説明

生化学的に製造された有機化合物から硫黄及び/又は硫黄含有化合物を希薄化する方法

生化学的に製造された有機化合物から、相応の有機化合物と吸着剤とを接触させることにより硫黄及び/又は硫黄含有化合物を希薄化する方法を見出す。上述の方法により製造可能な所定の規格を有するエタノール、溶剤、消毒剤としての、医薬品又は化粧品中の成分若しくは食品又は洗剤中の成分として若しくは水素合成のための水蒸気改質法における供給物又は質燃料電池における若しくは化学合成における構成単位としてのその使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生化学的に製造された有機化合物から硫黄及び/又は硫黄含有化合物を希薄化する方法、この方法によって製造可能なエタノール及びその使用に関する。
【0002】
生化学的に、例えば発酵により製造された化学的化合物についての、例えば価値の高い化学薬品の化学合成の構成単位として、又は「未処理の」燃料としての必要性が増している(例えば、H・ファン・ベッカムら著 持続可能な開発のための化学11号、2003年、11〜21頁(H. van Bekkum et al., Chem. for Sustainable Development 11, 2003, Seiten 11-21)を参照のこと)。
【0003】
再生可能な資源の例は、アルコール、例えばエタノール、ブタノール及びメタノール、ジオール、例えば1,3−プロパンジオール及び1,4−ブタンジオール、トリオール、例えばグリセリン、カルボン酸、例えば乳酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、酪酸、ギ酸、マロン酸及びコハク酸である。
【0004】
多くの用途のために、エチレンの水素化によって優勢に製造される合成エタノールに代えて、生物学的源からのエタノール、いわゆるバイオエタノールを使用することもできる。
【0005】
多くの用途のために、アクロレインを酸触媒下で水素化して3−ヒドロキシプロパナールを得て、続いて金属触媒による水素化を行うか又はエチレンオキシドのヒドロホルミル化によって優勢に製造される合成1,3−プロパンジオール(工業有機化学、ヴァイサーメル、アルペ著、2003年(Industrial Organic Chemistry, Weissermel and Arpe, 2003))に代えて、生物学的源からの1,3−プロパンジオール、いわゆるバイオ1,3−プロパンジオールを使用することもできる(US−A−6514733号、DE−A−3829618号)。
【0006】
多くの用途のために、ラクトニトリルの加水分解により製造された合成乳酸に代えて、生物学的源からの乳酸を使用することもできる(K・ヴァイサーメル、H・J・アルペ著、工業有機化学、ウィレイVCH、ヴァインハイム、2003年、306頁(K.Weissermel and H.-J. Arpe, Industrial Organic Chemistry, Wiley-VCH, Weinheim, 2003, p.306))。
【0007】
食用油及び動物脂肪をエステル交換してバイオディーゼルを得ることができる。この場合、バイオディーゼルの他に、グリセリン分画が生ずる。グリセリンの用途には、化学工業における用途、例えば医薬品、化粧品、ポリエーテルイソシアネート、グリセロールトリポリエーテルの製造が含まれる(K・ヴァイサーメル、H・J・アルペ著、工業有機化学、ウィレイVCH、ヴァインハイム、2003年、303頁)。
【0008】
エタノールの用途には、化学工業における用途、例えばエチルアミンの製造、カルボン酸からのエチルエステル(特に酢酸エチルエステル)の製造、ブタジエン又はエチレンの製造、アセトアルデヒドを介するエチルアセテートの製造及び塩化エチルの製造(K・ヴァイサーメル、H・J・アルペ著、工業有機化学、ウィレイVCH、ヴァインハイム、2003年)、並びに化粧品及び医薬品工業又は食品工業並びに洗剤、溶剤及び染料における用途が含まれる(N・シュミッツ著、ドイツのバイオエタノール、農業出版、ミュンスター、2003年(N. Schmitz, Bioethanol in Deutschland, Landwirtschaftsverlag, Muenster, 2003))。
【0009】
更なる用途は:水蒸気改質法における供給物質及び燃料電池の水素源である(S・ベルら著、カタリスト・レタース82号、2002年、145〜152頁(S.Velu et al., Cat. Letters 82, 2002, Seiten 145-52); A・N・ファットシコスタスら著 カタリスト・トゥデイ75号、2002年、145〜155頁(A. N. Fatsikostas et al., Cat. Today 75, 2002, Seiten 145-55);F・アウプレットルら著 カタリスト・コミュニティ3号、2002年、263〜267頁( F. Aupretre et al., Cat. Commun. 3, 2002, Seiten 263-67);V・フィエロら著、グリーンケミストリー 5号、2003年、20〜24頁(V.Fierro et al., Green Chem. 5, 2003, Seiten 20-24);M・ワン、ジャーナル・オブ・パワーソース 112号、2002年、307〜321頁(M. Wang, J. of Power Sources 112, 2002, Seiten 307-321))。
【0010】
1,3−プロパンジオールの用途には、化学工業における用途、例えば医薬品、ポリエステル、ポリトリメチレンテレフタレート、繊維の製造が含まれる。
【0011】
乳酸の用途は、食品工業及び生分解ポリマーの製品である。
【0012】
生化学的に製造された化合物、例えばバイオエタノール、バイオ1,3−プロパンジオール又は乳酸の、特に純粋な形での使用は、多くの用途において特に有利であり、かつ廉価である。
【0013】
生化学的に製造された化合物の精製若しくは単離は、しばしば、費用がかかる多段階方法において蒸留により実施される。
【0014】
しかし、生化学的に製造された相応の化合物の利点は、本発明により認識されているように、しばしば、化合物が、公知の精製法の後においても、硫黄及び/又は硫黄含有化合物、特に特定の硫黄含有化合物を少量で含有し、かつこの硫黄若しくは硫黄含有化合物がしばしばそれぞれの用途において干渉することによって妨げられる。
【0015】
従って、バイオエタノールの硫黄含有物は、それをアミノ化してエチルアミンを得る使用の際に、金属触媒を被毒させることによって干渉する。他の相応のバイオアルコールのアミノ化にも当てはまる。
【0016】
アルコールアミノ化は、特に不均一系の水素化/脱水素触媒上で、相応のアルコールとアンモニア、第1級又は第2級のアミンとの反応によって、圧力及び温度を高めて、水素の存在下で、大規模工業的に実施する。例えば、ウールマン工業化学百科事典、第6版、2000年、脂肪族アミン:アルコールからの製造(Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Sixth edition, 2000, , aliphatic Amines: Production from alcohols)を参照のこと。
【0017】
この触媒は、遷移金属、例えばVIII及びIB族の金属、しばしば銅を、触媒活性成分として含有しており、これらは無機担体、例えば酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、二酸化チタン、炭素、酸化ジルコニウム、ゼオライト、ハイドロタルサイト等、当業者に知られた材料上に適用されている。
【0018】
相応のバイオアルコールを使用する場合には、不均一系触媒の触媒活性金属表面は、時間とともに、バイオアルコールによって導入された硫黄若しくは硫黄含有化合物でますます覆われる。このことは、触媒失活を助長し、これによりそれぞれの工程の経済性が極めて害される。
【0019】
バイオエタノールの硫黄含有物は、例えば水素製造のための水蒸気改質法及び燃料電池においても触媒被毒によって、悪影響を与える。
【0020】
一般的には、天然原料からの化学薬品の硫黄含有物は、例えば、上述のような金属中心の硫化及びそれによる失活によって、又は酸性又は塩基性中心の被覆によって、副反応の発生及び触媒作用によって、製造設備内における堆積によって、並びに生成物の汚染によってその反応に悪影響を及ぼす。
【0021】
生化学的に製造された化合物中における硫黄及び/又は硫黄含有化合物の更なる悪影響は、その典型的な不快な臭いであり、これは特に化粧品用途品、消毒剤、食品及び/又は医薬製品において不利である。
【0022】
従って、生化学的に製造された有機化合物、例えばバイオエタノール、バイオ1,3−プロパンジオール、バイオ1,4−ブタンジオール、バイオ1−ブタノール(一般的名称:バイオアルコール)中の硫黄及び/又は硫黄含有化合物を、その使用前に行う脱硫段階によって希薄化すること又は実質的に完全に除去することが経済的に見て極めて重要である。
【0023】
WO−A−2003020850号、US−A1−2003070966号、US−A−1−2003113598号及びUS−B1−6531052号は、液体炭化水素(ベンジン)からの硫黄の除去に関する。
【0024】
ケミカルアブストラクツ 102号(Chemical Abstracts Nr. 102):222463(M・Kh・アナギフら ドクラディアカデミア ナウク アザーバイドツアンスコイ SSR、1984年、40号(12)、53〜56頁(M.Kh. Annagiev et al., Doklady-Akademiya Nauk Azerbaidzhanskoi SSR, 1984, 40 (12), 53-6))は、工業用エタノール(非バイオエタノール)から、S化合物を、エタノールとクライノタイロフッ石型及びモルデンフッ石型のゼオライトとを室温で接触させ、その際、ゼオライトを、予め380℃で6時間にわたって調節しておき、かつ幾つかの例では金属塩、特にFeで処理しておくことによって、25〜30mg/lから8〜17mg/lに希薄化することを記載している。希薄化されるS化合物は、HS及びアルキルチオール(R−SH)である。
【0025】
本発明の課題は、生化学的に製造された有機化合物、例えばバイオアルコール、例えばバイオエタノールを処理し、これにより相応の処理された化合物が高い収率、空時収率及び選択性で得られ、該化合物が、その使用、例えば化学合成工程の際に、例えばバイオエタノールからのエチルアミン、特にモノ−、ジ−、及びトリエチルアミンの製造の際に、及び他の使用、例えば化学工業、化粧品又は製薬工業若しくは食品工業の使用において改善された特性を有する、改善された経済的な方法を見出すことである。特に、処理されたバイオエタノールの使用によって、エチルアミンの合成の際の触媒耐用期間を延長できることが望ましい。
【0026】
(空時収率は、「生成物量/(触媒容量・時間)」(kg/(IKat・h))及び/又は「生成物量/(反応器容量・時間)」(kg/IReaktor・h)として挙げられる)。
【0027】
これに応じて、生化学的に製造された有機化合物から硫黄及び/又は硫黄含有化合物を希薄化する方法において、相応の有機化合物と吸着剤とを接触させることを特徴とする方法を見出した。
【0028】
更に、上述の方法によって製造可能な特定の規格を有するエタノール(下記参照のこと)、及び、溶剤、消毒剤としての、医薬品又は化粧品中の成分若しくは食品又は洗剤中の成分としての、水素合成のための水蒸気改質法における供給物質としての、又は燃料電池における若しくは化学合成における構成単位としてのその使用を見出した。
【0029】
本発明にかかる方法は、特に、発酵により製造された化合物から硫黄及び/又は硫黄含有化合物を希薄化するのに好適である。
【0030】
硫黄含有化合物は、無機又は有機化合物、特に対称又は非対称C2−10−ジアルキルスルフィド、特にC2−6−ジアルキルスルフィド、例えばジエチルスルフィド、ジ−n−プロピルスルフィド、ジイソプロピルスルフィド、とりわけジメチルスルフィド、C2−10−ジアルキルスルホキシド、例えばジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジプロピルスルホキシド、3−メチルチオ−1−プロパノール及び/又はS含有アミノ酸、例えばメチオニン及びS−メチル−メチオニンである。
【0031】
生化学的に製造された有機化合物は、好ましくは、アルコール、エーテル又はカルボン酸、特にエタノール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1−ブタノール、グリセリン、テトラヒドロフラン、乳酸、コハク酸、マロン酸、クエン酸、酢酸、プロピオン酸、3−ヒドロキシ−プロピオン酸、酪酸、ギ酸又はグルコン酸である。
【0032】
吸着剤としては、シリカゲル、活性化された酸化アルミニウム、親水特性を有するゼオライト、活性炭又は分子ふるい炭素を使用することが好ましい。
【0033】
使用可能なシリカゲルの例は、二酸化ケイ素であり、使用可能な酸化アルミニウムの例は、ベーム石、ガンマ−、デルタ−、シータ−、カッパ−、カイ−及びアルファ−酸化アルミニウムであり、使用可能な活性炭の例は、木、泥炭、ヤシの殻から製造された炭素、又は例えば天然ガス、石油から製造された合成炭素及びカーボンブラック若しくは下流の製品又はヘテロ原子、例えば窒素を含有していてもよいポリマー有機材料であり、かつ使用可能な分子ふるい炭素は、無煙炭及び「硬質炭」から部分酸化によって製造された分子ふるいであり、これらは例えばウールマン工業化学百科事典第6版電子版、2000年、吸着の章、「吸着剤」の段落(Electronic Version of Sixth Edition of Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 2000, Chapter Adsorption, Paragraph' Adsorbents')に記載されている。
【0034】
吸着剤を成形体、例えば固定床法のための成形体として製造すれば、それぞれの任意の形で使用することができる。一般的な成形体は、0.5〜5mmの特徴的な直径を有する球、押出物、中空押出物、星形押出物、錠剤、細片等、又はモノリス及び類似の構造充填物である(ウールマン工業化学百科事典第6版電子版、固定床反応器の章、第2部:固定床反応器のための触媒形(Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Sixth Edition 2000, Electronic Release, Chapter Fixed-Bed Reactors, Par.2: Catalyst Forms for Fixed-Bed Reactors)を参照のこと)。
【0035】
懸濁式の場合には、吸着剤を粉末形で使用する。かかる粒子の一般的な粒径は、1〜100μmであるが、例えばカーボンブラックを使用する際には、1μmより顕著に小さい粒子を使用してもよい。懸濁法においては、濾過を不連続的に、例えば深層フィルターによって実施してよい。連続法においては、例えばクロスフロー濾過が考えられる。
【0036】
吸着剤としては、ゼオライト、特に、天然ゼオライト、フォージャサイト、X−ゼオライト、Y−ゼオライト、A−ゼオライト、L−ゼオライト、ZSM5−ゼオライト、ZSM8−ゼオライト、ZSM11−ゼオライト、ZSM12−ゼオライト、モルデンフッ石、ベータ−ゼオライト、ペンタシルゼオライト、及びこれらの混合物の群からのイオン交換可能な陽イオンを有するゼオライトが好ましい。
【0037】
かかるゼオライトは、市販のゼオライトを含めて、キルク−オスマー化学工学百科事典第4版16巻、ウィレイ、NY、1995年(Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Engineering 4th Ed. Vol.16. Wiley, NY, 1995)に記載されており、かつ例えば触媒作用とゼオライト、J・ヴァイトカンプ、L・プッペ編、シュプリンガー、ベルリン(1999年)(Catalysis and Zeolites, J. Weitkamp and L. Puppe, Eds, Springer, Berlin(1999))にも記載されている。
【0038】
いわゆる金属有機物骨格(MOF)を使用してもよい(例えば、リーら、ネイチャー、402号、1999年、276〜279頁(Li et al., Nature, 402, 1999, Seiten 276-279))。
【0039】
ゼオライトの陽イオンは、例えばH形のゼオライトの場合にはHであるか、又はNa形のゼオライトの場合はNaであり、好ましくは完全に又は部分的に金属陽イオン、特に遷移金属陽イオンと交換されている(金属陽イオンでのゼオライトの負荷)。
【0040】
これは、例えば可溶性塩のイオン交換、含浸又は蒸発によって実施することができる。しかし、金属は、イオン交換によってゼオライト上に適用することが好ましい。それというのも、本発明により認識されるように、これらは特に分散性が高く、従って特に硫黄吸着容量が高いからである。この陽イオン交換は、例えばアルカリ金属形、H形又はアンモニウム形のゼオライトから開始して行うことができる。かかるゼオライトのイオン交換技術は、触媒作用とゼオライト、J・ヴァイトカンプ、L・プッペ編、シュプリンガー、ベルリン(1999年)に詳細に記載されている。
【0041】
好ましいゼオライトは、2〜1000、特に2〜100の範囲の率(SiO:Alモル比)を有する。
【0042】
とりわけ、本発明にかかる方法においては、周期系のVIII及びIB族からの1種又は複数種の遷移金属、例えばFe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Ag及び/又はAu、好ましくはAg及び/又はCuを元素又は陽イオンの形で含有する吸着剤、特にゼオライトを使用する。
【0043】
吸着剤は、好ましくは0.1〜75質量%、特に好ましくは1〜60質量%、殊に好ましくは2〜50質量%、とりわけ好ましくは5〜30質量%(それぞれ吸着剤の全質量に対して)の1種又は複数種の金属、特に1種又は複数種の遷移金属を含有する。
【0044】
かかる金属含有吸着剤の製造方法は、例えばラーセンら、ジャーナル・オブ・ケミストリー・アンド・フィジクス98号、1994年、11533〜11540頁(Larsen et al., J. Chem. Phys. 98, 1994 Seiten 11533-11540)及びジャーナル・オブ・モレキュラー・カタリシスA21号(2003年)237〜246頁(J. Mol. Catalysis A, 21 (2003) Seiten 237-246)から当業者には知られている。
【0045】
触媒作用とゼオライト、J・ヴァイトカンプ、L・プッペ編、シュプリンガー、ベルリン(1999年)には、ゼオライトのイオン交換技術が詳細に記載されている。
【0046】
例えば、A・J・フェルナンデス−マルドナドら(A.J. Hernandez-Maldonad et al.)は、インダストリアル・アンド・エンジニアリング・ケミストリー・リサーチ(Ind. Eng.Chem.Res.42, 2003, Seiten123-29)に、Na−Y−ゼオライトを過剰な硝酸銀水溶液(0.2モラー)で、室温で24〜48時間にわたりイオン交換することによってAg−Y−ゼオライトを製造する好適な方法を記載している。このイオン交換の後に、この固体を濾過によって単離し、大量の脱イオン水で洗浄し、そして室温で乾燥させる。
【0047】
例えば、T・R・フェルトハウスら、ジャーナル・オブ・カタリシス98号、411〜433頁(1986年)(T.R.Felthouse et al., J. of Catalysis 98, Seiten 411-33(1986))にも、H形のY−ゼオライト、モルデンフッ石、及びZSM−5からそれぞれPt含有ゼオライトを製造することが記載されている。
【0048】
本発明にかかる方法に好ましい吸着剤を得るために、WO−A2−03/020850号に開示されているNa−Y−ゼオライトから開始してイオン交換によってCu−Y−及びAg−Y−ゼオライトを製造する方法も好適である。
【0049】
とりわけ好ましい吸着剤は:
Ag含有率が10〜50質量%(吸着剤の全質量に対して)であるAg−X−ゼオライト及び
Cu含有率が10〜50質量%(吸着剤の全質量に対して)であるCu−X−ゼオライトである。
【0050】
本発明にかかる方法を実施するために、吸着剤と有機化合物とを一般的に0〜200℃、特に10〜50℃の範囲内の温度で接触させる。
【0051】
吸着剤との接触は、好ましくは1〜200バール、特に好ましくは1〜5バールの範囲内の絶対圧で実施する。
【0052】
室温かつ常圧(大気圧)で作業することが特に好ましい。
【0053】
本発明の好ましい実施形態においては、相応の有機化合物は液相、すなわち液体形でか若しくは、溶剤又は希釈剤中に、溶解又は懸濁させて、吸着剤と接触させる。
【0054】
溶剤として、特に精製されるべき化合物を可能な限り完全に溶解させることができるか又はそれと完全に混和するか若しくは反応条件下で不活性である溶剤が挙げられる。
【0055】
好適な溶剤の例は、水、環状及び脂環式エーテル、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、メチル−t−ブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジメトキシプロパン、ジメチルジエチレングリコール、脂肪族アルコール、例えばメタノール、エタノール、n−又はイソプロパノール、n−、2−、イソ−又はt−ブタノール、カルボン酸エステル、例えば酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステル、酢酸プロピルエステル又は酢酸ブチルエステル、並びに脂肪族エーテルアルコール、例えばメトキシプロパノールである。
【0056】
液体の溶剤含有相中の精製されるべき化合物の濃度は、原則的に、自由に選択してよく、しばしば、溶液/混合物の全質量に対して20〜95質量%の範囲内である。
【0057】
本発明にかかる方法の変法は、常圧又は圧力下で、水素の存在下で実施する。
【0058】
この方法は、気相又は液相中、固定床式又は懸濁式において、当業者に知られた方法によりにより、逆混合が伴うか又は伴うことなく、連続的又は不連続的に実施する(ウールマン工業化学百科事典第6版電子版、2000年、「吸着」の章)。
【0059】
硫黄化合物の希薄化の程度を可能な限り大きくするために、特に逆混合の程度の小さい方法が考えられる。
【0060】
本発明にかかる方法により、特に、それぞれの化合物からの硫黄及び/又は硫黄含有化合物を、≧90質量%、特に≧95質量%、とりわけ≧98質量%(それぞれSとして算出)だけ希薄化することができる。
【0061】
本発明にかかる方法により、特に、それぞれの化合物から硫黄及び/又は硫黄含有化合物を、例えばWickbold(DIN EN41)により測定する場合、<2質量ppm、特に<1質量ppm、とりわけ0質量ppm〜<0.1質量ppm(それぞれSとして算出)の残留量に希薄化することができる。
【0062】
本発明にかかる方法において好ましく使用されるバイオエタノールは、一般的に農産物、例えば糖蜜、甘蔗汁、トウモロコシデンプン、又は木材糖化製品及び発酵による亜硫酸廃液から製造する。
【0063】
グルコースをCOを脱離させつつ発酵させることによって得られたバイオエタノールを使用することが好ましい。(K・ヴァイサーメル、H・J・アルペ著、工業有機化学、ウィレィVCH、ヴァインハイム、2003年、194頁(K. Weissermel und H.-J. Arpe, Industrial Organic Chemistry, Wiley-VCH, Weinheim, 2003,p.194);ウールマン工業化学百科事典第6版電子版、2000年、エタノールの章、発酵の段落(Electronic Version of Sixth Edition of Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 2000, Chapter Ethanol, Paragraph Fermentation))。エタノールは、一般的に、発酵ブロスから蒸留法によって得る:ウールマン工業化学百科事典第6版電子版、2000年、エタノールの章、回収及び精製の段落(Paragraph Recovery and Purification)。
【0064】
本発明によれば、見出された方法を用いて製造されたエタノールは、化学合成の構成単位として、例えば、
エタノールとNH、第1級アミン若しくは第2級アミンとを水素の存在下で、温度及び圧力を高めて、周期系のVIII及び/又はIB族の金属を含有する不均一系触媒の存在下で反応させることによって、第1級、第2級又は第3級エチルアミン、モノ−又はジエチルアミン、特にモノ−、ジ−及び/又はトリエチルアミンを製造する(当業者に知られた)方法において、
特にエタノールをカルボン酸でエステル化させるか又はカルボン酸エステルをエタノールでエステル交換させることによってエチルエステルを製造する(当業者に知られた)方法において、
脱水によってエチレンを製造する(当業者に知られた)方法において、
溶剤、消毒剤として、及び
医薬品又は化粧品の成分中若しくは食品又は洗剤中の成分として、水素合成のための水蒸気改質法における供給物質として又は燃料電池において有利に使用される。
【0065】
本発明の対象はまた、本発明にかかる方法によって製造可能なエタノールであって、
例えばWickbold(DIN EN41)により測定された硫黄及び/又は硫黄含有有機化合物の含有量が、0〜2質量ppm、特に0〜1ppm、とりわけ0〜0.1ppm(それぞれSとして算出)の範囲内であり、
3−4アルカノールの含有量が、1〜5000質量ppm、特に5〜3000質量ppm、とりわけ10〜2000質量ppmの範囲内であり、
メタノールの含有量が、1〜5000質量ppm、特に5〜3000質量ppm、とりわけ10〜2000質量ppmの範囲内であり、
エチルアセテートの含有量が、1〜5000質量ppm、特に5〜3000質量ppm、とりわけ10〜2000質量ppmの範囲内であり、かつ
3−メチル−ブタノール−1の含有量は、1〜5000質量ppm、特に5〜3000質量ppm、とりわけ10〜2000質量ppmの範囲内であるエタノールである。
【0066】
3−4アルカノール、メタノール、エチルアセテート及び3−メチル−ブタノール−1の含有量は、例えばガスクロマトグラフィー(30m DB−WAXカラム、内径:0.32mm、膜厚:0.25μm、FID検出器、温度プログラム:35℃(5分)、10℃/分、加熱速度、200℃(8分))によって測定する。
【0067】
実施例
Ag−ゼオライトの製造
実施例1:粉末−Ag−ゼオライト
AgNO溶液(水中の7.71gのAgNO、全量200ml)を、ビーカー中に装入し、ゼオライト(ZSM−5、200g、SiO/Alモル比=40〜48、Na形)をゆっくり撹拌しつつそれに添加し、そして室温で2時間にわたって撹拌した。次いで、この吸着剤をひだ付濾紙上で濾過した。次いで、この吸着剤を16時間にわたって120℃で暗い乾燥炉で乾燥させた。この吸着剤は、2.1質量%のAg(吸着剤の全質量に対して)を含有していた。
【0068】
実施例2:成形体−Ag−ゼオライト
AgNO溶液(水中で22.4g、全量100ml)を、ビーカー中に装入した。ゼオライト(65g Molsieb13X、直径2.7mmの球形、SiO/Alモル比=2、Na形)をこの器具に装入した。400mlの水を入れ、そして室温で連続的な装置内でポンプ輸送して循環させた。このAg−硝酸塩溶液を1時間にわたって滴加した。次いでそれを一晩(23時間)ポンプ輸送して循環させた。次いでこの吸着剤を、12リットルの脱イオン水で硝酸塩を洗い流し、次いで120℃で一晩、暗い乾燥炉で乾燥させた。この吸着剤は、15.9質量%のAg(吸着剤の全質量に対して)を含有していた。
【0069】
実施例A
本明細書中の全てのppmの記載は、質量に関するものである。
【0070】
脱硫を試験するために、それぞれ10gの吸着剤(以下の表を参照のこと)を、乾燥炉中で150℃で一晩、加熱して、吸着された水を除去した。この固体が冷めた後に、それを乾燥炉から取り出して、そして300mlのエタノール(無水エタノール、>99.8%、販売元:Riedel de Haeen社)を注いだ。このエタノールに、約17ppmのジメチルスルフィド(約9ppmの硫黄に相当)を添加した。それというのも、事前の実験において、ジメチルスルフィドがバイオエタノール中に含まれる有機硫黄化合物の代表的な硫黄化合物であることが判明していたからである。
【0071】
Ag/ZSM−5吸着剤を、AgNO水溶液でのNa−ZSM−5のイオン交換(50gのZSM−5、1.94gのAgNO、50mlの含浸溶液)によって製造した。その際、市販のZSM−5(SiO/Alモル比=40〜48、Na形、ALSI−PENTA(登録商標))を使用した。次いで、この触媒を120℃で乾燥させた。
【0072】
Ag/SiO吸着剤を、AgNO水溶液でのSiO(BET約170m/g、NaO含有率:0.4質量%)の含浸(40gのSiO、1.6gのAgNO、58mlの含浸溶液)によって製造した。次いで、この触媒を120℃で乾燥させ、500℃でか焼した。
【0073】
Ag/Al吸着剤を、AgNO水溶液でのガンマ−Al(BET約220m/g)の含浸(40gのAl、1.6gのAgNO、40mlの含浸溶液)によって製造した。次いで、この触媒を120℃で乾燥させ、そして500℃でか焼した。
【0074】
エタノール/吸着剤懸濁液を、四首ガラスフラスコ中に供給し、その中に約5分にわたって不活性化のための窒素を入れた。次いで、このフラスコを閉じて、そしてこの懸濁液を5時間にわたって室温で撹拌した。この実験の後に、吸着剤をひだ付濾紙上で濾過した。濾液及び場合により吸着剤から硫黄含有量を電量測定した:
【0075】
【表1】

【0076】
この表は、特に銀が負荷されたゼオライトが、硫黄含有量を検出限界(=2ppm)未満の値に低下させることができたことを示している。
【0077】
同じAg/ZSM−5試料を3回使用した後にも、実験の実施後に<2ppmの硫黄がエタノール中に検出された。
【0078】
銀が別の担体、例えばAl又はSiO上に適用された吸着剤の場合にも、脱硫を確認することができた。ドープされていないゼオライトも、エタノールから確実な硫黄の希薄化をもたらした。最良の結果は、銀がドープされたゼオライトの場合に得られた。
【0079】
その他の材料、例えばCu/ZnO/Al触媒又はNi触媒も、バイオエタノールからのS除去に好適であるが、温度を高め、かつ水素を添加して作業した場合でさえ、銀がドープされたゼオライトほど良好ではない。
【0080】
実施例B
実施例B1
脱硫を試験するために、20gの粉末形の吸着剤Ag−ZSM5(2.1質量%Ag)を使用し(実施例1を参照のこと)、そして300mlのエタノール(無水エタノール、>99.8%、販売元:Riedel de Haeen社)を注いだ。このエタノールに、約175ppmのジメチルスルフィド(>99%、Merck社製)(約90ppmの硫黄に相当)を添加した。それというのも、事前の実験において、ジメチルスルフィドがバイオエタノール中に含まれる有機硫黄化合物の代表的な硫黄化合物であることが判明していたからである。エタノール/吸着剤懸濁機を、閉じられた四首ガラスフラスコ中に供給した。この懸濁液を、室温かつ大気圧で撹拌した。この実験の後に、この吸着剤をひだ付濾紙上で濾過した。供給物、濾液及び場合により吸着剤からも、硫黄含有量を電量測定した。同じAg/ZSM5試料を更に3回使用した:
【0081】
【表2】

【0082】
実施例B2
脱硫を試験するために、粉末形の脱硫材料に300mlのエタノール(無水エタノール、>99.8%、Riedel de Haeen社製)を注いだ。このエタノールに、約175ppmのジメチルスルフィド(>99%、Merck社製)(約90ppmの硫黄に相当)を添加した。エタノール/吸着剤懸濁液を、閉じられた四首ガラスフラスコ中に供給した。この懸濁液を、室温かつ大気圧で24時間にわたって撹拌した。この実験の後に、吸着剤をひだ付濾紙上で濾過した。供給物、濾液及び場合により吸着剤からも、硫黄含有量を電量測定した。
【0083】
【表3】

【0084】
材料CuO−ZnO/Al及びNiO/SiO/Al/ZrOは、脱硫に好適であるが、温度を高めて、かつ水素を添加して作業した場合でさえ、例えば銀がドープされたゼオライトほど良好ではない。パラジウムを炭素上で使用すれば、硫黄はエタノールから除かれる。
【0085】
実施例B3
この吸着剤を試験するために、連続的な固定床装置に、全量192mlの80.5gのAg−13X球(15.9質量%のAg、2.7mmの球、実施例2に記載)を充填した。供給物のエタノール(無水エタノール、>99.8%、Riedel de Haeen社製)に、約80ppmのジメチルスルフィド(>99%、Merck社製)(約40ppmの硫黄)を添加した。この供給物を、アップフロー方式で吸着剤上に導いた。試料を採取している間、試料表面を常に氷/塩混合物で冷却した。
【0086】
【表4】

【0087】
供給物及び排出物中の硫黄の測定は、(全ての実施例で)電量測定により(DIN51400第7部)2ppmの検出限界を用いて実施した。
【0088】
実施例B4
脱硫を試験するために、それぞれ4gの吸着剤(以下の表を参照のこと)に、500mlのエタノール(無水エタノール、>99.8%、Riedel de Haeen社製)を注いだ。このエタノールに、約390ppmのジメチルスルフィド(>99%、Merck社製)(約200ppmの硫黄に相当)を添加した。
【0089】
Ag−13Xの製造は、実施例1に記載されている。CBV100及びCBV720は、ゼオライト−Y系である。材料でのドーピングを、実施例1と同様に陽イオン交換によって実施し、その際、AgNO溶液若しくはCuNO溶液を使用した。次いで、Cu−CPV720を450℃でN中でか焼した。
【0090】
エタノール/吸着剤懸濁液を、四首ガラスフラスコ中に供給し、そして24時間にわたって室温かつ常圧で撹拌した。この実験の後に、吸着剤をひだ付濾紙上で濾過した。濾液及び場合により吸着剤からも硫黄含有量を電量測定した:
【0091】
【表5】

【0092】
この表は、銀がドープされたゼオライト及び銅がドープされたゼオライトが両方ともエタノールを脱硫させることができることを示している。
【0093】
実施例
種々の市販のバイオエタノール品の硫黄含有量を調査した。
【0094】
【表6】

全量S=全量の硫黄、DIN51400第7部により電量測定。
Wickbold(DIN EN41)により全硫黄含有量≦2ppmが測定された。
硫酸塩S=硫酸塩の硫黄、EN ISO10304−2と同様にイオン交換クロマトグラフィーにより測定。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生化学的に製造された有機化合物から硫黄及び/又は硫黄含有化合物を希薄化する方法において、相応の有機化合物と吸着剤とを接触させることを特徴とする方法。
【請求項2】
発酵により製造された化合物から硫黄及び/又は硫黄含有化合物を希薄化する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
2−10−ジアルキルスルフィド、C2−10−ジアルキルスルホキシド、3−メチルチオ−1−プロパノール及び/又はS含有アミノ酸を希薄化する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
ジメチルスルフィドを希薄化する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
生化学的に製造された有機化合物が、アルコール、エーテル又はカルボン酸である、請求項1から4までの何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
生化学的に製造された有機化合物が、エタノール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1−ブタノール、グリセリン、テトラヒドロフラン、乳酸、コハク酸、マロン酸、クエン酸、酢酸、プロピオン酸、3−ヒドロキシ−プロピオン酸、酪酸、ギ酸又はグルコン酸である、請求項1から5までの何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
吸着剤が、シリカゲル、酸化アルミニウム、ゼオライト、活性炭又は分子ふるい炭素であることを特徴とする、請求項1から6までの何れか1項に記載の方法。
【請求項8】
ゼオライトが、天然ゼオライト、フォージャサイト、X−ゼオライト、Y−ゼオライト、A−ゼオライト、L−ゼオライト、ZSM5−ゼオライト、ZSM8−ゼオライト、ZSM11−ゼオライト、ZSM12−ゼオライト、モルデンフッ石、ベータ−ゼオライト、ペンタシルゼオライト、金属有機物骨格(MOF)及びこれらの混合物の群からの、イオン交換可能な陽イオンを有するゼオライトであることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ゼオライトのSiO/Alモル比が、2〜100の範囲内であることを特徴とする、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
ゼオライトの陽イオンが、完全に又は部分的に金属陽イオンと交換されていることを特徴とする、請求項7から9までの何れか1項に記載の方法。
【請求項11】
吸着剤が、周期系のVIII及び/又はIB族からの1種又は複数種の遷移金属を、元素又は陽イオンの形で含有することを特徴とする、請求項1から10までの何れか1項に記載の方法。
【請求項12】
吸着剤が、銀及び/又は銅を含有することを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
吸着剤が、0.1〜75質量%の1種又は複数種の金属を含有することを特徴とする、請求項10から12までの何れか1項に記載の方法。
【請求項14】
生化学的に製造された有機化合物と吸着剤との接触を、10〜200℃の範囲内の温度で実施することを特徴とする、請求項1から13までの何れか1項に記載の方法。
【請求項15】
生化学的に製造された有機化合物と吸着剤との接触を、1〜200バールの範囲内の絶対圧で実施することを特徴とする、請求項1から14までの何れか1項に記載の方法。
【請求項16】
硫黄及び/又は硫黄含有化合物を、≧90質量%(Sとして算出)だけ希薄化する、請求項1から15までの何れか1項に記載の方法。
【請求項17】
硫黄及び/又は硫黄含有化合物を、≧95質量%(Sとして算出)だけ希薄化する、請求項1から15までの何れか1項に記載の方法。
【請求項18】
硫黄及び/又は硫黄含有化合物を、≧98質量%(Sとして算出)だけ希薄化する、請求項1から15までの何れか1項に記載の方法。
【請求項19】
硫黄及び/又は硫黄含有化合物を、<2質量ppm(Sとして算出)に希薄化する、請求項1から18までの何れか1項に記載の方法。
【請求項20】
硫黄及び/又は硫黄含有化合物を、<1質量ppm(Sとして算出)に希薄化する、請求項1から18までの何れか1項に記載の方法。
【請求項21】
硫黄及び/又は硫黄含有化合物を、<0.1質量ppm(Sとして算出)に希薄化する、請求項1から18までの何れか1項に記載の方法。
【請求項22】
水素の不存在下で実施することを特徴とする、請求項1から21までの何れか1項に記載の方法。
【請求項23】
相応の有機化合物を液相中で、吸着剤と接触させることを特徴とする、請求項1から22までの何れか1項に記載の方法。
【請求項24】
溶剤、消毒剤としての、医薬品又は化粧品中の成分若しくは食品又は洗剤中の成分としての、水素合成のための水蒸気改質法における供給物質としての、又は燃料電池における若しくは化学合成における構成単位としての、請求項1から23までの何れか1項に記載の方法により得られたエタノールの使用。
【請求項25】
請求項1から23までの何れか1項に記載の方法により製造可能なエタノールであって、
硫黄及び/又は硫黄含有有機化合物の含有量が、0〜2質量ppm(Sとして算出)の範囲内であり、
3−4−アルカノールの含有量が、1〜5000質量ppmの範囲内であり、
メタノールの含有量が、1〜5000質量ppmの範囲内であり、
エチルアセテートの含有量が、1〜5000質量ppmの範囲内であり、かつ
3−メチル−ブタノール−1の含有量が、1〜5000質量ppmの範囲内であることを特徴とするエタノール。
【請求項26】
硫黄及び/又は硫黄含有有機化合物の含有量が、0〜1質量ppm(Sとして算出)の範囲内であることを特徴とする、請求項25に記載のエタノール。
【請求項27】
硫黄及び/又は硫黄含有有機化合物の含有量が、0〜0.1質量ppm(Sとして算出)の範囲内であることを特徴とする、請求項25に記載のエタノール。
【請求項28】
3−4−アルカノールの含有量が、5〜3000質量ppmの範囲内であることを特徴とする、請求項25から27までの何れか1項に記載のエタノール。
【請求項29】
メタノールの含有量が、5〜3000質量ppmの範囲内であることを特徴とする、請求項25から28までの何れか1項に記載のエタノール。
【請求項30】
エチルアセテートの含有量が、5〜3000質量ppmの範囲内であることを特徴とする、請求項25から29までの何れか1項に記載のエタノール。
【請求項31】
3−メチル−ブタノール−1の含有量が、5〜3000質量ppmの範囲内であることを特徴とする、請求項25から30までの何れか1項に記載のエタノール。

【公表番号】特表2007−515448(P2007−515448A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−546052(P2006−546052)
【出願日】平成16年12月22日(2004.12.22)
【国際出願番号】PCT/EP2004/014591
【国際公開番号】WO2005/063354
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】