現像剤収納ユニット、プロセスカートリッジ、電子写真画像形成装置
【課題】 その結果、可撓性容器からの現像剤の排出を良好に行うことができる現像剤収納ユニットを提供する。
【解決手段】 現像剤Gを排出するための開口部35aを有し、現像剤Gを収納する可撓性容器16と、可撓性容器16を収納すると共に可撓性容器16から排出される現像剤Gを収納する枠体17、18と、枠体17、18の内部に設けられて可撓性容器16を押圧して変形させる押圧部材500と、を備え、可撓性容器16は、開口部35aを有する開口部含有面部X、及び、排出部35より強度が弱い他面部Y、を含む複数の面部を有する現像剤収納ユニット25を構成した。
【解決手段】 現像剤Gを排出するための開口部35aを有し、現像剤Gを収納する可撓性容器16と、可撓性容器16を収納すると共に可撓性容器16から排出される現像剤Gを収納する枠体17、18と、枠体17、18の内部に設けられて可撓性容器16を押圧して変形させる押圧部材500と、を備え、可撓性容器16は、開口部35aを有する開口部含有面部X、及び、排出部35より強度が弱い他面部Y、を含む複数の面部を有する現像剤収納ユニット25を構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤を収納する現像剤収納ユニット、これを有するプロセスカートリッジ、及び、これらを備える電子写真画像形成装置に関する。
【0002】
ここで画像形成装置とは、例えば電子写真画像形成プロセスを用いて記録媒体に画像を形成するもので、例えば電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えば、LEDプリンタ、レーザビームプリンタ等)、電子写真ファクシミリ装置等が含まれる。
【0003】
またカートリッジとは、少なくとも現像手段と現像剤を収納した現像装置を一体的に構成して画像形成装置本体に着脱可能にしたものや、現像装置と少なくとも感光体を有する感光体ユニットを一体的に構成して画像形成装置本体に着脱可能にしたものを言う。
【0004】
また現像剤収納ユニットは、画像形成装置またはカートリッジに収納されるものである。現像剤収納ユニットは、少なくとも現像剤を収納するための可撓性容器を備えている。
【背景技術】
【0005】
従来の電子写真形成プロセスを用いた電子写真画像形成装置には、電子写真感光体及びそれに作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化して、このカートリッジを電子写真画像形成装置本体に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式が採用されている。
【0006】
このようなプロセスカートリッジでは、図20で示す様に現像剤(トナー、キャリア等)を収納する現像剤収納枠体31に設けた開口部を封止部材で封止している。そして、使用時に封止部材であるトナーシール32の接合部33を引き剥がすことで開口部が開封され現像剤の供給が可能となる方式が広く採用されている(特許文献1、第13図)。
【0007】
またプロセスカートリッジ製造時に現像剤の充填工程でプロセスカートリッジの機内に現像剤が飛散する問題に対して変形可能な内部容器を用いたものが考案されている(特許文献1、第1図)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平4−66980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そのように、特許文献では、現像剤の供給の操作性向上、機内飛散防止により現像剤供給装置のコストダウンを目的として、変形可能な内部容器(可撓性容器)に現像剤を収納する方法が記載されている。しかしこの例では開封後における現像剤の排出に関する動作、機構が示されていない。
【0010】
本発明は、上記実情に鑑み、可撓性容器からの現像剤の排出を良好に行うことができる現像剤収納ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の現像剤収納ユニットは、現像剤を排出するための開口部を有し、現像剤を収納する可撓性容器と、前記可撓性容器を収納すると共に前記可撓性容器から排出される現像剤を収納する枠体と、前記枠体の内部に設けられて前記可撓性容器を押圧して変形させる押圧部材と、を備え、前記可撓性容器は、前記開口部を有する開口部含有面部、及び、前記開口部含有面部より強度が弱い他面部、を含む複数の面部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、可撓性容器は、開口部を有する開口部含有面部、及び、開口部含有面部より強度が弱い他面部を有する構成なので、開口部含有面部の方が他面部よりも振動し易い。そのために、開口部の周囲に存在する現像剤は、開口部から排出され易い。その結果、可撓性容器からの現像剤の排出を良好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】現像剤収納ユニットの構成を示す断面図である。
【図2】画像形成装置の構成を示す断面図である。
【図3】可撓性容器の構成を示す斜視図である。
【図4】枠体の内部構成を示す断面図である。
【図5】押圧部材の他の構成を示す断面図である。
【図6】枠体の内部の動作を示す断面図である。
【図7】封止部材の動作を示す断面図である。
【図8】封止部材の動作を示す断面図である。
【図9】押圧部材の動作を示す断面図である。
【図10】排出部の構成を示す平面図である。
【図11】排出部の構成を示す拡大平面図である。
【図12】封止部材の寸法関係を示す断面図である。
【図13】可撓性容器の構成を示す図である。
【図14】封止部材の動作を示す断面図である。
【図15】枠体の内部の可撓性容器の動作を示す断面図である。
【図16】枠体の内部の可撓性容器の動作を示す断面図である。
【図17】枠体の内部の可撓性容器の動作を示す断面図である。
【図18】現像剤収納部材の構成を示す斜視図である。
【図19】枠体の内部構成を示す断面図である。
【図20】従来例に係る現像剤収納枠体の構成を示す斜視図である。
【図21】排出部の構成を示す図である。
【図22】接合部を示す断面図である。
【図23】接合部を示す断面図である。
【図24】接合部を示す断面図である。
【図25】封止部材の動作を示す断面図である。
【図26】押圧部材の他の構成を示す断面図である。
【図27】可撓性容器が枠体に固定される工程を示す断面図である。
【図28】排出部の構成を示す平面図である。
【図29】可撓性容器の構成を示す断面図である。
【図30】可撓性容器の構成を示す側面図である。
【図31】接合部の様子を示す断面図である。
【図32】可撓性容器の動作を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0014】
<画像形成装置の構成概要>
図2は、画像形成装置100の構成を示す断面図である。図2に示されるように、『電子写真画像形成装置』である画像形成装置100は、『画像形成装置本体』である装置本体Bを有し、この装置本体Bに『プロセスカートリッジ』であるカートリッジAが着脱可能な構成となっている。このカートリッジAは、感光体ドラム11と現像剤収納ユニット25とが一体化されたものである。装置本体Bの下部に装着されたシートカセット6には、シートSが収納されている。画像形成時には、このシートSは、搬送ローラ7によって『像担持体』である『電子写真感光体ドラム』としての感光体ドラム11の方へと搬送される。
【0015】
この動作と同期して、感光体ドラム11は、帯電ローラ12によって表面を一様に帯電され、露光装置8から露光され、その表面には、静電像が形成される。カートリッジAには、現像剤が収納されると共に、現像剤担持体である現像ローラ13が設けられている。現像剤は、供給ローラ23によって現像ローラ13に供給され、現像ブレード15によって現像ローラ13の表面に薄層で担持される。そして、現像ローラ13に現像バイアスが印加されることによって、前述の静電像は現像剤で現像されて感光体ドラム11の表面には現像剤像が形成される。
【0016】
この現像剤像は、バイアス電圧が印加される転写ローラ9によって、搬送されるシートSに転写される。そして、シートSは、定着装置10へと搬送されて画像定着され、排出ローラ1によって排出部3に排出される。なお、装置本体Bはコントローラ50を有し、このコントローラ50は装置本体Bの内部機器の駆動を制御する。また、コントローラ50は、後述するが、押圧シート21(図1参照)を回転させて可撓性容器16(図1参照)を繰り返し押圧させるように押圧シート21の駆動を制御する。
【0017】
<プロセスカートリッジの構成概要>
図1は、カートリッジAの構成を示す断面図である。図1に示されるように、クリーナユニット24、及び、現像剤収納ユニット25を有する。クリーナユニット24は、感光体ドラム11、感光体ドラム11の表面をクリーニングするクリーニングブレード14、感光体ドラム11の表面を帯電する帯電ローラ12を有する。現像剤収納ユニット25は、現像ローラ13、現像ローラ13に現像剤を供給する供給ローラ23、現像剤を収納する可撓性容器16を有する。この現像剤収納ユニット25に関して、更に詳細を述べると、以下のようになる。
【0018】
現像剤収納ユニット25は、『第1枠体』である枠体17及び『第2枠体』である枠体18を有する。枠体17、18の上側領域には、可撓性容器16及び押圧部材500(押圧体、押圧手段)が配置される。押圧部材500は、後述するが、押圧シート21、封止部材19、及び、回転部材20を有する。ただし、本発明は可撓性容器16に特徴がある。可撓性容器16は、現像剤G(G1)を排出するための開口部35aを有し、現像剤G(G1)を収納する容器である。枠体17、18の下側領域には現像ローラ13及び供給ローラ23が配置される。こうした構成により、枠体17、18の上側領域では、現像剤を有する可撓性容器16を収納しつつ、枠体17、18の下側領域では、可撓性容器16から排出された後の現像剤G(G2)を収納する構成となっている。
【0019】
可撓性容器16の下面に対向するように押圧部材500が配置される。押圧部材500の回転部材20には、押圧シート21、封止部材19が固定される。封止部材19は、開口部35aを封して回転により封を開封した後に可撓性容器16を押圧する部材である。また、押圧シート21は、封止部材19が開口部35aを開封する動作またはその後に、可撓性容器16の下面を押圧して可撓性容器16を変形させる。可撓性容器16は、開口部35aを有する開口部含有面部X、及び、開口部含有面部Xより強度が弱い他面部Y、を含む複数の面部を有する。なお、可撓性容器16が有する開口部含有面部X及び他面部Y以外の面部は、開口部含有面部Xと同程度、又は、開口部含有面部X以上の強度を有する部材で形成されていても良い。
【0020】
このように、可撓性容器16は、開口部35aを有する開口部含有面部X、及び、開口部含有面部Xより強度が弱い他面部Yを有する構成なので、開口部含有面部Xの方が他面部Yよりも振動し易い。そのために、開口部35aの周囲に存在する現像剤Gは、開口部35aから排出され易い。その結果、可撓性容器16からの現像剤Gの排出を良好に行うことができる。また、開口部含有面部Xの強度が他面部Yよりも強いので、開口部35aの形状が崩れ難い。なお、現像ローラ13及び現像ブレード15は、枠体17に支持されている。
【0021】
<現像剤収納ユニットの構成概要>
図3は、枠体17、18の内部機構の断面を取った斜視図である。図4は、現像剤収納ユニット25の構成を示す断面図であり、封止部材19の封止部19aが開口部35aを閉じている状態を示す。図6は、現像剤収納ユニット25の構成を示す断面図であり、封止部材19の封止部19aが開口部35aを開いた状態を示す。
【0022】
図3に示されるように、可撓性容器16の上部には枠体17、18に固定するための固定部16eが形成され、可撓性容器16の下部には枠体18に固定するための固定部16dが形成されている。可撓性容器16の面の一部には、その長手方向に延びる排出部35が形成されている。排出部35は、現像剤を排出するための開口部35aを規定する(形づくる)連結部35bと、を有する。ここでは、排出部35を有する面のことは、開口部35aを有する意味からも開口部含有面部Xといい、それ以外の面を他面部Yということにする。
【0023】
また、可撓性容器16の面に対向する位置には、回転部材20が配置される。回転部材20は、軸を中心として回転する部材である。回転部材20には、封止部材19の基端部が固定されている。詳しくは、以下のようになる。封止部材19は、係合部19b、連結部19c、封止部19aを有している。係合部19bは回転部材20に固定されており、封止部19aは排出部35に固定されている。そして、回転部材20が矢印C方向に回転すると、封止部19aが開口部35aを開放するようになっている。封止部材19は、係合部19bが回転部材20に留め部材(図4参照)によって固定されており、先端が開口部35aを塞ぐようにして排出部35に固定されている。
【0024】
図4に示されるように、回転部材20には、押圧シート21が固定されている。回転部材20が回転すると、押圧シート21は回転しながら可撓性容器16を押圧したり押圧解除したりする。押圧シート21は、基端部が回転部材20に留め部材によって留められている。また、可撓性容器16の固定部16eは、枠体18の固定部18bに固定される。可撓性容器16の固定部16dは、枠体18の固定部18cに固定される。こうして、可撓性容器16は、枠体17、18の内部に支持される。
【0025】
図6に示されるように、回転部材20が回転すると、封止部材19の封止部19aが開口部35aから次第に離間していく。これと共に、押圧シート21が可撓性容器16を押圧するために可撓性容器16に接近していく。
【0026】
(現像剤を収納した可撓性容器)
図30(a)〜図30(c)は、可撓性容器16の構成を示す斜視図である。図30(a)に示されるように、可撓性容器16は、その長手方向の一方の端部に、現像剤を注入する注入口39を有している。また、可撓性容器16は、その表面に、長手方向に並ぶ一列に(複数の列であっても良いが)複数の開口部35aを有している。この可撓性容器16の開口部35aには、封止部材19が貼り付けられている。このように、封止部材19の先端は、可撓性容器16の開口部35aを封止するように貼り付けられ、封止部材19の基端には、回転部材20の留め部材と係合する係合部19bである穴が形成されている。なお、ここで現像剤は粉体である。また、図30(a)の状態では、可撓性容器16に現像剤が充填されておらず、現像剤を入れる注入口39が開口されている。
【0027】
図30(b)に示されるように、可撓性容器16には矢印の方向から注入口39へと現像剤が注入されて、可撓性容器16の内部には現像剤が充填される。可撓性容器16の可撓性により入れる為の注入口39は充填装置に合わせて変形可能であり現像剤の飛散なく充填が容易になる。充填に際しては、公知のオーガー式充填装置を使用して行うが、同様の機能を有する他の方法を用いてもかまわない。
【0028】
図30(c)に示されるように、可撓性容器16は、現像剤が充填されると、接合部39aで接合される。このように現像剤を収納した可撓性容器16のそれぞれの開口部35a、注入口39は封止されているため、収納した現像剤を外に漏れず一つのユニットとして扱うことが可能である。なお、現像剤を入れる為の注入口39の接合部39aの接合は、本実施例では超音波で接合しているが他に熱やレーザなどで接合してもよい。なお、充填する為の注入口39の位置や大きさは現像剤の充填装置やカートリッジAの形状等に合わせて適宜配置すればよい。
【0029】
(枠体内に可撓性容器を有する効果)
現像剤を収納した可撓性容器16が袋形態をとることにより現像剤をユニットとして扱える。そのため現像剤充填工程をカートリッジAのメインの組立工程(製造ライン)から分離できる。これによりカートリッジAのメインの組み立て工程(製造ライン)に現像剤が飛散することがなくなり製造ラインの清掃などのメンテナンスを削減することができる。組立工程時に現像剤の飛散がなくなることにより現像剤を充填した後のカートリッジAの清掃工程を省くことができる。
【0030】
また可撓性容器16の充填工程においても可撓性容器16は可撓性を有しており充填のための注入口39も柔らかいため飛散少なく容易に封止できる。また現像剤を収納した可撓性容器16は可撓性を有しているため枠体の形状に倣わせて組むことができる。
【0031】
また充填工程において可撓性容器16は可撓性を有するため断面を変形させて容積を増やして充填することができるので充填時には充填量を増やすことができる。また現像剤充填前の可撓性容器16は可撓性を有しているため小さく(薄く)することができて、樹脂の構造体である枠体に比べ充填前の保管時の保管スペースを小さくすることができる。
【0032】
<可撓性容器の構成>
図3、図4に示すように可撓性容器16は内部に現像剤を収納しており形状が変形可能な袋状のものであり、収納した現像剤を排出するために排出部35に複数の開口部35aを備えている。また、可撓性容器16は枠体17、枠体18に固定されている可撓性容器固定部(被固定部)16d、16eを有している。そして、可撓性容器16における開口部35aを有する開口部含有面部Xよりも強度が弱い他の面である他面部Yを少なくとも一つ有している。
【0033】
(可撓性容器の素材、通気性)
図29は、可撓性容器16及び封止部材19の構成を示す断面図である。図29(a)で示すように可撓性容器16は排出部35を有し通気性を有さないシート16uと、通気部となる通気性を有するシート16sを貼り合わせて可撓性容器16は構成されている。ここで通気部であるシート16sの通気度は収納する現像剤の大きさ(粉体の粒径)との兼ね合いで現像剤が可撓性容器16の外に漏れないものを適宜選定すれば良い。
【0034】
シート16sの素材としてポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等で、厚さは0.03〜0.15mmの不織布などが好ましい。またシート16sの素材が不織布ではなくても可撓性容器16に収納する現像剤等の粉体よりも微細な穴が開いているものでも良い。
【0035】
またシート16sの配置は本実施例では図3、図29に示すように枠体18側に可撓性容器16の長手方向全域にわたりシート16sを配している。なお図29(b)に示すようにシート16sは可撓性容器16全体を16sで構成してもよい。なおシート16s以外の可撓性容器16の素材としては後述する現像剤排出時の効率を良くするように可撓性を有するものが好ましい。またシート16sの素材に可撓性をもたせても良い。
【0036】
(可撓性容器が通気性を有する効果)
このように可撓性容器16に通気性をもたせる理由としては、製造時、ユーザがカートリッジAを使用するまでの物流時、および保管時に対応する為である。まず,製造時の理由としては、可撓性容器16を枠体17、18に組み込み易いように可撓性容器16を変形、縮小可能とする為である。可撓性容器16にシート16sが無い場合は可撓性容器16に現像剤を充填した状態(袋を閉じた状態)の大きさから変えられず、そのため変形もさせにくい。そのため組立に時間を要したり、工程が複雑化したりする。そこで可撓性容器16の少なくとも一部に通気性を持たせると可撓性容器16に現像剤を充填して袋を閉じた状態の大きさから変える事が可能となり組み立てしやすくなる。
【0037】
次に物流時および保管時の理由としては、カートリッジAの輸送時および保管時に異なる気圧の変化に対応するためである。物流などで製造時より低い気圧環境下となる場合や、製造時より高い温度となる保管される場合などにより可撓性容器16内外の気圧差が発生する。そのため可撓性容器16が膨張することで可撓性容器16と接する各部品が変型や破損の恐れがある。そのための物流時や保管時に気圧や温度の管理が必要となり設備、コストがかかる。しかし一部に通気性を持たせることにより気圧による可撓性容器16内外の気圧差による問題を解消できるのである。
【0038】
また通気性を有する不織布に排出部35、排出部35周囲の接合部22(22a、22b)(図4参照)を設けた場合は、開封時に封止部材19の剥離に伴い不織布の繊維がとれて現像剤の中に入り画像に悪影響を与える恐れがある。そのため通気性を有するシート16sとは異なるシート16uに排出部35を設けることにより前述のような不織布の繊維が抜け落ちる事がなくなる。またシート16sから脱気しながら現像剤を充填することにより充填密度を上げることができる。
【0039】
(可撓性容器の排出部構成)
図10に示されるように、可撓性容器16は排出部35を有する。排出部35は、開口部35a及び連結部35bを有する。開口部35aは、可撓性容器16の排出部35に複数設けられ、内部の現像剤を排出するための開口である。連結部35bは、複数の開口部35a同士の間を結ぶ可撓性容器16の外形に相当する。そして封止部材19により、排出部35の周囲を接合部22で連続して取り囲み開封可能に接合し可撓性容器16に収納する現像剤を封止している。
【0040】
(可撓性容器の接合部構成)
接合部22は長い方向(矢印F方向)に2本、短い方向(矢印E方向)に2本とで囲んだ「ロの字」形状で連続しているため排出部35の封止を可能としている。
【0041】
ここで長い方向(矢印F方向)に溶着された2本の接合部のうち先に開封されるものを第1接合部22a、後に開封されるものを第2接合部22bとする。本実施形態では、封止部材19の表面に沿ってみた場合に、後述する返し部19d(図12参照)(又は係合部19b)に近い側の接合部を第1接合部22aである。また、開口部35aを挟んで第1接合部22aに対向する接合部が第2接合部22bである。また短い方向の接合部を短手接合部22cとする。
【0042】
本実施例において開封方向は矢印E方向である。開封方向は次のように定義する。封止部材19を移動させて開封を行う場合に、開口部35aを挟んだ第1接合部22aと第2接合部22bとでは、第1接合部22aが先に開封(剥離)される。このように、先に開封される第1接合部22aから第2接合部22bに向かう方向を開封方向(矢印E方向)とする。
【0043】
なお、可撓性容器16から封止部材19を矢印E方向に開封する時(剥離する時)に、微視的に見ると第1接合部22aや第2接合部22bの中においても開封力による可撓性容器16の変形により矢印F方向にも剥離が進む場合がある。しかしながら、本実施例における開封方向は、このような微視的な開封の方向を指すものではない。
【0044】
(可撓性容器の開口部の配置)
次に図10、図11、図30を用いて開口部35aの配置について説明する。開口部35aを封止するとともに移動されることによって開口部35aを露出する封止部材19の移動方向(回転部材20に引っ張られる方向)は矢印D方向である。封止部材19の移動により開口部35aは開封方向(矢印E方向)の方向に露出が進む。以下に封止部材19の移動方向を矢印D方向とする。開封方向(矢印E方向)に対して垂直な矢印F方向(図10参照)にずれて複数の開口部35aおよび連結部35bを配置している。また封止部材19は、回転部材20を回転させて巻きとる構成としているが、前述の矢印F方向は回転部材20の軸線と同じ方向である。
【0045】
ここで現像ローラ13の回転軸方向と複数の開口部35aの並ぶ矢印F方向を揃えるのは、現像剤を排出時に現像ローラ13の長手方向全体に現像剤が偏りなく供給され易くするためである。
【0046】
ここで複数の開口部35aは矢印F方向にずれて配置されているため排出部35は矢印F方向に長く、矢印E方向に短いものとなる。つまり矢印F方向における複数の開口部35aの端から端までの距離は、矢印E方向における開口部35aの端から端までの長さより長い。
【0047】
このように開封方向(矢印E方向)に対して垂直な回転軸方向(矢印F方向)にずれて複数の開口部35aを配置している排出部35は矢印F方向に長く矢印E方向に短いものとなる。そのため開封に要する距離が、長い矢印F方向に開封するより短くてすむため開封に要る時間も短くできる。
【0048】
また排出部35を覆う封止部材19を回転部材20で巻きとる構成としている。回転部材20の回転軸方向と開封方向(矢印E方向)に対して略垂直な矢印F方向は同じ方向とすることで、封止部材19の巻きとり距離、時間を短くできる。
【0049】
(可撓性容器の開口部の形状、方向)
実施例1の複数の開口部35aはそれぞれ丸形状である。排出性を考慮すると開口部35aの面積は大きい方が良い。また開口部を定義する連結部35bは、可撓性容器16の強度を高めるため大きい(太い)方が良い。よって開口部35aの面積と連結部35bの面積は、排出部35の材質、厚み、また後述する開封時のピーリング強度との力関係等によりバランスをとる必要があり適宜選定すれば良い。また開口部35aの形状も丸以外に四角等の多角形や後述する実施例2の図18に示すような長丸等でもよい。
【0050】
なお開口部35aの配置は開封方向(矢印E方向)に対して垂直な矢印F方向に対してずれていれば良い。図28(a)(b)の構成を実施しても良いが、この構成に限定されなくても良い。図28(c)に示すように開口部35aが開封方向(矢印E方向)に垂直な矢印F方向に重なっていても、図28(d)に示すように重なっていなくても後述する連結部35bの効果がある。
【0051】
また開口部35aの方向は画像形成時の姿勢で収納する現像剤を排出しやすいようになっているのが好ましい。そのため、画像形成時の姿勢において、開口部35aは、重力方向の下方向に開くように配置される。ここで、開口部35aが重力方向の下方向に開くとは、開口部35aの開口の向きが重力方向下方向の成分を持つことを指す。
【0052】
(可撓性容器と枠体の固定)
ここで、一旦、図3及び図4を参照しつつ、以下の構成を説明する。図3及び図4に示されるように、可撓性容器16は、二つの固定部16d、16eにより枠体17、枠体18の内部に固定される。
【0053】
(第1固定部)
まず一つ目の固定部として、後述する封止部材19を可撓性容器16から開封する時に力を受ける可撓性容器16の第1固定部16dを設けている。複数の開口部35aが配置されている矢印F方向と平行に、固定部16dは複数個設けられている。なお固定部16dはこのように複数個設けられる以外に矢印F方向と平行に長いひとつのものでも良い(不図示)。また、第1固定部16dの位置は可撓性容器16の開口部35aの近傍に設けられている。また可撓性容器16の第1固定部16dは枠体18の第1固定部18aに固定されている。第1固定部16dは可撓性容器16の開封時の為に必要な固定部所であり、その作用や配置に関しては開封の説明で後述する。
【0054】
(第2固定部)
また二つ目の固定部として、可撓性容器16が下方、もしくは現像ローラ13、供給ローラ23の方へ移動するのを防ぐため第2固定部16eを設けている。第2固定部16eを設けているのは、2つの理由がある。第一の理由としては可撓性容器16の第2固定部16eが可撓性容器16を画像形成時の姿勢で下方に移動しないようにするためである。そのため第2固定部16eは画像形成時の姿勢で上方に配置するのが好ましい。
【0055】
また第二の理由としては、可撓性容器16が画像形成時に現像ローラ13や供給ローラ23に接触して画像を乱すことを防ぐためである。そのため現像ローラ13や供給ローラ23から離れたところに可撓性容器16の第2固定部16eを設ける事が好ましい。本実施例では可撓性容器の第2固定部16eを図4に示すように現像ローラ13から離れた上方に配置している。また、可撓性容器の第2固定部16eは枠体18の第2固定部18bに固定される。
【0056】
(可撓性容器と枠体の固定方法)
(第1固定部の固定方法)
図27は、可撓性容器16が枠体18に固定される工程を示す断面図である。可撓性容器の第1固定部16dの固定方法として、可撓性容器16の穴に、枠体18のボスを通し、ボスをつぶす超音波カシメによる固定を用いている。図27(a)で示すように、固定前には枠体18の第1固定部18aは円柱のボス形状をしており、可撓性容器16の第1固定部16dは穴が開いている。そして組み立て工程を次に示す。
【0057】
まず、図27(b)に示されるように、枠体18の第1固定部18aの凸形状部に、可撓性容器16の第1固定部16dの穴に通す。そして、図27(c)に示されるように、枠体18の第1固定部18aの先端を超音波カシメの工具91で溶かす。そして、図27(d)に示されるように、可撓性容器16の第1固定部16dの穴より大きくなるように、枠体18の第1固定部18aの先端を変形させることで可撓性容器16を枠体18に固定している。
【0058】
(第2固定部の固定方法)
図4に示すように可撓性容器16の第2固定部16eの固定方法は二つの枠体17、18による挟み込みを用いている。可撓性容器16に穴を開け可撓性容器16の第2固定部16eとし、枠体18に凸部を設けて枠体の第2固定部18bとする。そして組み立て工程を次に示す。可撓性容器16の第2固定部16eに枠体18の固定部18bの凸部を通し、枠体17で凸部から可撓性容器の第2固定部16e(穴)が脱落しないような挟み込みによる固定をしている。
【0059】
(その他の固定手段)
固定の手段としては前述の超音波カシメの他に超音波以外のものも使用可能である。例えば、熱を用いた熱カシメや、可撓性容器16と枠体17や枠体18に直接溶着する熱溶着や超音波溶着、また溶剤や接着剤を用いた接着、枠体間への挟み込み、熱カシメ、超音波カシメ、ねじ、穴と凸部(ボス等)による引っ掛け等でも良い。また枠体17、18と可撓性容器16のスペースや配置等の関係から適宜設計に応じて枠体17、18と可撓性容器16の間に別部材を介して固定しても良い(不図示)。
【0060】
<封止部材の構成>
図3、図4に示す様に、封止部材19は、カートリッジAの使用前に可撓性容器16の排出部35を覆い可撓性容器16内の現像剤を封止している。封止部材19は、移動されることによって開口部35aを露出させるものである。封止部材19の構成は、可撓性容器16の排出部35を覆う封止部19aと、後述する回転部材20と固定される係合部19bと、封止部19aと係合部19bを連結している連結部19cを有しているシート状のものである。当該シートは後述する易開封性を発揮するシーラント層を持つラミネート材で、基材はポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン等で、厚さは0.03〜0.15mmのものを適宜選定すれば良い。
【0061】
(封止部材の封止部)
封止部19aは、封止部材19が、可撓性容器16の複数の開口部35aと、連結部35bを封止する領域を指している。封止部19aにより、カートリッジAの使用時前までは現像剤が可撓性容器16内部から漏れないようにしている。
【0062】
(封止部材の係合部)
封止部材19は、開封方向(矢印E方向)の一端側に自由端部を有しており、当該自由端部に封止部材19を移動させるための開封部材に係合される係合部19bが設けられる。開口部35aを露出させるための封止部材19の端部の係合部19bは、回転部材20に係合する。封止部材19は、装置本体Bからの駆動を受けて開封を自動的に行うようなものでもよい。または、ユーザが封止部材19を把持して移動させることで開封を行うようなものでもよい。本実施例では回転部材20は枠体に設けられた回転軸であり、回転部材20に係合された封止部材19が引っ張られる事で現像剤を収納した可撓性容器16は開封される。
【0063】
(封止部材の連結部)
接合部22と係合部19bとの間を連結している部分が連結部19c(図3参照)である。連結部19cは回転部材20からの力を受けて接合部22(22a、22b)を引き剥がすように力を伝達する部分である。
【0064】
(連結部の折り返し)
ここで図12を用いて開封される瞬間において第1接合部22aと第2接合部22bとで形成された面N1とする。そして面N1に対して垂直で且つ第1接合部22aを通る面N2とする。ここで回転部材20は、第1接合部22aを通る面N2よりも第2接合部22b側に配置されている。言い換えると封止部材19は、シート状である封止部材19の表面に沿って見たときに、接合部22と回転部材20との係合部19bとの間の部分(連結部19c)で折り返されている返し部19dを有しているのである。返し部19dは折り目がついていても、折り目が付いていなくても良い。ここで封止部材19の返しの角度Qは90度以下が好ましい。折り返し角度Qは、可撓性容器16の接合部22の面と封止部材19の引っ張られる矢印D方向に沿った面の角度Qである。
【0065】
(封止部材の固定)
また封止部材19と回転部材20の固定は、本実施例において、第1固定部16dと同様の超音波カシメで固定している。超音波カシメ以外に第1固定部16dおよび第2固定部16eの固定の手段と同様に熱溶着、超音波溶着、接着、枠体間への挟み込み、穴と凸による引っ掛け等でも良い。
【0066】
(封止部材の易開封性を有する部分)
次に、接合部22の剥離力を所望の値にする方法について説明をする。本実施の形態では前記剥離力を所望の値(ここでは、トナー封止性を保てる範囲内でできるだけ小さい力)にするために、主に2つの方法をとっている。
【0067】
1つ目は、封止部材19に易開封を可能とするシーラント層を持つラミネート材を適用している。そして可撓性容器16の素材には前記シーラント層と溶着可能で可撓性のあるシート材質(例えば、ポリエチレンやポリプロピレン)を適用することで該接合部において易開封を可能とする方法である。シーラント層の処方及び貼り合わせる材質の組み合わせを変えることにより剥離力を所望の条件に合わせて調整させることが可能である。本実施例においてはJIS−Z0238の密封軟包装袋の試験において剥離強さが3N/15mm程度のものを用いている。
【0068】
2つ目は、図4、図7に示すように可撓性容器16の排出部35を開封が進む方向(矢印E方向)に対して折り返された状態にする方法である。例えば図4の状態で回転部材20を回転方向(矢印C方向)に回転させて封止部材19を回転部材20で引っ張られる方向(図中の矢印D)に引っ張る。このようにすることで、可撓性容器16と封止部材19は、図12に示すような可撓性容器16の接合部22の面と封止部材19の引っ張られる矢印D方向に沿った面の角度Qが90度以下の傾斜剥離位置関係になる。従来傾斜剥離にすることにより両者の引き剥がしに必要な剥離力を低減できることが知られている。従って、前述したように封止部材19を開封が進む方向(矢印E方向)に対して折り返された状態にすることで接合部22の部分の封止部材19と可撓性容器16が傾斜剥離の位置関係となり前記剥離力を低減するように調整することができる。
【0069】
<開封部材の構成>
回転部材20は封止部材19に力を与えて封止部材19を移動させ可撓性容器16から引き剥がす目的のものである。回転部材20は軸形状で両端を枠体18に回転可能に支持されている支持部(不図示)と、封止部材19の係合部19bを固定する係合部20bを有している。本実施例では回転部材20は四角い軸形状で、その四角い軸の一面に封止部材19の係合部19bを係合部20bで係合している。
【0070】
(開封部材、押圧部材、撹拌部材の兼用)
また可撓性容器16の外部から作用し可撓性容器16内部の現像剤を排出させる押圧シート21と、回転部材20はそれぞれ別の部材で行っても良いが、本実施例では回転部材20と押圧シート21を同じ部品で機能させている。また可撓性容器16から排出された現像剤を撹拌する機能と、回転部材20の機能をそれぞれ別の部品で行っても良いが本実地例では回転部材20に撹拌の機能を同じ部品で機能させている。
【0071】
(開封部材、押圧部材、撹拌部材兼用の効果)
このように回転部材20、押圧シート21、撹拌部材を兼用することで部品点数の削減によるコストダウン、省スペース化が可能となる。
【0072】
<現像剤収納袋の開封概要>
次に可撓性容器16の開封について図8及び図7を用いて述べる。開封のため回転部材20が封止部材19を引っ張る力を与える力点部20aと、引っ張られる可撓性容器16を固定する枠体の固定部18aを現像剤収納ユニット25は有している。
【0073】
力点部20aとは開封の瞬間に封止部材19と回転部材20の接している部分の最も接合部22に近い部分である。図7(b)では回転部材20の角部20cが力点部20aである。また枠体18の固定部18aは開封時の力による可撓性容器16の移動を抑制する固定部18cを有している。また接合部22から本実施例では枠体の第1固定部18aと可撓性容器16の第1固定部16dは超音波カシメにより接合されており、図7(b)(c)、図8(a)で示す様に第1固定部18aの超音波カシメ部分のうち接合部22に近い部分が固定部18cとなる。
【0074】
まず図4で示すように回転部材20は装置本体Bに設けられた不図示の駆動手段により駆動力が伝達され矢印C方向に回転する。そして回転部材20の回転が進むことで封止部材19が引っ張られて第1接合部22aの開封が始まる直前の状態を図5、図7(b)示す。回転に伴い回転部材20に係合部19bで固定された封止部材19は四角い回転部材20の角部20c(力点部20a)により矢印D方向に引っ張られる。
【0075】
封止部材19が引っ張られると接合部22を介して可撓性容器16が引っ張られる。すると可撓性容器16は第1固定部16dに力が加わり固定部18cによって固定部18cから力点部20aに向けて可撓性容器16は引っ張られる。すると回転部材20の回転軸に垂直な断面において、第1接合部22aは力点部20aと固定部18cを結んだ線上に近づくように動く。このとき、矢印D方向において、回転部材20の回転軸に近い方から、開口部35a、第1接合部22a、返し部19d、固定部18cの順に配置されている(図7(b))。そして封止部材19が第1接合部22aと係合部19bの間で折り返されているため第1接合部22aの部分に矢印D方向に傾斜剥離するように力がかかる。そして第1接合部22aの剥離が行われて排出部35の開封が始まる。
【0076】
また角部20cと共に力点部20aも矢印C方向に移動し、角部20dと封止部材19が接すると角部20cから角部20dへ力点部は移動する。ここで図7(b)が力点部20aが角部20cの状態を示し、図7(c)が更に回転部材20の回転が進み角部20dへ力点部が移った状態を示す。
【0077】
図6、図7(c)に示すように回転部材20の回転が進むに連れて開封が進むと共に返し部19dも矢印E方向に進む。そして更に開封が進み開口部35aが露出する。開口部35aが露出した後に第2接合部22bの剥離に入る状態を図8(a)に示す。この時も第1接合部22aの剥離と同様に封止部材19は力点部20aの方へ引っ張り、可撓性容器16は固定部18cの方向(矢印H方向)に踏ん張ろうとする。すると回転部材20の回転軸に垂直な断面において、第2接合部22bは力点部20aと固定部18cを結んだ線上に近づくように動く。そして第2接合部22bの部分に矢印D方向の力がかかり第2接合部22bが剥離する。そして第2接合部22bが剥がされて開封が完了する(図8(b)、図9)。そして可撓性容器16内部の現像剤が排出部35の開口部35aを通り矢印I方向に排出される。
【0078】
このように回転部材20の回転により封止部材19が回転部材20に巻きとられて接合部22を開封するのである。封止部材19が回転で巻き取られる回転部材20の移動に要するスペースは、回転部材20の回転スペースがあれば良く、回転以外の移動により封止部材19を移動させる場合に比べ省スペース化する事が出来る。
【0079】
また封止部材19が返し部19dを設けられていることで接合部22をせん断剥離せずに傾斜剥離とすることができ確実に開封できる。また複数の開口部35aが並んでいる矢印F方向と略垂直方向の封止部材19の一端側に封止部材19を開封するための回転部材20に係合される係合部19bが設けられることで確実に封止部材19を係合して開封することができる。また枠体に固定部18cを設けて、可撓性容器16を開封時に支持する事により柔らかく変形可能な可撓性容器16でも確実に開封可能となる。また開封時の現像剤の排出に関して、前述のように開封時に力点部20aと固定部18cで結んだ線上に接合部22が動く(図7(a)→図7(b)→図7(c)→図8(a))。この動きにより開口部35a周辺の現像剤が動かされ現像剤の凝集を崩す事が出来る。
【0080】
(開封に関係する固定部の配置関係)
図4に示すように第1接合部22bを確実に剥がすためには第1接合部22bと固定部18cの間には次のような配置の関係が求められる。開封時には固定部18cに対して封止部材19を矢印D方向に回転部材20が引っ張る。この時、回転部材20による封止部材19の移動方向(矢印D方向)において、固定部18cは開口部35aの上流側に設けられている。そのため矢印H方向に固定部18cの力が加わる。よって開封の力を加えた時に固定部18cと回転部材20の間で矢印Hと矢印D方向に引っ張られて第1接合部22aに力を加え矢印E方向に開封が進む。
【0081】
このように封止部材19の移動方向(矢印D方向)において上流に固定部18cを設けていなければ回転部材20が引っ張られた方向に可撓性容器16全体が引っ張られてしまい第1接合部22aに力を加えることができず開封できない。このように封止部材19の移動方向(矢印D方向)において上流に固定部18cを設けていることにより確実な開封が可能となるのである。
【0082】
(開封に関係する固定部の距離関係)
図22、図23に示すように第1接合部22bを確実に剥がすためには第1接合部22bと固定部18cの間には次のような長さの関係が求められる。まず回転部材20と、開口部35aと、固定部18cと、を通り、回転部材20の回転軸に垂直な平面を見た時に、第1接合部22aの中で最後にはがされる点を第一の点22dとする。第一の点22dは、第1接合部22aのなかで開口部に近い側の端部の点である。そして固定部18cから可撓性容器16に沿って第一の点22dとの距離をM1とする。そして開口部35aを含む方向に、固定部18dから第一の点22dまで可撓性容器16の沿って測った距離をM2とする。なお開口部35aは可撓性容器16の素材が存在しない空間であるが、この開口部16aの幅も距離に含める。
【0083】
この時にM1<M2を満たすようにして第1接合部を剥がせるようにしている。ここで上記M1<M2の関係について詳細に述べる。
【0084】
(M1<M2の場合)
まずM1<M2を満たす場合は図22に示す様に第1接合部22aに回転部材20の封止部材19を引っ張る力(矢印D方向)と固定部18cの踏ん張る力(矢印H方向)が第1接合部22aにかかり第1接合部22aに対して傾斜剥離とすることができる。傾斜剥離とすることで剥離力を低く設定することができる。ここで図22(a)は開封前、図22(b)は第1接合部22aが開封する直前である。
【0085】
(M1>M2の場合)
一方、M1>M2の場合は図23に示す様に第1接合部22aに回転部材20の引っ張る力がかからず第2接合部22bに力がかかる。この場合に第1接合部22aには力がかからない為剥離しない。この場合に第2接合部22bに回転部材20からの力(矢印D)と固定部18cの踏ん張る力(矢印H)がかかる。この状態では第2接合部22bには回転部材20の封止部材19を引っ張る力(矢印D)と固定部18cの踏ん張る力(矢印H)がかかり第2接合部22bの部分には剥離関係がせん断剥離の関係となるため第2接合部22bを開封することが困難である。これはせん断剥離が傾斜剥離に比べ大きな力が必要であるからである。
【0086】
ここで図23(a)は開封前、図23(b)は回転部材20が回転し接合部(この場合は第2接合部)に回転部材20により封止部材19が引っ張られる力(矢印D)かがかかる時の図である。また第2接合部22bには力が加わるがせん断剥離の関係で力がかかるため傾斜剥離の場合に比べて非常に大きな力が必要となり剥離力を低減させる事が難しくなる。
【0087】
(ヒダのある場合の距離)
なおここで前述のM1、M2の距離の測りかたの定義について述べる。M1、M2の距離は開封時に引っ張られた時の距離が重要なのでありM1、M2経路の途中にヒダ16tが無い場合は図22、図23のように展開した距離を測れば良い。また図24で示すようにM1、M2の経路の途中に製造上貼り合わせでできるヒダ16tがある場合は、開封時に引っ張った場合でもヒダ16tは伸びない(剥がれない)為にヒダ16tの部分はM1、M2の距離には含まれない。つまりヒダ16tのように力の伝達に影響しない部分は為にM1やM2距離に含めない。
【0088】
以上のようにM1<M2の関係として第1接合部22aが第2接合部22bより先に開封される。第1接合部22aが第2接合部22bより先に開封されることで第1接合部22aが封止部材19の返し部19dができる。この返し部19dによりせん断剥離にならず傾斜剥離となる。これにより確実に可撓性容器16から封止部材19を確実に剥離できて開封可能な現像剤収納ユニット25を提供できる。
【0089】
(固定部が複数の場合)
ここで複数の固定部と開封の関係について図31を用いて述べる。図31(a)の状態から回転部材20が回転して第1接合部22aが開封する直前が図31(b)である。本実施例では第1固定部18aと第2固定部18bを有している。ここで開口部35aを挟んで最初に開封される第1接合部22aに近い場所に配置されている第1固定部18aの方に開封時の力が加わる。そのため前述のM1、M2の距離の測りかたに第2固定部18aは考慮しなくてよい。このように複数の固定部がある場合には開封時の力が加わる開口部35aを挟んで最初に開封される第1接合部22aに近い場所に配置されている固定部を基準とすればよい。
【0090】
(第2接合部の位置関係)
次に第1接合部22aの開封直前の状態を示す図12を用いて第2接合部22bが回転部材20に巻き込まれずにより良好に開封できる配置について述べる。まず第1接合部22aの開口部35aから遠い側の端部を第二の点22eとする。第2接合部22bの開口部35aから遠い側の端部を第三の点22fとする。ここで第二の点22eから第三の点22fの距離をL1とする。また第二の点22eから力点部20aの距離をL2とする。この時に前記距離L1と前記距離L2の関係はL1<L2の関係が必要である。
【0091】
その理由はL1がL2より大きい場合は第2接合部22bの剥離が終わる前に第2接合部22bが力点部20aに到達してしまい、第2接合部22bが回転部材20に巻きついてしまう。第2接合部22bに対して剥離するように力をかける事ができない。そのため可撓性容器16から封止部材19を開封困難となるのである。以上のように前記距離L1と前記距離L2の関係はL1<L2とすることで封止部材19を回転部材20に巻き込まれず良好に開封可能となるのである。
【0092】
(開口部を定義する連結部の役割)
ここで可撓性容器16の開封動作において、大きな役割を果たしている開口部を定義する連結部35bの概要を述べる。
【0093】
図11は、最初に開封する第1接合部22aの部分の剥離を終えて、開口部35aが露出した時の図であり、第2接合部22bの剥離を終えていない状態である。前述したとおり排出部35は開口部35aの露出が進行する開封方向(矢印E方向)に対して垂直方向(矢印F方向)にずれて複数の開口部35aを有している。そのため複数の開口部35aを定義する連結部35bも矢印F方向に複数配されることになる。
【0094】
これにより複数の連結部35bは、排出部35の開封が進行する矢印E方向の方向において、第1接合部22aと第2接合部22bとを橋渡ししていることになる。そのため、第1接合部22aの開封を終えた図8の状態の時に、第2接合部22aが開封する時の力は連結部35bを介して第1固定部16dで受けることが可能となり封止部材19を可撓性容器16から剥す力を伝えることができる。つまり第2接合部22bに矢印D方向と矢印E方向に力がかかり第2接合部22bも剥離可能となるのである。
【0095】
以上のように図28(b)のように開封方向(矢印E方向)に対して垂直な矢印F方向に開口部が並んだ場合以外にも同様の効果を得られる。図28(c)のように開封方向(矢印E方向)に対して垂直な方向に完全に並んでいなくても連結部35bは封止部材19を可撓性容器16から剥す力を第2接合部22bに矢印Pのように伝えることができる。また図28(d)のように開封方向(矢印E方向)に対して開口部35aが重なっていても連結部35bは斜めに封止部材19を可撓性容器16から剥す力を第2接合部22bに矢印Pのように伝えることができる。即ち、複数の開口部35aが開封方向(矢印E方向)に垂直な矢印F方向にずれて配置されていればよい。
【0096】
また図28(b)のように連結部35bを含む開口部35aの周囲の部分を接合部22としても良い。この場合でも連結部35bがあることで接合部22がはがれる最後まで力をつたえることができるので開封が確実に行われる。
【0097】
また、回転部材20の回転軸と開口部35aとの関係で言えば、開口部35aは回転部材20の回転軸の方向(矢印R方向)にずれて配置されていると言える。このようにすることで、回転部材20の回転軸と垂直方向(矢印E)に橋渡しする連結部35bを有する。開口部35aの配置は、開封部材の矢印Rで示す回転軸方向にずれていれば良い。図28(b)に示すように開口部35aが矢印Rで示す回転軸方向に重なっていても、図28(d)に示すように矢印Rで示す回転軸方向に完全に重なっていなくても矢印Pのように力を伝える事が出来て連結部35bの効果がある。
【0098】
このように現像剤を収納した可撓性容器16と開封部材を有した可撓性容器30は排出部35に橋渡しする連結部35bがあることにより回転部材20の開封力を第2接合部22bを開封するまで伝えることができて確実に開封することができる。
【0099】
また、開口部35aと、封止部材19の係合部19bとの関係を説明する(図3)。係合部19bは、複数の開口部35aが並んでいる方向と略垂直方向の封止部材19の一端側に設けられている。また、開口部35aと、回転部材20との関係を説明する(図3)。回転部材20は、複数の開口部35aが並んでいる方向と略垂直方向の封止部材19の一端側に設けられている。このような構成でも、連結部35bにより回転部材20の開封力を第2接合部22bを開封するまで伝えることができる効果をえることができる。
【0100】
(連結部が別部材の例)
また図21に示すように排出部35の開口部35aを定義する連結部35bを別の部材(連結部材16f)としても良い。この場合に開封方向(矢印E方向)に垂直な矢印F方向に長い一つの開口部16aを設け前記長い一つの開口部16aに開封方向(矢印E方向)に沿って橋渡しする別部材である連結部材16fを設ける構成である。この時長い一つの開口部16aの第1接合部22a側と第2接合部22b側にそれぞれ連結部材16fを接着、溶着等で接合されている。
【0101】
なお可撓性容器16に連結部材16fを設けた場合においても封止部材19は前述のように接合部22と係合部19bの間で折り返されていることで回転部材20に封止部材19を巻きつける事で開封可能としている。このような構成をとる事により複数の開口部35aを設けた場合の開口部を定義する連結部35bと連結部材16fは同じ役割を果たす。つまり長い一つの開口部16aは連結部材16fにより複数の開口部35aがある場合と同じなのである。
【0102】
よって第1接合部22aの開封を終えて第2接合部22bを剥離する時に、回転部材20が第2接合部22aが開封する時の力(矢印D)は前記連結部材16fを介して第1固定部16dで矢印Hに受けることが可能となる。よって、封止部材19を可撓性容器16から剥す力を伝えることができる。つまり第2接合部22bに矢印Dと矢印H方向に力がかかり第2接合部22bも可能となるのである。このように長い一つの開口部16aは連結部材16fにより複数の開口部35aをつくることで連結部材16fのみを強くしたりすることも可能となる。
【0103】
(連結部が無い場合の開封性の課題)
ここで本発明を適用せず可撓性容器16が開封困難な例について述べる。これは図13及び図14で示すように、連結部35bが存在せず開封が困難になる場合である。図13は連結部35bが存在せず開口部16aが一つの例であり、図13(a)は第2接合部22bの剥離前の状態で、図13(b)と図15は第2接合部を剥離する時の状態を示した図である。また図8は本実施例における第2接合部22aを引き剥がす状態の開口部35a周辺の拡大断面図であり、図14は連結部35bが存在せず開封が困難になる場合の開口部35a周囲の断面図である。
【0104】
この場合に第2接合部22bまで開封が進んだ状態が図14(a)であり、この状態から更に回転部材20の回転により封止部材19が矢印D方向に引っ張られ移動する。すると連結部35bを有さない為に、第1固定部16dからの力を、開口部16aの中央の第2接合部22b側に伝達することができない。そのため図14(b)、図13(b)のように第2接合部22bは枠体の固定部18aからの拘束力がなくなり開口部16aが矢印D方向に大きく開いていく。更に第2接合部22bが封止部材19に引っ張られて図14(c)に示す様に開口部16aが変形する。
【0105】
この場合に第2接合部22bに働く力は図8に示すような傾斜剥離の位置関係にならず、図14(b)に示すように開口部35aが変形する事でせん断剥離(略0°剥離)となるため剥離するために大きな力が必要となる。しかも第1固定部16dが支持する力を第2接合部22bに伝達できないため第2接合部22bは剥離できないまま回転部材20に引っ張られていく。そのため第2接合部22bの長手中央付近の開口部16aが更に大きく開いてしまい、回転部材20に巻きついてしまう。
【0106】
なお現像剤を収納するものが構造体のように硬いものであればこのような変形は無く従来例のように開封可能である。しかし、現像剤を変形可能な柔らかい袋状のものに収納し、開口部が開封時変形するようなものを開封する構成の場合は前述のように連結部35bがないと開封が難しくなる。
【0107】
以上述べてきたように画像形成装置100の回転部材20に駆動力を伝える事で封止部材19(=トナーシール)を開封可能とし、ユーザがトナーシールを引き取り去る必要がなくなり、より簡便に現像剤収納ユニット25、カートリッジAを交換して使用できる。また開封後の封止部材19が回転部材20に固定されていることで、カートリッジAから廃材を出すことなく開封ができる。
【0108】
<押圧部材と現像剤排出概要について>
(押圧部材)
図16及び図17に示すように、断面が四角い回転部材20の一面には押圧シート21が取り付けられている。回転部材20には装置本体Bの内部の駆動手段により駆動力が伝達され、回転部材20が矢印C方向に回転すると、一緒に押圧シート21が矢印C方向に回転するようになっている。なお、押圧シート21の材質としてはPET、PPS(ポリフェニレンスルファイド)、ポリカーボネイト、等の可撓性シートで、厚みは0.05〜0.1mm程度を用い、その先端は回転部材20の外接円より外側に突出している。ここで本実施例では回転部材20の異なる面に封止部材19と押圧シート21を固定しているが、回転部材20の同じ面に封止部材19と押圧シート21を固定しても良い。以下、特徴を述べる。
【0109】
可撓性容器16は、(枠体17、18の上側領域)の内壁面の一部に寄って配置される。押圧部材500の押圧シート21や封止部材19が可撓性容器16を押圧すると、可撓性容器16が枠体17、18に対する押圧力を強めると、可撓性容器16が枠体17、18に押し付けられて縮小する。押圧部材500が可撓性容器16に対する押圧力を弱めると、可撓性容器16が枠体17、18に反発して拡大する。このように、可撓性容器16が枠体17、18に押し付けられて小さくなり、可撓性容器16が枠体17、18に反発して大きくなることから、可撓性容器16が効率良く伸縮して現像剤Gが開口部35aから排出され易くなる。
【0110】
押圧部材500は、可撓性容器16を押圧することで開口部含有面部Xの位置を変化させる。開口部35aの周辺の現像剤Gから排出されるので、開口部含有面部Xの位置が変化することが最も現像剤Gが排出され易いからである。
【0111】
可撓性容器16は、複数の面部間が湾曲して形成されており、押圧部材500は、開口部含有面部Xを押圧する。開口部35aの周辺の現像剤Gから排出されるので、開口部含有面部Xを押圧することが最も現像剤Gが排出され易いからである。
【0112】
押圧部材500は、枠体17、18に回転自在に設けられ、押圧部材500の回転中心に垂直な断面視で回転中心から外縁までの距離が周方向で異なる。特に、回転部材20の形状は、断面視で円ではなくて多角形であってもよく、これが回転中心から外縁までの距離が周方向で異なるということの意味でもある。従って、押圧シート21が回転すると、押圧部材500が可撓性容器16に対して押したり引いたりという動作を繰り返す。
【0113】
押圧部材500(特に、押圧シート21、また、封止部材19も)は、可撓性容器16から排出された枠体17、18の内部の現像剤Gを撹拌可能であると共に、供給ローラ23や現像ローラ13の方へと搬送可能である。
【0114】
<現像剤収納袋からの現像剤排出概要>
(開封前から開封時の排出概要)
まず開封前から開封開始時の現像剤の排出に関して前述の図7、図8に示すように封止部材19は力点部20aの方へ引っ張り(矢印D)、可撓性容器16は枠体の固定部18cで支えられる。そのため、開封時は力点部20aと、枠体の固定部18cと、接合部22の剥離する場所との3か所は、回転部材20の回転軸に垂直な断面において直線状に並ぶ方向に移動する。このように回転部材20が封止部材19に力を与え開封動作を行う前の時と、開封動作を開始し前記第1接合部22aでの接合が開封される時とで、開口部35aの位置が変化することにより開口部35a近傍の現像剤滞留を防ぐことができて排出性が良い。
【0115】
(開封後の排出概要 押圧時)
開口部35aは、鉛直下方に向かって開いて形成されており、画像形成時の前には、押圧部材500の封止部材19の一部が開口部35aを閉じており、画像形成時には、封止部材19の一部が開口部35aを開放する。開口部35aが鉛直下方に向かって開いて形成されているので、封止部材19が開口部35aを開放するのみで現像剤Gが重力によって可撓性容器16から排出される。こうして、可撓性容器16の開口部35aが開封されると、現像剤自身の重力の作用、及び、可撓性容器16の振動等によって、開口部35aの付近の現像剤が排出され易い。
【0116】
開封後更に回転部材20の回転が進むと、回転部材20に固定された可撓性容器16を押す押圧シート21も回転し、図9で示すように可撓性容器16により回転部材20に巻き着く。ここで図16に示すように押圧シート21は弾性を有しているため、もとの形状に回復しようとするために可撓性容器16を矢印J方向に押す。この時に可撓性容器16は押圧シート21により押され収納するトナーを介して枠体18に押さえつけられ可撓性容器16全体が変形する。また可撓性容器16は押圧シート21により押され内容積が少なくなる。
【0117】
この際、可撓性容器16に開口部35aを有する開口部含有面部Xよりも強度が弱い他面部Yを設けることで、弱い他面部Yが変形し、強い開口部含有面部Xが開口部35aの形状を保持した状態で現像剤を排出することが可能となる。ここで本実施例では、面の強度の大小はシートの厚さで制御する。即ち、可撓性容器16の他面部Yの厚さを、可撓性容器16の開口部含有面部Xの厚さよりも薄くするようにしている。その他、面の強度の大小は材質や材料構成等によって制御することができる。例えば、本件に於ける可撓性容器の材質はポリエチレンによる単層を想定しているが、ポリエチレンとポリエチレンテレフタレートとの2層構成とすることで機械的強度を増すことが可能となる。面の強度の測定方法としては、比較する被測定物を可撓性容器から同一の寸法で切り出した後、両端を支持台で支持し、試験片の中央部を現像剤が入っていない状態の可撓性容器の押圧部材による変形量と同等分を変形させ、その力を測定する。これにより面の強度の大小を判別することが可能である。このように可撓性容器16の容積減と全体形状の変化により、可撓性容器16の内部の現像剤は撹拌され、それにより開口部35aから現像剤が排出されやすくなる。またこの時に可撓性容器16は開口部35a以外は閉じており開口部35a以外に現像剤の逃げ道が無いため開口部35aからの排出性が高い。以上のような排出作用により矢印I方向に現像剤を排出しやすい。
【0118】
なお、この時に可撓性容器16は少なくとも一部が枠体18に当接して押さえつけられれば可撓性容器16は変形できる。また、現像ローラ13の回転軸方向と複数の開口部35aの並ぶ矢印F方向を揃えることで、現像剤を排出時に現像ローラ13の長手方向全体に現像剤が偏りなく供給され易くすることができる。
【0119】
また、現像剤収納ユニット25が画像形成装置100に装着された際に、開口部35aが重力方向に開くように設けられることで現像剤の排出性を向上させる事ができる。また、枠体(17、18)内部に設けられて押圧シート21が可撓性容器16を枠体18に押し付けるように押圧することで現像剤の排出性を向上させる事が出来る。
【0120】
(排出概要 可撓性容器形状回復)
そして図17で示すように更に回転部材20の回転が進み押圧シート21が可撓性容器16から離れる。この時に可撓性容器16は可撓性を有しているため収納する現像剤の重さで押圧される前の状態に回復しようとする(矢印K)。そしてまた封止部材19も回転し、可撓性容器16を枠体18に押し可撓性容器16が変形することで開口部35a付近以外の現像剤も動かされ開口部35aより排出される。
【0121】
(排出概要 押圧/回復の繰り返し)
開封直後の現像剤が可撓性容器16内部に多くある場合は、押圧シート21、封止部材19、及び、回転部材20の可撓性容器16への侵入量が繰り返し変化し、枠体18に押しつけるように可撓性容器16を変形させる。この押圧シート21の押圧による可撓性容器16の収縮と、可撓性容器16内部の現像剤の重さと可撓性容器16可撓性による回復を繰り返す。また前記作用により可撓性容器16自体が動くため可撓性容器16が振動し、この振動によっても可撓性容器16内部の現像剤が開口部35aから排出される。また押圧シート21は回転するため繰り返し可撓性容器16を押圧させることができる。
【0122】
(可撓性容器を枠体に貼りつけた例)
なお、可撓性容器16が枠体18へ押圧される部分27は図25に示す様に接着剤、両面テープ等の接合部28を設けて接合されている場合でも押圧シート21が可撓性容器16を押圧し現像剤を排出することができる。
【0123】
(現像剤が少なくなった場合)
なお、画像形成を行い可撓性容器16内の現像剤が少なくなった場合について図32を用いて説明する。開封直後は図32(a)に示すように収納する現像剤の重みにより可撓性容器16は押圧シート21に常に接触するように形状が追従して大きさ(内容積)を周期的に変化させる。
【0124】
しかし、収納する現像剤が少なくなると図32(b)に示すように現像剤の重さが軽くなり押圧シート21に追従しなくなり周期定期に離接を繰り返すようになる。そのため可撓性容器16の大きさ(内容積)はあまり変化しなくなる。そのため可撓性容器16内容積の変化による排出効果は少なくなるが、可撓性容器16と押圧シート21が周期的に接触することで可撓性容器16を振動させることで現像剤を排出させることができる。また、開口部を有する開口部含有面部Xに強度を持たせることにより、より振動を伝えることができ現像剤の排出性を確保することが可能となる。
【0125】
(押圧シートと封止部材の兼用)
なお、押圧シート21と封止部材19を兼用させて1部品で両方の機能をもたせてもよい。これは開封後に接合部22が可撓性容器16と離れるため、封止部材19の接合部22側の端部は自由端となる。このため封止部材19は押圧シート21の機能を有することができる。このように押圧シート21の回転部材20の機能を回転部材20が有し、押圧シート21の機能を封止部材19が有することが可能となる。このようにすると部品点数の削減ができてコストダウンが図れる。
【0126】
以上のように、現像剤排出口である開口部35aに現像剤排出ローラ等の他の排出部品を設けることなく可撓性容器16内部の現像剤を良好に排出可能とし、開口部35a付近の現像剤の凝集、ブリッジを防止できる。これにより物流、保管時等で可撓性容器16内の現像剤がタッピングにより固まった場合でもこのような可撓性容器16全体や開口部35a周囲の移動により現像剤の塊を崩すことで現像剤の排出が困難になる状態を防止できる。
【0127】
(押圧部材が一部品の例)
また、押圧シート21が回転部材20と押圧シート21の別部品ではなく、図26(a)で示すように同一部品で押圧シート21の作用をする凸部21cを押圧シート21に設けても同様に現像剤の排出を行うことができる。押圧シート21の回転部材20のみで構成される場合において、回転中心に垂直な断面で見たときに前記回転部材20の断面が多角形(図26(b))の形状やカム形状(図26(c))を有する場合でも良い。この場合でも可撓性容器16を枠体29に押圧して変形させる事が可能である。
【0128】
これは、押圧シート21を少なくとも可撓性容器16に接するように配置すると、押圧シート21の回転中心から外形への距離が変化する為に押圧シート21の可撓性容器16への侵入量も変化するためである。つまり中心に回転軸をもつ円形断面の軸で無い限り、押圧シート21の回転により可撓性容器16を変形させる事が可能である。図20で示すように押圧シート21の中心から遠い外形までの凸部21cの寸法と軸部の外形まで近い寸法21dが異なっているため押圧シート21の可撓性容器16への侵入量も変化する。
【0129】
また、図5(b)は断面が十字形の押圧シート21の断面図、図5(a)は十字形の押圧シート21を有する現像剤収納ユニット25の断面説明図である。図5に示すように押圧部材の中心から外形までの距離が等しい4本の凸部21eを有する場合、4本の凸部21eの外形(21c)は共に等しい。しかし、凸部21e以外に中心から近い外形の部分(寸法21d)を有するため可撓性容器16への侵入量を変化させることができる。即ち、押圧シート21は、押圧シート21の回転中心に垂直な断面において、押圧シート21の回転中心から押圧部材の外形までの距離が異なる部分を有する回転部材とすることができる。
【0130】
このように押圧シート21により可撓性容器16は押される事(矢印J)で枠体29に押しつけられて変形して内容積が減少し内部の現像剤が押し出されて開口部35aより排出される(矢印I)。
【0131】
また画像形成時の姿勢において押圧シート21の回転部材20は可撓性容器16の重力方向下方にあり可撓性容器16と接している。そして押圧シート21の回転部材20は断面形状が四角であり、断面形状が丸ではないため回転部材20の回転により可撓性容器16への回転部材20の侵入量は前述のように周期的に変化する。可撓性容器16への回転部材20の侵入量が変化することによっても可撓性容器16の容積を変化させ、また振動させることができて排出性が向上できる。
【実施例2】
【0132】
(真空成形)
図18は、実施例2に係る『可撓性容器』である現像剤収納部材34の構成を示す斜視図である。可撓性容器16の代わりに現像剤収納部材34が用いられる。現像剤収納部材34は、シート状の素材を真空成形、圧空成形、プレス成形により形つくったものを使用したものである。現像剤収納部材34と、実施例1と同様に、封止部材19と、回転部材20と、枠体17、枠体18と、を有している。
【0133】
なお、以下の説明にあたって、実施例1と同様な機能を有する部材には同一符号を付して説明を適宜省略する。また、この現像剤収納部材34が可撓性容器として、カートリッジAに組み込まれたり、このようなカートリッジAが装置本体Bに着脱されたりする点については、実施例1と同様であるために、カートリッジや画像形成装置の説明は省略する。
【0134】
(可撓性容器の構成)
図18、図29(c)で示すように、現像剤収納部材34は、真空成形、圧空成形、プレス成形により形つくられた可撓性を有する可撓性容器である成形部34aと、シート状の通気部34bから構成される。ここで成形部34aと通気部34bの接合は熱溶着、レーザ溶着、接着剤、接着テープ等がある。現像剤収納部材34に通気性をもたせる理由としては実施例1と同じで製造時、物流時および保管時に対応するためである。
【0135】
成形部34aの素材としてABS・PMMA・PC・PP・PE・HIPS・PET・PVCなどや、これらの複合多層材料などが好ましい。また成形部34aの厚みは成形前のシート状の厚みで0.1〜1mm程度のものが好ましい。成形部34aの材料や厚みはコストや製品仕様、製造条件等により適宜選定すればよい。
【0136】
成形部34aは、断面視でハット状(台形状)に形成され、上底面部34eと、垂直面部34gと、斜面部34f(テーパ部)と、を有する。垂直面部34gには鉛直上向きに広がる外周面部34c1が延び、斜面部34fには鉛直下向きに広がる外周面部34c2が延びる。外周面部34c1及び外周面部34c2は通気部34bと接合されている。現像剤収納部材34は、内部に現像剤を収納している。外周面部34c2には、枠体18に固定する固定部16dが形成されている。成形部34aの形状は枠体17、18の内側の形状に沿った形状となっている(図19)。現像剤収納部材34には、排出部35の開口部35aを閉じたり開封したりする封止部材19が取り付けられる。封止部材19は回転部材20の一面に取付けられる。
【0137】
ここで排出部35は成形部34aに設けられている。排出部35の構成も実施例1と同様で現像剤収納部材34の開封が進行する開封方向(矢印E方向)に対して略垂直な矢印F方向に複数の開口部35aおよび複数の開口部35aを規定する連結部35bを有している。即ち、複数の開口部35aは、開封方向(矢印E方向)に垂直な矢印F方向にずれて配置されている。
【0138】
また、複数の開口部35aは回転部材20の回転軸の方向にずれて配置されている。また、係合部19bは、複数の開口部35aが並んでいる方向と略垂直方向の封止部材19の一端側に設けられている。また、回転部材20は、複数の開口部35aが並んでいる方向と略垂直方向の封止部材19の一端側に設けられている。固定部は実施例1の第1固定部16dに相当する開封に必要な固定部16dを有している。
【0139】
成形部34aにより現像剤収納部材34自体が形を保とうとする事と、現像剤収納部材34が枠体に沿った形状であるため枠体に全体的に支えられ現像剤収納部材34が供給ローラ23や現像ローラ13の方へ移動しにくくなる。また、可撓性容器16において開口部35aを有する『開口部含有面部』である斜面部34fが供給ローラ23または現像ローラ13側に設けられている場合、前記開口部35aを有する斜面部34fは変形し難い。そのため、より現像剤収納部材34が供給ローラ23や現像ローラ13の方へ移動しにくくなる。
【0140】
次に、固定部の固定の手段としては熱溶着、超音波溶着、接着、枠体間への挟み込み、熱カシメ、超音波カシメ、穴と凸による引っ掛け等が挙げられる。なお、封止部材19、回転部材20の構成は実施例1と同じである。
【0141】
<現像剤収納袋の開封概要>
次に可撓性容器16の開封について述べる。ここで実施例1と固定部、固定部の位置はほぼ同じであり力の関係も同じである。よって開封工程も同じである(図7、図8)。実施例2で、開口部35aは成形部34aに配置されているが、成形部34aも実施例1と同様に可撓性であり、開封時の力の関係は実施例1と同じである。よって実施例2においても開封が進行する矢印E方向の方向で、第1接合部22aと第2接合部22bとを複数の連結部35bが橋渡ししている。そのため第1接合部22aの開封を終えて第2接合部22aが開封する時に封止部材19を現像剤収納部材34から剥す力を伝えることができる。そのため第2接合部22bも開封が可能となるのである。
【0142】
開封後の現像剤排出構についても実施例1と同様である。前述の現像剤収納部材34から封止部材19を開封すると、まず開口部35aは現像剤収納部材34の下方に配置してあるため重力が作用すると同時に開封時の開口部35aの位置が動くことで、現像剤が排出される。また、現像剤収納部材34の振動等により開口部35a付近の現像剤が排出される。
【0143】
また、開口部35aを有する斜面部34fに強度を持たせることにより、より振動を伝えることができ現像剤の排出性を確保することが可能となる。ここで回転部材20は押圧シート21を兼ねている。また押圧シート21の回転軸方向に垂直な断面で押圧シート21の断面は四角形をしており実施例1で説明したように押圧シート21の回転により現像剤の排出が促進される。
【0144】
ここで現像剤収納部材34の開口部35aが設けられている面と同じ面を押圧シート21は接している。なお現像剤収納部材34は開口部35aが設けられている面と他の面とは屈曲部16hを挟んで複数の面部から構成されている。
【0145】
(真空成形の効果)
現像剤収納部材34の一部を真空成形により形がつくられていることにより実施例1の効果に加えて以下の効果がある。第一の効果として、現像剤収納部材34を枠体の内側に沿った形状にできる。そのため実施例1で示すような袋形態では枠体の隅部にまで袋を入れる事は難しく、現像剤収納部材34と枠体17に隙間ができてそのスペースが有効な現像剤収納スペースとならない。
【0146】
第二の効果として、現像剤収納部材34が枠体に沿った形状にできるので枠体への組み込みが容易となる。これは組み込み時に枠体に押し込んで形状を合わせる事をしなくて済むためである。
【0147】
第三の効果として、現像剤収納部材34が供給ローラ23や現像ローラ13の方へ移動しにくくなる。これは、真空成形により前述のように現像剤収納部材34自体が形を保とうとする事と、現像剤収納部材34が枠体に沿った形状である事から、現像剤収納部材34が枠体に全体的に支えられるためである。そのため実施例1で示すような供給ローラ23や現像ローラ13の方へ移動を規制する為の第2固定部を廃止することが可能となる。
【0148】
第四の効果として、成形する形状や条件により各成形面の厚みをコントロールすることが容易となる。これによって本発明である開口部35aを有する面よりも強度が弱い面を設けるといった各面の強度を制御することも可能となる。
【0149】
図18(b)は、現像剤収納部材34の元となる板材934が金型200に真空成型される様子を示している。この場合に、板材934は、金型200の垂直面部200gでは良く伸びるが、金型200の斜面部200fでは垂直面部200gの場合程には伸びない。このために、現像剤収納部材34は、斜面部34fの方が垂直面b34gよりも強度が強くなる。なお、金型200の上底面部200eは、金型200の開口の入口から一番遠いので、その分、上底面部34eは斜面部34fも伸びるので、上底面部34eは斜面部34fよりも強度が弱い。このように、現像剤収納部材34では、複数の面部の一部(全部であっても良いが)は真空成型によって形成され、斜面部34fは、材料が真空成型によって伸びる伸び率が垂直面部34gよりも小さくなる。
【0150】
図18(c)は、真空形成による現像剤収納部材の他の一例を示した断面図である。現像剤収納部材534は、斜面部34fよりもテーパ(角度θ2)が緩い斜面部534kを有する。この場合には、斜面部53fよりも強度が弱い垂直面部34gの他に、斜面部53fよりも強度が強い斜面部534kが形成されることとなる。
【0151】
図19は、現像剤収納部材34が枠体17、18の内部に取付けられた構成を示す断面図である。図19に示す押圧シート21は、である斜面部34fを回転しながら押圧する。現像剤収納部材34は真空成形により複数の面部で構成されている。よって複数の面部と面部との間に屈曲部34dが存在している。現像剤収納部材34の面は屈曲部34dで囲まれた部分として定義する。
【0152】
ここで、押圧シート21が開口部35aを含む『開口部含有面部』である斜面部34fを押圧する場合と、押圧シート21が開口部35aを含まない『他面部』である上底面部34eを押圧する場合とで、効果の差を説明する。
【0153】
上底面部34eは、斜面部34fに対して屈曲部34dを挟んだ面である。仮に押圧シート21によって上底面部34eが押圧されるとした場合には、押圧シート21が受ける力は屈曲部34dを経由して斜面部34fに到達する。押圧シート21の押圧力は、斜面部34fに到達する前に屈曲部34dで大きく減衰してしまう。そのため、直接に開口部35aを有する斜面部34fを押圧した場合に比べ開口部35aを動かす力も小さくなる。そのため開口部35aを動かして現像剤を排出する作用が小さくなる。
【0154】
よって、押圧シート21は、開口部35aを含む開口部含有面部を押圧した方が効率よく内部の現像剤の排出性を向上でき、また現像剤の滞留を防止できるのである。このように回転部材20が兼ねている押圧シート21の回転により現像剤収納部材34を枠体18に押しつけるように押圧することで現像剤収納部材34を変形させて開口部35aの位置を変化させて内部の現像剤を排出する。また開口部35aも複数あるため一つの開口部より排出しやすい。また開口部35aは画像形成時の姿勢で重力方向下向きに配置されているので現像剤を排出しやすい。
【符号の説明】
【0155】
16 可撓性容器
17、18 枠体
19 封止部材(押圧部材)
20 回転部材(押圧部材)
21 押圧シート(押圧部材)
25 現像剤収納ユニット
35a 開口部
35X 斜面部(開口部含有面部)
35Y 垂直面部(他面部)
G 現像剤
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤を収納する現像剤収納ユニット、これを有するプロセスカートリッジ、及び、これらを備える電子写真画像形成装置に関する。
【0002】
ここで画像形成装置とは、例えば電子写真画像形成プロセスを用いて記録媒体に画像を形成するもので、例えば電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えば、LEDプリンタ、レーザビームプリンタ等)、電子写真ファクシミリ装置等が含まれる。
【0003】
またカートリッジとは、少なくとも現像手段と現像剤を収納した現像装置を一体的に構成して画像形成装置本体に着脱可能にしたものや、現像装置と少なくとも感光体を有する感光体ユニットを一体的に構成して画像形成装置本体に着脱可能にしたものを言う。
【0004】
また現像剤収納ユニットは、画像形成装置またはカートリッジに収納されるものである。現像剤収納ユニットは、少なくとも現像剤を収納するための可撓性容器を備えている。
【背景技術】
【0005】
従来の電子写真形成プロセスを用いた電子写真画像形成装置には、電子写真感光体及びそれに作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化して、このカートリッジを電子写真画像形成装置本体に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式が採用されている。
【0006】
このようなプロセスカートリッジでは、図20で示す様に現像剤(トナー、キャリア等)を収納する現像剤収納枠体31に設けた開口部を封止部材で封止している。そして、使用時に封止部材であるトナーシール32の接合部33を引き剥がすことで開口部が開封され現像剤の供給が可能となる方式が広く採用されている(特許文献1、第13図)。
【0007】
またプロセスカートリッジ製造時に現像剤の充填工程でプロセスカートリッジの機内に現像剤が飛散する問題に対して変形可能な内部容器を用いたものが考案されている(特許文献1、第1図)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平4−66980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そのように、特許文献では、現像剤の供給の操作性向上、機内飛散防止により現像剤供給装置のコストダウンを目的として、変形可能な内部容器(可撓性容器)に現像剤を収納する方法が記載されている。しかしこの例では開封後における現像剤の排出に関する動作、機構が示されていない。
【0010】
本発明は、上記実情に鑑み、可撓性容器からの現像剤の排出を良好に行うことができる現像剤収納ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の現像剤収納ユニットは、現像剤を排出するための開口部を有し、現像剤を収納する可撓性容器と、前記可撓性容器を収納すると共に前記可撓性容器から排出される現像剤を収納する枠体と、前記枠体の内部に設けられて前記可撓性容器を押圧して変形させる押圧部材と、を備え、前記可撓性容器は、前記開口部を有する開口部含有面部、及び、前記開口部含有面部より強度が弱い他面部、を含む複数の面部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、可撓性容器は、開口部を有する開口部含有面部、及び、開口部含有面部より強度が弱い他面部を有する構成なので、開口部含有面部の方が他面部よりも振動し易い。そのために、開口部の周囲に存在する現像剤は、開口部から排出され易い。その結果、可撓性容器からの現像剤の排出を良好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】現像剤収納ユニットの構成を示す断面図である。
【図2】画像形成装置の構成を示す断面図である。
【図3】可撓性容器の構成を示す斜視図である。
【図4】枠体の内部構成を示す断面図である。
【図5】押圧部材の他の構成を示す断面図である。
【図6】枠体の内部の動作を示す断面図である。
【図7】封止部材の動作を示す断面図である。
【図8】封止部材の動作を示す断面図である。
【図9】押圧部材の動作を示す断面図である。
【図10】排出部の構成を示す平面図である。
【図11】排出部の構成を示す拡大平面図である。
【図12】封止部材の寸法関係を示す断面図である。
【図13】可撓性容器の構成を示す図である。
【図14】封止部材の動作を示す断面図である。
【図15】枠体の内部の可撓性容器の動作を示す断面図である。
【図16】枠体の内部の可撓性容器の動作を示す断面図である。
【図17】枠体の内部の可撓性容器の動作を示す断面図である。
【図18】現像剤収納部材の構成を示す斜視図である。
【図19】枠体の内部構成を示す断面図である。
【図20】従来例に係る現像剤収納枠体の構成を示す斜視図である。
【図21】排出部の構成を示す図である。
【図22】接合部を示す断面図である。
【図23】接合部を示す断面図である。
【図24】接合部を示す断面図である。
【図25】封止部材の動作を示す断面図である。
【図26】押圧部材の他の構成を示す断面図である。
【図27】可撓性容器が枠体に固定される工程を示す断面図である。
【図28】排出部の構成を示す平面図である。
【図29】可撓性容器の構成を示す断面図である。
【図30】可撓性容器の構成を示す側面図である。
【図31】接合部の様子を示す断面図である。
【図32】可撓性容器の動作を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0014】
<画像形成装置の構成概要>
図2は、画像形成装置100の構成を示す断面図である。図2に示されるように、『電子写真画像形成装置』である画像形成装置100は、『画像形成装置本体』である装置本体Bを有し、この装置本体Bに『プロセスカートリッジ』であるカートリッジAが着脱可能な構成となっている。このカートリッジAは、感光体ドラム11と現像剤収納ユニット25とが一体化されたものである。装置本体Bの下部に装着されたシートカセット6には、シートSが収納されている。画像形成時には、このシートSは、搬送ローラ7によって『像担持体』である『電子写真感光体ドラム』としての感光体ドラム11の方へと搬送される。
【0015】
この動作と同期して、感光体ドラム11は、帯電ローラ12によって表面を一様に帯電され、露光装置8から露光され、その表面には、静電像が形成される。カートリッジAには、現像剤が収納されると共に、現像剤担持体である現像ローラ13が設けられている。現像剤は、供給ローラ23によって現像ローラ13に供給され、現像ブレード15によって現像ローラ13の表面に薄層で担持される。そして、現像ローラ13に現像バイアスが印加されることによって、前述の静電像は現像剤で現像されて感光体ドラム11の表面には現像剤像が形成される。
【0016】
この現像剤像は、バイアス電圧が印加される転写ローラ9によって、搬送されるシートSに転写される。そして、シートSは、定着装置10へと搬送されて画像定着され、排出ローラ1によって排出部3に排出される。なお、装置本体Bはコントローラ50を有し、このコントローラ50は装置本体Bの内部機器の駆動を制御する。また、コントローラ50は、後述するが、押圧シート21(図1参照)を回転させて可撓性容器16(図1参照)を繰り返し押圧させるように押圧シート21の駆動を制御する。
【0017】
<プロセスカートリッジの構成概要>
図1は、カートリッジAの構成を示す断面図である。図1に示されるように、クリーナユニット24、及び、現像剤収納ユニット25を有する。クリーナユニット24は、感光体ドラム11、感光体ドラム11の表面をクリーニングするクリーニングブレード14、感光体ドラム11の表面を帯電する帯電ローラ12を有する。現像剤収納ユニット25は、現像ローラ13、現像ローラ13に現像剤を供給する供給ローラ23、現像剤を収納する可撓性容器16を有する。この現像剤収納ユニット25に関して、更に詳細を述べると、以下のようになる。
【0018】
現像剤収納ユニット25は、『第1枠体』である枠体17及び『第2枠体』である枠体18を有する。枠体17、18の上側領域には、可撓性容器16及び押圧部材500(押圧体、押圧手段)が配置される。押圧部材500は、後述するが、押圧シート21、封止部材19、及び、回転部材20を有する。ただし、本発明は可撓性容器16に特徴がある。可撓性容器16は、現像剤G(G1)を排出するための開口部35aを有し、現像剤G(G1)を収納する容器である。枠体17、18の下側領域には現像ローラ13及び供給ローラ23が配置される。こうした構成により、枠体17、18の上側領域では、現像剤を有する可撓性容器16を収納しつつ、枠体17、18の下側領域では、可撓性容器16から排出された後の現像剤G(G2)を収納する構成となっている。
【0019】
可撓性容器16の下面に対向するように押圧部材500が配置される。押圧部材500の回転部材20には、押圧シート21、封止部材19が固定される。封止部材19は、開口部35aを封して回転により封を開封した後に可撓性容器16を押圧する部材である。また、押圧シート21は、封止部材19が開口部35aを開封する動作またはその後に、可撓性容器16の下面を押圧して可撓性容器16を変形させる。可撓性容器16は、開口部35aを有する開口部含有面部X、及び、開口部含有面部Xより強度が弱い他面部Y、を含む複数の面部を有する。なお、可撓性容器16が有する開口部含有面部X及び他面部Y以外の面部は、開口部含有面部Xと同程度、又は、開口部含有面部X以上の強度を有する部材で形成されていても良い。
【0020】
このように、可撓性容器16は、開口部35aを有する開口部含有面部X、及び、開口部含有面部Xより強度が弱い他面部Yを有する構成なので、開口部含有面部Xの方が他面部Yよりも振動し易い。そのために、開口部35aの周囲に存在する現像剤Gは、開口部35aから排出され易い。その結果、可撓性容器16からの現像剤Gの排出を良好に行うことができる。また、開口部含有面部Xの強度が他面部Yよりも強いので、開口部35aの形状が崩れ難い。なお、現像ローラ13及び現像ブレード15は、枠体17に支持されている。
【0021】
<現像剤収納ユニットの構成概要>
図3は、枠体17、18の内部機構の断面を取った斜視図である。図4は、現像剤収納ユニット25の構成を示す断面図であり、封止部材19の封止部19aが開口部35aを閉じている状態を示す。図6は、現像剤収納ユニット25の構成を示す断面図であり、封止部材19の封止部19aが開口部35aを開いた状態を示す。
【0022】
図3に示されるように、可撓性容器16の上部には枠体17、18に固定するための固定部16eが形成され、可撓性容器16の下部には枠体18に固定するための固定部16dが形成されている。可撓性容器16の面の一部には、その長手方向に延びる排出部35が形成されている。排出部35は、現像剤を排出するための開口部35aを規定する(形づくる)連結部35bと、を有する。ここでは、排出部35を有する面のことは、開口部35aを有する意味からも開口部含有面部Xといい、それ以外の面を他面部Yということにする。
【0023】
また、可撓性容器16の面に対向する位置には、回転部材20が配置される。回転部材20は、軸を中心として回転する部材である。回転部材20には、封止部材19の基端部が固定されている。詳しくは、以下のようになる。封止部材19は、係合部19b、連結部19c、封止部19aを有している。係合部19bは回転部材20に固定されており、封止部19aは排出部35に固定されている。そして、回転部材20が矢印C方向に回転すると、封止部19aが開口部35aを開放するようになっている。封止部材19は、係合部19bが回転部材20に留め部材(図4参照)によって固定されており、先端が開口部35aを塞ぐようにして排出部35に固定されている。
【0024】
図4に示されるように、回転部材20には、押圧シート21が固定されている。回転部材20が回転すると、押圧シート21は回転しながら可撓性容器16を押圧したり押圧解除したりする。押圧シート21は、基端部が回転部材20に留め部材によって留められている。また、可撓性容器16の固定部16eは、枠体18の固定部18bに固定される。可撓性容器16の固定部16dは、枠体18の固定部18cに固定される。こうして、可撓性容器16は、枠体17、18の内部に支持される。
【0025】
図6に示されるように、回転部材20が回転すると、封止部材19の封止部19aが開口部35aから次第に離間していく。これと共に、押圧シート21が可撓性容器16を押圧するために可撓性容器16に接近していく。
【0026】
(現像剤を収納した可撓性容器)
図30(a)〜図30(c)は、可撓性容器16の構成を示す斜視図である。図30(a)に示されるように、可撓性容器16は、その長手方向の一方の端部に、現像剤を注入する注入口39を有している。また、可撓性容器16は、その表面に、長手方向に並ぶ一列に(複数の列であっても良いが)複数の開口部35aを有している。この可撓性容器16の開口部35aには、封止部材19が貼り付けられている。このように、封止部材19の先端は、可撓性容器16の開口部35aを封止するように貼り付けられ、封止部材19の基端には、回転部材20の留め部材と係合する係合部19bである穴が形成されている。なお、ここで現像剤は粉体である。また、図30(a)の状態では、可撓性容器16に現像剤が充填されておらず、現像剤を入れる注入口39が開口されている。
【0027】
図30(b)に示されるように、可撓性容器16には矢印の方向から注入口39へと現像剤が注入されて、可撓性容器16の内部には現像剤が充填される。可撓性容器16の可撓性により入れる為の注入口39は充填装置に合わせて変形可能であり現像剤の飛散なく充填が容易になる。充填に際しては、公知のオーガー式充填装置を使用して行うが、同様の機能を有する他の方法を用いてもかまわない。
【0028】
図30(c)に示されるように、可撓性容器16は、現像剤が充填されると、接合部39aで接合される。このように現像剤を収納した可撓性容器16のそれぞれの開口部35a、注入口39は封止されているため、収納した現像剤を外に漏れず一つのユニットとして扱うことが可能である。なお、現像剤を入れる為の注入口39の接合部39aの接合は、本実施例では超音波で接合しているが他に熱やレーザなどで接合してもよい。なお、充填する為の注入口39の位置や大きさは現像剤の充填装置やカートリッジAの形状等に合わせて適宜配置すればよい。
【0029】
(枠体内に可撓性容器を有する効果)
現像剤を収納した可撓性容器16が袋形態をとることにより現像剤をユニットとして扱える。そのため現像剤充填工程をカートリッジAのメインの組立工程(製造ライン)から分離できる。これによりカートリッジAのメインの組み立て工程(製造ライン)に現像剤が飛散することがなくなり製造ラインの清掃などのメンテナンスを削減することができる。組立工程時に現像剤の飛散がなくなることにより現像剤を充填した後のカートリッジAの清掃工程を省くことができる。
【0030】
また可撓性容器16の充填工程においても可撓性容器16は可撓性を有しており充填のための注入口39も柔らかいため飛散少なく容易に封止できる。また現像剤を収納した可撓性容器16は可撓性を有しているため枠体の形状に倣わせて組むことができる。
【0031】
また充填工程において可撓性容器16は可撓性を有するため断面を変形させて容積を増やして充填することができるので充填時には充填量を増やすことができる。また現像剤充填前の可撓性容器16は可撓性を有しているため小さく(薄く)することができて、樹脂の構造体である枠体に比べ充填前の保管時の保管スペースを小さくすることができる。
【0032】
<可撓性容器の構成>
図3、図4に示すように可撓性容器16は内部に現像剤を収納しており形状が変形可能な袋状のものであり、収納した現像剤を排出するために排出部35に複数の開口部35aを備えている。また、可撓性容器16は枠体17、枠体18に固定されている可撓性容器固定部(被固定部)16d、16eを有している。そして、可撓性容器16における開口部35aを有する開口部含有面部Xよりも強度が弱い他の面である他面部Yを少なくとも一つ有している。
【0033】
(可撓性容器の素材、通気性)
図29は、可撓性容器16及び封止部材19の構成を示す断面図である。図29(a)で示すように可撓性容器16は排出部35を有し通気性を有さないシート16uと、通気部となる通気性を有するシート16sを貼り合わせて可撓性容器16は構成されている。ここで通気部であるシート16sの通気度は収納する現像剤の大きさ(粉体の粒径)との兼ね合いで現像剤が可撓性容器16の外に漏れないものを適宜選定すれば良い。
【0034】
シート16sの素材としてポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等で、厚さは0.03〜0.15mmの不織布などが好ましい。またシート16sの素材が不織布ではなくても可撓性容器16に収納する現像剤等の粉体よりも微細な穴が開いているものでも良い。
【0035】
またシート16sの配置は本実施例では図3、図29に示すように枠体18側に可撓性容器16の長手方向全域にわたりシート16sを配している。なお図29(b)に示すようにシート16sは可撓性容器16全体を16sで構成してもよい。なおシート16s以外の可撓性容器16の素材としては後述する現像剤排出時の効率を良くするように可撓性を有するものが好ましい。またシート16sの素材に可撓性をもたせても良い。
【0036】
(可撓性容器が通気性を有する効果)
このように可撓性容器16に通気性をもたせる理由としては、製造時、ユーザがカートリッジAを使用するまでの物流時、および保管時に対応する為である。まず,製造時の理由としては、可撓性容器16を枠体17、18に組み込み易いように可撓性容器16を変形、縮小可能とする為である。可撓性容器16にシート16sが無い場合は可撓性容器16に現像剤を充填した状態(袋を閉じた状態)の大きさから変えられず、そのため変形もさせにくい。そのため組立に時間を要したり、工程が複雑化したりする。そこで可撓性容器16の少なくとも一部に通気性を持たせると可撓性容器16に現像剤を充填して袋を閉じた状態の大きさから変える事が可能となり組み立てしやすくなる。
【0037】
次に物流時および保管時の理由としては、カートリッジAの輸送時および保管時に異なる気圧の変化に対応するためである。物流などで製造時より低い気圧環境下となる場合や、製造時より高い温度となる保管される場合などにより可撓性容器16内外の気圧差が発生する。そのため可撓性容器16が膨張することで可撓性容器16と接する各部品が変型や破損の恐れがある。そのための物流時や保管時に気圧や温度の管理が必要となり設備、コストがかかる。しかし一部に通気性を持たせることにより気圧による可撓性容器16内外の気圧差による問題を解消できるのである。
【0038】
また通気性を有する不織布に排出部35、排出部35周囲の接合部22(22a、22b)(図4参照)を設けた場合は、開封時に封止部材19の剥離に伴い不織布の繊維がとれて現像剤の中に入り画像に悪影響を与える恐れがある。そのため通気性を有するシート16sとは異なるシート16uに排出部35を設けることにより前述のような不織布の繊維が抜け落ちる事がなくなる。またシート16sから脱気しながら現像剤を充填することにより充填密度を上げることができる。
【0039】
(可撓性容器の排出部構成)
図10に示されるように、可撓性容器16は排出部35を有する。排出部35は、開口部35a及び連結部35bを有する。開口部35aは、可撓性容器16の排出部35に複数設けられ、内部の現像剤を排出するための開口である。連結部35bは、複数の開口部35a同士の間を結ぶ可撓性容器16の外形に相当する。そして封止部材19により、排出部35の周囲を接合部22で連続して取り囲み開封可能に接合し可撓性容器16に収納する現像剤を封止している。
【0040】
(可撓性容器の接合部構成)
接合部22は長い方向(矢印F方向)に2本、短い方向(矢印E方向)に2本とで囲んだ「ロの字」形状で連続しているため排出部35の封止を可能としている。
【0041】
ここで長い方向(矢印F方向)に溶着された2本の接合部のうち先に開封されるものを第1接合部22a、後に開封されるものを第2接合部22bとする。本実施形態では、封止部材19の表面に沿ってみた場合に、後述する返し部19d(図12参照)(又は係合部19b)に近い側の接合部を第1接合部22aである。また、開口部35aを挟んで第1接合部22aに対向する接合部が第2接合部22bである。また短い方向の接合部を短手接合部22cとする。
【0042】
本実施例において開封方向は矢印E方向である。開封方向は次のように定義する。封止部材19を移動させて開封を行う場合に、開口部35aを挟んだ第1接合部22aと第2接合部22bとでは、第1接合部22aが先に開封(剥離)される。このように、先に開封される第1接合部22aから第2接合部22bに向かう方向を開封方向(矢印E方向)とする。
【0043】
なお、可撓性容器16から封止部材19を矢印E方向に開封する時(剥離する時)に、微視的に見ると第1接合部22aや第2接合部22bの中においても開封力による可撓性容器16の変形により矢印F方向にも剥離が進む場合がある。しかしながら、本実施例における開封方向は、このような微視的な開封の方向を指すものではない。
【0044】
(可撓性容器の開口部の配置)
次に図10、図11、図30を用いて開口部35aの配置について説明する。開口部35aを封止するとともに移動されることによって開口部35aを露出する封止部材19の移動方向(回転部材20に引っ張られる方向)は矢印D方向である。封止部材19の移動により開口部35aは開封方向(矢印E方向)の方向に露出が進む。以下に封止部材19の移動方向を矢印D方向とする。開封方向(矢印E方向)に対して垂直な矢印F方向(図10参照)にずれて複数の開口部35aおよび連結部35bを配置している。また封止部材19は、回転部材20を回転させて巻きとる構成としているが、前述の矢印F方向は回転部材20の軸線と同じ方向である。
【0045】
ここで現像ローラ13の回転軸方向と複数の開口部35aの並ぶ矢印F方向を揃えるのは、現像剤を排出時に現像ローラ13の長手方向全体に現像剤が偏りなく供給され易くするためである。
【0046】
ここで複数の開口部35aは矢印F方向にずれて配置されているため排出部35は矢印F方向に長く、矢印E方向に短いものとなる。つまり矢印F方向における複数の開口部35aの端から端までの距離は、矢印E方向における開口部35aの端から端までの長さより長い。
【0047】
このように開封方向(矢印E方向)に対して垂直な回転軸方向(矢印F方向)にずれて複数の開口部35aを配置している排出部35は矢印F方向に長く矢印E方向に短いものとなる。そのため開封に要する距離が、長い矢印F方向に開封するより短くてすむため開封に要る時間も短くできる。
【0048】
また排出部35を覆う封止部材19を回転部材20で巻きとる構成としている。回転部材20の回転軸方向と開封方向(矢印E方向)に対して略垂直な矢印F方向は同じ方向とすることで、封止部材19の巻きとり距離、時間を短くできる。
【0049】
(可撓性容器の開口部の形状、方向)
実施例1の複数の開口部35aはそれぞれ丸形状である。排出性を考慮すると開口部35aの面積は大きい方が良い。また開口部を定義する連結部35bは、可撓性容器16の強度を高めるため大きい(太い)方が良い。よって開口部35aの面積と連結部35bの面積は、排出部35の材質、厚み、また後述する開封時のピーリング強度との力関係等によりバランスをとる必要があり適宜選定すれば良い。また開口部35aの形状も丸以外に四角等の多角形や後述する実施例2の図18に示すような長丸等でもよい。
【0050】
なお開口部35aの配置は開封方向(矢印E方向)に対して垂直な矢印F方向に対してずれていれば良い。図28(a)(b)の構成を実施しても良いが、この構成に限定されなくても良い。図28(c)に示すように開口部35aが開封方向(矢印E方向)に垂直な矢印F方向に重なっていても、図28(d)に示すように重なっていなくても後述する連結部35bの効果がある。
【0051】
また開口部35aの方向は画像形成時の姿勢で収納する現像剤を排出しやすいようになっているのが好ましい。そのため、画像形成時の姿勢において、開口部35aは、重力方向の下方向に開くように配置される。ここで、開口部35aが重力方向の下方向に開くとは、開口部35aの開口の向きが重力方向下方向の成分を持つことを指す。
【0052】
(可撓性容器と枠体の固定)
ここで、一旦、図3及び図4を参照しつつ、以下の構成を説明する。図3及び図4に示されるように、可撓性容器16は、二つの固定部16d、16eにより枠体17、枠体18の内部に固定される。
【0053】
(第1固定部)
まず一つ目の固定部として、後述する封止部材19を可撓性容器16から開封する時に力を受ける可撓性容器16の第1固定部16dを設けている。複数の開口部35aが配置されている矢印F方向と平行に、固定部16dは複数個設けられている。なお固定部16dはこのように複数個設けられる以外に矢印F方向と平行に長いひとつのものでも良い(不図示)。また、第1固定部16dの位置は可撓性容器16の開口部35aの近傍に設けられている。また可撓性容器16の第1固定部16dは枠体18の第1固定部18aに固定されている。第1固定部16dは可撓性容器16の開封時の為に必要な固定部所であり、その作用や配置に関しては開封の説明で後述する。
【0054】
(第2固定部)
また二つ目の固定部として、可撓性容器16が下方、もしくは現像ローラ13、供給ローラ23の方へ移動するのを防ぐため第2固定部16eを設けている。第2固定部16eを設けているのは、2つの理由がある。第一の理由としては可撓性容器16の第2固定部16eが可撓性容器16を画像形成時の姿勢で下方に移動しないようにするためである。そのため第2固定部16eは画像形成時の姿勢で上方に配置するのが好ましい。
【0055】
また第二の理由としては、可撓性容器16が画像形成時に現像ローラ13や供給ローラ23に接触して画像を乱すことを防ぐためである。そのため現像ローラ13や供給ローラ23から離れたところに可撓性容器16の第2固定部16eを設ける事が好ましい。本実施例では可撓性容器の第2固定部16eを図4に示すように現像ローラ13から離れた上方に配置している。また、可撓性容器の第2固定部16eは枠体18の第2固定部18bに固定される。
【0056】
(可撓性容器と枠体の固定方法)
(第1固定部の固定方法)
図27は、可撓性容器16が枠体18に固定される工程を示す断面図である。可撓性容器の第1固定部16dの固定方法として、可撓性容器16の穴に、枠体18のボスを通し、ボスをつぶす超音波カシメによる固定を用いている。図27(a)で示すように、固定前には枠体18の第1固定部18aは円柱のボス形状をしており、可撓性容器16の第1固定部16dは穴が開いている。そして組み立て工程を次に示す。
【0057】
まず、図27(b)に示されるように、枠体18の第1固定部18aの凸形状部に、可撓性容器16の第1固定部16dの穴に通す。そして、図27(c)に示されるように、枠体18の第1固定部18aの先端を超音波カシメの工具91で溶かす。そして、図27(d)に示されるように、可撓性容器16の第1固定部16dの穴より大きくなるように、枠体18の第1固定部18aの先端を変形させることで可撓性容器16を枠体18に固定している。
【0058】
(第2固定部の固定方法)
図4に示すように可撓性容器16の第2固定部16eの固定方法は二つの枠体17、18による挟み込みを用いている。可撓性容器16に穴を開け可撓性容器16の第2固定部16eとし、枠体18に凸部を設けて枠体の第2固定部18bとする。そして組み立て工程を次に示す。可撓性容器16の第2固定部16eに枠体18の固定部18bの凸部を通し、枠体17で凸部から可撓性容器の第2固定部16e(穴)が脱落しないような挟み込みによる固定をしている。
【0059】
(その他の固定手段)
固定の手段としては前述の超音波カシメの他に超音波以外のものも使用可能である。例えば、熱を用いた熱カシメや、可撓性容器16と枠体17や枠体18に直接溶着する熱溶着や超音波溶着、また溶剤や接着剤を用いた接着、枠体間への挟み込み、熱カシメ、超音波カシメ、ねじ、穴と凸部(ボス等)による引っ掛け等でも良い。また枠体17、18と可撓性容器16のスペースや配置等の関係から適宜設計に応じて枠体17、18と可撓性容器16の間に別部材を介して固定しても良い(不図示)。
【0060】
<封止部材の構成>
図3、図4に示す様に、封止部材19は、カートリッジAの使用前に可撓性容器16の排出部35を覆い可撓性容器16内の現像剤を封止している。封止部材19は、移動されることによって開口部35aを露出させるものである。封止部材19の構成は、可撓性容器16の排出部35を覆う封止部19aと、後述する回転部材20と固定される係合部19bと、封止部19aと係合部19bを連結している連結部19cを有しているシート状のものである。当該シートは後述する易開封性を発揮するシーラント層を持つラミネート材で、基材はポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン等で、厚さは0.03〜0.15mmのものを適宜選定すれば良い。
【0061】
(封止部材の封止部)
封止部19aは、封止部材19が、可撓性容器16の複数の開口部35aと、連結部35bを封止する領域を指している。封止部19aにより、カートリッジAの使用時前までは現像剤が可撓性容器16内部から漏れないようにしている。
【0062】
(封止部材の係合部)
封止部材19は、開封方向(矢印E方向)の一端側に自由端部を有しており、当該自由端部に封止部材19を移動させるための開封部材に係合される係合部19bが設けられる。開口部35aを露出させるための封止部材19の端部の係合部19bは、回転部材20に係合する。封止部材19は、装置本体Bからの駆動を受けて開封を自動的に行うようなものでもよい。または、ユーザが封止部材19を把持して移動させることで開封を行うようなものでもよい。本実施例では回転部材20は枠体に設けられた回転軸であり、回転部材20に係合された封止部材19が引っ張られる事で現像剤を収納した可撓性容器16は開封される。
【0063】
(封止部材の連結部)
接合部22と係合部19bとの間を連結している部分が連結部19c(図3参照)である。連結部19cは回転部材20からの力を受けて接合部22(22a、22b)を引き剥がすように力を伝達する部分である。
【0064】
(連結部の折り返し)
ここで図12を用いて開封される瞬間において第1接合部22aと第2接合部22bとで形成された面N1とする。そして面N1に対して垂直で且つ第1接合部22aを通る面N2とする。ここで回転部材20は、第1接合部22aを通る面N2よりも第2接合部22b側に配置されている。言い換えると封止部材19は、シート状である封止部材19の表面に沿って見たときに、接合部22と回転部材20との係合部19bとの間の部分(連結部19c)で折り返されている返し部19dを有しているのである。返し部19dは折り目がついていても、折り目が付いていなくても良い。ここで封止部材19の返しの角度Qは90度以下が好ましい。折り返し角度Qは、可撓性容器16の接合部22の面と封止部材19の引っ張られる矢印D方向に沿った面の角度Qである。
【0065】
(封止部材の固定)
また封止部材19と回転部材20の固定は、本実施例において、第1固定部16dと同様の超音波カシメで固定している。超音波カシメ以外に第1固定部16dおよび第2固定部16eの固定の手段と同様に熱溶着、超音波溶着、接着、枠体間への挟み込み、穴と凸による引っ掛け等でも良い。
【0066】
(封止部材の易開封性を有する部分)
次に、接合部22の剥離力を所望の値にする方法について説明をする。本実施の形態では前記剥離力を所望の値(ここでは、トナー封止性を保てる範囲内でできるだけ小さい力)にするために、主に2つの方法をとっている。
【0067】
1つ目は、封止部材19に易開封を可能とするシーラント層を持つラミネート材を適用している。そして可撓性容器16の素材には前記シーラント層と溶着可能で可撓性のあるシート材質(例えば、ポリエチレンやポリプロピレン)を適用することで該接合部において易開封を可能とする方法である。シーラント層の処方及び貼り合わせる材質の組み合わせを変えることにより剥離力を所望の条件に合わせて調整させることが可能である。本実施例においてはJIS−Z0238の密封軟包装袋の試験において剥離強さが3N/15mm程度のものを用いている。
【0068】
2つ目は、図4、図7に示すように可撓性容器16の排出部35を開封が進む方向(矢印E方向)に対して折り返された状態にする方法である。例えば図4の状態で回転部材20を回転方向(矢印C方向)に回転させて封止部材19を回転部材20で引っ張られる方向(図中の矢印D)に引っ張る。このようにすることで、可撓性容器16と封止部材19は、図12に示すような可撓性容器16の接合部22の面と封止部材19の引っ張られる矢印D方向に沿った面の角度Qが90度以下の傾斜剥離位置関係になる。従来傾斜剥離にすることにより両者の引き剥がしに必要な剥離力を低減できることが知られている。従って、前述したように封止部材19を開封が進む方向(矢印E方向)に対して折り返された状態にすることで接合部22の部分の封止部材19と可撓性容器16が傾斜剥離の位置関係となり前記剥離力を低減するように調整することができる。
【0069】
<開封部材の構成>
回転部材20は封止部材19に力を与えて封止部材19を移動させ可撓性容器16から引き剥がす目的のものである。回転部材20は軸形状で両端を枠体18に回転可能に支持されている支持部(不図示)と、封止部材19の係合部19bを固定する係合部20bを有している。本実施例では回転部材20は四角い軸形状で、その四角い軸の一面に封止部材19の係合部19bを係合部20bで係合している。
【0070】
(開封部材、押圧部材、撹拌部材の兼用)
また可撓性容器16の外部から作用し可撓性容器16内部の現像剤を排出させる押圧シート21と、回転部材20はそれぞれ別の部材で行っても良いが、本実施例では回転部材20と押圧シート21を同じ部品で機能させている。また可撓性容器16から排出された現像剤を撹拌する機能と、回転部材20の機能をそれぞれ別の部品で行っても良いが本実地例では回転部材20に撹拌の機能を同じ部品で機能させている。
【0071】
(開封部材、押圧部材、撹拌部材兼用の効果)
このように回転部材20、押圧シート21、撹拌部材を兼用することで部品点数の削減によるコストダウン、省スペース化が可能となる。
【0072】
<現像剤収納袋の開封概要>
次に可撓性容器16の開封について図8及び図7を用いて述べる。開封のため回転部材20が封止部材19を引っ張る力を与える力点部20aと、引っ張られる可撓性容器16を固定する枠体の固定部18aを現像剤収納ユニット25は有している。
【0073】
力点部20aとは開封の瞬間に封止部材19と回転部材20の接している部分の最も接合部22に近い部分である。図7(b)では回転部材20の角部20cが力点部20aである。また枠体18の固定部18aは開封時の力による可撓性容器16の移動を抑制する固定部18cを有している。また接合部22から本実施例では枠体の第1固定部18aと可撓性容器16の第1固定部16dは超音波カシメにより接合されており、図7(b)(c)、図8(a)で示す様に第1固定部18aの超音波カシメ部分のうち接合部22に近い部分が固定部18cとなる。
【0074】
まず図4で示すように回転部材20は装置本体Bに設けられた不図示の駆動手段により駆動力が伝達され矢印C方向に回転する。そして回転部材20の回転が進むことで封止部材19が引っ張られて第1接合部22aの開封が始まる直前の状態を図5、図7(b)示す。回転に伴い回転部材20に係合部19bで固定された封止部材19は四角い回転部材20の角部20c(力点部20a)により矢印D方向に引っ張られる。
【0075】
封止部材19が引っ張られると接合部22を介して可撓性容器16が引っ張られる。すると可撓性容器16は第1固定部16dに力が加わり固定部18cによって固定部18cから力点部20aに向けて可撓性容器16は引っ張られる。すると回転部材20の回転軸に垂直な断面において、第1接合部22aは力点部20aと固定部18cを結んだ線上に近づくように動く。このとき、矢印D方向において、回転部材20の回転軸に近い方から、開口部35a、第1接合部22a、返し部19d、固定部18cの順に配置されている(図7(b))。そして封止部材19が第1接合部22aと係合部19bの間で折り返されているため第1接合部22aの部分に矢印D方向に傾斜剥離するように力がかかる。そして第1接合部22aの剥離が行われて排出部35の開封が始まる。
【0076】
また角部20cと共に力点部20aも矢印C方向に移動し、角部20dと封止部材19が接すると角部20cから角部20dへ力点部は移動する。ここで図7(b)が力点部20aが角部20cの状態を示し、図7(c)が更に回転部材20の回転が進み角部20dへ力点部が移った状態を示す。
【0077】
図6、図7(c)に示すように回転部材20の回転が進むに連れて開封が進むと共に返し部19dも矢印E方向に進む。そして更に開封が進み開口部35aが露出する。開口部35aが露出した後に第2接合部22bの剥離に入る状態を図8(a)に示す。この時も第1接合部22aの剥離と同様に封止部材19は力点部20aの方へ引っ張り、可撓性容器16は固定部18cの方向(矢印H方向)に踏ん張ろうとする。すると回転部材20の回転軸に垂直な断面において、第2接合部22bは力点部20aと固定部18cを結んだ線上に近づくように動く。そして第2接合部22bの部分に矢印D方向の力がかかり第2接合部22bが剥離する。そして第2接合部22bが剥がされて開封が完了する(図8(b)、図9)。そして可撓性容器16内部の現像剤が排出部35の開口部35aを通り矢印I方向に排出される。
【0078】
このように回転部材20の回転により封止部材19が回転部材20に巻きとられて接合部22を開封するのである。封止部材19が回転で巻き取られる回転部材20の移動に要するスペースは、回転部材20の回転スペースがあれば良く、回転以外の移動により封止部材19を移動させる場合に比べ省スペース化する事が出来る。
【0079】
また封止部材19が返し部19dを設けられていることで接合部22をせん断剥離せずに傾斜剥離とすることができ確実に開封できる。また複数の開口部35aが並んでいる矢印F方向と略垂直方向の封止部材19の一端側に封止部材19を開封するための回転部材20に係合される係合部19bが設けられることで確実に封止部材19を係合して開封することができる。また枠体に固定部18cを設けて、可撓性容器16を開封時に支持する事により柔らかく変形可能な可撓性容器16でも確実に開封可能となる。また開封時の現像剤の排出に関して、前述のように開封時に力点部20aと固定部18cで結んだ線上に接合部22が動く(図7(a)→図7(b)→図7(c)→図8(a))。この動きにより開口部35a周辺の現像剤が動かされ現像剤の凝集を崩す事が出来る。
【0080】
(開封に関係する固定部の配置関係)
図4に示すように第1接合部22bを確実に剥がすためには第1接合部22bと固定部18cの間には次のような配置の関係が求められる。開封時には固定部18cに対して封止部材19を矢印D方向に回転部材20が引っ張る。この時、回転部材20による封止部材19の移動方向(矢印D方向)において、固定部18cは開口部35aの上流側に設けられている。そのため矢印H方向に固定部18cの力が加わる。よって開封の力を加えた時に固定部18cと回転部材20の間で矢印Hと矢印D方向に引っ張られて第1接合部22aに力を加え矢印E方向に開封が進む。
【0081】
このように封止部材19の移動方向(矢印D方向)において上流に固定部18cを設けていなければ回転部材20が引っ張られた方向に可撓性容器16全体が引っ張られてしまい第1接合部22aに力を加えることができず開封できない。このように封止部材19の移動方向(矢印D方向)において上流に固定部18cを設けていることにより確実な開封が可能となるのである。
【0082】
(開封に関係する固定部の距離関係)
図22、図23に示すように第1接合部22bを確実に剥がすためには第1接合部22bと固定部18cの間には次のような長さの関係が求められる。まず回転部材20と、開口部35aと、固定部18cと、を通り、回転部材20の回転軸に垂直な平面を見た時に、第1接合部22aの中で最後にはがされる点を第一の点22dとする。第一の点22dは、第1接合部22aのなかで開口部に近い側の端部の点である。そして固定部18cから可撓性容器16に沿って第一の点22dとの距離をM1とする。そして開口部35aを含む方向に、固定部18dから第一の点22dまで可撓性容器16の沿って測った距離をM2とする。なお開口部35aは可撓性容器16の素材が存在しない空間であるが、この開口部16aの幅も距離に含める。
【0083】
この時にM1<M2を満たすようにして第1接合部を剥がせるようにしている。ここで上記M1<M2の関係について詳細に述べる。
【0084】
(M1<M2の場合)
まずM1<M2を満たす場合は図22に示す様に第1接合部22aに回転部材20の封止部材19を引っ張る力(矢印D方向)と固定部18cの踏ん張る力(矢印H方向)が第1接合部22aにかかり第1接合部22aに対して傾斜剥離とすることができる。傾斜剥離とすることで剥離力を低く設定することができる。ここで図22(a)は開封前、図22(b)は第1接合部22aが開封する直前である。
【0085】
(M1>M2の場合)
一方、M1>M2の場合は図23に示す様に第1接合部22aに回転部材20の引っ張る力がかからず第2接合部22bに力がかかる。この場合に第1接合部22aには力がかからない為剥離しない。この場合に第2接合部22bに回転部材20からの力(矢印D)と固定部18cの踏ん張る力(矢印H)がかかる。この状態では第2接合部22bには回転部材20の封止部材19を引っ張る力(矢印D)と固定部18cの踏ん張る力(矢印H)がかかり第2接合部22bの部分には剥離関係がせん断剥離の関係となるため第2接合部22bを開封することが困難である。これはせん断剥離が傾斜剥離に比べ大きな力が必要であるからである。
【0086】
ここで図23(a)は開封前、図23(b)は回転部材20が回転し接合部(この場合は第2接合部)に回転部材20により封止部材19が引っ張られる力(矢印D)かがかかる時の図である。また第2接合部22bには力が加わるがせん断剥離の関係で力がかかるため傾斜剥離の場合に比べて非常に大きな力が必要となり剥離力を低減させる事が難しくなる。
【0087】
(ヒダのある場合の距離)
なおここで前述のM1、M2の距離の測りかたの定義について述べる。M1、M2の距離は開封時に引っ張られた時の距離が重要なのでありM1、M2経路の途中にヒダ16tが無い場合は図22、図23のように展開した距離を測れば良い。また図24で示すようにM1、M2の経路の途中に製造上貼り合わせでできるヒダ16tがある場合は、開封時に引っ張った場合でもヒダ16tは伸びない(剥がれない)為にヒダ16tの部分はM1、M2の距離には含まれない。つまりヒダ16tのように力の伝達に影響しない部分は為にM1やM2距離に含めない。
【0088】
以上のようにM1<M2の関係として第1接合部22aが第2接合部22bより先に開封される。第1接合部22aが第2接合部22bより先に開封されることで第1接合部22aが封止部材19の返し部19dができる。この返し部19dによりせん断剥離にならず傾斜剥離となる。これにより確実に可撓性容器16から封止部材19を確実に剥離できて開封可能な現像剤収納ユニット25を提供できる。
【0089】
(固定部が複数の場合)
ここで複数の固定部と開封の関係について図31を用いて述べる。図31(a)の状態から回転部材20が回転して第1接合部22aが開封する直前が図31(b)である。本実施例では第1固定部18aと第2固定部18bを有している。ここで開口部35aを挟んで最初に開封される第1接合部22aに近い場所に配置されている第1固定部18aの方に開封時の力が加わる。そのため前述のM1、M2の距離の測りかたに第2固定部18aは考慮しなくてよい。このように複数の固定部がある場合には開封時の力が加わる開口部35aを挟んで最初に開封される第1接合部22aに近い場所に配置されている固定部を基準とすればよい。
【0090】
(第2接合部の位置関係)
次に第1接合部22aの開封直前の状態を示す図12を用いて第2接合部22bが回転部材20に巻き込まれずにより良好に開封できる配置について述べる。まず第1接合部22aの開口部35aから遠い側の端部を第二の点22eとする。第2接合部22bの開口部35aから遠い側の端部を第三の点22fとする。ここで第二の点22eから第三の点22fの距離をL1とする。また第二の点22eから力点部20aの距離をL2とする。この時に前記距離L1と前記距離L2の関係はL1<L2の関係が必要である。
【0091】
その理由はL1がL2より大きい場合は第2接合部22bの剥離が終わる前に第2接合部22bが力点部20aに到達してしまい、第2接合部22bが回転部材20に巻きついてしまう。第2接合部22bに対して剥離するように力をかける事ができない。そのため可撓性容器16から封止部材19を開封困難となるのである。以上のように前記距離L1と前記距離L2の関係はL1<L2とすることで封止部材19を回転部材20に巻き込まれず良好に開封可能となるのである。
【0092】
(開口部を定義する連結部の役割)
ここで可撓性容器16の開封動作において、大きな役割を果たしている開口部を定義する連結部35bの概要を述べる。
【0093】
図11は、最初に開封する第1接合部22aの部分の剥離を終えて、開口部35aが露出した時の図であり、第2接合部22bの剥離を終えていない状態である。前述したとおり排出部35は開口部35aの露出が進行する開封方向(矢印E方向)に対して垂直方向(矢印F方向)にずれて複数の開口部35aを有している。そのため複数の開口部35aを定義する連結部35bも矢印F方向に複数配されることになる。
【0094】
これにより複数の連結部35bは、排出部35の開封が進行する矢印E方向の方向において、第1接合部22aと第2接合部22bとを橋渡ししていることになる。そのため、第1接合部22aの開封を終えた図8の状態の時に、第2接合部22aが開封する時の力は連結部35bを介して第1固定部16dで受けることが可能となり封止部材19を可撓性容器16から剥す力を伝えることができる。つまり第2接合部22bに矢印D方向と矢印E方向に力がかかり第2接合部22bも剥離可能となるのである。
【0095】
以上のように図28(b)のように開封方向(矢印E方向)に対して垂直な矢印F方向に開口部が並んだ場合以外にも同様の効果を得られる。図28(c)のように開封方向(矢印E方向)に対して垂直な方向に完全に並んでいなくても連結部35bは封止部材19を可撓性容器16から剥す力を第2接合部22bに矢印Pのように伝えることができる。また図28(d)のように開封方向(矢印E方向)に対して開口部35aが重なっていても連結部35bは斜めに封止部材19を可撓性容器16から剥す力を第2接合部22bに矢印Pのように伝えることができる。即ち、複数の開口部35aが開封方向(矢印E方向)に垂直な矢印F方向にずれて配置されていればよい。
【0096】
また図28(b)のように連結部35bを含む開口部35aの周囲の部分を接合部22としても良い。この場合でも連結部35bがあることで接合部22がはがれる最後まで力をつたえることができるので開封が確実に行われる。
【0097】
また、回転部材20の回転軸と開口部35aとの関係で言えば、開口部35aは回転部材20の回転軸の方向(矢印R方向)にずれて配置されていると言える。このようにすることで、回転部材20の回転軸と垂直方向(矢印E)に橋渡しする連結部35bを有する。開口部35aの配置は、開封部材の矢印Rで示す回転軸方向にずれていれば良い。図28(b)に示すように開口部35aが矢印Rで示す回転軸方向に重なっていても、図28(d)に示すように矢印Rで示す回転軸方向に完全に重なっていなくても矢印Pのように力を伝える事が出来て連結部35bの効果がある。
【0098】
このように現像剤を収納した可撓性容器16と開封部材を有した可撓性容器30は排出部35に橋渡しする連結部35bがあることにより回転部材20の開封力を第2接合部22bを開封するまで伝えることができて確実に開封することができる。
【0099】
また、開口部35aと、封止部材19の係合部19bとの関係を説明する(図3)。係合部19bは、複数の開口部35aが並んでいる方向と略垂直方向の封止部材19の一端側に設けられている。また、開口部35aと、回転部材20との関係を説明する(図3)。回転部材20は、複数の開口部35aが並んでいる方向と略垂直方向の封止部材19の一端側に設けられている。このような構成でも、連結部35bにより回転部材20の開封力を第2接合部22bを開封するまで伝えることができる効果をえることができる。
【0100】
(連結部が別部材の例)
また図21に示すように排出部35の開口部35aを定義する連結部35bを別の部材(連結部材16f)としても良い。この場合に開封方向(矢印E方向)に垂直な矢印F方向に長い一つの開口部16aを設け前記長い一つの開口部16aに開封方向(矢印E方向)に沿って橋渡しする別部材である連結部材16fを設ける構成である。この時長い一つの開口部16aの第1接合部22a側と第2接合部22b側にそれぞれ連結部材16fを接着、溶着等で接合されている。
【0101】
なお可撓性容器16に連結部材16fを設けた場合においても封止部材19は前述のように接合部22と係合部19bの間で折り返されていることで回転部材20に封止部材19を巻きつける事で開封可能としている。このような構成をとる事により複数の開口部35aを設けた場合の開口部を定義する連結部35bと連結部材16fは同じ役割を果たす。つまり長い一つの開口部16aは連結部材16fにより複数の開口部35aがある場合と同じなのである。
【0102】
よって第1接合部22aの開封を終えて第2接合部22bを剥離する時に、回転部材20が第2接合部22aが開封する時の力(矢印D)は前記連結部材16fを介して第1固定部16dで矢印Hに受けることが可能となる。よって、封止部材19を可撓性容器16から剥す力を伝えることができる。つまり第2接合部22bに矢印Dと矢印H方向に力がかかり第2接合部22bも可能となるのである。このように長い一つの開口部16aは連結部材16fにより複数の開口部35aをつくることで連結部材16fのみを強くしたりすることも可能となる。
【0103】
(連結部が無い場合の開封性の課題)
ここで本発明を適用せず可撓性容器16が開封困難な例について述べる。これは図13及び図14で示すように、連結部35bが存在せず開封が困難になる場合である。図13は連結部35bが存在せず開口部16aが一つの例であり、図13(a)は第2接合部22bの剥離前の状態で、図13(b)と図15は第2接合部を剥離する時の状態を示した図である。また図8は本実施例における第2接合部22aを引き剥がす状態の開口部35a周辺の拡大断面図であり、図14は連結部35bが存在せず開封が困難になる場合の開口部35a周囲の断面図である。
【0104】
この場合に第2接合部22bまで開封が進んだ状態が図14(a)であり、この状態から更に回転部材20の回転により封止部材19が矢印D方向に引っ張られ移動する。すると連結部35bを有さない為に、第1固定部16dからの力を、開口部16aの中央の第2接合部22b側に伝達することができない。そのため図14(b)、図13(b)のように第2接合部22bは枠体の固定部18aからの拘束力がなくなり開口部16aが矢印D方向に大きく開いていく。更に第2接合部22bが封止部材19に引っ張られて図14(c)に示す様に開口部16aが変形する。
【0105】
この場合に第2接合部22bに働く力は図8に示すような傾斜剥離の位置関係にならず、図14(b)に示すように開口部35aが変形する事でせん断剥離(略0°剥離)となるため剥離するために大きな力が必要となる。しかも第1固定部16dが支持する力を第2接合部22bに伝達できないため第2接合部22bは剥離できないまま回転部材20に引っ張られていく。そのため第2接合部22bの長手中央付近の開口部16aが更に大きく開いてしまい、回転部材20に巻きついてしまう。
【0106】
なお現像剤を収納するものが構造体のように硬いものであればこのような変形は無く従来例のように開封可能である。しかし、現像剤を変形可能な柔らかい袋状のものに収納し、開口部が開封時変形するようなものを開封する構成の場合は前述のように連結部35bがないと開封が難しくなる。
【0107】
以上述べてきたように画像形成装置100の回転部材20に駆動力を伝える事で封止部材19(=トナーシール)を開封可能とし、ユーザがトナーシールを引き取り去る必要がなくなり、より簡便に現像剤収納ユニット25、カートリッジAを交換して使用できる。また開封後の封止部材19が回転部材20に固定されていることで、カートリッジAから廃材を出すことなく開封ができる。
【0108】
<押圧部材と現像剤排出概要について>
(押圧部材)
図16及び図17に示すように、断面が四角い回転部材20の一面には押圧シート21が取り付けられている。回転部材20には装置本体Bの内部の駆動手段により駆動力が伝達され、回転部材20が矢印C方向に回転すると、一緒に押圧シート21が矢印C方向に回転するようになっている。なお、押圧シート21の材質としてはPET、PPS(ポリフェニレンスルファイド)、ポリカーボネイト、等の可撓性シートで、厚みは0.05〜0.1mm程度を用い、その先端は回転部材20の外接円より外側に突出している。ここで本実施例では回転部材20の異なる面に封止部材19と押圧シート21を固定しているが、回転部材20の同じ面に封止部材19と押圧シート21を固定しても良い。以下、特徴を述べる。
【0109】
可撓性容器16は、(枠体17、18の上側領域)の内壁面の一部に寄って配置される。押圧部材500の押圧シート21や封止部材19が可撓性容器16を押圧すると、可撓性容器16が枠体17、18に対する押圧力を強めると、可撓性容器16が枠体17、18に押し付けられて縮小する。押圧部材500が可撓性容器16に対する押圧力を弱めると、可撓性容器16が枠体17、18に反発して拡大する。このように、可撓性容器16が枠体17、18に押し付けられて小さくなり、可撓性容器16が枠体17、18に反発して大きくなることから、可撓性容器16が効率良く伸縮して現像剤Gが開口部35aから排出され易くなる。
【0110】
押圧部材500は、可撓性容器16を押圧することで開口部含有面部Xの位置を変化させる。開口部35aの周辺の現像剤Gから排出されるので、開口部含有面部Xの位置が変化することが最も現像剤Gが排出され易いからである。
【0111】
可撓性容器16は、複数の面部間が湾曲して形成されており、押圧部材500は、開口部含有面部Xを押圧する。開口部35aの周辺の現像剤Gから排出されるので、開口部含有面部Xを押圧することが最も現像剤Gが排出され易いからである。
【0112】
押圧部材500は、枠体17、18に回転自在に設けられ、押圧部材500の回転中心に垂直な断面視で回転中心から外縁までの距離が周方向で異なる。特に、回転部材20の形状は、断面視で円ではなくて多角形であってもよく、これが回転中心から外縁までの距離が周方向で異なるということの意味でもある。従って、押圧シート21が回転すると、押圧部材500が可撓性容器16に対して押したり引いたりという動作を繰り返す。
【0113】
押圧部材500(特に、押圧シート21、また、封止部材19も)は、可撓性容器16から排出された枠体17、18の内部の現像剤Gを撹拌可能であると共に、供給ローラ23や現像ローラ13の方へと搬送可能である。
【0114】
<現像剤収納袋からの現像剤排出概要>
(開封前から開封時の排出概要)
まず開封前から開封開始時の現像剤の排出に関して前述の図7、図8に示すように封止部材19は力点部20aの方へ引っ張り(矢印D)、可撓性容器16は枠体の固定部18cで支えられる。そのため、開封時は力点部20aと、枠体の固定部18cと、接合部22の剥離する場所との3か所は、回転部材20の回転軸に垂直な断面において直線状に並ぶ方向に移動する。このように回転部材20が封止部材19に力を与え開封動作を行う前の時と、開封動作を開始し前記第1接合部22aでの接合が開封される時とで、開口部35aの位置が変化することにより開口部35a近傍の現像剤滞留を防ぐことができて排出性が良い。
【0115】
(開封後の排出概要 押圧時)
開口部35aは、鉛直下方に向かって開いて形成されており、画像形成時の前には、押圧部材500の封止部材19の一部が開口部35aを閉じており、画像形成時には、封止部材19の一部が開口部35aを開放する。開口部35aが鉛直下方に向かって開いて形成されているので、封止部材19が開口部35aを開放するのみで現像剤Gが重力によって可撓性容器16から排出される。こうして、可撓性容器16の開口部35aが開封されると、現像剤自身の重力の作用、及び、可撓性容器16の振動等によって、開口部35aの付近の現像剤が排出され易い。
【0116】
開封後更に回転部材20の回転が進むと、回転部材20に固定された可撓性容器16を押す押圧シート21も回転し、図9で示すように可撓性容器16により回転部材20に巻き着く。ここで図16に示すように押圧シート21は弾性を有しているため、もとの形状に回復しようとするために可撓性容器16を矢印J方向に押す。この時に可撓性容器16は押圧シート21により押され収納するトナーを介して枠体18に押さえつけられ可撓性容器16全体が変形する。また可撓性容器16は押圧シート21により押され内容積が少なくなる。
【0117】
この際、可撓性容器16に開口部35aを有する開口部含有面部Xよりも強度が弱い他面部Yを設けることで、弱い他面部Yが変形し、強い開口部含有面部Xが開口部35aの形状を保持した状態で現像剤を排出することが可能となる。ここで本実施例では、面の強度の大小はシートの厚さで制御する。即ち、可撓性容器16の他面部Yの厚さを、可撓性容器16の開口部含有面部Xの厚さよりも薄くするようにしている。その他、面の強度の大小は材質や材料構成等によって制御することができる。例えば、本件に於ける可撓性容器の材質はポリエチレンによる単層を想定しているが、ポリエチレンとポリエチレンテレフタレートとの2層構成とすることで機械的強度を増すことが可能となる。面の強度の測定方法としては、比較する被測定物を可撓性容器から同一の寸法で切り出した後、両端を支持台で支持し、試験片の中央部を現像剤が入っていない状態の可撓性容器の押圧部材による変形量と同等分を変形させ、その力を測定する。これにより面の強度の大小を判別することが可能である。このように可撓性容器16の容積減と全体形状の変化により、可撓性容器16の内部の現像剤は撹拌され、それにより開口部35aから現像剤が排出されやすくなる。またこの時に可撓性容器16は開口部35a以外は閉じており開口部35a以外に現像剤の逃げ道が無いため開口部35aからの排出性が高い。以上のような排出作用により矢印I方向に現像剤を排出しやすい。
【0118】
なお、この時に可撓性容器16は少なくとも一部が枠体18に当接して押さえつけられれば可撓性容器16は変形できる。また、現像ローラ13の回転軸方向と複数の開口部35aの並ぶ矢印F方向を揃えることで、現像剤を排出時に現像ローラ13の長手方向全体に現像剤が偏りなく供給され易くすることができる。
【0119】
また、現像剤収納ユニット25が画像形成装置100に装着された際に、開口部35aが重力方向に開くように設けられることで現像剤の排出性を向上させる事ができる。また、枠体(17、18)内部に設けられて押圧シート21が可撓性容器16を枠体18に押し付けるように押圧することで現像剤の排出性を向上させる事が出来る。
【0120】
(排出概要 可撓性容器形状回復)
そして図17で示すように更に回転部材20の回転が進み押圧シート21が可撓性容器16から離れる。この時に可撓性容器16は可撓性を有しているため収納する現像剤の重さで押圧される前の状態に回復しようとする(矢印K)。そしてまた封止部材19も回転し、可撓性容器16を枠体18に押し可撓性容器16が変形することで開口部35a付近以外の現像剤も動かされ開口部35aより排出される。
【0121】
(排出概要 押圧/回復の繰り返し)
開封直後の現像剤が可撓性容器16内部に多くある場合は、押圧シート21、封止部材19、及び、回転部材20の可撓性容器16への侵入量が繰り返し変化し、枠体18に押しつけるように可撓性容器16を変形させる。この押圧シート21の押圧による可撓性容器16の収縮と、可撓性容器16内部の現像剤の重さと可撓性容器16可撓性による回復を繰り返す。また前記作用により可撓性容器16自体が動くため可撓性容器16が振動し、この振動によっても可撓性容器16内部の現像剤が開口部35aから排出される。また押圧シート21は回転するため繰り返し可撓性容器16を押圧させることができる。
【0122】
(可撓性容器を枠体に貼りつけた例)
なお、可撓性容器16が枠体18へ押圧される部分27は図25に示す様に接着剤、両面テープ等の接合部28を設けて接合されている場合でも押圧シート21が可撓性容器16を押圧し現像剤を排出することができる。
【0123】
(現像剤が少なくなった場合)
なお、画像形成を行い可撓性容器16内の現像剤が少なくなった場合について図32を用いて説明する。開封直後は図32(a)に示すように収納する現像剤の重みにより可撓性容器16は押圧シート21に常に接触するように形状が追従して大きさ(内容積)を周期的に変化させる。
【0124】
しかし、収納する現像剤が少なくなると図32(b)に示すように現像剤の重さが軽くなり押圧シート21に追従しなくなり周期定期に離接を繰り返すようになる。そのため可撓性容器16の大きさ(内容積)はあまり変化しなくなる。そのため可撓性容器16内容積の変化による排出効果は少なくなるが、可撓性容器16と押圧シート21が周期的に接触することで可撓性容器16を振動させることで現像剤を排出させることができる。また、開口部を有する開口部含有面部Xに強度を持たせることにより、より振動を伝えることができ現像剤の排出性を確保することが可能となる。
【0125】
(押圧シートと封止部材の兼用)
なお、押圧シート21と封止部材19を兼用させて1部品で両方の機能をもたせてもよい。これは開封後に接合部22が可撓性容器16と離れるため、封止部材19の接合部22側の端部は自由端となる。このため封止部材19は押圧シート21の機能を有することができる。このように押圧シート21の回転部材20の機能を回転部材20が有し、押圧シート21の機能を封止部材19が有することが可能となる。このようにすると部品点数の削減ができてコストダウンが図れる。
【0126】
以上のように、現像剤排出口である開口部35aに現像剤排出ローラ等の他の排出部品を設けることなく可撓性容器16内部の現像剤を良好に排出可能とし、開口部35a付近の現像剤の凝集、ブリッジを防止できる。これにより物流、保管時等で可撓性容器16内の現像剤がタッピングにより固まった場合でもこのような可撓性容器16全体や開口部35a周囲の移動により現像剤の塊を崩すことで現像剤の排出が困難になる状態を防止できる。
【0127】
(押圧部材が一部品の例)
また、押圧シート21が回転部材20と押圧シート21の別部品ではなく、図26(a)で示すように同一部品で押圧シート21の作用をする凸部21cを押圧シート21に設けても同様に現像剤の排出を行うことができる。押圧シート21の回転部材20のみで構成される場合において、回転中心に垂直な断面で見たときに前記回転部材20の断面が多角形(図26(b))の形状やカム形状(図26(c))を有する場合でも良い。この場合でも可撓性容器16を枠体29に押圧して変形させる事が可能である。
【0128】
これは、押圧シート21を少なくとも可撓性容器16に接するように配置すると、押圧シート21の回転中心から外形への距離が変化する為に押圧シート21の可撓性容器16への侵入量も変化するためである。つまり中心に回転軸をもつ円形断面の軸で無い限り、押圧シート21の回転により可撓性容器16を変形させる事が可能である。図20で示すように押圧シート21の中心から遠い外形までの凸部21cの寸法と軸部の外形まで近い寸法21dが異なっているため押圧シート21の可撓性容器16への侵入量も変化する。
【0129】
また、図5(b)は断面が十字形の押圧シート21の断面図、図5(a)は十字形の押圧シート21を有する現像剤収納ユニット25の断面説明図である。図5に示すように押圧部材の中心から外形までの距離が等しい4本の凸部21eを有する場合、4本の凸部21eの外形(21c)は共に等しい。しかし、凸部21e以外に中心から近い外形の部分(寸法21d)を有するため可撓性容器16への侵入量を変化させることができる。即ち、押圧シート21は、押圧シート21の回転中心に垂直な断面において、押圧シート21の回転中心から押圧部材の外形までの距離が異なる部分を有する回転部材とすることができる。
【0130】
このように押圧シート21により可撓性容器16は押される事(矢印J)で枠体29に押しつけられて変形して内容積が減少し内部の現像剤が押し出されて開口部35aより排出される(矢印I)。
【0131】
また画像形成時の姿勢において押圧シート21の回転部材20は可撓性容器16の重力方向下方にあり可撓性容器16と接している。そして押圧シート21の回転部材20は断面形状が四角であり、断面形状が丸ではないため回転部材20の回転により可撓性容器16への回転部材20の侵入量は前述のように周期的に変化する。可撓性容器16への回転部材20の侵入量が変化することによっても可撓性容器16の容積を変化させ、また振動させることができて排出性が向上できる。
【実施例2】
【0132】
(真空成形)
図18は、実施例2に係る『可撓性容器』である現像剤収納部材34の構成を示す斜視図である。可撓性容器16の代わりに現像剤収納部材34が用いられる。現像剤収納部材34は、シート状の素材を真空成形、圧空成形、プレス成形により形つくったものを使用したものである。現像剤収納部材34と、実施例1と同様に、封止部材19と、回転部材20と、枠体17、枠体18と、を有している。
【0133】
なお、以下の説明にあたって、実施例1と同様な機能を有する部材には同一符号を付して説明を適宜省略する。また、この現像剤収納部材34が可撓性容器として、カートリッジAに組み込まれたり、このようなカートリッジAが装置本体Bに着脱されたりする点については、実施例1と同様であるために、カートリッジや画像形成装置の説明は省略する。
【0134】
(可撓性容器の構成)
図18、図29(c)で示すように、現像剤収納部材34は、真空成形、圧空成形、プレス成形により形つくられた可撓性を有する可撓性容器である成形部34aと、シート状の通気部34bから構成される。ここで成形部34aと通気部34bの接合は熱溶着、レーザ溶着、接着剤、接着テープ等がある。現像剤収納部材34に通気性をもたせる理由としては実施例1と同じで製造時、物流時および保管時に対応するためである。
【0135】
成形部34aの素材としてABS・PMMA・PC・PP・PE・HIPS・PET・PVCなどや、これらの複合多層材料などが好ましい。また成形部34aの厚みは成形前のシート状の厚みで0.1〜1mm程度のものが好ましい。成形部34aの材料や厚みはコストや製品仕様、製造条件等により適宜選定すればよい。
【0136】
成形部34aは、断面視でハット状(台形状)に形成され、上底面部34eと、垂直面部34gと、斜面部34f(テーパ部)と、を有する。垂直面部34gには鉛直上向きに広がる外周面部34c1が延び、斜面部34fには鉛直下向きに広がる外周面部34c2が延びる。外周面部34c1及び外周面部34c2は通気部34bと接合されている。現像剤収納部材34は、内部に現像剤を収納している。外周面部34c2には、枠体18に固定する固定部16dが形成されている。成形部34aの形状は枠体17、18の内側の形状に沿った形状となっている(図19)。現像剤収納部材34には、排出部35の開口部35aを閉じたり開封したりする封止部材19が取り付けられる。封止部材19は回転部材20の一面に取付けられる。
【0137】
ここで排出部35は成形部34aに設けられている。排出部35の構成も実施例1と同様で現像剤収納部材34の開封が進行する開封方向(矢印E方向)に対して略垂直な矢印F方向に複数の開口部35aおよび複数の開口部35aを規定する連結部35bを有している。即ち、複数の開口部35aは、開封方向(矢印E方向)に垂直な矢印F方向にずれて配置されている。
【0138】
また、複数の開口部35aは回転部材20の回転軸の方向にずれて配置されている。また、係合部19bは、複数の開口部35aが並んでいる方向と略垂直方向の封止部材19の一端側に設けられている。また、回転部材20は、複数の開口部35aが並んでいる方向と略垂直方向の封止部材19の一端側に設けられている。固定部は実施例1の第1固定部16dに相当する開封に必要な固定部16dを有している。
【0139】
成形部34aにより現像剤収納部材34自体が形を保とうとする事と、現像剤収納部材34が枠体に沿った形状であるため枠体に全体的に支えられ現像剤収納部材34が供給ローラ23や現像ローラ13の方へ移動しにくくなる。また、可撓性容器16において開口部35aを有する『開口部含有面部』である斜面部34fが供給ローラ23または現像ローラ13側に設けられている場合、前記開口部35aを有する斜面部34fは変形し難い。そのため、より現像剤収納部材34が供給ローラ23や現像ローラ13の方へ移動しにくくなる。
【0140】
次に、固定部の固定の手段としては熱溶着、超音波溶着、接着、枠体間への挟み込み、熱カシメ、超音波カシメ、穴と凸による引っ掛け等が挙げられる。なお、封止部材19、回転部材20の構成は実施例1と同じである。
【0141】
<現像剤収納袋の開封概要>
次に可撓性容器16の開封について述べる。ここで実施例1と固定部、固定部の位置はほぼ同じであり力の関係も同じである。よって開封工程も同じである(図7、図8)。実施例2で、開口部35aは成形部34aに配置されているが、成形部34aも実施例1と同様に可撓性であり、開封時の力の関係は実施例1と同じである。よって実施例2においても開封が進行する矢印E方向の方向で、第1接合部22aと第2接合部22bとを複数の連結部35bが橋渡ししている。そのため第1接合部22aの開封を終えて第2接合部22aが開封する時に封止部材19を現像剤収納部材34から剥す力を伝えることができる。そのため第2接合部22bも開封が可能となるのである。
【0142】
開封後の現像剤排出構についても実施例1と同様である。前述の現像剤収納部材34から封止部材19を開封すると、まず開口部35aは現像剤収納部材34の下方に配置してあるため重力が作用すると同時に開封時の開口部35aの位置が動くことで、現像剤が排出される。また、現像剤収納部材34の振動等により開口部35a付近の現像剤が排出される。
【0143】
また、開口部35aを有する斜面部34fに強度を持たせることにより、より振動を伝えることができ現像剤の排出性を確保することが可能となる。ここで回転部材20は押圧シート21を兼ねている。また押圧シート21の回転軸方向に垂直な断面で押圧シート21の断面は四角形をしており実施例1で説明したように押圧シート21の回転により現像剤の排出が促進される。
【0144】
ここで現像剤収納部材34の開口部35aが設けられている面と同じ面を押圧シート21は接している。なお現像剤収納部材34は開口部35aが設けられている面と他の面とは屈曲部16hを挟んで複数の面部から構成されている。
【0145】
(真空成形の効果)
現像剤収納部材34の一部を真空成形により形がつくられていることにより実施例1の効果に加えて以下の効果がある。第一の効果として、現像剤収納部材34を枠体の内側に沿った形状にできる。そのため実施例1で示すような袋形態では枠体の隅部にまで袋を入れる事は難しく、現像剤収納部材34と枠体17に隙間ができてそのスペースが有効な現像剤収納スペースとならない。
【0146】
第二の効果として、現像剤収納部材34が枠体に沿った形状にできるので枠体への組み込みが容易となる。これは組み込み時に枠体に押し込んで形状を合わせる事をしなくて済むためである。
【0147】
第三の効果として、現像剤収納部材34が供給ローラ23や現像ローラ13の方へ移動しにくくなる。これは、真空成形により前述のように現像剤収納部材34自体が形を保とうとする事と、現像剤収納部材34が枠体に沿った形状である事から、現像剤収納部材34が枠体に全体的に支えられるためである。そのため実施例1で示すような供給ローラ23や現像ローラ13の方へ移動を規制する為の第2固定部を廃止することが可能となる。
【0148】
第四の効果として、成形する形状や条件により各成形面の厚みをコントロールすることが容易となる。これによって本発明である開口部35aを有する面よりも強度が弱い面を設けるといった各面の強度を制御することも可能となる。
【0149】
図18(b)は、現像剤収納部材34の元となる板材934が金型200に真空成型される様子を示している。この場合に、板材934は、金型200の垂直面部200gでは良く伸びるが、金型200の斜面部200fでは垂直面部200gの場合程には伸びない。このために、現像剤収納部材34は、斜面部34fの方が垂直面b34gよりも強度が強くなる。なお、金型200の上底面部200eは、金型200の開口の入口から一番遠いので、その分、上底面部34eは斜面部34fも伸びるので、上底面部34eは斜面部34fよりも強度が弱い。このように、現像剤収納部材34では、複数の面部の一部(全部であっても良いが)は真空成型によって形成され、斜面部34fは、材料が真空成型によって伸びる伸び率が垂直面部34gよりも小さくなる。
【0150】
図18(c)は、真空形成による現像剤収納部材の他の一例を示した断面図である。現像剤収納部材534は、斜面部34fよりもテーパ(角度θ2)が緩い斜面部534kを有する。この場合には、斜面部53fよりも強度が弱い垂直面部34gの他に、斜面部53fよりも強度が強い斜面部534kが形成されることとなる。
【0151】
図19は、現像剤収納部材34が枠体17、18の内部に取付けられた構成を示す断面図である。図19に示す押圧シート21は、である斜面部34fを回転しながら押圧する。現像剤収納部材34は真空成形により複数の面部で構成されている。よって複数の面部と面部との間に屈曲部34dが存在している。現像剤収納部材34の面は屈曲部34dで囲まれた部分として定義する。
【0152】
ここで、押圧シート21が開口部35aを含む『開口部含有面部』である斜面部34fを押圧する場合と、押圧シート21が開口部35aを含まない『他面部』である上底面部34eを押圧する場合とで、効果の差を説明する。
【0153】
上底面部34eは、斜面部34fに対して屈曲部34dを挟んだ面である。仮に押圧シート21によって上底面部34eが押圧されるとした場合には、押圧シート21が受ける力は屈曲部34dを経由して斜面部34fに到達する。押圧シート21の押圧力は、斜面部34fに到達する前に屈曲部34dで大きく減衰してしまう。そのため、直接に開口部35aを有する斜面部34fを押圧した場合に比べ開口部35aを動かす力も小さくなる。そのため開口部35aを動かして現像剤を排出する作用が小さくなる。
【0154】
よって、押圧シート21は、開口部35aを含む開口部含有面部を押圧した方が効率よく内部の現像剤の排出性を向上でき、また現像剤の滞留を防止できるのである。このように回転部材20が兼ねている押圧シート21の回転により現像剤収納部材34を枠体18に押しつけるように押圧することで現像剤収納部材34を変形させて開口部35aの位置を変化させて内部の現像剤を排出する。また開口部35aも複数あるため一つの開口部より排出しやすい。また開口部35aは画像形成時の姿勢で重力方向下向きに配置されているので現像剤を排出しやすい。
【符号の説明】
【0155】
16 可撓性容器
17、18 枠体
19 封止部材(押圧部材)
20 回転部材(押圧部材)
21 押圧シート(押圧部材)
25 現像剤収納ユニット
35a 開口部
35X 斜面部(開口部含有面部)
35Y 垂直面部(他面部)
G 現像剤
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を排出するための開口部を有し、現像剤を収納する可撓性容器と、
前記可撓性容器を収納すると共に前記可撓性容器から排出される現像剤を収納する枠体と、
前記枠体の内部に設けられて前記可撓性容器を押圧して変形させる押圧部材と、を備え、
前記可撓性容器は、前記開口部を有する開口部含有面部、及び、前記開口部含有面部より強度が弱い他面部、を含む複数の面部を有することを特徴とする現像剤収納ユニット。
【請求項2】
前記可撓性容器の他面部の厚さは、前記可撓性容器の前記開口部含有面部の厚さよりも、薄いことを特徴とする請求項1に記載の現像剤収納ユニット。
【請求項3】
前記押圧部材は、前記可撓性容器を押圧することで前記開口部含有面部の位置を変化させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の現像剤収納ユニット。
【請求項4】
前記開口部は、前記可撓性容器に複数設けられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の現像剤収納ユニット。
【請求項5】
前記押圧部材は、前記開口部含有面部を押圧することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の現像剤収納ユニット。
【請求項6】
前記開口部は、鉛直下方に向かって開いて形成されており、
画像形成時の前には、前記押圧部材の一部が前記開口部を閉じており、
画像形成時には、前記押圧部材の一部が前記開口部を開放することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の現像剤収納ユニット。
【請求項7】
前記押圧部材は、前記枠体に回転自在に設けられ、
前記押圧部材の回転中心に垂直な断面視で前記回転中心から外縁までの距離が周方向で異なることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の現像剤収納ユニット。
【請求項8】
前記押圧部材は、前記可撓性容器を押圧する押圧シート、前記開口部に封をして回転により開封した後に前記可撓性容器を押圧する封止部材、並びに、前記押圧シート及び前記封止部材を固定される回転部材を有することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の現像剤収納ユニット。
【請求項9】
前記押圧部材は、前記可撓性容器から排出された前記枠体の内部の現像剤を撹拌可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の現像剤収納ユニット。
【請求項10】
電子写真感光体ドラムと、
請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の現像剤収納ユニットと、が一体化され、
画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジ。
【請求項11】
請求項10に記載のプロセスカートリッジが前記画像形成装置本体に組み込まれたことを特徴とする電子写真画像形成装置。
【請求項12】
前記押圧部材の駆動を制御するコントローラを備え、
前記コントローラは、前記押圧部材を回転させて前記可撓性容器を繰り返し押圧させることを特徴とする請求項11に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項1】
現像剤を排出するための開口部を有し、現像剤を収納する可撓性容器と、
前記可撓性容器を収納すると共に前記可撓性容器から排出される現像剤を収納する枠体と、
前記枠体の内部に設けられて前記可撓性容器を押圧して変形させる押圧部材と、を備え、
前記可撓性容器は、前記開口部を有する開口部含有面部、及び、前記開口部含有面部より強度が弱い他面部、を含む複数の面部を有することを特徴とする現像剤収納ユニット。
【請求項2】
前記可撓性容器の他面部の厚さは、前記可撓性容器の前記開口部含有面部の厚さよりも、薄いことを特徴とする請求項1に記載の現像剤収納ユニット。
【請求項3】
前記押圧部材は、前記可撓性容器を押圧することで前記開口部含有面部の位置を変化させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の現像剤収納ユニット。
【請求項4】
前記開口部は、前記可撓性容器に複数設けられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の現像剤収納ユニット。
【請求項5】
前記押圧部材は、前記開口部含有面部を押圧することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の現像剤収納ユニット。
【請求項6】
前記開口部は、鉛直下方に向かって開いて形成されており、
画像形成時の前には、前記押圧部材の一部が前記開口部を閉じており、
画像形成時には、前記押圧部材の一部が前記開口部を開放することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の現像剤収納ユニット。
【請求項7】
前記押圧部材は、前記枠体に回転自在に設けられ、
前記押圧部材の回転中心に垂直な断面視で前記回転中心から外縁までの距離が周方向で異なることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の現像剤収納ユニット。
【請求項8】
前記押圧部材は、前記可撓性容器を押圧する押圧シート、前記開口部に封をして回転により開封した後に前記可撓性容器を押圧する封止部材、並びに、前記押圧シート及び前記封止部材を固定される回転部材を有することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の現像剤収納ユニット。
【請求項9】
前記押圧部材は、前記可撓性容器から排出された前記枠体の内部の現像剤を撹拌可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の現像剤収納ユニット。
【請求項10】
電子写真感光体ドラムと、
請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の現像剤収納ユニットと、が一体化され、
画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジ。
【請求項11】
請求項10に記載のプロセスカートリッジが前記画像形成装置本体に組み込まれたことを特徴とする電子写真画像形成装置。
【請求項12】
前記押圧部材の駆動を制御するコントローラを備え、
前記コントローラは、前記押圧部材を回転させて前記可撓性容器を繰り返し押圧させることを特徴とする請求項11に記載の電子写真画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【公開番号】特開2013−114041(P2013−114041A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260270(P2011−260270)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]