説明

現像装置及び画像形成装置

【課題】ページ内の画像部の分布に偏りがある画像を連続して現像する際における現像濃度ムラや地汚れの発生を抑える。
【解決手段】感光体2K上の潜像を自らの表面上のトナーによって現像する現像ローラ11Kと、現像ローラ11Kに接触してニップを形成しながら自らの表面上のトナーを現像ローラ11Kに供給するトナー供給ローラ10Kとを設けた構成において、前記ニップでトナー供給ローラ10Kの表面を現像ローラ11Kの表面とは逆方向に移動させ、且つ、画像の出力対象となるページの全領域を感光体2Kの表面移動方向に沿って複数の分割領域に分割し、それぞれの分割領域における画像部の面積率を算出し、算出結果に基づいてトナー供給ローラ10Kへのバイアスを制御するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナー担持体に接触しながらトナー担持体の表面にトナーを供給するトナー供給部材に対して印加するための供給バイアスを出力する供給バイアス電源からの出力値を画像の面積率に基づいて制御する現像装置や画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、磁性キャリアとトナーとのうち、トナーだけを用いて現像を行う1成分現像方式の現像装置において、次のようなものが知られている。即ち、トナー担持体たる現像ローラに対して、トナー供給部材たるトナー供給ローラをカウンタ方向に回転させながら当接させる現像装置である。トナー供給ローラを現像ローラに対してカウンタ方向に回転させることで、現像ローラからのトナーの回収と、現像ローラに対するトナーの供給とを1つのトナー供給ローラによって行うことができる。具体的には、現像ローラは、自らの回転に伴って潜像担持体たる感光体との対向領域である現像領域を通過する際に、自らの表面上に担持しているトナーの一部を感光体上の静電潜像に付着させることで、静電潜像を現像する。現像領域を通過した後の現像ローラ表面には、現像に寄与しなかったトナーが付着しているが、その付着量は均一ではなく、静電潜像に対応したムラがある。このような状態の現像ローラ表面に対して、そのまま新たなトナーを供給すると、トナー付着量のムラを残したままになるので、現像濃度ムラなどを引き起こしてしまう。このため、現像領域を通過した後の現像ローラ表面からトナーを回収した後に、新たなトナーを現像ローラ表面に供給することが一般的に行われる。トナー供給ローラを現像ローラに対してカウンタ方向に回転させながら当接させると、両ローラの当接によるニップの入口(現像ローラ表面がニップに進入する位置)の付近で、トナー供給ローラによって現像ローラ表面上からトナーを掻き取ることが可能になる。また、ニップの中央において、トナー供給ローラの表面上のトナーを現像ローラ表面に供給することが可能になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、このようにしてトナーの回収及び供給を1つのトナー供給ローラによって行う構成では、文書画像など、ページの面積に対する画像部の面積率が比較的低い画像を連続して現像すると、現像濃度ムラや地汚れを引き起こし易くなるという不具合があった。具体的には、面積率の比較的低い画像を連続して現像すると、ニップの入口付近で現像ローラ上に残っている多量のトナーをトナー供給ローラで回収し続けることになる。すると、トナー供給ローラに過剰のトナーが蓄積されて、トナー供給ローラのトナー回収能力が著しく低下してくる。そして、現像ローラ表面からのトナーの回収が不十分になって、トナー付着量のムラがある状態の現像ローラ表面に対して新たなトナーを供給するようになる。これにより、現像濃度ムラや地汚れが引き起こしてしまうのである。
【0004】
一方、特許文献1には、次のような画像形成装置が記載されている。即ち、この画像形成装置は、現像ローラに対して順方向に回転しながら当接するトナー供給ローラに、トナーの帯電極性と同極性の供給バイアスを印加することで、トナー供給ローラから現像ローラへのトナーの転移を助長している。そして、画像の面積率が高くなるほど、供給バイアスの絶対値を大きくするように、電源からの供給バイアスの出力値を制御している。
【0005】
本発明者は、かかる制御を、1つのトナー供給ローラでトナーの回収及び供給を行う構成に適用することを考えた。面積率の低い画像を連続で現像する際の現像濃度ムラや地汚れの発生を抑えることが可能になるからである。具体的には、画像の面積率が比較的低い場合には、供給バイアスの絶対値を比較的小さくすることで、現像ローラからトナー供給ローラへのトナーの回収を行い易くする。これにより、トナーの回収不良を発生させ難くすることで、現像濃度ムラや地汚れの発生を抑えることができる。
【0006】
しかしながら、ページ内の画像部の分布に偏りがある画像では、現像濃度ムラや地汚れの発生を有効に抑えることができなくなることがわかった。例えば、ページ全体に渡って面積率の低い文書画像部が存在しているとともに、ベージの一部だけにベタ画像部が存在している結果、ページ全体としては中程度の面積率になっている画像があるとする。かかる画像が連続出力される場合には、ページ内の殆どの領域を占めている文書画像部において、現像ローラからのトナーの回収不良に起因する現像濃度ムラや地汚れが発生し易くなる。このため、供給バイアスとしては、絶対値の比較的小さな低面積率に適したものを採用することが望ましい。ところが、中程度の面積率に適した絶対値の供給バイアスが選択されてしまうので、現像濃度ムラや地汚れを発生させ易くなってしまうのである。
【0007】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ページ内の画像部の分布に偏りがある画像を連続して現像する際における現像濃度ムラや地汚れの発生を抑えることができる現像装置や画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、自らの無端移動する表面に担持したトナーにより、潜像担持体に担持される潜像を現像するトナー担持体と、自らの無端移動する表面を、前記トナー担持体に接触させながら、自らの表面に保持しているトナーを前記トナー担持体の表面に供給するトナー供給部材と、前記トナー供給部材に印加するための供給バイアスを出力する供給バイアス電源と、現像対象となる画像の面積率を画像情報に基づいて算出し、算出結果に応じて前記供給バイアス電源からの供給バイアスの出力値を制御するバイアス制御手段とを有する現像装置において、前記トナー担持体と前記トナー供給部材との接触部で前記トナー供給部材の表面を前記トナー担持体の表面とは逆方向に移動させて、前記トナー担持体の表面上のトナーを前記トナー供給部材の表面に回収しつつ、前記トナー供給部材の表面に保持しているトナーを前記トナー担持体の表面に供給させるようにするとともに、画像の出力対象となるページの全領域を前記潜像担持体の表面移動方向に沿って複数の分割領域に分割し、それぞれの分割領域における画像部の面積率を算出し、算出結果に基づいて前記出力値を制御する処理を実施するように、前記バイアス制御手段を構成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明においては、画像の面積率をページ全体で捉える代わりに、ページの全領域を複数に分割して得られる複数の分割領域の単位で画像部の面積率を捉え、それぞれの分割領域の画像部をそれぞれの面積率に見合った供給バイアスの条件下で現像する。かかる構成では、ページ内の画像部の分布に偏りがある画像を連続して現像する場合であっても、各ページにおいて、複数の分割領域の画像部をそれぞれの面積率に見合った供給バイアスの条件下で現像するので、現像濃度ムラや地汚れの発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。
【図2】同プリンタにおけるK用の作像ユニットを拡大して示す拡大構成図。
【図3】同作像ユニットの現像器における供給ニップの周囲を拡大して示す拡大構成図。
【図4】同プリンタにおける電気回路の一部を示すブロック図。
【図5】ページと、このページに出力される画像と、各分割領域との関係の一例を示す模式図。
【図6】図5に示される画像が現像される際の分割領域と、画像部の面積率[%]と、供給バイアス[−V]との関係を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の一実施形態について説明する。
まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本プリンタを示す概略構成図である。同図において、このプリンタは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、M、C、Kと記す)のトナー像を形成するための4つの作像ユニット1Y,M,C,Kを備えている。これらは、画像形成物質として、互いに異なる色のY,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Kトナー像を形成するための作像ユニット1Kを例にすると、図2に示されるように、潜像担持体たるドラム状の感光体2K、ドラムクリーニング装置3K、除電装置(不図示)、帯電装置4K、現像器5K等を備えている。作像ユニット1Kは、プリンタ本体に脱着可能であり、一度に消耗部品を交換できるようになっている。
【0012】
帯電装置4Kは、図示しない駆動手段によって図中時計回りに回転せしめられる感光体2Kの表面を一様帯電せしめる。一様帯電せしめられた感光体2Kの表面は、レーザー光Lによって露光走査されてK用の静電潜像を担持する。より詳しくは、先に示した図1において、作像ユニット1Y,M,C,Kの鉛直方向上方には、光書込ユニット70が配設されている。潜像書込装置たる光書込ユニット70は、画像情報に基づいてレーザーダイオードから発したレーザー光Lにより、作像ユニット1Y,M,C,Kにおける感光体2Y,M,C,Kを光走査する。感光体2Y,M,C,Kにおける露光部は、電位を減衰せしめてY,M,C,K用の静電潜像を担持する。例えば、感光体2Y,M,C,Kの一様帯電電位が−800[V]であるのに対し、静電潜像の電位は−50[V]まで減衰する。なお、光書込ユニット70は、光源から発したレーザー光(L)を、図示しないポリゴンモータによって回転駆動したポリゴンミラーで主走査方向に偏光せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。LEDアレイの複数のLEDから発したLED光によって光書込を行うものを採用してもよい。
【0013】
図2において、現像器5Kは、図示しないKトナーを収容する縦長のホッパ部6Kと、現像部7Kとを有している。そして、現像器5Kの現像部7K内には、感光体2K及びトナー供給ローラ10Kに当接しながら回転する現像ローラ11Kや、これの表面に先端を当接させる薄層化ブレード12Kなどが配設されている。図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転される現像ローラ11Kには、図示しない現像バイアス電源によってKトナーの帯電極性と同極性であって、且つ、絶対値が感光体2Kの地肌部電位の絶対値と静電潜像の絶対値との間の値である現像バイアスが印加される。これにより、感光体2Kと現像ローラ11Kとが対向している現像領域においては、現像ローラ11Kの表面上に担持されているKトナーが感光体2Kの静電潜像に選択的に転移して、静電潜像を現像してKトナー像を生成する。このようにして現像されたKトナー像は、後述する中間転写ベルト16上に中間転写される。
【0014】
現像部7Kの上方に配設されたホッパ部6K内には、図示しない駆動手段によって回転駆動されるアジテータ8K、これの鉛直方向下方で図示しない駆動手段によって回転駆動される撹拌パドル9K、これの鉛直方向下方で図示しない駆動手段によって回転駆動されるトナー供給ローラ10Kなどが配設されている。ホッパ部6K内のKトナーは、アジテータ8Kや撹拌パドル9Kの回転駆動によって撹拌されながら、自重によってトナー供給ローラ10Kに向けて移動する。トナー供給ローラ10Kは、金属製の芯金と、これの表面に被覆された発泡樹脂等からなるローラ部とを有しており、ホッパ部6K内のKトナーをローラ部で捕捉しながら回転する。
【0015】
図3は、現像器(5K)における供給ニップの周囲を拡大して示す拡大構成図である。現像ローラ11Kの図中右側方に配設されたトナー供給ローラ10Kは、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転する。現像ローラ11Kとトナー供給ローラ10Kとの当接による供給ニップでは、現像ローラ11Kの表面が鉛直方向下方から上方に向けて移動するのに対し、トナー供給ローラ10Kの表面がそれとは正反対に鉛直方向上方から下方に向けて移動する。このように、トナー供給ローラ10Kは、現像ローラ11Kに対してカウンタ方向に回転しながら当接して供給ニップを形成している。以下、供給ニップにおいて、現像ローラ11Kの表面が供給ニップに進入する位置をニップ入口という。また、現像ローラ11Kの表面が供給ニップから抜け出る位置をニップ出口という。
【0016】
上述したように、現像ローラ11Kには、現像バイアス電源151Kにより、Kトナーの帯電極性と同極性であって、且つ、絶対値が感光体2Kにおける地肌部電位の絶対値と静電潜像の絶対値との間の値の現像バイアスが印加される。一方、トナー供給ローラ10Kには、供給バイアス電源152Kにより、Kトナーの帯電極性と同極性であって、且つ、絶対値が現像バイアスの絶対値よりも小さな値の直流電圧を具備する供給バイアスが印加される。なお、供給バイアスとして、前述した直流電圧だけからなるものを採用してもよいし、前述した直流電圧に交流電圧を重畳したものを採用してもよい。以下、前者の供給バイアスを採用した例について説明するが、後者の供給バイアスを採用した場合には、重畳バイアスの直流電圧につちえ、前者の供給バイアスと同様の出力制御を行えばよい。
【0017】
現像領域で感光体2K上の静電潜像を現像した現像ローラ11Kの表面は、現像ローラ11Kの回転に伴って供給ニップのニップ入口に進入する。この際、トナー供給ローラ10Kの表面は、ニップ入口の付近において、現像ローラ11K表面に対して逆方向に移動しながら摺擦して現像ローラ11K表面からKトナーを掻き取って回収する。このようにしてKトナーが回収された現像ローラ11Kの表面は、現像ローラ11Kの回転に伴って供給ニップを通過する。この際、現像バイアスが印加される現像ローラ11Kと、供給バイアスが印加されるトナー供給ローラ10Kとの電位差により、トナー供給ローラ10K上のKトナーが現像ローラ11Kに供給される。
【0018】
トナー供給ローラ10Kから現像ローラ11Kに供給されたKトナーは、現像ローラ11Kの回転に伴ってローラと薄層化ブレード12Kとの当接位置を通過する際に、ローラ表面上での層厚が規制される。そして、層厚規制後のKトナーは、現像領域において、感光体2K表面の静電潜像の現像に寄与する。なお、現像領域においては、図示のように、感光体2K表面と現像ローラ11K表面とが互いに同じ方向に移動する。
【0019】
先に示した図2において、ドラムクリーニング装置3Kは、中間転写工程を経た後の感光体2K表面に付着している転写残トナーを除去する。また、図示しない除電装置は、クリーニング後の感光体2Kの残留電荷を除電する。この除電により、感光体2Kの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。図2を用いてK用の作像ユニット1Kについて説明したが、Y,M,C用の作像ユニット1Y,M,Cにおいても、同様のプロセスにより、感光体2Y,M,C表面にY,M,Cトナー像が形成されて、中間転写ベルト16に重ね合わせて中間転写される。
【0020】
先に示した図1において、作像ユニット1Y,M,C,Kの鉛直方向下方には、無端状の中間転写ベルト16を張架しながら図中反時計回り方向に無端移動せしめる転写ユニット15が配設されている。転写手段たる転写ユニット15は、中間転写ベルト16の他に、駆動ローラ17、従動ローラ18、4つの1次転写ローラ19Y,M,C,K、2次転写ローラ20、ベルトクリーニング装置21、クリーニングバックアップローラ22などを備えている。
【0021】
中間転写ベルト16は、そのループ内側に配設された駆動ローラ17、従動ローラ18、クリーニングバックアップローラ22及び4つの1次転写ローラ19Y,M,C,Kによって張架されている。そして、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動される駆動ローラ17の回転力により、同方向に無端移動せしめられる。
【0022】
4つの1次転写ローラ19Y,M,C,Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト16を感光体2Y,M,C,Kとの間に挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ベルト16のおもて面と、感光体2Y,M,C,Kとが当接するY,M,C,K用の1次転写ニップが形成されている。
【0023】
1次転写ローラ19Y,M,C,Kには、図示しない転写バイアス電源によってそれぞれ1次転写バイアスが印加されており、これにより、感光体2Y,M,C,Kの静電潜像と、1次転写ローラ19Y,M,C,Kとの間に転写電界が形成される。なお、1次転写ローラ19Y,M,C,Kに代えて、転写チャージャーや転写ブラシなどを採用してもよい。
【0024】
Y用の作像ユニット1Yの感光体2Y表面に形成されたYトナーは、感光体2Yの回転に伴って上述のY用の1次転写ニップに進入すると、転写電界やニップ圧の作用により、感光体2Y上から中間転写ベルト16上に1次転写される。このようにしてYトナー像が1次転写せしめられた中間転写ベルト16は、その無端移動に伴ってM,C,K用の1次転写ニップを通過する際に、感光体2M,C,K上のM,C,Kトナー像が、Yトナー像上に順次重ね合わせて1次転写される。この重ね合わせの1次転写により、中間転写ベルト16上には4色トナー像が形成される。
【0025】
転写ユニット15の2次転写ローラ20は、中間転写ベルト16のループ外側に配設されて、ループ内側の従動ローラ18との間に中間転写ベルト16を挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ベルト16のおもて面と、2次転写ローラ20とが当接する2次転写ニップが形成されている。2次転写ローラ20には、図示しない転写バイアス電源によって2次転写バイアスが印加される。この印加により、2次転写ローラ20と、アース接続されている従動ローラとの間には、2次転写電界が形成される。
【0026】
転写ユニット15の鉛直方向下方には、記録紙Pを複数枚重ねた紙束の状態で収容している給紙カセット30がプリンタの筐体に対してスライド着脱可能に配設されている。この給紙カセット30は、紙束の一番上の記録紙Pに給紙ローラ30aを当接させており、これを所定のタイミングで図中反時計回り方向に回転させることで、その記録紙Pを給紙路31に向けて送り出す。
【0027】
給紙路31の末端付近には、レジストローラ対32が配設されている。このレジストローラ対32は、給紙カセット30から送り出された記録紙Pをローラ間に挟み込むとすぐに両ローラの回転を停止させる。そして、挟み込んだ記録紙Pを上述の2次転写ニップ内で中間転写ベルト16上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで回転駆動を再開して、記録紙Pを2次転写ニップに向けて送り出す。
【0028】
2次転写ニップで記録紙Pに密着せしめられた中間転写ベルト16上の4色トナー像は、2次転写電界やニップ圧の影響を受けて記録紙P上に一括2次転写され、記録紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。このようにして表面にフルカラートナー像が形成された記録紙Pは、2次転写ニップを通過すると、2次転写ローラ20や中間転写ベルト16から曲率分離する。そして、転写後搬送路33を経由して、後述する定着装置34に送り込まれる。
【0029】
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト16には、記録紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、中間転写ベルト16のおもて面に当接しているベルトクリーニング装置21によってベルト表面からクリーニングされる。中間転写ベルト16のループ内側に配設されたクリーニングバックアップローラ22は、ベルトクリーニング装置21によるベルトのクリーニングをループ内側からバックアップする。
【0030】
定着装置34は、図示しないハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラ34aと、これに所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ34bとによって定着ニップを形成している。定着装置34内に送り込まれた記録紙Pは、その未定着トナー像担持面を定着ローラ34aに密着させるようにして、定着ニップに挟まれる。そして、加熱や加圧の影響によってトナー像中のトナーが軟化さしめられて、フルカラー画像が定着せしめられる。
【0031】
定着装置34内から排出された記録紙Pは、定着後搬送路35を経由した後、排紙路36と反転前搬送路41との分岐点にさしかかる。定着後搬送路35の側方には、回動軸42aを中心にして回動駆動される切替爪42が配設されており、その回動によって定着後搬送路35の末端付近を閉鎖したり開放したりする。定着装置34から記録紙Pが送り出されるタイミングでは、切替爪42が図中実線で示す回動位置で停止して、定着後搬送路35の末端付近を開放している。よって、記録紙Pが定着後搬送路35から排紙路36内に進入して、排紙ローラ対37のローラ間に挟み込まれる。
【0032】
図示しないテンキー等からなる操作部に対する入力操作や、図示しないパーソナルコンピュータ等から送られてくる制御信号などにより、片面プリントモードが設定されている場合には、排紙ローラ対37に挟み込まれた記録紙Pがそのまま機外へと排出される。そして、筐体の上カバー50の上面であるスタック部にスタックされる。
【0033】
一方、両面プリントモードに設定されている場合には、先端側を排紙ローラ対37に挟み込まれながら排紙路36内を搬送される記録紙Pの後端側が定着後搬送路35を通り抜けると、切替爪42が図中一点鎖線の位置まで回動して、定着後搬送路35の末端付近が閉鎖される。これとほぼ同時に、排紙ローラ対37が逆回転を開始する。すると、記録紙Pは、今度は後端側を先頭に向けながら搬送されて、反転前搬送路41内に進入する。
【0034】
図1は、本プリンタを正面側から示している。図紙面に直交する方向の手前側がプリンタの前面であり、奥側が後面である。また、本プリンタの図中右側が右側面、左側が左側面である。本プリンタの右端部は、回動軸40aを中心に回動することで筐体本体に対して開閉可能な反転ユニット40になっている。排紙ローラ対37が逆回転すると記録紙Pがこの反転ユニット40の反転前搬送路41内に進入して、鉛直方向上側から下側に向けて搬送される。そして、反転搬送ローラ対43のローラ間を経由した後、半円状に湾曲している反転搬送路44内に進入する。更に、その湾曲形状に沿って搬送されるのに伴って上下面が反転せしめられながら、鉛直方向上側から下側に向けての進行方向も反転して、鉛直方向下側から上側に向けて搬送される。その後、上述した給紙路31内を経て、2次転写ニップに再進入する。そして、もう一方の面にもフルカラー画像が一括2次転写された後、転写後搬送路33、定着装置34、定着後搬送路35、排紙路36、排紙ローラ対37を順次経由して、機外へと排出される。
【0035】
図4は、本プリンタにおける電気回路の一部を示すブロック図である。同図において、メイン制御部100は、CPU(Central Processing Unit)100a、RAM(Random Access Memory)100b、ROM(Read Only Memory)100c、フラッシュメモリ100d等からなり、プリンタ全体の各種機器の駆動の制御や演算処理を司るものである。同図においては、メイン制御部101に接続されている各種機器のうち、本発明の特徴部に関連するものだけを示している。
【0036】
同図において、メイン制御部100、画像データ処理部105、光書込ユニット70、供給バイアス制御部153Y,M,C,Kは、互いにI/Oインターフェースを介して電気的に接続されている。なお、LAN(Local Area Network)ポート102は、外部のローカルエリアネットワークを介して、図示しないパーソナルコンピュータやスキャナとの通信を行うためのものである。また、USBポート103は、USBケーブルを介して外部のパーソナルコンピュータと通信を行うためのものである。
【0037】
パーソナルコンピュータからローカルエリアネットワークを介してLANポート102に入力されたカラー画像データは、プリントサーバー回路104を介して画像データ処理部105に入力される。また、パーソナルコンピュータからUSBポート103に入力されたカラー画像データは、そのまま画像データ処理部105に入力される。
【0038】
画像データ処理部105は、受信したカラー画像データを、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の色分解画像データに分離した後、それらをY,M,C,Kの4つの色分解画像データに変換する。そして、得られたY,M,C,Kの色分解画像データを、光書込ユニット70に送信する。光書込ユニット70は、画像データ処理部105から受信したY,M,C,Kの色分解画像データに基づいて、感光体2Y,M,C,Kをそれぞれ光走査する。また、各ページで同期をとるためのページ同期信号を、メイン制御部100や、供給バイアス制御部153Y,M,C,Kに送信する。メイン制御部100や供給バイアス制御部153Y,M,C,Kが、このページ同期信号に基づいて、記録紙Pを給紙カセット30やレジストローラ対32から送り出したり、各種のバイアスの出力を制御したりすることで、適切なプリントジョブが行われる。
【0039】
画像データ処理部105は、Y,M,C,Kの色分解画像データを送信したり、同期信号を送信したりすることに加えて、Y,M,C,Kの各色のトナー像に関する面積率のデータである面積率データを、Y,M,C,K用の供給バイアス制御部153Y,M,C,Kに送信する。供給バイアス制御部153Y,M,C,Kは、画像データ処理部105から送られてくるY,M,C,K用の面積率データと、光書込ユニット70から送られてくる同期信号とに基づいて、Y,M,C,K用の供給バイアス電源152Y,M,C,Kからの供給バイアスの出力値を制御する。
【0040】
次に、本プリンタの特徴的な構成について説明する。
画像データ処理部105は、Y,M,C,Kの各色についてそれぞれ、次のようにして面積率データを算出する。即ち、まず、画像の出力対象となるページの全領域を感光体表面移動方向(=用紙搬送方向)に沿って複数の分割領域に分割する。画像の出力対象となるページは、画像の出力対象となる記録紙Pを出力時と同じ姿勢にした場合の紙面と同じ姿勢の仮想領域である。例えば、縦搬送しているA4サイズ紙に画像を形成する場合、ページは、長手方向を搬送方向に沿わせたA4サイズの紙面と同じ姿勢の仮想領域である。このような仮想領域からなるページを、用紙搬送方向に沿って複数に分割するのである。そして、それぞれの分割領域における画像部の面積率を求め、その結果をそれぞれの分割領域における面積率データとする。
【0041】
ページの分割については、感光体(2Y,M,C,K)の線速Vを現像ローラ(11Y,M,C,K)の線速V[mm/sec]で除算した結果に現像ローラ(11Y,M,C,K)の周長Ld[mm]を乗じた値と同じ寸法で分割する。例えば、現像ローラの線速Vと、感光体の線速Vとが同じである場合、V/Vは1であるので、用紙搬送方向において、ページを現像ローラ(11Y,M,C,K)の周長と同じ寸法で分割する。また、現像ローラの線速Vが感光体の線速Vよりも遅い場合(V<V)、V/Vは1よりも大きくなるので、用紙搬送方向において、ページを周長Ldよりも大きな寸法で分割する。また、現像ローラの線速Vが感光体の線速Vよりも速い場合(V>V)、V/Vは1よりも小さくなるので、用紙搬送方向において、ページを周長Ldよりも大きな寸法で分割する。但し、何れの場合であっても、ページの用紙搬送方向における長さLpが現像ローラの周長Ldの整数倍でない場合には、ページの後端の分割領域だけは、その長さを、整数で割り切れなかった余りの値と同じ寸法にする。
【0042】
画像データ処理部105は、このようにしてページを複数の分割領域に分割したら、次に、それぞれの分割領域に存在している画像部の面積を分割領域の面積で除算することで、それぞれの分割領域における画像部の面積率を求めて、得られた結果を面積率データとして、供給バイアス制御部(153Y,M,C,K)に出力する。このとき、ページの用紙搬送方向における長さのデータである用紙長さデータを同時に供給バイアス制御部に出力する。例えば、A3サイズ紙の横搬送であれば、搬送方向に沿ったA3サイズ短手方向の長さである「297」(mm)を用紙長さデータとして出力する。
【0043】
各色の供給バイアス制御部153Y,M,C,Kはそれぞれ、画像データ処理部105から送られてくる複数の面積率データをそれぞれ、予め記憶しているアルゴリズム(又はデータテーブル)に基づいて、供給バイアスの出力値に変換する。アルゴリズムは、予めの実験の結果に基づいて、分割領域の画像部の面積率が高くなるにつれて、供給バイアスの絶対値を大きくするように構築されたものである。
【0044】
また、各色の供給バイアス制御部153Y,M,C,Kはそれぞれ、光書込ユニット70からの同期信号を受信したタイミングと、画像データ処理部105から送られてきた用紙長さデータと、現像ローラの周長Ldと、感光体の線速Vとに基づいて、感光体における各分割領域にそれぞれ対応する領域(以下、分割対応領域という)を現像領域に進入させるタイミングを求める。例えば、光書込ユニット70からの同期信号を受信したタイミングである同期タイミングTからタイムラグt秒後に、Y用の感光体2Yにおける先頭の分割対応領域が現像領域に進入するとする。この場合、感光体2Yにおけるそれぞれの分割対応領域を現像領域に進入させるタイミングは、「同期タイミングT+タイムラグt+(分割対応領域の先頭からの順番−1)×(周長Ld/線速V)」という数式によって求めることができる。他色の感光体においては、同期タイミングTや、タイムラグのtの値がKとは異なるが、Kと同様にして、感光体における複数の分割対応領域をそれぞれ現像領域に進入させるタイミングを求めることができる。供給バイアス制御部153Y,M,C,Kは、感光体2Y,M,C,Kにおける複数の分割対応領域をそれぞれ現像領域に進入させるタイミングを求めたら、それぞれのタイミングで、供給バイアス電源152Y,M,C,Kからの供給バイアスの出力値を、予め求めておいた値に変更する。
【0045】
このように、本プリンタにおいては、画像データ処理部105と各色の供給バイアス制御部153Y,M,C,Kとの組み合わせからなるバイアス制御手段が、画像の出力対象となるページの全領域を感光体表面移動方向(=用紙搬送方向)に沿って複数の分割領域に分割し、それぞれの分割領域における画像部の面積率を算出し、算出結果に基づいて、供給バイアス電源152Y,M,C,Kからの供給バイアスの出力値を制御する。かかる構成においては、Y,M,C,Kの各色についてそれぞれ、ページ内の画像部の分布に偏りがある画像を連続して現像する場合であっても、各ページにおいて、複数の分割領域の画像部をそれぞれの面積率に見合った供給バイアスの条件下で現像する。これにより、現像濃度ムラや地汚れの発生を抑えることができる。
【0046】
図5は、ページと、このページに出力される画像と、各分割領域との関係の一例を示す模式図である。この例では、ページの先頭の分割領域である第1分割領域に対して、図示のように、主走査方向(用紙搬送方向と直交する方向)に延びるK全ベタ画像部が形成される。また、第2分割領域から第3分割領域にかけて、画像濃度が比較的高い中間調のK画像部が形成される。また、第4分割領域から第6分割領域にかけて、画像濃度が比較的低い中間調のK画像部が形成される。最後部の分割領域には、画像部は存在しない。
【0047】
図6は、図5に示される画像が現像される際の分割領域と、画像部の面積率[%]と、供給バイアス[−V]との関係を示すグラフである。このグラフにおいて、Tは、ページの第1分割領域の先端が現像領域に進入するタイミングであり、「同期タイミングT+タイムラグt」という数式によって求められる。また、Tは、ページの第2分割領域の先端が現像領域に進入するタイミングであり、「同期タイミングT+タイムラグt+(周長Ld/線速V)」という数式によって求められる。また、Tは、ページの第3分割領域の先端が現像領域に進入するタイミングであり、「同期タイミングT+タイムラグt+2×(周長Ld/線速V)」という数式によって求められる。また、Tは、ページの第4分割領域の先端が現像領域に進入するタイミングであり、「同期タイミングT+タイムラグt+3×(周長Ld/線速V)」という数式によって求められる。また、Tは、ページの第5分割領域の先端が現像領域に進入するタイミングであり、「同期タイミングT+タイムラグt+4×(周長Ld/線速V)」という数式によって求められる。また、Tは、ページの第6分割領域の先端が現像領域に進入するタイミングであり、「同期タイミングT+タイムラグt+5×(周長Ld/線速V)」という数式によって求められる。また、Tは、ページの第7分割領域の先端が現像領域に進入するタイミングであり、「同期タイミングT+タイムラグt+6×(周長Ld/線速V)」という数式によって求められる。
【0048】
ページ内において、図5に示されるような黒全ベタ画像部が形成される第1分割領域は、図6のグラフに示されるように、第1分割領域の面積に対する画像部の面積率が非常に高くなっている。これに対し、図5からわかるように、第4分割領域や第5分割領域は、用紙搬送方向における一部領域だけに薄いK画像部が形成されるだけなので、図6に示されるように、分割領域の面積に対する画像部の面積率が比較的低くなっている。また、第7分割領域は、画像部が形成されないので、画像部の面積率は、更に低くなっている。
【0049】
本プリンタにおいては、画像部の面積率が比較的低い状態で現像を行うとき、即ち、図5や図6の例において第4分割領域、第5分割領域、第7分割領域を現像領域の入口に位置させているときには、図6に示されるように、供給バイアスの絶対値を比較的小さくする。これにより、現像ローラからトナー供給ローラに向けてのトナーの回収を容易にすることで、トナーの回収不良の発生を抑える。一方、画像部の面積率が比較的高い状態で現像を行うとき、即ち、図5や図6の例において第1分割領域、第2分割領域、第3分割領域を現像領域の入口に位置させているときには、図6に示されるように、供給バイアスの絶対値を比較的大きくする。これにより、トナー供給ローラから現像ローラへのトナーの供給を助長することで、トナー供給不良の発生を抑える。供給バイアスの絶対値を比較的大きくすると、現像ローラからトナー供給ローラへのトナーの回収性を低下させることになるが、画像部の面積率が高いことに起因して、現像領域を通過した後の現像ローラ表面には少量のトナーしか残っていないので、回収性を低下させても問題はない。
【0050】
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[態様A]
態様Aは、自らの無端移動する表面に担持したトナーにより、潜像担持体(例えば感光体2Y,M,C,K)に担持される潜像を現像するトナー担持体(例えば現像ローラ11Y,M,C,K)と、自らの無端移動する表面を、前記トナー担持体に接触させながら、自らの表面に保持しているトナーを前記トナー担持体の表面に供給するトナー供給部材(例えばトナー供給ローラ10Y,M,C,K)と、前記トナー供給部材に印加するための供給バイアスを出力する供給バイアス電源(例えば供給バイアス電源152Y,M,C,K)と、現像対象となる画像の面積率を画像情報に基づいて算出し、算出結果に応じて前記供給バイアス電源からの供給バイアスの出力値を制御するバイアス制御手段(例えば画像データ処理部105と供給バイアス制御部153Y,M,C,Kとの組み合わせ)を有する現像装置において、前記トナー担持体と前記トナー供給部材との接触部で前記トナー供給部材の表面を前記トナー担持体の表面とは逆方向に移動させて、前記トナー担持体の表面上のトナーを前記トナー供給部材の表面に回収しつつ、前記トナー供給部材の表面に保持しているトナーを前記トナー担持体の表面に供給させるようにするとともに、画像の出力対象となるページの全領域を前記潜像担持体の表面移動方向に沿って複数の分割領域に分割し、それぞれの分割領域における画像部の面積率を算出し、算出結果に基づいて前記出力値を制御する処理を実施するように、前記バイアス制御手段を構成したことを特徴とするものである。
【0051】
[態様B]
態様Bは、態様Aの現像装置を備える画像形成装置において、前記潜像担持体と前記トナー担持体との対向領域で互いの表面を同じ方向に移動させ、且つ、前記トナー担持体の表面を前記潜像担持体の表面よりも速い線速で移動させるように、前記潜像担持体及び前記トナー担持体の表面をそれぞれ無端移動させるとともに、前記複数の分割領域をそれぞれ、前記トナー担持体の周長よりも小さな寸法で分割する処理を実施するように、前記バイアス制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、トナー担持体の表面を潜像担持体の表面よりも速い線速で移動させる条件下において、分割領域を周長と同じ寸法で分割してしまうことに起因する、トナー担持体1周あたりの面積率の不適化を軽減することができる。
【0052】
[態様C]
態様Cは、態様Aの現像装置を備える画像形成装置において、前記潜像担持体と前記トナー担持体との対向領域で互いの表面を同じ方向に移動させ、且つ、前記トナー担持体の表面を前記潜像担持体の表面よりも遅い線速で移動させるように、前記潜像担持体及び前記トナー担持体の表面をそれぞれ無端移動させるとともに、前記複数の分割領域をそれぞれ、前記トナー担持体の周長よりも大きな寸法で分割する処理を実施するように、前記バイアス制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、トナー担持体の表面を潜像担持体の表面よりも遅い線速で移動させる条件下において、分割領域を周長と同じ寸法で分割してしまうことに起因する、トナー担持体1周あたりの面積率の不適化を軽減することができる。
【0053】
[態様D]
また、態様Dは、態様B又はCにおいて、前記複数の分割領域をそれぞれ、前記トナー担持体の線速を前記潜像担持体の線速で除算した結果に前記トナー担持体の周長を乗じた値と同じ寸法で分割する処理を実施するように、前記バイアス制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、トナー担持体の線速を潜像担持体の線速に対して如何なる比率に設定したとしても、分割領域の長さをトナー担持体の周長に対応する寸法に分割して、トナー担持体1周あたりの面積率の不適化を回避することができる。
【符号の説明】
【0054】
2Y,M,C,K:感光体(潜像担持体)
10Y,M,C,K:トナー供給ローラ(トナー供給部材)
11Y,M,C,K:現像ローラ(トナー担持体)
105:画像データ処理部(バイアス制御手段の一部)
152Y,M,C,K:供給バイアス電源
153Y,M,C,K:供給バイアス制御部(バイアス制御手段の一部)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0055】
【特許文献1】特許第3479947号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自らの無端移動する表面に担持したトナーにより、潜像担持体に担持される潜像を現像するトナー担持体と、自らの無端移動する表面を、前記トナー担持体に接触させながら、自らの表面に保持しているトナーを前記トナー担持体の表面に供給するトナー供給部材と、前記トナー供給部材に印加するための供給バイアスを出力する供給バイアス電源と、現像対象となる画像の面積率を画像情報に基づいて算出し、算出結果に応じて前記供給バイアス電源からの供給バイアスの出力値を制御するバイアス制御手段とを有する現像装置において、
前記トナー担持体と前記トナー供給部材との接触部で前記トナー供給部材の表面を前記トナー担持体の表面とは逆方向に移動させて、前記トナー担持体の表面上のトナーを前記トナー供給部材の表面に回収しつつ、前記トナー供給部材の表面に保持しているトナーを前記トナー担持体の表面に供給させるようにするとともに、
画像の出力対象となるページの全領域を前記潜像担持体の表面移動方向に沿って複数の分割領域に分割し、それぞれの分割領域における画像部の面積率を算出し、算出結果に基づいて前記出力値を制御する処理を実施するように、前記バイアス制御手段を構成したことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
潜像を担持する潜像担持体と、前記潜像を現像してトナー像を得る現像手段と、前記トナー像を前記潜像担持体の表面上から転写体に転写する転写手段とを備える画像形成装置において、
前記現像手段として、請求項1の現像装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2の画像形成装置において、
前記潜像担持体と前記トナー担持体との対向領域で互いの表面を同じ方向に移動させ、且つ、前記トナー担持体の表面を前記潜像担持体の表面よりも速い線速で移動させるように、前記潜像担持体及び前記トナー担持体の表面をそれぞれ無端移動させるとともに、
前記複数の分割領域をそれぞれ、前記トナー担持体の周長よりも大きな寸法で分割する処理を実施するように、前記バイアス制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2の画像形成装置において、
前記潜像担持体と前記トナー担持体との対向領域で互いの表面を同じ方向に移動させ、且つ、前記トナー担持体の表面を前記潜像担持体の表面よりも遅い線速で移動させるように、前記潜像担持体及び前記トナー担持体の表面をそれぞれ無端移動させるとともに、
前記複数の分割領域をそれぞれ、前記トナー担持体の周長よりも小さな寸法で分割する処理を実施するように、前記バイアス制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項2、3又は4の画像形成装置において、
前記複数の分割領域をそれぞれ、前記トナー担持体の線速を前記潜像担持体の線速で除算した結果に前記トナー担持体の周長を乗じた値と同じ寸法で分割する処理を実施するように、前記バイアス制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−41010(P2013−41010A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176478(P2011−176478)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】