説明

生物学的、生物分解性若しくは合成重合体又は繊維が巻き付けられた体腔を閉塞するための金属製コイル

【課題】生物活性材料の放出、装置と患者の血流の塞栓性相互作用等の望ましい生物的活動を促進するため繊維材料を付着させ、表面領域を増加させた螺旋状のワイヤコイルである血管閉塞装置を提供する。
【解決手段】血管閉塞コイルは繊維を備える。血管閉塞コイル12は、生物学的に適性を有する金属ワイヤからなる螺旋コイル又は二重螺旋であり得る。繊維14,16,18は、少なくともコイル12のワインディング間に巻き付けられ、グリコール酸と乳酸との共重合体のような重合材料からなる。繊維14,16,18又はコイル12は生物活性材料でコーティングされ得る。装置10は非収縮性部材を備え、放射線不透過性であることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は血管の所望の場所、特に動脈瘤に塞栓を形成させる血管閉塞(vaso-occlusion)装置に関する。この装置は螺旋状のワイヤコイルであって、生物活性材料の放出、装置と患者の血流の塞栓性相互作用等の望ましい生物的活動を促進するため繊維材料を付着させ、表面領域を増加させた装置である。本装置のコイルは生物活性材料を含む少なくとも一層のコーティングで包まれ得る。
【背景技術】
【0002】
脳動脈瘤の治療として使われている分離式コイル閉塞、液状塞栓、パーティクル塞栓、風船塞栓等は再発の可能性が高い治療法である。動脈瘤と動脈の境界での不十分な治癒は、未知の物理的、生物的な要因により動脈瘤を膨張させ続ける原因となる。それは動脈瘤の再発であり、動脈閉塞処置後に起こる。
【0003】
一つの治療法として、動脈瘤の容量の20乃至30%までをPt/Irコイルで埋めつくし、その動脈瘤に入り込む血流を減少させる技術がある。容量で70〜80%となる動脈瘤の血液は停滞し、血餅を形成する。好ましくは、体内の傷で起こるのと同様の一連の過程である(1)止血、(2)炎症、(3)組織形成、(4)改造(remodeling)を経て、血餅は形成される。こういう方法で治療された動脈瘤は動脈の血流から隔離される。反面、まだ原因は不明であるが血餅が構成されないこともあり、その場合はコイルが圧縮し、新たに血液が流れ込み、動脈瘤が膨張する。したがって動脈瘤は再発生し、出血による卒中につながる可能性がある。
【0004】
組織工学の発展と共に、患者一人一人の(動脈瘤の空間にできた)塞栓に対する反応に依存する治療法より、動脈瘤と動脈の境界の治癒を直接に調節、促進させようとする装置か作られてきた。電解的に分離されるPt/Irコイルのような塞栓装置は、水性溶液で膨れる物質、又は軽い炎症を引き起すような物質でコーティングされている。
【0005】
一つの装置の形として分離式Pt/Irコイルにポリアクリルアミドハイドロゲルを取り付けたものがある。血液に投入されると、ハイドロゲルは膨れ上がり、コイルのみの装置と比べ、より大きい空間を埋め尽くすことができる。よってより高いパッキング密度(〜40乃至50%)が可能になる。
【0006】
他のコイルは、生物活性コーティング素材として動脈瘤で軽い炎症を引き起こし、上記の治癒過程による塞栓構成を誘発する生物分解性重合体PGLA(ポリグリコール酸/乳酸−生物分解性縫合の原料と同じもの)を使用している。
【0007】
上記二つの方法は、サイズの小ささと、0.015”以内という最小IDのミクロカテーテルを通してコイルを配置する必要性という共通の問題を抱えている。コイルは最低限0.09cmの表面領域(1cm長さを超える0.01”のOD)を持つことができる。コイルをハイドロゲル又は生物活性材料でコーティング後、ODが0.015”のカテーテルを自由に通らせるようにするには、コーティングの上限が限られてしまう。一般的には、コーティングの限度はコイルの表面とカテーテルの大きさで決まる。コーティング済みコイルの有効性に関しては、非常に少ないデータしか存在しない。しかし、医師たちのフィードバックはコーティングされていないコイルと結果の差がないことを示している。
【0008】
螺旋状のコイルは塞栓装置に広く採用される形のひとつである。Hans Henkes, et al, NEUROSURGERY 54, No. 2, 268 (2004)は、螺旋状のコイルに関わる1800の手術の結果を記述し、このような装置は脳動脈瘤の閉塞に安全で有効的であると結論付けている。
【0009】
今までいくつかの螺旋状の変形が提案されている。例えば、CheeとNatrientとに付与された米国特許5,226,911号明細書は、螺旋状のコイルに5〜100種の生物学的に適性のある重合体繊維を巻き付けることを記載している。繊維の素材としてはダクロン、ポリグリコール酸、フルオロ重合体、ナイロン、絹などが提案されている。PhelpsとVanとに付与された米国特許5,382,259号明細書は、螺旋状コイルとしてふさ毛(tassels)の付いた又は付かないチューブ状の繊維を編んだ又は織ったカバリングを記載している。MiriganとVanとに付与された米国特許5,549,624号明細書は装置の血栓形成性を向上させるものとして繊維ループを加えた螺旋状コイル装置を記載している。 Snyderに付与された米国特許5,658,308号明細書は芯の中心軸を通る繊維の糸を1〜数百本とその螺旋状のコイルに任意的に付着されるフィラメントとを備えた螺旋状の金属装置を記載している。これらのフィラメントは生物活性的なものとそうではないものとがあり、コイルが配置された場所の閉栓を促進させると記述されている。VillarとAganonとに付与された米国特許5,935,145号明細書は、二つの異なる材料でできた繊維部材を付着させている螺旋状のコイルを記載している。一つの材料は、望ましくは、生物分解可能である。他の材料は、望ましくは生物分解されない。Elderらに付与された米国特許 6,299,627号明細書は内部のコーティング、そして内部のコーティングの溶解性を左右する外部コーティングの二層で包まれたコイル又はブレード(braid)を備えた装置を記載している。
【0010】
これらの技術から見ると、螺旋状のコイル挿入物は魅力的な血管閉塞機器であるが、処置部位にける装置の配達及び配置、また、達成される閉栓の程度、率に関しては、最適のパフォーマンスを達成するには装置のパフォーマンスを改善する余地が残されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許5,226,911号明細書
【特許文献2】米国特許5,382,259号明細書
【特許文献3】米国特許5,549,624号明細書
【特許文献4】米国特許5,658,308号明細書
【特許文献5】米国特許5,935,145号明細書
【特許文献6】米国特許6,299,627号明細書
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Hans Henkes, et al, NEUROSURGERY 54, No. 2, 268 (2004)
【発明の概要】
【0013】
我々は、生物的、生物的分解性、又は合成重合体繊維を巻きつけた金属コイル等のコイルから構成される閉栓装置を改善させる方法を発見した。
【0014】
有効な表面領域を増大させ、生物的、生物的分解性又は合成薬剤が体内にできた空間を閉塞し、治癒反応を指令し、引き起すように提供され得る閉栓装置が求められている。
【0015】
我々は閉栓コイル装置に繊維を加えることによって表面領域を増加することを探求した。組織と動脈瘤との間の表面領域との間で初期の血液が接する表面領域を増加させることにより、生物活性薬剤(生物的、生物分解性、又は合成薬剤)が従来よりも、高濃度又は大量に使用できる。また、同じ濃度、量であってもより大きい接触表面領域に広げられる。
【0016】
特に我々は、繊維をコイルに巻きつける形で、大きなしかし制御された追加の表面領域を螺旋コイル装置に提供することで改善された装置を提供できることを見出した。巻き付けられた繊維によって増加した表面領域の量は、少なくとも金属コイルそれ自体によって提供される表面領域の表面積の少なくとも1割以上で、金属コイルそれ自体によって提供される表面領域の10倍以上にまで及ぶ。
【0017】
したがって、本発明は、(a)血流を閉栓させる為に患者の血管に挿入され、複数の螺旋と第1の表面領域を有する0.025mm以上である金属ワイヤの螺旋状のコイルと、(b)螺旋状のコイルに絡み、コイルから外側に向いて伸び、外表面が生物活性物質で作られ、第1の表面領域の少なくとも1割となる第2の表面領域を有する複数の繊維要素から構成される閉栓装置を提供する。
【0018】
一つの実施形態では、繊維要素の大半はそれぞれ螺旋コイルに一巻きで巻き付けられている。他の実施形態では、繊維要素の大半はそれぞれ螺旋コイルに2以上の巻で巻き付けられている。
【0019】
繊維要素は生物活性材料又は生物不活性材料のどちらからでも作ることができる。繊維要素は、使用時において安定でありうるし、適用時において生物学的に分解を行いうる。繊維要素は生物不活性材料の芯又は生物活性材料の芯上に生物活性材料のコーティングを含み得る。コーティングは少なくとも部分的に生物不活性材料を含み得る。生物活性材料は天然材料又は合成材料であり得る。合成材料は、それに限定されないが、分子等天然発生材料を加工したものを含む、人間の手によって作成されたいかなる材料を含みうる。
【0020】
繊維を形成する、又は繊維をコーティングする材料の例としてはグリコール酸と乳酸との共重合体がある。
【0021】
他の実施形態で、本発明はコーティング処理前後の繊維を螺旋コイルに巻き付けてこれらの装置を生産する方法と、閉塞が必要である部位に本発明の装置を設置して患者に体の部位を閉塞する治療方法とを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1はコイルに巻きつけられている繊維の3つの代表的な形態を示す閉栓コイルを非比率的に示す側面図である。図1には3つの領域が特定されている。領域2-2’は繊維が一つのループのコイルの回りに巻き付けられた形態を示している。領域3-3’は繊維が一つのループに通して巻き付けられた形態を示している。領域4-4’は繊維が複数のループに通して巻き付けられた形態を示している。
【図2】図2は、繊維が一つのループのコイルの回りに巻き付けられた形態を示す図1の領域2−2’の拡大図である。
【図3】図3は、繊維が一つのループに通して巻き付けられた形態を示す図1の領域3−3’の拡大図である。
【図3A】図3Aは、繊維がコイルの一対のループを通して巻き付けられた形態を示す図1の領域3−3’の拡大図である。
【図4】図4は、繊維がコイルの多数のループを通して「S」の形で巻き付けられた形態を示す図1の領域4−4’の拡大図である。
【図5】図5は、繊維が巻き付けられる方法が異なる図4に類似した拡大図である。この形態では二組みの繊維がコイルに互いに隣接して「S」の形で巻き付けられている。
【図6】図6は、芯と外部コーティングとを有する本発明で有用な繊維又はコイルの非比率的な部分断面図である。
【図7A】図7Aは、本発明のひとつの実施例の例として, コイルに固定された非収縮性部材と各々が非収縮性部材に少なくとも2回巻き回しされた複数の繊維とを含む閉栓コイルを備える本発明の一形態の非比率的な側面図である。
【図7B】図7Bは、図7Aに示される本発明の形態の非比率的な上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
精細な説明は次のセクションに分けられる。
金属コイルと装置構成、非伸縮性部材、繊維材料、生物活性材料、適用
【0024】
[金属コイルと装置構成]
本発明の閉栓装置は、望ましくは繊維が巻き付けられている金属コイル等のコイルで作られている。ある形態では、装置は螺旋の形をし、単純に一つの螺旋で形成されている。しかし他の形態では、図1に示されるように、コイルは、2次螺旋、又は、繊維が一次コイルを通して巻き付けられた他の2次形態に巻き付けられた螺旋に付着している1次螺旋コイルを有するコイルオンコイルである。図1で、装置10は直径Dsの大きい又は二次の螺旋と、直径Dpの小さい又は一次の螺旋とを持つ金属コイル12を示している。複数の繊維14、16、18は2-2’、3-3’、4-4’に示された構成で一次螺旋のコイルを通して巻きつけられており、図2、3、3A、4にそれぞれ拡大して示されている。これら4つの巻き付け構成は代表的な例に過ぎず、繊維とコイルとが適切に結合された均等な構成もまた本発明の範囲に含まれる。
【0025】
コイル12を形成するワイヤは生物的に適合する金属、つまり、体内で使用されるときに接する組織や液体と有害な反応を起さない金属で形成され得る。その金属は、コイルの状態及び配置が放射線技術で検知できるように放射線不透過性であり得る。適合な金属は、貴金属の種の白金、パラジウム、ロジウム、レニウム等の白金系金属、イリジウム、金、銀、タングステン、タンタル等の貴金属、あるいはこれらの合金を含むが、これらに限定されない。他の有用な金属は、“Nitinol”等の超弾性金属を含みうる。これらの金属材料は米国特許 3,174,851号明細書及び米国特許3,753,700号明細書に記載されており、モラ比で0.4〜0.5のニッケルと0.5〜0.6のチタンを有するニッケル−チタン合金、モル比0.35〜0.4のアルミミウムを有するアルミミウム−ニッケル合金等を含む。主に白金でできている白金−イリジウム、白金−タングステン合金が最も望ましい金属である。
【0026】
金属成分はワイヤで形成され得る。ある形態では、ワイヤは一般的に約0.025〜約0.09mm、約0.03〜約0.08mm又は約0.04〜約0.06mmの直径を有する。ある特定の形態では、ワイヤは約0.05mmの直径を有する。ある形態では、ワイヤは単純一次螺旋等の一次形態のみから構成され得る。いくつかの形態では、ワイヤ要素は螺旋状コイルの一次形態と二次形態とを持ち得る。二次形態は複雑な三次元形態をとり得る。他の形態では、ワイヤはコイルのコイル又は二重螺旋をとり得る。ワイヤがコイルのコイルである場合、外部螺旋の外径又は二次直径は、ある形態では約1〜約25mmであり、他の形態では約2〜20mmであり得る。一次螺旋(内部螺旋)は、一般的に約0.1〜約0.8mm、約0.15〜約0.6mm又は約0.2〜約0.4mmの外径をとり得る。特定の形態では、2.8mmの一次直径を有し、対応する大きさのカテーテルを通るコイルを提供する。また別の形態では、約0.24mmの一次直径を有し、対応する大きさのカテーテルを通るコイルが提供される。
【0027】
二次螺旋は、ある形態では1cm当たり約0.5〜約20巻き、他の形態では約1〜約10巻きを有し得る。内部又は一次コイルは、ある形態では1mm当たり約2〜約50巻き、他の形態では約5〜約40巻きを有し得る。一次コイルの巻きの数は繊維を付着させない状態の一次コイルに対する数値である。繊維が付着すると、一次螺旋コイルを通して巻き付けられるので、通常ある程度一次螺旋を拡大させる。したがって、図1〜4で、一次螺旋コイルは、隣接したコイルの間に隙間があるよう、ピッチを置いた状態を表している。例えば図2及び3に示されるように、このコイル間の余分な隙間は二次螺旋全長の約60%を占める。この構成で既に様々な状況に対応できるが、コイル間の隙間がまったくなく、あるいは小さくなっており、繊維をその隙間に入れるとコイルに挟まれ、またコイルを変形させ、その圧力で繊維を固定するような構成も望ましい。後者の状況は、一次コイルの“繊維グリップ(fiber gripping)”構成と呼ばれる。したがって、ある形態で隣接する一次コイル巻き間の余分な隙間は伸びていない一次コイル全長の約0〜約80%であり得る。”繊維グリップ”構成は隣接コイル間の余分な隙間が全長の約0〜約25%であるときに達成され得る。
【0028】
本発明の装置の伸びていない状態での軸方向全長は、ある形態では約5〜約400mmであり、他の形態では約10〜約300mmである。この長さは特定の使用形態によって選択され。ある形態では400mmを超え得る。
【0029】
図1〜7から分かるように本発明の装置に使用できる繊維の構成は様々である。繊維を作る材料は繊維材料の項で説明される。繊維の構成は以下に定められる。
【0030】
ある形態では、本発明の装置の部分を構成する繊維は、一次螺旋コイルを通して巻き付けられる。他の形態では、本発明の装置の部分を構成する繊維は、コイル中央の内腔内に配置される非伸縮性部材に少なくとも二回巻かれ、通常コイル両端で付着させている。ある形態では、繊維で結び目を形成する等の形でコイル又は非伸縮性部材に結び付けられ得る。繊維はコイル又は非伸縮性部材、またはその双方に結ばれ、巻きつけられ得る。他の形態では、繊維は結ばれないが、コイル又は非伸縮性部材、またはその双方に巻きつけられたり巻かれたりする。繊維は柔軟なものであり、ミクロカテーテルを通してコイルを送れるように短い長さに切られ得る。
【0031】
図2に示されるように、ある適切なレース構成は、繊維14は一次螺旋の単一コイル20に巻きついた繊維を含み、単繊維14の両端はコイル12から外側に向いて同じ方向に伸びるように構成され得る。この構成は14c−14c’のような一本の繊維又は複数の繊維14e-14e’で発生しうる。繊維はモノフィラメント又は糸で構成され得る。繊維は一本の繊維又は連関した繊維の束で構成されうる。繊維の束は2本から50本以上の繊維から成り得る。これらの図にある繊維はどれも比率的に描かれていない。ある形態では、繊維は二次コイルから少なくとも約0.05mm、約0.05mmから約5mm、又は約0.5mmから約4mm延び得る。あとで明らかになるが、繊維の長さは図1に示されるDsに比べ相対的に小さいが、Dpとは同等又はDpより大きい。繊維はある形態では約0.01〜約0.60mm、又は約0.02〜約0.05mmの直径を有し得る。糸の場合、糸の全体直径は通常この範囲内であり、糸を成す個別繊維はそれより小さい直径を持つ。
【0032】
前に述べたように、繊維又は繊維束の直径が一次螺旋巻き間の隙間を超え、隙間が繊維グリップ距離となるとしばしば有益である。
【0033】
図3に示されるように、本発明の一形態では、繊維16が一次コイル12の反対側から延びるような繊維16の巻き付け構成を述べている。この形態では、単一繊維16A〜16A’は螺旋12のコイルの1巻き22を通りコイルに付着できる。同様に、繊維の束16B〜16B’はコイルの1巻き22’を通りコイルに付着できる。この構成では一次コイルの隣接する巻き間の隙間を繊維グリップ距離であるようにすると有益である。この形態の繊維は図2に示されている繊維の例と同様な大きさであり得る。
【0034】
図3Aに示されるように、図3の繊維付着法の変形が提案されている。したがって、繊維の束16c〜16c’、あるいは個別繊維16d〜16d’は一次螺旋の一対の隣接するコイル24、24’を通して付着し得る。この構成は隣接するコイル間に繊維を固定する隙間を有効的に提供し得る。
【0035】
図4と5に示されるように、コイルの一次螺旋を通して付着された繊維はコイルへの固定を強化し、使用中にコイルから外れることを防ぐため、”S”文字のようにコイルに絡み得る。図4では、まず繊維束28がコイル12のワインディング32と34を通り、適切な長さの尾30を残す。次に、繊維束28は複数のワインディング36をわたってループ38を形成する。ワインディングは少なくは一個から多くは10〜12個の巻きからなる。ある形態では、ワインディングの数は実質上12個を超え得る。従って、本発明のある形態によると、図4の38のように、少なくともコイルの1巻きをわたる繊維のループが得られる。繊維は、それからワインディング40と42を通ってコイル12の反対側に出、対向ループ46を形成し得る。ループ46はループ38と同様な長さを持ち得る。次に、繊維はワインディング48と50を通って28’で終わり、尾 28と同等の尾 52を形成して28’で終わる。
【0036】
図5では、複数の繊維の束が二つのループを形成する“S”文字構成28、28Aから28′、28A’が示されている。これらの複数のループは図5に示されているように、隣接した複数のワインディングを通って平行に配列され得るが、必要であればそれぞれ異なり、ランダムであり得る。
【0037】
[非伸縮性部材]
本発明の装置は非伸縮性部材を含み得る。非伸縮性部材は装置の除去、再設置等の過程での移動、変形を防ぎ得る。非伸縮性部材は少なくとも装置の一端に固定的に付着され得る。ある形態では、非伸縮性部材は装置の両端に固定的に付着され、コイルの内部を通り得る。
【0038】
非伸縮性部材は様々な素材から作り得る。金属等、コイルを作るために適切な材料をすべて含む。非伸縮性部材は放射線不透過性素材で構成し得る。また重合体でも構成し得る。
【0039】
ある形態では、少なくとも1本の繊維が非伸縮性部材に少なくとも2回巻き付けられる。ある形態で、本発明は非伸縮性部材に少なくとも2回巻かれた少なくとも1つの束又は複数の束を提供する。非伸縮性部材に繊維を少なくとも2回巻くと少なくとも1つの繊維を装置に確保する手段が提供される。ある形態では繊維は装置に結び付けられず、それによって装置の展開を妨げ、装置を機械的に損傷する邪魔となり得る束を避けうる。
【0040】
[繊維材料]
ある形態では、繊維は重合体材料で構成し得る。重合体材料は体内移植に許可された、あるいは許可を取得し得る材料を含み得る。これらの素材はポリエチレン、ポリアクリル酸(polyacrylics)、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン6,6等のナイロンのようなポリアミド、ポリウレタン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、酢酸セルロース、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート(Dacron)等のポリエステル、絹、綿、などの非生物的分解性材料を含み得る。ある特定の形態では重合体要素用の非分解性材料としてポリエステル、ポリエ−テル、ポリアミド、又はポリフルオロカーボンで構成し得る。
【0041】
重合体は生物分解性でもよい。代表的な生物分解性重合体は:ポリグリコール酸/ポリ乳酸(PGLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリヒドロキシブチレートバレレート(Polyhydroxybutyrate valerate:PHBV)、ポリオルトエステル(Polyorthoester:POE)、ポリエチレンオキサイド/ポリブチレンテレフタレート (PEO/PBTP)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸、ポリ(p-ジオキサノン)、ポリバレロラクトン(Poly (valetolactone))、ポリタルトロン酸、ポリβマロン酸、ポリプロピレンフマレート、ポリ無水物及びチロシンを基にしたポリカーボネート等が含まれ得る。
【0042】
前述の材料の立体異性体に限らず、ほかの同等の材料も使用し得る。ある形態では生物的分解性重合体は乳酸とグリコール酸の共重合体であり得る。その共重合体は乳酸とグリコール酸を90:10の比率で構成され得る。ある形態では、グリコール酸と乳酸の比率は99:1、90:10、95:5、50:50、10:90、5:95、1:99のいずれかが選択される。また別の形態では繊維はナイロン6.6で構成され得る。
【0043】
ポリグリコリドとポリL-ラクチドを基本材料にすると、その二つのモノマーを共重合させ、ホモ重合体の特性の範囲を拡大することができる。グリコリドとL-ラクチド、DL-ラクチドの共重合体は装置と薬物配達用に開発されている。これらの共重合体の成分比率と材料の機械的特性との間には直線的な関係がないことに注目したい。例えば、グリコリドとDL-ラクチドが50:50の比率で構成されている共重合体はいずれの同種重合体より速く分解される(Middleton and Tipton, 2000, Biomaterials, 21:2335を参考)。
【0044】
繊維は少なくとも一層の生物活性物質でコーティングされ得る(例えば、成長因子、遺伝子、コラーゲン、ペプチド、オリゴヌクレオチド、キトサンのような海洋生物由来高分子、ヒアルロン酸(hyaloronic acid)等のモノ-、ジ-、ポリサッカライド、又はこれらの組み合わせ)。ある形態では複層のコーティングが示されている。繊維は生物不活性材料、あるいは生物活性材料と不活性材料との組み合わせで一層、また複層のコーティングをされ得る。
【0045】
[生物活性材料]
ある形態では、繊維はその中に生物活性材料を含み得る。別の形態では、生物活性材料はコイル、非伸縮性部材、繊維、又はこれらのさまざまな組み合わせを包むコーティングの中に含まれ得る。本発明のある形態では、生物活性材料のコーティングはコイルに一つの層として付けられ得て、生物活性材料を伴う又は伴わない繊維は除外することもできる。しかし、他の形態では生物活性材料は繊維の中に分散されているか、繊維の表面にコーティングされている。図6に示されるように、この構成は金属コイル又は繊維の芯30と生物活性材料からなる一層の外側コーティング32を含んでいる。
【0046】
生物活性材料、例えばコーティングはコラーゲン性の蛋白質等であり得る。コラーゲン性コーティングは天然物質と合成物質を含む様々なものから成り得る。ある特定の形態で生物活性材料は、追加の生物活性剤を伴った又は伴わない金属の双方に付く光重合性コラーゲンを備える。適切なコラーゲン性材料の例としては、天然コラーゲンのタイプIとIVの表面官能基(surface functional group)を持つものを含む。
【0047】
重合体又はコーティングに含まれている生物活性材料又は生物活性剤は摩擦の減少、部位的又は血液を通じての治療の提供、血栓症、凝固、血小板活動の予防などを含む色々な機能を持ち得る。生物活性材料はヒアルロン酸(hyaluronic acid)のような潤滑性の素材等を含む親水性のものであり得る。適切な親水性の化合物の例としてはポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリアクリルアミド等が含まれる。生物活性材料は疎水性でもよい。疎水性化合物はphosphotidyl choline、脂肪酸エステル等の膜脂質を含む。生物活性材料は水溶性の治療剤を含み得る。水溶性の治療剤としては組織プラスミノゲンアクチベーター(TPA)、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、ヒルジン、vEGFなどの成長因子を含む血栓溶解剤がある。生物活性材料は脂溶性ビタミンなどの脂溶性治療剤であり得る。
【0048】
生物活性材料又はそのコーティングは細胞接着を促進するものであり得る。また血栓形成を促進するものでもあり得る。細胞接着、血栓形成を促進する生物活性材料又はそのコーティングの一部の例としては、コラーゲン、フィブリノーゲン、ビトロネクチン、他の血漿タンパク質、血管内皮増殖因子(vEGF)等の成長因子を含む天然若しくは合成化合物、これらの合成ペプチド又はN,C末端の片方あるいは両方にRGD(アルギニン、グリシン、アスパラギン酸)が付いているペプチドとGRGDYのような他の細胞接着ペプチド、さらにオリゴヌクレオチド、天然若しくは合成リン脂質、コリンリン酸の機能性を持つ重合体等が含まれる。
【0049】
[適用]
本発明の装置は特定の場所に設置し得る。したがって、本発明の装置は様々な疾患に適応し得る。例えば、動脈瘤の治療には、複数の装置で動脈瘤を埋め尽くし得る。もしくは、ただ1個の装置も投入し得る。動脈瘤に装置が設置されてからまもなく、生物活性材料の影響で塞栓が任意的に形成し得る。
【0050】
特別に選ばれたカテーテルやガイドワイヤなどを用いて血管を通し、特定場所にたどり着き得る。まず、血管の入り口となる場所へ大きいカテーテルを挿入する。一般的には、鼠径部の大腿動脈を利用する。他の入り口としては、首周りの血管も使用されるが、これらの選択肢は専門医には一般的な常識である。大きなカテーテルが挿入されると、それから先導カテーテルを使って、入り口から治療部位までの安全な経路を提供する。例えば、人の脳に治療部位がある場合、大腿動脈の入り口から心臓と大動脈弓を通り、大動脈の上部から伸びる動脈の一つまで伸びるカテーテルが選ばれる。次にガイドワイヤと神経血管性カテーテルが一つのユニットで先導カテーテルの中に挿入される。ガイドワイヤが先導カテーテルの末端に至ると、本発明の装置とともに蛍光透視を利用し、医師によってさらに伸ばされる。ガイドワイヤと神経血管性カテーテルの順に、導入カテーテルの末端から治療部位まで伸ばされる。これらが治療部位まで伸ばされ、このカテーテルの末端が適切に(動脈瘤の口に)位置されると、ガイドワイヤは取り除かれる。次に、神経血管性カテーテルの端末には外部に開口した管腔がある。その管腔を通して本発明の装置は治療部に詰め込まれ、脱離される。装置はサイズ、ボリューム又は形によって治療部位に固定され得る。
【0051】
[例1]繊維の付加
AT−10のプラチナコイルが得られ、その端で平坦表面に固定された。コイルは直径0.028mmの一次螺旋を有する。直径0.099〜0.029mmの複数のVicryl90/100PGLAの縫合(suture)が得られた。これらの縫合は直径約12μmの小さなマイクロ繊維6−7本の束から構成されている。同様のサイズの単一フィラメントも使用し得る。繊維は2cm長さに切断され、図2〜5に示される構造のT-10コイルの巻きの間で物理的に巻き付けられる。この巻き付けは、1cm当り全体で約10〜20本の繊維がコイルから外方に延びるまでなされる。繊維はコイルから延びる長さが2〜4cmの長さになるよう刈り込まれる。
【0052】
もし繊維が生物活性材料でコートされるか生物活性材料を含んでいれば、繊維によって提供される表面領域は配送及び活性が強化される。
【0053】
[例2]コーティング
1.氷コンテナに冷水を満たし、温度が4〜6℃に到達するのに必要なだけ氷を追加する。
2.コンテナ/バケットに15mlの遠心管ラックを浸漬する。
3.(pH7.4±2のコラーゲン溶液で満たされた)15mlの遠心管を遠心ラックに配置する。
4.プラチナコイルを孔の開いた遠心カップを通して溶液中に挿入する。
5.コイルを溶液中に20分間放置する。
6.コイル及び(コイルをコラーゲン溶液中に確保する)管をコンテナ/バケットから除去する。
7.コイルを37℃で4時間置く。
8.コイルをコラーゲン溶液から取り出し、コイルをPBS中で3回、蒸留水中で3回リンスする。
9.コートされたコイルを1晩中乾燥させる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)患者の血管ネットワーク中の使用部位に挿入される大きさを有し、第1の表面領域から構成されるコイルと、
b)前記第1の表面領域の少なくとも0.1倍の大きさの第2の表面領域から構成される複数の巻き付けられた(enlaced)繊維と、
を備える、患者の血流を閉塞するための血管閉塞装置。
【請求項2】
前記コイルは螺旋コイルであることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記繊維は前記コイルを介して巻き付けられていることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記コイルは金属ワイヤから構成されることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記金属ワイヤは生物学的に適性のある金属ワイヤであることを特徴とする請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記金属ワイヤは少なくとも5mmの長さであることを特徴とする請求項4記載の装置。
【請求項7】
前記金属ワイヤは放射線不透過性であることを特徴とする請求項4記載の装置。
【請求項8】
前記金属ワイヤは、白金、パラジウム、ロジウム、レニウム、イリジウム、金、銀、タングステン、タンタル、又は、これら金属の合金から選択される金属から構成されることを特徴とする請求項4記載の装置。
【請求項9】
前記金属ワイヤは白金・イリジウム合金から構成されることを特徴とする請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記金属ワイヤは白金・タングステン合金から構成されることを特徴とする請求項8記載の装置。
【請求項11】
前記金属ワイヤは超弾性金属から構成されることを特徴とする請求項4記載の装置。
【請求項12】
前記超弾性金属はニトノール(nitnol)であることを特徴とする請求項11記載の装置。
【請求項13】
前記金属ワイヤは約0.025mm〜約0.09mmの直径を有することを特徴とする請求項4記載の装置。
【請求項14】
前記金属ワイヤは約0.04mm〜約0.06mmの直径を有することを特徴とする請求項4記載の装置。
【請求項15】
前記コイルは、それ自体が二次的な形状に巻かれる一次螺旋から構成されることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項16】
前記二次的な形状は複雑な3次元構造であることを特徴とする請求項15記載の装置。
【請求項17】
前記二次的な形状は別の螺旋であることを特徴とする請求項15記載の装置。
【請求項18】
前記二次的な形状は二重螺旋であることを特徴とする請求項17記載の装置。
【請求項19】
前記一次螺旋は約0.1mm〜約0.8mmの直径を有することを特徴とする請求項15記載の装置。
【請求項20】
前記一次螺旋は約0.28mmの直径を有することを特徴とする請求項15記載の装置。
【請求項21】
前記一次螺旋は約0.24mmの直径を有することを特徴とする請求項15記載の装置。
【請求項22】
前記一次螺旋は1mm当り約2〜約50のワインディング(winding)を有することを特徴とする請求項15記載の装置。
【請求項23】
前記一次螺旋は、隣接するコイル間に自由空間を提供するピッチから構成されることを特徴とする請求項15記載の装置。
【請求項24】
前記二次的な形状の約60%までの長さが前記自由空間から構成されることを特徴とする請求項23記載の装置。
【請求項25】
前記二次的な形状の約0%〜約25%の長さが前記自由空間から構成されることを特徴とする請求項23記載の装置。
【請求項26】
前記自由空間は前記隣接するコイルが前記繊維を掴むことを許容するほど小さいことを特徴とする請求項25記載の装置。
【請求項27】
繊維の大半は前記螺旋コイルの一つのワインディング(winding)をそれぞれ巻いていることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項28】
繊維の大半は前記螺旋コイルの2以上のワインディング(winding)をそれぞれ巻いていることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項29】
前記繊維は生物活性材料から構成されることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項30】
前記繊維は非生物活性材料から構成されることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項31】
前記繊維はグリコール酸と乳酸との共重合体から構成されることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項32】
生物活性コーティングをさらに備えることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項33】
前記生物活性コーティングは潤滑性を有する親水性コーティングであることを特徴とする請求項32記載の装置。
【請求項34】
前記生物活性コーティングは疎水性コーティングであることを特徴とする請求項32記載の装置。
【請求項35】
前記生物活性コーティングは前記繊維に適用されることを特徴とする請求項32記載の装置。
【請求項36】
前記生物活性コーティングは共重合体であることを特徴とする請求項32記載の装置。
【請求項37】
前記共重合体は乳酸とグリコール酸とから構成されることを特徴とする請求項36記載の装置。
【請求項38】
前記繊維は非生物分解性重合体から構成されることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項39】
前記非生物分解性重合体は、ポリエチレン、ポリアクリル酸、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、酢酸セルロース、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステル、絹又は綿から選択されることを特徴とする請求項38記載の装置。
【請求項40】
前記非生物分解性重合体はナイロンであることを特徴とする請求項38記載の装置。
【請求項41】
前記非生物分解性重合体はポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項38記載の装置。
【請求項42】
前記繊維は生物分解性重合体から構成されることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項43】
前記生物分解性重合体は、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレートバレレート(Polyhydroxybutyrate valerate)、ポリオルトエステル(Polyorthoester)、ポリ乳酸、ポリ−p−ジオキサノン(poly(p-dioxanone))、ポリバレトラクトン(Poly (valetolactone))、ポリタルトロン酸、ポリ−β−マロン酸、ポリプロピレンフマレート、チロシンを基にしたポリカーボネート(tyrosine based polycarbonate)、及び、ポリエチレンオキサイドとポリブチレンテレフタレートとの共重合体から選択されることを特徴とする請求項42記載の装置。
【請求項44】
前記グリコール酸の乳酸に対する比率は99:1であることを特徴とする請求項31記載の装置。
【請求項45】
前記グリコール酸の乳酸に対する比率は1:99であることを特徴とする請求項31記載の装置。
【請求項46】
前記グリコール酸の乳酸に対する比率は95:5であることを特徴とする請求項31記載の装置。
【請求項47】
前記グリコール酸の乳酸に対する比率は5:95であることを特徴とする請求項31記載の装置。
【請求項48】
前記グリコール酸の乳酸に対する比率は50:50であることを特徴とする請求項31記載の装置。
【請求項49】
前記グリコール酸の乳酸に対する比率は90:10であることを特徴とする請求項31記載の装置。
【請求項50】
前記コーティング材料は、成長因子、遺伝子、オリゴヌクレオチド、ペプチド、海洋生物由来高分子(marine biopolymer)、モノ−サッカライド、ジ−サッカライド、ポリ−サッカライド、コラーゲン及びこれらの組み合わせから選択されることを特徴とする請求項32記載の装置。
【請求項51】
前記コーティングは前記コイルに適用されることを特徴とする請求項32記載の装置。
【請求項52】
前記コーティングは前記繊維に単一の層として適用されることを特徴とする請求項35記載の装置。
【請求項53】
前記生物活性コーティングは前記コイルに単一の層として適用されることを特徴とする請求項43記載の装置。
【請求項54】
前記生物活性コーティングは前記繊維全体にわたって分散されることを特徴とする請求項32記載の装置。
【請求項55】
前記コーティングは、細胞接着を促進し、血栓形成を促進するものであることを特徴とする請求項32記載の装置。
【請求項56】
前記コーティング材料は、コラーゲン、フィブリノーゲン、ビトロネクチン、血管内皮増殖因子、及び、アルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)配列を備えるペプチドから選択されることを特徴とする請求項55記載の装置。
【請求項57】
患者の動脈瘤を治療する方法であって、血管閉塞装置を前記患者の体内に導入する工程と、それにより前記動脈瘤を治療する工程とを備え、
前記血管閉塞装置は、
a)前記患者の血管ネットワーク中の使用部位に挿入される大きさであって、第1の表面領域から構成されるコイルと、
b)前記第1の表面領域の少なくとも0.1倍の大きさの第2の表面領域から構成される複数の巻き付けられた繊維と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項58】
前記コイルは複雑な3次元構造を有することを特徴とする請求項57記載の方法。
【請求項59】
前記コイルは螺旋であることを特徴とする請求項57記載の方法。
【請求項60】
前記血管閉塞装置はカテーテルを使用して導入されることを特徴とする請求項57記載の方法。
【請求項61】
前記血管閉塞装置は前記血管系の入口を介して導入されることを特徴とする請求項57記載の方法。
【請求項62】
前記入口は大腿動脈中に位置することを特徴とする請求項61記載の方法。
【請求項63】
血管閉塞装置を製造する方法であって、
a)張力がかかっていないもとで隣接するワインディング(winding)間で繊維を掴む間隔を有する螺旋状に巻かれたワイヤ芯を得る工程と、
b)前記ワイヤ芯を延伸された状態まで延伸する工程と、
c)前記芯の隣接するワインディング(winding)間に複数の繊維を巻き付かせ、それにより前記コイルの前記表面領域を少なくとも0.1の係数だけ増大させる工程と、
d)前記コイルを緩和し、それにより前記コイルの前記隣接するワインディング(winding)に前記巻き付けられた繊維を掴ます工程と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項64】
前記繊維はポリグリコール酸と乳酸との共重合体から構成されることを特徴とする請求項63記載の方法。
【請求項65】
前記巻き付けは一つのワインディング(winding)の回りで行われることを特徴とする請求項63記載の方法。
【請求項66】
前記巻き付けは一つのワインディング(winding)を介して行われることを特徴とする請求項63記載の方法。
【請求項67】
前記巻き付けは複数のワインディング(winding)を介して行われることを特徴とする請求項63記載の方法。
【請求項68】
前記巻き付けで「S」字構造が形成されることを特徴とする請求項63記載の方法。
【請求項69】
a)患者の血管ネットワーク中の使用部位に挿入される大きさを有するコイルと、
b)乳酸とグリコール酸との共重合体から構成される複数の巻き付けられた繊維と、
を備える、患者の血流を閉塞するための血管閉塞装置。
【請求項70】
前記コイルは螺旋コイルであることを特徴とする請求項69記載の装置。
【請求項71】
前記繊維は前記コイルを介して巻き付けられていることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項72】
前記コイルは金属ワイヤから構成されることを特徴とする請求項69記載の装置。
【請求項73】
前記金属ワイヤは生物学的に適性のある金属ワイヤであることを特徴とする請求項72記載の装置。
【請求項74】
前記金属ワイヤは少なくとも5mmの長さであることを特徴とする請求項72記載の装置。
【請求項75】
前記金属ワイヤは放射線不透過性であることを特徴とする請求項72記載の装置。
【請求項76】
前記金属ワイヤは、白金、パラジウム、ロジウム、レニウム、イリジウム、金、銀、タングステン、タンタル、又は、これら金属の合金から選択される金属から構成されることを特徴とする請求項72記載の装置。
【請求項77】
前記金属ワイヤは白金・イリジウム合金から構成されることを特徴とする請求項76記載の装置。
【請求項78】
前記金属ワイヤは白金・タングステン合金から構成されることを特徴とする請求項76記載の装置。
【請求項79】
前記金属ワイヤは超弾性金属から構成されることを特徴とする請求項72記載の装置。
【請求項80】
前記超弾性金属はニトノール(nitnol)であることを特徴とする請求項79記載の装置。
【請求項81】
前記金属ワイヤは約0.025mm〜約0.09mmの直径を有することを特徴とする請求項72記載の装置。
【請求項82】
前記金属ワイヤは約0.04mm〜約0.06mmの直径を有することを特徴とする請求項72記載の装置。
【請求項83】
前記コイルは、それ自体が二次的な形状に巻かれる一次螺旋から構成されることを特徴とする請求項69記載の装置。
【請求項84】
前記二次的な形状は複雑な3次元構造であることを特徴とする請求項83記載の装置。
【請求項85】
前記二次的な形状は別の螺旋であることを特徴とする請求項83記載の装置。
【請求項86】
前記二次的な形状は二重螺旋であることを特徴とする請求項85記載の装置。
【請求項87】
前記一次螺旋は約0.1mm〜約0.8mmの直径を有することを特徴とする請求項83記載の装置。
【請求項88】
前記一次螺旋は約0.28mmの直径を有することを特徴とする請求項83記載の装置。
【請求項89】
前記一次螺旋は約0.24mmの直径を有することを特徴とする請求項83記載の装置。
【請求項90】
前記一次螺旋は1mm当り約2〜約50のワインディング(winding)を有することを特徴とする請求項83記載の装置。
【請求項91】
前記一次螺旋は、隣接するコイル間に自由空間を提供するピッチから構成されることを特徴とする請求項83記載の装置。
【請求項92】
前記二次的な形状の約60%までの長さが前記自由空間から構成されることを特徴とする請求項91記載の装置。
【請求項93】
前記二次的な形状の約0%〜約25%の長さが前記自由空間から構成されることを特徴とする請求項91記載の装置。
【請求項94】
前記自由空間は前記隣接するコイルが前記繊維を掴むことを許容するほど小さいことを特徴とする請求項93記載の装置。
【請求項95】
繊維の大半は前記螺旋コイルの一つのワインディング(winding)をそれぞれ巻いていることを特徴とする請求項69記載の装置。
【請求項96】
繊維の大半は前記螺旋コイルの2以上のワインディング(winding)をそれぞれ巻いていることを特徴とする請求項69記載の装置。
【請求項97】
前記繊維は生物活性材料から構成されることを特徴とする請求項69記載の装置。
【請求項98】
前記繊維は非生物活性材料から構成されることを特徴とする請求項69記載の装置。
【請求項99】
前記繊維はグリコール酸と乳酸との共重合体から構成されることを特徴とする請求項69記載の装置。
【請求項100】
生物活性コーティングをさらに備えることを特徴とする請求項69記載の装置。
【請求項101】
前記生物活性コーティングは潤滑性を有する親水性コーティングであることを特徴とする請求項100記載の装置。
【請求項102】
前記生物活性コーティングは疎水性コーティングであることを特徴とする請求項100記載の装置。
【請求項103】
前記生物活性コーティングは共重合体であることを特徴とする請求項100記載の装置。
【請求項104】
前記共重合体は乳酸とグリコール酸とから構成されることを特徴とする請求項103記載の装置。
【請求項105】
前記繊維は非生物分解性重合体から構成されることを特徴とする請求項69記載の装置
【請求項106】
前記非生物分解性重合体は、ポリエチレン、ポリアクリル酸、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、酢酸セルロース、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステル、絹又は綿から選択されることを特徴とする請求項105記載の装置。
【請求項107】
前記非生物分解性重合体はナイロンであることを特徴とする請求項105記載の装置。
【請求項108】
前記非生物分解性重合体はポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項105記載の装置。
【請求項109】
前記繊維は生物分解性重合体から構成されることを特徴とする請求項69記載の装置。
【請求項110】
前記生物分解性重合体は、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレートバレレート(Polyhydroxybutyrate valerate)、ポリオルトエステル(Polyorthoester)、ポリ乳酸、ポリ−p−ジオキサノン(poly(p-dioxanone))、ポリバレトラクトン(Poly (valetolactone))、ポリタルトロン酸、ポリ−β−マロン酸、ポリプロピレンフマレート、チロシンを基にしたポリカーボネート(tyrosine based polycarbonate)、及び、ポリエチレンオキサイドとポリブチレンテレフタレートとの共重合体から選択されることを特徴とする請求項109記載の装置。
【請求項111】
前記グリコール酸の乳酸に対する比率は99:1であることを特徴とする請求項99記載の装置。
【請求項112】
前記グリコール酸の乳酸に対する比率は1:99であることを特徴とする請求項99記載の装置。
【請求項113】
前記グリコール酸の乳酸に対する比率は95:5であることを特徴とする請求項99記載の装置。
【請求項114】
前記グリコール酸の乳酸に対する比率は5:95であることを特徴とする請求項99記載の装置。
【請求項115】
前記グリコール酸の乳酸に対する比率は50:50であることを特徴とする請求項99記載の装置。
【請求項116】
前記グリコール酸の乳酸に対する比率は90:10であることを特徴とする請求項99記載の装置。
【請求項117】
前記コーティングは、成長因子、遺伝子、オリゴヌクレオチド、ペプチド、海洋生物由来高分子(marine biopolymer)、モノ−サッカライド、ジ−サッカライド、ポリ−サッカライド、コラーゲン及びこれらの組み合わせから選択されることを特徴とする請求項100記載の装置。
【請求項118】
前記コーティングは前記コイルに適用されることを特徴とする請求項100記載の装置。
【請求項119】
前記コーティングは前記繊維に単一の層として適用されることを特徴とする請求項100記載の装置。
【請求項120】
前記生物活性コーティングは前記コイルに単一の層として適用されることを特徴とする請求項118記載の装置。
【請求項121】
前記生物活性コーティングは前記繊維全体にわたって分散されることを特徴とする請求項100記載の装置。
【請求項122】
前記コーティングは、細胞接着を促進し、血栓形成を促進するものであることを特徴とする請求項100記載の装置。
【請求項123】
前記コーティング材料は、コラーゲン、フィブリノーゲン、ビトロネクチン、血管内皮増殖因子、及び、アルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)配列を備えるペプチドから選択されることを特徴とする請求項122記載の装置。
【請求項124】
前記生物活性コーティングは前記繊維に適用されることを特徴とする請求項100記載の装置。
【請求項125】
患者の体内の動脈瘤を治療する方法であって、血管閉塞装置を前記患者の体内に導入する工程と、それにより前記動脈瘤を治療する工程とを備え、
前記血管閉塞装置は、
a)前記患者の血管ネットワーク中の使用部位に挿入される大きさであって、第1の表面領域から構成されるコイルと、
b)乳酸とグリコール酸との共重合体から構成される複数の巻き付けられた繊維と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項126】
前記コイルは複雑な3次元構造を有することを特徴とする請求項125記載の方法。
【請求項127】
前記コイルは螺旋であることを特徴とする請求項125記載の方法。
【請求項128】
前記血管閉塞装置はカテーテルを使用して導入されることを特徴とする請求項125記載の方法。
【請求項129】
前記血管閉塞装置は前記血管系の入口を介して導入されることを特徴とする請求項125記載の方法。
【請求項130】
前記入口は大腿動脈中に位置することを特徴とする請求項129記載の方法。
【請求項131】
血管閉塞装置を製造する方法であって、
a)張力がかかっていないもとで隣接するワインディング(winding)間で繊維を掴む間隔を有する螺旋状に巻かれたワイヤ芯を得る工程と、
b)前記ワイヤ芯を延伸された状態まで延伸する工程と、
c)前記芯の隣接するワインディング(winding)間に、乳酸とグリコール酸とから構成される共重合体から構成される複数の繊維を巻き付かせる工程と、
d)前記コイルを緩和し、それにより前記コイルの前記隣接するワインディング(winding)に前記巻き付けられた繊維を掴ます工程と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項132】
前記巻き付けは一つのワインディング(winding)の回りで行われることを特徴とする請求項131記載の方法。
【請求項133】
前記巻き付けは一つのワインディング(winding)を介して行われることを特徴とする請求項131記載の方法。
【請求項134】
前記巻き付けは複数のワインディング(winding)を介して行われることを特徴とする請求項131記載の方法。
【請求項135】
前記巻き付けで「S」字構造が形成されることを特徴とする請求項131記載の方法。
【請求項136】
a)腔(lumen)、第1及び第2の端部を備え、患者の血管ネットワーク中の使用部位に挿入される大きさを有するコイルと、
b)前記コイルの少なくとも一端に固定して取り付けられる非伸縮性部材と、
c)そのそれぞれが前記非伸縮性部材の回りに少なくとも2回巻き付けられる複数の巻かれた繊維と、
を備える、患者の血流を閉塞するための血管閉塞装置。
【請求項137】
前記非伸縮性部材は前記コイルの前記腔(lumen)を軸方向に横切ることを特徴とする請求項136記載の装置。
【請求項138】
前記非伸縮性部材は前記コイルの第1及び第2の両端部に固定して取り付けられることを特徴とする請求項136記載の装置。
【請求項139】
前記複数の繊維は結び目が作られていないことを特徴とする請求項139記載の装置。
【請求項140】
前記非伸縮性部材は金属ワイヤから構成されることを特徴とする請求項136記載の装置。
【請求項141】
前記金属ワイヤは放射線不透過性であることを特徴とする請求項140記載の装置。
【請求項142】
前記金属ワイヤは、白金、パラジウム、ロジウム、レニウム、イリジウム、金、銀、タングステン、タンタル、又は、これら金属の合金から選択される金属から構成されることを特徴とする請求項140記載の装置。
【請求項143】
前記金属ワイヤは白金・イリジウム合金から構成されることを特徴とする請求項140記載の装置。
【請求項144】
前記金属ワイヤは白金・タングステン合金から構成されることを特徴とする請求項140記載の装置。
【請求項145】
前記金属ワイヤは超弾性金属から構成されることを特徴とする請求項140記載の装置。
【請求項146】
前記超弾性金属はニトノール(nitnol)であることを特徴とする請求項145記載の装置。
【請求項147】
前記非伸縮性部材は重合体から構成されることを特徴とする請求項136記載の装置。
【請求項148】
前記重合体は非生物分解性であることを特徴とする請求項147記載の装置。
【請求項149】
前記重合体は生物分解性であることを特徴とする請求項147記載の装置。
【請求項150】
前記非伸縮性部材はさらに生物活性コーティングから構成されることを特徴とする請求項136記載の装置。
【請求項151】
前記コーティングは、成長因子、遺伝子、オリゴヌクレオチド、ペプチド、海洋生物由来高分子(marine biopolymer)、モノ−サッカライド、ジ−サッカライド、ポリ−サッカライド、コラーゲン及びこれらの組み合わせから選択されることを特徴とする請求項150記載の装置。
【請求項152】
前記コーティングは重合体であることを特徴とする請求項150記載の装置。
【請求項153】
前記コイルは螺旋コイルであることを特徴とする請求項136記載の装置。
【請求項154】
前記繊維は前記コイルを介して巻き付けられていることを特徴とする請求項136記載の装置。
【請求項155】
前記コイルは金属ワイヤから構成されることを特徴とする請求項136記載の装置。
【請求項156】
前記金属ワイヤ生物学的に適性のある金属ワイヤであることを特徴とする請求項155記載の装置。
【請求項157】
前記金属ワイヤは少なくとも5mmの長さであることを特徴とする請求項155記載の装置。
【請求項158】
前記金属ワイヤは放射線不透過性であることを特徴とする請求項155記載の装置。
【請求項159】
前記金属ワイヤは、白金、パラジウム、ロジウム、レニウム、イリジウム、金、銀、タングステン、タンタル、又は、これら金属の合金から選択される金属から構成されることを特徴とする請求項155記載の装置。
【請求項160】
前記金属ワイヤは白金・イリジウム合金から構成されることを特徴とする請求項155記載の装置。
【請求項161】
前記金属ワイヤは白金・タングステン合金から構成されることを特徴とする請求項155記載の装置。
【請求項162】
前記金属ワイヤは超弾性金属から構成されることを特徴とする請求項155記載の装置。
【請求項163】
前記超弾性金属はニトノール(nitnol)であることを特徴とする請求項162記載の装置。
【請求項164】
前記金属ワイヤは約0.025mm〜約0.09mmの直径を有することを特徴とする請求項155記載の装置。
【請求項165】
前記金属ワイヤは約0.04mm〜約0.06mmの直径を有することを特徴とする請求項155記載の装置。
【請求項166】
前記コイルは、それ自体が二次的な形状に巻かれる一次螺旋から構成されることを特徴とする請求項136記載の装置。
【請求項167】
前記二次的な形状は複雑な3次元構造であることを特徴とする請求項166記載の装置。
【請求項168】
前記二次的な形状は別の螺旋であることを特徴とする請求項166記載の装置。
【請求項169】
前記二次的な形状は二重螺旋であることを特徴とする請求項166記載の装置。
【請求項170】
前記一次螺旋は約0.1mm〜約0.8mmの直径を有することを特徴とする請求項166記載の装置。
【請求項171】
前記一次螺旋は約0.28mmの直径を有することを特徴とする請求項166記載の装置
【請求項172】
前記一次螺旋は約0.24mmの直径を有することを特徴とする請求項166記載の装置。
【請求項173】
前記一次螺旋は1mm当り約2〜約50のワインディング(winding)を有することを特徴とする請求項166記載の装置。
【請求項174】
前記一次螺旋は、隣接するコイル間に自由空間を提供するピッチから構成されることを特徴とする請求項166記載の装置。
【請求項175】
前記二次的な形状の約60%までの長さが前記自由空間から構成されることを特徴とする請求項174記載の装置。
【請求項176】
前記二次的な形状の約0%〜約25%の長さが前記自由空間から構成されることを特徴とする請求項174記載の装置。
【請求項177】
前記自由空間は前記隣接するコイルが前記繊維を掴むことを許容するほど小さいことを特徴とする請求項174記載の装置。
【請求項178】
前記繊維は生物活性材料から構成されることを特徴とする請求項136記載の装置。
【請求項179】
前記繊維は非生物活性材料から構成されることを特徴とする請求項136記載の装置。
【請求項180】
前記繊維はグリコール酸と乳酸との共重合体から構成されることを特徴とする請求項136記載の装置。
【請求項181】
生物活性コーティングをさらに備えることを特徴とする請求項136記載の装置。
【請求項182】
前記生物活性コーティングは潤滑性を有する親水性コーティングであることを特徴とする請求項181記載の装置。
【請求項183】
前記生物活性コーティングは疎水性コーティングであることを特徴とする請求項181記載の装置。
【請求項184】
前記生物活性コーティングは前記繊維に適用されることを特徴とする請求項181記載の装置。
【請求項185】
前記生物活性コーティングは共重合体であることを特徴とする請求項181記載の装置。
【請求項186】
前記共重合体は乳酸とグリコール酸とから構成されることを特徴とする請求項185記載の装置。
【請求項187】
前記繊維は非生物分解性重合体から構成されることを特徴とする請求項136記載の装置
【請求項188】
前記非生物分解性重合体は、ポリエチレン、ポリアクリル酸、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、酢酸セルロース、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステル、絹又は綿から選択されることを特徴とする請求項187記載の装置。
【請求項189】
前記非生物分解性重合体はナイロンであることを特徴とする請求項187記載の装置。
【請求項190】
前記非生物分解性重合体はポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項187記載の装置。
【請求項191】
前記繊維は生物分解性重合体から構成されることを特徴とする請求項136記載の装置。
【請求項192】
前記生物分解性重合体は、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレートバレレート(Polyhydroxybutyrate valerate)、ポリオルトエステル(Polyorthoester)、ポリ乳酸、ポリ−p−ジオキサノン(poly(p-dioxanone))、ポリバレトラクトン(Poly (valetolactone))、ポリタルトロン酸、ポリ−β−マロン酸、ポリプロピレンフマレート、チロシンを基にしたポリカーボネート(tyrosine based polycarbonate)、及び、ポリエチレンオキサイドとポリブチレンテレフタレートとの共重合体から選択されることを特徴とする請求項191記載の装置。
【請求項193】
前記グリコール酸の乳酸に対する比率は99:1であることを特徴とする請求項186記載の装置。
【請求項194】
前記グリコール酸の乳酸に対する比率は1:99であることを特徴とする請求項186記載の装置。
【請求項195】
前記グリコール酸の乳酸に対する比率は95:5であることを特徴とする請求項186記載の装置。
【請求項196】
前記グリコール酸の乳酸に対する比率は5:95であることを特徴とする請求項186記載の装置。
【請求項197】
前記グリコール酸の乳酸に対する比率は50:50であることを特徴とする請求項186記載の装置。
【請求項198】
前記グリコール酸の乳酸に対する比率は90:10であることを特徴とする請求項186記載の装置。
【請求項199】
前記コーティング材料は、成長因子、遺伝子、オリゴヌクレオチド、ペプチド、海洋生物由来高分子(marine biopolymer)、モノ−サッカライド、ジ−サッカライド、ポリ−サッカライド、コラーゲン及びこれらの組み合わせから選択されることを特徴とする請求項181記載の装置。
【請求項200】
前記コーティングは前記コイル及び前記非伸縮性部材に適用されることを特徴とする請求項181記載の装置。
【請求項201】
前記コーティングは前記繊維に単一の層として適用されることを特徴とする請求項181記載の装置。
【請求項202】
前記生物活性コーティングは前記コイル及び前記非伸縮性部材に単一の層として適用されることを特徴とする請求項200記載の装置。
【請求項203】
前記生物活性コーティングは前記繊維全体にわたって分散されることを特徴とする請求項181記載の装置。
【請求項204】
前記コーティングは、細胞接着を促進し、血栓形成を促進するものであることを特徴とする請求項181記載の装置。
【請求項205】
前記コーティング材料は、コラーゲン、フィブリノーゲン、ビトロネクチン、血管内皮増殖因子、及び、アルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)配列を備えるペプチドから選択されることを特徴とする請求項181記載の装置。
【請求項206】
患者の体内の動脈瘤を治療する方法であって、血管閉塞装置を前記患者の体内に導入する工程と、それにより前記動脈瘤を治療する工程とを備え、
前記血管閉塞装置は、
a)前記患者の血管ネットワーク中の使用部位に挿入される大きさであって、第1の表面領域から構成されるコイルと、
b)前記コイルの少なくとも一端に固定して取り付けられる非伸縮性部材と、
c)そのそれぞれが前記非伸縮性部材の回りに少なくとも2回巻き付けられる複数の巻き付けられた繊維と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項207】
前記コイルは複雑な3次元構造を有することを特徴とする請求項206記載の方法。
【請求項208】
前記コイルは螺旋であることを特徴とする請求項206記載の方法。
【請求項209】
前記血管閉塞装置はカテーテルを使用して導入されることを特徴とする請求項206記載の方法。
【請求項210】
前記血管閉塞装置は前記血管系の入口を介して導入されることを特徴とする請求項206記載の方法。
【請求項211】
前記入口は大腿動脈中に位置することを特徴とする請求項206記載の方法。
【請求項212】
血管閉塞装置を製造する方法であって、
a)腔(lumen)、第1及び第2の端部、並びに、張力がかかっていないもとで隣接するワインディング(winding)間で繊維を掴む間隔を有する螺旋状に巻かれたワイヤ芯を得る工程と、
b)前記ワイヤ芯を延伸された状態まで延伸する工程と、
c)前記螺旋状に巻かれた前記腔(lumen)の中に非伸縮性部材を挿入し、前記非伸縮性部材を前記螺旋状に巻かれたワイヤの少なくとも一端に固定して取り付ける工程と、
d)前記非伸縮性部材の回りに少なくとも2回複数の繊維を巻き付かせる工程と、
e)前記コイルを緩和し、それにより前記コイルの前記隣接するワインディング(winding)に前記巻き付けられた繊維を掴ます工程と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項213】
前記非伸縮性部材は前記螺旋状に巻かれたワイヤの第1及び第2の端部に固定して取り付けられることを特徴とする請求項212記載の方法。
【請求項214】
前記巻き付けは複数のワインディング(winding)を介して行われることを特徴とする請求項212記載の方法。
【請求項215】
前記巻き付けで「S」字構造が形成されることを特徴とする請求項212記載の方法。
【請求項216】
前記巻き付けは複数のワインディング(winding)の回りで行われることを特徴とする請求項63記載の方法。
【請求項217】
前記巻き付けは複数のワインディング(winding)の回りで行われることを特徴とする請求項131記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3A】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【公開番号】特開2011−136189(P2011−136189A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−37486(P2011−37486)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【分割の表示】特願2007−527550(P2007−527550)の分割
【原出願日】平成17年5月23日(2005.5.23)
【出願人】(508150315)マイクロ セラピューティクス, インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】