説明

画像処理システム、情報処理装置、画像処理装置、情報処理装置の制御方法、画像処理装置の制御方法、及びプログラム

【課題】送信先の画像処理装置がバージョンアップされても、送信元の画像処理装置から送信先の画像処理装置に処理フローを再送信することなく、送信先の画像処理装置で処理フローを実行することができる画像処理システムを提供する。
【解決手段】送信元の画像処理装置110は、処理フローの送信前に処理フローが送信先の画像処理装置120で実行可能か否かを解析し、実行不可能な場合には解析結果に基づき実行不可能なタスクに対して代替設定を行う。送信元の画像処理装置110は、代替設定を行った処理フローを送信先の画像処理装置120に送信する。送信先の画像処理装置120は、処理フローの実行に失敗する際には、受信した処理フローに含まれる代替設定に基づき処理フローを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理フローを送信する情報処理装置と受信した処理フローを実行する画像処理装置とを備える画像処理システム、画像処理システムを構成する情報処理装置、画像処理装置、情報処理装置の制御方法、画像処理装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像処理装置として、プリントやスキャン、電子メール送信、ファックス送信等の複数の機能を備えるものがある。このような画像処理装置が備える複数の機能(以下、タスクという)を繋ぎ合わせて時系列的に処理を実行することを目的に生成される、設定値を含む一連のタスクの組み合わせを処理フローという。この処理フローは、表示部にボタン等で表示され、ユーザのボタン押下により実行される。
【0003】
この処理フローは、機種の異なる画像処理装置間で共有することが可能である。例えば、送信元の画像処理装置で生成した処理フローを送信先の画像処理装置に送信して実行することが可能である。
【0004】
しかし、送信元の画像処理装置で生成された処理フローを送信先の画像処理装置に送信して実行する場合、送信元には存在するが送信先には存在しない機能があると、送信先の画像処理装置では送信元の画像処理装置とは実行結果が異なる。このため、ユーザが意図した処理フローを実行することができない。
【0005】
異なる機種間で処理フローを共有する方法として、例えば、送信元の画像処理装置が処理フローを、処理フロー管理サーバを経由して送信先の画像処理装置に送信する方法が提案されている。
【0006】
この提案では、処理フロー管理サーバは、送信先の画像処理装置で受信した処理フローが実行できないと判断した場合には、実行可能な設定値の範囲を送信元の画像処理装置に送信する。その後、処理フロー管理サーバは、送信元の画像処理装置の表示部に前記設定値の選択画面を表示させる。
【0007】
また、ユーザが任意の値を入力することで、処理フローの設定を送信先の画像処理装置でも実行できる形式に変換する画像処理装置が提案されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2007−088663号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、送信元の画像処理装置では、処理フローを送信先の画像処理装置に送信する際に、処理フローの機能を変換してしまうことがあり、この場合、変換された処理フローは、ユーザが意図した処理フローとは異なるものとなる。
【0009】
一方、処理フローを受信した送信先の画像処理装置が持つアプリケーション、もしくは画像処理装置自体のコントローラファームウェアのバージョンが更新されて、ユーザが意図した処理フローが実行できるようになる場合がある。
【0010】
しかし、この場合、処理フローの機能が送信元の画像処理装置で変換されているため、ユーザが意図した処理フローを実行するためには、送信元の画像処理装置から処理フローを送信先の画像処理装置に再度送信しなければならなくなる。
【0011】
本発明の目的は、送信先の画像処理装置がバージョンアップされても、送信元の画像処理装置から送信先の画像処理装置に処理フローを再送信することなく、送信先の画像処理装置で処理フローを実行することができる画像処理システム等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の画像処理システムは、複数の機能を組み合わせてそれらを一連の処理として実行するための処理内容を表す処理フローを送信する情報処理装置と、前記情報処理装置から送信された前記処理フローを受信して、該処理フローを実行する画像処理装置と、を備える画像処理システムであって、前記情報処理装置は、前記画像処理装置の装置情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記画像処理装置の装置情報に基づいて、前記処理フローに含まれる設定値のうち、前記画像処理装置で設定できない設定値を特定する特定手段と、前記特定手段が特定した設定値に対して、前記画像処理装置で設定可能な代替設定値を決定する決定手段と、前記処理フローと前記特定手段が特定した設定値と前記決定手段が決定した代替設定値とに基づいて、前記特定手段が特定した設定値による処理内容と、前記代替設定値による処理内容の何れかを選択的に実行可能な代替処理フローを生成する代替処理フロー生成手段と、前記代替処理フローを前記画像処理装置へ送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の情報処理装置は、複数の機能を組み合わせてそれらを一連の処理として実行するための処理内容を示す処理フローを記憶する情報処理装置であって、前記処理フローの送信先である画像処理装置の装置情報に基づいて、前記処理フローに含まれる設定値のうち、前記画像処理装置で設定できない設定値を特定する特定手段と、前記特定手段が特定した設定値に対して、前記画像処理装置で設定可能な代替設定値を決定する決定手段と、前記処理フローと前記特定手段が特定した設定値と、前記決定手段が決定した代替設定値とに基づいて、前記特定手段が特定した設定値による処理内容と、前記代替設定値による処理内容の何れかを選択的に実行可能な代替処理フローを生成する代替処理フロー生成手段と、前記代替処理フローを前記画像処理装置へ送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
本発明の画像処理装置は、複数の機能を組み合わせてそれらを一連の処理として実行するための処理内容を表す処理フローを実行する画像処理装置であって、前記処理フローを情報処理装置から受信する受信手段と、前記情報処理装置から受信した処理フローを実行する実行手段と、を備え、前記実行手段は、前記処理フロー中に前記画像処理装置に設定することのできない設定値が含まれている場合に、前記処理フローに含まれる代替の設定値を設定することを特徴とする。
【0015】
本発明の情報処理装置の制御方法は、複数の機能を組み合わせてそれらを一連の処理として実行するための処理内容を示す処理フローを記憶する情報処理装置の制御方法であって、前記処理フローの送信先である画像処理装置の装置情報に基づいて、前記処理フローに含まれる設定値のうち、前記画像処理装置で設定できない設定値を特定する特定ステップと、前記特定ステップで特定された設定値に対して、前記画像処理装置で設定可能な代替設定値を決定する決定ステップと、前記処理フローと前記特定ステップで特定された設定値と、前記決定ステップで決定された代替設定値とに基づいて、前記特定ステップで特定した設定値による処理内容と、前記代替設定値による処理内容の何れかを選択的に実行可能な代替処理フローを生成する代替処理フロー生成ステップと、前記代替処理フローを前記画像処理装置へ送信する送信ステップと、を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明の画像処理装置の制御方法は、複数の機能を組み合わせてそれらを一連の処理として実行するための処理内容を表す処理フローを実行する画像処理装置の制御方法であって、前記処理フローを情報処理装置から受信する受信ステップと、前記情報処理装置から受信した処理フローを実行する実行ステップと、を備え、前記実行ステップは、前記処理フロー中に前記画像処理装置に設定することのできない設定値が含まれている場合に、前記処理フローに含まれる代替の設定値を設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、送信先の画像処理装置が処理フローの実行に失敗する場合の代替処理を送信元の情報処理装置で事前に設定することができる。この代替設定は、処理フロー自体を変換してしまうのではなく、画像処理装置が実行に失敗する場合に参照する設定値である。
【0018】
そのため、送信先(受信側)の画像処理装置において、アプリケーションやコントローラファームウェアのバージョンアップによって元々処理フローが実現したかった処理に対応した場合には、代替の設定値ではなく本来の設定値を参照することができる。これにより、送信先の画像処理装置がバージョンアップされても、送信元の情報処理装置から送信先の画像処理装置に処理フローを再度送信することなく、送信先の画像処理装置で処理フローを実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0020】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態である画像処理システムの構成例を説明するための図である。
【0021】
図1に示すように、本実施形態の画像処理システムは、画像処理装置110、画像処理装置120、クライアントPC101、及びデバイス管理サーバ102がLAN100等の通信手段を介して互いに通信可能に接続されている。なお、通信手段としては、LANに限らず、例えば、WAN(公衆回線)などの任意のネットワーク、USBなどのシリアル伝送方式、セントロニクスやSCSIなどのパラレル伝送方式なども適用可能である。
【0022】
本実施形態では、画像処理装置110及び120は共に同一構成であるため、画像処理装置110について説明すると、画像処理装置110は、スキャナ部112、プリンタ部113、及び操作部111を備え、コピー機能及びファクシミリ機能も有する。
【0023】
また、画像処理装置110は、スキャナ部112で読み取った原稿の画像データをLAN100上の指定した装置に送信するデータ送信機能を有する。更に、画像処理装置110は、画像を添付ファイルとして電子メールを作成し、メールサーバ(不図示)を利用して電子メールを送信することができる。更に、画像処理装置110は、PDL(Page Description Language)解釈機能とレンダリング機能とを有し、LAN100上に接続されているクライアントPC101からPDLデータを受信してプリンタ部113で印刷することが可能である。
【0024】
また、画像処理装置110は、スキャナ部112で読み取った画像データや、クライアントPC101から指示されたPDLデータを、HDD204(図2)の特定領域に保存することが可能である。また、画像処理装置110は、スキャナ部112で読み取った原稿の画像データをHDD204にデジタル画像データとして保存し、HDD204に保存されたデジタル画像データをプリンタ113で印刷することが可能である。
【0025】
デバイス管理サーバ102は、各画像処理装置110,120について、例えば、トナーが少なくなっている、紙詰まりを引き起こしている等のステータスを管理したり、スキャンや印刷、送信等の各ジョブログを管理し、課金情報を集計したりすることもできる。また、デバイス管理サーバ102は、各画像処理装置110,120に対してアプリケーションを配信してアプリケーションのバージョンアップを行うことができる。更に、デバイス管理サーバ102は、各画像処理装置110,120に対してコントローラファームウェア自体を配信しファームウェアのバージョンアップをすることも可能である。
【0026】
図2は、画像処理装置110,120の制御系を説明するためのブロック図である。
【0027】
図2に示すように、コントローラ200には、操作部111、スキャナ部112、プリンタ部113と電気的に接続されている。
【0028】
スキャナ部112は、原稿の画像を露光走査して得られた反射光をCCDセンサ等に入力することで画像の情報を電気信号に変換する。そして、スキャナ部112は、変換した電気信号をR,G,B各色からなる輝度信号に変換し、該輝度信号をデジタル画像データとしてコントローラ200に出力する。
【0029】
なお、原稿は原稿フィーダにセットされ、ユーザが操作部111から読み取り開始を指示すると、コントローラ200からスキャナ部112に原稿読み取り指示が与えられる。スキャナ部112は、読み取り指示を受けると原稿フィーダから原稿を1枚ずつフィードして、原稿の読み取り動作を行う。なお、原稿の読み取り方法は、原稿フィーダによる自動送り方式ではなく、原稿を不図示のガラス面に載置し露光部を移動させることで原稿の走査を行う方法であってもよい。
【0030】
プリンタ部113は、コントローラ200から受け取った画像データをシート上に画像として形成する。なお、本実施形態での画像形成方式は感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式となっているが、これに限られることはない。例えば、画像形成方式として、微少ノズルアレイからインクを吐出してシート上に印字するインクジェット方式などでも適用可能である。
【0031】
コントローラ200は、CPU201、ROM202、RAM203、HDD204、操作部I/F205、ネットワークI/F206、モデム207、スキャナI/F208、画像処理部209、及びプリンタI/F210を備える。
【0032】
CPU201は、ROM202に記憶された制御プログラム等に基づいて画像処理装置110全体を制御する。
【0033】
ROM202は、ブートプログラムなどが格納する。RAM203は、CPU201が動作するためのシステムワークメモリであり、かつ画像データを一時記憶するためのメモリでもある。また、RAM203は、電源のバックアップ等により記憶した内容を装置本体の電源オフ後も保持する領域と、電源オフ後には記憶した内容が消去する領域により構成されている。
【0034】
HDD204は、ハードディスクドライブであり、システムソフトウェアや画像データを格納する。操作部I/F205は、システムバス211と操作部111とを接続するためのインターフェース部である。操作部I/F205は、操作部111に表示するための画像データをシステムバス211から受け取り、操作部111に出力すると共に、操作部111から入力された情報をシステムバス211へ出力する。
【0035】
ネットワークI/F206は、LAN100及びシステムバス211に接続し、情報の入出力を行う。モデム207は、WAN(不図示)及びシステムバス211に接続し、情報の入出力を行う。
【0036】
スキャナI/F208は、スキャナ部112から受け取った画像データに対して、補正、加工、及び編集を行う。なお、スキャナI/F208は、受け取った画像データがカラー原稿か白黒原稿か、文字原稿か写真原稿かなどを判定する機能を持つ。
【0037】
画像形成部209は、画像データの方向変換、画像圧縮、伸張部などを行う。また、画像処理部209は、HDD204に保存されている画像同士を合成して一枚の画像にすることが可能である。
【0038】
プリンタI/F210は、画像処理部209から送られた画像データを受け取り、この画像データに付随する属性データを参照しながら画像データに画像形成を施し、画像形成後の画像データをプリンタ部113に出力する。
【0039】
なお、画像処理装置110に対するユーザ指示やユーザへの情報提示は、例えば、操作部111を介して行うようにしてもよいし、LAN100を介して接続されたクライアントPC104を介して行うようにしてもよい。
【0040】
図3は、CPU201により実行されるソフトウェアモジュールの構成例を説明するためのブロック図である。
【0041】
図3において、表示部301は、操作部I/F205を介して操作部111に表示を行ったり、操作部111からのユーザの入力を処理したりするソフトウェアモジュールである。
【0042】
制御部302は、コントローラ200の各種ハードウェアの制御、ソフトウェアモジュール間の機能制御等を行う基幹ソフトウェアモジュールである。
【0043】
通信部303は、ネットワークI/Fやモデム207を操作して通信を行うソフトウェアモジュールである。
【0044】
処理フロー記憶部304は、処理フローを保存しておくための領域であり、HDD204内に存在する。処理フローとは、画像処理装置110、120が備える複数の機能を組み合わせてそれらを一連の処理として実行するための処理内容を表すものである。処理内容の記述については後に詳述する。
【0045】
処理フロー表示手段305は、処理フローの表示に関する情報を表示部301との間で受け渡すソフトウェアモジュールである。
【0046】
処理フロー管理手段306は、処理フロー記憶部304から処理フローを読み出したり、処理フロー記憶部304に対して処理フローを保存したりする等の処理フロー記憶部304の管理を行うソフトウェアモジュールである。
【0047】
処理フロー実行手段307は、処理フローの実行を行うソフトウェアモジュールである。
【0048】
処理フロー送信手段308は、処理フローを他の画像処理装置120(又は110)に送信するためのソフトウェアモジュールである。
【0049】
処理フロー受信手段309は、他の画像処理装置120(又は110)から処理フローを受信するためのソフトウェアモジュールである。
【0050】
処理フロー解析手段310は、処理フロー受信手段309により受信した処理フローを画像処理装置110上で実行可能か否かを解析するソフトウェアモジュールである。処理フロー解析手段310は、実行可能な場合には実行可能であるという解析結果を解析結果リスト311に記録し、実行不可能な場合には実行不可能であるという解析結果を解析結果リスト311に記録する。また、処理フロー解析手段310は、実行不可能な場合には併せて実行不可能なパラメータ情報を解析結果リスト311に記録する。
【0051】
処理フロー設定手段312は、処理フロー解析手段310により解析された解析結果リスト311が実行不可能な場合に、解析結果リスト311中の実行不可能なパラメータ情報を基に設定処理を行うためのソフトウェアモジュールである。
【0052】
処理フロー変換設定手段313は、処理フロー設定手段312により処理フローを変換する設定が選択された場合に、変換処理フロー生成処理を行うためのソフトウェアモジュールである。
【0053】
処理フロー代替設定手段314は、処理フロー設定手段312により処理フローを代替設定する設定が選択された場合に、代替処理フロー生成処理を行うためのソフトウェアモジュールである。
【0054】
図4は、画像処理装置110から画像処理装置120に処理フローを送信する際の処理シーケンスを説明するための説明図である。
【0055】
まず、画像処理装置110からユーザが選択した任意の処理フローを画像処理装置120に送信する(図中の(1)処理フローを送信する)。
【0056】
画像処理装置120は、受信した処理フローを画像処理装置120で実行可能か否かを解析する(図中の(2)処理フローの解析)。また、画像処理装置120は、解析結果を画像処理装置110に送信する(図中の(3)解析結果を送信する)。
【0057】
画像処理装置110は、受信した解析結果が実行不可能である場合、画像処理装置120で実行に失敗する際の処理を設定する(図中の(4)処理フローの設定)。また、画像処理装置110は、設定した処理フローを画像処理装置120に送信する(図中の(5)処理フローを送信する)。
【0058】
画像処理装置120は、受信した処理フローを実行し、実行に失敗する場合には、処理フロー設定手段312により設定した処理を実行する(図中の(6)処理フローの実行)。
【0059】
なお、本実施形態において、処理フローを送信する側の装置である画像処理装置110を、パーソナルコンピュータが行うようにしてもよいものとする。本実施形態において、画像処理装置、或いはパーソナルコンピュータなどを総称して情報処理装置と呼ぶ。
【0060】
図5は、画像処理装置110において、画像処理装置120に処理フローを送信する処理を説明するためのフローチャート図である。図5での各処理は、図4の「(1)処理フローを送信する」に相当し、画像処理装置110のROM202やHDD204等に記憶されたプログラムがRAM203にロードされて、CPU201により実行される。
【0061】
ステップS500では、CPU201は、処理フロー管理手段306を制御して、処理フロー記憶部304に保存されている処理フローを読み出し、ステップS501に進む。
【0062】
ステップS501では、CPU201は、処理フロー表示手段305を制御して、表示部301に処理フローの送信設定画面600(図6参照)を表示し、ステップS502に進む。
【0063】
ステップS502では、CPU201は、処理フロー送信手段308を制御して、送信設定画面600でユーザが選択した処理フローを通信部303を介して画像処理装置120に送信し、処理を終了する。
【0064】
図6は、図5のステップS501において表示部301に表示される処理フローの送信設定画面600の一例を示す図である。
【0065】
図6に示すように、送信設定画面600には、配信先601とステータス602が表示されており、この例では画像処理装置Bと画像処理装置Cに対しては処理フローが未送信であり、画像処理装置Dに対しては送信済みでOKの表示となっている。処理フローの送信をキャンセルする場合は、キャンセルボタン606が押下し、処理フローの送信を実行する場合は、送信ボタン607が押下する。
【0066】
図7は、図5のステップS502において、画像処理装置110から画像処理装置120に送信される処理フローの定義700を説明するための図である。
【0067】
図7に示すように、処理フローの定義700は階層構造になっており、この例ではスキャン処理701と送信処理702が定義されていて、送信処理の構成要素の1つとしてファイル形式の処理703が存在する。この場合、ファイル形式としてXPS(XML Paper Specification)704が選択されている。また、本実施形態では処理フローの定義はXMLで記述するものとするが他の記述方法でも構わない。
【0068】
図8は、画像処理装置120において、画像処理装置110から受信した処理フローが実行可能か否かを判断する処理を説明するためのフローチャート図である。図8での各処理は、図4の「(2)処理フローの解析」に相当し、画像処理装置120のROM202やHDD204等に記憶されたプログラムがRAM203にロードされて、CPU201により実行される。なお、説明の便宜上、以下の説明では、画像処理装置120側のCPU201をCPU201Aとして説明する。
【0069】
ステップS800では、CPU201Aは、画像処理装置110から送信された処理フローを通信部303を介して処理フロー受信手段309により受信し、ステップS801に進む。
【0070】
ステップS801では、CPU201Aは、ステップS800で受信した処理フローの処理フロー解析手段310による解析を開始し、ステップS802に進む。
【0071】
ステップS802では、CPU201Aは、受信した処理フローが画像処理装置120で実行可能であるか否かを判断するために、処理フロー解析手段310は処理フロー定義の全てのパラメータに対して実行可能なパラメータか否かを解析により決定する。
【0072】
ここで、処理フロー解析手段310による実行可能であるか否かのパラメータ解析は、受信した処理フローの定義、図7の符号701〜704にある各設定項目の設定値が画像処理装置120の持つ各設定項目の設定値として存在するかを確認する。
【0073】
次に、ステップS803では、CPU201Aは、受信した処理フローの持つ設定値が画像処理装置120の持つ設定値として存在しない(あるいは、画像処理装置120が受信した設定値を設定できない)場合は、ステップS805に進む。この場合、CPU201Aは、実行不可能なパラメータと判断する。また、CPU201Aは、受信した処理フローの持つ設定値が画像処理装置120の持つ設定値として存在する場合は実行可能なパラメータと判断して、ステップS804に進む。
【0074】
ステップS804では、CPU201Aは、処理フロー解析手段310により、受信した処理フローの持つ設定値が実行可能なパラメータであることを解析結果リスト311に記録する。
【0075】
一方、ステップS805では、CPU201Aは、処理フロー解析手段310により、受信した処理フローの持つ設定値が実行不可能なパラメータであることを解析結果リスト311に記録し、ステップS806に進む。
【0076】
ステップS806では、CPU201Aは、処理フロー解析手段310により、実行不可能となるパラメータ、及びその設定項目(例えばファイル形式)において実行可能なパラメータリストを解析結果リスト311に記録する。
【0077】
図9を参照して、ステップS803〜806の処理を具体的に説明する。
【0078】
図9は、解析結果リスト311の一例を示す図であり、解析結果リスト311は、図7の処理フローの定義700を解析した結果である。解析結果リスト311のNo.1及びNo.2は、図7の701の各設定項目を解析した解析結果である。
【0079】
ステップS803での判断は、この場合、図7の符号701で定義される設定項目が画像処理装置120に存在するため、実行可能なパラメータとされ、ステップS804で実行可能なパラメータであることが解析結果リスト311に記録される。
【0080】
解析結果リスト311のNo.3は、図7の符号702〜704の解析結果を示したものである。この場合、ステップS803での判断は、送信タスクのファイル形式としてXPSが実行不可能とされ、ステップS805で実行不可能なパラメータであることが解析結果リスト311に記録される。
【0081】
ステップS806では、実行不可能となるパラメータを解析結果リスト311に記録し、また、画像処理装置120がXPSの他にファイル形式として実行可能な項目をパラメータリスト904として解析結果リスト311に記録する。
【0082】
図8に戻って、ステップS807では、処理フローに定義される全てのパラメータの解析の終了後、CPU201Aは、処理フロー解析手段310により、解析結果リスト311に実行可能なパラメータが存在するかを確認する。
【0083】
そして、CPU201Aは、実行可能なパラメータが存在する場合は、ステップS808に進み、実行可能なパラメータが存在しない場合は、ステップS809に進む。
【0084】
ステップS808では、CPU201Aは、処理フロー解析手段310により、解析結果リスト311の判定欄905に全てのパラメータが実行可能であることを記録し、処理フロー管理手段306により、受信した処理フローを処理フロー記憶部304に保存する。
【0085】
ステップS809では、CPU201Aは、処理フロー解析手段310により、解析結果リスト311の判定欄905に実行可能なパラメータが存在しないことを記録し、処理フロー管理手段306により、受信した処理フローを破棄する。
【0086】
次に、ステップS810では、CPU201Aは、処理フロー送信手段308により、通信部303を介して解析結果リスト311を画像処理装置110に送信し(図4の「(3)解析結果を送信する」に相当)、処理を終了する。
【0087】
図10は、画像処理装置110における処理フロー設定処理について説明するためのフローチャートである。図10での各処理は、図4の「(3)処理フローの設定」に相当し、画像処理装置110のROM202やHDD204等に記憶されたプログラムがRAM203にロードされて、CPU201により実行される。
【0088】
ステップS1000では、CPU201は、処理フロー受信手段309により画像処理装置120から解析結果リスト311を受信し、ステップS1001に進む。
【0089】
ステップS1001では、CPU201は、受信した解析結果リスト311の解析結果が実行可能であるかを判定欄905を参照して判断し、実行可能である場合は、ステップS1005に進み、実行可能でない場合は、ステップS1002に進む。
【0090】
ステップS1005では、CPU201は、処理フロー表示手段305により、送信は正常に完了したことを表示部に表示し、処理を終了する。
【0091】
ステップS1002では、CPU201は、解析結果リスト311中の全ての実行不可能なパラメータに対して解析を開始し、ステップS1003に進む。
【0092】
ステップS1003では、CPU201は、実行不可能なパラメータの解析処理を行い、ステップS1004に進む。なお、実行不可能なパラメータの解析処理の詳細は後述する。
【0093】
ステップS1004では、CPU201は、処理フロー送信手段308により、設定した処理フローを通信部303を介して画像処理装置120に送信し(図4の「(5)処理フローを送信する」に相当)、処理を終了する。
【0094】
図11は、図10のステップS1003における処理フロー中の実行不可能なパラメータの解析処理について説明するためのフローチャート図である。
【0095】
まず、ステップS1100では、CPU201は、解析結果リスト311から実行不可能なパラメータと設定可能なパラメータリスト904を読み込み、ステップS1101に進む。
【0096】
ステップS1101では、CPU201は、画像処理装置110が設定可能なパラメータと解析結果リスト311の設定可能なパラメータリスト904とを比較することで、実行不可能パラメータを実行可能な設定に置き換えることができるか否かを判断する。
【0097】
そして、CPU201は、解析結果リスト311の設定可能なパラメータリスト904のパラメータに画像処理装置110が設定可能なパラメータが存在しない場合には、置き換え不可能と判断して、ステップS1110に進む。
【0098】
一方、CPU201は、解析結果リスト311の設定可能なパラメータリスト904のパラメータに画像処理装置110が設定可能なパラメータが存在する場合には、置き換え可能と判断して、ステップS1102に進む。
【0099】
ステップS1102では、CPU201は、処理フロー代替設定手段313により設定された代替の設定値を送信先の画像処理装置120において参照することがないかどうかを判断する。
【0100】
例えば、画像処理装置110がカラーモデルの機種であり、処理フローにカラースキャンの設定がされているのに対し、送信先の画像処理装置120がモノクロの機種であり、モノクロのスキャンしか行えない場合を考える。
【0101】
この場合、画像処理装置120のバージョンアップによりカラースキャンに対応するとは考えにくい。このような設定値に対して事前にリストを持たせておき、そのリストに一致するものに対しては当該判断処理によってこの処理フローはモノクロスキャンに変換するべきフローと判断する。
【0102】
処理フローの変換とは、送信先の画像処理装置120で実行できる形式に処理フローの定義自体を変更することをいう。また、処理フローの代替設定とは、送信先の画像処理装置120で実行に失敗する場合に行う代替処理を設定するこという。
【0103】
代替設定は、処理フローの定義を変更するのではなく、送信先の画像処理装置120が実行に失敗する場合に、変わりに参照する設定値を定義するものである。そのため、画像処理装置120のアプリケーションやコントローラファームウェアのバージョンアップによって元々処理フローが実現したかった処理に対応した場合には、代替の設定値ではなく本来の設定値を参照することができる。
【0104】
処理フローの変換により処理フローの定義を変換してしまえば、処理フローに余計な定義を追加する必要はないが、代替設定のメリットである、送信先の画像処理装置120のバージョンアップ時に本来の設定値を参照することはできなくなる。この場合、画像処理装置120に対して画像処理装置110から再度処理フローを送信することになる。
【0105】
そして、CPU201は、処理フロー代替設定手段313により設定した代替の設定値を送信先の画像処理装置120において参照することがないと判断した場合は、ステップS1104に進む。また、CPU201は、処理フロー代替設定手段313により設定した代替の設定値を送信先の画像処理装置120において参照することがあると判断した場合は、ステップS1103に進む。
【0106】
ステップS1103では、CPU201は、ユーザに対して、処理フローを変換設定するか代替設定をするのかを選択させるために、図12に示す操作画面1200を操作部111に表示する。
【0107】
図12において、表示1201は、画像処理装置110が送信タスクの設定としてファイル形式をXPSとして設定し、画像処理装置120送信した場合に、画像処理装置120ではXPSが実行できないため設定することができないという表示である。
【0108】
そして、CPU201は、キャンセル1202の押下を処理フロー設定手段312が受け付けることで、送信をキャンセルする。また、CPU201は、変換設定1203の押下を処理フロー設定手段312が受け付けることで、ステップS1104に進んで、処理フロー変換手段313による処理フロー変換処理に入る。一方、CPU201は、代替設定1204の押下を処理フロー設定手段312が受け付けることで、ステップS1106に進み、処理フロー代替設定手段314による処理フロー代替設定処理に入る。このように、画像処理装置110は、代替処理フローを生成させるか、変換処理フローを生成させるかをユーザの指示により選択的に動作することができる。
【0109】
ステップS1104では、CPU201は、図13に示す操作画面1300を操作部111に表示させる。ここでは、前述したように、画像処理装置120がXPSを処理できないため、画像処理装置120で実行可能な設定可能な値の一覧1301としてPDF、JPEG、TIFFが選択できることを表している。
【0110】
そして、CPU201は、キャンセルボタン1302の押下を受け付けることで処理をキャンセルし、送信ボタン1303の押下を受け付けることで、ステップS1105に進む。
【0111】
ステップS1105では、CPU201は、処理フロー変換設定手段313により処理フローをステップS1104で選択したパラメータに置き換え、処理を終了する。
【0112】
図14は、ステップS1105でパラメータの置き換えがなされた後の処理フロー定義1400を示す図である。
【0113】
図14において、符号1401にあるexflag=1は、このタグに対して変換設定を行ったことを示している。この場合、符号1402のPDFが変換された後の値であることを示している。
【0114】
一方、ステップS1106では、CPU201は、図15に示す操作画面1500を操作部111に表示する。
【0115】
この操作画面1500は、代替設定値として設定可能な値の一覧を示す画面である。この一覧画面でのユーザの選択により、CPU201は、ステップS1107に進み、処理フロー代替設定手段314により、画像処理装置120が実行に失敗する場合に、変わりに参照する設定値として代替設定の定義を行い、ステップS1108に進む。
【0116】
ステップS1108では、CPU201は、メッセージ設定ボタン1501が押下された場合は、ステップS1109に進み、押下されない場合は、処理を終了する。
【0117】
ステップS1109では、CPU201は、図15に示す操作画面1500を図16に示すメッセージ設定画面1600に切り替える。
【0118】
図16は、処理フロー代替設定時のメッセージ設定画面1600を示したもので、表示欄601に任意の出力メッセージを設定することで、設定したメッセージを実行失敗時に出力することができる。
【0119】
そして、CPU201は、キャンセルボタン1602の押下を受け付けることにより、処理をキャンセルし、送信ボタン1603の押下を受け付けることにより、処理フローにメッセージ出力の設定を行う。
【0120】
図17は、処理フロー代替設定時の処理フロー定義1700を示す図である。
【0121】
図17において、符号1701にあるexflag=2は、このタグに対して代替設定を行ったことを示している。また、符号1702は、XPSの代わりにPDFを設定しており、符号1703のメッセージ出力の設定を行っていることを示している。
【0122】
また、ステップS1110及びステップS1111においても、CPU201は、ステップS1108及びステップS1109と同様に、メッセージ出力設定を行うことを選択した場合は、処理フローに対してメッセージ出力の設定を行うことができる。
【0123】
ここで、画像処理装置110から例えばFAXを利用して印刷をするような設定をした処理フローを画像処理装置120に送信した場合を考える。
【0124】
画像処理装置120では、FAX機能がないため送信された処理フロー定義のFAXに関する定義自体が解釈できず、図8のステップS806で実行不可能パラメータを解析リストに記録する際にこのパラメータが解析できないということがわかる。
【0125】
しかし、代替設定を実行させるために必要な設定可能なパラメータリスト904は空のリストとして記録されることになるため、実行可能なパラメータに置き換えることができないと判断される。
【0126】
図18は、画像処理装置120における処理フローの実行処理について説明するためのフローチャート図である。なお、図18での各処理は、図4の「(6)処理フローの実行」に相当し、画像処理装置120のROM202やHDD204等に記憶されたプログラムがRAM203にロードされて、CPU201Aにより実行される。
【0127】
ステップS1800では、CPU201Aは、処理フロー実行手段307により、画像処理装置110から受信した処理フローの実行を開始する。
【0128】
次に、ステップS1801では、CPU201Aは、処理フロー実行手段307により、受信した処理フローに実行できないパラメータが存在するか否かを判断する。
【0129】
そして、CPU201Aは、実行できないパラメータが存在しない場合は、ステップS1807に進んで、受信した処理フローを実行して処理を終了し、実行できないパラメータが存在する場合は、ステップS1802に進む。なお、図11のステップS1103でユーザが処理フローを変換する設定を選択した場合には、ステップS1801では、実行できないパラメータは存在しないと判断される。
【0130】
ステップS1802では、CPU201Aは、受信した処理フローの各パラメータの解析を開始し、ステップS1803に進む。
【0131】
ステップS1803では、CPU201Aは、処理フロー定義にメッセージの出力設定がされているか否かを判断し、出力設定されている場合は、ステップS1804に進み、出力設定されていない場合は、ステップS1805に進む。
【0132】
ステップS1804では、CPU201Aは、処理フロー表示手段305により、表示部301にメッセージを出力し、ステップS1805に進む。
【0133】
ステップS1805では、CPU201Aは、代替設定がされているのか否かを判断し、代替設定されている場合は、ステップS1806に進み、代替設定されていない場合は、処理フローを実行せずに処理を終了する。
【0134】
ステップS1806では、CPU201Aは、処理フローのパラメータを代替設定パラメータに置き換えてステップS1807に進み、処理フローを実行して処理を終了する。
【0135】
以上説明したように、本実施形態では、送信先の画像処理装置120が処理フローの実行に失敗する場合の代替処理を送信元の画像処理装置110で事前に設定することができる。この代替設定は、処理フロー自体を変換してしまうのではなく、画像処理装置120が実行に失敗する場合に参照する設定値である。そのため、送信先(受信側)の画像処理装置120において、アプリケーションやコントローラファームウェアのバージョンアップによって元々処理フローが実現したかった処理に対応した場合には、代替の設定値ではなく本来の設定値を参照することができる。
【0136】
図18を用いて説明すると、実行不可能な設定値が存在するため、ステップS1801の判断で実行できないパラメータが存在すると判断され、代替設定処理を実行していたものが存在するものとする。このような場合でも、画像処理装置120のバージョンアップ等によりステップS1801の判断で実行できないパラメータは存在しないと判断されることになる。これにより、送信元の画像処理装置110から送信先の画像処理装置120に処理フローを再度送信することなく、送信先の画像処理装置120で処理フローを実行することができる。
【0137】
なお、画像処理装置120でアプリケーションをバージョンアップする計画がない場合は、代替設定ではなく、処理フローを変換することで、余計な処理定義を付加することなく画像処理装置110から画像処理装置120に処理フローを送信することができる。
【0138】
また、処理フローが代替設定しても画像処理装置120で参照されることがないことが明らかな場合は、代替設定を選択できないようにすることで、余計な処理定義を付加しないですむ。
【0139】
(第2の実施形態)
次に、図19及び図20を参照して、本発明の第2の実施形態である画像処理システムを説明する。なお、上記第1の実施形態に対して重複又は相当する部分については、図及び符号を流用して説明する。
【0140】
上記第1の実施形態では、処理フローを受信した送信先の画像処理装置120で処理フローが実行可能か否かを解析し、該解析した結果を送信元の画像処理装置110に送信する。そして、送信元の画像処理装置110で解析結果を基に実行不可能な設定に対して事前に代替設定を行うことで、送信先の画像処理装置120での処理フローの実行の失敗を回避する。
【0141】
これに対し、本実施形態では、処理フローの実行が可能であるか否かを、送信先の画像処理装置側120で判断するのではなく、送信元の画像処理装置110が画像処理装置120の処理能力を管理するデバイス管理サーバ102に問い合わせることで判断する。
【0142】
図19は、本発明の第2の実施形態である画像処理システムの構成例を説明するための図である。
【0143】
図19において、デバイス管理サーバ102は、複数機種の画像処理装置の情報を管理するサーバであり、画像処理装置120がデバイス管理サーバ102に対して装置情報を送信することで、デバイス管理サーバ102が画像処理装置120の処理能力を管理する。ここでの処理は、図19の「(1)画像処理装置の情報を送信する」に相当する。
【0144】
画像処理装置110は、画像処理装置120に処理フローを送信する前に画像処理装置120の処理能力を取得するために、デバイス管理サーバ102に対して画像処理装置120の装置情報の送信要求を送信する。ここでの処理は、図19の「(2)画像処理装置の情報の送信要求」に相当する。
【0145】
デバイス管理サーバ1903は、画像処理装置110からの送信要求に対して、画像処理装置120の装置情報を画像処理装置110に返信する。ここでの処理は、図19の「(3)画像処理装置の情報を返信する」に相当する。
【0146】
そして、画像処理装置120の装置情報を取得した画像処理装置110は、取得した装置情報に基づいて、処理フローの設定処理を実行する。ここでの処理は、図19の「(4)処理フローの設定」に相当する。
【0147】
図20は、画像処理装置110での処理フローの設定処理について説明するためのフローチャート図である。図20での各処理は、画像処理装置110のROM202やHDD204等に記憶されたプログラムがRAM203にロードされて、CPU201により実行される。
【0148】
ステップS2000では、CPU201は、デバイス管理サーバ1903から画像処理装置120の装置情報(処理能力情報)を取得し、ステップS2001に進む。
【0149】
ステップS2001では、CPU201は、送信する処理フローの全てのパラメータと画像処理装置120の処理能力情報とを比較し、ステップS2002に進む。
【0150】
ステップS2002では、CPU201は、ステップS2001での比較の結果、画像処理装置120で実行不可能と判断されるパラメータに関して、パラメータの解析処理を行って処理フローを設定し、ステップS2003に進む。なお、実行不可能なパラメータの解析処理は、上記第1の実施形態の解析処理(図11〜図17)と同様である。
【0151】
ステップS2003では、CPU201は、ステップS2002で設定した処理フローを画像処理装置120に送信する(図19の「(5)処理フローを送信する」に相当)。
【0152】
なお、画像処理装置120における図19の「(6)処理フローの実行」については、上記第1の実施形態(図18)と同様である。
【0153】
なお、本実施形態において、処理フローを送信する側の装置である画像処理装置110を、パーソナルコンピュータが行うようにしてもよいものとする。本実施形態において、画像処理装置、或いはパーソナルコンピュータなどを総称して情報処理装置と呼ぶ。
【0154】
以上説明したように、本実施形態では、複数の画像処理装置の装置情報をデバイス管理サーバ102により管理するため、一度に複数の画像処理装置に処理フローを配信することができる。
【0155】
また、送信元の画像処理装置110がデバイス管理サーバ102から複数の画像処理装置の装置情報を取得することで、各画像処理装置に対して処理フローを実行可能か否かを問い合わせる必要がなくなる。その他の構成及び作用効果が、上記第1の実施形態と同様である。
【0156】
なお、本発明は、上記各実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0157】
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することによっても達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。
【0158】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0159】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、次のものを用いることができる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等である。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0160】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現される場合も本発明に含まれる。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0161】
更に、前述した実施形態の機能が以下の処理によって実現される場合も本発明に含まれる。即ち、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行う場合である。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1】本発明の第1の実施形態である画像処理システムの構成例を説明するための図である。
【図2】画像処理装置の制御系を説明するためのブロック図である。
【図3】CPUにより実行されるソフトウェアモジュールの構成例を説明するためのブロック図である。
【図4】送信元の画像処理装置から送信先の画像処理装置に処理フローを送信する際の処理シーケンスを説明するための説明図である。
【図5】送信元の画像処理装置において、送信先の画像処理装置に処理フローを送信する処理を説明するためのフローチャート図である。
【図6】図5のステップS501において表示部に表示される処理フローの送信設定画面の一例を示す図である。
【図7】送信元の画像処理装置から送信先の画像処理装置に送信される処理フローの定義を説明するための図である。
【図8】送信先の画像処理装置において、送信元の画像処理装置から受信した処理フローが実行可能か否かを判断する処理を説明するためのフローチャート図である。
【図9】解析結果リストの一例を示す図である。
【図10】送信元の画像処理装置における処理フロー設定処理について説明するためのフローチャート図である。
【図11】図9のステップS1003における実行不可能なパラメータの解析処理について説明するためのフローチャート図である。
【図12】ユーザに対して、処理フローを変換設定するか代替設定をするかを選択させるための操作画面の一例を示す図である。
【図13】処理フロー変換設定におけるパラメータ選択の操作画面の一例を示す図である。
【図14】パラメータの置き換えがなされた後の処理フロー定義を示す図である。
【図15】処理フロー代替設定における代替パラメータ選択の操作画面の一例を示す図である。
【図16】処理フロー代替設定時のメッセージ設定画面の一例を示す図である。
【図17】処理フロー代替設定時の処理フロー定義を示す図である。
【図18】送信先の画像処理装置における処理フローの実行処理について説明するためのフローチャート図である。
【図19】本発明の第2の実施形態である画像処理システムの構成例を説明するための図である。
【図20】送信元の画像処理装置での処理フローの設定処理について説明するためのフローチャート図である。
【符号の説明】
【0163】
110 画像処理装置
120 画像処理装置
100 LAN
101 クライアントPC
102 デバイス管理サーバ
112 スキャナ部
113 プリンタ部
111 操作部
200 コントローラ
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 HDD
205 操作部I/F
206 ネットワークI/F
207 モデム
208 スキャナI/F
209 画像処理部
210 プリンタI/F
301 表示部
302 制御部
303 通信部
304 処理フロー記憶部
305 処理フロー表示手段
306 処理フロー管理手段
307 処理フロー実行手段
308 処理フロー送信手段
309 処理フロー受信手段
310 処理フロー解析手段
312 処理フロー設定手段
313 処理フロー変換設定手段
314 処理フロー代替設定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機能を組み合わせてそれらを一連の処理として実行するための処理内容を表す処理フローを送信する情報処理装置と、前記情報処理装置から送信された前記処理フローを受信して、該処理フローを実行する画像処理装置と、を備える画像処理システムであって、
前記情報処理装置は、前記画像処理装置の装置情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記画像処理装置の装置情報に基づいて、前記処理フローに含まれる設定値のうち、前記画像処理装置で設定できない設定値を特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した設定値に対して、前記画像処理装置で設定可能な代替設定値を決定する決定手段と、
前記処理フローと前記特定手段が特定した設定値と前記決定手段が決定した代替設定値とに基づいて、前記特定手段が特定した設定値による処理内容と、前記代替設定値による処理内容の何れかを選択的に実行可能な代替処理フローを生成する代替処理フロー生成手段と、
前記代替処理フローを前記画像処理装置へ送信する送信手段と、を備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
複数の機能を組み合わせてそれらを一連の処理として実行するための処理内容を示す処理フローを記憶する情報処理装置であって、
前記処理フローの送信先である画像処理装置の装置情報に基づいて、前記処理フローに含まれる設定値のうち、前記画像処理装置で設定できない設定値を特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した設定値に対して、前記画像処理装置で設定可能な代替設定値を決定する決定手段と、
前記処理フローと前記特定手段が特定した設定値と、前記決定手段が決定した代替設定値とに基づいて、前記特定手段が特定した設定値による処理内容と、前記代替設定値による処理内容の何れかを選択的に実行可能な代替処理フローを生成する代替処理フロー生成手段と、
前記代替処理フローを前記画像処理装置へ送信する送信手段と、を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
更に、前記処理フローに含まれる前記特定手段が特定した設定値を、前記画像処理装置で設定可能な設定値に変換することで変換処理フローを生成する変換処理フロー生成手段を備え、
前記変換処理フロー生成手段に前記変換処理フローを生成させるのか、前記代替処理フロー生成手段に前記代替処理フローを生成させるのかをユーザからの指示に基づいて選択する選択手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記装置情報は、前記画像処理装置から受信した前記処理フローの解析結果であることを特徴とする請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記装置情報は、前記画像処理装置の装置情報を管理する管理サーバから受信した情報であることを特徴とする請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記代替処理フロー生成手段は、前記代替処理フローに前記画像処理装置にて出力させるメッセージを設定することが可能であることを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
複数の機能を組み合わせてそれらを一連の処理として実行するための処理内容を表す処理フローを実行する画像処理装置であって、
前記処理フローを情報処理装置から受信する受信手段と、
前記情報処理装置から受信した処理フローを実行する実行手段と、を備え、
前記実行手段は、前記処理フロー中に前記画像処理装置に設定することのできない設定値が含まれている場合に、前記処理フローに含まれる代替の設定値を設定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
複数の機能を組み合わせてそれらを一連の処理として実行するための処理内容を示す処理フローを記憶する情報処理装置の制御方法であって、
前記処理フローの送信先である画像処理装置の装置情報に基づいて、前記処理フローに含まれる設定値のうち、前記画像処理装置で設定できない設定値を特定する特定ステップと、
前記特定ステップで特定された設定値に対して、前記画像処理装置で設定可能な代替設定値を決定する決定ステップと、
前記処理フローと前記特定ステップで特定された設定値と、前記決定ステップで決定された代替設定値とに基づいて、前記特定ステップで特定した設定値による処理内容と、前記代替設定値による処理内容の何れかを選択的に実行可能な代替処理フローを生成する生成ステップと、
前記代替処理フローを前記画像処理装置へ送信する送信ステップと、を備えることを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項9】
複数の機能を組み合わせてそれらを一連の処理として実行するための処理内容を表す処理フローを実行する画像処理装置の制御方法であって、
前記処理フローを情報処理装置から受信する受信ステップと、
前記情報処理装置から受信した処理フローを実行する実行ステップと、を備え、
前記実行ステップは、前記処理フロー中に前記画像処理装置に設定することのできない設定値が含まれている場合に、前記処理フローに含まれる代替の設定値を設定する
ことを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項10】
複数の機能を組み合わせてそれらを一連の処理として実行するための処理内容を示す処理フローを記憶する情報処理装置を制御するプログラムであって、
前記処理フローの送信先である画像処理装置の装置情報に基づいて、前記処理フローに含まれる設定値のうち、前記画像処理装置で設定できない設定値を特定する特定ステップと、
前記特定ステップで特定された設定値に対して、前記画像処理装置で設定可能な代替設定値を決定する決定ステップと、
前記処理フローと前記特定ステップで特定された設定値と、前記決定ステップで決定された代替設定値とに基づいて、前記特定ステップで特定した設定値による処理内容と、前記代替設定値による処理内容の何れかを選択的に実行可能な代替処理フローを生成する生成ステップと、
前記代替処理フローを前記画像処理装置へ送信する送信ステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項11】
画像処理装置を制御するための制御プログラムであって、
複数の機能を組み合わせてそれらを一連の処理として実行するための処理内容を表す処理フローを情報処理装置から受信する受信ステップと、
前記情報処理装置から受信した処理フローを実行する実行ステップと、を備え、
前記実行ステップは、前記処理フロー中に前記画像処理装置に設定することのできない設定値が含まれている場合に、前記処理フローに含まれる代替の設定値を設定する
ことを特徴とする制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−124113(P2010−124113A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−294426(P2008−294426)
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】