説明

物体分離装置、トッピング装置、物体分離方法および食品具材トッピング方法

【課題】大きさや形状や重量のばらつきが大きい物体を無秩序に置いた状態から一つずつ確実に分離するとともに該処理を効率よく行う。
【解決手段】食品具材W1を無秩序に置かれた状態で収容する具材保持部20と、食品具材W1を個別に吸引するための吸気孔55が形成された周回動作可能な外周面57の一部に具材保持部20に収容された食品具材W1を接触させた回転ドラム50と、吸気孔55から回転ドラム50の内部へ吸気することにより該吸気孔55の位置で回転ドラムの外周面57に食品具材W1を個別に吸引させる吸気機構とを有し、食品具材W1を吸引した状態で回転ドラムの外周面57を周回動作させる吸引移送機構40と、周回動作する回転ドラムの外周面57から所定の解放位置L3で前記吸引された食品具材W1を解放する具材解放機構とを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無秩序に置かれた分離対象の物体を個別に分離する物体分離装置および物体分離方法、並びに、分離後の物体をトッピングするトッピング装置および食品具材トッピング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、段落0016および図1,2に示されるように、柔軟質かつ不定形の物体に、圧力調節手段に連結された真空パッドを接触させ、吸引して物体を真空パッドに固定させ、該真空パッドを移動させ、計数板上の曲面をなす内壁を有する凹部に柔軟質かつ不定形の物体配置し、凹部と嵌合するように設置された圧力調節手段に連結された真空パッドで物体を押え、凹部と真空パッドで形成される空間の空気を吸引して物体を真空パッドに固定させ、該真空パッドを被トッピング物体上へ移動させ物体をその上部に乗せて押え、物体と真空パッドで形成される空間に空気を送ることにより物体を物体にトッピングすることが記載されている。ここで、真空パッドは、上方へ凹んだ凹形状とされている。
【0003】
特許文献2には、特許請求の範囲および図1〜7に示されるように、移送コンベアに返送コンベアを並設し、食品製造機の食品原料の原料供給部と前記移送コンベアとの間を昇降動自在に回動する真空吸着体を設け、さらに移送コンベア1の移送開始部に供給トラフを設けると共に、移送コンベアの移送終了部に返送コンベアの返送開始部への送りシュートを設け、さらに返送コンベアの返送終了部に前記供給トラフへの返送シュートを設け、前記真空吸着体が穴相互間に適宜の間隔を有すると共に穴の外面をメッシュで被った複数個の吸着穴が設けられた口金吸着板を有したものである食品原料供給装置が記載されている。
【0004】
特許文献3には、請求項3および図3,7に示されるように、少なくとも一以上のモールドが配置されたモールド盤と、当該モールド盤を移動させるモールド盤搬送手段と、吸着嘴を心材粒の吸着位置と前記モールド盤の上方との間に往復移動して、心材粒を前記モールドに供給する心材粒吸着手段と、前記心材粒の吸着位置の下方に設置された心材粒の加圧空気による上下浮動手段とを備えた食品の心材供給装置が記載されている。
【特許文献1】特開平5−146244号公報
【特許文献2】特開平5−77930号公報
【特許文献3】特開2003−235531号公報
【特許文献4】特開平6−144562号公報
【特許文献5】特表2004−500837号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
エビ等のように大きさや形状や重量のばらつきが大きい不定形の物体を無秩序に置かれた状態から個別に分離して所定の方向へ整列された状態で搬送する処理を、人手ではなく、自動で行いたいという課題があった。
特許文献1記載の技術では、上方へ凹んだ凹形状とされた真空パッドに柔軟質かつ不定形の物体を吸着させる際に真空パッドに位置に合わせて該物体を置く作業が必要であり、この作業を人手で行う必要があった。なお、柔軟質かつ不定形の物体を無秩序に置かれた状態にし、真空パッドを下降させて該物体を吸着させようとすると、真空パッドが上方へ凹んだ凹形状とされているため、真空パッドの周縁部が物体に接触して、物体を吸着することができないことがある。また、真空パッドを上下方向および水平方向へ往復移動させて物体を移送する必要があるため、復移動のための時間が必要であり、物体を個別に移送する処理の単位時間当たりの処理量が少ないという問題もあった。
特許文献2記載の技術でも、真空吸着体を食品製造機の食品原料の原料供給部と移送コンベアとの間で昇降動させるとともに水平方向へ回動させて往復移動させて食品原料を移送する必要があるため、復移動のための時間が必要であり、食品原料を個別に移送する処理の単位時間当たりの処理量が少ないという問題があった。
特許文献3記載の技術でも、吸着嘴を心材粒の吸着位置とモールド盤の上方との間に往復移動させて心材粒をモールドに供給する必要があるため、復移動のための時間が必要であり、心材粒を個別に移送する処理の単位時間当たりの処理量が少ないという問題があった。
【0006】
なお、特許文献4記載の技術は、所定形状の部品を分離して供給する技術であり、上述した課題を解決することはできない。同文献には、段落0015−0016および図1〜3に示されるように、部品を吸着するチャック機構と、チャック機構をX方向もしくはZ方向に移動させるXZ移動機構と、部品をチャック機構に供給するストッカーとを備え、チャック機構が柔軟性を有する複数本のチューブ2、チューブ固定板3及びガイド板4からなる部品供給装置が記載されている。同技術でも、チャック機構をX方向およびZ方向に往復移動させて部品を移送する必要があるため、復移動のための時間が必要であり、部品を個別に移送する処理の単位時間当たりの処理量が少ないという問題がある。
【0007】
また、特許文献5記載の技術は、所定形状の調理済みスナック食品片を作るために調理媒体中で所定形状のスナック食品片プリフォームを調理する技術であり、上述した課題を解決することはできない。同文献には、請求項1および図1,2,5,6に示されるように、調理媒体タンク内に配置された外周面を有するバキュームドラムを備え、該バキュームドラムは前記外周面の回りに複数のモールドエレメントを有し、前記バキュームドラムは、前記モールドエレメントが前記調理媒体タンク内で回転するように、構成され、前記モールドエレメントは、前記スナック食品片プリフォームが保持される所定形状の開放モールド面を有するスナック食品の型揚げ用製造装置が記載されている。従って、ばらつきが大きい不定形の物体を無秩序に置かれた状態から個別に分離することに同技術を適用することはできない。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、大きさや形状や重量のばらつきが大きい物体を無秩序に置かれた状態から一つずつ確実に分離するとともに該処理を効率よく行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の物体分離装置は、分離対象の物体を無秩序に置かれた状態で保持する物体保持部と、前記物体を個別に吸引するための吸気孔が形成された周回動作可能な外周面の一部に前記物体保持部に保持された物体を接触させた周回部材と、前記吸気孔から前記周回部材の内部へ吸気することにより該吸気孔の位置で前記周回部材の外周面に前記物体を個別に吸引させる吸気機構とを有し、該物体を吸引した状態で前記周回部材の外周面を周回動作させる吸引移送機構と、前記周回動作する周回部材の外周面から所定の解放位置で前記吸引された物体を解放する物体解放機構とを備えることを特徴とする。
【0010】
周回部材の外周面に形成された吸気孔は、無秩序に置かれて物体保持部に保持された物体を個別に吸引可能な吸気孔とされている。上記吸気機構により該吸気孔から周回部材の内部へ吸気されると、無秩序に置かれた物体は該吸気孔に対して個別に吸引される。
無秩序に置かれて物体保持部に保持された物体は、周回動作する周回部材の外周面に接触し、吸気孔の位置で周回部材の外周面に対して個別に吸引され、周回動作する周回部材の外周面に沿って所定の開放位置まで個別に移送される。該開放位置へ個別に移送された物体は、上記物体解放機構により個別に解放される。
以上の構成により、物体が大きさや形状や重量のばらつきが大きい不定形の物体であっても、無秩序に置かれた物体から一つずつ確実に分離することが可能になる。また、周回部材が周回動作するので、該周回部材にて常時物体を個別に移送することができ、物体を個別に移送する処理を効率よく行うことが可能になる。
【0011】
本発明を適用可能な物体は、大きさや形状や重量のばらつきが大きい物体であると好適であるものの、大きさや形状や重量の揃った一定形状の物体でもよい。
上記周回部材の外周面を周回動作させることには、周回部材全体を周回動作させること、周回部材の外周部のみを周回動作させること、のいずれも含まれ、また、外周面を一周させる際に外周面の位置を変化させずに外周面を循環させること、外周面を一周させる際に外周面の位置を変化させながら元の位置に戻るように外周面を周回動作させること、のいずれも含まれる。
【0012】
前記物体解放機構が前記解放位置で前記吸気孔からエアを噴出するかまたは前記吸気孔からの吸気を遮断して該吸気孔の位置で前記周回部材の外周面に吸引されていた物体を解放すると、物体が確実に解放されるとともに、正確に物体が所定の解放位置で解放される。
前記周回部材は、所定の回転軸を中心として下から上へ向かう部分と上から下へ向かう部分とが存在するように周回動作可能な外周面が形成され、該回転軸を中心として所定の回転方向へ回転されるとともに、周回動作する外周面のうち前記物体解放機構から上へ向かう部分が前記物体保持部に保持された物体に接触する部分とされてもよい。また、周回動作する外周面のうち下から上へ向かう部分が前記物体保持部に収容された物体に接触する部分とされてもよい。すると、より確実に物体を一つずつ分離することができ、該処理を連続して円滑に行うことができる。ここで、回転軸が略水平方向(例えば水平方向からのずれが15°以下)へ向けた回転軸であると、さらに確実に物体を一つずつ分離することができる。
前記物体解放機構は、前記回転軸よりも下側に設けられて前記吸気孔からエアを下方へ噴出するかまたは前記吸気孔からの吸気を遮断して前記周回部材の外周面に吸引されていた物体を下方に向けて解放してもよい。また、前記物体解放機構は、前記周回動作する外周面のうち上から下へ向かう部分に設けられてもよい。すると、より確実に物体を外周面から解放することができ、該処理を連続して円滑に行うことができる。
【0013】
上記周回部材は、円筒形状のような筒形状とされてもよいし、円柱形状のような楕円柱形状とされてもよい。
【0014】
ところで、本発明のトッピング装置は、上記物体保持部と、上記吸引移送機構と、上記物体解放機構と、前記周回部材の外周面の周回動作に同期して順次被トッピング物体を所定の搬送方向へ搬送するとともに前記周回部材の外周面に吸引されている物体が前記解放位置に移送されたときに該物体を個別に前記搬送している被トッピング物体の上へ載置させるトッピング搬送機構とを備え、前記解放位置は、前記トッピング搬送機構にて搬送される各被トッピング物体に前記解放された物体が個別にトッピングされる位置とされていることを特徴とする。
周回部材の外周面に吸引されている物体が所定の解放位置に移送されたとき、上記トッピング搬送機構により、搬送される被トッピング物体の上へ個別に載置され、トッピングされる。
以上の構成により、無秩序に置かれた物体から一つずつ確実に分離してトッピングすることが可能になる。また、周回部材が周回動作するので、該周回部材にて常時物体を個別に移送することができ、物体を個別に移送してトッピングする処理を効率よく行うことが可能になる。
【0015】
また、物体分離方法の発明や、トッピング方法の発明としても、同様の作用、効果が得られる。むろん、請求項2〜請求項13に記載された構成をこれらの方法に対応させることも可能である。
【発明の効果】
【0016】
請求項1、請求項15にかかる発明によれば、大きさや形状や重量のばらつきが大きい物体を無秩序に置かれた状態から一つずつ確実に分離することが可能になるとともに該処理を効率よく行うことが可能になる。
請求項2にかかる発明では、正確に所定の解放位置で周回部材の外周面から物体を確実に解放することができる。
請求項3、請求項6にかかる発明では、連続して物体を一つずつ分離する処理を円滑に行うことができる。
請求項4にかかる発明では、物体を一つずつ分離して確実に被トッピング物体上にトッピングすることができる。また、ニードルなど物体を保持する部材を用いて物体を被トッピング物体にトッピングする必要が無いので、物体を保持する部材が異物として食材等のトッピング物体に混入する可能性を無くすことが可能になる。
請求項5にかかる発明では、小さすぎる物体が除去されるので、吸気孔の位置で確実に物体を周回部材の外周面に吸引して移送することができるとともに、一つずつ分離される物体の大きさのばらつきを少なくさせることができる。
請求項7にかかる発明では、周回部材の外周面を一定の周回速度で周回動作させるよりも間欠的に周回動作させる方が、より確実に物体が各吸気孔の位置で外周面に吸引されて分離されるので、より確実に物体を無秩序に置かれた状態から個別に吸引して分離することが可能になる。
【0017】
請求項8にかかる発明では、簡易な構造で確実に周回部材から物体を解放することができる。
請求項9にかかる発明では、ガイド部材により回転軸方向において隣り合う吸気孔どうしの間に存在する物体が該隣り合う吸気孔のいずれかのみに吸引させる位置へ修正されるので、より確実に物体を一つずつ分離することが可能になる。
請求項10にかかる発明では、第一のガイド部材と第二のガイド部材とに物体が同時に引っ掛かることが無くなるので、物体が吸気孔から完全に脱落するようなことが無くなり、より確実に物体を各吸気孔で吸引して分離することが可能になる。
【0018】
請求項11にかかる発明では、物体の大きさ、形状、重量、性質、等に応じて吸気孔の大きさを容易に変更することができるので、本物体分離装置の利便性を向上させることができる。
請求項12にかかる発明では、連続して物体を一つずつ分離する処理をより円滑に行うことが可能になる。
請求項13にかかる発明では、より確実に物体を各吸気孔の位置で外周面に吸引して分離することが可能になり、連続して物体を一つずつ分離する処理をより円滑に行うことが可能になる。
請求項14にかかる発明では、大きさや形状や重量のばらつきが大きい物体を無秩序に置かれた状態から一つずつ確実に分離してトッピングすることが可能になるとともに該処理を効率よく行うことが可能になる。
請求項16にかかる発明では、大きさや形状や重量のばらつきが大きい食品具材を無秩序に置かれた状態から一つずつ確実に分離してトッピングすることが可能になるとともに該処理を効率よく行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)食品具材トッピング装置の説明:
(2)食品具材トッピング装置の作用:
(3)変形例:
【0020】
(1)食品具材トッピング装置の説明:
図1は食品具材トッピング装置(物体分離装置)10を右側から見て示す右側面図、図2は本装置10を左側から見て示す左側面図、図3は右側周回部材支持部材41等を透視して本装置10の要部を右側から見て示す右側面図、図4は図3と同じ位置から本装置10の要部の垂直断面を見て示す垂直断面図、図5は図4と同じ位置から回転ドラム(周回部材)50の各位置を説明する垂直断面図、図6は吸引移送機構40およびガイド部材82,84並びにそれらの周辺を前から見て示す正面図、図7は吸引移送機構40およびガイド部材82,84並びにそれらの周辺を上から見て示す平面図、図8は吸引移送機構40および具材解放機構(物体解放機構)90並びにそれらの周辺を後から見て示す背面図、図9は複数種類の吸気孔形成部材を示す斜視図、図10は回転ドラムの外周面上における食品具材の動きを説明する図、図11はトッピング機構140の動作を説明する図、図12はトッピング機構140の動作を示すタイミングチャートである。
なお、後退側から前進側を見る方向を基準として左右の関係を説明することにする。図7では両周回部材支持部材41,42の外側の部分を省略して示している。
【0021】
本発明の物体分離装置の基本部分は、具材収容部(物体収容部、物体保持部)20、吸引移送機構40、具材解放機構(物体解放機構)90、からなる。
具材収容部20は、金属板で形成された金属製ホッパ22からなり、分離対象の食品具材(物体)W1を無秩序に堆積された(置かれた)状態で収容(保持)する。
吸引移送機構40は、回転ドラム(周回部材)50と周回駆動機構60と吸気機構70とを有し、乾燥エビ等の食品具材W1を吸引した状態で回転ドラム50の外周面57を周回動作させる。回転ドラム50は、外周面57に食品具材W1を個別に吸引するための吸気孔55が形成されており、周回動作可能な外周面57の一部に具材収容部20に収容された食品具材W1を接触させている。同吸気孔は、具材収容部に収容された各食品具材W1を通過させない大きさに形成され、無秩序に堆積された食品具材W1を個別に吸引可能な吸気孔とされている。吸気機構70は、吸気孔55から回転ドラム50の内部へ吸気することにより該吸気孔55の位置で回転ドラムの外周面57に食品具材W1を個別に吸引させる。
具材解放機構90は、周回動作する回転ドラムの外周面57から所定の解放位置L3で前記吸引された食品具材W1を解放する。
【0022】
吸気機構70により吸気孔55から回転ドラム50の内部へ吸気されると、無秩序に堆積された食品具材W1は、吸気孔55に対して個別に吸引される。具材収容部に収容された食品具材W1は、周回動作する回転ドラムの外周面57における所定の吸引位置L2に接触し、吸気孔55の位置で回転ドラムの外周面57に対して個別に吸引され、周回動作する周回部材の外周面57に沿って所定の開放位置L3まで個別に移送される。該開放位置L3へ個別に移送された食品具材W1は、具材解放機構90により個別に解放される。
以上の構成により、エビのように物体W1が大きさや形状や重量のばらつきが大きい不定形の物体であっても、無秩序に堆積された物体W1から一つずつ確実に分離することが可能になる。また、周回部材50が周回動作するので、該周回部材50にて常時物体W1を個別に移送することができ、物体W1を個別に移送する処理を効率よく行うことが可能になる。
【0023】
本発明のトッピング装置の基本部分は、上記物体分離装置20,40,90、搬送機構110、トッピング機構140、からなる。
上記具材解放機構90は食品具材W1を解放して落下させる機構とされ、搬送機構110は落下した食品具材W1を載置して所定の搬送方向D4へ整列された状態で搬送する。
トッピング機構140は、搬送された食品具材W1を個別に各被トッピング食材(被トッピング物体)W3にトッピング(載置)する。
具材解放機構90から落下した食品具材W1は、搬送機構110に載置されて個別に所定の搬送方向D4へ整列された状態で搬送される。搬送された食品具材W1はトッピング機構140により個別に海老煎餅生地等の各被トッピング食材W3にトッピングされ、焼成前海老煎餅等の食材W4が形成される。
【0024】
本食品具材トッピング装置10は、上記トッピング装置の基本部分20,40,90,110,140の他、振動機構30、被トッピング食材形成機構120、ベルトコンベア(被トッピング物体搬送機構)130、を備えている。
被トッピング食材形成機構120は、各部122,124,126,128を備え、食品具材W1をトッピングさせる被トッピング食材W3をベルトコンベア130上で形成する。ベルトコンベア130は、被トッピング食材W2,W3を載置して移送するベルト、該ベルトを進行方向へ循環駆動するモータ、ベルトの進行速度を調節する速度調節機構、等を備えており、速度調節機構の調節量に応じた一定速度でベルトを駆動し、被トッピング食材W2,W3を前進方向へ搬送する。
【0025】
被トッピング食材成形機構122は、例えば若干流動性を有する軟質の海老煎餅生地等の生地を混練して押出成形する混練押出成形機とすることができ、混練押出成形機のホッパに前記生地が収容されると、下方からベルトコンベア130の幅方向に等間隔で並設した3つの筒状の吐出口から一定時間あたり一定量の生地を吐出する。また、各吐出口に設けられた各ワイヤカッタがリミットスイッチ68のオンオフのタイミングと同期して作動し、一定重量の団子状の生地(被トッピング部材W2)をベルトコンベア130上へ落下させる。ベルトコンベア130上へ落下した被トッピング部材W2は、ベルトコンベア130上を前進方向へ移動し、リミットスイッチ68のオンオフのタイミングと同期してベルトコンベア130に近接した所定の近接位置とベルトコンベア130から上方へ離反した所定の離反位置との間で往復移動する位置決め部材124にてベルトコンベア130上で位置決めされる。位置決めされた被トッピング部材W2は、ベルトコンベア130上を前進方向へ移動し、リミットスイッチ68のオンオフのタイミングと同期して回転する押圧部材126で上から押圧されて偏平化される。偏平化された被トッピング食材は、アオサトッピング機構128でアオサをトッピングされ、乾燥エビ(食品具材W1)をトッピングする対象の被トッピング食材W3が形成される。
【0026】
トッピング対象の食品具材W1は、適宜、ホッパ22(具材収容部20)に投入され、無秩序に堆積された状態で収容される。食品具材が成形されていない具材であると、多くの場合、食品具材は大きさや形状や重量のばらつきがある不定形の具材となる。特に、エビや魚のような原料(乾燥原料、ボイル後乾燥原料を含む)は、成形されていないと、大きさや形状や重量のばらつきが大きい不定形の食品具材となる。本装置10は、振動機構30で具材収容部内の食品具材W1をほぐしながら確実に一つずつ分離する。
上記振動機構30は、板状の振動板32と、この振動板を支持する金属製の振動板支持部材34と、この振動板支持部材をリミットスイッチ68のオンオフのタイミングに同期させて上下方向からやや斜めにずれた方向へ往復駆動するエアシリンダ(振動板駆動機構)36とを備えている。一方、ホッパ22の底板23には、振動板32を貫通させる開口23aが形成されている。エアシリンダ36は、リミットスイッチ68がオンになると振動板32を所定の下方位置(図4の二点鎖線の位置)まで下降させる一方でリミットスイッチ68がオフになると振動板32を所定の上方位置(図4の実線の位置)まで上昇させることにより、回転ドラムの外周面57の間欠的な回転動作に同期させて振動板支持部材34とともに振動板32を往復駆動し、該振動板によってホッパ22内に収容された食品具材W1を振動させる。このように、振動機構30により、回転ドラムの外周面57の間欠的な周回動作に合わせて具材収容部20に収容された食品具材W1が振動する。
【0027】
回転ドラム(周回部材)50は、内部が空洞(中空部HO1)とされた円筒形状に形成され、外周面57が滑らかに形成されるとともに、滑らかな外周面57に多数の吸気孔55が形成され、所定の回転軸AX1を中心として外周面57の位置L1を変化させずに回転(周回動作の一種)するように構成されている。回転ドラム50は、径方向D5(図5の回転軸AX1から放射状に拡がる方向)に貫通した吸気孔55が形成された吸気孔形成部材54を複数備えるとともに、該吸気孔形成部材を外周部56に対して外周面57を合わせて着脱可能に取り付けさせる本体部52と、回転軸AX1を回転の中心として配置された右側軸部材50aおよび左側軸部材50bとを備えている。一方、食品具材トッピング装置10の左右両側には例えばともに金属板で形成された右側周回部材支持部材41および左側周回部材支持部材42が移動しないように固定されており、各周回部材支持部材41,42には各軸部材50a,bを回転動作可能に軸支(支持)する各ベアリング部材41a,42aが取り付けられて固定されている。従って、回転ドラム50は、ベアリング部材41a,42aを介して周回部材支持部材41,42に対して回転動作可能に支持され、回転軸AX1を中心として回転することになる。
なお、本体部52や吸気孔形成部材54や軸部材50a,bは、金属、合成樹脂、等、様々な材質で形成することができる。
【0028】
回転ドラム50は、上記回転軸AX1を中心として下から上へ向かう部分57aと上から下へ向かう部分57bとが存在するように周回動作可能な外周面57が形成され、該回転軸AX1を中心として所定の回転方向D2へ回転されるとともに、周回動作する外周面のうち下から上へ向かう部分57aが具材収容部20に収容された食品具材W1に接触する部分とされている。下から上へ向かう部分57aが食品具材W1に接触するので、確実に食品具材を一つずつ分離することができ、該分離処理を連続して円滑に行うことができる。本実施形態では、回転軸AX1を水平方向へ向けた回転軸としている。これにより、さらに確実に食品具材を一つずつ分離することができ、該分離処理をさらに円滑に連続して行うことが可能になっている。
なお、水平面と回転軸AX1とがなす角度θ1(回転軸AX1を水平方向に向けた場合が0°)は、物体を一つずつ確実に分離する観点からは、回転軸AX1が鉛直方向よりも水平方向寄りとなる45°未満が好ましく、水平方向からのずれが鉛直方向からのずれの半分以下となる30°以下がより好ましく、水平方向からのずれが鉛直方向からのずれの1/5以下となる15°以下がさらに好ましい。
【0029】
吸気孔形成部材54は、回転軸AX1の方向D1(幅方向D6)へ等間隔でずれて複数設けられるとともに、外周面57の周回方向D2へも等間隔でずれて複数設けられている。従って、吸気孔55は、回転軸の方向D1へ等間隔でずれて複数形成されているとともに、周回方向D2へも等間隔でずれて複数形成されていることになる。本実施形態では、各吸気孔55を断面円形に形成するとともに、周回方向D2へは回転軸AX1を中心として45°の間隔で計8個の吸気孔55を形成してある。また、図9に示すように、回転ドラムの本体部52には外周部56において各吸気孔形成部材54を取り付けるための貫通穴56aがそれぞれ形成され、各貫通穴56aにシール材56bでシールしながら各吸気孔形成部材54が着脱可能に取り付けられる。むろん、ねじ等により吸気孔形成部材を本体部に対して着脱可能に取り付けるようにしてもよい。ここで、それぞれ径d1〜d3と大きさの異なる吸気孔55a〜cが形成された複数種類の吸気孔形成部材54a〜cの中からいずれかの吸気孔形成部材が選択的に本体部52に対して取り付けられるようにされている。これにより、物体の大きさ、形状、重量、性質、等に応じて吸気孔の大きさを容易に変更することができるので、本物体分離装置は便利である。
なお、図9に示すように、回転ドラム50の径方向外側(外周側)を径方向内側よりも太くなるように吸気孔形成部材を形成してもよい。回転ドラムの中空部HO1は大気圧よりも低い空気圧となるので、径方向外側を太くすることにより、吸気孔形成部材が回転ドラムの外部へ脱落したり回転ドラムの内部に吸い込まれたりせず、簡易な構造で吸気孔形成部材を本体部に取り付けることができる。
【0030】
エビのように物体が長尺な物である場合、物体の最も長い方向の長さをX1、該最も長い方向とは垂直な方向において最も長い方向の長さをX2、長さX1,X2となる両方向と垂直になる方向において最も長い部分の長さをX3とすると、断面円形の吸気孔55の直径をX2未満とすると、物体は吸気孔から回転ドラム内部に吸い込まれず、吸気孔の位置で外周面に保持される。大きさ、形状のばらつきのある物体では、ばらつきの許容範囲内で最も小さい物体の長さX2を基準として吸気孔の大きさを決定すればよい。例えば、長さX1が10〜40mm、長さX2が5〜15mm、長さX3が2〜10mmの乾燥エビでは、長さX2の下限5mmを基準として、吸気孔の直径を2〜4mm程度に設定すればよい。
【0031】
周回駆動機構60は、図3に示すように、各部61〜68を備え、周回方向D2へずれて形成された各吸気孔55の位置に合わせて回転ドラムの外周面57を間欠的に周回動作させる。
平歯車61は、回転ドラムの軸部材50aに取り付けられて固定され、該軸部材とともに回転軸AX1を中心として回転するようにされている。平歯車62は、平歯車61の下方で該平歯車61と噛合し(噛み合い)、回転軸AX1と平行な水平方向に向けた軸部材62aを回転軸として回転するようにされている。本実施形態の平歯車62は、平歯車61の1/2の径とし、自らが1回転すると平歯車61を1/2回転させるようにしてある。従動車63は、複数の魚尾片63aを有するとともに各魚尾片63aの間に溝63bが形成され、平歯車62と同じ軸部材62aに対して該平歯車62よりも幅方向D6外側(右側)に取り付けられて、該軸部材62aを回転軸として回転するようにされている。駆動車64は、円板64aと該円板から幅方向D6内側に向けて突出した複数のピン64bとを有し、従動車63の下方で該従動車と間欠的に噛み合い、回転軸AX1と平行な水平方向に向けた軸部材64cを回転軸として回転するようにされている。従動車63と駆動車64とはゼネバストップ機構を構成し、一定速度で回転する駆動車のピン64bが従動車の溝63bに挿入して離脱することにより、従動車63が溝63bの間隔毎に間欠的に回転する。本実施形態では、駆動車64が1/2回転する毎に従動車63が1/4回転ずつ間欠的に回転するようにしてある。
モータ65は、周回部材支持部材41に取り付けられて固定され、駆動車64を所定の回転方向(図3の右回り方向)へ一定速度で回転駆動する。平歯車66は、平歯車62の下方で該平歯車62と噛合し、回転軸AX1と平行な水平方向に向けた軸部材を回転軸として回転するようにされている。本実施形態の平歯車66は、平歯車62と同じ径とし、平歯車62が1回転すると1回転するようにしてある。ギヤ付きベルト67は、平歯車66と搬送機構110の平歯車116とに架け渡され、両平歯車66,116と噛合している。リミットスイッチ68は、周回部材支持部材41に取り付けられて固定され、駆動車のピン64bが接触するとオンになり、該ピン64bが離れるとオフになる。
【0032】
以上の構成により、モータ65が駆動車64を図3の右回り方向へ一定速度で回転駆動すると、従動車63および平歯車62は図3の左回り方向へ1/4回転ずつ間欠的に回転する。すると、該平歯車62の上にある平歯車61および回転ドラム50は、図3の右回り方向へ1/8回転ずつ間欠的に回転する。また、平歯車62の下にある平歯車66は、図3の右回り方向へ1/4回転ずつ間欠的に回転する。すると、ギヤ付きベルト67を介して平歯車116が図3の右回り方向へ間欠的に回転し、チェーンコンベア114を介してバケット部材112を図3の右回り方向へ間欠的に循環動作させる。さらに、リミットスイッチ68は、駆動車64の1/2回転毎、すなわち、回転ドラム50の1/8回転毎にオンオフし、該タイミングで振動機構のエアシリンダ36に振動板32を往復動させたり、該タイミングでトッピング機構140に所定の取出位置L4にあるバケット部材112内の食品具材W1を所定のトッピング位置L5にあるベルトコンベア130上の被トッピング食材W3にトッピングさせたりする。
【0033】
ここで、図8に示すように、回転ドラムの外周面57の周回動作における間欠的な停止位置は、周回方向D2へずれて形成された各吸気孔55が具材解放機構90のへら部材92の先端部92aに合う位置にしてある。これにより、へら部材の先端部92aの位置で吸気孔55からの吸気がカット(遮断)され、吸気孔55の位置で外周面57に吸引されていた各食品具材W1に該吸気孔55からの吸引力が作用しなくなるので、確実に外周面57から各食品具材を解放させることが可能になる。なお、吸気孔の位置で回転ドラムの周回動作を一旦停止させないと、吸気孔から各食品具材への吸引力が急激に解除されるため、該吸引力から解放された食品具材が真っ直ぐ落下しないことがある。吸気孔の位置で回転ドラムの周回動作を一旦停止させることにより、前記吸引力が緩やかに解除され、該吸引力から解放された食品具材が安定して真っ直ぐ落下するようになる。
また、図8に示すように、吸気孔55がへら部材92でちょうど隠れた瞬間に、すなわち、吸気孔55の上側の位置がへら部材の先端部92aの位置に一致したときに、回転ドラム50の周回動作を一旦停止させると、吸気孔から円滑に各食品具材を落下させることができる。
一方、食品具材W1を吸引する際にも、回転ドラムの外周面を一定の周回速度で周回動作させるよりも間欠的に周回動作させる方が、具材収容部20に堆積された食品具材W1の中で吸気孔55の周回動作が一旦停止するため食品具材W1が確実に吸気孔55に吸引される。
以上より、回転ドラムを間欠的に周回動作させることにより、より確実に物体が各吸気孔の位置で外周面に吸引されて分離されるので、より確実に物体を無秩序に堆積した状態から個別に吸引して分離することが可能になる。
【0034】
吸気機構70は、図2に示すように、各部72,74,76を備え、回転ドラムの中空部HO1から周回部材取付部材72、吸気管74を介して吸引した空気を真空ポンプ76まで導くことにより、吸気孔55から回転ドラム50内へ吸気して該吸気孔の位置で回転ドラムの外周面57に食品具材W1を別々に吸引させる。周回部材取付部材72は、周回部材支持部材42に取り付けられて固定されるとともに、回転ドラム50において円筒形状とされた左側軸部材50bに取り付けられて中空部HO1から空気を吸引する吸気路を形成している。吸気管74は、軟質のプラスチック管(ゴム管等も可)とされ、一端が周回部材取付部材72に接続され、他端が真空ポンプ76の吸気口に接続されて、周回部材取付部材72から流入した空気を吸引する吸気路を形成している。
真空ポンプ76を駆動すると、中空部HO1内の空気は、吸気路72,74を介して真空ポンプ76に吸引され、大気圧よりも低い空気圧(負圧)となる。すると、回転ドラム50の外部から回転ドラム50の内部へ空気が吸引され、吸気孔55の位置で回転ドラム50から食品具材W1へ吸引力が作用する。これにより、吸気孔55の位置で回転ドラムの外周面57に食品具材W1が個別に吸引される。そして、回転ドラム50は、吸気孔55から中空部HO1内へ吸気しながら、自らは回転する。
【0035】
ガイド部材82,84は、例えば金属製とされ、周回動作する外周面57のうち回転軸AX1よりも上の部分で下から上へ向かう部分57a1に設けられている。比較的幅方向D6内側のガイド部材82a,84aは、該部分57a1であって回転軸の方向D1において隣り合う吸気孔55どうしの間に設けられ、該隣り合う吸気孔どうしの間に存在する食品具材W1を該隣り合う吸気孔のいずれかのみに吸引させる位置へ修正させる。このように、ガイド部材82a,84aにより回転軸方向D1において隣り合う吸気孔どうしの間に存在する物体が該隣り合う吸気孔のいずれかのみに吸引させる位置へ修正されるので、物体が確実に一つずつ分離される。
【0036】
図7に示すように、回転ドラム50の上方において、両周回部材支持部材41,42に例えば金属製の後退側ガイド部材支持部材83および前進側ガイド部材支持部材85が架け渡されている。第一のガイド部材82は、後退側ガイド部材支持部材83から下方に向かって延出するように支持され、下端がほぼ回転ドラムの外周面57に接触する位置とされて、各吸気孔55の左側に配置されている。第二のガイド部材84は、前進側ガイド部材支持部材85から下方に向かって延出するように支持され、下端がほぼ回転ドラムの外周面57に接触する位置とされて、各吸気孔55の右側に配置されている。各ガイド部材82,84の組み合わせは、回転軸の方向D1においてずれて形成された各吸気孔55の両側かつ隣り合う吸気孔よりも近い位置に設けられている。すなわち、隣り合う吸気孔55どうしの間では、比較的右側の吸気孔55寄りに第一のガイド部材82が配置され、比較的左側の吸気孔55寄りに第二のガイド部材84が配置されていることになる。
ここで、第一のガイド部材82は回転軸よりも上の部分であって下から上へ向かう部分57a1で比較的後退側にあるため下端が比較的下側とされ、第二のガイド部材84は回転軸よりも上の部分であって下から上へ向かう部分57a1で比較的前進側にあるため下端が比較的上側とされている。従って、両ガイド部材82,84は、互いに上下異なる位置とされている。
【0037】
図10に示すように、隣り合う吸気孔55の双方に食品具材W11が吸引されることがある。この場合、食品具材W11はまず第一のガイド部材82に接触し、隣り合う吸気孔55のいずれかのみに吸引される位置に修正される。第一のガイド部材と第二のガイド部材とが前後方向において同じ位置にあると、食品具材が両ガイド部材に対して同時に引っ掛かり、隣り合う吸気孔55の双方から完全に脱落することがある。両ガイド部材を前後方向において異なる位置にしたことにより、食品具材が隣り合う吸気孔55の両方から完全に脱落するようなことが無くなり、確実に食品具材を各吸気孔で吸引して分離することが可能になる。
【0038】
具材解放機構90は、周回動作する回転ドラムの外周面57のうち上から下へ向かう部分57bに設けられ、回転ドラムの外周面57に対して周回する方向D2とは反対の方向D3から先端部92aを所定の解放位置L3へ向けたへら部材92で回転ドラムの外周面57に吸引された食品具材W1を解放して落下させる機構とされている。各へら部材92は、例えば略凸字状の金属板を筒状に折り曲げて形成することができ、下部の水平断面が略ロ字状、上部の水平断面が略コ字状とされて、略コ字状の閉口側を回転ドラムの外周面57に接触させるように配置されている。
以上の構成により、吸気孔の位置で外周面57に吸引されていた食品具材W1は、へら部材の先端部92aで吸引力から解放され、へら部材92の下部に形成された落下通路92bを通過してバケット部材112まで落下する。
具材解放機構90が回転ドラムの外周面57のうち上から下へ向かう部分57bに設けられているので、確実に食品具材を外周面57から解放することができ、該解放処理を連続して円滑に行うことができる。
【0039】
搬送機構110は、具材解放機構90から解放されて落下した食品具材W1を個別に収容するバケット部材112、該バケット部材を取り付けたベルトを所定の循環方向へ循環させることにより該バケット部材112を所定の搬送方向D4へ移動させるチェーンコンベア114、該コンベアに周回駆動機構60の駆動を伝達する平歯車116、等を備えており、落下した食品具材W1をバケット部材112に対して個別に収容してチェーンコンベア114で前記搬送方向D4へ搬送する。チェーンコンベア114は、ステンレス製等の金属製とされている。
上述したように、平歯車66が1/4回転ずつ間欠的に回転してギヤ付きベルト67を介して平歯車116を間欠的に回転するので、該平歯車116はコンベア114およびバケット部材112を間欠的に循環動作させる。これにより、食品具材W1が具材解放機構90から落下するタイミングとバケット部材112の停止タイミングとを同期させて、落下した食品具材W1を確実にバケット部材112内に収容することができる。そして、落下した食品具材W1は、搬送機構110に載置されて所定の搬送方向D4へ整列された状態で搬送される。
以上の構成により、個別に分離された物体を整列させた状態で搬送することができるので、該物体を用いる連続処理を容易にさせることができる。
【0040】
トッピング機構140は、搬送機構110にて搬送された食品具材W1を個別に各被トッピング食材W3にトッピングし、焼成前海老煎餅等の食材W4を形成させる。図11に示すように、トッピング機構140は、ニードルを進退可能に保持するニードル保持部材141、該ニードル保持部材に対して進退動可能とされたニードル142、ニードル保持部材141に固定されてニードル142を進退双方向へ駆動するニードル駆動機構143、ニードル保持部材141を前後双方向へ傾動駆動する傾動機構144、該傾動機構を上下双方向へ駆動する昇降機構145、等を備えている。ここで、トッピング機構140は、回転ドラム50の1/8回転毎にオンオフするリミットスイッチ68のオンオフのタイミングに同期して、所定の取出位置L4にあるバケット部材112内の食品具材W1を所定のトッピング位置L5にあるベルトコンベア130上の被トッピング食材W3にトッピングする。
本トッピング機構は、食品具材W1がニードルで突き刺し可能な軟質素材であることを前提として、食品具材W1をニードルで突き刺して搬送し、被トッピング食材W3上にトッピングする。
【0041】
図12に示すように、リミットスイッチ68がオンになる時点では、傾動機構144はニードル保持部材141を所定の後退位置まで後退側へ傾動させ、昇降機構145はニードル保持部材141を所定の中間位置にさせ、ニードル駆動機構143はニードル142を所定の上昇位置にさせるように設定してある(図11の工程S1)。リミットスイッチ68がオンになると、まずタイミングt1にて、ニードル駆動機構にニードル142を下降させ、取出位置L4にある食品具材W1にニードルを突き刺す。続くタイミングt2では、昇降機構にニードル保持部材を所定の上昇位置まで上昇させ、食品具材W1を上方へ取り出す(図11の工程S2)。続くタイミングt3では、傾動機構にニードル保持部材を所定の前進位置まで前進側へ傾動させる。続くタイミングt4では、昇降機構にニードル保持部材を所定の下降位置まで下降させ、食品具材W1を被トッピング食材W3に近接させる(図11の工程S3)。続くタイミングt5では、ニードル駆動機構にニードル142を所定の上昇位置まで上昇させ、食品具材W1を被トッピング食材W3上に載置して、食材W4を形成する。続くタイミングt6では、昇降機構にニードル保持部材を所定の上昇位置まで上昇させる(図11の工程S4)。続くタイミングt7では、傾動機構にニードル保持部材を所定の後退位置まで後退側へ傾動させる。最後に、タイミングt8では、昇降機構にニードル保持部材を所定の中間位置まで下降させる(図11の工程S1)。
以上の繰り返しにより、回転ドラムの間欠動作に合わせて、搬送された物体が個別に各被トッピング物体にトッピングされる。
以上の構成により、個別に分離された物体を整列させた状態で搬送して各被トッピング物体にトッピングすることができるので、物体を個別に各被トッピング物体にトッピングする連続処理を容易にさせることができる。
【0042】
(2)食品具材トッピング装置の作用:
吸気機構70により吸気孔55から回転ドラム50の中空部HO1へ吸気されると、無秩序に堆積された食品具材W1は、回転ドラムの外周面57における所定の吸引位置L2で、吸気孔55に対して個別に吸引される。特に、外周面57が滑らかに形成された回転ドラム50が無秩序に堆積された食品具材W1に接触しながら外周面の位置L1を変化させずに回転するので、食品具材W1が一つずつ円滑に吸気孔の位置で外周面57に吸引される。
また、間欠的に周回動作する回転ドラム50が一旦停止するとき、リミットスイッチ68が一旦オンになった後オフになるので、図5に示すように、振動板32は、一旦所定の下方位置まで下降した後、所定の上昇位置まで上昇する。これにより、ホッパ22内に収容された食品具材W1が振動する。その結果、無秩序に堆積された食品具材が振動により吸気孔に接触しやすくなるので、より確実に食品具材を各吸気孔の位置で回転ドラムの外周面に吸引させて分離することが可能になる。また、無秩序に堆積された食品具材の中で吸気孔55の周回動作が一旦停止するので、この点でも、より確実に食品具材を各吸気孔の位置で回転ドラムの外周面に吸引させて分離することが可能になる。
【0043】
吸気孔55の位置で外周面57に対して個別に吸引された食品具材W1は、周回動作する周回部材の外周面57に沿って所定の開放位置L3まで個別に移送され、具材解放機構90により個別に解放されて、バケット部材112内へ落下する。ここで、回転軸方向D1において隣り合う吸気孔55どうしの間で架橋するように食品具材が存在していても、該食品具材はガイド部材82,84により隣り合う吸気孔のいずれかのみに吸引される位置へ修正されるので、正確にバケット部材112の中へ落下し、バケット部材112に収容される。バケット部材112に収容された食品具材W1は、搬送機構110にて個別に所定の搬送方向D4へ整列された状態で搬送され、トッピング機構140により個別に各被トッピング食材W3にトッピングされて、食材W4が形成される。
以上の構成により、物体W1がばらつきの大きい不定形の物体であっても、無秩序に堆積された物体W1から一つずつ確実に分離して被トッピング物体にトッピングすることが可能になる。この意味で、本物体分離装置は、重量、形状の異なるランダムな不定形物を一列ずつ整列させて所定の位置へ搬送する装置とも言える。また、周回部材50が周回動作するので、該周回部材50にて常時物体W1を個別に移送することができ、物体W1を個別に移送して被トッピング物体にトッピングする処理を効率よく行うことが可能になる。
【0044】
(3)変形例:
本発明を適用可能な物体は、不定形の乾燥エビ以外にも、不定形かつ柔軟質の生エビ、ナッツ、干しぶどう、等でもよい。同物体は、成形された軟質肉団子や小型の軟質ゼリー等のように大きさや形状や重量の揃った一定形状の食品具材でもよいし、ゴム製の小型軟質動物人形等のように食品以外の物品でもよい。
物体分離装置の基本部分20,40,90のみでも、ばらつきが大きい物体を無秩序に堆積した状態から一つずつ確実に分離することが可能になるとともに該処理を効率よく行うことが可能になる効果が得られる。むろん、トッピング装置の基本部分20,40,90,110,140のみでも、ばらつきが大きい物体を無秩序に堆積した状態から一つずつ確実に分離してトッピングすることが可能になるとともに該処理を効率よく行うことが可能になる効果が得られる。
周回部材の外周面を滑らかに形成するとより確実に物体を一つずつ吸引して分離することでできる点で好適であるが、周回部材の外周面を若干凸凹に形成しても本発明の効果は得られる。
周回部材を間欠的に周回動作させるとより確実に物体を一つずつ分離して解放することでできる点で好適であるが、周回部材を一定速度で周回動作させても本発明の効果は得られる。
周回部材には、本体部と吸気孔形成部材とを分けず外周部56に直接吸気孔55を形成した部材を用いてもよい。
外周面の周回方向D2に複数の吸気孔を形成する場合、各吸気孔が等間隔に形成されていなくても本発明の効果は得られる。むろん、回転軸方向D1に複数の吸気孔を形成する場合も、各吸気孔が等間隔に形成されていなくても本発明の効果は得られる。
上記周回駆動機構は、タイマ機能を有するシーケンスコントローラやサーボモータや位置検出センサ等で構成してもよい。
上記搬送機構110は、ベルトコンベア上に物体を載置して所定の搬送方向へ搬送する機構等でもよい。
なお、上述した変形例は、以下の変形例にも適用可能である。
【0045】
図19〜図22に示すように、所定の解放位置L11で吸気孔855からエアを噴出するかまたは吸気孔855からの吸気をカット(遮断)して該吸気孔855の位置で回転ドラム(周回部材)850の外周面857に吸引されていた食品具材(物体)W1を解放する具材解放機構(物体解放機構)890を設けて食品具材トッピング装置(物体分離装置)810を構成してもよい。なお、図19は食品具材トッピング装置810の左側面図、図20は具材保持部(物体保持部)820の斜視図、図21は図19と同じ位置から食品具材トッピング装置810の要部を垂直断面にて示す図、図22は吸引移送機構840およびその周辺を正面から見て示す図である。
【0046】
本装置810の基本部分は、具材保持部820、吸引移送機構840、具材解放機構890、からなる。本発明のトッピング装置の基本部分は、上記物体分離装置820,840,890、トッピング搬送機構910、からなる。
具材保持部820は、分離対象の食品具材W1を無秩序に置かれた状態で保持する。吸引移送機構840は、食品具材W1を個別に吸引するための吸気孔855が形成された周回動作可能な外周面857の一部に前記具材保持部820に保持された食品具材W1を接触させた回転ドラム850と、吸気孔855から回転ドラム850の内部へ吸気することにより吸気孔855の位置で回転ドラムの外周面857に食品具材W1を個別に吸引させる吸気機構とを有し、食品具材W1を吸引した状態で回転ドラムの外周面857を周回動作させる。具材解放機構890は、周回動作する回転ドラムの外周面857から所定の解放位置L11で前記吸引された食品具材W1を解放する。トッピング搬送機構910は、回転ドラム850の下側で該回転ドラムの外周面857の周回動作に同期して順次被トッピング食材(被トッピング物体)W2,W3を所定の搬送方向D11へ搬送するとともに回転ドラムの外周面857に吸引されている食品具材W1が解放位置L11に移送されたときに該食品具材W1を個別に前記搬送している被トッピング食材W3の上へ載置させる。
【0047】
具材保持部(物体保持部)820は、金属板で形成された金属製物体収容ホッパ822と、金属板で形成された金属製誘導レール824と、この誘導レールを振動させるレール振動機構826とを備えている。
ホッパ822は、誘導レール824において食品具材W1が移送される方向の上流側の上方に設置され、下部に開口822aが形成されるとともに、食品具材W1を無秩序に堆積された状態で収容する構造とされている。収容された食品具材W1は、下部開口822aから誘導レール824へ上下方向に重ならない程度で少しずつ流出する。
誘導レール824の上流側では、上下方向において誘導レール824とホッパ822との間には食品具材W1が上下方向へ重ならない程度で通過可能な隙間が形成され、この隙間がホッパ822に収容された食品具材W1を導入する導入口824aとされている。一方、誘導レール824の下流側端部824bは、回転ドラムの外周面857において回転軸AX1を中心として下から上へ向かう部分(本変形例ではさらに回転軸AX1よりも上の部分)に近接した位置とされている。同下流側端部824bと回転ドラムの外周面857との間は、この間を食品具材W1が通り抜けて落下しない程度の隙間とされている。誘導レール824は、導入口824aから回転ドラムの外周面857まで下がりながら該外周面857まで食品具材W1を無秩序に置いた状態で誘導可能とされている。
【0048】
レール振動機構826は、誘導レール824上で食品具材W1が移動する方向とは垂直な水平方向へ誘導レール824を所定の振動周期で常時振動させている。むろん、レール振動機構は、間欠的に誘導レールを振動させてもよい。また、誘導レールを振動する方向は、誘導レール上で食品具材が移動する方向でも、鉛直方向でも、その他の方向でも、複数の方向の組合せでもよい。誘導レール824は導入口824aから下流側へ下がっているので、レール振動機構826により誘導レール824を振動させると、該誘導レールにて食品具材W1が導入口824aから回転ドラムの外周面857まで誘導される。そして、吸気機構870により吸気孔855から回転ドラム850の内部の中空部HO11へ吸気されると、無秩序に置かれた食品具材W1は該吸気孔855に対して個別に吸引される。従って、大きさや形状や重量のばらつきが大きい物体を無秩序に置かれた状態から一つずつ確実に分離することが可能になる。
また、誘導レール824の底面部824cは食品具材W1が誘導される傾斜面とされており、この傾斜面の一部が所定のメッシュの網824dとされている。エビのように物体が長尺な物である場合、物体の最も長い方向の長さをX1、該最も長い方向とは垂直な方向において最も長い方向の長さをX2、長さX1,X2となる両方向と垂直になる方向において最も長い部分の長さをX3とすると、網の直径をX2未満とすると、物体は網から落下せず、網の上に保持される。大きさ、形状のばらつきのある物体では、ばらつきの許容範囲内で最も小さい物体の長さX2を基準として吸気孔の大きさを決定すればよい。例えば、長さX1が10〜40mm、長さX2が5〜15mm、長さX3が2〜10mmの乾燥エビでは、長さX2の下限5mmを基準として、網の目の直径を2〜4mm程度に設定すればよい。
網824dは、誘導レール824が振動することにより、底面部824c上を誘導される食品具材W1を載せて篩い分ける機能を有している。従って、誘導レール824は、網824dの上に残された食品具材W1を回転ドラムの外周面857まで誘導する構造とされている。これにより、食品具材の屑や欠けたもの等小さすぎる食品具材が網の目を通過して除去されるので、吸気孔の位置で確実に食品具材を回転ドラムの外周面に吸引して移送することができるとともに、一つずつ分離される食品具材の大きさのばらつきを少なくさせることができる。
【0049】
具材解放機構(物体解放機構)890は、解放位置L11で吸気孔855からエアを回転ドラム850の内部から外部へ噴出するかまたは前記吸気孔からの吸気をカットして該吸気孔855の位置で回転ドラムの外周面857に吸引されていた食品具材W1を解放する機構とされている。これにより、食品具材が確実に回転ドラムの外周面から解放されるとともに、正確に食品具材が所定の解放位置で回転ドラムの外周面から解放される。本変形例の具材解放機構890は、回転軸AX1よりも下側に設けられ、吸気孔855からエアを下方へ噴出して回転ドラムの外周面857に吸引されていた食品具材W1を下方に向けて解放する。むろん、具材解放機構は、吸気孔からの吸気をカットして外周面857に吸引されていた食品具材W1を下方に向けて解放する機構とされてもよい。
【0050】
回転ドラム(周回部材)850は、回転軸AX1を中心として下から上へ向かう部分(図5の57aに相当)と上から下へ向かう部分(図5の57bに相当)とが存在するように周回動作可能な外周面857が形成され、該回転軸AX1を中心として所定の回転方向D2(図21の右回り方向)へ回転されるとともに、周回動作する外周面のうち具材解放機構890から上へ向かう部分が具材保持部820に保持された食品具材W1に接触する部分とされている。具材解放機構から上へ向かう部分が食品具材W1に接触するので、確実に食品具材を一つずつ分離することができ、該分離処理を連続して円滑に行うことができる。本変形例でも、回転軸AX1を水平方向へ向けた回転軸として、さらに確実に食品具材を一つずつ分離することができ、該分離処理をさらに円滑に連続して行うことが可能になっている。
【0051】
図21に示すように、回転ドラム850は、内部が二分割された空洞(中空部HO11,HO12)とされた円筒形状に形成され、滑らかな外周面857に多数の吸気孔855が形成され、所定の回転軸AX1を中心として外周面857の位置L1を変化させずに回転するように構成されている。回転ドラム850は、径方向D5に貫通した吸気孔855が形成された吸気孔形成部材854を複数備えるとともに、該吸気孔形成部材を外周部856に対して外周面857を合わせて着脱可能に取り付けさせる本体部852と、該本体部の内部に挿入されて内部の空洞を分割する空洞分割部材858とを備えている。各吸気孔形成部材854には雄ねじが形成されている一方、該雄ねじと螺合する雌ねじが本体部852に形成されており、各吸気孔形成部材854は本体部852に対してねじ止めされる構成にされている。回転ドラム850は、ベアリング部材841a,842a等を介して周回部材支持部材841,842に対して回転動作可能に支持され、回転軸AX1を中心として回転する。
【0052】
左側周回部材支持部材842には、長手方向を回転軸方向D1に向けた空洞分割部材858が取り付けられて固定され、この空洞分割部材858の外周面にベアリング部材842aを介して本体部852が回転動作可能に取り付けられている。空洞分割部材858は、内部に中空部HO13を有し長手方向を回転軸方向D1に向けた円筒形状の筒部858aと、該筒部から下方であって回転方向D2とは反対の方向D3へややずれた方向へ延出した第一の仕切板部858bと、該筒部から前進方向であって回転方向D2とは反対の方向D3へややずれた方向へ延出した第二の仕切板部858cとを備えている。外部から空気を吸引する中空部HO11は回転方向D2において第二の仕切板部858cから第一の仕切板部858bまでの間とされ、外部へエアを吐出する中空部HO12は回転方向D2において第一の仕切板部858bから第二の仕切板部858cまでの間とされている。これにより、解放位置L11は、回転ドラムの外周面857において、ほぼ、最も下となる位置(いわゆる下死点の位置)とされる。
筒部858aには、中空部HO11に繋がる連通口858d,eが上部と後部に形成されている。
一方、本体部852には、中空部HO12と外部とを繋ぐ連通口852aが形成されている。
【0053】
本変形例の周回駆動機構860は、平歯車861やモータ862や図示しないリミットスイッチ等を備え、回転ドラムの外周面857を一定速度で連続して周回動作させる。むろん、周回駆動機構は、周回方向へずれて形成された各吸気孔の位置に合わせて回転ドラムの外周面を間欠的に周回動作させてもよい。平歯車861は、回転ドラムの軸部材850aに取り付けられて固定され、該軸部材とともに回転軸AX1を中心として回転し、1/8回転毎にリミットスイッチをオンオフするようにされている。モータ862は、周回部材支持部材841に取り付けられて固定され、平歯車861とともに回転ドラム850を所定の回転方向へ一定速度で回転駆動する。なお、モータ862は、回転ドラムの回転速度を変更可能であり、図示しない回転速度調節つまみを操作することにより回転ドラムの回転速度を調節することができる。リミットスイッチは、平歯車861の1/8回転毎、すなわち、回転ドラム850の1/8回転毎にオンオフし、例えば、回転方向D2へずれた各吸引孔855が解放位置L11に到達する毎に一時的にオンとなってオフになるようにされている。
なお、トッピング搬送機構810には図示しない搬送機構側平歯車が設けられ、この搬送機構側平歯車と上記平歯車861とにギヤ付きベルトが架け渡され、同搬送機構側平歯車および同平歯車861と噛合している。そして、トッピング搬送機構810は、回転ドラムの外周面857の周回動作に同期して、ベルトコンベア130にて順次被トッピング食材W2,W3を所定の搬送方向D11へ搬送する。より具体的に説明すると、トッピング搬送機構810は、周回方向へずれて形成された各吸気孔855が所定の解放位置L11に到達する毎に、搬送方向D11へずれてベルトコンベア130上を搬送される各被トッピング食材W3を同解放位置L11に到達させる。
【0054】
本変形例の吸気機構870も、上記各部72,74,76と同様の各部872,874,876を備え、回転ドラムの中空部HO11から周回部材取付部材872、吸気管874を介して吸引した空気を真空ポンプ876まで導くことにより、吸気孔855から回転ドラムの中空部HO11内へ吸気して該吸気孔の位置で回転ドラムの外周面857に食品具材W1を別々に吸引させる。周回部材取付部材872は、周回部材支持部材842に取り付けられて固定され、中空部HO11から中空部HO13を介して空気を吸引する吸気路を形成している。真空ポンプ876を駆動すると、回転ドラムの内部の中空部HO11内の空気は、中空部HO13および吸気路872,874を介して真空ポンプ876に吸引され、大気圧よりも低い空気圧となる。すると、上述した作用により、吸気孔855の位置で回転ドラムの外周面857に食品具材W1が個別に吸引され、回転方向D2へ移送される。
【0055】
本変形例でも、第一のガイド部材82は、後退側ガイド部材支持部材83から下方に向かって延出するように支持され、下端がほぼ回転ドラムの外周面857に接触する位置とされて、各吸気孔855の左側に配置されている。第二のガイド部材84も、前進側ガイド部材支持部材85から下方に向かって延出するように支持され、下端がほぼ回転ドラムの外周面857に接触する位置とされて、各吸気孔855の右側に配置されている。
【0056】
具材解放機構890は、各部892,894,896を備え、解放位置L1で吸気孔855からエアを噴出して該吸気孔の位置で回転ドラムの外周面857に吸引されていた食品具材W1を解放する。周回部材取付部材892は、周回部材支持部材842に取り付けられて固定されるとともに、回転ドラムの連通口852aに接続され、中空部HO12へ圧空を供給する圧空供給路を形成している。圧空供給管894は、変形可能な耐圧管とされ、一端が周回部材取付部材892に接続され、他端が圧空ポンプ896の圧空供給口に接続されて、周回部材取付部材72へ圧空を供給する圧空供給路を形成している。
圧空ポンプ896を駆動すると、圧空供給路894,892を介して中空部HO12内へ圧空がきょうきゅうされ、該中空部HO12は大気圧よりも高い空気圧(圧圧)となる。すると、回転ドラム850の内部の中空部HO12から外部へエアが噴出し、吸気孔855の位置で回転ドラム850から食品具材W1へ離反させる力が作用する。これにより、吸気孔855が解放位置L11になると、回転ドラムの外周面857に吸引されていた食品具材W1が下方に向けて解放される。
なお、食品具材が解放された吸引孔855は、第二の仕切板部858cの位置を過ぎて具材保持部820の食品具材W1に接触すると、再び食品具材W1を個別に吸引して解放位置L11まで移送させる。
【0057】
回転ドラムの外周面857の周回動作に同期して順次被トッピング食材W2,W3を所定の搬送方向D11へ搬送するトッピング搬送機構910は、回転ドラム850の下側に配置されるが、本実施形態では回転ドラムの外周面857に吸引されている食品具材W1が解放位置L11に移送されたときに食品具材W1を個別に前記搬送している被トッピング食材W3の上へ接触させる位置に設置している。例えば、被トッピング食材成形機構122は、下方からベルトコンベア130の幅方向に等間隔で並設した3つの筒状の吐出口から一定時間あたり一定量の生地を吐出し、各ワイヤカッタがリミットスイッチのオンオフのタイミングと同期して作動して、一定重量の団子状の生地(被トッピング部材W2)をベルトコンベア130上へ落下させる。該被トッピング部材W2は、ベルトコンベア130上を前進方向へ移動し、リミットスイッチのオンオフのタイミングと同期して位置決め部材124で位置決めされる。該被トッピング部材W2は、ベルトコンベア130上を前進方向へ移動し、リミットスイッチのオンオフのタイミングと同期して回転する押圧部材126で上から押圧されて偏平化される。該被トッピング食材は、アオサトッピング機構128でアオサをトッピングされ、被トッピング食材W3にされる。
【0058】
ここで、被トッピング食材を押圧しているときの押圧部材126の下端を解放位置L11に到達した食品具材W1の下端よりも上側にさせるようにベルトコンベア130の上面の位置を設定している。従って、回転ドラムの外周面857に吸引されて移送される食品具材W1は、解放位置L11に到達すると、ベルトコンベア130上を移動する軟質の被トッピング食材W3の上から下方へ若干めり込ませるように該被トッピング食材W3の上に載置される。そして、具材解放機構890は、トッピング搬送機構910にて搬送される各被トッピング食材W3の上に接触した食品具材W1に対して、吸気孔855からエアを下方へ噴出して該食品具材W1を解放する。
なお、本トッピング搬送機構910は、被トッピング物体を一定速度で搬送するが、回転ドラム850の回転速度に同期させるため、ベルトコンベア130の移動速度を変更可能であり、図示しない移動速度調節つまみを操作することによりベルトコンベアの上面の移動速度を調節することができる。
【0059】
解放位置L11で吸気孔855からエアを噴出して該吸気孔855の位置で周回部材の外周面857に吸引されていた物体が解放されると、物体が周回部材の外周面から確実に解放されるとともに、正確に物体が周回部材の外周面から所定の解放位置で解放される。また、解放位置L11で吸気孔855からエアが下方へ噴出されるので、物体を一つずつ分離して確実に被トッピング物体上にトッピングすることができる。さらに、ニードルを用いて物体を被トッピング物体にトッピングする必要が無いので、ニードルが異物として食材等のトッピング物体に混入する可能性を無くすことが可能になる。
なお、被トッピング物体の上に物体をトッピングする際には、被トッピング物体に物体を接触させると確実にトッピングされる点で好適であるものの、被トッピング物体に物体を接触させないようにトッピング搬送機構を設置してもよい。この場合でも、具材解放機構が吸引孔からエアを噴出することにより物体を解放すれば被トッピング物体の上に載置することができ、被トッピング物体に物体をトッピングすることができる。
また、吸気孔からの吸気をカットして外周面857に吸引されていた食品具材W1を解放するようにするためには、例えば、上記圧空供給管894の途中にバルブ(絞り弁)を設け、このバルブを完全に閉じて上記圧空ポンプ896からの圧空を圧空供給管894で遮断して、圧空が中空部HO12に供給されないようにすればよい。また、上記圧空ポンプ896を取り外し、上記圧空供給管894を外気導入管として用いることにして、当該外気導入管および上記周回部材取付部材892を介して中空部HO12に外気を導入して該中空部HO12を大気圧にすればよい。さらに、上記圧空ポンプ896および上記圧空供給管894を取り外し、周回部材取付部材892を外気導入部材として用いることにして、中空部HO12を大気圧にすればよい。いずれの場合でも、解放位置L11で吸気孔からの吸気がカットされるので、解放位置L11で食品具材W1が解放されて落下する。
【0060】
ところで、図13に示すように、円柱形状に形成した周回部材250を用いてもよい。本周回部材250は、概略、中実構造に形成され、吸気孔255に繋がる吸気路254が内部に形成されている。該吸気路254は、吸気機構に接続されている。
吸気機構が空気を吸引すると、吸気孔255から周回部材250の内部へ吸気され、吸気孔255の位置で周回部材250の滑らかな外周面257に物体W1が個別に吸引される。従って、上述した本発明の効果が得られる。
【0061】
図14に示すように、外周部356をゴム等の弾性変形可能な部材で形成した周回部材350を用いてもよい。本周回部材350では、滑らかな外周面357を一周させる際に外周面357の位置は変化しないが、外周部356が弾性変形しながら循環動作(周回動作の一種)する。外周部356の内部には中空部HO2が形成され、該中空部が吸気機構に接続されている。なお、中空部HO2の負圧で外周部356が凹みすぎないように、補強構造を入れておくとよい。この場合も、上述した本発明の効果が得られる。
【0062】
図15に示すように、外周が断面多角形となるように形成した角筒形状の周回部材450を用いてもよい。本周回部材450では、各面で滑らかな外周面457を一周させる際に外周面457の位置が変化するが元の位置に戻るように外周面457が周回動作する。この場合、ガイド部材482,484については、外周面457に接触しない程度まで上げて配置すればよい。外周部356の内部には中空部HO3が形成され、該中空部が吸気機構に接続されている。この場合も、上述した本発明の効果が得られる。むろん、角筒形状以外の筒形状に形成した周回部材を用いることも可能である。
【0063】
図16に示すように、外周面が比較的径方向外側とされた滑らかな径方向外側部550aと比較的径方向内側とされた滑らかな径方向内側部550bとで形成された周回部材550を用いてもよい。本周回部材550では、径方向外側部550aに吸気孔55が形成され、径方向内側部550bにガイド部材82,84の下端が入り込む構造とされている。すると、吸気孔55に吸引された物体がガイド部材82,84と周回部材の外周面との間に潜り込みにくくなるので、外周面に吸引された物体がガイド部材によって脱落することが防がれ、より確実に物体を分離して一つずつ移送することができる。
【0064】
図17に示すように、物体供給堆積機構610と、ホッパ22内の所定の高さの位置に該ホッパに取り付けられた物体高さ検出センサ620と、物体供給堆積機構610とセンサ620とを接続した物体供給調節機構630と、をさらに設けてもよい。
物体供給堆積機構610は、食品具材W1を貯留する例えば金属製の貯留タンク612、多数の停止板615を有して循環動作するコンベア614、該コンベアを所定の循環方向へ回転駆動するモータ(駆動機構)616、を備え、具材収容部20に対して無秩序に堆積されるように複数の食品具材W1を供給する。センサ620は、例えば、光電スイッチとされ、透過形光電スイッチを用いた場合、光の透過が遮られると光の遮断(物体の存在)を意味する電圧信号を生成し、光が透過すると光の透過(物体の不存在)を意味する電圧信号を生成する。従って、センサ620は、具材収容部20に収容された食品具材W1が所定の高さまで収容されているか否かを判別し、判別結果に応じた電圧信号を生成する。物体供給調節機構630は、シーケンスコントローラで構成され、センサ620の電圧信号を入力し、該電圧信号に基づいて物体供給堆積機構のモータ616に対して所定のシーケンス制御を行う。同機構630は、食品具材W1が所定の高さまで収容されていないと判別されたとき、物体供給堆積機構のモータ616を動作させてコンベア614を回転駆動し、具材収容部20へ複数の食品具材W1を供給させる。また、同機構630は、食品具材W1が所定の高さまで収容されていると判別されたとき、物体供給堆積機構のモータ616の動作を停止させる。
以上の構成により、自動的に適切な量の物体が物体収容部に供給されるので、連続して物体を一つずつ分離する処理をより円滑に行うことが可能になる。むろん、図19〜図22で示した物体分離装置810の物体収容ホッパ822に物体供給堆積機構と物体高さ検出センサと物体供給調節機構をさらに設けることも可能である。
【0065】
また、物体供給調節機構630は、センサ620の電圧信号に基づいて周回駆動機構のモータ65に対しても所定のシーケンス制御を行ってもよい。この場合、物体供給調節機構630は、食品具材W1が所定の高さまで収容されていないと判別されたとき、吸引移送機構のモータ65に回転ドラム50の周回動作を停止させるとともに、物体供給堆積機構のモータ616を動作させる。そして、食品具材W1が所定の高さまで収容されていないと判別されたとき、吸引移送機構のモータ65の動作を停止させて回転ドラム50の周回動作を停止させるとともに、物体供給堆積機構のモータ616を動作させる。また、同機構630は、食品具材W1が所定の高さまで収容されていると判別されたとき、吸引移送機構のモータ65を動作させるとともに、物体供給堆積機構のモータ616の動作を停止させる。
以上の構成により、物体収容部に収容された物体が少ない場合に一旦周回部材の周回動作が停止して確実に物体が物体収容部に供給されるので、より確実に物体を各吸気孔の位置で外周面に吸引して分離することが可能になり、連続して物体を一つずつ分離する処理をより円滑に行うことが可能になる。
【0066】
図18に示すように、ホッパ22内の所定の位置に該ホッパに取り付けられた物体吸引検出センサ710と、該センサ710と周回駆動機構のモータ65とを接続した周回駆動調節機構769と、をさらに設けてもよい。
物体吸引検出センサ710は、例えば、光電スイッチとされ、透過形光電スイッチを用いた場合、光の透過が遮られると光の遮断(物体の存在)を意味する電圧信号を生成し、光が透過すると光の透過(物体の不存在)を意味する電圧信号を生成する。センサ710は、外周面57における回転軸AX1よりも上の部分で下から上へ向かう部分57a1の近傍に配置され、吸気孔55に食品具材W1が吸引されているか否かを検出可能とされている。従って、センサ710は、具材収容部20に収容された食品具材W1に接触した外周面57に吸気孔55の位置で食品具材W1が吸引されたか否かを判別し、判別結果に応じた電圧信号を生成する。周回駆動調節機構769は、シーケンスコントローラで構成され、センサ710の電圧信号を入力し、該電圧信号に基づいて周回駆動機構のモータ65に対して所定のシーケンス制御を行う。同機構769は、吸気孔55の位置で外周面57に食品具材W1が吸引されていないと判別されたとき、吸引移送機構のモータ65の駆動方向を逆転させ、該吸気孔55の位置が具材収容部20に収容された食品具材W1に接触する位置になるまで回転ドラムの外周面57を周回方向D2とは反対方向D3へ移動させた後、吸引移送機構のモータ65の駆動方向を元に戻す。
以上の構成により、食品具材W1が吸気孔55に吸引されなかった場合でも確実に吸気孔55に吸引されるように制御されるので、より確実に物体を各吸気孔の位置で外周面に吸引して分離することが可能になり、連続して物体を一つずつ分離する処理をより円滑に行うことが可能になる。むろん、図19〜図22で示した物体分離装置810の物体保持部820も、同様の構成を採用することができる。
なお、周回駆動調節機構769は、中空部HO1の空気圧の変化を検出してモータ65を制御してもよい。
【0067】
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、有用な物体分離装置、トッピング装置、食品具材トッピング装置、物体分離方法、トッピング方法および食品具材トッピング方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】食品具材トッピング装置を右側から見て示す右側面図。
【図2】食品具材トッピング装置を左側から見て示す左側面図。
【図3】右側周回部材支持部材等を透視して食品具材トッピング装置の要部を右側から見て示す右側面図。
【図4】図3と同じ位置から食品具材トッピング装置の要部の垂直断面を示す垂直断面図。
【図5】図4と同じ位置から回転ドラムの各位置を説明する垂直断面図。
【図6】吸引移送機構およびガイド部材並びにそれらの周辺を前から見て示す正面図。
【図7】吸引移送機構およびガイド部材並びにそれらの周辺を上から見て示す平面図。
【図8】吸引移送機構および具材解放機構並びにそれらの周辺を後から見て示す背面図。
【図9】複数種類の吸気孔形成部材を示す斜視図。
【図10】回転ドラムの外周面上における食品具材の動きを説明する図。
【図11】トッピング機構の動作を説明する図。
【図12】トッピング機構の動作を示すタイミングチャート。
【図13】変形例において周回部材の垂直断面を示す垂直断面図。
【図14】変形例において吸引移送機構の垂直断面を示す垂直断面図。
【図15】変形例において吸引移送機構の垂直断面を示す垂直断面図。
【図16】変形例において吸引移送機構を前から見て示す正面図。
【図17】変形例において物体分離装置の要部の垂直断面を示す垂直断面図。
【図18】変形例において物体分離装置の要部の垂直断面を示す垂直断面図。
【図19】変形例において食品具材トッピング装置を左側から見て示す左側面図。
【図20】図19に示す具材保持部の外観を示す斜視図。
【図21】図19と同じ位置から食品具材トッピング装置の要部の垂直断面を示す垂直断面図。
【図22】吸引移送機構およびその周辺を前から見て示す正面図。
【符号の説明】
【0069】
10,810…食品具材トッピング装置(物体分離装置)、
20…具材収容部(物体収容部、物体保持部)、
22…ホッパ、23…底板、23a…開口、
30…振動機構、
32…振動板、34…振動板支持部材、36…エアシリンダ(振動板駆動機構)、
40,840…吸引移送機構、41,42…周回部材支持部材、
41a,42a…ベアリング部材、
50,850…回転ドラム(周回部材)、50a,b…軸部材、
52,852…本体部、54,854…吸気孔形成部材、
55,255,355,455,855…吸気孔、
56,356,456,856…外周部、56a…貫通穴、56b…シール材、
57,257,357,457,857…外周面、
57a…下から上へ向かう部分、
57a1…回転軸よりも上の部分で下から上へ向かう部分、
57b…上から下へ向かう部分、
60,860…周回駆動機構、
61,62,66,861…平歯車、63…従動車、63a…魚尾片、63b…溝、
64…駆動車、64b…ピン、65,862…モータ、67…ギヤ付きベルト、
68…リミットスイッチ、
70…吸気機構、72,872…周回部材取付部材、
74,874…吸気管、76,876…真空ポンプ、
82…第一のガイド部材、84…第二のガイド部材、
83,85…ガイド部材支持部材、
90,890…具材解放機構(物体解放機構)、
92…へら部材、92a…先端部、92b…落下通路、
110…搬送機構、
112…バケット部材、114…チェーンコンベア、116…平歯車、
120…被トッピング食材形成機構、
122…被トッピング食材成形機構、124…位置決め部材、126…押圧部材、
128…アオサトッピング機構、
130…ベルトコンベア(被トッピング物体搬送機構)、
140…トッピング機構、
250,350,450,550…周回部材、
550a…径方向外側部、550b…径方向内側部、
610…物体供給堆積機構、620…物体高さ検出センサ、
630…物体供給調節機構、
710…物体吸引検出センサ、769…周回駆動調節機構、
820…具材保持部(物体保持部)、
822…物体収容ホッパ、822a…下部開口、
824…誘導レール、824a…導入口、824d…網、
826…レール振動機構、
858…空洞分割部材、858a…筒部、
894…圧空供給管、896…圧空ポンプ、
910…トッピング搬送機構、
AX1…回転軸、
D1…回転軸方向、D2…外周面の周回方向、D3…反対方向、
D4,D11…所定の搬送方向、D5…径方向、D6…幅方向、
HO1,HO2,HO3,HO11…中空部、
L1…外周面の位置、L2…所定の吸引位置、L3,L11…所定の解放位置、
L4…所定の取出位置、L5…所定のトッピング位置、
W1…食品具材(分離対象の物体)、
W2,W3…被トッピング食材(被トッピング物体)、W4…食材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分離対象の物体を無秩序に置かれた状態で保持する物体保持部と、
前記物体を個別に吸引するための吸気孔が形成された周回動作可能な外周面の一部に前記物体保持部に保持された物体を接触させた周回部材と、前記吸気孔から前記周回部材の内部へ吸気することにより該吸気孔の位置で前記周回部材の外周面に前記物体を個別に吸引させる吸気機構とを有し、該物体を吸引した状態で前記周回部材の外周面を周回動作させる吸引移送機構と、
前記周回動作する周回部材の外周面から所定の解放位置で前記吸引された物体を解放する物体解放機構とを備えることを特徴とする物体分離装置。
【請求項2】
前記物体解放機構は、前記解放位置で前記吸気孔からエアを噴出するかまたは前記吸気孔からの吸気を遮断して該吸気孔の位置で前記周回部材の外周面に吸引されていた物体を解放する機構とされていることを特徴とする請求項1に記載の物体分離装置。
【請求項3】
前記周回部材は、所定の回転軸を中心として下から上へ向かう部分と上から下へ向かう部分とが存在するように周回動作可能な外周面が形成されるとともに、該回転軸を中心として所定の回転方向へ回転され、
前記物体解放機構は、前記回転軸よりも下側に設けられて前記吸気孔からエアを下方へ噴出するかまたは前記吸気孔からの吸気を遮断して前記周回部材の外周面に吸引されていた物体を下方に向けて解放し、
前記周回部材は、周回動作する外周面のうち前記物体解放機構から上へ向かう部分が前記物体保持部に保持された物体に接触する部分とされていることを特徴とする請求項2に記載の物体分離装置。
【請求項4】
前記周回部材の下側で該周回部材の外周面の周回動作に同期して順次被トッピング物体を所定の搬送方向へ搬送するとともに前記周回部材の外周面に吸引されている物体が前記解放位置に移送されたときに該物体を個別に前記搬送している被トッピング物体の上へ接触させるトッピング搬送機構をさらに備え、
前記物体解放機構は、前記トッピング搬送機構にて搬送される各被トッピング物体の上に接触した物体に対して前記吸気孔からエアを下方へ噴出するかまたは前記吸気孔からの吸気を遮断して該物体を解放することを特徴とする請求項3に記載の物体分離装置。
【請求項5】
前記物体保持部は、
前記物体を無秩序に堆積された状態で収容する物体収容ホッパと、
前記物体収容ホッパに収容された物体を導入する導入口から前記周回部材の外周面まで下がりながら該周回部材の外周面まで前記物体を無秩序に置いた状態で誘導可能な誘導レールと、
この誘導レールを振動させて該誘導レールにて前記物体を前記導入口から前記周回部材の外周面まで誘導させるレール振動機構とを有し、
前記誘導レールは、誘導される前記物体を載せて篩い分ける網を有し、該網の上に残された物体を前記周回部材の外周面まで誘導する構造とされていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の物体分離装置。
【請求項6】
前記物体保持部は、前記物体を無秩序に堆積された状態で収容し、
前記周回部材は、所定の回転軸を中心として下から上へ向かう部分と上から下へ向かう部分とが存在するように周回動作可能な外周面が形成され、該回転軸を中心として所定の回転方向へ回転されるとともに、周回動作する外周面のうち下から上へ向かう部分が前記物体保持部に収容された物体に接触する部分とされ、
前記物体解放機構は、前記周回する外周面のうち上から下へ向かう部分に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の物体分離装置。
【請求項7】
前記周回部材は、前記吸気孔が前記外周面の周回方向へずれて複数形成され、
前記吸引移送機構は、前記周回方向へずれて形成された各吸気孔の位置に合わせて前記周回部材の外周面を間欠的に周回動作させることを特徴とする請求項6に記載の物体分離装置。
【請求項8】
前記物体解放機構は、前記周回部材の外周面に対して周回する方向とは反対の方向から先端部を前記解放位置へ向けたへら部材で前記周回部材の外周面に吸引された物体を解放する機構とされていることを特徴とする請求項7に記載の物体分離装置。
【請求項9】
前記周回部材は、前記外周面の位置を変化させずに回転する円筒形状または円柱形状に形成されるとともに、前記吸気孔が前記回転軸の方向へずれて複数形成され、
前記周回動作する外周面のうち前記回転軸よりも上の部分で下から上へ向かう部分であって前記回転軸の方向において隣り合う吸気孔どうしの間に、該隣り合う吸気孔どうしの間に存在する物体を該隣り合う吸気孔のいずれかのみに吸引させる位置へ修正させるガイド部材が設けられていることを特徴とする請求項3、請求項4、または、請求項6に記載の物体分離装置。
【請求項10】
前記周回部材は、前記外周面の位置を変化させずに回転する円筒形状または円柱形状に形成されるとともに、前記吸気孔が前記回転軸の方向へずれて複数形成され、
前記周回動作する外周面のうち前記回転軸よりも上の部分で下から上へ向かう部分であって前記回転軸の方向においてずれて形成された各吸気孔の両側かつ隣り合う吸気孔よりも近い位置に、第一および第二のガイド部材が設けられ、
該第一および第二のガイド部材は、互いに上下異なる位置に設けられていることを特徴とする請求項3、請求項4、または、請求項6に記載の物体分離装置。
【請求項11】
前記周回部材は、前記吸気孔が形成された吸気孔形成部材を外周部に対して外周面を合わせて着脱可能に取り付けさせる本体部を備えるとともに、それぞれ大きさの異なる前記吸気孔が形成された複数種類の吸気孔形成部材の中からいずれかの吸気孔形成部材が選択的に前記本体部に対して取り付けられていることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載の物体分離装置。
【請求項12】
前記物体保持部に対して無秩序に堆積されるように複数の前記物体を供給する物体供給堆積機構と、
前記物体保持部に収容された物体が所定の高さまで収容されているか否かを判別する物体高さ検出センサと、
前記物体が所定の高さまで収容されていないと判別されたとき、前記物体供給堆積機構に前記物体保持部へ前記複数の物体を供給させる物体供給調節機構とをさらに備えることを特徴とする請求項5〜請求項8のいずれかに記載の物体分離装置。
【請求項13】
前記物体保持部に保持された物体に接触した前記外周面に前記吸気孔の位置で前記物体が吸引されたか否かを判別する物体吸引検出センサをさらに備え、
前記吸引移送機構は、該吸気孔の位置で前記外周面に前記物体が吸引されていないと判別されたとき、該吸気孔の位置が前記物体保持部に保持された物体に接触する位置になるまで前記周回部材の外周面を周回方向とは反対方向へ移動させることを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれかに記載の物体分離装置。
【請求項14】
不定形の物体を無秩序に置かれた状態で保持する物体保持部と、
前記物体を個別に吸引するための吸気孔が形成された周回動作可能な外周面の一部に前記物体保持部に保持された物体を接触させた周回部材と、該周回部材の外周面を周回駆動する周回駆動機構と、前記吸気孔から前記周回部材の内部へ吸気することにより該吸気孔の位置で前記周回部材の外周面に前記物体を個別に吸引させる吸気機構とを有し、該物体を吸引した状態で前記周回部材の外周面を周回動作させる吸引移送機構と、
前記周回動作する周回部材の外周面から所定の解放位置で前記吸引された物体を解放する物体解放機構と、
前記周回部材の外周面の周回動作に同期して順次被トッピング物体を所定の搬送方向へ搬送するとともに前記周回部材の外周面に吸引されている物体が前記解放位置に移送されたときに該物体を個別に前記搬送している被トッピング物体の上へ載置させるトッピング搬送機構とを備え、
前記解放位置は、前記トッピング搬送機構にて搬送される各被トッピング物体に前記解放された物体が個別にトッピングされる位置とされていることを特徴とするトッピング装置。
【請求項15】
分離対象の物体を所定の物体保持部にて無秩序に置かれた状態で保持し、
前記物体を個別に吸引するための吸気孔が形成された周回動作可能な外周面を有する周回部材の前記外周面の一部に前記物体保持部に保持された物体を接触させ、前記吸気孔から吸気機構により前記周回部材の内部へ吸気して該吸気孔の位置で前記周回部材の外周面に前記物体を個別に吸引させ、該物体を吸引した状態で周回駆動機構により前記周回部材の外周面を周回動作させて、
前記周回動作する周回部材の外周面から物体解放機構により所定の解放位置で前記吸引された物体を解放することを特徴とする物体分離方法。
【請求項16】
不定形の食品具材を所定の具材保持部に無秩序に置かれた状態で保持し、
前記食品具材を個別に吸引するための吸気孔が形成された周回動作可能な外周面を有する周回部材の前記外周面の一部に前記具材保持部に保持された食品具材を接触させ、前記吸気孔から吸気機構により前記周回部材の内部へ吸気して該吸気孔の位置で前記周回部材の外周面に前記食品具材を個別に吸引させ、該食品具材を吸引した状態で周回駆動機構により前記周回部材の外周面を周回動作させて、
前記周回動作する周回部材の外周面から具材解放機構により所定の解放位置で前記吸引された食品具材を解放させ、
前記周回部材の外周面の周回動作に同期して順次被トッピング物体を所定の搬送方向へ搬送するトッピング搬送機構にて前記周回部材の外周面に吸引されている食品具材が前記解放位置に移送されたときに該食品具材を個別に前記搬送している被トッピング食材の上へ接触させて該被トッピング物体にトッピングすることを特徴とする食品具材トッピング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2007−99482(P2007−99482A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−294038(P2005−294038)
【出願日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(304050369)株式会社浅野研究所 (44)
【Fターム(参考)】