説明

物理量センサの信号処理装置

【課題】 専ら調整時にのみ使用される調整端子を削減し得る物理量センサの信号処理装置を提供する。
【解決手段】 本実施形態に係る信号処理装置では、センサ素子から出力されるセンサ信号のパターンがセンサモードの通常時においてはセンサ素子からは出力されることのない所定のパターンであるか否かを判断し(S105)、センサ信号のパターンが所定のパターンであると判断された場合には(S105;トリムモード)、トリムモード等のセンサモード以外の動作モードからトリムモードに切り替えて、トリミング制御部にトリミングデータを設定可能にする。これにより、センサ素子を介して所定のパターンに対応するセンサ信号を入力することによって、調整端子等を介することなく、信号処理装置をセンサモードからトリムモードに移行させることができ、またトリミングデータを設定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光、圧力、加速度、角速度、磁気等の物理量を検出可能な物理量センサから出力される電気信号を信号処理して前記物理量に関する情報を取得する検出モードと、前記信号処理に関する調整パラメータを設定する調整モードと、の少なくとも2種類の動作モードを有する物理量センサの信号処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光、圧力、加速度、角速度、磁気等の物理量を検出し得る物理量センサは、一般に、センサ個々の検出特性にバラツキがあることから、例えば、それを調整し得る調整回路(トリミング回路ともいう)を備えている。そして、このような調整回路を備えた物理量センサには、例えば、下記特許文献1に開示される「物理量センサのトリミング回路」に示されるように、専ら調整時にのみ使用される調整端子が設けられているものが多い。
【0003】
ところが、このような調整端子は、調整時以外には使用されないことから、物理量センサの小型化やコストダウンの妨げになるという問題がある。このため、例えば、下記特許文献2に開示される「センサ回路」では、センサ信号が出力される出力端子を調整端子として使用し、通常のセンサ出力の電圧よりも高い電圧信号(トリミング信号)を出力端子に入力することにより、専ら調整時にのみ使用される調整端子の削減を可能にしている。
【特許文献1】特開2002−350256号
【特許文献2】特開2006−71336号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献2に開示される「センサ回路」によると、誘導ノイズや静電ノイズ等の電気ノイズが頻繁に発生し得る環境(例えば自動車に搭載された場合の環境)で、物理量センサが使用される場合においては、当該物理量センサの電源端子、アース端子や出力端子を介してこれらの電気ノイズがセンサ内に侵入する可能性が高い。
【0005】
このため、このような電気ノイズに対して相当にマージンのある高電圧をトリミング信号として入力し得る構成にする必要があり、また出力端子から流れ込む電流を制限するための電流制限回路(電流リミッタ)が必要なる。したがって、特許文献2に開示される「センサ回路」では、構成が複雑になるという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、専ら調整時にのみ使用される調整端子を削減し得る物理量センサの信号処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1記載の物理量センサの信号処理装置では、物理量を検出可能な物理量センサから出力される電気信号を信号処理して前記物理量に関する情報を取得する検出モードと、前記信号処理に関する調整パラメータを設定する調整モードと、の少なくとも2種類の動作モードを有する信号処理装置であって、前記検出モードにおいて前記物理量センサから出力される前記電気信号を信号処理して前記物理量に関する情報を取得し出力する信号処理手段と、前記物理量センサから出力される前記電気信号の信号パターンが前記検出モードの通常時においては前記物理量センサからは出力されることのない所定の調整モードパターンであるか否かを判断する信号パターン判断手段と、前記信号パターン判断手段により前記電気信号の信号パターンが前記所定の調整モードパターンであると判断された場合、前記検出モード等の前記調整モード以外の動作モードから前記調整モードに切り替える動作モード切替手段と、前記動作モード切替手段により前記調整モードに切り替えられた場合、前記信号処理手段に前記調整パラメータを設定し得るパラメータ設定手段と、を備えることを技術的特徴とする。
【0008】
特許請求の範囲に記載の請求項2記載の物理量センサの信号処理装置では、請求項1記載の物理量センサの信号処理装置において、前記所定の調整モードパターンは、前記物理量センサから出力される電気信号によるパルス波形で、予め設定されたパルス幅またはパルス間隔によって定まるように設定されることを技術的特徴とする。
【0009】
特許請求の範囲に記載の請求項3記載の物理量センサの信号処理装置では、請求項1または2記載の物理量センサの信号処理装置において、前記物理量センサから出力される電気信号の振幅を前記検出モードの通常時における前記電気信号の振幅よりも増大させる信号増幅手段を備え、前記所定の調整モードパターンは、前記信号増幅手段により増大された前記電気信号によるパルス波形で、予め設定されたパルス振幅によって定まるように設定されることを技術的特徴とする。
【0010】
特許請求の範囲に記載の請求項4記載の物理量センサの信号処理装置では、請求項1〜3のいずれか一項に記載の物理量センサの信号処理装置において、前記調整モードにおいて前記物理量センサから出力される電気信号の信号パターンが所定のコマンドパターンであるか否かを判断するコマンドパターン判断手段と、前記コマンドパターン判断手段により前記電気信号の信号パターンが前記所定のコマンドパターンであると判断された場合、前記所定のコマンドパターンに対応づけられて前記調整パラメータに関する所定命令を実行する所定命令実行手段と、を備えることを技術的特徴とする。
【0011】
特許請求の範囲に記載の請求項5記載の物理量センサの信号処理装置では、請求項4記載の物理量センサの信号処理装置において、前記所定命令は、前記パラメータ設定手段に対するもので、前記信号処理手段に前記調整パラメータを設定する制御指示であることを技術的特徴とする。
【0012】
特許請求の範囲に記載の請求項6記載の物理量センサの信号処理装置では、請求項4または5記載の物理量センサの信号処理装置において、前記調整モードにおいて前記物理量センサから前記所定のコマンドパターンが複数出力される場合、個々のコマンドパターンの間にはコマンドパターン1つ分以上のインターバル期間が設けられていることを技術的特徴とする。
【0013】
特許請求の範囲に記載の請求項7記載の物理量センサの信号処理装置では、請求項1〜6のいずれか一項に記載の物理量センサの信号処理装置において、前記物理量センサから出力される電気信号によるパルス波形のパルス幅またはパルス間隔がほぼ一定である場合、前記電気信号から生成されるクロック信号に基づいて前記信号パターン判断手段による前記判断が行われることを技術的特徴とする。
【0014】
特許請求の範囲に記載の請求項8記載の物理量センサの信号処理装置では、請求項1〜7のいずれか一項に記載の物理量センサの信号処理装置において、前記物理量センサは、光、圧力、加速度、角速度、磁気のいずれかの物理量を検出可能であることを技術的特徴とする。
【0015】
特許請求の範囲に記載の請求項9記載の物理量センサの信号処理装置では、請求項1〜8のいずれか一項に記載の物理量センサの信号処理装置において、前記物理量センサおよび当該信号処理装置は、車両に搭載されることを技術的特徴とする。
【0016】
特許請求の範囲に記載の請求項10記載の物理量センサの信号処理装置では、請求項1〜9のいずれか一項に記載の物理量センサの信号処理装置において、前記調整パラメータは、不揮発性半導体記憶装置に記憶されていることを技術的特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明では、信号パターン判断手段により、物理量センサから出力される電気信号の信号パターンが検出モードの通常時においては物理量センサからは出力されることのない所定の調整モードパターンであるか否かを判断し、動作モード切替手段によって、信号パターン判断手段により電気信号の信号パターンが所定の調整モードパターンであると判断された場合、検出モード等の調整モード以外の動作モードから調整モードに切り替え、そして、調整モードに切り替えられた場合、信号処理手段に調整パラメータをパラメータ設定手段により設定し得る。これにより、物理量センサを介して所定の調整モードパターンに対応する電気信号を入力することによって、調整端子等を介することなく、当該信号処理装置を検出モードから調整モードに移行させることができ、また信号処理手段に調整パラメータを設定することができる。したがって、専ら調整時にのみ使用される調整端子を削減することができる。
【0018】
例えば、請求項2の発明にあるように、所定の調整モードパターンは、物理量センサから出力される電気信号によるパルス波形で、予め設定されたパルス幅またはパルス間隔によって定まるように設定される。
【0019】
また、請求項3の発明にあるように、物理量センサから出力される電気信号の振幅を検出モードの通常時における電気信号の振幅よりも増大させる信号増幅手段を備える場合には、所定の調整モードパターンは、信号増幅手段により増大された電気信号によるパルス波形で、予め設定されたパルス振幅によって定まるように設定される。
【0020】
請求項4の発明では、調整モードにおいてコマンドパターン判断手段により電気信号の信号パターンが所定のコマンドパターンであると判断された場合、所定命令実行手段により、所定のコマンドパターンに対応づけられて調整パラメータに関する所定命令を実行する。これにより、物理量センサを介して所定のコマンドパターンに対応する電気信号を入力することによって、調整端子等を介することなく、当該所定のコマンドパターンに対応づけられて調整パラメータに関する所定命令を実行することができる。したがって、専ら調整時にのみ使用される調整端子を削減しても、このような所定のコマンドパターンにより所定命令を実行することが可能となる。
【0021】
請求項5の発明では、所定命令は、パラメータ設定手段に対するもので、信号処理手段に調整パラメータを設定する制御指示であることから、物理量センサを介して所定のコマンドパターンに対応する電気信号を入力することによって、当該所定のコマンドパターンに対応づけられた所定命令(いわばパラメータ設定命令)を受けてから信号処理手段に設定することができる。これにより、パラメータ設定命令を受けなければ信号処理手段に設定されないので、設定誤りを防止することができる。
【0022】
請求項6の発明では、調整モードにおいて物理量センサから所定のコマンドパターンが複数出力される場合、個々のコマンドパターンの間にはコマンドパターン1つ分以上のインターバル期間が設けられている。これにより、隣り合ったコマンドパターン間に時間的な区切りができるため、コマンドパターン判断手段によるコマンドパターンの識別が容易になる。
【0023】
請求項7の発明では、物理量センサから出力される電気信号によるパルス波形のパルス幅またはパルス間隔がほぼ一定である場合、電気信号から生成されるクロック信号に基づいて信号パターン判断手段による判断が行われる。これにより、信号パターン判断手段による調整モードパターンの判断が容易かつ確実となる。
【0024】
例えば、請求項8の発明にあるように、物理量センサは、光、圧力、加速度、角速度のいずれかの物理量を検出する。
【0025】
また、例えば、請求項9の発明にあるように、物理量センサおよび当該信号処理装置は、車両に搭載される。
【0026】
さらに、例えば、請求項10の発明にあるように、調整パラメータは、不揮発性半導体記憶装置に記憶されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の物理量センサの信号処理装置(以下「信号処理装置」という)の実施形態について図を参照して説明する。
本実施形態では、物理量センサとして、自動車等の車両に搭載されて圧力を検出し得る車載用のセンサ素子10を例示して本実施形態に係る信号処理装置20を説明するが、圧力のほかに、光、加速度、角速度、磁気、温度、質量等の物理系の性質を表現しその大きさの単位が規定された量を検出し得るセンサであれば信号処理装置20を適用することができる。
【0028】
なお、センサ素子10は、例えば、ブリッジ状に配して接続された複数のピエゾ素子からなり、圧力を検出すると検出圧に応じた電圧を有するセンサ信号を出力し得るように構成されている。このセンサ信号は、特許請求の範囲に記載の「電気信号」に相当し得るものである。
【0029】
まず、図1を参照して信号処理装置20の構成を説明する。図1には、本実施形態に係る信号処理装置20の構成例を示すブロック図が示されている。
【0030】
図1に示すように、信号処理装置20は、アナログ回路部21、トリミング制御部22、信号レベル判定部23、ロジック回路部24、電源部25、電源制御部26、フィルタ27等から構成されている。なお、同図に示すVccは電源端子、Vout は出力端子、Gndはアース端子、をそれぞれ意味している。
【0031】
アナログ回路部21は、センサ素子10から入力されるアナログのセンサ信号を増幅して出力端子Vout に出力する機能を有する回路で、本実施形態ではオペアンプ21aや出力制御部21bにより構成されている。なお、アナログ回路部21は、特許請求の範囲に記載の「信号処理手段」に相当し得るものである。
【0032】
オペアンプ21aは、センサ素子10からのセンサ信号を所定ゲインで増幅して出力制御部21bに出力する差動増幅器である。本実施形態では、トリミング制御部22から出力されるトリミング信号に基づいて、所定ゲイン、オフセット電圧、温度補正等を調整可能に構成されている。また、オペアンプ21aの出力は、信号レベル判定部23にも出力可能に構成されている。なお、このオペアンプ21aは、特許請求の範囲に記載の「信号増幅手段」に相当し得るものである。
【0033】
出力制御部21bは、オペアンプ21aから出力される出力信号を所定タイミング等で出力端子Vout に出力し得る機能を有するアナログ回路で、本実施形態では、トリミング制御部22から出力される制御信号に基づいてこの所定タイミングを設定可能に構成されている。
【0034】
トリミング制御部22は、後述するロジック回路部24から出力される各種制御信号に基づいてトリミング調整に関するデータを記憶し、記憶されたデータに基づいてセンサ出力をトリミング調整するためのトリミング信号を生成してアナログ回路部21に出力し得る機能を有するものである。このため、トリミング制御部22は、メモリ22a、ラッチ22bや、図略のアドレスデコーダ、入出力コントローラ、D/Aコンバータ等を備えている。本実施形態では、メモリ22aとして、例えば、EEPROM、EPROM、OTPROM等が用いられる。なお、このトリミング制御部22は、特許請求の範囲に記載の「信号処理手段」に相当し得るものである。また、メモリ22aは、特許請求の範囲に記載の「不揮発性半導体記憶装置」に相当し得るものである。
【0035】
信号レベル判定部23は、アナログ回路部21から出力される出力信号に基づいて、その入力レベルを判定する機能やクロックを生成する機能を有するもので、本実施形態では、直列に接続された分圧抵抗23d,23e,23f,23g、および3つのコンパレータ23a,23b,23cにより構成されている。信号レベル判定部23から出力される各信号は、ロジック回路部24に出力可能に構成されている。
【0036】
即ち、信号レベル判定部23では、(1) 抵抗23e,23f,23gによる直列合成抵抗と抵抗23dとにより電源電圧Vddを分圧した電位Vaと、アナログ回路部21からの出力信号の電位とをコンパレータ23aによって比較し、(2) 抵抗23f,23gによる直列合成抵抗と抵抗23d,23eによる直列合成抵抗とにより電源電圧Vddを分圧した電位Vb(<Va)と、当該出力信号の電位とをコンパレータ23bによって比較し、(3) 抵抗23d,23e,23fによる合成抵抗と抵抗23gとにより電源電圧Vddを分圧した電位Vc(<Vb<Va)と、当該出力信号の電位とをコンパレータ23cによって比較している。なお、以下、これらのVa〜Vcを閾値電位Va〜Vcという。
【0037】
これにより、例えば、センサ素子10からセンサ信号が出力されている場合に、アナログ回路部21により増幅されて信号レベル判定部23に出力される出力信号の信号レベルがコンパレータ23cの閾値電位Vcよりも高くなるように設定されているときには、コンパレータ23cによりリセット信号RETを生成してロジック回路部24に出力することが可能となる。
【0038】
また、センサ素子10から出力されるセンサ信号が交流信号のように所定時間間隔ごとに変化する場合には、アナログ回路部21から出力される出力信号のほぼ振幅中心電位にコンパレータ23bの閾値電位Vbを設定することにより、当該コンパレータ23bによって、クロック信号CLKを生成してロジック回路部24に出力することが可能となる。
【0039】
さらに、センサ素子10から出力されるセンサ信号の振幅が当該センサ素子10によるセンサ信号のデータ値を載せている場合、つまり振幅変調をかけている場合には、閾値電位Vbよりも高い所定電圧をコンパレータ23aの閾値電位Vaに設定することにより、コンパレータ23aによってデータ信号Dinを検出(復調)してロジック回路部24に出力することが可能となる。
【0040】
ロジック回路部24は、信号レベル判定部23から出力されたリセット信号RET、クロック信号CLKおよびデータ信号Dinに基づいて、トリミング制御部22の各種制御を行い得る機能を有するもので、例えば、後述するように、アドレス制御信号Addr 、データData やモード制御信号Mode を生成してトリミング制御部22に出力し得るように構成されている。なお、後述するトリミング制御処理は、このロジック回路部24による論理回路によって制御処理される。また、このロジック回路部24は、特許請求の範囲に記載の「信号パターン判断手段」、「動作モード切替手段」、「パラメータ設定手段」および「所定命令実行手段」に相当し得るものである。
【0041】
電源部25は、外部からフィルタ27を介して供給される直流電圧(例えば12V)から、例えば安定した5Vの電源電圧Vddを、トリミング制御部22、信号レベル判定部23、ロジック回路部24や電源制御部26に供給し得る機能を有するものである。なお、本実施形態では、電源電圧Vddに含まれ得るノイズ(誘導ノイズや静電気ノイズ等)成分を除去可能なフィルタ27が電源端子Vccと電源制御部25との間に介在している。
【0042】
電源制御部26は、トリミング制御部22から出力される電圧制御信号Vcnt を受けて、センサ素子10やアナログ回路部21に対して駆動電圧Vdd’を供給したり、トリミング制御部22に対してメモリ22aの書込電圧Vppを供給し得るもので、外部からフィルタ27を介して供給される直流電圧からこれら各電圧を発生させている。
【0043】
例えば、センサ素子10やアナログ回路部21に対しては、前述したように、トリミング制御部22から出力されるトリミング信号に基づいて、所定ゲイン、オフセット電圧、温度補正等が調整されるため、これに適合した電圧を電圧制御信号Vcnt に基づいて電源制御部26により発生させてセンサ素子10やアナログ回路部21に出力する。また、後述するように、トリミング制御部22のラッチ22bに保持された調整パラメータをメモリ22aに書き込む書込命令をロジック回路部24から受けた場合には、メモリ22aの書き込みに要する書込電圧Vppを発生させてトリミング制御部22に出力する。
【0044】
次に、トリミング制御部22およびロジック回路部24によるトリミング制御処理の流れを図2〜図7を参照して説明する。なお、図2には、信号処理装置20によるトリミング制御処理の流れを示すフローチャート、図3には、図2に示す調整処理の流れを示すフローチャート、がそれぞれ図示されている。また、図4〜図7には、これから説明する各モードにおける各信号の波形例がそれぞれ図示されている。
【0045】
図4に示すように、トリミング制御処理は、例えば、信号レベル判定部23から出力されるリセット信号RETの立ち下がりタイミングをトリガにして起動されて、図2に示すステップS101による読込み処理から開始される。
【0046】
なお、図4〜図7に示されるセンサ信号は、例えば、専用治具等によってセンサ素子10を機械的に加圧することにより任意に作り出されるもので、当該センサ素子10の通常使用状態においては、センサ素子10からは出力されることのない所定パターン(調整モードパターンやコマンドパターン)である。
【0047】
ステップS101による読込み処理では、信号レベル判定部23から出力されるデータ信号Dinを、信号レベル判定部23から出力されるクロック信号CLKに基づいて読み込むもので、読み込まれたデータ信号Dinは、ロジック回路部24を構成する図略のシフトレジスタまたはメモリ領域に記憶される。
【0048】
本実施形態では、例えば、クロック信号CLKの立ち上がり後の所定タイミング(図4(D) に示す●のタイミング)でデータ信号Dinを2クロック続けて読むことにより、「HH」であればデータ信号Dinによるデータ値を「1」、「LL」であればデータ信号Dinによるデータ値を「0」、「LH」および「HL」であればデータ信号Dinによるデータ値を「無効」としている。つまり、2ビットのデータが「HH」または「LL」というように、2ビットペアで揃った場合にそのデータを有効として1ビット分のデータ意味するように取り扱っている。これにより、ノイズ成分等による誤読込みを防止している。
【0049】
図2に示すように、続くステップS103では、ステップS101による読込み処理により読み込まれたデータ信号Dinが所定周期分に達しているか否かを判断する処理が行われる。即ち、次のステップS105によるモード判定処理によってモードを判定するために要する所定周期分のデータ信号Dinの読み込みが済んでいるか否かを、このステップS103により判断する。
【0050】
そして、まだ不足している場合には(S103;No)、ステップS101に戻って、再度、読込み処理を行い、所定周期分のデータ信号Dinの読み込みが済んでいる場合には(S103;Yes)、続くステップS105に処理を移す。本実施形態では、図4に示すように、クロック6周期分2ビットペアの3ビットデータ分の読み込まれると、次ステップS105に処理を移行する。
【0051】
なお、これらステップS101、S103による各処理動作は、初期化動作に相当するもので、例えば、調整モード以外の動作モードとしての「初期化モード」に該当する。
【0052】
ステップS105では、モード判定処理が行われる。この処理では、ステップS101により読み込まれたデータ信号Dinによるデータ列(データパターン)(以下、単に「パターン」という)が、前述したように、当該センサ素子10の通常使用状態においてセンサ素子10からは出力されることのない所定パターンであるか否かを判定する。なお、このパターンは、特許請求の範囲に記載の「信号パターン」に相当し得るものである。
【0053】
例えば、図4に示すように、データ信号Dinによるパターンが「100」である場合には、トリムモードであることを意味するので、ステップS105ではこのパターンに一致するか否かを判断することによって、一致すればトリムモードであると判定しステップS300による調整処理に移行する。これに対し、一致しなければ、通常使用時におけるセンサモードであると判定しステップS200による検出処理に移行する。なお、このトリムモードは特許請求の範囲に記載の「調整モード」に相当し、またセンサモードは特許請求の範囲に記載の「検出モード」に相当し得るものである。また、データ信号Dinによるパターンが「100」は、特許請求の範囲に記載の「所定の調整モードパターン」に相当し得るものである。
【0054】
なお、ステップS200による検出処理は、センサ素子10から出力されたセンサ信号を当該信号処理装置20によって出力信号を出力するうえで必要になる所定の信号処理を行うもので、特にその必要がない場合には、そのまま当該S200を終えて本トリミング制御処理を終了する。
【0055】
ステップS300による調整処理は、図3に詳細に示されているので、ここからは主に図3に基づいて説明する。図3に示すように、調整処理は、ステップS301による読込み処理から開始される。この処理は、図2を参照して説明したステップS101による読込み処理と同様に行われるもので、例えば、先に読み込んだデータ信号Dinによるパターンが「100」に続くパターンを読み込む。
【0056】
そして、続くステップS303により、ステップS301の読込み処理により読み込まれたデータ信号Dinが所定周期分に達しているか否かを判断する処理が行われる。即ち、前述したステップS103と同様に、次のステップS305によるコマンド判定処理によってコマンドを判定するために要する所定周期分のデータ信号Dinの読み込みが済んでいるか否かを、このステップS303により判断する。
【0057】
本実施形態では、図5〜図7に示すように、コマンドを表すクロック6周期分2ビットペアの3ビットデータ分の後に、アドレスを表すデータがクロック4周期分2ビットペアの2ビット付加されているため、それを含めたクロック10周期分2ビットペアの5ビットデータ分をステップS301により読み込む。
【0058】
このため、ステップS303により、クロック10周期分2ビットペアの5ビットデータが読み込まれたと判断すると(S303;Yes)、次ステップS305に処理を移行し、まだ不足している場合には(S303;No)、ステップS301に戻って、再度、読込み処理を行う。
【0059】
ステップS305では、コマンド判定処理が行われる。この処理では、ステップS301により読み込まれたデータ信号Dinのパターンが、予め設定されている各コマンドのいずれに該当する否か、あるいはいずれにも該当しないかを判定する。本実施形態では、クロック6周期分2ビットペアの3ビットデータが、「101」の場合に読出しコマンド、「110」の場合にラッチコマンド、「111」の場合に書込みコマンド、「000」の場合に終了コマンド、にそれぞれ設定している。
【0060】
例えば、ステップS301により読み込んだクロック6周期分2ビットペアの3ビットデータが「101」である場合には、ステップS305によって読出しコマンドであると判定される。この場合には、ステップS311に処理を移行して読出し処理が行われる。
【0061】
この読出しコマンドは、そのコマンドの直後に付加されているアドレス(クロック4周期分2ビットペアの2ビットデータで表される)に対応した測定対象電圧を、アナログ回路部21から出力信号として出力端子Vout から出力し得るように、ロジック回路部24からトリミング制御部22に指示する命令である。
【0062】
例えば、図5に示す例では、図5(E) において、コマンドパターンの「101」の直後に「01」が続いているので、これらのコマンドパターンに従って、例えばアドレス1に対応するアナログ回路部21のオペアンプ21aの増幅信号電圧を測定対象電圧として出力端子Vout から出力する(図5(B) の「アドレス1のアナログ読み出し期間」)。
【0063】
また、例えば、ステップS301により読み込んだ3ビットデータが「110」である場合には、ステップS305によってラッチコマンドであると判定される。この場合には、ステップS313に処理を移行してラッチ処理が行われる。
【0064】
このラッチコマンドは、アナログ回路部21に現在、出力されているトリミング信号に関するトリミングデータをトリミング制御部22のラッチ22bに保持(ラッチ)させる命令で、前述した読出しコマンドに続いて実行することによって、その直前に出力されていたトリミング信号に関するトリミングデータをラッチ22bに保持することが可能となる。なお、このトリミングデータは、特許請求の範囲に記載の「調整パラメータ」に相当し得るものである。
【0065】
例えば、図6に示す例では、図6(E) において、コマンドパターンの「110」の直後に「01」が続いているので、これらのコマンドパターンに従って、例えばアドレス1に対応するアナログ回路部21のオペアンプ21aの増幅信号電圧に関するトリミングデータをラッチ対象としてラッチ22bに保持する。
【0066】
また、例えば、ステップS301により読み込んだ3ビットデータが「111」である場合には、ステップS305によって書込みコマンドであると判定される。この場合には、ステップS315に処理を移行して書込み処理が行われる。
【0067】
この書込みコマンドは、ラッチ22bに保持されているトリミングデータをトリミング制御部22のメモリ22aに書き込ませる命令で、前述したラッチコマンドに続いて実行することによって、その直前にラッチ22bに保持されていたトリミングデータをメモリ22aに記憶させることが可能となる。
【0068】
例えば、図7に示す例では、図7(E) において、コマンドパターンの「111」の直後に「01」が続いているので、これらのコマンドパターンに従って、例えばアドレス1に対応してラッチ22bに保持されている増幅信号電圧に関するトリミングデータを書込み対象としてメモリ22aに書き込んで記憶する。なお、メモリ22aの書き込みに際しては、トリミング制御部22から電圧制御信号Vcnt を受けた電源制御部26がトリミング制御部22にメモリ22aの書込電圧Vppを供給することによって、図7(E) に示す「書込み期間」に電気的にメモリ22aの書込みが行われる。
【0069】
なお、この書込みコマンドは、書込み対象となるデータの指定を複数種類可能にしている。即ち、図7(E) に示すように、コマンドパターン「111」の直後に2ビットデータに指定されるアドレスのほかに、所定の書込み期間の直後にも2ビットデータを追加することによって当該2ビットデータに指定されるアドレスも書込みの対象とすることが可能となる。
【0070】
また、ステップS301により読み込んだ3ビットデータが「000」である場合には、ステップS305によって終了コマンドであると判定される。この終了コマンドは、トリムモードを終了する命令で、当該調整処理を終了して図2に示す本トリミング制御処理を終了する。即ち、この終了コマンドは、ステップS300から調整処理に移行した後、所定のトリミングを終えた場合や、途中で中止する場合に使用される。
【0071】
なお、ステップS301により読み込んだ3ビットデータが、上述した各コマンドのいずれに該当しない場合、即ち「001」、「010」、「011」や「100」である場合には、再度、ステップS301に戻って読込み処理を実行する。
【0072】
このようにステップS311,S313,S315によるいずれかの処理が完了するか、終了コマンドであると判断すると、当該調整処理を終了して図2に示す本トリミング制御処理を終了する。
【0073】
以上説明したように、本実施形態に係る信号処理装置20では、ロジック回路部24により、センサ素子10から出力されるセンサ信号のパターンがセンサモードの通常時においてはセンサ素子10からは出力されることのない所定のパターン「100」であるか否かを判断し(S105)、センサ信号のパターンが所定のパターン「100」であると判断された場合(S105;トリムモード)、トリムモード等のセンサモード以外の動作モードからトリムモードに切り替え、そして、トリムモードに切り替えられた場合(S300)、トリミング制御部22にトリミングデータを設定し得る(S315)。
【0074】
これにより、センサ素子10を介して所定のパターン「100」に対応するセンサ信号を入力することによって、調整端子等を介することなく、当該信号処理装置20をセンサモードからトリムモードに移行させることができ、またトリミング制御部22にトリミングデータを設定することができる。したがって、専ら調整時にのみ使用される調整端子を削減することができる。
【0075】
また、本実施形態に係る信号処理装置20では、トリムモードにおいて(S300)、コマンド判定処理(S305)によりセンサ信号のパターンが所定のコマンドパターン「111」であると判断された場合(S305;書込みコマンド)、所定のコマンドパターン「111」に対応づけられてトリミングデータをトリミング制御部22のメモリ22aに書き込ませる命令、つまりをトリミングデータの書込み処理(S315)を実行する。
【0076】
これにより、センサ素子10を介して所定のコマンドパターン「111」に対応するセンサ信号を入力することによって、調整端子等を介することなく、当該所定のコマンドパターン「111」に対応づけられてトリミングデータの書込み処理(S315)を実行することができる。したがって、専ら調整時にのみ使用される調整端子を削減しても、このような所定のコマンドパターンによりトリミングデータの書込み処理(S315)を実行することが可能となる。
【0077】
さらに、所定のコマンドパターン「111」によるトリミングデータの書込命令は、トリミング制御部22を制御する指示であることから、センサ素子10を介して所定のコマンドパターン「111」に対応するセンサ信号を入力することによって、当該所定のコマンドパターン「111」に対応づけられた所定命令(いわばパラメータ設定命令)を受けてからトリミング制御部22(信号処理手段)に設定することができる。これにより、パラメータ設定命令を受けなければトリミング制御部22(信号処理手段)に設定されないので、設定誤りを防止することができる。
【0078】
なお、上述した例では、所定の調整モードパターンとして、予め設定されたパルスの並び(パルスのパターン)でそれを定めたが、例えば、このようなパルスのパルス幅やパルス間隔によって定めても良い。これにより、パターン一致処理を行う必要がないので、簡易な論理回路でロジック回路部24を実現できる。
【0079】
また、上述した例では、図7(E) で説明したように、アドレスを表すパターン間にインターバルを設けたが、トリムモードにおいて所定のコマンドパターンが複数出力される場合には、このようなインターバル(できればコマンドパターン1つ分以上)を、個々のコマンドパターンの間に設けるように構成することが望ましい。これにより、隣り合ったコマンドパターン間に時間的な区切りができるため、コマンドパターン判断手段によるコマンドパターンの識別を容易にすることができる。
【0080】
なお、上述した例では、トリミング制御部22にメモリ22aに備える構成を採ったが、例えば、このようなメモリ22aをロジック回路部24に備える構成を採っても良い。この場合には、電源制御部26から供給されるメモリ22aの書込電圧Vppは、ロジック回路部24に供給される。
【0081】
また、上述したトリミング制御処理の例では、リセット信号RETの立ち下がりタイミングから間もなく、クロック信号CLKに同期してステップS101によりデータ信号Dinを読み込むように構成したが、例えば、クロック信号CLKを数ビット〜数10ビットあるいは100ビット程度読み込んで、クロック信号CLKが安定したことを確認する処理をステップS101の前に置いて、クロック信号CLKの安定後、ステップS101によりデータ信号Dinを読み込むように構成しても良い。これにより、データ信号Dinの安定した読み込みが可能となる。
【0082】
また、上述したトリミング制御処理の例では、そのステップS101により、ビットのデータが「HH」または「LL」というように、2ビットペアで揃った場合にそのデータを有効として1ビット分のデータ意味するように取り扱ったが、これに限られることはなく、3ビット以上の多ビットが連続して「HHH…」や「LLL…」というように、多ビットペアで揃った場合にそのデータを有効として1ビット分のデータ意味するように取り扱っても良いし、単純に1ビットデータをそのまま1ビット分のデータ意味するように取り扱っても良い。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の一実施形態に係る物理量センサの信号処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係る信号処理装置によるトリミング制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】図2に示す調整処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】トリムモードを示す各信号の波形例で、図4(A) はセンサ素子から出力されるセンサ信号、図4(B) は図4(A) のセンサ信号に対応してアナログ回路部から出力される出力信号、図4(C) は図4(B) の出力信号に対応して信号レベル判定部から出力されるリセット信号、図4(D) は図4(B) の出力信号に対応して信号レベル判定部から出力されるクロック信号、図4(E) は図4(B) の出力信号に対応して信号レベル判定部から出力されるデータ信号、の波形例である。
【図5】トリムモードにおける読出しコマンドを示す各信号の波形例で、図5(A) 〜図5(E) は、図4に示す図4(A) 〜図4(E) にそれぞれ対応するものである。
【図6】トリムモードにおけるラッチコマンドを示す各信号の波形例で、図6(A) 〜図6(E) は、図4に示す図4(A) 〜図4(E) にそれぞれ対応するものである。
【図7】トリムモードにおける書込みコマンドを示す各信号の波形例で、図7(A) 〜図7(E) は、図4に示す図4(A) 〜図4(E) にそれぞれ対応するものである。
【符号の説明】
【0084】
10…センサ素子(物理量センサ)
20…信号処理装置(物理量センサの信号処理装置)
21…アナログ回路部(信号処理手段)
21a…オペアンプ(信号増幅手段)
22…トリミング制御部(信号処理手段)
22a…メモリ(不揮発性半導体記憶装置)
23…信号レベル判定部
24…ロジック回路部(信号パターン判断手段、動作モード切替手段、パラメータ設定手段、所定命令実行手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理量を検出可能な物理量センサから出力される電気信号を信号処理して前記物理量に関する情報を取得する検出モードと、前記信号処理に関する調整パラメータを設定する調整モードと、の少なくとも2種類の動作モードを有する信号処理装置であって、
前記検出モードにおいて前記物理量センサから出力される前記電気信号を信号処理して前記物理量に関する情報を取得し出力する信号処理手段と、
前記物理量センサから出力される前記電気信号の信号パターンが前記検出モードの通常時においては前記物理量センサからは出力されることのない所定の調整モードパターンであるか否かを判断する信号パターン判断手段と、
前記信号パターン判断手段により前記電気信号の信号パターンが前記所定の調整モードパターンであると判断された場合、前記検出モード等の前記調整モード以外の動作モードから前記調整モードに切り替える動作モード切替手段と、
前記動作モード切替手段により前記調整モードに切り替えられた場合、前記信号処理手段に前記調整パラメータを設定し得るパラメータ設定手段と、
を備えることを特徴とする物理量センサの信号処理装置。
【請求項2】
前記所定の調整モードパターンは、前記物理量センサから出力される電気信号によるパルス波形で、予め設定されたパルス幅またはパルス間隔によって定まるように設定されることを特徴とする請求項1記載の物理量センサの信号処理装置。
【請求項3】
前記物理量センサから出力される電気信号の振幅を前記検出モードの通常時における前記電気信号の振幅よりも増大させる信号増幅手段を備え、
前記所定の調整モードパターンは、前記信号増幅手段により増大された前記電気信号によるパルス波形で、予め設定されたパルス振幅によって定まるように設定されることを特徴とする請求項1または2記載の物理量センサの信号処理装置。
【請求項4】
前記調整モードにおいて前記物理量センサから出力される電気信号の信号パターンが所定のコマンドパターンであるか否かを判断するコマンドパターン判断手段と、
前記コマンドパターン判断手段により前記電気信号の信号パターンが前記所定のコマンドパターンであると判断された場合、前記所定のコマンドパターンに対応づけられて前記調整パラメータに関する所定命令を実行する所定命令実行手段と、
を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の物理量センサの信号処理装置。
【請求項5】
前記所定命令は、前記パラメータ設定手段に対するもので、前記信号処理手段に前記調整パラメータを設定する制御指示であることを特徴とする請求項4記載の物理量センサの信号処理装置。
【請求項6】
前記調整モードにおいて前記物理量センサから前記所定のコマンドパターンが複数出力される場合、個々のコマンドパターンの間にはコマンドパターン1つ分以上のインターバル期間が設けられていることを特徴とする請求項4または5記載の物理量センサの信号処理装置。
【請求項7】
前記物理量センサから出力される電気信号によるパルス波形のパルス幅またはパルス間隔がほぼ一定である場合、前記電気信号から生成されるクロック信号に基づいて前記信号パターン判断手段による前記判断が行われることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の物理量センサの信号処理装置。
【請求項8】
前記物理量センサは、光、圧力、加速度、角速度、磁気のいずれかの物理量を検出可能であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の物理量センサの信号処理装置。
【請求項9】
前記物理量センサおよび当該信号処理装置は、車両に搭載されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の物理量センサの信号処理装置。
【請求項10】
前記調整パラメータは、不揮発性半導体記憶装置に記憶されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の物理量センサの信号処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−293982(P2009−293982A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−145683(P2008−145683)
【出願日】平成20年6月3日(2008.6.3)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】