説明

物体移動装置

【課題】無線通信のみによる台車相互間でのリアルタイムの情報交換を行うようにした協働搬送とは異なり、車両等の物体を落としたり、傷つけたりする心配がなく、更に、大きさや接地ポイント数の異なる車両等の物体にも装置の種類を増やすことなく対応し得、車両等の物体を確実に且つより安定して移動させることができ、移動経路や保管スペースの削減をも図り得る物体移動装置を提供する。
【解決手段】車両4の一つの車輪4aをリフトアップし、与えられた目標軌道に沿って移動可能なリーダ台車Aと、
リーダ台車Aにてリフトアップされる車輪4a以外の一つの車輪4aをリフトアップする複数台のフォロワ台車Bとを備え、
各フォロワ台車Bがリーダ台車A及び自分以外をまとめたものを一台の仮想リーダ台車と想定し、その動きを推定しつつ追従することにより、協調して車両4を移動させるよう構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体移動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、任意の位置に停車した車両を駐車施設における所定位置に搬送できるようにした入出車装置の一般的技術水準を示すものとしては、例えば、特許文献1がある。
【0003】
特許文献1に示される装置は、それぞれ車両支持機構及び走行機構を備える左側搬送台車と右側搬送台車とからなり、該左側搬送台車と右側搬送台車とがそれぞれ独立して移動しつつ、協働して車両を支持し、搬送するようになっている。
【0004】
前記左側搬送台車と右側搬送台車は、無線通信によってリアルタイムに情報交換を行うことにより、協働している。
【特許文献1】特開2004−169451号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述の如く、無線通信による台車相互間でのリアルタイムの情報交換に基づいて前記左側搬送台車と右側搬送台車とを協働させるのでは、通信障害で情報が途切れたり遅れたりすることもあり、前記左側搬送台車と右側搬送台車とを協働させるために必要な情報をリアルタイムに安定して得ることが難しかった。又、情報が安定して得られなかった場合、搬送される車両等の物体に必要以上の内力が加わることとなり、最悪の場合、物体を落としたり、傷つけたりする可能性があった。
【0006】
このため、本発明者等は、無線通信のみによる台車相互間でのリアルタイムの情報交換を行うようにした協働搬送とは異なり、車両等の物体を落としたり、傷つけたりする心配がなく、複数の台車を協調制御により作動させることで、車両等の物体を確実に且つより安定して移動させ得る物体移動装置を提案している。
【0007】
前記物体移動装置は、複数の台車を協調制御により作動させるという非常に高度で優れた機能を有するものである反面、移動すべき物体がバス等のホイールベースの長い車両や接地ポイントとしての車輪の数が多い車両であった場合、移動装置自体を大きくしたり、車輪の数に合わせた機構のものを別途用意しなければならず、移動装置の種類が増える一方、移動装置が大型化した場合には、移動経路を広くとり、且つ保管スペースも広く必要になるという欠点を有していた。
【0008】
本発明は、斯かる実情に鑑み、無線通信のみによる台車相互間でのリアルタイムの情報交換を行うようにした協働搬送とは異なり、車両等の物体を落としたり、傷つけたりする心配がなく、更に、大きさや接地ポイント数の異なる車両等の物体にも装置の種類を増やすことなく対応し得、車両等の物体を確実に且つより安定して移動させることができ、移動経路や保管スペースの削減をも図り得る物体移動装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、接地ポイントが複数存在する物体を、該物体の接地ポイントをリフトアップすることによって移動させる物体移動装置であって、
走行駆動装置により全方向に自走可能な台車本体と、該台車本体に連結機構を介して取り付けられ且つ物体の一つの接地ポイントをリフトアップするリフターとを有し、与えられた目標軌道に沿って移動可能なリーダ台車と、
走行駆動装置により全方向に自走可能な台車本体と、該台車本体に連結機構を介して取り付けられ且つ物体の前記リーダ台車にてリフトアップされる接地ポイント以外の一つの接地ポイントをリフトアップするリフターとを有した複数台のフォロワ台車とを備え、
前記各フォロワ台車のうち任意のフォロワ台車が前記リーダ台車及び他のフォロワ台車をまとめたものを一台の仮想リーダ台車と想定し、該仮想リーダ台車の動きを推定しつつ追従することにより、前記リーダ台車と複数台のフォロワ台車とが協調して物体を移動させるよう構成したことを特徴とする物体移動装置にかかるものである。
【0010】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0011】
前述の如く構成すると、リーダ台車のリフターと各フォロワ台車のリフターにより車両等の物体の接地ポイントとしての車輪等をリフトアップした状態で、リーダ台車が与えられた目標軌道に沿って移動していくと、各フォロワ台車は、前記リーダ台車及び自分以外のフォロワ台車をまとめたものを一台の仮想リーダ台車と想定し、該仮想リーダ台車の動きを推定しつつ追従することにより、前記リーダ台車と協調して車両等の物体を移動させることが可能となり、無線通信による台車相互間でのリアルタイムの情報交換に基づく制御方法において、通信障害で情報が途切れたり遅れたりすることで、車両等の物体を落としたり、傷つけたりする心配もない。
【0012】
しかも、移動すべき物体がバス等のホイールベースの長い車両や接地ポイントとしての車輪の数が多い車両であったとしても、移動装置自体を大きくしたり、車輪の数に合わせた機構のものを別途用意しなくて済み、移動装置の種類を増やす必要がなくなると共に、移動装置が大型化しない分、移動経路や保管スペースを広くとる必要もない。
【発明の効果】
【0013】
本発明の物体移動装置によれば、無線通信のみによる台車相互間でのリアルタイムの情報交換を行うようにした協働搬送とは異なり、車両等の物体を落としたり、傷つけたりする心配がなく、更に、大きさや接地ポイント数の異なる車両等の物体にも装置の種類を増やすことなく対応し得、車両等の物体を確実に且つより安定して移動させることができ、移動経路や保管スペースの削減をも図り得るという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0015】
図1〜図15は本発明を実施する形態の一例であって、
走行駆動装置1により全方向に自走可能な台車本体2と、該台車本体2に連結機構3を介して取り付けられ且つ物体としての車両4の一つの車輪4a(接地ポイント)をリフトアップするリフター5とを有し、与えられた目標軌道に沿って移動可能なリーダ台車Aと、
走行駆動装置1により全方向に自走可能な台車本体2と、該台車本体2に連結機構3を介して取り付けられ且つ前記車両4の前記リーダ台車Aにてリフトアップされる車輪4a以外の一つの車輪4a(接地ポイント)をリフトアップするリフター5とを有した複数台(図の例では三台)のフォロワ台車Bとを備え、
前記各フォロワ台車Bが前記リーダ台車A及び自分以外のフォロワ台車Bをまとめたものを一台の仮想リーダ台車A´(図15参照)と想定し、該仮想リーダ台車A´の動きを推定しつつ追従することにより、前記リーダ台車Aと複数台のフォロワ台車Bとが協調して車両4を移動させる物体移動装置を構成したものである。
【0016】
前記台車本体2は、図1〜図5に示す如く、細長い直方体形状に組み立てられた台車フレーム2aの両端部に、図6〜図8に示す如く、走行駆動装置1として走行車輪6を走行モータ7(走行アクチュエータ)の作動により水平な車軸8を中心に回転可能に且つ操舵モータ9(走行アクチュエータ)の作動により鉛直軸10を中心に旋回可能に配設してなる構成を有している。尚、前記走行モータ7には、軌道センサとしての走行エンコーダ11が取り付けられ、前記操舵モータ9には、軌道センサとしての操舵エンコーダ12が一体に組み込まれ、台車本体2の実際の軌道情報を検出できるようにしてある。
【0017】
前記連結機構3は、図1及び図9に示す如く、力センサとしての引張圧縮型のロードセル13の両端にロッド14を取り付けた連結部材15を、その一端がユニバーサルジョイント16により台車本体2側に連結され他端がユニバーサルジョイント16によりリフター5側に連結されるよう、同一水平面内に複数(図1の例では三個)配設してなるパラレルリンク機構17によって構成してある。この場合、前記台車本体2に対しリフター5は、図2に示す如く、水平面内におけるX−Y方向に移動する方向の2自由度と、該X−Y方向に対して直交するZ軸を中心として回転する方向の1自由度とを加えた平面3自由度が拘束され、且つX軸を中心として回転する方向の1自由度と、Y軸を中心として回転する方向の1自由度と、Z軸方向に移動する方向の1自由度とを加えた3自由度がフリーとなるよう、前記パラレルリンク機構17(図1及び図9参照)を介して配置される形となる。
【0018】
前記リフター5は、図1〜図5及び図10に示す如く、前記車両4の接地ポイントとしての各車輪4aを支持するための車輪浮上支持装置18を装備し、該車輪浮上支持装置18は、前記台車本体2に対し連結機構3を介して取り付けられるリフターフレーム5a内に、一対のラック用ガイドレール19を互いに平行に延びるよう固定配置すると共に、該ラック用ガイドレール19と平行に延びるよう駆動ユニット用ガイドレール20を固定配置し、一対のラック部材21を互いにそのラック部の形成面が上下に対向するよう前記ラック用ガイドレール19に沿ってスライド自在に配設し、エンコーダ等のリフトバー開閉センサ22が一体に設けられたモータ等のリフトバー開閉アクチュエータ23を前記駆動ユニット用ガイドレール20に沿ってスライド自在に配設し、該リフトバー開閉アクチュエータ23によって回転駆動される駆動ピニオン24を前記一対のラック部材21の互いに対向するラック部に対してその両方に噛合させ、外周に車輪支持ローラ25が回転自在に嵌装され且つ先端部と基端部に接地支持輪26が取り付けられたリフトバー27を、前記一対のラック部材21における一方のラック部材21の一端並びに他方のラック部材21の他端からそれぞれ該ラック部材21と直角な水平方向へ張り出させ、前記リフトバー開閉アクチュエータ23を駆動ユニット用ガイドレール20上の所望位置に保持するための自動調芯位置保持用固定装置28を配設してなる構成を有し、図12に示す如く、前記リフター5の車輪浮上支持装置18における一対のリフトバー27を前記車両4の各車輪4aの前後に配置して互いに近接させることにより、該車両4をリフトアップするよう構成してある。
【0019】
前記リフトバー27の車輪支持ローラ25表面には、ローレット加工、或いは滑り止め塗料の塗装といった滑り止め加工を施すようにしてある。
【0020】
前記接地支持輪26には、図11に示す如く、操舵を必要としない全方向移動車輪29としてのオムニホイール(登録商標)等のオムニ車輪30を用い、該オムニ車輪30は、ホイール本体30aの外周部にホイール軸30bに対して直角となる接線方向へ延びる複数(図11の例では三本)のローラ軸30cを配設し且つ該ローラ軸30cに樽状のローラ30dを回動自在に取り付けたホイールユニット30eをホイール軸30b方向へ複数列(図11の例では二列)並設してなる構成を有している。尚、一列目の三個のローラ30dと二列目の三個のローラ30dとは、位相を60度ずらして並べてあり、これにより、全体のホイール軸30b方向から見た場合には、六個のローラ30dが配設されているように見え、これら六個のローラ30dの外周を連ねるとほぼ円周が形成されるようになっている。尚、前記接地支持輪26については、一般的なキャスターによっても代用可能である。
【0021】
前記自動調芯位置保持用固定装置28は、図1に示す如く、前記駆動ユニット用ガイドレール20と平行に延びるようリフトバー開閉アクチュエータ23と一体に設けたブレーキ板28aを、リフターフレーム5a内に固定配置したブレーキ用電磁ユニット28bで挟みつけることにより、前記リフトバー開閉アクチュエータ23を駆動ユニット用ガイドレール20上の所望位置に保持できるようにしてある。
【0022】
一方、図13はリーダ台車Aの全体制御系統並びにフォロワ台車Bの全体制御系統を示すブロック図であり、前記リーダ台車Aに搭載されたリーダ制御部31には、前記台車本体2の走行駆動装置1における走行アクチュエータとしての操舵モータ9及び走行モータ7と、前記台車本体2の走行駆動装置1における軌道センサとしての操舵エンコーダ12及び走行エンコーダ11と、前記連結機構3の力センサとしてのロードセル13と、前記リフター5の車輪浮上支持装置18におけるリフトバー開閉アクチュエータ23及び自動調芯位置保持用固定装置28と、前記リフター5の車輪浮上支持装置18におけるリフトバー開閉センサ22と、前記フォロワ台車Bへ制御情報を送信するための無線通信装置39とを接続し、前記連結機構3の力センサとしてのロードセル13による検出信号と、前記台車本体2の走行駆動装置1における軌道センサとしての操舵エンコーダ12及び走行エンコーダ11による検出信号とに基づいて、前記台車本体2の走行駆動装置1における走行アクチュエータとしての操舵モータ9及び走行モータ7に駆動信号を出力すると共に、前記無線通信装置39にてフォロワ台車Bへの制御情報を送信しつつ、前記リフター5の車輪浮上支持装置18におけるリフトバー開閉センサ22による検出信号に基づいて、前記リフター5の車輪浮上支持装置18におけるリフトバー開閉アクチュエータ23及び自動調芯位置保持用固定装置28に駆動信号を出力する一方、
前記フォロワ台車Bに搭載されたフォロワ制御部32には、前記台車本体2の走行駆動装置1における走行アクチュエータとしての操舵モータ9及び走行モータ7と、前記台車本体2の走行駆動装置1における軌道センサとしての操舵エンコーダ12及び走行エンコーダ11と、前記連結機構3の力センサとしてのロードセル13と、前記リフター5の車輪浮上支持装置18におけるリフトバー開閉アクチュエータ23及び自動調芯位置保持用固定装置28と、前記リフター5の車輪浮上支持装置18におけるリフトバー開閉センサ22と、前記リーダ台車Aからの制御情報を受信するための無線通信装置40とを接続し、前記連結機構3の力センサとしてのロードセル13による検出信号と、前記台車本体2の走行駆動装置1における軌道センサとしての操舵エンコーダ12及び走行エンコーダ11による検出信号と、前記無線通信装置40で受信したリーダ台車Aからの制御情報とに基づいて、前記台車本体2の走行駆動装置1における走行アクチュエータとしての操舵モータ9及び走行モータ7に駆動信号を出力すると共に、前記リフター5の車輪浮上支持装置18におけるリフトバー開閉センサ22による検出信号に基づいて、前記リフター5の車輪浮上支持装置18におけるリフトバー開閉アクチュエータ23及び自動調芯位置保持用固定装置28に駆動信号を出力するようにしてある。
【0023】
前記リーダ台車Aと複数台(図の例では三台)のフォロワ台車Bの協調制御に関するシステムについてより詳しくは、図14に示す如く、前記リーダ台車Aと各フォロワ台車Bとの間で車両4を介して相互に働く相互作用力を前記リーダ台車Aの力センサとしてのロードセル13により力情報として検出し、前記リーダ台車Aの台車本体2の実際の軌道情報を前記軌道センサとしての操舵エンコーダ12及び走行エンコーダ11によって検出し、前記リーダ制御部31において、予め入力される目標軌道情報と、前記リーダ台車Aの力センサとしてのロードセル13で検出された力情報と、前記リーダ台車Aの軌道センサとしての操舵エンコーダ12及び走行エンコーダ11で検出された実際の軌道情報とに基づき、前記リーダ台車Aの台車本体2の走行アクチュエータへ電流指令値を出力すると共に、前記無線通信装置39にて各フォロワ台車Bへの制御情報を送信し、前記リーダ台車Aの台車本体2を目標軌道に沿って移動させる一方、
前記リーダ台車Aと各フォロワ台車Bとの間で車両4を介して相互に働く相互作用力を前記各フォロワ台車Bの力センサとしてのロードセル13により力情報として検出し、前記各フォロワ台車Bの台車本体2の実際の軌道情報を前記軌道センサとしての操舵エンコーダ12及び走行エンコーダ11によって検出し、前記リーダ台車Aから無線通信装置39にて送信される制御情報を無線通信装置40で受信し、前記フォロワ制御部32において、前記各フォロワ台車Bの力センサとしてのロードセル13で検出された力情報と、前記各フォロワ台車Bの軌道センサとしての操舵エンコーダ12及び走行エンコーダ11で検出された実際の軌道情報と、前記無線通信装置40で受信したリーダ台車Aからの制御情報とに基づき、前記各フォロワ台車Bの台車本体2の走行アクチュエータへ電流指令値を出力し、前記各フォロワ台車Bの台車本体2を前記リーダ台車Aの動きに追従させて移動させるようにしてある。
【0024】
但し、前記フォロワ台車Bが複数台(図の例では三台)となった場合、図14に示す如く、自分以外の全ての台車からの影響を受けることになるため、i番目のフォロワ台車Bはリーダ台車Aに与えられた目標軌道を推定することができなくなる。そこで、i番目のフォロワ台車Bに対して、第一のグループをi番目のフォロワ台車Bそれ自身とし、第二のグループをリーダ台車A及びi番目以外のフォロワ台車Bをまとめた一台の仮想リーダ台車A´(これをi番目の仮想リーダ台車A´)とする。即ち、i番目の仮想リーダ台車A´は、i番目のフォロワ台車Bから見ると、図15に示す如く、一台のリーダのように振舞うと考えられる。この仮想リーダという考え方を用いれば、フォロワ台車Bが一台の場合の目標軌道の推定方法を用いて、前記i番目のフォロワ台車Bは、リーダ台車A及び自分以外のフォロワ台車Bをまとめた一台のi番目の仮想リーダ台車A´の目標軌道を推定することができる。
【0025】
尚、前記各フォロワ台車Bの台車本体2がリーダ台車Aの動きに追従して移動するための前記ロードセル13で検出された力情報に、例えば、地面と前記リフター5の接地支持輪26との摩擦や慣性力等の外乱要素が影響を与える場合、前記リーダ台車Aの動きに各フォロワ台車Bが追従しようとする動きに対し誤差を増大させてしまうので、より安定した状態で前記リーダ台車Aと各フォロワ台車Bとを協調させて車両4を移動させるには、前述の如き誤差を修正するための制御情報が必要となることから、該制御情報を前記リーダ制御部31より、前記リーダ台車Aの無線通信装置39にて送信し各フォロワ台車Bの無線通信装置40で受信し、フォロワ制御部32で前記誤差を修正する計算を前記制御情報に基づいて行うようにしてある。
【0026】
ここで、前記力センサとしての引張圧縮型のロードセル13が介装された連結部材15を平面3自由度を拘束するパラレルリンク機構17として図1に示すような配置で三つ取り付けた場合、ロードセル13による検出値をヤコビ行列で座標変換すると、外力としてリフター5に加わる力を平面3自由度の力情報として得ることができる。
【0027】
即ち、図16に示す如く、Obを原点とするXb−Yb軸の座標系Σbを想定した場合、リフター5に加わる力ベクトルFは、
【数1】

但し、x:Xb軸方向に加わる力
y:Yb軸方向に加わる力
θ:原点Ob周りに加わる回転モーメント
:パラレルリンク機構17のヤコビアンの逆行列の転置行列
s:連結部材15に加わる力情報
で表される。尚、前記原点Obは任意の位置に設定可能であるが、図16に示す例では、計算する上でリーダ台車A(フォロワ台車B)の平面中心に設定してある。
【0028】
前記パラレルリンク機構17のヤコビアンの逆行列の転置行列JITと、連結部材15に加わる力情報fsはそれぞれ、
【数2】

で表されるため、[数1][数2]より
【数3】

となる。
【0029】
因みに、図15に示す例の場合、前記パラレルリンク機構17のヤコビアンの逆行列の転置行列JITは、
【数4】

となり、
【数5】

となる。
【0030】
このように、前記ロードセル13による検出値に基づいて[数5]の各値を演算し、該演算された[数5]の各値に基づいて、前記台車本体2の走行駆動装置1における走行車輪6の操舵角度と回転速度を決定し、前記走行アクチュエータとしての操舵モータ9及び走行モータ7に駆動信号を出力して、仮想リーダ台車A´とフォロワ台車Bのそれぞれのリフター5に加わる力ベクトルFの和が基本的に0となるようにすれば、仮想リーダ台車A´とフォロワ台車Bを協調制御しつつ車両4を移動させることが可能となる。
【0031】
尚、リーダ台車Aとフォロワ台車Bの協調制御の基本的な考え方、並びにフォロワ台車Bが複数台となった場合に、仮想リーダという考え方を用いることにより、フォロワ台車Bが一台の場合の目標軌道の推定方法と同様に、i番目のフォロワ台車Bが、リーダ台車A及び自分以外のフォロワ台車Bをまとめた一台のi番目の仮想リーダ台車A´の目標軌道を推定することができるという点に関しては、小菅一弘、大住智宏、千葉晋彦による「単一物体を操る複数移動ロボットの分散協調制御」、日本ロボット学会誌16巻1号、pp.87〜95に記載されている。
【0032】
次に、上記図示例の作用を説明する。
【0033】
先ず、停車した車両4に対し、リーダ台車Aを走行させてリフター5の車輪浮上支持装置18のリフトバー27を車両4の接地ポイントとしての一つの車輪4aの前後に配置すると共に、各フォロワ台車Bを走行させてリフター5の車輪浮上支持装置18のリフトバー27を車両4の残りの接地ポイントとしての各車輪4aの前後に配置する。
【0034】
続いて、リーダ制御部31並びにフォロワ制御部32からの駆動信号により、自動調芯位置保持用固定装置28を解除した状態で、前記リフター5の車輪浮上支持装置18におけるリフトバー開閉アクチュエータ23を所望の方向へ回転駆動すると、図12(a)(a1)に示す状態から対を成すリフトバー27が互いに近接する方向へ移動していき、図12(b)(b1)に示す如く、リフトバー27上に車両4の車輪4aが載置される形となって、該車両4がリフトアップされる。
【0035】
ここで、前記リフトバー開閉アクチュエータ23は駆動ユニット用ガイドレール20に沿ってスライド自在に配設してあるため、仮に、前記リフトバー27の近接動作において、図12(b2)に示す如く、先に車両4前後方向前側(図12では左側)のリフトバー27が車輪4aに接触した場合、後側(図12では右側)のリフトバー27が前側へ移行していく一方、逆に図12(b3)に示す如く、先に車両4前後方向後側のリフトバー27が車輪4aに接触した場合、前側のリフトバー27が後側へ移行していく形となり、車両4の車輪4aに対するリーダ台車A並びに各フォロワ台車Bの停止位置が該車輪4aの前後方向へ多少ずれていたとしてもそれに影響されずに、前記リフトバー開閉アクチュエータ23が必ず車輪4aの前後方向中心部に位置して自動調芯されることとなる。前記車両4がリフトアップされた後には、リフターフレーム5a内に固定配置した自動調芯位置保持用固定装置28のブレーキ用電磁ユニット28bにより、駆動ユニット用ガイドレール20と平行に延びるようリフトバー開閉アクチュエータ23と一体に設けたブレーキ板28aを挟みつけることにより、前記リフトバー開閉アクチュエータ23が駆動ユニット用ガイドレール20上の所望位置に保持され、前記リフトバー27が固定される。
【0036】
前記リーダ台車Aのリーダ制御部31には、図14に示す如く、目標軌道情報が予め入力されており、前記リーダ台車Aの台車本体2の走行アクチュエータとしての操舵モータ9及び走行モータ7へ電流指令値が出力されると共に、前記リーダ台車Aの無線通信装置39より各フォロワ台車Bへ制御情報が送信されつつ、リーダ台車Aの台車本体2が目標軌道に沿って移動していく。これと同時に、前記リーダ台車Aと各フォロワ台車Bとの間で車両4を介して相互に働く相互作用力が前記各フォロワ台車Bの力センサとしてのロードセル13により力情報として検出され、前記各フォロワ台車Bの台車本体2の実際の軌道情報が前記軌道センサとしての操舵エンコーダ12及び走行エンコーダ11によって検出され、前記リーダ台車Aから無線通信装置39にて送信される制御情報が各フォロワ台車Bの無線通信装置40で受信され、前記フォロワ制御部32において、前記各フォロワ台車Bの力センサとしてのロードセル13で検出された力情報と、前記各フォロワ台車Bの軌道センサとしての操舵エンコーダ12及び走行エンコーダ11で検出された実際の軌道情報と、前記無線通信装置40で受信したリーダ台車Aからの制御情報とに基づき、前記各フォロワ台車Bの台車本体2の走行アクチュエータへ電流指令値が出力され、前記各フォロワ台車Bの台車本体2が前記リーダ台車Aの動きに追従して移動していく。このため、仮に、前記各フォロワ台車Bの台車本体2がリーダ台車Aの動きに追従して移動するための前記ロードセル13で検出された力情報に、例えば、地面と前記リフター5の接地支持輪26との摩擦や慣性力等の外乱要素が影響を与える可能性があったとしても、前記リーダ台車Aの動きに各フォロワ台車Bが追従しようとする動きに対する誤差を修正するために必要となる制御情報が前記リーダ制御部31より、前記リーダ台車Aの無線通信装置39にて送信され各フォロワ台車Bの無線通信装置40で受信され、前記誤差を修正する計算が前記制御情報に基づいてフォロワ制御部32で行われるため、より安定した状態で前記リーダ台車Aと各フォロワ台車Bとを協調させて車両4を移動させることが可能となる。尚、前記リーダ台車Aと各フォロワ台車Bとを協調させて車両4を移動させる際には、図15に示す如く、i番目のフォロワ台車Bに対して、第一のグループをi番目のフォロワ台車Bそれ自身とし、第二のグループをリーダ台車A及びi番目以外のフォロワ台車Bをまとめた一台の仮想リーダ台車A´(これをi番目の仮想リーダ台車A´)とした場合、i番目の仮想リーダ台車A´は、i番目のフォロワ台車Bから見ると、図15に示す如く、一台のリーダのように振舞うため、この仮想リーダという考え方を用いることにより、フォロワ台車Bが一台の場合の目標軌道の推定方法を用いて、前記i番目のフォロワ台車Bは、リーダ台車A及び自分以外のフォロワ台車Bをまとめた一台のi番目の仮想リーダ台車A´の目標軌道を推定するようになっている。
【0037】
前記リーダ台車A及び各フォロワ台車Bが目標地点に到達した際には、前述の操作と逆に、前記自動調芯位置保持用固定装置28が解除され、前記リフトバー27が互いに離反する方向へ駆動され、リフトバー27上に載置される形となっていた前記車両4が目的地点に下ろされ、前記リーダ台車A及び各フォロワ台車Bが車両4の幅方向両側へ退避していく。
【0038】
このように、リーダ台車Aのリフター5と各フォロワ台車Bのリフター5により車両4をリフトアップした状態で、リーダ台車Aが与えられた目標軌道に沿って移動していくと、各フォロワ台車Bは、前記リーダ台車A及び自分以外のフォロワ台車Bをまとめた一台の仮想リーダ台車A´の動きを推定しつつ追従することにより、前記リーダ台車Aと協調して車両4を移動させることが可能となり、無線通信による台車相互間でのリアルタイムの情報交換に基づく制御方法において、通信障害で情報が途切れたり遅れたりすることで、車両等の物体を落としたり、傷つけたりする心配もない。
【0039】
しかも、移動すべき物体がバス等のホイールベースの長い車両4や接地ポイントとしての車輪4aの数が多い車両4であったとしても、移動装置自体を大きくしたり、車輪4aの数に合わせた機構のものを別途用意しなくて済み、移動装置の種類を増やす必要がなくなると共に、移動装置が大型化しない分、移動経路や保管スペースを広くとる必要もない。
【0040】
尚、リーダ台車Aと各フォロワ台車Bとの間で車両4を介在させて搬送を行う際に、車両4の重量があまり重くない場合、前記リフトバー27の車輪支持ローラ25上で車両4の車輪4aが滑ってしまい、搬送に支障をきたす虞があるが、前記リフトバー27の車輪支持ローラ25表面には、ローレット加工、或いは滑り止め塗料の塗装といった滑り止め加工を施すようにしてあるため、仮に車両4が軽かったとしても、前記リフトバー27の車輪支持ローラ25上で車両4の車輪4aが滑ってしまうことが防止され、搬送に支障をきたす心配がない。
【0041】
こうして、無線通信のみによる台車相互間でのリアルタイムの情報交換を行うようにした協働搬送とは異なり、車両4を落としたり、傷つけたりする心配がなく、更に、大きさや接地ポイント数の異なる車両4にも装置の種類を増やすことなく対応し得、車両4を確実に且つより安定して移動させることができ、移動経路や保管スペースの削減をも図り得る。
【0042】
一方、図17は前記走行駆動装置1の他の例を示す図であって、前記台車本体2の走行車輪6を操舵が不要な全方向移動車輪29とし、該全方向移動車輪29を、図17(a)に示す如く、ホイール本体33aの外周部にホイール軸33bに対して45度傾斜された複数のローラ軸33cを配設し且つ該ローラ軸33cにローラ33dを回動自在に取り付けてなるメカナムホイール33とし、該メカナムホイール33を、図17(b)に示す如く、台車本体2の台車フレーム2aの両端部並びに中間部に合計三個配設したものである。
【0043】
図17(b)に示す例では、前記台車本体2の台車フレーム2aの両端部に配設される二個のメカナムホイール33については、水平方向へ延びるホイール軸33bが互いに90°位相をずらし且つ台車本体2の長手方向に対してそれぞれ45°の角度を持つようにしてあり、又、前記台車本体2の台車フレーム2aの中間部に配設される一個のメカナムホイール33については、水平方向へ延びるホイール軸33bが台車本体2の長手方向に対して直角となるようにしてある。
【0044】
このように構成した場合、前記三個のメカナムホイール33の回転バランスを適宜調整することにより、台車本体2としては、いずれの方向にも移動可能となり、且ついずれの方向にもリフター5を向けることが可能となる。
【0045】
しかも、走行アクチュエータとして操舵モータ9及び走行モータ7を設けた場合、一台の台車本体2に、モータが二台ずつ計四台必要となる(図1〜図8の例を参照)のに対し、図17に示す例では、走行アクチュエータとしてはモータが三台で済むメリットもある。
【0046】
尚、前記全方向移動車輪29は、メカナムホイール33の代わりに、図11に示すものと同様な、ホイール本体30aの外周部にホイール軸30bに対して直角となる接線方向へ延びる複数のローラ軸30cを配設し且つ該ローラ軸30cにローラ30dを回動自在に取り付けたホイールユニット30eをホイール軸30b方向へ複数列並設してなるオムニ車輪30とすることも可能である。
【0047】
又、前記連結機構3を構成するパラレルリンク機構17の連結部材15は、図18に示す如く、変位検出機能付きバネ34及び変位検出機能付きダンパー35からなる部材によって形成し、該部材の変位を検出し、そのバネ定数と変位検出機能付きダンパー35の粘性係数から前記リフター5に加わる力情報を演算して前記リーダ台車Aと各フォロワ台車Bの協調制御を行うようにすることができる。尚、前記変位検出機能付きバネ34の具体例としては、例えば、バネの一端に距離測定ビームセンサを、他端に反射板を付けることで変位を計測する形式のものを採用することができ、同様に、前記変位検出機能付きダンパー35の具体例としては、例えば、ダンパーの一端に距離測定ビームセンサを、他端に反射板を付けることで変位を計測する形式のものを採用することができる。
【0048】
図18に示す例の如く構成すると、前記リーダ台車A及び各フォロワ台車Bと車両4との間に、各部位の強度以上の力(内力)が発生した場合、前記リーダ台車A及び各フォロワ台車Bや車両4を変形させたり破損してしまうことを防止する上で非常に有効となる。
【0049】
尚、図18に示す例では、前記パラレルリンク機構17の連結部材15を、変位検出機能付きバネ34及び変位検出機能付きダンパー35の両方からなる部材によって形成しているが、変位検出機能付きバネ34のみ、或いは変位検出機能付きダンパー35のみからなる部材によって形成しても良い。
【0050】
一方、前記連結機構3は、図19(a)(b)に示す如く、一端がユニバーサルジョイント16により台車本体2側に連結され他端がユニバーサルジョイント16によりリフター5側に連結され且つ前記力センサとしての機能を有する複数の連結部材15(図19の例では六本の変位検出機能付きダンパー)を立体的に配設してなる空間パラレルリンク機構36によって構成し、前記台車本体2に対しリフター5を、水平面内におけるX−Y方向に移動する方向の2自由度と、該X−Y方向に対して直交するZ軸を中心として回転する方向の1自由度と、X軸を中心として回転する方向の1自由度と、Y軸を中心として回転する方向の1自由度と、Z軸方向に移動する方向の1自由度とを加えた6自由度が拘束されるよう、前記空間パラレルリンク機構36を介して配置することができる。
【0051】
前記空間パラレルリンク機構36は、図19(a)に示す如く、リフター5の中央部において、その上面側に図19(b)に示す下ベースプレート37を取り付けると共に、対応する位置における台車本体2の台車フレーム2aの下面側に上ベースプレート38を取り付け、該上ベースプレート38と下ベースプレート37との間に前記変位検出機能付きダンパーで形成した六本の連結部材15を介装するようにしてある。
【0052】
図19(a)(b)に示す例の如く構成すると、前記変位検出機能付きダンパーで形成した六本の連結部材15により、空間をX−Y−Z座標で示したときの各軸方向の力と軸周りのモーメントを導出することができ、地面のうねり等による影響を吸収して外乱を軽減しつつ、より安定化させて前記リーダ台車Aと各フォロワ台車Bの協調制御を行うようにすることができる。
【0053】
尚、図19に示す例では、前記空間パラレルリンク機構36の連結部材15を、変位検出機能付きダンパーのみからなる部材によって形成しているが、変位検出機能付きバネのみ、或いは変位検出機能付きバネ及び変位検出機能付きダンパーの両方からなる部材によって形成しても良い。
【0054】
又、前記リフター5の接地支持輪26や前記台車本体2の走行車輪6を、操舵が不要な全方向移動車輪29としてのオムニ車輪30(図11参照)とした場合、該オムニ車輪30の構成上、そのホイール軸30bを中心とする回転時には、二列並設されたホイールユニット30eの各々三個ずつのローラ30dが地面に対して交互に接触することに伴い、振動が発生するが、図20に示す如く、ホイール本体30aの外周部にホイール軸30bに対して直角となる接線方向へ延びる複数(図20の例では三本)のローラ軸30cを配設し且つ該ローラ軸30cに樽状のローラ30dを回動自在に取り付けたホイールユニット30eをホイール軸30b方向へ複数列(図20の例では三列)並設してオムニ車輪30を構成すると、回転時の振動を抑制することが可能となる。そのため、振動が力センサにノイズという形で及ぼす悪影響を抑制できるので、より安定した力制御を行うことができる。
【0055】
因みに、前記ホイールユニット30eをホイール軸30b方向へ三列並設して接地点を両端二箇所とした場合、ホイール軸30b中心での回転動作を行う際の抵抗が、前記ホイールユニット30eをホイール軸30b方向へ二列配置した場合より大きくなるが、状況としては、タイヤの面接触状態でステアリングを切る事象と同等と考えられるので、この分の摩擦抵抗を加味した動力源(パワー)を走行駆動装置1の走行アクチュエータに加味すれば良い。
【0056】
一方、前記全方向移動車輪としては、オムニホイール(登録商標)やメカナムホイール以外にも、例えば、特開2006−16859号公報や実用新案登録第3130323号公報に示されるような、ホイール本体の外周に、回転軸が可撓性を有する回転体を、その両端がそれぞれ隣接する回転体支持部材に回転可能に支持されるよう配設してなる形式の車輪、或いは、金沢竜也、山下淳、淺間一、嘉悦早人、遠藤勲、新井民雄、佐藤一省による「段差乗り越え能力を有する全方向移動ロボットの開発」、第17回日本ロボット学会学術講演会予稿集、pp.913〜914、September 1999に記載されているフリーローラ付き特殊車輪、その他、さまざま形式の車輪を用いてもよいことは言うまでもない。
【0057】
尚、本発明の物体移動装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、車両は四輪車に限らず、複数の車輪を持つ車両であればどのような車両にも適用可能なこと、又、駐車施設に限らず、駐車違反車両の移動やカーフェリー内での車両の移動等にも適用可能なこと、更に又、車両以外の物体にも適用可能なこと等、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明を実施する形態の一例を示す平面図である。
【図2】本発明を実施する形態の一例におけるリーダ台車(フォロワ台車)を示す斜視図である。
【図3】本発明を実施する形態の一例におけるリーダ台車(フォロワ台車)を示す正面図であって、図1のIII−III矢視相当図である。
【図4】本発明を実施する形態の一例におけるリーダ台車(フォロワ台車)を示す側面図であって、図3のIV−IV矢視相当図である。
【図5】本発明を実施する形態の一例におけるリーダ台車(フォロワ台車)を示す背面図であって、図1のV−V矢視相当図である。
【図6】本発明を実施する形態の一例におけるリーダ台車(フォロワ台車)の走行駆動装置を示す斜視図である。
【図7】本発明を実施する形態の一例におけるリーダ台車(フォロワ台車)の走行駆動装置を示す正面図である。
【図8】本発明を実施する形態の一例におけるリーダ台車(フォロワ台車)の走行駆動装置を示す側面図であって、図7のVIII−VIII矢視相当図である。
【図9】本発明を実施する形態の一例におけるリーダ台車(フォロワ台車)の連結機構を示す斜視図である。
【図10】本発明を実施する形態の一例におけるリーダ台車(フォロワ台車)のリフターの車輪浮上支持装置を示す斜視図であって、(a)は正面側斜視図、(b)は背面側斜視図である。
【図11】本発明を実施する形態の一例におけるリーダ台車(フォロワ台車)のリフターの車輪浮上支持装置の接地支持輪として適用可能なオムニ車輪を示す斜視図である。
【図12】本発明を実施する形態の一例におけるリーダ台車及びフォロワ台車のリフターの車輪浮上支持装置を示す作動状態説明図であって、(a)は車両支持前の状態図、(a1)はリフトバーが最大に開いた状態図、(b)は車両支持中の状態図、(b1)はリフトバーが最小に閉じた状態図、(b2)はリフトバーが閉じて装置左に寄った状態図、(b3)はリフトバーが閉じて装置右に寄った状態図である。
【図13】本発明を実施する形態の一例におけるリーダ台車の全体制御系統並びにフォロワ台車の全体制御系統を示すブロック図である。
【図14】本発明を実施する形態の一例におけるリーダ台車と各フォロワ台車の協調制御に関するシステム図である。
【図15】本発明を実施する形態の一例における一台のフォロワ台車に対する仮想リーダ台車のイメージ図である。
【図16】本発明を実施する形態の一例におけるリフターに加わる力ベクトルを演算する際の座標系を示す平面図である。
【図17】前記走行駆動装置の他の例を示す図であって、(a)は全方向移動車輪としてのメカナムホイールを示す斜視図、(b)はその配置の一例を示す平面図である。
【図18】前記連結機構の他の例を示す平面図である。
【図19】前記連結機構の更に他の例を示す図であって、(a)は平面配置図、(b)は斜視図である。
【図20】ホイールユニットをホイール軸方向へ三列並設してなるオムニ車輪を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【符号の説明】
【0059】
1 走行駆動装置
2 台車本体
2a 台車フレーム
3 連結機構
4 車両(物体)
4a 車輪
5 リフター
5a リフターフレーム
6 走行車輪
18 車輪浮上支持装置
26 接地支持輪
27 リフトバー
28 自動調芯位置保持用固定装置
31 リーダ制御部
32 フォロワ制御部
39 無線通信装置
40 無線通信装置
A リーダ台車
A´ 仮想リーダ台車
B フォロワ台車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接地ポイントが複数存在する物体を、該物体の接地ポイントをリフトアップすることによって移動させる物体移動装置であって、
走行駆動装置により全方向に自走可能な台車本体と、該台車本体に連結機構を介して取り付けられ且つ物体の一つの接地ポイントをリフトアップするリフターとを有し、与えられた目標軌道に沿って移動可能なリーダ台車と、
走行駆動装置により全方向に自走可能な台車本体と、該台車本体に連結機構を介して取り付けられ且つ物体の前記リーダ台車にてリフトアップされる接地ポイント以外の一つの接地ポイントをリフトアップするリフターとを有した複数台のフォロワ台車とを備え、
前記各フォロワ台車のうち任意のフォロワ台車が前記リーダ台車及び他のフォロワ台車をまとめたものを一台の仮想リーダ台車と想定し、該仮想リーダ台車の動きを推定しつつ追従することにより、前記リーダ台車と複数台のフォロワ台車とが協調して物体を移動させるよう構成したことを特徴とする物体移動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−286570(P2009−286570A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−140432(P2008−140432)
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(000198363)石川島運搬機械株式会社 (292)
【出願人】(504157024)国立大学法人東北大学 (2,297)
【Fターム(参考)】