説明

画像処理装置、画像処理方法、画像読取装置及び画像処理プログラム

【課題】ページ全体の総画素数に対するカラー画素数の比率に左右される事無く、確実に対象画像のカラーモードの判定をすることができる画像処理装置、画像処理方法、画像読取装置及び画像処理プログラムを提供する。
【解決手段】ページ単位で画像データの画素数を各画素のカラーモード別にカウントし、また、ページ単位で画像データの総画素数を取得する。そして、所定のカラーモード順の1番目のカラーモードは、このカラーモード順の1番目のカラーモードの画素数の総画素数に対する画素比率に基づいて判定する。また、カラーモード順の2番目以降のカラーモードは、判定を行う前に、カラーモード順の1つ前の順番までのカラーモードの合計画素数を、総画素数から減算した減算総画素数を算出して、カラーモード順の2番目以降のカラーモードの画素数のそれぞれの減算総画素数に対する画素比率に基づいて判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象画像のカラーモードを判定する画像処理装置、画像処理方法、画像読取装置及び画像処理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、対象画像のカラーモードを判定する技術に関して種々提案されている。
例えば、下記特許文献1に記載される画像処理装置は、画像読取部からページ単位で入力されたR、G、Bの3色に分解された画像データを画像処理によりイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、黒(K)の4色のビットマップデータに変換する。そして、色毎にページ全体のカラー画素をカウントし、カウントしたカラー画素数を閾値と比較して、3色のうち1色でもカラー画素数が閾値よりも多いとき、カラー画像と判定する。また、カラー画素数が閾値以下のとき、白黒画像と判定するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−251740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した特許文献1に記載される構成の画像処理装置では、ページ全体の総画素数に対するカラー画素数の比率により判定結果が左右され、カラー画像であるにも関わらず、白黒画像として判定されるという問題がある。
【0005】
例えば、図10に示すように、上側のカラー画像100では、ページ全体の総画素数100000に対するカラー画素数15000の画素比率は15%であるため、閾値が総画素数の2%以上、即ち2000以上の場合には、カラー画像として判定される。一方、上側のカラー画像100を縮小した下側のカラー画像101では、ページ全体の総画素数100000に対するカラー画素数1500の画素比率は1.5%であるため、閾値が総画素数の2%以上、即ち2000以上の場合には、カラー画像でなく、白黒画像として判定されるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、ページ全体の総画素数に対するカラー画素数の比率に左右される事無く、確実に対象画像のカラーモードの判定をすることができる画像処理装置、画像処理方法、画像読取装置及び画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため請求項1に係る画像処理装置は、画像データに含まれる各画素の色データに基づいて各画素のカラーモードを識別する画素カラーモード識別部と、前記画像データの画素数を前記画素カラーモード識別部によって識別された各画素のカラーモード別にページ単位でカウントするカウント部と、前記画像データに含まれる画素の総数である総画素数をページ単位で取得する取得部と、ページ単位で対象画像のカラーモードを所定のカラーモード順に判定する画像判定部と、前記画像判定部により前記カラーモード順の2番目以降の判定が行われる前に、前記カラーモード順の1つ前の順番までのカラーモードの合計画素数を、前記取得部により取得した前記総画素数から減算した減算総画素数を算出する減算部と、を備え、前記画像判定部は、前記カラーモード順の1番目のカラーモードに対する判定において、前記カラーモード順の1番目のカラーモードの画素数の前記総画素数に対する画素比率に基づいて判定を行い、前記カラーモード順の2番目以降のカラーモードに対する判定において、前記カラーモード順の2番目以降のカラーモードの前記画素数の前記減算部を介して算出された前記減算総画素数に対する画素比率に基づいて判定を行うことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る画像処理装置は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記各画素のカラーモードは、前記各画素が地色であることを示す地色画素モードを含み、前記カラーモード順における1番目のカラーモードは、前記地色画素モードであり、前記画像判定部は、前記地色画素モードの画素数の前記総画素数に対する画素比率が白紙ページ閾値以上の場合には、白紙ページの画像データであると判定することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る画像処理装置は、請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置において、前記各画素のカラーモードは、前記各画素がカラーであることを示すカラー画素モードを含み、前記カラーモード順における2番目のカラーモードは、前記カラー画素モードであり、前記画像判定部は、前記カラー画素モードの画素数の前記減算総画素数に対する画素比率がカラーページ閾値以上の場合には、カラーページの画像データであると判定することを特徴とする。
【0010】
更に、請求項4に係る画像処理装置は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像処理装置において、前記各画素のカラーモードは、前記各画素がグレーであることを示すグレー画素モードを含み、前記カラーモード順における3番目のカラーモードは、前記グレー画素モードであり、前記画像判定部は、前記グレー画素モードの画素数の前記減算総画素数に対する画素比率がグレーページ閾値以上の場合には、グレーページの画像データであると判定し、前記グレー画素モードの画素数の前記減算総画素数に対する画素比率がグレーページ閾値未満の場合には、モノクロページの画像データであると判定することを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係る画像読取装置は、シートの画像を読み取る画像読取部と、前記画像読取部により読み取られた画像に対して画像処理を行う前記請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像処理装置と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に係る画像処理方法は、画像データに含まれる各画素の色データに基づいて各画素のカラーモードを識別する画素カラーモード識別工程と、前記画像データの画素数を前記画素カラーモード識別工程で識別された各画素のカラーモード別にページ単位でカウントするカウント工程と、前記画像データに含まれる画素の総数である総画素数をページ単位で取得する取得工程と、ページ単位で対象画像のカラーモードを所定のカラーモード順に判定する画像判定工程と、前記画像判定工程で前記カラーモード順の2番目以降の判定が行われる前に、前記カラーモード順の1つ前の順番までのカラーモードの合計画素数を、前記取得工程で取得した前記総画素数から減算した減算総画素数を算出する減算工程と、を備え、前記画像判定工程では、前記カラーモード順の1番目のカラーモードに対する判定において、前記カラーモード順の1番目のカラーモードの画素数の前記総画素数に対する画素比率に基づいて判定を行い、前記カラーモード順の2番目以降のカラーモードに対する判定において、前記カラーモード順の2番目以降のカラーモードの前記画素数の前記減算部を介して算出された前記減算総画素数に対する画素比率に基づいて判定を行うことを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に係る画像処理プログラムは、コンピュータに、画像データに含まれる各画素の色データに基づいて各画素のカラーモードを識別する画素カラーモード識別工程と、前記画像データの画素数を前記画素カラーモード識別工程で識別された各画素のカラーモード別にページ単位でカウントするカウント工程と、前記画像データに含まれる画素の総数である総画素数をページ単位で取得する取得工程と、ページ単位で対象画像のカラーモードを所定のカラーモード順に判定する画像判定工程と、前記画像判定工程で前記カラーモード順の2番目以降の判定が行われる前に、前記カラーモード順の1つ前の順番までのカラーモードの合計画素数を、前記取得工程で取得した前記総画素数から減算した減算総画素数を算出する減算工程と、を実行させ、前記画像判定工程では、前記カラーモード順の1番目のカラーモードに対する判定において、前記カラーモード順の1番目のカラーモードの画素数の前記総画素数に対する画素比率に基づいて判定を行い、前記カラーモード順の2番目以降のカラーモードに対する判定において、前記カラーモード順の2番目以降のカラーモードの前記画素数の前記減算部を介して算出された前記減算総画素数に対する画素比率に基づいて判定を行うように実行させるための画像処理プログラムである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る画像処理装置では、ページ単位で画像データの画素数を各画素のカラーモード別にカウントし、また、ページ単位で画像データの総画素数を取得する。そして、ページ単位で対象画像のカラーモードを所定のカラーモード順に判定する。また、所定のカラーモード順の1番目のカラーモードは、このカラーモード順の1番目のカラーモードの画素数の総画素数に対する画素比率に基づいて判定を行う。
【0015】
また、カラーモード順の2番目以降の判定を行う前に、このカラーモード順の1つ前の順番までのカラーモードの合計画素数を、総画素数から減算した減算総画素数を算出する。そして、カラーモード順の2番目以降のカラーモードは、カラーモード順の2番目以降のカラーモードの画素数のそれぞれの減算総画素数に対する画素比率に基づいて判定を行う。
【0016】
これにより、所定のカラーモード順の2番目以降に選択した各画素数に対応する減算画素数は、カラーモード順の1つ前の順番までに選択した画素数の合計画素数を総画素数から減算したものとなる。そのため、所定のカラーモード順の1番目に地色を選択することによって、カラーモード順の2番目以降に選択した地色以外の各画素数のそれぞれの画素比率は、対象画像の各カラーモードの画素比率とすることができる。従って、ページ全体の総画素数に対するカラー画素数の比率に左右される事無く、確実に対象画像のカラーモードの判定をすることができる。例えば、ページ単位で対象画像が縮小されても、当該対象画像のカラーモードの判定結果を確実に同一とすることができる。
【0017】
また、請求項2に係る画像処理装置では、用紙の地色である地色画素モードの画素数を1番目に選択することによって、ページ毎に白紙ページの対象画像のカラーモード判定を迅速に行うことが可能となる。また、カラーモード順の1番目に地色である地色画素モードの画素数を選択することによって、カラーモード順の2番目以降に対象画像の各カラーモードの画素数を確実に選択して、それぞれの減算総画素数に対する画素比率を確実に取得することが可能となる。
【0018】
また、請求項3に係る画像処理装置では、カラーモード順の2番目にカラー画素モードの画素数を選択するため、ページ毎にカラーページの画像データであるか否かを迅速に判定することできる。
【0019】
更に、請求項4に係る画像処理装置では、カラーモード順の3番目にグレー画素モードの画素数を選択するため、ページ毎にグレーページの画像データであるか、モノクロページの画像データであるかを迅速に判定することが可能となる。
【0020】
また、請求項5に係る画像読取装置では、画像読取部により読み取られたシートの画像データに対して、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像処理装置によって、ページ全体の総画素数に対するカラー画素数の比率に左右される事無く、確実に対象画像のカラーモードの判定を行って、ページ単位で画像データを出力することができる。
【0021】
また、請求項6に係る画像処理方法では、ページ単位で画像データの画素数を各画素のカラーモード別にカウントし、また、ページ単位で画像データの総画素数を取得する。そして、ページ単位で対象画像のカラーモードを所定のカラーモード順に判定する。また、所定のカラーモード順の1番目のカラーモードは、このカラーモード順の1番目のカラーモードの画素数の総画素数に対する画素比率に基づいて判定を行う。
【0022】
また、カラーモード順の2番目以降の判定を行う前に、このカラーモード順の1つ前の順番までのカラーモードの合計画素数を、総画素数から減算した減算総画素数を算出する。そして、カラーモード順の2番目以降のカラーモードは、カラーモード順の2番目以降のカラーモードの画素数のそれぞれの減算総画素数に対する画素比率に基づいて判定を行う。
【0023】
これにより、所定のカラーモード順の2番目以降に選択した各画素数に対応する減算画素数は、カラーモード順の1つ前の順番までに選択した画素数の合計画素数を総画素数から減算したものとなる。そのため、所定のカラーモード順の1番目に地色を選択することによって、カラーモード順の2番目以降に選択した地色以外の各画素数のそれぞれの画素比率は、対象画像の各カラーモードの画素比率とすることができる。従って、ページ全体の総画素数に対するカラー画素数の比率に左右される事無く、確実に対象画像のカラーモードの判定をすることができる。例えば、ページ単位で対象画像が縮小されても、当該対象画像のカラーモードの判定結果を確実に同一とすることができる。
【0024】
また、請求項7に係る画像処理プログラムでは、コンピュータは当該プログラムを読み込むことによって、ページ単位で画像データの画素数を各画素のカラーモード別にカウントし、また、ページ単位で画像データの総画素数を取得する。そして、コンピュータはページ単位で対象画像のカラーモードを所定のカラーモード順に判定する。また、所定のカラーモード順の1番目のカラーモードは、このカラーモード順の1番目のカラーモードの画素数の総画素数に対する画素比率に基づいて判定を行う。
【0025】
また、コンピュータはカラーモード順の2番目以降の判定を行う前に、このカラーモード順の1つ前の順番までのカラーモードの合計画素数を、総画素数から減算した減算総画素数を算出する。そして、カラーモード順の2番目以降のカラーモードは、カラーモード順の2番目以降のカラーモードの画素数のそれぞれの減算総画素数に対する画素比率に基づいて判定を行う。
【0026】
これにより、所定のカラーモード順の2番目以降に選択した各画素数に対応する減算画素数は、カラーモード順の1つ前の順番までに選択した画素数の合計画素数を総画素数から減算したものとなる。そのため、コンピュータは、所定のカラーモード順の1番目に地色を選択することによって、カラーモード順の2番目以降に選択した地色以外の各画素数のそれぞれの画素比率は、対象画像の各カラーモードの画素比率とすることができる。従って、コンピュータは、ページ全体の総画素数に対するカラー画素数の比率に左右される事無く、確実に対象画像のカラーモードの判定をすることができる。例えば、ページ単位で対象画像が縮小されても、コンピュータは、当該対象画像のカラーモードの判定結果を確実に同一とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施形態に係る画像読取装置を示す斜視図である。
【図2】図1のX1−X1矢視全断面図である。
【図3】上側フレームが取り外された状態の斜視図である。
【図4】画像読取装置の回路構成を示す回路ブロック図である。
【図5】FLASH・ROMに格納された画像閾値テーブルの一例を示す図である。
【図6】FLASH・ROMに格納されたページ閾値テーブルの一例を示す図である。
【図7】ページ単位で対象画像のカラーモードの識別を行うカラーモード識別処理を示すフローチャートである。
【図8】図7の「画素のカラーモード識別処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。
【図9】図7の「ページのカラーモード識別処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。
【図10】カラー写真が印刷されたシートの一例を示す図である。
【図11】図10の上側のカラー写真が印刷されたシートの判定結果を示す図である。
【図12】図10の下側のカラー写真が印刷されたシートの判定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係る画像処理装置、画像処理方法、画像読取装置及び画像処理プログラムを具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
先ず、本実施形態に係る画像読取装置1の概略構成について図1乃至図3に基づいて説明する。
【0029】
図1及び図2に示すように、画像読取装置1は、装置本体2と、装置本体2の上部に設けられた給紙口3と、給紙口3の上方に垂直に近い角度で傾斜して配置された給紙トレイ4と、装置本体2の前面側下端部に設けられた排出口5と、排出口5から排出された原稿であるシートPが積載される略水平に配置された排出トレイ6とを有している。
【0030】
給紙トレイ4には、セットされたシートPの幅方向の位置を規制する一対のシートガイド7が設けられている。各シートガイド7は、給紙トレイ4の幅方向に延びる一対のガイド溝8に支持されてスライド可能なプレート7Aと、プレート7Aの側縁部に立設された側壁7Bとから構成され、横断面略L字形に形成されている。また、各シートガイド7は、不図示の連動機構によって、いずれか一方のシートガイド7がスライドされると、他方のシートガイド7が連動して相反する方向へスライドするように構成されている。
【0031】
また、給紙トレイ4の上端部には、上下方向に引き出し・収納可能に構成された各補助トレイ4A、4Bが設けられている。また、排出トレイ6は、装置本体2側の基端部を中心に該装置本体2側へ回動して、装置本体2の上面に密着可能に設けられている。また、排出トレイ6は、装置本体2に対して反対側の側縁部に各補助トレイ6A、6Bが設けられている。各補助トレイ6A、6Bは、内側方向へ回動させて排出トレイ6に重ねて収納できるように構成されている(図3参照)。
【0032】
また、装置本体2は、シートPの給紙口3から排出口5までの搬送路11を構成する下側フレーム12と、下側フレーム12の上側を開閉可能に覆う上側フレーム13とから構成されている。また、下側フレーム12の正面視左側縁部には、不図示のギヤ列が収納されたギヤ収納部14が設けられている。また、スタートスイッチ15A、エラーランプ15B等がこのギヤ収納部14の上面部に配置されている。
【0033】
図2及び図3に示すように、下側フレーム12には、給紙口3の近傍に配置されて、給紙トレイ4にセットされたシートPを搬送路11に沿って内部へ分離して引き込む第1搬送ローラ17が設けられている。また、この第1搬送ローラ17の搬送方向下流側に近接して配置されて、シートPを搬送路11に沿って内部へ分離して搬送する第2搬送ローラ18とが設けられている。また、第2搬送ローラ18の搬送方向下流側には、同一軸上に取り付けられて、シートPを搬送路11に沿って搬送する一対の第3搬送ローラ19が設けられている。
【0034】
一方、上側フレーム13の第1搬送ローラ17に対向する位置には、ゴム等の高摩擦弾性部材で形成されて、閉じた際に、第1搬送ローラ17の外周面に当接する第1分離部材21が設けられている。この第1分離部材21は、上側フレーム13を閉じた際に、背面部に配置された押圧部材22と圧縮バネ23とによって弾性付勢されて、第1搬送ローラ17の外周面に所定荷重で押圧される。
【0035】
また、上側フレーム13の第2搬送ローラ18に対向する位置には、ゴム等の高摩擦弾性部材で形成されて、閉じた際に、第2搬送ローラ18の外周面に当接する第2分離部材25が設けられている。
【0036】
そして、第2分離部材25は、上側フレーム13を閉じた際に、背面部に配置されて先端部が断面矩形状に形成された押圧部材26と圧縮バネ27とによって弾性付勢されて、第2分離部材25が第2搬送ローラ18の軸方向両端縁部の外周面に所定荷重で押圧される。
【0037】
また、上側フレーム13の一対の第3搬送ローラ19に対向する位置には、一対のピンチローラ31が回転自在に設けられている。この一対のピンチローラ31は、それぞれの軸が圧縮バネ32によって対向する第3搬送ローラ19に向けて弾性付勢されている。このため、各ピンチローラ31は各第3搬送ローラ19の外周面に圧接され、各第3搬送ローラ19が回転駆動されると、各ピンチローラ31が従動回転する。
【0038】
また、給紙トレイ4に供給されて第1搬送ローラ17と第1分離部材21とのニップ部に案内されたシートPは、第1搬送ローラ17の軸17Aの回転駆動によって、第1分離部材21との摩擦により最も下側のシートP、つまり、第1搬送ローラ17の外周面に当接するシートPが分離され、第2搬送ローラ18へ搬送される。
【0039】
そして、第2搬送ローラ18と第2分離部材25の各当接部25Aとのニップ部に搬送されたシートPは、各当接部25Aとの摩擦により第2搬送ローラ18の外周面に当接するシートPが分離され、搬送方向下流側に配置された一対の第3搬送ローラ19へ搬送される。
【0040】
また、図3に示すように、第1搬送ローラ17の正面視左側近傍位置には、シートPの有無を検出する第1シートセンサ34が設けられている。また、第2搬送ローラ18の正面視左側近傍位置には、シートPの有無を検出する第2シートセンサ35が設けられている。第1シートセンサ34は、第1搬送ローラ17と第1分離部材21とのニップ部へ搬送されたシートPを検出した場合には、ON信号を出力し、シートPを検出していない場合には、OFF信号を出力するように構成されている。同様に、第2シートセンサ35は、第2搬送ローラ18と第2分離部材25の各当接部25とのニップ部へ搬送されたシートPを検出した場合には、ON信号を出力し、シートPを検出していない場合には、OFF信号を出力するように構成されている。
【0041】
また、図3に示すように、一対の第3搬送ローラ19間のほぼ中央位置には、各第3搬送ローラ19と各ピンチローラ31とのニップ部を通過したシートPの先端部を検出する第3シートセンサ37が設けられている。図2に示すように、第3シートセンサ37は、一対の第3搬送ローラ19と一対のピンチローラ31とのニップ部を通過したシートPによって当接部材38が搬送方向下流側へ回動されて、ON信号を出力し、当接部材38がシートPによって回動されていない場合には、OFF信号を出力する。
【0042】
また、図2及び図3に示すように、下側フレーム12には、一対の第3搬送ローラ19及び第3シートセンサ37の搬送方向下流側に、いわゆる密着型のイメージセンサ(CIS:Contact Image Sensor)により構成された下側ラインセンサ41が配置され、搬送路11に沿って搬送されるシートPの表面の画像が読み取られる。
【0043】
また、上側フレーム13には、一対のピンチローラ31の搬送方向下流側に、密着型のイメージセンサにより構成された上側ラインセンサ42が、下側ラインセンサ41に対向するように配置され、搬送路11に沿って搬送されるシートPの裏面の画像が読み取られる。
【0044】
この下側ラインセンサ41及び上側ラインセンサ42は、ほぼ同じ構成であって、それぞれ、光源、レンズ及び受光素子を備え、シートPに対向するようにコンタクトガラス43が設けられている。そして、シートPは、下側ラインセンサ41及び上側ラインセンサ42のコンタクトガラス43に密着しつつ、各コンタクトガラス43間を通過する。
【0045】
そして、各ラインセンサ41、42は、光源からコンタクトガラス43を通じてシートPに光を照射して、シートPからの反射光をレンズにより受光素子に集光してRGB信号(画像の色データ)に変換し出力する。このRGB信号の画像処理を行うことによって、シートPの両面について、各画素のRGB値等で構成された画像データをページ単位で得ることができる。
【0046】
また、受光素子は、例えばチップ単位でシートPの主走査方向(搬送路11に対して直交する方向である。)に並べられている。また、光源及びレンズは、この受光素子と同方向に配列されている。また、各コンタクトガラス43は、下側ラインセンサ41及び上側ラインセンサ42の主走査方向の長さに対応して該主走査方向に延設されている。
【0047】
また、図2及び図3に示すように、下側フレーム12には、下側ラインセンサ41の搬送方向下流側の近傍位置に、同一軸上に取り付けられて、シートPを搬送路11に沿って排出口5から排出する一対の排出ローラ45が設けられている。また、上側フレーム13の一対の排出ローラ45に対向する位置には、一対のピンチローラ46が回転自在に設けられている。
【0048】
この一対のピンチローラ46は、軸が圧縮バネ47によって対向する排出ローラ45に向けて弾性付勢されている。このため、各ピンチローラ46は各排出ローラ45の外周面に圧接され、各排出ローラ45が回転駆動されると、各ピンチローラ46が従動回転する。
【0049】
ここで、図1乃至図3に示すように、上側フレーム13は、各ピンチローラ46側の側縁部の左右方向両端部から突出する一対の軸49によって、排出口5の左右両端部において、開閉可能に軸支されている。そして、この上側フレーム13を下側フレーム12側へ回動して当接させることによって、上側フレーム13の給紙口3側の側縁部の左右方向両端部に設けられた不図示の各弾性係止片が、下側フレーム12の給紙口3側の左右両側縁部に設けられた各係合孔51に係止される。
【0050】
また、上側フレーム13を下側フレーム12に係止した場合には、上側フレーム13の給紙口3側の正面視右側縁部から突出する薄板状の突出片52が、下側フレーム12の正面視右側縁部に配置された溝形フォトマイクロセンサにより構成されるカバースイッチ53の溝内に入るように構成されている。これにより、カバースイッチ53は、上側フレーム13を下側フレーム12に係止して、突出片52が溝内に入った場合にON信号を出力し、上側フレーム13が開放された場合には、OFF信号を出力する。
【0051】
また、上側フレーム13の給紙口3側の内側面に配置された開放ボタン55を手前に引くことによって、不図示の各弾性係止片が上方に回動されて、各係合孔51との係合が解除されるように構成されている。従って、シートPが搬送路11上でジャムした場合、或いは各コンタクトガラス43が汚れた場合には、開放ボタン55を手前に引いて上側フレーム13を手前に開くことによって、ジャム処理或いは各コンタクトガラス43の清掃を容易に行うことができる。
【0052】
また、図2に示すように、ギヤ収納部14の側壁14Aに取り付けられた用紙送りモータ56のモータ軸にはモータギヤが取り付けられ、ギヤ収納部14内に収納される不図示のギヤ列を介して第1搬送ローラ17、第2搬送ローラ18、各第3搬送ローラ19、各排出ローラ45に回転駆動を伝達するように構成されている。
【0053】
そして、ギヤ収納部14A内に収納された第1キープソレノイド58(図4参照)のプランジャを突出する位置に駆動することによって、第1搬送ローラ17の軸17Aが回転駆動され、第1キープソレノイド58(図4参照)のプランジャを引き込んだ位置に駆動することによって第1搬送ローラ17の軸17Aの回転駆動が停止されるように構成されている。
【0054】
また、ギヤ収納部14A内に収納された第2キープソレノイド59(図4参照)のプランジャを突出する位置に駆動することによって、第2搬送ローラ18の軸18Aが回転駆動され、第2キープソレノイド59(図4参照)のプランジャを引き込んだ位置に駆動することによって第2搬送ローラ18の軸18Aの回転駆動が停止されるように構成されている。
【0055】
次に、画像読取装置1の回路構成について図4に基づいて説明する。
図4に示すように、画像読取装置1は、画像読取装置1の全体の制御を行う制御回路部61と、制御回路部61に接続される入出力インターフェース62と、入出力インターフェース62に接続されるモータ駆動回路63、ラインセンサ駆動回路65、ソレノイド駆動回路66等とから構成されている。また、入出力インターフェース62には、スタートスイッチ15A、エラーランプ15B、第1シートセンサ34、第2シートセンサ35、第3シートセンサ37、カバースイッチ53等が接続されている。
【0056】
制御回路部61は、画像読取装置1の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU71や、ROM72、FLASH・ROM73、RAM74、通信I/F75等を備えている。また、CPU71、ROM72、FLASH・ROM73、RAM74、通信I/F75は、バス線76により相互に接続されて、相互にデータのやり取りが行われる。
【0057】
また、ROM72は、画像読取装置1の制御上必要な各種パラメータや各種のプログラムを記憶させておくものであり、シートPを搬送する搬送制御処理等の各種プログラムが記憶されている。また、FLASH・ROM73は、下側ラインセンサ41と上側ラインセンサ42によって読み取ったシートP上の画像の画像データを作成して出力するように制御する制御プログラムや各種パラメータを記憶させておくものである。
【0058】
そして、FLASH・ROM73には、各画素のカラーモードを識別するための画素閾値を格納する後述の画素閾値テーブル91(図5参照)が記憶されている。また、FLASH・ROM73には、ページ単位で対象画像のカラーモードを判定するためのページ閾値を格納する後述のページ閾値テーブル92(図6参照)が記憶されている。また、FLASH・ROM73には、後述のページ単位で対象画像のカラーモードの識別を行うカラーモード識別処理(図7参照)等の各種プログラムが記憶されている。
【0059】
そして、CPU71は、かかるROM72とFLASH・ROM73に記憶されている各種パラメータや各種のプログラムに基づいて各種の演算及び制御を行なうものである。また、RAM74は、CPU71により演算された各種の演算結果や、下側ラインセンサ41と上側ラインセンサ42によって読み取ったシートP上の画像データ等を、一時的に記憶させておくためのものである。
【0060】
また、モータ駆動回路63には、用紙送りモータ56が接続されている。そして、モータ駆動回路63は、制御回路部61のCPU71からの指示に従って、用紙送りモータ56を駆動制御する。また、ラインセンサ駆動回路65には、上側ラインセンサ42と下側ラインセンサ41が接続されている。
【0061】
そして、ラインセンサ駆動回路65は、制御回路部61のCPU71からの指示に従って、上側ラインセンサ42と下側ラインセンサ41の光源を点灯させるための動作電流の調整等の駆動制御を行うと共に、受光素子の電気信号をRGB信号等に変換して出力する。また、CPU71は、ラインセンサ駆動回路65から受信したRGB信号等に基づいて作成した画像データをRAM74に一時記憶し、通信I/F75を介して外部のPC81へ出力する。尚、本実施形態においては、RGB信号は8ビットの2進数で表される「0」〜「255」のデジタル信号に変換される。また、白が「255」で、黒が「0」で表される。
【0062】
また、ソレノイド駆動回路66には、第1キープソレノイド58と第2キープソレノイド59が接続されている。そして、ソレノイド駆動回路66は、制御回路部61のCPU71からの指示に従って、第1キープソレノイド58と第2キープソレノイド59のそれぞれのプランジャを突出した位置又は引き込んだ位置に駆動制御する。また、制御回路部61のCPU71は、第1シートセンサ34、第2シートセンサ35及び第3シートセンサ37からの検出信号に基づいて、ソレノイド駆動回路66を介して各キープソレノイド58、59の駆動制御を行う。
【0063】
ここで、FLASH・ROM73に格納される画素閾値テーブル91の一例について図5に基づいて説明する。
図5に示すように、画素閾値テーブル91は、「画素」と「画素閾値」とから構成されている。この「画素」には、画素のカラーモードが記憶されている。また、「画素閾値」には、画素のカラーモードを識別する閾値が、「画素」に記憶された各画素のカラーモードに対応して記憶されている。
【0064】
例えば、画素のカラーモードを「地色画素」として識別するための「閾値」には、地色閾値としてRGB値を表す「240」が記憶されている。また、画素のカラーモードを「カラー画素」として識別するための「閾値」には、カラー閾値として輝度差を表す「10」が記憶されている。また、画素のカラーモードを「黒画素」として識別するための「閾値」には、黒閾値としてRGB値を表す「50」が記憶されている。
【0065】
次に、FLASH・ROM73に格納されるページ閾値テーブル92の一例について図6に基づいて説明する。
図6に示すように、ページ閾値テーブル92は、「ページ」と「ページ閾値」とから構成されている。この「ページ」には、ページのカラーモードが記憶されている。また、「ページ閾値」には、ページのカラーモードを識別する閾値が、「ページ」に記憶された各ページのカラーモードに対応して記憶されている。
【0066】
例えば、ページのカラーモードを「白紙ページ」として識別するための「ページ閾値」には、白紙閾値として画素比率を表す「98%」が記憶されている。また、ページのカラーモードを「カラーページ」として識別するための「ページ閾値」には、カラーページ閾値として画素比率を表す「2%」が記憶されている。また、ページのカラーモードを「グレーページ」として識別するための「ページ閾値」には、グレーページ閾値として画素比率を表す「5%」が記憶されている。
【0067】
[カラーモード識別処理]
次に、このように構成された画像読取装置1によるページ単位で対象画像のカラーモードの識別を行うカラーモード識別処理について図7乃至図12に基づいて説明する。尚、図7乃至図9にフローチャートで示されるプログラムは、FLASH・ROM73に記憶されており、CPU71により実行される。また、下側ラインセンサ41及び上側ラインセンサ42を介して取得したシートPの画像データは、ページ単位でRAM74に記憶されている。
【0068】
図7に示すように、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)11において、CPU71は、RAM74に記憶されている1ページ目の画像データをRAM74のワーキングエリアに展開する。そして、CPU71は、ワーキングエリアに展開した画像データの先頭画素のRGB値、つまり、1ライン目の最初の画素のRGB値を読み出し、対象画素のRGB値としてRAM74に記憶する。
【0069】
また、CPU71は、地色画素をカウントする地色画素カウンタ、カラー画素をカウントするカラー画素カウンタ、グレー画素をカウントするグレー画素カウンタ、及び、黒画素をカウントする黒画素カウンタをそれぞれ初期化する。
そして、S12において、CPU71は、後述の画素のカラーモードを識別して、カラーモード別に画素をカウントする「画素のカラーモード識別処理」のサブ処理(図8参照)を実行する。
【0070】
続いて、S13において、CPU71は、当該ページの次の画素のRGB値がRAM74に記憶されているか否か、つまり、当該ページの全画素についてカラーモードを識別したか否かを判定する判定処理を実行する。そして、当該ページの次の画素のRGB値がRAM74に記憶されていると判定した場合には(S13:NO)、CPU71は、S14の処理に移行する。S14において、CPU71は、当該ページの次の画素のRGB値を読み出し、対象画素のRGB値としてRAM74に記憶後、再度、S12以降の処理を実行する。
【0071】
一方、当該ページの次の画素のRGB値がRAM74に記憶されていないと判定した場合、つまり、当該ページの全画素についてカラーモードを識別したと判定した場合には(S13:YES)、CPU71は、S15の処理に移行する。S15において、CPU71は、後述の当該ページの対象画像のカラーモードを識別する「ページのカラーモード識別処理」のサブ処理(図9参照)を実行する。
【0072】
その後、S16において、CPU71は、次のページの画像データがRAM74に記憶されているか否かを判定する判定処理を実行する。そして、次のページの画像データがRAM74に記憶されていると判定した場合には(S16:YES)、CPU71は、RAM74のワーキングエリアを初期化後、次のページの画像データをRAM74のワーキングエリアに展開した後、再度、S11以降の処理を実行する。
【0073】
一方、次のページの画像データがRAM74に記憶されていないと判定した場合には(S16:NO)、CPU71は、全ページの対象画像のカラーモードを識別したと判定して、S17の処理に移行する。S17において、CPU71は、先頭に対象画像のカラーモード等を表すヘッダ情報が付加された各ページの画像データを、通信I/F75を介してPC81等へ出力後、当該処理を終了する。
【0074】
[画素のカラーモード識別処理]
次に、上記S12でCPU71が実行する「画素のカラーモード識別処理」のサブ処理について図8に基づいて説明する。
図8に示すように、先ず、S111において、CPU71は、FLASH・ROM73に記憶されている画素閾値テーブル91から、画素のカラーモードを「地色画素」として識別するための「閾値」である地色閾値を読み出す。続いて、CPU71は、上記S11又はS14でRAM74に記憶した対象画素のRGB値を読み出し、R、G、Bの全ての値が地色閾値以上か否かを判定する判定処理を実行する。
【0075】
例えば、図5に示すように、画素のカラーモードを「地色画素」として識別するための「閾値」である地色閾値が「240」の場合には、CPU71は、上記S11又はS14でRAM74に記憶した対象画素のRGB値を読み出し、R、G、Bの全ての値が「240以上」か否かを判定する判定処理を実行する。
【0076】
そして、対象画素のRGB値を読み出し、R、G、Bの全ての値が地色閾値以上であると判定した場合には(S111:YES)、CPU71は、S112の処理に移行する。S112において、CPU71は、当該画素のカラーモードは、地色の画素を示す地色画素モードであると判定して、当該画素を地色画素としてカウントし、つまり、地色画素カウンタに「1」加算後、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻り、S13の処理に移行する。
【0077】
一方、対象画素のRGB値を読み出し、R、G、Bの値のうち、少なくとも1個の値が地色閾値未満であると判定した場合には(S111:NO)、CPU71は、S113の処理に移行する。S113において、CPU71は、対象画素のRGB値を読み出し、輝度差|R−G|、|G−B|、|B−R|を算出する。
【0078】
続いて、S114において、CPU71は、FLASH・ROM73に記憶されている画素閾値テーブル91から、画素のカラーモードを「カラー画素」として識別するための「閾値」であるカラー閾値を読み出す。そして、CPU71は、算出した輝度差|R−G|、|G−B|、|B−R|のうち、少なくとも1つがカラー閾値以上か否かを判定する判定処理を実行する。
【0079】
例えば、図5に示すように、画素のカラーモードを「カラー画素」として識別するための「閾値」であるカラー閾値が「10」の場合には、CPU71は、算出した輝度差|R−G|、|G−B|、|B−R|のうち、少なくとも1つが「10以上」か否かを判定する判定処理を実行する。
【0080】
そして、算出した輝度差|R−G|、|G−B|、|B−R|のうち、少なくとも1つがカラー閾値以上であると判定した場合には(S114:YES)、CPU71は、S115の処理に移行する。S115において、CPU71は、当該画素のカラーモードは、カラーの画素を示すカラー画素モードであると判定して、当該画素をカラー画素としてカウントし、つまり、カラー画素カウンタに「1」加算後、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻り、S13の処理に移行する。
【0081】
一方、算出した輝度差|R−G|、|G−B|、|B−R|の全てがカラー閾値未満であると判定した場合には(S114:NO)、CPU71は、S116の処理に移行する。
S116において、CPU71は、FLASH・ROM73に記憶されている画素閾値テーブル91から、画素のカラーモードを「黒画素」として識別するための「閾値」である黒閾値を読み出す。続いて、CPU71は、対象画素のRGB値を読み出し、R、G、Bの全ての値が黒閾値以下か否かを判定する判定処理を実行する。
【0082】
例えば、図5に示すように、画素のカラーモードを「黒画素」として識別するための「閾値」である黒閾値が「50」の場合には、CPU71は、上記S11又はS14でRAM74に記憶した対象画素のRGB値を読み出し、R、G、Bの全ての値が「50以下」か否かを判定する判定処理を実行する。
【0083】
そして、対象画素のRGB値を読み出し、R、G、Bの全ての値が黒閾値以下であると判定した場合には(S116:YES)、CPU71は、S117の処理に移行する。S112において、CPU71は、当該画素のカラーモードは、黒の画素を示す黒画素モードであると判定して、当該画素を黒画素としてカウントし、つまり、黒画素カウンタに「1」加算後、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻り、S13の処理に移行する。
【0084】
一方、対象画素のRGB値を読み出し、R、G、Bの値のうち、少なくとも1個の値が黒閾値より大きいと判定した場合には(S116:NO)、CPU71は、S118の処理に移行する。S118において、CPU71は、当該画素のカラーモードは、グレーの画素を示すグレー画素モードであると判定して、当該画素をグレー画素としてカウントし、つまり、グレー画素カウンタに「1」加算後、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻り、S13の処理に移行する。
【0085】
[画素のカラーモード識別処理]
次に、上記S15でCPU71が実行する「ページのカラーモード識別処理」のサブ処理について図9に基づいて説明する。
【0086】
図9に示すように、先ず、S211において、CPU71は、地色画素カウンタ、カラー画素カウンタ、グレー画素カウンタ、及び、黒画素カウンタの各カウント値を読み出して合計し、当該ページの総画素数としてRAM74に記憶する。尚、シートPの各サイズ(例えば、A3、A4、A5サイズ等である。)毎に、各ラインセンサ41、42によって読み取り可能なページ単位の総画素数を、予めFLASH・ROM73に記憶しておくようにしてもよい。
【0087】
そして、S212において、CPU71は、地色画素カウンタのカウント値と総画素数とをRAM74から読み出し、地色画素カウンタのカウント値を総画素数で割り算して地色画素比率を算出してRAM74に記憶する。
【0088】
続いて、S213において、CPU71は、FLASH・ROM73に記憶されているページ閾値テーブル92から、当該ページのカラーモードを「白紙ページ」として識別するための「ページ閾値」である白紙閾値を読み出す。そして、CPU71は、RAM74から当該ページの地色画素比率を読み出して、当該ページの地色画素比率が白紙閾値以上であるか否かを判定する判定処理を実行する。
【0089】
例えば、図6に示すように、ページのカラーモードを「白紙ページ」として識別するための「ページ閾値」である白紙閾値が「98%」の場合には、CPU71は、RAM74から当該ページの地色画素比率を読み出して、当該ページの地色画素比率が「98%以上」か否かを判定する判定処理を実行する。
【0090】
そして、当該ページの地色画素比率が白紙閾値以上であると判定した場合には(S213:YES)、CPU71は、S214の処理に移行する。S214において、CPU71は、当該ページの画像データは「白紙ページ」の画像データであると判定し、当該画像データの先頭に、当該ページが「白紙ページ」のカラーモードである旨を表すヘッダ情報を付加してRAM74に記憶後、当該画像データをモノクロ変換し、全ての画素の値を白の対応する「255」に変換してRAM74に記憶した後、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻り、S16の処理に移行する。
【0091】
一方、当該ページの地色画素比率が白紙閾値未満であると判定した場合には(S213:NO)、CPU71は、S215の処理に移行する。S215において、CPU71は、地色画素カウンタのカウント値と総画素数とをRAM74から読み出し、総画素数から地色画素カウンタのカウント値を減算した値を第1減算総画素数としてRAM74に記憶する。そして、CPU71は、カラー画素カウンタのカウント値と第1減算総画素数とをRAM74から読み出し、このカラー画素カウンタのカウント値を第1減算総画素数で割り算してカラー画素比率を算出してRAM74に記憶する。
【0092】
続いて、S216において、CPU71は、FLASH・ROM73に記憶されているページ閾値テーブル92から、当該ページのカラーモードを「カラーページ」として識別するための「ページ閾値」であるカラーページ閾値を読み出す。そして、CPU71は、RAM74から当該ページのカラー画素比率を読み出して、当該ページのカラー画素比率がカラーページ閾値以上であるか否かを判定する判定処理を実行する。
【0093】
例えば、図6に示すように、ページのカラーモードを「カラーページ」として識別するための「ページ閾値」であるカラーページ閾値が「2%」の場合には、CPU71は、RAM74から当該ページのカラー画素比率を読み出して、当該ページのカラー画素比率が「2%以上」か否かを判定する判定処理を実行する。
【0094】
そして、当該ページのカラー画素比率がカラーページ閾値以上であると判定した場合には(S216:YES)、CPU71は、S217の処理に移行する。S217において、CPU71は、当該ページの対象画像の画像データは、「カラーページ」の画像データであると判定し、当該画像データの先頭に、当該ページが「カラーページ」のカラーモードである旨を表すヘッダ情報を付加してRAM74に記憶後、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻り、S16の処理に移行する。
【0095】
一方、当該ページのカラー画素比率がカラーページ閾値未満であると判定した場合には(S216:NO)、CPU71は、S218の処理に移行する。S218において、CPU71は、カラー画素カウンタのカウント値と第1減算総画素数とをRAM74から読み出し、第1減算総画素数からカラー画素カウンタのカウント値を減算した値を第2減算総画素数としてRAM74に記憶する。そして、CPU71は、グレー画素カウンタのカウント値と第2減算総画素数とをRAM74から読み出し、このグレー画素カウンタのカウント値を第2減算総画素数で割り算してグレー画素比率を算出してRAM74に記憶する。
【0096】
尚、S218において、CPU71は、カラー画素カウンタのカウント値と、地色画素カウンタのカウント値と、総画素数とをRAM74から読み出し、総画素数から地色画素カウンタのカウント値と、カラー画素カウンタのカウント値とを減算した値を第2減算総画素数としてRAM74に記憶するようにしてもよい。
【0097】
続いて、S219において、CPU71は、FLASH・ROM73に記憶されているページ閾値テーブル92から、当該ページのカラーモードを「グレーページ」として識別するための「ページ閾値」であるグレーページ閾値を読み出す。そして、CPU71は、RAM74から当該ページのグレー画素比率を読み出して、当該ページのグレー画素比率がグレーページ閾値以上であるか否かを判定する判定処理を実行する。
【0098】
例えば、図6に示すように、ページのカラーモードを「グレーページ」として識別するための「ページ閾値」であるグレーページ閾値が「5%」の場合には、CPU71は、RAM74から当該ページのグレー画素比率を読み出して、当該ページのグレー画素比率が「5%以上」か否かを判定する判定処理を実行する。
【0099】
そして、当該ページのグレー画素比率がグレーページ閾値以上であると判定した場合には(S219:YES)、CPU71は、S220の処理に移行する。S220において、CPU71は、当該ページの対象画像の画像データは、「グレーページ」の画像データであると判定し、当該画像データの先頭に、当該ページが「グレーページ」のカラーモードである旨を表すヘッダ情報を付加してRAM74に記憶する。
【0100】
続いて、S221において、CPU71は、当該画像データを各画素のRGB値に基づいて所定階調数(例えば、256階調である。)の階調変換を行って、階調画像の画像データに変換してRAM74に記憶後、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻り、S16の処理に移行する。
【0101】
一方、当該ページのグレー画素比率がグレーページ閾値未満であると判定した場合には(S219:NO)、CPU71は、S222の処理に移行する。S222において、CPU71は、当該ページの対象画像の画像データは、「モノクロページ」の画像データであると判定し、当該画像データの先頭に、当該ページが「モノクロページ」のカラーモードである旨を表すヘッダ情報を付加してRAM74に記憶する。
【0102】
そして、S223において、CPU71は、当該画像データを各画素のRGB値に対して、RGB平均化処理等を行うことでモノクロ画像の画像データに変換してRAM74に記憶後、当該サブ処理を終了して、メインフローチャートに戻り、S16の処理に移行する。
【0103】
ここで、カラー写真が印刷されたシートPのカラーモード識別処理を行った一例を図6、図10乃至図12に基づいて説明する。
図10の上側に示すように、シートP1には、バラのカラー写真100が印刷されている。また、図10の下側に示すように、シートP2には、シートP1のバラのカラー写真100を縮小印刷したカラー写真101が印刷されている。尚、シートP1とシートP2の用紙サイズは同じである。
【0104】
また、シートP1を画像読取装置1によってスキャンした場合には、当該シートP1の上記S12の処理によってカウントされたカラーモード別の画素数は、図10及び図11に示すように、地色である地色画素数は「70000」、カラー画素数は「15000」、グレー画素数は「5000」、黒画素数は「10000」であった。
【0105】
また、シートP2を画像読取装置1によってスキャンした場合には、当該シートP2の上記S12の処理によってカウントされたカラーモード別の画素数は、図10及び図12に示すように、地色である地色画素数は「97000」、カラー画素数は「1500」、グレー画素数は「500」、黒画素数は「1000」であった。
【0106】
従って、図11に示すように、上記S15の処理において算出されたシートP1の画像データの総画素数は「100000」であり、地色画素比率は「70%」となる。また、第1減算総画素数は、総画素数から地色画素数を減算した「30000」であり、カラー画素比率は「50%」となる。また、第2減算総画素数は、第1減算総画素数からカラー画素数を減算した「15000」であり、グレー画素比率は「16.7%」となる。
【0107】
また、図12に示すように、上記S15の処理において算出されたシートP2の画像データの総画素数は「100000」であり、地色画素比率は「97%」となる。また、第1減算総画素数は、総画素数から地色画素数を減算した「3000」であり、カラー画素比率は「50%」となる。また、第2減算総画素数は、第1減算総画素数からカラー画素数を減算した「1500」であり、グレー画素比率は「16.7%」となる。
【0108】
これにより、図6に示すように、白紙閾値が「98%」で、カラーページ閾値が「2%」の場合には、CPU71は、上記S15の処理において、シートP1及びシートP2の各地色画素比率は、白紙閾値未満であり、また、各カラー画素比率は、同じ「50%」で、カラーページ閾値以上であるため、各シートP1、P2の画像データは、「カラーページ」の画像データであると判定し、同じ判定結果を得ることができる。また、各シートP1、P2の対象画像のカラー画素比率とグレー画素比率が同じ、つまり、対象画像が同一画像を縮小したものであっても、同じカラーモードの判定結果を得ることができる。
【0109】
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係る画像読取装置1では、CPU71は、ページ単位で画像データの画素数を各画素のカラーモード別にカウントし、また、ページ単位で画像データの総画素数を取得する。また、CPU71は、各ページのカラーモード別の各画素数を地色画素、カラー画素、グレー画素の順に選択して、1番目に選択した地色の地色画素数を画像データの総画素数で割り算した地色画素比率が白紙閾値以上の場合には、白紙ページと判定する。
【0110】
また、白紙ページでないと判定した場合には、CPU71は、総画素数から1番目に選択した地色画素数を減算した値を第1減算総画素数として、カラー画素数を第1減算総画素数で割り算したカラー画素比率がカラーページ閾値以上の場合には、カラーページと判定する。また、カラーページでないと判定した場合には、CPU71は、第1減算総画素数から2番目に選択したカラー画素数を減算した値を第2減算総画素数として、グレー画素数を第2減算総画素数で割り算したグレー画素比率がグレーページ閾値以上の場合には、グレーページと判定する。更に、グレーページでないと判定した場合には、CPU71は、モノクロページと判定する。
【0111】
これにより、第1減算総画素数は、地色である地色画素数を総画素数から減算した値であり、第2減算総画素数は、第1減算総画素数から2番目のページのカラーモードの判定に使用したカラー画素数を減算したものであるため、カラー画素比率、グレー画素比率は、対象画像の各カラーモードの画素比率とすることができる。従って、ページ単位で対象画像の各カラーモードの画素比率が同じ場合には、当該対象画像のカラーモードの判定結果を確実に同一とすることができる。例えば、ページ単位で対象画像が縮小されても、当該対象画像のカラーモードの判定結果を確実に同一とすることができる。
【0112】
また、ページの対象画像のカラーモードを識別する場合に、用紙の地色である地色画素モードの画素数を1番目に選択することによって、白紙ページの判定を迅速に行うことが可能となる。また、ページの対象画像のカラーモードを識別する場合に、1番目に地色である地色画素の画素数を選択することによって、2番目以降にカラー画素数、グレー画素数を確実に選択して、それぞれの第1減算総画素数、第2減算総画素数に対する画素比率を確実に取得することが可能となる。
【0113】
また、ページの対象画像のカラーモードを識別する場合に、2番目にカラー画素比率を算出することによって、ページ毎にカラーページの画像データであるか否かを迅速に判定することできる。また、ページの対象画像のカラーモードを識別する場合に、3番目にグレー画素比率を算出することによって、ページ毎にグレーページの画像データであるか、モノクロページの画像データであるかを迅速に判定することが可能となる。
【0114】
尚、本発明は前記実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、以下のようにしてもよい。
【0115】
(A)例えば、上記S11〜S16の処理をCPU71が、FLASH・ROM73に記憶されたプログラムに従って実行したが、CPU71は、ラインセンサ駆動回路65から入力されたページ単位の各画素のRGB値等で構成された画像データを通信I/F75を介して、PC81や、更に不図示のネットワークを介して接続されるサーバー(不図示)に出力するようにしてもよい。そして、PC81や不図示のサーバーにおいて、上記S11〜S16の処理を実行するようにしてもよい。
【0116】
(B)また、例えば、図7乃至図9にフローチャートで示されるプログラムや画素閾値テーブル91やページ閾値テーブル92に記憶された各種パラメータをフラッシュメモリを搭載した携帯型記憶媒体(例えば、SDメモリカード等である。)やCD−ROM、DVD−ROM等の記憶媒体に記憶するようにしてもよい。そして、CPU71は、不図示のデータリード部を介して、携帯型記憶媒体やCD−ROM、DVD−ROM等の記憶媒体に記憶された当該プログラム等を読み出して、FLASH・ROM73に記憶するように構成してもよい。
【0117】
(C)また、例えば、上記S214の処理において、白紙と判断されたページをモノクロで全データを白のページに置き換えたが、白紙と判断されたページデータを削除する構成としてもよい。
【0118】
(D)また、例えば、上記S111の処理において、RGB値の全てが地色閾値以上かどうかを判定したが、これに限らず、シートの先頭数ラインの色を地色として設定し、その地色のRGB値近辺のRGB値を有する画素を地色画素としてカウントしてもよい。また、ページ全データにおいて使用されている色の頻度を調べ、最も頻度の高い色を地色と設定してもよい。このようにシートの地色を判定する地色判定部を備えることで、地色のみで単色無地のページを白紙と判断することが可能になる。
【0119】
(E)また、例えば、上記S111の処理において、RGB値の全てが地色閾値以上かどうかを判定したが、RGBそれぞれの値が所定の値に近いかどうかを判定してもよい。
【0120】
(F)また、例えば、上記実施形態はRGB表色系の色空間を用いて処理を行ったが、この色空間での処理に限定する必要は無く、CMY表色系やXYZ表色系を用いてもよい。
【0121】
(G)また、例えば、上記実施形態は、画素のカラーモード識別処理は、地色→カラー→黒→グレーの順であった。また、ページのカラーモード識別処理は、地色→カラー→グレー→モノクロの順であった。しかし、これに限らず、画素のカラーモード識別処理、及びページのカラーモード識別処理は、どのような順序で行われてもよい。
【符号の説明】
【0122】
1 画像読取装置
41 下側ラインセンサ
42 上側ラインセンサ
65 ラインセンサ駆動回路
71 CPU
72 ROM
73 FLASH・ROM
74 RAM
75 通信I/F
91 画素閾値テーブル
92 ページ閾値テーブル
100、101 カラー画像
P、P1、P2 シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに含まれる各画素の色データに基づいて各画素のカラーモードを識別する画素カラーモード識別部と、
前記画像データの画素数を前記画素カラーモード識別部によって識別された各画素のカラーモード別にページ単位でカウントするカウント部と、
前記画像データに含まれる画素の総数である総画素数をページ単位で取得する取得部と、
ページ単位で対象画像のカラーモードを所定のカラーモード順に判定する画像判定部と、
前記画像判定部により前記カラーモード順の2番目以降の判定が行われる前に、前記カラーモード順の1つ前の順番までのカラーモードの合計画素数を、前記取得部により取得した前記総画素数から減算した減算総画素数を算出する減算部と、
を備え、
前記画像判定部は、前記カラーモード順の1番目のカラーモードに対する判定において、前記カラーモード順の1番目のカラーモードの画素数の前記総画素数に対する画素比率に基づいて判定を行い、前記カラーモード順の2番目以降のカラーモードに対する判定において、前記カラーモード順の2番目以降のカラーモードの前記画素数の前記減算部を介して算出された前記減算総画素数に対する画素比率に基づいて判定を行うことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記各画素のカラーモードは、前記各画素が地色であることを示す地色画素モードを含み、
前記カラーモード順における1番目のカラーモードは、前記地色画素モードであり、
前記画像判定部は、前記地色画素モードの画素数の前記総画素数に対する画素比率が白紙ページ閾値以上の場合には、白紙ページの画像データであると判定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記各画素のカラーモードは、前記各画素がカラーであることを示すカラー画素モードを含み、
前記カラーモード順における2番目のカラーモードは、前記カラー画素モードであり、
前記画像判定部は、前記カラー画素モードの画素数の前記減算総画素数に対する画素比率がカラーページ閾値以上の場合には、カラーページの画像データであると判定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記各画素のカラーモードは、前記各画素がグレーであることを示すグレー画素モードを含み、
前記カラーモード順における3番目のカラーモードは、前記グレー画素モードであり、
前記画像判定部は、前記グレー画素モードの画素数の前記減算総画素数に対する画素比率がグレーページ閾値以上の場合には、グレーページの画像データであると判定し、
前記グレー画素モードの画素数の前記減算総画素数に対する画素比率がグレーページ閾値未満の場合には、モノクロページの画像データであると判定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
シートの画像を読み取る画像読取部と、
前記画像読取部により読み取られた画像に対して画像処理を行う前記請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像処理装置と、
を備えたことを特徴とする画像読取装置。
【請求項6】
画像データに含まれる各画素の色データに基づいて各画素のカラーモードを識別する画素カラーモード識別工程と、
前記画像データの画素数を前記画素カラーモード識別工程で識別された各画素のカラーモード別にページ単位でカウントするカウント工程と、
前記画像データに含まれる画素の総数である総画素数をページ単位で取得する取得工程と、
ページ単位で対象画像のカラーモードを所定のカラーモード順に判定する画像判定工程と、
前記画像判定工程で前記カラーモード順の2番目以降の判定が行われる前に、前記カラーモード順の1つ前の順番までのカラーモードの合計画素数を、前記取得工程で取得した前記総画素数から減算した減算総画素数を算出する減算工程と、
を備え、
前記画像判定工程では、前記カラーモード順の1番目のカラーモードに対する判定において、前記カラーモード順の1番目のカラーモードの画素数の前記総画素数に対する画素比率に基づいて判定を行い、前記カラーモード順の2番目以降のカラーモードに対する判定において、前記カラーモード順の2番目以降のカラーモードの前記画素数の前記減算部を介して算出された前記減算総画素数に対する画素比率に基づいて判定を行うことを特徴とする画像処理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
画像データに含まれる各画素の色データに基づいて各画素のカラーモードを識別する画素カラーモード識別工程と、
前記画像データの画素数を前記画素カラーモード識別工程で識別された各画素のカラーモード別にページ単位でカウントするカウント工程と、
前記画像データに含まれる画素の総数である総画素数をページ単位で取得する取得工程と、
ページ単位で対象画像のカラーモードを所定のカラーモード順に判定する画像判定工程と、
前記画像判定工程で前記カラーモード順の2番目以降の判定が行われる前に、前記カラーモード順の1つ前の順番までのカラーモードの合計画素数を、前記取得工程で取得した前記総画素数から減算した減算総画素数を算出する減算工程と、
を実行させ、
前記画像判定工程では、前記カラーモード順の1番目のカラーモードに対する判定において、前記カラーモード順の1番目のカラーモードの画素数の前記総画素数に対する画素比率に基づいて判定を行い、前記カラーモード順の2番目以降のカラーモードに対する判定において、前記カラーモード順の2番目以降のカラーモードの前記画素数の前記減算部を介して算出された前記減算総画素数に対する画素比率に基づいて判定を行うように実行させるための画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−80183(P2012−80183A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−221072(P2010−221072)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】