説明

熱電変換モジュール及び熱電変換装置

【課題】 放熱性を向上した熱電変換モジュール及び熱電変換装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 この熱電変換モジュール(10)は、電気エネルギーにより熱を移動させる第1の熱電素子(15a及び16a,15b及び16b)又は熱エネルギーを電気エネルギーに変換する第2の熱電素子が配置される基板(11)と、前記第1又は第2の熱電素子上に配置される熱交換部材(19)とを有し、前記基板(11)は、放熱構造(21a,21b)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱電効果を利用した熱電素子を有する熱電変換モジュール及び熱電変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、トムソン効果、ペルチェ効果、ゼーベック効果等の熱電効果を利用して熱エネルギーと電気エネルギーを相互に変換する冷却モジュールや発電モジュール等の熱電変換モジュールが知られている。このような熱電変換モジュールは、例えば、半導体基板上に一対の熱電素子としてP型半導体とN型半導体とを設けることで実現することができる。又、熱電変換モジュールには、熱電変換モジュールの熱を外部に放熱するためのヒートシングが設けられている場合がある(例えば、特許文献1、2参照)。
【特許文献1】特開2004−228485号公報
【特許文献2】特開2008−218513号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の熱電変換モジュールにおいては、熱電変換モジュール自体の放熱に対する考慮が十分になされていなかったため、放熱性が悪いという問題があった。
【0004】
又、従来の熱変換モジュールは、放熱性の向上を目的にヒートシンク等の放熱部材が必要で、携帯電話等の小型又は薄型化を要望する移動体装置には対応できなかった。
【0005】
上記の点に鑑みて、放熱性を向上した熱電変換モジュール及び熱電変換装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この熱電変換モジュール(10)は、電気エネルギーにより熱を移動させる第1の熱電素子(15a及び16a,15b及び16b)又は熱エネルギーを電気エネルギーに変換する第2の熱電素子が配置される基板(11)と、前記第1又は第2の熱電素子上に配置される熱交換部材(19)とを有し、前記基板(11)は、放熱構造(21a,21b)を有する。
【0007】
又、この熱電変換モジュール(30)は、電気エネルギーにより熱を移動させる第1の熱電素子(15a及び16a,15b及び16b)又は熱エネルギーを電気エネルギーに変換する第2の熱電素子が配置される基板(31)と、前記第1又は第2の熱電素子上に配置される熱交換部材(19)とを有し、前記基板(31)の前記第1又は第2の熱電素子が設けられている面側と反対の面側に電極(14a,14b)が形成され、前記電極(14a,14b)は、前記基板(31)を貫通するスルーホール(31X)を介して前記第1又は第2の熱電素子と電気的に接続されている。
【0008】
又、この熱電変換モジュール(50)は、電気エネルギーにより熱を移動させる第1の熱電素子(15a及び16a,15b及び16b)又は熱エネルギーを電気エネルギーに変換する第2の熱電素子が配置される基板(31)と、前記第1又は第2の熱電素子上に配置される熱交換部材(19)とを有し、前記基板(31)の側面に溝が形成されており、前記溝には、前記第1又は第2の熱電素子と電気的に接続された導電体(13)が形成されている。
【0009】
又、この熱電変換モジュール(60)は、電気エネルギーにより熱を移動させる第1の熱電素子(15a及び16a,15b及び16b)と、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する第2の熱電素子(65a及び66a,65b及び66b,65c及び66c,65d及び66d,65e及び66e,65f及び66f,65g及び66g,65h及び66h,65i及び66i)が、基板(11)と熱交換部材(19)に挟まれて配置されている。
【0010】
又、この熱電変換装置は、第1導電型半導体及び第2導電型半導体から構成され電気エネルギーにより熱を移動させる第1の熱電素子(15a及び16a,15b及び16b)、及び、第1導電型半導体及び第2導電型半導体から構成され熱エネルギーを電気エネルギーに変換する第2の熱電素子(65a及び66a,65b及び66b,65c及び66c,65d及び66d,65e及び66e,65f及び66f,65g及び66g,65h及び66h,65i及び66i)が、基板(11)と熱交換部材(19)に挟まれて配置されている熱電変換モジュール(60)と、前記第1の熱電素子(15a及び16a,15b及び16b)に、前記第1導電型半導体の電位が前記第2導電型半導体の電位よりも高くなるように電圧を印加する電源(25)と、前記第2の熱電素子(65a及び66a,65b及び66b,65c及び66c,65d及び66d,65e及び66e,65f及び66f,65g及び66g,65h及び66h,65i及び66i)に接続される負荷(71)とを有する。
【0011】
又、この熱電変換装置(70)は、第1導電型半導体及び第2導電型半導体から構成され電気エネルギーにより熱を移動させる第1の熱電素子(15a及び16a,15b及び16b)、及び、第1導電型半導体及び第2導電型半導体から構成され熱エネルギーを電気エネルギーに変換する第2の熱電素子(65a及び66a,65b及び66b,65c及び66c,65d及び66d,65e及び66e,65f及び66f,65g及び66g,65h及び66h,65i及び66i)が、基板(11)と熱交換部材(19)に挟まれて配置されている熱電変換モジュール(60)と、前記第1の熱電素子(15a及び16a,15b及び16b)に、前記第1導電型半導体の電位が前記第2導電型半導体の電位よりも高くなるように電圧を印加する可変電源(73)と、前記第2の熱電素子(65a及び66a,65b及び66b,65c及び66c,65d及び66d,65e及び66e,65f及び66f,65g及び66g,65h及び66h,65i及び66i)に接続される負荷(71)と、前記第2の熱電素子(65a及び66a,65b及び66b,65c及び66c,65d及び66d,65e及び66e,65f及び66f,65g及び66g,65h及び66h,65i及び66i)から出力される電流又は電圧を検知する検知部(72)と、前記検知部(72)の検知結果に基いて、前記第1の熱電素子(15a及び16a,15b及び16b)の前記熱交換部材(19)側の温度(Tc)を算出し、前記温度(Tc)が所定の温度になるように前記可変電源(73)の電圧を制御する制御部(74)と、を有する。
【0012】
なお、上記括弧内の参照符号は、理解を容易にするために付したものであり、一例にすぎず、図示の態様に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0013】
開示の技術によれば、放熱性を向上した熱電変換モジュール及び熱電変換装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
【0015】
〈第1の実施の形態〉
[本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュールの構造]
始めに、本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュールの構造について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュールを例示する斜視図(その1)である。図2は、本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュールを例示する斜視図(その2)である。図3は、本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュールを例示する断面図である。なお、図3は、図1及び図2において後述する電極14a及び14bを通るXZ平面に平行な断面を示している。
【0016】
図1〜図3を参照するに、熱電変換モジュール10は、基板11と、第1配線パターン13と、電極14a及び14bと、P型半導体15a及び15bと、N型半導体16a及び16bと、第2絶縁層17と、第2配線パターン18と、基板19とを有する。なお、図1において、第2絶縁層17は、構造をわかりやすくするために、便宜上透明に描かれている。P型半導体15a及びN型半導体16a並びにP型半導体15b及びN型半導体16bの配置に関しては、後述する図11を参照のこと。
【0017】
熱電変換モジュール10において、基板11の一方の面(後述する第1絶縁層12側の面)には、第1配線パターン13が形成されている。基板11については後述する。第1配線パターン13の材料としては、例えばCu等を用いることができる。第1配線パターン13の厚さは、例えば0.2μmとすることができる。第1配線パターン13上には、電極14a及び14bが形成されている。電極14a及び14bの材料としては、例えばCu等を用いることができる。電極14a及び14bの厚さは、例えば10μmとすることができる。
【0018】
又、第1配線パターン13上には、P型半導体15a及びN型半導体16a並びにP型半導体15b及びN型半導体16bが形成されている。第1絶縁層12及び第1配線パターン13上の電極14a及び14b、P型半導体15a及びN型半導体16a並びにP型半導体15b及びN型半導体16bを除く部分には、第2絶縁層17が形成されている。第2絶縁層17は、例えばシリコン酸化膜(SiO)とすることができる。第2絶縁層17の厚さは、例えば10.2μmとすることができる。電極14a及び14bの上面、P型半導体15a及びN型半導体16a並びにP型半導体15b及びN型半導体16bの上面は、第2絶縁層17から露出している。
【0019】
P型半導体15a及びN型半導体16aは、一対の熱電素子を構成している。一対の熱電素子であるP型半導体15a及びN型半導体16aは、N型半導体16aの電位をP型半導体15aの電位よりも高くしてN型半導体16a側からP型半導体15a側に電流を流すことにより、熱電効果を利用して電気エネルギーにより熱を移動させる熱電素子(ペルチェ素子)として機能する。すなわち、一対の熱電素子であるP型半導体15a及びN型半導体16aは、発熱体を冷却する機能を有する。P型半導体15b及びN型半導体16bも一対の熱電素子を構成しており、一対の熱電素子であるP型半導体15a及びN型半導体16aと同様の機能を有する。
【0020】
P型半導体15aの下面は、第1配線パターン13により、電極14aと電気的に接続されている。N型半導体16bの下面は、第1配線パターン13により、電極14bと電気的に接続されている。P型半導体15bの下面は、第1配線パターン13により、N型半導体16aの下面と電気的に接続されている。P型半導体15a及び15bの材料としては、例えばBi0.5TeSb1.5等を用いることができる。N型半導体16a及び16bの材料としては、例えばBiTe2.7Se0.3等を用いることができる。P型半導体15a及びN型半導体16a並びにP型半導体15b及びN型半導体16bのそれぞれの厚さは、例えば10μmとすることができる。
【0021】
P型半導体15a及びN型半導体16a並びにP型半導体15b及びN型半導体16b上には、第2配線パターン18が形成されている。P型半導体15aの上面は、第2配線パターン18により、P型半導体15aとY方向に隣接して配置されるN型半導体16aの上面と電気的に接続されている。N型半導体16bの上面は、第2配線パターン18により、N型半導体16bとY方向に隣接して配置されるP型半導体15bの上面と電気的に接続されている。第2配線パターン18の材料としては、例えばCu等を用いることができる。第2配線パターン18の厚さは、例えば0.2μmとすることができる。
【0022】
このように、一対の熱電素子であるP型半導体15a及びN型半導体16aと、一対の熱電素子P型半導体15b及びN型半導体16bとは、第1配線パターン13及び第2配線パターン18により直列に接続されている。前述のように、一対の熱電素子であるP型半導体15a及びN型半導体16a、一対の熱電素子であるP型半導体15b及びN型半導体16bは、それぞれ発熱体を冷却する機能を有するが、これらを直列に接続した場合にも同様の機能を有する。本実施例では、一対のP型半導体及びN型半導体を2組直列に接続しているが、1組のみで用いても構わないし、3組以上直列に接続しても構わない。
【0023】
熱電素子による吸熱量は、熱電素子の面積によって決定されるので、熱電素子である一対のP型半導体及びN型半導体を1組のみで用いた場合と、2組以上直列に接続して用いた場合とで、熱電素子の面積が同一であれば吸熱量は変わらない。又、吸熱に必要な電力も変わらない。しかしながら、熱電素子である一対のP型半導体及びN型半導体を直列に接続する組数を増やすことにより、吸熱に必要な電圧は上昇し、電流は下降する(電力は一定)。従って、例えば電源の仕様に合わせた電圧で動作するように、熱電素子である一対のP型半導体及びN型半導体を直列に接続する組数を決定すればよい。
【0024】
なお、P型半導体又はN型半導体の何れか一方を指して第1導電型半導体という場合があるが、この場合に第2導電型半導体は第1導電型半導体と反対の導電型を指す。
【0025】
第2配線パターン18上には、熱交換部材である基板19が形成されている。基板19の材料としては、例えばシリコン等を用いることができる。基板19の厚さtは、例えば0.15mmとすることができる。基板19の幅Wは、例えば0.75mmとすることができる。基板19の奥行きDは、例えば0.55mmとすることができる。
【0026】
基板11は、例えば所謂SOI(Silicon On Insulator)基板の一方の面に第1絶縁層12が形成されたものである。第1絶縁層12は、例えばシリコン熱酸化膜(SiO)とすることができる。第1絶縁層12の厚さは、例えば1μmとすることができる。所謂SOI(Silicon On Insulator)基板は、シリコン基板21上に第3絶縁層22及びシリコン活性層23が積層された構造を有する。
【0027】
基板11の厚さtは、例えば0.25mmとすることができる。基板11の幅Wは、例えば2mmとすることができる。基板11の奥行きDは、例えば1mmとすることができる。シリコン基板21の平面視において基板19と重複する部分の近傍には、放熱機構21aが形成されている。放熱機構21aは、複数の突起部21bを有する。突起部21bの厚さtは、例えば0.15mmとすることができる。突起部21bの幅Wは、例えば0.1mmとすることができる。突起部21bの奥行きDは、例えば0.1mmとすることができる。突起部21bのピッチPは、例えば0.2mmとすることができる。以上が、本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュール10の構造である。
【0028】
[本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュールの製造方法]
続いて、本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュールの製造方法について説明する。図4〜図16は、本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュールの製造工程を例示する図である。図4〜図16において、図1〜図3に示す熱電変換モジュール10と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。図4〜図16を参照しながら、本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュール10の製造方法について説明する。なお、本発明の第1の実施の形態では、後述する基板20として所謂SOI(Silicon On Insulator)基板を用いる例を示すが、基板20は所謂SOI(Silicon On Insulator)基板に限定されることはない。
【0029】
始めに、図4及び図5に示す工程では、シリコン活性層23が第3絶縁層22を挟んでシリコン基板21上に形成されている所謂SOI(Silicon On Insulator)基板である基板20を準備する。図4は基板20を例示する平面図であり、図5は基板20を例示する断面図である。基板20は、熱電変換モジュール10を形成する複数の領域A(以下、「熱電変換モジュール形成領域A」とする)と、複数の熱電変換モジュール形成領域Aを分離する領域B(以下、「ダイシング領域B」とする)とを有する。ダイシング領域B内のCは、ダイシングブレード等が基板20を切断する位置(以下、「基板切断位置C」とする)を示している。図4及び図5に示す基板20は、一方の面に第1絶縁層12が形成されて後述する基板11Aとなり、その後基板切断位置Cにおいて切断されることにより、先に説明した基板11(図1〜図3参照)となる基板である。
【0030】
基板20において、第3絶縁層22は、シリコン酸化膜(SiO)であり、その厚さは、例えば0.5μmとすることができる。所謂SOI(Silicon On Insulator)基板は、シリコン単結晶ウエーハ(シリコン活性層23及びシリコン基板21)の一方の表面から酸素イオンを注入して酸素イオン注入層を形成し、その後、熱処理にて酸素イオン注入層をシリコン酸化膜(第3絶縁層22)に変質させることで作製することができる。又、シリコン単結晶ウエーハ(シリコン活性層23)に熱酸化等の方法でシリコン酸化膜(第3絶縁層22)を形成し、シリコン単結晶ウエーハ(シリコン活性層23)をシリコン酸化膜(第3絶縁層22)を介して別途用意したベースウエーハ(シリコン基板21)上に貼り付けることで作製しても構わない。
【0031】
次いで、図6に示す工程では、基板20の一方の面(シリコン活性層23側の面)に、第1絶縁層12を形成し、基板11Aを作製する。
【0032】
第1絶縁層12の厚さは、例えば0.5μmとすることができる。第1絶縁層12は、例えばシリコン酸化膜(SiO)とすることができる。第1絶縁層12がシリコン酸化膜(SiO)である場合に、第1絶縁層12は、例えばシリコンからなるシリコン活性層23の上面を熱酸化することで形成することができる。又、第1絶縁層12は、シリコン活性層23の上面に、例えばCVD法によりシリコン酸化膜(SiO)を堆積させることで形成しても構わない。
【0033】
次いで、図7に示す工程では、シリコン基板21に、放熱機構21aを形成する。放熱機構21aは、シリコン基板21の平面視において後述する基板19と重複する部分の近傍に形成する。放熱機構21aは、シリコン基板21に複数の突起部21bを形成したものである。複数の突起部21bは、例えばMEMS技術であるディープRIE(Reactive Ion Etching)によるボッシュプロセスを用いて形成することができる。
【0034】
ディープRIEはドライエッチングの一種であり、ボッシュプロセスはプラズマ雰囲気中にSFとCとを交互に数秒〜数十秒の間隔で切り替えて供給して、異方性プラズマエッチングを行うプロセスである。ディープRIEの際に、第3絶縁層22がエッチングストップ層として機能するため、複数の突起部21bは、シリコン基板21の第3絶縁層22の一方側のみに形成される。突起部21bの厚さtは、例えば0.24mmとすることができる。突起部21bの幅Wは、例えば0.1mmとすることができる。突起部21bの奥行きD(図示せず)は、例えば0.1mmとすることができる。突起部21bのピッチPは、例えば0.2mmとすることができる。
【0035】
次いで、図8及び図9に示す工程では、基板11Aの第1絶縁層12上に第1配線パターン13を形成する。図8は平面図であり、図9は図8のD−D線に沿う断面図である。第1配線パターン13は、例えば以下に示すように形成する。始めに、第1絶縁層12上にスパッタ法等によりCu等からなる第1金属層を形成する。第1金属層として、例えばCu層及びTi層からなる積層体等を用いても構わない。次いで、第1金属層上に、例えば第1金属層を給電層として、電解めっき法によりCu等からなる第2金属層を形成する。次いで、第2金属層の上面にレジスト膜を塗布後、レジスト膜をフォトリソグラフィ法により露光、現像し、第2金属層上の第1配線パターン13の形成領域に対応する部分のみにレジスト膜を形成する。次いで、レジスト膜をマスクとして第1金属層及び第2金属層をエッチングし、レジスト膜が形成されていない部分の第1金属層及び第2金属層を除去する。その後、レジスト膜を除去する。これにより、第1金属層及び第2金属層からなる第1配線パターン13が形成される。第1配線パターン13の厚さは、例えば0.2μmとすることができる。
【0036】
次いで、図10に示す工程では、第1配線パターン13上に電極14a及び14bを形成する。電極14a及び14bは、例えば以下に示すように形成する。始めに、第1配線パターン13を覆うように第1絶縁層12上にレジスト膜を塗布し、レジスト膜をフォトリソグラフィ法により露光、現像し、電極14a及び14bの形成領域に対応する部分に第1配線パターン13を露出するように開口部を形成する。そして、例えば第1配線パターン13を給電層として、電解めっき法によりCu等からなる電極14a及び14bを形成する。その後、レジスト膜を除去する。これにより、第1配線パターン13上に電極14a及び14bが形成される。電極14a及び14bの厚さは、例えば10μmとすることができる。電極14a及び14bの表面に、Auめっき等を施しても構わない。
【0037】
次いで、図11及び図12に示す工程では、第1配線パターン13上にP型半導体15a及びN型半導体16a並びにP型半導体15b及びN型半導体16bを形成する。図11は平面図であり、図12は図11のD−D線に沿う断面図である。P型半導体15a及びN型半導体16a並びにP型半導体15b及びN型半導体16bは、例えば以下に示すように形成する。始めに、第1配線パターン13並びに電極14a及び14bを覆うように第1絶縁層12上にレジスト膜を塗布し、レジスト膜をフォトリソグラフィ法により露光、現像し、P型半導体15a及び15bの形成領域に対応する部分に第1配線パターン13を露出するように開口部を形成する。そして、例えばスパッタ法等によりレジスト膜の開口部にP型半導体15a及び15bを形成する。
【0038】
その後、P型半導体15a及び15bを覆うようにレジスト膜を塗布し、レジスト膜をフォトリソグラフィ法により露光、現像し、N型半導体16a及び16bの形成領域に対応する部分に第1配線パターン13を露出するように開口部を形成する。そして、例えばスパッタ法等によりレジスト膜の開口部にN型半導体16a及び16bを形成する。その後、レジスト膜を除去する。これにより、第1配線パターン13上にP型半導体15a及びN型半導体16a並びにP型半導体15b及びN型半導体16bが形成される。なお、スパッタ法に代えて、真空蒸着法、イオンプレーティング法等を用いても構わない。
【0039】
図11及び図12に示す工程により、P型半導体15aの下面は、第1配線パターン13により、電極14aと電気的に接続される。N型半導体16bの下面は、第1配線パターン13により、電極14bと電気的に接続される。P型半導体15bの下面は、第1配線パターン13により、N型半導体16aの下面と電気的に接続される。P型半導体15a及び15bの材料としては、例えばBi0.5TeSb1.5等を用いることができる。N型半導体16a及び16bの材料としては、例えばBiTe2.7Se0.3等を用いることができる。P型半導体15a及び15b並びにN型半導体16a及び16bのそれぞれの厚さは、例えば10μmとすることができる。
【0040】
次いで、図13及び図14に示す工程では、P型半導体15a及びN型半導体16a並びにP型半導体15b及びN型半導体16b上に、第2配線パターン18を形成する。図13は平面図であり、図14は図13のD−D線に沿う断面図である。第2配線パターン18は、例えば以下に示すように形成する。始めに、第1配線パターン13、電極14a及び14b、P型半導体15a及び15b並びにN型半導体16a及び16bを覆うように、第1絶縁層12上に第2絶縁層17を形成する。第2絶縁層17は、例えばシリコン酸化膜(SiO)とすることができる。その後、CMP法等により第2絶縁層17の上面を研磨し、電極14a及び14bの上面、P型半導体15a及び15b並びにN型半導体16a及び16bの上面を露出させる。そして、露出したP型半導体15a及び15b並びにN型半導体16a及び16b上に第2配線パターン18を形成する。
【0041】
第2配線パターン18は、第1配線パターン13と同様の方法で形成できるため、その説明は省略する。第2配線パターン18の材料としては、例えばCu等を用いることができる。第2配線パターン18の厚さは、例えば0.2μmとすることができる。P型半導体15aの上面は、第2配線パターン18により、P型半導体15aとY方向に隣接して配置されるN型半導体16aの上面と電気的に接続される。N型半導体16bの上面は、第2配線パターン18により、N型半導体16bとY方向に隣接して配置されるP型半導体15bの上面と電気的に接続される。
【0042】
次いで、図15及び図16に示す工程では、第2配線パターン18上に、基板19を形成する。図15は平面図であり、図16は図15のD−D線に沿う断面図である。基板19は、例えば常温接合により、第2配線パターン18上に形成する。常温接合とは、第2配線パターン18と基板19との接触する面を平坦化して表面に原子を露出させ、原子間力により接合する方法である。なお、第2配線パターン18と基板19とを常温接合する場合には、第2配線パターン18と基板19のそれぞれの材料として、常温接合に対して相性のよい材料を選択することが好ましい。基板19の材料としては、例えばシリコン等を用いることができる。基板19の厚さは、例えば0.15mmとすることができる。
【0043】
次いで、ダイシング領域Bに対応する基板11A等を、ダイシングブレード等により、基板切断位置Cに沿って切断することで、複数の熱電変換モジュール10が製造される。以上が、本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュール10の製造方法である。
【0044】
[本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュールの動作]
続いて、本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュールの動作について説明する。
【0045】
図17は、本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュールの動作を説明するための回路図である。図17において、図1〜図3に示す熱電変換モジュール10と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0046】
図17に示すように、熱電変換モジュール10の電極14aをボンディングワイヤ等により外部電源25のマイナス側と接続する。又、熱電変換モジュール10の電極14bをボンディングワイヤ等により外部電源25のプラス側と接続する。そして、例えば、熱電変換モジュール10を、基板19の面19aが発熱体(図示せず)と接触するように配置する。このようにすることで、熱電素子(ペルチェ素子)であるP型半導体15a及び15b並びにN型半導体16a及び16bは、発熱体(図示せず)が発生する熱を基板19側から基板11側に移動させて廃熱するように機能する。すなわち、熱電変換モジュール10は、発熱体(図示せず)と接触するように配置することにより、発熱体(図示せず)を冷却する機能を有する。
【0047】
より詳しく説明すると、図17において、電流Iは、電極14b側から、第1配線パターン13、N型半導体16b、第2配線パターン18、P型半導体15b、第1配線パターン13、N型半導体16a、第2配線パターン18、P型半導体15a、第1配線パターン13を経由して電極14a側に流れる。
【0048】
このとき、エネルギーは電子と共に電流Iとは逆の方向に移動する。N型半導体16a及び16bでは、電子が第2配線パターン18側から第1配線パターン13側に移動するため、第2配線パターン18側でエネルギーが不足し、第2配線パターン18側の温度を下げる。反対に、第1配線パターン13側では電子が奪ったエネルギーを放出して温度が上がる。
【0049】
一方、エネルギーは正孔と共に電流Iと同じ方向に移動する。P型半導体15a及び15bでは、正孔が第2配線パターン18側から第1配線パターン13側に移動するため、第2配線パターン18側でエネルギーが不足し、第2配線パターン18側の温度を下げる。反対に、第1配線パターン13側では正孔が奪ったエネルギーを放出して温度が上がる。第2配線パターン18側は、基板19側であるため、基板19の面19aと接触する発熱体(図示せず)は冷却される。
【0050】
熱電変換モジュール10が発熱体(図示せず)を冷却する際の冷却能力は、一対の熱電素子(ペルチェ素子)であるP型半導体15a及びN型半導体16a並びに一対の熱電素子(ペルチェ素子)であるP型半導体15b及びN型半導体16b(以下、冷却素子群αという場合がある)の性能、冷却素子群αの構成(一対のP型半導体及びN型半導体を何組直列に接続するか等)、冷却素子群αの面積、外部電源25から冷却素子群αに投入する電力によって決定される。
【0051】
ここで、冷却素子群αが、基板19側で吸収する熱量(吸熱量)をQe、基板11側で廃熱する熱量(発熱量)をQr、外部電源25から電極14a及び14bを介して冷却素子群αに印加する電圧をV、そのときに冷却素子群αに流れる電流をIとすると、Qe=Qr+VI(式1)の関係が成立する。すなわち、基板11側で廃熱する熱量(発熱量)Qrは、基板19側で吸収する熱量(吸熱量)Qeと、冷却に必要な電力VIにより発生する熱量の和になる。
【0052】
例えば、熱電変換モジュール10の基板11に放熱機構21aが形成されていないとすると、廃熱する側(基板11側)の放熱性が悪く、基板11内に熱がこもり、冷却素子群αの冷却能力を十分に発揮することはできない。
【0053】
本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュール10では、基板11に放熱機構21aが形成されているため、廃熱する側(基板11側)の熱は放熱機構21aにより放熱される。その結果、冷却素子群αの性能、冷却素子群αの構成、冷却素子群αの面積、外部電源25から冷却素子群αに投入する電力等を変えることなく、冷却素子群αの冷却能力を向上することができる。
【0054】
又、本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュール10では、基板11に放熱機構21aが形成されているため、基板11に別部品による放熱機構(金属製のヒートシンク等)を設ける必要はない。別部品による放熱機構は、あくまでも基板11を介しての放熱になるため、大幅な放熱性の向上は見込めない。本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュール10では、基板11に放熱機構21aが形成されているため、発熱部の直下から放熱させることが可能となり、従来の熱電変換モジュールと比べて大幅に放熱性を向上することができる。
【0055】
又、本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュール10では、基板11に放熱機構21aが形成されているため、基板11に別部品による放熱機構(金属製のヒートシンク等)を設けるための費用を低減することができる。
【0056】
又、本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュール10では、基板11に放熱機構21aが形成されているため、基板11に別部品による放熱機構(金属製のヒートシンク等)を設ける必要がなく、熱電変換モジュール10の小型化(薄型化)を図ることができる。
【0057】
なお、本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュール10では、基板20に所謂SOI基板を用いる例を示した。基板19には熱伝導率の高い材料を用いることが好ましいが、基板19の材料として基板20の材料と熱膨張係数が大きく異なる材料を選択すると、熱電変換モジュール10に生じる熱勾配に起因してひずみ等が発生し、熱電変換モジュール10にダメージを与える虞がある。そこで、基板19の材料としては、基板20の材料と熱膨張係数の近しい材料(例えば、シリコン等)を選択することが好ましい。
【0058】
〈第2の実施の形態〉
[本発明の第2の実施の形態に係る熱電変換モジュールの構造]
始めに、本発明の第2の実施の形態に係る熱電変換モジュールの構造について説明する。図18は、本発明の第2の実施の形態に係る熱電変換モジュールを例示する斜視図(その1)である。図19は、本発明の第2の実施の形態に係る熱電変換モジュールを例示する斜視図(その2)である。図20は、本発明の第2の実施の形態に係る熱電変換モジュールを例示する断面図である。なお、図20は、図18及び図19において後述する電極14a及び14bを通るXZ平面に平行な断面を示している。なお、図18において、第2絶縁層17は、構造をわかりやすくするために、便宜上透明に描かれている。
【0059】
図18〜図20において、図1〜図3に示す熱電変換モジュール10と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。図18〜図20を参照するに、本発明の第2の実施の形態に係る熱電変換モジュール30は、以下の第1から第5の点で本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュール10と異なる。
【0060】
第1に、基板11が、小型化された基板31に置換されている。第2に、第1絶縁層12が、基板31の上下面及びスルーホール31Xの壁面に形成されている。第3に、基板31の両面側に形成された第1配線パターン13が、基板31を貫通するスルーホール31Xを介して電気的に接続されている。第4に、電極14a及び14bは、基板31の下面側(基板19が形成されていない側)に形成されている。第5に、放熱機構21aは形成されていない。熱電変換モジュール30におけるその他の部分に関しては、熱電変換モジュール10と同様である。以下、熱電変換モジュール30において、熱電変換モジュール10と異なる部分についてのみ説明する。
【0061】
熱電変換モジュール30において、基板31の上下面及びスルーホール31Xの壁面には、第1絶縁層12が形成されている。基板31については後述する。第1絶縁層12は、例えばシリコン熱酸化膜(SiO)とすることができる。第1絶縁層12の厚さは、例えば1μmとすることができる。
【0062】
基板31の下面側(基板19が形成されていない側)の第1配線パターン13上には、電極14a及び14bが形成されている。電極14a及び14bの材料としては、例えばCu等を用いることができる。電極14a及び14bの厚さは、例えば10μmとすることができる。基板31の下面側(基板19が形成されていない側)の第1配線パターン13は、基板31を貫通するスルーホール31Xを介して、基板31の上面側(基板19が形成されている側)の第1配線パターン13と電気的に接続されている。スルーホール31Xは、例えばCu等により充填されている。
【0063】
基板31は、基板20の上下面及びスルーホール31Xの壁面に第1絶縁層12を形成した後に個片化したものである。基板31の厚さtは、例えば0.25mmとすることができる。基板31の幅Wは、例えば1mmとすることができる。基板31の奥行きDは、例えば1mmとすることができる。基板31は、基板11よりも小型化されているが、これは、電極14a及び14bを基板31の下面側(基板19が形成されていない側)に設け、スルーホール31Xにより基板31の上面側(基板19が形成されている側)と電気的に接続したことにより、電極14a及び14bの全部又は一部を、平面視において基板19と重複する位置に配置することが可能となったためである。
【0064】
基板31には放熱機構21aが形成されてないが、放熱機構21aを基板31の下面側(基板19が形成されていない側)の第1配線パターン13、電極14a及び14bが形成されていない部分に形成することも可能である。以上が、本発明の第2の実施の形態に係る熱電変換モジュール30の構造である。
【0065】
[本発明の第2の実施の形態に係る熱電変換モジュールの製造方法]
続いて、本発明の第2の実施の形態に係る熱電変換モジュールの製造方法について説明する。図21及び図22は、本発明の第2の実施の形態に係る熱電変換モジュールの製造工程を例示する図である。図21及び図22において、図18〜図20に示す熱電変換モジュール30と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。図21及び図22を参照しながら、本発明の第2の実施の形態に係る熱電変換モジュール30の製造方法について説明する。なお、本発明の第2の実施の形態では、基板20として所謂SOI(Silicon On Insulator)基板を用いる例を示すが、基板20は所謂SOI(Silicon On Insulator)基板に限定されることはない。
【0066】
本発明の第2の実施の形態に係る熱電変換モジュール30の製造方法は、本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュール10の製造方法と略同一である。以下、熱電変換モジュール30の製造方法について、熱電変換モジュール10の製造方法と異なる部分であるスルーホール31Xの形成方法についてのみ説明する。
【0067】
始めに、第1の実施の形態の図4及び図5と同様に基板20を準備する。ただし、熱電変換モジュール形成領域Aの面積は、第1の実施の形態の場合よりも小さい。次いで、図21に示す工程では、基板20に、基板20の一方の面から他方の面に貫通する複数のスルーホール31Xを形成する。スルーホール31Xは、例えばディープRIE(Reactive Ion Etching)や異方性エッチング(ウェットエッチング)等により形成することができる。ただし、ディープRIE(Reactive Ion Etching)では第3絶縁層22は除去できないため、第3絶縁層22は、例えばRIE(Reactive Ion Etching)やイオンミリング等により除去する必要がある。スルーホール31Xは、例えば平面視円形であり、その直径は、例えば50μmとすることができる。
【0068】
次いで、図22に示す工程では、基板20の上下面及びスルーホール31Xの壁面に、第1絶縁層12を形成し、基板11Aを作製する。第1絶縁層12は、例えばシリコン酸化膜(SiO)とすることができる。第1絶縁層12の厚さは、例えば0.5μmとすることができる。第1絶縁層12がシリコン酸化膜(SiO)である場合に、第1絶縁層12は、例えばシリコンからなる基板20の上下面及びスルーホール31Xの壁面を熱酸化することで形成することができる。又、第1絶縁層12は、基板20の上下面及びスルーホール31Xの壁面に、例えばCVD法によりシリコン酸化膜(SiO)を堆積させることで形成しても構わない。
【0069】
次いで、第1の実施の形態の図8から図16と同様の工程により、第1配線パターン13、電極14a及び14b等を形成する。ただし、第1の実施の形態とは異なり、第1配線パターン13は、基板11Aの両面側及びスルーホール31X内に形成される。すなわち、基板11Aの両面側に形成された第1配線パターン13は、スルーホール31Xを介して電気的に接続されている。又、第1の実施の形態とは異なり、電極14a及び14bは、基板11Aの下面側(基板19が形成されていない側)の第1配線パターン13上に形成される。次いで、ダイシング領域Bに対応する基板11A等を、ダイシングブレード等により、基板切断位置Cに沿って切断することで、複数の熱電変換モジュール30が製造される。以上が、本発明の第2の実施の形態に係る熱電変換モジュール30の製造方法である。
【0070】
[本発明の第2の実施の形態に係る熱電変換モジュールの動作]
続いて、本発明の第2の実施の形態に係る熱電変換モジュールの動作について説明する。熱電変換モジュール30と外部電源25との電気的接続に関しては、図17と同様である。又、熱電変換モジュール30が発熱体を冷却する原理については、熱電変換モジュール10の場合と同様である。
【0071】
図23は、熱電変換モジュールが発熱体に配置された様子を例示する図である。図23において、図1〜図3及び図18〜図20に示す熱電変換モジュール10及び30と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。又、図23において、一部の符号は省略されている。
【0072】
図23において、熱電変換モジュール30は、基板19の面19aが発熱体45と接触するように配置されている。又、比較のため、熱電変換モジュール10が、基板19の面19aが発熱体45と接触するように配置されている様子も同時に示している。図23に示すように、熱電変換モジュール30は、熱電変換モジュール10と比較して、基板31と基板19の平面視(Z方向から見た場合)における面積の差が小さい。なお、従来の熱電変換モジュール(図示せず)も、熱電変換モジュール10と同様に、基板19に相当する基板側に電極が形成されていたため、基板11に相当する基板と基板19に相当する基板の平面視(Z方向から見た場合)における面積の差を小さくすることはできなかった。
【0073】
本発明の第2の実施の形態に係る熱電変換モジュール30によれば、電極14a及び14bを基板31の下面側(基板19が形成されていない側)に形成することにより、従来の熱電変換モジュールと比較して、基板31と基板19の平面視(Z方向から見た場合)における面積の差を小さくすることが可能となり、サイズに対する放熱性(冷却効率)を向上することができる。
【0074】
又、本発明の第2の実施の形態に係る熱電変換モジュール30によれば、従来の熱電変換モジュールと比較して、電極14a及び14bと外部電源25とを電気的に接続する配線(ボンディングワイヤ等)の引き回しが容易である。
【0075】
又、本発明の第2の実施の形態に係る熱電変換モジュール30の基板31は、従来の熱電変換モジュールの基板11に相当する基板よりも平面視(Z方向から見た場合)における面積が小さいため、熱電変換モジュール30の方が従来の熱電変換モジュールよりも、同一サイズの半導体基板から製造可能な枚数が多くなる。その結果、熱電変換モジュール30の製造コストを低減することができる。
【0076】
又、本発明の第2の実施の形態に係る熱電変換モジュール30は従来の熱電変換モジュールよりも小型化されているため、アセンブリの自由度が高い。
【0077】
〈第2の実施の形態の変形例〉
[本発明の第2の実施の形態の変形例に係る熱電変換モジュールの構造]
始めに、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る熱電変換モジュールの構造について説明する。図24は、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る熱電変換モジュールを例示する斜視図(その1)である。図25は、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る熱電変換モジュールを例示する斜視図(その2)である。図26は、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る熱電変換モジュールを例示する断面図である。なお、図26は、図24及び図25において後述するスルーホール31Yを通るXZ平面に平行な断面を示している。なお、図24において、第2絶縁層17は、構造をわかりやすくするために、便宜上透明に描かれている。
【0078】
図24〜図26において、図18〜図20に示す熱電変換モジュール30と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。図24〜図26を参照するに、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る熱電変換モジュール50は、以下の第1から第3の点で本発明の第2の実施の形態に係る熱電変換モジュール30と異なる。
【0079】
第1に、スルーホール31Yの一部が基板31から露出している。第2に、第1配線パターン13は基板31の下面側(基板19が形成されていない側)には形成されていない。第3に、電極14a及び14bが形成されていない。熱電変換モジュール50におけるその他の部分に関しては、熱電変換モジュール30と同様である。以下、熱電変換モジュール50において、熱電変換モジュール30と異なる部分についてのみ説明する。
【0080】
熱電変換モジュール50において、スルーホール31Yは、基板31の両側面から露出している。スルーホール31Yは、例えばCu等により充填されており、第1配線パターン13と電気的に接続されている。スルーホール31Yは、熱電変換モジュール30における電極14a及び14bと同様の機能を果たす。すなわち、基板31の両側面から露出しているスルーホール31Yは、ボンディングワイヤ等により外部電源25と接続するための電極として機能する。
【0081】
スルーホール31Yが外部電源25と接続するための電極として機能するため、熱電変換モジュール30の基板31の下面側(基板19が形成されていない側)に設けられていた第1配線パターン13と電極14a及び14bとは不要となる。もちろん、熱電変換モジュール10のように、電極14a及び14bを基板11の上面側(基板19が形成されている側)に設ける必要もない。
【0082】
なお、基板31にスルーホール31Yに代えて溝を設け、溝を例えばCu等により充填し、第1配線パターン13と電気的に接続しても構わない。以上が、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る熱電変換モジュール30の構造である。
【0083】
[本発明の第2の実施の形態の変形例に係る熱電変換モジュールの製造方法]
続いて、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る熱電変換モジュールの製造方法について説明する。図27は、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る熱電変換モジュールの製造工程を例示する図である。図27において、図24〜図26に示す熱電変換モジュール50と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。図27を参照しながら、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る熱電変換モジュール50の製造方法について説明する。なお、本発明の第2の実施の形態の変形例では、基板20として所謂SOI(Silicon On Insulator)基板を用いる例を示すが、基板20は所謂SOI(Silicon On Insulator)基板に限定されることはない。
【0084】
本発明の第2の実施の形態の変形例に係る熱電変換モジュール50の製造方法は、本発明の第2の実施の形態に係る熱電変換モジュール30の製造方法と略同一である。以下、熱電変換モジュール50の製造方法について、熱電変換モジュール30の製造方法と異なる部分であるスルーホール31Yの形成方法についてのみ説明する。
【0085】
始めに、第1の実施の形態の図4及び図5と同様に基板20を準備する。ただし、熱電変換モジュール形成領域Aの面積は、第1の実施の形態の場合よりも小さい。次いで、図27に示す工程では、基板20に、基板20の一方の面から他方の面に貫通する複数のスルーホール31Yを形成する。スルーホール31Yは、例えばディープRIE(Reactive Ion Etching)や異方性エッチング(ウェットエッチング)等により形成することができる。ただし、ディープRIE(Reactive Ion Etching)では第3絶縁層22は除去できないため、第3絶縁層22は、例えばRIE(Reactive Ion Etching)やイオンミリング等により除去する必要がある。
【0086】
スルーホール31Yは、例えば平面視円形であり、その直径は、例えば200μmとすることができる。スルーホール31Yは、例えばX方向に長径を有する平面視楕円形等としても構わない。スルーホール31Yはスルーホール31Xと異なり、スルーホール31Yの中心が基板切断位置Cと略一致する位置に形成される。
【0087】
次いで、第2の実施の形態の図22と同様の工程の後、第1の実施の形態の図8から図16(図10に示す工程を除く)と同様の工程により、第1配線パターン13等を形成する。ただし、第1の実施の形態とは異なり、第1配線パターン13は、基板31の上面側(基板19が形成されている側)及びスルーホール31Y内に形成する。又、第1の実施の形態とは異なり、図10に示す電極14a及び14bを形成する工程は不要である。次いで、ダイシング領域Bに対応する基板11A等を、ダイシングブレード等により、基板切断位置Cに沿って切断することで、複数の熱電変換モジュール50が製造される。以上が、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る熱電変換モジュール50の製造方法である。
【0088】
[本発明の第2の実施の形態の変形例に係る熱電変換モジュールの動作]
続いて、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る熱電変換モジュールの動作について説明する。熱電変換モジュール50と外部電源25との電気的接続に関しては、図17と同様である。又、熱電変換モジュール50が発熱体を冷却する原理については、熱電変換モジュール10の場合と同様である。
【0089】
図28は、熱電変換モジュールが発熱体に配置された様子を例示する図である。図28において、図24〜図26に示す熱電変換モジュール50と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。又、図28において、一部の符号は省略されている。図28に示すように、基板31の両側面から露出しているスルーホール31Yは、ボンディングワイヤ等により外部電源25と接続するための電極として機能する。
【0090】
本発明の第2の実施の形態の変形例に係る熱電変換モジュール50は、本発明の第2の実施の形態に係る熱電変換モジュール30と同様の効果を奏する。又、基板31の下面側(基板19が形成されていない側)に、第1配線パターン13を形成する必要がなく、電極14a及び14bを形成する必要もないため、製造工程を簡略化することができる。
【0091】
〈第3の実施の形態〉
[本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュールの構造]
始めに、本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュールの構造について説明する。図29は、本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュールを例示する斜視図(その1)である。図30は、本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュールを例示する斜視図(その2)である。図31は、本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュールを例示する断面図である。なお、図31は、図29及び図30において後述する電極14a及び14bを通るXZ平面に平行な断面を示している。なお、図29において、第2絶縁層17、第3絶縁層61及び第4絶縁層62は、構造をわかりやすくするために、便宜上透明に描かれている。
【0092】
図29〜図31において、図1〜図3に示す熱電変換モジュール10と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。図29〜図31を参照するに、本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュール60は、以下の点で本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュール10と異なる。
【0093】
すなわち、熱電変換モジュール60は、熱電効果を利用して電気エネルギーにより熱を移動させる一対の熱電素子(ペルチェ素子)であるP型半導体15a及びN型半導体16a並びに一対の熱電素子(ペルチェ素子)であるP型半導体15b及びN型半導体16b(冷却素子群α)を有するが、更に、熱電効果を利用して熱エネルギーを電気エネルギーに変換する一対の熱電素子(ゼーベック素子)であるP型半導体65aとN型半導体66a、一対の熱電素子(ゼーベック素子)であるP型半導体65bとN型半導体66b、一対の熱電素子(ゼーベック素子)であるP型半導体65cとN型半導体66c、一対の熱電素子(ゼーベック素子)であるP型半導体65dとN型半導体66d、一対の熱電素子(ゼーベック素子)であるP型半導体65eとN型半導体66e、一対の熱電素子(ゼーベック素子)であるP型半導体65fとN型半導体66f、一対の熱電素子(ゼーベック素子)であるP型半導体65gとN型半導体66g、一対の熱電素子(ゼーベック素子)であるP型半導体65hとN型半導体66h、一対の熱電素子(ゼーベック素子)であるP型半導体65iとN型半導体66i(以下、発電素子群βという場合がある)を有する。以下、熱電変換モジュール60において、熱電変換モジュール10と異なる部分を中心に説明する。
【0094】
熱電変換モジュール60において、基板11の一方の面(第1絶縁層12側の面)には、第1配線パターン13が形成されている。第1配線パターン13については、前述の通りである。第1配線パターン13上には、電極14a〜14dが形成されている。電極14a〜14dの材料としては、例えばCu等を用いることができる。電極14a〜14dの厚さは、例えば10μmとすることができる。
【0095】
又、第1配線パターン13上には、発電素子群βが形成されている。発電素子群βの詳細な配置、電気的な接続については後述する。発電素子群βを構成するP型半導体65a〜65iの材料としては、例えばBi0.5TeSb1.5等を用いることができる。発電素子群βを構成するN型半導体66a〜66iの材料としては、例えばBiTe2.7Se0.3等を用いることができる。P型半導体65a〜65i並びにN型半導体66a〜66iのそれぞれの厚さは、例えば10μmとすることができる。
【0096】
第1絶縁層12及び第1配線パターン13上の電極14a〜14d及び発電素子群βを除く部分には、第2絶縁層17が形成されている。電極14a〜14dの上面及び発電素子群βの上面は、第2絶縁層17から露出している。
【0097】
第2絶縁層17から露出している発電素子群β上には、第3配線パターン63が形成されている。一対のP型半導体65a及びN型半導体66aの上面は、第3配線パターン63により、電気的に接続されている。一対のP型半導体65b及びN型半導体66b、一対のP型半導体65c及びN型半導体66c、一対のP型半導体65d及びN型半導体66d、一対のP型半導体65e及びN型半導体66e、一対のP型半導体65f及びN型半導体66f、一対のP型半導体65g及びN型半導体66g、一対のP型半導体65h及びN型半導体66h、一対のP型半導体65i及びN型半導体66iについても同様である。
【0098】
第3配線パターン63の材料としては、例えばCu等を用いることができる。第3配線パターン63の厚さは、例えば0.2μmとすることができる。第3配線パターン63上には、第3絶縁層61が形成されている。第3絶縁層61は、例えばシリコン酸化膜(SiO)とすることができる。第3絶縁層61の厚さは、例えば0.3μmとすることができる。
【0099】
第3絶縁層61上には、第4配線パターン64が形成されている。第4配線パターン64の材料としては、例えばCu等を用いることができる。第4配線パターン64の厚さは、例えば0.2μmとすることができる。第4配線パターン64は、第1絶縁層17及び第3絶縁層61を貫通するスルーホール61Xを介して第1配線パターン13と電気的に接続されている。
【0100】
第4配線パターン64上には、冷却素子群αが形成されている。冷却素子群αを構成するP型半導体15aの下面は、第4配線パターン64及び第1配線パターン13により、電極14aと電気的に接続されている。冷却素子群αを構成するN型半導体16bの下面は、第4配線パターン64及び第1配線パターン13により、電極14bと電気的に接続されている。冷却素子群αを構成するP型半導体15bの下面は、第4配線パターン64により、冷却素子群αを構成するN型半導体16aの下面と電気的に接続されている。P型半導体15a及び15bの材料としては、例えばBi0.5TeSb1.5等を用いることができる。N型半導体16a及び16bの材料としては、例えばBiTe2.7Se0.3等を用いることができる。P型半導体15a及び15b並びにN型半導体16a及び16bのそれぞれの厚さは、例えば10μmとすることができる。
【0101】
第3絶縁層61及び第4配線パターン64上の冷却素子群αを除く部分には、第4絶縁層62が形成されている。発電素子群βの上面は、第4絶縁層62から露出している。
【0102】
第4絶縁層62から露出している冷却素子群α上には、第2配線パターン18が形成されている。冷却素子群αを構成するP型半導体15aの上面は、第2配線パターン18により、P型半導体15aとY方向に隣接して配置されるN型半導体16a(図示せず)の上面と電気的に接続されている。冷却素子群αを構成するN型半導体16bの上面は、第2配線パターン18により、N型半導体16bとY方向に隣接して配置されるP型半導体15bの上面と電気的に接続されている。第2配線パターン18の材料としては、例えばCu等を用いることができる。第2配線パターン18の厚さは、例えば0.2μmとすることができる。第2配線パターン18上には、基板19が形成されている。基板19については、前述の通りである。
【0103】
なお、発電素子群βは、冷却素子群αと同様に、一対のP型半導体及びN型半導体を1組のみで用いることもできるし、2組以上直列に接続して用いることもできる。熱電素子による発電量は、熱電素子の面積によって決定されるので、熱電素子である一対のP型半導体及びN型半導体を1組のみで用いた場合と、2組以上直列に接続して用いた場合とで、熱電素子の面積が同一であれば発電量(発電される電力)は変わらない。しかしながら、熱電素子である一対のP型半導体及びN型半導体を直列に接続する組数を増やすことにより、発電される電圧は上昇し、電流は下降する(電力は一定)。従って、例えば熱電素子により発電される電力を用いてバッテリやキャパシタ等の蓄電手段を充電するような場合には、熱電素子から蓄電手段の仕様に合わせた電圧及び電流が出力されるように、熱電素子である一対のP型半導体及びN型半導体を直列に接続する組数を決定すればよい。以上が、本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュール60の構造である。
【0104】
[本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュールの製造方法]
続いて、本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュールの製造方法について説明する。図32〜図43は、本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュールの製造工程を例示する図である。図32〜図43において、図29〜図31に示す熱電変換モジュール60と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。図32〜図43を参照しながら、本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュール60の製造方法について説明する。なお、本発明の第3の実施の形態では、基板20として所謂SOI(Silicon On Insulator)基板を用いる例を示すが、基板20は所謂SOI(Silicon On Insulator)基板に限定されることはない。
【0105】
始めに、第1の実施の形態の図4及び図5と同様に所謂SOI(Silicon On Insulator)基板である基板20を準備する。そして、図6と同様に基板20の一方の面(シリコン活性層23側の面)に、第1絶縁層12を形成し、基板11Aを作製する。次いで、図32及び図33に示す工程では、基板11Aの第1絶縁層12上に第1配線パターン13及び電極14a〜14dを形成する。図32は平面図であり、図33は図32のE−E線に沿う断面図である。第1配線パターン13及び電極14a〜14dの具体的な形成方法については、前述の通りである。第1の実施の形態と異なる部分は、第1配線パターン13のレイアウトである。
【0106】
次いで、図34及び図35に示す工程では、第1配線パターン13上にP型半導体65a〜65i及びN型半導体66a〜66i(発電素子群β)を形成する。図34は平面図であり、図35は図34のE−E線に沿う断面図である。P型半導体65a〜65i及びN型半導体66a〜66iの具体的な形成方法については、P型半導体15a等の形成方法と同様である。P型半導体65a〜65iの材料としては、例えばBi0.5TeSb1.5等を用いることができる。N型半導体66a〜66iの材料としては、例えばBiTe2.7Se0.3等を用いることができる。P型半導体65a〜65i並びにN型半導体66a〜66iのそれぞれの厚さは、例えば10μmとすることができる。P型半導体65a〜65i及びN型半導体66a〜66iの電気的な接続については後述する。
【0107】
次いで、図36及び図37に示す工程では、P型半導体65a〜65i及びN型半導体66a〜66i上に、第3配線パターン63を形成する。図36は平面図であり、図37は図36のE−E線に沿う断面図である。第3配線パターン63は、例えば以下に示すように形成する。始めに、第1配線パターン13、電極14a〜14d及び発電素子群βを覆うように、第1絶縁層12上に第2絶縁層17を形成する。第2絶縁層17は、例えばシリコン酸化膜(SiO)とすることができる。その後、CMP法等により第2絶縁層17の上面を研磨し、電極14a〜14dの上面、及び発電素子群βの上面を露出させる。そして、露出した発電素子群β上に第2第3配線パターン63を形成する。第3配線パターン63は、第1配線パターン13と同様の方法で形成できるため、その説明は省略する。第3配線パターン63の材料としては、例えばCu等を用いることができる。第3配線パターン63の厚さは、例えば0.2μmとすることができる。
【0108】
一対のP型半導体65aとN型半導体66aの上面は、第3配線パターン63により、電気的に接続される。一対のP型半導体65bとN型半導体66b、一対のP型半導体65cとN型半導体66c、一対のP型半導体65dとN型半導体66d、一対のP型半導体65eとN型半導体66e、一対のP型半導体65fとN型半導体66f、一対のP型半導体65gとN型半導体66g、一対のP型半導体65hとN型半導体66h、一対のP型半導体65iとN型半導体66iについても同様である。
【0109】
次いで、図38及び図39に示す工程では、第3配線パターン63上に、第3絶縁層61を形成する。図38は平面図であり、図39は図38のE−E線に沿う断面図である。第3絶縁層61は、例えばシリコン酸化膜(SiO)とすることができる。第3絶縁層61の形成方法は、第1絶縁層12の形成方法と同様である。第3絶縁層61の厚さは、例えば0.3μmとすることができる。
【0110】
次いで、図40及び図41に示す工程では、第3絶縁層61上に、第4配線パターン64を形成する。図40は平面図であり、図41は図40のE−E線に沿う断面図である。第4配線パターン64は、例えば以下に示すように形成する。始めに、第1配線パターン13を露出するように、第2絶縁層17及び第3絶縁層61を貫通するスルーホール61Xを形成する。スルーホール61Xは、例えばCOレーザやYAGレーザ等を用いて形成することができる。次いで、第1配線パターン13と同様の方法により、スルーホール61X内及び第3絶縁層61上に第4配線パターン64を形成することができる。第4配線パターン64の材料としては、例えばCu等を用いることができる。第4配線パターン64の厚さは、例えば0.2μmとすることができる。
【0111】
次いで、図42及び図43に示す工程では、第4配線パターン64上に冷却素子群αを形成する。図42は平面図であり、図43は図42のE−E線に沿う断面図である。冷却素子群αの具体的な形成方法については、前述の通りである。冷却素子群αを構成するP型半導体15aの下面は、第4配線パターン64及び第1配線パターン13により、電極14aと電気的に接続されている。冷却素子群αを構成するN型半導体16bの下面は、第4配線パターン64及び第1配線パターン13により、電極14bと電気的に接続されている。冷却素子群αを構成するP型半導体15bの下面は、第4配線パターン64により、冷却素子群αを構成するN型半導体16aの下面と電気的に接続されている。P型半導体15a及び15bの材料としては、例えばBi0.5TeSb1.5等を用いることができる。N型半導体16a及び16bの材料としては、例えばBiTe2.7Se0.3等を用いることができる。P型半導体15a及び15b並びにN型半導体16a及び16bのそれぞれの厚さは、例えば10μmとすることができる。
【0112】
次いで、第1の実施の形態の図13〜図16と同様の工程を行った後、ダイシング領域Bに対応する基板11A等を、ダイシングブレード等により、基板切断位置Cに沿って切断することで、複数の熱電変換モジュール60が製造される。以上が、本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュール60の製造方法である。
【0113】
[本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュールの動作]
続いて、本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュールの動作について説明する。
【0114】
図44は、本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュールの動作を説明するための回路図である。図44において、図29〜図31に示す熱電変換モジュール60と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0115】
図44に示すように、熱電変換モジュール60の電極14aをボンディングワイヤ等により外部電源25のマイナス側と接続する。又、熱電変換モジュール60の電極14bをボンディングワイヤ等により外部電源25のプラス側と接続する。又、熱電変換モジュール60の電極14c及び14dの間に負荷71を接続する。
【0116】
図45は、熱電変換モジュールが発熱体に配置された様子を例示する図である。図45において、図29〜図31に示す熱電変換モジュール60と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。又、図45において、一部の符号は省略されている。図45において、TcはP型半導体15a及び15b並びにN型半導体16a及びN型半導体16b(冷却素子群α)の上面(基板19側)の温度(発熱体45の温度)を、Thは冷却素子群αの下面(基板11側)の温度を、Twは基板11の温度を示している。熱電変換モジュール60を、図44に示すように電気的に接続し、図45に示すように熱電変換モジュール60の基板19の面19aが発熱体45と接触するように配置する。なお、熱電変換モジュール60の電極14c及び14dの間に負荷71を接続しているが、図示は省略されている。
【0117】
図44及び図45において、冷却素子群αは、発熱体45が発生する熱を基板19側から基板11側に移動させて廃熱するように機能する。すなわち、熱電変換モジュール60は、発熱体45と接触するように配置することにより、発熱体45を冷却する機能を有する。発熱体45を冷却する際に、冷却素子群αの上面(基板19側)の温度はTcまで冷却され、下面(基板11側)の温度はThまで加熱される(ただし、Tc<Th)。冷却素子群αに印加される電圧が一定であれば、Th−Tcは一定になる。ただし、ThとTcは、外気温度等の影響により変化する。
【0118】
一方、P型半導体65a〜65i並びにN型半導体66a〜66i(発電素子群β)の上面(基板19側)の温度はThまで加熱されるが、下面(基板11側)の温度はTwである(Tw<Th)。すなわち、発電素子群βの上面(基板19側)と下面(基板11側)との間に温度差(ΔT=Th−Tw)を生じるため、発電素子群βは、熱電効果を利用して熱エネルギーを電気エネルギーに変換する(すなわち、温度差(ΔT=Th−Tw)に比例した電力を発電する)。ただし、所定の温度差以上では発電量は飽和する。所定の温度差は、発電素子群βの材料に依存する。
【0119】
発電素子群βは、図44に示すように、電極14c及び14dを介して負荷71に接続されているため、熱電変換モジュール60内の熱エネルギーは、電気エネルギーとして熱電変換モジュール60外に取り出され、負荷71で消費される。このようにして、熱電変換モジュール60の放熱性を向上することができる。なお、図44において、負荷71の代わりに例えばモーター等のデバイスを接続し駆動するようにしても構わない。又、図44において、負荷71の代わりに例えばバッテリやキャパシタ等の蓄電手段を接続し充電するようにしても構わない。
【0120】
本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュール60によれば、基板11上に冷却素子群α及び発電素子群βを形成することにより、冷却素子群αの動作により生じた熱を発電素子群βが電気エネルギーに変換し、熱電変換モジュール60の外部に排出することが可能となり、熱電変換モジュール60の放熱性を向上することができる。
【0121】
又、本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュール60によれば、発電素子群βが熱電変換モジュール60の外部に出力する電力を有効利用することができる。すなわち、熱電変換モジュール60の外部に出力する電力を利用して、例えばモーター等のデバイスを駆動したり、バッテリやキャパシタ等の蓄電手段を充電したりすることができる。
【0122】
[本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュールの応用]
続いて、本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュールの応用について説明する。図46は、本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュールを応用した熱電変換装置を説明するための回路図である。図46において、図29〜図31に示す熱電変換モジュール60と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0123】
図46を参照するに、熱電変換装置70は、熱電変換モジュール60と、負荷71と、検知部72と、可変電源73と、制御部74とを有する。熱電変換装置70において、検知部72は、熱電変換モジュール60の電極14dから出力される信号をモニタするセンサである。検知部72として電流センサを用い、電極14dから出力される電流をモニタしても構わないし、検知部72として電圧センサを用い、電極14dと電極14cとの間の電圧をモニタしても構わない。又、検知部72として電流センサ及び電圧センサを用い、電極14dから出力される電流及び電極14dと電極14cとの間の電圧をモニタしても構わない。
【0124】
なお、発電素子群βは、発電素子群βの上面(基板19側)と下面(基板11側)との間の温度差(ΔT=Th−Tw)に比例した電力を発電するため、検知部72により発電素子群βが出力する電流又は電圧(又は、その両方)をモニタすることにより、ΔT=Th−Twを知ることができる。使用する系におけるTwを別途測定しておけば、Thを知ることができる。更に、前述のように、Th−Tcは一定であるため、Tcを知ることができる。又、Twは室温であると仮定してもTcを知ることができる。すなわち、発熱体の温度を知ることができる。
【0125】
可変電源73は、冷却素子αに電圧を印加する電源であるが、外部からの制御により印加する電圧を可変できるように構成されている。印加する電圧が高いほど、冷却効果が大きくなる。
【0126】
制御部74は、検知部72の出力信号を入力可能に構成されており、検知部72から入力される信号に基いて可変電源73を制御する機能を有する。制御部74は、例えばCPU、ROM、メインメモリなどを含み、制御部74の機能は、例えばROM等に記録された制御プログラムがメインメモリに読み出されてCPUにより実行されることによって実現される。又、制御部74の一部又は全部の機能は、ハードウェアのみにより実現されてもよい。又、制御部74は、物理的に複数の部分から構成されていてもよい。
【0127】
図47は、熱電変換モジュールが発熱体に配置された様子を例示する図である。図47において、一部の符号は省略されている。図47はレーザダイオードパッケージ80を示している。レーザダイオードパッケージ80は、熱電変換モジュール60と、LDステム81とレーザダイオード82と、端子部83と、封止部84と、カバー部85とを有する。
【0128】
LDステム81にレーザダイオード82と熱電変換モジュール60が取り付けられ、封止部84及びカバー部85により封止されることでレーザダイオードパッケージ80が完成する。熱電変換モジュール60及びレーザダイオード82は、端子部83を介してレーザダイオードパッケージ80の外部と電気信号の授受が可能である。熱電変換モジュール60は、端子部83を介して検知部72等と電気的に接続されることで熱電変換装置70として動作する。なお、熱電変換装置70の熱電変換モジュール60以外の部分は、レーザダイオードパッケージ80の外部に配置されている(図示せず)。
【0129】
レーザダイオードパッケージ80内の温度制御をしない場合を考えると、レーザダイオードパッケージ80は密閉されているため、熱電変換モジュール60から排出される熱はレーザダイオードパッケージ80内にこもってしまう。又、レーザダイオードパッケージ80内にある発熱体であるレーザダイオード82は、常に一定の熱量を排出しているのではなく、状況により排出する熱量は変化する。従って、一定の温度差を生じさせる熱電変換モジュール60の冷却素子群αにより、温度制御を行わずに吸熱を続けると、被冷却部が室温以下になった場合に結露を起こし、レーザダイオード82を破壊させる虞もある。
【0130】
そこで、このような問題を解決すべく、熱電変換装置70により温度制御を行う。例えば、発熱体であるレーザダイオード82の温度を一定にする必要がある場合には、制御部74は、検知部72から入力される電圧又は電流をモニタすることにより、発熱体であるレーザダイオード82の温度を検知する。検知した温度が所望の温度よりも高ければ、制御部74は、可変電源73の電圧を上昇させて熱電変換モジュール60の冷却素子群αの冷却能力を向上させる。検知した温度が所望の温度よりも低ければ、制御部74は、可変電源73の電圧を下降させて熱電変換モジュール60の冷却素子群αの冷却能力を低下させる。このようにして、発熱体であるレーザダイオード82の温度を所望の温度近傍に保つことができる。
【0131】
本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換装置によれば、発電素子群βを温度センサとして利用し、検知した温度に基いて冷却素子群αの印加電圧(冷却能力)を制御することにより、熱電変換モジュール60が取り付けられた発熱体の温度を所望の温度近傍に保つことができる。
【0132】
発電素子群βは、温度センサとして機能しているときも発電しているため、例えば温度制御と同時に外部の蓄電手段を充電することも可能である。
【0133】
なお、熱電変換装置70から制御部74を削除した熱電変換装置としてもよい。熱電変換装置70から制御部74を削除した熱電変換装置は、例えば発電素子群βを温度センサとして利用し、発熱体であるレーザダイオード82の温度を検知する装置である。例えば、レーザダイオード82を搭載した光ディスク装置において、本発明に係る熱電変換装置により、発熱体であるレーザダイオード82の温度を検知し、検知結果がレーザダイオード82の許容動作温度範囲外である場合には、レーザダイオード82の発光を停止するような応用例が考えられる。
【0134】
以上、本発明の好ましい実施の形態及びその変形例について詳説したが、本発明は、上述した実施の形態及びその変形例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態及びその変形例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0135】
例えば、第1の実施の形態、第2の実施の形態及び第2の実施の形態の変形例において、熱電変換モジュールに冷却素子群αを用いる例を示したが、冷却素子群αに代えて発電素子群βを用いても構わない。発熱体側の温度(Th)が一定であると仮定した場合、基板側の温度(Tw)が低ければ低い程、発電量は大きくなる。よって、冷却素子群αに代えて発電素子群βを用いた場合においても、放熱構造は有効に働く。
【0136】
又、第1の実施の形態、第2の実施の形態及び第2の実施の形態の変形例において、熱電変換モジュールに冷却素子群αを用いる例を示したが、冷却素子群α及び発電素子群βを用いても構わない。
【0137】
又、第2の実施の形態、第2の実施の形態の変形例及び第3の実施の形態において、熱電変換モジュールに第1の実施の形態で示した放熱機構を形成しても構わない。
【0138】
又、第3の実施の形態において、電極を第2の実施の形態及び第2の実施の形態の変形例で示した位置に形成しても構わない。
【0139】
又、第1の実施の形態、第2の実施の形態、第2の実施の形態の変形例及び第3の実施の形態において、基板11に所謂SOI基板を用いる例を示したが、基板11として、シリコン基板、セラミック基板、金属基板、ガラス基板等を用いても構わない。部品コスト、熱伝導率や加工性等の性能等を考慮し、これらの基板を適宜選択することができる。
【0140】
又、第3の実施の形態において、発電素子βが、基板11と冷却素子αとの間に挟まれて配置される例を示した。しかしながら、冷却素子αが、基板11と発電素子βとの間に挟まれて配置される構造も可能である。このような構造が可能な理由は、薄膜である第1又は第2導電型半導体の厚さが10μm程度しかないので、熱電効果による熱の移動以外に、熱伝導も起こると考えられるからである。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュールを例示する斜視図(その1)である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュールを例示する斜視図(その2)である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュールを例示する断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュールの製造工程を例示する図(その1)である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュールの製造工程を例示する図(その2)である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュールの製造工程を例示する図(その3)である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュールの製造工程を例示する図(その4)である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュールの製造工程を例示する図(その5)である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュールの製造工程を例示する図(その6)である。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュールの製造工程を例示する図(その7)である。
【図11】本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュールの製造工程を例示する図(その8)である。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュールの製造工程を例示する図(その9)である。
【図13】本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュールの製造工程を例示する図(その10)である。
【図14】本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュールの製造工程を例示する図(その11)である。
【図15】本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュールの製造工程を例示する図(その12)である。
【図16】本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュールの製造工程を例示する図(その13)である。
【図17】本発明の第1の実施の形態に係る熱電変換モジュールの動作を説明するための回路図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態に係る熱電変換モジュールを例示する斜視図(その1)である。
【図19】本発明の第2の実施の形態に係る熱電変換モジュールを例示する斜視図(その2)である。
【図20】本発明の第2の実施の形態に係る熱電変換モジュールを例示する断面図である。
【図21】本発明の第2の実施の形態に係る熱電変換モジュールの製造工程を例示する図(その1)である。
【図22】本発明の第2の実施の形態に係る熱電変換モジュールの製造工程を例示する図(その2)である。
【図23】熱電変換モジュールが発熱体に配置された様子を例示する図(その1)である。
【図24】本発明の第2の実施の形態の変形例に係る熱電変換モジュールを例示する斜視図(その1)である。
【図25】本発明の第2の実施の形態の変形例に係る熱電変換モジュールを例示する斜視図(その2)である。
【図26】本発明の第2の実施の形態の変形例に係る熱電変換モジュールを例示する断面図である。
【図27】本発明の第2の実施の形態の変形例に係る熱電変換モジュールの製造工程を例示する図である。
【図28】熱電変換モジュールが発熱体に配置された様子を例示する図(その2)である。
【図29】本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュールを例示する斜視図(その1)である。
【図30】本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュールを例示する斜視図(その2)である。
【図31】本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュールを例示する断面図である。
【図32】本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュールの製造工程を例示する図(その1)である。
【図33】本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュールの製造工程を例示する図(その2)である。
【図34】本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュールの製造工程を例示する図(その3)である。
【図35】本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュールの製造工程を例示する図(その4)である。
【図36】本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュールの製造工程を例示する図(その5)である。
【図37】本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュールの製造工程を例示する図(その6)である。
【図38】本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュールの製造工程を例示する図(その7)である。
【図39】本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュールの製造工程を例示する図(その8)である。
【図40】本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュールの製造工程を例示する図(その9)である。
【図41】本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュールの製造工程を例示する図(その10)である。
【図42】本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュールの製造工程を例示する図(その11)である。
【図43】本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュールの製造工程を例示する図(その12)である。
【図44】本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュールの動作を説明するための回路図である。
【図45】熱電変換モジュールが発熱体に配置された様子を例示する図(その3)である。
【図46】本発明の第3の実施の形態に係る熱電変換モジュールを応用した熱電変換装置を説明するための回路図である。
【図47】熱電変換モジュールが発熱体に配置された様子を例示する図(その4)である。
【符号の説明】
【0142】
10,30,50,60 熱電変換モジュール
11,11A,20,31 基板
12 第1絶縁層
13 第1配線パターン
14a,14b,14c,14d 電極
15a,15b,65a、65b、65c、65d、65e,65f,65g,65h,65i P型半導体
16a,16b,66a、66b、66c、66d、66e,66f,66g,66h,66i N型半導体
17 第2絶縁層
18 第2配線パターン
19 基板(熱交換部材)
19a 面
21 シリコン基板
21a 放熱機構
21b 突起部
22 第3絶縁層
23 シリコン活性層
25 外部電源
31X,31Y,61X スルーホール
45 発熱体
61 第3絶縁層
62 第4絶縁層
63 第3配線パターン
64 第4配線パターン
70 熱電変換装置
71 負荷
72 検知部
73 可変電源
74 制御部
80 レーザダイオードパッケージ
81 LDステム
82 レーザダイオード
83 端子部
84 封止部
85 カバー部
α 冷却素子群
β 発電素子群
A 熱電変換モジュール形成領域
B ダイシング領域
C 基板切断位置
I 電流
V 電圧
Tc,Th,Tw 温度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気エネルギーにより熱を移動させる第1の熱電素子又は熱エネルギーを電気エネルギーに変換する第2の熱電素子が配置される基板と、
前記第1又は第2の熱電素子上に配置される熱交換部材とを有し、
前記基板は、放熱構造を有する熱電変換モジュール。
【請求項2】
前記基板の前記第1又は第2の熱電素子が設けられている面側と反対の面側に電極が形成され、
前記電極は、前記基板を貫通するスルーホールを介して前記第1又は第2の熱電素子と電気的に接続されている請求項1記載の熱電変換モジュール。
【請求項3】
前記基板の側面に溝が形成されており、
前記溝には、前記第1又は第2の熱電素子と電気的に接続された導電体が形成されている請求項1記載の熱電変換モジュール。
【請求項4】
前記第1の熱電素子と前記第2の熱電素子が、基板と熱交換部材に挟まれて配置されている請求項1乃至3の何れか一項記載の熱電変換モジュール。
【請求項5】
前記基板は、シリコンからなる第1層に絶縁体からなる第2層とシリコンからなる第3層と絶縁体からなる第4層が積層された構造を有する請求項1乃至4の何れか一項記載の熱電変換モジュール。
【請求項6】
前記第1又は第2の熱電素子は、前記第4層側に形成され、
前記放熱構造は、前記第1層に形成されている請求項5記載の熱電変換モジュール。
【請求項7】
電気エネルギーにより熱を移動させる第1の熱電素子又は熱エネルギーを電気エネルギーに変換する第2の熱電素子が配置される基板と、
前記第1又は第2の熱電素子上に配置される熱交換部材とを有し、
前記基板の前記第1又は第2の熱電素子が設けられている面側と反対の面側に電極が形成され、
前記電極は、前記基板を貫通するスルーホールを介して前記第1又は第2の熱電素子と電気的に接続されている熱電変換モジュール。
【請求項8】
電気エネルギーにより熱を移動させる第1の熱電素子又は熱エネルギーを電気エネルギーに変換する第2の熱電素子が配置される基板と、
前記第1又は第2の熱電素子上に配置される熱交換部材とを有し、
前記基板の側面に溝が形成されており、
前記溝には、前記第1又は第2の熱電素子と電気的に接続された導電体が形成されている熱電変換モジュール。
【請求項9】
前記基板は、放熱構造を有する請求項7又は8記載の熱電変換モジュール。
【請求項10】
前記第1の熱電素子と前記第2の熱電素子が、基板と熱交換部材に挟まれて配置されている請求項7乃至9の何れか一項記載の熱電変換モジュール。
【請求項11】
前記基板は、シリコンからなる第1層に絶縁体からなる第2層とシリコンからなる第3層と絶縁体からなる第4層が積層された構造を有する請求項7乃至10の何れか一項記載の熱電変換モジュール。
【請求項12】
前記第1又は第2の熱電素子は、前記第4層側に形成され、
前記放熱構造は、前記第1層に形成されている請求項11記載の熱電変換モジュール。
【請求項13】
電気エネルギーにより熱を移動させる第1の熱電素子と、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する第2の熱電素子が、基板と熱交換部材に挟まれて配置されている熱電変換モジュール。
【請求項14】
前記第2の熱電素子は、前記基板と前記第1の熱電素子に挟まれて配置されるか又は前記第1の熱電素子は、前記基板と前記第2の熱電素子に挟まれて配置されている請求項13記載の熱電変換モジュール。
【請求項15】
前記基板は、放熱構造を有する請求項13又は14記載の熱電変換モジュール。
【請求項16】
前記基板の前記第1又は第2の熱電素子が設けられている面側と反対の面側に電極が形成され、
前記電極は、前記基板を貫通するスルーホールを介して前記第1又は第2の熱電素子と電気的に接続されている請求項13乃至15の何れか一項記載の熱電変換モジュール。
【請求項17】
前記基板の側面に溝が形成されており、
前記溝には、前記第1又は第2の熱電素子と電気的に接続されている導電体が形成されている請求項13乃至15の何れか一項記載の熱電変換モジュール。
【請求項18】
第1導電型半導体及び第2導電型半導体から構成され電気エネルギーにより熱を移動させる第1の熱電素子、及び、第1導電型半導体及び第2導電型半導体から構成され熱エネルギーを電気エネルギーに変換する第2の熱電素子が、基板と熱交換部材に挟まれて配置されている熱電変換モジュールと、
前記第1の熱電素子に、前記第1導電型半導体の電位が前記第2導電型半導体の電位よりも高くなるように電圧を印加する電源と、
前記第2の熱電素子に接続される負荷とを有する熱電変換装置。
【請求項19】
前記負荷は、電気エネルギーを蓄える蓄電手段である請求項18記載の熱電変換装置。
【請求項20】
前記第2の熱電素子から出力される電流又は電圧を検知する検知部と、前記検知部の検知結果に基いて、前記第1の熱電素子の前記熱交換部材側の温度を算出し温度を監視する手段を有する請求項18又は19記載の熱電変換装置。
【請求項21】
第1導電型半導体及び第2導電型半導体から構成され電気エネルギーにより熱を移動させる第1の熱電素子、及び、第1導電型半導体及び第2導電型半導体から構成され熱エネルギーを電気エネルギーに変換する第2の熱電素子が、基板と熱交換部材に挟まれて配置されている熱電変換モジュールと、
前記第1の熱電素子に、前記第1導電型半導体の電位が前記第2導電型半導体の電位よりも高くなるように電圧を印加する可変電源と、
前記第2の熱電素子に接続される負荷と、
前記第2の熱電素子から出力される電流又は電圧を検知する検知部と、
前記検知部の検知結果に基いて、前記第1の熱電素子の前記熱交換部材側の温度を算出し、前記温度が所定の温度になるように前記可変電源の電圧を制御する制御部と、を有する熱電変換装置。
【請求項22】
前記負荷は、電気エネルギーを蓄える蓄電手段である請求項21記載の熱電変換装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42】
image rotate

【図43】
image rotate

【図44】
image rotate

【図45】
image rotate

【図46】
image rotate

【図47】
image rotate


【公開番号】特開2010−118475(P2010−118475A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−290273(P2008−290273)
【出願日】平成20年11月12日(2008.11.12)
【出願人】(000006220)ミツミ電機株式会社 (1,651)
【Fターム(参考)】