説明

画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム、記録媒体および記録装置

【課題】 ドットの有無にランダム性を持たせる。
【解決手段】 プリンタ2が形成可能なドットサイズと、当該ドットサイズが割り当てら
れる画素の濃度の濃度閾値とを、前記ドットサイズごとに記憶するドットサイズ閾値記憶
部216と、画像データの画素の濃度と前記濃度閾値とに基づいて、当該画素のドットサ
イズを決定するとともに、前記画素のそれぞれのドット形成の有無を抽選により決定する
多値化部214とを具備して画像処理装置200を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データを多値化するための技術に係り、特に、同一ドットの有無にラン
ダム性を持たせるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置として、インクを吐出する記録ヘッドを備え、紙や布、プラスチッ
ク、OHP用シート等のメディア(以下、単に記録用紙ともいう)に対してインクを吐出
してドットを形成し、このメディア上に画像を形成するプリンタなどの記録装置が知られ
ている。この種の記録装置では、形成可能なドットの種類に基づいて画像データを多値化
したデータに従ってドット形成が行われている。
画像データの多値化について、ドットの有無を画像データに割り当てて2値化する場合
を例示すると、画像データの画素の濃度が予め設定された濃度閾値をこえているか否かを
判定し、濃度が濃度閾値をこえている場合には、その画素にドット有りを割り当て、また
、濃度が濃度閾値を下回っている場合には、その画素にドット無しを割り当てることで、
画像データが2値化される。また、この他にも、画像データを複数画素ごとにブロックに
分割し、各ブロックに対して、ディザ法に基づくディザマトリクスを当てはめて2値化す
るといったことも行われている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−200613号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ドットの有無を画素の濃度と濃度閾値との関係だけで決定すると、画像
を形成した際に、ドットの有無に規則性が生じてしまい、画像品位が劣化するといった問
題がある。また、ディザ法を用いた2値化にあっては、ブロック内の各画素のドットの有
無がディザマトリクスにより規定されるため、各ブロック間でドット有無の繰り返しパタ
ーンが生じ易くなるといった問題がある。
なお、以上のような問題は、2値化に限った問題ではなく、3値以上の多値化において
も生じる問題である。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、ドットの有無にランダム性を持
たせ、以って、高品位な画像形成を可能とする画像処理装置、画像処理方法、プログラム
、記録媒体および記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明は、画素値が割り当てられる画素の輝度閾値を、前
記画素ごとに記憶する輝度閾値記憶手段と、画像データの輝度と前記輝度閾値とに基づい
て、当該画素の画素値を決定する画素値決定手段と、前記画素のそれぞれの画素値の有無
を抽選により決定する画素有無値決定手段とを具備することを特徴とする画像処理装置を
提供する。
また上記目的を達成するために、本発明は、記録装置が形成可能なドットサイズと、当
該ドットサイズが割り当てられる画素の濃度の濃度閾値とを、前記ドットサイズごとに記
憶するドットサイズ閾値記憶手段と、画像データの画素の濃度と前記濃度閾値とに基づい
て、当該画素のドットサイズを決定するドットサイズ決定手段と、前記画素のそれぞれの
ドット形成の有無を抽選により決定するドット有無決定手段とを具備することを特徴とす
る画像処理装置を提供する。
【0005】
これらの画像処理装置によれば、画像データの各画素について輝度値の有無またはドッ
ト形成の有無が抽選により確率的に決定される。この結果、ドット形成の有無にランダム
性を持たせることができ、ドットの有無に規則性が生じることが無く、以って、高品位な
画像形成が可能となる。
なお、本発明において、画素値とは、画像データの各画素の輝度をN値化(N≧2)さ
れてなる値を指す。
また、記録装置が形成可能なドットサイズおよび画素値には、ドットが形成されない「
ドット無し」が含まれる。すなわち、記録装置が形成可能なドット径が1種類である場合
、画素に割り当てられるドットサイズは、「ドット有り」または「ドット無し」となる(
いわゆる2値化)。
【0006】
ここで、上記画像処理装置において、前記輝度閾値のそれぞれに区分されてなる輝度範
囲内、または、前記濃度閾値のそれぞれにより区分されてなる濃度範囲内では、前記輝度
または前記濃度が高くなるにしたがって前記抽選の当選確率が高くなる構成が望ましい。
この望ましい構成によれば、画素の輝度または濃度に応じた確率で画素値の有無または
ドット形成の有無が決定されるため、形成画像の階調の崩れを防止することができ、以っ
て、高品位な画像形成が可能となる。
【0007】
また、上記画像処理装置において、前記画素値または前記ドットサイズが少なくとも3
種類以上ある場合に、前記画素値有無決定手段が画素値無しと決定した際、または、前記
ドット有無決定手段がドット形成無しと決定した際に、前記画素値決定手段が決定した画
素値または前記ドットサイズ決定手段が決定したドットサイズを、1段階小さくする構成
が望ましい。
この望ましい構成によれば、抽選に落選した画素には1段階小さな画素値またはドット
サイズが割り当てられる。したがって、例えば、最大画素値または最大ドットサイズが割
り当てられた画素が抽選に落選した場合であっても、最大画素値または最大ドットサイズ
の代わりに、それよりも1段階小さな画素値またはドットサイズが割り当てられるため、
面積階調を良好に維持することができる。
【0008】
また、上記画像処理装置において、前記画像データの複数の画素のそれぞれについて画
素値の有無またはドット形成の有無の確率をディザ法に準じて規定した確率ディザマトリ
クスを記憶する確率ディザマトリクス記憶手段と、前記画素の輝度または濃度に応じた確
率補正量を記憶する確率補正記憶手段とをさらに備え、前記画素値有無決定手段または前
記ドット有無決定手段は、前記確率ディザマトリクスを前記画像データにあてはめるとと
もに、前記確率ディザマトリクスのそれぞれの確率を、当該確率があてはめられる画素の
輝度または濃度に応じた前記確率補正量に基づいて補正し、前記確率ディザマトリクスが
あてはめられた各画素について、補正後の確率を前記当選確率とした抽選を行い、この抽
選結果に基づいて、前記各画素の画素値の有無またはドット形成の有無を決定する構成が
望ましい。
この望ましい構成によれば、画像データの各画素の画素値またはドット形成の有無が、
ディザ法に準じ、なおかつ、確率的に決定されるため、高品位に中間調を表現することが
でき、また、画像形成装置などで形成された画像にあっては、同じドットパターンが繰り
返されることが防止される。この結果、より高品位な画像形成が可能となる。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本発明は、画素値が割り当てられる画素の輝度閾値
と、画像データの輝度とに基づいて、当該画素の画素値を決定し、前記画素のそれぞれの
画素値の有無を抽選により決定することを特徴とする画像処理方法を提供する。
また、上記目的を達成するために、本発明は、記録装置が形成可能なドットサイズごと
に予め設定された画素の濃度閾値と、画像データの画素の濃度とに基づいて、前記画像デ
ータの各画素のドットサイズを決定し、前記画素のそれぞれについて、前記画素の濃度に
応じた当選確率の抽選を行い、この抽選結果に基づいてドット形成の有無を決定すること
を特徴とする画像処理方法を提供する。
【0010】
ここで、上記画像処理方法において、前記輝度閾値のそれぞれに区分されてなる輝度範
囲内、または、前記濃度閾値のそれぞれにより区分されてなる濃度範囲内では、前記輝度
または前記濃度が高くなるにしたがって前記抽選の当選確率が高くするのが望ましい。
また、上記画像処理方法において、前記画素値または前記ドットサイズが少なくとも3
種類以上ある場合に、画素値無しと決定した際、または、ドット形成無しと決定した際に
、当該画素について決定した画素値またはドットサイズを、1段階小さくすることが望ま
しい。
また、上記画像処理方法において、前記画像データの各画素について画素値またはドッ
ト形成の有無を決定する際に、前記画像データの複数の画素のそれぞれについて画素値ま
たはドット形成の有無の確率をディザ法に準じて規定した確率ディザマトリクスを前記画
像データにあてはめるとともに、前記確率ディザマトリクスのそれぞれの確率を、当該確
率があてはめられる画素の輝度または濃度に応じた確率補正量に基づいて補正し、前記確
率ディザマトリクスがあてはめられた各画素について、補正後の確率を前記当選確率とし
た抽選を行い、この抽選結果に基づいて、前記各画素の輝度値またはドット形成の有無を
決定することが望ましい。
【0011】
また、本発明は、上記目的を達成するために、コンピュータを、画素値が割り当てられ
る画素の輝度閾値を、前記画素ごとに記憶する輝度閾値記憶手段、画像データの輝度と前
記輝度閾値とに基づいて、当該画素の画素値を決定する画素値決定手段、および、前記画
素のそれぞれの画素値の有無を抽選により決定する画素有無値決定手段として機能させる
ための画像処理プログラムを提供する。
また、本発明は、上記目的を達成するために、コンピュータを、記録装置が形成可能な
ドットサイズと、当該ドットサイズが割り当てられる画素の濃度の濃度閾値とを、前記ド
ットサイズごとに記憶するドットサイズ閾値記憶手段、画像データの画素の濃度と前記濃
度閾値とに基づいて、当該画素のドットサイズを決定するドットサイズ決定手段、および
、前記画素の濃度に応じた当選確率の抽選を行い、この抽選結果に基づいて、ドット形成
の有無を決定するドット有無決定手段として機能させるための画像処理プログラムを提供
する。
【0012】
ここで、上記画像処理プログラムにおいて、前記輝度閾値のそれぞれにより区分されて
なる輝度範囲内、または、前記濃度閾値のそれぞれにより区分されてなる濃度範囲内では
、前記輝度または前記濃度が高くなるにしたがって前記抽選の当選確率が高くなることが
望ましい。
また、上記画像処理プログラムにおいて、前記画素値または前記ドットサイズが少なく
とも3種類以上ある場合に、前記画素値有無決定手段が画素値無しと決定した際、または
、前記ドット有無決定手段がドット形成無しと決定した際に、前記画素値決定手段が決定
した画素値または前記ドットサイズ決定手段が決定したドットサイズを、1段階小さくす
ることが望ましい。
また、上記画像処理プログラムにおいて、前記画像データの複数の画素のそれぞれにつ
いて画素値の有無またはドット形成の有無の確率をディザ法に準じて規定した確率ディザ
マトリクスを記憶する確率ディザマトリクス記憶手段と、前記画素の輝度または濃度に応
じた確率補正量を記憶する確率補正記憶手段とをさらに備え、前記画素値有無決定手段ま
たは前記ドット有無決定手段は、前記確率ディザマトリクスを前記画像データにあてはめ
るとともに、前記確率ディザマトリクスのそれぞれの確率を、当該確率があてはめられる
画素の輝度または濃度に応じた前記確率補正量に基づいて補正し、前記確率ディザマトリ
クスがあてはめられた各画素について、補正後の確率を前記当選確率とした抽選を行い、
この抽選結果に基づいて、前記各画素の画素値の有無またはドット形成の有無を決定する
ことが望ましい。
【0013】
また、上記目的を達成するために、本発明は、コンピュータを、画素値が割り当てられ
る画素の輝度閾値を、前記画素ごとに記憶する輝度閾値記憶手段、画像データの輝度と前
記輝度閾値とに基づいて、当該画素の画素値を決定する画素値決定手段、および、前記画
素のそれぞれの画素値の有無を抽選により決定する画素有無値決定手段として機能させる
ためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
また、上記目的を達成するために、本発明は、コンピュータを、記録装置が形成可能な
ドットサイズと、当該ドットサイズが割り当てられる画素の濃度の濃度閾値とを、前記ド
ットサイズごとに記憶するドットサイズ閾値記憶手段、画像データの画素の濃度と前記濃
度閾値とに基づいて、当該画素のドットサイズを決定するドットサイズ決定手段、および
、前記画素のそれぞれのドット形成の有無を抽選により決定するドット有無決定手段とし
て機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供す
る。
【0014】
ここで、上記記録媒体において、前記輝度閾値のそれぞれにより区分されてなる輝度範
囲内、または、前記濃度閾値のそれぞれにより区分されてなる濃度範囲内では、前記輝度
または前記濃度が高くなるにしたがって前記抽選の当選確率が高くなることが望ましい。
また、上記記録媒体において、前記画素値または前記ドットサイズが少なくとも3種類
以上ある場合に、前記画素値有無決定手段が画素値無しと決定した際、または、前記ドッ
ト有無決定手段がドット形成無しと決定した際に、前記画素値決定手段が決定した画素値
または前記ドットサイズ決定手段が決定したドットサイズを、1段階小さくすることが望
ましい。
また、上記記録媒体において、前記画像データの複数の画素のそれぞれについて画素値
の有無またはドット形成の有無の確率をディザ法に準じて規定した確率ディザマトリクス
を記憶する確率ディザマトリクス記憶手段と、前記画素の輝度または濃度に応じた確率補
正量を記憶する確率補正記憶手段とをさらに備え、前記画素値有無決定手段または前記ド
ット有無決定手段は、前記確率ディザマトリクスを前記画像データにあてはめるとともに
、前記確率ディザマトリクスのそれぞれの確率を、当該確率があてはめられる画素の輝度
または濃度に応じた前記確率補正量に基づいて補正し、前記確率ディザマトリクスがあて
はめられた各画素について、補正後の確率を前記当選確率とした抽選を行い、この抽選結
果に基づいて、前記各画素の画素値の有無またはドット形成の有無を決定することが望ま
しい。
【0015】
また、本発明は、インクを吐出してドットを形成する複数のノズルを有する記録ヘッド
と、前記記録ヘッドが形成可能なドットサイズと、当該ドットサイズが割り当てられる画
素の濃度の濃度閾値とを、前記ドットサイズごとに記憶するドットサイズ閾値記憶手段と
、画像データの画素の濃度と前記濃度閾値とに基づいて、当該画素のドットサイズを決定
するドットサイズ決定手段と、前記画素の濃度値に応じた当選確率の抽選を行い、この抽
選結果に基づいて、ドット形成の有無を決定するドット有無決定手段と、前記ドットサイ
ズ決定手段および前記ドット有無決定手段の決定結果に基づいて、前記画像データの各画
素のドットが形成されるように前記記録ヘッドを駆動するヘッド駆動手段とを具備するこ
とを特徴とする記録装置を提供する。
【0016】
ここで、上記記録装置において、前記濃度閾値のそれぞれにより区分されてなる濃度範
囲内では、前記画素の濃度が高くなるにしたがって前記抽選の当選確率が高くなる構成が
望ましい。
また、上記記録装置において、前記記録装置が形成可能なドットサイズが、ドット無し
を含めて少なくとも3種類以上ある場合に、前記ドット有無決定手段は、ドット形成無し
と決定した際に、前記ドットサイズ決定手段が決定したドットサイズを、1段階小さなド
ットサイズに変更する構成が望ましい。
また、上記記録装置において、前記画像データの複数の画素のそれぞれについてドット
形成の有無の確率をディザ法に準じて規定した確率ディザマトリクスを記憶する確率ディ
ザマトリクス記憶手段と、前記画素の濃度に応じた確率補正量を記憶する確率補正記憶手
段とをさらに備え、前記ドット有無決定手段は、前記確率ディザマトリクスを前記画像デ
ータにあてはめるとともに、前記確率ディザマトリクスのそれぞれの確率を、当該確率が
あてはめられる画素の濃度に応じた前記確率補正量に基づいて補正し、前記確率ディザマ
トリクスがあてはめられた各画素について、補正後の確率を前記当選確率とした抽選を行
い、この抽選結果に基づいて、前記各画素のドット形成の有無を決定する構成が望ましい

【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
[第1実施の形態]
以下、図面を参照して本発明の第1実施の形態について説明する。
図1は、記録装置(画像形成装置)の一態様たるカラーインクジェットプリンタ(以下
、単に「プリンタ」という)2を備えたコンピュータシステム1の概略構成図である。こ
の図に示すように、プリンタ2は、記録用紙3を搬送する用紙搬送機構20と、記録用紙
3に向けてインクを吐出してドットを形成するヘッドユニット21と、このヘッドユニッ
ト21によるインクの吐出およびドット形成を制御するヘッド駆動回路22(図2参照)
と、操作パネル23と、これらの用紙搬送機構20、ヘッドユニット21および操作パネ
ル23との信号のやり取りを司る制御回路24とを備えている。
用紙搬送機構20は、制御回路24により駆動制御される紙送りモータ25と、この紙
送りモータ25の回転によって回転駆動される紙送りローラ26とを備え、この紙送りロ
ーラ26の回転によって記録用紙3が搬送される。
【0018】
ヘッドユニット21は、インクタンク27と、ラインヘッド28とを備えている。
インクタンク27には、ブラック(K)のインクを収納したカートリッジ29Aと、カ
ラーインクを収容したカートリッジ29Bとが着脱自在に設けられている。カラーインク
としては、例えばシアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロ(Y)の4色のインクが用
いられる。インクタンク27からはインク供給路30が引き出されてラインヘッド28に
接続されており、このインク供給路30を介してインクタンク27からラインヘッド28
へインクが供給される。
ラインヘッド28は、図2に示すように、保持用フレーム31と、この保持用フレーム
31に並べて固定された複数のノズルヘッド32とを備えている。各ノズルヘッド32に
はインクが吐出される複数のノズル(吐出口)33が形成されている。これらのノズル3
3は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロ(Y)のそれぞれご
とに設けられている。
【0019】
各ノズル33には、電歪素子の1つであって応答性に優れたピエゾ素子(図示せず)が
配置され、これらのピエゾ素子は、ノズル33にインクを導くインク通路を形成する部材
に接して配置されている。ピエゾ素子は、電圧の印加により結晶構造が歪み、極めて高速
に電気−機械エネルギの変換を行うものであり、ピエゾ素子の両端に設けられた電極間に
所定時間幅の電圧を印加することにより、ピエゾ素子が電圧の印加時間だけ伸張し、イン
ク通路の一側壁を変形させる。この結果、インク通路の体積はピエゾ素子の伸張に応じて
収縮し、この収縮分に相当するインクが、インク滴となって、ノズル33の先端から高速
に吐出される。そして、このインク滴が紙送り紙送りローラ26に沿わされた記録用紙3
に染み込むことにより、ドットが形成されて画像の印刷が行われる。
【0020】
また、このようなノズルヘッド32が保持用フレーム31に記録用紙3の幅方向(いわ
ゆる主走査方向)に沿って複数並べられることにより、記録用紙3の全幅にわたってノズ
ル33が配列され、記録用紙3の全幅にわたって一斉に画像形成が行われる。そして、ヘ
ッドユニット21により記録用紙3の幅方向に画像を形成しつつ、記録用紙3を搬送方向
(いわゆる副走査方向)に搬送することで、記録用紙3の搬送方向への画像形成が行われ
る。
【0021】
ここで、上記ノズル33の各々は、略一定の径を有して形成されているが、本プリンタ
2は、かかるノズル33を用いて径の異なる小(S)、中(M)、大(L)の3種類のド
ットを形成可能としている。詳細には、ピエゾ素子に印加する電圧波形(特に、負電圧印
加時の電圧波形)を制御することでドット径を制御可能であることが一般に知られており
、本プリンタ2にあっては、電圧波形とドット径との関係に基づいて、小(S)ドット、
中(M)ドット、大(L)ドットを形成するためのそれぞれの電圧波形を予め用意し、こ
れらの電圧波形を適宜選択することで、径の異なる3種類のドットを形成可能としている
。そして、これらの3種類のドットを適宜の密度で形成することにより、画像の階調(濃
度)を表現している。
【0022】
さて、図1に示すように、プリンタ2の制御回路24は、コネクタ40を介してコンピ
ュータ4に接続されている。このコンピュータ4は、プリンタ2用のドライバーソフトを
搭載し、入力装置であるキーボードや、マウス等の操作によるユーザの指令を受け付け、
また、プリンタ2における種々の情報を表示装置の画面表示によりに提示するユーザイン
ターフェイスを構成している。
【0023】
図3は、制御回路24を中心としたプリンタ2の主要部分の構成例を示すブロック図で
ある。この図に示すように、制御回路24は、CPU(Central Process
ing Unit)41、プログラマブルROM(P−ROM(Read OnlyMem
ory))43、RAM(Random AccessMemory)44、文字のドッ
トマトリクスを記憶したキャラクタジェネレータ(CG(CharacterGener
ator))45、およびEEPROM(Electrically Erasable
and ProgrammableROM)46を備えた算術論理演算回路として構成さ
れている。
この制御回路24は、さらに、外部のモータ等とのインタフェース(I/F(Inte
rface))であるI/F専用回路50と、このI/F専用回路50に接続されヘッド
ユニット21を駆動してインクを吐出させるヘッド駆動回路22と、紙送りモータ25を
駆動するモータ駆動回路54とを備えている。
I/F専用回路50は、パラレルインタフェース回路を内蔵しており、コネクタ40を
介してコンピュータ4から供給される印刷信号PSを受け取ることができる。
【0024】
つぎに、コンピュータ4の構成について、図4を参照して説明する。
図4に示すように、コンピュータ4は、CPU91、ROM92、RAM93、HDD
(Hard Disk Drive)94、ビデオ回路95、I/F96、バス97、表示
装置98、入力装置99および外部記憶装置100を備えている。
CPU91は、ROM92やHDD94に格納されているプログラムに従って各種演算
処理を実行するとともに、装置の各部を制御する制御部である。
ROM92は、CPU91が実行する基本的なプログラムやデータを格納しているメモ
リである。RAM93は、CPU91が実行途中のプログラムや、演算途中のデータ等を
一時的に格納するメモリである。
HDD94は、CPU91からの要求に応じて、記録媒体であるハードディスクに記録
されているデータやプログラムを読み出すとともに、CPU91の演算処理の結果として
発生したデータを前述したハードディスクに記録するものである。
ビデオ回路95は、CPU91から供給された描画命令に応じて描画処理を実行し、得
られた画像データを映像信号に変換して表示装置98に出力する回路である。
【0025】
I/F96は、入力装置99および外部記憶装置100から出力された信号の表現形式
を適宜変換するとともに、プリンタ2に対して印刷信号PSを出力する回路である。
バス97は、CPU91、ROM92、RAM93、HDD94、ビデオ回路95およ
びI/F96を相互に接続し、これらの間でデータの授受を可能とする信号線である。
表示装置98は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)モ
ニタやCRT(Cathode Ray Tube)モニタによって構成され、ビデオ回路
95から出力された映像信号に応じた画像を表示する装置である。
入力装置99は、例えば、キーボードやマウスによって構成されており、ユーザの操作
に応じた信号を生成して、I/F96に供給する装置である。
【0026】
外部記憶装置100は、例えば、CD−ROM(Compact Disk−ROM)
ドライブユニット、MO(MagnetoOptic)ドライブユニット、FDD(Fl
exible DiskDrive)ユニットによって構成され、CD−ROMディスク
、MOディスク、FDに記録されているデータやプログラムを読み出してCPU91に供
給する装置である。また、MOドライブユニットおよびFDDユニットの場合には、CP
U91から供給されたデータを、MOディスクまたはFDに記録する装置である。
上記のように、コンピュータ4には、プリンタ2用のプリンタドライバソフトが予めイ
ンストールされ、コンピュータ4にプリンタドライバが搭載される。プリンタドライバソ
フトには、印刷に供される画像処理プログラムが組み込まれており、コンピュータ4が画
像処理プログラムを実行することで、プリンタ2用の画像処理装置として機能する。
【0027】
図5は、コンピュータ4にインストールされているプリンタ2用のプリンタドライバソ
フトによって実現される画像処理装置200の機能ブロックを示す図である。この図に示
すように、画像処理装置200は、入力部210と、色変換部211と、記憶部212と
、乱数発生部213と、多値化部214と、出力部215とを備えている。
入力部210は、記録対象画像の画像データが入力されるインタフェースであり、画素
ごとに入力輝度が規定された画像データを受け取り、色変換部211に出力するものであ
る。
また、色変換部211は、入力部210から受け取った画像データの各画素を濃度に変
換して、多値化部214に出力するものである。具体的には、色変換部211は、図6に
示す入力輝度と濃度との対応関係を記憶し、その対応関係に基づいて入力輝度を濃度に変
換する。
【0028】
記憶部212は、画像データを多値化する際に参照される各種データを記憶するもので
あり、ドットサイズ閾値記憶部216と、確率テーブル記憶部217とを備えている。
ドットサイズ閾値記憶部216は、画素の濃度閾値とドットサイズとの対応関係を規定
するドットサイズ閾値テーブル220を記憶するものである。本実施の形態では、画素の
濃度を「0〜255」の256階調で規定することとし、この濃度範囲を略3分割してな
るそれぞれの濃度範囲に小ドット(S)、中ドット(M)および大ドット(L)が割り当
てられる。具体的には、図7に示すように、ドットサイズ閾値テーブル220では、「0
〜85」の濃度範囲に小ドット(S)、「86〜170」の濃度範囲に中ドット(M)、
「171〜255」の濃度範囲に大ドット(L)がそれぞれ割り当てられている。
【0029】
ここで、ドットサイズ閾値テーブル220において、画素の濃度が「0」であっても小
ドット(S)が割り当てられ、また、全体の傾向として、画素の濃度に比べて比較的大き
なドットサイズが割り当てられる。このとき、本実施の形態では、各画素のドットを形成
するか否かの抽選を行うこととし、当選の場合には、その画素のドットを形成し、落選の
場合には、ドットを形成しないものとしている。この結果、ドットが確率的にランダムに
間引かれて全体的に濃度が引き下げられる。したがって、ドットサイズ閾値テーブル22
0に基づいて、画素の濃度に比べて通常よりも大きなドットサイズが割り当てられても、
全体的な濃度のバランスが維持されることとなる。
上記当落の抽選は、当選確率を画素の濃度ごとに規定した確率テーブル230に基づい
て行われ、この確率テーブル230が確率テーブル記憶部217に格納されている。
【0030】
図8は確率テーブル230を模式的に示す図である。この図において、確率は、ドット
が形成される確率、すなわち、当選確率を示す。ここで、本実施の形態では、ドット無し
およびドット有りの2種類により階調を表現するのではなく、上記のように、ドット無し
、小ドット(S)、中ドット(M)および大ドット(L)の4種類のドットサイズを用い
て階調を表現するため、当落抽選に落選した場合に、比較的大きな中ドット(M)や大ド
ット(L)を形成しないこととすると、階調が崩れてしまう恐れがある。
そこで、本実施の形態では、当落抽選に落選した場合には、ドットサイズ閾値テーブル
220に基づいて決定されるドットサイズを1段階小さなドットサイズ、すなわち、小ド
ット(S)をドット無しに、中ドット(M)を小ドット(S)に、大ドット(L)を中ド
ット(M)に変更する構成としている。これにより、階調の崩れが防止可能となる。
さらに、確率テーブル230にあっては、同じドットサイズが割り当てられる濃度範囲
内で、画素の濃度が低いほど、当選確率が低くなるように設定されている。すなわち、濃
度が低いほど、ドットサイズが1段階引き下げられる確率(落選確率)が高くなるため、
面積階調が大きく崩れることはなく、適正に維持されることとなる。
【0031】
さて、前掲図5に示す乱数発生部213は、画素のドットサイズの当落を抽選するため
の乱数値を所定のアルゴリズムに基づいて生成し、多値化部214に出力するものである

多値化部214は、色変換部211から出力された画像データの各画素に、上述したド
ットサイズ閾値テーブル220および確率テーブル230を参照しつつ、画素の濃度に応
じたドットサイズを割り当てて出力部215に出力するものである。より具体的には、多
値化部214は、上記ドットサイズ閾値テーブル216に基づいて、画素の濃度に応じた
ドットサイズを決定し、上記確率テーブル230に基づいて、画素の濃度に応じた確率で
、ドットを形成するか否かの当落抽選を行う。この当落抽選には、乱数発生部213から
出力される乱数値が用いられる。すなわち、多値化部214は、濃度ごとに、当選確率に
比例した数の当選数字を予め記憶しており、当落抽選時に乱数発生部213から受け取っ
た乱数値が当選数字であるか否かを判定して当落を決定する。そして、当選の場合には、
多値化部214は、画素に割り当てられているドットサイズによりドットを形成すること
を決定し(すなわちドットサイズ変更無し)、また、落選の場合には、画素に割り当てら
れているドットサイズを1段階小さなサイズに変更する。このような処理の結果、画像デ
ータの各画素には、ドット無し、小ドット(S)、中ドット(M)および大ドット(L)
の4値のいずれかが割り当てられ、各画素の濃度が4値化される。
出力部215は、多値化部214により多値化(ここでは4値化)された画像データを
、プリンタ2が処理可能な印刷信号PSに変換して出力するものであり、この印刷信号P
SがI/F96を介してプリンタ2に出力される。
【0032】
次いで、本実施の形態の動作について詳述する。
例えばユーザがコンピュータ4の入力装置99を操作するなどして、アプリケーション
プログラムを起動する要求がなされた場合、CPU91は、HDD94から該当するアプ
リケーションプログラムを読み出して実行する。この結果、アプリケーションプログラム
が起動され、画像データの生成または編集が可能になる。このようなアプリケーションプ
ログラムを利用して、画像が描画または編集された後、生成された画像を印刷する要求が
入力装置99を介して行われた場合には、CPU91は、生成された画像データをプリン
タドライバソフトに対して供給する。プリンタドライバソフトへの画像データ供給に伴っ
て、コンピュータ4が画像処理プログラムを実行し、上述した画像処理装置200として
機能する。
【0033】
この画像処理装置200にあっては、図9に示すように、アプリケーションプログラム
から各画素の輝度を規定する画像データが入力部210に入力されると(ステップS1)
、その画像データが色変換部211に出力される。色変換部211は、入力部210から
画像データを受け取ると、画像データの各画素の輝度を濃度に変換して多値化部214に
出力する(ステップS2)。
多値化部214は、色変換部211から画像データを受け取ると、次に説明する多値化
処理を実行して各画素のドットサイズを決定する(ステップS3)。
【0034】
図10は、多値化処理のフローチャートである。この図に示すように、多値化部214
は、処理済みの画素数を計数するためのカウンタCを「0」に初期化するとともに、画像
データの総画素数Qを、カウンタの最大値を示すカウンタ最大値Cmaxに代入する(ス
テップS20)。次いで、多値化部214は、現在のカウンタCの値がカウンタ最大値C
maxよりも大であるか否かを判定し(ステップS21)、現在のカウンタCの値がカウ
ンタ最大値Cmax以下の場合には(ステップS21:NO)、ドットサイズが割り当て
られていない未処理の画素があることを示すため、その画素のドットサイズを決定すべく
次の処理を実行する。
すなわち、多値化部214は、ドットサイズ閾値テーブル220を参照して、画素の濃
度に対応するドットサイズを決定する(ステップS22)。このとき、次に続く処理では
、画素の濃度を参照する必要があるため、多値化部214は画素の濃度をバッファメモリ
などに参照可能に退避しておく。
次いで、多値化部214は、画素の濃度に対応する確率を確率テーブルから読み込み(
ステップS23)、その読み込んだ確率を当選確率として、ドットを形成するか否かの当
落抽選を行う(ステップS24)。具体的には、多値化部214は、その画素に対応する
確率に応じた数の当選数字を設定し、乱数発生部213から乱数値を受け取った場合に、
その乱数値が当選数字であるか否かを判定することで、当落抽選を行う。
【0035】
ステップS24における当落抽選の結果、落選している場合(ステップS24:NO)
、多値化部214は、ドットを形成しないものとする代わりに、上記ステップS22にて
決定されたドットサイズを1段階引き下げる(ステップS26)。そして、多値化部21
4はカウンタCの値を「1」だけインクリメントし(ステップS27)、未処理の画素が
あるか否かを判定すべく、処理手順をステップS21に戻す。
また、ステップS24における当落抽選の結果、当選している場合には(ステップS2
4:YES)、上記ステップS22にて決定したドットサイズを変更する必要がないため
、多値化部214は、カウンタCの値を「1」だけインクリメントした後(ステップS2
7)、処理手順をステップS21に戻す。
そして、多値化部214は、現在のカウンタCの値がカウンタ最大値Cmaxよりも大
であるか否かを判定し(ステップS21)、カウンタCの値がカウンタ最大値Cmaxよ
りも大きい場合には(ステップS21:YES)、画像データの全ての画素のドットサイ
ズが確定したことを示すため、多値化処理を終了し、前掲図9に示す処理に戻る。
【0036】
以上の多値化処理により画像データの各画素に4種類のドットサイズのいずれかが割り
当てられて多値化(ここでは4値化)され、この多値化されたデータが多値化部214か
ら出力部215に出力され、このデータに基づいて出力部215が印刷信号PSを生成し
、プリンタ2に出力する(ステップS4)。
プリンタ2は印刷信号PSを受信すると、CPU41が紙送りモータ25を駆動して記
録用紙3を1枚だけ吸引し、印刷開始位置まで移送する。そして、記録用紙3の印刷開始
位置がラインヘッド28の直下まで移動した場合に、CPU41は、印刷信号PSをヘッ
ド駆動回路22を介してラインヘッド28に供給し、印刷を開始する。そして、印刷が開
始されると、ラインヘッド28の各ノズルから印刷信号PSによって規定されたドット径
を形成すべくインクが吐出され、また、記録用紙3が搬送方向に間欠的に搬送される。こ
の結果、コンピュータ4によって生成された画像データに対応するドット群が記録用紙3
に形成される。
【0037】
以上説明したように、本実施の形態によれば、多値化部214が、画像データの各画素
についてドット形成の有無を抽選により確率的に決定するため、ドット形成の有無にラン
ダム性を持たせることができる。この結果、ドットの有無に規則性が生じることが無く、
以って、高品位な画像形成が可能となる。
また、本実施の形態によれば、各ドットサイズに割り当てられた濃度範囲内では、前記
画素の濃度が高くなるにしたがって抽選の当選確率が高くなるようにしたため、画素の濃
度に応じた確率でドットが形成され、形成画像の階調が維持される。
また、本実施の形態によれば、多値化部214は、抽選に落選した画素に対して1段階
小さなドットサイズを割り当てる構成としている。この構成により、例えば、最大ドット
サイズが割り当てられた画素が抽選に落選した場合であっても、最大ドットサイズの代わ
りに、それよりも1段階小さなドットサイズが割り当てられるため、面積階調の崩れが防
止される。
【0038】
[第2実施の形態]
次いで本発明の第2実施の形態について説明する。
第1実施の形態では、多値化部214が画像データを多値化する場合に、ドットサイズ
閾値テーブル220に基づいて、画素の濃度に対応するドットサイズを画素ごとに決定し
た。これに対して、本実施の形態では、多値化部214(以下、「多値化部214A」と
いう)が画像データの各画素をディザ法に準じた手法で多値化する場合を説明する。
図11は、本実施の形態に係る画像処理装置400の機能ブロックを示す図である。な
お、この図では、第1実施の形態と同一の構成要素については同じ符号を付し、その説明
を省略する。同図に示すように、画像処理装置400の記憶部212Aは、ドットサイズ
閾値記憶部216の他に、確率ディザマトリクス記憶部218と、確率補正テーブル記憶
部219とを備えている。
【0039】
ドットサイズ閾値記憶部216は、第1実施の形態と同様に、ドットサイズ閾値テーブ
ル220(図7参照)を記憶するものであり、このドットサイズ閾値テーブル220によ
り、画素の濃度とドットサイズとの対応関係が規定され、この対応関係に基づいて各画素
のドットサイズが決定される。また、このドットサイズ閾値テーブル220においては、
第1実施の形態と同様に、画素の濃度に比べて通常のドットサイズよりも大きなドットサ
イズが割り当てられるようになっている。
確率ディザマトリクス記憶部218は、図12に示す確率ディザマトリクス240を記
憶するものである。この図12に示すように、確率ディザマトリクス240として、4×
4個のセルCLからなるマトリクスが用いられる。多値化部214Aが画像データを多値
化する際には、画像データの各画素を、確率ディザマトリクス240のサイズと同じ大き
さ(ここでは4×4画素)のブロック毎に分割し、各ブロックに対して確率ディザマトリ
クス240を当てはめて多値化を行う。
【0040】
ここで、一般的なディザ法にあっては、ドット形成の可否を規定するための濃度閾値が
ディザマトリクスの各セルに設定されるが、本実施の形態では、ドットを形成する確率が
確率ディザマトリクス240の各セルCLに設定されている。
詳細には、多値化部214Aは、上記ドットサイズ閾値テーブル220に基づいて各画
素のドットサイズを決定した後、確率ディザマトリクス240を画像データの各ブロック
に当てはめ、セルCLの確率に基づいて各画素のドットを形成するか否かの当落抽選を行
う。
ただし、確率ディザマトリクス240の各セルCLの確率だけでドット形成の可否を決
定してしまうと、画素の濃度にかかわらず、一様な確率でドット形成の可否が決定されて
しまうため、印刷(記録)画像の面積階調が崩れる恐れがある。
そこで、本実施の形態では、多値化部214Aが確率ディザマトリクス240の各セル
CLに設定されている確率を画素の濃度に応じて補正し、補正後の確率に基づいてドット
形成の可否の抽選を行う構成とし、確率を補正する際に参照される確率補正テーブル25
0が上記確率補正テーブル記憶部219に記憶されている。
【0041】
図13は確率補正テーブル250を示す図である。確率補正テーブル255は、画素の
濃度と確率補正値(補正量)との対応関係を規定するものであり、同図に示すように、確
率補正テーブル250では、0〜255の濃度範囲が略3等分されて、各濃度範囲が濃度
の小さい方から順に小ドット(S)、中ドット(M)および大ドット(L)に割り当てら
れている。さらに、各ドットサイズの濃度範囲にあっては、その濃度範囲が略等間隔で区
分され、それぞれの区分範囲ごとに確率補正値が設定されている。この確率補正値は、各
ドットサイズの濃度範囲の略中間の濃度を基準(確率補正値=0)として、濃度が低くな
るほどドットが形成される確率が低くなるようにマイナス符号の確率補正値が設定され、
また、濃度が高くなるほどドットが形成される確率が高くなるようにプラス符号の確率補
正値が設定されている。
【0042】
したがって、あるドットサイズの濃度範囲の最大値をDmax、最小値をDmin、ま
た、確率補正値の最大値をPmaxとした場合、図14に示すように、確率補正値Pが濃
度Dに比例して増加するように、すなわち、この確率補正値Pと、濃度Dとの関係が次式
を満足するように設定されている。
確率補正値P=
2PmaxD/(Dmax−Dmin)
−Pmax(Cmax+Cmin)/(Cmax−Cmin)
なお、確率補正値Pと濃度Dとの対応関係を確率補正テーブル250に予め設定してお
く構成に限らず、例えば多値化部214Aが、確率を補正する際に、上式を用いて、画素
の濃度から確率補正値Pを算出する構成としても良い。
【0043】
さて、上述のように、ドット形成の可否の抽選時には、セルCLの確率を画素の濃度に
対応する確率補正値で補正した後の確率に基づいて抽選が行われる。この抽選結果が当選
である場合には、ドットサイズ閾値テーブル220に基づいて決定されたドットサイズが
そのまま画素のドットサイズとなり、また、抽選結果が落選の場合には、第1実施の形態
と同様に、画素のドットサイズが1段階引き下げられることになる。
なお、前掲図12に示す確率ディザマトリクス240は、各セルCLの確率の値が、い
わゆる渦巻型のディザマトリクスに準じて設定されているが、これに限らず、Bayer
型や網型に準じて設定しても良い。
【0044】
次いで本実施の形態の動作について説明する。なお、本実施の形態の画像処理装置40
0にあっては、主として多値化部214Aが実行する多値化処理が第1実施の形態の動作
と異なるため、この多値化処理についてのみ説明する。
図14は本実施の形態に係る多値化処理のフローチャートである。この図に示すように
、多値化部214Aは、画像データが4×4個の画素ごとに分割されてなるブロックのう
ち、処理済みのブロック数を計数するためのカウンタEを「0」に初期化するとともに、
画像データ内の総ブロック数Rを、カウンタの最大値を示すカウンタ最大値Emaxに代
入する(ステップS30)。
次いで、多値化部214Aは、現在のカウンタEの値がカウンタ最大値Emaxよりも
大であるか否かを判定する(ステップS31)。そして、現在のカウンタEの値がカウン
タ最大値Emax以下の場合には(ステップS31:NO)、ドットサイズが未決定とな
っている未処理のブロックがあることを示すため、多値化部214Aは、そのブロックの
各画素についてドットサイズを決定すべく次の処理を実行する。
すなわち、多値化部214Aは、ドットサイズ閾値テーブル220を参照して、ブロッ
ク内の各画素の濃度に対応するドットサイズを決定する(ステップS32)。この結果、
図16に示すように、ブロックB内の各画素Gの濃度がドットサイズに置き換えられる。
このとき、次に続く処理では、各画素の濃度を参照する必要があるため、多値化部214
Aは各画素の濃度をバッファ(メモリ)などに参照可能に退避しておく。
【0045】
次いで、多値化部214Aは、確率ディザマトリクス240を確率ディザマトリクス記
憶部218から読み出すとともに、この確率ディザマトリクス240の各セルCLの確率
を、確率補正テーブル250を参照して画素の濃度に応じた確率補正値により補正する(
ステップS33)。具体的には、図17に示すように、ブロックBの各画素の濃度に応じ
て決定された確率補正値が、各画素に対応して配列されてなる確率補正マトリクス260
が生成され、確率ディザマトリクス240の各セルCLに、確率補正マトリクス260A
の各セルCLAが足し合わされて、補正後の確率ディザマトリクス240Aが生成される
。したがって、例えば、ブロックBの右下角に位置する画素G1の濃度値は「10」であ
るから(図16参照)、図13に示す確率補正テーブル250に基づいて、確率補正マト
リクス260Aの右下角のセルCLA1の確率補正値は「−75」となる。そして、この
セルCLA1の確率補正値「−75」と、確率ディザマトリクス240の右下角のセルC
L1の確率「77」とが足し合わされ、補正後の確率ディザマトリクス240Aの右下角
のセルCL1の確率が「+2」となる。
【0046】
ここで、補正後の確率ディザマトリクス240Aにあっては、補正によって、セルCL
の確率が「100%」をこえたり、或いは、「0%」を下回る場合があり、その場合には
、図18に示すように、多値化部214Aは、補正後の確率が「100%」をこえている
各セルCLの確率を全て「100%」に置き換えるとともに、補正後の確率が「0%」を
下回っている各セルCLの確率を全て「0%」に置き換える。
その後、多値化部214Aは、ブロック内の各画素のドット形成の可否を決定すべく次
の処理を実行する。
すなわち、多値化部214Aは、処理済みの画素数を計数するためのカウンタFを「0
」に初期化するとともに、ブロック内の総画素数T(ここでは16)を、カウンタの最大
値を示すカウンタ最大値Fmaxに代入する(ステップS34)。
次いで、多値化部214Aは、現在のカウンタFの値がカウンタ最大値Fmaxよりも
大であるか否かを判定し(ステップS36)、現在のカウンタFの値がカウンタ最大値F
max以下の場合には(ステップS36:NO)、未処理の画素があることを示すため、
その画素についてドット形成の可否を判定すべく当落抽選を行う(ステップS37)。
この当落抽選においては、多値化部214は、確率に応じた数の当選数字を設定し、乱
数発生部213から乱数値を受け取り、その乱数値が当選数字であるか否かを判定するこ
とで、当落抽選を行う。
【0047】
ステップS36における当落抽選の結果、落選している場合(ステップS37:NO)
、多値化部214Aは、ドットを形成しないものとする代わりに、上記ステップS32に
て決定されたドットサイズを1段階引き下げる(ステップS38)。そして、多値化部2
14はカウンタFの値を「1」だけインクリメントし(ステップS39)、ブロック内に
未処理の画素があるか否かを判定すべく、処理手順をステップS35に戻す。
また、ステップS36における当落抽選の結果、当選している場合には(ステップS2
7:YES)、上記ステップS32にて決定したドットサイズを変更する必要がないため
、多値化部214Aは、カウンタFの値を「1」だけインクリメントした後(ステップS
38)、処理手順をステップS35に戻す。
これらの処理の結果、図19に示すように、ステップS32にて決定された各画素Gの
ドットサイズが、補正後の確率ディザマトリクス240Bの確率にしたがって変更される
。すなわち、確率が「100%」のセルCLに対応する画素GAでは、ドットサイズがス
テップS32にて決定されたドットサイズから変更されず、また、確率が「0%」のセル
CLに対応する画素GBでは、ドットサイズがステップS32にて決定されたドットサイ
ズから1段階引き下げられる。また、確率が「0%〜100%」の間であるセルCLに対
応する画素GCでは、その確率に基づく当落抽選の結果に応じて、ドットサイズがステッ
プS32にて決定されたドットサイズから1段階引き下げられることになる。
特に、画素GCにあっては、確率に基づいてドットサイズが変更されるため、ブロック
Bのドットパターンにランダム性が生じることとなる。
【0048】
そして、多値化部214Aは、現在のカウンタFの値がカウンタ最大値Fmaxよりも
大であるか否かを判定し(ステップS35)、カウンタFの値がカウンタ最大値Fmax
よりも大きい場合には(ステップS35:YES)、ブロック内の全ての画素のドットサ
イズが確定したことを示すため、多値化部214Aは、処理済のブロック数を計数するた
めのカウンタEの値を「1」だけインクリメントして(ステップS40)、未処理のブロ
ックがあるか否かを判定すべく、処理手順をステップS31に戻す。
次いで、多値化部214Aは、現在のカウンタEの値がカウンタ最大値Emaxよりも
大であるか否かを判定し(ステップS31)、カウンタEの値がカウンタ最大値Emax
よりも大きい場合には(ステップS31:YES)、画像データ内の全てのブロックが多
値化されたことを示すため、多値化部214Aは多値化処理を終了する。
【0049】
このように本実施の形態によれば、上述した第1実施の形態の効果に加え、画像データ
の各画素のドット形成の有無が、ディザ法に準じ、なおかつ、確率的に決定されるため、
高品位に中間調を表現することができ、また、多値化にディザ法を用いた際に生じる同じ
ドットパターンの繰り返しを防止することができる。
【0050】
なお、上述した各実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で
任意に変形可能である。
例えば、上述した各実施の形態では、色変換部211により画像データの各画素の輝度
値が濃度値に変換した後、多値化部214、214Aが、この画像データを各画素の濃度
値に基づいて、各画素にドットサイズを対応付けて多値化する構成を説明したがこれに限
らない。すなわち、多値化部214、214Aが、画像データの各画素の輝度値に基づい
て、各画素に画素値を対応付けて多値化する構成としても良い。このとき、画素に画素値
を割り当てる際には、画素が取り得る輝度範囲(例えば0〜255)を複数の輝度閾値に
より複数の輝度範囲に分け、それぞれの輝度範囲に画素値を割り当てた輝度閾値テーブル
を予め容易しておき、各画素の輝度と、輝度閾値テーブルとに基づいて、多値化部214
、214Aが各画素の画素値を決定する。そして、この多値化部214、214Aが画素
ごとに、輝度に基づいた画素値の有無の当落抽選を行う。この結果、落選の場合には、例
えば画素値を1段階小さくするなどの変更行うようにしても良い。
【0051】
また例えば、上述した各実施の形態では、コンピュータ4にインストールされるプリン
タドライバソフトに画像処理プログラムを組み込むことで、コンピュータ4を画像処理装
置200として機能させたが、これに限らず、プリンタ2の制御回路24に画像処理プロ
グラムを実行させ、この制御回路24を画像処理装置200として機能させる構成として
も良い。この構成においては、画像処理プログラムが例えば制御回路24のP−ROM4
3などに予め格納される。また、クライアント端末からの印刷要求を受け付けプリンタ2
に印刷させる、いわゆるプリンタサーバのCPU、メモリ等で上記画像処理プログラムが
動作するように構成することも可能である。
さらに、上述した画像処理プログラムは、コンピュータ4やプリンタ2の半導体ROM
に予め記憶させて製品に組み込まれるほかにも、インターネットなどのネットワークを介
して配信することも可能である。また、図20に示すようにCD−ROMやDVD−RO
M、FDなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体300を介することによって所望す
るユーザなどに対して容易に提供することも可能である。
【0052】
また例えば、上述した各実施の形態では、画像データの各画素を4値化する場合につい
て例示したが、画像データの各画素に「ドット有り(画素値「1」)」または「ドット無
し(画素値「0」)」を割り当てる、いわゆる2値化の場合にも本発明を適用することが
可能である。
【0053】
また例えば、上述した各実施の形態では、記録ヘッドとして、ピエゾ素子を用いてイン
クを吐出する構成のものを例示したが、他の方法によりインクを吐出する記録ヘッドを用
いても良い。例えばインク通路に配置したヒータに通電し、インク通路内に発生する泡(
バブル)によりインクを吐出する記録ヘッドを用いても良い。
【0054】
また例えば、上述した各実施の形態では、記録ヘッドとしてラインヘッド28を備え、
記録ヘッドを走査させることなく記録用紙3を搬送方向に搬送するだけで印刷を行うプリ
ンタ2に本発明を適用した例を説明したが、これに限らない。すなわち、記録ヘッドをキ
ャリッジに搭載し、当該記録ヘッドを記録用紙3の幅方向(いわゆる主走査方向)に移動
させつつ、記録ヘッドのノズルからインクと吐出させて印刷を行うプリンタにも本発明を
適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の第1実施形態の印刷用のコンピュータシステムを示す図である。
【図2】ヘッドユニットの構成を示す図である。
【図3】プリンタの制御回路の機能的構成を示す図である。
【図4】コンピュータの機能的構成を示す図である。
【図5】第1実施形態に係る画像処理装置の機能的構成を示す図である。
【図6】入力輝度と画素の濃度との対応関係を示す図である。
【図7】ドットサイズ閾値テーブルを示す図である。
【図8】確率テーブルを示す図である。
【図9】第1実施形態の画像処理を示すフローチャートである。
【図10】第1実施形態の多値化処理を示すフローチャートである。
【図11】第2実施形態に係る画像処理装置の機能的構成を示す図である。
【図12】確率ディザマトリクスを示す図である。
【図13】確率補正テーブルを示す図である。
【図14】確率補正値と画素の濃度との関係を示す図である。
【図15】第2実施形態の多値化処理を示すフローチャートである。
【図16】各画素のドットサイズ決定動作を説明するための図である。
【図17】確率ディザマトリクスの確率補正動作を説明するための図である。
【図18】確率ディザマトリクスの確率補正動作を説明するための図である。
【図19】各画素のドットサイズの変更を説明するための図である。
【図20】本発明の画像処理プログラムが記録された記録媒体を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
1…コンピュータシステム、2…プリンタ、3…記録用紙、4…コンピュータ、22…
ヘッド駆動回路、28…ラインヘッド、33…ノズル、91…CPU、200…画像処理
装置、210…入力部、214、214A…多値化部(ドットサイズ決定手段、ドット有
無決定手段)、215…出力部、216…ドットサイズ閾値記憶部、218…確率ディザ
マトリクス記憶部、220…ドットサイズ閾値テーブル、230…確率テーブル、240
、240A、240B…確率ディザマトリクス、255…確率補正テーブル、260A…
確率補正マトリクス、300…記録媒体、B…ブロック、CL…セル、G…画素。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素値が割り当てられる画素の輝度閾値を、前記画素ごとに記憶する輝度閾値記憶手段
と、
画像データの輝度と前記輝度閾値とに基づいて、当該画素の画素値を決定する画素値決
定手段と、
前記画素のそれぞれの画素値の有無を抽選により決定する画素有無値決定手段と
を具備することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
記録装置が形成可能なドットサイズと、当該ドットサイズが割り当てられる画素の濃度
の濃度閾値とを、前記ドットサイズごとに記憶するドットサイズ閾値記憶手段と、
画像データの画素の濃度と前記濃度閾値とに基づいて、当該画素のドットサイズを決定
するドットサイズ決定手段と、
前記画素のそれぞれのドット形成の有無を抽選により決定するドット有無決定手段と
を具備することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
前記輝度閾値のそれぞれにより区分されてなる輝度範囲内、または、前記濃度閾値のそ
れぞれにより区分されてなる濃度範囲内では、前記輝度または前記濃度が高くなるにした
がって前記抽選の当選確率が高くなる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記画素値または前記ドットサイズが少なくとも3種類以上ある場合に、
前記画素値有無決定手段が画素値無しと決定した際、または、前記ドット有無決定手段
がドット形成無しと決定した際に、前記画素値決定手段が決定した画素値または前記ドッ
トサイズ決定手段が決定したドットサイズを、1段階小さくすることを特徴とする請求項
1乃至3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記画像データの複数の画素のそれぞれについて画素値の有無またはドット形成の有無
の確率をディザ法に準じて規定した確率ディザマトリクスを記憶する確率ディザマトリク
ス記憶手段と、
前記画素の輝度または濃度に応じた確率補正量を記憶する確率補正記憶手段とをさらに
備え、
前記画素値有無決定手段または前記ドット有無決定手段は、
前記確率ディザマトリクスを前記画像データにあてはめるとともに、
前記確率ディザマトリクスのそれぞれの確率を、当該確率があてはめられる画素の輝度
または濃度に応じた前記確率補正量に基づいて補正し、
前記確率ディザマトリクスがあてはめられた各画素について、補正後の確率を前記当選
確率とした抽選を行い、この抽選結果に基づいて、前記各画素の画素値の有無またはドッ
ト形成の有無を決定する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
画素値が割り当てられる画素の輝度閾値と、画像データの輝度とに基づいて、当該画素
の画素値を決定し、前記画素のそれぞれの画素値の有無を抽選により決定する
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項7】
記録装置が形成可能なドットサイズごとに予め設定された画素の濃度閾値と、画像デー
タの画素の濃度とに基づいて、前記画像データの各画素のドットサイズを決定し、前記画
素のそれぞれのドット形成の有無を抽選により決定する
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項8】
コンピュータを、
画素値が割り当てられる画素の輝度閾値を、前記画素ごとに記憶する輝度閾値記憶手段

画像データの輝度と前記輝度閾値とに基づいて、当該画素の画素値を決定する画素値決
定手段、および、
前記画素のそれぞれの画素値の有無を抽選により決定する画素有無値決定手段
として機能させるための画像処理プログラム。
【請求項9】
コンピュータを、
記録装置が形成可能なドットサイズと、当該ドットサイズが割り当てられる画素の濃度
の濃度閾値とを、前記ドットサイズごとに記憶するドットサイズ閾値記憶手段、
画像データの画素の濃度と前記濃度閾値とに基づいて、当該画素のドットサイズを決定
するドットサイズ決定手段、および、
前記画素のそれぞれのドット形成の有無を抽選により決定するドット有無決定手段
として機能させるための画像処理プログラム。
【請求項10】
コンピュータを、
画素値が割り当てられる画素の輝度閾値を、前記画素ごとに記憶する輝度閾値記憶手段

画像データの輝度と前記輝度閾値とに基づいて、当該画素の画素値を決定する画素値決
定手段、および、
前記画素のそれぞれの画素値の有無を抽選により決定する画素有無値決定手段
として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項11】
コンピュータを、
記録装置が形成可能なドットサイズと、当該ドットサイズが割り当てられる画素の濃度
の濃度閾値とを、前記ドットサイズごとに記憶するドットサイズ閾値記憶手段、
画像データの画素の濃度と前記濃度閾値とに基づいて、当該画素のドットサイズを決定
するドットサイズ決定手段、および、
前記画素のそれぞれのドット形成の有無を抽選により決定するドット有無決定手段
として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項12】
インクを吐出してドットを形成する複数のノズルを有する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドが形成可能なドットサイズと、当該ドットサイズが割り当てられる画素
の濃度の濃度閾値とを、前記ドットサイズごとに記憶するドットサイズ閾値記憶手段と、
画像データの画素の濃度と前記濃度閾値とに基づいて、当該画素のドットサイズを決定
するドットサイズ決定手段と、
前記画素のそれぞれのドット形成の有無を抽選により決定するドット有無決定手段と、
前記ドットサイズ決定手段および前記ドット有無決定手段の決定結果に基づいて、前記
画像データの各画素のドットが形成されるように前記記録ヘッドを駆動するヘッド駆動手
段と
を具備することを特徴とする記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2006−238267(P2006−238267A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−52616(P2005−52616)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】