環境応答バルブ付き燃料カートリッジ
この発明は牽強応答バルブ付きの燃料サプライに向けられている。環境応答バルブは、温度、圧力、または速度のような環境要素に応答する。このバルブは、環境的にドリガとなる事象がもはやなくなったときにバルブが自動的にリセットするように構成して良い。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は係属中の平成16年10月5日出願の米国特許出願10/958,574の部分継続出願であり、その内容は参照してここに組み入れる。
【0002】
この発明は、一般には、燃料を種々の燃料電池に供給する、カートリッジのような燃料サプライに関する。より詳細には、この発明は、燃料の流れを制御する環境応答バルブを具備するカートリッジに関する。
【背景技術】
【0003】
燃料電池は、直接すなわち、反応物質、すなわち燃料および酸素の化学エネルギを直流(DC)電気に直接変換する装置である。多くの漸増している用途において、燃料電池は、化石燃料の燃焼などの従来の発電よりも効率的であり、リチウムイオンバッテリーなどの携帯型蓄電池より効率的である。
【0004】
一般に、燃料電池技術はアルカリ燃料電池、高分子電解質燃料電池、りん酸燃料電池、溶融炭酸塩燃料電池、固体酸化物燃料電池、および酵素燃料電池のような様々な異なった燃料電池を含む。今日のより重要な燃料電池は、3つのカテゴリ、すなわち、(i)圧縮水素(H2)を燃料として利用する燃料電池、(ii)水素燃料に改質されるメタノール(CH3OH)、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、炭化水素(例えばブタン)又は他の燃料を利用する陽子交換膜(PEM)燃料電池、および、(iii)直接に非水素燃料を消費できるPEM燃料電池すなわち直接酸化燃料電池に分けることができる。最も一般的な直接酸化燃料電池は、ダイレクトメタノール燃料電池すなわちDMFCである。他の直接酸化燃料電池は、ダイレクトエタノール燃料電池およびダイレクトテトラメチルオルトカーボネート燃料電池を含む。
【0005】
圧縮された水素は一般に、高い圧力の下で保たれ、そのため、扱いが難しい。その上、大きい貯蔵タンクが通常必要で、消費者向け電子製品用に十分小さくすることができない。従来の改質燃料電池は、燃料を水素に変換させて燃料電池内で酸素と反応させるために改質材や気化および補助システムを必要とする。最近の進歩により、改質材または改質燃料電池が消費者向け電子製品に有望になっている。DMFCでは、メタノールが直接に燃料電池中で酸素と反応し、このDMFCは、最も簡単で可能性としては最も小さくなる燃料電池であり、消費者向け電子製品用の電力供給に最も有望である。
【0006】
比較的大きな供給に用いるDMFCは、酸化剤、典型的には空気または酸素を陰極に供給するファンまたはコンプレッサ、水/メタノール混合物を陽極に供給するポンプ、および膜電極アッセンブリ(MEA)を有する。電気を発生させる化学反応は燃料電池のそれぞれのタイプごとに異なる。DMFCでは、各電極での化学電気反応と燃料電池に関する総合的な反応は以下の通り記述される:
【0007】
陽極での半反応:
CH3OH + H2O → CO2 + 6H+ + 6e−
陰極での半反応:
O2 + 4H+ + 4e− → 2H2O
全体の燃料電池反応:
CH3OH + 1.5O2 → CO2 + 2H2O
【0008】
PEMを通る水素イオン(H+)が陽極から陰極を通り抜けてマイグレーションするために、また、自由電子(e−)がPEMを通り抜けられないため、電子は外部回路を通って流れなければならず、外部回路を通して電流を生じさせる。この外部回路は、モバイルすなわちセル電話、計算機、パーソナルデジタツアシスタンツ、ラップトップコンピュータ、電力ツールなどの有益な消費者向けの電子製品であってよい。DMFCは、特許文献1および特許文献2に開示されており、詳細はこれらに記載のとおりである。一般に、PEMはNafion(商標)などの高分子から作られており、DuPontから入手可能であり、厚さが約0.05mm〜約0.50mmの範囲のペルフルオ化合物材料、その他である。陽極は、典型的には、白金ルテニウムなどの触媒の薄層によってサポートされたテフロン(Teflonized)のカーボン紙から製造される。陰極は、典型的には、白金粒子が膜の一面に接着されるガス拡散電極である。
【0009】
上述のように、他の燃料電池において、燃料が水素に改質され、水素が燃料電池内で酸素と反応して電気を生成する。このような改質燃料は、多くの種類の燃料を含み、これにはメタノールおよび水素化ホウ素ナトリウムが含まれる。水素化ホウ素ナトリウム改質燃料電池の他の燃料反応は以下のようなものである:
NaBH4(液体)+2H2O→(加熱または触媒)→4(H2)+(NaBO2)(液体)
陽極での半反応:
H2→2H++2e−
陰極での半反応:
2(2H++2e−)+O2→2H2O
適切な触媒は白金およびルテニウム、その他である。水素化ホウ素ナトリウムを改質して生成された水素燃料は燃料電池中で、酸化剤例えばO2と反応させられ、電気(すなわち電子の流れ)および水の副産物を生成する。ホウ酸ナトリウム(NaBO2)の副産物も改質プロセスで生成される。水素化ホウ素ナトリウム燃料電池は特許文献3に検討されており、参照してここに組み入れる。
【0010】
燃料カートリッジ、燃料電池、および/または燃料再充填デバイスの間で燃料を搬送するためにバルブが必要である。既知の技術は種々のバルブおよびフロー制御デバイス、例えば特許文献4および特許文献5ならびに特許文献6および特許文献7に説明されるものを開示している。変動する環境要素に応じて燃料の流れを制御するフローバルブが要請される。
【特許文献1】米国特許第5992008号
【特許文献2】米国特許第5945231号
【特許文献3】米国特許第4261956号
【特許文献4】米国特許第6506513号
【特許文献5】米国特許第5723229号
【特許文献6】米国特許出願公開US2003/0082427A1
【特許文献7】米国特許出願公開US2002/0197522A1
【発明の開示】
【0011】
この発明は、燃料の温度、圧力、燃料の流速のような変動する環境要素により作動可能なバルブを具備する燃料電池用の燃料サプライに向けられている。環境対応バルブは、燃料の急激な変化から燃料電池を防護するように働く。いくつかの実施例では、この発明の環境対応バルブは、選択環境要素が予め定められた値に到達すると、燃料の流れを遮断してよい。他の実施例では、環境対応バルブは、燃料電池を動作させるに足る燃料が当該バルブを通じて流れるようにして燃料電池およびそれが給電する電子装置が継続して動作可能にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
添付図面に例示され、以下で詳細に説明されるように、この発明は、燃料電池用の燃料、例えば、メタノールおよび水、メタノール/水混合物、種々の濃度または純粋なメタノールのメタノール/水混合物を貯蔵する燃料サプライに向けられている。メタノールは多くの種類の燃料電池、例えば、DMFC、酵素燃料電池、および改質燃料電離、その他に利用できる。燃料サプライは、他の種類の燃料電池燃料、例えば、エタノールまたはアルコール、水素化ホウ素ナトリウムのような金属水素化物、水素に改質できる他の化学物質、または、燃料電池の性能を改善する他の化学物質を含んでよい。燃料は、水酸化カリウム(KOH)電解質含み、これが金属燃料電池またはアルカリ燃料電池とともに使用でき、燃料サプライ中に貯蔵できる。金属燃料電池に対しては、燃料はKOH電解質反応溶液に浸漬された液体担持亜鉛粒子の形態をしており、電池空洞中の陽極は亜鉛粒子からなる粒状陽極である。KOH電解質溶液は、「1または複数の負荷に電力供給するように構成された燃料電池システムの使用方法」という題名で2003年4月24日に公開された米国公開特許出願2003/0077493A1に開示されており、参照してここに組みこむ。燃料は、また、メタノール、過酸化水素、および硫酸の混合物を含み、これはシリコンチップ状に形成された触媒を通過して流れ燃料電池反応を生成する。燃料は、また、上述のように、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)のような金属水素化物および水を含み、反応により低圧力、低温度しか生成されない。燃料は、さらに、炭化水素燃料を含み、炭化水素燃料は、これに限定されないが、ブタン、灯油、アルコール、および天然ガスを含み、これは、「液体ヘテロインタフェース燃料電池デバイス」という題名で、2003年5月22日に公開された米国公開特許出願2003/0096150A1に開示されており、参照してここに組みこむ。燃料は、また、燃料と反応する液体酸化物を含む。したがって、この発明は、サプライ中に含有され、また、その他、燃料電池システムにより使用される、任意のタイプの燃料、電解質溶液、酸化物溶液または液体または固体に制約されない。ここで使用される用語「燃料」は、燃料電池または燃料サプライ中で反応することができるすべての燃料を含み、また、上述の適切な燃料、電解質溶液、酸化物溶液、液体、固体および/または化学物質ならびにこれらの混合物のすべてを含むが、これに限定されない。
【0013】
ここで使用される用語「燃料サプライ」は、これに限定されないが、使い捨てカートリッジ、再充填可能/再使用可能カートリッジ、電子製品内に配置されるカートリッジ、電子製品の外部に配置されるカートリッジ、燃料タンク、燃料リザーバ、燃料再充填タンク、燃料を貯蔵する他のコンテナ、および、燃料タンク、コンテナ、燃料電池または燃料電池が給電する電子製品に結合された管材を含む。1のカートリッジがこの発明の例示的な実施例との関連で以下に説明されるが、これら実施例は他の燃料サプライにも適用可能であり、この発明は燃料サプライのいかなる特定のタイプにも限定されないことに留意されたい。
【0014】
種々の環境要素が燃料電池の性能に悪影響を与える。例えば、燃料が高温、高燃料流速、高あるが燃料電池を損傷する。メタノールは好ましい燃料であるが、その沸点は約65°Cである。すなわち、メタノール燃料サプライが、高温の環境で(すなわち65°Cと等しいかそれ以上の温度で)貯蔵されると、例えば、暑い気候の車内または暑い気候のブリーフケース内に貯蔵されると、液体メタノールが気相に変化して燃料サプライに高圧を加える。燃料サプライが電子装置に結合されて状態が変わると、燃料が増大した速度で流れて燃料電池を損傷させる。このため、予め定められた環境条件、例えば、流速、または温度で、流れるのを阻止しまたは減速させるためのフローバルブが望まれる。
【0015】
添付の図面に示され以下に詳述されるように、この発明は、負荷11に給電する燃料電池FC(仮想線で示す)または燃料電池システムに供給を行うための燃料サプライすなわちカートリッジ10に向けられており、これを図1に示す。負荷すなわち電気装置11は、燃料電池が給電する任意の有益な家庭電化製品の外部回路および関連機能である。図1において、燃料電池FCは電気装置11内に含まれている。電気装置11は、例えば、コンピュータ、モバイルすなわちセルラー電話機、計算機、電気工具、園芸工具、パーソナルデジタルアシスタンツ、デジタルカメラ、コンピュータゲームシステム、携帯型音楽システム(MP3またはCDプレーヤ)、グローバルポジショニングシステム、およびキャンプ用品、その他であってよい。
【0016】
図示の実施例では、電気装置11はラップトップコンピュータである。燃料電池FC内でMEA(図示しない)により生成された自由電子は電気装置11を介して流れる。この実施例では、当業者に知られているように、ハウジング12が、電気装置11およびその電子回路ならびに燃料電池FCの他の要素(すなわちポンプおよびMEA)を保持し、収容し、防護する。ハウジング12は、好ましくは、消費者/エンドユーザがハウジング12内の室部14に対して燃料カートリッジ10を容易に装着・離脱できるように構成される。
【0017】
カートリッジ10は、内側ライナーまたはブラダーを伴い、または伴うことなく形成できる。ライナーおよび関連部品を具備しないカートリッジは、「燃料電池用の燃料カートリッジ」と題され、2004年8月5日に公開された、米国特許出願公開US2004−0151962A1に開示されており、その内容は参照してここに組み入れる。内側ライナーまたはブラダーを具備するカートリッジは、「柔らかいライナーを具備する燃料カートリッジ」と題され、2005年2月3日に公開された、米国特許出願公開US2005−0023236A1に開示されており、その内容も参照してここに組み入れる。
【0018】
さらに図1および図2において、燃料カートリッジ10は、外側シェルまたは外側ケーシング16、および第1および第2ノズル18aおよび18bを有する。外側ケーシング16は、その内部に燃料22を保持する燃料室部20を形成するように構成される。第1ノズル18aは連結バルブ24(仮想線で示す)を収容し、これが燃料室部20と流体的に連通する。連結バルブ24を用いて室部20に燃料を満たして良い。適切な連結バルブ24は、「連結バルブを具備する燃料カートリッジ」と題され、2005年2月3日に公開された、米国特許出願公開US2005−0022883に十分に開示されており、その内容は参照してここに組み入れる。
【0019】
カートリッジ10はさらに排出バルブまたはオプションの気体透過、液体非透過の膜26を有し、これが、カートリッジ10を満たすときに空気を排出可能にする。代替的には、膜26は、燃料電池反応により生成されカートリッジ内に蓄えられた気体副産物を、使用時に排出可能にする。膜26は気体透過で液体非透過の膜でよく、これにより、燃料が消費されたときに、カートリッジ10内で真空が形成されるのを最小限にできる。そのような膜はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ナイロン、ポリアミド、ポリビニリデン、ポリプロピレン、ポリエチレン、またはその他のポリマー性膜材料から製造できる。商業的に入手可能な撥水性PTFEの微多孔性膜はW.L.Gore Associates者およびMilspore者、その他から入手できる。Gore−Tex(商標)は適切な膜である。Goretex(商標)は小さすぎて液体は通さないが気体を通すには十分に大きい孔を含む微多孔性膜である。
【0020】
第2ノズル18bは遮断または制御バルブ28(仮想線で示す)を収容する。好ましくは、燃料室部20はバルブ28とも流体的に連通する。バルブ28を用いて燃料22を燃料室部20から排出できる。バルブ28は好ましくは環境応答部材を含み、これは以下に詳細に検討する。代替的には、バルブ24を省略して、バルブ28を用いて室部20に燃料を充填してもよい。
【0021】
開成状態すなわち非作動状態において、選定されている環境要素が予め定められた閾値レベルを下回っていると、環境応答材料または部材が初期の位置、すなわち開成位置にあり、燃料22が通常どおりに室部20から燃料電池FCへバルブ28を介して流れることが可能となる。バルブ28をポンプとともに用いて選択的に燃料22を室部20から燃料電池FCへ搬送するようにしてよい。選定されている環境要素が予め定められた閾値レベルに至り、またはこれを越えると、環境応答部材が作動されてバルブ28が開成/非作動状態から閉成/作動状態に移行して、燃料22が室部20から燃料電池FCへ流れるのを阻止し、あるいは、室部20から燃料電池FCへの燃料22の通常の流れを維持して、過剰な燃料をどこかにそらす。閉成/作動上程では、環境応答バルブ28が燃料電池への過剰な燃料の流れを阻止する。環境要素は燃料の流れの温度、圧力または速度、その他であってよい。
【0022】
図3aを参照すると、環境応答バルブ128の第1の実施例は、図示のように、ノズル118bおよびシール部材136を有する。ノズル118bは第1、第2、および第3の穴部130、132、134をそれぞれ含む。第1および第3の穴部130、134の径は第2の穴部132の径より小さい。第2の穴部132の径は、シール部材136が、開成状態で、穴部132内を自由に移動できるのに十分な程度に大きい。燃料が矢印Fでしめすように流れるときに、少なくとも1つのギャップgがノズル118b内に形成されて燃料を燃料室部20から燃料電池FCへ流せるようになっている。
【0023】
シール部材136は、温度応答材料または部材138を含む、ベローズ、風袋、またはケーシングである。この発明は、シール部材136の形状に限定されるものではなく、シール部材136は、球、卵形、円筒、多面体、その他であってよい。シール部材136は好ましくは圧力により伸長可能で、元の形状に、または形状へと復帰可能で、ノズル118bの内面に接触してシールを行える弾性材料から製造する。
【0024】
燃料がメタノール、または、メタノールを含むブレンドのとき、温度応答材料138は好ましくはメタノールの沸点と等しいかまたは下回る予め定められた閾値温度を有する。1実施例では、温度応答材料138は、予め定められた閾値温度より低い沸点の液体であってよい。より好ましくは、その液体の沸点は、燃料の沸点より約3°C低く、かつ通常の室温よりかなり高い。ここではメタノールについて説明するけれども、この発明はいずれの種類の燃料にも限定されない。
【0025】
約65°Cすなわちメタノールの沸点を下回る沸点の、温度応答材料138用に適切な液体は以下に列挙される化合物を含む。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0026】
代替的には、温度応答材料138は2以上の成分のブレンドであってもよく、これはブレンドの沸点が予め定められた閾値温度よりも低くなるようにする。
【0027】
沸点が約65°Cすなわちメタノールの沸点より下回る適切なブレンドは、以下に列挙される成分ブレンドを含む。
【表5】
(CRC Handbook of Chemistry & Physics, 81th Edition,2000−2001,PP6−174から6−177を参照されたい)
tAZ=共沸点温度
X1=成分2の各チョイスに対する成分1のモル分率
【0028】
図3aを再度参照すると、バルブ128が開成すなわち非作動状態であると、燃料の流れFは邪魔されない。1実施例では、バルブ128は圧力または燃料速度に応答する。燃料流が遅い、または閾値レベルより下回ると、燃料は予め定められた閾値圧力を下回る圧力をシール部材136に加える。燃料はバルブ128を通り抜け、シール部材136はシール面132aと非接触になる。この結果、燃料流はバルブ128により減少させられたり、阻害されたりすることがない。シール面132aは斜面(ベベル)であってよい。また、それは放射状であってもよいし、部分132、134の間の角度が90°であってもよい。
【0029】
燃料流が増大してバルブ128に圧力を加え、それが、予め定められた閾値圧力になり、またはそれを上回ると、シール部材136は移動して少なくともその一部がシール面132aと接触して燃料流を減少させ、または、阻害する。これによって、燃料流の速度または圧力の急激な変動から燃料電池FCを保護する。このような急激な変動は燃料電池の効率を損傷または減少させるものである。圧力が閾値圧力を下回るまで減少すると、バルブ128は開成状態すなわち非作動状態に復帰する。
【0030】
バルブ128は温度にも応答する。温度応答部材138が予め定められた閾値温度以上になると、例えば、メタノールが燃料の場合約65°C以上になると、液体138の少なくとも一部が沸騰して気体状態に移行する。シール部材136内部の体積が増大してシール部材136が拡張してノズル118bのシール面132bに接触する。好ましくは、シール部材128とノズル118bは平滑面で接触する。液体/気体138からの内部圧力によりシール部材136とシール面132bとの間にシール接触が行われる。この結果、バルブ128は作動状態すなわち閉成状態になり(図3bに示すように)、燃料室部20(図1)から燃料電池FCへの燃料流Fが減少させられ、または阻止される。バルブ128は、燃料22の沸点到達のまえに、閉成状態に移行するので、燃料電池FCを損傷する燃料流の急激な変化を阻止する。
【0031】
温度が減少して予め定められた閾値温度を下回ると、材料138は液体状態に復帰し、シール部材136内の内部圧力が減少し、この結果、シール部材136は元の形状、体積へと復帰する。
【0032】
他の実施例では、位置決め装置を用いてシール部材136を位置決めし、またはシール部材136に抗し、これは図4aに示される対向するバネ対140、141であってよい。バネ140、141は係止部(図示しない)により部分130、134においてそれぞれ保持され、シール部材136を接触して、シール部材136を拡張部分132の中央に配置する。バネ140、141は作動の後にシール部材136を開成位置に戻すこともできる。バルブ128bを温度にのみ応答するようになすには、バネ141の剛性を大きくして流速や圧力に起因するシール部材136の移動に抗するようにする。この位置決め装置は以下に説明する他の類似の実施例にも採用できる。
【0033】
さらに他の実施例において、バルブ128c(図4bに示す)は、バルブ128cから圧力応答性を減少させ、または、取り除く代替的な手段を含んでよい。バルブ128cにおいて、ノズル118b’は部分130から部分132への通路131および部分134から部分132への通路133を含む。どのような速度または圧力でも、燃料は通路131および133を介して流れる。この結果、バルブ128cが圧力に応じて燃料流を減少させまたは素子することがない。この変更は、以下に説明される他の類似の実施例に採用できる。
【0034】
さらに他の実施例において、バルブ128d(図4cに示す)は、バルブ128dから圧力応答性を減少させ、または、取り除く代替的な手段を含んでよい。バルブ128dにおいて、ノズル118b’は、面取りされたシール面132bおよび部分134中のバネ141を含む。部分130は通路131を含んで、これにより、予め定められた温度になってシール部材136が拡張部分132の壁部と協働してバルブをシールするまで、燃料が確実に流れる。燃料流が遅い、すなわち、閾値レベルを下回っていると、燃料Fがシール部材136に予め定められた閾値を下回る圧力しか加えず、燃料は部分132および/または通路131を通じて移動し、バネ141は、シール部材136をシール面132aとシール接触させない剛性を有する。この結果、バルブ128dは燃料流を減少させたり阻止したりしない。バルブ128dはバルブ128と同様にして温度に応答する。この変更は以下に説明する他の類似の実施例に採用できる。
【0035】
さらに他の実施例において、バルブ128e(図4dに示す)は、バルブ128eから圧力応答性を変更する代替的な手段を含んでよい。バルブ128eにおいて、ノズル118b’は、面取りされたシール面132aおよび部分132中の流れ板133を含む。板133は多数の円周状に離間して設けられた多数の孔133aを含んでよい。燃料流が遅い、すなわち、閾値レベルを下回っていると、燃料Fがシール部材136に予め定められた閾値を下回る圧力しか加えず、燃料は部分132および孔133aまたは板133の周囲を通じて移動する。この状態では、流れは十分でなく、シール部材136がシール面132aと部分的にシール接触することさえない。この結果、バルブ128eは燃料流を減少させたり阻止したりしない。板133は、燃料流に対して、比較的大きく、直接的な表面を構成し、バルブの圧力応答性を増大させる。孔133aの数およびサイズに応じて圧力応答性を減少させることができる。
【0036】
燃料流が増大し、予め定められた閾値圧力以上の圧力が働くと、シール部材136が、板133により支援され、シール面132aと少なくとも部分的にシール接触するように移動する。この結果、バルブ128eの圧縮応答性はバルブ128より大きくなる。圧力が閾値圧力より小さくなると、バルブ128eは開成状態すなわち非作動状態に戻る。この変更は以下に説明する他の類似の実施例に採用できる。板133の周囲に立ち上がり側壁を設けてシール部材136に対する板の回動を最小化してよい。
【0037】
図5を参照すると、第2の実施例の環境応答バルブ228が示される。ノズル218bはノズル118bと同様であり、バルブ228はバルブ128と同様である。バルブ228もシール部材すなわち薄いポリマーのシール部材236を含み、これが液体形態の温度応答要素238を内包し、その沸点温度は燃料電池の燃料より小さい。
【0038】
シール部材236は、好ましくは、圧力の下で伸張でき、かつ元の形状に復帰できるポリマー材料から製造される。さらに、ポリマー材料は圧力の下でノズル218bの内側面と接触してシールを構成する。適切な商業的に入手可能なポリマー材料の1つは低未密度ポリエチレンであり、これは、当業者に知られている慣用技術を用いて、連続的に管状に押し出され端部236aで挟まれ、またはシールされる。連続的に押し出すことによりコストが安くなる。代替的には、シール部材236は、当業者に知られている慣用技術を用いて、ブロー成型により製造できる。液体すなわち燃料の容器をブロー成型し、蒸気透過率を減少させるためにコーティングを塗布することは、「燃料電池用の燃料サプライ」と題され、2004年8月6日に出願された米国特許出願10/913,715に十分に開示されており、その内容は参照してここに組み入れる。この発明に有益な他の商業的に入手可能なポリマー材料はTeflon(商標)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、およびシリコンである。シール部材236を弾性材料で被覆してバルブ228の外部と継ぎ目ができないようにしてよい。
【0039】
図5および図6を参照すると、バルブ228はバルブ128と同様に動作する。開成状態すなわち非作動状態(図5に示す)では、燃料流Fは邪魔されない。バルブ228は、シール部材238上で燃料流Fの速度により生じる圧力に応答する。この結果、シール部材236はシール面232aとシール可能に接触する。同様に、バルブ228を修正してバルブ228が圧力応答性を有しないように、あるいは少ない圧力応答性しか有しないようにできる。これは上述のとおりである。
【0040】
バルブ228は温度に応答する。温度応答要素238が予め定められた閾値温度以上の温度に晒されると、温度応答材料238の少なくとも一部が気体状態に移行してシール部材236中の体積が増大する。この結果、シール部材236は拡張して第2部分232においてシール面232bと接触する。液体238からの内部圧力によりシール部材236およびシール面232bの間にシール接触が形成される。この結果、バルブ228は作動状態すなわち閉成状態(図6に示す)になり、燃料室部20から燃料電池FCへの燃料流Fは減量または阻止される。
【0041】
作動後に、温度が減少して予め定められた閾値温度を下回ると、温度応答材料238は液体状態に復帰し、シール部材236内の内部圧力が減少し、この結果、シール部材236は元の形状、体積へと復帰する。このため、バルブ228は開成状態すなわち非作動状態(図5に示す)に復帰できる。バルブ228は、上述のように、復帰バネおよび/またはバイパス通路を含んで圧力応答性を減少させてもよい。
【0042】
図7−9を参照すると、第3の実施例の環境応答バルブ328が示される。ノズル318bはノズル118bと同様である。バルブ228はシール部材すなわち弾性ケーシング336を含み、これが温度応答材料338を内包する。シール部材336は、好ましくは、シール部材136と同様な弾性材料から製造される。
【0043】
この実施例では、温度応答材料338は、好ましくは、予め定められた閾値温度以上で形状を変化させるバイメタルバネの形態を採る。バネ338は好ましくは自由端338a,bを有し、これらはオーバーラップしてバネが少なくとも1コイルの全体として閉ループをなすようになっている。バイメタルバネを製造する特に好ましい材料の1つはオーステナイト系材料記憶ワイヤであり、以下に検討する。代替的な実施例では、温度応答材料338は、温度変化に伴って体積を顕著に変化させる拡張材料であってよい。代替的には、拡張材料はワックス、例えばポリマーブレンド、ワックスブレンド、またはワックス/ポリマーブレンドである。この材料は、予め定められた閾値温度で溶融すると、体積を増大させる必要がある。
【0044】
図7−9を参照すると、開成状態すなわち非作動状態(図8に示す)では、燃料流Fは邪魔されない。バルブ328は、燃料流Fの速度により生じる圧力に応答する。燃料流が予め定められたレベルを下回っていると、燃料はバルブ328に圧力をかけるけれども、シール部材336はシール面332aとのシール接触に移行しない。燃料流が予め定められた閾値を越えると、バルブ328が作動されてシール部材336は移動させられ強制的にシール面332aとシール接触して燃料流を阻止または減量させる。バルブ328は復帰バネおよび/またはバイパス流通路を含んで圧力応答性を減少させてもよい。これについては上述した。
【0045】
バルブ328は温度に応答する。温度応答要素238が予め定められた閾値温度以上の温度に晒されると、バイメタルバネ338がケーシング336内で拡張する。この結果、ケーシング336が拡張してノズル318bの第2部分332内部でシール面332bと接触する。バネ338からの圧力によりケーシング336およびシール面332bの間にシール接触が形成される。この結果、バルブ328は作動状態すなわち閉成状態(図9に示す)になり、燃料室部20から燃料電池FCへの燃料流Fは減量または阻止される。
【0046】
作動後に、温度応答材料すなわちバネ338の温度が減少して予め定められた閾値温度を下回ると、バネ338は元の状態に復帰し、この結果、ケーシング336は元の形状、体積へと復帰する。このため、バルブ328は開成状態すなわち非作動状態(図8に示す)に復帰できる。
【0047】
図10−12を参照すると、第4の実施例の環境応答バルブ428が示される。ノズル418bはノズル118bと同様である。バルブ428はシール部材すなわち弾性ケーシング436を含み、これが温度応答材料438を内包する。シール部材436は、好ましくは、ケーシング136と同様な弾性材料から製造され、非線形な側壁を具備して熱伸張を可能にする。
【0048】
温度応答材料438は、好ましくは、予め定められた閾値温度以上で形状を変化させるバイメタルバネの形態を採る。この実施例では、バネ438は螺旋バネである。バネ438は好ましくはバネ338と同様な材料で製造される。これは先に検討した。
【0049】
図10−12を参照すると、開成状態すなわち非作動状態(図11に示す)では、燃料流Fは邪魔されない。バルブ428は、燃料流Fの速度により生じる圧力に応答し、これはバルブ328と同様であり、先に検討した。
【0050】
バルブ428は温度に応答する。温度応答要素438が予め定められた閾値温度以上の温度に晒されると、バルブ428が作動されて、バイメタルバネ438がケーシング436内で燃料流Fの方向に拡張する。この結果、ケーシング436が拡張して第2部分432内部でシール面432aと接触する。バネ438からの圧力によりケーシング436およびシール面432aの間にシール接触が形成される。この結果、バルブ428は作動状態すなわち閉成状態(図12に示す)になり、燃料室部20から燃料電池FCへの燃料流Fは減量または阻止される。
【0051】
作動後に、温度応答材料すなわちバネ438の温度が減少して予め定められた閾値温度を下回ると、バネ438は元の状態に復帰し、シール部材436は元の形状、体積へと復帰する。このため、バルブ428は開成状態すなわち非作動状態(図11に示す)に復帰できる。バルブ428は復帰バネおよび/またはバイパス流通路を含んで圧力応答性を減少させてもよい。これについては上述した。
【0052】
代替的な実施例のバルブ428aを図12aに示す。バルブ428aはバルブ428と類似している。ただし、シール部材436’は弾性材料製のディスクであり、これは、温度応答要素すなわちバイメタルバネ438’が作動されるとシール面432bにシール可能に接触する。バネ438’はケーシングに封入されていない。さらに他の代替実施例のバルブ428bを図12bに示す。バルブ428bはバルブ428と類似である。ただし、シール部材436’は弾性材料製のディスクであり、これは、温度応答要素438’が作動されるとシール面432bにシール可能に接触する。成分438’は弾性ケーシング439内に封入されている拡張材料である。拡張材料の体積は温度変化に応じて著しく変化する。好ましくは、拡張材料はワックス、例えばポリマーブレンド、ワックスブレンド、またはワックス/ポリマーブレンドである。拡張材料は気体であってもよい。この材料は、予め定められた閾値温度で溶融する際および/またはその後に、体積を増大させる必要がある。バルブ428bはバルブ428と同様に圧力変化に応答する。代替的には、バルブ428bは復帰バネおよび/またはバイパス流通路を含んで圧力応答性を減少させてもよい。これについては上述した。
【0053】
図13−14を参照すると、第5の実施例の環境応答バルブ528a、bが示される。ノズル518bはノズル118bと同様である。ただし、ノズル518bは、2つの拡大部分532aおよび532bとシート部533a、533b、シール面535a、535bを有する。これらバルブ本体は図示の通り一体に形成してもよいし、別々に製造して組み立ててもよい。
【0054】
各バルブ528a、bは可動プランジャ537a、bにそれぞれ支持されたシール部材すなわち弾性Oリング536a、bを有する。シール部材536a、bに適切な商業的に入手可能な材料はエチレンプロピレンジエンメチレンターポリマー(EPDM)ゴム、エチレン−プロピレンエラストマー、Teflon(商標)、およびVitron(商標)フルオロエラストマーである。好ましくはEPDMを用いる。
【0055】
各バルブ528a,bは、さらに、多層コイルのバイメタルバネの形態の温度応答要素538a、bをそれぞれ有する。各バネ538a、bは温度に応じて形状を変化させる。バネ538a、bは好ましくはバネ338と同様な材料で形成される。
【0056】
バルブ528aにおいて、バネ538aがシート面533aおよびプランジャ537aの間に配置され、プランジャ537aと関連して動作する。好ましくは、バネ538aはシート面533aおよびプランジャ537aと連結されバルブ538aが任意の方向で動作可能にする。バルブ528bにおいて、バネ538bがシート面533bおよびプランジャ537bの間に配置され、プランジャ537bと関連して動作する。好ましくは、バネ538bはシート面533bおよびプランジャ537bと連結されバルブ538bが任意の方向で動作可能にする。
【0057】
図13−14を参照すると、開成状態すなわち非作動状態(図13に示す)では、バネ538a,bはOリング536aおよび536bをシールしないサイズおよび寸法とされ、燃料流Fは邪魔されない。バルブ528bは、燃料流Fの速度により生じるバルブ528bへの圧力に応答する。燃料流が予め定められたレベルを下回っていると、燃料Fはプランジャ537bを移動させるけれども、Oリング536bをシール面537bに対して十分に押しつけるものではない。この結果、燃料はOリング536bを介して流れる。
【0058】
燃料流Fが予め定められた閾値レベルを越えると、プランジャ面537cへの急激な圧力変動によりバルブ528bが作動されてプランジャ537bは移動させられOリング536bを押しつけてシール面535bとシール接触させる。この結果、バルブ528bが閉成状態すなわち作動状態になる。圧力が小さくなって閾値圧力を下回ると、バルブ528bは自動的に開成状態すなわち非作動状態(図13に示す)に復帰する。
【0059】
バルブ528a,bも温度に応答する。温度応答要素538a,bが予め定められた閾値温度以上の温度に晒されると、バルブ528a,bが作動してバイメタルバネ538a,bが関連するシート部533a,bに抗して拡張する。この結果、バネ538a,bが関連プランジャ537a,bを移動させ、Oリング536a,bがそれぞれシール面535a,bと接触してこれに強固に押しつけられる。この結果、バルブ528a,bは作動状態すなわち閉成状態(図14に示す)になり、燃料室部20から燃料電池FCへの燃料流Fは減量または阻止される。
【0060】
作動後に、温度応答材料すなわちバネ538a,bの温度が減少して予め定められた閾値温度を下回ると、バネ538a,bは元の状態に復帰し、この結果、プランジャ537a,bは元に位置に復帰する。こうしてバルブ528a,bは開成状態すなわち非作動状態(図13に示す)に復帰できる。オプションとして、復帰バネを用いてバルブ528a,bを非作動状態に復帰させてよい。
【0061】
図15−16を参照すると、第6の実施例の環境応答バルブ628が示される。ノズル618bは拡大径部分632および下方のテーパ径部分634を有する、拡大径部分632はシート面632aを有し、これに少なくとも1つの開口632bが設けられ燃料室部20および部分632との間の流体連通を可能にする。付加的な開口632bを設けてもよいし、開口632bの幾何形状を変更してもよく、これにより所望の燃料流速を確保する。テーパ径部分634はシール面634aを有する。
【0062】
バルブ628はシール部材すなわち弾性プラグ636を有し、これが温度応答要素638と関連して動作する。プラグ638は好ましくはシール部材136と同様な弾性材料から製造される。プラグ636は全体として円筒形状である。プラグ636は好ましくは下流側の端部にテーパの外側面636aを有する。
【0063】
温度応答要素538は、好ましくは、温度に応じて形状を変化させるバイメタルバネの形態を採る。バネ638は基部638aと、外側に曲がって伸びるカンチレバー型の腕部638bとを有する。腕部638bはプラグ636と接触する。バネ638の基部638aは開口632bが邪魔されないようにシート面632aと接触する。開成状態すなわち非作動状態(図15に示す)では、プラグ636の外側面636aがシート面634aから離れているので、燃料流Fは禁止されない。
【0064】
バルブ628は温度に応答する。温度応答要素すなわちバネ638が予め定められた閾値温度以上の温度に晒されると、バルブ628が作動され、バイメタルバネ638が伸びて腕部638bが基部638aから離れていく。この結果、バネ638がプラグ636を移動させて外側面636aをシール面63aと接触させて十分に押しつけシールを構成する。こうしてバルブ628は作動状態すなわち閉成状態(図16に示す)になり、燃料室部20(図1参照)から燃料電池FCへの燃料流Fは減量または阻止される。
【0065】
温度が減少したときにバルブ628を自動的に元の状態に戻さなければならない場合には、バネ638の材料を所望の記憶特性を有するように選択する必要がある。代替的には、バネ638の基部638aを省略して、腕部638bをシール面632bにより支持する。また、基部638aおよび腕部638bを相互に一体に形成してもよいし、別々に製造して組み付けてもよい。
【0066】
図17−18を参照すると、第7の実施例の環境応答バルブ728が示される。ノズル718bはノズル618bと類似である。バルブ728において、シール部材すなわちプラグ736はさらに保持穴部736cを上流端部近傍に有する。温度応答要素すなわちバネ738の腕部738bは穴部736cを通じて伸び、そこに結合される。バルブ728はバルブ628と同様に動作する。ただし、温度が減少して予め定められた閾値温度を下回ったときに、バネ738の腕部738bが元の状態に復帰してプラグ736を元の位置すなわち開成状態(図17に示す)に引き戻す。シール部材726、626は他の形状、例えば、球、円錐、または半球となって良く、また、多孔質フィラーを流路Fに配置して燃料流を制御してよい。
【0067】
図19−21は、温度応答バルブ628、728、828および928の使用に供する代替的な実施例の温度応答要素738’、738’’および738’’’をそれぞれ示す。温度応答要素738’は、屈曲部B1およびB2を具備する腕部738b’を有する。他方、成分738(図17参照)は滑らかな曲率を有する。温度応答要素738’’は腕部738b’’を有し、これは実質的に平坦である。温度応答要素738’’’は、2つの対抗する滑らかに曲がった腕部738b’’’を有する。これにより、1つの腕部しか具備しない温度応答要素に較べて作動時の力が大きくなる。バネ738’’’の腕部の幾何形状は、バネ738’の二重屈曲部であってもバネ738’’の平坦なプロフィールでもよい。温度応答要素738、738’、738’’、および738’’’の幾何形状は作動時の所望の力に依存する。
【0068】
図22−24はこの発明の第8の実施例を示している。バルブ828は、面834aまたは面834bと共同してバルブ838を閉成するように構成される。シール部材836を有する。シール部材836はバネ838aおよび838bにより位置決め保持される。シール面834aおよびバネ838aは燃料電池の近くにあり、シール面834bおよびバネ838bは燃料カートリッジ10の近くにあり、図示の通りである。
【0069】
1つの計画では、バルブ838は温度応答バルブであり、バネ838bがバイメタルバネであり、あるいは、そうでない場合には、バネ838aよりかなり大きな熱膨張係数を有する。予め定められた温度になると、バネ838bが拡張してバネ838aを打ち負かして図23に示すようにバルブをシールする。代替的には、バルブ828は圧力応答バルブであり、バネ838aおよび838bのバネ定数を選択して、燃料流が予め定められた圧力または速度になると、流れがバネ838aを圧縮しバネ838bを伸張しバルブをシールするようになっている。これは図23に示す通りである。バルブ828が圧力応答バルブであるときには、バネ838aおよび838bのバネ定数は実質的に同一である。他の計画では、バネ838bのバネ定数は好ましくは小さく小さな量の額流でもバルブ828を遮断するようにする。これは図24に示す通りである。
【0070】
図24−25はこの発明の第9の実施例を示している。バルブ928は、圧縮応答バルブおよび/または温度応答バルブである点で、バルブ828と類似である。ただし、非作動状態では、図24に示すように、バルブ928は閉成されており、図25に示すように、バルブ928を開成して燃料がながれるようにするにはポンプが必要である。バルブ928では、ポンプを停止し燃料電池を停止すると、バルブ928も遮断されてj逆流を防止できるという利点がある。代替的には、非作動状態で、図25に示すように、シール部材936をシール面934aおよび934bの間に偏らせて配置し、好ましくは面934b寄りに位置させ、これは燃料カートリッジ10寄りである。シール部材936およびシール面934bの間の距離、およびバネ938bのバネ定数を選択してバルブ928(例えば図24参照)を閉成させて逆流を防止する。この距離は比較的小さくし、バネ定数を弱くして低速度の逆流に適切に対処するように必要がある。
【0071】
図26−27は第10の実施例の環境応答バルブ1028を示している。バルブ1018bは、第1の通路1030、第2の通路1032、および第3の通路1034を有する。第1および第3の通路1030および1034は第2の通路1032と直角である。通路1030、1032および1034はすべて燃料室部20(図1に示す)と流体連通である。
【0072】
バルブ1028は、ケーシング136と類似の材料から製造される、シール部材すなわちプラグ1036を有する。プラグ1036は、外側面106a、流れ穴部1036b、および保持穴部1036cを有する。プラグ1036は第2の通路1032に配置され、ノズル1018bにおいて複数のワイパ1037により支持される。ワイパすなわちシール1037の支援の下で、プラグ1036は内2の通路1032の内部で矢印D1およびD2に示す方向に沿って移動する。バルブ1028はコイルバネ1038をさらに有する。バネ1038は一方の端部で係止部1037に抗して保持され、保持穴部1036c内に収容される。
【0073】
図26−27を参照すると、開成状態(図26に示す)において、流れ穴部1036bが第1の通路1030と整合して、燃料流Fは邪魔されず、第1の通路を通って流れ穴部1036bを介して流れる。
バルブ1028は、バルブ1028への燃料F2の圧力により示されるような、燃料流の速度により引き起こされる圧力に応答する。燃料流が予め定められた閾値を下回っていると、バネ1038は十分に押されず、燃料は穴部1036bを介して流れ、これは図26に示すとおりである。燃料流が予め定められた閾値圧力を越えると、第2の通路中の燃料F2からの圧力がプラグ面1036aを押す。これによって、プラグ1036が方向D1に移動してバネ1038を押す。この結果、流れ穴部1036bが第1の通路1030と整合しなくなり、流れを阻止する。圧力が減少すると、バネ1038がプラグ1036を開成状態に戻して、バルブ1028は自動的にリセットする。
【0074】
バネ1038が温度応答性であるとき、バルブ1028は温度に応答する。閾値を越える温度になると、バイメタルバネ1038が係止部1039に抗して収縮する。この結果、バネ1038はプラグ1036をD1方向に移動させ流れ穴部1036bを第1の通路1030と整合させず流れを阻止する(図27に示す)。代替的には、バネ1038は伸張して流れ穴部1036bを不整合にしてもよい。バネ1038はバイメタル材料から製造できる。
【0075】
図28a−28bおよび19a−29bは、第11の実施例の環境応答バルブ1128を示している。ノズル1118bは第1部分1130および拡大した第2の部分1132を有する。第2の部分1132はシール面1132aを有する。第2の部分1132はさらにオリフィス1133bを具備するシート部分1133を有する。
【0076】
バルブ1128は、弾性材料から製造されたシール部材すなわちプラグ1136を含む。バルブ1128はさらに温度応答要素1138を含み、これが好ましくはバイメタルのワッシャー/バネである。バネ1138は開成状態すなわち非作動状態では平坦でよく、作動状態では放物型ディスクに曲げられる。バネ1038は、予め定められた閾値温度以上で形状を変える。これはバネ338に関連して先に説明したとおりである。バネ1138はシート部分1133により支持される。図28a、28bに示すように、プラグ1136は球状でよく、バネ1138に結合されない。あるいは、図29a、29bに示すように、プラグ1136は鋭い先端を具備し、バネ1138に固定して結合される。バルブ1138は多孔質フィラーを具備して流れを制御してよい。この実施例ではフィラー1139はバネ1138の上流に示される。代替的な実施例では、フィラー1139はバネ1138の下流に配置してもよい。
【0077】
図28aおよび29aを参照すると、開成状態では、燃料流Fは邪魔されない。バルブ1128は、プラグ1136の鋭い先端に起因して燃料流の速度により生じる圧力に応答する。燃料流が予め定められたレベルを下回っていると、ワッシャー1138は十分に押されず、プラグ1136は面1132aから離れている。この結果、燃料はバルブ1128を通じて流れる。
【0078】
燃料流が予め定められた閾値を越えると、燃料流Fがプラグ1136の鋭い先端を押してバネ1138を圧縮させてオリフィス1133bを完全にまたは部分的にブロックし、流れを減少または阻止する。これは図29bに示すとおりである。フィラー1129が図29bに示すように配置されている場合には、オリフィス1133bを介する流れ通路は部分的にしかブロックされない。
【0079】
バルブ1128は温度にも応答する。ワッシャー1138が予め定められた閾値温度以上の温度に晒されると、バイメタルワッシャー1138が拡大してプラグ1136を面1132aと接触させるようになり、プラグ1136を面1132aに押しつける。この結果、バルブ1128は閉成状態(図28bに示す)になり、燃料流は減量または阻止される。
【0080】
温度が減少して予め定められた閾値温度を下回ると、バネ1138は元の状態に復帰し、プラグ1136は元の位置に戻る。バルブ1128を自動的に元の状態に戻さなければならない場合には、上述のとおり、バネ1138の材料を所望の記憶特性を有するように選択する必要がある。バルブ1128は、バルブ128d(図4c)と同様に、プラグ1136の下流に復帰バネを設けるように修正して、温度作動後に、バルブ1128が元の状態に復帰するのを支援してよい。
【0081】
図30−31は、第12の実施例の環境応答バルブ1228を示している。ノズル1218bは第1部分1230、第2部分1232および第3部分1234を有する。第2部分1232は穴部1232aを有する。第3部分1234はシール面1234aを有する。第3部分1234は、さらに、オリフィス1235aおよびバルブ1228の残りの部分を支持する支持部1235bを具備するシート部分1235を有する。支持部1235bは種々の手段によりノズル1018bに結合されてよい。この手段は、これに限定されないが、圧接合、溶接、超音波溶接、接着、その他を含む。
【0082】
バルブ1228は、弾性材料から製造されたシール部材すなわちプラグ1236を含む。これは先に説明した。バルブ1228はさらに温度応答要素1238、多孔質フィラー1239および復帰バネ1240を有する。
【0083】
温度応答要素1238は温度の変化に伴って体積を著しく変化させる拡張材料1238bを内包する弾性ケーシング1238aを有する。好ましくは、拡張材料はワックス、例えばポリマーブレンド、ワックスブレンド、またはワックス/ポリマーブレンドである。拡張材料は気体であってもよい。この材料は、予め定められた閾値温度で溶融した後に、体積を増大させる必要がある。代替的には、沸点温度が予め定められた閾値温度を下回る上述の液体を温度応答要素としてよい。好ましくは、使用されるワックスは、閾値温度以上の温度になると当初の体積の約10%から約15%だけ拡張する。代替的には、弾性ケーシング1238aを省略してワックス1238bを直接にシール部材1236に接触させてよい。
【0084】
図30−31を参照すると、開成状態(図30に示す)では、復帰バネ1240がプラグ123をバイアスしてシール面1234aから離し、燃料流Fが許容される。温度応答要素すなわちバネ1238が予め定められた閾値温度以上の温度を経験すると、温度応答要素1238bが拡張してケーシング1238aを拡大させる。ケーシング1238aが、復帰バネ1240により付与されるバネ力を克服するに足るほど拡大し、プラグ1236をシール面1234aに接触させて十分に押しつけ、シールを構成する。こうしてバルブ1228は閉成状態(図31に示す)になり、燃料室部20(図1参照)から燃料電池FCへの燃料流は減量または阻止される。
【0085】
温度が減少して予め定められた閾値温度を下回ると、温度応答要素1238bおよびケーシング1238aは元の状態に戻り、復帰バネ1240の力により、プラグ1236が元の位置に戻る。この結果、バルブ1228は開成状態(図30に示す)に戻り、燃料を流す。図15−18、22a−22b、23a−23b、および24−25の実施例は復帰バネ1240と類似する復帰バネを含んでよい。
【0086】
図32−35は、第13の実施例の環境応答バルブ1328を示している。ノズル1318bは第1、第2、および第3の部分1330、1332、および1334を有する。バルブ1328は、温度に応じて体積を変化させる温度応答性シール部材すなわちプラグ1338を有する。プラグ1338はノズル1318bの第2の部分1332の内部に配置される。好ましくは、プラグ1338は温度が上昇すると拡大する材料である。プラグ1338は、また、燃料流に対してシールを行える。プラグ1338は円筒形状として示されているけれども、この発明はこれに限定されない。代替的には、プラグ1338はケーシング内の拡張材料、例えば上述したようなバネ1238から製造されてよい。好ましくは、プラグは熱膨張性が大きな材料、例えば、アルミニウム、から製造され、ノズルは熱膨張性が小さな材料から製造し、プラグがノズルより速く拡張してバルブをシールするようになす。
【0087】
バルブ1328はバルブ128と同様に動作する。図33−35を参照すると、開成状態(図33に示す)では、燃料流Fは邪魔されない。バルブ1328はバルブ1328上の燃料流Fの速度によって引き起こされる圧力に応答し、これは先に検討したバルブ128と同様である。バルブ1328は温度にも応答する。温度応答要素すなわちプラグ1338が予め定められた閾値温度以上の温度を経験すると、プラグ1338の体積が増大する。この結果、プラグ1338はノズル1318bの第2部分1332に接触し、これを満たす。拡張による圧力によって、プラグ1338およびノズル1318aの間にシール接触が生じ、流れを減量または阻止する。これは図34に示す通りである。温度応答要素すなわちプラグ1338の温度が予め定められた閾値温度を下回ると、プラグは元の状態および体積に戻り、バルブ1328は開成状態(図33に示す)に復帰する。
【0088】
図35は図32−34のバルブ1328を示す。ただし、プラグ1338の材料はさらにその軟化点が予め定められた閾値温度以下であるという特徴を有する。この結果、予め定められた温度になると、プラグ1338はバルブをシールするだけでなく、プラグ1338の一部1338aが柔らかくなり、変形してノズルの第1の部分1330へと伸び、バルブを燃料流から、一層、シールする。バルブ1328は復帰バルブおよび/またはバイパス流通路を有して圧力応答性を減少させてもよい。これについては上述した。
【0089】
図36−37は、第14の実施例の環境応答バルブ1428を示している。ノズル1418bは第1、第2、および第3の部分1430、1432、および1434を有する。バルブ1428は、シール部材すなわちディスク形状の第1のプラグ1436と、温度応答要素すなわちディスク形状の第2のプラグ1438とを有する。第1のプラグは好ましくは弾性材料のようなシール材料から製造する。第2のプラグ1438は、先に説明したプラグ1338と同様な温度応答材料から製造し、温度に応じて体積を変化させる。バルブ1428はノズル1418bの拡大した第2の部分1432の内部に配される。第1および第2のプラグ1436および1438はオプションとして、例えば接着剤により、一緒に結合される。
【0090】
代替的には、図37aに示すように、バルブ1428aを修正して第1のプラグ1436に突起部1436aを含ませる。これら突起部1436aの先端は、第2のプラグ1438の穴部1438aに収容される拡大端部を具備する。突起部1436aおよび第2のプラグ1438が機構的に協働して第1および第2のプラグ1436、1438を相互に固定する。この実施例では、第1および第2のプラグ1436、1438を一体に成型してもよい。他の代替例では、第1のプラグ1436が穴部を有し、第2のプラグ1438が突起部を有してもよい。
【0091】
図36を参照すると、バルブ1428はバルブ1328と同様に動作する。開成状態(図36に示す)では、燃料流Fは邪魔されない。バルブ1428はバルブ1428上の燃料流Fの速度によって引き起こされる圧力に応答し、これは先に検討したバルブ128と同様である。バルブ1428は温度にも応答する。温度応答要素すなわち第2のプラグ1438が予め定められた閾値温度以上の温度を経験すると、第2のプラグ1438の体積が増大する。この結果、第2のプラグ1438は第1のプラグ1436を押してシール面1432aと接触させる。拡張による圧力によって、プラグ1436およびノズル1418aの間にシール接触が生じる。こうしてバルブ1428は閉成状態(図37に示す)になり、流れを減量または阻止する。
【0092】
温度が予め定められた閾値温度を下回ると、第2のプラグ1438は元の状態および体積に戻る。これにより第1のバルブ1436がシール接触から解除される。こうして、バルブ1428は開成状態(図36に示す)に復帰する。
【0093】
図38−40は、第15の実施例の環境応答バルブ1528を示している。ノズル1518bは第1、第2、および第3の部分1530、1532、および1534を有する。バルブ1528は、シール部材すなわちケーシング1536を有し、これが、温度応答要素すなわちプラグ1538を部分的に封入する。ケーシング1536は好ましくは弾性材料のようなシール材料から製造する。ケーシング1536は、円筒状のプラグ1538を収容し、または部分的に被覆する、空洞円筒である。
【0094】
プラグ1538は温度に応じてその体積を変化させることが可能な材料から製造する。プラグ1538は、先に説明したプラグ1338と同様な温度応答材料から製造する。バルブ1528はノズル1518bの拡大した第2の部分1532の内部に配される。ケーシング1536およびプラグ1538は当業者に知られているツーショット成型処理により製造できる。この成型処理により、これら部材は一体に結合される。代替的には、接着剤を用いてこれら部材を結合しても良く、これら部品を金属から製造する場合には、殊更である。スナップフィッティングや圧縮フィッティングで結合してもよい。
【0095】
バルブ1528はバルブ1328と同様に動作する。初期状態すなわち非作動状態(図39に示す)では、燃料流Fは邪魔されない。バルブ1528はバルブ1528上の燃料流Fの速度によって引き起こされる圧力に応答し、これは先に検討したバルブ128と同様である。バルブ1528は温度にも応答する。温度応答要素すなわちプラグ1538が予め定められた閾値温度以上の温度を経験すると、プラグ1538の体積が増大する。この結果、プラグ1538はケーシング1536を拡大させてシール面1532aと接触させる。拡張による圧力によって、ケーシング1536およびノズル1518aの間にシール接触が生じる。こうしてバルブ1528は閉成状態(図40に示す)になり、流れを減量または阻止する。
【0096】
温度応答要素すなわちプラグ1538の温度が予め定められた閾値温度を下回ると、プラグ1538およびケーシング1536は元の状態および体積に戻る。これによりケーシング1536がシール接触から解除される。こうして、バルブ1528は開成状態(図39に示す)に復帰する。
【0097】
図41−43は、第16の実施例の環境応答バルブ1628を示している。ノズル1618bは第1、第2、および第3の部分1630、1632、および1634を有する。バルブ1628は、シール/温度応答要素すなわち第1のプラグ1636と、温度応答要素すなわち第2のプラグ1638とを有する。第1および第3のプラグ1636、1638はともに温度応答要素である。第1のプラグ1636は予め定められた閾値温度以上の温度で予め定められた量だけ軟化することができる。第1のプラグ1636は好ましくはポリマー材料のような軟化性でシール性の材料から製造される。第1のプラグ1636を製造するのに適した商業的に入手可能な材料は、パラフィンである。
【0098】
第2のプラグ1638は予め定められた閾値温度以上の温度で体積を変化させることができる。第2のプラグ1638は好ましくは先に説明したプラグ1338と類似の温度応答材料で製造される。代替的には、第2のプラグ1638はワックスバイアス部材(例えば図11の部材438)または温度応答バイアス発泡体のような温度応答性成分から製造される。
【0099】
開成状態(図41に示す)では、燃料流Fは邪魔されない。バルブ1628はバルブ1628上の燃料流Fの速度によって引き起こされる圧力に応答し、これは先に検討したバルブ128と同様である。バルブ1428は温度にも応答する。第1および第2のプラグ1636、1638が予め定められた閾値温度以上の温度を経験すると、第1のプラグ1636が予め定められた量だけ軟化し、第2のプラグ1638の体積が増大する。この結果、第2のプラグ1638は第1のプラグ1636を押してシール面1632aと接触させる(図42に示す)。第2のプラグ1638の拡張による圧力によって、軟化した第1のプラグ1636の一部が変形してノズル部分1634に入り込み、第1のプラグ1636およびノズル1618aの間にシール接触が生じる。こうしてバルブ1628は閉成状態(図43に示す)になり、流れを減量または阻止する。
【0100】
作動後に、第1および第2のプラグ1436、1438の温度が予め定められた閾値温度を下回ると、プラグ1436、1438は元の状態および体積に戻る。これにより第1のバルブ1636がシール接触から解除される。
【0101】
図32−43の実施例は復帰バネ140、141と類似の復帰バネを含んで良い。このような復帰バネにより、このようなバルブの圧力応答性を除くことができ、またこのようなバルブの圧力応答性を制御できる。
【0102】
図44および45は、第17の実施例の環境応答バルブ1700を示している。バルブ1700は本体1702、キャップ1704、温度応答要素1706、プランジャ1708、復帰バネ1710、およびシール部材すなわちOリング1712を有する。
【0103】
図46および図47を参照すると、本体1702は段差のある通路1714、1716、1718を有する。第1の通路1714は第2の通路1716より大きい。第1の通路1714はさらに径方向に対向するリセス1714a(図46の最も良く示される)。第2の通路1716はシール面1716aを有する。第3の通路1718は本体1702を通じて流れる流体の出口通路である。
【0104】
図48を参照すると、キャップ1704は基部1720および側壁1722を有し、側壁1722は基部1720から外側に伸びる。基部1720はさらに入口通路1724(図44に最も良く示される)を有する。側壁1722は複数の径方向に対向する側壁部分1722a,bを有する。第1の側壁部分1722aは第2の側壁部分1722bより短い。図44を参照すると、キャップ1704を本体1702に装着すると、第2の側壁1722bがリセス1714aに収容されバネ指示面1724とプランジャ1708との間にギャップgが形成される。
【0105】
図44を参照すると、温度応答要素1706は記憶金属の矩形片である。片1706は非均一の厚さに修正しても良い。厚さが一様でない楕円片1706a(図45aに示す)を用いても良く、これが温度応答材料を内包しても良い。この発明は上述の特定の形状に限定されない。
【0106】
さらに図44を参照すると、片1706を製造するために適した材料はNitirolまたはCuZnAlの記憶金属のような合金である。片1706は好ましくは第1の側壁部分1722aのバネ指示面1724に保持される。片1706に1または複数の開校728を形成して流体が流れるようにして良い。バネ材料が室温のときには、片1706は「弱められた」状態であり弱い歪み(所定のNiTi金属について約6%)しか示さない。この弱められた状態では、片1706はマルテンサイト状態でもあり、曲げ弾性率は材料の最小値に近い。
【0107】
図44、49および50を参照すると、プランジャ1708は第1の面1730aおよび第2の面1739bを具備するプラットホーム1730を有する。第1の面1730aは、係止面1734を具備して周回して伸びる側壁1732とバネ接触部材1736を有する。バネ接触部材1736はバネ接触面1736aへとテーパを付されている。プラットホーム1730の第2の面1730bは段差のある幹部1738を有し、これは第1の幹部分1738aおよび第2の幹部分1738bを有する。第1および第2の幹部分1738a、bはOリングのシート1740を形成するような寸法とされている。
【0108】
図44、47および48を参照すると、プランジャ1708が本体1702内に装備されると、プランジャ1708の第1の幹部分1738aが第1および第2の通路1714および1716内に収容される。プランジャ1708の第2の幹部分1738bは出口通路1718に収容される。
【0109】
図44を参照すると、復帰バネ1710は好ましくは本体1702の第1の通路1714内でプランジャ1708の第1の幹部分1738aの回りに配置される。復帰バネ1710はプランジャのプラットホーム1730の第2の面1730bに接触する。好ましくは、復帰バネ1710は圧縮されて力を加え、これにより「弱められた」状態で片1706に約6%の歪みを生成される。図44および50を参照すると、Oリング1712が好ましくはプランジャのOリングシート面1740に配置される。
【0110】
バルブ1728の動作を図44−45を参照して説明する。開成状態(図44に示す)では、燃料流Fは邪魔されない。バネ1710のバネ定数を選定してバルブ1700が圧力に応答するようになす。
【0111】
バルブ1728は温度にも応答する。温度が予め定められた閾値温度を下回っていると、バルブ1728は開成状態(図44に示す)である。この状態では、片1706は弱められており、復帰バネ1710は十分な力をプランジャ1708に与え、バネ接触面1736a(図50参照)は片1706に接触してこれを曲げる。Oリング1712は非圧縮状態(図示のとおり)である。この結果、Oリング1712およびシール面1716aの間にシールは形成されない。この結果、燃料Fは入口通路1724、片1706のオリフィス1728、ギャップg、第1の通路1714、プランジャ1708の回り、Oリング1712内部、おより出口室部1718を介して燃料電池FCへ流れる。
【0112】
温度応答要素すなわち片1706が予め定められた閾値温度以上の温度を経験すると、片1706は状態変化を経験し、元の平坦な状態(図45に示す)に戻ろうとする。この状態変化により、片1706はオーステナイト状態であり、その曲げ弾性率はマルテンサイト状態の2.5倍の固さである。片1706は、ほぼ平坦になると、プランジャ1708を介して復帰バネ力より大きな力を復帰バネ1710に加える。この結果、プランジャ1708は本体1702内を移動してOリング1712を押しつけ、Oリング1712およびシール面1716aの間にシールを形成する。このようにして流れが減量または阻止される。片1706のオーステナイト状態の歪みはNiTiについては約2%から3%であり、片1706からプランジャ1708に一定の力が加わり、温度上昇時にバルブ1700をシール状態に保つ。
【0113】
記憶金属の片1706が冷えて予め定められた温度を下回ると、片1706は元の「弱められて」すなわちマルテンサイト状態に戻り、復帰バネ1710はプランジャ1708を移動させOリング1712を圧縮から解除してバルブ1700を開成して燃料を通過させる。こうしてバルブ1700が開成状態(図44に示す)に戻り、温度が予め定められた温度を下回ったのちに自動的にリセットする。
【0114】
図51−52は、第18の実施例の環境応答バルブ1800を示している。バルブ1800は本体1802、キャップ1804、プランジャ1808、復帰バネ1810、およびシール部材すなわちOリング1812を有する。バルブ1888は、温度応答要素を除いてバルブ1700と類似している。
【0115】
温度応答要素1806は内側本体1806aおよびダイアフラム1806bを有する。内側本体1806aおよびバルブ本体1802は少なくとも1つの流れ通路がその間に形成されるような構造および寸法にされる。内側本体1806aは、上側に伸びる開口を具備する室部1807bを形成する。室部1807bは温度応答ワックス1807cで満たされている。内側本体1806aの上方に伸びる開口は、それに連結された拡張可能なダイアフラム1806bによって閉じられている。ダイアフラム1806bは、好ましくは、圧力下で拡大し、また元の形状に復帰することが可能な弾性材料または金属材料から形成される。
【0116】
バルブ1800はバルブ1700と同様に動作する。図51において、バルブ1800は開成状態で示されており、この図において、ダイアフラム1806bは下方に曲げられており、復帰バルブ1810はOリング1812を非圧縮の状態で保持してバルブ1800を介した燃料流Fが許容される。バネ1810の設計に基づいてバルブ1800は圧力に応答しない。
【0117】
バルブ1800は温度にも応答する。温度が上昇して予め定められた閾値温度以上になると、ワックス1807cが融解温度まで加熱され、液体化して約10%から約15%のオーダーで拡大する。調合が異なれば、拡大比率が変化する。ワックス1807cが拡大すると、ダイアフラム1806bが拡大してプランジャ1808を上方に押して復帰バネ1810およびOリング1812を圧縮する。この結果、Oリング1812およびシール面1816aの間にシールが形成されバルブ1800を介する燃料流が減量または阻止される。図52ではワックス1807cが拡大し、バルブ1800が閉成状態である。
【0118】
ワックス1807cが冷却されて予め定められた閾値温度を下回ると、ワックス1807cは体積を減少させ、固定化し、復帰バネ1810がダイアフラム1806bに打ち勝ってプランジャ1808を移動させ、Oリング1812の圧縮を解除し、バルブ1800を開成させて燃料を流す。この過程は繰り返し可能である。ワックス1807をここで検討した任意の温度応答材料、例えば、バイメタルバネ、沸点が燃料より小さな液体で、置換できる。
【0119】
図53に示すように、ダイアフラム1806bを省略してワックス1807cが拡大して直接にプランジャ1808を押しても良い。この場合、プランジャおよびワックスの容器の間にシールが形成される。プランジャ1808はバイアスされてOリング1812を圧縮する。代替的には、プランジャ1808がシール材料から製造されていれば、Oリング1812を省略できる。また、バルブ1800はオプションとしてバネ1822によりバイアスされる、行き過ぎプランジャ1820を有しても良い。バイアスされた、行き過ぎプランジャは、ワックスの拡張の一部を吸収してOリング1812が圧縮されすぎないようにする。
【0120】
図54は、第19の実施例の環境応答バルブ2440を示している。バルブ2440は、バルブ部分2440aおよび調整バルブ部分2440bを有する。バルブ部分2440aは米国特許出願公開US2005/0022883に十分に開示された2要素バルブの1つの要素であり、これについては先に参照してここに組み入れた。バルブ部分2440aは外側ハウジング2444を有し、これが開口2446を形成し、この開口2446はプランジャ2448、バネ2450、係止部2450およびOリング2456を収容するように構成される。係止部2452は、バネ2450に対してベアリングとして動作し、その周囲に複数の開口2454を形成する。シール位置において、バネ2450はプランジャ2448およびOリング2456をバイアスして外側ハウジング2444のシール面2458とシール係合させる。バネ2450は金属、エラストマーまたはゴムから製造できる。バネ2450は、Buna N Nitrile、その他の二トリルゴム、エチレンプロピレン、ネオプレン、EPDMゴム、またはVitron(商標)フルオロエラストマーを含む弾性ゴムから製造でき、要求される機構特性、および燃料サプライに貯蔵される燃料に応じたものとする。
【0121】
調整バルブ部分2440bは外側ハウジング2460を有し、これが段差のある内側室部2462を形成する。フィラー2464、バネ2466、およびボール2468が内側室部2462に収容される。
【0122】
フィラー2464は、燃料カートリッジ10を燃料電池FCから切断したときにバルブ2440内に残る燃料を吸収し保持することが可能な吸収または保持材料から製造される。適切な吸収材料は、これに限定されないが、親水性ファイバ、例えば、幼児用のおむつに使用されるもの、膨張ゲル、例えば生理用ナプキンに使用されるもの、またはこれらの組み合わせである。さらに、吸収材料は燃料に混合される添加物を含んでも良い。フィラー2464はバルブ部分2440a,bが接続されるとき、圧縮されて良く、バルブ部分2440a,bが接続解除されるときに圧縮解除されて良い。これらのフィラーはここで検討する任意のフィラーに採用可能である。
【0123】
チェックバルブ部分2440aを開成するには、第2のチェックバルブ要素がプランジャ2448に接触して係止部2452側へ移動させてバネ2450を圧縮させる。Oリング2456が移動してシール面2458から外れて流路を開く。
【0124】
バルブ部分2440bは圧力に応答する。予め定められた閾値圧力以上の速度で流速Fが生じると、燃料Fがボール2469を面2469の接触から外し、しかも面2470に接触しないようにし、これにより、調整バルブ部分2440bからチェックバルブ部分2440aへの燃料流Fが生じる。これを部分的に図54に示す。Oリング2456および面2458の間のシールが開くと、燃料はプランジャ2448の回りを流れてチェックバルブ2440aへと流れる。
【0125】
燃料流Fが予め定められた閾値を越えると、大きな流れがさらにバネ2466を圧縮してボールを移動させて面2470に接触させ、燃料流Fを減量または阻止する。これは図55に示すとおりである。燃料流Fが減少して予め定められた閾値圧力を下回ると、バネ2466がボール2468を元の位置に戻し、これによりバルブ部分2440bを自動的にリセットする。バネ2468の要不要は、自動的リセット機能が必要かどうかに依存する。ボール2468は要素1136と類似の鋭い選択を具備しても良い。
【0126】
図56は、第20の実施例の環境応答バルブ30000を示しており、これはカートリッジ10(図1)と係合でき、またその内部に配置でき、あるいは燃料電池FCまたは再充填装置と係合できる。この構成において、バルブ3000はノズル18b(図1)と結合され、またはその内部に収容される。バルブ3000は、入口3004および出口3006を具備する主通路3000を有する。入口3004は燃料室部20に結合され、出口3006は燃料電池FCに接続される。バルブ3000はさらに戻り通路3008、3010、および3012を有する。戻り通路3008、3010、および3012は燃料カートリッジ10内の個別の戻り貯蔵室部に結合される。
【0127】
バルブ3000は可動プランジャ3014、復帰バネ3016、係止部3019およびフィラー3020を主通路3002内に有する。プランジャ3014は、例えば、燃料Fと相性がよい弾性またはポリマー材料から製造される。復帰バネ3016はプランジャ3014の下流にある。係止部3019はバネ3016に対してベアリング面として働き、燃料流に対する開口を形成する。係止部3019の下流にオプションのフィラー3020を設けても良く、これは先に説明したフィラー要の材料であって良い。
【0128】
バルブ3000は圧力に応答する。予め定められた第1の閾値圧力以下の燃料流しか生じないと、復帰バネ3016は圧縮されずにプランジャ3014は全体として静止状態に止まる。この結果、プランジャ3014は戻り通路3008、3010および3012の上流の第1の位置(図55に示す)に位置する。燃料Fは、プランジャ3002内に形成された通路を通じて自由に流れる。プランジャ3014は主通路3002の内部に丁度収まるサイズおよび寸法とされ、燃料はプランジャ3014の回りを流れない。例えば、プランジャ3014は、それ自体と通路3002の癖部との間に弾性ワイパを具備しても良い。これは注射器に類似するものである。
【0129】
予め定められた第1の閾値圧力以上の速度で流速Fが生じると、このより速い流れがバネ3016を押してプランジャ3014を、戻り通路3008より下流で、かつ戻り通路3010および3012の上流の第2の位置(図57に示す)に移動させる。この位置では、燃料流Fの一部F1が戻り通路3008に入り込み、カートリッジ10の貯蔵部へと流れる。これにより出口3006への燃料の流れが安定化され、過剰な流れは戻り通路3008を通じて排出される。
【0130】
予め定められたより大きな第2の閾値圧力以上の速度で流速Fが生じると、このより速い流れがバネ3016を押してプランジャ3014を、戻り通路3010より下流で、かつ戻り通路3012の上流の第3の位置(図58に示す)に移動させる。この位置では、燃料流Fの部分流F1およびF2が戻り通路3008、3010に入り込み、カートリッジ10の貯蔵部へと流れる。これにより出口3006への燃料の流れが、より大きな圧力の下でも、安定化され、さらなる過剰な流れが戻り通路3008および3010を通じて排出される。
【0131】
予め定められたより大きな第3の閾値圧力以上の速度で流速Fが生じると、このより速い流れがさらにバネ3016を押してプランジャ3014を、戻り通路3012の下流の第4の位置(図59に示す)に移動させる。この位置では、燃料流Fの部分流F1、F2およびF3が戻り通路3008、3010および3012に入り込み、カートリッジ10の貯蔵部へと流れる。これにより出口3006への燃料の流れが、より大きな圧力の下でも、安定化される。任意の個数の戻り通路を採用しても良い。
【0132】
燃料流Fが減少して予め定められた閾値を下回ると、バネ3016がプランジャ3014を元の位置に戻し、自動的にバルブ3000をリセットする。バネ3016の要不要は、自動的リセット機能が必要かどうかに依存する。
【0133】
図60−62はこの発明の第21の実施例を示す。バルブ部分3100は圧力応答部分3102を有し、これが複数の襞(ひだ)3104を具備する。バルブ部分3100は燃料カートリッジ10を燃料電池FCに結合する。圧力応答部分3102は、予め定められた圧力で、図62に示すように、襞3102を拡大する。拡大された部分3102においては、拡大された流れ面積に起因して燃料流が減少し、これによって、過剰な流れが燃料電池に至らないようにする。過剰な燃料を保持するのに利用できる拡大された体積量は、想定される使用燃料または燃料カートリッジ10の体積に固定される。適切なバルブ部分3100の選択を支援する評価システムを開発できる。例えば、評価システムは、部分3102が拡大する圧力、燃料電池を防護するための圧力、および/または燃料カートリッジの体積に基づくものにできる。例えば、拡大された部分3102の体積は燃料カートリッジの体積の10%−90%にできる。
【0134】
図63−65はこの発明の第22の実施例を示す。バルブ部分3200は、ルブ部分3100と類似している。ただし、圧力応答部分3202は弾性材料、例えばゴムから製造される。予め定められた圧力以上で拡張された後に、圧力が予め定められた閾値を下回ると、拡大された部分3202はその弾性に起因して収縮して燃料をカートリッジ10から燃料電池へと押し出してもよい。
【0135】
図66A−66Dおよび67は第23の実施例の環境応答バルブ要素4440を種々の動作段階で示す。バルブ要素4440米国特許出願公開US2005/0022883に十分に開示されている2要素バルブの1つの要素であり、その内容は先に参照してここに組み入れた。バルブ要素4440はバルブハウジングまたは本体4444、プランジャ4448およびシール要素4436を有する。図66Aに示すように、バネ4450はバルブ本体4444の内部に圧縮状態で保持され、バネ保持部4452により支持されている。バネ4450はプランジャ4448を外側にバイアスしてシール要素4436の第1のシール面4443をバルブシート面4458に押しつけてバルブ要素4440の内部にシールを形成する。シール要素4436は、また、第2の環状のシール面4445(図67に示す)を含み、これがプランジャ4448とシールを形成する。
【0136】
図66A−66Dおよび67の実施例では、シール要素4436が環状のシール面4445に止め部4460を有し、これがプランジャ4448の対応する溝4447に係合する。このようにしてバルブおよびシール要素とプランジャとが強固に相互結合されて保持される。他の実施例では、止め部は1または複数の結び目または突起部を有してよい。他の実施例において、止め部はプランジャ上に設けられ、シール要素の環状のシール面に溝が形成されても良い。
【0137】
止め部4460および溝4447の間の係合は、シール要素4436をプランジャ4448に開放可能に結合するようなものである。図66Bに示すように、プランジャ4448が、第2のバルブ要素(図示しない)の対応するプランジャにより押圧されると、シール要素4436がプランジャ4448とともに後方へ移動してバルブ要素4440の開口4441を介して燃料が入り込み燃料を燃料電池に供給する。ただし、動作中に、温度が上昇して燃料カートリッジ内の圧力がそれに応じて増大すると、過剰な圧力がシール要素4436の背面4457に働きシール要素4436をプランジャ4448から離してシール要素を、第1のシール面4443がバルブシート面4458とシールを形成するまで前方へ移動させる。これを図66Cに示す。この発明の1実施例では、止め部4460および溝4447の相互結合は、25°Cから55°Cの範囲で約2psi以上の圧力上昇があると外れるようなサイズにされている。図66Dに示すように、第2のバルブ要素のプランジャ4465が後退してプランジャ4448との係合が解除されると、バネ4450がプランジャ4448を閉成位置に戻す。プランジャ4448が前方方向へ移動すると止め部4460が溝4447に入り直してシール要素4436がリセットされる。
【0138】
このようにして、シール要素は、特定の温度および関連する圧力で燃料の流れを制限し、または停止する。そのようにしないと所望の流れより大きな燃料の流れが生じてしまう。この発明のシール要素は設計上単純であり、燃料と相性がよく、コストも小さく、燃料の温度/圧力が減少するとリセットすることができるものである。さらに、シール要素は小型で小スペースに実装でき、燃料電池のどのような方向にあっても動作可能である。
【0139】
他の実施例において、シール要素4436は、シール要素の環状シール面およびプランジャの間の縛りばめ(interference fit)を介してプランジャ4448に結合され、これによりプランジャ上の要素が止め部および溝の構成を採用しないですむ。縛りばめは所定の温度および圧力で外れてバルブおよびシール要素を遮断状態に移動させる。さらに他の実施例では、リップシールがシール要素の環状面に配置される。バルブおよびシール要素が開成位置に移動しているときに、リップシールはプランジャの外側面と係合を維持し、バルブおよびシール要素が遮断位置に移動するときに、リップシールはプランジャに沿って移動する。
【0140】
図68A−68Dおよび69は第24の実施例の環境応答バルブ要素4540を種々の動作段階で示す。バルブ要素4540米国特許出願公開US2005/0022883に十分に開示されている2要素バルブの1つの要素であり、その内容は先に参照してここに組み入れた。バルブ要素4540はバルブハウジングまたは本体4544、プランジャ4548およびシール要素4536を有する。図68Aに示すように、閉成位置では、バネ4550は、バルブ本体4544の内部に圧縮状態で保持され、バネ保持部4552および4582の間に支持されている。バネ4550はプランジャ4548を外側にバイアスしてシール要素4536の第1のシール面4543をバルブシート面4558に押しつけてバルブ要素4540の内部にシールを形成する。シール要素4536は、また、プランジャ4548とシールを形成する第2の環状のシール面4545(図69に示す)と、以下に説明する構成でバルブ室部の側壁4555とシールを行う第3のシール面4553とを有する。
【0141】
図68A−68Dおよび69の実施例では、シール要素4536は第2のシール面4545に沿ってシール状態でプランジャ4548に結合される。図68Bに示すように、第2バルブ要素(図示しない)の対応するプランジャ4565がプランジャ4548を押圧すると、シール要素4536がプランジャ4548とともに後方へ移動してバルブ要素4540の開口4541を介して燃料が入り込み燃料を燃料電池に供給する。ただし、動作中に、温度が上昇して燃料カートリッジ内の圧力がそれに応じて増大すると、過剰な圧力がシール要素4536の背面4557に働きシール要素4536をヒンジ部4551で曲げて、第3のシール面4558がバルブ室部側壁4555、バルブシート面4558、または隣接の傾斜面と接触し、流れを制限し、また完全に阻止する。この発明の1実施例では、ヒンジ部4551は、25°Cから55°Cの範囲で約2psi以上の圧力上昇があると曲がるようなサイズにされている。図68Dに示すように、第2のバルブ要素のプランジャ4565が後退してプランジャ4548との係合が解除されると、バネ4550がプランジャ4548を閉成位置に戻す。閉成位置に移動する際に、第3のシール面4553が、リップシールと同様の態様で、第1のシール面4543がバルブシート面4558に戻るまで、バルブ室部の側壁4555に沿ってスライドする。この位置で、第3のシール面4553は元の状態に戻り、シール要素4536をリセットする。
【0142】
他の実施例では、図66Cに示されるシール要素と同様に、シール要素4536がプランジャ4548と非結合であってよい。これにより過剰な圧力下で、第3のシール面4553がバルブ室部側壁4555に沿って第1のシール面4543がバルブシート面4558に戻るまでスライドし、この位置で、第3のシール面4553が元の位置に戻る。この後、図66Dの実施例の動作と同様に、第2のバルブ要素のプランジャ4565がプランジャ4548の係合から後退すると、バネ4550がプランジャ4548を閉成位置に戻す。プランジャ4548が前方へ移動すると、これがシール要素4536をプランジャへと再位置づけされる。これは、上述した保持機構、例えば、止め部および溝、縛りばめおよび/またはリップシールの1つの相互作用により行われる。
【0143】
図70に示す他の実施例では、シール要素4636をプランジャ部分4648に永久的に固定され、または一体に製造されて単一の要素を構成する。このような単一の要素は例えばツーショット成型方法またはシール部材とプランジャ部分の溶接により製造される。代替的には、シール要素4636およびプランジャ部分4648を例えば射出成型により1つの部品として製造する。単一のシール要素4636を、上述した第1のバルブ要素4440、4540のバルブ構造とともに採用してよい。ただし、この実施例では、過剰な温度および圧力が燃料カートリッジ中に生成されると、過剰な圧力がシール要素4636の背面4657に働き、第1のシール面4643がバルブシート面に再配置されるまで単一要素を移動させ、燃料流を制限し、さらに遮断する。
【0144】
このようにして、図70の実施例に従う単一要素を、第2のバルブ要素中に対応するバネ負荷プランジャを具備する2要素バルブ構成において用いると(図66Bおよび68Bに示すプランジャ4465、4565に類似する)、シール要素4636上の圧力の増大により、第2のバルブ要素の対応するプランジャ上に働くプランジャ4648の力が大きくなる。このようにして第2のバルブ要素のプランジャが、シール部材4636の第1のシール面4643がバルブシート面間で移動してシールを形成するまで、第2のバルブ要素中へと押し戻され、これにより燃料流が制限され、さらに停止される。この実施例では、シール要素4636は図69に示すような「ヒンジ」であったり柔軟であったりする必要もない。ただし、その形状を図67および図69に示される実施例と類似にして燃料カットリッジ側の圧力の増大を利用して要素をシール位置に移動させる必要がある。
【0145】
他の実施例では、シール要素4636をより堅固な材料から製造して背面4657上の圧力が増大するとプランジャ部分4648が、例えば燃料電池の対応する第2のバルブ要素のプランジャをより強く押すようにする。この実施例では、燃料電池のバルブを開成する力(例えば500g)は燃料カートリッジのバルブを開成する力(例えば450g)より若干大きく、燃料カートリッジバルブ中でこの過剰な力がストップ(例えば50g)に作用する。このようにして、燃料カートリッジ中で圧力が増大してシール要素4636(例えばたかだか150g)に作用すると、その力は燃料カートリッジのバルブ力(450g)と組合わさって燃料バルブを閉成する力より大きくなり(100gだけ)、これにより燃料バルブがさらに開成する(この例では、燃料電池プランジャが移動する量はシール要素4636が移動して燃料カートリッジバルブを閉成する距離と必然的に等しい)。ただし、シール要素4636が収縮してバルブを閉じるならば、第1のバルブ要素のプランジャが移動する距離がより短くてよい。これはつぎの実施例を参照して検討する。
【0146】
他の実施例において、シール要素4636は適切な材料を用い、燃料カートリッジからの圧力がその背面4657に作用する組み合わせで半径方向部分がヒンジで曲がるような厚さに設計される。このように曲がると、シール要素4636の面4653バルブ室部側壁、バルブシート面または隣接する傾斜面に極めて接近しまたは接触して予め定められた圧力および/または温度でバルブを制約または閉止する。図70に説明されるさらに他の実施例において、オプションの結合部材4680がバネ保持部分を含み、これを用いてシール要素4636をバルブ要素の残りの構造とともに取り付けてよい。
【0147】
上述のとおり、環境応答材料または要素は、温度、または圧力、また速度に対して例えば環境応答バネのように段階的に反応して良く、また緩やかまたは迅速な反応、例えば液体から気体への相変化、またはバイメタルバネを有してよい。双方の反応はこの発明の範囲内である。
【0148】
他の適切な温度応答材料をこの発明とともに採用して良い。例えば、温度応答ポリマー、その他の材料を採用できる。温度応答または熱反応性ポリマーは温度の変化に応じて膨らみ、または収縮するポリマーである。温度応答ポリマーは、上方境界融解温度(UCST)または下方境界融解温度(LCST)の一方を伴うポリマーである。これらポリマーは生物学的用途に用いられてきた。これらポリマーは米国特許第6699611号(B2)およびその引用文献に説明されている。611特許およびその引用文献の内容は参照してここに組み入れる。温度応答材料の例は、これに限定されないが、ポリ(アクリル酸)およびポリ(N,Nジメリルアクリルアミド)からなる相互貫入組織(Interpenetrating Network、IPN)、ポリ(アクリル酸)およびポリ(アクリルアミド−コ−ブチルアクリレート)からなるIPN、およびポリ(ビニルアルコール)およびポリ(アクリル酸)からなるIPN、その他である。また適切な温度応答材料は熱膨張係数が大きな材料を含む。事例的な材料は、これに限定されないが、亜鉛、鉛、マグネシウム、アルミニウム、錫、青銅、銀、ステンレス鋼、銅、ニッケル、炭素鋼、鉄、金、その他、およびこれらの合金を含む。
【0149】
さらに、上述したバイメタルバネを任意の温度応答バネで置き換えることができ、これにはポリマーバネまたは金属バネが含まれる、好ましくは、金属またはポリマーを、予め定められた閾値温度以上の熱膨張率が十分に大きくバルブを閉じることが可能なように選択する。
【0150】
また、上述したこの発明のバルブを修正して、温度、圧力、または他の環境要素により一旦作動した後には、バルブが燃料の燃料電池への流れを遮断し、高温または高圧が除去された後も再開成しないようにできる。これを実現する手法は、復帰バネまたは復帰バネ力を省略して一旦起動されたバルブが非作動状態に復帰して流れを許容することがないようにするというものである。
【0151】
さらに、少なくとも圧力または速度応答バルブに関しては、これらバルブを逆の方向に取り付けて燃料電池からの逆流を阻止するようにできる、これは図22−25において説明した実施例と同様である。
【0152】
ここに開示された発明の例示的な実施例がこの発明の目的を達成することは明らかであるが、当業者が種々の変形や他の実施例を構成できることは容易に理解できる。さらに、任意の実施例の特徴および/または要素を、単独で、または他の実施例の特徴および/または要素と組み合わせて使用できる。添付の特許請求の範囲は、これらすべての変形例や実施例を、その趣旨を逸脱することなくカバーすることを意図するものであることは、容易に理解できる。
【0153】
添付図面は明細書の一部を形成し、明細書との関連において理解されるべきであり、種々の図において類似の参照番号は類似の部分を示すために用いられる。添付図面は以下のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0154】
【図1】この発明の燃料サプライとともに用いられる家庭用電化製品を、燃料サプライを取り外した状態で示す模式的な斜視図である。
【図2】図1の燃料サプライの模式的な斜視図である。
【図3a】燃料サプライ中に用いられる第1の実施例の環境応答バルブを開成状態で示す部分断面図である。
【図3b】図3aの第1の実施例の環境応答バルブを閉成状態で示す部分断面図である。
【図4a】この発明の実施例で利用可能な位置決め機構の部分断面図である。
【図4b】図4aの機構の代替機構の部分断面図である。
【図4c】図4aの機構の代替機構の部分断面図である。
【図4d】図4aの機構の代替機構の部分断面図である。
【図5】燃料サプライ中に用いられる第2の実施例の環境応答バルブを開成状態で示す部分斜視図である。
【図6】図5の第2の実施例のバルブを閉成状態で示す部分斜視図である。
【図7】燃料サプライ中に用いられる第3の実施例の環境応答バルブに用いられるバイメタルバネの斜視図である。
【図8】第3の実施例の環境応答バルブを開成状態で示す部分断面図である。
【図9】図8の第3の実施例のバルブを閉成状態で示す部分断面図である。
【図10】燃料サプライ中に用いられる環境応答バルブの第4の実施例に用いられる他のバイメタルバネの斜視図である。
【図11】第4の実施例のバルブを開成状態で示す部分断面図である。
【図12】図11の第4の実施例を閉成状態で示す部分断面図である。
【図12a】図11に示されるバルブの代替実施例の部分断面図である。
【図12b】図11に示されるバルブの代替実施例の部分断面図である。
【図13】第5の実施例の環境応答バルブを開成状態で示す部分断面図である。
【図14】図13の第5の実施例のバルブを閉成状態で示す部分断面図である。
【図15】第6の実施例の環境応答バルブを開成状態で示す部分断面図である。
【図16】図15の第6の実施例のバルブを閉成状態で示す部分断面図である。
【図17】第7の実施例の環境応答バルブを開成状態で示す部分断面図である。
【図18】図17の第6の実施例のバルブを閉成状態で示す部分断面図である。
【図19】この発明の種々のバルブ中に用いられるバイメタルバネの種々の実施例の断面図である。
【図20】この発明の種々のバルブ中に用いられるバイメタルバネの種々の実施例の断面図である。
【図21】この発明の種々のバルブ中に用いられるバイメタルバネの種々の実施例の断面図である。
【図22】この発明の第8の実施例を非作動位置で示す部分断面図である。
【図23】図22のバルブを作動位置で示す部分断面図である。
【図24】図22のバルブを他の作動位置で示す部分断面図、またはこの発明の第9の実施例を非作動位置で示す部分断面図である。
【図25】図24の第9の実施例の代替的な位置決めを示す部分断面図である。
【図26】第10の実施例の環境応答バルブを開成状態で示す部分断面図である。
【図27】図26の第10の実施例のバルブを閉成状態で示す部分断面図である。
【図28a】第11の実施例の環境応答バルブを開成状態で示す部分断面図である。
【図28b】図28aの第11の実施例の環境応答バルブを閉成状態で示す部分断面図である。
【図29a】第11の実施例のバルブの代替実施例を開成状態で示す部分断面図である。
【図29b】図29aの第11の実施例のバルブを閉成状態で示す部分断面図である。
【図30】第12の実施例の環境応答バルブを開成状態で示す部分断面図である。
【図31】図30の第12の実施例のバルブを閉成状態で示す部分断面図である。
【図32】第13の実施例の環境応答バルブのシール部材を示す斜視図である。
【図33】第13の実施例を開成状態で示す部分断面図である。
【図34】図33の第13の実施例のバルブを閉成状態で示す部分断面図である。
【図35】図33の第13の実施例のバルブを他の閉成状態で示す部分断面図である。
【図36】第14の実施例の環境応答バルブを開成状態で示す部分断面図である。
【図37】図36の第14の実施例のバルブを閉成状態で示す部分断面図である。
【図37a】図3に示されるバルブの代替実施例を示す部分断面図である。
【図38】第15の実施例の環境応答バルブを示す斜視図である。
【図39】図38の第15の実施例のバルブを開成状態で示す部分断面図である。
【図40】図39の第15の実施例のバルブを閉成状態で示す部分断面図である。
【図41】第16の実施例の環境応答バルブを開成状態で示す部分断面図である。
【図42】図41の第16の実施例のバルブを閉成状態で示す部分断面図である。
【図43】図41の第16の実施例のバルブを他の閉成状態で示す部分断面図である。
【図44】第17の実施例の環境応答バルブを開成状態で示す断面図である。
【図45】図44の第17の実施例のバルブを閉成状態で示す部分断面図である。
【図45a】図44に示すバルブに用いられる圧力応答部材の他の実施例を示す部分断面図である。
【図46】図44のバルブに用いられる本体を示す斜視図である。
【図47】図46の本体矢印47−47に沿って示す断面図である。
【図48】図44のバルブに用いられるキャップを示す斜視図である。
【図49】図44のバルブに用いられるプランジャの斜視図である。
【図50】図44のバルブに用いられるプランジャの斜視図である。
【図51】第18の実施例の環境応答バルブを開成状態で示す断面図である。
【図52】図51の第18の実施例のバルブを閉成状態で示す断面図である。
【図53】図51のバルブの他の実施例を示す断面図である。
【図54】この発明の他の側面に従う圧力応答部材を具備する第19の実施例のバルブを開成状態で示す断面図である。
【図55】図54のバルブを閉成状態で示す断面図である。
【図56】この発明の他の側面に従う圧力応答部材を具備する第20の実施例のバルブを第1の位置で示す断面図である。
【図57】図55のバルブを第2の位置で示す断面図である。
【図58】図55のバルブを第3の位置で示す断面図である。
【図59】図55のバルブを第4の位置で示す断面図である。
【図60】圧力応答部材を含む第21の実施例のバルブを非作動状態で示す斜視図である。
【図61】図60のバルブを線61−61に沿って示す断面図である。
【図62】図60のバルブを作動状態で示す斜視図である。
【図63】圧力応答部材を含む第22の実施例のバルブを非作動状態で示す斜視図である。
【図64】図63のバルブを線64−64に沿って示す断面図である。
【図65】図63のバルブを作動状態で示す斜視図である。
【図66A】この発明の他の側面に従う第23の実施例のバルブ部材を示す断面図である。
【図66B】この発明の他の側面に従う第23の実施例のバルブ部材を示す断面図である。
【図66C】この発明の他の側面に従う第23の実施例のバルブ部材を示す断面図である。
【図66D】この発明の他の側面に従う第23の実施例のバルブ部材を示す断面図である。
【図67】図66A−66Dに示されるシール部材の断面図である。
【図68A】この発明の他の側面に従う第24の実施例のバルブ部材を示す断面図である。
【図68B】この発明の他の側面に従う第24の実施例のバルブ部材を示す断面図である。
【図68C】この発明の他の側面に従う第24の実施例のバルブ部材を示す断面図である。
【図68D】この発明の他の側面に従う第24の実施例のバルブ部材を示す断面図である。
【図69】図68A−68Dに示されるシール部材の断面図である。
【図70】シール部材の代替実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0155】
118b ノズル
128 バルブ
132a,132b シール面
136 シール部材
【技術分野】
【0001】
この出願は係属中の平成16年10月5日出願の米国特許出願10/958,574の部分継続出願であり、その内容は参照してここに組み入れる。
【0002】
この発明は、一般には、燃料を種々の燃料電池に供給する、カートリッジのような燃料サプライに関する。より詳細には、この発明は、燃料の流れを制御する環境応答バルブを具備するカートリッジに関する。
【背景技術】
【0003】
燃料電池は、直接すなわち、反応物質、すなわち燃料および酸素の化学エネルギを直流(DC)電気に直接変換する装置である。多くの漸増している用途において、燃料電池は、化石燃料の燃焼などの従来の発電よりも効率的であり、リチウムイオンバッテリーなどの携帯型蓄電池より効率的である。
【0004】
一般に、燃料電池技術はアルカリ燃料電池、高分子電解質燃料電池、りん酸燃料電池、溶融炭酸塩燃料電池、固体酸化物燃料電池、および酵素燃料電池のような様々な異なった燃料電池を含む。今日のより重要な燃料電池は、3つのカテゴリ、すなわち、(i)圧縮水素(H2)を燃料として利用する燃料電池、(ii)水素燃料に改質されるメタノール(CH3OH)、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、炭化水素(例えばブタン)又は他の燃料を利用する陽子交換膜(PEM)燃料電池、および、(iii)直接に非水素燃料を消費できるPEM燃料電池すなわち直接酸化燃料電池に分けることができる。最も一般的な直接酸化燃料電池は、ダイレクトメタノール燃料電池すなわちDMFCである。他の直接酸化燃料電池は、ダイレクトエタノール燃料電池およびダイレクトテトラメチルオルトカーボネート燃料電池を含む。
【0005】
圧縮された水素は一般に、高い圧力の下で保たれ、そのため、扱いが難しい。その上、大きい貯蔵タンクが通常必要で、消費者向け電子製品用に十分小さくすることができない。従来の改質燃料電池は、燃料を水素に変換させて燃料電池内で酸素と反応させるために改質材や気化および補助システムを必要とする。最近の進歩により、改質材または改質燃料電池が消費者向け電子製品に有望になっている。DMFCでは、メタノールが直接に燃料電池中で酸素と反応し、このDMFCは、最も簡単で可能性としては最も小さくなる燃料電池であり、消費者向け電子製品用の電力供給に最も有望である。
【0006】
比較的大きな供給に用いるDMFCは、酸化剤、典型的には空気または酸素を陰極に供給するファンまたはコンプレッサ、水/メタノール混合物を陽極に供給するポンプ、および膜電極アッセンブリ(MEA)を有する。電気を発生させる化学反応は燃料電池のそれぞれのタイプごとに異なる。DMFCでは、各電極での化学電気反応と燃料電池に関する総合的な反応は以下の通り記述される:
【0007】
陽極での半反応:
CH3OH + H2O → CO2 + 6H+ + 6e−
陰極での半反応:
O2 + 4H+ + 4e− → 2H2O
全体の燃料電池反応:
CH3OH + 1.5O2 → CO2 + 2H2O
【0008】
PEMを通る水素イオン(H+)が陽極から陰極を通り抜けてマイグレーションするために、また、自由電子(e−)がPEMを通り抜けられないため、電子は外部回路を通って流れなければならず、外部回路を通して電流を生じさせる。この外部回路は、モバイルすなわちセル電話、計算機、パーソナルデジタツアシスタンツ、ラップトップコンピュータ、電力ツールなどの有益な消費者向けの電子製品であってよい。DMFCは、特許文献1および特許文献2に開示されており、詳細はこれらに記載のとおりである。一般に、PEMはNafion(商標)などの高分子から作られており、DuPontから入手可能であり、厚さが約0.05mm〜約0.50mmの範囲のペルフルオ化合物材料、その他である。陽極は、典型的には、白金ルテニウムなどの触媒の薄層によってサポートされたテフロン(Teflonized)のカーボン紙から製造される。陰極は、典型的には、白金粒子が膜の一面に接着されるガス拡散電極である。
【0009】
上述のように、他の燃料電池において、燃料が水素に改質され、水素が燃料電池内で酸素と反応して電気を生成する。このような改質燃料は、多くの種類の燃料を含み、これにはメタノールおよび水素化ホウ素ナトリウムが含まれる。水素化ホウ素ナトリウム改質燃料電池の他の燃料反応は以下のようなものである:
NaBH4(液体)+2H2O→(加熱または触媒)→4(H2)+(NaBO2)(液体)
陽極での半反応:
H2→2H++2e−
陰極での半反応:
2(2H++2e−)+O2→2H2O
適切な触媒は白金およびルテニウム、その他である。水素化ホウ素ナトリウムを改質して生成された水素燃料は燃料電池中で、酸化剤例えばO2と反応させられ、電気(すなわち電子の流れ)および水の副産物を生成する。ホウ酸ナトリウム(NaBO2)の副産物も改質プロセスで生成される。水素化ホウ素ナトリウム燃料電池は特許文献3に検討されており、参照してここに組み入れる。
【0010】
燃料カートリッジ、燃料電池、および/または燃料再充填デバイスの間で燃料を搬送するためにバルブが必要である。既知の技術は種々のバルブおよびフロー制御デバイス、例えば特許文献4および特許文献5ならびに特許文献6および特許文献7に説明されるものを開示している。変動する環境要素に応じて燃料の流れを制御するフローバルブが要請される。
【特許文献1】米国特許第5992008号
【特許文献2】米国特許第5945231号
【特許文献3】米国特許第4261956号
【特許文献4】米国特許第6506513号
【特許文献5】米国特許第5723229号
【特許文献6】米国特許出願公開US2003/0082427A1
【特許文献7】米国特許出願公開US2002/0197522A1
【発明の開示】
【0011】
この発明は、燃料の温度、圧力、燃料の流速のような変動する環境要素により作動可能なバルブを具備する燃料電池用の燃料サプライに向けられている。環境対応バルブは、燃料の急激な変化から燃料電池を防護するように働く。いくつかの実施例では、この発明の環境対応バルブは、選択環境要素が予め定められた値に到達すると、燃料の流れを遮断してよい。他の実施例では、環境対応バルブは、燃料電池を動作させるに足る燃料が当該バルブを通じて流れるようにして燃料電池およびそれが給電する電子装置が継続して動作可能にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
添付図面に例示され、以下で詳細に説明されるように、この発明は、燃料電池用の燃料、例えば、メタノールおよび水、メタノール/水混合物、種々の濃度または純粋なメタノールのメタノール/水混合物を貯蔵する燃料サプライに向けられている。メタノールは多くの種類の燃料電池、例えば、DMFC、酵素燃料電池、および改質燃料電離、その他に利用できる。燃料サプライは、他の種類の燃料電池燃料、例えば、エタノールまたはアルコール、水素化ホウ素ナトリウムのような金属水素化物、水素に改質できる他の化学物質、または、燃料電池の性能を改善する他の化学物質を含んでよい。燃料は、水酸化カリウム(KOH)電解質含み、これが金属燃料電池またはアルカリ燃料電池とともに使用でき、燃料サプライ中に貯蔵できる。金属燃料電池に対しては、燃料はKOH電解質反応溶液に浸漬された液体担持亜鉛粒子の形態をしており、電池空洞中の陽極は亜鉛粒子からなる粒状陽極である。KOH電解質溶液は、「1または複数の負荷に電力供給するように構成された燃料電池システムの使用方法」という題名で2003年4月24日に公開された米国公開特許出願2003/0077493A1に開示されており、参照してここに組みこむ。燃料は、また、メタノール、過酸化水素、および硫酸の混合物を含み、これはシリコンチップ状に形成された触媒を通過して流れ燃料電池反応を生成する。燃料は、また、上述のように、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)のような金属水素化物および水を含み、反応により低圧力、低温度しか生成されない。燃料は、さらに、炭化水素燃料を含み、炭化水素燃料は、これに限定されないが、ブタン、灯油、アルコール、および天然ガスを含み、これは、「液体ヘテロインタフェース燃料電池デバイス」という題名で、2003年5月22日に公開された米国公開特許出願2003/0096150A1に開示されており、参照してここに組みこむ。燃料は、また、燃料と反応する液体酸化物を含む。したがって、この発明は、サプライ中に含有され、また、その他、燃料電池システムにより使用される、任意のタイプの燃料、電解質溶液、酸化物溶液または液体または固体に制約されない。ここで使用される用語「燃料」は、燃料電池または燃料サプライ中で反応することができるすべての燃料を含み、また、上述の適切な燃料、電解質溶液、酸化物溶液、液体、固体および/または化学物質ならびにこれらの混合物のすべてを含むが、これに限定されない。
【0013】
ここで使用される用語「燃料サプライ」は、これに限定されないが、使い捨てカートリッジ、再充填可能/再使用可能カートリッジ、電子製品内に配置されるカートリッジ、電子製品の外部に配置されるカートリッジ、燃料タンク、燃料リザーバ、燃料再充填タンク、燃料を貯蔵する他のコンテナ、および、燃料タンク、コンテナ、燃料電池または燃料電池が給電する電子製品に結合された管材を含む。1のカートリッジがこの発明の例示的な実施例との関連で以下に説明されるが、これら実施例は他の燃料サプライにも適用可能であり、この発明は燃料サプライのいかなる特定のタイプにも限定されないことに留意されたい。
【0014】
種々の環境要素が燃料電池の性能に悪影響を与える。例えば、燃料が高温、高燃料流速、高あるが燃料電池を損傷する。メタノールは好ましい燃料であるが、その沸点は約65°Cである。すなわち、メタノール燃料サプライが、高温の環境で(すなわち65°Cと等しいかそれ以上の温度で)貯蔵されると、例えば、暑い気候の車内または暑い気候のブリーフケース内に貯蔵されると、液体メタノールが気相に変化して燃料サプライに高圧を加える。燃料サプライが電子装置に結合されて状態が変わると、燃料が増大した速度で流れて燃料電池を損傷させる。このため、予め定められた環境条件、例えば、流速、または温度で、流れるのを阻止しまたは減速させるためのフローバルブが望まれる。
【0015】
添付の図面に示され以下に詳述されるように、この発明は、負荷11に給電する燃料電池FC(仮想線で示す)または燃料電池システムに供給を行うための燃料サプライすなわちカートリッジ10に向けられており、これを図1に示す。負荷すなわち電気装置11は、燃料電池が給電する任意の有益な家庭電化製品の外部回路および関連機能である。図1において、燃料電池FCは電気装置11内に含まれている。電気装置11は、例えば、コンピュータ、モバイルすなわちセルラー電話機、計算機、電気工具、園芸工具、パーソナルデジタルアシスタンツ、デジタルカメラ、コンピュータゲームシステム、携帯型音楽システム(MP3またはCDプレーヤ)、グローバルポジショニングシステム、およびキャンプ用品、その他であってよい。
【0016】
図示の実施例では、電気装置11はラップトップコンピュータである。燃料電池FC内でMEA(図示しない)により生成された自由電子は電気装置11を介して流れる。この実施例では、当業者に知られているように、ハウジング12が、電気装置11およびその電子回路ならびに燃料電池FCの他の要素(すなわちポンプおよびMEA)を保持し、収容し、防護する。ハウジング12は、好ましくは、消費者/エンドユーザがハウジング12内の室部14に対して燃料カートリッジ10を容易に装着・離脱できるように構成される。
【0017】
カートリッジ10は、内側ライナーまたはブラダーを伴い、または伴うことなく形成できる。ライナーおよび関連部品を具備しないカートリッジは、「燃料電池用の燃料カートリッジ」と題され、2004年8月5日に公開された、米国特許出願公開US2004−0151962A1に開示されており、その内容は参照してここに組み入れる。内側ライナーまたはブラダーを具備するカートリッジは、「柔らかいライナーを具備する燃料カートリッジ」と題され、2005年2月3日に公開された、米国特許出願公開US2005−0023236A1に開示されており、その内容も参照してここに組み入れる。
【0018】
さらに図1および図2において、燃料カートリッジ10は、外側シェルまたは外側ケーシング16、および第1および第2ノズル18aおよび18bを有する。外側ケーシング16は、その内部に燃料22を保持する燃料室部20を形成するように構成される。第1ノズル18aは連結バルブ24(仮想線で示す)を収容し、これが燃料室部20と流体的に連通する。連結バルブ24を用いて室部20に燃料を満たして良い。適切な連結バルブ24は、「連結バルブを具備する燃料カートリッジ」と題され、2005年2月3日に公開された、米国特許出願公開US2005−0022883に十分に開示されており、その内容は参照してここに組み入れる。
【0019】
カートリッジ10はさらに排出バルブまたはオプションの気体透過、液体非透過の膜26を有し、これが、カートリッジ10を満たすときに空気を排出可能にする。代替的には、膜26は、燃料電池反応により生成されカートリッジ内に蓄えられた気体副産物を、使用時に排出可能にする。膜26は気体透過で液体非透過の膜でよく、これにより、燃料が消費されたときに、カートリッジ10内で真空が形成されるのを最小限にできる。そのような膜はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ナイロン、ポリアミド、ポリビニリデン、ポリプロピレン、ポリエチレン、またはその他のポリマー性膜材料から製造できる。商業的に入手可能な撥水性PTFEの微多孔性膜はW.L.Gore Associates者およびMilspore者、その他から入手できる。Gore−Tex(商標)は適切な膜である。Goretex(商標)は小さすぎて液体は通さないが気体を通すには十分に大きい孔を含む微多孔性膜である。
【0020】
第2ノズル18bは遮断または制御バルブ28(仮想線で示す)を収容する。好ましくは、燃料室部20はバルブ28とも流体的に連通する。バルブ28を用いて燃料22を燃料室部20から排出できる。バルブ28は好ましくは環境応答部材を含み、これは以下に詳細に検討する。代替的には、バルブ24を省略して、バルブ28を用いて室部20に燃料を充填してもよい。
【0021】
開成状態すなわち非作動状態において、選定されている環境要素が予め定められた閾値レベルを下回っていると、環境応答材料または部材が初期の位置、すなわち開成位置にあり、燃料22が通常どおりに室部20から燃料電池FCへバルブ28を介して流れることが可能となる。バルブ28をポンプとともに用いて選択的に燃料22を室部20から燃料電池FCへ搬送するようにしてよい。選定されている環境要素が予め定められた閾値レベルに至り、またはこれを越えると、環境応答部材が作動されてバルブ28が開成/非作動状態から閉成/作動状態に移行して、燃料22が室部20から燃料電池FCへ流れるのを阻止し、あるいは、室部20から燃料電池FCへの燃料22の通常の流れを維持して、過剰な燃料をどこかにそらす。閉成/作動上程では、環境応答バルブ28が燃料電池への過剰な燃料の流れを阻止する。環境要素は燃料の流れの温度、圧力または速度、その他であってよい。
【0022】
図3aを参照すると、環境応答バルブ128の第1の実施例は、図示のように、ノズル118bおよびシール部材136を有する。ノズル118bは第1、第2、および第3の穴部130、132、134をそれぞれ含む。第1および第3の穴部130、134の径は第2の穴部132の径より小さい。第2の穴部132の径は、シール部材136が、開成状態で、穴部132内を自由に移動できるのに十分な程度に大きい。燃料が矢印Fでしめすように流れるときに、少なくとも1つのギャップgがノズル118b内に形成されて燃料を燃料室部20から燃料電池FCへ流せるようになっている。
【0023】
シール部材136は、温度応答材料または部材138を含む、ベローズ、風袋、またはケーシングである。この発明は、シール部材136の形状に限定されるものではなく、シール部材136は、球、卵形、円筒、多面体、その他であってよい。シール部材136は好ましくは圧力により伸長可能で、元の形状に、または形状へと復帰可能で、ノズル118bの内面に接触してシールを行える弾性材料から製造する。
【0024】
燃料がメタノール、または、メタノールを含むブレンドのとき、温度応答材料138は好ましくはメタノールの沸点と等しいかまたは下回る予め定められた閾値温度を有する。1実施例では、温度応答材料138は、予め定められた閾値温度より低い沸点の液体であってよい。より好ましくは、その液体の沸点は、燃料の沸点より約3°C低く、かつ通常の室温よりかなり高い。ここではメタノールについて説明するけれども、この発明はいずれの種類の燃料にも限定されない。
【0025】
約65°Cすなわちメタノールの沸点を下回る沸点の、温度応答材料138用に適切な液体は以下に列挙される化合物を含む。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0026】
代替的には、温度応答材料138は2以上の成分のブレンドであってもよく、これはブレンドの沸点が予め定められた閾値温度よりも低くなるようにする。
【0027】
沸点が約65°Cすなわちメタノールの沸点より下回る適切なブレンドは、以下に列挙される成分ブレンドを含む。
【表5】
(CRC Handbook of Chemistry & Physics, 81th Edition,2000−2001,PP6−174から6−177を参照されたい)
tAZ=共沸点温度
X1=成分2の各チョイスに対する成分1のモル分率
【0028】
図3aを再度参照すると、バルブ128が開成すなわち非作動状態であると、燃料の流れFは邪魔されない。1実施例では、バルブ128は圧力または燃料速度に応答する。燃料流が遅い、または閾値レベルより下回ると、燃料は予め定められた閾値圧力を下回る圧力をシール部材136に加える。燃料はバルブ128を通り抜け、シール部材136はシール面132aと非接触になる。この結果、燃料流はバルブ128により減少させられたり、阻害されたりすることがない。シール面132aは斜面(ベベル)であってよい。また、それは放射状であってもよいし、部分132、134の間の角度が90°であってもよい。
【0029】
燃料流が増大してバルブ128に圧力を加え、それが、予め定められた閾値圧力になり、またはそれを上回ると、シール部材136は移動して少なくともその一部がシール面132aと接触して燃料流を減少させ、または、阻害する。これによって、燃料流の速度または圧力の急激な変動から燃料電池FCを保護する。このような急激な変動は燃料電池の効率を損傷または減少させるものである。圧力が閾値圧力を下回るまで減少すると、バルブ128は開成状態すなわち非作動状態に復帰する。
【0030】
バルブ128は温度にも応答する。温度応答部材138が予め定められた閾値温度以上になると、例えば、メタノールが燃料の場合約65°C以上になると、液体138の少なくとも一部が沸騰して気体状態に移行する。シール部材136内部の体積が増大してシール部材136が拡張してノズル118bのシール面132bに接触する。好ましくは、シール部材128とノズル118bは平滑面で接触する。液体/気体138からの内部圧力によりシール部材136とシール面132bとの間にシール接触が行われる。この結果、バルブ128は作動状態すなわち閉成状態になり(図3bに示すように)、燃料室部20(図1)から燃料電池FCへの燃料流Fが減少させられ、または阻止される。バルブ128は、燃料22の沸点到達のまえに、閉成状態に移行するので、燃料電池FCを損傷する燃料流の急激な変化を阻止する。
【0031】
温度が減少して予め定められた閾値温度を下回ると、材料138は液体状態に復帰し、シール部材136内の内部圧力が減少し、この結果、シール部材136は元の形状、体積へと復帰する。
【0032】
他の実施例では、位置決め装置を用いてシール部材136を位置決めし、またはシール部材136に抗し、これは図4aに示される対向するバネ対140、141であってよい。バネ140、141は係止部(図示しない)により部分130、134においてそれぞれ保持され、シール部材136を接触して、シール部材136を拡張部分132の中央に配置する。バネ140、141は作動の後にシール部材136を開成位置に戻すこともできる。バルブ128bを温度にのみ応答するようになすには、バネ141の剛性を大きくして流速や圧力に起因するシール部材136の移動に抗するようにする。この位置決め装置は以下に説明する他の類似の実施例にも採用できる。
【0033】
さらに他の実施例において、バルブ128c(図4bに示す)は、バルブ128cから圧力応答性を減少させ、または、取り除く代替的な手段を含んでよい。バルブ128cにおいて、ノズル118b’は部分130から部分132への通路131および部分134から部分132への通路133を含む。どのような速度または圧力でも、燃料は通路131および133を介して流れる。この結果、バルブ128cが圧力に応じて燃料流を減少させまたは素子することがない。この変更は、以下に説明される他の類似の実施例に採用できる。
【0034】
さらに他の実施例において、バルブ128d(図4cに示す)は、バルブ128dから圧力応答性を減少させ、または、取り除く代替的な手段を含んでよい。バルブ128dにおいて、ノズル118b’は、面取りされたシール面132bおよび部分134中のバネ141を含む。部分130は通路131を含んで、これにより、予め定められた温度になってシール部材136が拡張部分132の壁部と協働してバルブをシールするまで、燃料が確実に流れる。燃料流が遅い、すなわち、閾値レベルを下回っていると、燃料Fがシール部材136に予め定められた閾値を下回る圧力しか加えず、燃料は部分132および/または通路131を通じて移動し、バネ141は、シール部材136をシール面132aとシール接触させない剛性を有する。この結果、バルブ128dは燃料流を減少させたり阻止したりしない。バルブ128dはバルブ128と同様にして温度に応答する。この変更は以下に説明する他の類似の実施例に採用できる。
【0035】
さらに他の実施例において、バルブ128e(図4dに示す)は、バルブ128eから圧力応答性を変更する代替的な手段を含んでよい。バルブ128eにおいて、ノズル118b’は、面取りされたシール面132aおよび部分132中の流れ板133を含む。板133は多数の円周状に離間して設けられた多数の孔133aを含んでよい。燃料流が遅い、すなわち、閾値レベルを下回っていると、燃料Fがシール部材136に予め定められた閾値を下回る圧力しか加えず、燃料は部分132および孔133aまたは板133の周囲を通じて移動する。この状態では、流れは十分でなく、シール部材136がシール面132aと部分的にシール接触することさえない。この結果、バルブ128eは燃料流を減少させたり阻止したりしない。板133は、燃料流に対して、比較的大きく、直接的な表面を構成し、バルブの圧力応答性を増大させる。孔133aの数およびサイズに応じて圧力応答性を減少させることができる。
【0036】
燃料流が増大し、予め定められた閾値圧力以上の圧力が働くと、シール部材136が、板133により支援され、シール面132aと少なくとも部分的にシール接触するように移動する。この結果、バルブ128eの圧縮応答性はバルブ128より大きくなる。圧力が閾値圧力より小さくなると、バルブ128eは開成状態すなわち非作動状態に戻る。この変更は以下に説明する他の類似の実施例に採用できる。板133の周囲に立ち上がり側壁を設けてシール部材136に対する板の回動を最小化してよい。
【0037】
図5を参照すると、第2の実施例の環境応答バルブ228が示される。ノズル218bはノズル118bと同様であり、バルブ228はバルブ128と同様である。バルブ228もシール部材すなわち薄いポリマーのシール部材236を含み、これが液体形態の温度応答要素238を内包し、その沸点温度は燃料電池の燃料より小さい。
【0038】
シール部材236は、好ましくは、圧力の下で伸張でき、かつ元の形状に復帰できるポリマー材料から製造される。さらに、ポリマー材料は圧力の下でノズル218bの内側面と接触してシールを構成する。適切な商業的に入手可能なポリマー材料の1つは低未密度ポリエチレンであり、これは、当業者に知られている慣用技術を用いて、連続的に管状に押し出され端部236aで挟まれ、またはシールされる。連続的に押し出すことによりコストが安くなる。代替的には、シール部材236は、当業者に知られている慣用技術を用いて、ブロー成型により製造できる。液体すなわち燃料の容器をブロー成型し、蒸気透過率を減少させるためにコーティングを塗布することは、「燃料電池用の燃料サプライ」と題され、2004年8月6日に出願された米国特許出願10/913,715に十分に開示されており、その内容は参照してここに組み入れる。この発明に有益な他の商業的に入手可能なポリマー材料はTeflon(商標)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、およびシリコンである。シール部材236を弾性材料で被覆してバルブ228の外部と継ぎ目ができないようにしてよい。
【0039】
図5および図6を参照すると、バルブ228はバルブ128と同様に動作する。開成状態すなわち非作動状態(図5に示す)では、燃料流Fは邪魔されない。バルブ228は、シール部材238上で燃料流Fの速度により生じる圧力に応答する。この結果、シール部材236はシール面232aとシール可能に接触する。同様に、バルブ228を修正してバルブ228が圧力応答性を有しないように、あるいは少ない圧力応答性しか有しないようにできる。これは上述のとおりである。
【0040】
バルブ228は温度に応答する。温度応答要素238が予め定められた閾値温度以上の温度に晒されると、温度応答材料238の少なくとも一部が気体状態に移行してシール部材236中の体積が増大する。この結果、シール部材236は拡張して第2部分232においてシール面232bと接触する。液体238からの内部圧力によりシール部材236およびシール面232bの間にシール接触が形成される。この結果、バルブ228は作動状態すなわち閉成状態(図6に示す)になり、燃料室部20から燃料電池FCへの燃料流Fは減量または阻止される。
【0041】
作動後に、温度が減少して予め定められた閾値温度を下回ると、温度応答材料238は液体状態に復帰し、シール部材236内の内部圧力が減少し、この結果、シール部材236は元の形状、体積へと復帰する。このため、バルブ228は開成状態すなわち非作動状態(図5に示す)に復帰できる。バルブ228は、上述のように、復帰バネおよび/またはバイパス通路を含んで圧力応答性を減少させてもよい。
【0042】
図7−9を参照すると、第3の実施例の環境応答バルブ328が示される。ノズル318bはノズル118bと同様である。バルブ228はシール部材すなわち弾性ケーシング336を含み、これが温度応答材料338を内包する。シール部材336は、好ましくは、シール部材136と同様な弾性材料から製造される。
【0043】
この実施例では、温度応答材料338は、好ましくは、予め定められた閾値温度以上で形状を変化させるバイメタルバネの形態を採る。バネ338は好ましくは自由端338a,bを有し、これらはオーバーラップしてバネが少なくとも1コイルの全体として閉ループをなすようになっている。バイメタルバネを製造する特に好ましい材料の1つはオーステナイト系材料記憶ワイヤであり、以下に検討する。代替的な実施例では、温度応答材料338は、温度変化に伴って体積を顕著に変化させる拡張材料であってよい。代替的には、拡張材料はワックス、例えばポリマーブレンド、ワックスブレンド、またはワックス/ポリマーブレンドである。この材料は、予め定められた閾値温度で溶融すると、体積を増大させる必要がある。
【0044】
図7−9を参照すると、開成状態すなわち非作動状態(図8に示す)では、燃料流Fは邪魔されない。バルブ328は、燃料流Fの速度により生じる圧力に応答する。燃料流が予め定められたレベルを下回っていると、燃料はバルブ328に圧力をかけるけれども、シール部材336はシール面332aとのシール接触に移行しない。燃料流が予め定められた閾値を越えると、バルブ328が作動されてシール部材336は移動させられ強制的にシール面332aとシール接触して燃料流を阻止または減量させる。バルブ328は復帰バネおよび/またはバイパス流通路を含んで圧力応答性を減少させてもよい。これについては上述した。
【0045】
バルブ328は温度に応答する。温度応答要素238が予め定められた閾値温度以上の温度に晒されると、バイメタルバネ338がケーシング336内で拡張する。この結果、ケーシング336が拡張してノズル318bの第2部分332内部でシール面332bと接触する。バネ338からの圧力によりケーシング336およびシール面332bの間にシール接触が形成される。この結果、バルブ328は作動状態すなわち閉成状態(図9に示す)になり、燃料室部20から燃料電池FCへの燃料流Fは減量または阻止される。
【0046】
作動後に、温度応答材料すなわちバネ338の温度が減少して予め定められた閾値温度を下回ると、バネ338は元の状態に復帰し、この結果、ケーシング336は元の形状、体積へと復帰する。このため、バルブ328は開成状態すなわち非作動状態(図8に示す)に復帰できる。
【0047】
図10−12を参照すると、第4の実施例の環境応答バルブ428が示される。ノズル418bはノズル118bと同様である。バルブ428はシール部材すなわち弾性ケーシング436を含み、これが温度応答材料438を内包する。シール部材436は、好ましくは、ケーシング136と同様な弾性材料から製造され、非線形な側壁を具備して熱伸張を可能にする。
【0048】
温度応答材料438は、好ましくは、予め定められた閾値温度以上で形状を変化させるバイメタルバネの形態を採る。この実施例では、バネ438は螺旋バネである。バネ438は好ましくはバネ338と同様な材料で製造される。これは先に検討した。
【0049】
図10−12を参照すると、開成状態すなわち非作動状態(図11に示す)では、燃料流Fは邪魔されない。バルブ428は、燃料流Fの速度により生じる圧力に応答し、これはバルブ328と同様であり、先に検討した。
【0050】
バルブ428は温度に応答する。温度応答要素438が予め定められた閾値温度以上の温度に晒されると、バルブ428が作動されて、バイメタルバネ438がケーシング436内で燃料流Fの方向に拡張する。この結果、ケーシング436が拡張して第2部分432内部でシール面432aと接触する。バネ438からの圧力によりケーシング436およびシール面432aの間にシール接触が形成される。この結果、バルブ428は作動状態すなわち閉成状態(図12に示す)になり、燃料室部20から燃料電池FCへの燃料流Fは減量または阻止される。
【0051】
作動後に、温度応答材料すなわちバネ438の温度が減少して予め定められた閾値温度を下回ると、バネ438は元の状態に復帰し、シール部材436は元の形状、体積へと復帰する。このため、バルブ428は開成状態すなわち非作動状態(図11に示す)に復帰できる。バルブ428は復帰バネおよび/またはバイパス流通路を含んで圧力応答性を減少させてもよい。これについては上述した。
【0052】
代替的な実施例のバルブ428aを図12aに示す。バルブ428aはバルブ428と類似している。ただし、シール部材436’は弾性材料製のディスクであり、これは、温度応答要素すなわちバイメタルバネ438’が作動されるとシール面432bにシール可能に接触する。バネ438’はケーシングに封入されていない。さらに他の代替実施例のバルブ428bを図12bに示す。バルブ428bはバルブ428と類似である。ただし、シール部材436’は弾性材料製のディスクであり、これは、温度応答要素438’が作動されるとシール面432bにシール可能に接触する。成分438’は弾性ケーシング439内に封入されている拡張材料である。拡張材料の体積は温度変化に応じて著しく変化する。好ましくは、拡張材料はワックス、例えばポリマーブレンド、ワックスブレンド、またはワックス/ポリマーブレンドである。拡張材料は気体であってもよい。この材料は、予め定められた閾値温度で溶融する際および/またはその後に、体積を増大させる必要がある。バルブ428bはバルブ428と同様に圧力変化に応答する。代替的には、バルブ428bは復帰バネおよび/またはバイパス流通路を含んで圧力応答性を減少させてもよい。これについては上述した。
【0053】
図13−14を参照すると、第5の実施例の環境応答バルブ528a、bが示される。ノズル518bはノズル118bと同様である。ただし、ノズル518bは、2つの拡大部分532aおよび532bとシート部533a、533b、シール面535a、535bを有する。これらバルブ本体は図示の通り一体に形成してもよいし、別々に製造して組み立ててもよい。
【0054】
各バルブ528a、bは可動プランジャ537a、bにそれぞれ支持されたシール部材すなわち弾性Oリング536a、bを有する。シール部材536a、bに適切な商業的に入手可能な材料はエチレンプロピレンジエンメチレンターポリマー(EPDM)ゴム、エチレン−プロピレンエラストマー、Teflon(商標)、およびVitron(商標)フルオロエラストマーである。好ましくはEPDMを用いる。
【0055】
各バルブ528a,bは、さらに、多層コイルのバイメタルバネの形態の温度応答要素538a、bをそれぞれ有する。各バネ538a、bは温度に応じて形状を変化させる。バネ538a、bは好ましくはバネ338と同様な材料で形成される。
【0056】
バルブ528aにおいて、バネ538aがシート面533aおよびプランジャ537aの間に配置され、プランジャ537aと関連して動作する。好ましくは、バネ538aはシート面533aおよびプランジャ537aと連結されバルブ538aが任意の方向で動作可能にする。バルブ528bにおいて、バネ538bがシート面533bおよびプランジャ537bの間に配置され、プランジャ537bと関連して動作する。好ましくは、バネ538bはシート面533bおよびプランジャ537bと連結されバルブ538bが任意の方向で動作可能にする。
【0057】
図13−14を参照すると、開成状態すなわち非作動状態(図13に示す)では、バネ538a,bはOリング536aおよび536bをシールしないサイズおよび寸法とされ、燃料流Fは邪魔されない。バルブ528bは、燃料流Fの速度により生じるバルブ528bへの圧力に応答する。燃料流が予め定められたレベルを下回っていると、燃料Fはプランジャ537bを移動させるけれども、Oリング536bをシール面537bに対して十分に押しつけるものではない。この結果、燃料はOリング536bを介して流れる。
【0058】
燃料流Fが予め定められた閾値レベルを越えると、プランジャ面537cへの急激な圧力変動によりバルブ528bが作動されてプランジャ537bは移動させられOリング536bを押しつけてシール面535bとシール接触させる。この結果、バルブ528bが閉成状態すなわち作動状態になる。圧力が小さくなって閾値圧力を下回ると、バルブ528bは自動的に開成状態すなわち非作動状態(図13に示す)に復帰する。
【0059】
バルブ528a,bも温度に応答する。温度応答要素538a,bが予め定められた閾値温度以上の温度に晒されると、バルブ528a,bが作動してバイメタルバネ538a,bが関連するシート部533a,bに抗して拡張する。この結果、バネ538a,bが関連プランジャ537a,bを移動させ、Oリング536a,bがそれぞれシール面535a,bと接触してこれに強固に押しつけられる。この結果、バルブ528a,bは作動状態すなわち閉成状態(図14に示す)になり、燃料室部20から燃料電池FCへの燃料流Fは減量または阻止される。
【0060】
作動後に、温度応答材料すなわちバネ538a,bの温度が減少して予め定められた閾値温度を下回ると、バネ538a,bは元の状態に復帰し、この結果、プランジャ537a,bは元に位置に復帰する。こうしてバルブ528a,bは開成状態すなわち非作動状態(図13に示す)に復帰できる。オプションとして、復帰バネを用いてバルブ528a,bを非作動状態に復帰させてよい。
【0061】
図15−16を参照すると、第6の実施例の環境応答バルブ628が示される。ノズル618bは拡大径部分632および下方のテーパ径部分634を有する、拡大径部分632はシート面632aを有し、これに少なくとも1つの開口632bが設けられ燃料室部20および部分632との間の流体連通を可能にする。付加的な開口632bを設けてもよいし、開口632bの幾何形状を変更してもよく、これにより所望の燃料流速を確保する。テーパ径部分634はシール面634aを有する。
【0062】
バルブ628はシール部材すなわち弾性プラグ636を有し、これが温度応答要素638と関連して動作する。プラグ638は好ましくはシール部材136と同様な弾性材料から製造される。プラグ636は全体として円筒形状である。プラグ636は好ましくは下流側の端部にテーパの外側面636aを有する。
【0063】
温度応答要素538は、好ましくは、温度に応じて形状を変化させるバイメタルバネの形態を採る。バネ638は基部638aと、外側に曲がって伸びるカンチレバー型の腕部638bとを有する。腕部638bはプラグ636と接触する。バネ638の基部638aは開口632bが邪魔されないようにシート面632aと接触する。開成状態すなわち非作動状態(図15に示す)では、プラグ636の外側面636aがシート面634aから離れているので、燃料流Fは禁止されない。
【0064】
バルブ628は温度に応答する。温度応答要素すなわちバネ638が予め定められた閾値温度以上の温度に晒されると、バルブ628が作動され、バイメタルバネ638が伸びて腕部638bが基部638aから離れていく。この結果、バネ638がプラグ636を移動させて外側面636aをシール面63aと接触させて十分に押しつけシールを構成する。こうしてバルブ628は作動状態すなわち閉成状態(図16に示す)になり、燃料室部20(図1参照)から燃料電池FCへの燃料流Fは減量または阻止される。
【0065】
温度が減少したときにバルブ628を自動的に元の状態に戻さなければならない場合には、バネ638の材料を所望の記憶特性を有するように選択する必要がある。代替的には、バネ638の基部638aを省略して、腕部638bをシール面632bにより支持する。また、基部638aおよび腕部638bを相互に一体に形成してもよいし、別々に製造して組み付けてもよい。
【0066】
図17−18を参照すると、第7の実施例の環境応答バルブ728が示される。ノズル718bはノズル618bと類似である。バルブ728において、シール部材すなわちプラグ736はさらに保持穴部736cを上流端部近傍に有する。温度応答要素すなわちバネ738の腕部738bは穴部736cを通じて伸び、そこに結合される。バルブ728はバルブ628と同様に動作する。ただし、温度が減少して予め定められた閾値温度を下回ったときに、バネ738の腕部738bが元の状態に復帰してプラグ736を元の位置すなわち開成状態(図17に示す)に引き戻す。シール部材726、626は他の形状、例えば、球、円錐、または半球となって良く、また、多孔質フィラーを流路Fに配置して燃料流を制御してよい。
【0067】
図19−21は、温度応答バルブ628、728、828および928の使用に供する代替的な実施例の温度応答要素738’、738’’および738’’’をそれぞれ示す。温度応答要素738’は、屈曲部B1およびB2を具備する腕部738b’を有する。他方、成分738(図17参照)は滑らかな曲率を有する。温度応答要素738’’は腕部738b’’を有し、これは実質的に平坦である。温度応答要素738’’’は、2つの対抗する滑らかに曲がった腕部738b’’’を有する。これにより、1つの腕部しか具備しない温度応答要素に較べて作動時の力が大きくなる。バネ738’’’の腕部の幾何形状は、バネ738’の二重屈曲部であってもバネ738’’の平坦なプロフィールでもよい。温度応答要素738、738’、738’’、および738’’’の幾何形状は作動時の所望の力に依存する。
【0068】
図22−24はこの発明の第8の実施例を示している。バルブ828は、面834aまたは面834bと共同してバルブ838を閉成するように構成される。シール部材836を有する。シール部材836はバネ838aおよび838bにより位置決め保持される。シール面834aおよびバネ838aは燃料電池の近くにあり、シール面834bおよびバネ838bは燃料カートリッジ10の近くにあり、図示の通りである。
【0069】
1つの計画では、バルブ838は温度応答バルブであり、バネ838bがバイメタルバネであり、あるいは、そうでない場合には、バネ838aよりかなり大きな熱膨張係数を有する。予め定められた温度になると、バネ838bが拡張してバネ838aを打ち負かして図23に示すようにバルブをシールする。代替的には、バルブ828は圧力応答バルブであり、バネ838aおよび838bのバネ定数を選択して、燃料流が予め定められた圧力または速度になると、流れがバネ838aを圧縮しバネ838bを伸張しバルブをシールするようになっている。これは図23に示す通りである。バルブ828が圧力応答バルブであるときには、バネ838aおよび838bのバネ定数は実質的に同一である。他の計画では、バネ838bのバネ定数は好ましくは小さく小さな量の額流でもバルブ828を遮断するようにする。これは図24に示す通りである。
【0070】
図24−25はこの発明の第9の実施例を示している。バルブ928は、圧縮応答バルブおよび/または温度応答バルブである点で、バルブ828と類似である。ただし、非作動状態では、図24に示すように、バルブ928は閉成されており、図25に示すように、バルブ928を開成して燃料がながれるようにするにはポンプが必要である。バルブ928では、ポンプを停止し燃料電池を停止すると、バルブ928も遮断されてj逆流を防止できるという利点がある。代替的には、非作動状態で、図25に示すように、シール部材936をシール面934aおよび934bの間に偏らせて配置し、好ましくは面934b寄りに位置させ、これは燃料カートリッジ10寄りである。シール部材936およびシール面934bの間の距離、およびバネ938bのバネ定数を選択してバルブ928(例えば図24参照)を閉成させて逆流を防止する。この距離は比較的小さくし、バネ定数を弱くして低速度の逆流に適切に対処するように必要がある。
【0071】
図26−27は第10の実施例の環境応答バルブ1028を示している。バルブ1018bは、第1の通路1030、第2の通路1032、および第3の通路1034を有する。第1および第3の通路1030および1034は第2の通路1032と直角である。通路1030、1032および1034はすべて燃料室部20(図1に示す)と流体連通である。
【0072】
バルブ1028は、ケーシング136と類似の材料から製造される、シール部材すなわちプラグ1036を有する。プラグ1036は、外側面106a、流れ穴部1036b、および保持穴部1036cを有する。プラグ1036は第2の通路1032に配置され、ノズル1018bにおいて複数のワイパ1037により支持される。ワイパすなわちシール1037の支援の下で、プラグ1036は内2の通路1032の内部で矢印D1およびD2に示す方向に沿って移動する。バルブ1028はコイルバネ1038をさらに有する。バネ1038は一方の端部で係止部1037に抗して保持され、保持穴部1036c内に収容される。
【0073】
図26−27を参照すると、開成状態(図26に示す)において、流れ穴部1036bが第1の通路1030と整合して、燃料流Fは邪魔されず、第1の通路を通って流れ穴部1036bを介して流れる。
バルブ1028は、バルブ1028への燃料F2の圧力により示されるような、燃料流の速度により引き起こされる圧力に応答する。燃料流が予め定められた閾値を下回っていると、バネ1038は十分に押されず、燃料は穴部1036bを介して流れ、これは図26に示すとおりである。燃料流が予め定められた閾値圧力を越えると、第2の通路中の燃料F2からの圧力がプラグ面1036aを押す。これによって、プラグ1036が方向D1に移動してバネ1038を押す。この結果、流れ穴部1036bが第1の通路1030と整合しなくなり、流れを阻止する。圧力が減少すると、バネ1038がプラグ1036を開成状態に戻して、バルブ1028は自動的にリセットする。
【0074】
バネ1038が温度応答性であるとき、バルブ1028は温度に応答する。閾値を越える温度になると、バイメタルバネ1038が係止部1039に抗して収縮する。この結果、バネ1038はプラグ1036をD1方向に移動させ流れ穴部1036bを第1の通路1030と整合させず流れを阻止する(図27に示す)。代替的には、バネ1038は伸張して流れ穴部1036bを不整合にしてもよい。バネ1038はバイメタル材料から製造できる。
【0075】
図28a−28bおよび19a−29bは、第11の実施例の環境応答バルブ1128を示している。ノズル1118bは第1部分1130および拡大した第2の部分1132を有する。第2の部分1132はシール面1132aを有する。第2の部分1132はさらにオリフィス1133bを具備するシート部分1133を有する。
【0076】
バルブ1128は、弾性材料から製造されたシール部材すなわちプラグ1136を含む。バルブ1128はさらに温度応答要素1138を含み、これが好ましくはバイメタルのワッシャー/バネである。バネ1138は開成状態すなわち非作動状態では平坦でよく、作動状態では放物型ディスクに曲げられる。バネ1038は、予め定められた閾値温度以上で形状を変える。これはバネ338に関連して先に説明したとおりである。バネ1138はシート部分1133により支持される。図28a、28bに示すように、プラグ1136は球状でよく、バネ1138に結合されない。あるいは、図29a、29bに示すように、プラグ1136は鋭い先端を具備し、バネ1138に固定して結合される。バルブ1138は多孔質フィラーを具備して流れを制御してよい。この実施例ではフィラー1139はバネ1138の上流に示される。代替的な実施例では、フィラー1139はバネ1138の下流に配置してもよい。
【0077】
図28aおよび29aを参照すると、開成状態では、燃料流Fは邪魔されない。バルブ1128は、プラグ1136の鋭い先端に起因して燃料流の速度により生じる圧力に応答する。燃料流が予め定められたレベルを下回っていると、ワッシャー1138は十分に押されず、プラグ1136は面1132aから離れている。この結果、燃料はバルブ1128を通じて流れる。
【0078】
燃料流が予め定められた閾値を越えると、燃料流Fがプラグ1136の鋭い先端を押してバネ1138を圧縮させてオリフィス1133bを完全にまたは部分的にブロックし、流れを減少または阻止する。これは図29bに示すとおりである。フィラー1129が図29bに示すように配置されている場合には、オリフィス1133bを介する流れ通路は部分的にしかブロックされない。
【0079】
バルブ1128は温度にも応答する。ワッシャー1138が予め定められた閾値温度以上の温度に晒されると、バイメタルワッシャー1138が拡大してプラグ1136を面1132aと接触させるようになり、プラグ1136を面1132aに押しつける。この結果、バルブ1128は閉成状態(図28bに示す)になり、燃料流は減量または阻止される。
【0080】
温度が減少して予め定められた閾値温度を下回ると、バネ1138は元の状態に復帰し、プラグ1136は元の位置に戻る。バルブ1128を自動的に元の状態に戻さなければならない場合には、上述のとおり、バネ1138の材料を所望の記憶特性を有するように選択する必要がある。バルブ1128は、バルブ128d(図4c)と同様に、プラグ1136の下流に復帰バネを設けるように修正して、温度作動後に、バルブ1128が元の状態に復帰するのを支援してよい。
【0081】
図30−31は、第12の実施例の環境応答バルブ1228を示している。ノズル1218bは第1部分1230、第2部分1232および第3部分1234を有する。第2部分1232は穴部1232aを有する。第3部分1234はシール面1234aを有する。第3部分1234は、さらに、オリフィス1235aおよびバルブ1228の残りの部分を支持する支持部1235bを具備するシート部分1235を有する。支持部1235bは種々の手段によりノズル1018bに結合されてよい。この手段は、これに限定されないが、圧接合、溶接、超音波溶接、接着、その他を含む。
【0082】
バルブ1228は、弾性材料から製造されたシール部材すなわちプラグ1236を含む。これは先に説明した。バルブ1228はさらに温度応答要素1238、多孔質フィラー1239および復帰バネ1240を有する。
【0083】
温度応答要素1238は温度の変化に伴って体積を著しく変化させる拡張材料1238bを内包する弾性ケーシング1238aを有する。好ましくは、拡張材料はワックス、例えばポリマーブレンド、ワックスブレンド、またはワックス/ポリマーブレンドである。拡張材料は気体であってもよい。この材料は、予め定められた閾値温度で溶融した後に、体積を増大させる必要がある。代替的には、沸点温度が予め定められた閾値温度を下回る上述の液体を温度応答要素としてよい。好ましくは、使用されるワックスは、閾値温度以上の温度になると当初の体積の約10%から約15%だけ拡張する。代替的には、弾性ケーシング1238aを省略してワックス1238bを直接にシール部材1236に接触させてよい。
【0084】
図30−31を参照すると、開成状態(図30に示す)では、復帰バネ1240がプラグ123をバイアスしてシール面1234aから離し、燃料流Fが許容される。温度応答要素すなわちバネ1238が予め定められた閾値温度以上の温度を経験すると、温度応答要素1238bが拡張してケーシング1238aを拡大させる。ケーシング1238aが、復帰バネ1240により付与されるバネ力を克服するに足るほど拡大し、プラグ1236をシール面1234aに接触させて十分に押しつけ、シールを構成する。こうしてバルブ1228は閉成状態(図31に示す)になり、燃料室部20(図1参照)から燃料電池FCへの燃料流は減量または阻止される。
【0085】
温度が減少して予め定められた閾値温度を下回ると、温度応答要素1238bおよびケーシング1238aは元の状態に戻り、復帰バネ1240の力により、プラグ1236が元の位置に戻る。この結果、バルブ1228は開成状態(図30に示す)に戻り、燃料を流す。図15−18、22a−22b、23a−23b、および24−25の実施例は復帰バネ1240と類似する復帰バネを含んでよい。
【0086】
図32−35は、第13の実施例の環境応答バルブ1328を示している。ノズル1318bは第1、第2、および第3の部分1330、1332、および1334を有する。バルブ1328は、温度に応じて体積を変化させる温度応答性シール部材すなわちプラグ1338を有する。プラグ1338はノズル1318bの第2の部分1332の内部に配置される。好ましくは、プラグ1338は温度が上昇すると拡大する材料である。プラグ1338は、また、燃料流に対してシールを行える。プラグ1338は円筒形状として示されているけれども、この発明はこれに限定されない。代替的には、プラグ1338はケーシング内の拡張材料、例えば上述したようなバネ1238から製造されてよい。好ましくは、プラグは熱膨張性が大きな材料、例えば、アルミニウム、から製造され、ノズルは熱膨張性が小さな材料から製造し、プラグがノズルより速く拡張してバルブをシールするようになす。
【0087】
バルブ1328はバルブ128と同様に動作する。図33−35を参照すると、開成状態(図33に示す)では、燃料流Fは邪魔されない。バルブ1328はバルブ1328上の燃料流Fの速度によって引き起こされる圧力に応答し、これは先に検討したバルブ128と同様である。バルブ1328は温度にも応答する。温度応答要素すなわちプラグ1338が予め定められた閾値温度以上の温度を経験すると、プラグ1338の体積が増大する。この結果、プラグ1338はノズル1318bの第2部分1332に接触し、これを満たす。拡張による圧力によって、プラグ1338およびノズル1318aの間にシール接触が生じ、流れを減量または阻止する。これは図34に示す通りである。温度応答要素すなわちプラグ1338の温度が予め定められた閾値温度を下回ると、プラグは元の状態および体積に戻り、バルブ1328は開成状態(図33に示す)に復帰する。
【0088】
図35は図32−34のバルブ1328を示す。ただし、プラグ1338の材料はさらにその軟化点が予め定められた閾値温度以下であるという特徴を有する。この結果、予め定められた温度になると、プラグ1338はバルブをシールするだけでなく、プラグ1338の一部1338aが柔らかくなり、変形してノズルの第1の部分1330へと伸び、バルブを燃料流から、一層、シールする。バルブ1328は復帰バルブおよび/またはバイパス流通路を有して圧力応答性を減少させてもよい。これについては上述した。
【0089】
図36−37は、第14の実施例の環境応答バルブ1428を示している。ノズル1418bは第1、第2、および第3の部分1430、1432、および1434を有する。バルブ1428は、シール部材すなわちディスク形状の第1のプラグ1436と、温度応答要素すなわちディスク形状の第2のプラグ1438とを有する。第1のプラグは好ましくは弾性材料のようなシール材料から製造する。第2のプラグ1438は、先に説明したプラグ1338と同様な温度応答材料から製造し、温度に応じて体積を変化させる。バルブ1428はノズル1418bの拡大した第2の部分1432の内部に配される。第1および第2のプラグ1436および1438はオプションとして、例えば接着剤により、一緒に結合される。
【0090】
代替的には、図37aに示すように、バルブ1428aを修正して第1のプラグ1436に突起部1436aを含ませる。これら突起部1436aの先端は、第2のプラグ1438の穴部1438aに収容される拡大端部を具備する。突起部1436aおよび第2のプラグ1438が機構的に協働して第1および第2のプラグ1436、1438を相互に固定する。この実施例では、第1および第2のプラグ1436、1438を一体に成型してもよい。他の代替例では、第1のプラグ1436が穴部を有し、第2のプラグ1438が突起部を有してもよい。
【0091】
図36を参照すると、バルブ1428はバルブ1328と同様に動作する。開成状態(図36に示す)では、燃料流Fは邪魔されない。バルブ1428はバルブ1428上の燃料流Fの速度によって引き起こされる圧力に応答し、これは先に検討したバルブ128と同様である。バルブ1428は温度にも応答する。温度応答要素すなわち第2のプラグ1438が予め定められた閾値温度以上の温度を経験すると、第2のプラグ1438の体積が増大する。この結果、第2のプラグ1438は第1のプラグ1436を押してシール面1432aと接触させる。拡張による圧力によって、プラグ1436およびノズル1418aの間にシール接触が生じる。こうしてバルブ1428は閉成状態(図37に示す)になり、流れを減量または阻止する。
【0092】
温度が予め定められた閾値温度を下回ると、第2のプラグ1438は元の状態および体積に戻る。これにより第1のバルブ1436がシール接触から解除される。こうして、バルブ1428は開成状態(図36に示す)に復帰する。
【0093】
図38−40は、第15の実施例の環境応答バルブ1528を示している。ノズル1518bは第1、第2、および第3の部分1530、1532、および1534を有する。バルブ1528は、シール部材すなわちケーシング1536を有し、これが、温度応答要素すなわちプラグ1538を部分的に封入する。ケーシング1536は好ましくは弾性材料のようなシール材料から製造する。ケーシング1536は、円筒状のプラグ1538を収容し、または部分的に被覆する、空洞円筒である。
【0094】
プラグ1538は温度に応じてその体積を変化させることが可能な材料から製造する。プラグ1538は、先に説明したプラグ1338と同様な温度応答材料から製造する。バルブ1528はノズル1518bの拡大した第2の部分1532の内部に配される。ケーシング1536およびプラグ1538は当業者に知られているツーショット成型処理により製造できる。この成型処理により、これら部材は一体に結合される。代替的には、接着剤を用いてこれら部材を結合しても良く、これら部品を金属から製造する場合には、殊更である。スナップフィッティングや圧縮フィッティングで結合してもよい。
【0095】
バルブ1528はバルブ1328と同様に動作する。初期状態すなわち非作動状態(図39に示す)では、燃料流Fは邪魔されない。バルブ1528はバルブ1528上の燃料流Fの速度によって引き起こされる圧力に応答し、これは先に検討したバルブ128と同様である。バルブ1528は温度にも応答する。温度応答要素すなわちプラグ1538が予め定められた閾値温度以上の温度を経験すると、プラグ1538の体積が増大する。この結果、プラグ1538はケーシング1536を拡大させてシール面1532aと接触させる。拡張による圧力によって、ケーシング1536およびノズル1518aの間にシール接触が生じる。こうしてバルブ1528は閉成状態(図40に示す)になり、流れを減量または阻止する。
【0096】
温度応答要素すなわちプラグ1538の温度が予め定められた閾値温度を下回ると、プラグ1538およびケーシング1536は元の状態および体積に戻る。これによりケーシング1536がシール接触から解除される。こうして、バルブ1528は開成状態(図39に示す)に復帰する。
【0097】
図41−43は、第16の実施例の環境応答バルブ1628を示している。ノズル1618bは第1、第2、および第3の部分1630、1632、および1634を有する。バルブ1628は、シール/温度応答要素すなわち第1のプラグ1636と、温度応答要素すなわち第2のプラグ1638とを有する。第1および第3のプラグ1636、1638はともに温度応答要素である。第1のプラグ1636は予め定められた閾値温度以上の温度で予め定められた量だけ軟化することができる。第1のプラグ1636は好ましくはポリマー材料のような軟化性でシール性の材料から製造される。第1のプラグ1636を製造するのに適した商業的に入手可能な材料は、パラフィンである。
【0098】
第2のプラグ1638は予め定められた閾値温度以上の温度で体積を変化させることができる。第2のプラグ1638は好ましくは先に説明したプラグ1338と類似の温度応答材料で製造される。代替的には、第2のプラグ1638はワックスバイアス部材(例えば図11の部材438)または温度応答バイアス発泡体のような温度応答性成分から製造される。
【0099】
開成状態(図41に示す)では、燃料流Fは邪魔されない。バルブ1628はバルブ1628上の燃料流Fの速度によって引き起こされる圧力に応答し、これは先に検討したバルブ128と同様である。バルブ1428は温度にも応答する。第1および第2のプラグ1636、1638が予め定められた閾値温度以上の温度を経験すると、第1のプラグ1636が予め定められた量だけ軟化し、第2のプラグ1638の体積が増大する。この結果、第2のプラグ1638は第1のプラグ1636を押してシール面1632aと接触させる(図42に示す)。第2のプラグ1638の拡張による圧力によって、軟化した第1のプラグ1636の一部が変形してノズル部分1634に入り込み、第1のプラグ1636およびノズル1618aの間にシール接触が生じる。こうしてバルブ1628は閉成状態(図43に示す)になり、流れを減量または阻止する。
【0100】
作動後に、第1および第2のプラグ1436、1438の温度が予め定められた閾値温度を下回ると、プラグ1436、1438は元の状態および体積に戻る。これにより第1のバルブ1636がシール接触から解除される。
【0101】
図32−43の実施例は復帰バネ140、141と類似の復帰バネを含んで良い。このような復帰バネにより、このようなバルブの圧力応答性を除くことができ、またこのようなバルブの圧力応答性を制御できる。
【0102】
図44および45は、第17の実施例の環境応答バルブ1700を示している。バルブ1700は本体1702、キャップ1704、温度応答要素1706、プランジャ1708、復帰バネ1710、およびシール部材すなわちOリング1712を有する。
【0103】
図46および図47を参照すると、本体1702は段差のある通路1714、1716、1718を有する。第1の通路1714は第2の通路1716より大きい。第1の通路1714はさらに径方向に対向するリセス1714a(図46の最も良く示される)。第2の通路1716はシール面1716aを有する。第3の通路1718は本体1702を通じて流れる流体の出口通路である。
【0104】
図48を参照すると、キャップ1704は基部1720および側壁1722を有し、側壁1722は基部1720から外側に伸びる。基部1720はさらに入口通路1724(図44に最も良く示される)を有する。側壁1722は複数の径方向に対向する側壁部分1722a,bを有する。第1の側壁部分1722aは第2の側壁部分1722bより短い。図44を参照すると、キャップ1704を本体1702に装着すると、第2の側壁1722bがリセス1714aに収容されバネ指示面1724とプランジャ1708との間にギャップgが形成される。
【0105】
図44を参照すると、温度応答要素1706は記憶金属の矩形片である。片1706は非均一の厚さに修正しても良い。厚さが一様でない楕円片1706a(図45aに示す)を用いても良く、これが温度応答材料を内包しても良い。この発明は上述の特定の形状に限定されない。
【0106】
さらに図44を参照すると、片1706を製造するために適した材料はNitirolまたはCuZnAlの記憶金属のような合金である。片1706は好ましくは第1の側壁部分1722aのバネ指示面1724に保持される。片1706に1または複数の開校728を形成して流体が流れるようにして良い。バネ材料が室温のときには、片1706は「弱められた」状態であり弱い歪み(所定のNiTi金属について約6%)しか示さない。この弱められた状態では、片1706はマルテンサイト状態でもあり、曲げ弾性率は材料の最小値に近い。
【0107】
図44、49および50を参照すると、プランジャ1708は第1の面1730aおよび第2の面1739bを具備するプラットホーム1730を有する。第1の面1730aは、係止面1734を具備して周回して伸びる側壁1732とバネ接触部材1736を有する。バネ接触部材1736はバネ接触面1736aへとテーパを付されている。プラットホーム1730の第2の面1730bは段差のある幹部1738を有し、これは第1の幹部分1738aおよび第2の幹部分1738bを有する。第1および第2の幹部分1738a、bはOリングのシート1740を形成するような寸法とされている。
【0108】
図44、47および48を参照すると、プランジャ1708が本体1702内に装備されると、プランジャ1708の第1の幹部分1738aが第1および第2の通路1714および1716内に収容される。プランジャ1708の第2の幹部分1738bは出口通路1718に収容される。
【0109】
図44を参照すると、復帰バネ1710は好ましくは本体1702の第1の通路1714内でプランジャ1708の第1の幹部分1738aの回りに配置される。復帰バネ1710はプランジャのプラットホーム1730の第2の面1730bに接触する。好ましくは、復帰バネ1710は圧縮されて力を加え、これにより「弱められた」状態で片1706に約6%の歪みを生成される。図44および50を参照すると、Oリング1712が好ましくはプランジャのOリングシート面1740に配置される。
【0110】
バルブ1728の動作を図44−45を参照して説明する。開成状態(図44に示す)では、燃料流Fは邪魔されない。バネ1710のバネ定数を選定してバルブ1700が圧力に応答するようになす。
【0111】
バルブ1728は温度にも応答する。温度が予め定められた閾値温度を下回っていると、バルブ1728は開成状態(図44に示す)である。この状態では、片1706は弱められており、復帰バネ1710は十分な力をプランジャ1708に与え、バネ接触面1736a(図50参照)は片1706に接触してこれを曲げる。Oリング1712は非圧縮状態(図示のとおり)である。この結果、Oリング1712およびシール面1716aの間にシールは形成されない。この結果、燃料Fは入口通路1724、片1706のオリフィス1728、ギャップg、第1の通路1714、プランジャ1708の回り、Oリング1712内部、おより出口室部1718を介して燃料電池FCへ流れる。
【0112】
温度応答要素すなわち片1706が予め定められた閾値温度以上の温度を経験すると、片1706は状態変化を経験し、元の平坦な状態(図45に示す)に戻ろうとする。この状態変化により、片1706はオーステナイト状態であり、その曲げ弾性率はマルテンサイト状態の2.5倍の固さである。片1706は、ほぼ平坦になると、プランジャ1708を介して復帰バネ力より大きな力を復帰バネ1710に加える。この結果、プランジャ1708は本体1702内を移動してOリング1712を押しつけ、Oリング1712およびシール面1716aの間にシールを形成する。このようにして流れが減量または阻止される。片1706のオーステナイト状態の歪みはNiTiについては約2%から3%であり、片1706からプランジャ1708に一定の力が加わり、温度上昇時にバルブ1700をシール状態に保つ。
【0113】
記憶金属の片1706が冷えて予め定められた温度を下回ると、片1706は元の「弱められて」すなわちマルテンサイト状態に戻り、復帰バネ1710はプランジャ1708を移動させOリング1712を圧縮から解除してバルブ1700を開成して燃料を通過させる。こうしてバルブ1700が開成状態(図44に示す)に戻り、温度が予め定められた温度を下回ったのちに自動的にリセットする。
【0114】
図51−52は、第18の実施例の環境応答バルブ1800を示している。バルブ1800は本体1802、キャップ1804、プランジャ1808、復帰バネ1810、およびシール部材すなわちOリング1812を有する。バルブ1888は、温度応答要素を除いてバルブ1700と類似している。
【0115】
温度応答要素1806は内側本体1806aおよびダイアフラム1806bを有する。内側本体1806aおよびバルブ本体1802は少なくとも1つの流れ通路がその間に形成されるような構造および寸法にされる。内側本体1806aは、上側に伸びる開口を具備する室部1807bを形成する。室部1807bは温度応答ワックス1807cで満たされている。内側本体1806aの上方に伸びる開口は、それに連結された拡張可能なダイアフラム1806bによって閉じられている。ダイアフラム1806bは、好ましくは、圧力下で拡大し、また元の形状に復帰することが可能な弾性材料または金属材料から形成される。
【0116】
バルブ1800はバルブ1700と同様に動作する。図51において、バルブ1800は開成状態で示されており、この図において、ダイアフラム1806bは下方に曲げられており、復帰バルブ1810はOリング1812を非圧縮の状態で保持してバルブ1800を介した燃料流Fが許容される。バネ1810の設計に基づいてバルブ1800は圧力に応答しない。
【0117】
バルブ1800は温度にも応答する。温度が上昇して予め定められた閾値温度以上になると、ワックス1807cが融解温度まで加熱され、液体化して約10%から約15%のオーダーで拡大する。調合が異なれば、拡大比率が変化する。ワックス1807cが拡大すると、ダイアフラム1806bが拡大してプランジャ1808を上方に押して復帰バネ1810およびOリング1812を圧縮する。この結果、Oリング1812およびシール面1816aの間にシールが形成されバルブ1800を介する燃料流が減量または阻止される。図52ではワックス1807cが拡大し、バルブ1800が閉成状態である。
【0118】
ワックス1807cが冷却されて予め定められた閾値温度を下回ると、ワックス1807cは体積を減少させ、固定化し、復帰バネ1810がダイアフラム1806bに打ち勝ってプランジャ1808を移動させ、Oリング1812の圧縮を解除し、バルブ1800を開成させて燃料を流す。この過程は繰り返し可能である。ワックス1807をここで検討した任意の温度応答材料、例えば、バイメタルバネ、沸点が燃料より小さな液体で、置換できる。
【0119】
図53に示すように、ダイアフラム1806bを省略してワックス1807cが拡大して直接にプランジャ1808を押しても良い。この場合、プランジャおよびワックスの容器の間にシールが形成される。プランジャ1808はバイアスされてOリング1812を圧縮する。代替的には、プランジャ1808がシール材料から製造されていれば、Oリング1812を省略できる。また、バルブ1800はオプションとしてバネ1822によりバイアスされる、行き過ぎプランジャ1820を有しても良い。バイアスされた、行き過ぎプランジャは、ワックスの拡張の一部を吸収してOリング1812が圧縮されすぎないようにする。
【0120】
図54は、第19の実施例の環境応答バルブ2440を示している。バルブ2440は、バルブ部分2440aおよび調整バルブ部分2440bを有する。バルブ部分2440aは米国特許出願公開US2005/0022883に十分に開示された2要素バルブの1つの要素であり、これについては先に参照してここに組み入れた。バルブ部分2440aは外側ハウジング2444を有し、これが開口2446を形成し、この開口2446はプランジャ2448、バネ2450、係止部2450およびOリング2456を収容するように構成される。係止部2452は、バネ2450に対してベアリングとして動作し、その周囲に複数の開口2454を形成する。シール位置において、バネ2450はプランジャ2448およびOリング2456をバイアスして外側ハウジング2444のシール面2458とシール係合させる。バネ2450は金属、エラストマーまたはゴムから製造できる。バネ2450は、Buna N Nitrile、その他の二トリルゴム、エチレンプロピレン、ネオプレン、EPDMゴム、またはVitron(商標)フルオロエラストマーを含む弾性ゴムから製造でき、要求される機構特性、および燃料サプライに貯蔵される燃料に応じたものとする。
【0121】
調整バルブ部分2440bは外側ハウジング2460を有し、これが段差のある内側室部2462を形成する。フィラー2464、バネ2466、およびボール2468が内側室部2462に収容される。
【0122】
フィラー2464は、燃料カートリッジ10を燃料電池FCから切断したときにバルブ2440内に残る燃料を吸収し保持することが可能な吸収または保持材料から製造される。適切な吸収材料は、これに限定されないが、親水性ファイバ、例えば、幼児用のおむつに使用されるもの、膨張ゲル、例えば生理用ナプキンに使用されるもの、またはこれらの組み合わせである。さらに、吸収材料は燃料に混合される添加物を含んでも良い。フィラー2464はバルブ部分2440a,bが接続されるとき、圧縮されて良く、バルブ部分2440a,bが接続解除されるときに圧縮解除されて良い。これらのフィラーはここで検討する任意のフィラーに採用可能である。
【0123】
チェックバルブ部分2440aを開成するには、第2のチェックバルブ要素がプランジャ2448に接触して係止部2452側へ移動させてバネ2450を圧縮させる。Oリング2456が移動してシール面2458から外れて流路を開く。
【0124】
バルブ部分2440bは圧力に応答する。予め定められた閾値圧力以上の速度で流速Fが生じると、燃料Fがボール2469を面2469の接触から外し、しかも面2470に接触しないようにし、これにより、調整バルブ部分2440bからチェックバルブ部分2440aへの燃料流Fが生じる。これを部分的に図54に示す。Oリング2456および面2458の間のシールが開くと、燃料はプランジャ2448の回りを流れてチェックバルブ2440aへと流れる。
【0125】
燃料流Fが予め定められた閾値を越えると、大きな流れがさらにバネ2466を圧縮してボールを移動させて面2470に接触させ、燃料流Fを減量または阻止する。これは図55に示すとおりである。燃料流Fが減少して予め定められた閾値圧力を下回ると、バネ2466がボール2468を元の位置に戻し、これによりバルブ部分2440bを自動的にリセットする。バネ2468の要不要は、自動的リセット機能が必要かどうかに依存する。ボール2468は要素1136と類似の鋭い選択を具備しても良い。
【0126】
図56は、第20の実施例の環境応答バルブ30000を示しており、これはカートリッジ10(図1)と係合でき、またその内部に配置でき、あるいは燃料電池FCまたは再充填装置と係合できる。この構成において、バルブ3000はノズル18b(図1)と結合され、またはその内部に収容される。バルブ3000は、入口3004および出口3006を具備する主通路3000を有する。入口3004は燃料室部20に結合され、出口3006は燃料電池FCに接続される。バルブ3000はさらに戻り通路3008、3010、および3012を有する。戻り通路3008、3010、および3012は燃料カートリッジ10内の個別の戻り貯蔵室部に結合される。
【0127】
バルブ3000は可動プランジャ3014、復帰バネ3016、係止部3019およびフィラー3020を主通路3002内に有する。プランジャ3014は、例えば、燃料Fと相性がよい弾性またはポリマー材料から製造される。復帰バネ3016はプランジャ3014の下流にある。係止部3019はバネ3016に対してベアリング面として働き、燃料流に対する開口を形成する。係止部3019の下流にオプションのフィラー3020を設けても良く、これは先に説明したフィラー要の材料であって良い。
【0128】
バルブ3000は圧力に応答する。予め定められた第1の閾値圧力以下の燃料流しか生じないと、復帰バネ3016は圧縮されずにプランジャ3014は全体として静止状態に止まる。この結果、プランジャ3014は戻り通路3008、3010および3012の上流の第1の位置(図55に示す)に位置する。燃料Fは、プランジャ3002内に形成された通路を通じて自由に流れる。プランジャ3014は主通路3002の内部に丁度収まるサイズおよび寸法とされ、燃料はプランジャ3014の回りを流れない。例えば、プランジャ3014は、それ自体と通路3002の癖部との間に弾性ワイパを具備しても良い。これは注射器に類似するものである。
【0129】
予め定められた第1の閾値圧力以上の速度で流速Fが生じると、このより速い流れがバネ3016を押してプランジャ3014を、戻り通路3008より下流で、かつ戻り通路3010および3012の上流の第2の位置(図57に示す)に移動させる。この位置では、燃料流Fの一部F1が戻り通路3008に入り込み、カートリッジ10の貯蔵部へと流れる。これにより出口3006への燃料の流れが安定化され、過剰な流れは戻り通路3008を通じて排出される。
【0130】
予め定められたより大きな第2の閾値圧力以上の速度で流速Fが生じると、このより速い流れがバネ3016を押してプランジャ3014を、戻り通路3010より下流で、かつ戻り通路3012の上流の第3の位置(図58に示す)に移動させる。この位置では、燃料流Fの部分流F1およびF2が戻り通路3008、3010に入り込み、カートリッジ10の貯蔵部へと流れる。これにより出口3006への燃料の流れが、より大きな圧力の下でも、安定化され、さらなる過剰な流れが戻り通路3008および3010を通じて排出される。
【0131】
予め定められたより大きな第3の閾値圧力以上の速度で流速Fが生じると、このより速い流れがさらにバネ3016を押してプランジャ3014を、戻り通路3012の下流の第4の位置(図59に示す)に移動させる。この位置では、燃料流Fの部分流F1、F2およびF3が戻り通路3008、3010および3012に入り込み、カートリッジ10の貯蔵部へと流れる。これにより出口3006への燃料の流れが、より大きな圧力の下でも、安定化される。任意の個数の戻り通路を採用しても良い。
【0132】
燃料流Fが減少して予め定められた閾値を下回ると、バネ3016がプランジャ3014を元の位置に戻し、自動的にバルブ3000をリセットする。バネ3016の要不要は、自動的リセット機能が必要かどうかに依存する。
【0133】
図60−62はこの発明の第21の実施例を示す。バルブ部分3100は圧力応答部分3102を有し、これが複数の襞(ひだ)3104を具備する。バルブ部分3100は燃料カートリッジ10を燃料電池FCに結合する。圧力応答部分3102は、予め定められた圧力で、図62に示すように、襞3102を拡大する。拡大された部分3102においては、拡大された流れ面積に起因して燃料流が減少し、これによって、過剰な流れが燃料電池に至らないようにする。過剰な燃料を保持するのに利用できる拡大された体積量は、想定される使用燃料または燃料カートリッジ10の体積に固定される。適切なバルブ部分3100の選択を支援する評価システムを開発できる。例えば、評価システムは、部分3102が拡大する圧力、燃料電池を防護するための圧力、および/または燃料カートリッジの体積に基づくものにできる。例えば、拡大された部分3102の体積は燃料カートリッジの体積の10%−90%にできる。
【0134】
図63−65はこの発明の第22の実施例を示す。バルブ部分3200は、ルブ部分3100と類似している。ただし、圧力応答部分3202は弾性材料、例えばゴムから製造される。予め定められた圧力以上で拡張された後に、圧力が予め定められた閾値を下回ると、拡大された部分3202はその弾性に起因して収縮して燃料をカートリッジ10から燃料電池へと押し出してもよい。
【0135】
図66A−66Dおよび67は第23の実施例の環境応答バルブ要素4440を種々の動作段階で示す。バルブ要素4440米国特許出願公開US2005/0022883に十分に開示されている2要素バルブの1つの要素であり、その内容は先に参照してここに組み入れた。バルブ要素4440はバルブハウジングまたは本体4444、プランジャ4448およびシール要素4436を有する。図66Aに示すように、バネ4450はバルブ本体4444の内部に圧縮状態で保持され、バネ保持部4452により支持されている。バネ4450はプランジャ4448を外側にバイアスしてシール要素4436の第1のシール面4443をバルブシート面4458に押しつけてバルブ要素4440の内部にシールを形成する。シール要素4436は、また、第2の環状のシール面4445(図67に示す)を含み、これがプランジャ4448とシールを形成する。
【0136】
図66A−66Dおよび67の実施例では、シール要素4436が環状のシール面4445に止め部4460を有し、これがプランジャ4448の対応する溝4447に係合する。このようにしてバルブおよびシール要素とプランジャとが強固に相互結合されて保持される。他の実施例では、止め部は1または複数の結び目または突起部を有してよい。他の実施例において、止め部はプランジャ上に設けられ、シール要素の環状のシール面に溝が形成されても良い。
【0137】
止め部4460および溝4447の間の係合は、シール要素4436をプランジャ4448に開放可能に結合するようなものである。図66Bに示すように、プランジャ4448が、第2のバルブ要素(図示しない)の対応するプランジャにより押圧されると、シール要素4436がプランジャ4448とともに後方へ移動してバルブ要素4440の開口4441を介して燃料が入り込み燃料を燃料電池に供給する。ただし、動作中に、温度が上昇して燃料カートリッジ内の圧力がそれに応じて増大すると、過剰な圧力がシール要素4436の背面4457に働きシール要素4436をプランジャ4448から離してシール要素を、第1のシール面4443がバルブシート面4458とシールを形成するまで前方へ移動させる。これを図66Cに示す。この発明の1実施例では、止め部4460および溝4447の相互結合は、25°Cから55°Cの範囲で約2psi以上の圧力上昇があると外れるようなサイズにされている。図66Dに示すように、第2のバルブ要素のプランジャ4465が後退してプランジャ4448との係合が解除されると、バネ4450がプランジャ4448を閉成位置に戻す。プランジャ4448が前方方向へ移動すると止め部4460が溝4447に入り直してシール要素4436がリセットされる。
【0138】
このようにして、シール要素は、特定の温度および関連する圧力で燃料の流れを制限し、または停止する。そのようにしないと所望の流れより大きな燃料の流れが生じてしまう。この発明のシール要素は設計上単純であり、燃料と相性がよく、コストも小さく、燃料の温度/圧力が減少するとリセットすることができるものである。さらに、シール要素は小型で小スペースに実装でき、燃料電池のどのような方向にあっても動作可能である。
【0139】
他の実施例において、シール要素4436は、シール要素の環状シール面およびプランジャの間の縛りばめ(interference fit)を介してプランジャ4448に結合され、これによりプランジャ上の要素が止め部および溝の構成を採用しないですむ。縛りばめは所定の温度および圧力で外れてバルブおよびシール要素を遮断状態に移動させる。さらに他の実施例では、リップシールがシール要素の環状面に配置される。バルブおよびシール要素が開成位置に移動しているときに、リップシールはプランジャの外側面と係合を維持し、バルブおよびシール要素が遮断位置に移動するときに、リップシールはプランジャに沿って移動する。
【0140】
図68A−68Dおよび69は第24の実施例の環境応答バルブ要素4540を種々の動作段階で示す。バルブ要素4540米国特許出願公開US2005/0022883に十分に開示されている2要素バルブの1つの要素であり、その内容は先に参照してここに組み入れた。バルブ要素4540はバルブハウジングまたは本体4544、プランジャ4548およびシール要素4536を有する。図68Aに示すように、閉成位置では、バネ4550は、バルブ本体4544の内部に圧縮状態で保持され、バネ保持部4552および4582の間に支持されている。バネ4550はプランジャ4548を外側にバイアスしてシール要素4536の第1のシール面4543をバルブシート面4558に押しつけてバルブ要素4540の内部にシールを形成する。シール要素4536は、また、プランジャ4548とシールを形成する第2の環状のシール面4545(図69に示す)と、以下に説明する構成でバルブ室部の側壁4555とシールを行う第3のシール面4553とを有する。
【0141】
図68A−68Dおよび69の実施例では、シール要素4536は第2のシール面4545に沿ってシール状態でプランジャ4548に結合される。図68Bに示すように、第2バルブ要素(図示しない)の対応するプランジャ4565がプランジャ4548を押圧すると、シール要素4536がプランジャ4548とともに後方へ移動してバルブ要素4540の開口4541を介して燃料が入り込み燃料を燃料電池に供給する。ただし、動作中に、温度が上昇して燃料カートリッジ内の圧力がそれに応じて増大すると、過剰な圧力がシール要素4536の背面4557に働きシール要素4536をヒンジ部4551で曲げて、第3のシール面4558がバルブ室部側壁4555、バルブシート面4558、または隣接の傾斜面と接触し、流れを制限し、また完全に阻止する。この発明の1実施例では、ヒンジ部4551は、25°Cから55°Cの範囲で約2psi以上の圧力上昇があると曲がるようなサイズにされている。図68Dに示すように、第2のバルブ要素のプランジャ4565が後退してプランジャ4548との係合が解除されると、バネ4550がプランジャ4548を閉成位置に戻す。閉成位置に移動する際に、第3のシール面4553が、リップシールと同様の態様で、第1のシール面4543がバルブシート面4558に戻るまで、バルブ室部の側壁4555に沿ってスライドする。この位置で、第3のシール面4553は元の状態に戻り、シール要素4536をリセットする。
【0142】
他の実施例では、図66Cに示されるシール要素と同様に、シール要素4536がプランジャ4548と非結合であってよい。これにより過剰な圧力下で、第3のシール面4553がバルブ室部側壁4555に沿って第1のシール面4543がバルブシート面4558に戻るまでスライドし、この位置で、第3のシール面4553が元の位置に戻る。この後、図66Dの実施例の動作と同様に、第2のバルブ要素のプランジャ4565がプランジャ4548の係合から後退すると、バネ4550がプランジャ4548を閉成位置に戻す。プランジャ4548が前方へ移動すると、これがシール要素4536をプランジャへと再位置づけされる。これは、上述した保持機構、例えば、止め部および溝、縛りばめおよび/またはリップシールの1つの相互作用により行われる。
【0143】
図70に示す他の実施例では、シール要素4636をプランジャ部分4648に永久的に固定され、または一体に製造されて単一の要素を構成する。このような単一の要素は例えばツーショット成型方法またはシール部材とプランジャ部分の溶接により製造される。代替的には、シール要素4636およびプランジャ部分4648を例えば射出成型により1つの部品として製造する。単一のシール要素4636を、上述した第1のバルブ要素4440、4540のバルブ構造とともに採用してよい。ただし、この実施例では、過剰な温度および圧力が燃料カートリッジ中に生成されると、過剰な圧力がシール要素4636の背面4657に働き、第1のシール面4643がバルブシート面に再配置されるまで単一要素を移動させ、燃料流を制限し、さらに遮断する。
【0144】
このようにして、図70の実施例に従う単一要素を、第2のバルブ要素中に対応するバネ負荷プランジャを具備する2要素バルブ構成において用いると(図66Bおよび68Bに示すプランジャ4465、4565に類似する)、シール要素4636上の圧力の増大により、第2のバルブ要素の対応するプランジャ上に働くプランジャ4648の力が大きくなる。このようにして第2のバルブ要素のプランジャが、シール部材4636の第1のシール面4643がバルブシート面間で移動してシールを形成するまで、第2のバルブ要素中へと押し戻され、これにより燃料流が制限され、さらに停止される。この実施例では、シール要素4636は図69に示すような「ヒンジ」であったり柔軟であったりする必要もない。ただし、その形状を図67および図69に示される実施例と類似にして燃料カットリッジ側の圧力の増大を利用して要素をシール位置に移動させる必要がある。
【0145】
他の実施例では、シール要素4636をより堅固な材料から製造して背面4657上の圧力が増大するとプランジャ部分4648が、例えば燃料電池の対応する第2のバルブ要素のプランジャをより強く押すようにする。この実施例では、燃料電池のバルブを開成する力(例えば500g)は燃料カートリッジのバルブを開成する力(例えば450g)より若干大きく、燃料カートリッジバルブ中でこの過剰な力がストップ(例えば50g)に作用する。このようにして、燃料カートリッジ中で圧力が増大してシール要素4636(例えばたかだか150g)に作用すると、その力は燃料カートリッジのバルブ力(450g)と組合わさって燃料バルブを閉成する力より大きくなり(100gだけ)、これにより燃料バルブがさらに開成する(この例では、燃料電池プランジャが移動する量はシール要素4636が移動して燃料カートリッジバルブを閉成する距離と必然的に等しい)。ただし、シール要素4636が収縮してバルブを閉じるならば、第1のバルブ要素のプランジャが移動する距離がより短くてよい。これはつぎの実施例を参照して検討する。
【0146】
他の実施例において、シール要素4636は適切な材料を用い、燃料カートリッジからの圧力がその背面4657に作用する組み合わせで半径方向部分がヒンジで曲がるような厚さに設計される。このように曲がると、シール要素4636の面4653バルブ室部側壁、バルブシート面または隣接する傾斜面に極めて接近しまたは接触して予め定められた圧力および/または温度でバルブを制約または閉止する。図70に説明されるさらに他の実施例において、オプションの結合部材4680がバネ保持部分を含み、これを用いてシール要素4636をバルブ要素の残りの構造とともに取り付けてよい。
【0147】
上述のとおり、環境応答材料または要素は、温度、または圧力、また速度に対して例えば環境応答バネのように段階的に反応して良く、また緩やかまたは迅速な反応、例えば液体から気体への相変化、またはバイメタルバネを有してよい。双方の反応はこの発明の範囲内である。
【0148】
他の適切な温度応答材料をこの発明とともに採用して良い。例えば、温度応答ポリマー、その他の材料を採用できる。温度応答または熱反応性ポリマーは温度の変化に応じて膨らみ、または収縮するポリマーである。温度応答ポリマーは、上方境界融解温度(UCST)または下方境界融解温度(LCST)の一方を伴うポリマーである。これらポリマーは生物学的用途に用いられてきた。これらポリマーは米国特許第6699611号(B2)およびその引用文献に説明されている。611特許およびその引用文献の内容は参照してここに組み入れる。温度応答材料の例は、これに限定されないが、ポリ(アクリル酸)およびポリ(N,Nジメリルアクリルアミド)からなる相互貫入組織(Interpenetrating Network、IPN)、ポリ(アクリル酸)およびポリ(アクリルアミド−コ−ブチルアクリレート)からなるIPN、およびポリ(ビニルアルコール)およびポリ(アクリル酸)からなるIPN、その他である。また適切な温度応答材料は熱膨張係数が大きな材料を含む。事例的な材料は、これに限定されないが、亜鉛、鉛、マグネシウム、アルミニウム、錫、青銅、銀、ステンレス鋼、銅、ニッケル、炭素鋼、鉄、金、その他、およびこれらの合金を含む。
【0149】
さらに、上述したバイメタルバネを任意の温度応答バネで置き換えることができ、これにはポリマーバネまたは金属バネが含まれる、好ましくは、金属またはポリマーを、予め定められた閾値温度以上の熱膨張率が十分に大きくバルブを閉じることが可能なように選択する。
【0150】
また、上述したこの発明のバルブを修正して、温度、圧力、または他の環境要素により一旦作動した後には、バルブが燃料の燃料電池への流れを遮断し、高温または高圧が除去された後も再開成しないようにできる。これを実現する手法は、復帰バネまたは復帰バネ力を省略して一旦起動されたバルブが非作動状態に復帰して流れを許容することがないようにするというものである。
【0151】
さらに、少なくとも圧力または速度応答バルブに関しては、これらバルブを逆の方向に取り付けて燃料電池からの逆流を阻止するようにできる、これは図22−25において説明した実施例と同様である。
【0152】
ここに開示された発明の例示的な実施例がこの発明の目的を達成することは明らかであるが、当業者が種々の変形や他の実施例を構成できることは容易に理解できる。さらに、任意の実施例の特徴および/または要素を、単独で、または他の実施例の特徴および/または要素と組み合わせて使用できる。添付の特許請求の範囲は、これらすべての変形例や実施例を、その趣旨を逸脱することなくカバーすることを意図するものであることは、容易に理解できる。
【0153】
添付図面は明細書の一部を形成し、明細書との関連において理解されるべきであり、種々の図において類似の参照番号は類似の部分を示すために用いられる。添付図面は以下のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0154】
【図1】この発明の燃料サプライとともに用いられる家庭用電化製品を、燃料サプライを取り外した状態で示す模式的な斜視図である。
【図2】図1の燃料サプライの模式的な斜視図である。
【図3a】燃料サプライ中に用いられる第1の実施例の環境応答バルブを開成状態で示す部分断面図である。
【図3b】図3aの第1の実施例の環境応答バルブを閉成状態で示す部分断面図である。
【図4a】この発明の実施例で利用可能な位置決め機構の部分断面図である。
【図4b】図4aの機構の代替機構の部分断面図である。
【図4c】図4aの機構の代替機構の部分断面図である。
【図4d】図4aの機構の代替機構の部分断面図である。
【図5】燃料サプライ中に用いられる第2の実施例の環境応答バルブを開成状態で示す部分斜視図である。
【図6】図5の第2の実施例のバルブを閉成状態で示す部分斜視図である。
【図7】燃料サプライ中に用いられる第3の実施例の環境応答バルブに用いられるバイメタルバネの斜視図である。
【図8】第3の実施例の環境応答バルブを開成状態で示す部分断面図である。
【図9】図8の第3の実施例のバルブを閉成状態で示す部分断面図である。
【図10】燃料サプライ中に用いられる環境応答バルブの第4の実施例に用いられる他のバイメタルバネの斜視図である。
【図11】第4の実施例のバルブを開成状態で示す部分断面図である。
【図12】図11の第4の実施例を閉成状態で示す部分断面図である。
【図12a】図11に示されるバルブの代替実施例の部分断面図である。
【図12b】図11に示されるバルブの代替実施例の部分断面図である。
【図13】第5の実施例の環境応答バルブを開成状態で示す部分断面図である。
【図14】図13の第5の実施例のバルブを閉成状態で示す部分断面図である。
【図15】第6の実施例の環境応答バルブを開成状態で示す部分断面図である。
【図16】図15の第6の実施例のバルブを閉成状態で示す部分断面図である。
【図17】第7の実施例の環境応答バルブを開成状態で示す部分断面図である。
【図18】図17の第6の実施例のバルブを閉成状態で示す部分断面図である。
【図19】この発明の種々のバルブ中に用いられるバイメタルバネの種々の実施例の断面図である。
【図20】この発明の種々のバルブ中に用いられるバイメタルバネの種々の実施例の断面図である。
【図21】この発明の種々のバルブ中に用いられるバイメタルバネの種々の実施例の断面図である。
【図22】この発明の第8の実施例を非作動位置で示す部分断面図である。
【図23】図22のバルブを作動位置で示す部分断面図である。
【図24】図22のバルブを他の作動位置で示す部分断面図、またはこの発明の第9の実施例を非作動位置で示す部分断面図である。
【図25】図24の第9の実施例の代替的な位置決めを示す部分断面図である。
【図26】第10の実施例の環境応答バルブを開成状態で示す部分断面図である。
【図27】図26の第10の実施例のバルブを閉成状態で示す部分断面図である。
【図28a】第11の実施例の環境応答バルブを開成状態で示す部分断面図である。
【図28b】図28aの第11の実施例の環境応答バルブを閉成状態で示す部分断面図である。
【図29a】第11の実施例のバルブの代替実施例を開成状態で示す部分断面図である。
【図29b】図29aの第11の実施例のバルブを閉成状態で示す部分断面図である。
【図30】第12の実施例の環境応答バルブを開成状態で示す部分断面図である。
【図31】図30の第12の実施例のバルブを閉成状態で示す部分断面図である。
【図32】第13の実施例の環境応答バルブのシール部材を示す斜視図である。
【図33】第13の実施例を開成状態で示す部分断面図である。
【図34】図33の第13の実施例のバルブを閉成状態で示す部分断面図である。
【図35】図33の第13の実施例のバルブを他の閉成状態で示す部分断面図である。
【図36】第14の実施例の環境応答バルブを開成状態で示す部分断面図である。
【図37】図36の第14の実施例のバルブを閉成状態で示す部分断面図である。
【図37a】図3に示されるバルブの代替実施例を示す部分断面図である。
【図38】第15の実施例の環境応答バルブを示す斜視図である。
【図39】図38の第15の実施例のバルブを開成状態で示す部分断面図である。
【図40】図39の第15の実施例のバルブを閉成状態で示す部分断面図である。
【図41】第16の実施例の環境応答バルブを開成状態で示す部分断面図である。
【図42】図41の第16の実施例のバルブを閉成状態で示す部分断面図である。
【図43】図41の第16の実施例のバルブを他の閉成状態で示す部分断面図である。
【図44】第17の実施例の環境応答バルブを開成状態で示す断面図である。
【図45】図44の第17の実施例のバルブを閉成状態で示す部分断面図である。
【図45a】図44に示すバルブに用いられる圧力応答部材の他の実施例を示す部分断面図である。
【図46】図44のバルブに用いられる本体を示す斜視図である。
【図47】図46の本体矢印47−47に沿って示す断面図である。
【図48】図44のバルブに用いられるキャップを示す斜視図である。
【図49】図44のバルブに用いられるプランジャの斜視図である。
【図50】図44のバルブに用いられるプランジャの斜視図である。
【図51】第18の実施例の環境応答バルブを開成状態で示す断面図である。
【図52】図51の第18の実施例のバルブを閉成状態で示す断面図である。
【図53】図51のバルブの他の実施例を示す断面図である。
【図54】この発明の他の側面に従う圧力応答部材を具備する第19の実施例のバルブを開成状態で示す断面図である。
【図55】図54のバルブを閉成状態で示す断面図である。
【図56】この発明の他の側面に従う圧力応答部材を具備する第20の実施例のバルブを第1の位置で示す断面図である。
【図57】図55のバルブを第2の位置で示す断面図である。
【図58】図55のバルブを第3の位置で示す断面図である。
【図59】図55のバルブを第4の位置で示す断面図である。
【図60】圧力応答部材を含む第21の実施例のバルブを非作動状態で示す斜視図である。
【図61】図60のバルブを線61−61に沿って示す断面図である。
【図62】図60のバルブを作動状態で示す斜視図である。
【図63】圧力応答部材を含む第22の実施例のバルブを非作動状態で示す斜視図である。
【図64】図63のバルブを線64−64に沿って示す断面図である。
【図65】図63のバルブを作動状態で示す斜視図である。
【図66A】この発明の他の側面に従う第23の実施例のバルブ部材を示す断面図である。
【図66B】この発明の他の側面に従う第23の実施例のバルブ部材を示す断面図である。
【図66C】この発明の他の側面に従う第23の実施例のバルブ部材を示す断面図である。
【図66D】この発明の他の側面に従う第23の実施例のバルブ部材を示す断面図である。
【図67】図66A−66Dに示されるシール部材の断面図である。
【図68A】この発明の他の側面に従う第24の実施例のバルブ部材を示す断面図である。
【図68B】この発明の他の側面に従う第24の実施例のバルブ部材を示す断面図である。
【図68C】この発明の他の側面に従う第24の実施例のバルブ部材を示す断面図である。
【図68D】この発明の他の側面に従う第24の実施例のバルブ部材を示す断面図である。
【図69】図68A−68Dに示されるシール部材の断面図である。
【図70】シール部材の代替実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0155】
118b ノズル
128 バルブ
132a,132b シール面
136 シール部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料サプライおよび燃料電池とともに使用されるように構成されたバルブにおいて、
上記バルブは、
ハウジングと、
上記ハウジングの内部に配置された環境応答部材とを有し、
上記バルブは、選択された環境要素が変化するときに、作動状態および非作動状態の間を遷移可能であり、
上記環境応答部材は、変化した環境要素に応じて上記バルブを介した燃料の流れを変更するように動作することを特徴とするバルブ。
【請求項2】
上記作動状態において減量された流れが上記バルブを介して許容される請求項1記載のバルブ。
【請求項3】
作動状態における上記バルブを介した燃料通路が非さ同状態における燃料通路より小さい請求項2記載のバルブ。
【請求項4】
上記バルブは作動状態においてシールされる請求項1記載のバルブ。
【請求項5】
上記作動状態において上記環境応答部材はシール面と協働して上記バルブをシールする請求項4記載のバルブ。
【請求項6】
上記シール面は上記ハウジングの表面に配置される請求項5記載のバルブ。
【請求項7】
上記シール面は上記ハウジングに連結される請求項5記載のバルブ。
【請求項8】
上記シール面は上記ハウジングと一体である請求項5記載のバルブ。
【請求項9】
選択された上記環境要素は上記燃料の温度である請求項1記載のバルブ。
【請求項10】
上記バルブは、上記燃料の温度が予め定められた温度を下回るときに上記非作動状態であり、上記燃料の温度が上記予め定められた温度より大きいときに上記作動状態である請求項9記載のバルブ。
【請求項11】
上記予め定められた温度は上記燃料の沸点より小さい請求項10記載のバルブ。
【請求項12】
上記予め定められた温度は上記燃料の沸点より約3°C小さい請求項11記載のバルブ。
【請求項13】
上記予め定められた温度は上記燃料の沸点より約5°Cから約10°C小さい請求項11記載のバルブ。
【請求項14】
上記燃料はメタノールである請求項11記載のバルブ。
【請求項15】
上記環境応答部材は上記燃料の沸点より小さな沸点の液体を含む請求項10記載のバルブ。
【請求項16】
上記液体の少なくとも一部がほぼ上記予め定められた温度において相変化を伴い、上記環境応答部材の体積が増加する請求項15記載のバルブ。
【請求項17】
上記液体がシール部材中に含まれ、上記シール部材が上記バルブの上記ハウジング上のシール面と協働して上記バルブをシールする請求項15記載のバルブ。
【請求項18】
上記液体は他の燃料である請求項15記載のバルブ。
【請求項19】
上記液体は少なくとも2つの他の液体の混合物である請求項15記載のバルブ。
【請求項20】
上記環境応答部材は環境応答バネを有し、上記環境応答バネは上記燃料の温度が上昇すると拡張し、上記燃料に温度が予め定められた温度に達するときに上記バルブをシールする請求項9記載のバルブ。
【請求項21】
上記温度応答バネはシール部材をバイアスし、上記シール部材が上記バルブの上記ハウジング上のシール面と協働して上記バルブを上記さ同状態においてシールする請求項20記載のバルブ。
【請求項22】
上記温度応答バネはバイメタル金属から製造される請求項21記載のバルブ。
【請求項23】
上記温度応答バネは金属材料またはポリマー材料から製造される請求項21記載のバルブ。
【請求項24】
上記温度応答バネはシール部材中に含まれる請求項21記載のバルブ。
【請求項25】
上記温度応答バネはシール部材に隣接する請求項21記載のバルブ。
【請求項26】
上記温度応答バネはコンテナ中に含まれる温度応答ワックスを有する請求項21記載のバルブ。
【請求項27】
上記温度応答バネは、コンテナ中に含まれる、燃料の沸点を下回る沸点の液体を有する請求項21記載のバルブ。
【請求項28】
上記温度応答バネはコンテナ中に含まれる気体を有する請求項21記載のバルブ。
【請求項29】
上記温度応答バネは少なくとも1つの腕部を有する請求項21記載のバルブ。
【請求項30】
上記腕部が上記シール部材と結合する請求項29記載のバルブ。
【請求項31】
上記温度応答バネはダイアフラムを有する請求項21記載のバルブ。
【請求項32】
上記環境応答部材は温度応答部材を有し、上記温度応答部材は上記燃料の温度が上昇すると拡張し、上記燃料に温度が予め定められた温度に達するときに上記バルブをシールする請求項9記載のバルブ。
【請求項33】
上記温度応答部材はシール部材と結合して動作する請求項32記載のバルブ。
【請求項34】
上記温度応答部材は上記シール部材に付着する請求項33記載のバルブ。
【請求項35】
上記温度応答部材は上記シール部材の内部にある請求項33記載のバルブ。
【請求項36】
上記温度応答材料は中間部材と結合して動作し、上記中間部材が上記シール部材と結合して動作する請求項33記載のバルブ。
【請求項37】
上記温度応答部材はバイメタル部材を有する請求項33記載のバルブ。
【請求項38】
上記バイメタル部材はダイアフラムである請求項37記載のバルブ。
【請求項39】
上記温度応答部材は温度応答ワックスを有する請求項33記載のバルブ。
【請求項40】
上記バルブはさらに上記温度応答ワックスの拡張の少なくとも一部を吸収するクッションを有する請求項39記載のバルブ。
【請求項41】
さらに第2の温度応答部材を有する請求項32記載のバルブ。
【請求項42】
選択された上記環境要素は上記環境応答部材に加えられる圧力である請求項1記載のバルブ。
【請求項43】
上記バルブは、加えられる上記圧力が予め定められた圧力を下回るときに上記非作動状態であり、加えられる上記圧力が上記予め定められた圧力より大きいときに上記作動状態である請求項42記載のバルブ。
【請求項44】
上記作動状態において上記環境応答部材は上記ハウジングのシール面と協働して上記バルブをシールする請求項43記載のバルブ。
【請求項45】
上記環境応答部材はシール部材を有する請求項44記載のバルブ。
【請求項46】
上記シール部材は液体を内包する請求項45記載のバルブ。
【請求項47】
バネが上記シール部材の内部に含まれる請求項45記載のバルブ。
【請求項48】
上記シール部材はバネと協働する請求項45記載のバルブ。
【請求項49】
上記シール部材はバネによってバイアスされる請求項45記載のバルブ。
【請求項50】
加えられる上記圧力が上記シール部材をバイアスバネに抗して押圧して上記バルブを上記さ同状態においてシールする請求項49記載のバルブ。
【請求項51】
上記シール部材がその内部に通路を形成し、上記非作動状態において上記通路が液体流路と整合し、かつ、上記作動状態において、加えられる上記圧力が上記シール部材に働いて上記通路を上記流路と整合しないようにして上記バルブをシールする請求項42記載のバルブ。
【請求項52】
上記ハウジングは少なくとも第1の流れ戻り通路を有し、上記環境応答部材はその中に通路を形成し、上記非作動状態において上記第1の流れ戻り通路が上記燃料から隔離され、上記燃料が上記環境応答部材中の上記通路を介して流れる請求項42記載のバルブ。
【請求項53】
第1の作動状態において、加えられた上記圧力が上記環境応答部材に働いて上記第1の流れ戻り通路を上記燃料に対して露出させる請求項52記載のバルブ。
【請求項54】
上記ハウジングはさらに第2の流れ戻り通路を有し、第2の作動状態において、加えられた上記圧力が上記環境応答部材に働いて上記第1の流れ戻り通路および上記第2の流れ戻り通路を上記燃料に対して露出させる請求項53記載のバルブ。
【請求項55】
上記ハウジングはさらに第3の流れ戻り通路を有し、第3の作動状態において、加えられた上記圧力が上記環境応答部材に働いて上記第1の流れ戻り通路、上記第2の流れ戻り通路、および上記第3の流れ戻り通路を上記燃料に対して露出させる請求項54記載のバルブ。
【請求項56】
上記第1の作動状態、第2の作動状態、または第3の作動状態において、上記燃料は上記環境応答部材中の通路を介して流れる請求項55記載のバルブ。
【請求項57】
選択された上記環境要素は上記バルブを流れる燃料の速度である請求項1記載のバルブ。
【請求項58】
選択された上記環境要素は、上記燃料の温度、または上記燃料により上記環境応答部材に加えられる圧力のいずれかである請求項1記載のバルブ。
【請求項59】
上記ハウジングは少なくとも1つの流れバイパス通路を形成する請求項1記載のバルブ。
【請求項60】
上記環境応答部材の上記ハウジングに対する位置は少なくとも1つの位置決めバネにより保持される請求項1記載のバルブ。
【請求項61】
上記環境応答部材は復帰バネにより保持されて上記バルブが上記作動状態から上記非作動状態に移動可能にする請求項1記載のバルブ。
【請求項62】
上記環境応答部材は、上記燃料が上記燃料電池から出さないようにする遮断状態にさらに移行可能である請求項1記載のバルブ。
【請求項63】
上記遮断状態において、上記環境応答部材はシール面と協働して上記バルブをシールする請求項62記載のバルブ。
【請求項64】
上記バルブの初期状態において上記環境応答部材は上記遮断状態にあり、上記燃料電池中のポンプが起動されて上記環境応答部材を上記非作動状態に移行させる請求項62記載のバルブ。
【請求項65】
燃料サプライおよび燃料電池とともに使用されるように構成された連結装置において、上記バルブは、予め定められた温度で拡張するように構成された圧力応答部分を有し、上記部分の拡張体積が拡張前の体積より大きいことを特徴とする結合装置。
【請求項66】
上記圧力応答部分は複数の襞を有し、上記部分が拡張するときに上記襞の折り畳みが開放される請求項65記載の連結装置。
【請求項67】
上記圧力応答部分は上記部分が拡張するときに伸びる弾性部分を有する請求項65記載の連結装置。
【請求項68】
燃料電池用の燃料サプライにおいて、
燃料室部を形成する外側ケーシングと、
上記燃料室部を上記燃料電池に流体的に結合する環境応答バルブとを有し、
上記環境要素が予め定められた閾値を下回っているときに上記バルブが非作動状態であり、上記環境要素が上記予め定められた閾値を上回っているときに上記バルブが動作状態であり、上記バルブは上記作動状態および上記非作動状態の間を移行可能であることを特徴とする燃料サプライ。
【請求項69】
上記非作動状態における上記燃料流が上記作動状態における上記燃料流より大きい請求項68記載の燃料サプライ。
【請求項70】
上記動作状態における上記燃料流は実質的にゼロである請求項68記載の燃料サプライ。
【請求項71】
上記作動状態において上記燃料流の少なくとも一部が上記燃料電池から分流される請求項68記載の燃料サプライ。
【請求項72】
上記作動状態において上記燃料の少なくとも一部が上記バルブ内部に貯蔵される請求項68記載の燃料サプライ。
【請求項73】
さらにプランジャを有し、上記プランジャおよび上記シール部材が切り離し可能に結合されて上記予め定められた圧力で上記シール部材を上記プランジャから切り離して上記燃料の上記燃料電池への流れを停止する請求項45記載のバルブ。
【請求項74】
上記シール部材は、上記プランジャの溝に取り外し可能に保持される止め部を有する請求項73記載のバルブ。
【請求項75】
上記止め部および溝は環状である請求項74記載のバルブ。
【請求項76】
上記シール部材と上記プランジャの外側面との間の縛りばめが上記予め定められた圧力に屈して上記シール部材が上記プランジャに対して移動可能になる請求項73記載のバルブ。
【請求項77】
上記ハウジングはさらにバルブ室部壁を有し、上記シール部材がさらにヒンジ部分および第2のシール面を有し、上記予め定められた圧力で上記ヒンジ部分が上記しール部材の上記第2のシール面を移動させて上記バルブ室部壁に接触させて上記燃料の上記燃料電池への流れを停止させる請求項45記載の燃料サプライ。
【請求項78】
上記シール部材は、上記ヒンジ部分を介して、上記第2のシール面を含むウイング部分に付着される環状部分を有し、上記ヒンジ部分は90°より大きな角度で上記環状部分に付着される請求項77記載の燃料サプライ。
【請求項79】
上記ヒンジ部分は上記シール部材の上記環状部分および上記ウイング部分の1つより薄い請求項78記載の燃料サプライ。
【請求項80】
上記シール部材の上記ヒンジ部分は上記プランジャの長手方向の軸に対して90°より大きな角を形成する請求項77記載の燃料サプライ。
【請求項81】
上記シール部材の部品の上記ヒンジ部分は上記プランジャの外側面に対して逸れて曲がる請求項77記載の燃料サプライ。
【請求項82】
上記シール部材と一体に結合されて単一の部品を構成するプランジャをさらに有し、上記予め定められた圧力で上記部品が上記ハウジング上の上記シール面方向に移動して燃料の上記流れを制限して上記バルブをシールする請求項45記載の燃料サプライ。
【請求項83】
上記シール部材およびプランジャからなる部品はされにヒンジ部分および第2のシール面を有し、上記予め定められた圧力で上記ヒンジ部分が上記第2のシール面を移動させて上記ハウジングのバルブ室部壁に接触させて燃料の上記燃料電池への上記流れを制限する請求項82記載の燃料サプライ。
【請求項1】
燃料サプライおよび燃料電池とともに使用されるように構成されたバルブにおいて、
上記バルブは、
ハウジングと、
上記ハウジングの内部に配置された環境応答部材とを有し、
上記バルブは、選択された環境要素が変化するときに、作動状態および非作動状態の間を遷移可能であり、
上記環境応答部材は、変化した環境要素に応じて上記バルブを介した燃料の流れを変更するように動作することを特徴とするバルブ。
【請求項2】
上記作動状態において減量された流れが上記バルブを介して許容される請求項1記載のバルブ。
【請求項3】
作動状態における上記バルブを介した燃料通路が非さ同状態における燃料通路より小さい請求項2記載のバルブ。
【請求項4】
上記バルブは作動状態においてシールされる請求項1記載のバルブ。
【請求項5】
上記作動状態において上記環境応答部材はシール面と協働して上記バルブをシールする請求項4記載のバルブ。
【請求項6】
上記シール面は上記ハウジングの表面に配置される請求項5記載のバルブ。
【請求項7】
上記シール面は上記ハウジングに連結される請求項5記載のバルブ。
【請求項8】
上記シール面は上記ハウジングと一体である請求項5記載のバルブ。
【請求項9】
選択された上記環境要素は上記燃料の温度である請求項1記載のバルブ。
【請求項10】
上記バルブは、上記燃料の温度が予め定められた温度を下回るときに上記非作動状態であり、上記燃料の温度が上記予め定められた温度より大きいときに上記作動状態である請求項9記載のバルブ。
【請求項11】
上記予め定められた温度は上記燃料の沸点より小さい請求項10記載のバルブ。
【請求項12】
上記予め定められた温度は上記燃料の沸点より約3°C小さい請求項11記載のバルブ。
【請求項13】
上記予め定められた温度は上記燃料の沸点より約5°Cから約10°C小さい請求項11記載のバルブ。
【請求項14】
上記燃料はメタノールである請求項11記載のバルブ。
【請求項15】
上記環境応答部材は上記燃料の沸点より小さな沸点の液体を含む請求項10記載のバルブ。
【請求項16】
上記液体の少なくとも一部がほぼ上記予め定められた温度において相変化を伴い、上記環境応答部材の体積が増加する請求項15記載のバルブ。
【請求項17】
上記液体がシール部材中に含まれ、上記シール部材が上記バルブの上記ハウジング上のシール面と協働して上記バルブをシールする請求項15記載のバルブ。
【請求項18】
上記液体は他の燃料である請求項15記載のバルブ。
【請求項19】
上記液体は少なくとも2つの他の液体の混合物である請求項15記載のバルブ。
【請求項20】
上記環境応答部材は環境応答バネを有し、上記環境応答バネは上記燃料の温度が上昇すると拡張し、上記燃料に温度が予め定められた温度に達するときに上記バルブをシールする請求項9記載のバルブ。
【請求項21】
上記温度応答バネはシール部材をバイアスし、上記シール部材が上記バルブの上記ハウジング上のシール面と協働して上記バルブを上記さ同状態においてシールする請求項20記載のバルブ。
【請求項22】
上記温度応答バネはバイメタル金属から製造される請求項21記載のバルブ。
【請求項23】
上記温度応答バネは金属材料またはポリマー材料から製造される請求項21記載のバルブ。
【請求項24】
上記温度応答バネはシール部材中に含まれる請求項21記載のバルブ。
【請求項25】
上記温度応答バネはシール部材に隣接する請求項21記載のバルブ。
【請求項26】
上記温度応答バネはコンテナ中に含まれる温度応答ワックスを有する請求項21記載のバルブ。
【請求項27】
上記温度応答バネは、コンテナ中に含まれる、燃料の沸点を下回る沸点の液体を有する請求項21記載のバルブ。
【請求項28】
上記温度応答バネはコンテナ中に含まれる気体を有する請求項21記載のバルブ。
【請求項29】
上記温度応答バネは少なくとも1つの腕部を有する請求項21記載のバルブ。
【請求項30】
上記腕部が上記シール部材と結合する請求項29記載のバルブ。
【請求項31】
上記温度応答バネはダイアフラムを有する請求項21記載のバルブ。
【請求項32】
上記環境応答部材は温度応答部材を有し、上記温度応答部材は上記燃料の温度が上昇すると拡張し、上記燃料に温度が予め定められた温度に達するときに上記バルブをシールする請求項9記載のバルブ。
【請求項33】
上記温度応答部材はシール部材と結合して動作する請求項32記載のバルブ。
【請求項34】
上記温度応答部材は上記シール部材に付着する請求項33記載のバルブ。
【請求項35】
上記温度応答部材は上記シール部材の内部にある請求項33記載のバルブ。
【請求項36】
上記温度応答材料は中間部材と結合して動作し、上記中間部材が上記シール部材と結合して動作する請求項33記載のバルブ。
【請求項37】
上記温度応答部材はバイメタル部材を有する請求項33記載のバルブ。
【請求項38】
上記バイメタル部材はダイアフラムである請求項37記載のバルブ。
【請求項39】
上記温度応答部材は温度応答ワックスを有する請求項33記載のバルブ。
【請求項40】
上記バルブはさらに上記温度応答ワックスの拡張の少なくとも一部を吸収するクッションを有する請求項39記載のバルブ。
【請求項41】
さらに第2の温度応答部材を有する請求項32記載のバルブ。
【請求項42】
選択された上記環境要素は上記環境応答部材に加えられる圧力である請求項1記載のバルブ。
【請求項43】
上記バルブは、加えられる上記圧力が予め定められた圧力を下回るときに上記非作動状態であり、加えられる上記圧力が上記予め定められた圧力より大きいときに上記作動状態である請求項42記載のバルブ。
【請求項44】
上記作動状態において上記環境応答部材は上記ハウジングのシール面と協働して上記バルブをシールする請求項43記載のバルブ。
【請求項45】
上記環境応答部材はシール部材を有する請求項44記載のバルブ。
【請求項46】
上記シール部材は液体を内包する請求項45記載のバルブ。
【請求項47】
バネが上記シール部材の内部に含まれる請求項45記載のバルブ。
【請求項48】
上記シール部材はバネと協働する請求項45記載のバルブ。
【請求項49】
上記シール部材はバネによってバイアスされる請求項45記載のバルブ。
【請求項50】
加えられる上記圧力が上記シール部材をバイアスバネに抗して押圧して上記バルブを上記さ同状態においてシールする請求項49記載のバルブ。
【請求項51】
上記シール部材がその内部に通路を形成し、上記非作動状態において上記通路が液体流路と整合し、かつ、上記作動状態において、加えられる上記圧力が上記シール部材に働いて上記通路を上記流路と整合しないようにして上記バルブをシールする請求項42記載のバルブ。
【請求項52】
上記ハウジングは少なくとも第1の流れ戻り通路を有し、上記環境応答部材はその中に通路を形成し、上記非作動状態において上記第1の流れ戻り通路が上記燃料から隔離され、上記燃料が上記環境応答部材中の上記通路を介して流れる請求項42記載のバルブ。
【請求項53】
第1の作動状態において、加えられた上記圧力が上記環境応答部材に働いて上記第1の流れ戻り通路を上記燃料に対して露出させる請求項52記載のバルブ。
【請求項54】
上記ハウジングはさらに第2の流れ戻り通路を有し、第2の作動状態において、加えられた上記圧力が上記環境応答部材に働いて上記第1の流れ戻り通路および上記第2の流れ戻り通路を上記燃料に対して露出させる請求項53記載のバルブ。
【請求項55】
上記ハウジングはさらに第3の流れ戻り通路を有し、第3の作動状態において、加えられた上記圧力が上記環境応答部材に働いて上記第1の流れ戻り通路、上記第2の流れ戻り通路、および上記第3の流れ戻り通路を上記燃料に対して露出させる請求項54記載のバルブ。
【請求項56】
上記第1の作動状態、第2の作動状態、または第3の作動状態において、上記燃料は上記環境応答部材中の通路を介して流れる請求項55記載のバルブ。
【請求項57】
選択された上記環境要素は上記バルブを流れる燃料の速度である請求項1記載のバルブ。
【請求項58】
選択された上記環境要素は、上記燃料の温度、または上記燃料により上記環境応答部材に加えられる圧力のいずれかである請求項1記載のバルブ。
【請求項59】
上記ハウジングは少なくとも1つの流れバイパス通路を形成する請求項1記載のバルブ。
【請求項60】
上記環境応答部材の上記ハウジングに対する位置は少なくとも1つの位置決めバネにより保持される請求項1記載のバルブ。
【請求項61】
上記環境応答部材は復帰バネにより保持されて上記バルブが上記作動状態から上記非作動状態に移動可能にする請求項1記載のバルブ。
【請求項62】
上記環境応答部材は、上記燃料が上記燃料電池から出さないようにする遮断状態にさらに移行可能である請求項1記載のバルブ。
【請求項63】
上記遮断状態において、上記環境応答部材はシール面と協働して上記バルブをシールする請求項62記載のバルブ。
【請求項64】
上記バルブの初期状態において上記環境応答部材は上記遮断状態にあり、上記燃料電池中のポンプが起動されて上記環境応答部材を上記非作動状態に移行させる請求項62記載のバルブ。
【請求項65】
燃料サプライおよび燃料電池とともに使用されるように構成された連結装置において、上記バルブは、予め定められた温度で拡張するように構成された圧力応答部分を有し、上記部分の拡張体積が拡張前の体積より大きいことを特徴とする結合装置。
【請求項66】
上記圧力応答部分は複数の襞を有し、上記部分が拡張するときに上記襞の折り畳みが開放される請求項65記載の連結装置。
【請求項67】
上記圧力応答部分は上記部分が拡張するときに伸びる弾性部分を有する請求項65記載の連結装置。
【請求項68】
燃料電池用の燃料サプライにおいて、
燃料室部を形成する外側ケーシングと、
上記燃料室部を上記燃料電池に流体的に結合する環境応答バルブとを有し、
上記環境要素が予め定められた閾値を下回っているときに上記バルブが非作動状態であり、上記環境要素が上記予め定められた閾値を上回っているときに上記バルブが動作状態であり、上記バルブは上記作動状態および上記非作動状態の間を移行可能であることを特徴とする燃料サプライ。
【請求項69】
上記非作動状態における上記燃料流が上記作動状態における上記燃料流より大きい請求項68記載の燃料サプライ。
【請求項70】
上記動作状態における上記燃料流は実質的にゼロである請求項68記載の燃料サプライ。
【請求項71】
上記作動状態において上記燃料流の少なくとも一部が上記燃料電池から分流される請求項68記載の燃料サプライ。
【請求項72】
上記作動状態において上記燃料の少なくとも一部が上記バルブ内部に貯蔵される請求項68記載の燃料サプライ。
【請求項73】
さらにプランジャを有し、上記プランジャおよび上記シール部材が切り離し可能に結合されて上記予め定められた圧力で上記シール部材を上記プランジャから切り離して上記燃料の上記燃料電池への流れを停止する請求項45記載のバルブ。
【請求項74】
上記シール部材は、上記プランジャの溝に取り外し可能に保持される止め部を有する請求項73記載のバルブ。
【請求項75】
上記止め部および溝は環状である請求項74記載のバルブ。
【請求項76】
上記シール部材と上記プランジャの外側面との間の縛りばめが上記予め定められた圧力に屈して上記シール部材が上記プランジャに対して移動可能になる請求項73記載のバルブ。
【請求項77】
上記ハウジングはさらにバルブ室部壁を有し、上記シール部材がさらにヒンジ部分および第2のシール面を有し、上記予め定められた圧力で上記ヒンジ部分が上記しール部材の上記第2のシール面を移動させて上記バルブ室部壁に接触させて上記燃料の上記燃料電池への流れを停止させる請求項45記載の燃料サプライ。
【請求項78】
上記シール部材は、上記ヒンジ部分を介して、上記第2のシール面を含むウイング部分に付着される環状部分を有し、上記ヒンジ部分は90°より大きな角度で上記環状部分に付着される請求項77記載の燃料サプライ。
【請求項79】
上記ヒンジ部分は上記シール部材の上記環状部分および上記ウイング部分の1つより薄い請求項78記載の燃料サプライ。
【請求項80】
上記シール部材の上記ヒンジ部分は上記プランジャの長手方向の軸に対して90°より大きな角を形成する請求項77記載の燃料サプライ。
【請求項81】
上記シール部材の部品の上記ヒンジ部分は上記プランジャの外側面に対して逸れて曲がる請求項77記載の燃料サプライ。
【請求項82】
上記シール部材と一体に結合されて単一の部品を構成するプランジャをさらに有し、上記予め定められた圧力で上記部品が上記ハウジング上の上記シール面方向に移動して燃料の上記流れを制限して上記バルブをシールする請求項45記載の燃料サプライ。
【請求項83】
上記シール部材およびプランジャからなる部品はされにヒンジ部分および第2のシール面を有し、上記予め定められた圧力で上記ヒンジ部分が上記第2のシール面を移動させて上記ハウジングのバルブ室部壁に接触させて燃料の上記燃料電池への上記流れを制限する請求項82記載の燃料サプライ。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図12a】
【図12b】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28a】
【図28b】
【図29a】
【図29b】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図37a】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図45a】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【図66A】
【図66B】
【図66C】
【図66D】
【図67】
【図68A】
【図68B】
【図68C】
【図68D】
【図69】
【図70】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図12a】
【図12b】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28a】
【図28b】
【図29a】
【図29b】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図37a】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図45a】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【図66A】
【図66B】
【図66C】
【図66D】
【図67】
【図68A】
【図68B】
【図68C】
【図68D】
【図69】
【図70】
【公表番号】特表2008−516400(P2008−516400A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−535760(P2007−535760)
【出願日】平成17年10月3日(2005.10.3)
【国際出願番号】PCT/US2005/035720
【国際公開番号】WO2006/041857
【国際公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
2.TEFLON
【出願人】(501436665)ソシエテ ビック (73)
【氏名又は名称原語表記】SOCIETE BIC
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月3日(2005.10.3)
【国際出願番号】PCT/US2005/035720
【国際公開番号】WO2006/041857
【国際公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
2.TEFLON
【出願人】(501436665)ソシエテ ビック (73)
【氏名又は名称原語表記】SOCIETE BIC
【Fターム(参考)】
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