説明

画像入力装置

【課題】 撮影者に基づいて形成されたデジタル画像データの正当性を検証可能にする画像入力装置を提供する。
【解決手段】 画像を入力して画像データを生成する画像入力装置において,
機器によれば,デジタルデータの完全性を検証する検証データを生成する生成手段,および撮影者を認証する撮影者認証手段とを備え,撮影者認証手段により撮影者を認証した場合に撮影者に基づいて画像データの完全性の検証を可能とする検証データを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,画像入力装置および画像入力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のデジタル機器の発達により,さまざまなコンテンツがデジタル化されるようになった。特にデジタルカメラの登場によって,さまざまな分野における画像のデジタル化が急速に広まった。
【0003】
銀塩カメラによって撮影されたネガフィルムに記録されている画像は,銀塩分子によって構成されているため,改ざんや偽造することが困難である。これに対して,デジタル画像は,デジタル情報で構成されているため,コンピュータと画像処理ソフトウエアを利用することで容易に改ざんや偽造することできる。したがって,デジタル画像データの信憑性は,ネガフィルムに対して低いという問題があった。言い換えると,デジタル画像データの完全性の維持が困難であるという問題である。
【0004】
これに対して,デジタルの画像データの完全性を検証するさまざまな方法が提案されている。
【0005】
USP 5499294("Digital camera with apparatus for authentication of images produced from an image file")の明細書や特開平9-200730号公報("映像入力装置および映像入力システム")は,デジタルカメラ等の画像入力機器であって,撮像した画像データのハッシュ値を計算し,あらかじめ組み込まれた秘密鍵でハッシュ値にデジタル署名を付加し,画像データとデジタル署名を関連付けて管理することを特徴とし,撮像したデジタル画像データに対してデジタル署名を施すことにより画像データの完全性の検証を可能にしている。
【0006】
特開2001-078142号公報("デジタルカメラおよび画像改竄検出システム")は,デジタルカメラ等の画像入力機器であって,撮像した画像データから当該画像データの特徴データを生成し,電子透かしの技術により当該特徴データを画像データに埋め込むことを特徴とし,特徴データの有無によって画像データの利用を制御することによって画像データの完全性の検証を可能にしている。
【0007】
特開2002-244924号公報("画像検証システム、画像検証装置、画像検証方法、プログラム及び記録媒体")は,デジタルカメラ等の画像入力機器であって,メッセージダイジェストの技術より撮像した画像データとあらかじめ組み込まれた秘密鍵から画像データの完全性を検証可能とする検証データを生成し,画像データと検証データを関連付けて管理することを特徴とし,撮像したデジタル画像データの完全性の検証を可能にしている。
【特許文献1】特開平9-200730号公報
【特許文献2】特開2001-078142号公報
【特許文献3】特開2002-244924号公報
【特許文献4】USP 5499294明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これらの従来方式は,画像入力機器に固有の秘密情報または画像に固有の特徴データを用いて,画像データの完全性を検証可能とする検証データを生成し,画像データの完全性の検証を可能にした。
【0009】
しかし,画像入力機器に固有の秘密情報や画像に固有の特徴データを用いて検証データを生成した場合,その責任の所在が不明瞭である。つまり,検証データによる画像の完全性の検証という行為は,検証データの生成に用いた秘密情報や特徴データに対応する特定の機器や画像に関連付けることは可能であるが,人に関連付けることは困難である。例えば,デジタル署名の効力は,電子署名法案によって,実印と同等の効力を持つことが規定されている。しかし,電子証明法案によって規定されているデジタル署名は,「本人性の確認」という要件がある。つまり,RSA公開鍵暗号方式などように暗号学的にデジタル署名と知られているアルゴリズムを用いても,適切に利用していない,特に「本人性の確認」を実現できない場合,効力がないと判断できる。
【0010】
従来方式は,画像入力機器に固有の秘密情報または画像に固有の特徴データを用いているが,本人つまり撮影者との関連付けが明確でなく,明確な本人性の確認を満たすことができないという問題がある。
【0011】
本発明は,上記実情をかんがみてなされたものであり,画像入力機器から入力された画像データの完全性を検証可能とする方法に関して,画像入力機器だけでなく,人である撮影者に基づいて画像データの完全性維持を実現する画像入力装置および画像入力システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の請求項1記載の画像入力機器によれば,デジタルデータの完全性を検証する検証データを生成する生成手段,および撮影者を認証する撮影者認証手段とを備える。
【発明の効果】
【0013】
このため,撮影者認証手段により撮影者を認証することが可能となり,撮影者の「本人性」に基づいて画像データの完全性の検証を可能とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明の詳細を実施例の記述に従って説明する。
【実施例1】
【0015】
本実施例では,バイオメトリクス情報(身体的な固有の情報)を利用したバイオメトリクス認証機能を有する画像入力装置の場合について説明する。本実施の形態では,身体的観点からの「本人性」について着目する。
【0016】
以下では,第一にバイオメトリクス情報を利用したバイオメトリクス認証について説明する。次に,バイオメトリクス認証機能を有する画像入力装置の構成を説明し,最後に,当該装置で画像データの完全性を維持する手続きを説明する。
【0017】
バイオメトリクス認証
まず,バイオメトリクス認証について説明する。バイオメトリクス認証は,身体的な特徴や身体的な特性など,個人に固有の身体的特徴情報を利用して本人の確認を行う認証方式であって,その人固有の身体的特徴情報を登録しておき,認証時に本人から取得した身体的特徴情報と登録しておいた身体的特徴情報とをマッチングさせることによって認証を行うものである。広く使われている暗証番号やパスワードに比べ,バイオメトリクス認証は,原理的に「なりすまし」しにくい方法であり,個人認証技術の分野において注目されている技術である。バイオメトリクス認証で利用される身体的特徴には,指紋,掌紋,手形,手の甲の静脈,虹彩,網膜,顔,声紋,筆跡,DNAなどが代表的なものとしてある。バイオメトリクス認証を実現するためには,例えば指紋の場合は指紋読み取りセンサが必要となるなど,利用する身体的特徴情報に適した身体的特徴情報の読取装置が必要となる。
【0018】
なお,本実施の形態では,一例として,指紋を身体的特徴情報として説明する。
【0019】
バイオメトリクス認証機能を有する画像入力装置の構成
次に,バイオメトリクス認証である指紋認証を有する画像入力装置について,図1を用いて構成を説明する。図1に示した四角の各ブロックは機能別の構成要素であり,それらの結ぶ線は制御バスまたはデータバスを表す。なお,図1に示した構成は,画像入力装置の一般的な構成を示しており,画像入力装置としてデジタルカメラやイメージスキャナに適応することが可能である。
【0020】
撮像センサは撮像部であり,被写体を撮影し,電信号へ変換し,A/D変換等を行ない,デジタルデータを出力する。
【0021】
ASICは撮像センサから出力されたデジタルデータに対して,画像処理,符号化処理等のデジタル処理を行なう。
【0022】
CPUは中央演算装置であり,ROMに保持されている制御ソフトウエアにしたがい各機能の制御を行なう。ROMは前記制御ソフトウエアの記憶部であり,RAMはCPUの作業用メモリ部である。
【0023】
操作部は,本装置を利用する利用者が種々の指示を入力するためのものである。
【0024】
IO Controllerは,本装置が画像データを出力するなど本装置の外部装置とのインタフェース部であり,外部装置との通信部である。
【0025】
LCDは,本装置が保持している画像データや本装置の状態の表示するためのものであり,本体背面のLCDやファインダーで実現される。
【0026】
指紋センサは,本装置の利用者の身体特徴情報として指紋情報を読み取るためのものである。
【0027】
なお,図1は機能別の構成図であって,物理的な構成を表していない。なぜなら,物理的な構成は,利用する身体的特徴情報に大きく依存するからである。例えば,指紋の場合,指紋センサはIO Controllerの一部であるシャッターボタンに設けることができる。一方,網膜や虹彩の場合,これらのセンサはLCDの一部であるファインダーに設けることができる。よって,物理的な構成は身体的特徴情報に大きく依存するので,特定の物理的構成を特定しない。
【0028】
バイオメトリクス認証機能を有する画像入力装置の動作
次に,図2を用いて,バイオメトリクス認証である指紋認証を有する画像入力装置における基本的な動作を説明する。
【0029】
ある被写体に対して撮影を行なう場合,撮影者は,操作部から撮影指示を入力する(ステップ0201)。撮影指示の入力と同時に指紋センサは,撮影者の指紋情報を入力する(ステップ0202)。CPUは,ROMに保持されている制御ソフトウエアをRAMの作業エリアを用いて実行し,撮影指示と制御ソフトウエアとにしたがって,撮像センサおよびASICを制御し,被写体を撮影し,画像データを生成する(ステップ0203)。一方で,CPUは,指紋センサから入力した指紋情報とあらかじめ保持している指紋情報を比較することによって,撮影者を認証する(ステップ0204)。撮影者をあらかじめ登録した撮影者と認証した場合は,撮影者と関連付けてあらかじめ保持している秘密情報を用いて,画像データの検証データを生成する(ステップ0205)。
【0030】
なお,検証データの生成方法は,SP 5499294("Digital camera with apparatus for authentication of images produced from an image file")や特開平9-200730("映像入力装置および映像入力システム")のようなデジタル署名に基づく方法、特開2001-078142("デジタルカメラおよび画像改竄検出システム")のような電子透かしに基づく方法,または特開2002-244924("画像検証システム、画像検証装置、画像検証方法、プログラム及び記録媒体")のようなメッセージダイジェストに基づく方法が考えられる。しかし,本発明は,検証データの生成方法に関する発明でないので,検証データの生成方法に関しては,特に限定しない。
【0031】
秘密情報の保持手段
本実施の形態では,秘密情報およびバイオメトリクス情報である指紋情報を安全に保持しなければならない。特に,機密性と完全性が要件として挙げられる。機密性を維持するための情報保持方法は,機密性を維持しなければならない情報を複数に分散させる方法や,不正なアクセスが困難なモジュール(例えば,Trusted Platform Module)に保持する方法等がある。完全性を維持するための情報保持方法は,リードオンリーやライトワンスの情報保持エリアで情報を保持する方法や,不正なアクセスが困難なモジュール(例えば,Trusted Platform Module)に保持する方法等がある。また,上記のように画像入力機器にこれらの情報を直接保持する方法のほかに,安全性の高いスマートカード等の外部記憶媒体に保持し,当該媒体を画像入力機器に装着する方法もある。しかし,本発明は,情報の保持の方法に関する発明でないので,情報の保持の方法に関して,特に限定しない。
【0032】
本実施の形態は,バイオメトリクス認証機能を有した画像入力装置であって,画像入力操作時点で,バイオメトリクス情報に基づいて撮影者を認証し,撮影者を認証した場合に,画像データの完全性を検証可能とする検証データを生成する。したがって,身体的観点からの「本人性」に基づいた画像データの完全性を検証することを実現している。
【実施例2】
【0033】
本実施例では,本人の意思を確認する機能を有する画像入力装置の場合について説明する。本実施の形態では,意思的観点からの「本人性」について着目する。なお,本実施の形態で確認する「意思」は,押印の意思と同等であって,撮影者が画像データに対して完全性の検証を可能とするという意思であって,撮影するという意思ではない。
【0034】
以下では,第一に意思を確認する機能を有する画像入力装置の構成を説明し,当該装置で画像データの完全性を維持する手続きを説明する。
【0035】
意思を確認する機能を有する画像入力装置の構成
撮影者の意思を確認する機能を有する画像入力装置について,図3を用いて構成を説明する。図3に示した四角の各ブロックは機能別の構成要素であり,それらの結ぶ線は制御バスまたはデータバスを表す。
【0036】
意思確認部を除いた撮像センサ,ASIC,CPU,ROM RAM,操作部,IO ControllerおよびLCDは,第一の実施の形態と同様である。
【0037】
意思確認部は,撮影者の意思を確認する装置である。例えば,ボタンを用いて,ボタンが押下された場合に撮影者の意思があると確認したり,ボタンが押下されない場合に撮影者の意志がないと確認したりする。また,その逆の場合もある。なお,本発明は,意思の確認手段に関する発明でないので,意思の確認手段を限定しない。
【0038】
意思を確認する機能を有する画像入力装置の動作
次に,図4を用いて,撮影者の意思を確認する機能を有する画像入力装置における基本的な動作を説明する。
【0039】
ある被写体に対して撮影を行なう場合,撮影者は,操作部から撮影指示を入力する。撮影者は,撮影指示を入力すると同時に検証データ生成の意思を意思確認部に入力する(ステップ0401)。CPUは,ROMに保持されている制御ソフトウエアをRAMの作業エリアを用いて実行し,撮影指示と制御ソフトウエアとにしたがって,撮像センサおよびASICを制御し,被写体を撮影し,画像データを生成する(ステップ0402)。意思確認部によって撮影者の意思があると確認した場合は,撮影者と関連付けてあらかじめ保持している秘密情報を用いて,画像データの検証データを生成する(ステップ00404)。
【0040】
なお,秘密情報の保持の方法および検証データの生成方法は,特に限定しない。
【0041】
本実施の形態は,撮影者の意思を確認する機能を有した画像入力装置であって,画像入力操作時点で,撮影者の画像データの完全性を確認する検証データを生成するという意思を確認し,意思が確認された場合に検証データを生成する。したがって,意思的観点からの「本人性」に基づいた画像データの完全性を検証することを実現している。
【実施例3】
【0042】
本実施例では,バイオメトリクス情報(身体的な固有の情報)を利用したバイオメトリクス認証機能および本人の意思を確認する機能を有する画像入力装置の場合について説明する。本実施の形態では,身体的観点および意思的観点からの「本人性」について着目する。
【0043】
以下では,第一に画像入力装置の構成を説明し,最後に,当該装置で画像データの完全性を維持する手続きを説明する。
【0044】
画像入力装置の構成
次に,画像入力装置について,図5を用いて構成を説明する。図5に示した四角の各ブロックは機能別の構成要素であり,それらの結ぶ線は制御バスまたはデータバスを表す。
【0045】
撮像センサ,ASIC,CPU,ROM RAM,操作部,IO ControllerおよびLCDは第一の実施の形態と同様であり,意思確認部は第二の実施の形態と同様である。
【0046】
なお,図5は機能別の構成図であって,物理的な構成を表していない。なぜなら,物理的な構成は,利用する身体的特徴情報に大きく依存するからである。例えば,指紋の場合,指紋センサはIO Controllerの一部であるシャッターボタンに設けることができる。一方,網膜や虹彩の場合,これらのセンサはLCDの一部であるファインダーに設けることができる。よって,物理的な構成は身体的特徴情報に大きく依存するので,特定の物理的構成を特定しない。
【0047】
画像入力装置の動作
次に,図6を用いて,画像入力装置における基本的な動作を説明する。
【0048】
ある被写体に対して撮影を行なう場合,撮影者は,操作部から撮影指示を入力する(ステップ0601)。撮影者は,撮影指示の入力と同時に指紋センサに指紋情報を入力し(ステップ0602),検証データの生成の意思を意思確認部に入力する(ステップ0603)。CPUは,ROMに保持されている制御ソフトウエアをRAMの作業エリアを用いて実行し,撮影指示と制御ソフトウエアとにしたがって,撮像センサおよびASICを制御し,被写体を撮影し,画像データを生成する(ステップ0604)。一方で,CPUは,指紋センサから入力した指紋情報とあらかじめ保持している指紋情報を比較することによって,撮影者を身体的観点から認証する(ステップ0605)。さらに,CPUは,意思確認部に入力された意思情報から撮影者の検証データ生成の意思を検証する(ステップ0606)。前記指紋情報の比較により撮影者を身体的観点から認証し,かつ前記意思情報により撮影者を意思的観点から認証した場合は,撮影者と関連付けてあらかじめ保持している秘密情報を用いて,画像データの検証データを生成する(ステップ0607)。
【0049】
なお,指紋情報や秘密情報の保持の方法や検証データの生成方法は,実施例1または実施例2同様,限定しない。
【0050】
本実施例は,バイオメトリクス認証機能および撮影者の意思を確認する機能を有した画像入力装置であって,画像入力操作時点で,バイオメトリクス情報に基づいて撮影者を認証し,かつ撮影者の画像データの完全性を確認する検証データを生成するという意思を確認する。撮影者を認証し,かつ意思が確認された場合に,画像データの完全性を検証可能とする検証データを生成する。したがって,身体的観点および意思的観点からの「本人性」に基づいた画像データの完全性を検証することを実現している。
【実施例4】
【0051】
本実施例では,バイオメトリクス情報(身体的な固有の情報)を利用したバイオメトリクス認証機能および本人の意思を確認する機能を有し,さらに画像入力装置に関連付けられた秘密情報と撮影者に関連付けられた秘密情報を保持する画像入力装置の場合について説明する。本実施例では,身体的観点および意思的観点からの「本人性」について着目する。
【0052】
以下では,第一に画像入力装置の構成を説明し,最後に,当該装置で画像データの完全性を維持する手続きを説明する。
【0053】
画像入力装置の構成
本実施例における構成は,実施例3同様である。
【0054】
画像入力装置の動作
次に,図7を用いて,画像入力装置における基本的な動作を説明する。
【0055】
ある被写体に対して撮影を行なう場合,撮影者は,操作部から撮影指示を入力する(ステップ0701)。撮影者は,撮影指示の入力と同時に指紋センサに指紋情報を入力し(ステップ0702),検証データの生成の意思を意思確認部に入力する(ステップ0703)。CPUは,ROMに保持されている制御ソフトウエアをRAMの作業エリアを用いて実行し,撮影指示と制御ソフトウエアとにしたがって,撮像センサおよびASICを制御し,被写体を撮影し,画像データを生成する(ステップ0704)。一方で,CPUは,指紋センサから入力した指紋情報とあらかじめ保持している指紋情報を比較することによって,撮影者を身体的観点から認証する(ステップ0705)。さらに,CPUは,意思確認部に入力された意思情報から撮影者の検証データ生成の意思を検証する(ステップ0706)。前記指紋情報の比較により撮影者を身体的観点から認証し,かつ前記意思情報により撮影者を意思的観点から認証した場合は,撮影者と関連付けてあらかじめ保持している秘密情報を用いて,画像データの検証データを生成する(ステップ0707)。一方,前記指紋情報の比較により撮影者を身体的観点から認証しない,または前記意思情報により撮影者を意思的観点から認証しない場合は,画像入力装置と関連付けてあらかじめ保持している秘密情報を用いて,画像データの検証データを生成する(ステップ0807)。
【0056】
本実施例は,バイオメトリクス認証機能および撮影者の意思を確認する機能を有し,さらに画像入力装置に関連付けられた秘密情報と撮影者に関連付けられた秘密情報を保持する画像入力装置であって,画像入力操作時点で,バイオメトリクス情報に基づいて撮影者を認証し,かつ撮影者の画像データの完全性を確認する検証データを生成するという意思を確認する。撮影者を認証し,かつ意思が確認された場合に,撮影者に関連付けられた秘密情報を用いて画像データの完全性を検証可能とする検証データを生成し,その他の場合は画像入力機器に関連付けられた秘密情報を用いて検証データを生成する。したがって,身体的観点および意思的観点からの「本人性」に基づいた画像データの完全性を検証し,その場合は「機器」に基づいた画像データの完全性を検証することを実現している。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】画像入力装置の一般的な構成を示している図。
【図2】指紋認証を有する、画像入力装置における基本的な動作を説明する図。
【図3】撮影者の意思を確認する機能を有する画像入力装置の構成を示す図。
【図4】撮影者の意思を確認する機能を有する画像入力装置における基本的な動作を説明する図。
【図5】実施例3における、画像入力装置の構成を示す図。
【図6】実施例3における、画像入力装置における基本的な動作を説明する図。
【図7】実施例4における、画像入力装置における基本的な動作を説明する図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を入力してデジタルデータに変換する画像入力装置において,
デジタルデータの完全性を検証する検証データを生成する生成手段,
および撮影者を認証する撮影者認証手段を有し,
前記撮影者認証手段の認証結果に応じて前記生成手段によって検証データを生成することを特徴とする画像入力装置。
【請求項2】
画像を入力してデジタルデータに変換する画像入力装置において,
デジタルデータの完全性を検証する検証データを生成する生成手段,
およびシャッターボタンから撮影者の指紋情報を読み取って当該指紋情報を基に撮影者を認証する撮影者認証手段を有し,
前記撮影者認証手段の認証結果に応じて前記生成手段によって検証データを生成することを特徴とする画像入力装置。
【請求項3】
画像を入力してデジタルデータに変換する画像入力装置において,
デジタルデータの完全性を検証する検証データを生成する生成手段,
およびファインダーから撮影者の虹彩情報を読み取って当該虹彩情報を基に撮影者を認証する撮影者認証手段を有し,
前記撮影者認証手段の認証結果に応じて前記生成手段によって検証データを生成することを特徴とする画像入力装置。
【請求項4】
画像を入力してデジタルデータに変換する画像入力装置において,
デジタルデータの完全性を検証する検証データを生成する生成手段,
およびファインダーから撮影者の網膜情報を読み取って当該網膜情報を基に撮影者を認証する撮影者認証手段を有し,
前記撮影者認証手段の認証結果に応じて前記生成手段によって検証データを生成することを特徴とする画像入力装置。
【請求項5】
前記撮影者認証手段は,撮影者を意思的な観点で認証すること
を特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の画像入力装置。
【請求項6】
画像を入力してデジタルデータに変換する画像入力装置において,
当該画像入力装置に関連付けられた第一の秘密情報を保持する機器秘密情報保持手段と,
撮影者に関連付けられた第二の秘密情報を保持する撮影者秘密情報保持手段と,
秘密情報を用いてデジタルデータの完全性を検証する検証データを生成する生成手段,
および撮影者を認証する撮影者認証手段を有し,
前記撮影者認証手段の認証結果に応じて,前記機器秘密情報保持手段または前記撮影者秘密情報保持手段によって保持している秘密情報を用いて前記生成手段によって検証データを生成することを特徴とする画像入力装置。
【請求項7】
画像を入力してデジタルデータに変換する画像入力装置において,
当該画像入力装置に関連付けられた第一の秘密情報を保持する機器秘密情報保持手段と,
撮影者に関連付けられた第二の秘密情報を保持する撮影者秘密情報保持手段と,
秘密情報を用いてデジタルデータの完全性を検証する検証データを生成する生成手段,
およびシャッターボタンから撮影者の指紋情報を読み取って当該指紋情報を基に撮影者を認証する撮影者認証手段を有し,
前記撮影者認証手段の認証結果に応じて,前記機器秘密情報保持手段または前記撮影者秘密情報保持手段によって保持している秘密情報を用いて前記生成手段によって検証データを生成することを特徴とする画像入力装置。
【請求項8】
画像を入力してデジタルデータに変換する画像入力装置において,
当該画像入力装置に関連付けられた第一の秘密情報を保持する機器秘密情報保持手段と,
撮影者に関連付けられた第二の秘密情報を保持する撮影者秘密情報保持手段と,
秘密情報を用いてデジタルデータの完全性を検証する検証データを生成する生成手段,
およびファインダーから撮影者の虹彩情報を読み取って当該虹彩情報を基に撮影者を認証する撮影者認証手段を有し,
前記撮影者認証手段の認証結果に応じて,前記機器秘密情報保持手段または前記撮影者秘密情報保持手段によって保持している秘密情報を用いて前記生成手段によって検証データを生成することを特徴とする画像入力装置。
【請求項9】
画像を入力してデジタルデータに変換する画像入力装置において,
当該画像入力装置に関連付けられた第一の秘密情報を保持する機器秘密情報保持手段と,
撮影者に関連付けられた第二の秘密情報を保持する撮影者秘密情報保持手段と,
秘密情報を用いてデジタルデータの完全性を検証する検証データを生成する生成手段,
およびファインダーから撮影者の網膜情報を読み取って当該網膜情報を基に撮影者を認証する撮影者認証手段を有し,
前記撮影者認証手段の認証結果に応じて,前記機器秘密情報保持手段または前記撮影者秘密情報保持手段によって保持している秘密情報を用いて前記生成手段によって検証データを生成することを特徴とする画像入力装置。
【請求項10】
前記生成手段は,
前記撮影者認証手段で撮影者を認証した場合に,前記撮影者秘密情報保持手段に保持している第二の秘密情報を用いて検証データを生成し,
前記撮影者認証手段で撮影者を認証しなかった場合に,前記機器秘密情報保持手段に保持している第一の秘密情報を用いて検証データを生成すること
を特徴とする請求項7から請求項9のいずれかに記載の画像入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−34930(P2007−34930A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−220812(P2005−220812)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】