説明

熱電材料の熱物性値を測定する方法および熱電材料測定装置

【課題】熱電材料の熱電能分布を測定すると共に熱伝導率を測定することができる熱電材料測定装置および測定方法を提供する。
【解決手段】熱電材料測定装置は、被測定材料の測定表面を撮影する光学カメラ、加熱ヒータが装備されたプローブ、被測定材料を載置して測定ポイントを位置決めするステージ機構、これらを駆動する制御装置、および測定データのデータ処理を行うデータ処理装置を備え、被測定試料の局所的な熱伝導率と熱電能と表面光学画像を1度の測定で収集して2次元平面位置情報と熱物性値の相関を解析する。熱電材料測定装置において、被測定試料の局所的な熱伝導率と熱電能の測定は、加熱されたプローブに組み込まれた微小熱流計により測定された熱流によって、プローブ接触点の被測定試料の表面温度を正確に推定することにより行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱電材料である導電性材料の微小領域の熱物性値を評価するために熱電材料の熱物性値を測定する方法および熱電材料測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
熱電変換材料はゼーベック効果およびペルチェ効果を発現して熱と電気の間の相互エネルギー変換をおこなう物質の総称である。この特殊な材料に温度差を与えると材料内部には電位差が発生し、この電位差を外部回路に取り出すことで、外部負荷の部分で電力を取り出すことができるため、温度差を利用した発電システムを構成することができる。このため、同じ温度差で高い発電性能を有する熱電材料を開発することが、今日の当該分野における重要な課題となっている。
【0003】
熱電材料の性能は、一般的に熱電性能指数Zは、
Z=S/(ρκ)
で表現される。ここでSは熱電能、ρは電気抵抗率、κは熱伝導率である。熱電性能指数Zが大きいと発電性能が高く、同じ熱入力に対してより多くの発電をすることができるため、熱電能や抵抗率、熱伝導率の微妙な調整を行って、材料を最適化する実験が多く試みられている。
【0004】
ここでの熱電能Sや熱伝導率κは、熱電性能指数を決定する重要な因子である。すなわち、熱電材料の性能評価では、ある温度において、これらの物性値を定量的に決定する必要があり、一般的には、例えば、熱電能に関しては定常2端子法によって決定し、また、熱伝導率に関しては、レーザーフラッシュ法によって各物性値を決定する。
【0005】
しかしながら、上述のような一般的な熱電能測定法や熱伝導率測定方法は、均質なバルク材料に対してのみ適用できる測定方法であり、例えば、3mm×3mm×15mm、または直径10mm×厚み1mmといった形状のサンプルの内部が完全に均質であるという仮定の下に、物性値を決定する計測方法である。実際の試料においては、この均質性の仮定が成立しているかどうかを検証するために、数ミクロンから数十ミクロンのより微細な位置分解能を有する熱電能の測定方法、および熱伝導率の測定方法を利用して測定する必要があった。
【0006】
また、材料開発の観点から、ミクロ構造やナノ構造を最適化した熱電材料は、熱伝導率が低減し、あるいは電子構造が変化するため、性能が向上する可能性があるが、そのために、そのようなミクロ複合材料が実際に設計どおりに合成されているかを検証する必要があり、また、そのためにも数ミクロンから数十ミクロンのより微細な位置分解能を有する熱電能の測定方法、および熱伝導率の測定方法を利用した測定が必要であった。
【0007】
このような微細な領域の熱測定に関連する技術は、いくつかの検討例や発明が既になされている。例えば、AFM(Atomic Force Microscope)技術を活用した熱イメージを計測するSThM(Scanning Thermal Microscope)技術(非特許文献1)や、同じく先端を細くした熱電対をカンチレバーとして試料表面の温度情報を収集して表面形状測定に利用するSTP(Scanning Thermal Profiler)法(非特許文献2)などが提案されており、また、接触したときの熱電能を決定する方法としてはサーマルプローブ法(非特許文献3,特許文献1)が提案されている。
【非特許文献1】ScanningNear-Field Optical Microscopy and Scanning Thermal Microscopy; Jpn. J. Appl.Phys. Vol. 33, pp.3785-3790 (1994); R. J. Pylkki, P. J. Moyer and P. E. West.
【非特許文献2】Scanning ThermalProfiler; Appl. Phys. Lett., Vol. 49, No. 23, pp. 1587-1589 (1986); C. C.Williams and H. K. Wickamasinghe.
【非特許文献3】Sussmann, etal., Proc. 12th Int. Conf. on Thermoelectrics, Yokohama,86(1993).
【特許文献1】特開2004−003872号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、STM(Scanning Tunneling Microscope)法やAFM(Atomic Force Microscope)技術を利用した測定方法では、被測定試料のチップは細長いものではなく、カンチレバーが非常に試料に近接している状態で試料表面上を走査するため、カンチレバーを加熱すると、試料が輻射により加熱され、ドリフトを受けることになり、大きな温度勾配を試料の任意の局所的な点に与えることが難しい。また、局所的な熱電能を出力するような機能も解析アルゴリズムも搭載していないため、熱電材料の熱電能分布を測定する目的では使用できないという問題がある。
【0009】
熱電材料の微小領域分析を目的として開発されたサーマルプローブ法は、唯一、熱電能分布と熱伝導率分布の同時分析を行える測定方法であるが、この測定方法で利用されている加熱プローブではシース型熱電対を用いており、プローブが接触している点の試料の表面温度とシース熱電対により計測されるプローブ先端の温度が一致しないという問題があった。
【0010】
図1は、従来のサーマルプローブ法による測定方法を説明するための図である。従来のサーマルプローブ法の技術においては、図1に示すように、加熱ヒータを備えた金属製のプローブを被測定材料にコンタクトして、そのプローブの先端に設けた熱電対により被測定材料の表面温度を測定し、試料の局所的な熱電能の推定においては、次の式により、熱電能Sを得るようにしている。すなわち、
S=V/(Ttip−T)=V/(Tsurf−T
を採用して、熱電能Sを求めるようにしている。しかし、その際、プローブ先端の熱電対における温度Ttipと、被測定材料の表面温度Tsurfには測定時に温度差が存在し、常に、Ttip>Tsurfとなってしまい、この差の量「Ttip−Tsurf」も数K程度と無視できない温度差になることが明らかとなっている。このことは熱電能を過小評価することにつながり、熱電材料の局所的な熱電能や熱電能分布の定量的なマッピングを目的とする測定の場合には、誤差としては無視できない問題であった。
【0011】
このため、上述した従来のサーマルプローブ法による熱電能分布ならびに熱伝導率分布の測定においては、加熱されたプローブが試料表面に接触してから温度が定常状態になることを確認してデータを収集する方法を採用している。これは、実際には数秒から数十秒の待ち時間を要することを意味し、1000点、10000点といった大量の測定点での測定が必要とされるマッピング測定の測定時間を長くする原因となっていた。このため、実用性を考えると、測定時間を短縮する測定の高速化が解決されるべき一つの重要な課題として浮かび上がる。
【0012】
また、試料表面に加熱プローブがコンタクトした後に、長い待ち時間を設けることは、時間とともにコンタクトの点から温度勾配が近傍に広がることを意味し、結果的に熱電能や熱伝導率の位置分解能を下げることになるという別の問題が生ずることになる。
【0013】
上記の従来のサーマルプローブ法による測定方法および測定装置は、プローブを試料表面上の希望どおりの任意の点にコンタクトさせるという意味で困難を伴う技術であった。すなわち、数から数十ミクロンサイズの微小領域の測定を前提とすると、目視によりプローブを所望の測定位置にコンタクトさせることは難しく、マッピング測定結果が実試料のどの部分に対応するか、明確に対応させるための仕組みが必要であった。
【0014】
本発明は、上述のような従来の技術の問題を克服するためになされたものであり、本発明の目的は、定量性や実用性の高い熱電材料の測定方法を提供することであり、具体的には、熱電材料の熱電能分布を測定すると共に熱伝導率を測定することができる熱電材料測定装置および測定方法を提供することにある。
【0015】
すなわち、本発明により解決されるべき課題は、具体的には、
(1)プローブを加熱するためのヒータが試料の直上に近接することで試料表面が輻射の影響を受けて加熱されてしまい、画像が影響を受けてしまうという課題、
(2)試料表面温度とプローブ先端温度の間に温度差が生じて温度測定誤差が発生し、熱電能の過小評価につながるという課題、
(3)既存の測定装置において、一点あたりの測定時間が長く熱物性値の分布画像を取るために必要とする測定時間が長いという課題、
(4)熱電能ならびに熱伝導率の位置分解能が悪いという課題、
(5)熱物性値の局所的な測定位置と実試料上での位置の対応関係を簡単に確認できないという課題、
であり、これらの課題を解決するために、実験的な検討を進めて本発明がなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記のような課題を解決するため、本発明による熱電材料測定装置は、被測定材料の測定表面を撮影する光学カメラ、加熱ヒータが装備されたプローブ、被測定材料を載置して測定ポイントを位置決めするステージ機構、これらを駆動する制御装置、および測定データのデータ処理を行うデータ処理装置を備え、被測定試料の局所的な熱伝導率と熱電能と表面光学画像を1度の測定で収集して2次元平面位置情報と熱物性値の相関を解析する熱電材料測定装置であり、この熱電材料測定装置を用いて、被測定試料の局所的な熱伝導率と熱電能と表面光学画像を1度の測定で収集し2次元平面位置情報と熱物性値の相関を解析する熱物性値測定方法においては、前記光学カメラにより被測定材料の表面光学画像を撮影し、前記プローブにより被測定試料の局所的な熱伝導率と熱電能とを測定し、前記データ処理装置により測定された被測定試料の局所的な熱伝導率と熱電能と表面光学画像と対応付けて、2次元平面位置情報と熱物性値の相関を解析する。
【0017】
この場合に、前記プローブに組み込まれた微小熱流計により測定される熱流データに基づいて、前記データ処理装置によりプローブ接触点の被測定試料の表面温度を推定するデータ処理を行い、推定された表面温度に基づいて、被測定試料の局所的な熱伝導率と熱電能の測定データの処理を行う。被測定試料の局所的な熱伝導率と熱電能の測定では、プローブに組み込まれた微小熱流計を使用し、微小熱流計により測定された熱流によって、プローブ接触点の被測定試料の表面温度を正確に推定する。
【0018】
ここで、熱電材料測定装置のプローブの構造は、プローブを加熱するために取り付けられる加熱ヒータが、少なくともプローブ先端が被測定試料表面に接触する点から鉛直上に5mm以上離れてプローブに取り付けられている構造とされる。また、このプローブは、上下方向のプローブ移動機構から水平方向にのびた片持ち梁に固定されており、この片持ち梁のたわみ量を計測して、前記プローブに加わっている圧力を推定する手段が備えられる。
【0019】
また、プローブに組み込まれる微小熱流計は、熱伝導率が既知である細長状物質と、その細長状物質の上に一定距離をおいて固定された2つの熱電対から構成されている。
【0020】
このプローブにより、局所的な熱伝導率および熱電能を測定する場合においては、測定データがプローブのコンタクトにより得られるので、被測定試料の局所的な熱伝導率と熱電能と表面光学画像を1度の測定で収集し2次元平面位置情報と熱物性値の相関を解析する。このためのデータ処理は、データ処理装置によるプログラム処理により行う。熱伝導率を推定するプログラムでは、加熱プローブが試料表面に接触した直後からの、加熱プローブの長手方向の温度勾配の時間変化データを入力として、相対的な熱伝導率を推定し、これを出力する処理を行う。この機能手段が、当該プログラムを測定データのデータ処理を行うデータ処理装置にインストールすることにより提供される。
【0021】
また、熱電能を推定するプログラムでは、加熱プローブが試料表面に接触した直後からの、加熱プローブの長手方向の温度勾配の時間変化データおよび、細長状加熱ブローブ上に固定された温度測定点における温度の時間変化データ、およびプローブ接触部分と被測定試料の他の基準点との間の電位差の時間変化を入力として、熱電能を推定し、これを出力する処理を行う。この機能手段が、当該プログラムを測定データのデータ処理を行うデータ処理装置にインストールすることにより提供される。
【発明の効果】
【0022】
本発明による熱電材料測定装置においては、上記のような構成を備えることにより、従来のサーマルプローブ法における課題が、次のように解決される。
すなわち、
(1)被測定試料の局所的な熱伝導率と熱電能と表面光学画像を1度の測定で収集し、パソコンに取り込んだ光学画像上の座標と、試料上のプローブコンタクト実座標を関連づけることによって、マイクロメートルサイズの再現性を有しながら、実測定試料表面上の希望する任意の位置を確実に測定できるようにし、
(2)上記の測定において、被測定試料の局所的な熱伝導率と熱電能の測定は、加熱されたプローブに組み込まれた微小熱流計を使用して、プローブ接触点の被測定試料の表面温度を正確に測定することとし、
(3)そのプローブにおいては、プローブを加熱するために取り付けられる小型の加熱ヒータは少なくともプローブ先端が被測定試料表面に接触する点から鉛直上に5mm以上離れて取り付けられており、ヒータからの輻射や対流によって被測定試料が加熱されないように配慮され、
(4)上記プローブは、上下方向のプローブ移動機構から水平方向にのびた金属製の片持ち梁に固定されており、その片持ち梁のたわみ量を計測することによってプローブに加わっている圧力を推定することができるようにし、
(5)上記プローブに組み込まれた微小熱流計は、熱伝導率が既知である細長状物質と、その細長状物質上に一定距離をおいて固定された2つの熱電対から構成されており、
(6)熱伝導率の推定を行うためのデータ処理では、加熱プローブが試料表面に接触した直後からの、加熱プローブの長手方向の温度勾配の時間変化データを入力として、相対的な熱伝導率を推定し、これを出力するプログラムを使用して、データ処理を行い、
(7)熱電能の推定を行うためのデータ処理では、加熱プローブが試料表面に接触した直後からの、加熱プローブの長手方向の温度勾配の時間変化データおよび、細長状加熱ブローブ上に固定された温度測定点における温度の時間変化データ、およびプローブ接触部分と被測定試料内に設けられた他の基準点との間の電位差の時間変化を入力として、熱電能を推定し、これを出力するプログラムを使用して、データ処理を行う。
【0023】
これにより、上述した課題が解決され、従来のサーマルプローブ法技術の測定方法および測定装置に較べて短時間に、しかも精度の良い熱伝導率と熱電能を同時に測定することができる測定方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明を実施する場合の形態について、具体的に図面を参照して説明する。図2は、本発明の熱電材料測定装置の測定装置の構成を説明するための模式図である。図3は、本発明の熱電材料測定装置における加熱プローブの構成を詳細に説明するための図である。
【0025】
次に、図2および図3を参照して熱電材料測定装置の測定装置部の構成を説明する。図2において、1は試料ホルダー、2はプローブ、3は加熱用ヒータ、4はプローブおよび加熱用ヒータを支持する支持部材、5は距離測定のためのミラー、6は片持ち梁、7はレーザ距離計、8はステージ(Z軸移動ステージ)、9は支柱、10は被測定試料である。図3において、2はプローブ、3は加熱用ヒータ、4は支持部材、14はプローブの熱流の上流側の第1の温度を測定する第1の熱電対、15はプローブの熱流の下流側の第2の温度を測定する第2の熱電対、16は被測定試料の表面温度を測定する第3の熱電対である。
【0026】
図2に示されるように、支持部材4に加熱用ヒータ3およびプローブ2が保持されており、その下方に、被測定試料10が、熱的、電気的に良好な接触を持つように、試料ホルダー1に固定される。試料ホルダー1は、銅やアルミニウム等の熱伝導性がよく、温度が均一になる導電性の材料で作製されている。試料ホルダー1は熱起電力を測定する際の一つの参照電極の役割を果たすため、この試料ホルダー1の材質としては、熱電能が小さい金属材料を利用する。また、試料ホルダー1は、図示しない2軸のモータとリニアガイドに固定されており、X−Y平面上を自由に移動することができる機構が設けられている。プローブ2により、被測定試料10に対して、その先端部でコンタクトオン/コンタクトオフを繰り返しながら走査して、被測定試料10を計測する動作を繰り返す。また、プローブ2には、小型の加熱用ヒータ3が取り付けられており、これにより、測定のための所定の熱量が供給される。これらの測定の制御は、図示しない制御部によりステージ8および試料ホルダー1の移動の制御がなされて行われる。
【0027】
プローブ2は、金属製プローブ部分の長さが10mm以上あるように構成されており、また、加熱用ヒータ3と被測定試料10との間に十分な距離があるような状態にして、計測を行える形状に作製されており、熱対流等の効果で試料の表面が加熱されることがないように構成されている。
【0028】
プローブ2および加熱用ヒータ3は支持部材4により片持ち梁6に固定されている。支持部材4は、熱伝導性の悪い棒状の材料で作製されており、熱的に絶縁される。プローブ2、加熱用ヒータ3、支持部材4、片持ち梁6の各部材は機械的に強固に固定されており、プローブ接触点の変位をそのまま片持ち梁6に伝えられる構造に構成される。すなわち、支持部材4、加熱用ヒータ3、プローブ2の部分が簡単にねじれたりたわんだりすることなく、片持ち梁6が、プローブ2が被測定試料10の表面に接触したときに上方に曲がるような役割を果たす構造とされる。このときの変位は、片持ち梁6に装着されたミラー5の位置を、レーザ距離計7により計測することにより、1ミクロン単位で正確に定量できるようにしている。
【0029】
定量された変位により、この変位と片持ち梁6を構成する材料の剛性率から、プローブ2の先端にかかっている圧力を推定する。片持ち梁6とレーザ距離計7はともにZ軸移動ステージ8に固定されており、Z軸移動ステージ8は、支柱9に沿って、その上をモータの駆動によりスムーズに上下させる。
【0030】
被測定試料10を固定した試料ホルダー1をX−Y平面上で自由に移動させると共に、プローブ2を上下方向に自由に移動させるため、X軸、Y軸、およびZ軸の駆動の制御は、図示しない制御部により制御される。コンピュータによる自動制御により位置決めの制御が行われる。なお、プローブを3次元に走査するためのX軸、Y軸、およびZ軸を移動させる位置決め制御の動作については、被測定試料に対するプローブ2の動きが相対的に同じような状況を実現できれば、どの部分にモータが設置されて動く構成になっていてもよい。
【0031】
このような構成をとることによって、被測定試料10の表面をX−Y平面上を走査しながら任意の局所を位置決めして、測定のために被測定試料を加熱することができる測定用の加熱プローブが提供される。さらに、この構成をとることによって、プローブの上下の変位量やプローブに加わっている圧力を測定することができる。また、加熱用ヒータ3の位置が試料から遠いために、被測定試料の全体が暖まってしまい、局所的な加熱のレスポンスの感度が下がる事態を避けることができる。
【0032】
図3を参照すると、加熱用ヒータ3により加熱されるプローブ2の部分を拡大した模式図が示されている。プローブ2は、その先端は曲率半径が10〜50ミクロン程度の鋭角となっているほうが位置分解能を良くする意味では望ましいが、被測定試料10に対して傷がつくのを避けたい場合は、曲率半径の大きくしたプローブを使用する。被測定試料10は機械的に強く、剛性のある細い金属製の棒状材料に加工したものを測定するが、熱伝導率が既知であり、プローブ接触点の電位を引き出す導体部分があれば、表面に電位取り出し用の配線を施したセラミクス材料などについても、被測定試料として、測定することができる。加熱用ヒータ3からプローブ2に熱が伝わり、その熱がプローブ2を介して被測定材料10に伝わるが、その熱の流れ方向には、第1の熱電対14および第2の熱電対15の2つの熱電対が設けられている。この2つの熱電対により2点の温度を計測することにより、熱流が伝えられるプローブ2については、その材料の熱伝導率および長さと断面積が既知であることから、第1の熱電対14および第2の熱電対15により2点の温度を測定することによりプローブ2に流れる熱量を推定することができ、これを計測のデータ処理に利用する。
【0033】
輻射、伝熱、対流などの熱伝達のバランスによって、第1の熱電対14および第2の熱電対15には一定の温度差がついているが、被測定試料10の表面にプローブ2が接触すると、熱流が増すため、第1の熱電対14および第2の熱電対15の間の温度差は大きくなるが、このときのプローブ2の先端の温度は、次式により推定する演算処理を行って求められる。
【数1】

ここで、図3に示すように、Lは第1の熱電対14および第2の熱電対15の間の距離、Mは第2の熱電対15とプローブ2の先端との距離である。このようにして、プローブ2の接触点の表面温度を推定できるため、プローブ2の先端部分に熱電対や温度センサを作り込む必要がなく、測定装置の構成がシンプルになる。また、プローブ2の熱容量や先端の径を小さくすることができるので、装置の設計上の利点となる。
【0034】
従来のサーマルプローブ法のように、シース型熱電対を用いる場合は熱電対の実際の温度測定点と試料/プローブ接触点の間に有限の熱抵抗が生じてしまい、温度の測定誤差が生じてしまうが、このように、2つの熱電対と材質および熱特性が既知の導体を用いて熱流を推定して、先端の温度を推定する測定方法にすれば、誤差が小さくなり、より精度の良い試料表面温度の測定が可能となるメリットがある。プローブ2の材料の熱伝導率κを仮定すると、プローブ2を流れる熱流は、次式で求められる。
【数2】

この熱流は、被測定試料10の表面のプローブ接触点の近傍の熱伝導率と強い相関があるので、この熱流を定量的に計測することにより、被測定試料10の表面のプローブ接触点近傍の局所熱伝導率の推定を演算処理により行うことができる。
【0035】
なお、ここでは熱電対2つを利用した熱流測定の例を示しているが、細いプローブに流れている熱流を正確に見積もることができれば、熱電対の使用に限るものではない。すなわち、センサとしては半導体を利用したものでも代替できるし、小型に組み込むことが可能であり、数十マイクロワット〜数十ミリワットの熱量を測定でき、かつ、第2の熱電対15にあたる位置の温度測定ができるものであれば、上記の構成に限るものではない。
【0036】
図4は、加熱プローブが試料表面に接触したときに得られる熱電能V/(T−T)および熱流測定用の熱電対から算出される温度差「T−T」の時間変化を示したグラフであり、測定データの時間依存性の特性を示している。例えば、tにおいては、プローブが試料表面に接触したことを示しており、ここからプローブから試料に流れる熱流は、次第に増えていくため、温度差も増えていく。この熱流の増加は、簡単には、t以後の部分の直線近似の傾き、すなわち、温度差の上昇速度として定量化することができる。この傾きが大きいほど、被測定試料に熱が注入されているということであり、プローブ接触点での熱伝導率が大きいことに対応する。したがって、温度差の上昇速度と熱伝導率の間の相関を利用して、局所的な熱伝導率を推定することができる。本発明においては、プローブ先端の温度およびプローブから試料に流れる熱流の時間変化を利用して局所熱伝導率を推定するように構成しており、これにより、従来のサーマルプローブ法と比較して、測定の再現性や安定性が確保される。
【0037】
図4のグラフにおいて、縦軸は熱電脳「S=V/{T−(T−T)M/L−T}」を表しており、横軸は時間tを表している。このグラフでは、熱電能の時間変化が示されているが、主として、プローブと試料表面の有限の熱抵抗の存在のため、プローブ接触直後に大きなあるいは小さな熱電能が観測され、その後、一定値に落ち着く傾向が示されている。これは、プローブ接触位置のごく近傍に熱がとどまっている状況が、接触直後の短い時間に実現しているためだと考えられる。局所的な熱電能測定の位置分解能をあげるためには、この短い時間に、熱起電力や温度差の測定を行うことが重要である。被測定試料の熱伝導率にもよるが、1秒あるいは数秒以上待って測定すると、熱が試料に広範囲に拡散し、位置分解能が悪くなるほか、測定の時間の大幅な増加につながる。このためプローブの接触直後に温度差「{T−(T−T)M/L−T}」、起電力Vを測定する。
【0038】
図5は、本発明の熱電材料測定装置における光学画像取り込み装置の位置関係を説明する図である。図5において、21はX軸移動ステージ、22は試料ホルダー、24は光学カメラ、25は被測定試料である。図5には、光学画像データ収集装置としての光学カメラ24と、熱電能および熱伝導率の測定のためのプローブ2との配置関係が示されている。図示されないが、プローブ2のZ軸移動用ステージと光学カメラ24は同じ構造体(支持部材)に固定されており、同じ位置関係を保ちながら、光学カメラ24による被測定試料の表面の光学画像データの収集と、加熱されたプローブ2による局所領域の熱電能および熱伝導率の測定データの収集が同時に行われる。
【0039】
プローブ2の直下とカメラ直下の間を、被測定試料25および試料ホルダー22が行き来できるように、X軸移動ステージ21の移動距離はY軸移動ステージ(図示せず)に比べて大きくなっている。光学カメラ24で撮影した映像をデータ処理装置(パソコン)に取り込み、その画像上の座標(Xc、Yc)とプローブが、被測定試料25にコンタクトする実座標(Xp、Yp)の対応を取ることにより、光学画像と実際の測定場所の対応をつける。例えば、データ処理装置のパソコンに取り込まれた画像をディスプレイに装置に表示し、その画像上の1点を指定することで、制御装置によりステージを駆動して、被測定試料25固定された試料ステージのX軸,Y軸を駆動し、所望の局所領域の局所熱電能あるいは局所熱伝導率を推定するデータを取得し、データ処理を行い、熱電材料における局所熱電能あるいは局所熱伝導率を測定することができる。測定された局所熱電能あるいは局所熱伝導率は、データ処理によりマッピングされて、熱電能分布および熱伝導率の分布として画像表示される。これらのデータ処理については、後述する実施例の中で説明する。
【0040】
次に、本発明による熱電材料測定装置を用いて、熱電材料の熱電能および熱伝導率を測定する場合の測定方法の実施例について説明する。本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0041】
[実施例1]
(1)溶融凝固法により作製したビスマステルル合金の熱電能と熱伝導率の分布を計測するために図2、3、および図5と同じ構成の装置により測定を行った。
(2)ビスマステルル合金は直径20mm厚み1mmの寸法であり、その上を120ミクロン間隔で200点×200点測定した。
(3)プローブは直径0.25mm合金ロッドを用い、その先端は曲率半径50μm以下に尖らせてあり、先端から3mmおよび9mmの部分に熱電対図3の15および14に相当する熱電対が半田により熱的に良好な形で固定されている。熱電対は極細タイプのK型熱電対を利用した。ヒータの発熱量は120mWであった。カンチレバーの材質はアルミ合金、長さ40mm、幅30mmであり、厚みは1mmであった。
(4)データの収集方法は、毎秒1000回のサンプリングを行い、1ミリ秒ごとの温度T、T、T、プローブ先端と試料ホルダーとの間の電位V、プローブのカンチレバーの変位、を測定し、これらをデータ解析の対象としている。
(5)プローブは試料に接触後50ミクロンだけ押し込み、接触後から0.5秒経過したときのデータを利用して、S=V/{T−(T−T)M/L−T}の形で熱電能を決定した。また、熱伝導率はプローブの熱流の上昇速度を線形近似で求め、その値を標準試料測定により構成し、熱伝導率(W/mK)として推定をおこなった。
【0042】
図6に、熱伝導率分布(上)および熱電能分布(下)の測定結果を示した。熱伝導率の測定では水平方向にノイズが乗っているものの、試料の組成ムラに伴う熱伝導率および熱電能の分布が明瞭に確認され、熱電能分布が計測されていることが分かる。
【0043】
[実施例2]
先行技術のシース熱電対をプローブとして利用したサーマルプローブ法に対して、定量性の点で本発明が有利であることを示すため、熱電材料を測定した実施例について説明する。
(1)熱電材料であるコバルトアンチモンテルル合金の熱電能の測定を行った。測定の走査間隔を20ミクロン間隔としたこと以外はすべて実施例1と同じ測定条件とした。この測定結果を表1に示している。
【表1】

【0044】
従来のシース熱電対型を利用したサーマルプローブ法(図1)のよる測定では、シース熱電対が示す温度が実際の表面温度よりも高くなり、結果的に熱電能を過小評価する傾向があるが、熱流計を備えた本発明による測定方法によれば、熱電材料の熱電能の測定誤差は小さく、良好な定量性を実現していることがわかる。
【0045】
[実施例3]
局所的な熱電能の測定において、時間変化データの取得と解析が必要な事例について説明する。このための実施例を示す。図7は実施例2で測定した試料と同じ、コバルトアンチモンテルル合金の測定結果である。プローブが試料に接触し、カンチレバーが0.02mm浮き上がった時点(−0.02mm)でトリガをかけて0.5秒間のデータ収集を1000Hzのサンプリング周期でおこなっている。
【0046】
図7の3番目に示す熱電能の時間変化のグラフを見ると、一度(0.15秒後に)、熱電能の絶対値は極大値140μV/Kを示し、その後、133μV/Kに落ち着いていることがわかる。この材料の室温における熱電能は、信頼性のある定常法により別途測定しており、−140μV/Kであることを確認している。すなわち、各時刻における熱電能の値を図3におけるモデルで
S=V/{T−(T−T)M/L−T
として評価し、この値の時間変化を解析し、熱電能の極大値を算出することにより、真値に近い熱電能を推定することが可能になることがわかる。
【0047】
[実施例4]
銅、チタン、コバルトアンチモンテルル合金に関して行った局所的な熱伝導率の測定について、熱流増加の速度と熱伝導率の間に一定の関係があること、および、このことから特定の関係式を実験的に導き出すことにより、局所熱伝導率推定の手法として利用できることを説明する。
【0048】
図8は、図4において示した熱流増加速度、すなわちプローブ内に組み込まれた2つの熱電対の温度差増加の時間依存性と、試料の熱伝導率の関係を示したものである。試料の熱伝導率をκsample、熱流増加の速度をχとしたとき、両者の間には明確な相関があり、この場合、この関係は
Log(κsample)=aχ+b
で近似することができる。ここでaとbはフィッティングパラメータである。このように既知の材料をあらかじめ測定し、校正曲線を作成することで、定量性に優れた局所熱伝導率の測定を行うことができる。
【0049】
[実施例5]
実施例3で示した時間変化データから物性値を推定するデータ処理を行うためのプログラムについて説明する。このプログラムは、WindowsXP上で動作する「LabVIEW7.1」で作成されている。このプログラム(サブルーチン)は、入力として、スプレッドシート形式で転送されてくる6列×1000行の数値を受け付ける。このデータ列の1列目は時刻情報、2列目はプローブ変位(mm)、3列目は熱起電力(V)、4列目、5列目、6列目はそれぞれT、T、Tの温度(℃)である。これらのデータを受け取り、内部ではある一定の時刻における評価値
S=V/{T−(T−T)M/L−T
を算出する演算処理を行い、この値を熱電能の推定値として出力する。このサブルーチンは、一点測定するごとに呼び出されて熱電能を推定するデータ処理を行い、2次元マッピングルーチンに値を引き渡す。2次元マッピングルーチンでは、測定点の位置の情報にしたがって、熱電能の分布を示す画像を生成して、出力する。
【0050】
[実施例6]
実施例4で示した時間変化データから物性値を推定するデータ処理を行うためのプログラムについて説明する。このプログラムは、WindowsXP上で動作する「LabVIEW7.1」で作成されている。このプログラム(サブルーチン)は、入力として、スプレッドシート形式で転送されてくる6列×1000行の数値を受け付ける。このデータ列の1列目は時刻情報、2列目はプローブ変位(mm)、3列目は熱起電力(V)、4列目、5列目、6列目は、それぞれT、T、Tの温度(℃)である。このプログラムは、これらのデータを受け取り、これらのデータに基づいて、T−Tの時間依存性をグラフ化して、直線近似した際の傾きを出力として返す。また、予め作成されてテーブルに格納されている校正データを利用し、この直線近似した際の傾きから熱伝導率に換算して、サブルーチンの出力として返す。このサブルーチンは、一点測定ごとに呼び出されて熱伝導率を推定し、2次元マッピングルーチンに値を引き渡す。2次元マッピングルーチンでは、測定点の位置情報に従い、熱伝導率の分布を示す画像を生成して、出力する。
【0051】
[実施例7]
本発明が測定の高速化に寄与している事例を以下に示す。従来のサーマルプローブ法による測定装置で50×50=2500点の熱電能分布測定をおこなった場合の結果と、本発明の装置で同じ測定を行った場合の比較例を図9に示す。測定の定量性については実施例2とほぼ同じ結果であった。表2に見て分かるように、測定時間は約5分の1になっており、測定の高速化が達成されていることがわかる。
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】従来のサーマルプローブ法による測定方法を説明するための図である。
【図2】本発明の熱電材料測定装置の測定装置の構成を説明するための模式図である。
【図3】本発明の熱電材料測定装置における加熱プローブの構成を詳細に説明するための図である。
【図4】測定データの時間依存性の特性を説明する図である。
【図5】本発明の熱電材料測定装置における光学画像取り込み装置の位置関係を説明する図である。
【図6】ビスマステルル系合金の熱伝導率分布および熱電能分布の測定結果データを示すである。
【図7】測定データの時間依存性の特性データを示す図である。
【図8】熱伝導率と測定値(熱流増加速度)の関係を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
1 試料ホルダー
2 プローブ
3 加熱用ヒータ
4 支持部材
5 ミラー
6 片持ち梁
7 レーザ距離計
8 ステージ(Z軸移動ステージ)
9 支柱
10 被測定試料
14 第1の熱電対
15 第2の熱電対
16 第3の熱電対
21 X軸移動ステージ
22 試料ホルダー
24 光学カメラ
25 被測定試料


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定材料の測定表面を撮影する光学カメラ、加熱ヒータが装備されたプローブ、被測定材料を載置して測定ポイントを位置決めするステージ機構、これらを駆動する制御装置、および測定データのデータ処理を行うデータ処理装置を備え、
被測定試料の局所的な熱伝導率と熱電能と表面光学画像を1度の測定で収集し2次元平面位置情報と熱物性値の相関を解析する
ことを特徴とする熱電材料測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の熱電材料測定装置を用いて、被測定試料の局所的な熱伝導率と熱電能と表面光学画像を1度の測定で収集し2次元平面位置情報と熱物性値の相関を解析する熱物性値測定方法であって、
前記光学カメラにより被測定材料の表面光学画像を撮影し、
前記プローブにより被測定試料の局所的な熱伝導率と熱電能とを測定し、
前記データ処理装置により測定された被測定試料の局所的な熱伝導率と熱電能と表面光学画像と対応付けて、
2次元平面位置情報と熱物性値の相関を解析する
ことを特徴とする熱物性値測定方法。
【請求項3】
請求項2に記載の熱物性値測定方法において、
前記プローブに組み込まれた微小熱流計により測定される熱流データに基づいて、前記データ処理装置によりプローブ接触点の被測定試料の表面温度を推定するデータ処理を行い、推定された表面温度に基づいて、被測定試料の局所的な熱伝導率と熱電能の測定データの処理を行う
ことを特徴とする熱物性値測定方法。
【請求項4】
請求項1に記載の熱電材料測定装置において、
前記プローブを加熱するために取り付けられる加熱ヒータは、少なくともプローブ先端が被測定試料表面に接触する点から鉛直上に5mm以上離れて前記プローブに取り付けられている
ことを特徴とする熱電材料測定装置。
【請求項5】
請求項1に記載の熱電材料測定装置において、
前記プローブは、上下方向のプローブ移動機構から水平方向にのびた片持ち梁に固定されており、
前記片持ち梁のたわみ量を計測して前記プローブに加わっている圧力を推定する手段を備える
ことを特徴とする熱電材料測定装置。
【請求項6】
請求項1に記載の熱電材料測定装置において、
前記プローブに組み込まれる微小熱流計は、熱伝導率が既知である細長状物質と、その細長状物質上に一定距離をおいて固定された2つの熱電対から構成される
ことを特徴とする熱電材料測定装置。
【請求項7】
請求項1に記載の熱電材料測定装置において、
測定データのデータ処理を行うデータ処理装置には、
加熱プローブが試料表面に接触した直後からの、加熱プローブの長手方向の温度勾配の時間変化データを入力として、相対的な熱伝導率を推定し、これを出力する手段として機能させるプログラムがインストールされている
ことを特徴とする熱電材料測定装置。
【請求項8】
請求項1に記載の熱電材料測定装置において、
測定データのデータ処理を行うデータ処理装置には、
加熱プローブが試料表面に接触した直後からの、加熱プローブの長手方向の温度勾配の時間変化データおよび、細長状加熱ブローブ上に固定された温度測定点における温度の時間変化データ、およびプローブ接触部分と被測定試料の他の基準点との間の電位差の時間変化を入力として、熱電能を推定し、これを出力する手段として機能させるプログラムがインストールされている
ことを特徴とする熱電材料測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−51744(P2008−51744A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−230466(P2006−230466)
【出願日】平成18年8月28日(2006.8.28)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】