説明

現像剤担持体、現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

【課題】小径の現像剤担持体であっても、高磁力を有しかつ剛性に優れ、撓み量の小さい磁界発生手段を有した現像剤担持体を提供する。
【解決手段】現像ローラ15を構成するマグネットローラ33は、ローラ本体40と、長尺マグネットブロック41と、ローラ本体40が撓むことを防止するためにローラ本体40の内部に設けられた板状部材43と、を有している。この板状部材43は、磁性金属材料で構成され、ローラ本体40の中心軸P方向に沿って設けられている。また、板状部材43は、ローラ本体40の径方向に沿った断面形状が長方形状の板状に形成されており、前記断面形状における長辺が、現像剤35に含まれる磁性キャリアがマグネットローラ33を吸引する力である磁気吸引力の合力と、マグネットローラ33の重力と、を合成したベクトルF3のベクトル方向と平行になるように設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置に用いられる現像剤担持体、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置に関し、さらに詳しくは、静電潜像担持体上の静電潜像をトナー及び磁性キャリアを含んだ二成分現像剤にて現像してトナー像を形成する、二成分現像方式における現像剤担持体及び現像装置に関する。また、本発明は、かかる現像装置を有するプロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置には、トナーと磁性キャリアとを含んだ所謂二成分現像剤(以下、単に現像剤と記す。)を用いて画像を形成する種々の現像装置(例えば、特許文献1を参照。)が用いられる。この種の現像装置は、現像剤を静電潜像担持体としての感光体ドラムに対向する現像領域に搬送し、感光体ドラム上に形成された静電潜像を現像剤により現像してトナー像を形成する現像剤担持体としての現像ローラを有している。
【0003】
上記現像ローラは、非磁性材料で構成され円筒状に形成された現像スリーブと、この現像スリーブの内側に収容され、当該現像スリーブの表面に現像剤の穂立ちを生じさせるように磁界を形成する磁界発生手段としてのマグネットローラと、を有している。このマグネットローラは、中心部に芯金を嵌装した円筒状マグネットの外周面に、その中心軸方向に延びる凹溝を設けて、この凹溝内に高磁力の希土類マグネットブロックを埋設した構成が一般的である。この現像ローラは、現像剤の穂立ちの際、磁性キャリアがマグネットローラで生じる磁力線に沿うように現像スリーブ上に穂立ちし、この補立ちした磁性キャリアにトナーが付着する。
【0004】
近年、上記画像形成装置のカラー化及び小型化が進んでいる。例えば、カラー複写機には通常4つの現像装置が内蔵されているので、カラー複写機の小型化のためには、内蔵された各現像装置の小型化が必要である。そして、各現像装置の小型化のためには、現像装置を構成する前記現像ローラの小径化が不可欠である。
【0005】
前記現像ローラを小径化するには、現像スリーブ及びマグネットローラを小径にしなければならない。しかし、マグネットローラを小径にすると、マグネットローラ全体の体積が小さくなるので、高磁力化が難しいという問題があった。
【0006】
そこで、上記マグネットローラの十分な体積、即ち十分な磁力、を得るために、上述した芯金を無くして、このマグネットローラをシャフトレスに構成したものが提案されている。しかし、このように構成すると、マグネットローラの剛性が低下してしまい、このマグネットローラの中心軸方向の中央部に撓みが生じてしまったり、振れが大きくなってしまうという新たな問題があった。また、このマグネットローラの両端部に上記芯金の代わりに設けられた、当該マグネットローラの本体部と一体成形されている支持部材への固定部が折れ易くなってしまうという新たな問題があった。
【0007】
また、上述したようにマグネットローラの本体部に撓みが生じると、このマグネットローラが現像スリーブの内面に接触して破損が生じたり、現像スリーブ上に生じる磁力がその中心軸方向に沿って不均一になって画像濃度ムラが生じてしまうといった問題があった。
【0008】
また、上述したようにマグネットローラの中央部に撓みが生じる原因としては、マグネットローラ自身の重力の他に、上記現像剤に含まれる磁性キャリアがマグネットローラに作用する磁気吸引力の存在が挙げられる。この磁気吸引力とは、磁性キャリアが前記マグネットローラを吸引する力のことである。また、この磁気吸引力は、現像剤量の多い現像剤収容部や、現像スリーブ上の現像剤を削ぎ落として所定の厚さにする規制ブレードの近傍において強く働くので、このように周方向に不均等な磁気吸引力を受けるマグネットローラは、これら磁気吸引力の合力のベクトル方向に引き付けられて、上述した撓みを生じていた。また、従来の二成分現像方式の現像ローラ及び現像装置は、このような磁気吸引力の影響が考慮された設計がなされていないという問題があった。
【特許文献1】特開2000−347506号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、かかる問題点を解決することを目的としている。即ち、本発明は、小径の現像剤担持体であっても、高磁力を有しかつ剛性に優れ、撓み量の小さい磁界発生手段を有した二成分現像方式における現像剤担持体、及びこれを用いた現像装置、プロセスカートリッジ、並びに、画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、回転可能に設けられた現像スリーブと、該現像スリーブの内側に配置された磁界発生手段と、を有した、二成分現像方式における現像剤担持体であって、前記磁界発生手段が、円柱状に形成された円柱状磁石体における現像領域に対応する部分に、該円柱状磁石体の中心軸方向に延びた凹溝が少なくとも1つ設けられ、そして、前記円柱状磁石体よりも高磁力の長尺マグネットブロックが前記凹溝に埋設されて設けられた現像剤担持体において、(イ)前記円柱状磁石体が撓むことを防止するために、前記円柱状磁石体の内部に、磁性金属材料で構成された補強部材が、当該円柱状磁石体の中心軸方向に沿って設けられ、(ロ)前記補強部材が、前記円柱状磁石体の径方向に沿った断面形状が長方形状の板状部材で構成され、そして、(ハ)前記板状部材の前記断面形状における長辺が、現像剤に含まれる磁性キャリアが前記磁界発生手段を吸引する力である磁気吸引力の合力と、前記磁界発生手段の重力と、を合成したベクトルのベクトル方向と平行になるように、当該板状部材が設けられていることを特徴とする現像剤担持体である。
【0011】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記板状部材が、板状に形成された板状部と、該板状部の外表面から前記円柱状磁石体の外周面に向かって突出した少なくとも2つの突出部と、を有していることを特徴とするものである。
【0012】
請求項3に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記板状部材が、板状に形成された板状部と、該板状部の中心軸を通って、前記円柱状磁石体の径方向に沿った断面形状が円形または多角形の棒状に形成された棒状部と、を有していることを特徴とするものである。
【0013】
請求項4に記載された発明は、請求項2または3に記載された発明において、前記板状部材が、前記板状部の中心軸方向の両端部からそれぞれ棒状に延設された一対の延設部をさらに有し、これら延設部が、前記円柱状磁石体の両端部に設けられた、当該円柱状磁石体を支持部材に固定するための固定部の内部に設けられていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項5に記載された発明は、請求項1〜4のうち1項に記載された発明において、前記補強部材が、円柱状磁石体と一体成形されていることを特徴とするものである。
【0015】
請求項6に記載された発明は、請求項1〜5のうち1項に記載された発明において、前記円柱状磁石体が、前記現像剤に対して磁力を作用させるための円柱状の本体部と、該本体部の両端部から突設された該円柱状磁石体を支持部材に固定するための固定部と、を一体に有し、かつ、当該円柱状磁石体が、フェライト磁性粉とバインダーとで構成される混合材料を、磁場の存在下において、金型内に射出または押出しすることによる射出成形または押出し成形によって成形されていることを特徴とするものである。
【0016】
請求項7に記載された発明は、請求項1〜6のうち1項に記載された発明において、前記長尺マグネットブロックが、希土類元素を含んだ磁性粉と熱可塑性樹脂微粒子とを有した圧縮成形用磁石コンパウンドを、磁場の存在下において圧縮成形することにより得られる長尺マグネットブロックであることを特徴とするものである。
【0017】
請求項8に記載された発明は、請求項1〜7のうち1項に記載された現像剤担持体を有していることを特徴とする現像装置である。
【0018】
請求項9に記載された発明は、現像装置を少なくとも有するプロセスカートリッジにおいて、前記現像装置として、請求項8に記載の現像装置を有していることを特徴とするプロセスカートリッジである。
【0019】
請求項10に記載された発明は、プロセスカートリッジを少なくとも有する画像形成装置において、前記プロセスカートリッジとして、請求項9に記載のプロセスカートリッジを有していることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載された発明によれば、円柱状磁石体が撓むことを防止するために、前記円柱状磁石体の内部に、磁性金属材料で構成された補強部材が、当該円柱状磁石体の中心軸方向に沿って設けられ、前記補強部材が、前記円柱状磁石体の径方向に沿った断面形状が長方形状の板状部材で構成され、そして、前記板状部材の前記断面形状における長辺が、現像剤に含まれる磁性キャリアが前記磁界発生手段を吸引する力である磁気吸引力の合力と、前記磁界発生手段の重力と、を合成したベクトルのベクトル方向と平行になるように、当該板状部材が設けられていることから、従来円柱状磁石体の中心部に嵌装されていた芯金を無くして体積を大きくした小径の円柱状磁石体であっても、体積の小さい即ち厚みの薄い板状部材により、磁気吸引力及び磁界発生手段の重力の影響による撓み量が小さく剛性の高い円柱状磁石体を構成することができる。よって、小径の現像剤担持体であっても、高磁力を有しかつ剛性に優れ、撓み量の小さい磁界発生手段を有した現像剤担持体を提供することができる。
【0021】
請求項2に記載された発明によれば、前記板状部材が、板状に形成された板状部と、該板状部の外表面から前記円柱状磁石体の外周面に向かって突出した少なくとも2つの突出部と、を有していることにより、円柱状磁石体と板状部材との熱収縮率の違いから、温度変化により円柱状磁石体に反れが生じることを防ぐことができる。また、板状部材と円柱状磁石体との位置ずれを防ぐことができる。これらのことにより、円柱状磁石体の剛性、即ち磁界発生手段の剛性、をさらに高くすることができる。
【0022】
請求項3に記載された発明によれば、前記板状部材が、板状に形成された板状部と、該板状部の中心軸を通って、前記円柱状磁石体の径方向に沿った断面形状が円形または多角形の棒状に形成された棒状部と、を有していることから、この板状部材自身の剛性をさらに高くすることができるので、円柱状磁石体の剛性、即ち磁界発生手段の剛性、をさらに高くすることができる。
【0023】
請求項4に記載された発明によれば、前記板状部材が、前記板状部の中心軸方向の両端部からそれぞれ棒状に延設された一対の延設部をさらに有し、これら延設部が、前記円柱状磁石体の両端部に設けられた、当該円柱状磁石体を支持部材に固定するための固定部の内部に設けられていることから、この固定部の剛性を高くすることができる。
【0024】
請求項5に記載された発明によれば、前記補強部材が、円柱状磁石体と一体成形されていることから、成形した円柱状磁石体に補強部材を挿入するという後工程が不要となり、磁界発生手段を成形する際の製造コストを低減させることができる。また、前記補強部材と前記円柱状磁石体とを一体成形することにより、この円柱状磁石体の剛性をさらに高くすることができる。
【0025】
請求項6に記載された発明によれば、前記円柱状磁石体が、前記現像剤に対して磁力を作用させるための円柱状の本体部と、該本体部の両端部から突設された該円柱状磁石体を支持部材に固定するための固定部と、を一体に有していることから、従来円柱状磁石体の中心部に嵌装されていた芯金を無くすことができるので、円柱状磁石体の体積を大きく構成することができ、この円柱状磁石体を高磁力化することができる。また、この円柱状磁石体が、フェライト磁性粉とバインダーとで構成される混合材料を、磁場の存在下において、金型内に射出または押出しすることによる射出成形または押出し成形によって成形されていることから、この円柱状磁石体を高磁力化することができる。
【0026】
請求項7に記載された発明によれば、長尺マグネットブロックが、希土類元素を含んだ磁性粉と熱可塑性樹脂微粒子とを有した圧縮成形用磁石コンパウンドを、磁場の存在下において圧縮成形することにより得られる長尺マグネットブロックであることから、円柱状磁石体における現像領域に対応する部分を容易に高磁力化することができる。
【0027】
請求項8に記載された発明によれば、現像装置が、前述した現像剤担持体を有しているので、現像装置全体を小型化することができる。
【0028】
請求項9に記載された発明によれば、プロセスカートリッジが、前述した現像装置を有しているので、プロセスカートリッジ全体を小型化することができる。
【0029】
請求項10に記載された発明によれば、画像形成装置が、前述したプロセスカートリッジを有しているので、画像形成装置全体を小型化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0031】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる現像剤担持体を有する現像装置を示す断面図である。図2は、図1中のA−A線に沿った断面図である。図3は、図1中のB−B線に沿った断面図である。図4は、図3中のC−C線に沿った断面図である。図5は、図3中のD−D線に沿った断面図である。図7は、本発明にかかる現像剤担持体の長尺マグネットブロックを構成する圧縮成形用磁石コンパウンドの説明図である。図8は、本発明にかかる現像剤担持体の長尺マグネットブロックを構成する圧縮成形用磁石コンパウンドの説明図である。
【0032】
図1に示す本発明の現像装置13は、本発明の第1の実施形態にかかる現像剤担持体としての現像ローラ15を有して構成されており、磁性キャリアとトナーとを含んだ二成分現像剤35(以下、現像剤と記す。)を、静電潜像担持体としての感光体ドラム8と対向する現像領域Eに搬送し、感光体ドラム8上に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する当該現像ローラ15と、現像剤35を攪拌するとともに現像ローラ15に供給する現像剤供給部14と、現像ローラ15の外表面に担持された現像剤35を所望の厚さにする規制ブレード16と、これらを収容したケース25と、を有している。
【0033】
上記ケース25は、箱状に形成され、現像剤供給部14の後述の収容槽17に取り付けられて、この収容槽17とともに、現像ローラ15などを覆う。また、ケース25の感光体ドラム8と対向する部分には、開口部25aが設けられている。
【0034】
上記現像ローラ15は、現像剤供給部14の後述の収容槽17の第2空間21と、感光体ドラム8との間でかつ前述した開口部25aの近傍に、感光体ドラム8と収容槽17との双方と互いに間隔をあけて、これらと平行に設けられている。この現像ローラ15は、回転可能に設けられた現像スリーブ32と、この現像スリーブ32の内側に配置された磁界発生手段としてのマグネットローラ33と、この現像スリーブ32をマグネットローラ33に回転自在に取り付ける一対の軸受フランジ34A,34B(図2を参照。)と、を有している。
【0035】
上記現像スリーブ32は、マグネットローラ33と同軸に配置された円筒体として構成されており、その両端部に取り付けられた上記一対の軸受フランジ34A,34Bにより、マグネットローラ33の周囲を回転自在に支持されている。この現像スリーブ32は、非磁性材料で構成され、その外表面に周知のブラスト処理が施されて細かい凹凸が形成されている。また、前記非磁性材料としては、アルミニウム、ステンレス鋼(SUS)などを用いることができる。このアルミニウムは、加工性、軽さの面で優れている。また、アルミニウムを用いる場合には、A6063、A5056及びA3003を用いるのが好ましい。また、ステンレス鋼(SUS)を用いる場合には、SUS303、SUS304及びSUS316を用いるのが好ましい。
【0036】
上記マグネットローラ33は、磁性材料で構成された円柱状磁石体としてのローラ本体40と、このローラ本体40に取り付けられた長尺マグネットブロック41と、ローラ本体40が撓むことを防止するための補強部材としての板状部材43と、を有している。
【0037】
上記ローラ本体40は、図2及び図3に示すように、現像剤35に対して磁力を作用させるための円柱状の本体部40cと、この本体部40cの両端部からそれぞれ突設された一対の固定部40a,40bと、を一体に有している。即ち、一対の固定部40a,40bは、ローラ本体40の中心軸P方向に沿った両端部に設けられている。これら一対の固定部40a,40bは、本体部40cよりも小径の円柱状に形成されている。また、一方の固定部40aは、上述した一方の軸受フランジ34Aを貫通してケース25に回転不能に取り付けられている。また、他方の固定部40bは、他方の軸受フランジ34Bに取り付けられている。即ち、一対の固定部40a,40bは、本体部40cをケース25及び他方の軸受フランジ34Bに固定するためのものであり、従来ローラ本体40に嵌装されていた芯金の役割を果たしている。
【0038】
本発明では、上述したように、ローラ本体40が、本体部40cと固定部40a,40bとを一体に有した構成であることから、従来ローラ本体40に嵌装されていた芯金を無くすことができるので、本体部40cの体積を大きく構成することが可能となり、そのために、本体部40cを小径に構成しても、必要な磁力を確保することができる。
【0039】
上記本体部40cは、本体部40cにおける現像領域Eに対応する部分に、図4及び図5に示すように、本体部40cの中心軸P方向に延びた凹溝42が1つ設けられている。この凹溝42は、本体部40cの外周面から凹の断面矩形状に形成され、本体部40cの長手方向、即ち中心軸P方向、に沿って直線状に延在しているとともに、本体部40cの全長に亘って設けられている。そして、この凹溝42に、本体部40cよりも高磁力の長尺マグネットブロック41が埋設されている。また、上記本体部40cは、凹溝42が設けられた部分を除く部分に、本体部40cの一部がN極又はS極に着磁された図示しない固定磁極が複数形成されている。これら固定磁極は、本体部40cの長手方向に沿って延在しているとともに、本体部40cの全長に亘って形成されている。
【0040】
また、上記複数の固定磁極のうち、後述の攪拌スクリュー18と相対する位置に形成された一つの固定磁極は、汲み上げ磁極をなしており、現像スリーブ32の外表面上に磁力を生じて、後述する現像剤供給部14の収容槽17の第2空間21内の現像剤35を現像スリーブ32の外表面に汲み上げる。
【0041】
また、上記複数の固定磁極のうち、上述した汲み上げ磁極と上述した凹溝42との間に形成された一つの固定磁極は、搬送磁極をなしており、現像スリーブ32の外表面上に磁力を生じて、現像前の現像剤35を感光体ドラム8に向けて搬送する。
【0042】
また、上記複数の固定磁極のうち、上述した現像領域E、即ち凹溝42が設けられた位置、よりも現像スリーブ32の回転方向下流の位置に形成された一つの固定磁極は、第2搬送磁極をなしており、現像スリーブ32の外表面上に磁力を生じて、現像後の現像剤35を後述の離脱磁極に向けて搬送する。
【0043】
また、上記複数の固定磁極のうち、上述した第2搬送磁極が設けられた位置よりも現像スリーブ32の回転方向下流の位置に形成された一つの固定磁極は、離脱磁極をなしており、上記汲み上げ磁極との間に現像剤離脱領域を形成するように現像スリーブ32の外表面上に磁力を生じて、この現像剤離脱領域において、現像後の現像剤35を後述の収容槽17に向かって現像スリーブ32から離脱させる。また、「現像剤離脱領域」とは、前記離脱磁極が汲み上げ磁極との間に反発磁界を形成することにより、現像剤35を現像スリーブ32上に担持するための磁力が小さくなった領域を意味する。この現像剤離脱領域では、現像剤35が自重により落下して、現像スリーブ32から離れる。
【0044】
また、図1中に示すHは、上述した複数の固定磁極及び後述の長尺マグネットブロック41が現像スリーブ32上に生じる磁束密度分布を表している。
【0045】
また、上記構成のローラ本体40は、SrもしくはBaを含むフェライト磁性粉とバインダーとで構成される混合材料を、金型内に射出または押出しし、この混合材料に磁場配向を行うことによる射出磁場成形あるいは押出し磁場成形によって得られる異方性磁石である。また、前記バインダーとしては、6PAもしくは12PA等のPA系材料、EEA(エチレン・エチル共重合体)・EVA(エチレン・ビニル共重合体)等のエチレン系化合物、CPE(塩素化ポリエチレン)等の塩素系材料、NBR等のゴム材料を使用することができ、ローラ本体40の剛性を高くする場合には、ナイロン系の材料を使用することがより好ましい。また、前記バインダーとしてナイロン系の材料を使用する場合には、射出磁場成形によりローラ本体40を成形することが好ましい。
【0046】
本発明では、上述したように、ローラ本体40が、磁場配向されて成形されているので、高磁力化及び小型化が可能になる。
【0047】
上記長尺マグネットブロック41は、全長が上記凹溝42と等しい略角柱状に形成されている。そして、この凹溝42内に埋設されて、この凹溝42の内面に接着剤などによって固定されて、本体部40cに取り付けられている。即ち、長尺マグネットブロック41は、本体部40cの全長に亘って設けられており、感光体ドラム8と相対している。この長尺マグネットブロック41は、最高磁束密度が100〜130mTであり、最大エネルギー積が13〜16MGOeである。また、この長尺マグネットブロック41は、現像磁極をなしており、現像スリーブ32の外表面上に磁力を生じて現像スリーブ32と感光体ドラム8との間に磁界を形成し、この磁界によって磁気ブラシを形成することで現像スリーブ32の外表面に担持された現像剤35のトナーを感光体ドラム8に受け渡すようになっている。このように、長尺マグネットブロック41は、現像スリーブ32の外表面に担持された現像剤35のトナーを感光体ドラム8に受け渡す現像領域Eを現像スリーブ32の外表面に形成する。
【0048】
また、上記構成の長尺マグネットブロック41は、図7及び図8に示す圧縮成形用磁石コンパウンド150A、150Bをプレス金型内に充填し、この圧縮成形用磁石コンパウンド150A、150Bを圧縮しながら磁場配向することによる圧縮成形によって得られる異方性磁石である。この圧縮成形は、結合樹脂の量が少なくても成形可能であるため、後述の磁性粉151の配合比率を高めることができる。また、圧縮成形は、圧縮によって長尺マグネットブロック41の成形密度を高めることができるため、高磁力化には優れた工法である。
【0049】
上記圧縮成形用磁石コンパウンド150A、150Bは、図7及び図8に示すように、角のとれた平均粒径80〜150μmの磁性粒子152で構成される磁性粉151と熱可塑性樹脂微粒子153とを有している。このように、圧縮成形用磁石コンパウンド150A、150Bが、磁性粉151と熱可塑性樹脂微粒子153とを有していると、磁性粒子152と熱可塑性樹脂微粒子153とを攪拌・混合する際に、摩擦帯電によって磁性粒子152がプラスに帯電するとともに熱可塑性樹脂微粒子153がマイナスに帯電し、熱可塑性樹脂微粒子153が磁性粒子152の表面に静電気的な付着力によって付着した状態となるので、磁場配向における磁性粒子152の配向性を向上させることができ、そのために、この長尺マグネットブロック41を高磁力化することができる。
【0050】
また、上記圧縮成形用磁石コンパウンド150Bは、図8に示すように、磁性粒子152の表面の少なくとも一部を覆う、ポリウレタン樹脂又はポリウレタン樹脂とアミノ樹脂との縮合架橋生成物で構成される被覆層154を有している。このように、磁性粒子152の表面の少なくとも一部が被覆層154で覆われていると、熱可塑性樹脂微粒子153がマイナスに帯電しやすくなるとともに被覆層154がプラスに帯電しやすくなって、熱可塑性樹脂微粒子153と被覆層154との静電気的な付着力が強くなるので、この圧縮成形用磁石コンパウンド150Bをプレス金型に充填する際に加わる負荷によって熱可塑性樹脂微粒子153が遊離して飛散することがほとんどなくなる。このことから、磁場配向における磁性粒子152の配向性を向上させることができ、圧縮成形の際の熱減磁を抑制することができて、高磁力で磁束密度のばらつきが小さい長尺マグネットブロック41を成形することができる。
【0051】
また、上記圧縮成形用磁石コンパウンド150A、150Bにおける磁性粉151の配合比率は、好ましくは、90〜99重量%であり、さらに好ましくは、92〜97重量%である。なお、磁性粉151の含有量が少なすぎると、磁気特性の向上が図れず、また、磁性粉151の含有量が多すぎると、結合樹脂の含有量が少なくなり、長尺マグネットブロック41の成形性が低下(割れなどの発生)する。
【0052】
また、上記磁性粉151は、角の取れた球形に近い形状の平均粒径80〜150μmの上記磁性粒子152で構成されている。そして、その嵩密度は、3.3g/cm3〜4.0g/cm3 に調整されている。本明細書においては、前記「嵩密度」は、磁性粉485gを100ccの金属容器に漏斗を介して山盛りに充填し、その容器上面に沿って擦り切した後に重量を計測し、次に、この測定した重量を容積100ccで割った値とする。このように、角の取れた磁性粒子152で構成され、その嵩密度が3.3g/cm3 〜4.0g/cm3に調整された磁性粉151を用いることにより、磁性粒子152がプレス金型に密に充填され、かつ、磁場配向時の磁性粉151の回転が阻害されにくくなって磁化容易軸の向きがそろいやすくなるので、高磁力で、長尺であっても磁束密度のばらつきが小さい長尺マグネットブロック41を圧縮成形により成形することができる。
【0053】
また、一般的に磁性粉151の再粉砕には、アトライター粉砕機、ジェットミル粉砕機等の粉砕機、及び、ヘンシェルミキサー等の攪拌機が使用されているが、これらを用いると、磁性粒子152の平均粒径が小さくなってしまい、磁気特性が低下してしまうので好ましくない。また、再粉砕によって微粉量が増加することから、磁性粉151の流動性が低下し、プレス金型への充填性が低下してしまうので好ましくない。このような不具合をなくしつつ磁性粉151の密度を向上させるために、本発明では、ターブラーミキサーを用いて、磁性粒子152同士、又は、磁性粒子152とメディアの混合剤を攪拌するようにしている。
【0054】
また、上記磁性粉151は、高磁力化(13〜16MGOe)が可能な希土類磁性体よりなる上記磁性粒子152で構成されている。この希土類磁性体は、好ましくは、希土類元素と遷移金属とを含む合金よりなる次の(1)〜(3)のものであるが、特に、(1)が好ましい。
【0055】
(1)R(ただし、RはYを含む希土類元素のうち少なくとも1種である)と、Feを主とする遷移金属と、Bとを基本成分とするもの(R−Fe−B系合金といわれているもの)。代表的なものとしては、Nd−Fe−B系合金、Pr−Fe−B系合金、Nd−Pr−Fe−B系合金、Ce−Nd−Fe−B系合金、Ce−Pr−Nd−Fe−B系合金、及び、これらにおけるFeの一部をCo、Niなどのほかの遷移金属で置換したものがあげられる。
【0056】
(2)Smを主とする希土類元素と、Coを主とする遷移金属と、を基本成分とするもの(Sm−Co系合金といわれているもの)。代表的なものとしては、SmCo5、及び、Sm2TM17(TMは遷移金属)があげられる。
【0057】
(3)Smを主とする希土類元素と、Feを主とする遷移金属と、Nを主とする格子間元素と、を基本成分とするもの(Sm−Fe−N系合金といわれているもの)。代表的なものとしては、Sm2TM17合金を窒化して作製したSm2Fe17N3があげられる。
【0058】
また、上記希土類元素としては、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、ミッシュメタルなどがあげられ、そして、これらを1種または2種以上含むことができる。また、遷移金属としては、Fe、Co、Niなどがあげられ、そして、これらを1種または2種以上含むことができる。また、磁気特性を向上させるために、磁性粉151には、必要に応じ、B、Al、Mo、Cu、Ga、Si、Ti、Ta、Zr、Hf、Ag、Zn等を含有させることもできる。
【0059】
また、上記磁性粉151を構成する上記磁性粒子152の体積平均粒径は、好ましくは、80〜150μmであり、さらに好ましくは、90〜140μmである。前記平均粒径の測定は、シスメックス株式会社製のMastersizer2000のDRYユニットで測定される。
【0060】
また、上記熱可塑性樹脂微粒子153は、平均粒径が上記磁性粒子152の平均粒径の1/10以下であることが好ましい。このことにより、長尺マグネットブロック41の高密度化が可能になり、磁気特性を向上させることができる。また、上記熱可塑性樹脂微粒子153は、乳化重合法又は懸濁重合法により製造された球状の微粒子であることが好ましい。このことにより、長尺マグネットブロック41の高密度化が可能になり、磁気特性をさらに向上させることができる。また、このように球状の微粒子とすると、磁性粉151への被覆面積が向上するので、長尺マグネットブロック41表面への磁性粉151の露出面積が低減でき、防錆効果が生じる。
【0061】
また、上記熱可塑性樹脂微粒子153を構成する熱可塑性樹脂は、例えば、ポリスチレン、ポリクロロエチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン系化合物及びその置換体よりなる単重合体、並びに、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル重合体、スチレン−ビニルメチルケトン重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体があげられる。また、前記「熱可塑性樹脂」は、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリビニルブチルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、エポキシポリオール系樹脂等の樹脂であってもかまわない。これらの樹脂は、1種又は2種以上混合して使用することができる。
【0062】
また、上記熱可塑性樹脂微粒子153は、結合樹脂(バインダー)として用いられるものであり、例えば、ポリエステル、ポリオ−ル等の熱可塑性樹脂に顔料、帯電制御剤(CCA)、低軟化点物質(ワックス)を分散混合し、その周囲にシリカ、酸化チタン等の外添剤を外添して、流動性を高めたものを用いることができる。前記顔料の添加量は1〜20重量%であり、好ましくは、5〜10重量%である。前記帯電制御剤は、磁性粒子152と熱可塑性樹脂微粒子153の分散性を向上するために添加され、その添加量は1〜20重量%であり、好ましくは、0.5〜10重量%である。前記低軟化点物質は、成形後の型離れ性を良くするために添加され、その添加量は1〜20重量%であり、好ましくは、2〜10重量%である。この熱可塑性樹脂微粒子153は、マイナスに帯電しやすく、かつ流動性に優れるので、磁性粉151との静電気的付着力に優れ、磁性粒子152間の隙間を埋めることが十分可能になる。
【0063】
また、上記外添剤としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セルウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化スズ、酸化亜鉛等の金属酸化物、窒化ケイ素等の窒化物、炭化ケイ素等の炭化物、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の金属塩、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、カーボンブラック、及び、シリカを挙げることができる。外添剤の粒径は、通常0.1〜1.5μmの範囲であり、添加量としては、外添前100重量部に対し、好ましくは、0.01〜10重量部、さらに好ましくは、0.05〜5重量部である。これらの外添剤は、単独で用いてもよいが、複数を併用しても構わない。また、これらの外添剤は、好ましくは、疎水化処理されたものである。
【0064】
また、上記顔料としては、例えば、カ−ボンブラック、ランプブラック、マグネタイト、チタンブラック、クロムイエロー、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブル−、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6G、カルコオイルブルー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、マラカイトグリーンレーキ、キノリンイエロー、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド184、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ソルベント・イエロー162、C.I.ピグメント・ブルー5:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3、カーミン等を挙げることができる。
【0065】
また、上記熱可塑性樹脂微粒子153には、その内部に低軟化物質を内添することも可能である。かかる低軟化物質としては、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、フィッシャートロピッシュワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、エステルワックス及びこれらの誘導体又はこれらのグラフト/ブロック化合物等をあげることができる。この様な低軟化物質を添加する場合は、5〜30質量%程度添加することが好ましい。
【0066】
このようなマグネットローラ33は、現像スリーブ32の外表面に現像剤35を担持すると、上述した固定磁極及び長尺マグネットブロック41で生じる磁力線に沿って磁性キャリアを複数重ねさせて、現像スリーブ32の外表面上に穂立ちさせる。すると、この穂立ちした磁性キャリアにトナーが吸着する。即ち、現像スリーブ32は、マグネットローラ33の磁力により外表面に現像剤35を担持する。
【0067】
上記板状部材43は、磁性金属材料で構成されており、図1〜5に示すように、上記ローラ本体40の内部に、該ローラ本体40の中心軸P方向に沿って設けられている。また、板状部材43は、ローラ本体40の本体部40cの内部に設けられ板状に形成された板状部43cと、板状部43cの外表面から本体部40cの外周面に向かって突出した複数の突出部43dと、板状部43cの中心軸方向の両端部からそれぞれ棒状に延設され、ローラ本体40の固定部40a,40bの内部にそれぞれ設けられた一対の延設部43a,43bと、を有している。また、板状部43c及び延設部43a,43bの中心軸は、ローラ本体40の中心軸Pと同軸に配されている。
【0068】
上記板状部43cは、ローラ本体40の径方向に沿った断面形状が長方形状の板状に形成され、前記断面形状における長辺が、図1中のベクトルF3のベクトル方向と平行になるように設けられている。このベクトルF3は、図1中のベクトルF1とベクトルF2とを合成したものを意味している。また、ベクトルF1は、マグネットローラ33の重力をベクトルで表したものであり、ベクトルF2は、現像剤35の磁性キャリアがマグネットローラ33を吸引する磁気吸引力の合力をベクトルで表したものである。
【0069】
このように、本実施形態では、板状部43cの断面形状における長辺が、ベクトルF3のベクトル方向と平行になるように補強部材即ち板状部材43が設けられているので、体積の小さい即ち厚みの薄い板状部材43により、ローラ本体40の剛性を高くすることができ、そのために、ローラ本体40が小径に構成されている場合であっても、このローラ本体40が前記磁気吸引力とマグネットローラ33の重力により撓むことを防止することができる。
【0070】
上記複数の突出部43dは、板状部43cの中心軸方向に沿って所定間隔をあけて直線上に並んでいる。これら突出部43dは、その周囲のローラ本体40と密着してかみ合うようになっている。このことから、本発明では、ローラ本体40に曲げ力が働いても、板状部材43とその周囲のローラ本体40との間で相対移動が生じることを防ぐことができる。また、ローラ本体40と板状部材43との熱収縮率の違いから、温度変化によりローラ本体40に反れが生じることを防ぐことができる。よって、ローラ本体40の剛性をより高めることができる。このような突出部43dは、板状部43cの中心軸方向に沿って所定間隔をあけて少なくとも2つ設けられていれば良い。
【0071】
また、本発明では、板状部材43が、ローラ本体40の固定部40a,40bの内部にそれぞれ設けられた一対の延設部43a,43bと、を有しているので、固定部40a,40bの剛性を高くすることができ、固定部40a,40bを折れにくくすることができる。
【0072】
また、本発明では、上記板状部材43は、周知のモールド成形により、ローラ本体40と一体成形されている。即ち、ローラ本体40を成形する金型内の所定位置に板状部材43が配置され、上述した混合材料がこの金型内に射出または押出しされて、板状部材43がローラ本体40と一体成形されている。このため、成形したローラ本体40に板状部材43を挿入するという後工程が不要となり、マグネットローラ33を成形する際の製造コストを低減させることができる。また、板状部材43とローラ本体40とを一体成形することにより、このローラ本体40即ちマグネットローラ33の剛性をさらに高くすることができる。
【0073】
上記現像剤供給部14は、現像ローラ15と長さが等しい箱状に形成された現像剤35を収容する収容槽17と、この収容槽17内を、現像ローラ15から離れた第1空間20と、現像ローラ15寄りの第2空間21とに仕切った仕切壁19と、これら第1空間20と第2空間21とにそれぞれ設けられて現像剤35を攪拌しながら搬送する一対の攪拌スクリュー18と、を有している。また、第1空間20と第2空間21とは、両端部が互いに連通している。また、一対の攪拌スクリュー18の長手方向は、収容槽17、現像ローラ15及び感光体ドラム8の長手方向と平行にされている。このような現像剤供給部14は、第1の空間20の一端部に供給されたトナーを、攪拌スクリュー18により磁性キャリアと攪拌しながら他端部に搬送し、この他端部から第2の空間21の他端部に搬送する。そして、第2の空間21内で攪拌スクリュー18によりトナーと磁性キャリアとを攪拌し、第2の空間21の一端部に搬送しながら、トナーと磁性キャリアとが攪拌されてなる現像剤35を現像スリーブ32の外表面に供給する。
【0074】
上記規制ブレード16は、現像装置13の感光体ドラム8寄りの端部に設けられている。規制ブレード16は、現像スリーブ32の外表面と間隔をあけた状態で、ケース25に取り付けられている。この規制ブレード16は、所望の厚さを越える現像スリーブ32の外表面上の現像剤35を収容槽17内に削ぎ落として、現像領域Eに搬送される現像スリーブ32の外表面上の現像剤35を所望の厚さにする。
【0075】
上記現像剤35は、磁性キャリアとトナーとを含んで構成されている。このトナーは、乳化重合法又は懸濁重合法により製造された平均粒径が3〜7μmの球状の微粒子である。また、トナーは、粉砕加工などにより製造されたものであっても良い。また、磁性キャリアは、フェライトで構成された球形の芯材と、該芯材の外表面を被覆した樹脂コート膜と、樹脂コート膜に分散されたアルミナ粒子と、を有しており、平均粒径が20〜50μmである。また、前記樹脂コート膜は、アクリルなどの熱可塑性樹脂とメラミン樹脂とを架橋させた樹脂成分と、帯電調整剤とを含有しており、弾力性と強い接着力を有している。また、前記アルミナ粒子は、外径が前記樹脂コート膜の厚みより大きな球形に形成されており、樹脂コート膜の強い接着力で保持されているとともに、樹脂コート膜より磁性キャリアの外周側に突出している。
【0076】
上述した構成の現像装置13は、現像剤供給部14でトナーと磁性キャリアとを十分に攪拌し、この攪拌した現像剤35をマグネットローラ33の汲み上げ磁極が生じる磁力により現像スリーブ32の外表面に担持する。そして、現像スリーブ32が回転して、マグネットローラ33の搬送磁極が生じる磁力により担持した現像剤35を現像領域Eに向かって搬送する。そして、規制ブレード16に削ぎ落とされて所望の厚さになった現像剤35のトナーを感光体ドラム8に付着させる。こうして、現像装置13は、現像剤35を現像スリーブ32に担持し、現像領域Eに搬送して、感光体ドラム8上の静電潜像を現像して、トナー像を形成する。そして、現像装置13は、現像済みの現像剤35を、収容槽17に向かって離脱させる。また、収容槽17内に収容された現像済みの現像剤35は、第2空間21内で他の現像剤35と十分に攪拌されて、再度、感光体ドラム8の静電潜像の現像に用いられる。
【0077】
(第2の実施形態)
続いて、本発明の第2の実施形態にかかる現像ローラについて、図6を参照して説明する。図6は、本発明の第2の実施形態にかかる現像剤担持体を示す斜視図である。また、同図において、上述した第1の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0078】
本実施形態の現像ローラは15、図1に示す現像装置13を構成し、第1の実施形態で説明した現像スリーブ32と、図6に示す磁界発生手段としてのマグネットローラ133と、を有している。このマグネットローラ133は、図6に示すように、ローラ本体40と、このローラ本体40に取り付けられた長尺マグネットブロック41と、ローラ本体40が撓むことを防止するための補強部材としての板状部材143と、を有している。
【0079】
上記板状部材143は、磁性金属材料で構成されており、上記ローラ本体40の内部に、該ローラ本体40の中心軸P方向に沿って設けられている。また、板状部材143は、ローラ本体40の本体部40cの内部に設けられ板状に形成された板状部143cと、板状部143cの中心軸を通って、ローラ本体40の径方向に沿った断面形状が円形の棒状に形成された棒状部143eと、板状部143cの中心軸方向の両端部からそれぞれ棒状に延設され、ローラ本体40の固定部40a,40bの内部にそれぞれ設けられた一対の延設部143a,143bと、を有している。また、延設部143a,143b及び棒状部143eの中心軸は、板状部143cの中心軸と同軸に配されており、この板状部143cの中心軸は、ローラ本体40の中心軸Pと同軸に配されている。
【0080】
また、上記板状部143cは、ローラ本体40の径方向に沿った断面形状が長方形状の板状に形成され、前記断面形状における長辺が、上述した磁気吸引力の合力と、マグネットローラ133の重力と、を合成したベクトルのベクトル方向(図1のベクトルF3に相当する。)と平行になるように設けられている。
【0081】
このように本発明では、板状部143cの断面形状における長辺が、上述した磁気吸引力の合力と、マグネットローラ133の重力と、を合成したベクトルのベクトル方向と平行になるように補強部材即ち板状部材143が設けられているので、体積の小さい即ち厚みの薄い板状部材143により、ローラ本体40の剛性を高くすることができ、そのために、ローラ本体40が小径に構成されている場合であっても、このローラ本体40が前記磁気吸引力とマグネットローラ133の重力により撓むことを防止することができる。
【0082】
また、本発明では、板状部材143が棒状部143eを有していることから、この板状部材143自身の剛性をさらに高くすることができるので、ローラ本体40の剛性、即ちマグネットローラ133の剛性、をさらに高くすることができる。
【0083】
また、上述した第1,2の実施形態では、板状部材43,143は1つのみ設けられていたが、本発明では、板状部材43,143が複数設けられていても良い。
【0084】
図9は、本発明の一実施の形態にかかる画像形成装置1を示す概略構成図である。図9に示す画像形成装置1は、静電潜像担持体としての感光体ドラム8を時計回りに回転させながら、この感光体ドラム8の外表面を帯電ローラ9によって一様に帯電させ、光書き込み装置10によってレーザ光を照射することにより、この感光体ドラム8の外表面に静電潜像を形成する。そして、感光体ドラム8と現像ローラ15とが間隔をあけて対向した現像領域Eにおいて、現像ローラ15を構成する現像スリーブ32の外表面に担持された現像剤35のトナーを感光体ドラム8の外表面に付着させ、この外表面上にトナー像を形成する。そして、給紙ローラなどにより搬送されてきた記録紙7を転写部材4と感光体ドラム8との間に通して、トナー像を記録紙7に転写し、定着装置5で定着する。さらに、記録紙7にトナー像を転写した後、感光体ドラム8の外周面上に残留した転写残トナーをクリーニング装置12によって除去する。こうして、画像形成装置1は、記録紙7に画像を形成する。また、図9において、上述した第1,2の実施形態と同一構成部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0085】
また、上記画像形成装置1を構成するプロセスカートリッジ6は、現像装置13と、感光体ドラム8と、帯電ローラ9と、クリーニング装置12と、これらを収容し画像形成装置1の外郭をなす装置本体2(図9に一部のみ示す。)に着脱自在に設けられたカートリッジケース11と、を有して構成されたものである。また、図9においては、この画像形成装置1の現像ローラ15が、第1の実施形態で説明した補強部材としての板状部材43を有した構成になっているが、この画像形成装置1の現像ローラ15が、第2の実施形態で説明した補強部材としての板状部材143を有した構成であっても良いことは勿論である。
【0086】
本発明においては、上記画像形成装置1が、上述した現像ローラ15を有する現像装置13を有したプロセスカートリッジ6を有しているので、画像形成装置1全体を小型に構成することができる。また、画像形成装置1のマグネットローラ33,133が小径であっても、高磁力で剛性に優れているので、十分な量の現像剤35を均一な厚みにして現像領域Eに搬送することができ、そのために、濃度ムラのない高画質な画像を得ることができる。
【0087】
次に、本発明者らは、補強部材としての板状部材の有無等を変化させて、各マグネットローラの性能をテストし、本発明の効果を確認した。
【0088】
(実施例1)
磁性粉としての異方性のSrフェライト粉にバインダーとしての6ナイロンを混合したプラスチックマグネット(戸田工業製TP−S68)を用いて、樹脂温度300℃で0.7Tの磁場を一方向に印加しながら射出磁場成形して、直径8.5mm、全長313mmで、外周に幅3mm、深さ2.3mmの凹溝を有し、内部に、厚み1.5mm、幅5.0mmであって、ローラ本体の径方向に沿った断面形状が長方形の平板状の板状部材がローラ本体の全長に亘って設けられたローラ本体を得た。また、この板状部材は、磁性金属材料で構成され、モールド成形によりローラ本体と一体成形されている。また、この板状部材は、前記断面形状における長辺が、取り付けられる現像装置における磁気吸引力の合力と、マグネットローラの重力と、を合成したベクトル(図1中のベクトルF3を参照。)のベクトル方向と平行になるように設けられている。そして、別途製造した幅2.8mm、高さ2.2mm、全長313mmの長尺マグネットブロックを凹溝に埋設してマグネットローラを得た。また、この長尺マグネットブロックは、異方性Ne−Fe−B系希土類磁石である愛知製鋼株式会社製のマグファインMFP−13(登録商標)を950g秤量し、ポリエステル樹脂100重量部に対して、4級アンモニウム塩(帯電制御剤)1.5重量部、スチレンアクリル樹脂(低軟化点物質)1.5重量部、カーボンブラック2.0重量部が内添され、シリカ(H2000)1.5重量部が外添されている熱可塑性樹脂を50g秤量し、これらをターブラーミキサーで22rpm×10分の条件で混練したものを、磁性材料(SKS3)で構成された金型のキャビティ(幅2.2mm×高さ10.0mm×全長313mm)内に12.0g充填し、配向電流として100Aをプレス方向と直交する方向に流しながら、400kNのプレス圧力を付与して成形した後、3500Vのパルス電圧で金型及び長尺マグネットブロックを脱磁して、金型を開いて長尺マグネットブロックを取り出し、この長尺マグネットブロックを100℃×60分にて焼成して得られたものである。このマグネットローラを有した画像形成装置を得た。
【0089】
(実施例2)
実施例1の板状部材に加えて、この板状部材の中心軸を通って、ローラ本体の径方向に沿った断面形状が直径2.5mmの円形の棒状に形成された棒状部を有し、射出磁場成形によりローラ本体と一体成形された板状部材を用い、その板状の部分の、ローラ本体の径方向に沿った断面形状における長辺が、取り付けられる現像装置における磁気吸引力の合力と、マグネットローラの重力と、を合成したベクトル(図1中のベクトルF3を参照。)のベクトル方向と平行になるように設けられ、その他は実施例1と同じ条件とされたマグネットローラを有した画像形成装置を得た。
【0090】
(実施例3)
実施例2の板状部材に加えて、この板状部材の中心軸方向の両端部からそれぞれ棒状に延設され、ローラ本体の固定部の内部に設けられた一対の延設部を有し、射出磁場成形によりローラ本体と一体成形された板状部材を用い、その板状の部分(即ち板状部)の、ローラ本体の径方向に沿った断面形状における長辺が、取り付けられる現像装置における磁気吸引力の合力と、マグネットローラの重力と、を合成したベクトル(図1中のベクトルF3を参照。)のベクトル方向と平行になるように設けられ、その他は実施例1と同じ条件とされたマグネットローラを有した画像形成装置を得た。
【0091】
(実施例4)
実施例1の板状部材に加えて、この板状部材の外表面からローラ本体の外周面に向かって0.5mm突出した突出部を有し、射出磁場成形によりローラ本体と一体成形された板状部材を用い、その板状の部分の、ローラ本体の径方向に沿った断面形状における長辺が、取り付けられる現像装置における磁気吸引力の合力と、マグネットローラの重力と、を合成したベクトル(図1中のベクトルF3を参照。)のベクトル方向と平行になるように設けられ、その他は実施例1と同じ条件とされたマグネットローラを有した画像形成装置を得た。
【0092】
(比較例1)
板状部材が設けられておらず、その他は実施例1と同じ条件とされたマグネットローラを有した画像形成装置を得た。
【0093】
以上、実施例1〜4及び比較例1で得たマグネットローラの剛性を測定した。測定方法は、マグネットローラの一対の固定部を支点間距離300mmで支持して、このマグネットローラの中央部に一定の荷重(0.5〜5N)をかけた際の撓み量をてこ式ダイヤルゲージで読み取った。そして、この荷重と撓み量の傾きを「剛性」とした。
【0094】
また、実施例1〜4及び比較例1で得た画像形成装置において、現像ポテンシャル400Vで、感光体ドラム上の単位面積当たりのトナー付着量を、感光体ドラムの長手方向両端部からそれぞれ20mm中央部寄りの位置の2箇所と、感光体ドラムの長手方向中央部の1箇所との、計3箇所において測定し、その最大値と最小値の差を「偏差量」とした。
【0095】
また、実施例1〜4及び比較例1で得た画像形成装置により、記録紙にテスト画像を出力し、出力したテスト画像の濃度ムラを測定した。評価基準は、非常に優れるものを◎、優れるものを○、実用に耐え得る許容限度内であるものを△、実用に耐えない許容限度外であるものを×とする。
【0096】
また、実施例1〜4及び比較例1で得た画像形成装置において、100Kランニング後に、マグネットローラの本体部に対する固定部の振れ量を測定した。評価基準は、5μm以下を◎、5〜10μmを○、10〜20μmを△、20μm以上を×とする。
【0097】
測定結果は、次の表1に示される。
【0098】
【表1】

【0099】
表1によれば、補強部材としての板状部材をローラ本体の内部に設けることにより、このローラ本体、即ちマグネットローラ、の剛性を高め、マグネットローラの撓み量を低減して、濃度ムラを低減できることが明らかとなった。さらに、この板状部材の、板状に形成された部分(即ち板状部)の外表面からローラ本体の外周面に向かって突出した少なくとも2つの突出部を設けることにより、ローラ本体と板状部材との熱収縮率の違いから、温度変化によるローラ本体の反れを抑えることができることが明らかとなった。また、ローラ本体と板状部材との密着性が上がることでローラ本体の剛性が確保されやすくなることが明らかとなった。
【0100】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる現像剤担持体を有する現像装置を示す断面図である。
【図2】図1中のA−A線に沿った断面図である。
【図3】図1中のB−B線に沿った断面図である。
【図4】図3中のC−C線に沿った断面図である。
【図5】図3中のD−D線に沿った断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態にかかる現像剤担持体を示す斜視図である。
【図7】本発明にかかる現像剤担持体の長尺マグネットブロックを構成する圧縮成形用磁石コンパウンドの説明図である。
【図8】本発明にかかる現像剤担持体の長尺マグネットブロックを構成する圧縮成形用磁石コンパウンドの説明図である。
【図9】本発明の一実施の形態にかかる画像形成装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0102】
1 画像形成装置
6 プロセスカートリッジ
13 現像装置
15 現像ローラ(現像剤担持体)
32 現像スリーブ
33,133 マグネットローラ(磁界発生手段)
35 現像剤
40 ローラ本体(円柱状磁石体)
40a,40b 固定部
40c 本体部
41 長尺マグネットブロック
42 凹溝
43,143 板状部材(補強部材)
43a,43b 延設部
43c,143c 板状部
43d 突出部
143e 棒状部
143a,143b 延設部
150A,150B 圧縮成形用磁石コンパウンド
E 現像領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能に設けられた現像スリーブと、該現像スリーブの内側に配置された磁界発生手段と、を有した、二成分現像方式における現像剤担持体であって、
前記磁界発生手段が、円柱状に形成された円柱状磁石体における現像領域に対応する部分に、該円柱状磁石体の中心軸方向に延びた凹溝が少なくとも1つ設けられ、そして、前記円柱状磁石体よりも高磁力の長尺マグネットブロックが前記凹溝に埋設されて設けられた現像剤担持体において、
(イ)前記円柱状磁石体が撓むことを防止するために、前記円柱状磁石体の内部に、磁性金属材料で構成された補強部材が、当該円柱状磁石体の中心軸方向に沿って設けられ、
(ロ)前記補強部材が、前記円柱状磁石体の径方向に沿った断面形状が長方形状の板状部材で構成され、そして、
(ハ)前記板状部材の前記断面形状における長辺が、現像剤に含まれる磁性キャリアが前記磁界発生手段を吸引する力である磁気吸引力の合力と、前記磁界発生手段の重力と、を合成したベクトルのベクトル方向と平行になるように、当該板状部材が設けられている
ことを特徴とする現像剤担持体。
【請求項2】
前記板状部材が、板状に形成された板状部と、該板状部の外表面から前記円柱状磁石体の外周面に向かって突出した少なくとも2つの突出部と、を有している
ことを特徴とする請求項1に記載の現像剤担持体。
【請求項3】
前記板状部材が、板状に形成された板状部と、該板状部の中心軸を通って、前記円柱状磁石体の径方向に沿った断面形状が円形または多角形の棒状に形成された棒状部と、を有している
ことを特徴とする請求項1に記載の現像剤担持体。
【請求項4】
前記板状部材が、前記板状部の中心軸方向の両端部からそれぞれ棒状に延設された一対の延設部をさらに有し、これら延設部が、前記円柱状磁石体の両端部に設けられた、当該円柱状磁石体を支持部材に固定するための固定部の内部に設けられている
ことを特徴とする請求項2または3に記載の現像剤担持体。
【請求項5】
前記補強部材が、円柱状磁石体と一体成形されていることを特徴とする請求項1〜4のうち1項に記載の現像剤担持体。
【請求項6】
前記円柱状磁石体が、前記現像剤に対して磁力を作用させるための円柱状の本体部と、該本体部の両端部から突設された該円柱状磁石体を支持部材に固定するための固定部と、を一体に有し、かつ、
当該円柱状磁石体が、フェライト磁性粉とバインダーとで構成される混合材料を、磁場の存在下において、金型内に射出または押出しすることによる射出成形または押出し成形によって成形されている
ことを特徴とする請求項1〜5のうち1項に記載の現像剤担持体。
【請求項7】
前記長尺マグネットブロックが、希土類元素を含んだ磁性粉と熱可塑性樹脂微粒子とを有した圧縮成形用磁石コンパウンドを、磁場の存在下において圧縮成形することにより得られる長尺マグネットブロックである
ことを特徴とする請求項1〜6のうち1項に記載の現像剤担持体。
【請求項8】
請求項1〜7のうち1項に記載の現像剤担持体を有していることを特徴とする現像装置。
【請求項9】
現像装置を少なくとも有するプロセスカートリッジにおいて、前記現像装置として、請求項8に記載の現像装置を有していることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項10】
プロセスカートリッジを少なくとも有する画像形成装置において、前記プロセスカートリッジとして、請求項9に記載のプロセスカートリッジを有していることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−53490(P2009−53490A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−220777(P2007−220777)
【出願日】平成19年8月28日(2007.8.28)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】