説明

現像カートリッジ

【課題】小型化を図ることができる現像カートリッジを提供すること。
【解決手段】
現像カートリッジ25は、カートリッジフレーム51と、カートリッジフレーム51の左側に設けられ、外部から駆動力が入力されるための駆動ユニット52と、カートリッジフレーム51の右側に設けられ、外部の検知手段に検知されるための電極ユニット53とを備える。駆動ユニット52には、カップリングカラー65が設けられ、電極ユニット53には、電極カラー73が設けられ、それらカップリングカラー65と電極ユニット53とでドラムカートリッジ24の離間部材44からの押圧力を受ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式が採用される画像形成装置に装着される現像カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式のプリンタとして、感光ドラムを備えるドラムカートリッジと、感光ドラムにトナーを供給する現像カートリッジとを備えるプロセスカートリッジを着脱可能に備えるプリンタが知られている。
【0003】
このようなプリンタにおいて、現像カートリッジを、感光ドラムに対して、画像を形成するときにトナーを供給可能に近接させ、画像を形成しないときにトナーを供給不能に離間させる構成が知られている。
【0004】
例えば、現像カートリッジの左右両側面に突設される係合部を、ドラムカートリッジの左右両側に設けられる後挟持体と前挟持体とで挟持して、現像カートリッジを、感光ドラムに対して近接または離間させる構成が提案されている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0005】
この構成によれば、常には、後挟持体によって現像カートリッジの係合部を感光体ドラムへ向かって押圧して、現像カートリッジを、感光ドラムに対して近接させている。また、現像カートリッジを感光ドラムから離間させるときには、前挟持体によって、後挟持体の押圧力に抗して、現像カートリッジの係合部を感光体ドラムから離間させるように押圧している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−84647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかるに、現像カートリッジの左右両側面には、本体ケーシングからの駆動力や電力を受ける部材など、多くの部材が設けられている。
【0008】
そのため、上記した特許文献1に記載の構成のように、現像カートリッジの左右両側面に係合部を設けると、現像カートリッジの小型化を図ることが困難である。
【0009】
そこで、本発明の目的は、小型化を図ることができる現像カートリッジを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)上記した目的を達成するために、本発明の現像カートリッジは、所定方向に延びる軸線を中心に回転するように構成された現像ローラと、現像ローラに対して現像ローラの軸線方向の一方側に配置される第1側壁と現像ローラに対して軸線方向の他方側に配置される第2側壁とを含むカートリッジフレームと、第1側壁に対して軸線方向の一方側に配置され、外部から入力される駆動力を現像ローラに伝達するための駆動入力カップリングと、第2側壁に対して軸線方向の他方側に配置され、外部から入力される電力を現像ローラに供給するための現像電極とを備える。
【0011】
駆動入力カップリングは、外部からの押圧力を受けるための第1力受部を備える。
【0012】
現像電極は、外部からの押圧力を受けるための第2力受部を備える。
【0013】
このような構成によれば、駆動入力カップリングおよび現像電極を利用して、外部からの押圧力を受けるための第1力受部および第2力受部を設けることができる。
【0014】
そのため、駆動入力カップリングおよび現像電極とは別に外部からの押圧力を受けるための部材を設ける構成と比べて、小型化を図ることができる。
(2)また、駆動入力カップリングは、軸線方向において第1側壁から最も離れた第1端を有し、現像電極は、軸線方向において第2側壁から最も離れた第2端を有していてもよい。この場合、第1端は、軸線方向において現像カートリッジにおける最も一方側の位置に配置され、第2端は、軸線方向において現像カートリッジにおける最も他方側の位置に配置されてもよい。
【0015】
このような構成によれば、現像カートリッジの軸線方向において最も外側の第1端および第2端において、容易に押圧力を受けることができる。
(3)また、第1力受部が受ける押圧力の押圧方向、および、第2力受部が受ける押圧力の押圧方向は、同一方向であってもよい。
【0016】
このような構成によれば、駆動入力カップリングおよび現像電極において、同一方向への押圧力を受けることができる。
【0017】
そのため、現像カートリッジに一定方向の押圧力を精度よく作用させることができる。
(4)また、第1力受部が受ける押圧力の押圧方向、および、第2力受部が受ける押圧力の押圧方向は、軸線方向と直交する方向であってもよい。
【0018】
このような構成によれば、駆動入力カップリングおよび現像電極において、軸線方向と直交する方向への押圧力を受けることができる。
【0019】
そのため、現像カートリッジに軸線方向と直交する方向の押圧力を精度よく作用させることができる。
(5)また、現像ローラは、外部に設けられる感光体に対して現像剤を供給するために設けられてもよい。第1力受部および第2力受部が外部からの押圧力を受けたときに、現像ローラが感光体から離間するように構成されていてもよい。
【0020】
このような構成によれば、駆動入力カップリングおよび現像電極を利用して、現像ローラを感光体から離間させることができる。
(6)また、第1力受部および第2力受部が外部からの押圧力を受けたときに、現像ローラが感光体に向けて押圧されるように構成されていてもよい。
【0021】
このような構成によれば、駆動入力カップリングおよび現像電極を利用して、現像ローラを感光体に向けて押圧することができる。
(7)また、現像カートリッジは、外部装置に装着されるように構成されてもよい。駆動入力カップリングおよび現像電極は、外部装置に対する装着を案内するための案内部を備えていてもよい。
【0022】
このような構成によれば、駆動入力カップリングおよび現像電極を利用して、外部装置に対する装着を案内することができる。
(8)また、駆動入力カップリングは、カップリング部と、カップリング部を覆うように配置された円筒形状からなるカップリングカラーを含み、現像電極は、電極部と、電極部を覆うように配置された円筒形状からなる電極カラーを含んでいてもよい。この場合、第1力受部は、カップリングカラーであり、第2力受部は、電極カラーであってもよい。
【0023】
このような構成によれば、カップリング部をカップリングカラーで保護することができるとともに、電極部を電極カラーで保護することができる。
【0024】
しかも、カップリングカラーと電極カラーとを利用して、外部からの押圧力を受けることができる。
(9)また、カップリングカラーの外径と電極カラーの外径とが同一であってもよい。
【0025】
このような構成によれば、カップリングカラーおよび電極カラーを、より安定して押圧することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の現像カートリッジおよびプロセスカートリッジによれば、小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係るプロセスカートリッジを備えるプリンタの中央断面図である。
【図2】図2は、図1に示すプロセスカートリッジの左後上側から見た斜視図である。
【図3】図3は、図1に示すプロセスカートリッジの右後上側から見た斜視図である。
【図4】図4は、図1に示す現像カートリッジの左後上側から見た斜視図である。
【図5】図5は、図1に示す現像カートリッジの右後上側から見た斜視図である。
【図6】図6は、現像カートリッジのドラムカートリッジへの装着を説明する説明図であって、現像カートリッジの後端部を、現像カートリッジ装着部の後端部内に挿入した状態を示す。
【図7】図7は、図6に続いて、現像カートリッジのドラムカートリッジへの装着を説明する説明図であって、現像ローラが感光ドラムに当接された状態を示す。
【図8】図8は、図7に続いて、現像カートリッジのドラムカートリッジへの装着を説明する説明図であって、現像カートリッジのドラムカートリッジへの装着が完了した状態を示す。
【図9】図9は、プロセスカートリッジの左側面図であって、現像カートリッジが感光ドラムから離間された状態を示す。
【図10】図10は、プロセスカートリッジの右側面図であって、現像カートリッジが感光ドラムから離間された状態を示す。
【図11】図11は、プロセスカートリッジの後面図であって、現像カートリッジが感光ドラムから離間された状態を示す。
【図12】図12は、本発明の第2実施形態に係る現像カートリッジの左後上側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
1.プリンタの全体構成
図1に示すように、プリンタ1は、横置きタイプのダイレクトタンデム型カラープリンタである。
【0029】
なお、以下の説明において、方向について言及する場合には、プリンタ1を水平に載置した状態を基準として、図1における紙面右側を前側とし、図1における紙面左側を後側とする。また、プリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。すなわち、図1の紙面手前側が左側であり、紙面奥側が右側である。
【0030】
プリンタ1は、略ボックス形状の本体ケーシング2(外部の一例)を備えている。本体ケーシング2の上端部には、本体開口部5を開閉するトップカバー6が、その後端部を支点として揺動可能に設けられている。プリンタ1は、各色に対応する4つのプロセスカートリッジ11を備えている。
【0031】
各プロセスカートリッジ11は、本体ケーシング2内に着脱可能に設けられ、互いに前後方向に沿って間隔を隔てて並列配置されている。各プロセスカートリッジ11は、外部装置の一例としてのドラムカートリッジ24と、ドラムカートリッジ24に着脱可能に装着される現像カートリッジ25とを備えている。
【0032】
ドラムカートリッジ24は、感光体の一例としての感光ドラム15を備えている。
【0033】
感光ドラム15は、左右方向に長手の円筒形状に形成されており、ドラムカートリッジ24に回転可能に設けられている。
【0034】
現像カートリッジ25は、現像剤担持体の一例としての現像ローラ16を備えている。
【0035】
現像ローラ16は、左右方向(軸線方向)に延び、現像カートリッジ25の後端部において後側へ露出されるように回転可能に設けられ、感光ドラム15に対して前上側から接触されている。現像ローラ16は、金属製の現像ローラ軸30を回転中心として回転される。
【0036】
また、現像カートリッジ25は、現像ローラ16にトナーを供給する供給ローラ27、現像ローラ16に供給されたトナーの厚みを規制する層厚規制ブレード28を備え、それらの上側には、現像剤の一例としてのトナーが収容されている。
【0037】
現像カートリッジ25内のトナーは、供給ローラ27と現像ローラ16との間で正極性に摩擦帯電され、一定厚さの薄層として現像ローラ16の表面に担持される。
【0038】
一方、感光ドラム15の表面には、スコロトロン型帯電器26によって一様に帯電された後、LEDユニット12によって所定の画像データに基づいて露光されることにより、画像データに基づく静電潜像が形成される。そして、現像ローラ16に担持されるトナーが感光ドラム15の表面上の静電潜像に供給されることにより、感光ドラム15の表面上にトナー像(現像剤像)が担持される。
【0039】
用紙Sは、本体ケーシング2の底部に設けられる給紙トレイ7内に収容されており、ピックアップローラ8、給紙ローラ9、および、1対のレジストローラ10によって、後上側へUターンするように搬送されて、所定のタイミングで1枚ずつ、感光ドラム15と搬送ベルト19との間に給紙され、搬送ベルト19によって、各感光ドラム15と各転写ローラ20との間を前側から後側に向かって搬送される。このとき、用紙Sに、各色のトナー像が順次転写され、カラー画像が形成される。
【0040】
そして、用紙Sは、加熱ローラ21および加圧ローラ22の間を通過するときに加熱および加圧される。このとき、用紙Sには、カラー画像が熱定着される。
【0041】
その後、用紙Sは、前上側へUターンするように搬送されて、トップカバー6に設けられる排紙トレイ23に排紙される。
2.プロセスカートリッジ
(1)ドラムカートリッジ
(1−1)ドラムフレーム
ドラムカートリッジ24は、図2および図3に示すように、略矩形有底枠形状に形成される感光体フレームの一例としてのドラムフレーム31を備えている。
【0042】
なお、ドラムカートリッジ24の説明において、方向について言及するときには、ドラムカートリッジ24の下壁35が下側となるように水平面に載置した状態(図2参照)を基準とし、感光ドラム15(後述)が配置されている側をドラムカートリッジ24の後側とする。
【0043】
ドラムフレーム31は、左右1対の側壁32、両側壁32の前端部間に架設される前壁33、両側壁32の下端部間に架設される下壁35、および、両側壁32の後端部間の上方に架設される上壁34を備えている。
【0044】
両側壁32は、前後方向(詳しくは、前上側と後下側とを結ぶ方向)に延び、左右方向に厚みを有する側面視略矩形状に形成されている。
【0045】
また、両側壁32には、カップリング部61(後述)または接点部71(後述)を露出する露出溝37と、押圧部材収容部41が形成されている。また、両側壁32には、各押圧部材収容部41内において、押圧部材42が設けられている。
【0046】
各露出溝37は、両側壁32の前後方向略中央において、上端縁から下方に向かって切り欠かれるように、上側が開放される側面視略U字形状に形成されている。
【0047】
各押圧部材収容部41は、露出溝37の前側内周面から前側へ凹むように、正面視略矩形状に形成されている。
【0048】
各押圧部材42は、正面視略矩形の角柱形状に形成されており、常には、付勢部材43により、押圧部材収容部41から後側へ進出するように付勢されている。
【0049】
前壁33は、左右方向に延びる略平板形状に形成されている。
【0050】
下壁35は、前壁33の下端部に連続して、前後左右に延びる略平板形状に形成されている。
【0051】
上壁34は、左右方向に延びる略平板形状に形成され、感光ドラム15を上側から被覆するように設けられている。また、上壁34には、スコロトロン型帯電器26が支持されている。
【0052】
また、ドラムフレーム31において、下壁35の前側半分と、その下壁35の前側半分に対応する両側壁32および前壁33と、上壁34の前端縁とによって、現像カートリッジ25を装着するための現像カートリッジ装着部36が区画されている。
(1−2)離間部材
ドラムカートリッジ24の両側壁32には、露出溝37の後端部において、離間部材44が、押圧部材42に対して前後方向に間隔を隔てて対向するように、設けられている。
【0053】
各離間部材44は、回動軸45と、被当接部46と、押圧部47とを一体的に備えている。
【0054】
回動軸45は、左右方向に延びる略円柱形状に形成されている。
【0055】
被当接部46は、回動軸45の下側部分から下方へ延びる略平板形状に形成され、その下側部分が前方へ向かって屈曲するように形成されている。
【0056】
押圧部47は、回動軸45の上側部分から上方へ延びる略平板形状に形成され、その上側側部分が前方へ向かって屈曲するように形成されている。
【0057】
そして、各離間部材44は、回動軸45において、側壁32に回動可能に支持されている。
【0058】
各離間部材44は、押圧部47が前上側へ進出する押圧位置(図9および図10参照)と、押圧部47が後下側に退避される押圧解除位置(図2および図3参照)とに、回動軸45を支点として回動される。
(2)現像カートリッジ
現像カートリッジ25は、図4および図5に示すように、カートリッジフレーム51と、カートリッジフレーム51の左側に配置される駆動ユニット52と、カートリッジフレーム51の右側に配置される電極ユニット53とを備えている。
【0059】
なお、現像カートリッジ25の説明において、方向について言及するときには、現像ローラ16(後述)が配置されている側を現像カートリッジ25の後側とし、層厚規制ブレード28(後述)が配置されている側を上側とする。
(2−1)カートリッジフレーム
カートリッジフレーム51は、左右方向に延びる略ボックス形状に形成されている。カートリッジフレーム51は、カートリッジフレーム51の下側を構成する第1フレーム54と、カートリッジフレーム51の上側を構成する第2フレーム55とを備えている。
【0060】
第1フレーム54は、左右1対の側壁56と、前壁57と、下壁58とを一体的に備え、上側および後側に向かって開放される有底枠形状に形成されている。なお、以下の説明において、第1側壁の一例としての左側の側壁56を左壁56Lとし、第2側壁の一例としての右側の側壁56を右壁56Rとする。
【0061】
両側壁56は、上下前後に延びる側面視略矩形状に形成され、互いに左右方向に間隔を隔てて対向配置されている。
【0062】
前壁57は、左右方向に延び、両側壁56の前端部間に架設されている。
【0063】
下壁58は、左右方向に延び、前壁57の下端部に連続するように、両側壁56の下端部間に架設されている。
【0064】
第2フレーム55は、両側壁56の前側部分および前壁57の上端部に連結され、平面視略矩形の平板形状に形成されている。第2フレーム55の後端部には、層厚規制ブレード28が、現像ローラ16に上側から接触されるように配置されている。
(2−2)駆動ユニット
駆動ユニット52は、図4および図8に示すように、駆動入力カップリング66および駆動側カバー62を備えている。
【0065】
駆動入力カップリング66は、カップリング部61と、第1力受部の一例としてのカップリングカラー65とを備えている。
【0066】
カップリング部61は、左壁56Lの左側に支持され、左右方向に延びる略円柱形状に形成されている。カップリング部61の左面には、結合凹部63が形成されている。また、カップリング部61の右端部には、ギヤ部64が設けられている。
【0067】
結合凹部63は、カップリング部61の左面から右側へ凹むように、カップリング部61の径方向に延び、その径方向中央が幅狭な側面視略長穴形状に形成されている。結合凹部63には、現像カートリッジ25が本体ケーシング2内に装着された状態で、本体ケーシング2内に備えられる本体カップリング(図示せず)の先端が相対回転不能に挿入され、本体カップリング(図示せず)を介して、本体ケーシング2から駆動力が入力される。
【0068】
ギヤ部64は、カップリング部61の外周面の全周にわたって設けられている。ギヤ部64は、図示しないギヤ列を介して、現像ローラ16および供給ローラ27に駆動力を伝達する。
【0069】
駆動側カバー62は、左右方向に延び、左端部が閉鎖された略角筒形状に形成されている。駆動側カバー62は、現像カートリッジ25の左壁56Lとほぼ同じサイズ(前後方向長さおよび上下方向長さ)に形成されている。
【0070】
カップリングカラー65は、駆動側カバー62の前後方向略中央の左壁から左側へ突出する略円筒形状に形成されている。なお、カップリングカラー65の右端部は、駆動側カバー62内に連通されている。また、カップリングカラー65の左端縁は、ドラムカートリッジ24に装着された状態において、前後方向に投影したときに、ドラムフレーム31の左側の側壁32の左端縁よりもわずかに右側(左右方向内側)に配置されている。カップリングカラー65の内径は、カップリング部61の左端部の外径と略同径(わずかに大径)である。
【0071】
そして、駆動側カバー62は、カップリングカラー65内にカップリング部61の左端部が嵌合されるように、左壁56Lにねじ止めされている。なお、結合凹部63は、カップリングカラー65の左端部から露出されている。
(2−3)電極ユニット
電極ユニット53は、図5に示すように、現像電極74、および、電極側カバー72を備えている。
【0072】
現像電極74は、電極部の一例としての接点部71と、第2力受部の一例としての電極カラー73を備えている。
【0073】
接点部71は、右壁56Rの右側に支持され、左右方向に延びる略円柱形状に形成されている。また、接点部71は、カップリング部61と中心軸線を共有している。また、接点部71の外径は、カップリング部61の左端部の外径と略同径である。なお、図示しないが、接点部71は、電極側カバー72内において、現像ローラ軸30に電気的に接続されている。また、接点部71は、現像カートリッジ25が本体ケーシング2内に装着された状態で、本体ケーシング2内に備えられる本体電極(図示せず)と接触し、本体ケーシング2内の電源(図示せず)から供給される電力を現像ローラに供給する。
【0074】
電極側カバー72には、前後方向に延びる略矩形平板形状に形成されている。電極側カバー72は、現像カートリッジ25の右壁56Rとほぼ同じサイズ(前後方向長さおよび上下方向長さ)に形成されている。
【0075】
電極カラー73は、電極側カバー72の前後方向略中央の右壁から右側へ突出する略円筒形状に形成されている。なお、電極カラー73の左端部は、電極側カバー72の右側に連通されている。また、電極カラー73の右端縁は、ドラムカートリッジ24に装着された状態において、前後方向に投影したときに、ドラムフレーム31の右側の側壁32の右端縁よりもわずかに左側(左右方向内側)に配置されている。電極カラー73の内径は、接点部71の外径と略同径(わずかに大径)である。また、電極カラー73の外径は、カップリングカラー65の外径と略同径である。
【0076】
そして、電極側カバー72は、電極カラー73内に接点部71が嵌合されるように、右壁56Rにねじ止めされている。なお、接点部71の右端部は、電極カラー73の右端部から露出されている。
3.現像カートリッジのドラムカートリッジに対する着脱
本体ケーシング2にプロセスカートリッジ11を装着するには、まず、ドラムカートリッジ24に現像カートリッジ25を装着する。
【0077】
ドラムカートリッジ24に現像カートリッジ25を装着するには、図6に示すように、現像カートリッジ25の後端部が下側に配置されるように現像カートリッジ25を把持し、現像カートリッジ25の後端部を、現像カートリッジ装着部36の後端部内に上側から挿入する。
【0078】
すると、現像ローラ16が感光ドラム15の前側に間隔を隔てて対向配置される。また、カップリングカラー65の左端部、および、電極カラー73の右端部が、押圧部材42の後側に対向される。
【0079】
次いで、現像カートリッジ25を、カップリングカラー65および電極カラー73を押圧部材42に後側から当接させて、カップリングカラー65および電極カラー73の中心軸線を支点として、左側面視時計回り方向に回動させるように、現像カートリッジ装着部36内に挿入する。
【0080】
すると、現像カートリッジ25は、カップリングカラー65および電極カラー73が押圧部材42の後面によって案内されて、カップリングカラー65および電極カラー73の中心軸線を中心として左側面視時計回り方向に回動されながら、現像カートリッジ装着部36内へ移動される。すなわち、カップリングカラー65および電極カラー73は、現像カートリッジ25のドラムカートリッジ24に対する装着を案内する案内部として機能する。
【0081】
すると、図7に示すように、現像ローラ16が感光ドラム15に後側から当接される。なお、カップリングカラー65および電極カラー73は、押圧部材42の後面に後側から当接されている。
【0082】
そして、図8に示すように、さらに現像カートリッジ25の前端部を現像カートリッジ装着部36の前端部内に押し込むと、現像カートリッジ25は、その後端部を支点として、その前端部が左側面視時計回り方向に回動されて、現像カートリッジ装着部36内に完全に収容される。
【0083】
このとき、カップリングカラー65および電極カラー73は、付勢部材43の付勢力に抗して押圧部材42を前側へ押圧するように、露出溝37内に配置される。これにより、現像カートリッジ25は、カップリングカラー65および電極カラー73において、現像ローラ16が感光ドラム15へ向かって押圧されるように、後側へ押圧される。
【0084】
現像カートリッジ25が現像カートリッジ装着部36内に完全に収容されると、カップリングカラー65および電極カラー73が、対応する離間部材44の前側に対向される。
【0085】
また、ドラムカートリッジ24から現像カートリッジ25を離脱させるには、ドラムカートリッジ24の前端部を押さえながら、現像カートリッジ25の前端部を把持して、現像カートリッジ25を、その後端部を支点として左側面視反時計回り方向に回動させる。
【0086】
すると、図6に示すように、現像カートリッジ25の前端部が現像カートリッジ装着部36から上側へ離脱される。
【0087】
このとき、カップリングカラー65および電極カラー73は、押圧部材42の後面に沿って下側から上側へ案内されて、露出溝37から上側へ離脱される。
【0088】
そして、現像カートリッジ25の前端部を把持して、現像カートリッジ25全体をドラムカートリッジ24の現像カートリッジ装着部36から上側へ離脱させる。
【0089】
これにより、ドラムカートリッジ24からの現像カートリッジ25の離脱が完了する。
【0090】
そして、本体ケーシング2にプロセスカートリッジ11を装着するには、図1に示すように、トップカバー6を開放して、プロセスカートリッジ11を、本体ケーシング2内の所定の位置において、その後側がプリンタ1の後下側、その前側がプリンタ1の前上側となるように、上側から装着する。
【0091】
これにより、プロセスカートリッジ11の本体ケーシング2への装着が完了する。
4.現像カートリッジの感光ドラムからの離間
プリンタ1では、カラーの画像を印刷するときには、各現像カートリッジ25の現像ローラ16は、すべて、対応する感光ドラム15に接触されている(図1参照)。
【0092】
一方、モノクロ(黒色)の画像を印刷するときには、ブラックプロセスカートリッジ11Kにおいて現像ローラ16を感光ドラム15に接触させるとともに、カラーのプロセスカートリッジ11(イエロープロセスカートリッジ11Y、マゼンタプロセスカートリッジ11Mおよびシアンプロセスカートリッジ11C)において、現像ローラ16を感光ドラム15から離間させる。
【0093】
現像ローラ16を感光ドラム15から離間させるには、図9および図10に示すように、本体ケーシング2内に設けられる本体側レバー81により、左右両方の離間部材44の被当接部46を後下側へ押圧する。
【0094】
すると、両離間部材44が左側面視時計周り方向に回動され、両離間部材44の押圧部47が、それぞれ、駆動側カバー62のカップリングカラー65の左端部(第1端の一例)、または、電極側カバー72の電極カラー73の右端部(第2端の一例)に後下側から当接される(図11参照)。
【0095】
そして、両離間部材44が左側面視時計周り方向にさらに回動されると、押圧部材42の押圧力に抗して、カップリングカラー65および電極カラー73が離間部材44によって前上側へ押圧され、現像カートリッジ25が前上側(離間方向)に移動される。
【0096】
すなわち、カップリングカラー65の左端部の後下側周縁部は、第1力受部として作用し、電極カラー73の右端部の後下側周縁部は、第2力受部として作用する。
【0097】
なお、プロセスカートリッジ11を左右方向に投影したときには、カップリングカラー65と離間部材44との接触部分T1と、現像ローラ16の中心軸線A(軸線)との間隔D1(図9参照)は、電極カラー73と離間部材44との接触部分T2と、現像ローラ16の中心軸線Aとの間隔D2(図10参照)と等しい。
【0098】
これにより、現像ローラ16が感光ドラム15から離間される。
5.作用効果
(1)この現像カートリッジ25によれば、図9および図10に示すように、駆動ユニット52の駆動側カバー62は、ドラムカートリッジ24の離間部材44からの押圧力を受けるカップリングカラー65を備えている。また、電極ユニット53の電極側カバー72は、ドラムカートリッジ24の離間部材44からの押圧力を受ける電極カラー73を備えている。
【0099】
そのため、カップリングカラー65および電極カラー73を利用して、ドラムカートリッジ24の離間部材44からの押圧力を受けることができる。
【0100】
その結果、駆動ユニット52および電極ユニット53とは別にドラムカートリッジ24の離間部材44からの押圧力を受けるための部材を設ける構成と比べて、小型化を図ることができる。
(2)また、この現像カートリッジ25によれば、図11に示すように、両離間部材44の押圧部47は、それぞれ、駆動側カバー62のカップリングカラー65の左端部(第1端)、または、電極側カバー72の電極カラー73の右端部(第2端)に後下側から当接される
このような構成によれば、現像カートリッジ25の左右両端部(第1端および第2端)において、容易に、離間部材44からの押圧力を受けることができる。
(3)また、この現像カートリッジ25によれば、図9および図10に示すように、カップリングカラー65および電極カラー73の両方を、離間部材44により、後上側へ押圧することができる。
【0101】
そのため、現像カートリッジ25を、左右方向において均等に、後上側へ押圧することができる。
(4)また、この現像カートリッジ25によれば、図9および図10に示すように、カップリングカラー65および電極カラー73が離間部材44により後上側へ押圧されたときに、現像ローラ16を感光ドラム15から離間させることができる。
【0102】
そのため、カップリングカラー65および電極カラー73を利用して、現像ローラ16を感光ドラム15から離間させることができる。
(5)また、この現像カートリッジ25によれば、図3および図8に示すように、カップリングカラー65および電極カラー73が押圧部材42により前下側へ押圧されたときに、現像ローラ16が感光ドラム15に向けて押圧される。
【0103】
そのため、カップリングカラー65および電極カラー73を利用して、現像ローラ16を感光ドラム15に向けて押圧することができる。
(6)また、この現像カートリッジ25によれば、図6、図7および図8に示すように、カップリングカラー65および電極カラー73は、現像カートリッジ25のドラムカートリッジ24に対する装着を案内する。
【0104】
そのため、カップリングカラー65および電極カラー73を利用して、ドラムカートリッジ24に対する装着を案内することができる。
(7)また、この現像カートリッジ25によれば、図11に示すように、カップリング部61をカップリングカラー65で保護することができるとともに、接点部71を電極カラー73で保護することができる。
【0105】
しかも、カップリングカラー65と電極カラー73とを利用して、離間部材44からの押圧力を受けることができる。
(8)また、この現像カートリッジ25によれば、図4および図5に示すように、カップリングカラー65の外径と、電極カラー73の外径とが同径である。
【0106】
そのため、カップリングカラー65および電極カラー73を、より安定して押圧することができる。
6.第2実施形態
図12を参照して、第2実施形態のプリンタ1を説明する。なお、第2実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0107】
上記した第1実施形態では、離間部材44によって、カップリングカラー65および電極カラー73の外周面を直接押圧している。
【0108】
しかし、第2実施形態では、図12に示すように、カップリングカラー65の下側外周面に、後下側へ向かって突出し、左右方向に延びる第1当接リブ86を設け、電極カラー73の下側外周面に、後下側へ向かって突出し、左右方向に延びる第2当接リブ87を設ける。
【0109】
そして、離間部材44により、第1当接リブ86および第2当接リブ87を押圧する。
【0110】
第2実施形態においても、上記した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
7.その他の実施形態
上記した第1実施形態では、駆動入力カップリング66がカップリング部61とカップリングカラー65とを備え、現像電極74が接点部71と電極カラー73とを備えているが、例えば、駆動入力カップリング66は、カップリングカラー65を備えておらず、現像電極74は、電極カラー73を備えていなくてもよい。
【0111】
この場合には、現像カートリッジ25は、カップリング部61および接点部71において、離間部材44からの押圧力を受ける。すなわち、カップリング部61が第1力受部として機能し、接点部71が第2力受部として機能する。
【符号の説明】
【0112】
15 感光ドラム
16 現像ローラ
24 ドラムカートリッジ
25 現像カートリッジ
51 カートリッジフレーム
52 駆動ユニット
53 電極ユニット
56L 左壁
56R 右壁
65 カップリングカバー
73 電極カラー
86 第1当接リブ
87 第2当接リブ
A 軸線
D1 間隔
D2 間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向に延びる軸線を中心に回転するように構成された現像ローラと、
前記現像ローラに対して前記現像ローラの軸線方向の一方側に配置される第1側壁と前記現像ローラに対して前記軸線方向の他方側に配置される第2側壁とを含むカートリッジフレームと、
前記第1側壁に対して前記軸線方向の一方側に配置され、外部から入力される駆動力を前記現像ローラに伝達するための駆動入力カップリングと、
前記第2側壁に対して前記軸線方向の他方側に配置され、外部から入力される電力を前記現像ローラに供給するための現像電極とを備え、
前記駆動入力カップリングは、外部からの押圧力を受けるための第1力受部を備え、
前記現像電極は、外部からの押圧力を受けるための第2力受部を備えることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項2】
前記駆動入力カップリングは、前記軸線方向において前記第1側壁から最も離れた第1端を有し、
前記現像電極は、前記軸線方向において前記第2側壁から最も離れた第2端を有し、
前記第1端は、前記軸線方向において前記現像カートリッジにおける最も一方側の位置に配置され、
前記第2端は、前記軸線方向において前記現像カートリッジにおける最も他方側の位置に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の現像カートリッジ。
【請求項3】
前記第1力受部が受ける押圧力の押圧方向、および、前記第2力受部が受ける押圧力の押圧方向は、同一方向であることを特徴とする、請求項1または2に記載の現像カートリッジ。
【請求項4】
前記第1力受部が受ける押圧力の押圧方向、および、前記第2力受部が受ける押圧力の押圧方向は、前記軸線方向と直交する方向であることを特徴とする、請求項3に記載の現像カートリッジ。
【請求項5】
前記現像ローラは、外部に設けられる感光体に対して現像剤を供給するために設けられ、
前記第1力受部および前記第2力受部が外部からの押圧力を受けたときに、前記現像ローラが前記感光体から離間するように構成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の現像カートリッジ。
【請求項6】
前記現像ローラは、外部に設けられる感光体に対して現像剤を供給するために設けられ、
前記第1力受部および前記第2力受部が外部からの押圧力を受けたときに、前記現像ローラが前記感光体に向けて押圧されるように構成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の現像カートリッジ。
【請求項7】
前記現像カートリッジは、外部装置に装着されるように構成され、
前記駆動入力カップリングおよび前記現像電極は、前記外部装置に対する装着を案内するための案内部を備えることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の現像カートリッジ。
【請求項8】
前記駆動入力カップリングは、カップリング部と、前記カップリング部を覆うように配置された円筒形状からなるカップリングカラーを含み、
前記現像電極は、電極部と、前記電極部を覆うように配置された円筒形状からなる電極カラーを含み、
前記第1力受部は、前記カップリングカラーであり、
前記第2力受部は、前記電極カラーであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の現像カートリッジ。
【請求項9】
前記カップリングカラーの外径と前記電極カラーの外径とが同一であることを特徴とする、請求項8に記載の現像カートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−54059(P2013−54059A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190038(P2011−190038)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】