説明

画像処理装置、画像処理方法およびプログラム

【課題】操作しやすい編集画面、ならびに画像および文字が見やすい成果物を得ることができる画像処理装置、画像処理方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】画像を編集して成果物に用いる成果物データを得るための画像処理装置であって、画像データ入力部と、編集アプリケーションの操作が行われる操作部と、表示部と、操作を行うユーザを撮影したユーザ画像データ、およびユーザの編集アプリケーションの操作情報である操作データのうち1以上を取得するユーザ情報取得部と、表示部に表示される編集画面の更新、および画像データの編集処理のうち1以上を行う編集処理部とを有し、ユーザ情報に基づき編集パラメータを決定して編集画面を更新し、編集パラメータを反映した更新後の編集画面に基づいて行われた操作に従い編集情報が入力され、画像データの編集処理を行って成果物データを得ることにより、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を編集して成果物に用いる成果物データを得るための画像処理装置、画像処理方法およびプログラムに関し、詳しくは、操作を行うユーザの身体的特徴や動作などの情報に基づいて、編集画面を更新して最適な成果物データを得ることができる画像処理装置、画像処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、店頭などに備え付けられた注文の受付端末や、家庭でパーソナルコンピュータ上のアプリケーションなどを使用する際のユーザインタフェースとして、モニタなどの表示手段に表示されたGUI(Graphical User Interface)を用いて操作を行うシステムが広く用いられている。また、このようなシステムでは、操作を行うユーザに応じて、GUIを変更する方法が種々提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、文字を含む画像を取り込んで拡大して表示する表示装置において、撮像手段が捉えた文字のサイズを検出し、入力された観者の視力に応じて表示する文字の数を設定し、検出した文字のサイズおよび設定した文字数に基づいて拡大する倍率を変更し、所定の文字サイズに変化させた文字画像を表示することが記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、利用者が各種情報の理解に必要な補助機能を自動的に提供する情報提供装置が開示されている。特許文献2では、利用者の顔の動き、視線、および表情の情報に基づいて、利用者が画面上に表示されている文字を読むことができているかどうかを算出し、読むことができていないと判断された場合は、利用者は表示されている言語を読めないものとして、補助機能により画面の英語表示を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−172251号公報
【特許文献2】特開2006−350705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、特許文献1、2など、操作を行うユーザに応じて、GUIを変更する方法は種々提案されているが、例えばフォトブックの編集などの場面で、注文時には大きく見やすいGUIであったとしても、編集の成果物であるフォトブックが手元に届いたときに、実物が小さくてフォトブックの画像や文字が見づらい場合があり、ユーザの希望するようなフォトブック(成果物)が得られない場合があるという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、編集画面および成果物を、各ユーザに応じたレイアウトおよびサイズとすることで、操作しやすい編集画面、ならびに画像および文字が見やすくユーザの嗜好にあった成果物を得ることができる画像処理装置、画像処理方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、画像を編集して成果物に用いる成果物データを得るための画像処理装置であって、画像データが入力される画像データ入力部と、ユーザにより編集アプリケーションの操作が行われる操作部と、前記編集アプリケーションを表示する表示部と、前記操作部の操作を行う前記ユーザを撮影したユーザ画像データ、および前記ユーザの前記編集アプリケーションの操作情報である操作データのうち1以上を、ユーザ情報として取得するユーザ情報取得部と、前記表示部に表示される編集画面の更新、および画像データの編集処理のうち1以上を行う編集処理部とを有し、前記ユーザ情報に基づき編集パラメータを決定して前記編集画面を更新し、前記編集パラメータを反映した更新後の前記編集画面に基づいて行われた操作に従い編集情報が入力され、前記画像データの編集処理を行って、前記成果物データを得ることを特徴とする画像処理装置を提供する。
【0009】
また、前記ユーザ情報は、前記ユーザ画像データについて画像認識を行って得た、メガネの有無情報を含むのが好ましい。
さらに、前記ユーザ情報は、カメラの被写体距離情報、または前記ユーザ画像データについて画像認識を行って前記ユーザの顔の大きさから求めた顔の距離情報を含むのが好ましい。
【0010】
また、前記編集パラメータは、商材種、商材サイズ、背景画像、クリップアート、レイアウト、画像トリミングサイズ、および文字フォントサイズのうち1以上を含むのが好ましい。
さらに、前記商材サイズが決定されたとき、該商材サイズに応じて他の編集パラメータが決定されるのが好ましい。
【0011】
また、前記成果物は印刷物であり、前記商材種は、ポストカード、デジカメプリント、フォトブック、シャッフルプリント、大サイズプリント、およびクリスタルプリントのうち1以上を含むのが好ましい。
また、前記成果物は電子データであり、前記商材種は、デジタルフォトフレーム、携帯電話、画像ビューワ装置のうち1以上を含み、前記商材サイズは表示画面のサイズであるのが好ましい。
【0012】
また、上記課題を解決するために、本発明は、上記のいずれかに記載の画像処理装置と、成果物データを印刷する印刷装置とを有するプリント作製システムを提供する。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明は、上記のいずれかに記載の画像処理装置と、成果物データを印刷する印刷装置と、印刷された用紙を製本する製本装置とを有するフォトブック作製システムを提供する。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明は、画像を編集して成果物に用いる成果物データを得るための画像処理方法であって、画像データが入力される画像データ入力ステップと、編集アプリケーションの操作を行うユーザを撮影したユーザ画像データ、および前記ユーザの前記編集アプリケーションの操作情報である操作データのうち1以上を、ユーザ情報として取得するユーザ情報取得ステップと、前記ユーザ情報に基づき編集パラメータを決定して前記編集画面を更新する編集画面更新ステップと、前記編集パラメータを反映した更新後の前記編集画面に基づいて行われた操作に従い編集情報が入力される編集情報入力ステップと、前記編集情報に基づき前記画像データの編集処理を行って、前記成果物データを得る編集処理ステップとを有することを特徴とする画像処理方法を提供する。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明は、上記に記載の画像処理方法の各工程を手順としてコンピュータに実行させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、高齢者であっても画像の編集を容易にすることができ、また、完成した成果物が編集時と同様の見栄えであるため、編集時のイメージ通りの画像および文字が見やすくユーザの嗜好にあった成果物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る画像処理方法を実施する、本発明に係る画像処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る画像処理方法の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図3】商材種の選択画面の一例を示す説明図である。
【図4】商材サイズの選択画面の一例を示す説明図である。
【図5】クリップアートの配置の一例を示す説明図である。
【図6】背景画像の選択画面の一例を示す説明図である。
【図7】背景画像の選択画面の他の一例を示す説明図である。
【図8】レイアウトの選択画面の一例を示す説明図である。
【図9】画像トリミングサイズの制限の一例を示す説明図である。
【図10】文字フォントサイズの制限の一例を示す説明図である。
【図11】商材サイズの違いを示す説明図である。
【図12】商材サイズの違いの編集画面上での表示の一例を示す説明図である。
【図13】(a),(b)は、商材サイズの異なる成果物の一例を示す説明図である。
【図14】(a),(b)は、商材サイズによって画像トリミングサイズを変更する一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係る画像処理方法を実施する本発明に係る画像処理装置を、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて以下に詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明に係る画像処理装置の構成を表す一実施形態のブロック図である。
図1に示す画像処理装置10は、画像データ入力部12、操作部14、表示部16、ユーザ情報取得部18、および編集処理部20によって構成される。なお、本実施形態では一例として、フォトブックを作製する場合について説明する。
【0020】
画像データ入力部12は、外部インタフェースを持ちフォトブックに用いるための画像データが入力される。画像データには特に限定はなく、ユーザがデジタルスチルカメラで撮影した画像データ、ユーザが撮影し動画像から切り出した静止画像データ、およびネットワーク上からダウンロードした画像データなど、種々の画像データが入力される。外部インタフェースは、USB(Universal Serial Bus)、メモリーカードR/W(reader/writer)、光学ディスク、有線および無線LAN(Local Area Network)などであればよい。画像データ入力部12に入力された画像データは、素材画像データとして出力される。
【0021】
操作部14は、画像処理装置10上にて実行される編集アプリケーションにおいて、ユーザが操作を行うためのものである。操作部14の具体的な態様には特に限定はなく、キーボード、マウス、タッチパネルなど、公知の各種の操作機器を用いればよい。また、操作部14からは、ユーザの操作により入力された操作情報が出力される。
【0022】
表示部16は、編集アプリケーションの素材画像データおよびフォトブックの編集画面、ならびにフォトブックの注文などを行う操作画面などが表示される。ユーザは表示部16を見ながら、操作部14を用いて、画面上で編集アプリケーションの操作を行う。
【0023】
ユーザ情報取得部18は、操作部14を操作するユーザについての情報である、ユーザ情報を取得して出力する。
ユーザ情報とは、ユーザが編集アプリケーションの操作を行う場合の、操作部14におけるユーザの動作、およびカメラで撮影されたユーザの画像データを画像解析した、ユーザの身体的特徴などに関する情報である。
例えば、ユーザ情報としては、ユーザの指やスタイラスの動きと操作の速さ、操作するユーザがメガネをかけているかどうかのメガネの有無情報、被写体距離情報(オートフォーカス(AF)情報)、ユーザの顔の大きさから求めた顔の距離情報、メガネの有無情報と被写体距離情報または顔の距離情報とから求めたユーザの視力情報、ならびにユーザの視力情報から推定した年齢層情報などについての情報が用いられる。
【0024】
編集処理部20は、操作部14からの操作情報、およびユーザ情報取得部18からのユーザ情報に従って、表示部16に表示される編集アプリケーションの編集画面の更新(GUIの変更)、および素材画像データの編集処理を行い、成果物データを生成して出力する。
編集処理部20は、編集アプリケーションの編集画面を、ユーザ情報に基づいてユーザが扱いやすいような画面モードに切り替える(GUIを変更する)。例えば、フォントのサイズを大きくする、フォントの種別を明朝体にする、GUIの構成要素(ボタン等)を大きくすることが挙げられる。
【0025】
また、編集処理部20は、ユーザ情報に基づいて編集アプリケーションの編集パラメータを決定する。例えば、一部の商材の表示をグレーアウトして選択できなくしたり、表示の順番を変更したり、画像や文字の大きさの変更範囲を制限したりする。
操作部14からの操作情報には、素材画像データを編集するための編集情報などが含まれ、編集情報に従って素材画像データの編集を行い、フォトブックなどの成果物データを生成して出力する。
【0026】
次に、本発明に係る画像処理方法を実現する、本発明に係る画像処理装置の動作を説明する。
【0027】
図2は、本発明に係る画像処理方法の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、ユーザにより画像データ入力部12から、フォトブックの素材となる画像データが入力される(ステップS10)。入力された素材画像データは編集処理部20に入力され、編集作業が開始される(ステップS12)。
【0028】
編集作業が開始されると、編集処理部20は、まず、素材画像データの一覧表示を開始し(ステップS14)、続いて、ユーザ情報取得部18からユーザ情報の取得を開始する(ステップS16)。
【0029】
次に、ユーザの操作により編集作業が開始されるが(ステップS18)、ユーザが編集作業を行っている間、ユーザ情報の取得を続けることで、ユーザの状況に応じて編集画面の更新を行う。
以下の説明では、ユーザ情報の一例として、ユーザが撮影されたユーザ画像データについて画像認識を行い、メガネをかけているかどうか(メガネの有無情報)、および表示画面に顔を近づけているかどうか(被写体距離情報、顔の距離情報)という、視力に関するユーザ情報を取得する場合について説明する。
【0030】
まず、ユーザ画像データについて画像認識を行って目の位置を判別し、目の周りに丸または四角のパターンがあるかどうか判別する(ステップS20)。つまり、ユーザがメガネをかけているかどうかを判別し、メガネの有無情報を取得する。また、一定間隔でユーザ情報を取得するために、一定時間待機する(ステップS22)。
一定時間が経過するとユーザ情報に含まれる視力情報を参照し、今回の一連の処理において視力が悪いと判定されているか判断する(ステップS24)。初めて視力情報を参照した時点では、視力の判定はまだされていないため、次のステップS26に移る(ステップS24で“N”)。また、一度視力が悪いという視力情報が書き込まれると、編集作業中に頻繁に編集画面が更新されることを防ぐため、一連の処理が終了するまで視力情報の更新をせず、ステップS24では“Y”と判定する。なお、ユーザの操作により元の編集画面に戻すようにしてもよい。
【0031】
ステップS26では、ステップS20での画像認識の結果を前回までの結果と比較して、ユーザの目の周りの丸または四角のパターンの変化を判定する。丸または四角のパターンが無くなった場合には、当初かけていたメガネを外したと判断し、丸または四角のパターンが出現した場合には、新たにメガネをかけたと判断する。これは、老眼の人物が近くのものを見る場合に、一般的に行われる動作である。この様なメガネの掛け外しが所定回数以上行われた場合には(ステップS26で“Y”)、視力が悪い(つまり高齢者であり老眼である)と判定され視力情報に書き込まれる(ステップS28)。
【0032】
ステップS28で、視力が悪いと判定されると、編集画面のフォントを大きく表示する、フォントの種別を変更する、およびGUIの構成要素の大きさを変更するなどの編集画面の変更を行ってユーザが操作しやすくし(ステップS30)、さらに、各編集パラメータに制限をかけて編集画面を更新する(ステップS32)。つまり、一部の商材の表示をグレーアウトして選択できなくしたり、表示の順番を変更したり、画像や文字の大きさの変更範囲を制限したりする。
メガネの掛け外しが行われなかった場合には(ステップS26で“N”)、再び一定時間待機する(ステップS34)。
【0033】
ステップS36では、被写体距離情報、またはステップS20での画像認識の結果に基づく顔の距離情報を、前回までの情報と比較して、表示画面に顔が近づいたかどうかを判定する。被写体距離情報または顔の距離情報が所定距離以下の場合が所定回数以上ある場合、または顔の距離が所定距離(例えば50cm)以下の時間が所定時間、例えば操作時間における一定割合以上の時間であった場合に顔が近づいたと判定し(ステップS36で“Y”)、視力が悪い(高齢者)と判定されて視力情報に書き込まれ(ステップS28)、ステップS26で“Y”の場合と同様の処理が行われる。つまり、ステップS26およびステップS36では、ユーザがプライバシー情報を入力することなく、視力を判定することができる。
顔が近づいていないと判定すると(ステップS36で“N”)、各編集パラメータには制限をかけず、全ての商材を表示し、画像や文字の大きさの変更範囲にも制限を設けない編集画面とする(ステップS38)。
【0034】
ステップS32またはステップS38が終了すると、並行して行われているステップS18の編集作業が終了したか判定する(ステップS40)。編集作業が終了していなければ(ステップS40で“N”)、ステップS20に戻り、編集作業が終了していれば(ステップS40で“Y”)、成果物データが完成し編集処理部20から出力される(ステップS42)。
【0035】
出力された成果物データは、図示しない印刷装置で印刷され、さらに、図示しない製本装置によって製本されることで、最終成果物としてユーザにとって好ましいフォトブックが自動的に得られる。
【0036】
続いて、図2のフローチャートのステップS18で行われる編集作業の詳細について説明する。
【0037】
編集アプリケーションの編集パラメータには表1に挙げるものがあり、それぞれ、視力がよい場合には制限を設けず、視力が悪い場合には制限を設ける。
【0038】
【表1】

【0039】
(1)商材種の選択
図3に商材種の選択画面の一例を示す。図3では、商材種としてポストカード、デジカメプリント、フォトブック、シャッフルプリント、大サイズプリント、およびクリスタルプリントが選択可能となっている。
視力がよい場合には、これら全ての商材種を表示して選択可能としている。視力が悪い場合には、シャッフルプリント30は1枚の印画紙に小さな画像が多数レイアウトされて印刷されるものであり、見づらくなってしまうことから、例えば、シャッフルプリント30の選択肢を非表示にする、並び順を下の方に変更する、表示サイズを小さくする、またはグレーアウトさせて選択不可とするなどの処理を行う。以下、本実施形態ではフォトブックを選択した場合で説明する。
【0040】
(2)商材サイズの選択
図4にフォトブックの商材サイズの選択画面の一例を示す。図4では、フォトブックの表紙がハードカバーであるかソフトカバーであるか、また、フォトブックのサイズが選択可能となっている。
視力がよい場合には、全てのサイズを表示して選択可能としている。視力が悪い場合には、127×127サイズ32は成果物であるフォトブック自体のサイズが小さいため、見づらくなってしまうことから、商材種の場合と同様に127×127サイズ32の選択肢を非表示にするなどの処理を行う。
【0041】
(3)クリップアートの選択
図5にフォトブックに挿入するクリップアートの配置の一例を示す。図5は細かい模様または文字が含まれるクリップアート34と、シンプルなクリップアート36が配置された例である。
視力がよい場合には、細かい模様または文字が含まれるクリップアート34と、シンプルなクリップアート36のどちらも選択可能としている。視力が悪い場合には、細かい模様または文字が含まれるクリップアート34は見づらくなってしまうことから、商材種の場合と同様にクリップアート34の選択肢を非表示にするなど選択対象外とする処理を行う。
【0042】
(4)背景画像の選択
図6および図7にフォトブックの背景画像の選択画面の一例を示す。図6は、視力が悪い場合にお勧めするフォトブックの背景画像の一例として、単色またはシンプルな模様の背景画像が選択されている場合である。このとき、図7に示すような細かい模様が含まれる背景画像は、商材種の場合と同様に選択肢を非表示にするなどの処理を行う。
図7は、視力がよい場合にフォトブックの背景画像として、細かい模様が含まれる背景画像が選択されている場合である。
【0043】
(5)レイアウトの選択
図8にフォトブックのレイアウトとして、1ページに配置される画像の枚数の選択画面の一例を示す。図8の例では、画像配置数の選択ダイアログ38に、1ページ当たりの配置枚数が表示されている例である。
視力がよい場合には、1ページ当たりの配置枚数に制限はなく、全ての選択肢が選択可能としている。視力が悪い場合には、1ページ当たりの配置枚数が多くなるとそれぞれの画像が小さくなって見づらくなってしまうことから、商材種の場合と同様に1ページ当たりの配置枚数が多い選択肢は非表示にするなどの処理を行う。
【0044】
(6)画像トリミングサイズの制限
図9に画像トリミングサイズの制限の一例を示す。図9では、フォトブックの左ページ40は画像トリミングサイズが制限されている場合を示し、右ページ42は画像トリミングサイズが制限されていない場合を示す。
視力がよい場合には、画像をトリミングして1ページに多くの画像および文字を配置したい場合もあるため、右ページ42のように画像トリミングサイズに制限を設けず、ユーザの任意の大きさに画像のトリミングが可能としている。視力が悪い場合には、あまり小さく画像をトリミングしてしまうと見づらくなってしまうため、左ページ40のように、所定の大きさよりも小さくならない様、画像トリミングサイズに制限を設ける。
【0045】
(7)文字フォントサイズの制限
図10に文字フォントサイズの制限の一例を示す。視力がよい場合には、フォント選択ダイアログ44で小さなフォントまで選択可能とし、視力が悪い場合には、フォント選択ダイアログ44で小さなフォントを選択することができないように、商材種の場合と同様に小さなフォントを非表示にするなどの処理を行う。
【0046】
続いて、フォトブックのサイズの違い、編集画面、および成果物であるフォトブックの関係を図11〜図14を用いて説明する。
図11は、フォトブックのサイズ選択画面である。以下、127×127サイズのフォトブック46と、185×185サイズのフォトブック48とを選択した場合について比較する。
【0047】
127×127サイズのフォトブック46と、185×185サイズのフォトブック48は、アスペクト比が同じであるので、どちらを選択した場合でもフォトブックの編集画面は、図12に示すように同じように見えてしまう。
しかし、成果物であるフォトブックでは、図13(a)および(b)に示すように、サイズが異なることから、画像のプリントサイズも大きく異なってしまう。すなわち、フォトブックの見た目が大きく変わってしまうことになる。
【0048】
例えば、図13(a)に示す127×127サイズのフォトブック46では、右ページのトリミングされた画像が小さすぎて見づらいが、図13(b)に示す185×185サイズのフォトブック48では普通に見える範囲である場合、127×127サイズのフォトブック46にのみ画像トリミングサイズに制限をかける必要がある。
この場合、図14(a)および(b)に示すように、フォトブックの編集画面において、画像トリミングの制限範囲を変更することで、つまり、商材であるフォトブックのサイズに応じて編集パラメータである画像トリミングサイズを制御することで、プリントサイズのより大きい185×185サイズのフォトブック48の方が、編集画面上でより小さく画像をトリミングすることができる。
なお、制御する編集パラメータは画像トリミングサイズに限られず、他の編集パラメータであってもよい。
【0049】
上述のとおり、本発明に係る画像処理装置および画像処理方法によれば、ユーザの年齢層に合わせて編集画面を変更することで、容易にフォトブック編集などの画像編集をすることができ、また、成果物であるフォトブックなども見やすく、ユーザの嗜好にあった形で編集時のイメージ通りに完成させることができる。
【0050】
なお、本実施形態では、一例として、フォトブックを作製する場合について説明したが、これに限定されず、上述したその他の商材種であってもよいし、また、表示画面のサイズを商材サイズとすれば、商材種はデジタルフォトフレーム、携帯電話、画像ビューワ装置などの成果物データを表示することのできるものにも適用可能である。
【0051】
また、本実施形態の各構成要素をクライアント−サーバ型のネットワークサービスとしてもよい。例えば、ユーザのパーソナルコンピュータまたは店頭端末機を、画像データ入力部12、操作部14、表示部16、およびユーザ情報取得部18として機能させ、サーバを編集処理部20として機能させることで、インターネットを用いてフォトブック等の注文が行え、後日、郵送等によってフォトブックが自宅に届くというような構成にすることもできる。
【0052】
なお、本発明においては、上述した画像処理方法の各工程をコンピュータに実行させるための画像処理プログラムとして構成しても良いし、また、コンピュータを、画像処理方法の各工程を実施する各手段として、または、上述した画像処理装置を構成する各手段として機能させる画像処理プログラムとして構成しても良い。
また、本発明を、上述した画像処理プログラムをコンピュータにより読取可能な媒体またはコンピュータにより読取可能なメモリとして構成してもよい。
【0053】
以上、本発明の画像処理装置、画像処理方法およびプログラムについて詳細に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよい。
【符号の説明】
【0054】
10 画像処理装置
12 画像データ入力部
14 操作部
16 表示部
18 ユーザ情報取得部
20 編集処理部
30 シャッフルプリント
32 127×127サイズ
34,36 クリップアート
38 選択ダイアログ
40 左ページ
42 右ページ
44 フォント選択ダイアログ
46,48 フォトブック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を編集して成果物に用いる成果物データを得るための画像処理装置であって、
画像データが入力される画像データ入力部と、
ユーザにより編集アプリケーションの操作が行われる操作部と、
前記編集アプリケーションを表示する表示部と、
前記操作部の操作を行う前記ユーザを撮影したユーザ画像データ、および前記ユーザの前記編集アプリケーションの操作情報である操作データのうち1以上を、ユーザ情報として取得するユーザ情報取得部と、
前記表示部に表示される編集画面の更新、および画像データの編集処理のうち1以上を行う編集処理部とを有し、
前記ユーザ情報に基づき編集パラメータを決定して前記編集画面を更新し、前記編集パラメータを反映した更新後の前記編集画面に基づいて行われた操作に従い編集情報が入力され、前記画像データの編集処理を行って、前記成果物データを得ることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記ユーザ情報は、前記ユーザ画像データについて画像認識を行って得た、メガネの有無情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記ユーザ情報は、カメラの被写体距離情報、または前記ユーザ画像データについて画像認識を行って前記ユーザの顔の大きさから求めた顔の距離情報を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記編集パラメータは、商材種、商材サイズ、背景画像、クリップアート、レイアウト、画像トリミングサイズ、および文字フォントサイズのうち1以上を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記商材サイズが決定されたとき、該商材サイズに応じて他の編集パラメータが決定されることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記成果物は印刷物であり、
前記商材種は、ポストカード、デジカメプリント、フォトブック、シャッフルプリント、大サイズプリント、およびクリスタルプリントのうち1以上を含むことを特徴とする請求項4または5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記成果物は電子データであり、
前記商材種は、デジタルフォトフレーム、携帯電話、画像ビューワ装置のうち1以上を含み、前記商材サイズは表示画面のサイズであることを特徴とする請求項4または5に記載の画像処理装置。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれかに記載の画像処理装置と、
成果物データを印刷する印刷装置とを有するプリント作製システム。
【請求項9】
請求項1〜6のいずれかに記載の画像処理装置と、
成果物データを印刷する印刷装置と、
印刷された用紙を製本する製本装置とを有するフォトブック作製システム。
【請求項10】
画像を編集して成果物に用いる成果物データを得るための画像処理方法であって、
画像データが入力される画像データ入力ステップと、
編集アプリケーションの操作を行うユーザを撮影したユーザ画像データ、および前記ユーザの前記編集アプリケーションの操作情報である操作データのうち1以上を、ユーザ情報として取得するユーザ情報取得ステップと、
前記ユーザ情報に基づき編集パラメータを決定して前記編集画面を更新する編集画面更新ステップと、
前記編集パラメータを反映した更新後の前記編集画面に基づいて行われた操作に従い編集情報が入力される編集情報入力ステップと、
前記編集情報に基づき前記画像データの編集処理を行って、前記成果物データを得る編集処理ステップとを有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項11】
請求項10に記載の画像処理方法の各工程を手順としてコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−203925(P2011−203925A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−69530(P2010−69530)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】