説明

現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

【課題】添加剤の剥がれ、埋没等によるトナーの劣化を低減させ、画質不良を抑えて長期間安定な画像を出力することができる現像装置を提供する。
【解決手段】感光体2に現像剤を供給して静電潜像を現像する現像スリーブ23と、これに現像剤を供給してその表面に現像剤の薄膜を形成する現像剤供給手段と、現像スリーブ23の薄膜状現像剤の厚さを規制する現像剤規制部材34aと、現像剤を予め攪拌して帯電させる攪拌帯電部材30と、を有する現像装置において、攪拌帯電部材30は現像剤供給手段としても機能するものであり、攪拌帯電部材30に隣接して現像スリーブ23の回転方向後流側に現像剤規制部材34aが設けられている現像装置であり、現像剤規制部材34aとして、現像剤攪拌容器34のケーシング端部を代用した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、レーザービームプリンタ、ファックスをはじめとする電子写真方式の画像形成装置並びにこれに用いる現像装置及びプロセスカートリッジに係り、特に、カラー画像を形成する画像形成装置並びにこれに用いるプロセスカートリッジ及び現像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真方式を利用した複写機、レーザープリンター等は、画質及び印刷速度の向上、機械サイズの小型化等、多様な点で著しい進歩を遂げている。
電子写真方式は、光導電性物質を利用し、感光体上に電気的潜像を形成する工程と、この潜像をトナーを用いて現像する現像工程と、現像したトナー画像を紙等の記録媒体に転写する転写工程と、転写したトナー画像を、定着ローラを用いた加熱等によって記録媒体に定着する定着工程とを有しており、画像形成に直接関わる現像工程は、複写機、レーザープリンター等の高機能化において非常に重要な工程である。
一般に、電子写真現像方式においては、トナーのみを現像剤として用いる一成分現像方式と、トナーとキャリアを現像剤として用いる二成分現像方式とがある。
【0003】
一成分現像方式は、例えばトナーを現像剤担持体としての現像ローラに供給し、トナー層規制部材によってトナーの層厚を規制すると同時に摩擦帯電させ、現像ローラ上に形成された薄層状態のトナーを電気的な力によって潜像担持体としての感光体表面に供給して静電潜像を現像するものである。このように、一成分現像方式は、現像ローラと潜像担持体とがお互いに対向した現像領域において、潜像担持体に形成された静電潜像をトナーによって可視像化するものであるが、所定濃度の高品質な可視像を形成するためには、充分に帯電した多量のトナーを供給する必要がある。
一方、二成分現像方式は、トナーとキャリアを攪拌することによりトナーに適正な帯電量を付与し、これによって現像を行うものである。この方式は、例えばマグネットローラの外側に回転可能な非磁性スリーブを設けた現像ローラにより、現像剤を潜像担持体まで搬送して潜像を現像する方式である。このような二成分現像方式においては、キャリアがトナーの帯電、搬送の役割を担っており、それらの混合比や攪拌状態が画像形成に大きく影響することが知られている。
一成分現像方式及び二成分現像方式の現像工程においては、いずれも摩擦帯電によってトナーに所望の帯電量をもたせ、これを現像領域に搬送する必要がある。
【0004】
現像工程において、トナーの帯電、搬送を十分に達成するためには、トナーそのものの特性が重要となる。特に、流動性はトナーの搬送に関わるだけでなく、攪拌の均一性、更には、摩擦帯電に大きく影響するため、トナーに求められる基本的な特性ということができる。従って、複写機、レーザープリンター等の高速化又は小型化を進めるためには、高いレベルのトナー流動性が求められる。
例えば、高速化を達成するためには、短時間でトナーを攪拌、帯電させる必要があり、トナーの流動性が低いと、摩擦帯電の進行が阻害され、帯電量の低いトナーが現像領域に運ばれるために、トナー飛散や地汚れが発生するおそれがある。
二成分現像方式において、現像剤の攪拌が充分でないと、キャリアとトナーの混合比が不安定になり、トナー帯電量の不安定要因となる。また、一成分現像方式においては、トナーの流動性が低いと、高速で回転する現像ローラ上に均一にトナーの薄層が形成されず、トナー規制部材によって十分に帯電させることができないので、トナー飛散や地汚れの原因となる。
【0005】
一方、装置の小型化を達成するためには、現像器内の現像剤容量を減らすことが最も有効であるが、現像剤容量を減らすと、トナー補給時に、現像器内のトナーと新たに補給されたトナーが短時間で混合することが難しくなる。また、二成分現像方式の装置で小型化を達成するためには、攪拌のためのスクリューを小型化しなくてはならず、これでは攪拌能力が低下する。従って、装置の小型化を促進する上でも、これまで以上にトナーの流動性が求められる。
【0006】
以下に、外部添加剤処理によるトナー特性、特に流動性のコントロールについて説明する。
一般的に、トナー特性を向上させる方法としては、トナーの構成材料に目的に応じた物質を添加する方法と、トナー表面に目的に応じた微粒子を付着させる方法とがある。
目的に応じた物質を添加する方法としては、例えばトナーの帯電性を制御する目的で、ニグロシン染料又はその変性物、トリフェニルメタン化合物、イミダール誘導体等の帯電制御剤をトナー内部に添加する方法が挙げられる。このような帯電制御剤は、例えば特公平1−54694号公報、特公平1−54695号公報、特開昭51−455号公報、特公昭63−57787号公報、特開平3−11964号公報、特開平3−202856号公報などに開示されている。
【0007】
一方、トナー表面に目的に応じた微粒子を付着させる方法としては、トナー粒子の表面に粒径が数〜数百nmの無機酸化物粒子を付着させる方法が知られている。
無機酸化物粒子としては、例えば乾式製法又は湿式製法によって得られるシリカ、アルミナ、チタニア等の金属酸化物があげられる。これら無機酸化物粒子は、その表面が疎水化処理されたのち用いられる場合もある。疎水化処理剤としては、例えばヘキサメチルジシラサン、シリコンオイル等があげられる。
このようにトナー表面に微粒子を付着させる方法は、トナーの流動性向上に大きな効果がある。この方法に関する公知文献として、例えば「電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編」(コロナ社)等が挙げられる。
また、トナー表面に目的に応じた微粒子を付着させる別の方法として、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩を添加する方法が知られている。元来、電子写真装置においては、クリーニングブレードと感光体との摺擦の低減又は感光体から中間転写ベルトへのトナーの転写率を向上させるために、感光体表面に脂肪酸金属塩を塗布することが行われていた。この場合、脂肪酸金属塩を、例えばトナー表面に付着させ、トナーを媒介として感光体表面に塗布することにより、専用の機器又は部材を省略することができる。
また、最近では、脂肪酸金属塩は、上述の効果以外にもトナー特性そのものを向上させる効果があることが明らかとなっており、例えば特開2003−29446号公報、特開平9−251214号公報等に記載されているように、トナー同士の凝集を防ぎ、トナー粒子の帯電性を高める効果があることが分かってきた。
【0008】
ところで、複写機、プリンタ等の画像形成装置の技術的課題として、装置の高速化、小型化に加え、さらなる安定な画像出力性が求められるようになり、特に、経時的安定性がこれまで以上に求められている。
具体的には、トナーを攪拌、帯電させるときの摺擦により、無機粒子等の外部添加剤がトナー表面から剥れるか、又はトナー内部に埋没することによって、トナーの流動性が経時的に悪化するという問題がある。即ち、現像機の高速化や小型化が進むと、短時間でトナーに所望の帯電量を付与しなくてはならず、トナーにかかるストレスが増加するため、外部添加剤の剥れ又は埋没が起こり易くなる。そして、外部添加剤の剥れや埋没が起こると、トナーの流動性及び帯電量の制御が困難になり、地汚れやトナー飛散等の画質不良が生じ易くなる。現像剤の劣化を低減させる技術については、これまでに様々な検討が行われてきたが、今後、益々その重要性は増大するものと考えられる。
【0009】
現像剤の劣化を防止する従来技術として、例えば特許文献1には、二成分現像剤や磁性一成分現像剤の劣化進行を抑制することを目的として開発された装置であって、マグネットローラ内に固定された複数の磁石のうち、ドクターブレードの最も近くに配設され且つ規制磁極を有する規制磁石について、現像スリーブ表面に対向する面と、スリーブ回転方向の上流側で隣り合うように配設され且つ上流側隣設磁極を有する磁石である上流側隣設磁石に対向する面との稜角部を面取りした画像形成装置が開示されている。
また、特許文献2には、現像剤の汲み上げをスムーズにして、スクリューの駆動トルクや現像剤のストレスを抑制することを目的として開発された装置であって、現像剤を軸方向に搬送する下方スクリューと、前記下方スクリューの上方に配置されるとともに現像剤を軸方向に搬送する上方スクリューとを有し、前記下方スクリューから前記上方スクリューへ現像剤が汲み上げられる汲み上げ部分における前記上方スクリューの搬送能力が、当該部分における前記下方スクリューの搬送能力より大きくなるようにした現像装置が開示されている。
【0010】
【特許文献1】特開2005−017871号公報
【特許文献2】特開平11−024382号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、従来の現像剤の劣化を低減させる技術の大部分は、現像装置のトルクの低減をはじめとしたトナーに対する機械的ストレスを低減させるものであった。このようなアプローチによるトナーに対するストレスの低減は、各社の様々な技術により、ほぼ最適化しつくされており、現像ユニットの長寿命化も限界に近づいていると考えられる。
トナーの劣化が進行する原因は、何らかの理由で、トナーに応力がかかり、その力によって、高分子であるトナー表面が不可逆的な変形を起こすことにより、外部添加剤の添加状態が変わるものと考えられる。即ち、トナーにとっては、撹拌部材や層規制部材等から受ける機械的外部負荷も、トナー自身が帯電することにより発生する静電的付着力も、ファンデルワールス力のような非静電的付着力も全て、同様に劣化の原因となり得る。これらの三種類の原因を比較した際に、機械的外部負荷が最も支配的であり、その為、この力を低減させることがこれまでの主な検討課題であったが、機械的外部負荷設計の最適化は、これ以上トナーの劣化を低減させることが難しいほど、成熟しているのが現状である。
【0012】
本発明は、かかる状況に鑑み、機械的外部負荷設計の最適化以外の方法で、トナーの劣化を低減することができる技術、より具体的には、トナーが帯電している時間をできる限り短くすることによってトナーの劣化を抑える新規な技術を提供するものである。即ち、本発明の目的は、外部添加剤の剥がれ、埋没等による経時的なトナー劣化を低減させ、これによって、地汚れやトナー飛散等の画質不良を抑えて長期間にわたって安定な画像を出力することができる現像装置、プロセスカートリッジ及びこれらを適用した画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者は、上述した目的を達成すべく、現像剤が帯電している時間を短くすることに関して種々検討してところ、現像剤を帯電させる撹拌帯電部から現像剤担持体の表面に付着した現像剤の厚さを規制する現像剤量規制部までの距離を短くするか、又は時間を短くすることによってトナーのストレスを低減してその劣化が低減されるという知見を得た。そして、この知見に基づいて現像装置における各部材相互の位置関係について鋭意研究した結果、攪拌帯電手段を、現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給手段としても機能させ、かつこの攪拌帯電手段に隣接して現像剤担持体の回転方向後流側に現像剤規制手段を設けることにより、現像剤が帯電している無駄な時間を極力短くして現像剤のストレス、ひいては劣化を低減できることを見出し、本発明に到達した。
このように、本発明は、現像剤が帯電することによって生じるキャリア、トナー間の静電的付着力に起因するトナーの劣化を低減させるものであり、現像剤に対する機械的外部負荷を低減しようとする従来技術とは、着眼点を異にするものである。
【0014】
即ち、本発明に係る現像装置は、像担持体に現像剤を供給して静電潜像を現像する現像剤担持体と、この現像剤担持体に現像剤を供給してその表面に現像剤の薄膜を形成する現像剤供給手段と、前記薄膜状現像剤の厚さを規制する現像剤規制手段と、前記現像剤担持体に供給される現像剤を予め攪拌して帯電させる攪拌帯電手段と、を有する現像装置において、前記攪拌帯電手段は前記現像剤供給手段としても機能するものであり、前記攪拌帯電手段に隣接して前記現像剤担持体の回転方向後流側に前記現像剤規制手段が設けられていることを特徴とする。
この場合において、攪拌帯電手段を収容する現像剤攪拌容器のケーシングを現像剤規制手段として代用させることができる。
また、前記現像剤担持体における前記像担持体の現像領域に対向する部分よりも回転方向後流側表面と対向する位置に、前記現像剤担持体に残留する現像剤を掻き取る現像剤回収手段を設け、かつ回収した現像剤を前記現像剤攪拌容器に戻す搬送経路及びこの搬送経路内にトナーを補充するトナー供給手段を設けることもできる。
更に、前記現像剤回収手段の前記現像剤担持体の回転方向前流側に、前記現像剤回収手段で回収される現像剤を除電する除電手段を設けることもできる。
【0015】
本発明に係るプロセスカートリッジは、像担持体と、この像担持体表面に形成された静電潜像を現像する現像装置とを一体化させ、画像形成装置本体に着脱自在に形成したプロセスカートリッジにおいて、前記現像装置は、上述したいずれか1つの現像装置であることを特徴とする。
また、本発明に係る画像形成装置は、像担持体と、この像担持体の表面を一様に帯電させる帯電装置と、帯電された像担持体表面に画像情報に基づいて静電潜像を形成する露光装置と、前記静電潜像に現像剤を供給して可視像化する現像装置と、前記像担持体表面に形成された可視像を直接又は中間転写体を介して記録媒体に転写する転写装置と、を有する画像形成装置において、前記現像装置は、上述したいずれか1つの現像装置又は上記プロセスカートリッジの現像装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る現像装置によれば、現像剤が必要以上に帯電している時間が短くなるので、現像剤の受ける静電的ストレスが低減し、その劣化を防止して長期間にわたって安定な画像を出力することができる。
本発明に係るプロセスカートリッジによれば、部材交換を行った場合でも、像担持体と現像剤担持体とのギャップのズレをなくすことができ、また、例えば除電装置、スクレーパ等を備えている場合は、それらと現像剤担持体及び像担持体との位置関係が常に一定に保たれ、長期にわたり良好な画質を形成することができる。
本発明に係る画像形成装置によれば、現像剤が帯電開始してから、潜像を現像するまでの時間が短くなる、換言すればトナーが電気的に束縛されている不用な時間が短くなるので、トナーが受けるストレスが低減し、現像剤を長期にわたって安定に使いこなして高品質の画像を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
先ず、本発明おいて、現像剤の帯電時間、換言すれば静電的付着力を受けている時間を制御することにより、トナーの劣化を低減できる理由について説明する。
トナーの静電的付着力、非静電的付着力の測定に関しては、様々な検討がなされている。例えば、遠心分離装置を用いた検討(リコーテクニカルレポートNo.26 (2000年度版) トナー付着力の研究 、外添剤の効果)では、トナー・感光体間の静電的付着力が数百nNのオーダーであると報告されている。材料によって付着力は変化するが、トナー・キャリア間の付着力も同じオーダーであると考えられる。現在、トナー粒径は、例えば5μm程度が標準的であり、表面積の数%程度で、キャリアと接していると考えられるので、トナーにおけるキャリアとの接触面積は、10−14のオーダーであると考えられる。
即ち、トナー・キャリア間にかかる単位面積当りの力は、100×10−9/10−14=10Pa=10MPaのオーダーとなる。一方、高分子の曲げ強さ(降伏強度)は、数十 MPaのオーダー(ナイロン:70MPa、ポリカーボネート:60MPa)である。従って、静電的付着力によっても、トナーは十分に変形し、劣化が進行することがわかる。
このような事実は、実験的にも示されている。即ち、Colloids and Surfaces A: Physicochemical and Engineering Aspects 87 (1994) 245-256においては、原子間力顕微鏡のプローブであるカンチレバーの先にトナーを取り付け、そのトナーの付着力を評価している。その際、意図的にトナーに数十nNの負荷をかけると、非静電的付着力が増加することが報告されている。この結果は、数百nNという力のオーダーである静電的付着力によっても、トナーが劣化することを示している。
以上のことから、トナーに対する低ストレス化を高度に実現するためには、静電的力を含めた最適化を図る必要があることが分かる。
【0018】
本発明を具現する一の方法として、トナーの撹拌帯電手段を、現像剤を現像剤担持体(以下、現像ローラという)へ供給する現像剤供給手段としても機能させ、現像ローラ表面に供給された現像剤量を規制する現像剤規制手段を攪拌帯電手段と隣接して配置するか又は一体化させる方法が挙げられる。この方法においては、例えば、撹拌帯電手段から現像剤が搬出される取り出し口の大きさによって、即ち、取り出し口を形成するケーシングによって現像スリーブ表面の現像剤量を規制することができ、現像剤が現像スリーブに供給されてから、規制手段によって余剰の現像剤を取り除いて所定厚さの薄層が形成されるまでの距離又は時間を短縮することによって現像剤のストレスが全体的に低減し、これによってその劣化を抑制することができる。
【0019】
以下に、本発明の実施の形態について添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。図1において、画像形成装置1は、図中時計方向に回転駆動する感光体2と、感光体2の周囲に順次配置された帯電装置3、書込み装置4、現像装置5、転写装置6、ブレード13aを備えたクリーニング装置13及び感光体除電装置8と、図示省略した制御装置及び電圧印加装置から主として構成されている。この画像形成装置本体は、例えば図示省略した筐体内に収容されている。
画像形成装置1には、図示省略した給紙カセットが設けられている。給紙カセットには、給紙ローラが付設されており、給紙ローラは、給紙カセット内に収容された記録紙を1枚ずつ搬出し、図示省略したレジストローラ対でタイミング調整した後、転写装置6と感光体2との間の転写部に供給する。
【0020】
以下、このような構成の画像形成装置の動作を説明する。
先ず、像担持体としての感光体2を図中、時計方向に回転駆動し、感光体2表面を帯電装置3で一様に帯電させる。表面が帯電した感光体2に対し、書込み装置4によって画像データに基づいて変調された、例えばレーザ光を照射して感光体2表面に静電潜像を形成する。静電潜像が形成された感光体2に対し、現像装置5によってトナーを供給して静電潜像を現像してトナー画像を形成する。
このようにして形成された感光体2表面のトナー画像を、転写装置6によって、感光体2と転写装置6との間に供給された図示省略した記録紙に転写させる。トナー画像が転写された記録紙を図示省略した定着部に搬送し、所定の温度又は圧力によってトナー画像を記録紙に定着させる。その後、トナー画像が定着された記録紙を図示省略した排紙トレー上に排出する。
【0021】
一方、記録紙にトナー画像を転写した後の感光体2をさらに回転させ、クリーニング装置13のブレード13aによって感光体2表面に残留するトナーを掻き落とす。次いで、残留トナーが除去された感光体2表面を除電装置8で除電する。除電装置8によって除電された感光体2の表面を帯電装置3によって一様に帯電させ、その後、上述した各工程を順次繰り返して連続的な画像形成を行う。
なお、本実施形態においては、クリーニング装置13を、ブレード13aで感光体2上の残留トナーを掻き落とすものとしたが、ブレード13aに代えて、例えばファーブラシで感光体2上の残留トナーを掻き落とすものとしてもよい。
【0022】
以下に、本発明の特徴部分について詳細に説明する。
図2は、本発明の実施形態に係る現像装置であって、図1の現像装置5の概略構成を示す図である。図2において、この現像装置は、感光体2と一体となってプロセスカートリッジを形成している。
即ち、現像装置5において、現像スリーブ23は、感光体2の現像領域に対向して一体に配置されている。現像スリーブ23はマグネットロール22で構成されている。現像スリーブ23の図中上方には、現像剤を攪拌混合する攪拌帯電部材30が配置されており、この攪拌帯電部材30は、攪拌によって帯電した現像剤を現像スリーブ23に供給する現像剤供給装置としても機能する。現像スリーブ23及び攪拌帯電部材30は、ケーシング40で覆われており、ケーシング40の攪拌帯電部材30近傍の端部は、攪拌帯電部材30に隣接する位置で、現像スリーブ23表面に所定間隔を隔てて対向するように構成されており、現像スリーブの表面に堆積する現像剤の厚さを規制する規制部材として機能する。
【0023】
このような構成の現像装置5において、トナーとキャリアを混合した現像剤は、撹拌帯電部材30によって撹拌されながら、現像スリーブ23表面まで搬送される。このとき、現像剤は攪拌帯電部材30の作用によって撹拌・搬送されながら、感光体2上の静電潜像を現像するのに必要な電荷に帯電される。
現像スリーブ23上に供給された現像剤は、現像スリーブ23の回転に沿って、感光体2との対向位置である現像領域に向けて搬送される。このとき現像剤は、規制部材としての現像剤攪拌容器34のケーシングとの隙間を通過することにより、その量が規制され、画像出力に必要な量の薄層を形成する。現像剤撹拌容器34と現像スリーブ23との間隙は、現像スリーブに供給すべき現像剤量によって決定され、例えば、0.1〜2mmの範囲内とされるが、厳密には、感光体2、現像スリーブ23の線速、現像スリーブ23の径、現像剤中のトナー濃度等に基づいて適宜決定される。薄層状の現像剤は感光体2と対向する現像領域まで搬送され、感光体2と現像スリーブ23とのバイアス差により、感光体2上に供給され、静電潜像を現像してトナー画像を形成する。このとき、現像スリーブ23には、図示省略したバイアス電源によってDC又はDC+ACバイアスが印加される。
【0024】
感光体2の現像領域通過後の現像スリーブ23上に残留する現像剤は、再び、撹拌帯電部材30の位置まで搬送される。現像に供されることによって変化した現像剤中のトナー濃度は、トナー供給容器としてのホッパ31から新たに供給されるトナーによって一定に保たれる。このとき、トナーの補給量は、図示省略したトナー濃度センサーの検出値をもとに制御され、常に、最適な量が補給される。トナー補給方法は特に限定されないが、例えば長手方向全面に少量ずつ、トナーを補給するようにすることによって、トナー濃度の均一化を図ることができる。
【0025】
本実施形態によれば、現像剤の攪拌帯電部材30を、現像剤を現像スリーブ23に供給する現像剤供給装置としても機能させ、かつ攪拌帯電部材30に隣接するように、ケーシング34の一端で代用した現像剤規制部材34aを設けたことにより、トナーが帯電されてから、必要量に規制されるまでの時間を短くすることができ、多量のトナーが電気的に束縛されている時間を全体として短くすることができる。従って、トナーが受けるストレスが低減し、トナーの劣化を抑制し、現像剤を長期にわたり、安定に使いこなして良好な画像を形成することができる。
なお、本実施形態においては、攪拌帯電部材30が、現像剤供給手段としても機能する現像装置について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、攪拌帯電部材30と現像剤供給手段とを別々に設け、現像剤供給手段に隣接するように現像剤規制部材34aを設けることもできる。この場合であっても、現像剤を現像スリーブ23に付着させてから、必要量以上の現像剤を剥離させるまでの時間又は距離を短くし、トナーの無駄な帯電状態を極力なくしてその劣化を抑制することができる。
【0026】
本実施形態において、現像スリーブを形成するマグネットロール22の材料として、例えばSrフェライト又はBaフェライトの磁性粉に、6PA又は12PA等のPA(ポリアミド)系材料、EEA(エチレン・エチル共重合体)又はEVA(エチレン・ビニル共重合体)等のエチレン系化合物、CPE(塩素化ポリエチレン)等の塩素系材料、NBR等のゴム材料の高分子化合物を混合したプラスチックマグネット又はゴムマグネットを用いることが好ましい。また、マグネット成型体は、現像ローラ軸方向に延びる棒状のブロックであり、幅が狭く且つ高い磁気特性を得るために、Br>0.5T(テスラ)の材料を用いることが望ましく、多くは、例えばNe系(Ne・Fe・B等)又はSm系(Sm・Co、Sm・Fe・N等)の希土類マグネット又はこれらのマグネット粉を上記と同様の高分子化合物と混合したプラスチックマグネット又はゴムマグネットが用いられる。
【0027】
本実施形態において、トナーとしては、例えば粒子に添加剤を含有させたものが用いられる。添加剤としては、従来から公知のものを使用することができる。具体的には、Si、Ti、Al、Mg、Ca、Sr、Ba、In、Ga、Ni、Mn、W、Fe、Co、Zn、Cr、Mo、Cu、Ag、V、Zr等の酸化物、複合酸化物等である。特に、Si、Ti、Alの酸化物であるシリカ、チタニア、アルミナなどが好適である。添加剤の添加量は、母体粒子100重量部に対して0.5〜1.8重量部であることが好ましく、特に好ましくは、0.7〜1.5重量部である。添加剤の添加量が、0.5重量部未満であると、トナーの流動性が低下するため、十分な帯電性が得られず、地汚れやトナー飛散の原因になり易い。また添加剤の添加量が1.8重量部よりも多いと、流動性は向上するものの、ビビリ、ブレードめくれ等による感光体クリーニング不良や、トナーから遊離した添加剤による感光体等へのフィルミングが生じ易くなる。そして、クリーニングブレードや感光体等の耐久性が低下し、定着性が悪化する。さらには、細線部におけるトナーのチリが発生し易くなり、特に、フルカラー画像における細線の出力の場合には、少なくとも2色以上のトナーを重ねる必要性から、付着量の増加によって特にチリが発生する傾向が顕著になる。また、カラートナーの場合には、添加剤が多く含有されていると、透明シートに形成されたトナー画像をオーバーヘッドプロジェクターで投影した場合に投影像にかげりが生じ、鮮明な投影像が得られ難くなることがある。なお、添加剤の含有量を測定する方法としては種々のものが知られているが、蛍光X線分析法が一般に採用されている。蛍光X線分析方法は、添加剤の含有量既知のトナーについて、蛍光X線分析法で検量線を作成し、この検量線を用いて、添加剤の含有量を求める方法である。
【0028】
トナーの経時的劣化を評価する方法としては、外添剤の剥れ、埋没について観察する方法が挙げられる。例えば、電子顕微鏡により、トナーの表面を観察することによって評価できる。具体的には、現像ユニットから、トナーを約0.1gサンプリングし、導電性カーボンテープを用いて電子顕微鏡の試料台に固定する。その後、観察倍率を10,000倍から50,000倍に設定し、約30個のトナーをサンプリングして観察し、その外添剤の付着状態からランク付けを行うことによって評価することができる。
本実施形態において、トナーとしては、処理剤を用いて表面処理を施したものを用いることが望ましい。処理剤としては、有機系シラン化合物、例えば、メチルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン等のアルキルクロロシラン類、ジメチルジメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のアルキルメトキシシラン類が好適に適用される。また、ヘキサメチルジシラザン、シリコンオイル等を用いることもできる。表面処理方法としては、有機シラン化合物を含有する溶液中にトナーを漬積し乾燥させる方法、トナーに有機シラン化合物を含有する溶液を噴霧し乾燥させる方法等が挙げられる。トナーの体積平均粒径は、例えば3〜7μmの範囲のものが好適に用いられる。
【0029】
磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど、従来から公知のものを使用することができる。本実施形態においては、金属又は樹脂からなるコア中にフェライト等の磁性材料を含有し、且つ表層にシリコーン樹脂等による被覆が施された平均粒径が,例えば55μmのものが好適に用いられる。表層の被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができる。また、ポリビニル樹脂、ポリビニリデン系樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂等を用いることもできる。更に、スチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂やポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂などを用いてもよい。また、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体などでもよい。更にまた、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂などでもよい。なお、必要に応じて導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛などを用いることができる。導電粉の平均粒子径は1μm以下であることが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になるからである。
【0030】
次に、本発明の実施形態に係る現像装置の変形例について説明する。
図3は、現像装置の変形例を示す図である。図3において、この現像装置は、現像スリーブ23の感光体2の現像領域と対向する部分の後流側に、現像スリーブ23表面に残留するトナーを掻き取る現像剤回収手段としてのスクレーパ32を設け、かつスクレーパ32で書き取ったトナーを現像剤攪拌容器34に循環する搬送路33を設けたものである。
攪拌帯電部材30によって帯電された現像剤は、現像スリーブ23に供給されたのち、現像剤攪拌容器34の一端34aによってその厚さが規制され、その後、感光体2表面の現像領域に供給され、静電潜像を現像する。
現像後、現像スリーブ23表面に残留する現像剤は、感光体2との対抗位置よりも回転方向下流側に位置するスクレーパ32によって機械的に掻き落として回収される。回収された現像剤は、例えば搬送スクリューと気流とを用いた周知構造のモーノポンプと呼ばれる粉体ポンプユニット等によって、搬送路33を経て現像剤撹拌容器34まで搬送される。
【0031】
本実施形態によれば、上記実施形態と同様、トナーが帯電されてから、必要量に規制されるまでの時間を短くすることができるので、全体としてトナーが受けるストレスが低減し、トナーの劣化を抑制して現像剤を長期にわたって安定に使いこなして良好な画像を形成することができる。
本実施形態において、搬送路33に、現像によって減少したトナーを補給するためのトナー供給装置を設けることが好ましい。これによって、図2の装置に比べてトナー補給後の攪拌時間が長くとれるので、攪拌効率が向上し、トナー濃度をより均一にすることができる。
【0032】
本実施形態において、搬送路33の入口及び出口部分の内径を他の部分の内径よりも大きくすること、換言すれば搬送路33の入口及び出口以外の断面積を、入口及び出口の断面積よりも小さくすることが好ましい。図4は、搬送路33の入口部分を示す模式図である。図4において、現像スリーブ23に隣接するようにスクレーパ32が設けられており、このスクレーパ32で回収した現像剤を搬送する搬送路33の入口以外の断面が、入口部分の断面よりも小さくなっている。これによって、回収された現像剤は、例えば、中央部で一旦集約し、集約した状態で搬送され、その搬送途中に、トナー補給が行われ、搬送路33の出口部分の拡径部で、再度分散されることになる。従って、現像剤が均一に攪拌、分散され易くなり、トナー補給による現像剤の濃度ムラを低減することができる。また、現像剤を良好に分散させて現像剤撹拌容器34内の隅々までムラなく供給できるようになる。
【0033】
図5は、本実施形態に係る現像装置の別の変形例を示す図である。
図5において、この装置が、図3の装置と異なるところは、スクレーパ32の感光体回転方向上流側に現像スリーブ23表面に残留する現像剤を除電する除電装置35を設けた点である。
本実施形態によれば、スクレーパ32の上流側に除電装置35を配置したことにより、現像スリーブ23表面に残存する現像剤を予め、除電装置35によって除電したのち回収することができるので、図3の装置の効果に加え、搬送路中での、静電的付着力による現像剤の劣化を抑制することができる。即ち、本実施形態によれば、現像剤を回収した後、現像剤攪拌容器34に搬送するまでの間、現像剤が電荷を有していないので、静電的付着力による現像剤の劣化を防ぐことができる。また、トナー・キャリア間の静電的付着力による拘束が解放された状態のところに新規のトナーを補給することができるので、トナー濃度の均一化をより高いレベルで達成することができる。
【0034】
本実施形態において、除電装置35として、例えばコロナチャージャー又はローラ状の部材を用いることができ、除電装置35には、例えばDC+ACバイアが印加される。除電装置35に印加すべきAC電圧は、パッシェン則によって決定される放電開始電圧を超えるように設定されるが、例えば、振幅電圧を1 kV〜20kV、周波数を100Hz〜10kHzに設定することができる。
【0035】
図6は、本実施形態に係る現像装置のもう一つの変形例を示す図である。
図6において、この画像形成装置は、現像剤の撹拌帯電部材21aと、現像剤量規制部材24を近接して配置したものである。
現像スリーブ23には、図示省略した現像剤担持体バイアス電源よりDC又はDC+ACバイアスが印加される。この装置例においては、図示省略したホッパを経て導入された現像剤は、現像剤搬送部材21aにより現像スリーブ23上に供給される。現像スリーブ23上に供給された現像剤は、現像スリーブの回転方向に搬送される。現像剤は、規制部材24位置まで搬送され、規制部材24を通過することによって画像出力に必要な量の現像剤薄層を形成する。その後、現像剤は感光体2との対向部である現像領域まで搬送され、感光体2と現像スリーブ23との間のバイアス差により、感光体2上に供給され、静電潜像を現像する。
本実施形態によれば、現像剤の帯電部から、現像剤に対してストレスがかかる最後の機構である現像剤量規制部材までの距離が短くなるように、近接させることにより、現像剤に対する静電的付着力によるストレスを低減させ、これによって現像剤の劣化を防止することができる。
従来の現像装置においては、現像スリーブ上に供給された現像剤は、層規制部材まで搬送される間に、マグネットローラの磁力分布に起因する摺擦が引き起こされ、この摺擦により、現像剤の劣化が進行するという不都合があったが、本実施形態は、規制部材24を攪拌帯電部材23aに近接して設けたことにより、現像剤が現像スリーブ23に供給されてから、規制部材24でその量が規制されるまでの時間が短くなり、これによって現像剤のストレス、及び劣化を低減して長寿命化を達成することができる。
以上、実施例を挙げて本発明を詳細に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0036】
上記の実施形態においては、本発明に係る現像装置を、単色画像を形成する現像装置に適用した場合について説明したが、本発明の現像装置は、カラー画像を形成する画像形成装置にも好適に適用される。
図7は、本発明の現像装置をカラー画像を形成する画像形成装置に適用した一例を示す説明図であり、図7(a)はタンデム型のフルカラー画像形成装置の概略構成図、図7(b)は、リボルバタイプのフルカラー画像形成装置の概略構成図である。
図7(a)において、この画像形成装置1は、タンデム型のフルカラー画像形成装置であって、例えばシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色に対応する画像形成ユニットが同一平面上に、水平に配置されている。各画像形成ユニットは、それぞれ図中時計方向に回転駆動する感光体2と、感光体2の周囲に配置された帯電装置3、書込み装置4、現像装置5とから主として構成されている。画像形成ユニット列の下方には、支持ローラ対で指示された中間転写ベルト7が設けられており、中間転写ベルト7を支持する一の支持ローラに対して中間転写ベルト7を介して紙転写ローラ6が設けられている。なお、本装置は、例えば図示省略した筐体内に収容されている。また、現像装置5としては、上述したいずれかの現像装置が適用される。
本画像形成装置1には、図示省略した複数枚の記録紙を収納する給紙カセットを備えており、給紙カセットは、給紙ローラにより記録紙を1枚ずつ送りだし、図示省略したレジストローラ対でタイミング調整した後、転写ローラ6と中間転写ベルト7の間に送り出す。
このような構成の画像形成装置1において、各画像形成ユニットにおいて、感光体2を、例えば図中時計方向に回転駆動させ、感光体2表面を帯電装置3で一様に帯電した後、書込み装置4により画像データで変調されたレーザ光を照射して感光体2に静電潜像を形成する。静電潜像が形成された感光体2に対し、現像装置5でトナーを付着させて静電潜像を現像する。その後、各感光体2上に形成された各色に対応するトナー画像を順次中間転写ベルト7に転写、積層してカラー画像を形成する。次いで、中間転写ベルト7と転写ローラ6との当接部に供給される記録紙Pにカラー画像を転写する。カラー画像が転写された記録紙を図示省略した定着装置に導入して定着させる。
【0037】
図7(b)は、リボルバタイプのフルカラー画像形成装置の概略構成を示す図である。この画像形成装置は、現像装置の動作を切り替えることによって1つの像担持体上に順次複数色のトナーを現像していくものである。即ち、図7(b)において、像担持体としての感光体2の周囲に、帯電装置3、露光装置4及びクリーニング装置13が配置されている。そして露光装置4に隣接するように、感光体2の回転方向後流側には、例えばシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色に対応する画像形成ユニット5が順次配置されている。画像形成ユニット5の後流側には、支持ローラによって感光体2に当接するように支持された中間転写ベルト7が設けられている。中間転写ベルト7を支持する一の支持ローラに中間転写ベルト7を介して当接するように転写ローラ6が設けられている。現像装置5としては、上述のいずれかの現像装置が適用される。
このような構成において、各現像装置5(C、M、Y、K)によって感光体2表面に形成された各色に対応する単色のトナー画像を、順次中間転写ベルト7上に転写し、積層してカラー画像を形成する。次いで、転写ベルト7上に形成されたカラー画像を、別途転写ローラ6と中間転写ベルト7との当接部に供給される記録紙pに転写する。次いで、カラー画像が転写された記録紙Pを図示省略した定着装置に搬送して転写画像を記録紙Pに定着させ、定着画像を得る。
一方、カラートナー画像を記録紙Pに転写した感光体2をさらに回転し、クリーニング装置13によって感光体2表面に残留するトナーを、例えばブレードにより掻き落として回収する。次に、残留トナーが除去された感光体2表面を除電装置8によって除電する。除電した感光体2表面を帯電装置3で一様に帯電させ、その後、上述したと同様の操作を順次繰り返して画像形成を連続的に行う。なお、クリーニング部13は、ブレードで感光体2上の残留トナーを掻き落とすものに限るものではなく、例えばファーブラシで感光体2上の残留トナーを掻き落とすものであってもよい。
【0038】
本実施形態においても、上記実施形態と同様、攪拌帯電部材30を現像剤供給装置としても機能させ、また、攪拌帯電部材30に隣接するように、ケーシング34の一端で代用した現像剤規制部材34aを設けた贋造装置を用いたことにより(図2参照)、トナーが帯電されはじめてから、必要量に規制されるまでの時間を短くすることができ、トナーが不必要に帯電されている時間が短くなるので、トナーが受けるストレスが低減し、劣化を抑制し、現像剤を長期にわたり、安定に使いこなして良好な画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る現像装置の概略構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る現像装置の変形例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る現像装置の搬送路の入口部分を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る現像装置の別の変形例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る現像装置のもう一つの変形例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る別の画像形成装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
【0040】
1 画像形成装置
2 感光体
3 帯電装置
4 書込み装置
5 現像装置
6 転写装置(転写ローラ)
7 中間転写体
8 除電装置
13 クリーニング装置
13a ブレード
22 マグネットローラ
23 現像スリーブ
24 規制部材
30 現像剤攪拌部材
31 ホッパ
32 スクレーパ
33 搬送路
34 現像剤攪拌容器
34a 現像剤規制部材
35 除電装置



【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体に現像剤を供給して静電潜像を現像する現像剤担持体と、
この現像剤担持体に現像剤を供給してその表面に現像剤の薄膜を形成する現像剤供給手段と、
前記薄膜状現像剤の厚さを規制する現像剤規制手段と、
前記現像剤担持体に供給される現像剤を予め攪拌して帯電させる攪拌帯電手段と、
を有する現像装置において、
前記攪拌帯電手段は前記現像剤供給手段としても機能するものであり、前記攪拌帯電手段に隣接して前記現像剤担持体の回転方向後流側に前記現像剤規制手段が設けられていることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記現像剤規制手段は、前記攪拌帯電手段を収容する現像剤攪拌容器のケーシングであることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記現像剤担持体における前記像担持体の現像領域に対向する部分よりも回転方向後流側表面と対向する位置に、前記現像剤担持体に残留する現像剤を掻き取る現像剤回収手段が設けられており、かつ回収した現像剤を前記現像剤攪拌容器に戻す搬送経路及びこの搬送経路内にトナーを補充するトナー供給手段が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記現像剤回収手段の前記現像剤担持体の回転方向前流側に、前記現像剤回収手段で回収される現像剤を除電する除電手段が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の現像装置。
【請求項5】
像担持体と、この像担持体表面に形成された静電潜像を現像する現像装置とを一体化させ、画像形成装置本体に着脱自在に形成したプロセスカートリッジにおいて、前記現像装置は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の現像装置であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項6】
像担持体と、
この像担持体の表面を一様に帯電させる帯電装置と、
帯電された像担持体表面に画像情報に基づいて静電潜像を形成する露光装置と、
前記静電潜像に現像剤を供給して可視像化する現像装置と、
前記像担持体表面に形成された可視像を直接又は中間転写体を介して記録媒体に転写する転写装置と、
を有する画像形成装置において、
前記現像装置は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の現像装置又は請求項5に記載のプロセスカートリッジの現像装置であることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2007−316096(P2007−316096A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−142232(P2006−142232)
【出願日】平成18年5月23日(2006.5.23)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】