0〜60分の中で各時間帯が割り当てられる。
【0049】
なお、以上説明した図4〜図6の処理により、使用者によるHA選択スイッチ80とUPスイッチ70及びDOWNスイッチ71の操作に応じて、時間帯割当手段102が、湯張り時間帯と床暖房時間帯と温風暖房時間帯を割り当てる構成が、本発明の時間帯割当手段に相当する。
【0050】
次に、図7及び図8に示したフローチャートに従って、熱源機操作手段101による各運転(湯張り運転、床暖房運転、温風暖房運転)の運転開始/停止処理と、モニタ信号送信手段103によるHAモニタ信号の出力処理について説明する。
【0051】
熱源機操作手段101は、図7のSTEP100で計時手段106による計時時刻を取得し、次のSTEP101で、計時時刻が湯張り時間帯に属するか否かを判断する。そして、計時時刻が湯張り時間帯に属するときはSTEP110に分岐して「湯張り対応処理」を実行し、計時時刻が湯張り時間帯に属しないときにはSTEP102に進む。
【0052】
STEP102で、熱源機操作手段101は、計時時刻が床暖房時間帯に属するか否かを判断する。そして、計時時刻が床暖房時間帯に属するときはSTEP120に分岐して「床暖房対応処理」を実行し、計時時刻が床暖房時間帯に属しないときにはSTEP103に進む。
【0053】
STEP103で、熱源機操作手段101は、計時時刻が温風暖房時間帯に属するか否かを判断する。そして、計時時刻が温風暖房時間帯に属するときはSTEP130に分岐して「温風運転対応処理」を実行し、計時時刻が温風暖房時間帯に属しないときにはSTEP100に進む。
【0054】
このように、熱源機操作手段101は、計時手段106による計時時刻が、湯張り時間帯、床暖房時間帯、温風暖房時間帯のうちのいずれに属するかによって、「湯張り対応処理」と「床暖房対応処理」と「温風暖房対応処理」を切換えて実行する。
【0055】
次に、図8に示したフローチャートに従って、「湯張り対応処理」の実行手順について説明する。図8のSTEP150〜STEP151及びSTEP160はモニタ信号送信手段103による処理であり、モニタ信号送信手段103は、STEP150で湯張り運転が停止中であるか否かを判断する。
【0056】
そして、モニタ信号送信手段103は、湯張り運転が停止中であるときはSTEP151に進み、動作状態を示すHighレベルのHAモニタ信号msを、HA通信回路105(図2参照)を介してHAコントローラ40に送信する。一方、湯張り運転が実行中であるときにはSTEP160に進み、モニタ信号送信手段103は、停止状態を示すLowレベルのHAモニタ信号msを、HA通信回路105を介してHAコントローラ40に送信する。
【0057】
これにより、使用者が湯張り時間帯に通信端末機60を操作してHAコントローラ40にアクセスしたときに、HAコントローラ40は、HAモニタ信号に基づいて、湯張り運転が実行中であるか停止中であるかを示すデータを通信端末機60に送信することができる。そして、該データを視認することで、使用者は湯張り運転が実行中であるか停止中であるかを確認することができる。
【0058】
続くSTEP152〜STEP154及びSTEP170は、熱源機操作手段101による処理である。熱源機操作手段101は、STEP152で、HA端子2を介してHAコントローラ40からHA制御信号csを受信したか否かを判断する。そして、HA制御信号csを受信したときはSTEP153に進む。一方、HA制御信号csを受信しなかったときにはSTEP156に進んで「湯張り対応処理」を終了する。
【0059】
STEP153で、熱源機操作手段101は、湯張り運転が停止中であるか否かを判断する。そして、湯張り運転が停止中であったときはSTEP154に進み、熱源機通信回路104(図2参照)を介して熱源機10に湯張り運転の開始を指示する信号を送信する。これにより、熱源機10により湯張り運転が開始される。また、次のSTEP155で、モニタ信号送信手段103により、動作状態を示すHighレベルのHAモニタ信号がHAコントローラ40に送信される。
【0060】
一方、湯張り運転が停止中でなかったとき、すなわち湯張り運転が実行中であったときにはSTEP170に分岐し、熱源機操作手段101は、熱源機通信回路104を介して熱源機10に湯張り運転の停止を指示する信号を送信する。これにより、熱源機10により実行されていた湯張り運転が停止する。また、次のSTEP171で、モニタ信号送信手段103により、停止状態を示すLowレベルのHAモニタ信号がHAコントローラ40に送信される。
【0061】
STEP152〜STEP154及びSTEP170の処理により、使用者は、湯張り時間帯に通信端末機60を操作して端末機器の運転/停止を指示する信号をHAコントローラ40に送信することによって、湯張り運転の開始と停止を指示することができる。
【0062】
なお、「床暖房対応処理」と「温風暖房対応処理」については、図8に示した「湯張り対応処理」と同様であるので説明を省略するが、「床暖房対応処理」においては、HA制御信号の受信により熱源機10に対して床暖房運転の開始又は停止の指示がなされ、床暖房運転の運転/停止の状態に応じてHAモニタ信号の出力レベルが切換わる。同様に、「温風暖房対応処理」においては、HA制御信号の受信により熱源機10に対して温風暖房運転の開始と停止の指示がなされ、温風暖房運転の運転/停止の状態に応じてHAモニタ信号の出力レベルが切換わる。
【0063】
そのため、使用者は、湯張り時間帯においては湯張り運転の開始/停止の指示と湯張り運転の実行中/停止中の監視をすることができ、床暖房時間帯においては床暖房運転の開始/停止の指示と床暖房運転の実行中/停止中の監視をすることができ、温風暖房時間帯においては温風暖房運転の開始/停止の指示と温風暖房運転の実行中/停止中の監視をすることができる。
【0064】
そして、これらの運転の開始/停止の指示と実行中の停止中の監視を、リモコン装置1に備えた1個のHA端子2を介して行うことができるため、各運転に対して個別にHA端子を備える場合に対して、リモコン装置1のコストダウンと小型化を図ることができる。
【0065】
なお、本実施の形態では、複数種類の運転に対して時間帯を割り当てる態様として、図3(a)に示した0〜24時の範囲で時間帯を割り当てる態様と、図3(b)に示した0〜60minの範囲で時間帯を割り当てる態様とを示したが、時間帯を割り当てる態様はこれらに限られず、例えば30分を単位周期として時間帯を割り当てる等、多様な態様で各運転に時間帯を割り当てて本発明を実施することができる。
【0066】
また、本実施の形態では、本発明の温水の供給を伴う複数種類の運転として、湯張り運転と床暖房運転と温風暖房運転を示したが、温水の供給を伴うものであれば、他の種類の運転に対しても本発明の適用が可能である。
【0067】
また、本実施の形態では、HA選択スイッチ80とUPスイッチ70及びDOWNスイッチ71の操作により、湯張り時間帯と床暖房時間帯と温風暖房時間帯を設定、変更できるようにしたが、これらの時間帯を予め設定した固定時間としてもよい。
【0068】
また、本実施の形態では、いずれかの運転が割り当てられた時間帯に、HA制御信号を受信したときに、該時間帯が割り当てられた運転が実行中であったときには、該運転を停止するようにしたが、該HA制御信号を受信しても該運転を継続するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の熱源機のリモコン装置が使用された温水供給システムの全体構成図。
【図2】図1に示したリモコン装置の構成図。
【図3】リモコン装置における複数種類の運転に対する時間帯の割り当ての態様を示した説明図。
【図4】複数種類の運転に対する時間帯の割り当て処理のフローチャート。
【図5】複数種類の運転に対する時間帯の割り当て処理のフローチャート。
【図6】複数種類の運転に対する時間帯の割り当て処理のフローチャート。
【図7】時間帯により制御及び監視の対象とする運転を切換える処理のフローチャート。
【図8】湯張り運転の制御及び監視処理のフローチャート。
【符号の説明】
【0070】
1…リモコン装置、2…HA端子、10…熱源機、20…浴槽、21…床暖房機、24…温水ルームヒータ、40…HAコントローラ、50…電話回線、60…通信端末機、100…リモコンコントローラ、101…熱源機操作手段、102…時間帯割当手段、103…モニタ信号送信手段、104…熱源機通信回路、105…HA通信回路、106…計時手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱生成した温水の供給を伴う複数種類の運転を実行する熱源機を遠隔操作する熱源機操作手段と、使用者の通信端末機とネットワークを介して通信を行うホームオートメーション(HA)システムのコントローラとケーブルにより接続して、該通信端末機から受信した運転指示信号に応じて該コントローラから送信される、運転指示対象である端末機器の動作状態と停止状態との切換えを指示するHA制御信号を受信すると共に、該端末機器が動作状態であるか停止状態であるかを示すHAモニタ信号を該コントローラに送信するための1個のHA端子とを有する熱源機のリモコン装置であって、
計時手段と、
前記複数種類の運転に対して、異なる時間帯を個別に割り当てる時間帯割当手段とを備え、
前記熱源機操作手段は、前記計時手段による計時時刻が前記時間帯のいずれかに属しているときに、該計時時刻が属する時間帯が割り当てられた運転が停止中の状態で、前記コントローラから前記HA端子を介して前記HA制御信号を受信したときには、該運転を前記熱源機に実行させることを特徴とする熱源機のリモコン装置。
【請求項2】
前記計時手段による計時時刻が前記時間帯のいずれかに属しているときに、該計時時刻が属する時間帯が割り当てられた運転が停止中であるときは、前記端末機器が停止状態であることを示す前記HAモニタ信号を前記HA端子を介して前記コントローラに送信し、該運転が実行中であるときには、前記端末機器が動作状態であることを示す前記HAモニタ信号を前記HA端子を介して前記コントローラに送信するモニタ信号送信手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の熱源機のリモコン装置。
【請求項3】
使用者の操作に応じて、前記時間帯を変更する時間帯変更手段を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の熱源機のリモコン装置。
【請求項4】
前記時間帯割当手段は、12時間以下に設定した単位周期ごとに、該単位周期内で前記複数種類の運転に対して異なる時間帯を個別に割り当てることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか1項記載の熱源機のリモコン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−128501(P2008−128501A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−310573(P2006−310573)
【出願日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(000115854)リンナイ株式会社 (1,534)
【Fターム(参考)】