説明

生ゴミ処理機

【課題】 マンションや集合住宅、団地等において生ゴミ処理機の利用率を向上することができる生ゴミ処理機を提供する。
【解決手段】 処理槽への投入口に施錠可能な蓋体を備えた生ゴミ処理機であって、該生ゴミ処理機の利用者に予め付与されたユーザー認識カードのカード認識手段と、該生ゴミ処理機の利用を許可された利用者のデータを記録する記録手段とを備え、両データの認証により該生ゴミ処理機の使用が判定され、使用が許可された場合に蓋体の施錠が解除されて生ゴミの投入が可能となり、且つ投入した生ゴミの量に応じた特典が利用者に付与される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般家庭で発生する生ゴミを処理する生ゴミ処理機に関する。
【背景技術】
【0002】
年間2000万トンを超える日本の生ゴミ。このうちおよそ半分は食品関連事業の生ゴミと言われている。生活スタイルの変化などで事業系の生ゴミは年々増え続け、焼却や埋め立てによる処分には大気汚染や土壌汚染など、環境への問題が心配される。そこで、これからの生ゴミの処理には、環境にも、人にもやさしい、未来を見据えた対策が求められている。
そして、生ゴミ処理の為に、従来、投入口に蓋を備えた処理槽内に生ゴミを投入し、その生ゴミを撹拌しながら減容、或いは堆肥化する、中型又は大型の生ゴミ処理機(厨芥処理装置)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。これらの生ゴミ処理機は、生ゴミが大量に発生するレストランや病院等での使用を意図して開発されたものである。勿論、その他に、家庭用生ゴミ処理機の開発も行なわれている。又、生ゴミ処理機は、乾燥式とバイオ式の2タイプが開発されている。
一方、一般家庭で発生する生ゴミは、各自治体、或いは民間業者が行っているゴミ回収事業に依存しているのが実情である。
【0003】
しかし、各自治体のゴミ回収事業は、年間予算、処理施設の整備等、多くの問題を抱えており、住民が満足する状況には至っていない。又、昨今は、資源の再利用等、リサイクル化が提唱され、一般家庭から出る生ゴミについてもリサイクル化が検討されている。
例えば、マンションや集合住宅で生ゴミ処理機を導入設置しても、生ゴミ排出者にとっては保守管理や操作が面倒である等の理由により、生ゴミ処理機を利用することなく、従前のゴミ回収に出してしまうことが多く、生ゴミのリサイクル率が向上しにくいといった問題があった。
【0004】
又、上記したマンションや集合住宅、団地等において生ゴミ処理機が利用されれば、当然のことながら自治体が行うゴミ回収に出される生ゴミの量は少なくなり、それによって定期的に行っている回収作業の回収回数を少なくでき、且つ、生ゴミのリサイクル化(堆肥化)に貢献できる等の利点が得られる。
尚、家庭用生ゴミ処理機は循環型社会に役立つ家電品であるとして購入に際し、多くの自治体が購入助成金制度を実施しているが、助成金制度は利用されていないのが実情である。
【0005】
【特許文献1】特開平10−244240号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記問題点に鑑み、マンションや集合住宅、団地等において生ゴミ処理機の利用率を向上することができる生ゴミ処理機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成する為に本発明の生ゴミ処理機は、処理槽への投入口に施錠可能な蓋を備えた生ゴミ処理機であって、
該生ゴミ処理機の利用者に予め付与されたユーザー認識カードのカード認識手段と、
該生ゴミ処理機の利用を許可された利用者のデータを記録する記録手段と、
前記利用者のデータと前記カード認識手段が読み取ったユーザー認識カードのデータを照合し、生ゴミの投入を許容された利用者であるか否かを判断する識別手段と、
前記ユーザー認識カードの読み取り操作が行われた際に、生ゴミ処理機が運転中であるか否かを判断する判断手段と、
該生ゴミ処理機が停止状態で、且つ前記識別手段の照合結果が「合致」した際に、蓋のロックを解除するロック解除手段と、
処理槽に投入された生ゴミの重量を検知するゴミ重量検知手段と、
投入した生ゴミの重量に応じた特典をユーザーに付与する付与手段と、
を備えることを特徴とする(請求項1)。
【0008】
前記生ゴミ処理機としては、今日一般的に採用されている、温風(熱風)によって乾燥し、同時に撹拌、破砕して減容する温風乾燥タイプ、無酸素状態で炭化するまで加熱する炭化タイプ、或いは微生物(菌床)を用いて分解するバイオタイプの何れでもよい。
又、生ゴミ処理機の利用者に付与されるユーザー認識カードとしては、例えば今日一般的に採用されているリライトカード(記録内容が文字で印字されて確認でき、且つ書き換え可能なカード)、或いは一般的な磁気カード、ICカード、更に非接触タイプの媒体、例えば携帯電話機等でもよい。そして、このユーザー認識カードにはID情報、例えばメンバーコード、投入日時、累計ポイント等の情報が記録され、生ゴミ処理機を利用する毎に投入日時、累計ポイントが書き換えられる。
前記ユーザー認識カードのカード認識手段としては、今日一般的なカードリーダーライターが挙げられる。
前記記録手段は、例えば、生ゴミ処理機に装備されたメモリで、この記録手段には利用者のリストの他に、利用者毎の履歴等を記録するようにしてもよい(請求項2)。
生ゴミ処理機を利用する度に利用者に付与されるポイントは、自治体が協賛する地元商店街での買い物に利用できる金券、或いは景品との交換等、特典と交換できるシステムに利用する。
【0009】
上記手段によれば、利用者はID情報が記録されているユーザー認識カードを、生ゴミ処理機に備えられているカード認識手段に挿入又は接触させることで、該利用者が生ゴミ処理機の使用を許可された者であるか否かが判断され、許可された者である場合は更に該生ゴミ処理機が停止状態である場合に処理槽の投入口を閉鎖する蓋のロックが解除されて、生ゴミの投入が可能となる。そして、生ゴミが処理槽に投入されるとゴミ重量検知手段によって投入された生ゴミの重量が検知され、その検知された生ゴミの量に応じて特典が利用者に付与される。特典の付与は、例えば検知された生ゴミの量はポイント算出手段によってポイントに換算され、その算出されたポイントは前記ユーザー認識カードに記録される。そして、取得したポイントはそれまでの累計ポイントに加算されて記録される。
従って、生ゴミ処理機を使用する度にユーザー認識カードにポイントが加算表示され、ポイント収集の励みになる。そして、付与されたポイントは、例えば、自治体等が協賛する地元商店での買い物商品券(金券)、景品交換等の特典と交換できる。
【0010】
又、前記記録手段に、利用者毎の利用履歴(投入日時、投入量、累計ポイント数等)が記録されるようにした場合は、その記録されているデータをPC等に取り込むことにより、各利用者に関する履歴を確認することが可能となる。それにより、例えば各利用者の生ゴミ処理機の利用状況が分かり、利用回数の少ない人、投入量の少ない人等に対して生ゴミ処理機の利用を促す情報として活用することができる。
【0011】
又、前記記録手段には、予め生ゴミ処理機の運転開始時間を設定記憶し、設定時間になると該生ゴミ処理機が自動で運転を開始するようにしてもよい(請求項3)。
【0012】
上記手段によれば、設定時間になると生ゴミ処理機は自動で運転を開始するので、管理人等が手動操作によってスタートさせる手数が不要になる。又、運転させるのを忘れてしまうといったことも無くすことができる。
【0013】
更に、前記ゴミ重量検知手段は、運転開始前に処理槽内に投入済みの生ゴミの総重量を検知し、検知した総重量が予め設定された最低処理重量以下の場合、前記自動運転を停止するようにしてもよい(請求項4)。
【0014】
上記手段によれば、設定時間になり自動で運転を開始する場合であっても、処理槽に収容されている生ゴミの重量が、予め設定された最低処理重量以下であれば、自動運転が停止される。そして、その後、生ゴミが投入されて総重量が最低処理重量を超えた場合、運転が開始される。従って、生ゴミ処理機の無駄な運転を防止して、効率良く運転することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の生ゴミ処理機は請求項1記載の構成により、各生ゴミ投入者(生ゴミ処理機の利用者)は生ゴミの投入量に応じて特典と交換可能なポイントを得ることができるので、生ゴミ処理機の利用度を高めることができる。そして、その生ゴミ処理機が生ゴミの減容と同時に処理物が堆肥、飼料等に再利用できる処理機である場合は、生ゴミのリサイクルに対するモチベーションを高めることができるので、自治体のゴミ回収などに排出、廃棄される生ゴミの量を削減することができる。
又、処理槽に投入される生ゴミは自動的に計量されるので、別途計量器を用意し、そこで計量した後、生ゴミを処理機に入れるといった投入前の計量作業に係る手間を無くすことができ、このことも生ゴミ処理機の利用に大きく貢献する。また、生ゴミ処理機の処理槽の投入口に設けられている蓋は、ゴミを投入する時以外はロックされているため、子供たちの悪戯によって蓋が開き、事故が起きるのを防止することができる。
そして、生ゴミ処理機の使用に当たり、認証制を採用することにより、処理機の利用者が限定されるので、機械の操作に馴染みやすくなるといった効果が発揮される。そして、他区域からのゴミの持込を防止できる。
【0016】
又、請求項2記載の構成によれば、生ゴミ処理機に備えられる記録手段に利用者毎の利用履歴(投入日時、投入量、累計ポイント数等)が記録されるため、その記録されているデータをPC等に取り込むことにより、各利用者に関する履歴を確認することが可能となる。それにより、例えば各利用者の生ゴミ処理機の利用状況が分かり、利用回数の少ない人、投入量の少ない人等に対して生ゴミ処理機の利用を促す情報として活用することができる。
【0017】
更に、請求項3記載の構成によれば、生ゴミ処理機は予め設定した時間になると自動的に運転を開始する為、管理者或いは利用者による運転を開始するためのスイッチ操作は不要となる。それにより、処理機を運転させるのを忘れてしまうといった操作忘れをなくすことができ、生ゴミ処理機の利用促進に貢献する。
【0018】
また、請求項4記載の構成により、生ゴミ処理機の無駄な運転を防止して、効率良く運転することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係る生ゴミ処理機の実施の形態の一例を図面に基づいて説明する。
図1は生ゴミ処理機とその周辺機器を示す概略図で、図中、Aは生ゴミ処理機、Bは前記生ゴミ処理機Aの利用者に予め付与されたユーザー認識カード(リライトカード)、Cは前記生ゴミ処理機Aに備えられたカード認識手段(カードリーダーライター)、Dは取得したポイントを特典と交換できる店舗等(例えば、スーパーマーケット)に設置された店舗用読取書込み手段、Eはパーソナルコンピュータ、Fは前記生ゴミ処理機Aに備えられた記録手段7が記憶するデータを記録する記録媒体(例えば、CFメモリカード)である。
【0020】
生ゴミ処理機Aは乾燥型の生ゴミ処理機で、図2に示すように、処理槽1、送風機(ブロワー)2、前記送風機2で処理槽1に送り込む空気を加熱するヒータ3、脱臭器4、前記処理槽1内に収容した生ゴミを攪拌する攪拌手段5、各部の作動を制御する制御部6、利用者のリストや該生ゴミ処理機Aの使用の履歴等のデータを記録し、且つ前記記録媒体Fへの書込みを行う記録手段7、及び前記処理槽1に投入されたゴミの重量を検知するゴミ重量検知手段8、更に該生ゴミ処理機Aの状態等を表示する表示部20を有し、それらは器枠9に収容されて構成されている。
又、前記処理槽1の開口部(投入口)には蓋体10が開閉可能に取り付けられ、その蓋体10は前記処理槽1の開口部の周縁上面に設けた掛止めフック11に対し、該蓋体10に取り付けたロックシリンダ12をソレノイド13で嵌脱し、蓋体10を施錠/開錠し得るように構成されている。
前記制御部6は、CPU、ROM、RAM等によって構成され、利用者のデータと前記カード認識手段が読み取ったユーザー認識カードのデータを照合し、生ゴミの投入を許容された利用者であるか否かを判断する識別動作、前記ユーザー認識カードの読み取り操作が行われた際に、生ゴミ処理機が運転中であるか否かを判断する判断動作、該生ゴミ処理機が停止状態で、且つ前記識別手段の照合結果が「合致」した際に、蓋体のロックを解除するロック解除動作、投入した生ゴミの量をポイント化して算出するポイント算出動作等を実行する。
【0021】
処理槽1は、金属板で有底筒状に形成され、その上面開口部は器枠9に開閉可能に設けた蓋体10の閉動によって閉鎖されるように構成されている。そして、この処理槽1の上部内周面には熱風吹出し口14が周方向に向けて略水平に設けられ、底面の中央位置には処理槽1内に収容された生ゴミを攪拌する攪拌手段5の攪拌羽根が、該処理槽1の下面外側に配置した駆動手段15で駆動回転するように設けられている。駆動手段15は、モータ15aとそのモータ15aの回転力を前記攪拌羽根に伝達する動力伝達機構(変速機)15bとで構成されている。
又、処理槽1の周壁下部には乾燥処理済みの生ゴミを取り出す取出し口16が開設され、その取出し口16の外側に蓋板16’が開閉可能に取り付けられている。
【0022】
前記処理槽1の上面開口部を閉鎖する蓋体10は、中空構造の扁平箱型に構成され、その箱体の下面には前記処理槽1の上側開口部を囲繞するようにパッキン17が取り付けられ、そのパッキン17の取付位置より内側で、且つ前記処理槽1内に臨む範囲内には排気口18が内部空間と連通させて開設され、更に排気口18の真下には該排気口18の口径より大径な遮蔽板19が所定の間隔をおいて水平に垂下支持されている。
又、蓋体10の下面に設けたロックシリンダ12を、器枠9の掛止めフック11に対して嵌脱させるソレノイド13は、前記制御部6からの信号によって動作し、しかもその動作は蓋体10を閉めて前記ロックシリンダ12が掛止めフック11と噛み合った状態で行われ、施錠/開錠を行う。
【0023】
又、前記生ゴミ処理機Aに装備するゴミ重量検知手段8は、台枠8aと平面視略矩形状の四隅に配置したロードセル8bとで構成され、処理槽1を載承して該処理槽1と処理槽に投入された生ゴミの合計重量を検知するように構成されている。従って、最終的に必要な投入された生ゴミの重量は、検知した重量値から予め確認されている風袋の重量を差し引くことで得ることができる。その処理は制御部6で行われ、検知された生ゴミの投入量(kg)は記録手段7の生ゴミ処理ファイル(図5参照)記録されると同時に、カード認識手段Cに挿入されたユーザー認識カードBに投入日時と一緒に印字記録される。
生ゴミ処理ファイルに記録されるデータの一例を挙げると、図5に示すように、利用者の名前、部屋番号、電話番号、生ゴミの投入日、投入量(kg)、累計投入量(kg)、今回ポイント(投入日に取得したポイント)、累計ポイント等が挙げられる。
【0024】
生ゴミ処理機Aに備えられるカード認識手段Cは、該生ゴミ処理機Aの利用者に予め付与したユーザー認識カード(リライトカード)Bに記録されているID情報(メンバーコード、投入日時、累計ポイント等)を読み取り、又、そのユーザー認識カードBにデータを書き込むもので、カードリーダーライターが一般的である。
そして、このカード認識手段Cは図3に示すように、生ゴミ処理機Aの制御部6と電気的に接続され、その制御部6には記録手段7、ゴミ重量検知手段8、ソレノイド13、モータ15a、表示部20が電気的に接続されている。
【0025】
前記カード認識手段Cに挿入するユーザー認識カードBは、前記生ゴミ処理機Aの使用を許可された者に付与される認証カードで、そのカードとしては、例えば、リライトカードを使用する。尚、ユーザー認識カードBとしては、リライトカードの他に、磁気カード、IDカード、或いは非接触タイプの媒体、例えば携帯電話機のようなもの等でもよい。
又、前記ユーザー認識カードに記録されるID情報としては、例えばメンバーコード、投入日時、累計ポイント等の情報、生ゴミ処理機を利用する毎に投入日時、累計ポイントが書き換えられ、カードがリライトカードの場合は前記書き換えられた情報がカードに印字され、カードの所有者は記録内容を確認することができるという利点を有する。
【0026】
店舗用読取書込み手段Dは、前記生ゴミ処理機Aに備えられているカード認識手段Cと同様、ユーザー認識カードBに記録されているID情報を読み取り、又、情報の書き換えを行うことができるもので、例えば、カードリーダーライターで構成されている。尚、店舗用読取書込み手段Dは、取得したポイントで特典と交換した際、使用ポイント分を累計ポイントから減算し、ユーザー認識カードBに残りポイントを印字記録する。
【0027】
次に、本発明の生ゴミ処理機Aによる処理の流れを図4のフローチャートに基づいて説明する。
(S1)…利用者はID情報が記録されているユーザー認識カードBを用意し、生ゴミ処理機Aに備えられているカード認識手段Cに挿入する。それにより、ユーザー認識カードBに記録されているID情報(メンバーコード、投入日時、累計ポイント等)が読み出される。
(S2)…読み出されたユーザー認識カードBのメンバーコードと、生ゴミ処理機Aの記録手段7に記録されている利用者リストにおけるメンバーコードが一致するか判断し、一致する場合(S4)に進み、一致しない場合は(S3)に進み、生ゴミ処理機Aの表示部20にエラーメッセージを表示する。
(S4)…生ゴミ処理機Aが運転中か、停止中か、を判断し、運転中ではない場合に(S6)に進み、制御部6からの信号によりソレノイド13が作動され、蓋体10に取り付けられたロックシリンダ12をスライドさせて施錠を解除し、蓋体10の開動(生ゴミの投入)を可能とする。生ゴミ処理機Aが運転中である場合は(S5)で前記表示部20に「投入不可」と表示し、蓋体10は開錠されず、施錠状態が維持される。
【0028】
(S7)…蓋体10の施錠が解除され、利用者によって生ゴミが処理槽1に投入されると、生ゴミ処理機Aに装備されているゴミ重量検知手段8で、投入分の生ゴミの重量が自動で計量され、その計量された重量データ等が、生ゴミ処理機Aの記録手段7に記憶されている生ゴミ処理ファイル(図5参照)に記録される。又、カード認識手段Cに挿入されているユーザー認識カードBには、該カード認識手段Cの書込み手段により、投入日、投入重量、及び投入重量にポイント換算の係数を掛けて算出された取得ポイントを、前回までの取得ポイントに加算した累計ポイント等が記録される。尚、ユーザー認識カードBがリライトカードである場合は、該カード自体に前記データが文字で印字されるため、利用者は生ゴミの投入量、累計ポイントをその場で確認することができる。
【0029】
(S8)…利用者が蓋体10を閉めると、該蓋体10に設けられたセンサ(図示省略)はが該蓋体10が閉鎖されたことを検知し、その検知信号を制御部6に出力する。制御部6は前記信号を受信するとソレノイド13を作動し、ロックシリンダ12をスライドさせて掛止めフック11に嵌着し、蓋体10を施錠する。
(S9)…制御部6は、該制御部6に予め設定した運転開始時間か、処理槽1に投入されている生ゴミの総量が最低処理重量に達しているか、を判断し、両方の条件を満たしている場合は(S10)に進み自動で運転を開始する。条件が満たされていない場合は投入を受け付けるために(S1)に戻る。
(S11)…生ゴミ処理機Aの運転による乾燥処理が終了したか、制御部6で判断される。
乾燥処理が終了したか否かの判断は、処理物の重量の変化により判断される。一般的に、乾燥式の場合は、投入時の重量に対し処理後の重量が約1/3以下になれば、乾燥処理が完了したものと判断する。そして、処理物の重量の変化は前記ゴミ重量検知手段8によって、運転中、計量監視されている。乾燥処理が完了した場合は運転を終了し、まだ乾燥処理が完了していない場合は(S11)に戻り、乾燥処理が続行される。
【0030】
各利用者が、上記生ゴミ処理機Aを利用して取得したポイントを還元する際は、別途契約をしている店舗、例えばスーパーマーケットなどにおいて、該店舗に備えられている店舗用読取書込み手段Dにユーザー認識カードBを挿入することにより、現在保有するポイント数を確認することができる、尚、ユーザー認識カードBがリライトカードである場合は、カードに累計ポイント数が印字されている為、店舗用読取書込み手段Dに挿入することなく確認できる。そして、所有ポイント数を確認した後は、ポイント数に応じて特典と交換することができ、交換後は前記店舗用読取書込み手段Dによってユーザー認識カードBに使用ポイント数を差し引いて残ったポイント数に書き換え記録する。
また、前記使用ポイント数のデータは、次回、生ゴミ処理機を使用する際、該処理機に備えられたカード認識手段Cにユーザー認識カードBを挿入した時、該カードに記録されている累計ポイントが読み取られ、その読み取ったデータが生ゴミ処理機Aの記録手段7に記憶されている生ゴミ処理ファイルのデータが書き換え記録されるようにしてもよい。
【0031】
又、生ゴミ処理機Aで処理された処理物は、運転終了後に処理槽から取り出して保管され、所定の量になったとき、肥料或いは飼料などとして業者等に引き渡され、有効に活用される。勿論、処理物は業者に引き渡さずに、マンション、団地内で肥料として使用することも可能である。
【0032】
又、生ゴミ処理機Aの記録手段7に記録されたデータは、一定期間毎に記録媒体Fにコピーして取り出し、それをパーソナルコンピュータE等に取り込んで、生ゴミ処理機Aの利用状況及び各利用者の使用履歴等を確認するようにしてもよい。そのデータの活用例としては、利用者毎の過去の生ゴミ投入量などを一定期間に区切って解析し、生ゴミ処理機Aの利用回数が少ない人には、利用を促す案内書面を出すことができる。
【0033】
本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で変更可能である。
(1)利用者に予め付与するユーザー認識カードは、リライトカードに限らず、磁気カード、ICカード等、記録されるデータがカード上に印字されないものでもよい。
(2)生ゴミ処理機Aに装備される制御部6,記録手段7は、外部のパーソナルコンピュータEと通信可能につなぎ、パーソナルコンピュータEから生ゴミ処理機Aの設定を行う、各利用者のデータを確認するようにしてもよい。
(3)蓋体10の施錠/開錠にソレノイドを利用しているが、モータ、油圧、空気圧、カム機構などを利用するようにしてもよい。
(4)実施例は生ゴミ処理機として乾燥タイプを示したが、無酸素状態で炭化するまで加熱する炭化タイプや、バイオタイプでもよいものである。バイオタイプの場合、投入量の計量は、投入前の重量値(風袋+菌床)と投入後の重量値との差により算出する。
(5)特典の付与は、ポイントを利用者リストの利用者に累計する、又は生ゴミ処理機からサービスチケットを発行するなどしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る生ゴミ処理機とその周辺機器を示す概略図。
【図2】生ゴミ処理機の全体構造を示す縦断側面図。
【図3】生ゴミ処理機の構成部材のブロック図。
【図4】生ゴミ処理の流れを示すフローチャート図。
【図5】記録手段に記録されるデータの一例を示す生ゴミ処理ファイル。
【符号の説明】
【0035】
A…生ゴミ処理機 B…ユーザー認識カード
C…カード認識手段 D…店舗用読取書込み手段
1…処理槽 6…制御部
7…記録手段 8…ごみ重量検知手段
10…蓋体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理槽への投入口に施錠可能な蓋を備えた生ゴミ処理機であって、
該生ゴミ処理機の利用者に予め付与されたユーザー認識カードのカード認識手段と、
該生ゴミ処理機の利用を許可された利用者のデータを記録する記録手段と、
前記利用者のデータと前記カード認識手段が読み取ったユーザー認識カードのデータを照合し、生ゴミの投入を許容された利用者であるか否かを判断する識別手段と、
前記ユーザー認識カードの読み取り操作が行われた際に、生ゴミ処理機が運転中であるか否かを判断する判断手段と、
該生ゴミ処理機が停止状態で、且つ前記識別手段の照合結果が「合致」した際に、蓋のロックを解除するロック解除手段と、
処理槽に投入された生ゴミの重量を検知するゴミ重量検知手段と、
投入した生ゴミの重量に応じた特典をユーザーに付与する付与手段と、
を備えることを特徴とする生ゴミ処理機。
【請求項2】
前記記録手段は、利用者毎に生ゴミの投入日時、投入量等の情報を記録することを特徴とする請求項1記載の生ゴミ処理機。
【請求項3】
前記記録手段に、予め運転開始時間が設定記憶され、設定時間になると該生ゴミ処理機が自動で運転を開始することを特徴とする請求項1又は2記載の生ゴミ処理機。
【請求項4】
前記ゴミ重量検知手段は、運転開始前に処理槽内に投入済みの生ゴミの総重量を検知し、検知した総重量が予め設定された最低処理重量以下の場合、前記自動運転を停止することを特徴とする請求項3記載の生ゴミ処理機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−264715(P2008−264715A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−113010(P2007−113010)
【出願日】平成19年4月23日(2007.4.23)
【出願人】(000145068)株式会社寺岡精工 (317)
【出願人】(502038842)株式会社デジアイズ (18)
【Fターム(参考)】