説明

画像処理装置、画像読取装置、画像処理方法及び画像処理プログラム

【課題】 画像読取装置が交換された場合の、病理診断への影響を軽減すること。
【解決手段】 画像読取装置で生体試料を撮像して生成した生体画像を、処理する画像処理装置であって、画像読取装置の識別情報を取得する取得手段を備える。また、この画像処理装置は、生体画像に含まれる生体組織の種類を判定する判定手段と、画像読取装置の識別情報及び生体組織の種類に対応して、生体画像に補正処理を加える補正手段と、を備えたことを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体画像を処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
生体試料の画像を読みとり、画像処理を加える技術の一種として、特許文献1に、生体試料画像を自動分析する装置が開示されている。この装置は、CCDカメラを含むマイクロスコープを有しており、マイクロスコープで拡大した生体試料画像に処理を加えモニタに表示する。またこの装置では、試料の位置座標と撮影した画像とを試料の識別子(バーコード)に対応付けて記憶しておき、自動的にスライドをフィードさせて、適正な位置に試料を配置しつつ撮像し、病理医による病理診断を助けるための構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願09/495461
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような従来のシステムでは、マイクロスコープなどの画像読取装置を交換する場合について言及されていなかった。例えばマイクロスコープやCCDを他のものと交換した場合、読みとられた画像データやモニタに表示される画像の色合いなどが変更されてしまい、病理診断自体に影響を及ぼす可能性があり望ましくなかった。
【0005】
本発明の目的は、上述の課題を解決する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る装置は、
画像読取装置で生体試料を撮像して生成した生体画像を処理する画像処理装置であって、
前記画像読取装置の識別情報を取得する取得手段と、
前記生体画像に含まれる生体組織の種類を判定する判定手段と、
前記画像読取装置の識別情報及び前記生体組織の種類に対応して、前記生体画像に補正処理を加える補正手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る他の装置は、
画像読取装置で生体試料を撮像して生成した生体画像を処理する画像処理装置であって、
前記画像読取装置の識別情報を取得する取得手段と、
予めデータベースに格納された標準画像と前記生体画像とを比較し、前記標準画像に近似させるため前記生体画像に加えるべき補正処理を導き出し、該補正処理を示す補正情報を生成する生成手段と、
前記生体画像に含まれる生体組織の種類に対応付けて、前記画像読取装置の識別情報と前記補正情報とを前記データベースに登録する登録手段と、
をことを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る他の装置は、
上述のの画像処理装置に接続可能な画像読取装置であって、
前記生体試料を撮像して生成した生体画像と前記識別情報とを前記画像処理装置に送信する送信手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る更に他の装置は、
上述の画像処理装置に接続可能な画像読取装置であって、
前記生体画像に含まれうる生体組織の種類ごとに、前記補正処理を表わす補正情報を記憶した記憶手段と、
前記生体試料を撮像して生成した生体画像と前記補正情報とを前記画像処理装置に送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る更に他の装置は、
上述の画像処理装置に接続可能な画像読取装置であって、
前記サンプル生体試料を撮像して生成した生体画像を記憶した記憶手段と、
前記生体画像を前記画像処理装置に送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係る方法は、
画像読取装置で生体試料を撮像して生成した生体画像を処理する画像処理方法であって、
前記画像読取装置の識別情報を取得し、
前記生体画像に含まれる生体組織の種類を判定し、
前記画像読取装置の識別情報及び前記生体組織の種類に対応して、前記生体画像に補正処理を加えることを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明に係る他の方法は、
画像読取装置で生体試料を撮像して生成した生体画像を処理する画像処理方法であって、
前記画像読取装置の識別情報を取得し、
予めデータベースに格納された標準画像と前記生体画像とを比較し、前記標準画像に近似させるため前記生体画像に加えるべき補正処理を導き出し、該補正処理を示す補正情報を生成し、
前記生体画像に含まれる生体組織の種類に対応付けて、前記画像読取装置の識別情報と前記補正情報とを登録することを特徴とする。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明に係るプログラムは、
画像読取装置で生体試料を撮像して生成した生体画像を処理する画像処理プログラムであって、
前記画像読取装置の識別情報を取得するステップと
前記生体画像に含まれる生体組織の種類を判定するステップと、
前記画像読取装置の識別情報及び前記生体組織の種類に対応して、前記生体画像に補正処理を加えるステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0014】
上記目的を達成するため、本発明に係る他のプログラムは、
画像読取装置で生体試料を撮像して生成した生体画像を処理する画像処理プログラムであって、
前記画像読取装置の識別情報を取得するステップと、
予めデータベースに格納された標準画像と前記生体画像とを比較し、前記標準画像に近似させるため前記生体画像に加えるべき補正処理を導き出し、該補正処理を示す補正情報を生成するステップと、
前記生体画像に含まれる生体組織の種類に対応付けて、前記画像読取装置の識別情報と前記補正情報とを登録するステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、画像読取装置が交換された場合の病理診断への影響を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態としての画像処理装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の第2実施形態としての画像処理装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の第3実施形態としての画像読取システムの構成を示す図である。
【図4】本発明の第3実施形態としての画像読取システムにおいて、RAMに保存されるモジュール及びデータを示す図である。
【図5】本発明の第3実施形態としての画像読取システムにおいて、生成される補正情報を示す図である。
【図6】本発明の第3実施形態としての画像読取システムにおいて、補正情報を生成するための基準情報を示す図である。
【図7】本発明の第3実施形態としての画像読取システムにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明の第3実施形態としての画像読取システムにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】本発明の第3実施形態としての画像読取システムにおける、補正処理の具体例を示す図である。
【図10】本発明の第3実施形態としての画像読取システムにおける、補正処理の具体例を示す図である。
【図11】本発明の第3実施形態としての画像読取システムにおける、補正処理の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態について例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0018】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態としての画像処理装置100の構成を示す図である。図1において、画像処理装置100は、画像読取装置150に接続され、画像読取装置150において生体試料を撮像して生成した生体画像を処理する。画像処理装置100は、取得部101、判定部102、補正部103を備える。これらのうち取得部101は、画像読取装置150の識別情報を取得する。判定部102は、画像読取装置150から送られた生体画像に含まれる生体組織の種類を判定する。また、補正部103は、画像読取装置150の識別情報及び判定した生体組織の種類に対応して、生体画像を補正する。
【0019】
このような画像処理装置100によれば、画像読取装置150によって読みとられた生体画像中に含まれる生体組織の種類に応じた補正を加えることができ、より画像診断を行ない易い補正画像を得ることができる。
【0020】
(第2実施形態)
図2は、本発明の第2実施形態としての画像処理装置200の構成を示す図である。図2において、画像処理装置200は、画像読取装置150に接続され、生成部201と取得部202と登録部203とを備える。これらのうち、生成部201は、画像読取装置150から取得した生体画像と、データベース250から読出した標準画像とを比較し、取得した生体画像を標準画像に近似させるため、どのような補正処理を加えればよいか判定し、効果的な補正処理を導き出す。そしてその補正処理を示す補正情報を生成する。一方、取得部202は、画像読取装置150の識別情報を取得する。そして、登録部は、生体画像に含まれる生体組織の種類に対応付けて、画像読取装置150の識別情報と生成された補正情報とをデータベース250に登録する。
【0021】
なお、ここで標準画像とは、例えば、標準的な画像読取装置でサンプル生体試料を撮像して取得した画像である。標準的な画像読取装置とは異なる種類の画像読取装置で同じサンプル生体試料を撮像して取得した生体画像とそのような標準画像とを比較すれば、標準画像に近い生体画像を得るために加えるべき補正処理を導き出すことができる。
【0022】
このように、画像処理装置200は、標準画像に近い画像を得るために加えるべき補正処理を導き出して、その補正情報をデータベースに登録することができる。このため、画像読取の特性(明るさや色あいやボケ具合など)が不明な画像読取装置150が接続された場合でも、適正な補正処理を加えて、標準画像に近い画像を取得することが可能になる。すなわち、様々な画像読取装置に対応できる汎用性に優れた画像処理装置を提供することができる。
【0023】
(第3実施形態)
図3は、本発明の第3実施形態としての画像処理装置300の構成を示す図である。図3に示すように、画像処理装置300は、CPU301、ROM302、通信制御部303、RAM304、大容量記憶部305、入力インタフェース306、及び出力インタフェース309を含む。画像処理装置300は、入力インタフェース306を介して画像読取装置としてのスキャナ307及び操作部308に接続され、操作部308に対して加えられた操作に応じて、スキャナ307から画像情報を取得する。また、画像処理装置300は、出力インタフェース309を介して表示装置310に接続され、スキャナ307で読み込まれた画像や、画像処理装置300で処理を施した画像を表示装置310に表示できる構成となっている。また、表示装置310は、エラーメッセージなどを報知する報知手段としても機能する。
【0024】
一方、画像処理装置300の内部において、CPU301は装置全体を制御する中央処理ユニットである。また、ROM302はリードオンリメモリであり、CPU301が実行するブートプログラムや、各種のパラメータを保存している。また、通信制御部303は、外部ネットワークに接続され、例えば外部に設けられたデータベースやコンピュータとの間の通信を制御する。
【0025】
RAM304は、CPU301が実行する複数のプログラムを一時的に記憶するプログラム記憶領域314と、それらのプログラムで用いられるデータを一時的に記憶するデータ記憶領域324とを有する。
【0026】
更に大容量記憶部305は、標準画像読取装置としての標準スキャナで読みとられた標準画像に関する情報を記憶する標準画像データベース315と、画像処理装置300に接続されたスキャナ307に関する情報及び補正情報を記憶する記憶手段としての補正情報データベース325とを備えている。更に、大容量記憶部305は、スキャナで読みとった生体画像から生体組織を識別するための情報を記憶する生体組織識別用データベース335を備えている。
【0027】
図5に標準画像データベースの一部の内容を示す。図5に示すテーブル500は、標準スキャナの識別情報501に関連付けて、撮像した生体組織の種類502ごとに、RGBヒストグラム503と、HSVヒストグラム504とを記憶している。ここでの生体組織の種類としては、「腺管」、「間質」、「リンパ球」、「血球」があり、さらに生体組織が存在しない「空白」の領域についても、それぞれのヒストグラムを記憶している。RGBヒストグラムは例えば、0から255までの256階調で表わされ、0から255までの画素値を有する画素数を縦軸にしている。
【0028】
例えば「空白」領域は、白に近いため、R、G、Bともに高い数値をとる。また、「腺管」の場合、標準画像ではヘマトキシリンとエオシンで染色を行なっているため全体としてピンク、そして腺管周りは青に染色される。つまり、Rの画素が比較的大きな値にかたより、Bの画素、Gの画素の順に小さい値となっている。これに対し、リンパ球を撮像した画像領域では、青みがやや強いため、Bの画素が大きな値を取る。逆に血球を撮像した画像領域では赤みがかなり強いため、Bの画素、Gの画素共に小さい値となる。
【0029】
同様に、それぞれの領域でのHSVヒストグラム504についても、画像の明るさを表わす明度Vと、色の鮮やかさを表わす彩度Sと、有彩色の色相Hのそれぞれについて標準値としての画素数が記憶されている。基本的にはこれらのヒストグラムのピークが重要であり、他のスキャナで撮像した画像についても、テーブル500に記憶されたものと同様の位置にヒストグラムのピークがあるように色味や明るさの変換処理を加えることになる。
【0030】
なお、図5に示した標準画像データは、一例に過ぎず、新たなスキャナ(標準スキャナ以外のもの)で撮像された生体画像に加える補正方法に応じた情報を記憶する必要がある。例えば、生体画像と標準画像との比較に際して、ヒストグラムの代わりにそれぞれの色要素の画素値の平均値を用いたり、中間値を用いたりすることも可能であり、そのような場合はそれらの平均値又は中間値を予めテーブル500に登録する必要が生じる。
【0031】
[各種モジュールの構成]
RAM304の内部に記憶されるモジュール及びデータの詳細について、図4を用いて説明する。RAM304は、スキャナ307に関する情報とスキャナ307が読みとった生体画像とを取得するためのスキャナ情報・画像取得モジュール401を備える。このスキャナ情報・画像取得モジュール401で取得したスキャナ情報は、スキャナ情報記憶エリア409に一時保存される。また、スキャナ情報・画像取得モジュール401で取得した生体画像データは、生体画像データ記憶エリア410に一時保存される。
【0032】
また、RAM304は、スキャナ307が読みとった生体画像中に存在する生体組織の種類とその画像領域を判定する生体組織判定モジュール402を含んでいる。生体画像中に存在する生体組織の種類としては、例えば、腺管(細胞核群)、間質(細胞質)、リンパ球、血球、その他ゴブレットセル(特殊細胞)などが挙げられる。それらの生体組織が、取得した生体画像中のどこにどのような形、大きさで存在するかを、パターンマッチングなどの画像処理技術を用いて判定する。ここで用いられる組織判定技術や領域抽出技術については、腺管(特開2009-229203号公報)、リンパ球(特開2009-168725、特許第3649328、特許第3534009)などの文献にて開示があるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0033】
一方、RAM304は、また、生体画像に対して補正を加えるための生体画像補正モジュール403を含む。生体画像補正モジュールは、スキャナを識別するスキャナ情報ごと、かつ、生体組織ごとに予め用意された補正情報に基づいて、生体画像に補正処理を加える。補正処理によって生成された補正画像データは、補正画像データ記憶エリア411に記憶される。
【0034】
更に、RAM304は、画像診断モジュール405を備えており、補正画像データ記憶エリア411に記憶された補正画像データを分析して、病理診断を行なう。具体的には、例えば、ヘマトキシリン信号分析、画像正規化、核検出、テクスチャ分析、色解析、病変候補抽出、病変の識別などといった処理により、どのような病変が含まれているか判断し、病理医に提示する。
【0035】
RAM304は、更に警告モジュール406を含む。この警告モジュール406は、生体画像補正モジュール403によって画像補正を行なった旨の表示を行なう。また、警告モジュール406は、接続されたスキャナ307から取得したスキャナ情報が補正情報データベース325に登録されていない場合、キャリブレーションの必要がある旨の警告表示を行なう。キャリブレーションに際しては、画像比較モジュール407が、サンプル生体試料をスキャナ307で撮影して取得した生体画像と、標準画像データベース315に予め用意された標準画像(サンプル生体試料に対応するもの)とを比較する。RAM304に保存された補正情報生成モジュール408が、画像比較モジュール407での比較結果に応じて、補正情報を生成する。すなわち、取得した生体画像を標準画像に近似させるため、どのような補正処理を加えれば比較処理で導き出された差分が減少するか判定し、効果的な補正処理を導き出す。
【0036】
画像比較モジュール407は、上述したように、それらの画像のHSV色要素、RGB色要素、又はCMYK色要素のヒストグラム、中間値又は平均値などを比較して差分を求めることができる。その場合、補正情報生成モジュール408は、その差分を消し込む補正を行なう。
【0037】
画像比較モジュール407は、また、ガンマ補正で画像を正規化し、彩度、明度の判別分析で白領域と有色領域を分離し、有色領域を色相の判別分析で赤領域と青領域に分離し、白、赤、青領域のそれぞれについて、RGBの平均を比較してもよい。つまり、生体画像中のR画素値の平均と、標準画像中のR画素値の平均とを比較し、さらにG画素値、B画素値について同様に比較してそれぞれ差分をとってもよい。この場合も、補正情報生成モジュール408は、その差分を消し込む補正を行なう。
【0038】
また、画像比較モジュール407が、例えば、生体画像及び標準画像のボケ具合を比較して、補正情報生成モジュール408は、その差分を消し込む補正を行なってもよい。この場合、画像比較モジュール407は、まず、生体画像及び標準画像のRGB各成分に対してDCT(離散コサイン変換)を行い、DCTの結果から直流成分を取り除く(0にする)。次に、交流成分のみの総パワーを計算して、DCT(交流のみ)のうち、X,Yが一定比率以下(例:2%以下)となる低域の総パワーを計算し、低域総パワーの交流総パワーに対する比率を計算する。この比率がボケ量と考えられ、各画像について、この比率を導き出して比較する。
【0039】
以上のようにして求めた補正情報は、補正情報データベース325に記憶される。図6に示すテーブル600は、スキャナの識別情報601に関連付けて記憶した補正情報603の一例を示したものである。図5に示した標準画像データと同様に、補正情報603も、生体組織の種類602毎に登録される。
【0040】
この例では、補正情報603は、RGB補正値と、HSV補正値の2種類用意されており、スキャナの種類に応じて、補正しやすい色空間を選択することができる。また、ここでは補正値として、HSV色空間の場合、−1から+1までの値で示された値をとり、RGB空間の場合、−255から+255までの値で示された値をとる。
【0041】
[動作の流れ]
次に図7及び図8のフローチャートを用いて、本実施形態に係る画像処理装置300で実行される処理の流れについて説明する。
【0042】
まず、S701において、接続されたスキャナ307の識別情報と、スキャナ307で読みとった生体画像を取得する。ここでは例えば、スキャナ307で読み込んだ生体画像データのヘッダからスキャナ307の識別情報を抽出できるものとする。
【0043】
次に、ステップS703において、抽出した識別情報が標準画像データベース315又は補正情報データベース325に登録されているか否かを判定する。何れにも登録されていない場合には、接続されているスキャナ307が、標準画像を生成する際に用いられた標準スキャナでもなく、かつ、既に補正情報を生成したスキャナでもないということが分かる。この場合、ステップS705に進み、警告表示を行なう。具体的には、サンプル生体試料を読み取ってキャリブレーションを行なう必要がある旨を示すメッセージを表示し、補正情報生成処理に進む。
【0044】
ステップ703において、識別情報がデータベースに登録されていると判定すると、ステップS709に進み、取得した生体画像から生体組織領域を抽出する。そして、次にステップS711において、スキャナ識別情報と抽出した生体組織の種類とを用いて、補正情報データベース325から、補正情報を取得する。
【0045】
ステップS713では、取得した補正情報を用いて、取得した生体画像を補正する。ここで、例えば生体画像に含まれた生体組織種類が1種類の場合には、生体画像全体を、その生体組織種類に対応する補正方法で補正してもよい。また、生体画像に2種類以上の生体組織が含まれていた場合には、それぞれの生体組織を含む画像領域ごとに、異なる補正方法で画像補正を行なってもよい。いずれにしても、生体画像に含まれた生体組織の種類に応じた補正を行なうことにより、その生体組織の判別、分析が容易になり、ひいては病理診断の正確性が向上する。
【0046】
ステップS713での生体画像の補正が終了するとステップS717に進み、未処理の生体組織があるか判定する。補正処理を終えていない生体組織が生体画像に含まれている場合には、ステップS711及びS713に進んで、次の生体組織について画像補正を行なう。
【0047】
生体画像に含まれる全ての生体組織について、画像補正処理が終了するとステップS715に進み、表示装置310に対して補正後の生体画像を表示し、処理を終了する。
【0048】
図8は、ステップS705の後に行なわれる補正情報生成処理の詳細な内容を示すフローチャートである。ステップS705において、接続されたスキャナ307が標準スキャナではないと判定されているので、図8において、まずステップS801でサンプル生体試料の画像読取を行なう。ここでサンプル試料とは、補正情報を生成するために予め用意されたものであり、標準画像の生成時に標準スキャナによって撮像された試料と同じものであることが望ましい。なお、生体組織の種類ごとに異なるサンプル試料が用意されていても良いし、1つのサンプル試料中に複数の生体組織が含まれていてもよい。
【0049】
次にステップS803では、サンプル試料画像に対応する標準画像情報を、標準画像データベース315から読出す。そして、ステップS805において、画像比較モジュール407を実行することにより、読みとった画像の情報と標準画像の情報とを上述したような所定の指標(例えば明度、彩度、色相など)で比較して、その差分を保存する。次にステップS807では、それらの画像の所定の指標を比較して得た差分が、一致或いは一定の範囲内であるか判定する。差分が一定範囲であればステップS813に進み、予め用意された全サンプル試料について処理済みか否か判定して、次のサンプル試料がある場合にはステップS801に戻る。
【0050】
ステップS807において、サンプル試料を撮像して生成した生体画像と標準画像との差分が一定範囲にない場合には、ステップS809に進み、差分が小さくなる方向に生体画像の画像情報を補正し、ステップS811で補正情報を一時記憶する。補正画像と標準画像との差分が一定範囲内になるまで補正処理を繰り返し、一定範囲内になればステップS813に進む。例えば、HSV色空間で表現された画像情報の比較であれば、まず画像の明度Vのみを標準画像に一致させて、画像全体の比較を行ない、それでも補正が十分でなければ彩度Sを標準画像に一致させる。更にそれでも補正が十分でなければ色相を徐々にずらして画像の差分が一定範囲内になるようにする。そのようにすることで最小限の補正で類似した画像をえることが可能となる。基本的には、スキャナ307から読みとられた画像に対する補正処理は最小限であることが望ましいため、このように段階的な補正処理によって補正情報を定める。なお、ステップS805においては、補正処理ごとに生体組織の抽出を行ない、抽出した生体組織の領域の画像を比較してもよい。
【0051】
ステップS813において、全てのサンプル試料画像の補正情報生成処理が終了したと判定すると、ステップS815に進んで、補正情報を生体組織の種類に関連付けて補正情報データベース325に格納する。
【0052】
以上の処理により全く新しいスキャナが接続された場合でも、標準画像に近い補正画像が出力できるように補正情報を生成・格納することができる。なお、上述の実施形態では、画像処理装置内に補正情報データベース325を設けたが、スキャナ307内に予め補正情報を記憶しておき、生体画像と補正情報とを画像処理装置300に送信してもよい。その場合、スキャナ307は、生体画像に含まれうる生体組織の種類ごとに補正処理を表わす補正情報を記憶した記憶手段(例えばROM)を備える。またその場合、スキャナ307は、更に、生体試料を撮像して生成した生体画像と記憶手段から読出した補正情報とを画像処理装置300に送信する送信手段を備える。一方、スキャナ307が、サンプル生体試料を撮像して生成した生体画像を予め記憶していることも好適である。その場合、サンプル生体試料を表わす生体画像を記憶した記憶手段と、記憶手段から読出した生体画像を画像処理装置300に送信する送信手段とを備えていればよい。
【0053】
[具体例]
補正処理の具体例について図9乃至図11を用いて説明する。
【0054】
まず、図9は生体組織として腺管が含まれる画像領域の補正方法について説明したものである。標準画像データベース315に保存された標準画像901と比べると、新たなスキャナによって撮像された生体画像902は暗く、彩度が低い。このことは、HSV色空間の各ヒストグラムのピーク値を比較すれば明確であり、特にS及びVのピーク位置が異なるため、それらを合わせ込む補正を行なう。具体的には、撮像された腺管画像領域について、Vを上げて明るく補正し、かつ、Sを上げて鮮やかに補正するための補正情報を生成する。例えば、図6に示すように、腺管画像領域ではSを+0.2、Vを+0.3する補正を行なうように補正情報を登録する。
【0055】
図10は生体組織としてリンパ球が含まれる画像領域の補正方法について説明したものである。標準画像データベース315に保存された標準画像1001と比べると、新たなスキャナによって撮像された生体画像1002は暗く、彩度が低い。このことは、HSV色空間の各ヒストグラムのピーク値を比較すれば明確であり、特にS及びVのピーク値が異なるため、それらを合わせ込む補正を行なう。具体的には、撮像されたリンパ球画像領域について、Vを上げて明るく補正し、かつ、Sを上げて鮮やかに補正するための補正情報を生成する。例えば、図6に示すように、リンパ球画像領域ではSを+0.1、Vを+0.1する補正を行なうように補正情報を登録する。
【0056】
図11は生体組織として間質が含まれる画像領域の補正方法について説明したものである。標準画像データベース315に保存された標準画像1101と比べると、新たなスキャナによって撮像された生体画像1102は暗く、彩度が低く、更に青みが少ない。このことは、HSV色空間の各ヒストグラムのピーク値を比較すれば明確である。ここでは、H、S及びVのピーク値を合わせ込む補正を行なう。具体的には、撮像された間質画像領域について、Hを青側にシフトし、Vを上げて明るく補正し、かつ、Sを上げて鮮やかに補正するための補正情報を生成する。例えば、図6に示すように、間質画像領域ではHを+0.1、Sを+0.1、Vを+0.1する補正を行なうように補正情報を登録する。
【0057】
[実施形態の効果]
上述したように本実施形態によれば、スキャナによって読みとられた生体画像中に含まれる生体組織の種類に応じた補正を加えることができ、より画像診断を行ない易い補正画像を得ることができる。また、標準画像に近い画像を得るために加えるべき補正処理を導き出して、その補正情報をデータベースに登録することができる。このため、画像読取の特性(明るさや色あいやボケ具合など)が不明なスキャナが接続された場合でも、適正な補正処理を加えて、標準画像に近い画像を取得することが可能になる。すなわち、様々なスキャナに対応できる汎用性に優れた画像診断処理を実現することができる。
【0058】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について詳述したが、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステム又は装置も、本発明の範疇に含まれる。
【0059】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、単体の装置に適用しても良い。さらに、本発明は、実施形態の機能を実現する画像処理プログラムが、システム或いは装置に直接或いは遠隔から供給される場合にも適用可能である。したがって、本発明の機能をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされる画像処理プログラム、或いはそのプログラムを格納した媒体、そのプログラムをダウンロードさせるWWWサーバも、本発明の範疇に含まれる。
【0060】
(実施形態の他の表現)
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0061】
(付記1)
画像読取装置で生体試料を撮像して生成した生体画像を処理する画像処理装置であって、
前記画像読取装置の識別情報を取得する取得手段と、
前記生体画像に含まれる生体組織の種類を判定する判定手段と、
前記画像読取装置の識別情報及び前記生体組織の種類に対応して、前記生体画像に補正処理を加える補正手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
(付記2)
前記画像読取装置の識別情報及び前記生体画像に含まれうる生体組織の種類ごとに、前記補正処理を表わす補正情報を記憶した記憶手段を更に有し、
前記補正手段は、前記画像読取装置の識別情報及び前記生体組織の種類を用いて前記記憶手段から読出した補正情報に基づいて前記生体画像に前記補正処理を加えることを特徴とする付記1に記載の画像処理装置。
(付記3)
前記補正手段は、前記補正処理を、前記生体画像全体に対して加えることを特徴とする付記1又は2に記載の画像処理装置。
(付記4)
前記補正手段は、前記補正処理を、前記生体画像に含まれる前記生体組織の画像領域に対して加えることを特徴とする付記1又は2に記載の画像処理装置。
(付記5)
前記補正手段は、前記生体画像に2以上の生体組織が含まれていた場合、それぞれの生体組織の画像領域に対して、異なる補正処理を加えることを特徴とする付記1乃至4の何れかに記載の画像処理装置。
(付記6)
前記記憶手段に前記画像読取装置の識別情報及びそれに対応する補正情報が記憶されているかどうかを判定する判定手段と、
前記画像読取装置の識別情報及びそれに対応する補正情報が記憶されていないと前記判定手段が判定した場合に、エラーメッセージを報知する報知手段と、
を更に備えることを特徴とする付記2に記載の画像処理装置。
(付記7)
画像読取装置で生体試料を撮像して生成した生体画像を処理する画像処理装置であって、
前記画像読取装置の識別情報を取得する取得手段と、
予めデータベースに格納された標準画像と前記生体画像とを比較し、前記標準画像に近似させるため前記生体画像に加えるべき補正処理を導き出し、該補正処理を示す補正情報を生成する生成手段と、
前記生体画像に含まれる生体組織の種類に対応付けて、前記画像読取装置の識別情報と前記補正情報とを前記データベースに登録する登録手段と、
をことを特徴とする画像処理装置。
(付記8)
前記生成手段は、
前記画像読取装置が標準画像読取装置ではない場合に、前記標準画像読取装置でサンプル生体試料を撮像して取得した前記標準画像と、前記画像読取装置で前記サンプル生体試料を撮像して取得した生体画像とを比較して補正情報を生成することを特徴とする付記7に記載の画像処理装置。
(付記9)
前記生成手段は、前記標準画像を所定の色空間で表現したヒストグラムと前記生体画像を所定の色空間で表現したヒストグラムとを比較して、前記補正情報を生成することを特徴とする付記7又は8に記載の画像処理装置。
(付記10)
請求項1乃至9の何れかに記載の画像処理装置に接続可能な画像読取装置であって、
前記生体試料を撮像して生成した生体画像と前記識別情報とを前記画像処理装置に送信する送信手段を備えたことを特徴とする画像読取装置。
(付記11)
請求項1乃至9の何れかに記載の画像処理装置に接続可能な画像読取装置であって、
前記生体画像に含まれうる生体組織の種類ごとに、前記補正処理を表わす補正情報を記憶した記憶手段と、
前記生体試料を撮像して生成した生体画像と前記補正情報とを前記画像処理装置に送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする画像読取装置。
(付記12)
請求項8に記載の画像処理装置に接続可能な画像読取装置であって、
前記サンプル生体試料を撮像して生成した生体画像を記憶した記憶手段と、
前記生体画像を前記画像処理装置に送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする画像読取装置。
(付記13)
画像読取装置で生体試料を撮像して生成した生体画像を処理する画像処理方法であって、
前記画像読取装置の識別情報を取得し、
前記生体画像に含まれる生体組織の種類を判定し、
前記画像読取装置の識別情報及び前記生体組織の種類に対応して、前記生体画像に補正処理を加えることを特徴とする画像処理方法。
(付記14)
画像読取装置で生体試料を撮像して生成した生体画像を処理する画像処理方法であって、
前記画像読取装置の識別情報を取得し、
予めデータベースに格納された標準画像と前記生体画像とを比較し、前記標準画像に近似させるため前記生体画像に加えるべき補正処理を導き出し、該補正処理を示す補正情報を生成し、
前記生体画像に含まれる生体組織の種類に対応付けて、前記画像読取装置の識別情報と前記補正情報とを登録することを特徴とする画像処理方法。
(付記15)
画像読取装置で生体試料を撮像して生成した生体画像を処理する画像処理プログラムであって、
前記画像読取装置の識別情報を取得するステップと
前記生体画像に含まれる生体組織の種類を判定するステップと、
前記画像読取装置の識別情報及び前記生体組織の種類に対応して、前記生体画像に補正処理を加えるステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
(付記16)
画像読取装置で生体試料を撮像して生成した生体画像を処理する画像処理プログラムであって、
前記画像読取装置の識別情報を取得するステップと、
予めデータベースに格納された標準画像と前記生体画像とを比較し、前記標準画像に近似させるため前記生体画像に加えるべき補正処理を導き出し、該補正処理を示す補正情報を生成するステップと、
前記生体画像に含まれる生体組織の種類に対応付けて、前記画像読取装置の識別情報と前記補正情報とを登録するステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像読取装置で生体試料を撮像して生成した生体画像を処理する画像処理装置であって、
前記画像読取装置の識別情報を取得する取得手段と、
前記生体画像に含まれる生体組織の種類を判定する判定手段と、
前記画像読取装置の識別情報及び前記生体組織の種類に対応して、前記生体画像に補正処理を加える補正手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記画像読取装置の識別情報及び前記生体画像に含まれうる生体組織の種類ごとに、前記補正処理を表わす補正情報を記憶した記憶手段を更に有し、
前記補正手段は、前記画像読取装置の識別情報及び前記生体組織の種類を用いて前記記憶手段から読出した補正情報に基づいて前記生体画像に前記補正処理を加えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記補正手段は、前記補正処理を、前記生体画像全体に対して加えることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記補正手段は、前記補正処理を、前記生体画像に含まれる前記生体組織の画像領域に対して加えることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記補正手段は、前記生体画像に2以上の生体組織が含まれていた場合、それぞれの生体組織の画像領域に対して、異なる補正処理を加えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記記憶手段に前記画像読取装置の識別情報及びそれに対応する補正情報が記憶されているかどうかを判定する判定手段と、
前記画像読取装置の識別情報及びそれに対応する補正情報が記憶されていないと前記判定手段が判定した場合に、エラーメッセージを報知する報知手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項7】
画像読取装置で生体試料を撮像して生成した生体画像を処理する画像処理装置であって、
前記画像読取装置の識別情報を取得する取得手段と、
予めデータベースに格納された標準画像と前記生体画像とを比較し、前記標準画像に近似させるため前記生体画像に加えるべき補正処理を導き出し、該補正処理を示す補正情報を生成する生成手段と、
前記生体画像に含まれる生体組織の種類に対応付けて、前記画像読取装置の識別情報と前記補正情報とを前記データベースに登録する登録手段と、
をことを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
前記生成手段は、
前記画像読取装置が標準画像読取装置ではない場合に、前記標準画像読取装置でサンプル生体試料を撮像して取得した前記標準画像と、前記画像読取装置で前記サンプル生体試料を撮像して取得した生体画像とを比較して補正情報を生成することを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記生成手段は、前記標準画像を所定の色空間で表現したヒストグラムと前記生体画像を所定の色空間で表現したヒストグラムとを比較して、前記補正情報を生成することを特徴とする請求項7又は8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか1項に記載の画像処理装置に接続可能な画像読取装置であって、
前記生体試料を撮像して生成した生体画像と前記識別情報とを前記画像処理装置に送信する送信手段を備えたことを特徴とする画像読取装置。
【請求項11】
請求項1乃至9の何れか1項に記載の画像処理装置に接続可能な画像読取装置であって、
前記生体画像に含まれうる生体組織の種類ごとに、前記補正処理を表わす補正情報を記憶した記憶手段と、
前記生体試料を撮像して生成した生体画像と前記補正情報とを前記画像処理装置に送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする画像読取装置。
【請求項12】
請求項8に記載の画像処理装置に接続可能な画像読取装置であって、
前記サンプル生体試料を撮像して生成した生体画像を記憶した記憶手段と、
前記生体画像を前記画像処理装置に送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする画像読取装置。
【請求項13】
画像読取装置で生体試料を撮像して生成した生体画像を処理する画像処理方法であって、
前記画像読取装置の識別情報を取得し、
前記生体画像に含まれる生体組織の種類を判定し、
前記画像読取装置の識別情報及び前記生体組織の種類に対応して、前記生体画像に補正処理を加えることを特徴とする画像処理方法。
【請求項14】
画像読取装置で生体試料を撮像して生成した生体画像を処理する画像処理方法であって、
前記画像読取装置の識別情報を取得し、
予めデータベースに格納された標準画像と前記生体画像とを比較し、前記標準画像に近似させるため前記生体画像に加えるべき補正処理を導き出し、該補正処理を示す補正情報を生成し、
前記生体画像に含まれる生体組織の種類に対応付けて、前記画像読取装置の識別情報と前記補正情報とを登録することを特徴とする画像処理方法。
【請求項15】
画像読取装置で生体試料を撮像して生成した生体画像を処理する画像処理プログラムであって、
前記画像読取装置の識別情報を取得するステップと
前記生体画像に含まれる生体組織の種類を判定するステップと、
前記画像読取装置の識別情報及び前記生体組織の種類に対応して、前記生体画像に補正処理を加えるステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項16】
画像読取装置で生体試料を撮像して生成した生体画像を処理する画像処理プログラムであって、
前記画像読取装置の識別情報を取得するステップと、
予めデータベースに格納された標準画像と前記生体画像とを比較し、前記標準画像に近似させるため前記生体画像に加えるべき補正処理を導き出し、該補正処理を示す補正情報を生成するステップと、
前記生体画像に含まれる生体組織の種類に対応付けて、前記画像読取装置の識別情報と前記補正情報とを登録するステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−210156(P2011−210156A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−79393(P2010−79393)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】