説明

画像再生装置及び画像再生装置の制御方法

【課題】複数の記録媒体に分散して記録されている一連の画像を意図した順序で一括して容易に印刷できるようにする。
【解決手段】印刷画像指定部110により第1の記録媒体104a及び第2の記録媒体104bに記録されている画像ファイルに対して印刷指定情報を付加し、印刷条件設定部111によって設定された印刷条件に応じて、第1の記録媒体104a及び第2の記録媒体104bに記録されている印刷画像リストに追加された画像を所望の順序に並べて印刷装置101に印刷させるようにして、複数の記録媒体に分散して記録されている一連の画像を意図した順序で一括して容易に印刷できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像再生装置、画像再生装置の制御方法、プログラム及び記憶媒体に関し、特に、複数の記録媒体を同時に装着可能で印刷装置と接続する手段を持ち、各記録媒体に分散して記録されている一連の画像を一括して印刷するために用いて好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラやデジタルビデオカメラ等で撮影したデジタル画像を印刷する場合は、従来は、デジタル画像を一旦コンピュータに転送し、その後コンピュータ上で印刷ソフトウェア等を使用してコンピュータに接続されたプリンタで印刷を行っていた。現在はプリンタとの接続インターフェースを持つデジタルカメラが発売されており、コンピュータにデジタル画像を転送することなく、プリンタを直接デジタルカメラに接続してデジタル画像を印刷する手段が提供されている。
【0003】
このとき、用紙サイズ、用紙タイプ、レイアウトなどの印刷設定をデジタルカメラからプリンタに送信して印刷する手段が定義されている。このため、デジタルカメラは用紙サイズ、用紙タイプ、レイアウトを選択するためのユーザーインターフェースを提供しているものが多い。
【0004】
また、ユーザが印刷したい画像を確認しながら一枚ずつ印刷するシングルプリント機能の他に、あらかじめ選択された複数の画像を一括して印刷する複数選択プリント機能を持つものもある。さらに、1枚の用紙に1画像を印刷するだけでなく、インデックス状にN枚の画像を配置して印刷するN面配置も可能である(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
デジタルカメラの記録媒体としては、不揮発性メモリーを利用したメモリーカードが主流である。一方、デジタルビデオカメラでは、動画像の記録にはテープを利用し、静止画像の記録にはメモリーカードを利用することが一般的である。ところが近年では、DVD−Rなどの書込み可能な大容量ディスクに映像を記録するディスクカムコーダが増えており、さらにはディスクに動画像だけでなく静止画像も画像ファイルとして記録できる製品も発売されている。
【0006】
一方で、このようなディスクカムコーダでは、静止画像が静止画像ファイルとしてメモリーカード及びディスクの別々に記録されることがある。このため、ディスクカムコーダでメモリーカードから画像の印刷を行う場合は、あらかじめ印刷したい画像が画像ファイルとして記録されている記録媒体を選択しておく必要がある。例えば、メモリーカード静止画モードとディスク静止画モードというように、記録媒体毎に本体の動作モードを切り替えることが考えられる。
【0007】
しかしながら、メモリーカード及びディスクにそれぞれ記録されている複数の画像ファイルに係る画像を一括して印刷することはできず、モードの切替操作を行いながら別々に印刷しなければならないという問題点があった。そこで、複数の画像ファイルに係る画像を一括して印刷するために、一方の記録媒体に記録された画像ファイルを他方の記録媒体にコピーして、一つの記録媒体に全画像ファイルを記録した状態にするという手段がある。その記録媒体を使用することによって、複数の画像ファイルに係る画像を自由に選択してプリントを可能にしたものもある。
【0008】
【特許文献1】特開2004−254296号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前記従来例では、一方の記録媒体に記録された画像ファイルを他方の記録媒体にコピーする必要があった。このため、N面配置して印刷するためには、印刷する前に他方の記録媒体にコピーするための操作が必要であるとともに、記録媒体の空き容量を無駄に使用してしまい、他方の記録媒体に空き容量がない場合はN面配置の印刷を実行することができなかった。また、他方の記録媒体にコピーした場合、コピー先の記録媒体の最後の画像ファイルに続く形で画像ファイルがコピーされるため、意図している印刷の順序が変わってしまう可能性があった。
【0010】
本発明は前述の問題点に鑑み、複数の記録媒体に分散して記録されている一連の画像を意図した順序で一括して容易に印刷できるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の画像再生装置は、複数の記録媒体から画像信号を再生する画像再生手段と、前記画像再生手段により再生された画像信号に対して印刷指定情報を付加する印刷画像指定手段と、前記印刷画像指定手段により前記印刷指定情報が付加された画像信号の印刷条件を設定する印刷条件設定手段と、前記印刷条件設定手段により設定された印刷条件に応じて、前記複数の記録媒体に記録されている画像信号に係る画像を並べて印刷装置に印刷させる印刷処理手段とを有することを特徴とする。
【0012】
本発明の画像再生装置の制御方法は、複数の記録媒体から画像信号を再生する画像再生工程と、前記画像再生工程において再生された画像信号に対して印刷指定情報を付加する印刷画像指定工程と、前記印刷画像指定工程において前記印刷指定情報が付加された画像信号の印刷条件を設定する印刷条件設定工程と、前記印刷条件設定工程において設定された印刷条件に応じて、前記複数の記録媒体に記録されている画像信号に係る画像を並べて印刷装置に印刷させる印刷処理工程とを有することを特徴とする。
【0013】
本発明のプログラムは、複数の記録媒体から画像信号を再生する画像再生工程と、前記画像再生工程において再生された画像信号に対して印刷指定情報を付加する印刷画像指定工程と、前記印刷画像指定工程において前記印刷指定情報が付加された画像信号の印刷条件を設定する印刷条件設定工程と、前記印刷条件設定工程において設定された印刷条件に応じて、前記複数の記録媒体に記録されている画像信号に係る画像を並べて印刷装置に印刷させる印刷処理工程とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0014】
本発明の記憶媒体は、前記のプログラムを記憶したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数の記録媒体に記録されている画像信号に対して印刷指定情報を付加し、設定された印刷条件に応じて、前記複数の記録媒体に記録されている画像信号に係る画像を並べて印刷装置に印刷させるようにした。これにより、複数の記録媒体に分散して記録されている一連の画像信号に係る画像を意図した順序で一括して容易に印刷するようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の画像再生装置100の機能構成例を示すブロック図である。画像再生装置の例としては、テレビモニターや据え置き型再生デッキ等がある。また、記録媒体を再生するための機能を持ち、専用の印刷ソフトウェアを搭載したパーソナルコンピュータを用いても本発明を実施することが可能である。さらに、本発明の画像再生装置は再生手段だけではなく、記録媒体に画像を記録する記録手段を持ってもよい。図1における画像再生装置100も画像記録手段を持っており、このような画像再生装置としてはデジタルカメラ等がある。
【0017】
印刷装置101は、画像再生装置100と接続するためのインターフェースを備えており、画像再生装置100と接続ケーブル102によって接続されている。このようなインターフェースとして、USB(Universal Serial Bus)等の有線接続以外にも、IEEE802.11b等の無線接続でも可能である。
【0018】
データ通信部103は、後述する印刷処理部112の指示によって、印刷装置101に対して印刷制御信号及び画像データ信号を送信する。また、印刷装置101が接続されたことを通知する信号や印刷が完了したことを通知する信号を印刷装置101から受信する。
【0019】
画像再生装置100は、第1の記録媒体104a及び第2の記録媒体104bを同時に装着することができ、どちらの記録媒体から画像を再生するかを操作パネル109の操作に応じて切り替えることができる。本実施形態では2つの記録媒体のみを図示しているが、2つ以上の記録媒体(104c、104d、...)を装着可能であってもよい。また、第1の記録媒体104a及び第2の記録媒体104bは、互いに異なる種類の記録媒体であってもよい。例えば、第1の記録媒体104aとして半導体メモリーカードを使用し、第2の記録媒体104bとしてDVD−Rなどの記録型ディスクを使用することも可能である。
【0020】
次に、画像の記録手段及び再生動作について説明する。撮像部107は、シャッタースイッチ(図示せず)が押されるとCCDから送られる信号をA/D変換器(図示せず)でデジタル信号に変換し、画像データとしてフレームメモリ108に格納する。第1の画像記録部105a(または第2の画像記録部105b)は、フレームメモリ108に格納された画像データをJPEG等の適切な形式に符号化し、第1の記録媒体104a(または第2の記録媒体104b)に画像ファイル(画像信号)として書き込む。
【0021】
また、画像再生手段である第1の画像再生部106a(または第2の画像再生部106b)は、第1の記録媒体104a(または第2の記録媒体104b)に記録された画像ファイルを読み出す。そして、JPEG等の画像形式を復号化してフレームメモリ108に展開する。展開された画像データは操作パネル109に画像化して表示される。
【0022】
図2(a)は、本実施形態における操作パネル109の一例を示す図である。
表示パネル201は、フレームメモリ108に格納された画像データや特定のビットマップデータを画像化して表示することができる表示デバイスである(例えば、液晶パネル等)。
【0023】
画像戻しボタン202及び画像送りボタン203は、表示パネル201上に表示する画像を選択する際に使用される。上ボタン204及び下ボタン205は、主に表示パネル201に選択可能な複数の項目が表示された場合にカーソルを移動する際に使用される。また、設定ボタン206が押されると、カーソルで選択された項目を実行する。また、メニューボタン207が押されると、現在利用できる機能がメニューとして表示される。
【0024】
媒体切替ボタン208は、第1の記録媒体104aまたは第2の記録媒体104bを切り替える際に使用される。すなわち、媒体切替ボタン208が押されると第1の記録媒体104aから第2の記録媒体104bへ、または第2の記録媒体104bから第1の記録媒体104aへ切り替える。このとき、現在選択されている記録媒体を示すアイコン209も同時に切り替える。
【0025】
図2(b)及び図2(c)は、媒体切替ボタン208が押されたことによって記録媒体が切り替えた場合の表示例を示す図である。媒体切替ボタン208としては、例のようなトグルスイッチ方式以外にもスライドスイッチ方式やメニュー上で媒体切替を実現する方式を用いてもよい。
【0026】
次に、印刷画像指定手段である印刷画像指定部110について説明する。印刷画像指定部110は、記録された画像ファイルから印刷する画像を選択するための手段である。まず、媒体切替ボタン208の押下により再生する記録媒体が選択され、表示パネル201に印刷する画像を表示する。
【0027】
また、複数の画像ファイルが記録媒体に記録されている場合は、画像送りボタン203と画像戻しボタン202とが押されることによって、次に表示する画像または前に表示した画像を順番に表示し、所望の画像を選択できるようにする。また、インデックス画面として、表示パネル201に複数の画像を同時に表示するようにしてもよい。この場合、カーソルを移動させて所望の画像を選択できるようにする。
【0028】
所望の画像が選択されると、その画像に基づく画像ファイルに印刷指定情報を付加して印刷画像リストに追加する。印刷画像リストは「画像ファイル名」及び「印刷枚数」から構成されている。図3(a)は、メニューボタン207の押下に応じて機能メニューを表示したときの画面の一例を示す図である。メニュー項目の中から「印刷指定」項目が選択されて設定ボタン206が押されると、図3(b)に示すような印刷枚数を指定するボックスが表示される。そして、このボックスに印刷したい枚数を入力できるようにする。
【0029】
図2に示す操作パネル109の例では、上ボタン204が押されると印刷枚数が+1加算され、下ボタン205が押されると印刷枚数が−1減算される。また、操作パネル109に数字ボタンを設けて直接数値を入力できるようにしてもよい。その後、設定ボタン206が押されると、選択している画像の「画像ファイル名」と設定した「印刷枚数」が印刷画像リストに追加される。
【0030】
そして、作成された印刷画像リストは選択されている第1の記録媒体104a(または第2の記録媒体104b)に記録される。なお、第1の記録媒体104a(または第2の記録媒体104b)が外された場合でも、次に記録媒体が取り付けられた時に記録媒体から印刷画像リストを読み出すことができる。
【0031】
また、このような印刷画像リストのフォーマットとしてDPOF(Direct Print Order Format)が規格化されている。本実施形態においては、この標準的な規格を用いることにより、他の機器で設定されたDPOF情報を直接読み出すことができ、印刷を実行することができる。
【0032】
次に、印刷条件設定手段である印刷条件設定部111について説明する。印刷条件設定部111は印刷画像リストに設定されている画像を印刷するために印刷条件を設定する手段である。画像再生装置100が印刷装置101に接続されると、データ通信部103から印刷装置101が接続されたことを通知する信号が印刷条件設定部111に送られる。そして、印刷条件設定部111は、印刷装置101が接続されたことを示す画面を表示パネル201に表示する。
【0033】
図4(a)は、印刷装置101が接続された場合に表示される画面の一例を示す図である。印刷装置101が接続された状態でメニューボタン207が押されると、図4(b)に示すメニューが表示される。印刷条件設定部111は、第1の記録媒体104aまたは第2の記録媒体104bに記録されている印刷画像リストを読み出し、指定された画像を順番に印刷する「印刷実行」項目をメニュー項目上に表示する。
【0034】
図4(c)は、メニューから「印刷実行」項目が選択されて設定ボタン206が押されることにより表示される印刷設定入力画面の一例を示す図である。印刷設定入力画面には印刷に関わる印刷パラメータ項目が表示されており、上ボタン204または下ボタン205が押されるとカーソルが印刷パラメータ項目上を移動し、印刷パラメータ項目を選択できるようにしている。設定したい印刷パラメータ項目にカーソルを合わせて設定ボタン206が押されると、印刷パラメータ項目の値を選択するための画面が表示される。
【0035】
図4(d)は、レイアウトパラメータを選択するための画面の一例を示す図である。図4(d)に示すように、選択できるパラメータ値(「フチあり」、「フチなし」、「2面配置」等)が表示されている。上ボタン204または下ボタン205が押されるとカーソルがパラメータ値上を移動し、パラメータ値を選択できるようにしている。設定したいパラメータ値にカーソルを合わせて設定ボタン206が押されると、選択されたレイアウトを設定し、図4(c)に示す印刷設定入力画面に戻る。
【0036】
図4(e)は、印刷する画像のファイルが記録されている記録媒体を選択するための画面の一例を示す図である。図4(e)に示す媒体選択画面では、設定可能な項目として「媒体1」、「媒体2」、・・・「媒体N」と表示される。各項目が選択されて設定ボタン206が押されると、項目左側に記録媒体が選択されたことを示すチェックマークが表示される。図4(e)に示す画面例では、媒体1にはチェックマークが付いており、媒体2にはチェックマークが付いていない状態を示している。なお、記録媒体は複数選択可能である。記録媒体の選択が完了し、「次へ」が選択されて設定ボタン206が押されると、印刷する画像の順序を選択するための画面が表示される。
【0037】
図4(f)は、印刷する画像の順序を選択するための選択画面の一例を示す図である。図4(f)に示す印刷順選択画面では、設定可能な項目として「日付順」、「ファイル名順」、「お気に入り順」、「媒体順」、「媒体順改頁」などが表示されている。上ボタン204または下ボタン205が押されるとカーソルがパラメータ値上を移動し、パラメータ値を選択できるようにしている。設定したいパラメータ値にカーソルを合わせて設定ボタン206が押されると、選択された印刷順を設定し、図4(c)に示す印刷設定入力画面に戻る。
【0038】
印刷順の一例の「日付順」では、選択された記録媒体に記録されている画像ファイルを撮影時間順に並べて画像化して印刷することによって、記録媒体を通して時系列順に印刷できる。また、「ファイル名順」では、ファイル名順に並べて印刷することによって、フォルダ名やファイル名で画像をグループ化している場合などにおいてグループ順に印刷できる。
【0039】
また、本実施形態においては、画像のヘッダ情報等に、その画像のお気に入り度(例えば、その画像を再生した回数等)を示す情報を入力することができ、そのお気に入り度順に並べて印刷する「お気に入り順」という項目を設けている。この項目が選択されると、自分のお気に入り画像の印刷物を先に確認することができる。
【0040】
また、「媒体順」では、画像の並び替えを行わず、選択された記録媒体順、かつ、それぞれの印刷画像リスト順に印刷を実行することによって、記録媒体毎に印刷物を容易に管理できる。さらに、「媒体順改頁」では、同様に記録媒体順に印刷を実行するが、記録媒体の変わり目で必要ならば改頁を行う。「媒体順改頁」では、レイアウトパラメータで2面配置等の一枚の用紙に複数の画像を印刷するレイアウトが選択された場合に、一枚の用紙に異なる記録媒体の画像が混在して印刷されることを防ぐことができ、記録媒体毎に印刷する用紙を分けることができる。
【0041】
また、図4(c)における「情報印刷」項目が選択されて設定ボタン206が押されると、「入」と「切」とを切り替える。「情報印刷」項目が「入」の場合は、画像のファイル名、撮影日時の画像情報を画像とともに印刷する。さらに、複数の記録媒体の画像を印刷する場合は、どの記録媒体に記録された画像ファイルの画像かを示す情報(例えば、「カード」、「ディスク」等の文字列)を印刷することによって、使用者が記録媒体を特定でき、画像の管理をより容易にできる。
【0042】
記録媒体を示す情報としては、アイコン等の記号で印刷してもよい。また、記録媒体毎に画像情報の印刷文字色を変えることによって記録媒体を示すようにしてもよい。これにより、印刷スペースを小さくでき、画像情報を印刷するスペースが十分になくとも情報を与えることができる。
【0043】
また、図4(c)における「重複印刷」項目が選択されて設定ボタン206が押されると、「入」と「切」とを切り替える。「重複印刷」項目が「切」の場合は、第1の記録媒体104aと第2の記録媒体104bとに全く同一の画像ファイルが存在したとき、そのどちらか一方の画像ファイルを画像化して印刷しないようにすることができる。それとは逆に「重複印刷」項目が「入」の場合は、第1の記録媒体104aと第2の記録媒体104bとに全く同一の画像ファイルが存在したときであっても、両方とも印刷するようにできる。
【0044】
「重複印刷」を「切」に設定すると、全く同じ画像が印刷されることを防ぐことができ、印刷時間及び消耗品の無駄を抑えることができる。また、前述した「情報印刷」項目が「入」の場合は、コピーされた画像が存在することを示す情報をオリジナルの画像情報とともに印刷してもよい。各印刷パラメータを所望の値に設定した後、「プリント」にカーソルを合わせ設定ボタン206が押されると、設定された印刷パラメータで印刷を実行する。
【0045】
次に、印刷処理手段である印刷処理部112について説明する。印刷処理部112は、印刷条件設定部111からの指示によって、印刷画像リストと印刷パラメータから印刷装置101に送信する印刷情報を生成する手段である。印刷情報は、印刷条件設定部111において設定された印刷パラメータと印刷する画像を指示する画像情報リストとで構成されている。
【0046】
図5は、本実施形態における印刷処理部112による処理手順の一例を示すフローチャートである。
まず、第1の記録媒体104aまたは第2の記録媒体104bに対応する印刷画像リストから画像ファイル名及びその画像ファイルに対応する印刷枚数の画像情報を読み出す(ステップS501)。次に、印刷装置101との通信方式に則った画像情報に変換する(ステップS502)。
【0047】
次に、印刷条件設定部111によって選択された印刷順に応じて、画像情報を画像情報リストの所定の位置に追加する(ステップS503)。そして、印刷画像リストの終端まで画像情報の読み出しが完了したか否かを判断する(ステップS504)。この判断の結果、終端まで画像情報の読み出しが完了していない場合は、ステップS501に戻る。
【0048】
一方、ステップS504の判断の結果、終端まで画像情報の読み出しが完了した場合は、すべての記録媒体から画像情報の読み出しが完了したか否かを判断する(ステップS505)。この判断の結果、すべての記録媒体から画像情報の読み出しが完了していない場合は、次に読み出す記録媒体に設定を変更し(ステップS506)、ステップS501に戻る。
【0049】
一方、ステップS505の判断の結果、すべての記録媒体から画像情報の読み出しが完了した場合は、データ通信部103に対して印刷情報、印刷ジョブ及び画像データを印刷装置101に送信するように指示を出す(ステップS507)。その後、印刷装置101から印刷完了通知を受け取り印刷処理を完了させる(ステップS508)。
【0050】
図6は、画像情報リストの一例を示す図である。画像情報リストには記録媒体番号、画像ファイル名、印刷枚数、撮影日時、お気に入り度等の情報が登録されている。画像情報を画像情報リストの所定の位置に追加する処理(ステップS503)において、印刷順が「日付順」に設定されている場合は、図6(a)に示すような順序で作成される。具体的には、追加する画像の撮影日時と画像情報リストに登録されている画像の撮影日時とを先頭から大小を比較し、追加すべき位置を決定する。なお、印刷順が「ファイル名順」や「お気に入り順」に設定されている場合も同様である。また、先頭から順に比較していく以外にも、より高速な他のソート方法を利用してもよい。
【0051】
図6(b)は、媒体順に登録した結果を示す図である。印刷順が「媒体順」や「媒体順改頁」に設定されている場合は、特にソートする必要はなく、画像情報リストの最後尾に追加していくだけでよい。
【0052】
また、「重複印刷」が「切」に設定されている場合は、画像情報リストに登録されている画像と比較して、同一の画像であった場合は登録しないようにする。このとき、比較する方法として、画像ファイル全体を完全に比較する以外に、オリジナル画像ファイル名や撮影日時、ファイルサイズ等のヘッダ情報のみから同一性を判断することによって、比較時間を短縮するようにしてもよい。
【0053】
最終的な印刷結果の例を図7に示す。図7(a)は、9面配置レイアウトで印刷された結果を示しており、日時順に印刷されている。図7(b)は、同様に9面配置レイアウトで印刷された結果を示しており、記録媒体順に印刷されている。
【0054】
以上のように本実施形態においては、複数の記録媒体に記録されている画像を所望の順序で印刷することができ、複数の記録媒体に記録されている画像を同じ用紙にN面配置印刷することができる。また、印刷する前にユーザがコピー操作を実行する必要がないため印刷操作にかかる時間を短縮することができる。さらに、記録媒体の空き容量を無駄にせずに印刷でき、記録媒体に空き容量がない場合でも印刷することができる。また、画像の印刷順を使用者が任意に設定できるため、意図しない印刷結果を防ぎ、時間と消耗品の無駄を省くことができる。
【0055】
(本発明に係る他の実施形態)
前述した本発明の実施形態における画像再生装置を構成する各手段、並びに画像再生装置の制御方法の各工程は、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は本発明に含まれる。
【0056】
また、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0057】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図5に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムまたは装置に直接、または遠隔から供給する場合も含む。そして、そのシステムまたは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
【0058】
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0059】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
【0060】
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスクなどがある。さらに、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリーカード、ROM、DVD(DVD−ROM、DVD−R)などもある。
【0061】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する方法がある。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記憶媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
【0062】
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0063】
また、その他の方法として、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0064】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。さらに、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0065】
さらに、その他の方法として、まず記憶媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリーに書き込まれる。そして、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施形態における画像再生装置の機能構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態における画像再生装置の操作パネルの一例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態において、画像再生装置の操作パネルにおける機能メニューの表示例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態において、画像再生装置の操作パネルにおける印刷設定画面の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態において、印刷処理部による処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態の印刷処理部が生成する画像情報リストの一例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態における印刷結果の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0067】
100 画像再生装置
101 印刷装置
102 接続ケーブル
103 データ通信部
104a 第1の記録媒体
104b 第2の記録媒体
105a 第1の画像記録部
105b 第2の画像記録部
106a 第1の画像再生部
106b 第2の画像再生部
107 撮像部
108 フレームメモリ
109 操作パネル
110 印刷画像指定部
111 印刷条件設定部
112 印刷処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の記録媒体から画像信号を再生する画像再生手段と、
前記画像再生手段により再生された画像信号に対して印刷指定情報を付加する印刷画像指定手段と、
前記印刷画像指定手段により前記印刷指定情報が付加された画像信号の印刷条件を設定する印刷条件設定手段と、
前記印刷条件設定手段により設定された印刷条件に応じて、前記複数の記録媒体に記録されている画像信号に係る画像を並べて印刷装置に印刷させる印刷処理手段とを有することを特徴とする画像再生装置。
【請求項2】
前記印刷処理手段は、前記複数の記録媒体に記録された画像信号に係る画像を並べて印刷させる場合に、前記印刷条件に定められた記録媒体の順序で前記画像信号に係る画像を前記印刷装置に印刷させることを特徴とする請求項1に記載の画像再生装置。
【請求項3】
前記印刷処理手段は、ある記録媒体に記録されている画像信号に係る画像の印刷完了後に用紙を改頁し、次の記録媒体に記録されている画像信号に係る画像を次の用紙から前記印刷装置に印刷させることを特徴とする請求項2に記載の画像再生装置。
【請求項4】
前記印刷条件設定手段は、画像信号が記録されている記録媒体を示す情報を前記画像信号に係る画像とともに印刷するように設定する設定手段を有し、
前記印刷処理手段は、前記設定手段による設定に応じて、前記記録媒体を示す情報を前記画像信号に係る画像とともに前記印刷装置に印刷させることを特徴とする請求項1に記載の画像再生装置。
【請求項5】
前記印刷処理手段は、前記記録媒体を示す情報を前記画像信号に係る画像とともに印刷させる場合に、記録媒体毎に文字色を変えて印刷させることを特徴とする請求項4に記載の画像再生装置。
【請求項6】
前記印刷処理手段は、2つの記録媒体に同一の画像信号が記録されている場合、一方の記録媒体に記録されている画像信号に係る画像を印刷させ、もう一方の記録媒体に記録されている同一の画像信号に係る画像を印刷させないようにすることを特徴とする請求項1に記載の画像再生装置。
【請求項7】
前記印刷処理手段は、同一の画像が存在することを示す情報を前記画像信号に係る画像とともに印刷させることを特徴とする請求項6に記載の画像再生装置。
【請求項8】
前記印刷処理手段は、前記画像信号のヘッダ情報を比較して同一の画像信号かどうかを判断することを特徴とする請求項6に記載の画像再生装置。
【請求項9】
複数の記録媒体から画像信号を再生する画像再生工程と、
前記画像再生工程において再生された画像信号に対して印刷指定情報を付加する印刷画像指定工程と、
前記印刷画像指定工程において前記印刷指定情報が付加された画像信号の印刷条件を設定する印刷条件設定工程と、
前記印刷条件設定工程において設定された印刷条件に応じて、前記複数の記録媒体に記録されている画像信号に係る画像を並べて印刷装置に印刷させる印刷処理工程とを有することを特徴とする画像再生装置の制御方法。
【請求項10】
複数の記録媒体から画像信号を再生する画像再生工程と、
前記画像再生工程において再生された画像信号に対して印刷指定情報を付加する印刷画像指定工程と、
前記印刷画像指定工程において前記印刷指定情報が付加された画像信号の印刷条件を設定する印刷条件設定工程と、
前記印刷条件設定工程において設定された印刷条件に応じて、前記複数の記録媒体に記録されている画像信号に係る画像を並べて印刷装置に印刷させる印刷処理工程とをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−129651(P2008−129651A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−310568(P2006−310568)
【出願日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】