説明

環状IDマーク読み取り装置、環状IDマーク読み取りシステム、環状IDマーク読み取り方法および環状IDマーク読み取りプログラム

【課題】GPSの電波の届かない状況下で、場所に基づく情報提示や目的場所までのナビゲーションを低コストで提供できる装置を提供する。
【解決手段】携帯電話端末に、案内情報を提供すべき空間に設けられ、既定数の記号を環状に配置した環状IDマークを撮影し、撮影画像を生成する撮影手段11と、前記撮影手段11によって生成された撮影画像中から記号を識別し、撮影画像中の各記号に対応する識別子を生成し、該識別子を所定の順序で並べた環状識別子列を生成する記号識別手段12と、前記環状識別子列と位置、方向の対応を管理する位置方向ID管理テーブル手段14と、前記位置方向ID管理テーブル手段14を参照し前記環状識別子列に対応する情報処理端末の位置および方向を取得する位置方向ID取得手段13と、前記取得された位置、方向に基づいたナビゲーション情報を取得するコンテンツ情報取得手段17とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環状に配置された記号をカメラで撮影し、記号の配置に応じた位置、方向情報を読み取る技術に係り、環状IDマーク読み取り装置、環状IDマーク読み取りシステム、環状IDマーク読み取り方法および環状IDマーク読み取りプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、GPS(Global Position(Positioning) System)を利用し、携帯情報端末の現在位置にまつわる情報を提示したり、現在位置から目的地までの経路案内を行うサービスが普及しつつある。GPSは、上空の衛星から送信される電波を受け、現在位置を測定するものである。このため、電波が届かない場所で同様のサービスを実現するためには、携帯電話の位置および方向を取得するための別な手段が必要となる。
【0003】
位置を取得する手段として、携帯電話の電波や無線LAN(Local Area Network)の電波を送受信する基地局の場所ID(Identifier;識別子)を利用する技術がある。しかしながら、この技術は高い精度で携帯電話端末の場所を測定するためには多くの基地局を設置する必要があり、同等のサービスを提供するためには設置コストが高くなる。また、もう一つの手段として、携帯電話自体にRFID(Radio Frequency Identification)を読み取るリーダを備え、至る所に取り付けられたRFIDを読み取ることで、携帯電話の場所を特定する手法がある。この技術は、多くのRFIDを設置するとともに、RFIDの識別番号とそれが取り付けられた場所を管理するデータベースが必要となり、インフラの設置コストが高い。また、携帯電話自体にRFIDリーダが必要となるため、端末側に必要なコストも高くなる問題がある。
【0004】
尚、より低コストになる方法(例えば、特許文献1参照)として、IDリーダを用いずにユーザが手入力したキーを用いて場所を特定するシステムも提案されている。
【0005】
また端末の方向を取得する手段として、電子コンパスがある。これは既存の携帯端末にデバイスを追加する必要があるため、実用化に向けて端末側に必要なコストが高くなる。
【特許文献1】特開2003−140585号公報(段落「0018」〜「0026」等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように従来の技術では、GPSの電波の届かない場所で携帯情報端末の位置および方向を取得するために様々な問題があった。
【0007】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、GPSの電波の届かない状況下において、場所に基づいた情報提示や目的の場所までのナビゲーションを低コストで提供できる環状IDマーク読み取り装置、環状IDマーク読み取りシステム、環状IDマーク読み取り方法および環状IDマーク読み取りプログラムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、情報処理端末、例えば携帯電話が備える撮影手段によって識別可能な記号を複数個配置した環状IDマークを任意の場所の地面に設置し、これを利用し、位置に関連した情報を提示するサービスや案内サービスを提供する。環状IDマークは、複数の異なる記号の順列をIDとし、IDを構成する描く記号を環状に配置し、各記号が方向を指示するように構成される。
【0009】
ユーザが環状IDマークに携帯電話端末をかざす撮影手段は、環状IDマークの撮影画像を生成する。次に記号識別手段は、携帯電話端末から見て、環状IDマークの上部にある記号から所定の順に認識し、その記号に対応する識別子を生成し、その順に並べ、環状識別子列を生成する。生成される環状識別子列は、携帯電話端末がどの方向から環状IDマークを撮影したかによって異なる。位置方向ID管理テーブル手段は、環状識別子列と位置を対応付け、また環状識別子列の先頭の識別子を方向に対応付けて、管理する。この特徴を利用し、位置方向ID取得手段は、携帯電話端末の方向と位置を同時に検出する。
【0010】
また記号は、文字であり、記号識別手段がOCRによって、文字を認識し、文字コードを識別子として生成するように構成することによって、人が見てもわかりやすい環状IDマークを構成することができる。
【0011】
また、色相の異なる色で塗りつぶされた二つのアーチ型図形を組み合わせたアーチ型記号で、環状IDマークを構成し、記号識別手段が、アーチ型記号を認識し、さらにアーチ型記号で用いられる2つの色の色相の組み合わせに基づいて各記号に割り当てられた識別子を生成するように構成することによって、任意の記号を認識することによって識別子を生成するよりも、ロバストかつ高速に識別子を生成することができる。
【0012】
また記号は、バーコードであり、記号識別手段が、バーコードを識別し、バーコードが保持するコード情報を識別子として、生成するように構成することによって、光学的にロバストかつ高速に認識でき、多くの識別子を安価に記号に割り当てることができる。
【0013】
すなわち、本発明の請求項1に記載の環状IDマーク読み取り装置は、案内情報を提供すべき空間に設けられ、既定数の記号を環状に配置した環状IDマークを、情報処理端末が有する撮影手段によって読み取り、読み取り時の位置と方向を特定する装置であって、前記情報処理端末が、前記環状IDマークを撮影し、撮影画像を生成する撮影手段と、前記撮影手段によって生成された撮影画像中から記号を識別し、撮影画像中の各記号に対応する識別子を生成し、該識別子を所定の順序で並べた環状識別子列を生成する記号識別手段と、前記環状識別子列と位置、方向の対応を管理する位置方向ID管理テーブル手段と、前記位置方向ID管理テーブル手段を参照し前記環状識別子列に対応する情報処理端末の位置および方向を取得する位置方向ID取得手段とを備えることを特徴としている。
【0014】
また請求項2に記載の環状IDマーク読み取り装置は、請求項1において、前記記号識別手段は、前記撮影画像中にある全ての記号の領域を検出し、前記全ての記号の領域を内包する凸包領域の重心を中心点とし、撮影画像上辺中央を指示する方向から、時計回り、もしくは、半時計回りに探索を行った際の、記号の出現順序に従って、記号に対応する識別子を並べることにより環状識別子列を生成することを特徴としている。
【0015】
また請求項3に記載の環状IDマーク読み取り装置は、請求項1又は2において、前記記号が文字であって、前記記号識別手段が、前記撮影画像中から文字を識別し、該文字に対応する識別子を生成し、該識別子を所定の順序で並べた環状識別子列を生成することを特徴としている。
【0016】
また請求項4に記載の環状IDマーク読み取り装置は、請求項1又は2において、前記記号が色差分マーカーであって、前記記号識別手段が、前記撮影画像中から色差分マーカーを識別し、該色差分マーカーに対応する識別子を生成し、該識別子を所定の順序で並べた環状識別子列を生成することを特徴としている。
【0017】
また請求項5に記載の環状IDマーク読み取り装置は、請求項1又は2において、前記記号がバーコードであって、前記記号識別手段が、前記撮影画像中からバーコードを識別し、該バーコードが含む情報に対応する識別子を生成し、該識別子を所定の順序で並べた環状識別子列を生成することを特徴としている。
【0018】
また請求項6に記載の環状IDマーク読み取りシステムは、案内情報を提供すべき空間に設けられ、既定数の記号を環状に配置した環状IDマークを、情報処理端末が有する撮影手段によって読み取り、読み取り時の位置と方向を特定するシステムであって、前記情報処理端末とサーバ装置が通信手段を介して接続され、前記サーバ装置が、前記環状IDマークを撮影した画像中の各記号に対応する識別子を並べて構成される環状識別子列と、位置、方向との対応を管理する位置方向ID管理テーブル手段を具備し、前記情報処理端末が、前記環状IDマークを撮影し、撮影画像を生成する撮影手段と、前記撮影手段により生成された撮影画像中から記号を識別し、撮影画像中の各記号に対応する識別子を生成し、該識別子を所定の順序で並べた環状識別子列を生成する記号識別手段と、前記通信手段を介して前記サーバ装置の位置方向ID管理テーブル手段を参照し、前記環状識別子列に対応する情報処理端末の位置および方向を検出する位置方向ID取得手段とを具備して構成されることを特徴としている。
【0019】
また請求項7に記載の環状IDマーク読み取りシステムは、請求項6において、前記記号識別手段は、前記撮影画像中にある全ての記号の領域を検出し、前記全ての記号の領域を内包する凸包領域の重心を中心点とし、撮像画像上辺中央を指示する方向から、時計回り、もしくは、半時計回りに探索を行った際の、記号の出現順序に従って、記号に対応する識別子を並べることにより環状識別子列を生成することを特徴としている。
【0020】
また請求項8に記載の環状IDマーク読み取りシステムは、請求項6又は7において、前記記号が文字であって、前記記号識別手段が、前記撮影画像中から文字を識別し、該文字に対応する識別子を生成し、該識別子を所定の順序で並べた環状識別子列を生成することを特徴としている。
【0021】
また請求項9に記載の環状IDマーク読み取りシステムは、請求項6又は7において、前記記号が色差分マーカーであって、前記記号識別手段が、前記撮影画像中から色差分マーカーを識別し、該色差分マーカーに対応する識別子を生成し、該識別子を所定の順序で並べた環状識別子列を生成することを特徴としている。
【0022】
また請求項10に記載の環状IDマーク読み取りシステムは、請求項6又は7において、前記記号がバーコードであって、前記記号識別手段が、前記撮影画像中からバーコードを識別し、該バーコードが含む情報に対応する識別子を生成し、該識別子を所定の順序で並べた環状識別子列を生成することを特徴としている。
【0023】
また請求項11に記載の環状IDマーク読み取り方法は、案内情報を提供すべき空間に設けられ、既定数の記号を環状に配置した環状IDマークを、情報処理端末が有する撮影手段によって読み取り、読み取り時の位置と方向を特定する方法であって、前記情報処理端末の撮影手段が、前記環状IDマークを撮影し、撮影画像を生成する撮影ステップと、前記情報処理端末の記号識別手段が、前記撮影ステップによって生成された撮影画像中から記号を識別し、撮影画像中の各記号に対応する識別子を生成し、該識別子を所定の順序で並べた環状識別子列を生成する記号識別ステップと、前記情報処理端末の位置方向ID取得手段が、前記環状識別子列と位置、方向の対応を管理する位置方向ID管理テーブル手段を参照し、前記環状識別子列に対応する情報処理端末の位置および方向を取得する位置方向ID取得ステップとを備えることを特徴としている。
【0024】
また請求項12に記載の環状IDマーク読み取り方法は、請求項11において、前記記号識別ステップは、前記撮影画像中にある全ての記号の領域を検出し、前記全ての記号の領域を内包する凸包領域の重心を中心点とし、撮像画像上辺中央を指示する方向から、時計回り、もしくは、半時計回りに探索を行った際の、記号の出現順序に従って、記号に対応する識別子を並べることにより環状識別子列を生成することを特徴としている。
【0025】
また請求項13に記載の環状IDマーク読み取り方法は、案内情報を提供すべき空間に設けられ、既定数の記号を環状に配置した環状IDマークを、情報処理端末が有する撮影手段によって読み取り、読み取り時の位置と方向を特定する方法であって、前記情報処理端末とサーバ装置が通信手段を介して接続され、前記サーバ装置が、前記環状IDマークを撮影した画像中の各記号に対応する識別子を並べて構成される環状識別子列と、位置、方向との対応を管理する位置方向ID管理テーブル手段を具備し、前記情報処理端末の撮影手段が、前記環状IDマークを撮影し、撮影画像を生成する撮影ステップと、前記情報処理端末の記号識別手段が、前記撮影ステップにより生成された撮影画像中から記号を識別し、撮影画像中の各記号に対応する識別子を生成し、該識別子を所定の順序で並べた環状識別子列を生成する記号識別ステップと、前記情報処理端末の位置方向ID取得手段が、前記通信手段を介して、前記サーバ装置の位置方向ID管理テーブル手段の、前記環状識別子列に対応する位置、方向を取得する位置方向ID取得ステップとを備えることを特徴としている。
【0026】
また請求項14に記載の環状IDマーク読み取り方法は、請求項13において、前記記号識別ステップは、前記撮影画像中にある全ての記号の領域を検出し、前記全ての記号の領域を内包する凸包領域の重心を中心点とし、撮像画像上辺中央を指示する方向から、時計回り、もしくは、半時計回りに探索を行った際の、記号の出現順序に従って、記号に対応する識別子を並べることにより環状識別子列を生成することを特徴としている。
【0027】
また請求項15に記載の環状IDマーク読み取りプログラムは、請求項11乃至14のいずれか1項に記載の環状IDマーク読み取り方法を、コンピュータで実行可能なコンピュータプログラムとして記述したことを特徴としている。
【0028】
請求項1〜14において、情報処理端末が具備する撮影手段、例えばデジタルカメラを利用し、RFID等のデバイスを追加せずに、位置と方向に基づいた情報提示や、目的地への案内などのサービスが低コストで実現される。またユーザが記号を読み取り、それを端末に入力する手間が削減される。
【0029】
請求項4,9において、カラーパターンを記号として利用することで、デジタルカメラによる認識をロバストにすることができる。
【0030】
請求項5,10において、バーコードを記号として利用することで、識別のためのIDを多く持つ記号とすることができ、デジタルカメラによる認識をロバストにすることができる。
【0031】
また請求項15において、請求項11乃至14のいずれか1項に記載の環状IDマーク読み取り方法を、コンピュータで実行することが可能となる。
【発明の効果】
【0032】
[1]請求項1〜15に記載の発明によれば、情報処理端末が具備する撮影手段、例えばデジタルカメラを利用し、RFID等のデバイスを追加せずに、位置と方向に基づいた情報提示や、目的地への案内などのサービスを低コストで実現することができる。
【0033】
また、記号が配置された環状IDマークを、端末が具備するデジタルカメラで撮影するだけで、位置、方向を検出することができ、そのためにユーザが記号を読み取り、それを端末に入力する手間を削減することができる。
【0034】
また、キャラクター等の多様な意匠を記号として利用することができる。
[2]請求項4,9に記載の発明によれば、カラーパターンを記号として利用することで、デジタルカメラによる認識をロバストにすることができる。
[3]請求項5,10に記載の発明によれば、バーコードを記号として利用することで、識別のためのIDを多く持つ記号とすることができ、デジタルカメラによる認識をロバストにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明するが、本発明は下記の実施形態例に限定されるものではない。
【0036】
まず、本発明の基本構成を図1のブロック図とともに説明する。図1において1は、情報処理端末、例えば携帯電話端末に設けられ、環状IDマークを撮影して撮影画像を生成する、例えばデジタルカメラからなる撮影手段である。
【0037】
2は、携帯電話端末に設けられ、前記撮影手段1によって生成された撮影画像中から記号を識別し、撮影画像中の各記号に対応する識別子を生成し、該識別子を所定の順序で並べた環状識別子列を生成する記号識別手段である。
【0038】
3は、携帯電話端末に設けられ、位置方向ID管理テーブル手段4を参照して前記環状識別子列に対応する情報処理端末の位置および方向を取得する位置方向ID取得手段である。
【0039】
位置方向ID管理テーブル手段4は、携帯電話端末又は後述するサーバ装置に設けられ、前記環状識別子列と位置、方向の対応を管理する。
【0040】
尚前記サーバ装置としては、例えばCPU(Central Processing Unit)を搭載したサーバ用コンピュータが利用できる。また本発明の情報処理端末としては、前記携帯電話端末などを含むあらゆる端末装置(CPUを搭載した端末装置)が利用できる。
(実施例1)
本実施例は、図2に示すような文字を記号として採用した環状IDマークを用いるシステムである。ユーザは、図3に示すように床面に張られた環状IDマークを携帯電話で読み取り、方向と位置に基づいた情報を受信することができる。また、この環状IDマークは、ユーザが目で文字を読み取り、それを端末に入力することによって、方向と位置に基づいた情報を受信することもでき、自動、手動の二つの入力方法を提供する。カメラを備えない携帯電話で環状IDマークに配置された文字を入力して、方向と位置に基づいた情報を取得することも可能ではある。本発明には、カメラを利用できる携帯電話端末であれば、スムーズに環状IDマークの読み取り行うことができ、またカメラによる読み取りが難しい場合には手入力でも方向と位置に基づいた情報を取得することができるという利点がある。以下、装置の各手段の機能について説明し、さらに本実施例の利用シーンについて説明する。
【0041】
本実施例で用いる携帯情報端末(情報処理端末)は、携帯電話端末である。本実施例における環状IDマークは、図2のように環状に円形内部に文字を配置したものを4つ並べて、構成される。本実施例では、0〜9までの数字を文字として利用する。この環状IDマークを、図4に示すように上下左右の方向から携帯電話端末のカメラで読み取ることによって、その読み取り時の位置および方向を取得することができる。
【0042】
図2において、携帯電話端末は、環状IDマークを撮影するための撮影手段11、文字(記号)と識別子を対応付ける文字識別子データベース手段15、撮影した撮影画像から文字(記号)を識別し、環状識別子列を生成する記号識別手段12、前記環状識別子列に対応付けて位置と方向を管理する位置方向ID管理テーブル手段14、前記環状識別子列に基づき位置と方向を取得する位置方向ID取得手段13、レストランや店舗とその位置を対応付けて管理するコンテンツ情報データベース手段16、位置と方向に基づいてレストランや店舗情報を取得するコンテンツ情報取得手段17を備える。また、手入力で入力するための入力手段18を備える。
【0043】
前記撮影手段11は、例えばデジタルカメラであり、ユーザが環状IDマークを撮影したタイミングで撮影画像を生成する。
【0044】
位置方向ID管理テーブル手段14は、図5に示すように、前記識別子列における識別子の順列に位置を対応付け、識別子列の先頭の識別子に方向を対応付けて、位置と方向を管理する。
【0045】
記号識別手段12は、円形マーカ検出手段12aと、記号抽出手段12bと、文字認識手段12cと、識別子列生成手段12dとを備える。円形マーカ検出手段12aは、文字が円形であり、かつ白色であることを利用し、図6に示すように、撮影画像中から白い領域を抽出する。さらに白い領域の中でも円らしさ(領域の面積÷周囲の長さで算出)の値が高い領域を円形領域として抽出する(図6(b))。
【0046】
記号抽出手段12bは、環状IDマークが環状、つまり円形であることを利用し、それぞれの文字が何度傾いているかを考慮して、文字を正面から見た角度に補正し、さらに撮影画像の上部かつ左右の中心に近い文字を携帯電話端末の向きにある文字であるとし、その記号から時計回りに記号の順序を付ける(図6(c))。
【0047】
次に文字認識手段12cが、文字を識別し、図7に示すように、対応する文字コードを生成する。この文字認識手段12cは、一般的なOCRを応用する。文字識別子データベース手段15は、図7に示すように、識別された文字コードに識別子を対応付け、管理する。さらに識別子列生成手段12dは、4つの文字すべての文字コードを算出する。そして、それらを順番に並べ、図6(d)のように識別子列を生成する。
【0048】
位置方向ID取得手段13は、識別子列生成手段12dで生成した識別子列の順列を持って位置を、識別子列の先頭の識別子を持って方向を、各々検索し、適合する位置および姿勢を位置方向ID管理テーブル手段14より取得する。
【0049】
コンテンツ情報取得手段17は、あらかじめ目的地が設定されている場合は、現在地から目的地へいくために、現在地からどの方向へ進めばよいかを検索する。検索は、例えば図8のように構成されたコンテンツ情報データベース手段16から目的地の位置を取得し、現在の携帯電話の位置および方向に対して、どの方向にあるかを計算し、行う。
【0050】
また、コンテンツ情報取得手段17は、あらかじめ目的地が設定されていない場合は現在地の周囲にある店舗の情報を方向毎にまとめて検索する。この検索は、例えば図8のコンテンツ情報データベース手段16から現在地から所定の範囲内にある店舗を取得し、現在の位置と方向に対してどの方向にあるかを計算し、その方向に基づいて、店舗に関する情報をまとめる。
【0051】
また、図9に示すように、外部の、例えばサーバ装置に、位置に応じて地図を管理する地図データベース手段19を備えておき、携帯電話端末のコンテンツ情報取得手段17が、その場所を中心とした地図を現在の向きをヘッドアップにした地図を、該地図データベース手段19から検索するようにしてもよい。尚、図9において図2と同一部分は同一符号をもって示している。
【0052】
次に、本システムの利用シーンについて概要を説明する。ここでは、図10に示すように、2つの通路の交差点の中央床面に環状IDマークが設けられている地下街において、ユーザが、パスタ屋さんに行きたい状況にあるものとする。
【0053】
ユーザは、携帯電話端末の入力手段18を使って、図11の表示画面に示すように目的地を設定することができる。ユーザは、地下街を歩いていて、図12のように環状IDマークを床面に発見すると、携帯電話端末を使って、環状IDマークを読み取る。すると、撮影した画像中から、記号識別手段12によって記号が認識され、その方向から読み取った識別子列が生成される。読み取り結果の識別子列は、0123となる。そして位置方向ID管理テーブル手段14から、この識別子列に対応する位置(0,10)、方向(0,1)が取得される。携帯電話端末は、この位置と方向に基づき、目的地であるパスタ屋さんがどの方向にあるかをコンテンツ情報データベース手段16を用いて、検索し、目的地であるパスタ屋さんは、ユーザの右手にあるため、図13のようにどちらにあるかのナビゲーション情報を提示する(携帯電話端末の表示画面に表示する)。
【0054】
また、目的地を設定しない場合は、図14のように周囲の店舗リストを表示する。店舗リストは、位置方向ID管理テーブル手段14から得られた位置の周囲にある店舗をコンテンツ情報データベース手段16の中から選び出し、さらに現在の方向の正面から時計回りに並び替え、図14のように表示する。また図15に示すように、現在地を中心とし、携帯電話端末の方向をヘッドアップした地図を表示することができる。
(実施例2)
この実施例2では、図16に示すように、位置方向ID管理テーブル手段14およびコンテンツ情報データベース手段16を別のサーバ装置20が備えるように構成し、環状IDマーク読み取りシステムを構成した。
【0055】
図16において、図2と同一部分は同一符号をもって示しており、携帯電話端末の位置方向ID取得手段13、コンテンツ情報取得手段17と、サーバ装置20の位置方向ID管理テーブル手段14、コンテンツ情報データベース手段16とは、通信手段21a,21bを介して接続されている。
【0056】
図16のシステムでは、前記実施例1で説明した、位置方向ID管理テーブル手段14の参照およびコンテンツ情報データベース手段16の検索は、通信手段21a,21bを介して行われるものであり、その他の動作については実施例1と同様である。
(実施例3)
この実施例3では、図17に示すように、記号に色差分マーカーを利用した環状IDマークを読み取る装置を構成した。図17において、図2と同一部分は同一符号をもって示している。色差分マーカーは、画像中から高速に検出できるマーカーとしての役割と、マーカー自体を識別するIDとしての役割を併せ持つ。色差分マーカーは、半径の異なるアーチ型を二つ組み合わせたもの(2層の円形)となる。色差分マーカーを用いて構成した環状IDマークは、図17のように4つの色差分マーカーを持つ。本実施例では、マーカーに赤色、緑色、黄色、青色の4色(図示では白、黒の濃淡で表している)を用いる。
【0057】
本実施例で用いる記号識別手段30は、マーカー抽出手段31とマーカー識別子データベース手段32と識別子列生成手段12dを備える。マーカー抽出手段31は、撮影手段11で撮影した撮影画像から赤色、青色、緑色、黄色のみを抜き出し、2層の円形を抽出する。2層の円形の任意の点から内円と外円の色の組み合わせを調べて、4つの色差分マーカーを抽出し、さらに4つの色差分マーカーのそれぞれの色の組み合わせを抽出する。色の組み合わせに対応する色差分マーカーの識別子をマーカー識別子データベース手段32を用いて、取得する。マーカー識別子データベース手段32は図18に示すようにマーカーの色の組み合わせと識別子を対応づけて管理する。
【0058】
識別子列生成手段12dは、撮影画像の上部かつ左右の中心に近い色差分マーカーを携帯電話端末の向きにあるマーカーであるとし、時計回りに順序を付け、識別子列を生成する。
【0059】
以降は、位置方向ID取得手段13およびコンテンツ情報取得手段17の動作により、実施例1と同様に位置、方向に基づいたナビゲーション情報が提供される。
(実施例4)
この実施例4では、図19に示すように、記号にバーコードを用いた環状IDマークを読み取る装置を構成した。図19において図2と同一部分は同一符号をもって示している。バーコードを記号として利用することによって、高速に、かつ多量の種類の識別子を割り当て可能な環状IDマークを構成することができる。本実施例における環状IDマークは、図示のように、バーコードを環状に4つ並て構成された、一般的なバーコードを用いる。
【0060】
本実施例で用いる記号識別手段40は、バーコード読み取り手段41と識別子列生成手段12dを備える。本実施例で用いるバーコードには直接識別子が埋め込まれている。バーコード読み取り手段41は、撮影手段11で撮影された撮影画像中から4つのバーコードをすべて読み取り、バーコードの重心をその読み取り位置とする。バーコード読み取り手段41は、4つのバーコードの読み取り結果と重心位置を識別子列生成手段12dに送信する。識別子列生成手段12dは、撮影画像の上部かつ左右中央にあるバーコードを携帯電話端末の向きにあるバーコードであるとし、時計回りに順序を付け、読み取り結果、つまり識別子をその順に並べ、識別子列を生成する。
【0061】
以降は、位置方向ID取得手段13およびコンテンツ情報取得手段17の動作により、実施例1と同様に位置、方向に基づいたナビゲーション情報が提供される。
(実施例5)
この実施例5では、図20の図柄に示すような9種類のニコニコマークである記号(図柄)を4つ用いて、上下左右に図21のように配置して、環状IDマークを構成した。この環状IDマークを上下左右の方向から携帯電話端末のカメラで読み取ることによって、その読み取り時の位置および方向を取得するように構成した。図21において図2と同一部分は同一符号をもって示している。
【0062】
図柄識別手段50は、円形マーカ検出手段51、図柄抽出手段52、図柄識別子データベース手段53、識別子列生成手段12dを備える。図柄識別子データベース手段53は、図20に示すように、それぞれのニコニコマークを4分割した領域毎の4方向のエッジの出現頻度をまとめて算出される64次元の特徴量ベクトルと識別子を対応付けて、図柄、識別子、特徴量ベクトルをそれぞれ管理する。
【0063】
円形マーカ検出手段51は、記号(図柄)が円形であり、かつ白色であることを利用し、図22(a)の撮影画像中から白い領域を抽出する。さらに白い領域の中でも円らしさ(領域の面積÷周囲の長さで算出)の値が高い領域を図22(b)のように円形領域として抽出する。
【0064】
図柄抽出手段52は、環状IDマークが環状、つまり円形であることを利用し、それぞれの記号(図柄)が何度傾いているかを考慮して、記号(図柄)を正面から見た角度に補正し、さらに撮影画像の上部かつ左右の中心に近い記号を携帯電話端末の向きにある記号であるとし、その記号から図22(c)のように時計回りに記号の順序を付ける。識別子列生成手段12dは、図柄抽出手段52で得られた順番に、その記号の特徴量ベクトルを算出し、図柄識別子データベース手段53の中からもっとも距離の近い特徴量ベクトルを選び出し、その特徴量ベクトルに対応する識別子を該記号の識別子として取得する。さらに識別子列生成手段12dは、4つの記号すべての識別子を算出する。そして、図22(d)のように順番に並べ、識別子列を生成する
以降は、位置方向ID取得手段13およびコンテンツ情報取得手段17の動作により、実施例1と同様に位置、方向に基づいたナビゲーション情報が提供される。
(実施例6)
次に本発明の環状IDマーク読み取り方法の一実施例を説明する。図23は、本発明の環状IDマーク読み取り方法を、図2、図9、図17、図19、図21の装置に適用した場合のフローチャートを示している。
【0065】
図23において、まずステップS1では、撮影手段11が環状IDマークを撮影し、撮影画像を生成する。次にステップS2では、記号識別手段12(30,40、又は図柄識別手段50)が、前記ステップS1によって生成された撮影画像中から記号を識別し、撮影画像中の各記号に対応する識別子を生成し、該識別子を所定の順序で並べた環状識別子列を生成する。
【0066】
次にステップS3では、位置方向ID取得手段13が、前記環状識別子列と位置、方向の対応を管理する位置方向ID管理テーブル手段14を参照し、前記環状識別子列に対応する情報処理端末の位置および方向を取得する。
【0067】
次にステップS4では、コンテンツ情報取得手段17が、前記識別子列に対応する位置、方向に基づいたナビゲーション情報を取得する。
【0068】
尚、前記各ステップの詳細は、前述した図2、図9、図17、図19、図21の装置の各手段が行う動作のとおり実行される。
(実施例7)
次に本発明の環状IDマーク読み取り方法の他の実施例を説明する。図24は、本発明の環状IDマーク読み取り方法を、図16の装置に適用した場合のフローチャートを示している。
【0069】
図24において、まずステップS11では、撮影手段11が環状IDマークを撮影し、撮影画像を生成する。次にステップS12では、記号識別手段12が、前記ステップS11によって生成された撮影画像中から記号を識別し、撮影画像中の各記号に対応する識別子を生成し、該識別子を所定の順序で並べた環状識別子列を生成する。
【0070】
次にステップS13では、サーバ装置20の通信手段21bが、位置方向ID管理テーブル手段14の識別子列に対応する位置、方向を携帯電話端末に送信する。
【0071】
ステップS14では、携帯電話端末の通信手段21aが、前記通信手段21bからの識別子列に対応する位置、方向を受信する。
【0072】
次にステップS15では、位置方向ID取得手段13が、前記ステップS14で受信された、前記識別子列に対応する情報処理端末の位置および方向を取得する。
【0073】
次にステップS16では、コンテンツ情報取得手段17が、前記識別子列に対応する位置、方向に基づいたナビゲーション情報を取得する。
【0074】
尚、前記各ステップの詳細は、前述した図16の装置の各手段が行う動作のとおり実行される。
[変形例1]
実施例4では、バーコードを用いたが、一般的な2次元コードを用いて環状IDマークを構成することも可能である。例えば、QRコード、サイバーコード等を利用することが可能である。
[変形例2]
環状IDマークの読み取りが終了すると、携帯電話端末の結果表示画面に遷移するように構成しているが、撮影画像上に情報を透明で重畳して表示するように構成することも可能である。
[変形例3]
環状IDマークを4つ以上の記号を用いて、構成することも可能である。
[変形例4]
実施例1では、にこにこマークを記号として利用したが、画像処理技術によって識別可能であれば、どのような記号を用いてもかまわない。
[変形例5]
実施例1では、エッジヒストグラムを特徴量ベクトルとして用いたが、色ヒストグラムなど他の画像特徴量を用いても構成することも可能である。
[変形例6]
環状IDマークを、環状に配置された記号の中心に一般的な2次元コードを配置して構成し、この環状IDマークを読み取る装置として利用することも可能である。このように構成すれば、2次元コードを用いて、環状IDマークを手入力するためのサイトや、環状IDマークを読み取るソフトウェアを汎用携帯電話端末に読み込むことができ、より便利にすることができる。
[変形例7]
記号が文字である場合は、携帯電話端末等が備えるボタンを通して入力できるように構成することができる。
[変形例8]
記号が実施例1のような任意の意匠である場合は、意匠をボタンのように携帯電話端末の画面上に表示し、ユーザがそれを見ながらボタンで環状IDマークを入力、あるいはユーザが直接タッチパネルデバイスを利用して環状IDマークを入力するように環状IDマーク読み取り装置を構成することができる。
[変形例9]
記号は、文字のみ、あるいは色差分マーカーのみではなく、人にとっての可読性や読み取り時のロバスト性向上を同時に実現するため、上記実施例で利用した記号を合わせて利用できる。例えば、図25、図26のように、文字と色差分マーカーを組み合わせた記号や、任意の意匠による記号と色差分マーカーを組み合わせた記号などを実現することができる。
【0075】
尚前記環状IDマークは、床面に設ける(提示する)に限らず、壁面、天井、テーブル上等に設けて(提示して)もよい。
【0076】
また、本実施形態の環状IDマーク読み取り装置における各手段の一部もしくは全部の機能をコンピュータのプログラムで構成し、そのプログラムをコンピュータを用いて実行して本発明を実現することができること、本実施形態の環状IDマーク読み取り方法における手順をコンピュータのプログラムで構成し、そのプログラムをコンピュータに実行させることができることは言うまでもなく、コンピュータでその機能を実現するためのプログラムを、そのコンピュータが読み取り可能な記録媒体、例えばFD(Floppy(登録商標) Disk)や、MO(Magneto−Optical disk)、ROM(Read Only Memory)、メモリカード、CD(Compact Disk)−ROM、DVD(Digital Versatile Disk)−ROM、CD−R,CD−RW,HDD,リムーバブルディスクなどに記録して、保存したり、配布したりすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の基本構成を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施形態例を示し、文字を利用した環状IDマークと読み取り端末の構成図。
【図3】本発明の実施形態例における利用シーンの説明図。
【図4】本発明の実施形態例における4方向からの入力とそれにともなって生成される識別子列の説明図。
【図5】本発明の実施形態例における位置方向ID管理テーブル手段の一例を示す説明図。
【図6】本発明の実施形態例における画像処理の一例を示す説明図。
【図7】本発明の実施形態例における文字識別子データベース手段の一例を示す説明図。
【図8】本発明の実施形態例におけるコンテンツ情報データベース手段の一例を示す説明図。
【図9】本発明の他の実施形態例を示し、地図を表示可能なシステムの構成図。
【図10】本発明の実施形態例の利用シーンにおける環状IDマークの説明図。
【図11】本発明の実施形態例における目的地を設定する画面の説明図。
【図12】本発明の実施形態例におる利用シーンの説明図。
【図13】本発明の実施形態例における目的地の方向を提示する画面の説明図。
【図14】本発明の実施形態例における周辺のお店をリスト表示したときの画面の説明図。
【図15】本発明の実施形態例における周辺地図を表示したときの画面の説明図。
【図16】本発明の他の実施形態例を示し、環状IDマーク読み取りシステムの構成図。
【図17】本発明の他の実施形態例を示し、色差分マーカーを記号として利用する環状IDマークを読み取る装置の構成図。
【図18】本発明の実施形態例における、色差分マーカーと識別子を対応付けるマーカー識別子データベース手段の説明図。
【図19】本発明の他の実施形態例を示し、バーコードを記号として利用する環状IDマークを読み取る装置の構成図。
【図20】本発明の実施形態例における、記号であるフェイスマークと識別子を対応付けるデータベース手段の構成図。
【図21】本発明の実施形態例を示し、フェイスマークを記号として利用する環状IDマークを読み取る装置の構成図。
【図22】本発明の実施形態例における、フェイスマークを記号として使った場合の一連の画像処理を示す説明図。
【図23】本発明の環状IDマーク読み取り方法の一実施形態例を示すフローチャート。
【図24】本発明の環状IDマーク読み取り方法の他の実施形態例を示すフローチャート。
【図25】本発明の実施形態例における、文字と色差分マーカーを組み合わせた記号の例を示す説明図。
【図26】本発明の実施形態例における、2次元コードを合わせて利用する環状IDマークの例を示す説明図。
【符号の説明】
【0078】
1、11…撮影手段、2,12,30,40…記号識別手段、3、13…位置方向ID取得手段、4,14…位置方向ID管理テーブル手段、15…文字識別子データベース手段、16…コンテンツ情報データベース手段、17…コンテンツ情報取得手段、18…入力手段、20…サーバ装置、21a,21b…通信手段、32…マーカー識別子データベース手段、50…図柄識別手段、53…図柄識別子データベース手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
案内情報を提供すべき空間に設けられ、既定数の記号を環状に配置した環状IDマークを、情報処理端末が有する撮影手段によって読み取り、読み取り時の位置と方向を特定する装置であって、
前記情報処理端末が、
前記環状IDマークを撮影し、撮影画像を生成する撮影手段と、
前記撮影手段によって生成された撮影画像中から記号を識別し、撮影画像中の各記号に対応する識別子を生成し、該識別子を所定の順序で並べた環状識別子列を生成する記号識別手段と、
前記環状識別子列と位置、方向の対応を管理する位置方向ID管理テーブル手段と、
前記位置方向ID管理テーブル手段を参照し前記環状識別子列に対応する情報処理端末の位置および方向を取得する位置方向ID取得手段とを
備えることを特徴とする環状IDマーク読み取り装置。
【請求項2】
前記記号識別手段は、
前記撮影画像中にある全ての記号の領域を検出し、
前記全ての記号の領域を内包する凸包領域の重心を中心点とし、
撮影画像上辺中央を指示する方向から、時計回り、もしくは、半時計回りに探索を行った際の、記号の出現順序に従って、記号に対応する識別子を並べることにより環状識別子列を生成することを特徴とする請求項1に記載の環状IDマーク読み取り装置。
【請求項3】
前記記号が文字であって、
前記記号識別手段が、
前記撮影画像中から文字を識別し、該文字に対応する識別子を生成し、該識別子を所定の順序で並べた環状識別子列を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の環状IDマーク読み取り装置。
【請求項4】
前記記号が色差分マーカーであって、
前記記号識別手段が、
前記撮影画像中から色差分マーカーを識別し、該色差分マーカーに対応する識別子を生成し、該識別子を所定の順序で並べた環状識別子列を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の環状IDマーク読み取り装置。
【請求項5】
前記記号がバーコードであって、
前記記号識別手段が、
前記撮影画像中からバーコードを識別し、該バーコードが含む情報に対応する識別子を生成し、該識別子を所定の順序で並べた環状識別子列を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の環状IDマーク読み取り装置。
【請求項6】
案内情報を提供すべき空間に設けられ、既定数の記号を環状に配置した環状IDマークを、情報処理端末が有する撮影手段によって読み取り、読み取り時の位置と方向を特定するシステムであって、
前記情報処理端末とサーバ装置が通信手段を介して接続され、
前記サーバ装置が、前記環状IDマークを撮影した画像中の各記号に対応する識別子を並べて構成される環状識別子列と、位置、方向との対応を管理する位置方向ID管理テーブル手段を具備し、
前記情報処理端末が、
前記環状IDマークを撮影し、撮影画像を生成する撮影手段と、
前記撮影手段により生成された撮影画像中から記号を識別し、撮影画像中の各記号に対応する識別子を生成し、該識別子を所定の順序で並べた環状識別子列を生成する記号識別手段と、
前記通信手段を介して前記サーバ装置の位置方向ID管理テーブル手段を参照し、前記環状識別子列に対応する情報処理端末の位置および方向を検出する位置方向ID取得手段と
を具備して構成されることを特徴とする環状IDマーク読み取りシステム。
【請求項7】
前記記号識別手段は、
前記撮影画像中にある全ての記号の領域を検出し、
前記全ての記号の領域を内包する凸包領域の重心を中心点とし、
撮影画像上辺中央を指示する方向から、時計回り、もしくは、半時計回りに探索を行った際の、記号の出現順序に従って、記号に対応する識別子を並べることにより環状識別子列を生成することを特徴とする請求項6に記載の環状IDマーク読み取りシステム。
【請求項8】
前記記号が文字であって、
前記記号識別手段が、
前記撮影画像中から文字を識別し、該文字に対応する識別子を生成し、該識別子を所定の順序で並べた環状識別子列を生成することを特徴とする請求項6又は7に記載の環状IDマーク読み取りシステム。
【請求項9】
前記記号が色差分マーカーであって、
前記記号識別手段が、
前記撮影画像中から色差分マーカーを識別し、該色差分マーカーに対応する識別子を生成し、該識別子を所定の順序で並べた環状識別子列を生成することを特徴とする請求項6又は7に記載の環状IDマーク読み取りシステム。
【請求項10】
前記記号がバーコードであって、
前記記号識別手段が、
前記撮影画像中からバーコードを識別し、該バーコードが含む情報に対応する識別子を生成し、該識別子を所定の順序で並べた環状識別子列を生成することを特徴とする請求項6又は7に記載の環状IDマーク読み取りシステム。
【請求項11】
案内情報を提供すべき空間に設けられ、既定数の記号を環状に配置した環状IDマークを、情報処理端末が有する撮影手段によって読み取り、読み取り時の位置と方向を特定する方法であって、
前記情報処理端末の撮影手段が、前記環状IDマークを撮影し、撮影画像を生成する撮影ステップと、
前記情報処理端末の記号識別手段が、前記撮影ステップによって生成された撮影画像中から記号を識別し、撮影画像中の各記号に対応する識別子を生成し、該識別子を所定の順序で並べた環状識別子列を生成する記号識別ステップと、
前記情報処理端末の位置方向ID取得手段が、前記環状識別子列と位置、方向の対応を管理する位置方向ID管理テーブル手段を参照し、前記環状識別子列に対応する情報処理端末の位置および方向を取得する位置方向ID取得ステップとを
備えることを特徴とする環状IDマーク読み取り方法。
【請求項12】
前記記号識別ステップは、
前記撮影画像中にある全ての記号の領域を検出し、
前記全ての記号の領域を内包する凸包領域の重心を中心点とし、
撮像画像上辺中央を指示する方向から、時計回り、もしくは、半時計回りに探索を行った際の、記号の出現順序に従って、記号に対応する識別子を並べることにより環状識別子列を生成することを特徴とする請求項11に記載の環状IDマーク読み取り方法。
【請求項13】
案内情報を提供すべき空間に設けられ、既定数の記号を環状に配置した環状IDマークを、情報処理端末が有する撮影手段によって読み取り、読み取り時の位置と方向を特定する方法であって、
前記情報処理端末とサーバ装置が通信手段を介して接続され、
前記サーバ装置が、前記環状IDマークを撮影した画像中の各記号に対応する識別子を並べて構成される環状識別子列と、位置、方向との対応を管理する位置方向ID管理テーブル手段を具備し、
前記情報処理端末の撮影手段が、前記環状IDマークを撮影し、撮影画像を生成する撮影ステップと、
前記情報処理端末の記号識別手段が、前記撮影ステップにより生成された撮影画像中から記号を識別し、撮影画像中の各記号に対応する識別子を生成し、該識別子を所定の順序で並べた環状識別子列を生成する記号識別ステップと、
前記情報処理端末の位置方向ID取得手段が、前記通信手段を介して、前記サーバ装置の位置方向ID管理テーブル手段の、前記環状識別子列に対応する位置、方向を取得する位置方向ID取得ステップと
を備えることを特徴とする環状IDマーク読み取り方法。
【請求項14】
前記記号識別ステップは、
前記撮影画像中にある全ての記号の領域を検出し、
前記全ての記号の領域を内包する凸包領域の重心を中心点とし、
撮影画像上辺中央を指示する方向から、時計回り、もしくは、半時計回りに探索を行った際の、記号の出現順序に従って、記号に対応する識別子を並べることにより環状識別子列を生成することを特徴とする請求項13に記載の環状IDマーク読み取り方法。
【請求項15】
請求項11乃至14のいずれか1項に記載の環状IDマーク読み取り方法を、コンピュータで実行可能なコンピュータプログラムとして記述したことを特徴とする環状IDマーク読み取りプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図26】
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【図25】
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【公開番号】特開2008−225920(P2008−225920A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−64121(P2007−64121)
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】