説明

生活状況遠隔監視システムおよび生活状況遠隔監視方法

【課題】住居内の電気機器の利用状況を把握し、異常な利用状況が発生したことを遠隔地で判断できるシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】検出部25は、住居の電力供給ラインと電気機器6の間に介在して、電気機器6の消費電力を計測する。判定部28は、電気機器6の消費電力と計測した時刻とを入力して、電気機器6の稼働状態を判定する。送信部22は、住居ID記憶部21に記憶された住居ID、機器種類記憶部23に記憶された機器種類、および稼働状態を遠隔監視装置1に送信する。保有機器情報16は、住居IDに対応して住居ごとの機器種類を記憶する。制御部12は、住居ID、機器種類および稼働状態を受信したときに、保有機器情報16に住居IDに対応して機器種類が記憶されていなければ、機器種類を保有機器情報16に記憶する。制御部12は、住居IDで識別される住居ごとに、機器種類および稼働状態を機器稼働状況表示部13に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各住居での電気機器の使用状況を監視する生活状況遠隔監視システムおよび生活状況遠隔監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
少子高齢化にともない、都会、郊外、農村または山村に関わらず、一人住まいの老人世帯が増加しつつある。国立社会保障・人口問題研究所のレポート(http://www.ipss.go.jp/pp-ajsetai/j/HPRJ2008/yoshi.html)によると、20年後の日本では、世帯の構成のうち一人で暮らす「単独世帯」が一番多くなる。2005年から2030年の間に「単独世帯」は1,446万世帯(29.5%)から1,824万世帯(37.4%)へ増加する一方、同じ期間に「夫婦のみの世帯」は964万世帯から939万世帯へ、「夫婦と子から成る世帯」は1,465万世帯から1,070万世帯へ減少する。しかも、世帯主が65歳以上の世帯は、ほぼ548万世帯増加し、世帯主が75歳以上の「単独世帯」は、2005年から2030年で2.18倍になる。20年後の日本は、確実に、平均年齢が高い個人を単位として活動する社会に変わっていく。
【0003】
このような時代になったときに、一人住まいの世帯で体調に何か異変が起こっても、簡単には隣り近所が駆けつけることはできない。その代替として、センサーと通信機器を使うハイテク機器によって監視を行うシステムを設置し、異変を発見する方法が考案されている。この監視システムによって、通信機器で警告を発信し、その警告に基づいて、例えば、地域の見守り担当者やあるいは救急車が駆けつける、という仕組が、警備会社などを中心にいろいろ提供されている。
【0004】
例えば、セコム社(http://www.secom.co.jp/personal/homesecurity/)の「ホームセキュリティ」と称するサービスでは、顧客宅とコントロールセンターを特別の回線で結んでおき、各種センサーをドアや窓に設置してその開閉を検知し、異常を検知すると同社のコントロールセンターに自動通報される仕組を提供している。火災発生を検知して、同様に異常信号を同社に送信することができる。さらに、家の外に何らかの危険を感じた場合に、ユーザが非常ボタンを押すことで非常信号を同社に送信できる。また、急病時などは、ペンダント型の「マイドクター」と名づけられたセンサーを握るだけで救急信号を同社に送信できるなどのサービスが提供される。その費用としては、工事費に約50万円、毎月のサービス利用費として5千円程度がかかる。
【0005】
また、これとは別に、電気ポットの利用状況を通信手段で発信し、生活状況を通知する「みまもりほっとライン」(登録商標)サービスが象印マホービン株式会社から提供されている。これは、独居世帯に置かれた電気ポットの給湯、電源オン、保温中などの状態がセンターに送られ、その情報が、遠隔地に住んでいる子供にメールで送られるような使い方が可能である。このサービスを利用すると、たとえば、電気ポットを何日も稼動させていなかったり、あるいは、利用していなかったり、のように、通常の生活と異なる利用パターンを示すようになったときには、生活上の何らかの変化または異常の可能性があると推定できる。このサービスを利用する費用は、初期費5千円、毎月のサービス利用費が3千円程度かかる。
【0006】
一方、電気機器と電源との間に介在し、電気量の挙動から電流の大きさ/電流波形の形状/電流と電圧の時間差を表す特徴量(電流の平均値、ピーク平均値、ピーク時間差、通電時間、ピーク遅延率)を求め、電気機器を判別する技術が提案されている(例えば特許文献1、特許文献2および特許文献3参照)。また、電気機器の使用電力の推移を分析し、単発的使用電気機器/連続的使用電気機器の2つに分類する方法(例えば特許文献4参照)や、電気機器の特徴量(消費電流の平均値、消費電流の変化、ピーク値、実効値、波高率、波形率、電流変化の収束時間たる時定数、周期内の通電時間、消費電流の通電中のピークの位置、電源電圧と消費電流のピークの時間差、力率)を用いて電気機器を検出する方法(例えば特許文献5参照)も提案されている。さらに、電気機器の電気的特性(消費電流の平均値、ピーク値、実効値、波高率、波形率、時定数、周期内の通電時間、ピーク位置、電流電圧と消費電流の位相差、時間差、力率)を用いて特定する検出方法(例えば特許文献6参照)がある。
【0007】
特許文献7には、個人ごとに電力の使用量を用いて異常が発生しているかどうかを判定し、異常が発生している場合は通知を行うことが記載されている。特許文献7の生活状況監視システムは、通信ネットワークを介してサーバと利用者宅側に設置されるクライアント端末が通信可能に接続され、サーバにおいて、利用者の日々の電力の使用状況をパターン化したデータと、利用者宅近辺に設置されるクライアント端末より受信される日々の電力の使用状況を受信し、データベースに保存する手段と、パターン化したデータとクライアント端末より受信して保存した電力使用量のデータを比較して差分を抽出する手段と、抽出した差分と予め定めた閾値データとを比較して閾値を越えた場合に異常発生検出と判定する手段と、異常発生が検出された時に予め定めた宛先に通知する手段とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−222374号公報
【特許文献2】特開2004−221770号公報
【特許文献3】特開2004−222375号公報
【特許文献4】特開2001−344027号公報
【特許文献5】特開2008−109849号公報
【特許文献6】特開2003−259569号公報
【特許文献7】特開2007−183890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述の「みまもりほっとライン」(登録商標)サービスの場合は、電気ポットを購入してサービス利用料を支払えばよいので、住宅への設備設置の工事等は不要であり、ホームセキュリティと比較すると安価に同サービスを享受できる。しかし、電気ポットの利用のみでは、必ずしも住人の生活状況が完全には把握できない問題がある。例えば、電気ポットの他に、コーヒーメーカを持っている家庭では、緑茶を飲む場合は電気ポットを使っても、コーヒーを飲むときにはコーヒーメーカを使う場合があり、電気ポットが利用されていなくても、それは異常とはいえない。同じく、寒い冬は電気ポットを使っても、暑い夏は、電気ポットを使わない生活も一般的であったりする。
【0010】
もしも、住居内にあるテレビ、冷蔵庫、エアコン、電気ポット、コーヒーメーカ等のすべてについて、前述の電気ポット同様に、その利用状況を外部に通信できる仕組があれば、夏でも冬でも、あるいは、少し生活習慣が変わっても、その生活状況を、プライバシーを過度に侵害しない範囲で、かなり詳細に把握できるであろう。このような技術を用いれば、独居生活者に何か問題が発生したときに、すぐに駆けつけることができる社会的な体制を、それほど大きなコストを強いることなく実現することが可能になるので、そのような仕組の実現が望まれる。
【0011】
電力事業者の場合、世帯ごとの電力使用量計測装置をすでに設置してあり、通常は検査員が定期的に各世帯を回って検針しているが、検針情報をネットワークを介して送信できるようになれば、特許文献7の生活状況監視システムの実現は容易になる。ただ、この生活状況監視システムでは、世帯を単位としての総量での電力使用の状況による監視を前提としており、世帯内でのポットや電子レンジ、テレビなどの電気機器ごとの使用状況を知ることはできない。
【0012】
特許文献7には、突入電流のパターンをみることで、その定常電流からのピーク値とピーク値の幅により、電力使用総量からテレビやラジオの使用開始時刻を推定できるということが記載されている(特許文献7の図11)。しかし、電力使用からの機器推定の各種研究成果によると、突入電流のピーク値とその幅で機器が推定できるほど簡単には推定できない。また、特許文献7では、機器推定については詳細な説明が一切ないので不明であるが、機器推定を前提としていないことは確かである。
【0013】
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたもので、特殊な住宅工事を必要とせず、電気ポットに限定することなく、住宅内の様々な電気機器の利用状況を把握し、異常な利用状況が発生したことを遠隔地で判断できるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の観点に係る生活状況遠隔監視システムは、
住居を一意に識別するデータである住居IDを取得する手段と、
前記住居の電力供給ラインと電気機器の間に介在して、前記電気機器の消費電流または消費電力を所定の時間単位に計測する検出手段と、
前記検出手段に接続する前記電気機器の種類を表す情報である機器種類を取得する機器種類取得手段と、
前記検出手段で計測した前記電気機器の消費電流または消費電力と計測した時刻とを入力して、前記電気機器が作動しているか否かの状態を含む稼働状態を判定する稼働状態判定手段と、
前記住居IDと、前記検出手段を識別するデータまたは前記機器種類と、前記稼働状態または前記消費電流もしくは前記消費電力と、を通信ネットワークを経由して送信する手段と、
前記送信する手段から、前記住居IDと、前記検出手段を識別するデータまたは前記機器種類と、前記稼働状態または前記消費電流もしくは前記消費電力と、を前記通信ネットワークを経由して受信する手段と、
前記住居IDを受信する側で、前記住居IDに対応して前記住居IDで識別される住居ごとの前記機器種類を記憶する記憶手段と、
前記住居IDと、前記検出手段を識別するデータまたは前記機器種類と、前記稼働状態または前記消費電流もしくは前記消費電力と、を受信したときに、前記記憶手段に該住居IDに対応して前記機器種類取得手段で取得した前記機器種類が記憶されていなければ、該機器種類を前記記憶手段に追加して記憶する更新手段と、
前記住居IDを受信する側で、前記住居IDで識別される住居ごとに、前記機器種類および前記稼働状態を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の第2の観点に係る生活状況遠隔監視方法は、
住居を一意に識別するデータである住居IDを取得するステップと、
前記住居の電気機器の消費電流または消費電力を所定の時間単位に計測する検出ステップと、
前記検出ステップで消費電流または消費電力を計測する前記電気機器の種類を表す情報である機器種類を取得する機器種類取得ステップと、
前記検出手段で計測した時刻と前記電気機器の消費電流または消費電力を入力して、前記電気機器が作動しているか否かの状態を含む稼働状態を判定する稼働状態判定ステップと、
前記住居IDと、前記検出手段を識別するデータまたは前記機器種類と、前記稼働状態または前記消費電流もしくは前記消費電力と、を通信ネットワークを経由して送信するステップと、
前記送信するステップから、前記住居IDと、前記検出手段を識別するデータまたは前記機器種類と、前記稼働状態または前記消費電流もしくは前記消費電力と、を前記通信ネットワークを経由して受信するステップと、
前記住居IDと、前記検出手段を識別するデータまたは前記機器種類と、前記稼働状態または前記消費電流もしくは前記消費電力と、を受信したときに、該住居IDに対応して前記機器種類取得ステップで取得した前記機器種類が、前記住居IDに対応して前記住居IDで識別される住居ごとの前記機器種類を記憶する手段に記憶されていなければ、該機器種類を追加して記憶する更新ステップと、
前記住居IDで識別される住居ごとに、前記機器種類および前記稼働状態を表示する表示ステップと、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の生活状況遠隔監視システムによれば、特定の電気機器に限定されることなく、電気機器の稼動状況を住居から離れた場所に表示できる。監視の対象となる住居に、何らかの家電機器が設置されていれば、カメラを設置するようなプライバシーを著しく侵害する方法ではなく、どの電気機器をいつ使っているかという、一般的な観念でみてプライバシー保持の許容範囲に納めつつ、その家電機器の稼動状況の表示から、生活状況を推定できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態1に係る生活状況遠隔監視システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】電気機器ごとの消費電力の時間変化の例を示す図である。
【図3】実施の形態1に係る稼働状況データの例を示す図である。
【図4】遠隔監視装置で稼動状況が格納されている例を示す図である。
【図5】実施の形態1に係る機器稼働データおよび保有機器情報の例を示す図である。
【図6】実施の形態1に係る生活状況遠隔監視システムを戸別住居に適用する例を示す概念図である。
【図7】実施の形態1に係る生活状況遠隔監視システムを集合住宅に適用する例を示す概念図である。
【図8】実施の形態1に係る機器稼働データ検出の動作の一例を示すのフローチャートである。
【図9】実施の形態1に係る生活状況表示の動作の一例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態2に係る生活状況遠隔監視システムの構成例を示すブロック図である。
【図11】警戒状況判定条件と警戒状況判定部の関係を示す図である。
【図12】警戒状況判定部の動作の例を説明する図である。
【図13】警戒状況判定条件の例を示す図である。
【図14】実施の形態2に係る警戒状況表示の動作の一例を示すのフローチャートである。
【図15】実施の形態3に係る生活状況遠隔監視システムの構成例を示すブロック図である。
【図16】実施の形態3に係る機器種類入力部の例を示す図である。
【図17】本発明の実施の形態に係る遠隔監視装置のハードウェア構成の例を示すブロック図である。
【図18】本発明の実施の形態に係る宅内装置のハードウェア構成の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態について図を参照して詳細に説明する。なお図中、同一または同等の部分には同一の符号を付す。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る生活状況遠隔監視システムの構成例を示す。遠隔監視システムは、宅内装置2と遠隔監視装置1から構成される。宅内装置2は、電源タップ4と送信機3を備える。遠隔監視装置1は、宅内装置2から電気機器6の稼働状況を受信して、住居ごとに電気機器6の稼働状況を表示する。
【0020】
宅内装置2の電源タップ4は、電源供給ラインの電源コンセントと電気機器6の間に介在する。電源タップ4は、プラグ24、検出部25、コンセント26、判定部28、計測データ記憶部27および検出部ID記憶部29を含む。電源タップ4のプラグ24は、住居内の電源コンセントに差し込まれて、コンセント26に接続される電気機器6に電力を供給する。プラグ24とコンセント26の間に検出部25が配置される。電源コンセントから、プラグ24、検出部25およびコンセント26を経由して電気機器6に電流が流れる。検出部25は、電力計または電流計を備え、コンセント26に接続される電気機器6が消費する電力または電気機器6に流れる電流を検出する。検出部25は、電気機器6の消費電流または消費電力を所定時間単位に計測し、計測時刻と前記計測時刻における消費電流または消費電力の組のレコードを生成する。
【0021】
コンセント26に接続される電気機器6は任意であって、例えば、テレビ、冷蔵庫、エアコン、掃除機、照明器具、電気ポット、電気炊飯器、電子レンジまたはパソコンなどどのような電気機器でも構わない。
【0022】
判定部28は、検出部25で検出した電流または電力のデータから、コンセント26に接続されている電気機器6の稼働状態を判定する。電気機器6の稼働状態は、例えば電気機器6の消費する電流または電力がしきい値以上である稼働状態と、しきい値未満である非稼働(停止)状態の2状態で判定する。あるいは、停止、待機および稼働の3状態、さらに、稼働状態を複数の段階に分けて判定してもよい。判定部28は検出部25で検出したデータおよび/または判定した稼働状態である計測データを計測データ記憶部27に記憶する。
【0023】
計測データ記憶部27は、継続的に一定時間分の計測時刻と計測時刻における計測データを保持するものである。計測データ記憶部27は、住居内の電源コンセントごとに用意する。検出部ID記憶部29は、住居内で電源タップ4を一意に識別する符号である検出部IDを記憶する。判定部28は、計測データに検出部IDを付けて、送信機3に送信する。電源タップ4と送信機3は、例えば、電力線搬送、無線LAN、小電力無線、または、アナログもしくはPHS規格のコードレス電話で通信する。
【0024】
送信機3は、送信部22、住居ID記憶部21および機器種類記憶部23を含む。送信部22は、電源タップ4から計測データと検出部IDを受信する。住居ID記憶部21は、住居を一意に識別する符号である住居IDを記憶している。住居IDは、送信機3に付与された識別符号であるが、1つの住居には通常1台の送信機3が設置されるので、住居を識別する符号になっている。遠隔監視装置1は、送信機3の住居IDごとに住居を識別する。
【0025】
機器種類は、電源タップ4(より正確には検出部25)に接続される電気機器6の種類を表す情報である。機器種類記憶部23は、送信機3に計測データと検出部IDを送信する電源タップ4ごとの機器種類を検出部IDに対応づけて記憶する。検出部IDと機器種類との対応は、外部から入出力インタフェース(図示せず)を通じて、または、記憶媒体によって供給されることがある。あるいは、電源タップ4に接続される電気機器6の種類を電源タップ4で判別して、電源タップ4から送信機3に機器種類を送信することによって、検出部IDと機器種類との対応が供給されてもよい。電源タップ4から送られる観測データから、送信機3側で電気機器6の種類を判別してもよい。電源タップ4または送信機3で、電源タップ4に接続される電気機器6の種類を判別するには、既存の様々な方法を用いることができる。
【0026】
電気機器6の消費電力波形の特徴を観察し、電気機器6の種類を特定する研究が行われている。例えば、松本ら(参考文献: 松本光崇、藤本淳、榎本忠保:「家電の電力消費の内訳を解析するシステムの検討」、エネルギー・資源学会誌 Vol27,No.4,pp.49-54)や田中ら(参考文献: 田中昭雄、村越千春、中上英俊:「家庭の電力負荷計測値の要素分解手法について」、エネルギー・資源学会、第12回エネルギーシステム・経済コンファレンス講演論文集 pp.91-94)の研究では、分電盤にて家庭全体の消費電力を数時間分記録し、その波形パターンから機器の種類を推定している。この方式は、計測に多くの時間を必要とするが、家電機器の種類を汎用的に特定できるメリットがある。
【0027】
また、伊藤ら(参考文献:伊藤雅仁、大亦寿之、井上智史、重野寛、岡田謙一、松下温:「消費電力波形の特徴を利用した家電機器検出手法と制御システム」、情報処理学会論文誌 Vol44, No.1,pp.95-105)は、家電機器の消費電力波形をコンセント部分の低コストハードウェアにて個別に計測し、特徴量を抽出し、特徴量データベースとマッチングすることで機器特定を行なっている。この手法では、単純な回路で容易に算出できる電流の平均値のような属性を特徴量としており、家電機器の種類と数は限定的ではあるが、比較的短時間でメーカー名と型番までを特定できるメリットがある。
【0028】
また、岩佐ら(参考文献:岩佐淳司、岩田真琴、甲斐正義、島津秀雄、「省電力プラットフォーム「グリーンタップ」の提案(4) 〜電力波形及び周囲環境情報による家電機器特定手法」、情報処理学会第71回全国大会、2009年3月)は、家電機器の消費電力の波形を特徴ベクトル化して、そのレベルでパターンマッチを行なう手法を採用している。それに加え、家電機器の消費電力の変化とともに、その消費電力の変化の前後の周囲環境をセンサノードで計測することで、家電機器の絞り込みを行なっている。例えば、消費電力が急増した直後に、温度が上下すればエアコンが稼動した可能性が高い、照度が上昇すればルームライトが点灯した可能性が高いと推測できる。
【0029】
図2に、電気機器6ごとの時系列での電力消費のパターンの例を示す。電力消費のパターンについて、上述の研究成果によれば、同じ種類の電気機器6(例:冷蔵庫)であれば、ある一定期間を観察すると、製造メーカや機種が異なっても同様のパターンの傾向を示すことがわかっている。したがって、電源コンセントや電源タップ4に接続された電気機器6が、その接続形態を維持する使い方をしている場合には、実用的な精度で電気機器6の推定ができることを示している。
【0030】
前述の電気機器6を判別する技術は、広い意味での汎用なパターン認識技術に相当する。電気機器6の種類を判別する技術を用いて、電気機器6の稼動状況を推定し、それを都市や農山村の独居世帯での異変検出・判定に使うという発想は、これまで存在しなかった。本発明は、この汎用なパターン認識技術を特殊な用途に応用して、電気機器6の稼働状況を遠隔監視する仕掛けを提供するものである。すなわち、電気機器6の電力利用の時系列的な変化を観察することで、その電気機器6の種類を判別する技術と、電気機器6の種類および稼働状況を通信手段で定期的にセンター(遠隔監視装置1)に送信して、異変が発生した時に早期発見をして通知する仕組の組合せである。
【0031】
図1に示す宅内装置2の送信機3は、観測データと観測した時刻に住居ID、検出部IDおよび機器種類を付加して遠隔監視装置1に、通信ネットワーク7を経由して送信する。宅内装置2と遠隔監視装置1を接続する通信ネットワーク7として、例えば、インターネット、電話網、携帯電話網またはPHSなどを用いることができる。インターネットにアクセスする伝送経路として、例えば、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line:非対称デジタル加入者線)、ケーブルテレビ(同軸ケーブル)、光通信、無線LANまたはISDN(Integrated Services Digital Network)などを用いることができる。
【0032】
なお、判定部28は、電源コンセントごとに1つずつ存在している。一般の住居では、電源コンセントは、1つだけでなく複数存在するのが通常であるから、判定部28は、複数個存在する。一方、送信部22は、1つの住居に1つ存在している。したがって、送信部22は、複数の判定部28が存在している場合は、それぞれの電源タップ4中の検出部ID記憶部29と判定部28を順番に取り出して、住居ID記憶部21の値を付加して送信することを繰り返す。
【0033】
図1の遠隔監視装置1は、受信部11、制御部12、記憶部14および機器稼働状況表示部13を備える。受信部11は、宅内装置2から住居ID、検出部ID、機器種類および観測データと観測した時刻を受信する。制御部12は、受信したデータを住居IDおよび検出部IDごとに、機器稼働データ15として記憶部14に記憶する。また、住居IDごとに検出部IDと機器種類を対応づけて保有機器情報16として記憶する。
【0034】
制御部12は、宅内装置2からデータを受信したときに、保有機器情報16を受信データを比較して、保有機器情報16に記憶されていない検出部IDと機器種類の組が受信データにあれば、その検出部IDと機器種類の組を保有機器情報16に追加する。
【0035】
制御部12は、住居IDごとに、機器種類とその観測データを対応づけて機器稼働状況表示部13に表示する。制御部12は観測データを表示するときに、適宜加工してもよい。例えば、観測データが時刻と稼働状態または停止状態を表す情報の場合に、稼働開始時刻および稼働終了(停止開始)時刻を表示してもよい。
【0036】
宅内装置2は住居ごとに設置され、遠隔監視装置1は、1つ以上の住居に対応してそれらの住居を統括する、あるいは管理・監視する組織に1つ設置される。例えば、1つの集落に1つ、具体的には役場や消防署に1つの遠隔監視装置1が存在する。あるいは、1つのマンションに1つ、例えば管理人室に1つの遠隔監視装置1が存在する、というような単位で設置される。
【0037】
図3は、実施の形態1に係る稼働状況データの例を示す。図3は、図1に示す宅内装置2の各部におけるデータを示す。検出部25は電気機器6の消費電力を検出して、観測した時刻と消費電力のデータを生成する。図3では、時刻T0で消費電力が0ワットなのが、時刻T1では、4ワットに変化している。同様に、時刻T6までが記憶されている。
【0038】
判定部28は、検出部25のデータから機器種類と稼働状況のデータを生成する。図3では、機器種類は電気炊飯器である。時系列での稼働状況としては、時刻T0では稼動停止、時刻T2では稼動中、時刻T4では稼働中、...のように生成される。また、検出部ID記憶部29に記憶されている検出部IDはid13である。
【0039】
送信部22は、遠隔監視装置1に送信するデータを生成する。図3の例では、送信するデータとして住居ID、検出部ID、機器種類、時刻および稼働状況を生成することが示されている。住居IDは図3の例では、hid7である。検出部IDと機器種類には、それぞれ電源タップ4から受信したデータを設定する。図3では、判定部28から、「id13」、「電気炊飯器」、「T6」、「稼動」の値が取り出されている。それと、住居ID記憶部21から「hid7」を取り出して「hid7、id13、電気炊飯器、T6、稼動」の組にして送信する。
【0040】
図4は、遠隔監視装置1で具体的に稼動状況が格納されている例を示している。ここでは、電気ポットが稼動状態であることが、10分毎に報告されている。
【0041】
図5は、実施の形態1に係る機器稼働データ15および保有機器情報16の例を示す。保有機器情報16は、住居ID部と保有機器リスト部のレコードの集合で構成される。住居ID部には、存在する住居IDが事前に格納されており、保有機器リスト部には、0個以上の電気機器6の種類を格納可能である。受信部11が機器稼働データ15を受信すると、保有機器情報16から、住居ID部の値が、機器稼働データ15の住居IDの値と同一のレコードを取り出し、機器稼働データ15の機器種類の値が、同じ住居IDの機器保有情報のレコードの保有機器リスト部の中に存在すれば何もしないで終わる。機器稼働データ15の機器種類の値が、同じ住居IDの保有機器情報16のレコードの保有機器リスト部の中に存在しなければ、保有機器リスト部に機器稼働データ15の機器種類の値を追加する。図5は、送信部22と受信部11と、機器稼働データ15および保有機器情報16の関係を具体例で示す。
【0042】
図3は、送信部22へ1つのレコードが送信されてきたところまでを具体例で示したものであるのに対し、図5は、様々な住居の送信部22から順不同に送られてきたレコードを記憶部14の機器稼働データ15で保存し、その中から、住居IDごとに初めて出現した電気機器種類を保有機器情報16に転写している例を示している。
【0043】
制御部12は、事前に設定した時間単位で、受信部11で受信し記憶部14に記憶した機器稼働データ15を、住居ごとに機器稼働状況表示部13に表示する。この表示結果をみて、役場や消防署の担当者、あるいはマンション管理人の人が、その異常や変化に気がつけば、その状況になっている住宅へ直接訪ねていくべきであると認識させる警告的情報となる。
【0044】
図6は、実施の形態1に係る生活状況遠隔監視システムを戸建て住居に適用する例を示す概念図である。電気機器6の種類を推定する技術を利用して、例えば、郊外や過疎地域では独居世帯の戸建ての住居に設置して、その電気機器6の利用状況と稼動状況を推定し、それを一定期間ごとに役場に通信する手段を用意する。電源タップ4は電源供給ライン5と電気機器6の間に介在する。通信ネットワーク7としては、光ネットになるのか、無線LANになるのか、ケーブルテレビになるのか、あるいは他の手段になるのかは、個別のシステムの状況に依存する。役場では、各住居それぞれから送られてくる電気機器6の稼動状況をみて、異常な稼動状況になっていることがわかれば、役場からその住居に担当者が赴いて、中の様子を確認すればよい。例えば、それまで毎日テレビが使われていたのに、急に、何日もテレビが使われていない状況が続いたりしたら、何か異常なことが起こったかもしれないと確認にいけばよい。
【0045】
もちろん、旅行に行っていたり、あるいは、たまたまテレビを何日か見なかったりすることもあるだろうし、あるいは、テレビが壊れているのかもしれないので、必ずしも異常事態が発生したとは限らないが、すべての住居に毎日様子を確認しに行くよりは、役場としてもはるかに効率的な確認ができるようになる。特に限界集落では、毎日、すべての住居に住人の生活状況を確認しに行く人員が不足するので、生活状況遠隔監視システムは有効である。限界集落(げんかいしゅうらく)とは、過疎化などで人口の50%が65歳以上の高齢者になり、社会的共同生活の維持が困難になった集落のことをいう。
【0046】
このような問題は、限界集落に限らず都会でもおこる。最近では、昭和40年代に大規模開発された多摩ニュータウンなどで独居老人宅が急増していることが言われており、このような大規模団地でも、本実施の形態1の生活状況遠隔監視システムを導入する効果が期待できる。
【0047】
図7は、実施の形態1に係る生活状況遠隔監視システムを集合住宅に適用する例を示す概念図である。都会の集合住宅の場合は、図7に示すように、限界集落の例で役場が担っていた役割を、マンションの管理人が果たせばよい。マンションの住居ごとにその電気機器6の利用状況を無線LAN、ケーブルテレビ、マンション内のネットワーク等で接続し、管理人室で住居ごとの電気機器6の利用状況をみることができるようにする。そして、電気機器6の利用状況が異常であれば、そのマンション住居へ管理人が様子を見に行くようにすればよい。
【0048】
図8は、実施の形態1に係る機器稼働データ検出の動作の一例を示すフローチャートである。宅内装置2は所定の時間間隔で機器稼働データ検出を起動する。機器稼働データ検出が起動されると検出部25は、コンセント26に接続されている電気機器6の消費電流または消費電力を検出する(ステップS11)。判定部28は検出した消費電量または消費電力から、電気機器6の稼働状態を判定し記憶する(ステップS12)。また、前述の電気機器種類判定方法で接続されている電気機器6の種類を判定する(ステップS13)。宅内装置2は、送信部22から通信ネットワーク7経由で、機器稼働データ15を遠隔監視装置1に送信する(ステップS14)。
【0049】
図9は、実施の形態1に係る生活状況表示の動作の一例を示すフローチャートである。遠隔監視装置1は、宅内装置2から機器稼働データ15を受信するのを待機する(ステップS21、ステップS22;NO)。受信部11が機器稼働データ15を受信すると(ステップS22;YES)、制御部12は機器稼働データ15から機器種類を抽出する(ステップS23)。
【0050】
制御部12は、機器稼働データ15と同じ住居IDの保有機器情報16のレコードに抽出した機器種類があるかどうかを調べる(ステップS24)。抽出した機器種類が保有機器情報16になければ(ステップS24;NO)、その機器種類を機器稼働データ15と同じ住居IDの保有機器情報16のレコードに追加する(ステップS25)。抽出した機器種類が保有機器情報16にすでに存在すれば(ステップS24;YES)、機器種類の追加を行わない。いずれの場合にも制御部12は、機器稼働データ15を、住居ごとに機器稼働状況表示部13に表示する(ステップS26)。
【0051】
以上説明したように、本実施の形態1の生活状況遠隔監視システムによれば、特定の電気機器6に限定されることなく、電気機器6の稼動状況を住居から離れた場所に表示できる。実施の形態1の宅内装置2は、電気ポットのような特定の電気機器6に限定するのではなく、電気機器6の種類を推定し、その後、それらの電気機器6の稼動状況を判定するものである。対象となる住居に、何らかの家電機器が設置されていれば、その家電機器から、生活状況を推定できるという効果がある。それに加え、新たな家電機器を新規購入しなくてもよいので、その点でも、普及の観点から効果がある。
【0052】
また、監視の対象となる住居に、何らかの家電機器が設置されていれば、カメラを設置するようなプライバシーを著しく侵害する方法ではなく、どの電気機器6をいつ使っているかという、一般的な観念でみてプライバシー保持の許容範囲に納めつつ、その家電機器の稼動状況の表示から、生活状況を推定できるという効果がある。
【0053】
さらに本実施の形態1の電源タップ4は、既存の電源コンセントと電気機器6の間を接続する構成であり、現状で、電源コンセントから電気機器6の電気を直接とっている場合には、本発明に基づく電源タップ4を間に中継するだけで設備の敷設が完了する。したがって、敷設の手間がかからないという効果がある。
【0054】
なお、本実施の形態1では、宅内装置2の電源タップ4を電源コンセントと電気機器6のプラグ24に接続する形態を説明した。電源タップ4を電源コンセントではなく、住居の電源線に接続し、電気機器6の配線を端子等で接続する形態でも構わない。例えば、天井や壁面に設置される照明器具に、壁面に設けられるスイッチボックスで接続する構成でもよい。
【0055】
また、稼働状態および/または機器種類を遠隔監視装置1で判定してもよい。その場合、送信部22は、計測データである消費電流または消費電力の時系列データを遠隔監視装置1に送信する。遠隔監視装置1では、例えば、制御部12が稼働状態および/または機器種類を判定する。
【0056】
(実施の形態2)
図10は、実施の形態2に係る生活状況遠隔監視システムの構成例を示すブロック図である。実施の形態2では、対象の住居における生活状況を監視する人に対して、注意を促す情報を表示すべき状況(警戒状況)を自動的に判定する。実施の形態2の生活状況遠隔監視システムは、実施の形態1の構成に加えて、制御部12の中に警戒状況判定部18を備える。また、記憶部14に警戒状況判定条件17を保持する。その他の構成は、実施の形態1と同様である。実施の形態2では、機器稼働状況表示部13に、住居IDごとに警戒状況であるか否かを表示する。
【0057】
記憶部14の警戒状況判定条件17は、時系列でみた電気機器6の稼動状況データから、警戒すべき稼働状況を判定する条件とその警戒すべき事象名とを組にしたレコードの集合を1つ以上格納している。警戒状況判定条件17は、外部から入出力インタフェース(図示せず)を通じて、または、記憶媒体によって供給される。
【0058】
警戒状況判定部18は、警戒状況判定条件17から、警戒すべき稼働状況を判定する条件とその警戒すべき事象名の組からなるレコードを1つずつ取り出す。さらに、警戒状況判定条件レコード中の警戒すべき稼働状況を判定する条件を取り出して、機器稼働データ15が保持する住居別IDと検出部IDと推定時刻と電気機器6の種類と稼動状況との組からなるデータが判定条件に適合するか否かを調べる。
【0059】
図13は、警戒状況判定条件17の例を示す。なお、図13は、理解を容易にするために、判定条件の記述表現そのものではなく、判定条件の概念を示している。図13では、以下に示す事象を列挙している。これらの事象が発生した場合には、その住居の住人の生活にに何らかの変化が発生した可能性があると推定されるものである。
「24時間以上「テレビ」の「稼働中」が続いた場合」
「3日以上、「電気炊飯器」の「停止」が続いた場合」
「2日以上「テレビ」の「停止」続いた場合」
「3時間以上「アイロン」の「稼働中」が続いた場合」
「2日以上、「ポット」の「稼働中」が続いた場合」
「1時間以上、「ヘアドライヤ」の「稼動中」が続いた場合」
【0060】
図13の判定条件は、必ずしも生活状況に異常が発生したことを正確に表してはいない。例えば、「24時間以上「テレビ」の「稼働中」が続いた場合」でも、大晦日から正月にかけてのように、通常の生活をしている場合もありうる。これらの判定条件は、警戒状況判定条件17に格納され、警戒状況判定部18がこの判定条件を取り出して判定を実行する。
【0061】
図12は、警戒状況判定部18の動作の例を説明する図である。図12では判定条件は、check-ruleという名称の関数で記述されている。例えば、‘24時間以上「テレビ」が稼働中かどうか’というルールは、以下に示すようなプログラムとして記載されている。
Check-rule(‘24時間以上「テレビ」が「稼働中」かどうか’, *住居ID, *最新時刻)
check-if-this-house-has(*住居ID, テレビ)
*result <= check-range(*住居ID, *最新時刻, 1440, テレビ, 稼動)
【0062】
このプログラムは、呼び出し側から、住居IDと最新時刻を引数として与えられて動作を開始する。なお、ここでのプログラムの記載では、引数のうち、アスタリスク(*)を名詞の前につけているものは、プログラムの変数を表すこととする。例えば、「*住居ID」は、変数である。また、それ以外の引数は、定数を表している。例えば、「テレビ」は定数である。
【0063】
check-if-this-house-hasという関数は、第1引数の住居に、第2引数の機器が存在するかどうかを調べる関数である。どの住居にどういう電気機器6が存在しているかどうかは、保有機器情報16に格納されている。図12では、下記の例を示している。これは、例えば、住居IDが、hid2の住居では、電気炊飯器とテレビを保有していることを示している。正確には、本発明の処理中で「保有していると推定した」機器の一覧である。
house-has(hid2, [電気炊飯器、テレビ])
house-has(hid4, [冷蔵庫、アイロン、ポット])
house-has(hid7, [電気炊飯器、掃除機、冷蔵庫、PC])
【0064】
check-range関数は、第1引数の住居ID, 第2引数の最新時刻、第3引数の検査時間、すなわち過去のどれだけの時間を振り返るかを指定した時間(ここでは「分」を単位としている)、第4引数の機器、第5引数の状態、を与えられると、その住居IDの住居で、指定された最新時刻から指定された過去振り返った時間にいたるまで、指定された電気機器6が、指定された状態を継続しているかどうかを調べ、その結果を返す。例えば、「テレビが、今から過去1時間、稼働中であるかどうか」を聞いて、今から過去1時間について、ずっと「稼働中」が続いていれば、それはTrue(真値)を返すし、そうでなければFalse(偽値)を返すというものである。
【0065】
図12では、下記の例を示している。これは、機器稼動データ15が保存しているレコードの一部であり、実際には、様々な住居IDや検出部IDのレコードが保存されている。以下の例では、13:10から14:40までの1時間30分の間、10分おきに測定した結果によれば、ポットが稼働中であったことを示している。
record(hid4, id17, ポット, 2009/6/3/13:10, 稼動)
record(hid4, id17, ポット, 2009/6/3/13:20, 稼動)
record(hid4, id17, ポット, 2009/6/3/13:30, 稼動)
record(hid4, id17, ポット, 2009/6/3/13:40, 稼動)
record(hid4, id17, ポット, 2009/6/3/13:50, 稼動)
record(hid4, id17, ポット, 2009/6/3/14:00, 稼動)
record(hid4, id17, ポット, 2009/6/3/14:10, 稼動)
record(hid4, id17, ポット, 2009/6/3/14:20, 稼動)
record(hid4, id17, ポット, 2009/6/3/14:30, 稼動)
record(hid4, id17, ポット, 2009/6/3/14:40, 稼動)
【0066】
check-range関数は、指定された最新時刻と、指定された過去振り返った時間の間のrecordを調べて、指定された電気機器6の状態が、指定された状態を継続していたかどうかを調べる。
【0067】
警戒状況判定部18は、図11に示すように、制御回路と、check-if-this-house-has()関数とcheck-range()関数の定義が記述されているプログラムメモリから構成され、警戒状況判定条件17は、check-rule()関数の定義が記述されているプログラムメモリから構成されている。本実施の形態では、check-if-this-house-has()関数やcheck-range()関数とcheck-rule()関数は、類似の関数の記載なので、実際には、同一のプログラムメモリに格納するほうが自然にみえるが、論理的には、check-rule()関数は、汎用的なルールを記述するものであるのに対し、check-if-this-house-has()関数やcheck-range()関数は、そのルールを解釈実行するための内部処理関数であるので、異なる役割になっている。
【0068】
警戒状況判定部18で、ある住居IDの住居について警戒状況であると判定した場合に、制御部12は、その住居が警戒状況であることを表示する。具体的には、制御部12は、警戒状況であると判定した住居IDまたは住居IDに対応する住居もしくは住人の名称と、警戒すべき事象名を機器稼働状況表示部13に表示する。
【0069】
なお、電気機器6を使用する状況は個人によって異なるので、警戒状況判定条件17を、住居ごとに変えてもよい。また、保有する電気機器6は住居によって異なるので、警戒状況判定条件17を複数の電気機器6の稼働状況の論理和などで設定してもよいし、警戒状況判定条件17を複数の条件を組合せた論理演算で表してもよい。
【0070】
図14は、実施の形態2に係る警戒状況表示の動作の一例を示すフローチャートである。実施の形態2の警戒状況表示の動作は、実施の形態1の生活状況表示に警戒状況判定および警戒状況表示を追加している。図14のステップS31〜ステップS35までの動作は、図9のステップS21〜ステップS25と同じである。
【0071】
機器種類を保有機器情報16に追加するかどうか判定して、機器種類の追加の処理を行ったのちに、制御部12の警戒状況判定部18は、警戒状況判定条件17を読み出す。そして、記憶している機器稼働データ15と受信した機器稼働データ15から、警戒状況か否かを判定する(ステップS36)。
【0072】
警戒状況判定部18で警戒状況であると判定した場合は(ステップS37;YES)、制御部12はその注目している住居が警戒状況であることを機器稼働状況表示部13に表示する(ステップS38)。警戒状況でないと判定した場合は(ステップS37;NO)、警戒状況であることを表示しない。いずれの場合も制御部12は、機器稼働データ15を、住居ごとに機器稼働状況表示部13に表示する(ステップS38)。
【0073】
以上説明したように、実施の形態2の生活状況遠隔監視システムによれば、機器稼働データ15から判定条件に基づいて、自動的に警戒状況であるか否かを判定して表示する。その結果、オペレータが機器稼働データ15をある期間にわたって眺めて判断する必要がない。また、オペレータは機器稼働状況を常に監視している必要がない。
【0074】
本実施の形態2の生活状況遠隔監視システムでは、判定条件を記述する細かさを変えることで、きめ細かいサービスや監視も、比較的あらっぽいサービスや監視のどちらにも切り替えることが可能である。たとえば、「毎日、8時15分から8時30分まで必ずテレビをみている」という判定条件を作り、それに整合しなかったら通知されるような使い方は、細かく監視したい場合には有効である。だが、そこまで細かく監視されるのは、カメラで監視されているのに似て不快に感じる、という場合もある。実施の形態2の生活状況監視システムでは、このような対象と監視すべき状況に応じて判定条件を変更することできる。
【0075】
(実施の形態3)
図15は、実施の形態3に係る生活状況遠隔監視システムの構成例を示すブロック図である。実施の形態3では、宅内装置2のコンセント26に接続される電気機器6の種類を表す情報を、外部から入力する。宅内装置2の電源タップ4は、機器種類入力部20を備える。その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0076】
本実施の形態3では、コンセント26に接続される電気機器6の種類を、判定部28または送信機3で消費電流または消費電力から識別しなくてもよい。コンセント26に接続される電気機器6の種類を表す情報は、機器種類入力部20から入力される。
【0077】
図16は、電源タップ4と機器種類入力部20の例を示す。図16の例では、コンセント26ごとに、機器種類を設定するスライドスイッチ20aが設けられている。例えばスライドスイッチ20aは、そのノブ20bの位置に対応して4ビットのデータを生成する。図15の判定部28は、スライドスイッチ20aが生成する4ビットのデータ(状態)を読み取り、予め設定された4ビットのデータと機器種類の対応から、コンセント26に接続されている電気機器6の種類を取得する。
【0078】
機器種類入力部20は、図16に示すようなスライドスイッチ20aまたはダイヤルスイッチなどでもよいし、あるいは液晶タッチパネルで候補となる電気機器6のリストを提示して、そのうちの1つをタッチパネルに触れて選択させるものでもよい。その他同等な手段でもよく、電気機器6の種類を表すデータを入力できれば上述の例に限らない。
【0079】
電気機器6の種類の情報を外部から入力する構成では、場合によっては、機器推定のアルゴリズムで推定した電気機器6の種類と異なる可能性がある。その場合、利用者の入力誤りの場合もあるだろうし、機器推定のアルゴリズムの推定ミスの場合もあると思われる。しかし、本実施の形態では、その矛盾が発生した時の対処については特にすることはない。
【0080】
判定部28は、実施の形態1で説明したように、検出部25で検出した電流または電力のデータから、コンセント26に接続されている電気機器6の稼働状態を判定し、計測データを計測データ記憶部27に記憶する。判定部28は、計測データと機器種類の情報に検出部IDを付けて、送信機3に送信する。送信機3では、受信した機器種類の情報を機器種類記憶部23に記憶する。
【0081】
送信部22から遠隔監視装置1に送信されるデータは、図3で説明したとおりである。遠隔監視装置1において以後の処理は、実施の形態1と同様に行う。実施の形態3では、電気機器6の種類を識別する必要がなく、その処理の分を軽減できる。
【0082】
実施の形態3の生活状況遠隔監視システムによれば、電気機器6の種類を表す情報を取得する手段として、単純だが確実な機器種類入力部を備えることにより、安価にサービスを提供することが可能である。コンセントに接続する電気機器6を頻繁に交換しない住居なら、実施の形態3の電源タップ4の構成でも充分な効果が期待できる。
【0083】
図17は、本発明の実施の形態に係る遠隔監視装置1の物理的な構成例を示すブロック図である。遠隔監視装置1は、図17に示すように、制御部31、主記憶部32、外部記憶部33、操作部34、表示部35および送受信部36を備える。主記憶部32、外部記憶部33、操作部34、表示部35および送受信部36はいずれも内部バス30を介して制御部31に接続されている。
【0084】
制御部31はCPU(Central Processing Unit)等から構成され、外部記憶部33に記憶されている制御プログラム39に従って、前述の通信処理を実行する。
【0085】
主記憶部32はRAM(Random-Access Memory)等から構成され、外部記憶部33に記憶されている制御プログラム39をロードし、制御部31の作業領域として用いられる。
【0086】
外部記憶部33は、フラッシュメモリ、ハードディスク、DVD−RAM(Digital Versatile Disc Random-Access Memory)、DVD−RW(Digital Versatile Disc ReWritable)等の不揮発性メモリから構成され、前記の処理を制御部31に行わせるための制御プログラム39を予め記憶し、また、制御部31の指示に従って、この制御プログラム39が記憶するデータを制御部31に供給し、制御部31から供給されたデータを記憶する。
【0087】
操作部34はキーボードおよびマウスなどのポインティングデバイス等と、キーボードおよびポインティングデバイス等を内部バス30に接続するインタフェース装置から構成されている。操作部34を介して、宅内装置2の識別番号および警戒状況判定条件17などが入力され、制御部31に供給される。
【0088】
表示部35は、CRT(Cathode Ray Tube)またはLCD(Liquid Crystal Display)などから構成され、機器稼働データ15および警戒状況などを表示する。
【0089】
送受信部36は、網終端装置または無線送受信機およびそれらと接続するシリアルインタフェースまたはLAN(Local Area Network)インタフェースから構成されている。送受信部36を介して、機器稼働データ15を宅内装置2から受信する。
【0090】
図1または図10に示す遠隔監視装置1の受信部11、制御部12、機器稼働状況表示部13および記憶部14の処理は、制御プログラム39が、制御部31、主記憶部32、外部記憶部33、操作部34、表示部35および送受信部36などを資源として用いて処理することによって実行する。
【0091】
図18は、本発明の実施の形態に係る宅内装置2のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。宅内装置2は、図18に示すように、制御部41、主記憶部42、外部記憶部43、入力部44、電源タップ4および送受信部46を備える。主記憶部42、外部記憶部43、入力部44および送受信部46はいずれも内部バス40を介して制御部41に接続されている。
【0092】
制御部41はCPU(Central Processing Unit)またはディジタル信号処理装置(DSP:Digital Signal Processor)等から構成され、外部記憶部43に記憶されている制御プログラム49に従って、宅内装置2の送信部22、住居ID記憶部21および機器種類記憶部23の各処理を実行する。制御部41はまた、FPGA(Field Programmable Gate Array)で構成することもできる。
【0093】
主記憶部42はRAM(Random-Access Memory)等から構成され、制御部41の作業領域として用いられる。
【0094】
外部記憶部43は、ROM(Read-Only Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスク等の不揮発性メモリから構成され、宅内装置2の処理を制御部41に行わせるための制御プログラム29を予め記憶し、また、制御部41の指示に従って、制御プログラム49が記憶するデータを制御部41に供給し、制御部41から供給されたデータを記憶する。
【0095】
入力部44は、電力線搬送モデムまたは無線送受信機、およびそれらと接続するシリアルインタフェースまたはパラレルインタフェースから構成されている。入力部44は、電源タップ4に接続し、電源タップ4から各検出データを入力する。
【0096】
送受信部46は、網終端装置または無線送受信機、およびそれらと接続するシリアルインタフェースまたはLAN(Local Area Network)インタフェースから構成されている。制御部41は、送受信部46を介して、遠隔監視装置1に機器稼働データ15を送信する。
【0097】
図1または図10に示す宅内装置2の送信部22、住居ID記憶部21および機器種類記憶部23の処理は、制御プログラム49が、制御部41、主記憶部42、外部記憶部43、入力部44および送受信部46などを資源として用いて処理することによって実行する。
【0098】
本発明の好適な変形として、以下の構成が含まれる。
【0099】
本発明の第1の観点に係る生活状況遠隔監視システムについて、
好ましくは、前記電気機器の稼動状態について、注意を喚起する情報を表示する状態であるか否かを判断する条件である警戒条件を取得する判定条件取得手段と、
前記稼働状態が、前記警戒条件に適合するか否かを判断する警戒判断手段と、
を備え、
前記表示手段は、前記警戒判断手段で前記稼働状態が前記警戒条件に適合すると判断した場合に、該適合する稼働状態の電気機器が属する住居の住居ID、および前記警戒条件に対応する注意を喚起する情報を表示する。
【0100】
好ましくは、前記機器種類取得手段は、前記検出手段で計測した消費電流/消費電力に基づいて、前記検出手段に接続する電気機器の種類を識別する。
【0101】
または、前記機器種類取得手段は、前記検出手段に接続される前記電気機器の種類を表す情報を入力する手段を備えてもよい。
【0102】
好ましくは、前記検出手段は、前記住居の電力コンセントと前記電気機器のプラグの間に介在することを特徴とする。
【0103】
本発明の第2の観点に係る生活状況遠隔監視方法について、
好ましくは、前記電気機器の稼動状態について、注意を喚起する情報を表示する状態であるか否かを判断する条件である警戒条件を取得する判定条件取得ステップと、
前記稼働状態が、前記警戒条件に適合するか否かを判断する警戒判断ステップと、
を備え、
前記表示ステップは、前記警戒判断ステップで前記稼働状態が前記警戒条件に適合すると判断した場合に、該適合する稼働状態の電気機器が属する住居の住居ID、および前記警戒条件に対応する注意を喚起する情報を表示する。
【0104】
好ましくは、前記機器種類取得ステップは、前記検出ステップで計測した消費電流または消費電力に基づいて、前記検出手段に接続する電気機器の種類を識別する。
【0105】
その他、前記のハードウエア構成やフローチャートは一例であり、任意に変更および修正が可能である。
【0106】
遠隔監視装置1の制御部31、主記憶部32、外部記憶部33、操作部34、表示部35および送受信部36、および宅内装置2の制御部41、主記憶部42、外部記憶部43、入力部44および送受信部46などから構成される生活状況遠隔監視システムの処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。たとえば、前記の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM等)に格納して配布し、当該コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、前記の処理を実行する遠隔監視装置1または宅内装置2を構成してもよい。また、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に当該コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロード等することで遠隔監視装置1または宅内装置2を構成してもよい。
【0107】
また、遠隔監視装置1または宅内装置2の機能を、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。
【0108】
また、搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。たとえば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS, Bulletin Board System)に前記コンピュータプログラムを掲示し、ネットワークを介して前記コンピュータプログラムを配信してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前記の処理を実行できるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0109】
1 遠隔監視装置
2 宅内装置
3 送信機
4 電源タップ
5 電源供給ライン
6 電気機器
7 通信ネットワーク
11 受信部
12 制御部
13 機器稼働状況表示部
14 記憶部
15 機器稼働データ
16 保有機器情報
17 警戒状況判定条件
18 警戒状況判定部
20 機器種類入力部
21 住居ID記憶部
22 送信部
23 機器種類記憶部
24 プラグ
25 検出部
26 コンセント
27 計測データ記憶部
28 判定部
29 検出部ID記憶部
31 制御部
32 主記憶部
33 外部記憶部
34 操作部
35 表示部
36 送受信部
39 制御プログラム
41 制御部
42 主記憶部
43 外部記憶部
44 入力部
46 送受信部
49 制御プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
住居を一意に識別するデータである住居IDを取得する手段と、
前記住居の電力供給ラインと電気機器の間に介在して、前記電気機器の消費電流または消費電力を所定の時間単位に計測する検出手段と、
前記検出手段に接続する前記電気機器の種類を表す情報である機器種類を取得する機器種類取得手段と、
前記検出手段で計測した前記電気機器の消費電流または消費電力と計測した時刻とを入力して、前記電気機器が作動しているか否かの状態を含む稼働状態を判定する稼働状態判定手段と、
前記住居IDと、前記検出手段を識別するデータまたは前記機器種類と、前記稼働状態または前記消費電流もしくは前記消費電力と、を通信ネットワークを経由して送信する手段と、
前記送信する手段から、前記住居IDと、前記検出手段を識別するデータまたは前記機器種類と、前記稼働状態または前記消費電流もしくは前記消費電力と、を前記通信ネットワークを経由して受信する手段と、
前記住居IDを受信する側で、前記住居IDに対応して前記住居IDで識別される住居ごとの前記機器種類を記憶する記憶手段と、
前記住居IDと、前記検出手段を識別するデータまたは前記機器種類と、前記稼働状態または前記消費電流もしくは前記消費電力と、を受信したときに、前記記憶手段に該住居IDに対応して前記機器種類取得手段で取得した前記機器種類が記憶されていなければ、該機器種類を前記記憶手段に追加して記憶する更新手段と、
前記住居IDを受信する側で、前記住居IDで識別される住居ごとに、前記機器種類および前記稼働状態を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする生活状況遠隔監視システム。
【請求項2】
前記電気機器の稼動状態について、注意を喚起する情報を表示する状態であるか否かを判断する条件である警戒条件を取得する判定条件取得手段と、
前記稼働状態が、前記警戒条件に適合するか否かを判断する警戒判断手段と、
を備え、
前記表示手段は、前記警戒判断手段で前記稼働状態が前記警戒条件に適合すると判断した場合に、該適合する稼働状態の電気機器が属する住居の住居ID、および前記警戒条件に対応する注意を喚起する情報を表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の生活状況遠隔監視システム。
【請求項3】
前記機器種類取得手段は、前記検出手段で計測した消費電流/消費電力に基づいて、前記検出手段に接続する電気機器の種類を識別することを特徴とする請求項1または2に記載の生活状況遠隔監視システム。
【請求項4】
前記機器種類取得手段は、前記検出手段に接続される前記電気機器の種類を表す情報を入力する手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の生活状況遠隔監視システム。
【請求項5】
前記検出手段は、前記住居の電力コンセントと前記電気機器のプラグの間に介在することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の生活状況遠隔監視システム。
【請求項6】
住居を一意に識別するデータである住居IDを取得するステップと、
前記住居の電気機器の消費電流または消費電力を所定の時間単位に計測する検出ステップと、
前記検出ステップで消費電流または消費電力を計測する前記電気機器の種類を表す情報である機器種類を取得する機器種類取得ステップと、
前記検出手段で計測した時刻と前記電気機器の消費電流または消費電力を入力して、前記電気機器が作動しているか否かの状態を含む稼働状態を判定する稼働状態判定ステップと、
前記住居IDと、前記検出手段を識別するデータまたは前記機器種類と、前記稼働状態または前記消費電流もしくは前記消費電力と、を通信ネットワークを経由して送信するステップと、
前記送信するステップから、前記住居IDと、前記検出手段を識別するデータまたは前記機器種類と、前記稼働状態または前記消費電流もしくは前記消費電力と、を前記通信ネットワークを経由して受信するステップと、
前記住居IDと、前記検出手段を識別するデータまたは前記機器種類と、前記稼働状態または前記消費電流もしくは前記消費電力と、を受信したときに、該住居IDに対応して前記機器種類取得ステップで取得した前記機器種類が、前記住居IDに対応して前記住居IDで識別される住居ごとの前記機器種類を記憶する手段に記憶されていなければ、該機器種類を追加して記憶する更新ステップと、
前記住居IDで識別される住居ごとに、前記機器種類および前記稼働状態を表示する表示ステップと、
を備えることを特徴とする生活状況遠隔監視方法。
【請求項7】
前記電気機器の稼動状態について、注意を喚起する情報を表示する状態であるか否かを判断する条件である警戒条件を取得する判定条件取得ステップと、
前記稼働状態が、前記警戒条件に適合するか否かを判断する警戒判断ステップと、
を備え、
前記表示ステップは、前記警戒判断ステップで前記稼働状態が前記警戒条件に適合すると判断した場合に、該適合する稼働状態の電気機器が属する住居の住居ID、および前記警戒条件に対応する注意を喚起する情報を表示する、
ことを特徴とする請求項6に記載の生活状況遠隔監視方法。
【請求項8】
前記機器種類取得ステップは、前記検出ステップで計測した消費電流または消費電力に基づいて、前記検出手段に接続する電気機器の種類を識別することを特徴とする請求項6または7に記載の生活状況遠隔監視方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−29778(P2011−29778A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−171376(P2009−171376)
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】