説明

燃焼システムに用いるガス混合装置

【課題】簡単な装置構成で既存の燃焼システムに設備変更を伴うことなく適用できると共に、副燃料ガスの発熱量の変動があっても、発電システムへ供給する混合燃料ガスと空気との混合比率を目的とする比率に維持することができるガス混合装置を提供すること。
【解決手段】ガス混合装置6は、ガスエンジン2を備えた発電システム1に対して装備する。ガス混合コントローラ8は、副燃料ガス流量Q2及び圧力差ΔPを圧力差関係マップM1に照合して、副燃料ガスF2の推定密度を求め、この推定密度に基づいて副燃料ガスF2の推定発熱量を求め、この推定発熱量と主燃料ガスF1の発熱量とを用いて、混合燃料ガスFmの発熱量を目標発熱量とするための主燃料ガスF1と副燃料ガスF2との混合比率を算出し、この混合比率となるよう流量制御弁75の開度を調整するよう構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼システムに対して、2種類の燃料ガスからなる混合燃料ガスを供給するよう構成したガス混合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
都市ガス等の主燃料ガスと、バイオガス(消化ガス)等の副燃料ガスとの2種類の燃料ガスを用いてガスエンジンを運転し、このガスエンジンの出力によって発電機を作動させるよう構成した発電システム(コージェネレーションシステム)においては、種々のシステム方式が採用されている。例えば、副燃料ガスの発熱量に応じて主燃料ガスと燃焼用空気との混合気の供給流量を調整し、2種類の燃料ガスを混合して燃焼を行う方式、主燃料ガスと副燃料ガスとの混合燃料を用い、空気比を制御しながら燃焼を行う方式等がある。
【0003】
例えば、特許文献1においては、バイオガス等の副燃料ガスと燃焼用空気との混合気、及び都市ガス等の主燃料ガスをガスエンジンに供給して、運転を行うよう構成したガスエンジンが開示されている。このガスエンジンにおいては、燃焼用空気がミキサーを通過する際に生じる負圧を利用し、ミキサー内へ副燃料ガスを吸引して、これらの混合気を生成しており、ガスエンジンの出力によって発電機を作動させている。また、特許文献1においては、ガスエンジンの排気ガス中の酸素濃度又は窒素酸化物(NOx)濃度を測定し、この濃度に基づいてガスエンジンへの主燃料ガスの供給流量を変更するバルブの開度を調節することにより、空気比を制御して、ガスエンジンの安定した運転を行っている。
【0004】
また、例えば、特許文献2においては、発熱量の異なる2種類の気体燃料を供給するために2つの供給系統を具備する気体燃料供給機構を備えたガスエンジンが開示されている。このガスエンジンにおいては、発熱量が低い方の気体燃料は、ガスエンジンへ直接供給し、発熱量が高い方の気体燃料は空気と合流させて混合気とした状態でガスエンジンへ供給するよう構成してある。そして、発熱量が低い方の気体燃料の種類又は組成が変更されたときには、発熱量が高い方の気体燃料と空気との混合比を変更して、ガスエンジンにおける空燃比を調整している。
【0005】
【特許文献1】特開2005−30302号公報
【特許文献2】特開2005−256674号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1のガスエンジンにおいては、酸素濃度又は窒素酸化物濃度を測定するセンサを取り付けるために、ガスエンジンに直接改造をする必要があり、既存のガスエンジンに直接適用ができない。また、上記特許文献2のガスエンジンにおいては、発熱量が低い方の気体燃料、及び発熱量が高い方の気体燃料と空気との混合気をガスエンジンへ供給するための設備が複雑で高価である。
また、実用化されているバイオガス専焼の小型コージェネレーションシステムにおいては、空気比の制御装置が装備されていない。そのため、バイオガスの熱量変動に伴う窒素酸化物(NOx)濃度の増加、失火等が発生するおそれがあり、発熱量の変動幅が大きいバイオガス等は使用することができない。
【0007】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、簡単な装置構成で既存の燃焼システムに設備変更を伴うことなく適用することができると共に、副燃料ガスの発熱量の変動があっても、燃焼システムへ供給する混合燃料ガスと燃焼システムにおいて吸気される空気との混合比率を目的とする比率に維持することができる燃焼システムに用いるガス混合装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、主燃料ガスが供給される主燃料ガス配管と、
該主燃料ガス配管に配設した主燃料ガス流量計と、
副燃料ガスが供給される副燃料ガス配管と、
該副燃料ガス配管に配設した副燃料ガス流量計と、
上記副燃料ガス配管に設けた絞り部と、
該絞り部の上流側と下流側との圧力差を測定する圧力計と、
上記主燃料ガス配管又は上記副燃料ガス配管に配設した流量制御弁と、
既知密度ρ0の基準ガスを上記絞り部を通過させたときの圧力差ΔP0及び流量Q0と、上記既知密度ρ0との関係が圧力差関係マップとして記憶されるとともに上記主燃料ガスの発熱量H1が記憶され、かつ上記主燃料ガス流量計によって測定された主燃料ガス流量Q1と、上記副燃料ガス流量計によって測定された副燃料ガス流量Q2と、上記圧力計によって測定された圧力差ΔPを受信して、上記流量制御弁に開度調整信号を送信するガス混合コントローラとを備えており、
該ガス混合コントローラは、上記副燃料ガス流量Q2及び上記圧力差ΔPを上記圧力差関係マップに照合して、上記副燃料ガスの推定密度ρ2を求め、該推定密度ρ2に基づいて該副燃料ガスの推定発熱量H2を求め、該推定発熱量H2と上記主燃料ガスの発熱量H1とに基づいて求められる上記混合燃料ガスの発熱量Hmが目標発熱量Hrとなるよう上記流量制御弁の開度を調整するよう構成したことを特徴とする燃焼システムに用いるガス混合装置にある(請求項1)。
【0009】
第2の発明は、主燃料ガスが供給される主燃料ガス配管と、
副燃料ガスが供給される副燃料ガス配管と、
上記主燃料ガス配管と上記副燃料ガス配管との合流部に配設し、又は上記主燃料ガス配管と上記副燃料ガス配管とにそれぞれ配設した1つ又は2つのガス流量計と、
上記合流部に設けた絞り部と、
該絞り部の上流側と下流側との圧力差を測定する圧力計と、
上記主燃料ガス配管又は上記副燃料ガス配管に配設した流量制御弁と、
既知密度ρ0の基準ガスを上記絞り部を通過させたときの圧力差ΔP0及び流量Q0と上記既知密度ρ0との関係が圧力差関係マップとして記憶されるとともに上記主燃料ガスの発熱量H1が記憶され、かつ上記1つ又は2つのガス流量計によって測定された混合燃料ガス流量Qmと、上記圧力計によって測定された圧力差ΔPを受信して、上記流量制御弁に開度調整信号を送信するガス混合コントローラとを備えており、
該ガス混合コントローラは、上記混合燃料ガス流量Qm及び上記圧力差ΔPを上記圧力差関係マップに照合して、上記混合燃料ガスの推定密度ρmを求め、該推定密度ρmに基づいて上記混合燃料ガスの発熱量Hmを求め、該混合燃料ガスの発熱量Hmが目標発熱量Hrとなるよう上記流量制御弁の開度を調整するよう構成したことを特徴とする燃焼システムに用いるガス混合装置にある(請求項4)。
【0010】
第3の発明は、主燃料ガスが供給される主燃料ガス配管と、
該主燃料ガス配管に配設した主燃料ガス流量計と、
副燃料ガスが供給される副燃料ガス配管と、
該副燃料ガス配管に配設した副燃料ガス流量計と、
上記副燃料ガス配管に設けた絞り部と、
該絞り部の上流側と下流側との圧力差を測定する圧力計と、
上記合流部に配設した流量制御弁と、
既知密度ρ0の基準ガスを上記絞り部を通過させたときの圧力差ΔP0及び流量Q0と、上記既知密度ρ0との関係が圧力差関係マップとして記憶されるとともに上記主燃料ガスの発熱量H1が記憶され、かつ上記主燃料ガス流量計によって測定された主燃料ガス流量Q1と、上記副燃料ガス流量計によって測定された副燃料ガス流量Q2と、上記圧力計によって測定された圧力差ΔPを受信して、上記流量制御弁に開度調整信号を送信するガス混合コントローラとを備えており、
該ガス混合コントローラは、上記副燃料ガス流量Q2及び上記圧力差ΔPを上記圧力差関係マップに照合して、上記副燃料ガスの推定密度ρ2を求め、該推定密度ρ2に基づいて該副燃料ガスの推定発熱量H2を求め、該推定発熱量H2、上記主燃料ガスの発熱量H1、上記主燃料ガス流量Q1及び上記副燃料ガス流量Q2を用いて上記混合燃料ガスの発熱量Hmを求め、上記流量制御弁の開度を、上記混合燃料ガスの発熱量Hmに応じた開度に調整するよう構成したことを特徴とする燃焼システムに用いるガス混合装置にある(請求項5)。
【0011】
第4の発明は、主燃料ガスが供給される主燃料ガス配管と、
副燃料ガスが供給される副燃料ガス配管と、
上記主燃料ガス配管と上記副燃料ガス配管との合流部に配設し、又は上記主燃料ガス配管と上記副燃料ガス配管とにそれぞれ配設した1つ又は2つのガス流量計と、
上記合流部に設けた絞り部と、
該絞り部の上流側と下流側との圧力差を測定する圧力計と、
上記合流部に配設した流量制御弁と、
既知密度ρ0の基準ガスを上記絞り部を通過させたときの圧力差ΔP0及び流量Q0と、上記既知密度ρ0との関係が圧力差関係マップとして記憶されるとともに上記主燃料ガスの発熱量H1が記憶され、かつ上記1つ又は2つのガス流量計によって測定された混合燃料ガス流量Qmと、上記圧力計によって測定された圧力差ΔPを受信して、上記流量制御弁に開度調整信号を送信するガス混合コントローラとを備えており、
該ガス混合コントローラは、上記混合燃料ガス流量Qm及び上記圧力差ΔPを上記圧力差関係マップに照合して、上記混合燃料ガスの推定密度ρmを求め、該推定密度ρmに基づいて上記混合燃料ガスの発熱量Hmを求め、上記流量制御弁の開度を、上記混合燃料ガスの発熱量Hmに応じた開度に調整するよう構成したことを特徴とする燃焼システムに用いるガス混合装置にある(請求項7)。
【発明の効果】
【0012】
第1の発明のガス混合装置は、既存の燃焼システムに対して、設備変更を伴うことなく2燃料混焼運転を安定して行うことができるようにしたものである。また、本発明のガス混合装置のガス混合コントローラは、目標とする発熱量の混合燃料ガスを燃焼システムへ供給することができるようにしたものである。
副燃料ガスには、バイオガス(消化ガス)等を用いることが考えられ、その発熱量には変動が生じることがある。そこで、絞り部における圧力差ΔPは、この絞り部を通過するガスの密度ρと流量Qの二乗との積に関係し、流量Qを同流量としたときの圧力差ΔPは、密度ρに関係することを利用して、副燃料ガスの発熱量H2が変動したときでも、混合燃料ガスの発熱量を目標発熱量とするよう制御する。
【0013】
具体的には、ガス混合コントローラは、副燃料ガス流量Q2及び圧力差ΔPを、圧力差ΔP0及び流量Q0と既知密度ρ0との関係として記憶した圧力差関係マップに照合して、副燃料ガスの推定密度ρ2を求め、この推定密度ρ2に基づいて副燃料ガスの推定発熱量H2を求める。そして、推定発熱量H2と主燃料ガスの発熱量H1とに基づいて求められる混合燃料ガスの発熱量Hmが目標発熱量Hrとなるよう流量制御弁の開度を調整する。
【0014】
これにより、副燃料ガスの組成等の変化により、副燃料ガスの発熱量が変化したときでも、ガス混合装置において作り出す混合燃料ガスの発熱量を目標発熱量に近づけることができる。そのため、既存の燃焼システムに対してガス混合装置を接続したときには、燃焼システムへ供給する混合燃料ガスと、燃焼システムにおいて吸気される空気との混合比率を目的とする比率に維持することができる。
また、本発明のガス混合装置は、燃焼システムとは別に独立して構成することができ、既存の燃焼システムに対して設備変更を伴うことなく適用することができる。
【0015】
それ故、第1の発明の燃焼システムに用いるガス混合装置によれば、簡単な装置構成で既存の燃焼システムに設備変更を伴うことなく適用することができると共に、副燃料ガスの発熱量の変動があっても、燃焼システムへ供給する混合燃料ガスと燃焼システムにおいて吸気される空気との混合比率を目的とする比率に維持することができる。
【0016】
第2の発明のガス混合装置は、絞り部を主燃料ガス配管と副燃料ガス配管との合流部に設けた点が第1の発明と異なる。
本発明においては、ガス混合コントローラは、混合燃料ガス流量Qm(主燃料ガス配管と副燃料ガス配管とにそれぞれガス流量計を配設した場合には、それらのガス流量の和となる。)及び圧力差ΔPを、圧力差ΔP0及び流量Q0と既知密度ρ0との関係として記憶した圧力差関係マップに照合して、混合燃料ガスの推定密度ρmを求め、この推定密度ρmに基づいて混合燃料ガスの推定発熱量Hmを求める。そして、この混合燃料ガスの推定発熱量Hmが目標発熱量Hrとなるよう流量制御弁の開度を調整する。
それ故、第2の発明の燃焼システムに用いるガス混合装置によっても、第1の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0017】
第3の発明のガス混合装置も、既存の燃焼システムに対して、設備変更を伴うことなく2燃料混焼運転を安定して行うことができるようにしたものである。また、本発明のガス混合装置のガス混合コントローラは、目的とする混合燃料ガスを燃焼システムへ安定して供給することができるようにしたものである。
【0018】
本発明においても、ガス混合コントローラは、副燃料ガス流量Q2及び圧力差ΔPを、圧力差ΔP0及び流量Q0と既知密度ρ0との関係として記憶した圧力差関係マップに照合して、副燃料ガスの推定密度ρ2を求め、この推定密度ρ2に基づいて副燃料ガスの推定発熱量H2を求める。そして、推定発熱量H2、主燃料ガスの発熱量H1、主燃料ガス流量Q1及び副燃料ガス流量Q2を用いて混合燃料ガスの発熱量Hmを求め、流量制御弁の開度を、混合燃料ガスの発熱量Hmに応じた開度に調整する。
【0019】
これにより、副燃料ガスの組成等の変化により、副燃料ガスの発熱量が変化したときには、燃焼システムへ供給する混合燃料ガスの圧力を変化させることができる。そのため、既存の燃焼システムに対してガス混合装置を接続したときには、燃焼システムへ供給する混合燃料ガスと燃焼システムにおいて吸気される空気との混合比率を、混合燃料ガスの発熱量Hmに応じた比率に維持することができる。
また、本発明のガス混合装置は、燃焼システムとは別に独立して構成することができ、既存の燃焼システムに対して設備変更を伴うことなく適用することができる。
【0020】
それ故、第3の発明の燃焼システムに用いるガス混合装置によっても、簡単な装置構成で既存の燃焼システムに設備変更を伴うことなく適用することができると共に、副燃料ガスの発熱量の変動があっても、燃焼システムへ供給する混合燃料ガスと燃焼システムにおいて吸気される空気との混合比率を、混合燃料ガスの発熱量に応じた比率に維持することができる。
【0021】
第4の発明のガス混合装置は、絞り部を主燃料ガス配管と副燃料ガス配管との合流部に設けた点が第3の発明と異なる。
本発明においては、ガス混合コントローラは、混合燃料ガス流量Qm(主燃料ガス配管と副燃料ガス配管とにそれぞれガス流量計を配設した場合には、それらのガス流量の和となる。)及び圧力差ΔPを、圧力差ΔP0及び流量Q0と既知密度ρ0との関係として記憶した圧力差関係マップに照合して、混合燃料ガスの推定密度ρmを求め、この推定密度ρmに基づいて混合燃料ガスの推定発熱量Hmを求める。そして、流量制御弁の開度を、混合燃料ガスの推定発熱量Hmに応じた開度に調整する。
それ故、第4の発明の燃焼システムに用いるガス混合装置によっても、第3の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施例1における、発電システムに対して接続したガス混合装置を示す説明図。
【図2】実施例1における、横軸に副燃料ガス流量をとり、縦軸に絞り部における圧力差をとって、密度をパラメータとしたときのこれらの関係を示すグラフ。
【図3】実施例1における、横軸に副燃料ガスの密度をとり、縦軸に副燃料ガスの発熱量をとって、両者の関係を示すグラフ。
【図4】実施例1における、ガス混合装置のガス混合コントローラによる制御動作を示すフローチャート。
【図5】実施例1における、発電システムに対して接続した他のガス混合装置を示す説明図。
【図6】実施例2における、発電システムに対して接続したガス混合装置を示す説明図。
【図7】実施例2における、ガス混合装置のガス混合コントローラによる制御動作を示すフローチャート。
【図8】実施例2における、発電システムに対して接続した他のガス混合装置を示す説明図。
【図9】確認試験における、横軸に擬似消化ガス中の二酸化炭素の割合をとり、縦軸に発熱量比をとって、両者の関係を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0023】
上述した第1〜第4の発明の燃焼システムに用いるガス混合装置における好ましい実施の形態につき説明する。
第1〜第4の発明において、上記主燃料ガスとしては、メタン等を含有する都市ガス(13A等)を用いることができる。また、上記副燃料ガスとしては、有機性廃棄物(家畜糞尿、生ゴミ、有機性残さ、下水汚泥等)を発酵させて生成したバイオガス(消化ガス)を用いることができる。また、これ以外にも、副燃料ガスとしては、主燃料ガスと異なる一般的なガス体燃料を用いることもできる。
【0024】
第1の発明において、上記ガス混合コントローラは、上記推定発熱量H2と上記主燃料ガスの発熱量H1とを用いて、上記混合燃料ガスの発熱量を目標発熱量とするための上記主燃料ガスと上記副燃料ガスとの混合比率を算出し、該混合比率となるよう上記流量制御弁の開度を調整するよう構成することが好ましい(請求項2)。
この場合には、簡単な方法により、ガス混合装置において作り出す混合燃料ガスの発熱量を目標発熱量に近づけることができる。
【0025】
また、上記ガス混合コントローラは、上記混合燃料ガスの目標発熱量Hr、上記主燃料ガスの発熱量H1、上記副燃料ガスの推定発熱量H2を用い、上記主燃料ガスの推定混合比率Xを、X=(Hr−H2)/(H1−H2)から求め、上記主燃料ガス流量Q1と上記副燃料ガス流量Q2との和である上記混合燃料ガスの流量に対する上記主燃料ガス流量Q1の比率Q1/(Q1+Q2)が、上記推定混合比率Xよりも大きい又は該推定混合比率Xに不感帯比率αを加算した値よりも大きいときには、上記流量制御弁の開度を所定量小さくする一方、上記比率Q1/(Q1+Q2)が、上記推定混合比率Xよりも小さい又は該推定混合比率Xから不感帯比率αを減算した値よりも小さいときには、上記流量制御弁の開度を所定量大きくするよう構成してあり、かつ、上記主燃料ガス流量Q1、上記副燃料ガス流量Q2及び上記圧力差ΔPの測定と、上記推定密度ρ2及び上記推定発熱量H2の算出と、上記流量制御弁の開度の調整とを繰り返し行うよう構成することが好ましい(請求項3)。
この場合には、比率Q1/(Q1+Q2)と推定混合比率Xとを比較し、流量制御弁の開度を所定量ずつ繰り返し変化させる簡単な方法により、副燃料ガスの発熱量に変動があったときでも、ガス混合装置において作り出す混合燃料ガスの発熱量を目標発熱量に近づけることができる。
【0026】
第3の発明において、上記ガス混合コントローラは、上記主燃料ガスの発熱量H1、上記副燃料ガスの推定発熱量H2、上記主燃料ガス流量Q1及び上記副燃料ガス流量Q2を用い、上記混合燃料ガスの発熱量Hmを、Hm=(H1×Q1+H2×Q2)/(Q1+Q2)から求め、該混合燃料ガスの発熱量Hmを、予め求めた上記混合燃料ガスの発熱量Hmと上記流量制御弁の開度との開度関係マップに照合して、上記流量制御弁の開度を調整するよう構成してあり、かつ、上記主燃料ガス流量Q1、上記副燃料ガス流量Q2及び上記圧力差ΔPの測定と、上記推定密度ρ2及び上記推定発熱量H2の算出と、上記流量制御弁の開度の調整とを繰り返し行うよう構成することが好ましい(請求項6)。
この場合には、求めた混合燃料ガスの発熱量Hmを開度関係マップに照合して流量制御弁の開度を所定量ずつ繰り返し変化させる簡単な方法により、副燃料ガスの発熱量の変動に対応することができる。
【0027】
また、第1〜第4の発明において、上記ガス混合装置は、ガスエンジンの運転を行って発電機を作動させるよう構成した発電システムに対して装備し、該発電システムへ上記主燃料ガスと上記副燃料ガスとを混合させた混合燃料ガスを供給するものとすることができる(請求項8)。
この場合には、既存の発電システムに対してガス混合装置を接続して、副燃料ガスの発熱量の変動に対応することができる。
【0028】
また、上記ガス混合装置は、発電システム以外にも、混合燃料ガスを用いるボイラー、GHP(ガスヒートポンプエアコン)等の種々の燃焼システムに適用することができる。
【実施例】
【0029】
以下に、本発明の燃焼システムに用いるガス混合装置にかかる実施例につき、図面を参照して説明する。
(実施例1)
本例のガス混合装置6は、図1に示すごとく、ガスエンジン2の運転を行って発電機3を作動させるよう構成した発電システム1に対して装備し、燃焼システムとしての発電システム1へ主燃料ガスF1と副燃料ガスF2とを混合させた混合燃料ガスFmを供給するよう構成されている。
ガス混合装置6は、主燃料ガスF1が供給される主燃料ガス配管61と、主燃料ガス配管61に配設した主燃料ガス流量計71と、副燃料ガスF2が供給される副燃料ガス配管62と、副燃料ガス配管62に配設した副燃料ガス流量計72と、副燃料ガス配管62に設けた絞り部73と、絞り部73の上流側と下流側との圧力差(圧損)ΔPを測定する圧力計74と、主燃料ガス配管61に配設した流量制御弁75と、ガス混合コントローラ8とを備えている。
【0030】
同図に示すごとく、ガス混合コントローラ8は、副燃料ガスF2の代わりに既知密度ρ0の基準ガスを絞り部73を通過させたときの圧力差ΔP0及び流量Q0と、既知密度ρ0との関係が圧力差関係マップM1として記憶されるとともに主燃料ガスF1の発熱量H1が記憶され、かつ主燃料ガス流量計71によって測定された主燃料ガス流量Q1と、副燃料ガス流量計72によって測定された副燃料ガス流量Q2と、圧力計74によって測定された圧力差ΔPを受信して、流量制御弁75に開度調整信号を送信するよう構成されている。
そして、ガス混合コントローラ8は、副燃料ガス流量Q2及び圧力差ΔPを圧力差関係マップM1に照合して、副燃料ガスF2の推定密度ρ2を求め、この推定密度ρ2に基づいて副燃料ガスF2の推定発熱量H2を求め、この推定発熱量H2と主燃料ガスF1の発熱量H1とを用いて、混合燃料ガスFmの発熱量Hmを目標発熱量Hrとするための主燃料ガスF1と副燃料ガスF2との混合比率を算出し、この混合比率となるよう流量制御弁75の開度を調整して主燃料ガス流量Q1を制御するよう構成されている。
【0031】
以下に、本例の燃焼システムとしての発電システム1に用いるガス混合装置6につき、図1〜図6を参照して詳説する。
本例のガス混合装置6は、既存の発電システム1におけるガスエンジン2に対して、設備変更を伴うことなく2燃料混焼運転を安定して行うことができるようにしたものである。また、ガス混合装置6のガス混合コントローラ8は、ガスエンジン2へ供給する混合燃料ガスFmの発熱量Hmを目標発熱量Hrとし、この目標発熱量Hrの混合燃料ガスFmを発電システム1のガスエンジン2へ供給することができるようにしたものである。
【0032】
本例の主燃料ガスF1は、発熱量が一定である都市ガス(13A)であり、本例の副燃料ガスF2は、発熱量に変動を生じることがあるバイオガスである。
図1に示すごとく、発電システム1は、空気を吸い込む空気配管41と、ガス混合装置6から混合燃料ガスFmを受け取る混合燃料ガス配管42と、空気配管41から吸い込んだ燃焼用空気Aと混合燃料ガス配管42に供給された混合燃料ガスFmとを混合させて混合気Gを作り出すミキサー43と、複数の気筒を有するガスエンジン2と、ガスエンジン2の出力を受けて発電する発電機3と、ガスエンジン2へ供給する混合気Gの流量を調整するスロットルバルブ21と、スロットルバルブ21の開度を調整して発電機3の発電量を所定の目標発電量に制御するメインコントローラ5とを備えている。
【0033】
発電機3は、種々の負荷に対して電力を供給するよう構成されており、商用電源等と協調して動作することができる。発電機3には、電力計31が設けてあり、メインコントローラ5は電力計31によって発電機3の発電量を読み取る。ガス混合コントローラ8及びメインコントローラ5は、コンピュータを用いて構成してある。また、空気配管41の入口部には、異物混入を防止するための吸気フィルタ411が設けてある。
本例の絞り部73は、副燃料ガス配管62に設けたオリフィスによって構成されている。流量制御弁75は、コントロールバルブによって構成されている。
また、本例のガス混合装置6は、主燃料ガス配管61、主燃料ガス流量計71、副燃料ガス配管62、副燃料ガス流量計72、絞り部73、圧力計74、流量制御弁75及びガス混合コントローラ8を一体化したユニットとして構成してある。
【0034】
ガス混合装置6において、ガス混合コントローラ8は、混合燃料ガスFmの目標発熱量Hr、主燃料ガスF1の発熱量H1、副燃料ガスF2の推定発熱量H2を用い、主燃料ガスF1の推定混合比率Xを、X=(Hr−H2)/(H1−H2)から求め、主燃料ガス流量Q1と副燃料ガス流量Q2との和である混合燃料ガスFmの流量に対する主燃料ガス流量Q1の比率Q1/(Q1+Q2)が、推定混合比率Xに不感帯比率αを加算した値よりも大きいときには、流量制御弁75の開度を所定量小さくする一方、比率Q1/(Q1+Q2)が、推定混合比率Xから不感帯比率αを減算した値よりも小さいときには、流量制御弁75の開度を所定量大きくするよう構成してある。
また、ガス混合コントローラ8は、主燃料ガス流量Q1、副燃料ガス流量Q2及び圧力差ΔPの測定と、推定密度ρ2及び推定発熱量H2の算出と、流量制御弁75の開度の調整とを所定の時間間隔で繰り返し行うよう構成してある。
【0035】
図2は、横軸に副燃料ガス流量Q2(Nm3/hr)をとり、縦軸に絞り部73における圧力差ΔP(kPa)をとって、密度ρ2(kg/Nm3)をパラメータとしたときのこれらの関係を示すグラフである。同図において、密度が既知である基準ガスを都市ガス(13A)としたとき、基準ガスの密度ρ0がρ0=0.845(kg/Nm3)であるときの副燃料ガス流量Q2と圧力差ΔPとの関係ラインL0に対し、副燃料ガスF2の密度ρ2がρ2=0.98〜1(kg/Nm3)であるときの副燃料ガス流量Q2と圧力差ΔPとの関係ラインL1は上側にシフトする。すなわち、副燃料ガスF2の密度が大きく(高く)なると、副燃料ガス流量Q2を同流量としたときの圧力差ΔPが大きくなることがわかる。
関係ラインL0は、既知密度ρ0の基準ガスを絞り部73に流したときの基準ガスの流量Q0と、絞り部73の上流側と下流側との圧力差ΔP0との関係を示す圧力差関係マップM1として、ガス混合コントローラ8に記憶しておく。
【0036】
絞り部73の上流側と下流側との圧力差ΔPは、流体である副燃料ガスF2の粘度の違いによる影響を受けるが、その影響度合いは小さく、圧力差ΔPは、ほぼ副燃料ガスF2の密度ρ2と副燃料ガス流量Q22との積(ρ×Q22)に比例する。そのため、同流量における圧力差ΔPは、副燃料ガスF2の密度ρ2に比例し、ΔP/ρ2=ΔP0/ρ0の関係より、未知の副燃料ガスF2の密度ρ2をρ2=ρ0×ΔP/ΔP0から求めることができる。
【0037】
ガス混合装置6によって作り出す混合燃料ガスFmの目標発熱量Hr(MJ/Nm3)は、発電システム1のガスエンジン2において予め設定された発熱量であり、通常は発電システム1の種類等によって固定される値である。ガス混合装置6のガス混合コントローラ8は、所定の目標発熱量Hrの混合燃料ガスFmを作り出す。一方、発電システム1のメインコントローラ5は、目標発熱量Hrの混合燃料ガスFmをガスエンジン2に受け取り、スロットルバルブ21を制御して、発電機3の発電出力が目標発電出力になるように制御する。
【0038】
副燃料ガスF2の推定密度ρ2に基づいて推定発熱量H2を算出するための関係式は、次のようにして求めた。
副燃料ガスF2がメタンと二酸化炭素とによって構成されているとし、メタンの割合が100%であるときを基準とし、メタンの発熱量35.9(MJ/Nm3)に対し二酸化炭素の割合を増加させたときの副燃料ガスF2の密度(kg/Nm3)と発熱量(MJ/Nm3)とをプロットして、関係式を求めた。図3は、横軸に副燃料ガスF2の密度ρ2をとり、縦軸に副燃料ガスF2の発熱量H2をとって、両者の関係を示すグラフである。この結果、H2とρ2の関係式は、H2=−28.455×ρ2+56.25として求めることができた。なお、メタンの密度0.717(kg/Nm3)、二酸化炭素の密度1.977(kg/Nm3)を用いた。
【0039】
以下に、ガス混合装置6のガス混合コントローラ8による制御動作を、図4のフローチャートを参照して説明する。
混合燃料ガスFmを作り出すに当たっては、主燃料ガス配管61に主燃料ガスF1を流すとともに副燃料ガス配管62に副燃料ガスF2を流す。流量制御弁75は、予め定めた初期開度に設定しておく。そして、ガス混合コントローラ8は、主燃料ガス流量計71により主燃料ガス流量Q1を測定し、副燃料ガス流量計72により副燃料ガス流量Q2を測定し、圧力計74により圧力差ΔPを測定する(ステップS101)。
【0040】
次いで、ガス混合コントローラ8は、圧力差関係マップM1(関係ラインL0)において、基準ガス流量Q0を、測定した副燃料ガス流量Q2と同じにしたときの圧力差ΔP0を読み取る(ステップS102)。次いで、ガス混合コントローラ8は、副燃料ガスF2の推定密度ρ2をρ2=ρ0×ΔP/ΔP0から求める(ステップS103)。そして、ガス混合コントローラ8は、副燃料ガスF2の推定発熱量H2を、副燃料ガスF2がメタンと二酸化炭素との混合物からなるとした場合の式H2=−28.455×ρ2+56.25に推定密度ρ2を代入して求める(ステップS104)。
【0041】
次いで、ガス混合コントローラ8は、発電システム1のガスエンジン2に予め設定された混合燃料ガスFmの目標発熱量Hr、既知である主燃料ガスF1の発熱量H1、副燃料ガスF2の推定発熱量H2を用い、主燃料ガスF1の推定混合比率Xを、X=(Hr−H2)/(H1−H2)から求める(ステップS105)。なお、この推定混合比率Xの計算式は、Hr=H1×X+H2×(1−X)を変形したものである。
次いで、ガス混合コントローラ8は、主燃料ガス流量Q1と副燃料ガス流量Q2との和である混合燃料ガスFmの流量に対する主燃料ガス流量Q1の比率Q1/(Q1+Q2)を求める。
【0042】
ここで、混合燃料ガスFmの目標発熱量Hrは、Hr×(Q1+Q2)=H1×Q1+H2×Q2の関係式によって表される。そして、ガス混合コントローラ8は、混合燃料ガスFm全体の流量Q1+Q2における主燃料ガス流量Q1の比率Q1/(Q1+Q2)が推定混合比率Xに近づくよう流量制御弁75を調整し、主燃料ガスF1の流量を制御する。
具体的には、ガス混合コントローラ8は、主燃料ガス流量Q1の比率Q1/(Q1+Q2)が、推定混合比率Xに不感帯比率αを加算した値よりも大きいとき(Q1/(Q1+Q2)>X+αの場合)には(ステップS106)、流量制御弁75の開度を所定量小さくする(ステップS107)。一方、ガス混合コントローラ8は、主燃料ガス流量Q1の比率Q1/(Q1+Q2)が、推定混合比率Xから不感帯比率αを減算した値よりも小さいとき(Q1/(Q1+Q2)<X−αの場合)には(ステップS108)、流量制御弁75の開度を所定量大きくする(ステップS109)。
【0043】
その後、ガス混合コントローラ8は、所定の時間調整を行った後(所定の時間間隔を空けた後)(ステップS110)、主燃料ガス流量Q1、副燃料ガス流量Q2及び圧力差ΔPの測定(S101、S102)と、推定密度ρ2及び推定発熱量H2の算出(S103〜S105)と、流量制御弁75の開度の調整(S106〜S109)とを再び行う。そして、停止命令(図示略)があるまで、各ステップを所定の時間間隔(S110)で繰り返し行う。
【0044】
本例のガス混合装置6は、発熱量が変動する可能性が高いバイオガス(消化ガス)からなり副燃料ガスF2を主燃料ガスF1と混焼させる際に、副燃料ガスF2の発熱量が変動したときでも、目標とする発熱量の混合燃料ガスFmを作り出して、発電システム1のガスエンジン2へ供給することができるようにしたものである。そして、絞り部73における圧力差ΔPは、絞り部73を通過するガスのガス密度ρとガス流量Qの二乗との積に関係し、ガス流量Qを同流量としたときの圧力差ΔPは、ガス密度ρに関係することを利用して、副燃料ガスF2の発熱量H2が変動したときでも、混合燃料ガスFmの発熱量Hmを目標発熱量Hrに近づくよう制御する。
なお、主燃料ガスF1の発熱量H1は副燃料ガスF2の発熱量H2よりも大きく、目標発熱量Hrは、両者の間に設定される。
【0045】
このように、本例のガス混合装置6においては、副燃料ガスF2の組成等の変化により、副燃料ガスF2の発熱量が変化したときでも、ガス混合装置6において作り出す混合燃料ガスFmの発熱量Hmを目標発熱量Hrに近づけることができる。そのため、既存の発電システム1におけるガスエンジン2に対してガス混合装置6を接続したときには、ガスエンジン2に対して安定して目標発熱量Hrの混合燃料ガスFmを供給することができ、また、発電システム1へ供給する混合燃料ガスFmと、発電システム1において吸気される空気Aとの混合比率(空気比)を目的とする比率(空気比)に維持することができる。
【0046】
ここで、副燃料ガスF2の組成等の変化によりその発熱量H2が変動した場合について補足する。
副燃料ガスF2は、バイオガス(消化ガス)からなり、その組成は、ほとんどがメタン及び二酸化炭素からなる。副燃料ガスF2による燃料部分は、ほとんどがメタンガスであり、副燃料ガスF2の発熱量H2は、副燃料ガスF2の全体におけるメタンガスの割合によって定まり、メタンガスの割合が多いほど大きく(高く)なる。メタンの分子量は二酸化炭素の分子量よりも小さいため、メタンガスの割合が多くなって副燃料ガスF2の密度が小さくなるほど、副燃料ガスF2の発熱量H2は大きくなる。
【0047】
そして、副燃料ガスF2の密度が減少したときには、副燃料ガスF2の発熱量H2が増加したことになり、流量制御弁75が主燃料ガスF1の流量Q1を減少させることによって、混合燃料ガスFmの発熱量Hmを目標発熱量Hrに維持することができる。一方、副燃料ガスF2の密度が増加したときには、副燃料ガスF2の発熱量H2が減少したことになり、流量制御弁75が主燃料ガスF1の流量Q1を増加させることによって、混合燃料ガスFmの発熱量Hmを目標発熱量Hrに維持することができる。
【0048】
また、本例のガス混合装置6は、発電システム1とは別に独立して構成することができ、既存の発電システム1に対して設備変更を伴うことなく適用することができる。
そして、ガス混合装置6は、燃焼システム側から何らの状態信号を受けることなく運転させることができ、発電システム1以外の種々の燃焼システムに適用することもできる。また、1つのガス混合装置6によって、複数の燃焼システム(例えば、複数の発電システム1)に対して同時に混合燃料ガスFmを供給することもできる。
【0049】
それ故、本例の発電システム1に用いるガス混合装置6によれば、簡単な装置構成で既存の発電システム1に設備変更を伴うことなく適用することができると共に、副燃料ガスF2の発熱量の変動があっても、発電システム1へ供給する混合燃料ガスFmと発電システム1において吸気される空気Aとの混合比率(空気比)を目的とする比率(空気比)に維持することができる。そして、副燃料ガスF2の熱量変動に伴って、ガスエンジン2において窒素酸化物(NOx)濃度の増加、失火等が発生することを抑制することができる。
【0050】
また、図1に示すごとく、副燃料ガスF2の温度変化が密度の推定に与える影響を考慮して、副燃料ガス配管62に温度計76を配設し、副燃料ガスF2の推定密度ρ2は、温度、圧力によって補正して求めることができる。
この場合、圧力差関係マップM1を求める際の基準ガスの密度ρ0、基準ガスの流量Q0、圧力差ΔP0は、標準状態(0℃、1気圧)における値として用い、副燃料ガスF2の温度T及び圧力P2を測定し、次の計算式から補正後の圧力差ΔP’を求める。
ΔP’=ΔP×273×(101.3+P2)/{(273+T)×101.3}
そして、圧力差ΔPの代わりに補正後の圧力差ΔP’をρ2=ρ0×ΔP’/ΔP0に代入して、副燃料ガスF2の推定密度ρ2を算出することができる。この場合には、その他は、温度の補正を行わない場合と同様である。
【0051】
また、流量制御弁75は、主燃料ガス配管61に配設する代わりに、副燃料ガス配管62に配設することもできる。この場合にも、主燃料ガス流量Q1を変更する代わりに副燃料ガス流量Q2を変更することによって、目標発熱量Hrの混合燃料ガスFmを生成するための主燃料ガスF1と副燃料ガスF2との混合比率を制御することができる。この場合においても、上記実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0052】
また、図5に示すごとく、上記実施例1においては、絞り部73は、副燃料ガス配管62に配設する以外にも、主燃料ガス配管61と副燃料ガス配管62とが合流した合流配管63に配設することもできる。この場合には、ガス流量計77は、主燃料ガス配管61及び副燃料ガス配管62にそれぞれ配設する以外にも、合流配管63に配設することができる。そして、ガス混合コントローラ8は、混合燃料ガス流量Qm及び圧力差ΔPを、圧力差ΔP0及び流量Q0と既知密度ρ0との関係として記憶した圧力差関係マップM1に照合して、混合燃料ガスFmの推定密度ρmを求め、この推定密度ρmに基づいて混合燃料ガスFmの推定発熱量Hmを求め、この推定発熱量Hmが目標発熱量Hrとなるよう流量制御弁75の開度を調整する。この場合においても、上記実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0053】
(実施例2)
本例は、図6に示すごとく、流量制御弁75を主燃料ガス配管61と副燃料ガス配管62との合流部に設け、この合流部に流量制御弁75を配設した例である。
本例においても、絞り部73は、副燃料ガス配管62に設けてある。また、合流部は、合流配管63として形成されており、本例の流量制御弁75は、合流配管63に配設されている。また、本例のガス混合コントローラ8は、上記実施例1と同様に、副燃料ガスF2の推定密度ρ2、副燃料ガスF2の推定発熱量H2を求めた後には、推定発熱量H2、主燃料ガスF1の発熱量H1、主燃料ガス流量Q1及び副燃料ガス流量Q2を用いて混合燃料ガスFmの発熱量Hmを求め、流量制御弁75の開度を、混合燃料ガスFmの発熱量Hmに応じた開度に調整するよう構成されている。
【0054】
本例のガス混合装置6は、主燃料ガスF1の発熱量H1は一定であることを前提に、副燃料ガスF2の発熱量が変動したときには、その変動に応じて合流配管63に配設した流量制御弁75の開度を変更することにより、発電システム1へ供給する混合燃料ガスFmの圧力を変更するよう構成されている。
本例のガス混合コントローラ8においては、発電システム1へ供給する混合燃料ガスFmと発電システム1において吸気される空気Aとの混合比率を、混合燃料ガスFmの発熱量Hmに応じた適正な比率にする際の混合燃料ガスFmの発熱量Hmと流量制御弁75の開度との関係を開度関係マップM2として求めておく。そして、開度関係マップM2を用い、混合燃料ガスFmの発熱量Hmに応じて流量制御弁75の開度を変更することにより、発電システム1へ供給する混合燃料ガスFmの圧力を変更し、上記混合比率を、混合燃料ガスFmの発熱量Hmに応じた適正な比率に維持することができる。
【0055】
以下に、本例のガス混合装置6のガス混合コントローラ8による制御動作を、図7のフローチャートを参照して説明する。
本例においても、ステップS201〜S204は、上記実施例1のステップS101〜S104と同じである。
次いで、ガス混合コントローラ8は、主燃料ガスF1の発熱量H1、副燃料ガスF2の推定発熱量H2、主燃料ガス流量Q1及び副燃料ガス流量Q2を用い、混合燃料ガスFmの発熱量Hmを、Hm=(H1×Q1+H2×Q2)/(Q1+Q2)から求める(ステップS205)。
【0056】
次いで、ガス混合コントローラ8は、この混合燃料ガスFmの発熱量Hmを、予め求めた混合燃料ガスFmの発熱量Hmと流量制御弁75の開度との開度関係マップM2に照合し、流量制御弁75の目標開度を読み取り、流量制御弁75の開度を目標開度に変更する(ステップS206)。
その後、ガス混合コントローラ8は、所定の時間調整を行った後(所定の時間間隔を空けた後)(ステップS207)、主燃料ガス流量Q1、副燃料ガス流量Q2及び圧力差ΔPの測定(S201、S202)と、推定密度ρ2、推定発熱量H2の算出及び混合燃料ガスFmの発熱量Hmの算出(S203〜S205)と、流量制御弁75の開度の調整(S206)とを再び行う。そして、停止命令(図示略)があるまで、各ステップを所定の時間間隔(S207)で繰り返し行う。
【0057】
本例においては、副燃料ガスF2の組成等の変化により、副燃料ガスF2の発熱量が変化したときには、発電システム1へ供給する混合燃料ガスFmの圧力を変化させることができる。そのため、既存の発電システム1に対してガス混合装置6を接続したときには、発電システム1へ供給する混合燃料ガスFmと発電システム1において吸気される空気Aとの混合比率(空気比)を、混合燃料ガスFmの発熱量Hmに応じた比率(空気比)に維持することができる。
また、本例のガス混合装置6は、発電システム1とは別に独立して構成することができ、既存の発電システム1に対して設備変更を伴うことなく適用することができる。
【0058】
本例のガス混合装置6は、混合燃料ガスFmの圧力を変化させることにより、発電システム1へ供給する混合燃料ガスFmの供給量を変化させることができる。そのため、主燃料ガス配管61又は副燃料ガス配管62には電磁開閉弁を設けた場合には、主燃料ガスF1のみでの専用燃焼運転又は副燃料ガスF2のみでの専用燃焼運転を行うことができる。
【0059】
それ故、本例のガス混合装置6によれば、簡単な装置構成で既存の発電システム1に設備変更を伴うことなく適用することができると共に、副燃料ガスF2の発熱量の変動があっても、発電システム1へ供給する混合燃料ガスFmと発電システム1において吸気される空気Aとの混合比率を、混合燃料ガスFmの発熱量Hmに応じた比率に維持することができる。そして、副燃料ガスF2の熱量変動に伴って、ガスエンジン2において窒素酸化物(NOx)濃度の増加、失火等が発生することを抑制することができる。
本例においても、その他の構成は上記実施例1と同様であり、上記実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0060】
本例のガス混合装置6においては、主燃料ガスF1と副燃料ガスF2との混合比率を変化させることはできない。これに対し、主燃料ガス配管61又は副燃料ガス配管62には、他の流量制御弁を配設することができる。これにより、上記混合比率を変化させることができる。
【0061】
また、図8に示すごとく、上記実施例2においても、絞り部73は、副燃料ガス配管62に配設する以外にも、主燃料ガス配管61と副燃料ガス配管62とが合流した合流配管63に配設することもできる。この場合には、ガス流量計77は、主燃料ガス配管61及び副燃料ガス配管62にそれぞれ配設する以外にも、合流配管63に配設することができる。そして、ガス混合コントローラ8は、混合燃料ガス流量Qm及び圧力差ΔPを、圧力差ΔP0及び流量Q0と既知密度ρ0との関係として記憶した圧力差関係マップM1に照合して、混合燃料ガスFmの推定密度ρmを求め、この推定密度ρmに基づいて混合燃料ガスFmの推定発熱量Hmを求め、流量制御弁75の開度を、混合燃料ガスFmの発熱量Hmに応じた開度に調整する。この場合においても、上記実施例2と同様の作用効果を得ることができる。
【0062】
(確認試験)
本確認試験においては、圧力差関係マップM1に照合して副燃料ガスF2の推定密度ρ2及び推定発熱量H2の算出を行った結果の妥当性を確認する試験を行った。
本確認試験においては、都市ガス(13A)と二酸化炭素から構成される擬似消化ガス中の二酸化炭素の割合を変化させたときの擬似消化ガスの発熱量の変化を、圧力差関係マップM1を用いて推定した推定発熱量H2と、理論値から求めた理論発熱量とについて比較した。
推定発熱量H2については、上記実施例1に示したガス混合装置6において、副燃料ガスF2としての擬似消化ガス中の二酸化炭素の割合を変化させ、主燃料ガス流量Q1、副燃料ガス流量Q2及び圧力差ΔPの測定と、推定密度ρ2の算出を行って求めた。理論発熱量は、都市ガスの発熱量41.65(MJ/Nm3)を用い、擬似消化ガス中の都市ガスの割合によって求めた。また、圧力差関係マップM1においては、都市ガスを基準ガスとし、都市ガスの密度0.845(kg/Nm3)を用いた。
【0063】
図9は、試験結果を示し、横軸に擬似消化ガス中の二酸化炭素の割合をとり、縦軸に発熱量比をとって、両者の関係を示すグラフである。この発熱量比は、二酸化炭素の割合が0%のとき(純粋な都市ガスのとき)を基準の1としたときの基準ガスの発熱量に対する二酸化炭素の割合変化時の擬似消化ガスの発熱量を示す。また、同図においては、推定発熱量H2及び理論発熱量の両方について、発熱量比を求めてプロットした。
【0064】
この結果より、推定発熱量H2の発熱量比と理論発熱量の発熱量比はほぼ一致することがわかった。これにより、未知のバイオガス(消化ガス)である副燃料ガスF2の組成等が変化して密度が変化したときでも、上記実施例1、2に示した圧力差関係マップM1を用いた密度の推定を行うことにより、副燃料ガスF2の発熱量を推定することができることがわかった。
なお、本確認試験の場合の副燃料ガスF2の密度ρ2と発熱量H2との関係式は、理論発熱量の回帰分析により、H2=−37.221×ρ2+73.102と算出することができる。
【符号の説明】
【0065】
1 発電システム
2 ガスエンジン
3 発電機
5 メインコントローラ
6 ガス混合装置
61 主燃料ガス配管
62 副燃料ガス配管
71 主燃料ガス流量計
72 副燃料ガス流量計
73 絞り部
74 圧力計
75 流量制御弁
8 ガス混合コントローラ
Q1 主燃料ガス流量
Q2 副燃料ガス流量
ΔP 圧力差
F1 主燃料ガス
F2 副燃料ガス
Fm 混合燃料ガス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主燃料ガスが供給される主燃料ガス配管と、
該主燃料ガス配管に配設した主燃料ガス流量計と、
副燃料ガスが供給される副燃料ガス配管と、
該副燃料ガス配管に配設した副燃料ガス流量計と、
上記副燃料ガス配管に設けた絞り部と、
該絞り部の上流側と下流側との圧力差を測定する圧力計と、
上記主燃料ガス配管又は上記副燃料ガス配管に配設した流量制御弁と、
既知密度ρ0の基準ガスを上記絞り部を通過させたときの圧力差ΔP0及び流量Q0と上記既知密度ρ0との関係が圧力差関係マップとして記憶されるとともに上記主燃料ガスの発熱量H1が記憶され、かつ上記主燃料ガス流量計によって測定された主燃料ガス流量Q1と、上記副燃料ガス流量計によって測定された副燃料ガス流量Q2と、上記圧力計によって測定された圧力差ΔPを受信して、上記流量制御弁に開度調整信号を送信するガス混合コントローラとを備えており、
該ガス混合コントローラは、上記副燃料ガス流量Q2及び上記圧力差ΔPを上記圧力差関係マップに照合して、上記副燃料ガスの推定密度ρ2を求め、該推定密度ρ2に基づいて該副燃料ガスの推定発熱量H2を求め、該推定発熱量H2と上記主燃料ガスの発熱量H1とに基づいて求められる上記混合燃料ガスの発熱量Hmが目標発熱量Hrとなるよう上記流量制御弁の開度を調整するよう構成したことを特徴とする燃焼システムに用いるガス混合装置。
【請求項2】
請求項1に記載の燃焼システムに用いるガス混合装置において、上記ガス混合コントローラは、上記推定発熱量H2と上記主燃料ガスの発熱量H1とを用いて、上記混合燃料ガスの発熱量を目標発熱量とするための上記主燃料ガスと上記副燃料ガスとの混合比率を算出し、該混合比率となるよう上記流量制御弁の開度を調整するよう構成したことを特徴とする燃焼システムに用いるガス混合装置。
【請求項3】
請求項2に記載の燃焼システムに用いるガス混合装置において、上記混合燃料ガスの目標発熱量Hr、上記主燃料ガスの発熱量H1、上記副燃料ガスの推定発熱量H2を用い、上記主燃料ガスの推定混合比率Xを、X=(Hr−H2)/(H1−H2)から求め、上記主燃料ガス流量Q1と上記副燃料ガス流量Q2との和である上記混合燃料ガスの流量に対する上記主燃料ガス流量Q1の比率Q1/(Q1+Q2)が、上記推定混合比率Xよりも大きい又は該推定混合比率Xに不感帯比率αを加算した値よりも大きいときには、上記流量制御弁の開度を所定量小さくする一方、上記比率Q1/(Q1+Q2)が、上記推定混合比率Xよりも小さい又は該推定混合比率Xから不感帯比率αを減算した値よりも小さいときには、上記流量制御弁の開度を所定量大きくするよう構成してあり、
かつ、上記主燃料ガス流量Q1、上記副燃料ガス流量Q2及び上記圧力差ΔPの測定と、上記推定密度ρ2及び上記推定発熱量H2の算出と、上記流量制御弁の開度の調整とを繰り返し行うよう構成したことを特徴とする燃焼システムに用いるガス混合装置。
【請求項4】
主燃料ガスが供給される主燃料ガス配管と、
副燃料ガスが供給される副燃料ガス配管と、
上記主燃料ガス配管と上記副燃料ガス配管との合流部に配設し、又は上記主燃料ガス配管と上記副燃料ガス配管とにそれぞれ配設した1つ又は2つのガス流量計と、
上記合流部に設けた絞り部と、
該絞り部の上流側と下流側との圧力差を測定する圧力計と、
上記主燃料ガス配管又は上記副燃料ガス配管に配設した流量制御弁と、
既知密度ρ0の基準ガスを上記絞り部を通過させたときの圧力差ΔP0及び流量Q0と上記既知密度ρ0との関係が圧力差関係マップとして記憶されるとともに上記主燃料ガスの発熱量H1が記憶され、かつ上記1つ又は2つのガス流量計によって測定された混合燃料ガス流量Qmと、上記圧力計によって測定された圧力差ΔPを受信して、上記流量制御弁に開度調整信号を送信するガス混合コントローラとを備えており、
該ガス混合コントローラは、上記混合燃料ガス流量Qm及び上記圧力差ΔPを上記圧力差関係マップに照合して、上記混合燃料ガスの推定密度ρmを求め、該推定密度ρmに基づいて上記混合燃料ガスの発熱量Hmを求め、該混合燃料ガスの発熱量Hmが目標発熱量Hrとなるよう上記流量制御弁の開度を調整するよう構成したことを特徴とする燃焼システムに用いるガス混合装置。
【請求項5】
主燃料ガスが供給される主燃料ガス配管と、
該主燃料ガス配管に配設した主燃料ガス流量計と、
副燃料ガスが供給される副燃料ガス配管と、
該副燃料ガス配管に配設した副燃料ガス流量計と、
上記副燃料ガス配管に設けた絞り部と、
該絞り部の上流側と下流側との圧力差を測定する圧力計と、
上記合流部に配設した流量制御弁と、
既知密度ρ0の基準ガスを上記絞り部を通過させたときの圧力差ΔP0及び流量Q0と、上記既知密度ρ0との関係が圧力差関係マップとして記憶されるとともに上記主燃料ガスの発熱量H1が記憶され、かつ上記主燃料ガス流量計によって測定された主燃料ガス流量Q1と、上記副燃料ガス流量計によって測定された副燃料ガス流量Q2と、上記圧力計によって測定された圧力差ΔPを受信して、上記流量制御弁に開度調整信号を送信するガス混合コントローラとを備えており、
該ガス混合コントローラは、上記副燃料ガス流量Q2及び上記圧力差ΔPを上記圧力差関係マップに照合して、上記副燃料ガスの推定密度ρ2を求め、該推定密度ρ2に基づいて該副燃料ガスの推定発熱量H2を求め、該推定発熱量H2、上記主燃料ガスの発熱量H1、上記主燃料ガス流量Q1及び上記副燃料ガス流量Q2を用いて上記混合燃料ガスの発熱量Hmを求め、上記流量制御弁の開度を、上記混合燃料ガスの発熱量Hmに応じた開度に調整するよう構成したことを特徴とする燃焼システムに用いるガス混合装置。
【請求項6】
請求項5に記載の燃焼システムに用いるガス混合装置において、上記ガス混合コントローラは、上記主燃料ガスの発熱量H1、上記副燃料ガスの推定発熱量H2、上記主燃料ガス流量Q1及び上記副燃料ガス流量Q2を用い、上記混合燃料ガスの発熱量Hmを、Hm=(H1×Q1+H2×Q2)/(Q1+Q2)から求め、該混合燃料ガスの発熱量Hmを、予め求めた上記混合燃料ガスの発熱量Hmと上記流量制御弁の開度との開度関係マップに照合して、上記流量制御弁の開度を調整するよう構成してあり、
かつ、上記主燃料ガス流量Q1、上記副燃料ガス流量Q2及び上記圧力差ΔPの測定と、上記推定密度ρ2及び上記推定発熱量H2の算出と、上記流量制御弁の開度の調整とを繰り返し行うよう構成したことを特徴とする燃焼システムに用いるガス混合装置。
【請求項7】
主燃料ガスが供給される主燃料ガス配管と、
副燃料ガスが供給される副燃料ガス配管と、
上記主燃料ガス配管と上記副燃料ガス配管との合流部に配設し、又は上記主燃料ガス配管と上記副燃料ガス配管とにそれぞれ配設した1つ又は2つのガス流量計と、
上記合流部に設けた絞り部と、
該絞り部の上流側と下流側との圧力差を測定する圧力計と、
上記合流部に配設した流量制御弁と、
既知密度ρ0の基準ガスを上記絞り部を通過させたときの圧力差ΔP0及び流量Q0と、上記既知密度ρ0との関係が圧力差関係マップとして記憶されるとともに上記主燃料ガスの発熱量H1が記憶され、かつ上記1つ又は2つのガス流量計によって測定された混合燃料ガス流量Qmと、上記圧力計によって測定された圧力差ΔPを受信して、上記流量制御弁に開度調整信号を送信するガス混合コントローラとを備えており、
該ガス混合コントローラは、上記混合燃料ガス流量Qm及び上記圧力差ΔPを上記圧力差関係マップに照合して、上記混合燃料ガスの推定密度ρmを求め、該推定密度ρmに基づいて上記混合燃料ガスの発熱量Hmを求め、上記流量制御弁の開度を、上記混合燃料ガスの発熱量Hmに応じた開度に調整するよう構成したことを特徴とする燃焼システムに用いるガス混合装置。
【請求項8】
請求項1〜7に記載の燃焼システムに用いるガス混合装置において、該ガス混合装置は、ガスエンジンの運転を行って発電機を作動させるよう構成した発電システムに対して装備し、該発電システムへ上記主燃料ガスと上記副燃料ガスとを混合させた混合燃料ガスを供給するものであることを特徴とする燃焼システムに用いるガス混合装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−169294(P2011−169294A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−36251(P2010−36251)
【出願日】平成22年2月22日(2010.2.22)
【出願人】(000221834)東邦瓦斯株式会社 (440)
【Fターム(参考)】