説明

生体情報イメージング装置、及び生体情報の解析方法

【課題】被検体である生体内の深部の光吸収体から発生した超音波を感度よく計測することが可能となる生体情報イメージング装置、該生体情報イメージング装置を用いた生体情報の解析方法を提供する。
【解決手段】超音波を検出し、生体情報を画像化する生体情報イメージング装置であって、被検体1の内部に存在する光吸収体9から超音波7を発生させるために光照射を行う光源4と、前記光吸収体の存在する特定の領域に、フォーカス超音波を送信する超音波送信手段10と、前記光を吸収することにより前記光吸収体から発生する超音波と、前記特定の領域に送信されたフォーカス超音波との相互作用による超音波の合成信号を検出する超音波検出手段8と、を有する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
生体情報イメージング装置、及び生体情報の解析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、乳癌などの診断では、エックス線(マンモグラフィー)、超音波、MRI(核磁気共鳴法)を用いたイメージング装置が多く使われている。
近年、レーザーなどの光源から生体に照射したパルス光を生体内に伝播させ、その伝播光の吸収によって発生した光音響波を生体表面で検知し、生体内の初期発生圧力分布あるいは吸収係数分布をイメージングする光音響波イメージング装置が注目を浴びている。この技術はPAT(Photo Acoustic Tomography)と呼ばれる。
【0003】
一般的に、光音響波トモグラフィーの利点としては、以下のようなものが挙げられる。第一に、エックス線、超音波、MRIのような体内の形態のイメージングではなく、酸素代謝や脳の活性のような機能イメージングが可能であることが挙げられる。
例えば、酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンでは光の吸収スペクトルが異なっているため、複数の波長を用いて吸収スペクトルを測定することで、血液内の酸素飽和度を求めることができ、酸素代謝測定などを行うことができる。
なお、酸素代謝がイメージングできれば、そこから癌の腫瘍や脳の活性部位を調べることができるなどの利点がある。
また、吸収スペクトルから患部の組成を同定することも可能となる。
第二に、光はガンマ線などの放射線やエックス線などと比べ被曝がないため、非侵襲で繰り返し連続して診断が可能であることが挙げられる。
第三に、MRIやPET(ポジション放射断層撮影)などと比較し、医療機器の小型化・低価格化が可能であることが挙げられる。
また、同様に機能イメージングが可能な光拡散を検知し、生体内のイメージングを行う光拡散イメージング装置と比較すると、光音響波の生体内での散乱が小さいため、解像度を上げることが可能であるという利点がある。
【0004】
近年では、さらに、特許文献1のように、超音波エコー像と光音響波像の二つを診断に使う目的で、超音波診断装置と光音響イメージング装置を複合した装置が提案されている。
これらの方法では、装置の複合化及び、一部システムの共有化により、両方の撮影画像をゆがみなく表示できるものとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−021380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した通常の光音響波イメージング装置においては、被検体である生体内での強い光拡散のために、生体深部に進むにつれて光強度が大きく減衰する。
すなわち、生体内深部では光吸収体に到達するフォトンの数が大きく減少するという課題を有している。
そのため、被検体深部からは生体表面に配置した音波検出器で観測可能な光音響波信号が得られず、生体内の画像化できる領域が限られていた。
このような課題については、上記した特許文献1における超音波装置と光音響波イメージング装置を組み合わせた方法においても、何も開示されていない。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑み、被検体である生体内の深部の光吸収体から発生した超音波を感度よく計測することが可能となる生体情報イメージング装置、及び生体情報の解析方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、つぎのように構成した生体情報イメージング装置、及び生体情報の解析方法を提供するものである。
本発明の生体情報イメージング装置は、超音波を検出し、生体情報を画像化する生体情報イメージング装置であって、
被検体の内部に存在する光吸収体から超音波を発生させるために光照射を行う光源と、
前記光吸収体の存在する特定の領域に、フォーカス超音波を送信する超音波送信手段と、
前記光を吸収することにより前記光吸収体から発生する超音波と、前記特定の領域に送信されたフォーカス超音波との相互作用による超音波の合成信号を検出する超音波検出手段と、を有することを特徴とする。
また、本発明の生体情報の解析方法は、上記した生体情報イメージング装置を用い、被検体の内部における光学特性値分布を求める生体情報の解析方法であって、
前記超音波検出手段によって検出された前記相互作用による超音波の合成信号を解析して、前記領域の光エネルギー吸収密度に関連した情報を得る第一のステップと、
前記フォーカス超音波を前記被検体の内部における他の領域にスキャンして、第一のステップを繰り返して、生体の光エネルギー吸収密度分布に関連した情報をイメージングする第二のステップと、を有することを特徴とする。
また、本発明の生体情報の解析方法は、被検体の内部における光学特性値分布を求める生体情報の解析方法であって、
前記被検体に対して光を照射すると共に、前記被検体の内部の特定領域にフォーカスされた第1の超音波を照射する工程と、
前記特定領域における光吸収体が前記光を吸収することにより該光吸収体から発生する第2の超音波と、前記特定領域に照射された第1の超音波との相互作用による第3の超音波を受信する工程と、
受信される前記第3の超音波から前記特定領域の光学特性値を算出する工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、被検体である生体内の深部の光吸収体から発生した超音波を感度よく計測することができ、生体情報のイメージング範囲を広げることが可能となる生体情報イメージング装置、該生体情報イメージング装置を用いた生体情報の解析方法が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態1における生体情報イメージング装置の構成例を説明する図である。
【図2】本発明の実施形態1における生体情報イメージング装置において、検出される超音波信号の一例を示すものである。
【図3】本発明の生体情報イメージング装置を用いて、生体内の光学特性値分布に関する情報を求めるためのフローチャートの一例を示したものである。
【図4】本発明の実施形態2における生体情報イメージング装置の構成例を説明する図である。
【図5】本発明における生体情報イメージング装置で用いられる超音波送受信装置の一例を説明する図である。
【図6】本発明の実施形態2における生体情報イメージング装置において、検出される超音波信号の一例を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[実施形態1]
まず、本発明の実施形態1における生体情報イメージング装置について説明する。
図1に、本実施形態における生体情報イメージング装置の構成例を説明する図を示す。
図1において、1は被検体である生体、2はパルス光、3は光導波路、4は光源、5は画像表示装置、6は信号処理装置、7は光吸収体から発生した超音波(第2の超音波)である。
8は超音波検出器(超音波検出手段)、9は光吸収体、10は超音波送信装置(超音波送信手段)、11は超音波送信制御システム、12はフォーカスされた超音波(第1の超音波)である。
【0012】
本実施形態の生体情報イメージング装置は、腫瘍や血管疾患などの診断や化学治療の経過観察などのため、つぎのように情報の画像化が可能であるように構成されている。
すなわち、生体内の光学特性値分布、特に光吸収係数値分布に関する情報及び、それらの情報から得られる生体組織を構成する物質の濃度分布あるいは組成に関する情報、等の画像化が可能にされている。
特に、乳癌などの診断に利用される画像を表示する装置などに使用される。
本実施形態の生体情報イメージング装置は、パルス光2を被検体である生体1に光照射する光源4を備える。この光源4から生体1に照射された光は、光吸収体9により主に吸収され、吸収された光エネルギー量に応じて光吸収体9の温度が光照射している間に変化する。これに起因した熱膨張により周囲との圧力差が生じ、超音波7が発生することとなる。このように、光を吸収することにより光吸収体9から発生する超音波7(第2の超音波)は、光音響波と呼ばれることもある。
なお、ここでいう生体とは乳房・指・足や首など人体の任意の場所を意味している。
通常は、光源4から発生したパルス光は光ファイバや液体ライトガイドなどの光導波路3を通して、生体表面に照射されるが、
パルス光のエネルギーが光ファイバなど光伝播路の限界を超える場合などは、ミラーやレンズを用いて、パルス光を生体に光ガイドを用いずに照射することも可能である。
なお、パルス光は生体表面での単位面積辺りの照射エネルギーを下げるために、集光させるよりもある程度広げる方が好ましい。
典型的にパルス光の照射エリアは数cm程度であるが、その面積は、パルス光のエネルギーと人体への光照射限界により最適な値に設計される。
【0013】
また、本実施形態の生体情報イメージング装置は、公知の方法によって被検体である生体の内部における特定の領域に超音波(第1の超音波)をフォーカスさせることが可能な超音波送信装置10を備える。
通常、超音波送信装置は複数の任意な超音波を発生可能な超音波発生エレメントからなる。
複数の超音波発生エレメントからなる場合は、様々な領域へ、フォーカス超音波を送信するためにアレイ状に、例えば2次元アレイ状に配列したものが好ましい。なお、1次元のリニアアレイと音響レンズを用いても同じ効果が期待できる。このような超音波発生のエレメントとしては圧電型、静電容量型トランスデューサなどを用いることができる。
なお、2次元アレイ状に配列した超音波発生エレメントを用いる場合は、発生した超音波を生体内の特定の領域でエネルギー密度が最大になるようにするために、電子的に制御されることが好ましい。また、超音波送信装置10は特定の領域に超音波をフォーカスさせるための信号を発生する送信信号処理システムにより制御される。
なお、超音波送信装置10はコンピューターなどで制御されることが好ましい。ここでは生体内にある光吸収体9の存在する領域に音波が収束されている例を示しているが、超音波は任意の場所に収束させることが可能である。
【0014】
さらに、本実施形態では、生体内における腫瘍、血管、またはこれらに類する生体内の光吸収体9が光のエネルギーの一部を吸収して発生した超音波7を検出し電気信号に変換する超音波検出器(超音波検出手段)8を備える。
通常、超音波検出器8も複数の超音波検出エレメントからなることが好ましい。複数の超音波受信エレメントからなる場合は、3次元的な画像情報を得るために、2次元的に、例えば2次元アレイ状に配列したものが好ましい。
このような超音波の検出エレメントとしては、圧電型、静電容量型、光検出型のトランスデューサなどを用いることができる。
なお、この超音波検出器8は、フォーカス超音波12の反射あるいは透過超音波も検出することが可能である。
また、超音波検出器8は生体内の光吸収体9が光のエネルギーの一部を吸収して発生した超音波7と、フォーカス超音波12の反射あるいは透過超音波とを同時に検出できる。
また、超音波検出器8で得られた電気信号を解析する信号処理装置6及び、その処理信号に基づいた画像を表示する画像表示装置5を備える。
なお、信号処理装置6は典型的に検出した超音波信号を増幅する増幅器やアナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバーター及び、信号処理を行うFPGAやパーソナルコンピューターなどから構成される。
また、画像表示装置5はコンピューターなどで作られた画像信号を表示するディスプレイなどが典型的に利用される。なお、本発明の生体情報イメージング装置において、画像表示装置5は任意の構成である。
本実施形態の生体情報イメージング装置は、以上の各部によって構成される。
【0015】
パルス光を生体に照射する光源4は、生体を構成する成分のうち特定の成分に吸収される特定の波長の光を照射する手段として用いられる。
また、光源4は、光吸収体から超音波を効率よく発生させるために、数ナノから数百ナノ秒オーダーのパルス光を発生可能なパルス光源であることが望ましい。具体的にはパルス光の時間幅は、100ピコ秒以上500ナノ秒以下、より好ましくは1ナノ秒以上100ナノ秒以下である。その際、パルス光の波長は、400nm以上、1600nm以下の範囲であることが好ましい。
光源としてはレーザーが好ましいが、レーザーのかわりに発光ダイオードなどを用いることも可能である。
レーザーとしては、固体レーザー、ガスレーザー、色素レーザー、半導体レーザーなど様々なレーザーを使用することができる。
本実施の形態においては、光学特性値分布、特に、光吸収係数値分布の波長による違いを測定するために、各々の光源4は単一波長の光のみ発振するものではなく、異なる波長を発振できるものを用いても良い。
そのときの光源としては、発振する波長の変換可能な色素、OPO(Optical Parametric Oscillators)、チタンサファイヤ、アレキサンドライトなどの光学結晶を用いたレーザーなどが使用できる。
使用する光源の波長に関しては、生体内において吸収が少ない700nmから1100nmの領域が好ましい。
比較的生体表面付近の生体組織の光学特性値分布を求める場合は、上記の波長領域よりも範囲の広い、例えば400nmから1600nmの波長領域を使用することも可能である。
【0016】
本実施形態の超音波検出器8は、光源から生体に照射された光のエネルギーの一部を吸収した生体内の光吸収体9から発生する超音波7を検出し、電気信号に変換する必要がある。
そのため、超音波検出器8の受信可能な周波数帯域は、生体内にある光吸収体の大きさにより最適化されることが望ましい。
超音波検出器8としては、圧電現象を用いたトランスデューサー、光の共振を用いたトランスデューサー、容量の変化を用いたトランスデューサーなど音響波信号を検知できるものであれば、どのような音波検出器を用いてもよい。
例えば、様々な大きさの光吸収体から発生した超音波を受信する場合には、検出周波数帯の広い容量の変化を用いたトランスデューサーや、検出帯域の異なる複数のトランスデューサーを用いることが好ましい。
【0017】
また、本実施の形態では、一つの超音波検出器8を生体表面近傍に配置させた場合を示しているが、このような配置に限らず、超音波検出器8を複数配置し、複数の個所で超音波が検知可能な構成としてもよい。
なお、複数の個所で超音波を検知できれば、超音波検出器8を複数配置した場合と同じ効果が得られるため、1個の超音波検出器を生体表面上で2次元的に走査しても良い。
しかしながら、2次元状に配置されている場合では、様々な場所で同時に超音波信号を検出できるため、超音波検出器をスキャンさせる方式よりも測定時間を短くできる利点がある。
なお、超音波検出器8から得られた電気信号が小さい場合は、信号処理装置6において増幅器を用いて、信号強度を増幅することが好ましい。
また、超音響波検出器8や超音波送信装置10と測定対象である生体物質1との間には、超音波の反射を抑えるための音響インピーダンスマッチング剤を使うことが望ましい。
【0018】
本実施形態の信号処理装置6は、前記超音響波検出器からの電気信号を解析し、これにより前記生体の光学特性値分布に関する情報、特に光吸収特性値分布に関する情報を導くことができる。
例えば、図1に示すように、信号処理装置6が、超音波検出器8より得られた電気信号に基づいて、超音波をフォーカスした特定領域の光エネルギー吸収密度値あるいは、光吸収系数値に関する光学特性値を算出する。
超音波の音圧変化を記憶し、それを演算手段により、光学特性値に関連したデータに変換できるものであればどのようなものを用いてもよい。
例えば、データ収集システムとそのシステムに記憶されたデータを解析できるコンピューターなどが使用できる。
【0019】
また、画像表示装置5としては、超音波信号を解析して得られた画像を表示できればよく、液晶ディスプレイなど様々なものを使用することができる。
なお、光源が複数の波長の光を発生可能で、複数の波長の光を生体に照射する場合は、それぞれの波長に関して、生体内の光学特性値分布に関係する情報を算出し、それらに基づいて生体を構成する物質の濃度分布を画像化することができる。
例えば、吸収係数値分布に関係する情報を算出し、それらの値と生体組織を構成する物質(グルコース、コラーゲン、酸化・還元ヘモグロビンなど)固有の波長依存性とを比較することによって、生体を構成する物質の濃度分布を画像化することも可能である。
このような実施形態に示された生体情報イメージング装置を用いることで、従来技術よりも生体深部にある光吸収体から発生した超音波を生体表面で検出することが可能となり、様々な領域での生体の光学特性値に関する情報を画像化することが可能となる。
【0020】
次に、本実施形態における生体情報イメージング装置から得られた信号による生体情報のイメージング方法について説明する。
図1および図2を用いて、本発明の実施形態で使用する生体内の光学特性値分布である、吸収係数分布に関係する情報を画像化するためのフローチャートの一例を説明する。
以下の(1)から(5)は、図3に示されたフローチャートの丸数字で示された数字に対応させたものであり、この番号順にこれらについて説明する。
(1)超音波送信装置10から特定の場所でエネルギーが最大になるようなフォーカス超音波12を送信する。
例えば、超音波送信装置10を構成する各超音波送信エレメントに超音波送信制御システム11から制御信号を与え、特定の領域でエネルギーが最大になる超音波を形成し送信する。例えば、図2(a)のような波形のフォーカス超音波を特定の領域に照射する。
このとき、図2(a)に示された音波の周波数は、前記特定の領域内にある光吸収体の大きさを音速で除した値の逆数程度にすることが好ましいが、特定の範囲で周波数を連続的に変化させることも可能である。フォーカスされた超音波12の周波数の詳細は後述する。
また、図2(a)において、フォーカス超音波の波形は単一の周波数で構成される波形を示したが、これに限らず、様々な形状の波形を使用することができる。つまり、超音波の波形は、その波形をフーリエ変換後に、単一の周波数からなるものだけではなく、複数の周波数から構成されるものでもよい。なお、複数の周波数から構成される超音波の波形を使うことで、より光吸収により発生する超音波の波形に近い形状のものを作り出すことが可能となる。
(2)光源4からパルス光2を生体表面へ照射する。音圧変化の測定期間においては、光の照射時間を基準とする。また、(1)のフォーカス超音波12の照射は、その時間を基準として位相を調整することになる。
(3)前記光源から生体に照射されたパルス光のエネルギーの一部を吸収した生体内の光吸収体から発生する超音波のうち、前記音波をフォーカスした特定の領域から発生した超音波を超音波検出器8で検出する。
通常、フォーカス超音波が送信されていない場所において、光吸収体が光吸収により発生した超音波信号は、横軸に時間、縦軸に超音波の強度をとると、図2(b)のようなN型形状をしている。
なお、その時間幅は、光吸収体の直径を音速で割ったものに近い値を示す。
また、図2(a)のフォーカス送信超音波と図2(b)の光吸収体から発生した超音波の位相と周期がほぼ一致すれば、図2(b)の振幅の強度は増幅され、図2(c)のような大きな信号を観測することができる。
そのため、生体表面では従来よりも大きな信号を観測できるようになる。これが、光吸収体から発生した超音波(第2の超音波)と、フォーカス超音波(第1の超音波)との相互作用による第3の超音波による信号である。
なお、実際には、図2(c)のような信号以外に、生体内にあるその他の光吸収体からの超音波信号も観測される。
しかし、フォーカス超音波が送信された領域からの発生する超音波が到達する時間は音速とトランスデューサーまでの距離から簡易に求まるため、特定の領域からの発生した超音波信号を特定することは容易である。
(4)上記した(3)で得られた第3の超音波による信号を解析して、前記超音波をフォーカスした特定の領域の光学特性値を算出する。例えば、光エネルギー吸収密度値あるいは、光吸収係数値に関連した特性値を求める。例えば、音波をフォーカスした特定の領域とすべての超音波検出エレメントの距離に対応した遅延時間を考慮した信号を足し合わせればよい。通常、これは整相加算と呼ばれる。
(5)上記した(1)から(4)のステップを第一のステップとし、第二のステップではこれらの第一のステップにおいて、超音波をフォーカスする領域の場所を変えて、それを繰り返し、特性の生体内領域の光エネルギー吸収密度値分布を求める。あるいは、光吸収係数値に関連した特性値分布を求める。
すなわち、特定領域を被検体の内部でスキャンさせてくり返し測定を行い、被検体内部の3次元の光学特性値分布を算出することができる。
【0021】
また、同様の処理を様々な光の波長で行うことで、生体組織を構成する物質(グルコース、コラーゲン、酸化・還元ヘモグロビン、微小石灰化部位など)の濃度分布を画像化することも可能である。
なお、ここでは上記のフローチャートに基づいて、生体内の光エネルギー吸収密度値分布あるいは、光吸収係数値に関連した特性値分布を求める方法を用いたが、本発明はこれらのフローチャートに限定されるものではない。
本発明の本質は、特定の領域にフォーカスした超音波とそこで発生した光音響波との相互作用による超音波の共鳴により、従来よりも大きな光音響波信号を発生させ、その信号を解析することで生体内の光学特性値分布に関連した情報を求めることにある。
したがって、本発明は以上で説明したフローチャートに限定されるものではない。
【0022】
ここで、光音響波とフォーカス超音波を効果的に共鳴させるための条件について説明する。
両者を効果的に共鳴させるためには、第一と第二の超音波の両者の位相及び周波数を一致させることが好ましい。
まず、位相に関して説明する。フォーカス超音波(第一の超音波)をフォーカスする特定領域の位置は既知であるため、特定領域におけるフォーカス超音波を特定領域から発生する光音響波(第二の超音波)と同じ位相にすることは容易である。
次に、周波数に関して説明する。
光音響波の周波数は、図2(b)のN型形状の時間幅tの逆数である。tは球状光吸収体の場合、光吸収体の直径d/音速cで求めることができる。
よって、図2(a)に示されるフォーカス超音波の周波数を光音響波の周波数と一致させようとする場合、光吸収体の直径d/音速cの逆数程度にすることが好ましい。
しかし、光吸収体の大きさが未知である場合には、精度良く両者の周波数を一致させることができない。
そこで、フォーカス超音波の周波数は特定の範囲で連続的に変化させることが好ましい。
特定範囲とは具体的には、0.5〜10MHz程度であり、より好ましくは、1MHz〜4MHz程度である。
このようにすれば、効果的に共鳴させる条件を見出すことができる。
換言すると、特定領域に照射するフォーカス超音波の周波数(又は波長)をスキャンすることにより光吸収体の大きさが不明の場合にも対応可能となる。
【0023】
[実施形態2]
つぎに、本発明の実施形態2における生体情報イメージング装置について説明する。
図4に、本実施形態における生体情報イメージング装置の構成例を説明する図を示す。
本実施形態の生体情報イメージング装置は、腫瘍の診断やアルツハイマー病や頚動脈プラークなど、分子プローブで標識する様々な疾患の診断のため、生体内に導入された分子プローブ分布情報などの画像化を可能とするものである。
【0024】
本実施形態の生体情報イメージング装置は、図4で示されているように、パルス光44を生体41に照射する光源42を備える。
光源42はパルス光を照射するもので、生体表面に光を導くために、光導波路43を備えている。
また、本実施形態の生体情報イメージング装置は、超音波検出機能と超音波送信機能を兼ね備えた超音波送受信装置46を備えている。
すなわち、生体内の特定の領域に音波を収束させることが可能な超音波送信装置と、
反射エコーあるいは、生体内に集積した分子プローブ49である生体内の光吸収体が光のエネルギーの一部を吸収して発生した超音波51を検出し電気信号に変換する音響波検出装置と、
の両方の機能を備えた超音波送受信装置46を備えている。
このような超音波送受信装置の一つとして、例えば、図5(a)のように、一つのエレメントが超音波送信エレメントと音波受信エレメントの二つの機能を有し、それらが2次元アレイとして配列されるものを挙げることができる。
あるいは、図5(b)のように、超音波送信エレメント55と超音波受信エレメント56の二つを有し、それらが2次元アレイ状に配列したものなどを挙げることができる。
このように2次元状に配置した素子を用いることにより、効率的に超音波信号を取得できるが、1次元アレイやアレイではなく一つのフォーカストランスデューサーのみでも同様な効果が得られる。一つのフォーカストランスデューサーを用いた場合は、それを走査して、超音波のフォーカス領域を変更させることが好ましい。
また、通常、超音波送受信装置46は、フォーカス超音波を発生させるための制御信号を発生する送・受信システム47により制御され、発生した音波は生体内の特定の領域でエネルギー密度が最大になるように電子的に制御されることが望ましい。
ここでは生体内にある分子プローブ49の存在する領域に超音波がフォーカスされている例を示しているが、超音波はある程度、任意の場所にフォーカスさせることが可能である。
また、超音波送受信装置46より得られた信号は、送・受信システムで信号増幅やアナログ・デジタル変換を行った後に、その信号を解析する情報処理装置48に送られ、被検体の光学特性情報に基づいた画像情報に変換される。また、その画像情報は画像表示装置50により画像化される。なお、画像表示装置50は実施形態1で示されたものと同じ物が使用できる。
【0025】
図4の光源は、生体内に導入された分子プローブ49に吸収される特定の波長のパルス光を照射する。
光源としては数ナノから数百ナノ秒オーダーのパルス光を発生可能なレーザーが好ましく、実施形態1の光源と同様なものを使用することができる。
分子プローブ49としては典型的にインドシニアングリーン(ICG)や金ナノロッドなどが用いられるが、パルス光照射により、光を効率的に吸収し、その結果、超音波を発するものであれば、どのような物質を用いてもかまわない。
このような実施形態に示された生体情報イメージング装置を用いることで、従来技術よりも、生体内深部に導入された分子プローブの光学特性分布を画像化すことが可能になる。
【0026】
次に、本実施形態における生体情報イメージング装置から得られた信号による生体情報の解析方法について説明する。
図4を用いて、本発明の実施形態2で得ることが可能な生体内の光エネルギー吸収密度分布、あるいは吸収係数分布に関係した情報を求めるためのフローチャートの一例を説明する。
(1)超音波送受信装置46から特定の場所でエネルギーが最大になるようなフォーカス超音波40を送信する。
例えば、図6(a)のような超音波信号を特定の領域に照射する。
このとき、図6(a)に示された音波の周波数は、前記特定の領域内にある光吸収体の大きさを音速で値の逆数程度にすることが好ましいが、特定の範囲で周波数を連続的に変化させることも可能である。
また、図6(a)において、フォーカス超音波の波形は単一の周波数で構成される波形を示したが、これに限らず、様々な形状の波形を使用することができる。つまり、超音波の波形は、その波形をフーリエ変換した後に、単一の周波数からなるものだけではなく、複数の周波数から構成されるものでもよい。なお、複数の周波数から構成される超音波の波形を使うことで、より光吸収により発生する超音波の波形に近い形状のものを作り出すことが可能となる。
(2)光源42からパルス光44を生体表面へ照射する。
(3)前記光源42から生体41に照射されたパルス光44のエネルギーの一部を吸収した生体内の光吸収体(ここでは分子プローブ49)から発生する超音波のうち、
前記超音波をフォーカスした特定の領域から発生した超音波51を超音波送受信装置46で検出し、電気信号に変換する。
このとき、送信超音波の反射波は、光吸収体から発生した超音波51と一部、重なり合うため、超音波送受信装置で観測される超音波信号は、例えば、図6(b)あるいは(c)のようになる。
図6(b)あるいは(c)は、光吸収体から発生した超音波(第2の超音波)と、フォーカス超音波(第1の超音波)との相互作用による第3の超音波による信号である。
つまり、超音波がフォーカスされた領域内のある光吸収体から発生した超音波と反射超音波(エコー)の位相及び周波数が合った場合は、両者が共鳴し、図6(c)のように、一部のエコー信号の強度は増幅される。
また、光吸収体から発生した超音波とエコーの位相や周波数が合わない場合は、図6(b)のように、エコー信号の一部の時間領域の強度が変調される。
なお、生体内にあるその他の光吸収体からの超音波も、反射エコー信号に影響を与えるが、超音波がフォーカスされた領域から発生した超音波の伝播時間は容易に求めることができる。
このため、図6(b)あるいは(c)の信号から、その時間領域を容易に特定可能である。
(4)上記した(3)で得られた第3の超音波による信号を解析して、超音波をフォーカスした特定の領域の光学特性値を算出する。例えば、光エネルギー吸収密度値あるいは、光吸収係数値に関連した特性値を求める。
例えば、パルス光照射前に観測される超音波フォーカス領域からの反射エコー信号(これは、第1の超音波であるフォーカス超音波による信号に相当する。)と光照射後に観測される超音波信号(第3の超音波による信号)との差分をとる。これにより、図6(d)のような超音波をフォーカスした特定の領域内にある光吸収体から発生した超音波信号(第2の超音波による信号)から定常ノイズを除去した信号が得られる。それを解析することで超音波をフォーカスした特定の領域の光エネルギー吸収密度値あるいは、光吸収係数値に関連した特性値を求める。
なお、このように差分を取ることで、毎回発生するノイズ(定常ノイズ)を除去した信号が得られるため、通常の計測に比べて、信号とノイズ比(S/N比)を大きくすることができる。
(5)上記した(1)から(4)を繰り返し、超音波のフォーカス領域を変える事で、生体内の光エネルギー吸収密度値分布あるいは、光吸収係数値に関連した特性値分布を求める。
【0027】
また、同様の処理を様々な光の波長で行うことで、生体組織を構成する物質(グルコース、コラーゲン、酸化・還元ヘモグロビン、微小石灰化部位など)の濃度分布の画像化することも可能である。
なお、ここでは上記のフローチャートに基づいて、生体内の光エネルギー吸収密度値分布あるいは、光吸収係数値に関連した特性値分布を求める方法を用いたが、本発明はこれらのフローチャートに限定されるものではない。
本発明の本質は、特定の領域にフォーカスした超音波とそこで発生した光音響波との相互作用による超音波の合成信号と、光を照射していない場合のエコー信号との差分から、従来よりも信号とノイズ比の高い光音響波信号を得ることであり、
かつ、その信号を解析することで生体内の光学特性値分布に関連した情報を求めることにある。
したがって、本発明は以上で説明したフローチャートに限定されるものではない。
【実施例】
【0028】
つぎに、本発明の実施例における生体情報イメージング装置の構成例について説明する。
生体中の光吸収係体の分布に関する情報画像を求めるようにした生体情報イメージング装置の構成例について、図1を用いて説明する。
なお、ここでは実際の生体のイメージングは困難なため、生体を模擬したファントムをイメージングした場合についての例を示す。ここではイントラリピット1%を寒天で角型に固めたものに、光吸収として墨汁を寒天で球状に固めたものを挿入したものを利用する。
光源4としては1064nmのナノ秒パルス光を発振できるQスイッチNd:YAGレーザーを用いる。
パルスの幅は約5ナノ秒であり、繰り返し速度は10Hzである。例えば、1パルスのエネルギーは120mJである。
このパルス光を誘電体反射ミラーを用いて、生体ファントムの表面まで導く。また、そのパルス光は、ビームエキスバンダーにより、10cm程度の領域まで広げられ、生体ファントムの表面へ照射される。そのため、ファントムに照射されるパルス光のエネルギーは12mJ/cm程度となる。なお、ここでは光導波路3として、光ファーバーなどは用いないで、空気中を伝播させる。
超音波送信装置10としてはピエゾタイプのトランスデューサーを用いる。
このトランスデューサーはアレイ状に配列されており、18行18列の計324個で構成され、そこから発生する超音波は送信システム11で制御される。
この超音波送信装置10と送信システム11を用いて、周波数5MHzの超音波をファントム内に配置した光吸収体が存在する領域へフォーカスする。
【0029】
光照射前の光吸収体からのエコー信号は、送信された超音波信号とほぼ同じ周波数のものが観測される。
次に、光照射後の超音波信号は、光吸収体の光吸収により発生した超音波とエコー信号が重なり合ったものである。
そして、光照射前後で測定された超音波信号の差分を取ることで、超音波をフォーカスした領域にある光吸収体の光吸収により発生した超音波信号のみを復元できる。
さらに、超音波をフォーカスする領域を走査し、ファントム全体を走査することができれば、ファントム全領域の光吸収により発生した超音波を高感度に測定可能となる。
さらに、これらの信号はコンピューターに送られ、解析することで、超音波がフォーカスされた領域にある光吸収体の光吸収エネルギー密度値が算出され、光吸収エネルギー密度分布イメージを表示することが可能となる。
このような装置を用いて、ファントム全体の光吸収エネルギー密度値分布を画像化したところ、フォーカス超音波を用いない場合に比べて、光照射面からより深部にある光吸収体を画像化することが可能になる。
【符号の説明】
【0030】
1、41:生体
2、44:パルス光
3、43:光導波路
4、42:光源
5、50:画像表示装置
6、48:信号処理装置
7、51:光吸収体から発生した超音波
8:超音波検出器(超音波受信装置)
9:光吸収体
10:超音波送信装置
11:超音波送信システム
12、40:フォーカス超音波
46、52、54:超音波送受信装置
47:超音波送受信システム
49:分子プローブ
53:超音波送受信エレメント
55:超音波送信エレメント
56:超音波受信エレメント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波を検出し、生体情報を画像化する生体情報イメージング装置であって、
被検体の内部に存在する光吸収体から超音波を発生させるために光照射を行う光源と、
前記光吸収体の存在する特定の領域に、フォーカス超音波を送信する超音波送信手段と、
前記光を吸収することにより前記光吸収体から発生する超音波と、前記特定の領域に送信されたフォーカス超音波との相互作用による超音波の合成信号を検出する超音波検出手段と、
を有することを特徴とする生体情報イメージング装置。
【請求項2】
前記超音波検出手段は、前記光吸収体から発生する超音波に加え、前記フォーカス超音波の反射あるいは透過超音波の検出が可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の生体情報イメージング装置。
【請求項3】
前記超音波検出手段が、超音波送信機能を兼ね備えた構成とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の生体情報イメージング装置。
【請求項4】
前記超音波検出手段が、複数の2次元的に配列した超音波送信または受信エレメントによって構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の生体情報イメージング装置。
【請求項5】
前記超音波送信または受信エレメントが、静電容量型トランスデューサであることを特徴とする請求項4に記載の生体情報イメージング装置。
【請求項6】
前記超音波検出手段が、前記被検体の表面を含む領域に、複数配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の生体情報イメージング装置。
【請求項7】
前記光吸収体が、前記被検体の内部における腫瘍、または血管であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の生体情報イメージング装置。
【請求項8】
前記光吸収体が、前記被検体の内部に導入された分子プローブであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の生体情報イメージング装置。
【請求項9】
前記光源がパルス光源である請求項1乃至8のいずれか1項に記載の生体情報イメージング装置。
【請求項10】
前記光源がパルス光源であり、パルス光の波長が400nm以上、1600nm以下の範囲であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の生体情報イメージング装置。
【請求項11】
前記光源がパルス光源であり、照射されるパルス光の時間幅が100ピコ秒以上500ナノ秒以下である請求項1乃至10のいずれか1項に記載の生体情報イメージング装置。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の生体情報イメージング装置を用い、被検体の内部における光学特性値分布を求める生体情報の解析方法であって、
前記超音波検出手段によって検出された前記相互作用による超音波の合成信号を解析して、前記領域の光エネルギー吸収密度に関連した情報を得る第一のステップと、
前記フォーカス超音波を前記被検体の内部における他の領域にスキャンして、第一のステップを繰り返して、生体の光エネルギー吸収密度分布に関連した情報をイメージングする第二のステップと、
を有することを特徴とする生体情報の解析方法。
【請求項13】
請求項12に記載の第一のステップおよび第二のステップに用いるフォーカス超音波の周波数に関し、周波数を連続的に変化させてイメージングすることを特徴とする生体情報の解析方法。
【請求項14】
請求項12に記載の第一のステップおよび第二のステップに用いるフォーカス超音波の波形に関し、フーリエ変換後に異なる複数の周波数から構成される波形を使用しイメージングすることを特徴とする生体情報の解析方法。
【請求項15】
前記フォーカス超音波が送信された特定の領域における前記フォーカス超音波の反射あるいは透過超音波による信号と、前記フォーカス超音波が送信された特定の領域における前記相互作用による超音波の合成信号の差分から、
前記特定の領域における光エネルギー吸収密度に関連した情報を得るステップを含むことを特徴とする請求項12乃至14のいずれか1項に記載の生体情報の解析方法。
【請求項16】
被検体の内部における光学特性値分布を求める生体情報の解析方法であって、
前記被検体に対して光を照射すると共に、前記被検体の内部の特定領域にフォーカスされた第1の超音波を照射する工程と、
前記特定領域における光吸収体が前記光を吸収することにより該光吸収体から発生する第2の超音波と、前記特定領域に照射された第1の超音波との相互作用による第3の超音波を受信する工程と、
受信される前記第3の超音波から前記特定領域の光学特性値を算出する工程と、
を有することを特徴とする生体情報の解析方法。
【請求項17】
前記光は、パルス光であることを特徴とする請求項16に記載の生体情報の解析方法。
【請求項18】
前記パルス光の時間幅は、100ピコ秒以上500ナノ秒以下であることを特徴とする請求項17に記載の生体情報の解析方法。
【請求項19】
前記第1の超音波の周波数を連続的に変化させて照射することを特徴とする請求項16乃至18のいずれか1項に記載の生体情報の解析方法。
【請求項20】
前記第3の超音波と前記第1の超音波の差分から、前記特定領域の光学特性値を算出することを特徴とする請求項16乃至19のいずれか1項に記載の生体情報の解析方法。
【請求項21】
前記特定領域を前記被検体の内部でスキャンさせてくり返し測定を行い、前記被検体の内部の3次元の光学特性値分布を算出することを特徴とする請求項16乃至19のいずれか1項に記載の生体情報の解析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−207883(P2009−207883A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−21144(P2009−21144)
【出願日】平成21年2月2日(2009.2.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】