説明

生物生産管理装置、生物生産システム

【課題】 品質、安全性および生産効率等の向上が可能な、生物生産管理装置および生物生産システムを提供する。
【解決手段】 生物生産の計画を生成する生産計画生成手段11と、
前記生成した計画に従って生物生産を統制する生産統制手段12とを有し、
生産統制手段12は、生物の生産状況と前記計画の相違を判断し、
前記相違が、予め規定された許容範囲内である場合、生産続行の指示を出し、
前記相違が、前記許容範囲を超える場合、生産状況情報を生成し、
生産計画生成手段11は、前記生産状況情報に基づき、生産計画修正情報を生成する、
ことを特徴とする生物生産管理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物生産管理装置および生物生産システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、農業分野の生産効率および食の安全性等の観点から、植物工場による野菜等の植物の生産が実施されている。特に、レタス等のように周年計画生産できるような品種は、植物工場での生産に適している。また、植物工場による野菜の生産では、光、温度、水および肥料等の育成環境を完全に制御可能であるため、露地栽培に比べ、野菜の品質および安全性等を高めることが可能である。例えば、特許文献1には、完全制御型有機栽培式野菜工場が開示されている。この野菜工場では、栽培架台に、複数の栽培ベッドが互いに重なるように配置されている。前記植物工場において、前記栽培ベッドには、植物の生育に適した波長を発するLEDと、植物の形状が優れるように生育できる蛍光灯(FL)が配置されている。
【0003】
植物工場における技術は、栽培技術と、生産技術に大別できる。栽培技術としては、栽培環境制御技術、栽培地調製技術、栽培容器技術、養液調製技術等がある。栽培技術の開発は、生物学、農学およびバイオテクノロジー的なアプローチにより実施されている。また、生産技術には、機械化技術と省力化技術に大別できる。機械化技術としては、栽培容器の移動技術、栽培容器の整列技術等がある。省力化技術としては、幡種技術および収穫技術がある。生産技術の開発は、ロボット工学等のアプローチにより実施されている。これらの技術開発の結果、最近の植物工場では、高品質で安全な野菜を高い効率で生産可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−118957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のように、最近の植物工場は、技術開発の結果、高品質で安全な野菜を高い効率で生産可能になっているが、さらなる品質、安全性および生産効率等の向上が求められている。また、最近では、完全制御型の魚の養殖工場も実用化されており、植物および魚等の生物の生産のための工場全体に対しても、品質、安全性および生産効率等の向上が求められている。
【0006】
本発明は、品質、安全性および生産効率等の向上が可能な、生物生産管理装置および生物生産システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の生物生産管理装置は、
生物生産の計画を生成する生産計画生成手段と、
前記生成した計画に従って生物生産を統制する生産統制手段とを有し、
前記生産統制手段は、生物の生産状況と前記計画の相違を判断し、
前記相違が、予め規定された許容範囲内である場合、生産続行の指示を出し、
前記相違が、前記許容範囲を超える場合、生産状況情報を生成し、
前記生産計画生成手段は、前記生産状況情報に基づき、生産計画修正情報を生成する、
ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の生物生産システムは、
生物生産管理装置と、生物生産装置とを含み、
前記生物生産管理装置が、前記本発明の生物生産管理装置であり、
前記生物生産装置は、育成器と、生産環境付与手段と、生産状況検出手段とを有し、
前記育成器で生物が育成され、
前記生産環境付与手段により、生物生産のための環境が前記育成器に付与され、
前記生産状況検出手段により、前記育成器の生物の生産状況が検出され、前記検出された生物生産状況から生産状況情報が生成され、
前記生物生産管理装置の前記生産統制手段は、前記生物生産装置と連動しており、
前記生産統制手段は、前記生産状況情報と前記計画との相違を判断する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
前述のように、従来の植物工場等では、ハードウエアに関する栽培技術および生産技術の各要素技術は開発されていたが、それらを統合し、かつ生産計画と併せて制御するシステムは無かった。本発明によれば、生物生産工場において、ハードウエアに関する各要素技術を統合し、かつ生産計画と併せて制御することができる。また、本発明では、生物の生産状況を把握して生産計画と参照し、生産計画と異なる場合は、生産調整を行うか、もしくは生産計画を見直すため、常に、効率のよい生産状況を維持することができ、その結果、生産効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の生物生産システムの一例の概要を示すブロック図である。
【図2】本発明の生物生産システムの全体概要を示す図である。
【図3】本発明の生物生産システムの全体概要を示す別の図である。
【図4】本発明の生物生産管理装置の処理の一例を示すフローチャート図である。
【図5】本発明の生物生産管理装置の生産計画準備の一例を説明する説明図である。
【図6】本発明の生物生産管理装置の生産計画情報生成の一例を説明する説明図である。
【図7】本発明の生物生産管理装置の生産計画の一例を説明する説明図である。
【図8】本発明の生物生産管理装置の生産と生産統制の一例を説明する説明図である。
【図9】本発明の生物生産システムにおける生産状況の検出の一例を示す説明図である。
【図10】本発明の生物生産システムにおける生産状況の検出のその他の例を示す説明図である。
【図11】本発明の生物生産システムにおける生産状況の検出のさらにその他の例を示す説明図である。
【図12】本発明の生物生産システムにおける生産状況の検出のさらにその他の例を示す説明図である。
【図13】本発明の生物生産システムにおける生産状況の検出のさらにその他の例を示す説明図である。
【図14】植物工場の一例の構成を示す構成図である。
【図15】栽培架台の一例の構成を示す構成図である。
【図16】栽培ベッドの一例の構成を示す構成図である。
【図17】前記栽培架台の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の生物生産管理装置において、前記生産計画生成手段は、生産計画準備手段と、生産計画情報生成手段とを有し、前記生産計画準備手段は、生産計画生成のための情報を入力し、前記生産計画情報生成手段は、前記生産計画準備手段により入力された情報に基づいて生産計画をシミュレーションして生産計画情報を生成することが好ましい。
【0012】
本発明の生物生産管理装置において、前記生産統制手段は、前記生物生産管理装置外の生物生産装置と連動しており、前記生物生産装置は、育成器と、生産環境付与手段と、生産状況検出手段とを有し、
前記育成器で生物が育成され、前記生産環境付与手段により、生物生産のための環境が前記育成器に付与され、前記生産状況検出手段により、前記育成器の生物の生産状況が検出され、前記検出された生物生産状況から生産状況情報が生成され、前記生産統制手段は、前記生産状況情報と前記計画との相違を判断することが好ましい。
【0013】
本発明の生物生産管理装置において、前記生産統制手段は、前記相違が、予め規定された許容範囲内である場合、前記生物生産装置に対し生産調整の指示を出した上で、生産続行の指示を出すことが好ましい。
【0014】
本発明の生物生産管理装置において、前記生産状況検出手段が、センサ、カメラおよびタグの少なくとも一つを含むことが好ましい。
【0015】
本発明の生物生産管理装置において、前記生産状況検出手段が、カメラを含み、前記カメラで生物の画像を撮影し、得られた画像を解析することにより生物の育成情報を含む前記生物生産状況情報を生成することが好ましい。
【0016】
本発明の生物生産管理装置において、前記生産状況検出手段が、タグを含み、前記タグが前記育成器に取り付けられ、前記タグにより、前記育成器の状況情報を含む前記生物生産状況情報を生成することが好ましい。
【0017】
本発明の生物生産管理装置において、前記生物生産装置が、生物育成室を有し、前記生産状況検出手段が、前記生物育成室に配置され、前記生産状況検出手段が、前記生物育成室の雰囲気条件を検出可能であり、前記生産状況検出手段が、前記生物育成室の雰囲気状況を含む前記生物生産状況を生成することが好ましい。この場合、前記生産状況検出手段は、センサおよびタグの少なくとも一方を含むことが好ましい。
【0018】
本発明の生物生産管理装置において、前記生産統制手段は、前記生物生産装置の生産現場を仮想空間で再現可能な仮想生産現場生成手段を有し、前記仮想生産現場は、前記生産状況検出手段によってリアルタイムで更新可能であり、前記仮想生産現場を制御することにより、前記生産環境付与手段が制御可能であることが好ましい。
【0019】
本発明の生物生産管理装置において、生産対象の生物が、植物であることが好ましい。この場合は、植物生産管理装置となる。
【0020】
本発明の生物生産システムにおいて、前記生産統制手段は、前記相違が、予め規定された許容範囲内である場合、前記生物生産装置に対し生産調整の指示を出した上で、生産続行の指示を出すことが好ましい。
【0021】
本発明の生物生産システムにおいて、前記生産状況検出手段が、センサ、カメラおよびタグの少なくとも一つを含むことが好ましい。
【0022】
本発明の生物生産システムにおいて、前記生産状況検出手段が、カメラを含み、前記カメラで生物の画像を撮影し、得られた画像を解析することにより生物の育成情報を含む前記生物生産状況情報を生成することが好ましい。
【0023】
本発明の生物生産システムにおいて、前記生産状況検出手段が、タグを含み、前記タグが前記育成器に取り付けられ、前記タグにより、前記育成器の状況情報を含む前記生物生産状況情報を生成することが好ましい。
【0024】
本発明の生物生産システムにおいて、前記生物生産装置が、生物育成室を有し、前記生産状況検出手段が、前記生物育成室に配置され、前記生産状況検出手段が、前記生物育成室の雰囲気条件を検出可能であり、前記生産状況検出手段が、前記生物育成室の雰囲気状況を含む前記生物生産状況を生成することが好ましい。この場合、前記生産状況検出手段が、センサおよびタグの少なくとも一方を含むことが好ましい。
【0025】
本発明の生物生産システムにおいて、前記生産統制手段は、前記生物生産装置の生産現場を仮想空間で再現可能な仮想生産現場生成手段を有し、前記仮想生産現場は、前記生産状況検出手段によってリアルタイムで更新可能であり、前記仮想生産現場を制御することにより、前記生産環境付与手段が制御可能であることが好ましい。
【0026】
本発明の生物生産システムにおいて、生産対象が植物であることが好ましい。
【0027】
本発明の植物工場は、前記本発明の生物生産システムを含むことを特徴とする。
【0028】
本発明の生物生産管理方法は、生物生産の計画を生成する生産計画生成工程と、前記生成した計画に従って生物生産を統制する生産統制工程とを有し、前記生産統制工程では、生物の生産状況と前記計画の相違を判断し、前記相違が、予め規定された許容範囲内である場合、生産続行の指示を出し、前記相違が、前記許容範囲を超える場合、生産状況情報を生成し、前記生産計画生成工程では、前記生産状況情報に基づき、生産計画修正情報を生成することを特徴とする。
【0029】
本発明の生物生産管理方法において、前記生産計画生成工程は、
生産計画準備工程と、生産計画情報生成工程とを有し、前記生産計画準備工程では、生産計画生成のための情報を入力し、前記生産計画情報生成工程では、前記生産計画準備手段により入力された情報に基づいて生産計画をシミュレーションして生産計画情報を生成することが好ましい。この他、本発明の生物生産管理方法における好ましい態様は、前述の本発明の生物生産管理装置および生物生産システムと同じである。
【0030】
本発明のプログラムは、前記本発明の生物生産管理方法をコンピュター上で実行可能なプログラムである。
【0031】
本発明の記録媒体は、前記本発明のプログラムを格納したコンピュター読み取り可能な記録媒体である。前記記録媒体としては、例えば、ハードディスク(HD)、CD、DVD等がある。
【0032】
本発明において、生産対象は植物であることが好ましいが、本発明は、これに限定されず、例えば、牛、馬、豚、鶏等の家畜類を含む動物、魚介類等が挙げられる。前記植物としては、例えば、レタス、トマト等の野菜類、リンゴ、みかん等の果物、バラ、菊等の花、植木、盆栽等が挙げられる。
【0033】
以下、本発明について、具体例をあげて説明する。ただし、本発明は、下記の例に限定および制限されない。
【0034】
図1のブロック図に、本発明の生物生産システムの一例の概要を示す。図示のとおり、この生物生産システム1は、生産管理装置10と、生産装置2とを含む。生産管理装置10は、前記「生物生産管理装置」に該当し、生産装置2は、前記「生物生産装置」に該当する。生産管理装置10は、生産計画生成手段11と、生産統制手段12と、記憶装置13と、モニター14とを有する。生産計画生成手段11は、生産統制手段12と連動している。記憶装置13は、生産計画生成手段11および生産統制手段12と連動しており、情報の記憶が可能である。モニター14は、生産計画生成手段11および生産統制手段12と連動しており、これらをモニター可能である。また、生産統制手段12は、生産装置2と連動している。生産装置2は、育成器21と、生産環境付与手段22と、生産状況検出手段23とを有する。育成器21は、栽培ベッド212と、培地213とを有し、培地213上で植物30が育成される。生産環境付与手段22は、光照射手段221と、温度調節手段222と、水・養分供給手段223とを含む。生産状況検出手段23は、カメラ231と、タグ232と、センサ233とを含む。タグ232およびセンサ233は、栽培ベッド212と連動している。
【0035】
生産装置2は、例えば、一般的な植物工場等を参考に適宜設計してもよい。図14〜17に、その一例を示す。なお、図14〜17は、あくまで説明の便宜のための例示であるので、細部の構成は、図1と完全に同一ではなく、適宜変更、省略等を施した部分もある。また、図1と同一部分は必ずしも同一の符号で示していない。
【0036】
図14は、図1の生産装置2の一例である完全制御型有機栽培式植物工場の斜視図である。図示の通り、この完全制御型有機栽培式植物工場101は、建造物内の1フロアに設けられたものであって、栽培室102と、機械室103と、完全制御型有機栽培式植物工場101の出入り口101aが設けられた出荷・作業室104と、管理室105と、倉庫106とから構成されている。
【0037】
栽培室102には、スチール製又はアルミ製の栽培架台110が6列に配列されている。栽培室102の床から天井までの距離は約2.5mである。栽培架台110は高さ1.5m、幅0.7m、長さ20〜30mである。栽培室102内の温度及び湿度は、空調機102aによって植物の生育に最適なものに調整されている。機械室103内には、制御盤、灌水装置、発芽・育苗装置、保冷庫などが設置されている。
【0038】
図15の斜視図に、栽培架台110の概要を示す。図示の通り、栽培架台110は、平面視において互いに重なるように栽培ベッド112が4段に配置されている。栽培ベッド112は、発泡スチロール製である。栽培ベッド112は、発泡スチロール製であるので断熱効果が高い。図16(a)の拡大斜視図および図16(b)の断面図に、栽培ベッド112の概要を示す。図示の通り、栽培ベッド112の上面には、その長手方向に延びた深さ20〜30cm程度の凹部112aが形成されている。凹部112a内には、凹部112aとほぼ同じ高さを有していると共に、幅60cmで長さ120cmの上方開放箱型の栽培コンテナ117が、栽培ベッド112の長手方向に沿って複数配列されている。隣接する栽培ベッド112同士は、数cm離隔している。栽培コンテナ117内には、有機培地118が保持されている。
【0039】
有機培地118は、ピートモス主体の培地であって、有機肥料と、鉱物(具体的にはモンモリナイト)とが混入されている。有機培地118は、栽培コンテナ117内において10〜20cmの厚みとなっている。有機培地118に、栽培したい作物の種または苗を直接植え付け、栽培を行う。また、有機培地118をさらに深くすることで、ダイコンやニンジンなどの根菜類の栽培も可能となる。
【0040】
凹部112aの底面には、栽培ベッド112の長手方向に延びた給水溝112bが設けられている。給水溝112bには、不織布からなる給水シート119の一部が浸漬されている。給水シート119は、栽培コンテナ117の底部に設けられたスリット(図示せず)を通って有機培地118内にまで延びており、有機培地118の底面付近においてそのほぼ全域に亘って底面と平行に広がっている。これにより、有機培地118の乾燥度に応じて給水することが可能となって、特に水分管理が生育に影響するような作物の栽培の場合に効果的である。
【0041】
図17に、栽培架台110を図15に示す矢印A方向から見た模式的な側面図を示す。この図17は、各栽培ベッド112に設けられた給水溝112b(図16(b)参照)に水を供給するための機構を説明するための図面である。図17に示すように、栽培架台110の下方には、水タンク121が配置されている。水タンク121には、機械室103(図14参照)内の灌水装置から適宜水が補給される。水タンク121から排出された水は、ポンプ122によって、給水管123に送液される。給水管123内の水は、各栽培ベッド112の凹部112aの右端に供給される。凹部112aの右端に供給された水は、凹部112a内を左方に向かって流れる。そして、凹部112aの左端から排出された水は、排水管124から排出されて、水タンク121に戻される。
【0042】
前記のとおり、給水溝112b内には給水シート119の一部が浸漬されているので、給水溝112b内の水は、毛管現象によって給水シート119に吸い上げられる。そのため、給水シート119から有機培地118に常に適度な水が与えられることになる。
【0043】
図17では、水タンク121、ポンプ122、給水管123及び排水管124からなる循環経路がすべての栽培架台110に共通であるが、栽培架台110が長い場合は、上記のような循環経路を、1個〜数個の栽培コンテナ117ごとに設けてもよい。これにより、万が一の病害などの蔓延を抑制することができる。
【0044】
なお、有機培地118には、土壌水分センサ125(図16(b)参照)が挿入されている。土壌水分センサ125は有機培地118の乾き度合いを測定する。土壌水分センサ125からの出力信号に基づいて、ポンプ122のオンオフ又は給水管123に設けられた電磁弁(図示せず)の開閉を制御することによって、有機培地118が所望の水分量を含むように管理をすることができる。
【0045】
再度、図15を参照して説明する。同図に示すとおり、各栽培ベッド112の上方には、有機培地118上で栽培されている植物に照射される光の光源として、多数のLED114と、3本のFL116とが配置されている。FL116は、植物の栽培に適したピーク波長(450nm、550nm、620nm)を持つ、32Wまたは40Wの3波長発光タイプである。FL116は、長さ約120cmである。LED114は、植物の生育に効果の高い(最も有効な)波長である650〜660nmのピーク波長を持つ赤色LEDである。LED114は、FL116と同じ長さ約120cmの範囲内に10cm〜20cm間隔で等間隔に一直線上に配置されることによって、LED列を形成している。このLED列は、FL116と交互に配列されている。
【0046】
これら光源と植物体との距離は、10〜20cm程度である。このような距離とすることによって、植物体にできるだけ均一に光が照射され、かつ光源からの発熱の影響を少なくすることができる。このときの光強度は150〜200μmo1/m/s程度で、LED114とFL116の光量比が1:3〜1:4となるようにする。
【0047】
以上説明したとおり、図14〜17に示す完全制御型有機栽培式植物工場101では、平面視において互いに重なるように複数の栽培ベッド112が多段配置されている。各栽培ベッド112には、植物が栽培される有機培地118が保持されている。そして、各栽培ベッド112の上方には、有機培地118で栽培されている植物に照射される光の光源として、FL116と、植物の生育に効果の高い(最も有効な)赤色光を放射するLED114とが配置されている。
【0048】
この例では、植物の生育に最も有効な波長の光を放射するLED114と、植物体を優れた形状となるように生育させることができるFL116とを併せて用いる。これによって、徒長現象や葉やけが起こることがほとんどなく、植物を効率よく且つ優れた形状となるように生育させることができる。また、植物を有機培地118で栽培することによって、根菜類を含む多種多様な農産物の栽培が可能になると共に、従来の養液栽培では困難な無化学肥料での栽培が可能となる。これにより、収穫した植物体内の硝酸態窒素含有濃度を露地栽培並みに低くすることができるようになる。その結果、より安全・安心な農産物を消費者に年間を通して安定して供給することが可能となる。
【0049】
また、LED114が波長650nm〜660nmの赤色光を放射するものであり、LED114とFL116との光量比が1:3〜1:4であるので、100〜200μmol/m/sの強度の光で、植物をより一層効率よく生育させることができる。
【0050】
また、有機培地118が、鉱物として、保水率が極端に高くなく潅水後に過湿気味にならないモンモリナイトを含有しているので、植物をより一層効率よく生育させることができる。なお、モンモリナイト以外の鉱物を有機培地118が含有していてもよい。
【0051】
さらに、各栽培ベッド112の底面に給水溝112bが形成されており、有機培地118が給水溝112b外だけに配置されているので、給水溝112bを介しての有機培地118への給水管理を行うことが容易になる。加えて、このとき、吸水性を有する給水シート119の一部が給水溝112b内にあって、他の一部が有機培地118内にあるので、給水溝112b内の水を毛管現象により給水シート119を介して簡単且つ確実に有機培地118に供給することができる。
【0052】
以上、図1に示す生産装置2の一例である完全制御型有機栽培式植物工場101について、図14〜17を用いて説明した。ただし、この完全制御型有機栽培式植物工場101は好適な例の一つに過ぎず、生産装置2は、これに限定されずに適宜変更が可能である。例えば、培地は、有機培地以外の培地であっても良いし、鉱物を含有していなくてもよい。また、鉱物としては、モンモリナイト以外のものを用いてもよい。培地に給水する機構(水・養分供給手段)は、図14〜17で説明した形態以外のものであってもよい。また、光源(光照射手段)は、図14〜17で説明した以外の光源であっても良い。また、本発明で用いる生物生産装置は、植物工場に限定されず、例えば、魚等を生産する生産装置でもよい。
【0053】
次に、本発明の生物生産システムの機能、処理等について説明する。
【0054】
図2は、本発明の生物生産システムの全体概要を例示する図である。図示のとおり、この生物生産システムは、生物の生産管理を行う。前記生産管理は、例えば図示のとおり、生産計画と、生産統制とを含む。前記生産計画は、育成種別計画、育成日程計画、およびリソース計画を含む。前記生産統制は、例えば図示のとおり、生育管理、収穫物管理、および育成装置管理を含む。ただし、前記生産計画および前記生産統制の内容は、図示した内容に限定されず、適宜設定可能である。前記生産計画と、前記生産統制とは、機能連携して、前記生産管理を行うことができる。
【0055】
図3は、本発明の生物生産システムの全体概要を例示する別の図である。図示のとおり、この生物生産システムは、まず生産計画準備を行い、さらに生産計画情報生成を行うことにより、生物生産の計画(生産計画)を生成する。前記生産計画準備は、特に制限されないが、例えば、工場(生物生産装置)内を可視化するための3Dモデル用の3次元データ(例えばCADデータ)の作成、シミュレーション情報作成等を行う。なお、前記工場内の情報の可視化については、後述する。前記生産計画情報生成も特に制限されないが、例えば、離散系シミュレーション実行、シミュレーション結果整理等を行う。前記生産計画も特に制限されないが、例えば、生産(育成)日程計画作成、出荷計画作成、生産(例えば水耕栽培)に必要な物資の在庫計画作成、人員計画作成等を行う。これらは、例えば、一般的な生物生産システムの生産計画(生産管理)の方法論に則って行うことができる。さらに、この生物生産システムは、生成した前記生産計画にしたがって生物の生産統制を行う。生産統制も特に制限されないが、例えば、前記3次元による可視化管理、パッシブ型(バーコード)による移動監視、アクティブ型による生産状況(育成環境)監視、画像処理による作物の監視等が挙げられる。なお、パッシブ型監視については、後に、図9を用いた例示で説明する。アクティブ型監視については、後に、図10を用いた例示で説明する。画像処理による監視については、後に、図11〜13を用いた例示で説明する。前記生産統制手段においては、生物の生産状況と前記計画の相違が、予め規定された許容範囲を超える場合、生産計画修正をするための生産状況情報を生成する。前記生産計画を行う生産計画生成手段においては、前記生産状況情報を生産計画修正の指示として受け取ると、新たな生産計画情報生成を行い、これに基づき修正された新たな生産計画を生成する。生産計画修正の結果は、前記生産統制手段に通知される。前記生産統制手段は、育成装置(生物生産装置)と連動し、生産統制を行う。前記育成装置(生物生産装置)との連動としては、例えば、システム連携、前記育成装置(生物生産装置)内のセンサにより入手した情報との機能連動等が挙げられる。
【0056】
本発明の生物生産システムは、前述のとおり、前記本発明の生物生産管理装置と、生物生産装置とを含む。図4のフローチャート図に、本発明の生物生産管理装置の処理の一例を示す。なお、同図は、本発明の生物生産管理方法を例示する図であるとも言える。図示のとおり、まず、前記生産計画準備手段が、生産計画生成のための情報(生産計画生成情報)を入力する(ステップS1)。次に、前記生産計画情報生成手段が、前記生産計画準備手段により入力された情報に基づいて生産計画をシミュレーションして生産計画情報を生成する(ステップS2)。なお、シミュレーション方法は特に制限されないが、例えば離散系シミュレーションを用いることができる。続いて、前記生成した計画に従って、前記生物生産装置が生物の生産を開始すると共に、前記生産統制手段が、生物生産統制を開始する(ステップS3)。前記生産統制手段は、生物の生産状況と前記生産計画の相違を判断する(ステップS4)。前記生産状況と前記生産計画に相違がなければ、そのまま生物の生産が続行され(ステップS5)、ここで、処理は終了となる。前記ステップS4において、前記生産状況と前記生産計画に相違があると、前記生産統制手段は、さらに、前記相違が予め規定された許容範囲内であるか否かを判断する(ステップS4−1)。前記相違が、前記許容範囲内である場合、前記生産統制手段は、前記生物生産装置に対し生産調整の指示を出した上で(ステップS4−2)、生産続行の指示を出す(ステップS5)。前記ステップS4−1において、前記相違が、前記許容範囲を超える場合、前記生産統制手段は、生産状況情報を生成し(ステップS4−3)、ステップS2の前段階に戻る。そして、前記生産計画生成手段は、前記生産状況情報に基づき、生産計画修正情報を生成する(ステップS2)。前記生産計画修正情報に基づいて前記生産計画が修正されると、修正された前記生産計画に基づいて、生物の生産および生産統制が再開される(ステップS3)。その後、再度、前記ステップS4に進み、前記と同様の処理を繰り返す。
【0057】
図5は、図4におけるステップS1(生産計画準備)の一例を説明する説明図である。図示のとおり、前記ステップS1(生産計画準備)において、生産計画生成のために入力される情報は、例えば入力情報(1)、入力情報(2)、および入力情報(3)を含む。入力情報(1)としては、例えば、工場(生物生産装置)の設備の情報、動線の情報、3Dモデル等により可視化された工場(生物生産装置)内の情報等が挙げられる。入力情報(2)としては、例えば、生物の育成計画(出荷日等)の情報、生物の育成工程計画(育苗、育成、収穫等)の情報等が挙げられる。入力情報(3)としては、例えば、生物育成のシナリオの情報等が挙げられる。前記シナリオとは、例えば、季節等に合わせて、適切な時期に需要の多い生物の品種(例えば、野菜、花、魚等の品種)を育成する計画等が挙げられる。
【0058】
図6は、図4におけるステップS2(生産計画情報生成)の一例を説明する説明図である。図示のとおり、この例では、まず、図5で説明した入力情報(1)、入力情報(2)、および入力情報(3)を入力する。この入力は、初回入力の場合と、生産統制からの生産状況による計画修正の場合とがある。次に、この入力に基づき、離散系シミュレーションを実行する。そして、前記シミュレーション結果に基づき、育成(生物生産)工程、在庫管理、人員管理等のスケジュール、育成装置(生物生産装置)の制御情報、工場(生物生産装置)情報の可視化のためのデータ等をそれぞれ作成する。前記工場情報の可視化のためのデータとしては、例えば、レイアウト図、3Dモデル表示図、表、グラフ等が挙げられる。さらに、前記シミュレーション結果に基づき作成した各データ、情報等に基づき、生産計画情報の生成(または修正)を行う。
【0059】
ここで、前記工場情報(工場内の情報)の可視化について説明する。すなわち、前記生産統制手段により、前記工場(生物生産装置)の生産現場を、例えば3Dモデル等の仮想空間で再現した仮想生産現場を生成する。前記仮想生産現場は、前記生産状況検出手段によってリアルタイムで更新可能であると共に、前記仮想生産現場を制御することにより、前記生産環境付与手段が制御可能である。前記仮想生産現場の制御は、例えば、モニターを見ながら端末の操作により行えば良い。このようにすることで、例えば、生産現場に直接人が立ち入らなくても前記生産現場の制御を行うことができ、人員工数削減、省力化等の効果が得られる。
【0060】
図7は、図4におけるステップS3(生産計画)の一例を説明する説明図である。すなわち、このステップS3では、前記ステップS2で生成した生産計画情報(例えば、生産監視情報、育成(生物生産)装置の入力情報、リソース計画情報)等に基づき、生産統制を行う。
【0061】
図8は、図4におけるステップS3、S4およびS5(生産と生産統制)の一例を説明する説明図である。図示のとおり、この例では、まず、前記生産計画、育成器からの情報、生産状況検出手段からの情報、作業者からの情報等に基づき、生産統制を行う。前記生産状況としては、例えば、生物の育成状況、出荷数、監視員数等の状況が挙げられる。前記生物の育成状況としては、例えば、植物の場合、苗の高さ、葉枯れの有無、実の色づき、大きさ等が挙げられる。生産統制は、例えば、モニターを介して行うことができる。生産計画と生産状況に相違がないと、前記生産統制手段は、生産装置(工場)に、生産続行を指示する。生産計画と生産状況に相違がある場合、生産装置または生産統制手段は、アラームを発生する。前記相違が許容範囲内の場合、前記生産統制手段は、生産装置に修正(調整)指示を出し、生産を続行する。前記修正は、手動で行っても良いし、前記相違が発生した場合に自動で前記修正を行うようにプログラムしてもよい。例えば、微調整レベルの修正は、フィードバックによる自動修正で行い、大きな修正は、管理者により手動で修正するというように使い分けてもよい。前記修正(調整)手段としては、例えば、光の照度を調整する手段、温度を上下させる手段、水分・養分を調整する手段等が挙げられる。生産計画と生産状況の相違が許容範囲を超える場合、生成された前記生産状況情報に基づき、生産計画が修正される。前記生産状況情報としては、例えば、育成器の位置情報、栽培開始日付、植物の品種情報、ロットNo.、栽培(生産)雰囲気条件等が挙げられる。前記雰囲気条件としては、例えば、温度、照度、CO濃度等が挙げられる。
【0062】
次に、本発明の生物生産システムにおける生産状況の検出の例について説明する。前記生産状況検出手段は、前述のとおり、センサ、カメラおよびタグの少なくとも一つを含むことが好ましい。
【0063】
図9は、タグおよびセンサを用いた生産状況の検出の一例を示す説明図である。図示のとおり、この例では、栽培架台215上に栽培ベッド212が配置され、栽培ベッド212上で植物30が栽培される。栽培架台215にはタグ215Tが、栽培ベッド212にはタグ212Tがそれぞれ付され、タグ215Tおよび212Tに記された生産状況情報を、RFIDアンテナ216で読み取ることができる。例えば、タグ215Tおよび212Tにバーコードが付され、RFIDアンテナ216がタグ215Tおよび212Tの前を通過することによりバーコードを読み取る、いわゆるパッシブ型の方式を採ってもよい。RFIDアンテナ216は、前記センサの一例であるが、前記センサは、RFIDアンテナに限定されず、どのようなセンサでもよい。タグ215Tおよび212Tに記された生産状況情報としては、例えば前述のような、育成器の位置情報、栽培開始日付、植物の品種情報、ロットNo.等が挙げられる。RFIDアンテナ216が読み取った前記生産状況情報は、例えば、記憶装置13(図1参照、例えばサーバ等)に送信される。送信方法は、無線でも有線でもよい。そして、前記生産状況情報に基づき、前記生産統制手段が、前記生産計画と前記生産状況の相違の有無、および相違が許容範囲内か否かを判断する。そして、例えば栽培架台215を適宜移動、整列させることで、各栽培架台215周辺の雰囲気条件等を調整し、生産計画の修正を行う。
【0064】
図10は、タグおよびセンサを用いた生産状況の検出の別の一例を示す説明図である。同図は、育成室内にセンサまたはタグを配置した例である。図示のとおり、育成室120内には、栽培架台110が、適宜配置されている。育成室120内の、栽培架台110が配置された場所以外の場所には、センサまたはタグ(アクティブタグ)217が、適宜配置されている。センサまたはタグ217としては、例えば、アクティブ型ICタグ(またはセンサ)が挙げられる。センサまたはタグ(アクティブタグ)217の配置位置は特に制限されないが、人が立ち入る際のことを考慮して通路以外の場所に配置することが好ましい。そして、センサまたはタグ(アクティブタグ)217により、例えば、雰囲気条件、植物の生体情報等を検知し、生産状況情報として収集する。前記雰囲気条件としては、例えば、温度、照度、CO濃度等が挙げられる。前記植物の生体情報としては、例えば、光合成速度、蒸散速度、葉温、葉径、萎れ等が挙げられる。この生産状況情報は、例えば、無線または有線により、記憶装置13(図1参照、例えばサーバ等)に送信される。これ以降の処理は、図9の場合と同様であるが、この例では、例えば、前記雰囲気条件の調整により、前記植物の光合成速度、蒸散速度、葉温、葉径、萎れ等を制御することができる。
【0065】
なお、パッシブ型RFIDは、例えば、タグ自体に電源を持たず、リーダ・ライタから照射された電波を動力に変換して応答する。これに対し、アクティブ型RFID(アクティブ型ICタグ)は、例えば、タグ自体が電源を内蔵し、一定間隔で電波を発射しており、この電波をリーダ(レシーバ)で検知する。アクティブ型RFID(アクティブ型ICタグ)は、例えば、温度、湿度、加速度、照度等を検出するセンサとしての機能を持たせることも可能である。
【0066】
図11は、カメラを用いた生産状況の検出の一例を示す説明図である。図示のとおり、カメラ231を、例えば育成室の天井、壁等に配置する。カメラ231は、例えばデジタルカメラである。この例では、葉枯れのない植物30aと、葉枯れのある植物30bとをカメラ231で識別し、その情報を生産状況情報として収集する。その後の処理は、図9および10の場合と同様である。葉枯れの有無は、例えば、植物の色で判別することができる。なお、例えば、葉枯れが多少あっても許容範囲内である場合、葉枯れのない植物として処理してもよい。
【0067】
図12は、カメラを用いた生産状況の検出の別の一例を示す説明図である。図示のとおり、この例では、カメラ231による観察で、植物30の上端のエッジを抽出し、植物30の高さを測定し、その植物30の高さ情報を生産状況情報として収集する。その後の処理は、図9〜11の場合と同様である。カメラ231は、図11の場合と同様、例えば、育成室の天井、壁等に配置してもよい。
【0068】
図13は、カメラを用いた生産状況の検出のさらに別の一例を示す説明図である。図示のとおり、この例では、植物30の実の色、大きさ等をカメラ231で観察し、その情報を生産状況情報として収集する。その後の処理は、図9〜12の場合と同様である。カメラ231は、図11および12の場合と同様、例えば、育成室の天井、壁等に配置してもよい。前記植物30は特に制限されないが、例えばトマトが挙げられる。例えば、トマトの実の色(赤くなっているか)を観察することで、熟度を判別し、収穫時期を判断可能である。また、トマトの実の大きさを観察することで、収穫時の選別が可能である。
【0069】
以上、本発明の実施形態について説明したが、前述の通り、本発明はこの例に限定されず、適宜変更が可能である。例えば、上記の具体例では、植物の栽培を中心に説明したが、本発明で生産する生物は、前述のとおり特に制限されず、動物、魚介類等でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明によれば、品質、安全性および生産効率等の向上が可能な、生物生産管理装置および生物生産システムを提供することができる。本発明は、植物工場、魚の養殖工場、家畜の生産工場等に幅広く適用することができる。
【符号の説明】
【0071】
1 生物生産システム
2 生産装置(生物生産装置)
10 生産管理装置(生物生産管理装置)
11 生産計画生成手段
12 生産統制手段
13 記憶装置
14 モニター
21 育成器
22 生産環境付与手段
23 生産状況検出手段
30 植物
30a 葉枯れのない植物
30b 葉枯れのある植物
101 完全制御型有機栽培式植物工場
102 栽培室
102a 空調機
103 機械室
104 出荷・作業室
105 管理室
106 倉庫
110 栽培架台
112 栽培ベッド
112a 凹部
112b 給水溝
114 LED
116 FL
117 栽培コンテナ
118 有機培地
119 給水シート
120 育成室
121 水タンク
122 ポンプ
123 給水管
124 排水管
125 土壌水分センサ
212 栽培ベッド
213 培地
215 栽培架台
212T、215T タグ
216 RFIDアンテナ
217 センサまたはタグ(アクティブタグ)
221 光照射手段
222 温度調節手段
223 水・養分供給手段
231 カメラ
232 タグ
233 センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物生産の計画を生成する生産計画生成手段と、
前記生成した計画に従って生物生産を統制する生産統制手段とを有し、
前記生産統制手段は、生物の生産状況と前記計画の相違を判断し、
前記相違が、予め規定された許容範囲内である場合、生産続行の指示を出し、
前記相違が、前記許容範囲を超える場合、生産状況情報を生成し、
前記生産計画生成手段は、前記生産状況情報に基づき、生産計画修正情報を生成する、
ことを特徴とする生物生産管理装置。
【請求項2】
前記生産計画生成手段は、
生産計画準備手段と、
生産計画情報生成手段とを有し、
前記生産計画準備手段は、生産計画生成のための情報を入力し、
前記生産計画情報生成手段は、前記生産計画準備手段により入力された情報に基づいて生産計画をシミュレーションして生産計画情報を生成する、
ことを特徴とする請求項1記載の生物生産管理装置。
【請求項3】
前記生産統制手段は、前記生物生産管理装置外の生物生産装置と連動しており、
前記生物生産装置は、育成器と、生産環境付与手段と、生産状況検出手段とを有し、
前記育成器で生物が育成され、
前記生産環境付与手段により、生物生産のための環境が前記育成器に付与され、
前記生産状況検出手段により、前記育成器の生物の生産状況が検出され、前記検出された生物生産状況から生産状況情報が生成され、
前記生産統制手段は、前記生産状況情報と前記計画との相違を判断する、
ことを特徴とする請求項1または2記載の生物生産管理装置。
【請求項4】
前記生産統制手段は、
前記相違が、予め規定された許容範囲内である場合、前記生物生産装置に対し生産調整の指示を出した上で、生産続行の指示を出すことを特徴とする請求項3記載の生物生産管理装置。
【請求項5】
前記生産状況検出手段が、センサ、カメラおよびタグの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項3または4記載の生物生産管理装置。
【請求項6】
前記生産状況検出手段が、カメラを含み、前記カメラで生物の画像を撮影し、得られた画像を解析することにより生物の育成情報を含む前記生物生産状況情報を生成することを特徴とする請求項3または4記載の生物生産管理装置。
【請求項7】
前記生産状況検出手段が、タグを含み、前記タグが前記育成器に取り付けられ、前記タグにより、前記育成器の状況情報を含む前記生物生産状況情報を生成することを特徴とする請求項3または4記載の生物生産管理装置。
【請求項8】
前記生物生産装置が、生物育成室を有し、
前記生産状況検出手段が、前記生物育成室に配置され、
前記生産状況検出手段が、前記生物育成室の雰囲気条件を検出可能であり、
前記生産状況検出手段が、前記生物育成室の雰囲気状況を含む前記生物生産状況を生成することを特徴とする請求項3または4記載の生物生産管理装置。
【請求項9】
前記生産状況検出手段が、センサおよびタグの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項8記載の生物生産管理装置。
【請求項10】
前記生産統制手段は、前記生物生産装置の生産現場を仮想空間で再現可能な仮想生産現場生成手段を有し、
前記仮想生産現場は、前記生産状況検出手段によってリアルタイムで更新可能であり、
前記仮想生産現場を制御することにより、前記生産環境付与手段が制御可能である、
ことを特徴とする請求項3から9のいずれか一項に記載の生物生産管理装置。
【請求項11】
生産対象の生物が、植物であることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の生物生産管理装置。
【請求項12】
生物生産管理装置と、生物生産装置とを含み、
前記生物生産管理装置が、請求項1または2記載の生物生産管理装置であり、
前記生物生産装置は、育成器と、生産環境付与手段と、生産状況検出手段とを有し、
前記育成器で生物が育成され、
前記生産環境付与手段により、生物生産のための環境が前記育成器に付与され、
前記生産状況検出手段により、前記育成器の生物の生産状況が検出され、前記検出された生物生産状況から生産状況情報が生成され、
前記生物生産管理装置の前記生産統制手段は、前記生物生産装置と連動しており、
前記生産統制手段は、前記生産状況情報と前記計画との相違を判断する、
ことを特徴とする生物生産システム。
【請求項13】
前記生産統制手段は、
前記相違が、予め規定された許容範囲内である場合、前記生物生産装置に対し生産調整の指示を出した上で、生産続行の指示を出すことを特徴とする請求項12記載の生物生産システム。
【請求項14】
前記生産状況検出手段が、センサ、カメラおよびタグの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項12または13記載の生物生産システム。
【請求項15】
前記生産状況検出手段が、カメラを含み、前記カメラで生物の画像を撮影し、得られた画像を解析することにより生物の育成情報を含む前記生物生産状況情報を生成することを特徴とする請求項12または13記載の生物生産システム。
【請求項16】
前記生産状況検出手段が、タグを含み、前記タグが前記育成器に取り付けられ、前記タグにより、前記育成器の状況情報を含む前記生物生産状況情報を生成することを特徴とする請求項12または13記載の生物生産システム。
【請求項17】
前記生物生産装置が、生物育成室を有し、
前記生産状況検出手段が、前記生物育成室に配置され、
前記生産状況検出手段が、前記生物育成室の雰囲気条件を検出可能であり、
前記生産状況検出手段が、前記生物育成室の雰囲気状況を含む前記生物生産状況を生成することを特徴とする請求項12または13記載の生物生産システム。
【請求項18】
前記生産状況検出手段が、センサおよびタグの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項17記載の生物生産システム。
【請求項19】
前記生産統制手段は、前記生物生産装置の生産現場を仮想空間で再現可能な仮想生産現場生成手段を有し、
前記仮想生産現場は、前記生産状況検出手段によってリアルタイムで更新可能であり、
前記仮想生産現場を制御することにより、前記生産環境付与手段が制御可能である、
ことを特徴とする請求項12から18のいずれか一項に記載の生物生産システム。
【請求項20】
生産対象が植物であることを特徴とする請求項12から19のいずれか一項に記載の生物生産システム。
【請求項21】
請求項20記載の生物生産システムを含むことを特徴とする植物工場。
【請求項22】
生物生産の計画を生成する生産計画生成工程と、
前記生成した計画に従って生物生産を統制する生産統制工程とを有し、
前記生産統制工程では、生物の生産状況と前記計画の相違を判断し、
前記相違が、予め規定された許容範囲内である場合、生産続行の指示を出し、
前記相違が、前記許容範囲を超える場合、生産状況情報を生成し、
前記生産計画生成工程では、前記生産状況情報に基づき、生産計画修正情報を生成する、
ことを特徴とする生物生産管理方法。
【請求項23】
前記生産計画生成工程は、
生産計画準備工程と、
生産計画情報生成工程とを有し、
前記生産計画準備工程では、生産計画生成のための情報を入力し、
前記生産計画情報生成工程では、前記生産計画準備手段により入力された情報に基づいて生産計画をシミュレーションして生産計画情報を生成する、
ことを特徴とする請求項22記載の生物生産管理方法。
【請求項24】
請求項22または23に記載の生物生産管理方法をコンピュター上で実行可能なプログラム。
【請求項25】
請求項24記載のプログラムを格納したコンピュター読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−34248(P2011−34248A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−178469(P2009−178469)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(000232092)NECソフト株式会社 (173)
【Fターム(参考)】