説明

生理的清涼組成物

本発明は、一態様では、少なくとも1種のシクロヘキサンカルボキサミド、少なくとも1種の非環式カルボキサミド、および乳酸メンチルの少なくとも1種の立体異性体を含む生理的清涼組成物を提供する。別の態様では、こうした組成物を生成する方法を開示する。さらに別の態様では、少なくとも1種のシクロヘキサンカルボキサミド、少なくとも1種の非環式カルボキサミド、および乳酸メンチルの少なくとも1種の立体異性体を含む生理的清涼組成物を含む様々な消費者製品を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、生理的清涼作用を有する化合物、こうした化合物を含む組成物、ならびにその製造法および使用法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に清涼剤として知られている生理的清涼剤は、消費者製品中の望ましい知覚特性を改善する能力により、様々な消費者用用途での使用において人気を博し続けている。望ましい知覚特性は、一般に、こうした清涼剤化合物の冷感覚に関与する神経終末に対する化学作用によって説明される。こうした化合物の一般の用途および使用としては、食品、飲料、フレーバー、薬剤、香水、および様々な化粧品が挙げられるが、それだけに限らない。
【0003】
最もよく知られる生理的清涼剤の1つは、以下に示す構造を有する化合物のl−メントールであり、これは前述の用途のいくつかで広く使用されている。具体的には、l−メントールは、優れた清涼強度、低い感覚閾値を有し、その他の清涼剤化合物に比べて比較的安価である。
【0004】
【化1】

【0005】
しかし、メントールはまた、強い「刺すような」匂い、幾分かの苦みなど、いくつかの望ましくない特性を示し、比較的高い揮発性を有する。l−メントールのこうした欠点は、様々な用途での使用許容性を制限し、したがって、低揮発性を有し、比較的弱い匂い、さらにはまったく匂いを示さない適切な生理的清涼剤の研究が精力的に行われている。
【0006】
生理的清涼剤化合物研究の主な焦点は、メントールに類似する炭化水素骨格を有するがメントールのヒドロキシル官能基より「重い」官能基も含む化合物の合成に向けられている。その結果、いくつかの合成メントール代用物が、開発され、商業化されている。
【0007】
合成清涼剤の商業上重要なグループの1つは、一般にp−MCAと呼ばれ、以下の構造を有するN置換3−p−メンタンカルボキサミドである。
【0008】
【化2】

【0009】
最初にウィルキンソンスウォード社(英国)によって世界中の多数の特許、すなわち、英国特許出願公開GB1,351,761号、ドイツ特許出願公開DE 2,205,255号、米国特許第4,033,994号、米国特許第4,136,163号、および米国特許第4,150,052号に開示されたN置換3−p−メンタンカルボキサミド、すなわちp−MCAは、より大きな基である一般式1のシクロヘキサンカルボキサミドを表し、
【0010】
【化3】

【0011】
またウィルキンソンスウォード社によって、ドイツ特許出願公開DE2,413,639号、英国特許出願公開GB1,422,998号、米国特許第4,248,859号、および米国特許第4,296,093号にも開示されている。このより大きな基であるシクロヘキサンカルボキサミドは、メントールに類似した炭素骨格を有する清涼剤だけでなく、メントールと構造上無関係な清涼剤にも含まれる。
【0012】
合成清涼剤の第2の商業上重要なグループ、すなわちメントールと構造上無関係なグループは、一般式2のNモノ置換非環式カルボキサミドであり、
【0013】
【化4】

【0014】
最初にウィルキンソンスウォード社によって、英国特許出願公開GB1,421,743号、英国特許出願公開GB1,421,744号、ドイツ特許出願公開DE2,317,538号、および米国特許第4,153,679号に開示された。
【0015】
上記の一般式1および2で言及される置換基XおよびX1は、一般に、メチル、エチル、ter−ブチルなど、より低級な直鎖もしくは枝分れアルキル基、p−メトキシフェニルなどのアリール基、またはエトキシカルボニルメチルなどの官能性置換アルキル基などである。上記の一般式1および2で使用される置換基R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、およびR14は、一般に、それぞれ独立して、水素原子、メチル、エチル、イソプロピル、ter−ブチルなど、より低級な直鎖または枝分れアルキル基である。
【0016】
合成生理的清涼剤のこれら2種のグループで商業上成功したものは、N−エチル−3−p−メンタンカルボキサミド(一般にWS−3と呼ばれる)、およびN,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミド(一般にWS−23と呼ばれる)であり、どちらもミレニアムスペシャリティーケミカルズ(ジャクソンビル、フロリダ州)から市販されている。
【0017】
【化5】

【0018】
その他の重要なカルボキサミドタイプの生理的清涼剤としては、N−(エトキシカルボニルメチル)−3−p−メンタンカルボキサミド(WS−5)およびN−tert−ブチル−3−p−メンタンカルボキサミド(WS−14)が挙げられる。
【0019】
【化6】

【0020】
合成生理的清涼剤の第3の商業上重要なクラスは、以下の一般式を有する、l−メントールベースのエステルおよびエーテルである。
【0021】
【化7】

【0022】
本明細書では、置換基Yは、一般に、乳酸残基−OC(O)CH(OH)CH3、モノコハク酸塩残基−OC(O)CH2CH2COOH、モノグルタル酸塩残基−OC(O)CH2CH2CH2COOH、またはグリセリン残基−OCH2CH(OH)CH2OHなどを表す。これまで、このクラスの最も商業上重要な代表は、シムリセ、Givaudan、およびミレニアムスペシャリティーケミカルズから市販されている乳酸メンチル(ML)、Takasagoから市販されているメトキシプロパンジオール(MPD)、V.Mane Filsから市販されているコハク酸モノメンチル(MMS)、ならびにグルタル酸モノメンチル(MMG)である。しかし、一般に、エステルおよびエーテルは、前述のカルボキサミドに比べてより弱い清涼剤である。このため、エステル/エーテルクラスのうちの最も商業上重要なものは、乳酸メンチルMLである。
【0023】
【化8】

【0024】
最後に、メントングリセリンアセタール(MGA)は、商業的に実施可能なケタールのグループを代表し、イソプレゴール(商品名クーラント(登録商標)Pで販売されている)およびp−メンタン−3,8−ジオール(商品名クーラント(登録商標)38Dで販売されている)は、液体清涼剤のp−メンタノールのクラスの2つの例であり、どちらもまた合成清涼剤化合物として著しい人気を得ている。
【0025】
【化9】

【0026】
生理的清涼剤が含まれる消費者製品の範囲は、広がり続けており、したがって、より高性能で多面的な生理的清涼特性を有する清涼剤化合物および組成物への必要性が生じている。その結果、清涼剤の組合せは、徐々により多くの関心を集めている。この傾向は、技術文献および特許文献における多数の報告によって示されており、ここでは、いくつかの異なる清涼剤が、組み合わせて使用されて最終消費用配合物となっている。
【0027】
メントールおよび1種以上の合成清涼剤分子を含む組成物を配合するいくつかの試みが行われた。例えば、米国特許第5,009,893号および同第5,698,181号は、チューインガム中にl−メントールおよびp−メンタンカルボキサミドを組み合わせると、l−メントール単独だと生じる苦みが生じず、持続性のある爽やかな呼吸の感覚が提供されることを教示している。同様に、米国特許第5,663,460号は、メントールを純粋なイソプレゴールまたはMPDとブレンドしたとき、メントール組成物の官能性が改善することを開示している。
【0028】
また、メントールを全く含まないか少なくとも微量のメントールを含む生理的清涼組成物を提供する試みもなされた。メントールの強い匂いおよび味を完全になくさなければならない場合、こうした化合物は特に望ましい。例えば、米国特許第5,407,665号、同第5,681,549号、および同第5,686,063号は、アルコキシもしくはグリコールエーテルおよび酢酸エチル、または共溶媒もしくは溶解補助剤としての多価アルコールと一緒に口内洗浄液組成物に組み込まれるMPD、WS−3、およびWS−23の組合せを教示している。同様に、米国特許第5,449,512号および同第5,527,530号によるアフターシェーブローションは、WS−3もしくはWS−23、またはその混合物を、アルコールおよび低分子量のメチルシロキサンまたは乳酸アシルと一緒に含んでいる。
【0029】
重要なことに、カルボキサミドグループの生理的清涼剤はほぼすべて、周囲温度および大気圧で、通常は比較的高い融点を有する固形材料である(表1を参照)。生理的清涼剤のメントールベースのエステルおよびエーテルグループの代表である乳酸メンチル(ML)も固形材料であるが、比較的より低い融点を有する(表1を参照)。l−メントール自体は、約40〜44℃の融点を有する固体である。上に挙げたその他のいくつかの商業的な清涼剤(MPD、MSS、MMG、MGA、クーラントP(登録商標)、およびクーラント(登録商標)38D)は、周囲温度および大気圧で液体として存在する。
【0030】
【表1】

【0031】
固形清涼剤を清涼組成物中に添加するためには、最初に固形清涼剤を溶融し、フレーバーブレンド中に溶解させ、または乳剤中に分散させなければならない。例えば、シムリセ社(旧ハーマン&ライマー社)の乳酸メンチル(フレスコラント(登録商標) MLクリスタラール)に関する製造業者の製品文書には、製品を溶融状態でオイル、フレグランス、または乳剤中に約40〜45℃で含ませなければならないことが指示されている(ヤコブスら、Parfumerie und Kosmetik、1999年、80巻、#4、26〜31頁)。もちろん、この追加された溶融ステップは、ブレンド段階中に問題をもたらす。この溶融ステップはまた、特に、WS−3、WS−5、WS−14など、より高い融点を有する固形材料の場合において安全上の問題を生じる。例えば、約100℃または100℃よりわずかに低い融点を有する固形物WS−3の25kgペール容器を「ホットルーム」に配置し、100℃またはそれを超える温度に加熱しなければならない。次いで、作業者は溶融したWS−3が入っているホットペール容器を扱わなければならず、火傷関連する損傷を負う危険な状況を導く。
【0032】
このため、清涼剤がさらさらした粉末または結晶形の形をしている場合、清涼剤をそのまま組成物に添加することができる。しかし、粉末または結晶性物質をブレンドすると、最終ブレンドの不均一性が引き起こされる恐れがあることがよく知られている。これは、特に最終ブレンドが、固体、半固体、または粘性液体である場合に、清涼剤の不均一な分布によって引き起こされる。これはまた、微粒子状のほこりと空気からなる爆発性混合物の形成が起こりうることに起因する別の安全上の問題も生じる。したがって、固形清涼剤を、エタノールやプロピレングリコールなど、追加の食品用、フレーバー用、または薬剤用溶媒に事前溶解させる別の試みがなされた。しかし、予想されるように、最終製品中に追加溶媒が存在することは往々にして望ましくない。例えば、プロピレングリコールに関しては、最終食品物中のその存在が、望ましくない苦みのニュアンスを与える恐れがある。
【0033】
現在、生理的清涼剤の溶媒を含まない液体組成物に関する文献は、非常に限られている。最近の特許授与前の米国特許出願公開第2004/0018954号(Suら)は、l−メントールと乳酸メンチルの混合物が、通常条件下で液体になることができ、これは共融混合物によって合理的に説明されることを開示している。混合物の結晶温度が8.2℃である場合、最良の効果が、1:1重量比で実現されることに留意されたい。冬季では、こうした混合物は、出荷中に確実に固化し、解凍または溶融の必要性が依然として存在する。さらに、こうした混合物は、主成分として、前述したように往々にして望ましくないメントールをベースとしている。
【0034】
したがって、1種または複数のカルボキサミドクラスの清涼剤を含む新規でかつ改善された生理的清涼組成物であって、通常条件または周囲条件下で、さらには溶媒がほとんど存在しない状態で、さらにはこうした組成物の個々の成分のすべてが別々のときに周囲温度および大気圧で固体として存在する場合に液体として存在することができる組成物に関する技術が、依然として必要とされている。
発明の概要
本発明は、一部には、少なくとも1種のシクロヘキサンカルボキサミド、少なくとも1種の非環式カルボキサミド、および乳酸メンチルの少なくとも1種の立体異性体を含む生理的清涼組成物に基づいている。
【0035】
したがって、第1の態様では、本発明は、一般式(1)を有するシクロヘキサンカルボキサミド、
【0036】
【化10】

【0037】
一般式(2)を有する非環式カルボキサミド、および
【0038】
【化11】

【0039】
一般式MLを有する乳酸メンチルの立体異性体を含む、生理的清涼組成物を提供する。
【0040】
【化12】

【0041】
式中、XおよびX1は、それぞれ独立して、直鎖アルキル、枝分れアルキル、アリール、官能性置換アリール、アリールアルキル、官能性置換アリールアルキル、またはアルコキシカルボニルアルキル基であり、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、およびR14は、それぞれ独立して、水素、直鎖アルキル、枝分れアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、またはアルコキシカルボニルアルキル基である。
【0042】
別の態様では、本発明の生理的清涼組成物は、周囲温度および大気圧で、さらには溶媒および/またはメントールがほとんど存在しない状態で安定した液体の形で存在することができる。
【0043】
第3の態様では、本発明はさらに、本明細書に記載の生理的清涼組成物を生成する方法を提供する。したがって、一態様では、この方法は、a)一般式(1)の少なくとも1種のシクロヘキサンカルボキサミド、一般式(2)の少なくとも1種の非環式カルボキサミド、および式(ML)の乳酸メンチルの少なくとも1種の立体異性体を提供するステップと、b)本明細書に記載される生理的清涼組成物を提供するのに有効な条件下で、少なくとも1種のシクロヘキサンカルボキサミドと少なくとも1種の非環式カルボキサミドと乳酸メンチルの少なくとも1種の立体異性体を一緒にブレンドするステップとを含む。
【0044】
第4の態様では、本発明は、本明細書に記載の方法によって生成される生成物を提供する。
【0045】
さらに別の態様では、本発明はまた、本明細書に記載の生理的清涼組成物を含む消費者製品も提供する。
【0046】
本発明の追加の利点は、以下の説明に部分的に記載されており、一部はこの説明から明らかであり、または本発明の実施によって理解することができる。このため、本発明の利点は、添付の実施例および特許請求の範囲に具体的に示される要素および組合せによって実現され達成される。前述の一般的な説明と以下の詳細な説明は共に、例示および説明にすぎず、特許請求される本発明を限定するものではないことを理解されたい。
発明の詳細な説明
本発明は、以下の詳細な説明、本発明の好ましい実施形態、およびそこに含まれる実施例を参照することによってより容易に理解することができる。本明細書で使用される様々な用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、限定することを意図するものではない。
【0047】
本明細書および添付の特許請求の範囲では、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上そうでないことが明白に要求されない限り、複数の対象物を含む。したがって、例えば、「溶媒(a solvent)」への言及もまた、諸溶媒の混合物を含む。
【0048】
しばしば、範囲は、本明細書では、ある特定の「約」もしくは「およそ」の値から別の特定の「約」もしくは「およそ」の値、あるいはある特定の「約」もしくは「およそ」の値から、または別の「約」もしくは「およそ」の特定の値までとして表される。こうした範囲を表すとき、別の実施形態には、ある特定の値から別の特定の値、あるいはある特定の値から、または別の特定の値までが含まれる。同様に、値が、先行詞「約」または「およそ」を使用することによって近似値として表されるとき、その特定の値は、別の実施形態をなすことが理解されよう。さらに、こうした範囲の各端点は、他の端点と関係があっても、他の端点と無関係であっても、重要であることが理解されよう。
【0049】
本明細書および特許請求の範囲では、以下の意味を有するように定義されるいくつかの用語が参照される。
【0050】
本明細書では、「重量%(weight percentまたはpercent by weight)」は、そうでないことが特に述べられない限り、諸成分が含まれる配合物または組成物の総重量に基づいている。
【0051】
本明細書では、「任意選択の」または「任意選択で」という用語は、続いて説明される事象または状況が、行われても行われなくてもよく、この説明が、前記事象または状況が行われた場合の事例、およびそれが行われなかった場合の事例を含むことを意味する。
【0052】
本明細書では、「アルキル」という用語は、式から1種以上の水素を取り去ることによってアルカンから誘導され得るパラフィン系炭化水素基を指す。非限定的な例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、イソブチルなどのC1〜C20アルカン誘導体が挙げられる。この目的のため、本発明での使用に適したアルキル置換基が、分枝または直鎖アルキル置換基となり得ることを理解されたい。
【0053】
本明細書では、「低級アルキル」という用語は、上記で定義したC1〜C8アルキル基を指す。
【0054】
本明細書では、「アルケニル」という用語は、1種以上の二重結合を有する不飽和炭化水素のクラスから誘導される置換基を指すことを意図している。二重結合を1個だけ含むものは、アルケンまたはアルケニル置換基と呼ばれる。2個以上の二重結合を有するものは、アルカジエン(アルカジエニル)、アルカトリエン(アルカトリエニル)などと呼ばれる。非限定的な例としては、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソオクテニルなどが挙げられる。このため、本発明での使用に適するアルケニル置換基は、官能性置換基を含むがそれだけに限らない置換基で置換されていても置換されていなくてもよい。
【0055】
本明細書では、「アリール」という用語は、その分子が、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、アントラセンなどに特徴的な環状構造を有する化合物または置換基を指す。すなわち、アリール基には、一般に、ベンゼンの炭素6個からなる環、または他の芳香族誘導体の炭素6個からなる縮合環が含まれる。例えば、アリール基は、フェニルまたはナフチル基とすることができる。このため、本発明での使用に適するアリール置換基は、官能性置換基を含むがそれだけに限らない置換基で置換されていても置換されていなくてもよい。
【0056】
本明細書では、「アルコキシ」という用語は、一般式−ORを有する官能基を指し、式中、「R」は、本明細書で定義されるアルキル基である。
【0057】
本明細書では、「アルコキシカルボニル」という用語は、一般式−(CO)−O−Rを有する官能基を指し、式中、「R」は、本明細書で定義されるアルキル基である。
【0058】
本明細書では、アルコキシカルボニルアルキルという用語は、一般式−R−(CO)−O−Rを有する官能基を指し、式中、「R」は、本明細書で定義されるアルキル基である。アルコキシカルボニルアルキル基の非限定的な例は、−CH2COOC25である。
【0059】
本明細書では、「アリールアルキル」という用語は、アルキル基に結合したアリール基を含む基を指す。アリールアルキル基を構成するアルキル基とアリール基は共に、官能性置換基を含むがそれだけに限らない置換基で置換されていても置換されていなくてもよいことを理解されたい。アリールアルキル基の非限定的な例は、式−CH263(p−OH)(m−OMe)を有するバニリル基である。
【0060】
本明細書では、「有効な」、「有効量」、または「に有効な条件」という用語または句は、有効量を表す機能または特徴を実現することができるこうした量または条件を指す。以下に示すように、必要とされる正確な量または特定の条件は、使用される材料や観察される処理条件など、認識される変数に応じて実施形態ごとに異なる。したがって、正確な「有効量」または「に有効な条件」を指定することは常に可能なわけではない。しかし、ルーチン実験のみを使用する当業者なら適切な有効量を容易に決定することを理解されたい。
【0061】
本明細書では、「官能性置換基」または「官能性置換の」という句は、カルボン酸、酸無水物、エステル、酸ハロゲン化物、ハロゲン化アルキル、ハロゲン、アミド、ニトリル、アルデヒド、ケトン、アルコールまたはフェノール、アミン、およびエーテルを含めた置換基を指すが、それだけに限らない。
【0062】
上に要約したように、第1の態様では、本発明は、シクロヘキサンカルボキサミド、非環式カルボキサミド、および乳酸メンチルの立体異性体を含む生理的清涼組成物を提供する。
【0063】
本発明によれば、シクロヘキサンカルボキサミドは、一般式(1)を有する。
【0064】
【化13】

【0065】
式中、Xは、直鎖アルキル、枝分れアルキル、アリール、官能性置換アリール、アリールアルキル、官能性置換アリールアルキル、またはアルコキシカルボニルアルキル基である。さらに、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、およびR11は、それぞれ独立して、水素、直鎖アルキル、枝分れアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、またはアルコキシカルボニルアルキル基である。したがって、本発明の一態様では、シクロヘキサンカルボキサミドは、一般にWS−3として周知の、一般式1aを有するN−エチル−3−p−メンタンカルボキサミドである。
【0066】
【化14】

【0067】
別の態様では、シクロヘキサンカルボキサミドは、N−[[5−メチル−2−(1−メチルエチル)シクロへキシル]−カルボニル]グリシンまたはWS−5としても知られ、一般式1bを有するN−(エトキシカルボニルメチル)−3−p−メンタンカルボキサミドである。
【0068】
【化15】

【0069】
このため、シクロヘキサンカルボキサミド1bは、ほぼ純粋な形で、またはほぼ純粋より低い純度の形で使用され得る。本明細書では、ほぼ純粋な化合物1bは、純度を、少なくとも96%、97%、98%、99%、99%さらにはほぼ100%、または純粋な形とすることができる。
【0070】
純粋でないN−[[5−メチル−2−(1−メチルエチル)シクロへキシル]カルボニル]グリシンのエチルエステル1bの精製は、有機化合物を精製する技術分野で周知の一般的な精製法を使用して行うことができ、それには、結晶、再結晶、沈殿、再蒸留、昇華、またはそれらの組合せが挙げられるが、それだけに限らない。
【0071】
さらに、化合物1bをまた、2種以上の立体異性体の混合物として、または事実上純粋な異性体として使用することができる。一態様では、以下の構造を有する(1R,2S,5R)−異性体を使用することが好ましい。
【0072】
【化16】

【0073】
本発明のさらに別の態様では、シクロヘキサンカルボキサミドは、一般にWS−14として周知の、構造1cを有するN−tert−ブチル−3−p−メンタンカルボキサミドである。
【0074】
【化17】

【0075】
本発明の別の態様では、シクロヘキサンカルボキサミドは、一般式1dを有するジヒドロシクロゲラニルカルボキサミドの誘導体である。
【0076】
【化18】

【0077】
一般に、構造(1d)のシクロヘキサンカルボキサミドは、以下の構造の1d−シスおよび1d−トランスの、シスおよびトランス異性体の混合物を含み、あるいは個々のシスおよびトランス異性体を含む。
【0078】
【化19】

【0079】
上に示される一般式1dのシクロヘキサンカルボキサミドを得るのに適した方法としては、以下の反応式に従って、ゲラニルニトリルを酸触媒環化してシクロゲラニルニトリルとし、シクロゲラニルニトリル異性体を水素化してジヒドロシクロゲラニルニトリルとし、それに続いて、ジヒドロシクロゲラニルニトリルを適切なアルコキシ含有化合物、例えばアルカノール(X−OH)と酸の存在下で反応させる方法が挙げられるが、それだけに限らない。
【0080】
【化20】

【0081】
あるいは、以下に示される反応式に従って、最初に異性体シクロゲラニルニトリルを不飽和シクロゲラニルアミドに変換し、次いで水素化して一般式1dの化合物にすることができる。以下の反応式に示される不飽和シクロゲラニルアミドはまた、清涼活性を有し、ブレンドの成分としてこれらの飽和類似物の代わりに使用することができる。
【0082】
【化21】

【0083】
この少なくとも1種のシクロヘキサンカルボキサミド、またはシクロヘキサンカルボキサミドの混合物を、好ましくは、生理的清涼剤組成物の総重量に対して約4重量%〜約90重量%の範囲の量で、この範囲内のすべての重量%値および値域を含めてこの組成物に組み込む。したがって、少なくとも1種のシクロヘキサンカルボキサミドはまた、約5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、または85重量%の重量%量で存在することができる。少なくとも1種のシクロヘキサンカルボキサミドはまた、約5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、または85重量%から、約10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、または90重量%の範囲の重量%量で存在することができる。さらに別の態様では、少なくとも1種のシクロヘキサンカルボキサミドは、約10重量%〜約80重量%、または約20重量%〜約70重量%、さらには約30重量%〜約60重量%の範囲で存在することができる。
【0084】
一態様では、非環式カルボキサミドは、以下の構造を有するN,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミド(2−(1−メチルエチル)−N,2,3−トリメチルブタンアミドとしても知られており、商品名WS−23を有する)を含む。
【0085】
【化22】

【0086】
別の態様では、本発明による非環式カルボキサミドは、一般式2bの化合物を含む。
【0087】
【化23】

【0088】
式中、置換基X1およびRは、それぞれ独立して、本明細書で定義される直鎖または枝分れアルキル基である。上記の一般式(2b)の化合物を、市販品として、または、例えば、以下の反応式に従って、シアノ酢酸エステルを臭化イソプロピルで二重アルキル化してジイソプロピルシアノ酢酸エステルを得、続いて、適切なアルコキシ含有化合物、例えばアルカノール(X1OH)と酸の存在下で反応させることによって得ることができることを当業者なら理解するであろう。
【0089】
【化24】

【0090】
さらなる一態様では、本発明による非環式カルボキサミドは、一般にカプサイシンとして周知の構造2cの化合物を含むことができる。
【0091】
【化25】

【0092】
カプサイシンは、通常天然源から単離され、それは、しばしばカプサイシンのジヒドロ誘導体であるジヒドロカプサイシンと一緒に存在する。
【0093】
少なくとも1種の非環式カルボキサミド、または非環式カルボキサミドの混合物を、好ましくは、生理的清涼剤組成物の総重量に対して約4重量%〜約90重量%の範囲の量で、この範囲内のすべての重量%値および値域を含めてこの組成物に組み込む。したがって、少なくとも1種の非環式カルボキサミドはまた、約4重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、または85重量%の重量%量で存在することができる。少なくとも1種の非環式カルボキサミドはまた、約5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、または85重量%から、約10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、または90重量%の範囲の重量%量で存在することができる。さらに別の態様では、非環式カルボキサミドは、約10重量%〜約80重量%、または約20重量%〜約70重量%、さらには約30重量%〜約60重量%の範囲で存在することができる。
【0094】
本明細書で論じられる様々なカルボキサミドが、市販されており、あるいはカルボキサミドを調製するための様々な周知の方法によって得ることができることを当業者なら理解するであろう。こうした方法は、当技術分野で周知であり、したがって、こうしたカルボキサミドを提供する反応機構は、本明細書では詳細には述べないものとする。しかし、参照として、適切な方法には、ドイツ特許出願公開DE2,205,255号、ドイツ特許出願公開DE2,317,538号、英国特許出願公開GB1,351,761号、英国特許出願公開GB1,421,744号、米国特許第4,150,052号、米国特許第4,178,459号、米国特許第4,193,936号、米国特許第4,226,988号、および米国特許第4,230,688号に開示されているような、対応するクロロカルボン酸無水物と対応する第一級アミンとの反応が挙げられるが、それだけに限らないことを理解されたい。
【0095】
一般式1および2のカルボキサミドの合成に適した別の方法としては、米国特許第6,482,983号および国際公開WO2003/011816号による、対応するニトリルと対応するアルコキシ含有化合物との酸の存在下での反応が挙げられる。
【0096】
一般式1および2のカルボキサミドの合成に適したさらに別の方法としては、米国特許第6,303,817号および国際公開2003/011816号による、対応するニトリルと対応する硫酸化合物との酸の存在下での反応が挙げられる。
【0097】
本発明の生理的清涼剤組成物はさらに、一般式(ML)を有する乳酸メンチルの少なくとも1種の立体異性体を含む。
【0098】
【化26】

【0099】
一態様では、少なくとも1種の乳酸メンチル異性体は、以下の構造式ML−2S−(1R,2S,5R)の2S−(1R,2S,5R)−立体異性体である。
【0100】
【化27】

【0101】
したがって、少なくとも1種の乳酸メンチルは、ML−2S−(1R,2S,5R)を化学的にほぼ純粋な形で含んでもよく、あるいはこの立体異性体を乳酸メンチルの1種または複数の別の立体異性体と組み合わせて含んでもよい。さらに別の態様では、本発明による組成物は、その立体異性体の混合物として式MLの乳酸メンチルを含むが、ML−2S−(1R,3R,4S)異性体に著しく富んでいる。
【0102】
少なくとも1種の乳酸メンチル立体異性体を、好ましくは、生理的清涼剤組成物の総重量に対して約4重量%〜約90重量%の範囲の量で、この範囲内のすべての重量%値および値域を含めてこの組成物に組み込む。したがって、乳酸メンチルはまた、約5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、または85重量%の重量%量で存在することができる。乳酸メンチルの少なくとも1種の立体異性体はまた、約5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、または85重量%から、約10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、または90重量%の範囲の重量%量で存在することができる。さらに別の態様では、乳酸メンチルは、約10重量%〜約80重量%、または約20重量%〜約70重量%、さらには約30重量%〜約60重量%の範囲で存在することができる。
【0103】
乳酸メンチルが、市販されており、また、以下の反応式に示すように、乳酸をメントールで直接エステル化し、続いて水の後処理を行うことを含む合成反応によって得ることもできることを当業者なら理解するであろう。
【0104】
【化28】

【0105】
本発明の生理的清涼剤組成物が、本明細書に記載される、少なくとも1種の非環式カルボキサミドと少なくとも1種のシクロヘキサンカルボキサミドと乳酸メンチルの少なくとも1種の立体異性体との所望の任意の組合せを含むことができることを理解されたい。しかし、一態様では、少なくとも1種のシクロヘキサンカルボキサミドは、N−エチル−3−p−メンタンカルボキサミド(WS−3)を含み、少なくとも1種の非環式カルボキサミドは、N,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミド(WS−23)を含み、少なくとも1種の乳酸メンチル立体異性体は、乳酸メンチルのML−2S−(1R,2S,5R)立体異性体を含む。
【0106】
さらに別の態様では、本発明の生理的清涼組成物は、通常条件または周囲条件下で安定した液体として存在する。本明細書では、「通常条件」という用語は、任意の所与の時間での周囲温度および大気圧を指す。例えば、一態様では、周囲温度は、約19℃〜25℃の範囲、ならびにこの範囲内のすべての温度および値域である。しかし、別の態様では、本発明による液体組成物が、噴霧乾燥された形、共乾燥(co−dried)された形、またはマイクロカプセル化された形で使用され得ることを理解されたい。
【0107】
さらに別の態様では、この液体組成物は、機械的動揺を与え、かつ/または組成物の1個もしくは複数の個々の成分の結晶もしくは粉末でシーディングした直後に通常条件または周囲条件下で液体のままである。
【0108】
さらに別の態様では、本出願の生理的清涼組成物は、溶媒をほとんど含まない。本明細書では、「溶媒をほとんど含まないもの」という用語は、溶媒の存在に関わらず通常条件下で安定した液体として存在する生理的清涼剤組成物を指す。すなわち、生理的清涼剤組成物を通常条件下で液体状態に保持させるのに溶媒は必要ではない。このため、一態様では、溶媒をほとんど含まないものは、溶媒が10重量%以下である組成物とすることができる。あるいは、溶媒をほとんど含まないものは、溶媒が5重量%未満、または2重量%未満、または1重量%未満である組成物とすることができる。さらに別の態様では、溶媒をほとんど含まないものとして、いずれの溶媒も含まない組成物を挙げることができる。
【0109】
しかし、一態様では、本発明は、溶媒を含まない清涼剤組成物を提供するが、本発明による液体組成物に溶媒を任意選択で添加することは、本発明を逸脱するものではない。添加することができる溶媒の非限定的な例としては、エチルアルコールやイソプロパノールなどのアルコール、プロピレングリコールやジプロピレングリコールなどのグリコール、グリセリン;酢酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、トリアセチンなどのエステル、ヘプタンや石油留分などの炭化水素が挙げられる。
【0110】
さらに別の態様では、本発明の生理的清涼組成物は、メントールをほとんど含まない。本明細書では、「メントールをほとんど含まないもの」という用語は、相当量のメントールを含んでいない生理的清涼剤組成物を指す。相当量のメントールは、一態様では、組成物の清涼特性を変更し、またはそれらに影響を及ぼす量として定義される。別の態様では、相当量のメントールは、強い「刺すような」匂い、幾分かの苦み、揮発性の増加など、望ましくない特性をもたらす量として定義される。したがって、一態様では、メントールをほとんど含まないものは、メントールの量が約10重量%以下、または約5重量%以下、または約3重量%以下、または2重量%以下、または1重量%以下、または約0.5重量%以下、さらには約0重量%である組成物を指す。
【0111】
しかし、本発明による液体組成物にメントールを任意選択で添加することは、本発明を逸脱するものではない。また、メントールが、乳酸メンチルの商業的バッチおよびサンプルにおいて僅かな(non−substantial)不純物として存在することができることにも留意されたい。したがって、一態様では、僅かな不純物は、約10重量%以下、約5重量%以下、約3重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、約0.5重量%以下、さらには約0重量%の量で存在する不純物である。したがって、一態様では、本発明による組成物中に僅かな量のメントールが存在することを合理的に予想することができる。
【0112】
添付の実施例に示すように、別の態様では、本出願の組成物は、驚くべきことに、相乗的な清涼効果、すなわち、この諸成分の個々の清涼強度の合計を著しく超える混合物の清涼強度を提供する。この態様は、最終ブレンドおよび/または消費者製品中へのこの組成物の必要充填量を減少させることによって、潜在的なコスト削減という追加の利益を提供することができる。
【0113】
別の態様では、本発明はさらに、本明細書に記載の生理的清涼組成物を生成する方法を提供する。したがって、一態様では、この方法は、a)一般式(1)の少なくとも1種のシクロヘキサンカルボキサミド、一般式(2)の少なくとも1種の非環式カルボキサミド、および式(ML)の乳酸メンチルの少なくとも1種の立体異性体を提供するステップ、b)本明細書に記載される生理的清涼組成物を提供するのに有効な条件下で、少なくとも1種のシクロヘキサンカルボキサミドと少なくとも1種の非環式カルボキサミドと少なくとも1種の乳酸メンチルを一緒にブレンドするステップを含む。
【0114】
一態様では、生理的清涼組成物を提供するのに有効な条件は、シクロヘキサンカルボキサミドと非環式カルボキサミドと乳酸メンチルの混合物を共溶融し、かつ/または混練して、本明細書に記載の液体生理的清涼組成物を提供することを含む。あるいは、別の態様では、個々の成分をそれぞれ別個に溶融し、次いで、それぞれを液体状態で一緒にブレンドして生理的清涼組成物を提供することができる。
【0115】
さらに別の態様では、本発明の組成物は、清涼剤を使用することができるどんな消費者製品においても使用することができる。一態様では、本発明による液体組成物は、ヒト用の消費に適している。別の態様では、この消費者製品は、ヒトならびに獣医分野での施用を含むが、それだけに限らない哺乳動物の皮膚への局所施用に適している。消費者製品のより具体的な例としては、フレーバーブレンド、食品、化粧品、菓子、ソフト飲料、アルコール飲料、チューインガム、練り歯磨き、デンタルフロス、口内洗浄液、抗歯垢、坑歯肉炎組成物、シャンプー、ふけ防止シャンプー、ローション、脱臭剤、アフターシェーブローション、シェービングジェル、シェービング補助組成物、香水、皮膚消毒組成物、のど用トローチ、のど用ドロップ、咀嚼用制酸錠;または坑炎症用組成物、鼻症状の治療用の組成物、上部消化管障害用の組成物、風邪症状治療用の組成物、咳軽減用の組成物、のぼせの不快を緩和するための組成物、足の治療用の組成物などを含めた医薬組成物もしくは薬物が挙げられるが、それだけに限らない。
【0116】
また、本発明による組成物が、この組成物の成分を前述の消費者製品中に組み込む一助になる補助成分と組み合わせて使用され得ることを理解されたい。こうした補助化合物の例としては、エタノールやプロピレングリコールなどの溶媒、ヒドロキシアルキルセルロース、デンプン、変性デンプンなどの制御用剥離剤またはゲル形成剤、およびアモルファスシリカ、アルミナ、活性炭など様々な担体が挙げられるが、それだけに限らない。
【0117】
本発明の組成物の消費者製品中への組込み方を当業者なら知っているであろう。
実施例
以下の実施例は、当業者に、本発明による組成物ならびに関連するプロセスおよび方法をどのように得、使用し、かつ/または評価するかについての完全な開示および説明を提供するために示されており、本発明を単に例示するためのものであり、本発明者らが本発明と見なす範囲を限定することを意図するものではない。数値(例えば、量、温度など)ならびに味および清涼強度の評価に対する正確性を確実にするための努力がなされてきたが、いくらかの誤差および偏差を説明するべきである。別段の指示がない限り、部は、重量部であり、温度は、単位が℃(摂氏)であり、または周囲温度であり、圧力は、大気圧または大気圧に近い圧力である。
【0118】
適正量の生成物をプロピレングリコールPGに溶解させ、PG溶液を適正量の水に添加することによって、官能性試験用の生成物の水溶液を得た。
【0119】
比較例1〜9
WS−3と乳酸メンチルの二元混合物
WS−3と乳酸メンチルの混合物を、所与の量のWS−3および乳酸メンチルを共溶融させ、それを実験室の周囲温度(20〜25℃)まで放冷することによって調製した。自然に固化しなかった混合物を、機械的に0.5〜3分間動揺(振盪)させ、あるいはWS−3および/またはMLでシーディングした。実施例1〜9の結果を以下の表2に示す。
【0120】
【表2】

【0121】
比較例10〜18
WS−23と乳酸メンチルの二元混合物
WS−23と乳酸メンチルの混合物を、所与の量のWS−23および乳酸メンチルを共溶融させ、それを実験室の周囲温度(20〜25℃)まで放冷することによって調製した。自然に固化しなかった混合物を、機械的に0.5〜3分間動揺(振盪)させ、あるいはWS−23および/またはMLでシーディングした。この結果を以下の表3に示す。
【0122】
【表3】

【0123】
比較例19〜22
WS−3のMPD溶液およびWS−23のMPD溶液
WS−3のMPD溶液またはWS−23のMPD溶液を、所与の量のWS−3またはWS−23をMPDに高温で溶解させ、それを実験室の周囲温度(20〜25℃)まで放冷することによって調製した。自然に固化しなかった溶液をWS−3またはWS−23でそれぞれシーディングした。この結果を以下の表4に示す。
【0124】
【表4】

【0125】
比較例23〜26
WS−3のMMG溶液およびWS−23のMMG溶液
WS−3のMMG溶液またはWS−23のMMG溶液を、所与の量のWS−3またはWS−23をMMGに高温で溶解させ、それを実験室の周囲温度(20〜25℃)まで放冷することによって調製した。自然に固化しなかった溶液をWS−3またはWS−23でそれぞれシーディングした。この結果を以下の表5に示す。
【0126】
【表5】

【0127】
比較例27〜29
l−メントールと乳酸メンチルの二元混合物
l−メントールと乳酸メンチルの混合物を、所与の量のメントールおよび乳酸メンチルを共溶融させ、それを約23℃まで放冷することによって調製した。次いで、混合物をメントールおよび/またはMLでシーディングした。50%:50%混合物の結晶化は、定期的なシーディングと共に清涼を必要とし、+10.2℃で固化したが、これは米国特許出願公開第2004/0018954号に記載される温度(+8.2℃)よりわずかに高い。この結果を以下の表6に示す。
【0128】
【表6】

【0129】
比較例30
非環式カルボキサミドを含まない2種のシクロヘキサンカルボキサミドと乳酸メンチルの混合物
WS−3と乳酸メンチルとN,2,2,6−テトラメチルシクロヘキサン−1−カルボキサミドの混合物を、WS−3(5g)、乳酸メンチル(5g)、およびN,2,2,6−テトラメチルシクロヘキサン−1−カルボキサミド(5g)を共溶融させることによって調製した。実験室の周囲温度に清涼すると、混合物は自然に固化した。
【0130】
実施例31〜38
シクロヘキサンカルボキサミドとしてWS−3、非環式カルボキサミドとしてWS−23、およびML−2S−(1R,2S,5R)立体異性体を含有するMLを含む組成物
WS−3とWS−23と乳酸メンチルの混合物を、所与の量のWS−3、WS−23、および乳酸メンチルを共溶融させ、それを実験室の周囲温度(20〜25℃)まで放冷することによって調製した。自然に固化しなかった混合物を、機械的に0.5〜3分間動揺(振盪)させ、かつ/あるいはWS−3、WS−23、および/またはMLでシーディングした。この結果を以下の表7に示す。
【0131】
【表7】

【0132】
実施例39
シクロヘキサンカルボキサミドとしてWS−3、非環式カルボキサミドとしてWS−23、およびML−2S−(1R,2S,5R)立体異性体を含有するMLを含む組成物の調製用混練法の適用
WS−3(18g)とWS−23(18g)とML(24g)の混合物を、回転フラスコ中で室温および大気圧で12時間かけて混練した。得られた組成物は、澄んだ透明な液体であり、WS−3を約30%、WS−23を約30%、乳酸メンチルを約40%含んだ。
【0133】
実施例40〜43
シクロヘキサンカルボキサミドとしてWS−14、非環式カルボキサミドとしてWS−23、およびML−2S−(1R,2S,5R)立体異性体を含有するMLを含む組成物
WS−14とWS−23と乳酸メンチルの混合物を、所与の量のWS−14、WS−23、および乳酸メンチルを共溶融させ、それを実験室の周囲温度(20〜25℃)まで放冷することによって調製した。自然に固化しなかった混合物を、機械的に0.5〜3分間動揺(振盪)させ、かつ/あるいはWS−14、WS−23、および/またはMLでシーディングした。この結果を以下の表8に示す。
【0134】
【表8】

【0135】
実施例44
シクロヘキサンカルボキサミドとしてWS−5、非環式カルボキサミドとしてWS−23、およびML−2S−(1R,2S,5R)異性体を含有するMLを含む組成物
高度に精製されたWS−5(純度99%+、融点約82℃)(5g)を、等量のWS−23(5g)およびML(5g)と一緒に共溶融させて、ほぼ等しい重量部のWS−5、WS−23、および乳酸メンチルを含む澄んだ透明の液体組成物(15g)を得た。混合物を室温に清涼した後、この組成物は、振盪直後、ならびにWS−5、WS−23、およびMLでシーディングした直後に、周囲温度、および大気圧または大気圧に近い圧力で液体状態を維持した。
【0136】
実施例45
シクロヘキサンカルボキサミドとしてWS−5、非環式カルボキサミドとしてWS−23、ML、および追加成分であるp−メンタン−3−カルボキシル酸のグリセリルエーテル(WS−30)を含む組成物
高度に精製されたWS−5(純度99%+、融点約82℃)(5g)を、WS−23(5g)、ML(5g)、およびp−メンタン−3−カルボキシル酸のグリセリルエーテル(当技術分野でWS−30としても周知の液体清涼剤)(5g)と一緒に共溶融させて、WS−5を約25%、WS−23を約25%、乳酸メンチルを約25%、WS−30を約25%含む澄んだ透明な液体組成物(20g)を得た。室温に清涼した後、この組成物は、振盪直後、ならびにWS−5、WS−23、およびMLでシーディングした直後に液体状態を維持した。
【0137】
実施例46
シクロヘキサンカルボキサミドとしてWS−5、非環式カルボキサミドとしてWS−23、ML、および追加成分であるグルタル酸モノメンチルを含む組成物
高度に精製されたWS−5(純度99%+、融点約82℃)(5g)を、WS−23(5g)、ML(5g)、および液体清涼剤であるグルタル酸モノメンチル(MMG)(5g)と一緒に共溶融させて、WS−5を約25%、WS−23を約25%、乳酸メンチルを約25%、MMGを約25%含む澄んだ透明な液体組成物(20g)を得た。混合物を室温に清涼した後、この組成物は、振盪直後、ならびにWS−5、WS−23、およびMLでシーディングした直後に液体状態を維持した。
【0138】
実施例47
シクロヘキサンカルボキサミドとしてWS−5、非環式カルボキサミドとしてWS−23、ML、および付加成分であるMPDを含む組成物
高度に精製されたWS−5(純度99%+、融点約82℃)(5g)を、WS−23(5g)、ML(5g)、および液体清涼剤であるメントキシプロパンジオール(MPD)(5g)と一緒に共溶融させて、WS−5を約25%、WS−23を約25%、乳酸メンチルを約25%、MPDを約25%含む澄んだ透明な液体組成物(20g)を得た。この組成物を室温に清涼した後、この組成物は、振盪直後、ならびにWS−5、WS−23、およびMLでシーディングした直後に液体状態を維持した。
【0139】
実施例48〜53
シクロヘキサンカルボキサミドとしてN,2,2,6−テトラメチルシクロヘキサン−1−カルボキサミド、非環式カルボキサミドとしてWS−23、およびML−2S−(1R,2S,5R)異性体を含有するMLを含む組成物
環式カルボキサミドとしてのN,2,2,6−テトラメチルシクロヘキサン−1−カルボキサミド(融点146〜148℃)とWS−23と乳酸メンチルの混合物を、所与の量のN,2,2,6−テトラメチルシクロヘキサン−1−カルボキサミド、WS−23、および乳酸メンチルを共溶融させ、それを実験室の周囲温度(20〜25℃)まで放冷することによって調製した。自然に固化しなかった混合物を、機械的に0.5〜3分間動揺(振盪)させ、かつ/あるいはWS−3、WS−23、および/またはMLでシーディングした。この結果を以下の表9に示す。
【0140】
【表9】

【0141】
実施例54
シクロヘキサンカルボキサミドとしてWS−3、非環式カルボキサミドとしてWS−23、追加の非環式カルボキサミドとしてカプサイシン、およびML−2S−(1R,2S,5R)立体異性体を含有するMLを含む組成物
カプサイシン(Aldrich製)(0.1g)を実施例39で得たブレンド5gに添加して透明な溶液を得た。この溶液は、個々の各成分でシーディングした直後に液体状態を維持していた。
【0142】
実施例55〜60
本発明の組成物の相乗清涼効果の例示
A.個々の清涼剤に対する清涼強度値。個々の清涼剤に対する本発明で使用される清涼強度値は、一般に当技術分野で許容されるものであり、さらにまた連続希釈法、すなわち、サンプルの強度がWS−3の標準溶液とほぼ等しくなるようにサンプルの濃度を制御する希釈法に基づいてミレニアムスペシャリティーケミカルズ社の従業員によって行われる専門的な評価を使用して確認された。実施例55〜60では、WS−3水溶液(10ppm)を標準溶液として使用し、標準清涼強度値の10.0を割り当てた。次いで、個々の清涼剤に対応する相対清涼強度を、WS−3の標準溶液(10ppm)とほぼ同じ清涼強度を提供するのに必要な清涼剤のおよその濃度の官能性定量(organoleptic determination)に基づいて割り当てた。
【0143】
したがって、以下の清涼強度が、諸清涼剤に以下のように割り当てられた。高度に精製されたWS−5は、相対清涼強度が約16.7であり、WS−3には、清涼強度10.0が割り当てられており、WS−23は、相対清涼強度が約5.0であり、乳酸メンチルは、相対清涼強度が約2.9であり、WS−14は、相対清涼強度が約5.0であり、WS−30は、相対清涼強度が約1.5であり、N,2,2,6−テトラメチルシクロヘキサン−1−カルボキサミドは、相対清涼強度が約1.0であり、MMGは、相対清涼強度が約3.5であった。
【0144】
B.組成物の清涼強度の測定。実施例32、35、37、44、45、および52で得られた清涼剤の組成物の水溶液を調製した。各溶液は、濃度が全組成物に対して10ppmであった。これらの溶液を、スコア10.0を割り当てられている標準のWS−3水溶液(10ppm)と比べて、清涼強度のスケール0〜10を使用して官能的に試験した。
【0145】
数学的に予想したスコア(ES)は、以下の式に従って算出された。
(ES)=[CS1(A%÷100)+CS2(B%÷100)+CS3(C%÷100)]
式中、CS1、CS2、およびCS3は、それぞれシクロヘキサンカルボキサミド、非環式カルボキサミド、および乳酸メンチルの個々の清涼強度を表し、A%、B%、およびC%は、それぞれ組成物中に存在するシクロヘキサンカルボキサミド、非環式カルボキサミド、および乳酸メンチルの個々の重量%を表す。
【0146】
本発明による組成物の10ppmの様々な溶液に対する比較結果を以下の表10に示す。
【0147】
【表10】

【0148】
本出願全体を通して、様々な刊行物が参照されている。これらの刊行物の開示全体は、参照により本出願に組み込まれる。
【0149】
本発明の範囲または精神から逸脱することなく、本発明に様々な改変および変更を加えることができることは当業者には明らかである。本発明のその他の実施態様は、ここに開示した本発明の明細書および実施例の考察から当業者には明らかである。明細書および実施例は、単に例示にすぎないと考えるべきであり、本発明の真の範囲および精神は添付の請求の範囲によって示されていることを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)一般式1を有する少なくとも1種のシクロヘキサンカルボキサミド、
【化1】

(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、およびR11は、それぞれ独立して、水素、直鎖アルキル、枝分れアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、またはアルコキシカルボニルアルキルであり、
Xは、直鎖アルキル、枝分れアルキル、アリール、官能性置換アリール、アリールアルキル、官能性置換アリールアルキル、またはアルコキシカルボニルアルキルである)
b)一般式2を有する少なくとも1種の非環式カルボキサミド、
【化2】

(式中、R12、R13、およびR14は、それぞれ独立して、水素、直鎖アルキル、枝分れアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、またはアルコキシカルボニルアルキルであり、
1は、直鎖アルキル、枝分れアルキル、アリール、官能性置換アリール、アリールアルキル、官能性置換アリールアルキル、またはアルコキシカルボニルアルキルである)
c)一般式MLを有する乳酸メンチルの少なくとも1種の立体異性体を含む、生理的清涼組成物。
【化3】

【請求項2】
前記組成物が、溶媒を少なくともほとんど含まず、メントールをほとんど含まず、周囲温度および大気圧下で安定した液体である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記シクロヘキサンカルボキサミドが、以下の構造を有するN−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミドを含む、請求項1に記載の組成物。
【化4】

【請求項4】
前記シクロヘキサンカルボキサミドが、以下の一般式を有するN−[[5−メチル−2−(1−メチルエチル)シクロへキシル]カルボニル]グリシンのエチルエステルを含む、請求項1に記載の組成物。
【化5】

【請求項5】
前記シクロヘキサンカルボキサミドが、以下の構造を有するN−[[5−メチル−2−(1−メチルエチル)シクロへキシル]カルボニル]グリシンのエチルエステルのほぼ純粋な(1R,2S,5R)−異性体を含む、請求項1に記載の組成物。
【化6】

【請求項6】
前記シクロヘキサンカルボキサミドが、以下の構造を有するN−tert−ブチル−p−メンタン−3−カルボキサミドを含む、請求項1に記載の組成物。
【化7】

【請求項7】
前記シクロヘキサンカルボキサミドが、以下の一般式を有するN置換ジヒドロシクロゲラニルアミドを含む、請求項1に記載の組成物。
【化8】

【請求項8】
前記N置換シクロゲラニルアミドが、N置換ジヒドロシクロゲラニルアミドのシスおよびトランス異性体の混合物を含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、周囲温度および大気圧で液体である、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が、溶媒をほとんど含まない、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、機械的に動揺させ、および/または前記組成物の1種以上の個々の成分が結晶もしくは粉末として析出するような通常条件または周囲条件下でも液体のままである、請求項9に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が、溶媒をほとんど含まない、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
a)シクロヘキサンカルボキサミドを約4重量%〜約90重量%、
b)非環式カルボキサミドを約4重量%〜約90重量%、
c)乳酸メンチルを約4重量%〜約90重量%含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物が、メントールを約10重量%未満含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物が、メントールをほとんど含まない、請求項11に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物が、メントールをほとんど含まない、請求項14に記載の組成物。
【請求項17】
前記非環式カルボキサミドが、以下の構造を有する2−(1−メチルエチル)−N,2,3−トリメチルブタンアミドを含む、請求項1に記載の組成物。
【化9】

【請求項18】
前記非環式カルボキサミドが、式2bの化合物を含む、請求項1に記載の組成物。
【化10】

(式中、置換基X1およびRは、それぞれ独立して、低級直鎖または低級枝分れアルキル基である)
【請求項19】
前記シクロヘキサンカルボキサミドが、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミドを含み、前記非環式カルボキサミドが、N,2,3−トリメチル−2−(1−メチルエチル)ブタンアミドを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
前記シクロヘキサンカルボキサミドが、N−[[5−メチル−2−(1−メチルエチル)シクロへキシル]カルボニル]グリシンのエチルエステルを含み、前記非環式カルボキサミドが、N,2,3−トリメチル−2−(1−メチルエチル)ブタンアミドを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
前記シクロヘキサンカルボキサミドが、N−[[5−メチル−2−(1−メチルエチル)シクロへキシル]カルボニル]グリシンのエチルエステルのほぼ純粋な(1R,2S,5R)−異性体を含み、前記非環式カルボキサミドが、N,2,3−トリメチル−2−(1−メチルエチル)ブタンアミドを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
乳酸メンチルをその立体異性体の混合物として含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項23】
以下の構造を有する、乳酸メンチルのほぼ純粋な2S−(1R,2S,5R)立体異性体を含む、請求項1に記載の組成物。
【化11】

【請求項24】
以下の構造を有する、乳酸メンチルのほぼ純粋な2S−(1R,2S,5R)立体異性体を含む、請求項19に記載の組成物。
【化12】

【請求項25】
以下の構造を有する、乳酸メンチルのほぼ純粋な2S−(1R,2S,5R)立体異性体を含む、請求項20に記載の組成物。
【化13】

【請求項26】
コハク酸モノメンチル、グルタル酸モノメンチル、メントキシプロパンジオール、メントングリセリンケタール、イソプレゴール、p−メンタン−3,8−ジオール、p−メンタン−3−カルボン酸のグリセリルエステル、またはそのいずれの組合せをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項27】
溶媒をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項28】
前記溶媒が、エタノール、プロピレングリコール、ジメチルスルホキシド、グリセリン、イソプロパノール、ミリスチン酸イソプロピル、またはそのいずれの組合せを含む、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
前記組成物が、噴霧乾燥された形、共乾燥された形、またはマイクロカプセル化された形である、請求項1に記載の組成物。
【請求項30】
制御用剥離剤および/またはゲル形成剤をさらに含む、請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
液体生理的清涼組成物を製造する方法であって、
a)一般式1を有する少なくとも1種のシクロヘキサンカルボキサミドを提供するステップと、
【化14】

(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、およびR11は、それぞれ独立して、水素、直鎖アルキル、枝分れアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、またはアルコキシカルボニルアルキルであり、
Xは、直鎖アルキル、枝分れアルキル、アリール、官能性置換アリール、アリールアルキル、官能性置換アリールアルキル、またはアルコキシカルボニルアルキルである)
b)一般式2を有する少なくとも1種の非環式カルボキサミドを提供するステップと、
【化15】

(式中、R12、R13、およびR14は、それぞれ独立して、水素、直鎖アルキル、枝分れアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、またはアルコキシカルボニルアルキルであり、X1は、直鎖アルキル、枝分れアルキル、アリール、官能性置換アリール、アリールアルキル、官能性置換アリールアルキル、またはアルコキシカルボニルアルキルである)
c)一般式MLを有する乳酸メンチルの少なくとも1種の立体異性体を提供するステップと、
【化16】

d)液体生理的清涼組成物を提供するのに有効な条件下で、少なくとも1種のシクロヘキサンカルボキサミドと少なくとも1種の非環式カルボキサミドと乳酸メンチルの少なくとも1種の立体異性体を一緒にブレンドするステップと
を含む方法。
【請求項32】
前記液体生理的清涼組成物を提供するのに有効な条件は、シクロヘキサンカルボキサミド、非環式カルボキサミド、および乳酸メンチル混合物を一緒に共溶融し、または混練して、液体生理的清涼組成物を提供することを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
ステップd)が、シクロヘキサンカルボキサミド、非環式カルボキサミド、および乳酸メンチルを溶融した後にブレンドすることをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記液体生理的清涼組成物を提供するのに有効な条件が、溶媒がほとんど存在せず、メントールがほとんど存在しないことを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
請求項1に記載の組成物を含む消費者製品。
【請求項36】
前記消費者製品が、フレーバーブレンド、食品、菓子、飲料、チューインガム、デンタルフロス、練り歯磨き、口内洗浄液、抗歯垢組成物、坑歯肉炎組成物、のど用トローチ、のど用ドロップ、制酸剤、または薬剤もしくは医薬組成物である、請求項35に記載の消費者製品。
【請求項37】
前記消費者製品が、ヒト用の消費に適する、請求項35に記載の消費者製品。
【請求項38】
前記消費者製品が、哺乳類の皮膚への局所施用に適する、請求項31に記載の消費者製品。
【請求項39】
前記消費者製品が、化粧品、シャンプー、ローション、脱臭剤、アフターシェーブローション、シェービングジェル、シェービングクリーム、香水、または石鹸である、請求項35に記載の消費者製品。
【請求項40】
請求項31に記載の方法によって製造される製品。

【公表番号】特表2008−501017(P2008−501017A)
【公表日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515086(P2007−515086)
【出願日】平成17年4月19日(2005.4.19)
【国際出願番号】PCT/US2005/013288
【国際公開番号】WO2005/117811
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(504000649)
【Fターム(参考)】