説明

物体距離検出装置

【課題】物体に対する距離の検出精度を向上させる。
【解決手段】物体距離検出装置10は、レーダ装置11の発信部11aにより電磁波が発信された時刻から受信部11bにより反射波が受信された時刻までの時間差を検出し、時間差に基づき車両から物体までの距離を算出する距離検出部25と、時間差と反射波の受信強度との対応関係を示す2次元直交座標面上での受信強度分布の波形Fにおける受信強度の増加側および減少側での傾きに応じて、受信強度の極大値(推定ピーク電圧Vpeak)を推定する極大値推定部24と、受信強度分布の波形Fにおける受信強度が電圧閾値Vth以上である時間幅(推定パルス幅W)と、極大値(推定ピーク電圧Vpeak)とに基づいて、距離検出部25により算出された距離を補正する距離補正部26とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、物体距離検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばレーザ光を用いた送信波の放射時刻と反射波の受信時刻との時間差に基づき反射点までの距離を測定する際に、反射波の受信強度と時間差との対応関係において反射波の受信強度が所定閾値よりも大きい間の時間幅に基づいて時間差を補正することによって、反射波の受信強度差により生じる測定誤差を補正する距離測定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−236661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来技術に係る距離測定装置によれば、反射波の受信強度が弱い場合には時間幅も短くなり、反射波の受信強度が強い場合には時間幅も長くなるという対応関係に基づき、時間差を補正している。
しかしながら、反射波の受信強度と時間幅との対応関係は反射波を発する物体に応じて変化し、例えば、反射波の受信強度が弱い場合に時間幅が長くなったり、反射波の受信強度が強い場合に時間幅が短くなるという対応関係も生じる可能性があり、適切な補正を行なうことができない虞がある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、物体に対する距離の検出精度を向上させることが可能な物体距離検出装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明の請求項1に係る物体距離検出装置は、車両からの所定領域に向けて電磁波を発信する発信手段(例えば、実施の形態での発信部11a)と、前記発信手段により発信された前記電磁波が前記所定領域内の物体により反射された反射波を受信する受信手段(例えば、実施の形態での受信部11b)と、前記発信手段により前記電磁波が発信された時刻から前記受信手段により前記反射波が受信された時刻までの時間差を検出する時間差検出手段(例えば、実施の形態での距離検出部25)と、前記時間差検出手段により検出された前記時間差に基づき前記車両から前記物体までの距離を算出する距離算出手段(例えば、実施の形態での距離検出部24が兼ねる)とを備える物体距離検出装置であって、前記時間差検出手段により検出された前記時間差と前記受信手段により受信された前記反射波の受信強度との対応関係を示す2次元直交座標面上での曲線(例えば、実施の形態での受信強度分布の波形F)における前記受信強度の増加側での傾きと前記受信強度の減少側での傾きとに応じて、前記受信強度の極大値(例えば、実施の形態での推定ピーク電圧Vpeak)を推定する極大値推定手段(例えば、実施の形態での極大値推定部24)と、前記曲線における前記受信強度が所定閾値(例えば、実施の形態での電圧閾値Vth)以上である時間幅(例えば、実施の形態での推定パルス幅W)と、前記極大値推定手段により推定された前記極大値とに基づいて、前記距離算出手段により算出された前記距離を補正する補正手段(例えば、実施の形態での距離補正部26)とを備える。
【0007】
さらに、本発明の第2態様に係る物体距離検出装置では、前記時間差検出手段は、前記発信手段により前記電磁波が発信された時刻から前記受信強度が前記所定閾値以上である前記反射波が受信された時刻までの前記時間差を検出し、前記距離算出手段は、前記時間差検出手段により検出された前記時間差のうち前記受信強度が前記所定閾値である場合の前記時間差に基づき前記距離を算出する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の第1態様に係る物体距離検出装置によれば、電磁波が発信された時刻から反射波が受信された時刻までの時間差に基づき算出された距離を、時間差と反射波の受信強度との対応関係を示す受信強度分布の受信強度の極大値と受信強度が所定閾値以上である時間幅とに基づいて補正することにより、距離の精度を向上させることができる。
また、例えば受信手段の出力をサンプリングするADコンバータの入力上限電圧が反射波の受信強度の極大値よりも小さいことなどに起因して、受信強度の極大値を直接に検出することができない場合であっても、時間差と反射波の受信強度との対応関係を示す曲線における受信強度の増加側および減少側での傾きに応じて受信強度の極大値を精度良く推定することができる。
【0009】
さらに、本発明の第2態様に係る物体距離検出装置によれば、受信強度が所定閾値である反射波に対して算出した距離を、受信強度が所定閾値以上である時間幅と極大値とにより補正することによって、反射点までの距離の検出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態に係る物体距離検出装置の構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る物体距離検出装置により検出された受信強度分布の波形Fと推定パルス幅Wおよび推定ピーク電圧Vpeakとの例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る物体距離検出装置に記憶されている距離補正値C(M,L)と距離L(Tofup)と推定ピーク電圧Vpeakおよび推定パルス幅Wの積M(=Vpeak×W)との対応関係を示すデータの例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る物体距離検出装置の検出対象である各種の物体と推定ピーク電圧Vpeakおよび推定パルス幅Wとの対応関係の例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る物体距離検出装置により検出された受信強度分布の波形Fと推定パルス幅Wおよび推定ピーク電圧Vpeakとの例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る物体距離検出装置により検出された受信強度分布の波形Fと推定パルス幅Wおよび推定ピーク電圧Vpeakとの例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る物体距離検出装置により検出された受信強度分布の波形Fと推定パルス幅Wおよび推定ピーク電圧Vpeakとの例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る物体距離検出装置に記憶されている距離補正値C(M)と推定ピーク電圧Vpeakおよび推定パルス幅Wの積M(=Vpeak×W)との対応関係を示すデータの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係る物体距離検出装置について添付図面を参照しながら説明する。
本実施の形態による物体距離検出装置10は、例えば車両に搭載され、図1に示すように、レーダ装置11と、処理装置12とを備えて構成されている。
【0012】
レーダ装置11は、発信部11aと受信部11bとを備え、車両の外界(例えば、車両の進行方向の前方など)に設定された検出対象領域を複数の角度領域に分割し、各角度領域を走査するようにして、赤外光レーザやミリ波などの電磁波の発信信号を発信部11aから発信する。
そして、各発信信号が車両の外部の検出対象領域内の物体(例えば、他車両や構造物や路面など)や歩行者などによって反射されることで生じた反射波の反射信号を受信部11bにより受信する。
そして、発信信号および反射信号に係る信号を処理装置12に出力する。
【0013】
処理装置12は、例えば図1に示すように、ADコンバータ21と、受信強度分布検出部22と、パルス幅検出部23と、極大値推定部24と、距離検出部25と、距離補正部26とを備えて構成されている。
【0014】
ADコンバータ21は、レーダ装置11の発信部11aにより電磁波が発信されてから受信部11bの出力(つまり、受信部11bにより受信された反射波の受信強度を示す信号)を所定の一定周期でサンプリングして、受信部11bにより受信された反射波の受信強度(例えば、電圧)のアナログ値をデジタル値に変換する。
ADコンバータ21は、例えば図2に示す出力電圧の各データ点Pのように、受信部11bの出力を所定の一定周期でサンプリングして得られるアナログ値の入力電圧毎にAD変換を実行し、デジタル値の出力電圧を出力する。
【0015】
なお、ADコンバータ21は、適正なAD変換を実行可能な入力電圧に対して所定の入力上限電圧Vupおよび入力下限電圧を有しており、入力下限電圧以上かつ入力上限電圧Vup以下の入力電圧に対しては、入力電圧のアナログ値に応じたデジタル値を有する出力電圧を出力する。
一方、この入力上限電圧Vupよりも大きい入力電圧に対しては、例えば図2に示す出力電圧の各データ点Pのように、入力電圧のアナログ値にかかわりなく一律に入力上限電圧Vupのデジタル値を有する出力電圧を出力する。
【0016】
受信強度分布検出部22は、例えば図2に示すような複数のデータ点Pによる受信強度分布を検出する。
例えば、受信強度分布検出部22は、ADコンバータ21の出力タイミングを示す時間(つまり、発信部11aにより電磁波が発信された時刻から受信部11bにより反射波が受信された時刻までの時間差)をX座標軸とし、ADコンバータ21の出力電圧(つまり、受信部11bにより受信された反射波の受信強度(例えば、電圧))をY座標軸とする2次元直交座標面上において、ADコンバータ21によるサンプリングによって得られる複数のデータ点Pの分布を検出する。
なお、図2には、レーダ装置11の発信部11aの発光強度設計値に応じた、受信部11bにより受信される反射波の受信強度の推定波形Dの一例についても示した。
【0017】
パルス幅検出部23は、2次元直交座標面上での複数のデータ点Pによる受信強度分布の波形Fにおいて、例えばADコンバータ21の入力下限電圧よりも大きく、かつ入力上限電圧Vupよりも小さい所定の電圧閾値Vthに対して、受信強度が所定の電圧閾値Vth以上である時間幅を検出する。
より具体的には、波形Fにおいて、受信強度(つまり電圧)の増加側で所定の電圧閾値Vthに対応する座標点Aの時刻(立ち上がりタイミング)Tofupと、受信強度(つまり電圧)の減少側で所定の電圧閾値Vthに対応する座標点Bの時刻(立ち下がりタイミング)Tofdnとの間の時間幅を、推定パルス幅Wとして検出する。
【0018】
極大値推定部24は、2次元直交座標面上での複数のデータ点Pによる受信強度分布の波形Fにおいて、受信強度の増加側での傾きと受信強度の減少側での傾きとに応じて、受信強度の極大値(推定ピーク電圧Vpeak)を推定する。
より具体的には、受信強度(つまり電圧)の増加側で所定の電圧閾値Vthに対応する座標点Aでの接線LAと、受信強度(つまり電圧)の減少側で所定の電圧閾値Vthに対応する座標点Bでの接線LBとの交点Qを検出し、この交点Qに対応する受信強度(つまり電圧)を、受信強度の極大値(推定ピーク電圧Vpeak)として検出する。
【0019】
距離検出部25は、受信強度分布検出部22により検出された受信強度分布に基づき、発信部11aにより電磁波が発信された時刻(発信時刻)から受信部11bにより反射波が受信された時刻(受信時刻)までの時間差を検出し、この時間差に基づき車両から物体(つまり、反射波の反射点)までの距離Lを算出する。
【0020】
例えば、距離検出部25は、ADコンバータ21の出力に基づき、レーダ装置11の発信部11aにより電磁波が発信されてから受信部11bの出力に対するADコンバータ21による何回目のサンプリングによって得られた出力であるかに応じて、発信時刻から受信時刻までの時間差を検出する。
【0021】
また、例えば、距離検出部25は、レーダ装置11の発信部11aにより電磁波が発信されてから受信強度(つまり電圧)が所定の電圧閾値Vth以上である反射波が受信された時刻までの時間差を検出する。
そして、距離検出部25は、例えば、受信強度(つまり電圧)が所定の電圧閾値Vthである場合の時間差(つまり、図2に示す受信強度分布における座標点Aの時刻(立ち上がりタイミング)Tofupに対する時間差)に基づき、車両から物体(つまり、反射波の反射点)までの距離Lを算出する。
【0022】
距離補正部26は、パルス幅検出部23により検出された推定パルス幅Wと、極大値推定部24により検出された推定ピーク電圧Vpeakとに基づき、距離検出部25により検出された距離L、例えば受信強度(つまり電圧)が所定の電圧閾値Vthである場合の時間差(つまり、図2に示す受信強度分布における座標点Aの時刻(立ち上がりタイミング)Tofupに対する時間差)に基づく距離L(Tofup)を補正する。
【0023】
距離補正部26は、例えば、距離L(Tofup)の補正に用いる距離補正係数Cに対して予め作成された所定マップのデータとして、少なくとも推定ピーク電圧Vpeakおよび推定パルス幅Wに応じた所定の距離補正値係数Cのデータを記憶している。
例えば図3に示す所定の距離補正係数Cは、推定ピーク電圧Vpeakおよび推定パルス幅Wの積M(=Vpeak×W)と距離L(Tofup)とに応じて変化し、積Mあるいは距離L(Tofup)の増大に伴い、増大傾向に変化している。
【0024】
そして、距離補正部26は、例えば下記数式(1)に示すように、距離補正係数C(M,L)を用いて、距離検出部24により検出された距離L(Tofup)を補正し、補正後の距離L(TOF)を算出する。
【0025】
【数1】

【0026】
上記数式(1)において、推定ピーク電圧Vpeakおよび推定パルス幅Wの積M(=Vpeak×W)は反射エネルギー(つまり、受信部11bにより受信された反射波のエネルギー)に比例することから、距離補正部26は、距離L(Tofup)に加えて、検出対象物(つまり、反射波を発する物体あるいは歩行者など)の面積や形状などを考慮した補正を行なっていることになる。
【0027】
つまり、反射波を発する各種の検出対象物は、反射波の受信強度つまり推定ピーク電圧Vpeakと、検出対象物上の点(反射点)の奥行きつまり推定パルス幅Wとに応じて、例えば図4に示すような分布特性を有している。
【0028】
例えば図4において、歩行者に対しては、推定ピーク電圧Vpeakが弱く、かつ推定パルス幅Wがやや広くなり、対向車両に対しては、推定ピーク電圧Vpeakが弱く、かつ推定パルス幅Wがやや狭くなる。
また、例えば、看板に対しては、推定ピーク電圧Vpeakが強く、かつ推定パルス幅Wが広くなり、大型車に対しては、推定ピーク電圧Vpeakが強く、かつ推定パルス幅Wがさらに広くなる。
【0029】
距離補正部26は、例えば図4に示すように、各種の検出対象物に応じて変化する推定ピーク電圧Vpeakおよび推定パルス幅Wを用いることで、各種の検出対象物に対して、車両制御に必要とされる車両から最も近い点(最近接点)に対する距離を精度良く検出することができる。
【0030】
本実施の形態による物体距離検出装置10は上記構成を備えており、次に、この物体距離検出装置10の動作例について説明する。
【0031】
例えば図5に示す車両Sの前方に存在する対向車両RAに対しては、対向車両RAのフロントグリルおよびヘッドライトの周辺部を反射点とする反射波による波形FA1と、対向車両RAのボンネットの周辺部を反射点とする反射波による波形FA2となどが合成されてなる波形Fが検出される。そして、この波形Fに対して推定パルス幅W1および推定ピーク電圧Vpeak1が検出される。
【0032】
また、例えば図6に示す車両Sの前方に存在する先行車両RBに対しては、先行車両RBの後端リフレクタの周辺部を反射点とする反射波による波形FB1と、先行車両RBの車体後部の周辺部を反射点とする反射波による波形FB2となどが合成されてなる波形Fが検出される。そして、この波形Fに対して推定パルス幅W2(>W1)および推定ピーク電圧Vpeak2(>Vpeak1)が検出される。
この場合には、図5に示す対向車両RAに比べて、推定パルス幅W2および推定ピーク電圧Vpeak2が大きくなることに伴い、距離Lの精度が低下する(つまり、位置精度のばらつきが大きくなる)ことから、より大きな積M(=Vpeak2×W2)に応じた補正が行なわれることで、位置精度のばらつきが抑制される。
【0033】
また、例えば図7に示す車両Sの前方に存在する大型車両RCに対しては、大型車両RCおよび積載物の各種の部位を反射点とする反射波による複数の波形FC1,FC2,…などが合成されてなる波形Fが検出される。そして、この波形Fに対して推定パルス幅W3(>W2)および推定ピーク電圧Vpeak3(>Vpeak2)が検出される。
この場合には、図6に示す先行車両RBに比べて、推定パルス幅W3および推定ピーク電圧Vpeak3が大きくなることに伴い、距離Lの精度が低下する(つまり、位置精度のばらつきが大きくなる)ことから、より大きな積M(=Vpeak3×W3)に応じた補正が行なわれることで、位置精度のばらつきが抑制される。
【0034】
上述したように、本実施の形態による物体距離検出装置10によれば、レーダ装置11の発信部11aにより電磁波が発信された時刻(発信時刻)から受信部11bにより反射波が受信された時刻(受信時刻)までの時間差に基づき算出された距離Lを、推定ピーク電圧Vpeakおよび推定パルス幅Wに基づいて補正することにより、距離Lの精度を向上させることができる。
【0035】
また、例えばADコンバータ21の入力上限電圧Vupが、受信部11bの出力を所定の一定周期でサンプリングして得られるアナログ値の入力電圧よりも小さいことなどに起因して、受信部11bにより受信された反射波の受信強度の極大値を直接に検出することができない場合であっても、受信強度分布の波形Fにおける受信強度の増加側および減少側での傾きに応じて受信強度の極大値(推定ピーク電圧Vpeak)を精度良く推定することができる。
【0036】
なお、上述した実施の形態において、距離補正係数Cは積M(=Vpeak×W)と距離L(Tofup)とに応じて変化するとしたが、これに限定されず、例えば図8に示すように、距離補正係数Cは積M(=Vpeak×W)のみに応じて変化してもよい。
例えば図8に示す所定の距離補正係数Cのデータでは、積M(=Vpeak×W)の増大に伴い、距離補正係数Cの増大率が低下傾向に変化しつつ、距離補正係数Cは増大傾向に変化している。
【符号の説明】
【0037】
10 物体距離検出装置
11a 発信部(発信手段)
11b 受信部(受信手段)
24 極大値推定部(極大値推定手段)
25 距離検出部(時間差検出手段、距離算出手段)
26 距離補正部(補正手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両からの所定領域に向けて電磁波を発信する発信手段と、
前記発信手段により発信された前記電磁波が前記所定領域内の物体により反射された反射波を受信する受信手段と、
前記発信手段により前記電磁波が発信された時刻から前記受信手段により前記反射波が受信された時刻までの時間差を検出する時間差検出手段と、
前記時間差検出手段により検出された前記時間差に基づき前記車両から前記物体までの距離を算出する距離算出手段とを備える物体距離検出装置であって、
前記時間差検出手段により検出された前記時間差と前記受信手段により受信された前記反射波の受信強度との対応関係を示す2次元直交座標面上での曲線における前記受信強度の増加側での傾きと前記受信強度の減少側での傾きとに応じて、前記受信強度の極大値を推定する極大値推定手段と、
前記曲線における前記受信強度が所定閾値以上である時間幅と、前記極大値推定手段により推定された前記極大値とに基づいて、前記距離算出手段により算出された前記距離を補正する補正手段とを備えることを特徴とする物体距離検出装置。
【請求項2】
前記時間差検出手段は、前記発信手段により前記電磁波が発信された時刻から前記受信強度が前記所定閾値以上である前記反射波が受信された時刻までの前記時間差を検出し、
前記距離算出手段は、前記時間差検出手段により検出された前記時間差のうち前記受信強度が前記所定閾値である場合の前記時間差に基づき前記距離を算出することを特徴とする請求項1に記載の物体距離検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−237625(P2012−237625A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−106130(P2011−106130)
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】