説明

物品の保護方法及び装置

本発明は、特別な保護領域に置かれた物品を保護する方法及び装置であって、保護対象物品に識別機を付設し、該保護対象物品が表示されると受信ユニットにて該識別機を検出するものとした方法及び装置に関する。この目的のため、受信ユニットは識別機の存在を検出し、その存在を実証する電子データを記憶する。電子データは、識別機に対し、受信ユニットにて検出した信号を確実に割り当て可能となっている。データは、保護対象物品を運ぶ人物を識別可能とした識別機の検出とは別個に検出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品、好ましくは閉じられた建物内で、物品を保護する方法及び装置に関し、特にオフィスの目録に記載された物品の保護に関するものである。
【0002】
更に、本発明は、信号を検出および記憶する装置に関し、その信号は物品に付いた送信機により送信され、各物品について固有の符号を持っている符号化。
【背景技術】
【0003】
出荷された道具や備品を保護する装置について、特許文献1により公知のものがある。これは、128ビットの情報を用いて、道具の型式や通常の作業場に関する通し番号及び情報に関するデータを包含するトランスポンダを、ワンセットの道具の項目毎に付与したものである。これに関し、通常の作業場としては、道具に付与したトランスポンダと信号をやり取りするための置型受信機備えられているのであれば、道具箱でも特定の貯蔵所でもよい。一方、受信器はコンピュータに接続され、このコンピュータは、道具箱内や作業場にある道具に付したトランスポンダより送信され該受信器が受信した信号を、評価できるものとなっている。したがって、内部作業中のどの時点でも、特定の道具箱や作業場内における道具の現状を見ることができる。この装置の別実施例としては、各作業者の持つ道具箱の開閉手段を用いて、作業者毎に専用のトランスポンダを割り当てられている。
【特許文献1】独国実用新案第20011952号明細書
【0004】
特許文献2には、基地局を通じて商品保護ラベルを自動的に検出し識別する装置が開示されている。保護すべき製品に付された商品保護ラベルには、基地局と通信するための、それ自身のNF送受信ユニットを有するトランスポンダが含まれている。例えば、トランスポンダが基地局にて発生する電磁場の作用領域に入ると、基地局は制御信号を送信し、これをトランスポンダが受信して応答信号を送信する。さらにこの応答信号が基地局にて処理されて、チェックが通れば、基地局にて送信パルスを起こし、これをトランスポンダが受信する。この送受信シーケンスを用いて、監視していなくてもアラームを引き起こすような予め特定しておいたチェック基準を統合してもよい。推奨例としては、基地局の電磁場の作用領域に配したいくつかのトランスポンダのアラーム信号を同期化することで、該基地局による受信したアラーム信号の認識を確実にするものである。
【特許文献2】独国特許出願公開第19745953号明細書
【0005】
この他に、電子盗難防止装置については、特許文献3により公知のものがある。この文献には、特に推奨される構造として、バーコードと組み合わせた極小型の受動トランスポンダが開示されており、その受信器は、二種類の送信周波数と協調することで、送信機の基準波の反射に応答しないようになっている。高周波技術領域における従来の送受信手段の形態、もしくはストリップライン技術を用いたアレイアンテナの形態とした、静止型の送信手段を設けることで、トランスポンダにて識別された製品がその静止型送受信ユニットにて発生した電磁場を通過する時、受動トランスポンダが励磁して、電波を発生するものであり、この受動トランスポンダより発する電波を用いて、アラーム信号を起こすことができる。
【特許文献3】西独国特許出願公開第3807936号明細書
【0006】
ファイルを見つけ出す装置として、特許文献4により公知のものがある。これは、トランスポンダ様式の信号送信機を各ファイルに取り付けて、該トランスポンダより送信される符号化した信号を送受信手段にて検出するものであり、該送受信手段は、好ましくは天井部分に取り付けてから、内部管理目的のデータベースに便利なように構成したものとなっている。中央コンピュータは、適用化した方ルーチンを用いて、実存のデータ記録を処理し、どのファイルでも、ファイルストックにおけるその現状位置をいつでも特定できるようにしている。
【特許文献4】独国特許出願公開第10033557号明細書
【0007】
また、トランスポンダ(受動または能動機能構造)のセットアップ及び改良用の様々な装置については、例えば特許文献5や特許文献6に見出すことができる。
【特許文献5】欧州特許第1040447号明細書
【特許文献6】欧州特許第0762535号明細書
【0008】
物品保護の従来技術分野では、装置を、物品を特定の領域に置くと直ちに、その物品に付いた信号送信機をはっきりと認識するものとしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、特定の領域、特には閉じられた建物や建物の区域内から、物品が許可なく移されていないかどうかを確認可能とする包括的な方法を改善し、その方法を用いて、搬出について是認された物品を何ら障害なく保護領域から搬出できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成すべく、本発明に係る物品の保護方法は、受信手段により識別手段の存在を検出するという方法を用いるものであって、即ち、該物品に識別手段を備え、もしくは接続したものであり、輸送の間に、該識別手段が保護される物品を受信ユニットにより検出し、該受信ユニットが該識別手段の有無を検出し、該識別手段の有無を照合する電子データを記憶し、該電子データにより、受信ユニットが受けた信号と前記識別手段とを一義的に関連付け、保護対象である物品を運ぶ人物を特定する情報を検出するものとなっている。
【0011】
この方法により、物品を保護する識別手段における変更の必要なく、また、物品を保護領域より搬出するように認証された人物を妨害することなく、多数の物品を建物から搬出することができる。
【0012】
前記発明の第一の推奨例は、前記の保護対象物品を搬送している人物について、自動検証過程において該人物の認証IDバッジをチェックすることで、検出することを特徴とする。
【0013】
更に、前記の保護対象物品を搬送している人物をビデオ録画するという方法を採ることが好ましい。
【0014】
また、前記発明の一つの推奨例は、前記の保護対象物品の識別データと、該物品を搬送する人物の識別データとを、別個に検出し、外部からのアクセスに対して特別に保護されたデータ領域にて、該物品の識別データ及び/または該人物の識別データを保護することを特徴とする。
【0015】
また、前記本発明の一つの推奨例は、認証なしに保護領域より物品を搬出した人物を特定しつつ、保護領域からの物品の搬出を認証された人物の識別データへのアクセスを回避可能とするものである。
【0016】
保護すべき個人データへのアクセスを回避するには、保護領域より搬出された物品のうち、どの物品が戻されたかを確認することが特に好ましい。
【0017】
更には、前記保護領域に保護対象物品が戻されると、該保護領域からの該物品の搬出についての電子データを消去するという方法を採ることが好ましい。
【0018】
更に、所定期間内で前記保護領域に物品が戻されたか否かをチェックし、保護対象物品のいずれかが所定期間内に該保護領域に戻されていない場合は自動処理ルーチンを始動することが好ましい。
【0019】
この方法により、保護対象物品の搬出についての検出を、当該検出が原因で認証された保護対象物品の搬送手続きを妨げることなく、自動的な手段で行うことができる。
【0020】
更に、この自動処理ルーチンには、警告発令を含ませることが好ましい。
【0021】
前記発明のその他の推奨例は、少なくとも一つの認証コードが入力された後にのみ、前記保護領域へのアクセスが可能となることを特徴とする。
【0022】
更に、特別の保護領域へのアクセスについては、二つの異なる認証コードが別個に入力された後にのみ当該アクセスが可能となるようにすることが好ましい。
【0023】
他の発明としては、保護領域内の保護対象物品を保護する方法であって、該物品に送信機を備え、該送信機にて、符号化した信号を受信領域内に送信し、受信ユニットにて検出した符号化した信号を検出して、電子処理可能な符号化したデータに変換する方法において、該受信ユニットにより該電子データを増幅し、インターフェイスを介して該電子データを第一のデータ伝達線に送信して、該符号化したデータをデータ記憶手段に記憶し、該符号化したデータを受信した時にビデオデータの受信ユニットを作動して、該ビデオデータを記憶するものである。
【0024】
さらに他の発明としては、閉じた建物内の保護対象物品を保護する装置であって、該物品に送信機を備え、該送信機にて、符号化した信号を受信領域内に送信し、受信ユニットにて検出した符号化した信号を検出して、電子処理可能な符号化したデータに変換するものである。
【0025】
この装置は、受信ユニットを設けており、これにより該電子データを増幅するとともに、インターフェイスを設けて、第一のデータ伝達線により該インターフェイスを該受信ユニットに接続するものであり、該インターフェイスは、該符号化したデータをデータ送信ネットワークに送信可能であり、該データ送信ネットワークを通じて、データの所有及び記憶のためにデータアーカイブに接続されており、これにより、該データアーカイブに該符号化したデータを記憶し、該符号化したデータにてスイッチ操作を起こし、前記受信領域の近傍に配されたビデオ処理機能を有する記録ユニットを作動して、第二のデータ伝達線によりビデオ録画したデータを該アーカイブに送信、記憶させ、前記の符号化した信号の結果、何も受信されない期間が経過した後、前記ビデオデータとともに予め符号化しておいた物品の記憶済みデータの読み取りを引き起こすものであることを特徴とする。
【0026】
この装置の一つの推奨例として、前記の符号化した信号を受信及び増幅する受信ユニットは、電磁波、音波、赤外線のうち少なくとも一つの型式の信号を処理可能とするものである。
【0027】
更に、前記受信ユニットは、信号の伝達を許可することが好ましい。
【0028】
また、前記の第一及び第二のデータ伝達線は、それぞれ、データを無損失で伝達する手段であることも好ましい。
【0029】
また、前記装置の一つの推奨例として、前記第一のデータ伝達線を、RS232ケーブルとするものである。
【0030】
更に、前記第二のデータ伝達線を、同軸ケーブルとすることが好ましい。
【0031】
また、前記装置の一つの推奨例として、前記インターフェイスがゲートウェイである。
【0032】
更に、前記インターフェイスとともに前記受信ユニットを、共有電源を備えたユニットとすることが好ましい。
【0033】
また、前記装置の一つの推奨例として、前記データ送信ネットワークは、少なくとも一つのRS485バスと少なくとも一つのデータ伝達線とよりなるものとする。
【0034】
更に、前記データ伝達線を、RS485ケーブルとすることが好ましい。
【0035】
また、前記装置の一つの様態として、前記データ送信ネットワークに少なくとも一つのデータアーカイブを接続するものである。
【0036】
更に、前記データアーカイブは、一つ以上四つ以下のFBAS(BNC)ビデオ入力部を備えていることが好ましい。
【0037】
また、前記装置の一つの推奨例として、前記データアーカイブをローカルネットワークに接続することにより、前記ネットワーク内の異なる位置に対し該データアーカイブからのデータを評価目的で供給するものである。
【0038】
更に、前記ローカルネットワークをイーサネット(登録商標)とすることが好ましい。
【0039】
また、前記装置の一つの推奨例として、前記データを、インターネット規格処理手段を有するコンピュータにて評価するものである。
【0040】
更に、前記データアーカイブをデジタルデータアーカイブとすることが好ましい。
【0041】
或いは、前記装置の一つの様態として、前記デジタルデータアーカイブは、前記データの記憶のためにハードディスクを用いるものである。
【0042】
更に、前記データアーカイブをアナログデータアーカイブとすることが好ましい。
【0043】
前記装置の一つの推奨例として、前記の符号化した信号を供給する送信機は、電磁波、音波、赤外線のうち少なくとも一つの型式の信号を供給するものである。
【0044】
更に、前記の符号化した信号を供給する送信機を、トランスポンダとすることが好ましい。
【0045】
また、前記装置の一つの推奨例として、前記送信機を、準能動トランスポンダとするものである。
【0046】
更に、前記物品を、好ましくは、ファクス装置、携帯電話、レーザービーム発生装置、データ媒体、ファイル等のオフィスの目録に含まれるものとする。
【発明の効果】
【0047】
本発明に係る方法により、物品を保護する識別手段における変更の必要なく、また、物品を保護領域より搬出するように認証された人物を妨害することなく、多数の物品を建物から搬出することができる。
【0048】
また、前記発明の第一の推奨例であるIDバッジをチェックにより、特に簡単かつ信頼性の高い方法で、保護領域より保護対象物品を搬出したのがどの人物かを確認できる。
【0049】
更に、保護対象物品を搬送している人物をビデオ録画するという方法により、前記同様に、保護領域より保護対象物品を搬出した人物について信頼性の高い識別を行うことができる。
【0050】
また、前記発明の一つの推奨例である、前記の保護対象物品の識別データと、該物品を搬送する人物の識別データとを、別個に検出し、外部からのアクセスに対して特別に保護されたデータ領域にて、該物品の識別データ及び/または該人物の識別データを保護するという方法は、特に、保護領域で作業する多数の人物が個々に特別に保護すべき守秘権を持つような場合に好適である。
【0051】
特に、この推奨例によって、認証された保護対象物品の搬送手続きの、該物品を搬送する人物に対する何らかの関連づけを回避することができる。
【0052】
例えば、この方法により、特別な先行条件下でのみ、アクセスする人物の識別データ、及び/または、保護対象物品の識別データにリンクされた人物の識別データを、記憶することができる。
【0053】
また、保護領域より搬出された物品のうち、どの物品が戻されたかを確認し、更には、前記保護領域に保護対象物品が戻されると、該保護領域からの該物品の搬出についての電子データを消去するという方法を採ることは、記憶したデータを誤使用してしまう危険性を低減し、また、該データの記憶に必要な記憶スペースを低減できる点で有効である。
【0054】
更に、所定期間内で前記保護領域に物品が戻されたか否かをチェックし、保護対象物品のいずれかが所定期間内に該保護領域に戻されていない場合は自動処理ルーチンを始動するという方法により、保護対象物品の搬出についての検出を、当該検出が原因で認証された保護対象物品の搬送手続きを妨げることなく、自動的な手段で行うことができる。
【0055】
本発明の更なる効果、特徴、推奨例については、以後の請求の範囲や、以後の図面を参照しての推奨列の説明に見出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
図1は、本発明に係る装置の略図である。
【0057】
本発明に係る該装置には、好ましくは、保護対象物品に配設した送信機の符号化したデータに加えて、記録したビデオデータを処理するコンピュータが備えられている。
【0058】
ここで、「コンピュータ」というものについては、どのような構成でもよい。即ち、コンピュータ処理のできるユニットであれば、ワークステーション、パーソナルコンピュータ、マイクロコンピュータ、或いはコンピュータ処理や対比照合に適した回路構造等、どのようなものでもよい。
【0059】
「アーカイブ」とは、特に、データや情報を体系的に編集・管理するものとした、上位のコンピュータ制御されたメモリを指すものである。このアーカイブの内容は、少なくとも一つのデータ処理に適した手段を用いた、構造的な方法で、問い合わせ及び出力される。このデータ処理手段は、大記憶装置に記憶すべく、データを論理問題向きに構造化したものとしてもよい。
【0060】
また、よく知られる記号指向構造のものとして、BASIC、PASCAL、C(++)、COBOL、Java(登録商標)等の略称のものが知られており、これらは、複雑なシステムを開発するのに用いられる。ここで、インターネットとは、データ回線を介して物理的に接続されるものに加えて、一様なインターネットのプロトコルアドレスのセットアップで構造的に接続される、「ゲートウェイ」コンピュータの、開かれた巨大ネットワークとして解釈すべきものである。
【0061】
本発明に係る装置において用いる場合のように、コンピュータ制御されたネットワークとは、データ処理手段の複雑なシステム、及び、該データ処理手段を接続するデータ回線よりなるものとされ、こうして、所定の構造により、一つのネットワークを他のネットワークより区別させることができる。
【0062】
従って、ネットワークを通じて相互に接続された、いくつかのデータ処理手段、中央記憶媒体やデータ、プリンタ、スキャナ等の全てを共有することができる。その他、以下のようなネットワークが知られている。
(1)立体的に限られた領域において相互に接続された複数のコンピュータよりなる「ローカルエリアネットワーク(LAN)」。
(2)電話回線にて広域にわたって相互に接続された複数のコンピュータよりなる「ワイドエリアネットワーク(WAN)」。
(3)世界中に跨がるネットワークである「グローバルエリアネットワーク(GAN)」。
(4)同種のコンピュータ及びソフトウェアよりなる同種間ネットワーク。
(5)異種のコンピュータ及びソフトウェアよりなる異種間ネットワーク。
【0063】
LANとは、好ましくは、立体的に限られた領域において、サーバーを介しての伝達を可能とし、これにより情報交換を可能とする、データ送信ネットワークを指すものである。従来、「クライアント」及び「サーバー」という用語は、ネットワーク内のコンピュータについて、即ち、複数のクライアントに対しサーバーが応じるという方法について用いるものである。サーバーは、クライアントに対し、例えば記憶内容、演算時間、ファイル等を提供する。LANの典型例としては、大学や企業におけるネットワークコンピュータである。接続したステーションにおいては、データや周辺機器(プリンタ、モデム等)の管理を共有する。典型的なLANとして、バス原理で作動する「イーサネット(登録商標)」がある。イーサネット(登録商標)は、現在、通常ケーブル及び同軸ケーブルを用いて、10Mbpsに匹敵する速度で作動する。より新しい「ファストイーサネット(登録商標)」ならば、100Mpsもの送信速度が可能である。更に、LANは、他のLANに接続が可能なネットワークであって、複数の垂直状のLANによりVLANが構築される。
【0064】
インターネットにおける典型的な実行態様として、その他に、(1)他のコンピュータにプログラムをロードするための「テルネット」、(2)他のコンピュータにファイルを移動するための「FTP(ファイルトランスファープロトコル)」、(3)「ワールドワイドウェブ(WWW)」、(4)世界中の情報システムに話題特定アクセスを行うための「ゴッファー」がある。また、インターネットは、世界的規模のネットワークであるGANとして、TCP/IP(トランスミッションコントロールプロトコル/インターネットプロトコル)を介してリンクされて、これらのプロトコルのセットとなっている。これらのプロトコルは双方に補完し合う(TCPはIPの制御プロトコルである)ので、両者一度に言及されることが多い。
【0065】
インターネットに基づく構造の典型例として、WWWでのハイパーテキスト文献の交換を決定し、TCP/IPに基づく「ハイパーテキストマークアップランゲージ(HTML)」がある。ここで、ハイパーテキストとは、特定の語句や記号をアクティブにすることでトリガー可能な視覚上のインターフェイスに描かれたテキスト文献をいう。インターネットに基づく構造のその他の例としては、HTMLの改良版である「エクステンシブルマークアップランゲージ(XML)」がある。XMLにより、WWWでのデータ送信上、複雑なハイパーテキスト文献を非常に簡単なものにすることができる。XMLは、特にインターネットの「eコマース」領域にて広範囲に使用されている。
【0066】
本発明に係る装置の一推奨例においては、インターフェイスを用いるものである。インターフェイスは、ソフトウェアまたはハードウェアシステム間の接続サイトを構成するものであって、ソフトウェアインターフェイスは、例えばデータの転換等により、一つのプログラムから他のプログラムへとデータを移動させる方法である。さらに、ハードウェアインターフェイスを用いてもよい。ハードウェアインターフェイスの一推奨例としては、データ送信ネットワークに、電子符号化したデータを接続するものである。
【0067】
その他のハードウェアインターフェイスの一推奨例は、ゲートウェイコンピュータである。以後、これをゲートウェイと称する。ゲートウェイは、例えば互換性のあるネットワークと互換性のないネットワークとを接続するノードコンピュータとしてもよく、これにより、同種間ネットワークと異種間ネットワークとの接続が可能である。ゲートウェイにより、例えば、複雑なルールを用いなくても、複数のコンピュータよりなるネットワークをメインフレームコンピュータに接続することができる。ゲートウェイは、該ゲートウェイに潜むネットワークアドレスに対応するネットワークアドレスを有する全てのデータパッケージを転送する。ルーチングテーブルは、そのデータパッケージを最終届け先のアドレスに移送可能な受取人に、想定される同様の他のゲートウェイをアドレスする。ゲートウェイは、例えば、電子メールとデータを交換可能とするために、二つの互換性のないeメールシステムに用いられる。また、データ送信ネットワークに対するデータ接続にも有用である。
【0068】
データ伝達線により、ネットワーク内の各種要素間や、ネットワークへの接続に用いられるその他のもの同士間の接続が可能であり、これにより、外部ユニットとネットワークとの間のリンク要素を構成する。ここで、上述のインターフェイスが極めて有利な接続サイトであることがわかる。接続すべき要素の典型例としては、サーバー、クライアント、インターフェイス、ルーターがある。特に好適な例としては、信号受信器間、インターフェイス間、データアーカイブ間、或いはビデオ手段間における接続がある。現在は多数の様々なデータ伝達線が存在するが、特に、同軸ライン、RS232ライン、RS485ラインを用いるのがよいことが知られている。
【0069】
大凡、RS232規格は、その電子的及び機械的プロパティにより、データ端子とデータ送信手段との間を順次に接続するものとされている。さらに、本発明に係る装置におけるRS232インターフェイスやRS232データ伝達線は、特に短距離間での順次のデータ送信に効果があることがわかっている。RS232規格の標準的なプラグ接続は、25ポールSUB−Dプラグである。RS232データ伝達線で到達可能な送信距離の指針は、15〜30メーターである。
【0070】
RS485規格(インターフェイス或いはライン)はRE232規格の拡張版であって、最大32のサービス利用者のための双方向バスシステムとして設計されたものである。この二つのインターフェイスの物理的な違いは無視してよい程度のものである。RS485規格は長距離用のものであって、インターフェイスとデータアーカイブとの接続にはRS485データ伝達線を用いるのが有利であることが知られている。
【0071】
本発明に係る方法による特別な効果として、データ保護に関する必要事項を単一に実現できる点がある。ここで、データ保護については、記憶した電子データの保護だけでなく、データラインを介してのデータ送信中における電子データの保護のための方策全体をいう。その方策は、基本的には、(1)ハードウェア保護、(2)ソフトウェア保護、(3)データ媒体保護、(4)秩序化の、四つの分野に及ぶ。本発明に係る方法では、特別に外部アクセスより保護されるデータ領域にて、物品の識別データ及び/または人物の識別データを保護することで、データ保護を達成するものである。さらに、保護領域からの物品の搬出に関する電子データを、該保護対象物品が該保護領域に戻される度に消去するものである。
【0072】
さらに、データ保護を理由として、物品が所定期間に保護領域に戻されたか否かをチェックし、保護対象物品が一つでも所定期間に戻っていなければ自動処理ルーチンを起動することも効果的である。さらに、少なくとも一つの認証コードが入力されてから、保護データへのアクセスを可能とするものである。特に保護すべきデータ領域については、二つの異なる認証コードが個々に入力されてからアクセス可能とするものである。
【0073】
原則的に、保護対象物品の確実な識別のためには、複数の異なる識別手段を適用する。
【0074】
保護領域に出入りする人物がその出入りを邪魔されることを最小限にするために可能性のある手段の中で、最も自動化された表示手段を達成するのには、トランスポンダを用いることがよい。
【0075】
原則的に、本発明に係る様々な実施例において、あらゆる種類のトランスポンダが適用される。
【0076】
本発明に係る物品保護システムを実行するための方法や装置だけでなく、本発明に係る物品保護システムにおいて使用するトランスポンダとして、準能動トランスポンダや能動トランスポンダのみならず受動トランスポンダも好適である。
【0077】
高検出率を確保しつつ信頼性の高い物品の識別を行うには、準能動トランスポンダがよい。
【0078】
準能動トランスポンダは、出荷信号により励起し、信号を発生する。
【0079】
好ましくは、第一周波数の電磁信号により準能動トランスポンダを作動し、この作動により準能動トランスポンダを励起して、第二周波数の電磁信号を発するものである。
【0080】
例えば、第一周波数として、125KHzの電磁場で作動する準能動トランスポンダを用いる。特に有効な作動周波数は、5〜200KHzである。また、MHz域の第一周波数で作動する準能動トランスポンダを用いてもよい。
【0081】
この方法で、数メートルの、好ましくは1〜10メートルの作動距離を達成できる。
【0082】
第一周波数の電磁場による作動で、準能動トランスポンダは、信号を発生する。好ましくは、このトランスポンダより発する電磁信号を、該準能動トランスポンダの作動に使用される電磁場とは異なる周波数域で送信するものである。
【0083】
推奨例としては、準能動トランスポンダの信号発生周波数域を、数100MHz、例えば、433MHzのラジオ周波数域とするものである。
【0084】
特には、トランスポンダにて発生する信号に、適用可能なトランスポンダの番号を含ませることで、トランスポンダを保護対象物品の識別手段として用いるものである。
【0085】
各準能動トランスポンダには、例えばバッテリ等の、独自の電源を備えていることが好ましい。
【0086】
トランスポンダより発する信号領域については、そのトランスポンダの検出信頼性を確保するのに十分な大きさのものを選択するとよい。好ましくは数メートル、なお好ましくは約2〜50メートルである。ここでは、検出器からの距離をより長くし、かつ、保護領域から持ち出されていない物品の誤検出を回避しつつ、保護領域から持ち出される全ての物品について信頼性の高い検出ができるように、20〜30メートルの送信領域を設定することが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0087】
検出領域或いは送受信領域(好ましくは電磁場)に信号送信機を設けるという手段は、アラーム信号の発生、或いは該信号送信機に含まれた符号化したデータの記録及び記憶に用いられる。用途としては大多数のものを実現可能である。物品に付設した信号送信機を用いて符号化した信号を発生するという手段を用いて、受信した該符号化したデータを別途メモリーに記憶して、これをデータ処理ルーチンに接続するものとした装置または方法においては、通常、データ処理ルーチンを、以下のシーケンスに用いている。すなわち、信号を検出すると、その信号が、どの物品(任意によりどの時期において)を符号化したものかということに基づく結果を導き出し、その結果を検出領域と相互に作用させ、検出領域の位置をもとに、物品の現在位置についての間接的な結論を得るのである。
【0088】
確かに本発明は、原則的に、通例の商品保護手段と組み合わせることができ、また、原則的に、通例の商品保護システムを応用して本発明を実行できるものであるが、それ以上の幅広い機能態様が本発明によって可能である。
【0089】
特には、本発明により、搬出のためにわざわざ保護ラベルを非作動状態にしたり取り外したりしなくても保護対象物品を保護領域から搬出することができる商品保護システムを操作可能である。
【0090】
また特には、本発明により、保護ラベルを非作動状態にするという要件を課さなくても、保護対象物品の認証されていない搬出を効果的に回避することができるような商品保護システムを実行できる。
【0091】
実現可能な機能として、さらに広範囲に考えてみれば、以下のような例が挙げられる。即ち、複合建造物(好ましくはオフィスビル)内における、ファクス、携帯電話、携帯型コンピュータ、レーザービーム発信器、データ媒体等についての共用であって、これには、該複合建造物内で、従業者が原則的に、使用と、必要であれば上述の物品を搬出することについて許可されるような装置を構築することが要求される。そして、物品の搬出に際しては、好ましくは、その物品を該建物内の領域から搬出するか或いは建物自体より搬出する場合にはいつでも、物品を搬出した人物と物品との間のリンクを可能とする手続きを伝授されるものである。
【0092】
このリンクにより、誰がどのように検出領域を通って件の物品を搬送したかについての結果を導き出すことができる。一方、物品と問題の物品の搬送者とを確実にリンク可能とすることで、搬送者、というよりもむしろ、保護対象物品の所有者について、即座の識別が常にはできないようにすることができる。一つの可能性としては、物品へのアクセス権を持つ人物全てに、別途、検出領域に入るやすぐに受信器に人物特定データを発生するような個別の信号送信機を付与することが考えられる。
【0093】
本発明は、例えば企業IDバッジのような人物毎の識別手段として、検出領域においてその発信する信号がカード搬送車とリンク可能であるような別途のトランスポンダを用いることが可能なので、例えばオフィスビルのように、特に閉鎖された建物について好適である。想定し得る装置としては、物品に付設したトランスポンダからの符号化した信号と、企業IDバッジに付設した別個のトランスポンダからの別の符号化した信号とを照合させることにより、それが検出領域に入った時に全ての符号化したデータを記録した記憶手順を引き起こすものである。しかし、このような物品保護装置がうまくいくかどうかは、人物特定手段を身につけるかどうかにかかっている。さらにいえば、部外の識別手段を身につけることで、誤ったリンクがなされる可能性もある。
【0094】
本発明に係る物品保護システムのその他の様態としては、物品が多数の認証されたユーザーにて同時に用いられた場合のデータ保護要件に対応するものであり、この場合、物品のいかなる認証なしの搬出でも確認し、また、データ保護要件に対応しつつ該物品を搬出した人物に対してのリンクを可能とするようなシステムにおいて、物品をいつでも記録することが必要である。
【0095】
このように、本発明は、特に、閉鎖された建物内での使用に適した、極めて効果的な、データ保護された物品の保護システムを提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明に係る装置の略図である。
【符号の説明】
【0097】
(1) 受信ユニット
(2) インターフェイス
(3) データ送信ネットワーク
(4) データアーカイブ
(5) ローカルネットワーク
(6) コンピュータ
(7) 受信ユニット
(8) 送信機
(9) 第一データ伝達線
(10)第二データ伝達線

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品、好ましくは閉じられた建物内で、物品を保護する方法及び装置に関し、特にオフィスの目録に記載された物品の保護に関するものである。
【0002】
更に、本発明は、信号を検出および記憶する装置に関し、その信号は物品に付いた送信機により送信され、各物品について固有の符号を持っている符号化。
【背景技術】
【0003】
出荷された道具や備品を保護する装置について、特許文献1により公知のものがある。これは、128ビットの情報を用いて、道具の型式や通常の作業場に関する通し番号及び情報に関するデータを包含するトランスポンダを、ワンセットの道具の項目毎に付与したものである。これに関し、通常の作業場としては、道具に付与したトランスポンダと信号をやり取りするための置型受信機備えられているのであれば、道具箱でも特定の貯蔵所でもよい。一方、受信器はコンピュータに接続され、このコンピュータは、道具箱内や作業場にある道具に付したトランスポンダより送信され該受信器が受信した信号を、評価できるものとなっている。したがって、内部作業中のどの時点でも、特定の道具箱や作業場内における道具の現状を見ることができる。この装置の別実施例としては、各作業者の持つ道具箱の開閉手段を用いて、作業者毎に専用のトランスポンダを割り当てられている。
【特許文献1】独国実用新案第20011952号明細書
【0004】
特許文献2には、基地局を通じて商品保護ラベルを自動的に検出し識別する装置が開示されている。保護すべき製品に付された商品保護ラベルには、基地局と通信するための、それ自身のNF送受信ユニットを有するトランスポンダが含まれている。例えば、トランスポンダが基地局にて発生する電磁場の作用領域に入ると、基地局は制御信号を送信し、これをトランスポンダが受信して応答信号を送信する。さらにこの応答信号が基地局にて処理されて、チェックが通れば、基地局にて送信パルスを起こし、これをトランスポンダが受信する。この送受信シーケンスを用いて、監視していなくてもアラームを引き起こすような予め特定しておいたチェック基準を統合してもよい。推奨例としては、基地局の電磁場の作用領域に配したいくつかのトランスポンダのアラーム信号を同期化することで、該基地局による受信したアラーム信号の認識を確実にするものである。
【特許文献2】独国特許出願公開第19745953号明細書
【0005】
この他に、電子盗難防止装置については、特許文献3により公知のものがある。この文献には、特に推奨される構造として、バーコードと組み合わせた極小型の受動トランスポンダが開示されており、その受信器は、二種類の送信周波数と協調することで、送信機の基準波の反射に応答しないようになっている。高周波技術領域における従来の送受信手段の形態、もしくはストリップライン技術を用いたアレイアンテナの形態とした、静止型の送信手段を設けることで、トランスポンダにて識別された製品がその静止型送受信ユニットにて発生した電磁場を通過する時、受動トランスポンダが励磁して、電波を発生するものであり、この受動トランスポンダより発する電波を用いて、アラーム信号を起こすことができる。
【特許文献3】西独国特許出願公開第3807936号明細書
【0006】
ファイルを見つけ出す装置として、特許文献4により公知のものがある。これは、トランスポンダ様式の信号送信機を各ファイルに取り付けて、該トランスポンダより送信される符号化した信号を送受信手段にて検出するものであり、該送受信手段は、好ましくは天井部分に取り付けてから、内部管理目的のデータベースに便利なように構成したものとなっている。中央コンピュータは、適用化した方ルーチンを用いて、実存のデータ記録を処理し、どのファイルでも、ファイルストックにおけるその現状位置をいつでも特定できるようにしている。
【特許文献4】独国特許出願公開第10033557号明細書
【0007】
また、トランスポンダ(受動または能動機能構造)のセットアップ及び改良用の様々な装置については、例えば特許文献5や特許文献6に見出すことができる。
【特許文献5】欧州特許第1040447号明細書
【特許文献6】欧州特許第0762535号明細書
【0008】
物品保護の従来技術分野では、装置を、物品を特定の領域に置くと直ちに、その物品に付いた信号送信機をはっきりと認識するものとしている。
【0009】
特許文献7においては、利用者に貸し出す物品個々にトランスポンダを付与した、物品の備品管理システムが開示されている。物品のチェックアウトカウンタにて、チェックアウトを受ける物品に対する利用者の識別情報とともに、トランスポンダより発する信号を検出し、データベースに送信する。物品が一以上の返却領域に戻されると、ここで返却された物品のトランスポンダ信号を検出し、該データベースに送信するものである。
【特許文献7】米国特許第6195006号明細書
【0010】
特許文献8においては、物品の識別コードを含む信号を送信するトランスポンダを物品に付与した、店舗の物品保護システムが開示されている。当システムにおいては、複数のキャッシュレジスタと、購入された物品の識別コードを記憶するコンピュータとが備えられており、店舗の出口部分にて、日付及び時刻とともに該識別コードを検出し、該日付及び時刻の表示とともに、物品を搬送する人物のビデオ画像を記録する。窃盗かどうかを認識するため、通常は、キャッシュレジスタにて検出した識別コードを該出口部で検出したコードと比較し、該当のビデオデータを鑑定する。
【特許文献8】米国特許第5745036号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、特定の領域、特には閉じられた建物や建物の区域内から、物品が許可なく移されていないかどうかを確認可能とする包括的な方法を改善し、その方法を用いて、搬出について是認された物品を何ら障害なく保護領域から搬出できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的は、本発明に係る請求項1の装置により達成される。
【0013】
即ち、これは、物品の保護方法として、受信手段により識別手段の存在を検出するという方法を用いるものであって、即ち、該物品に識別手段を備え、もしくは接続したものであり、輸送の間に、該識別手段が保護される物品を受信ユニットにより検出し、該受信ユニットが該識別手段の有無を検出し、該識別手段の有無を照合する電子データを記憶し、該電子データにより、受信ユニットが受けた信号と前記識別手段とを一義的に関連付け、保護対象である物品を運ぶ人物を特定する情報を検出するものとなっている。
【0014】
この方法により、物品を保護する識別手段における変更の必要なく、また、物品を保護領域より搬出するように認証された人物を妨害することなく、多数の物品を建物から搬出することができる。
【0015】
前記発明の第一の推奨例は、前記の保護対象物品を搬送している人物について、自動検証過程において該人物の認証IDバッジをチェックすることで、検出することを特徴とする。
【0016】
更に、前記の保護対象物品を搬送している人物をビデオ録画するという方法を採ることが好ましい。
【0017】
また、前記発明の一つの推奨例は、前記の保護対象物品の識別データと、該物品を搬送する人物の識別データとを、別個に検出し、外部からのアクセスに対して特別に保護されたデータ領域にて、該物品の識別データ及び/または該人物の識別データを保護することを特徴とする。
【0018】
また、前記本発明の一つの推奨例は、認証なしに保護領域より物品を搬出した人物を特定しつつ、保護領域からの物品の搬出を認証された人物の識別データへのアクセスを回避可能とするものである。
【0019】
保護すべき個人データへのアクセスを回避するには、保護領域より搬出された物品のうち、どの物品が戻されたかを確認することが特に好ましい。
【0020】
更には、前記保護領域に保護対象物品が戻されると、該保護領域からの該物品の搬出についての電子データを消去するという方法を採ることが好ましい。
【0021】
更に、所定期間内で前記保護領域に物品が戻されたか否かをチェックし、保護対象物品のいずれかが所定期間内に該保護領域に戻されていない場合は自動処理ルーチンを始動することが好ましい。
【0022】
この方法により、保護対象物品の搬出についての検出を、当該検出が原因で認証された保護対象物品の搬送手続きを妨げることなく、自動的な手段で行うことができる。
【0023】
更に、この自動処理ルーチンには、警告発令を含ませることが好ましい。
【0024】
前記発明のその他の推奨例は、少なくとも一つの認証コードが入力された後にのみ、前記保護領域へのアクセスが可能となることを特徴とする。
【0025】
更に、特別の保護領域へのアクセスについては、二つの異なる認証コードが別個に入力された後にのみ当該アクセスが可能となるようにすることが好ましい。
【0026】
他の発明としては、保護領域内の保護対象物品を保護する方法であって、該物品に送信機を備え、該送信機にて、符号化した信号を受信領域内に送信し、受信ユニットにて検出した符号化した信号を検出して、電子処理可能な符号化したデータに変換する方法において、該受信ユニットにより該電子データを増幅し、インターフェイスを介して該電子データを第一のデータ伝達線に送信して、該符号化したデータをデータ記憶手段に記憶し、該符号化したデータを受信した時にビデオデータの受信ユニットを作動して、該ビデオデータを記憶するものである。
【0027】
さらに他の発明としては、閉じた建物内の保護対象物品を保護する装置であって、該物品に送信機を備え、該送信機にて、符号化した信号を受信領域内に送信し、受信ユニットにて検出した符号化した信号を検出して、電子処理可能な符号化したデータに変換するものである。
【0028】
この装置は、受信ユニットを設けており、これにより該電子データを増幅するとともに、インターフェイスを設けて、第一のデータ伝達線により該インターフェイスを該受信ユニットに接続するものであり、該インターフェイスは、該符号化したデータをデータ送信ネットワークに送信可能であり、該データ送信ネットワークを通じて、データの所有及び記憶のためにデータアーカイブに接続されており、これにより、該データアーカイブに該符号化したデータを記憶し、該符号化したデータにてスイッチ操作を起こし、前記受信領域の近傍に配されたビデオ処理機能を有する記録ユニットを作動して、第二のデータ伝達線によりビデオ録画したデータを該アーカイブに送信、記憶させ、前記の符号化した信号の結果、何も受信されない期間が経過した後、前記ビデオデータとともに予め符号化しておいた物品の記憶済みデータの読み取りを起こすものであることを特徴とする。
【0029】
この装置の一つの推奨例として、前記の符号化した信号を受信及び増幅する受信ユニットは、電磁波、音波、赤外線のうち少なくとも一つの型式の信号を処理可能とするものである。
【0030】
更に、前記受信ユニットは、信号の伝達を許可することが好ましい。
【0031】
また、前記の第一及び第二のデータ伝達線は、それぞれ、データを無損失で伝達する手段であることも好ましい。
【0032】
また、前記装置の一つの推奨例として、前記第一のデータ伝達線を、RS232ケーブルとするものである。
【0033】
更に、前記第二のデータ伝達線を、同軸ケーブルとすることが好ましい。
【0034】
また、前記装置の一つの推奨例として、前記インターフェイスがゲートウェイである。
【0035】
更に、前記インターフェイスとともに前記受信ユニットを、共有電源を備えたユニットとすることが好ましい。
【0036】
また、前記装置の一つの推奨例として、前記データ送信ネットワークは、少なくとも一つのRS485バスと少なくとも一つのデータ伝達線とよりなるものとする。
【0037】
更に、前記データ伝達線を、RS485ケーブルとすることが好ましい。
【0038】
また、前記装置の一つの様態として、前記データ送信ネットワークに少なくとも一つのデータアーカイブを接続するものである。
【0039】
更に、前記データアーカイブは、一つ以上四つ以下のFBAS(BNC)ビデオ入力部を備えていることが好ましい。
【0040】
また、前記装置の一つの推奨例として、前記データアーカイブをローカルネットワークに接続することにより、前記ネットワーク内の異なる位置に対し該データアーカイブからのデータを評価目的で供給するものである。
【0041】
更に、前記ローカルネットワークをイーサネット(登録商標)とすることが好ましい。
【0042】
また、前記装置の一つの推奨例として、前記データを、インターネット規格処理手段を有するコンピュータにて評価するものである。
【0043】
更に、前記データアーカイブをデジタルデータアーカイブとすることが好ましい。
【0044】
或いは、前記装置の一つの様態として、前記デジタルデータアーカイブは、前記データの記憶のためにハードディスクを用いるものである。
【0045】
更に、前記データアーカイブをアナログデータアーカイブとすることが好ましい。
【0046】
前記装置の一つの推奨例として、前記の符号化した信号を供給する送信機は、電磁波、音波、赤外線のうち少なくとも一つの型式の信号を供給するものである。
【0047】
更に、前記の符号化した信号を供給する送信機を、トランスポンダとすることが好ましい。
【0048】
また、前記装置の一つの推奨例として、前記送信機を、準能動トランスポンダとするものである。
【0049】
更に、前記物品を、好ましくは、ファクス装置、携帯電話、レーザービーム発生装置、データ媒体、ファイル等のオフィスの目録に含まれるものとする。
【発明の効果】
【0050】
本発明に係る方法により、物品を保護する識別手段における変更の必要なく、また、物品を保護領域より搬出するように認証された人物を妨害することなく、多数の物品を建物から搬出することができる。
【0051】
また、前記発明の第一の推奨例であるIDバッジをチェックにより、特に簡単かつ信頼性の高い方法で、保護領域より保護対象物品を搬出したのがどの人物かを確認できる。
【0052】
更に、保護対象物品を搬送している人物をビデオ録画するという方法により、前記同様に、保護領域より保護対象物品を搬出した人物について信頼性の高い識別を行うことができる。
【0053】
また、前記発明の一つの推奨例である、前記の保護対象物品の識別データと、該物品を搬送する人物の識別データとを、別個に検出し、外部からのアクセスに対して特別に保護されたデータ領域にて、該物品の識別データ及び/または該人物の識別データを保護するという方法は、特に、保護領域で作業する多数の人物が個々に特別に保護すべき守秘権を持つような場合に好適である。
【0054】
特に、この推奨例によって、認証された保護対象物品の搬送手続きの、該物品を搬送する人物に対する何らかの関連づけを回避することができる。
【0055】
例えば、この方法により、特別な先行条件下でのみ、アクセスする人物の識別データ、及び/または、保護対象物品の識別データにリンクされた人物の識別データを、記憶することができる。
【0056】
また、保護領域より搬出された物品のうち、どの物品が戻されたかを確認し、更には、前記保護領域に保護対象物品が戻されると、該保護領域からの該物品の搬出についての電子データを消去するという方法を採ることは、記憶したデータを誤使用してしまう危険性を低減し、また、該データの記憶に必要な記憶スペースを低減できる点で有効である。
【0057】
更に、所定期間内で前記保護領域に物品が戻されたか否かをチェックし、保護対象物品のいずれかが所定期間内に該保護領域に戻されていない場合は自動処理ルーチンを始動するという方法により、保護対象物品の搬出についての検出を、当該検出が原因で認証された保護対象物品の搬送手続きを妨げることなく、自動的な手段で行うことができる。
【0058】
本発明の更なる効果、特徴、推奨例については、以後の請求の範囲や、以後の図面を参照しての推奨列の説明に見出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0059】
図1は、本発明に係る装置の略図である。
【0060】
本発明に係る該装置には、好ましくは、保護対象物品に配設した送信機の符号化したデータに加えて、記録したビデオデータを処理するコンピュータが備えられている。
【0061】
ここで、「コンピュータ」というものについては、どのような構成でもよい。即ち、コンピュータ処理のできるユニットであれば、ワークステーション、パーソナルコンピュータ、マイクロコンピュータ、或いはコンピュータ処理や対比照合に適した回路構造等、どのようなものでもよい。
【0062】
「アーカイブ」とは、特に、データや情報を体系的に編集・管理するものとした、上位のコンピュータ制御されたメモリを指すものである。このアーカイブの内容は、少なくとも一つのデータ処理に適した手段を用いた、構造的な方法で、問い合わせ及び出力される。このデータ処理手段は、大記憶装置に記憶すべく、データを論理問題向きに構造化したものとしてもよい。
【0063】
また、よく知られる記号指向構造のものとして、BASIC、PASCAL、C(++)、COBOL、Java(登録商標)等の略称のものが知られており、これらは、複雑なシステムを開発するのに用いられる。ここで、インターネットとは、データ回線を介して物理的に接続されるものに加えて、一様なインターネットのプロトコルアドレスのセットアップで構造的に接続される、「ゲートウェイ」コンピュータの、開かれた巨大ネットワークとして解釈すべきものである。
【0064】
本発明に係る装置において用いる場合のように、コンピュータ制御されたネットワークとは、データ処理手段の複雑なシステム、及び、該データ処理手段を接続するデータ回線よりなるものとされ、こうして、所定の構造により、一つのネットワークを他のネットワークより区別させることができる。
【0065】
従って、ネットワークを通じて相互に接続された、いくつかのデータ処理手段、中央記憶媒体やデータ、プリンタ、スキャナ等の全てを共有することができる。その他、以下のようなネットワークが知られている。
(1)立体的に限られた領域において相互に接続された複数のコンピュータよりなる「ローカルエリアネットワーク(LAN)」。
(2)電話回線にて広域にわたって相互に接続された複数のコンピュータよりなる「ワイドエリアネットワーク(WAN)」。
(3)世界中に跨がるネットワークである「グローバルエリアネットワーク(GAN)」。
(4)同種のコンピュータ及びソフトウェアよりなる同種間ネットワーク。
(5)異種のコンピュータ及びソフトウェアよりなる異種間ネットワーク。
【0066】
LANとは、好ましくは、立体的に限られた領域において、サーバーを介しての伝達を可能とし、これにより情報交換を可能とする、データ送信ネットワークを指すものである。従来、「クライアント」及び「サーバー」という用語は、ネットワーク内のコンピュータについて、即ち、複数のクライアントに対しサーバーが応じるという方法について用いるものである。サーバーは、クライアントに対し、例えば記憶内容、演算時間、ファイル等を提供する。LANの典型例としては、大学や企業におけるネットワークコンピュータである。接続したステーションにおいては、データや周辺機器(プリンタ、モデム等)の管理を共有する。典型的なLANとして、バス原理で作動する「イーサネット(登録商標)」がある。イーサネット(登録商標)は、現在、通常ケーブル及び同軸ケーブルを用いて、10Mbpsに匹敵する速度で作動する。より新しい「ファストイーサネット(登録商標)」ならば、100Mpsもの送信速度が可能である。更に、LANは、他のLANに接続が可能なネットワークであって、複数の垂直状のLANによりVLANが構築される。
【0067】
インターネットにおける典型的な実行態様として、その他に、(1)他のコンピュータにプログラムをロードするための「テルネット」、(2)他のコンピュータにファイルを移動するための「FTP(ファイルトランスファープロトコル)」、(3)「ワールドワイドウェブ(WWW)」、(4)世界中の情報システムに話題特定アクセスを行うための「ゴッファー」がある。また、インターネットは、世界的規模のネットワークであるGANとして、TCP/IP(トランスミッションコントロールプロトコル/インターネットプロトコル)を介してリンクされて、これらのプロトコルのセットとなっている。これらのプロトコルは双方に補完し合う(TCPはIPの制御プロトコルである)ので、両者一度に言及されることが多い。
【0068】
インターネットに基づく構造の典型例として、WWWでのハイパーテキスト文献の交換を決定し、TCP/IPに基づく「ハイパーテキストマークアップランゲージ(HTML)」がある。ここで、ハイパーテキストとは、特定の語句や記号をアクティブにすることでトリガー可能な視覚上のインターフェイスに描かれたテキスト文献をいう。インターネットに基づく構造のその他の例としては、HTMLの改良版である「エクステンシブルマークアップランゲージ(XML)」がある。XMLにより、WWWでのデータ送信上、複雑なハイパーテキスト文献を非常に簡単なものにすることができる。XMLは、特にインターネットの「eコマース」領域にて広範囲に使用されている。
【0069】
本発明に係る装置の一推奨例においては、インターフェイスを用いるものである。インターフェイスは、ソフトウェアまたはハードウェアシステム間の接続サイトを構成するものであって、ソフトウェアインターフェイスは、例えばデータの転換等により、一つのプログラムから他のプログラムへとデータを移動させる方法である。さらに、ハードウェアインターフェイスを用いてもよい。ハードウェアインターフェイスの一推奨例としては、データ送信ネットワークに、電子符号化したデータを接続するものである。
【0070】
その他のハードウェアインターフェイスの一推奨例は、ゲートウェイコンピュータである。以後、これをゲートウェイと称する。ゲートウェイは、例えば互換性のあるネットワークと互換性のないネットワークとを接続するノードコンピュータとしてもよく、これにより、同種間ネットワークと異種間ネットワークとの接続が可能である。ゲートウェイにより、例えば、複雑なルールを用いなくても、複数のコンピュータよりなるネットワークをメインフレームコンピュータに接続することができる。ゲートウェイは、該ゲートウェイに潜むネットワークアドレスに対応するネットワークアドレスを有する全てのデータパッケージを転送する。ルーチングテーブルは、そのデータパッケージを最終届け先のアドレスに移送可能な受取人に、想定される同様の他のゲートウェイをアドレスする。ゲートウェイは、例えば、電子メールとデータを交換可能とするために、二つの互換性のないeメールシステムに用いられる。また、データ送信ネットワークに対するデータ接続にも有用である。
【0071】
データ伝達線により、ネットワーク内の各種要素間や、ネットワークへの接続に用いられるその他のもの同士間の接続が可能であり、これにより、外部ユニットとネットワークとの間のリンク要素を構成する。ここで、上述のインターフェイスが極めて有利な接続サイトであることがわかる。接続すべき要素の典型例としては、サーバー、クライアント、インターフェイス、ルーターがある。特に好適な例としては、信号受信器間、インターフェイス間、データアーカイブ間、或いはビデオ手段間における接続がある。現在は多数の様々なデータ伝達線が存在するが、特に、同軸ライン、RS232ライン、RS485ラインを用いるのがよいことが知られている。
【0072】
大凡、RS232規格は、その電子的及び機械的プロパティにより、データ端子とデータ送信手段との間を順次に接続するものとされている。さらに、本発明に係る装置におけるRS232インターフェイスやRS232データ伝達線は、特に短距離間での順次のデータ送信に効果があることがわかっている。RS232規格の標準的なプラグ接続は、25ポールSUB−Dプラグである。RS232データ伝達線で到達可能な送信距離の指針は、15〜30メーターである。
【0073】
RS485規格(インターフェイス或いはライン)はRE232規格の拡張版であって、最大32のサービス利用者のための双方向バスシステムとして設計されたものである。この二つのインターフェイスの物理的な違いは無視してよい程度のものである。RS485規格は長距離用のものであって、インターフェイスとデータアーカイブとの接続にはRS485データ伝達線を用いるのが有利であることが知られている。
【0074】
本発明に係る方法による特別な効果として、データ保護に関する必要事項を単一に実現できる点がある。ここで、データ保護については、記憶した電子データの保護だけでなく、データラインを介してのデータ送信中における電子データの保護のための方策全体をいう。その方策は、基本的には、(1)ハードウェア保護、(2)ソフトウェア保護、(3)データ媒体保護、(4)秩序化の、四つの分野に及ぶ。本発明に係る方法では、特別に外部アクセスより保護されるデータ領域にて、物品の識別データ及び/または人物の識別データを保護することで、データ保護を達成するものである。さらに、保護領域からの物品の搬出に関する電子データを、該保護対象物品が該保護領域に戻される度に消去するものである。
【0075】
さらに、データ保護を理由として、物品が所定期間に保護領域に戻されたか否かをチェックし、保護対象物品が一つでも所定期間に戻っていなければ自動処理ルーチンを起動することも効果的である。さらに、少なくとも一つの認証コードが入力されてから、保護データへのアクセスを可能とするものである。特に保護すべきデータ領域については、二つの異なる認証コードが個々に入力されてからアクセス可能とするものである。
【0076】
原則的に、保護対象物品の確実な識別のためには、複数の異なる識別手段を適用する。
【0077】
保護領域に出入りする人物がその出入りを邪魔されることを最小限にするために可能性のある手段の中で、最も自動化された表示手段を達成するのには、トランスポンダを用いることがよい。
【0078】
原則的に、本発明に係る様々な実施例において、あらゆる種類のトランスポンダが適用される。
【0079】
本発明に係る物品保護システムを実行するための方法や装置だけでなく、本発明に係る物品保護システムにおいて使用するトランスポンダとして、準能動トランスポンダや能動トランスポンダのみならず受動トランスポンダも好適である。
【0080】
高検出率を確保しつつ信頼性の高い物品の識別を行うには、準能動トランスポンダがよい。
【0081】
準能動トランスポンダは、出荷信号により励起し、信号を発生する。
【0082】
好ましくは、第一周波数の電磁信号により準能動トランスポンダを作動し、この作動により準能動トランスポンダを励起して、第二周波数の電磁信号を発するものである。
【0083】
例えば、第一周波数として、125KHzの電磁場で作動する準能動トランスポンダを用いる。特に有効な作動周波数は、5〜200KHzである。また、MHz域の第一周波数で作動する準能動トランスポンダを用いてもよい。
【0084】
この方法で、数メートルの、好ましくは1〜10メートルの作動距離を達成できる。
【0085】
第一周波数の電磁場による作動で、準能動トランスポンダは、信号を発生する。好ましくは、このトランスポンダより発する電磁信号を、該準能動トランスポンダの作動に使用される電磁場とは異なる周波数域で送信するものである。
【0086】
推奨例としては、準能動トランスポンダの信号発生周波数域を、数100MHz、例えば、433MHzのラジオ周波数域とするものである。
【0087】
特には、トランスポンダにて発生する信号に、適用可能なトランスポンダの番号を含ませることで、トランスポンダを保護対象物品の識別手段として用いるものである。
【0088】
各準能動トランスポンダには、例えばバッテリ等の、独自の電源を備えていることが好ましい。
【0089】
トランスポンダより発する信号領域については、そのトランスポンダの検出信頼性を確保するのに十分な大きさのものを選択するとよい。好ましくは数メートル、なお好ましくは約2〜50メートルである。ここでは、検出器からの距離をより長くし、かつ、保護領域から持ち出されていない物品の誤検出を回避しつつ、保護領域から持ち出される全ての物品について信頼性の高い検出ができるように、20〜30メートルの送信領域を設定することが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0090】
検出領域或いは送受信領域(好ましくは電磁場)に信号送信機を設けるという手段は、アラーム信号の発生、或いは該信号送信機に含まれた符号化したデータの記録及び記憶に用いられる。用途としては大多数のものを実現可能である。物品に付設した信号送信機を用いて符号化した信号を発生するという手段を用いて、受信した該符号化したデータを別途メモリーに記憶して、これをデータ処理ルーチンに接続するものとした装置または方法においては、通常、データ処理ルーチンを、以下のシーケンスに用いている。すなわち、信号を検出すると、その信号が、どの物品(任意によりどの時期において)を符号化したものかということに基づく結果を導き出し、その結果を検出領域と相互に作用させ、検出領域の位置をもとに、物品の現在位置についての間接的な結論を得るのである。
【0091】
確かに本発明は、原則的に、通例の商品保護手段と組み合わせることができ、また、原則的に、通例の商品保護システムを応用して本発明を実行できるものであるが、それ以上の幅広い機能態様が本発明によって可能である。
【0092】
特には、本発明により、搬出のためにわざわざ保護ラベルを非作動状態にしたり取り外したりしなくても保護対象物品を保護領域から搬出することができる商品保護システムを操作可能である。
【0093】
また特には、本発明により、保護ラベルを非作動状態にするという要件を課さなくても、保護対象物品の認証されていない搬出を効果的に回避することができるような商品保護システムを実行できる。
【0094】
実現可能な機能として、さらに広範囲に考えてみれば、以下のような例が挙げられる。即ち、複合建造物(好ましくはオフィスビル)内における、ファクス、携帯電話、携帯型コンピュータ、レーザービーム発信器、データ媒体等についての共用であって、これには、該複合建造物内で、従業者が原則的に、使用と、必要であれば上述の物品を搬出することについて許可されるような装置を構築することが要求される。そして、物品の搬出に際しては、好ましくは、その物品を該建物内の領域から搬出するか或いは建物自体より搬出する場合にはいつでも、物品を搬出した人物と物品との間のリンクを可能とする手続きを伝授されるものである。
【0095】
このリンクにより、誰がどのように検出領域を通って件の物品を搬送したかについての結果を導き出すことができる。一方、物品と問題の物品の搬送者とを確実にリンク可能とすることで、搬送者、というよりもむしろ、保護対象物品の所有者について、即座の識別が常にはできないようにすることができる。一つの可能性としては、物品へのアクセス権を持つ人物全てに、別途、検出領域に入るやすぐに受信器に人物特定データを発生するような個別の信号送信機を付与することが考えられる。
【0096】
本発明は、例えば企業IDバッジのような人物毎の識別手段として、検出領域においてその発信する信号がカード搬送車とリンク可能であるような別途のトランスポンダを用いることが可能なので、例えばオフィスビルのように、特に閉鎖された建物について好適である。想定し得る装置としては、物品に付設したトランスポンダからの符号化した信号と、企業IDバッジに付設した別個のトランスポンダからの別の符号化した信号とを照合させることにより、それが検出領域に入った時に全ての符号化したデータを記録した記憶手順を起こすものである。しかし、このような物品保護装置がうまくいくかどうかは、人物特定手段を身につけるかどうかにかかっている。さらにいえば、部外の識別手段を身につけることで、誤ったリンクがなされる可能性もある。
【0097】
本発明に係る物品保護システムのその他の様態としては、物品が多数の認証されたユーザーにて同時に用いられた場合のデータ保護要件に対応するものであり、この場合、物品のいかなる認証なしの搬出でも確認し、また、データ保護要件に対応しつつ該物品を搬出した人物に対してのリンクを可能とするようなシステムにおいて、物品をいつでも記録することが必要である。
【0098】
このように、本発明は、特に、閉鎖された建物内での使用に適した、極めて効果的な、データ保護された物品の保護システムを提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明に係る装置の略図である。
【符号の説明】
【0100】
(1) 受信ユニット
(2) インターフェイス
(3) データ送信ネットワーク
(4) データアーカイブ
(5) ローカルネットワーク
(6) コンピュータ
(7) 受信ユニット
(8) 送信機
(9) 第一データ伝達線
(10)第二データ伝達線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保護領域に配置された保護対象である物品を保護する方法であって、
該物品に識別手段を備え、もしくは接続したものであり、
輸送の間に、該識別手段が保護される物品を受信ユニットにより検出する、
物品を保護する方法において、
該受信ユニットが該識別手段の有無を検出し、
該識別手段の有無を照合する電子データを記憶し、
該電子データにより、受信ユニットが受けた信号と前記識別手段とを一義的に関連付け、
保護対象である物品を運ぶ人物を特定する情報を検出する
ことを特徴とする物品の保護方法。
【請求項2】
前記保護対象物品を搬送している人物について、自動検証過程にて該人物の認証IDバッジをチェックすることで検出することを特徴とする請求項1に記載の物品の保護方法。
【請求項3】
前記の保護対象物品を搬送している人物をビデオ録画することを特徴とする請求項1または2に記載の物品の保護方法。
【請求項4】
前記の保護対象物品の識別データと、該物品を搬送する人物の識別データとを、別個に検出し、外部からのアクセスに対して特別に保護されたデータ領域にて、該物品の識別データ及び/または該人物の識別データを保護することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の物品の保護方法。
【請求項5】
前記保護領域より搬出された物品のうち、どの物品が戻されたかを確認することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の物品の保護方法。
【請求項6】
前記保護領域に保護対象物品が戻されると、該保護領域からの該物品の搬出についての電子データを消去することを特徴とする請求項5に記載の物品の保護方法。
【請求項7】
所定期間内で前記保護領域に物品が戻されたか否かをチェックし、保護対象物品のいずれかが所定期間内に該保護領域に戻されていない場合は自動処理ルーチンを始動することを特徴とする請求項5または6に記載の物品の保護方法。
【請求項8】
前記自動処理ルーチンには、警告発令が含まれることを特徴とする請求項7に記載の物品の保護方法。
【請求項9】
少なくとも一つの認証コードが入力された後にのみ、前記保護領域へのアクセスが可能となることを特徴とする請求項4乃至8のいずれかに記載の物品の保護方法。
【請求項10】
二つの異なる認証コードが別個に入力された後にのみ、特別の保護領域へのアクセスが可能となることを特徴とする請求項9に記載の物品の保護方法。
【請求項11】
保護領域内の保護対象物品を保護する方法であって、該物品に送信機を具備し、該送信機にて、符号化した信号を受信領域内に送信し、受信ユニットにて検出した符号化した信号を検出して、電子処理可能な符号化したデータに変換する方法において、該受信ユニットにより該電子データを増幅し、インターフェイスを介して該電子データを第一のデータ伝達線に送信して、該符号化したデータをデータ記憶手段に記憶し、該符号化したデータを受信した時にビデオデータの受信ユニットを作動して、該ビデオデータを記憶することを特徴とする物品の保護方法。
【請求項12】
閉じた建物内で物品を保護する装置であって、
保護される該物品が受信域で符号化した信号を送る送信機を有しており、
該符号化した信号が受信機により検出された後に、電子的に処理可能な符号化したデータに変換される装置において、
前記電子データを増幅するインターフェイスを有し、
該インターフェイスが、第一データ搬送線により、受信ユニットに接続しており、
該インターフェイスが符号化したデータをデータ搬送ネットワークに搬送するものであり、該データ搬送ネットワークが前記インターフェイスとデータの処理および記憶を行うデータアーカイブと、をつないでおり、
該データアーカイブは、
符号化したデータがアーカイブに記憶されるように設定されており、
該符号化したデータが記録ユニットを起動するスイッチング操作の引き金となっており、
ビデオデータ処理に用いる該記録ユニットが受信領域の近傍に配されるものであり、
該ビデオデータは、第2データ搬送線を介して、記録ユニットによりアーカイブに転送され録画されるものであり、
前記符号化した信号により、他の受信を行わないインターバルの後に、
前記符号に予め関連つけられている物品と、ビデオデータとの記憶されたデータの読み出しを始める、
ことを特徴とする物品を保護する装置。
【請求項13】
前記の符号化した信号を受信及び増幅する受信ユニットは、電磁波、音波、赤外線のうち少なくとも一つの型式の信号を処理可能であることを特徴とする請求項12に記載の物品の保護装置。
【請求項14】
前記受信ユニットは、信号の伝達を許可することを特徴とする請求項12に記載の物品の保護装置。
【請求項15】
前記の第一及び第二のデータ伝達線は、それぞれ、データを無損失で伝達する手段であることを特徴とする請求項12に記載の物品の保護装置。
【請求項16】
前記第一のデータ伝達線を、RS232ケーブルとすることを特徴とする請求項12に記載の物品の保護装置。
【請求項17】
前記第二のデータ伝達線を、同軸ケーブルとすることを特徴とする請求項12に記載の物品の保護装置。
【請求項18】
前記インターフェイスがゲートウェイであることを特徴とする請求項12に記載の物品の保護装置。
【請求項19】
前記インターフェイスとともに前記受信ユニットを、共有電源を備えたユニットとすることを特徴とする請求項12に記載の物品の保護装置。
【請求項20】
前記データ伝達ネットワークは、少なくとも一つのRS485バスと少なくとも一つのデータ伝達線とよりなることを特徴とする請求項12に記載の物品の保護装置。
【請求項21】
前記データ伝達線を、RS485ケーブルとすることを特徴とする請求項20に記載の物品の保護装置。
【請求項22】
前記データ伝達ネットワークに少なくとも一つのデータアーカイブを接続していることを特徴とする請求項12に記載の物品の保護装置。
【請求項23】
前記データアーカイブは、一つ以上四つ以下のFBAS(BNC)ビデオ入力部を備えていることを特徴とする請求項22に記載の物品の保護装置。
【請求項24】
前記データアーカイブをローカルネットワークに接続することで、前記ネットワーク内の異なる位置に対し該データアーカイブからのデータを評価目的で供給することを特徴とする請求項22に記載の物品の保護装置。
【請求項25】
前記ローカルネットワークをイーサネット(登録商標)とすることを特徴とする請求項24に記載の物品の保護装置。
【請求項26】
前記データを、インターネット規格処理手段を有するコンピュータにて評価することを特徴とする請求項24に記載の物品の保護装置。
【請求項27】
前記データアーカイブをデジタルデータアーカイブとすることを特徴とする請求項12に記載の物品の保護装置。
【請求項28】
前記デジタルデータアーカイブは、前記データの記憶のためにハードディスクを用いることを特徴とする請求項27に記載の物品の保護装置。
【請求項29】
前記データアーカイブをアナログデータアーカイブとすることを特徴とする請求項12に記載の物品の保護装置。
【請求項30】
前記の符号化した信号を供給する送信機は、電磁波、音波、赤外線のうち少なくとも一つの型式の信号を供給することを特徴とする請求項12に記載の物品の保護装置。
【請求項31】
前記の符号化した信号を供給する送信機を、トランスポンダとすることを特徴とする請求項12に記載の物品の保護装置。
【請求項32】
前記送信機を、準能動トランスポンダとすることを特徴とする請求項31に記載の物品の保護装置。
【請求項33】
前記物品を、好ましくは、ファクス装置、携帯電話、レーザービーム発生装置、データ媒体、ファイル等のオフィスの目録に含まれるものとすることを特徴とする請求項12に記載の物品の保護装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉じた建物内の保護対象物品を保護する装置であって、
該物品が、受信領域内で符号化された信号を送信する送信器を有し、
該符号化された信号が受信ユニットにて検出され、電子処理可能な符号化されたデータに変換されるものであり、
該電子データを増幅する受信ユニットを有し、
第一のデータ伝達線を介して、該受信ユニットに接続し、該符号化データをデータ伝達ネットワークに伝達可能に構成されたインターフェイス有し、
該データ伝達ネットワークは処理および記憶のために、該インターフェイスをデータアーカイブに接続するものであり、
該データアーカイブは該符号化データを該アーカイブ内に記憶可能である装置において、
該符号化データが、記録ユニットを作動させるスイッチ操作の引き金であり、
該記録ユニットは、前記受信領域の近傍に配され、ビデオデータ処理に用いるものであり、
該記録ユニットにより録画されたビデオデータは、第二データ伝達線により、前記アーカイブに伝達されるものであり、
前記符号化した信号により、他の受信を行わないインターバルの後に、
前記符号に予め関連つけられている物品と、ビデオデータとの記憶されたデータの読み出しを始める、
ことを特徴とする物品を保護する装置。
【請求項2】
前記保護領域より搬出された物品のうち、どの物品が戻されたかを確認することを特徴とする請求項1に記載の物品の保護方法。
【請求項3】
前記の符号化した信号を受信及び増幅する受信ユニットは、電磁波、音波、赤外線のうち少なくとも一つの型式の信号を処理可能であることを特徴とする請求項1に記載の物品の保護装置。
【請求項4】
前記受信ユニットは、信号の伝達を許可することを特徴とする請求項1に記載の物品の保護装置。
【請求項5】
前記の第一及び第二のデータ伝達線は、それぞれ、データを無損失で伝達する手段であることを特徴とする請求項1に記載の物品の保護装置。
【請求項6】
前記第一のデータ伝達線を、RS232ケーブルとすることを特徴とする請求項1に記載の物品の保護装置。
【請求項7】
前記第二のデータ伝達線を、同軸ケーブルとすることを特徴とする請求項1に記載の物品の保護装置。
【請求項8】
前記インタフェイスがゲートウェイであることを特徴とする請求項1に記載の物品の保護装置。
【請求項9】
前記インタフェイスとともに前記受信ユニットを、共有電源を備えたユニットとすることを特徴とする請求項1に記載の物品の保護装置。
【請求項10】
前記データ伝達ネットワークは、少なくとも一つのRS485バスと少なくとも一つのデータ伝達線とよりなることを特徴とする請求項1に記載の物品の保護装置。
【請求項11】
前記データ伝達線を、RS485ケーブルとすることを特徴とする請求項10に記載の物品の保護装置。
【請求項12】
前記データ伝達ネットワークに少なくとも一つのデータアーカイブを接続していることを特徴とする請求項1に記載の物品の保護装置。
【請求項13】
前記データアーカイブは、一つ以上四つ以下のFBAS(BNC)ビデオ入力部を備えていることを特徴とする請求項12に記載の物品の保護装置。
【請求項14】
前記データアーカイブをローカルネットワークに接続することにより、該データアーカイブからのデータを前記ネットワーク内の異なる位置に対し評価の目的で供給することを特徴とする請求項12に記載の物品の保護装置。
【請求項15】
前記ローカルネットワークをイーサネット(登録商標)とすることを特徴とする請求項14に記載の物品の保護装置。
【請求項16】
前記データを、インターネット規格処理手段を有するコンピュータにて評価することを特徴とする請求項14に記載の物品の保護装置。
【請求項17】
前記データアーカイブをデジタルデータアーカイブとすることを特徴とする請求項1に記載の物品の保護装置。
【請求項18】
前記デジタルデータアーカイブは、前記データの記憶のためにハードディスクを用いることを特徴とする請求項17に記載の物品の保護装置。
【請求項19】
前記データアーカイブをアナログデータアーカイブとすることを特徴とする請求項1に記載の物品の保護装置。
【請求項20】
前記の符号化した信号を供給する送信機は、電磁波、音波、赤外線のうち少なくとも一つの型式の信号を供給することを特徴とする請求項1に記載の物品の保護装置。
【請求項21】
前記の符号化した信号を供給する送信機を、トランスポンダとすることを特徴とする請求項1に記載の物品の保護装置。
【請求項22】
前記送信機を、準能動トランスポンダとすることを特徴とする請求項21に記載の物品の保護装置。
【請求項23】
前記物品を、好ましくは、ファクス装置、携帯電話、レーザービーム発生装置、データ媒体、ファイル等のオフィスの目録に含まれるものとすることを特徴とする請求項1に記載の物品の保護装置。

【図1】
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【公表番号】特表2006−526821(P2006−526821A)
【公表日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−508115(P2006−508115)
【出願日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【国際出願番号】PCT/DE2004/001111
【国際公開番号】WO2004/109616
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(503276470)ドイチェ ポスト アーゲー (50)
【Fターム(参考)】