説明

画像処理装置及びデータ保存領域共有システム

【課題】コストの上昇及びユーザの手間の増加を抑えつつ、ネットワーク経由で接続された複数の画像処理装置間でデータ保存領域を共有可能な画像処理装置及びデータ保存領域共有システムを提供することを目的とする。
【解決手段】ネットワーク5経由で接続された画像処理装置2のデータ保存領域25を共有可能な画像処理装置1であって、画像処理装置2から機器状態を取得する機器状態取得手段と、取得した機器状態に基づき、データ保存先の画像処理装置2を決定するデータ保存先決定手段と、データ保存先の画像処理装置2にデータを転送するデータ転送手段20と、データ保存先の画像処理装置2をデータの保存先として登録する保存先登録手段とを有することにより上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及びデータ保存領域共有システムに係り、特にネットワーク経由で接続された複数の画像処理装置でデータ保存領域を共有する画像処理装置及びデータ保存領域共有システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばプリンタ,スキャナ,複合機などの画像処理装置は、従来、ジョブの実行などにより生成したデータを自機内のデータ保存領域に保存して管理していた。画像処理装置で生成されるデータは、例えば画像データ,ジョブログ,画像ログ等がある。しかし、画像処理装置内のデータ保存領域は保存容量が限られてしまうため、保存できるデータ量に制限があった。具体的に、従来の画像処理装置は自機内のデータ保存領域の保存容量が上限に達してしまうと、データ保存領域の保存容量を減らさなければ画像形成処理を実施不可能となっていた。
【0003】
近年、画像処理装置はネットワークに接続できるようになった。ネットワークに接続されている画像処理装置には、ネットワーク経由で接続されている専用のサーバのデータ保存領域にデータを保存して管理しているものがあった。また、ネットワークに接続されている画像処理装置には、ユーザにより指定されたクライアントコンピュータのデータ保存領域にデータを保存して管理しているものがあった(例えば特許文献1参照)。
【0004】
また、ネットワークに接続されている画像処理装置には、ジョブの実行などにより生成したデータを自機内のデータ保存領域に保存して管理し、ネットワーク経由で接続されているクライアントからの指示により、自機内のデータ保存領域に保存しているデータを再利用しているものがあった(例えば特許文献2,3参照)。
【特許文献1】特開2002−142068号公報
【特許文献2】特開2008−59083号公報
【特許文献3】特開2005−49980号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、専用のサーバのデータ保存領域にデータを保存して管理する場合は専用のサーバが必要となり、コストの問題があった。また、ユーザにより指定されたクライアントコンピュータのデータ保存領域にデータを保存して管理する場合は、どのクライアントコンピュータのデータ保存領域にデータを保存して管理するかをユーザが指定しなければならず、手間の問題があった。さらに、ジョブの実行などにより生成したデータを自機内のデータ保存領域に保存して管理する場合は、自機内のデータ保存領域の保存容量が限られるという問題が残されている。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、コストの上昇及びユーザの手間の増加を抑えつつ、ネットワーク経由で接続された複数の画像処理装置間でデータ保存領域を共有可能な画像処理装置及びデータ保存領域共有システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、ネットワーク経由で接続された1つ以上の他の画像処理装置のデータ保存領域を共有可能な画像処理装置であって、前記1つ以上の他の画像処理装置から前記1つ以上の他の画像処理装置の機器状態を取得する機器状態取得手段と、取得した前記機器状態に基づき、前記1つ以上の他の画像処理装置からデータ保存先の画像処理装置を決定するデータ保存先決定手段と、決定された前記データ保存先の画像処理装置にデータを転送するデータ転送手段と、決定された前記データ保存先の画像処理装置を前記データの保存先として登録する保存先登録手段とを有することを特徴とする。
【0008】
また、上記課題を解決するため、本発明は、ネットワーク経由で接続された複数の画像処理装置のデータ保存領域を前記複数の画像処理装置間で共有可能なデータ保存領域共有システムであって、データを生成した一の画像処理装置は、1つ以上の他の画像処理装置に機器状態取得要求を行い、前記1つ以上の他の画像処理装置の機器状態を取得する機器状態取得手段と、取得した前記機器状態に基づき、前記1つ以上の他の画像処理装置からデータ保存先の画像処理装置を決定するデータ保存先決定手段と、決定された前記データ保存先の画像処理装置にデータを転送するデータ転送手段と、決定された前記データ保存先の画像処理装置を前記データの保存先として登録する保存先登録手段とを有し、前記1つ以上の他の画像処理装置は、前記一の画像処理装置からの機器状態取得要求に応じて自機の機器状態を応答する機器状態応答手段と、前記一の画像処理装置から転送されたデータを受信し、そのデータをデータ保存領域に保存するデータ保存処理手段と、前記データをデータ保存領域に保存した旨を前記一の画像処理装置に応答するデータ転送応答手段とを有することを特徴とする。
【0009】
なお、本発明の構成要素、表現または構成要素の任意の組合せを、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、記録媒体、データ構造などに適用したものも本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によればコストの上昇及びユーザの手間の増加を抑えつつ、ネットワーク経由で接続された複数の画像処理装置間でデータ保存領域を共有可能な画像処理装置及びデータ保存領域共有システムを提供可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、本発明を実施するための最良の形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明していく。なお、本実施例では画像処理装置の一例として複合機を例に説明しているがプリンタやスキャナなど、他の画像処理装置であってもよい。
【0012】
図1は本発明によるデータ保存領域共有システムの一例の構成図である。図1のデータ保存領域共有システムは、複合機1と複合機2とがLANなどのネットワーク5経由で接続されている。なお、図1のデータ保存共有システムは複合機1と複合機2とが連携して複合機2のデータ保存領域25を、複合機1と複合機2とで共有する例を表している。
【0013】
複合機1は操作パネル部11,スキャナ部12,FAX部13,コピー部14,プリンタ部15,データ保存領域16,暗号部17,保存先機器一覧保持部18,データ分散管理部19,データ転送部20を有する構成である。
【0014】
複合機2は操作パネル部21,スキャナ部22,FAX部23,コピー部24,データ保存領域25,データ転送部26,データ分散管理部27,機器状態管理部28を有する構成である。
【0015】
また、複合機1のデータ分散管理部19は、例えば図2に示すような構成となる。図2はジョブの実行によりデータを生成して他の複合機に保存させる複合機のデータ分散管理部の一例のブロック構成図である。データ分散管理部19は機器状態取得部31,データ保存先決定部32,保存先登録部33,例外処理部34を有する構成である。
【0016】
また、複合機2のデータ分散管理部27は、例えば図3に示すような構成となる。図3は自機のデータ保存領域に、他の複合機で生成したデータを保存する複合機のデータ分散管理部の一例のブロック構成図である。データ分散管理部27は、機器状態応答部41,データ保存処理部42,データ転送応答部43を有する構成である。
【0017】
なお、図1〜図3に示した複合機1及び2は、ジョブの実行によりデータを生成して他の複合機に保存させる処理と、他の複合機で生成したデータを保存する処理とを説明するため、異なる構成としている。実際、複合機1及び2はジョブの実行によりデータを生成して他の複合機に保存させる処理と、他の複合機で生成したデータを保存する処理とを行う場合、複合機1と複合機2とを併せ、重複部分を削除した構成となる。
【実施例1】
【0018】
以下では、図1〜図3に示した複合機1及び2の各ブロックについて説明する。図4はデータ保存領域共有システムの一例の基本フローを表したシーケンス図である。
【0019】
複合機1はステップS1でユーザのログイン処理を行う。ここではユーザのログインが正常終了したとして説明を続ける。ステップS2に進み、ユーザは複合機1の操作パネル部11からジョブスタートを指示する。ステップS3に進み、複合機1はジョブスタートを指示されたスキャナ部12,FAX部13,コピー部14又はプリンタ部15がジョブを実行し、データを生成する。ステップS3で生成されたデータはデータ保存領域16に保存される。なお、ステップS3で生成されるデータはスキャン画像,ジョブログ,画像ログ等である。
【0020】
ステップS4に進み、複合機1のデータ分散管理部19に含まれる機器状態取得部31は複合機2のデータ分散管理部27に含まれる機器状態応答部41へ機器状態取得要求を行う。なお、図4のシーケンス図では図示していないが、複数の画像処理装置へ機器状態取得要求を行ってもよい。
【0021】
実際、機器状態取得部31は保存先機器一覧保持部18が保持している保存先機器一覧を閲覧し、保存先機器一覧に設定されているデータ保存先候補である一つ以上の画像処理装置へ機器状態取得要求を行う。
【0022】
機器状態応答部41は機器状態管理部28に機器状態取得を要求し、複合機2の機器状態を取得する。機器状態応答部41は、例えば複合機2(自機)のHDDの残容量(30GB),稼動状況(高)を機器状態として取得する。ステップS5に進み、機器状態応答部41は複合機1のデータ分散管理部19に含まれる機器状態取得部31へ機器状態を応答する。
【0023】
ステップS6に進み、複合機1のデータ分散管理部19に含まれるデータ保存先決定部32は保存先機器一覧保持部18が保持している保存先機器一覧及び機器状態取得要求の応答として取得した機器状態に基づき、後述のようにデータ保存先の画像処理装置を決定する。ここでは、複合機2がデータ保存先の画像処理装置として決定されたものとして説明を続ける。
【0024】
ステップS7に進み、複合機1のデータ転送部20はステップS3でデータ保存領域16に保存されたデータを複合機2のデータ転送部26に転送する。複合機2のデータ転送部26は複合機1のデータ転送部20から転送されたデータを受信する。ステップS8に進み、複合機2のデータ分散管理部27に含まれるデータ保存処理部42は複合機2(自機)のデータ保存領域25に保存する。
【0025】
ステップS9に進み、複合機2のデータ分散管理部27に含まれるデータ転送応答部43はステップS7のデータ転送に対する応答として、複合機1のデータ分散管理部19に含まれる保存先登録部33へ、データの保存が正常終了した旨を通知する。ステップS10に進み、保存先登録部33はデータを識別する為の情報(IDなど)と、データ保存先を識別する為の情報(例えばホスト名)とを関連付けて登録しておく。
【0026】
なお、ステップS3で複合機1のデータ保存領域16に保存されたデータは、ステップS9でデータの保存が正常終了した旨が複合機2から通知されたあと、データ保存領域16から削除する。
【0027】
(データ保存先の決定)
複合機1では、データ保存先の画像処理装置をユーザが指定してもよい。図5はユーザがデータ保存先の画像処理装置を指定してデータを送信する場合の処理手順を表した一例のフローチャートである。
【0028】
まず、ユーザは複合機1の操作パネル部11からデータ保存先として画像処理装置を指定する。ステップS21に進み、複合機1のデータ分散管理部19に含まれるデータ保存先決定部32は、データ保存先としてユーザに指定された画像処理装置が、保存先機器一覧保持部18の保持している保存先機器一覧に含まれるか否かを判定する。
【0029】
データ保存先としてユーザに指定された画像処理装置が、保存先機器一覧保持部18の保持している保存先機器一覧に含まれていれば、データ保存先決定部32はステップS23に進み、データ転送部20を利用して、データ保存先としてユーザに指定された画像処理装置へデータを送信する。
【0030】
一方、データ保存先としてユーザに指定された画像処理装置が、保存先機器一覧保持部18の保持している保存先機器一覧に含まれていなければ、データ保存先決定部32はステップS22に進み、データ保存先としてユーザに指定された画像処理装置のデータ分散管理部にアクセスし、その画像処理装置のプロパティを取得する。取得したプロパティに問題がなければ、データ保存先決定部32はステップS23に進み、データ転送部20を利用して、データ保存先としてユーザに指定された画像処理装置へデータを送信する。
【0031】
また、複合機1はデータ保存先の画像処理装置を以下のように決定する。図6はデータ保存先決定部がデータ保存先の画像処理装置を決定してデータを送信する場合の処理手順を表した一例のフローチャートである。なお、図6のフローチャートはデータがスキャン画像などの画像である例を表している。
【0032】
ステップS31に進み、複合機1のデータ分散管理部19に含まれるデータ保存先決定部32は保存先機器一覧保持部18の保持している図7に示すような保存先機器一覧を参照し、ステップS3でデータを生成した機能と同じ機能を持たない画像処理装置を判定する。
【0033】
図7は保存先機器一覧の一例の構成図である。図7に示すように、保存先機器一覧には画像処理装置(機器)毎に、HDD容量,持っている機能が設定されている。保存先機器一覧は、複合機1が予め、データ保存先候補である画像処理装置のケーパビリティを取得して保持しているものである。例えばステップS3でデータを生成した機能がスキャンである場合、データ保存先決定部32は同じ機能を持たない画像処理装置として図7の保存先機器一覧から機器C,機器Dを選択する。
【0034】
ステップS3でデータを生成した機能と同じ機能を持たない画像処理装置が一つだけある場合、データ保存先決定部32は、ステップS3でデータを生成した機能と同じ機能を持たない画像処理装置をデータ保存先として決定する。ステップS37に進み、データ保存先決定部32はデータ転送部20を利用して、データ保存先として決定した画像処理装置へデータを送信する。このように、ステップS3でデータを生成した機能と同じ機能を持たない画像処理装置をデータ保存先として決定するのは、データ保存先の画像処理装置で再利用されることを防止する為である。
【0035】
また、ステップS3でデータを生成した機能と同じ機能を持たない画像処理装置(対象機)がない場合、データ保存先決定部32はステップS32に進み、保存先機器一覧に含まれる全ての機器を対象機とし、ステップS33に進む。
【0036】
また、ステップS3でデータを生成した機能と同じ機能を持たない画像処理装置(対象機)が複数ある場合、データ保存先決定部32はステップS33に進む。ステップS33では、複合機1のデータ分散管理部19に含まれる機器状態取得部31が対象機のデータ分散管理部にアクセスし、その対象機の機器状態を取得する。ステップS33で取得する対象機の機器状態には、HDDの残容量,メモリの残容量,稼動状況,セキュリティ設定等が含まれる。
【0037】
HDDの残容量は補助記憶装置の残容量の一例である。HDDの残容量は例えば保存されるデータ量に対して十分な容量を備えているかを判定する為に利用される。メモリの残容量は主記憶装置の残容量の一例である。メモリの残容量は例えばデータを転送、保存する上で十分な容量を備えているかを判定する為に利用される。稼動状況は例えばデータを転送、保存する上で負荷が掛かっていないかを判定する為に利用される。セキュリティ設定は、例えばHDDに保存されるデータが暗号化されるか、利用者認証機能があるかを判定する為に利用される。つまり、セキュリティ設定はセキュリティの高さを表し、転送されるデータが高い安全性を求められるケース等で利用される。
【0038】
ステップS34に進み、データ保存先決定部32はステップS33で取得した対象機の機器状態に基づき、HDDの残容量が、転送されるデータの量(転送データ量)の2倍以上ある画像処理装置があるかを判定する。HDDの残容量が、転送データ量の2倍以上ある画像処理装置が一つだけある場合、データ保存先決定部32はHDDの残容量が、転送データ量の2倍以上ある画像処理装置をデータ保存先として決定する。ステップS37に進み、データ保存先決定部32はデータ転送部20を利用して、データ保存先として決定した画像処理装置へデータを送信する。
【0039】
HDDの残容量が、転送データ量の2倍以上ある画像処理装置がない場合、データ保存先決定部32はステップS35に進み、ステップS33で取得した対象機の機器状態に基づき、HDDの残容量が、転送データ量以上ある画像処理装置があるかを判定する。
【0040】
HDDの残容量が、転送データ量以上ある画像処理装置が一つだけある場合、データ保存先決定部32はHDDの残容量が、転送データ量以上ある画像処理装置をデータ保存先として決定する。ステップS37に進み、データ保存先決定部32はデータ転送部20を利用して、データ保存先として決定した画像処理装置へデータを送信する。
【0041】
HDDの残容量が、転送データ量以上ある画像処理装置が複数ある場合、データ保存先決定部32はステップS36に進み、HDDの残容量が、転送データ量以上ある画像処理装置から最も稼動状況の低調な画像処理装置をデータ保存先として決定する。ステップS37に進み、データ保存先決定部32はデータ転送部20を利用して、データ保存先として決定した画像処理装置へデータを送信する。
【0042】
また、ステップS34において、HDDの残容量が、転送データ量の2倍以上ある画像処理装置が複数ある場合、データ保存先決定部32はステップS36に進み、HDDの残容量が、転送データ量の2倍以上ある画像処理装置から最も稼動状況の低調な画像処理装置をデータ保存先として決定する。そして、ステップS37に進み、データ保存先決定部32はデータ転送部20を利用して、データ保存先として決定した画像処理装置へデータを送信する。
【0043】
また、ステップS35において、HDDの残容量が、転送データ量以上ある画像処理装置がない場合、データ保存先決定部32はステップS38に進み、データ保存先を決定せずに、そのまま自機のデータ保存領域16でデータを保持する。
【0044】
図6のフローチャートは、データ保存先の画像処理装置の決定に、保存先機器一覧保持部18が保持している保存先機器一覧と、機器状態取得要求の応答として取得した機器状態に含まれるHDDの残容量及び稼動状況とを組み合わせて利用しているが、保存先機器一覧や機器状態に含まれる情報を単独で利用してもよいし、保存先機器一覧と機器状態に含まれる情報との他の組合せであってもよい。
【0045】
図8はデータ保存先決定部がデータ保存先の画像処理装置を決定してデータを送信する場合の処理手順を表した他の例のフローチャートである。なお、図8のフローチャートはデータがスキャン画像などの画像である例を表している。
【0046】
ステップS41に進み、複合機1のデータ分散管理部19に含まれるデータ保存先決定部32は自機のデータ保存領域(HDDの領域)16が暗号化される設定になっているかを例えば自機の機器状態管理部(図示せず)に問い合わせて判定する。
【0047】
自機のHDDの領域16が暗号化される設定になっている場合、データ保存先決定部32はステップS42に進み、保存先機器一覧にHDDを暗号化可能な画像処理装置があるかを判定する。
【0048】
保存先機器一覧にHDDを暗号化可能な画像処理装置が一つだけある場合、データ保存先決定部32は、その画像処理装置をデータ保存先として決定する。ステップS43に進み、データ保存先決定部32はデータ転送部20を利用して、データ保存先として決定した画像処理装置へデータを送信する。
【0049】
保存先機器一覧にHDDを暗号化可能な画像処理装置が複数ある場合、データ保存先決定部32はステップS44に進む。ステップS44では、HDDを暗号化可能な画像処理装置から図6に示したフローチャートでデータ保存先を決定し、データ保存先の画像処理装置へデータを送信する。
【0050】
保存先機器一覧にHDDを暗号化可能な画像処理装置がない場合、データ保存先決定部32はステップS45に進み、転送するデータ(対象データ)の機密要求値が高いか低いかを判定する。対象データの機密要求値が低ければ、データ保存先決定部32はステップS46に進み、対象データへ簡易的な暗号処理を施した後、図6に示したフローチャートでデータ保存先を決定し、データ保存先の画像処理装置へデータを送信する。対象データの機密要求値が高ければ、データ保存先決定部32はステップS47に進み、データ保存先を決定せずに、そのまま自機のデータ保存領域16でデータを保持する。なお、機密要求値の詳細は後述する。
【0051】
図9はデータ保存先決定部がデータ保存先の画像処理装置を決定してデータを送信する場合の処理手順を表した他の例のフローチャートである。なお、図9のフローチャートはデータがジョブログなどである例を表している。
【0052】
ステップS51に進み、複合機1の機器状態取得部31は対象機のデータ分散管理部にアクセスし、その対象機の機器状態を取得する。ステップS52に進み、データ保存先決定部32はステップS51で取得した対象機の機器状態に基づき、HDDの残容量が8割以上ある画像処理装置があるかを判定する。HDDの残容量が8割ある画像処理装置が一つだけある場合、データ保存先決定部32は、HDDの残容量が8割ある画像処理装置をデータ保存先として決定する。ステップS55に進み、データ保存先決定部32はデータ転送部20を利用して、データ保存先として決定した画像処理装置へデータを送信する。
【0053】
HDDの残容量が8割以上ある画像処理装置がない場合、データ保存先決定部32はステップS53に進み、ステップS51で取得した対象機の機器状態に基づき、HDDの残容量が、転送データ量以上ある画像処理装置があるかを判定する。
【0054】
HDDの残容量が、転送データ量以上ある画像処理装置が一つだけある場合、データ保存先決定部32はHDDの残容量が、転送データ量以上ある画像処理装置をデータ保存先として決定する。ステップS55に進み、データ保存先決定部32はデータ転送部20を利用して、データ保存先として決定した画像処理装置へデータを送信する。
【0055】
HDDの残容量が、転送データ量以上ある画像処理装置が複数ある場合、データ保存先決定部32はステップS54に進み、HDDの残容量が、転送データ量以上ある画像処理装置から最も稼動状況の低調な画像処理装置をデータ保存先として決定する。ステップS55に進み、データ保存先決定部32はデータ転送部20を利用して、データ保存先として決定した画像処理装置へデータを送信する。また、ステップS53において、HDDの残容量が8割以上ある画像処理装置が複数ある場合、データ保存先決定部32はステップS54に進み、HDDの残容量が8割以上ある画像処理装置から最も稼動状況の低調な画像処理装置をデータ保存先として決定する。そして、ステップS55に進み、データ保存先決定部32はデータ転送部20を利用して、データ保存先として決定した画像処理装置へデータを送信する。
【0056】
なお、HDDの残容量が、転送データ量以上ある画像処理装置がない場合、データ保存先決定部32はステップS56に進み、データ保存先を決定せず、そのまま自機のデータ保存領域16でデータを保持する。
【0057】
図9のフローチャートは、データ保存先の画像処理装置の決定に、保存先機器一覧保持部18が保持している機器状態取得要求の応答として取得した機器状態に含まれるHDDの残容量及び稼動状況を組み合わせて利用しているが、保存先機器一覧や機器状態に含まれる情報を単独で利用してもよいし、保存先機器一覧と機器状態に含まれる情報との他の組合せであってもよい。
【0058】
(データ保存領域に保存するデータ)
図4に戻り、複合機2のデータ保存領域25に保存されるデータ(保存データ)は例えば図10に示すようになる。図10は保存データの詳細を説明する為の説明図である。複合機2のデータ保存領域25に保存されるデータには、スキャン画像,ジョブログ,画像ログ等がある。
【0059】
複合機2のデータ保存領域25に保存されるデータには、データ保存領域25を共有する為に必要となる共通情報が含まれる。共通情報には、保存依頼元機器の識別情報と保存データに求められる機密性(機密要求値)とが含まれる。保存依頼元機器の識別情報は保存依頼先機器の識別情報の変更,電源オフ,置換えなど、保存依頼元機器から保存依頼先機器へのアクセス方法が変わるときに、保存依頼先機器から保存依頼元機器へ通知する為に必要となる情報である。
【0060】
保存データがスキャン画像である場合は、画像データと、ID,画像形成手段,画像サイズ,カラー/モノクロ,画像フォーマット,作成者などの書誌情報とが含まれる。保存データがジョブログである場合は、ID,画像形成手段,ユーザ名,ジョブ開始日時,終了日時,ジョブ実行条件,ジョブ要求元の機器,実行した機器などのログ情報が含まれている。保存データが画像ログである場合は、画像データと、ジョブログと同等のログ情報とが含まれている。
【0061】
(データ保存先の登録)
図4に戻り、複合機1の保存先登録部33はデータ保存先を例えば図11のように登録する。図11は保存先登録部によって登録されるデータ保存先の情報を説明する為の説明図である。図11はデータ保存先をホスト名で特定する場合の例である。図11はデータを識別する為のIDと、ホスト名とを関連付けて登録している。
【実施例2】
【0062】
図12はデータ保存領域共有システムの一例のフローを表したシーケンス図である。図12のシーケンス図は複数の複合機での分散管理を表している。図12のシーケンス図は複合機1から複合機2経由で複合機3にデータが保存される例を表している。
【0063】
ステップS61〜S63の処理は図4のステップS1〜S3と同様であるため、説明を省略する。ステップS64に進み、複合機1のデータ転送部20はステップS63においてデータ保存領域16に保存されたデータを複合機2のデータ転送部26に転送する。即ち、複合機1はデータ保存先の決定を行わず、データを複合機2へ転送している。
【0064】
複合機2のデータ転送部26は複合機1のデータ転送部20から転送されたデータを受信する。ステップS65に進み、複合機2のデータ分散管理部27に含まれる機器状態取得部(図示せず)は複合機3のデータ分散管理部に含まれる機器状態応答部へ機器状態取得要求を行う。なお、図12のシーケンス図では図示していないが、複数の画像処理装置へ機器状態取得要求を行ってもよい。
【0065】
複合機3の機器状態応答部は機器状態管理部に機器状態取得を要求し、複合機3の機器状態を取得する。複合機3の機器状態応答部は、例えば複合機3(自機)のHDDの残容量(70GB),稼動状況(低)を機器状態として取得する。ステップS66に進み、複合機3の機器状態応答部は複合機2のデータ分散管理部27に含まれる機器状態取得部へ機器状態を応答する。
【0066】
ステップS67に進み、複合機2のデータ分散管理部27に含まれるデータ保存先決定部(図示せず)は保存先機器一覧保持部(図示せず)が保持している保存先機器一覧及び機器状態取得要求の応答として取得した機器状態に基づき、前述のようにデータ保存先の画像処理装置を決定する。ここでは、複合機3がデータ保存先の画像処理装置として決定されたものとして説明を続ける。
【0067】
ステップS68に進み、複合機2のデータ転送部26はステップS64で複合機1から受信したデータを複合機3のデータ転送部に転送する。複合機3のデータ転送部は複合機2のデータ転送部26から転送されたデータを受信する。ステップS69に進み、複合機3のデータ分散管理部に含まれるデータ保存処理部は複合機3(自機)のデータ保存領域に保存する。
【0068】
ステップS70に進み、複合機3のデータ分散管理部に含まれるデータ転送応答部はステップS68のデータ転送に対する応答として、複合機2のデータ転送部26へ、データの保存が正常終了した旨を通知する。ステップS71に進み、複合機2のデータ転送部26はステップS64のデータ転送に対する応答として、複合機1のデータ分散管理部19に含まれる保存先登録部33へ、データ保存先を通知する。
【0069】
なお、ステップS71で通知されるデータ保存先は、複合機2又は複合機3のどちらでもよい。ステップS71で通知されるデータ保存先を複合機2とした場合は、複合機2においてもデータ保存先を複合機3として登録する。データを使う場合、複合機1は複合機2へデータ保存先を問い合わせる必要がある。また、ステップS71で通知されるデータ保存先を複合機3とした場合、複合機1はデータを使うとき、複合機3へ直接、データ取得要求を行うことができる。
【0070】
ステップS72に進み、図4のステップS10と同様、保存先登録部33はデータを識別する為の情報と、データ保存先を識別する為の情報とを関連付けて登録しておく。
【実施例3】
【0071】
図13はデータ保存領域共有システムの一例のフローを表したシーケンス図である。図13のシーケンス図は複数の複合機での分散管理を表している。図13のシーケンス図は複合機1から複合機2及び複合機3にデータが保存される例を表している。
【0072】
ステップS81〜S83の処理は図4のステップS1〜S3と同様であるため、説明を省略する。ステップS84に進み、複合機1のデータ分散管理部19に含まれる機器状態取得部31は複合機2のデータ分散管理部27に含まれる機器状態応答部41へ機器状態取得要求を行う。
【0073】
機器状態応答部41は機器状態管理部28に機器状態取得を要求し、複合機2の機器状態を取得する。機器状態応答部41は、例えば複合機2(自機)のHDDの残容量(45GB),稼動状況(中)を機器状態として取得する。ステップS85に進み、機器状態応答部41は複合機1のデータ分散管理部19に含まれる機器状態取得部31へ機器状態を応答する。
【0074】
また、ステップS86に進み、複合機1のデータ分散管理部19に含まれる機器状態取得部31は複合機3のデータ分散管理部に含まれる機器状態応答部へ機器状態取得要求を行う。複合機3の機器状態応答部は機器状態管理部に機器状態取得を要求し、複合機3の機器状態を取得する。複合機3の機器状態応答部は、例えば複合機3(自機)のHDDの残容量(70GB),稼動状況(低)を機器状態として取得する。複合機3の機器状態応答部はステップS87に進み、複合機1のデータ分散管理部19に含まれる機器状態取得部31へ機器状態を応答する。
【0075】
ステップS88に進み、複合機1のデータ分散管理部19に含まれるデータ保存先決定部32は保存先機器一覧保持部18が保持している保存先機器一覧及び機器状態取得要求の応答として取得した機器状態に基づき、前述のようにデータ保存先の画像処理装置を決定する。ここでは、複合機2及び複合機3がデータ保存先の画像処理装置として決定されたものとして説明を続ける。なお、複合機2及び3は同じデータを重複して保存してもよいし、分割したデータを別々に保存してもよい。
【0076】
ステップS89に進み、複合機1のデータ転送部20はステップS83でデータ保存領域16に保存されたデータを複合機2のデータ転送部26に転送する。複合機2のデータ転送部26は複合機1のデータ転送部20から転送されたデータを受信する。ステップS90に進み、複合機2のデータ分散管理部27に含まれるデータ保存処理部42は複合機2(自機)のデータ保存領域25に保存する。
【0077】
ステップS91に進み、複合機2のデータ分散管理部27に含まれるデータ転送応答部43はステップS89のデータ転送に対する応答として、複合機1のデータ分散管理部19に含まれる保存先登録部33へ、データの保存が正常終了した旨を通知する。
【0078】
ステップS92に進み、複合機1のデータ転送部20はステップS83でデータ保存領域16に保存されたデータを複合機3のデータ転送部に転送する。複合機3のデータ転送部は、複合機1のデータ転送部20から転送されたデータを受信する。ステップS93に進み、複合機3のデータ分散管理部に含まれるデータ保存処理部は、複合機3(自機)のデータ保存領域25に保存する。
【0079】
ステップS93に進み、複合機3のデータ分散管理部に含まれるデータ転送応答部はステップS92のデータ転送に対する応答として、複合機1のデータ分散管理部19に含まれる保存先登録部33へ、データの保存が正常終了した旨を通知する。そして、ステップS95に進み、図4のステップS10と同様、保存先登録部33はデータを識別する為の情報と、データ保存先を識別する為の情報とを関連付けて登録しておく。
【実施例4】
【0080】
図14はデータ保存領域共有システムの一例のフローを表したシーケンス図である。図14のシーケンス図はデータ保存先の複合機2が電源オフとなる場合の例外処理を表している。図14のシーケンス図はデータ保存先の複合機2が電源オフとなる為、データ保存先を複合機3に変更する例を表している。データ保存先の複合機2が保存していたデータは複合機1経由で複合機3に転送される。
【0081】
ユーザが複合機2の電源オフを指示すると、複合機2はステップS101に進み、電源オフの為の前処理を行う。ステップS102に進み、複合機2のデータ分散管理部27に含まれる例外処理部(図示せず)はデータ保存領域25に保存されているデータの共通情報から保存依頼元機器の識別情報を取得する。ここで取得される保存依頼元機器の識別情報は複合機1を表している。
【0082】
ステップS103に進み、複合機2の例外処理部は保存依頼元機器である複合機1へ電源オフを通知する。複合機2から電源オフを通知されると複合機1のデータ分散管理部19に含まれる例外処理部34はステップS104に進み、複合機2の例外処理部へデータ取得要求を行う。ステップS105に進み、複合機2の例外処理部は複合機1から転送されて保存していたデータをデータ転送部26経由で複合機1に転送する。
【0083】
複合機2から転送されたデータをデータ転送部20が受信すると、複合機1のデータ分散管理部19に含まれる機器状態取得部31は電源オフとなる複合機2以外の複合機3のデータ分散管理部に含まれる機器状態応答部へ機器状態取得要求を行う。なお、図14のシーケンス図では図示していないが、複数の画像処理装置へ機器状態取得要求を行ってもよい。
【0084】
複合機3の機器状態応答部は、機器状態管理部に機器状態取得を要求し、複合機3の機器状態を取得する。複合機3機器状態応答部は、例えば複合機3(自機)のHDDの残容量(70GB),稼動状況(低)を機器状態として取得する。ステップS107に進み、複合機3の機器状態応答部は複合機1のデータ分散管理部19に含まれる機器状態取得部31へ機器状態を応答する。
【0085】
他の複合機へデータを置き換える場合、ステップS108に進み、複合機1のデータ分散管理部19に含まれるデータ保存先決定部32は保存先機器一覧保持部18が保持している保存先機器一覧及び機器状態取得要求の応答として取得した機器状態に基づき、前述のようにデータ保存先の画像処理装置を決定する。ここでは、複合機3がデータ保存先の画像処理装置として決定されたものとして説明を続ける。
【0086】
ステップS109に進み、複合機1のデータ転送部20はステップS105で複合機2から受信したデータを複合機3のデータ転送部に転送する。複合機3のデータ転送部は複合機1のデータ転送部20から転送されたデータを受信する。複合機3のデータ分散管理部に含まれるデータ保存処理部はステップS110に進み、複合機3(自機)のデータ保存領域にデータを保存する。
【0087】
ステップS111に進み、複合機3のデータ分散管理部に含まれるデータ転送応答部はステップS109のデータ転送に対する応答として、複合機1のデータ分散管理部19に含まれる保存先登録部33へ、データの保存が正常終了した旨を通知する。ステップS112に進み、保存先登録部33はデータを識別する為の情報(IDなど)と、データ保存先を識別する為の情報(例えばホスト名)とを関連付けて登録しておく。
【0088】
ステップS113に進み、複合機1のデータ分散管理部19に含まれる例外処理部34はデータ転送完了通知を、複合機2のデータ分散管理部27に含まれる例外処理部へ通知する。ステップS114に進み、複合機2は電源オフする。
【実施例5】
【0089】
図15はデータ保存領域共有システムの一例のフローを表したシーケンス図である。図15のシーケンス図はデータ保存先の複合機2が電源オフとなる場合の例外処理を表している。図15のシーケンス図はデータ保存先の複合機2が電源オフとなる為、データ保存先を複合機3に変更する例を表している。データ保存先の複合機2が保存していたデータは複合機2から複合機3に転送される。
【0090】
ステップS121〜S123の処理は図14のステップS101〜S103の処理と同様であるため、説明を省略する。他の複合機へデータを置き換える場合、ステップS124に進み、複合機1のデータ分散管理部19に含まれるデータ保存先決定部32は保存先機器一覧保持部18が保持している保存先機器一覧及び機器状態取得要求の応答として取得していた機器状態に基づき、前述のようにデータ保存先の画像処理装置を決定する。ここでは、複合機3がデータ保存先の画像処理装置として決定されたものとして説明を続ける。
【0091】
ステップS125に進み、複合機1のデータ分散管理部19に含まれる例外処理部34は複合機2のデータ分散管理部27に含まれる例外処理部(図示せず)に、データのID及び機器3を指定してデータ転送要求を行う。
【0092】
ステップS126に進み、複合機2のデータ転送部26はステップS125のデータ転送要求で指定されたデータを複合機3のデータ転送部に転送する。複合機3のデータ転送部は複合機2のデータ転送部26から転送されたデータを受信する。複合機3のデータ分散管理部に含まれるデータ保存処理部はステップS127に進み、複合機3のデータ保存領域にデータを保存する。
【0093】
ステップS128に進み、複合機3のデータ分散管理部に含まれるデータ転送応答部はステップS126のデータ転送に対する応答として、複合機2のデータ分散管理部27に含まれる保存先登録部43へ、データの保存が正常終了した旨を通知する。ステップS129に進み、複合機2のデータ分散管理部27に含まれる保存先登録部43は複合機1のデータ分散管理部19に含まれる保存先登録部33へ、データの保存が正常終了した旨を通知する。
【0094】
複合機1のデータ分散管理部19に含まれる保存先登録部33へ、データの保存が正常終了した旨を通知したあと、複合機2はステップS130に進み、電源オフする。複合機2からデータの保存が正常終了した旨を通知されると、複合機1のデータ分散管理部19に含まれる保存先登録部33はステップS131に進み、データを識別する為の情報(IDなど)と、データ保存先を識別する為の情報(例えばホスト名)とを関連付けて登録しておく。
【実施例6】
【0095】
実施例6のデータ保存領域共有システムは以下のように機密要求値を決定し、データ転送先の決定を行う。図16はデータの生成時にユーザが機密要求値を決定するための画面の一例を表したイメージ図である。図16の画面100は例えば保存依頼元機器である複合機1の操作パネル部11に表示される。
【0096】
画面100にはユーザがデータの機密要求値を決定するボタン101が含まれる。ボタン101には、データの機密要求値を低く決定する「低」、データの機密要求値を中くらいに決定する「中」、データの機密要求値を高く決定する「高」のボタンが含まれる。
【0097】
図17はデータの生成時に保存依頼元機器である複合機が機密設定値を決定する為の設定テーブルの一例を表したイメージ図である。図17の設定テーブルは「HDDが暗号化されている」,「利用者認証が設定されている」,「情報に画像が含まれている」等、データ保存先の画像処理装置でデータを保存する際のセキュリティに関する項目ごとに点数が付けられている。保存依頼元機器である複合機1は図17の設定テーブルを利用し、データの機密要求値を決定する。例えば図17の設定テーブルの場合、「HDDが暗号化されている」,「利用者認証が設定されている」,「情報に画像が含まれている」という項目全てを複合機1が満たしていれば、生成したデータの機密要求値を「3(高)」に決定する。
【0098】
図18は、機密要求値によりデータ保存先の複合機を決定する処理の一例を表した構成図である。生成されたデータに対し、複合機1は機密要求値「3」を決定している。複合機2はHDDが暗号化されておらず、HDDが暗号化されている複合機3よりもセキュリティが低いものとする。
【0099】
複合機1は、生成されたデータの機密要求値が「3」であり、高い機密性が求められるため、データ保存先の画像処理装置として、HDDの残容量が複合機3よりも多い複合機2でなく、セキュリティが複合機2よりも高い複合機3を決定する。したがって、複合機1で生成されたデータは機密性の高い複合機3へ転送され、転送後も高い機密性を保つことができる。
【0100】
図19は機密要求値によりデータ保存先の複合機を決定する処理の一例を表したシーケンス図である。ステップS141に進み、複合機1のデータ保存先決定部141は、対象データの機密要求値を前述のように確認する。
【0101】
ステップS142に進み、複合機1の機器状態取得部31は機器2の機器状態応答部41にデータ保存領域25が暗号化されているか問い合わせる。機器2の機器状態応答部41はステップS143に進み、自機のデータ保存領域25が暗号化されていない旨を機器状態取得部31に応答する。ステップS144に進み、複合機1のデータ保存先決定部141は複合機2のデータ保存領域25が暗号化対象でないことを認識する。
【0102】
ステップS145に進み、複合機1の機器状態取得部31は機器3の機器状態応答部にデータ保存領域が暗号化されているか問い合わせる。機器3の機器状態応答部はステップS146に進み、自機のデータ保存領域が暗号化されている旨を機器状態取得部31に応答する。ステップS147に進み、複合機1のデータ保存先決定部141は、複合機3のデータ保存領域が暗号化対象であることを認識する。
【0103】
ステップS148に進み、複合機1のデータ保存先決定部32は保存先機器一覧保持部18が保持している保存先機器一覧及びデータ保存領域が暗号化されているかの問い合わせの応答として取得した機器状態に基づき、前述のようにデータ保存先の画像処理装置を決定する。ここでは、複合機3がデータ保存先の画像処理装置として決定されたものとして説明を続ける。
【0104】
ステップS149に進み、複合機1のデータ転送部20は複合機3のデータ転送部に対象データを転送する。複合機3のデータ転送部は複合機1のデータ転送部20から転送された対象データを受信する。複合機3のデータ分散管理部に含まれるデータ保存処理部はステップS150に進み、複合機3(自機)のデータ保存領域にデータを保存する。
【0105】
ステップS151に進み、複合機3のデータ分散管理部に含まれるデータ転送応答部はステップS149のデータ転送に対する応答として、複合機1のデータ分散管理部19に含まれる保存先登録部33へ、データの保存が正常終了した旨を通知する。ステップS152に進み、保存先登録部33はデータを識別する為の情報(IDなど)と、データ保存先を識別する為の情報(例えばホスト名)とを関連付けて登録しておく。
【実施例7】
【0106】
実施例7のデータ保存領域共有システムは、機密要求値に応じて異なる転送処理を行うものである。図20はデータ保存領域共有システムにおける機密要求値に応じた異なる転送処理を表した一例のシーケンス図である。図20のシーケンス図は、機密要求値に応じて転送に付随する処理を追加するものである。
【0107】
ステップS161に進み、複合機1の機器状態取得部31は機器2の機器状態応答部41にデータ保存領域25が暗号化されているか問い合わせる。機器2の機器状態応答部41はステップS162に進み、自機のデータ保存領域25が暗号化されていない旨を機器状態取得部31に応答する。ステップS163に進み、複合機1のデータ保存先決定部141は複合機2のデータ保存領域25が暗号化対象でないことを認識する。
【0108】
そこで、複合機1のデータ保存先決定部32はステップS164に進み、対象データ(文書A)を自機の暗号部17に暗号化させる。ステップS165に進み、複合機1のデータ転送部20は複合機2のデータ転送部26に暗号化された対象データを転送する。複合機2のデータ分散管理部27に含まれるデータ保存処理部42は、複合機2のデータ保存領域25に暗号化されたデータを保存する。なお、複合機2に転送した対象データを再利用する場合、複合機1は図21に示すように、暗号化された対象データを複合機2から受信して、自機の暗号部17で復号したあとで利用する。図21は転送した対象データを再利用する処理の一例のイメージ図である。
【0109】
その他、複合機1はデータ保存先の複合機2のデータ保存領域25が暗号化されていない場合、複合機2でデータを解読できなくするため、図22に示す処理を追加するようにしてもよい。図22はデータ保存領域共有システムにおける機密要求値に応じた異なる転送処理を表した一例のイメージ図である。
【0110】
複合機2で対象データ(データA)を解読できなくするため、図22では複合機1が対象データ(データA)を2つのデータ(データA−,データA')に分ける。例えば複合機1は対象データ(データA)からランダムな数カ所(データA')を抜き出した対象データの一部(データA−)を生成する。なお、対象データの一部(データA−)だけでは元の対象データ(データA)は解読できないものとする。
【0111】
複合機1は対象データの一部(データA−)を複合機2に転送し、複合機2のデータ保存領域25に保存させる。また、複合機1は、対象データ(データA)から抜き出したランダムな数カ所(データA')と、そのオフセット情報とを自機のデータ保存領域に保存しておく。なお、対象データを再利用する場合、複合機1は複合機2に転送した対象データの一部(データA−)を複合機2から受信し、対象データの一部(データA−)と、対象データ(データA)から抜き出したランダムな数カ所(データA')と、そのオフセット情報とを用いて、元の対象データ(データA)を復元したあとで利用する。
【0112】
(まとめ)
本発明によるデータ保存領域共有システムは、ネットワーク5経由で接続された複数の画像処理装置(複合機など)で連携してデータ保存領域を共有する仕組みを提供するものである。
【0113】
本発明によるデータ保存領域共有システムは、ユーザが各画像処理装置のデータ保存領域の容量の限度を意識することなく、複数の画像処理装置を連携したデータ保存領域の共有を、専用のサーバ無しで実現できる。例えば本発明によるデータ保存領域共有システムはユーザがデータ保存領域を考慮しなくてもスキャンを実行することができ、スキャンした画像データを再利用可能な状態で保存できる。
【0114】
本発明は、具体的に開示された実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明によるデータ保存領域共有システムの一例の構成図である。
【図2】ジョブの実行によりデータを生成して他の複合機に保存させる複合機のデータ分散管理部の一例のブロック構成図である。
【図3】自機のデータ保存領域に他の複合機で生成したデータを保存する複合機のデータ分散管理部の一例のブロック構成図である。
【図4】データ保存領域共有システムの一例の基本フローを表したシーケンス図である。
【図5】ユーザがデータ保存先の画像処理装置を指定してデータを送信する場合の処理手順を表した一例のフローチャートである。
【図6】データ保存先決定部がデータ保存先の画像処理装置を決定してデータを送信する場合の処理手順を表した一例のフローチャートである。
【図7】保存先機器一覧の一例の構成図である。
【図8】データ保存先決定部がデータ保存先の画像処理装置を決定してデータを送信する場合の処理手順を表した他の例のフローチャートである。
【図9】データ保存先決定部がデータ保存先の画像処理装置を決定してデータを送信する場合の処理手順を表した他の例のフローチャートである。
【図10】保存データの詳細を説明する為の説明図である。
【図11】保存先登録部によって登録されるデータ保存先の情報を説明する為の説明図である。
【図12】データ保存領域共有システムの一例のフローを表したシーケンス図である。
【図13】データ保存領域共有システムの一例のフローを表したシーケンス図である。
【図14】データ保存領域共有システムの一例のフローを表したシーケンス図である。
【図15】データ保存領域共有システムの一例のフローを表したシーケンス図である。
【図16】データの生成時にユーザが機密要求値を決定するための画面の一例を表したイメージ図である。
【図17】データの生成時に保存依頼元機器である複合機が機密設定値を決定する為の設定テーブルの一例を表したイメージ図である。
【図18】機密要求値によりデータ保存先の複合機を決定する処理の一例を表した構成図である。
【図19】機密要求値によりデータ保存先の複合機を決定する処理の一例を表したシーケンス図である。
【図20】データ保存領域共有システムにおける機密要求値に応じた異なる転送処理を表した一例のシーケンス図である。
【図21】転送した対象データを再利用する処理の一例のイメージ図である。
【図22】データ保存領域共有システムにおける機密要求値に応じた異なる転送処理を表した一例のイメージ図である。
【符号の説明】
【0116】
1,2,3 複合機
5 ネットワーク
11,21 操作パネル部
12,22 スキャナ部
13,23 FAX部
14,24 コピー部
15 プリンタ部
16,25 データ保存領域
17 暗号部
18 保存先機器一覧保持部
19,27 データ分散管理部
20,26 データ転送部
28 機器状態管理部
31 機器状態取得部
32 データ保存先決定部
33 保存先登録部
34 例外処理部
41 機器状態応答部
42 データ保存処理部
43 データ転送応答部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク経由で接続された1つ以上の他の画像処理装置のデータ保存領域を共有可能な画像処理装置であって、
前記1つ以上の他の画像処理装置から前記1つ以上の他の画像処理装置の機器状態を取得する機器状態取得手段と、
取得した前記機器状態に基づき、前記1つ以上の他の画像処理装置からデータ保存先の画像処理装置を決定するデータ保存先決定手段と、
決定された前記データ保存先の画像処理装置にデータを転送するデータ転送手段と、
決定された前記データ保存先の画像処理装置を前記データの保存先として登録する保存先登録手段と
を有する画像処理装置。
【請求項2】
前記1つ以上の他の画像処理装置が有する機能を記録した保存先機器一覧を情報として保持する保存先機器一覧保持手段を更に有し、
前記データ保存先決定手段は、転送する前記データを作成した機能と同じ機能を有していない前記画像処理装置を前記データ保存先の画像処理装置として決定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記機器状態取得手段は、前記1つ以上の他の画像処理装置から前記1つ以上の他の画像処理装置の機器状態として補助記憶装置の残容量の情報を取得し、
前記データ保存先決定手段は、取得した前記1つ以上の他の画像処理装置の補助記憶装置の残容量に応じて前記データ保存先の画像処理装置を決定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記機器状態取得手段は、前記1つ以上の他の画像処理装置から前記1つ以上の他の画像処理装置の機器状態として稼動状況の情報を取得し、
前記データ保存先決定手段は、取得した前記1つ以上の他の画像処理装置の稼動状況に応じて、前記データ保存先の画像処理装置を決定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記機器状態取得手段は、前記1つ以上の他の画像処理装置から前記1つ以上の他の画像処理装置の機器状態としてセキュリティ設定の情報を取得し、
前記データ保存先決定手段は、取得した前記1つ以上の他の画像処理装置のセキュリティ設定に応じて前記データ保存先の画像処理装置を決定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記機器状態取得手段は、前記1つ以上の他の画像処理装置から前記1つ以上の他の画像処理装置の機器状態として補助記憶装置の残容量,稼動状況の情報,セキュリティ設定の情報を取得し、
前記データ保存先決定手段は、取得した前記1つ以上の他の画像処理装置のセキュリティ設定に応じて、転送する前記データを作成した機能と同じ機能を有していない前記画像処理装置の中から前記データ保存先の画像処理装置を決定することを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記データ保存先決定手段は、取得した前記機器状態に基づき、複数の他の画像処理装置からデータ保存先の画像処理装置を少なくとも二つ決定し、
前記データ転送手段は、決定された少なくとも二つの前記データ保存先の画像処理装置に同じデータ又は分割したデータを転送することを特徴とする請求項1乃至6何れか一項記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記データ保存先の画像処理装置から電源オフを通知されると、前記データ保存先の画像処理装置から前記データを取得する例外処理手段を更に有し、
前記例外処理手段は、前記機器状態取得手段に、電源オフを通知した前記データ保存先の画像処理装置以外の前記1つ以上の他の画像処理装置から前記機器状態を取得させ、
前記データ保存先決定手段に、取得した前記機器状態に基づき、前記1つ以上の他の画像処理装置からデータ保存先の画像処理装置を決定させ、
前記データ転送手段に、決定された前記データ保存先の画像処理装置にデータを転送させ、
前記保存先登録手段に、決定された前記データ保存先の画像処理装置を前記データの保存先として登録させることを特徴とする請求項1乃至6何れか一項記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記データ保存先の画像処理装置から電源オフを通知される例外処理手段を更に有し、
前記例外処理手段は、電源オフを通知した前記データ保存先の画像処理装置以外の前記1つ以上の他の画像処理装置からデータ保存先の画像処理装置を決定させたあと、決定させた前記データ保存先の画像処理装置の情報と転送するデータの情報とを、電源オフを通知した前記データ保存先の画像処理装置に送信して、電源オフを通知した前記データ保存先の画像処理装置にデータ転送要求を行うことを特徴とする請求項1乃至6何れか一項記載の画像処理装置。
【請求項10】
転送するデータを暗号化する暗号化手段を更に有し、決定された前記データ保存先の画像処理装置に暗号化手段が無い場合、前記データ転送手段が送信するデータを前記暗号化手段が暗号化することを特徴とする請求項1乃至9何れか一項記載の画像処理装置。
【請求項11】
ネットワーク経由で接続された複数の画像処理装置のデータ保存領域を前記複数の画像処理装置間で共有可能なデータ保存領域共有システムであって、
データを生成した一の画像処理装置は、1つ以上の他の画像処理装置に機器状態取得要求を行い、前記1つ以上の他の画像処理装置の機器状態を取得する機器状態取得手段と、
取得した前記機器状態に基づき、前記1つ以上の他の画像処理装置からデータ保存先の画像処理装置を決定するデータ保存先決定手段と、
決定された前記データ保存先の画像処理装置にデータを転送するデータ転送手段と、
決定された前記データ保存先の画像処理装置を前記データの保存先として登録する保存先登録手段とを有し、
前記1つ以上の他の画像処理装置は、前記一の画像処理装置からの機器状態取得要求に応じて自機の機器状態を応答する機器状態応答手段と、
前記一の画像処理装置から転送されたデータを受信し、そのデータをデータ保存領域に保存するデータ保存処理手段と、
前記データをデータ保存領域に保存した旨を前記一の画像処理装置に応答するデータ転送応答手段と
を有するデータ保存領域共有システム。
【請求項12】
前記一の画像処理装置は、前記1つ以上の他の画像処理装置が有する機能を記録した保存先機器一覧を情報として保持する保存先機器一覧保持手段を更に有し、
前記データ保存先決定手段は、転送する前記データを作成した機能と同じ機能を有していない前記画像処理装置を前記データ保存先の画像処理装置として決定することを特徴とする請求項11記載のデータ保存領域共有システム。
【請求項13】
前記機器状態取得手段は、前記1つ以上の他の画像処理装置から前記1つ以上の他の画像処理装置の機器状態として補助記憶装置の残容量の情報を取得し、
前記データ保存先決定手段は、取得した前記1つ以上の他の画像処理装置の補助記憶装置の残容量に応じて前記データ保存先の画像処理装置を決定することを特徴とする請求項11記載のデータ保存領域共有システム。
【請求項14】
前記機器状態取得手段は、前記1つ以上の他の画像処理装置から前記1つ以上の他の画像処理装置の機器状態として稼動状況の情報を取得し、
前記データ保存先決定手段は、取得した前記1つ以上の他の画像処理装置の稼動状況に応じて、前記データ保存先の画像処理装置を決定することを特徴とする請求項11記載のデータ保存領域共有システム。
【請求項15】
前記機器状態取得手段は、前記1つ以上の他の画像処理装置から前記1つ以上の他の画像処理装置の機器状態としてセキュリティ設定の情報を取得し、
前記データ保存先決定手段は、取得した前記1つ以上の他の画像処理装置のセキュリティ設定に応じて前記データ保存先の画像処理装置を決定することを特徴とする請求項11記載のデータ保存領域共有システム。
【請求項16】
前記機器状態取得手段は、前記1つ以上の他の画像処理装置から前記1つ以上の他の画像処理装置の機器状態として補助記憶装置の残容量,稼動状況の情報,セキュリティ設定の情報を取得し、
前記データ保存先決定手段は、取得した前記1つ以上の他の画像処理装置のセキュリティ設定に応じて、転送する前記データを作成した機能と同じ機能を有していない前記画像処理装置の中から前記データ保存先の画像処理装置を決定することを特徴とする請求項12記載のデータ保存領域共有システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2010−74307(P2010−74307A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−237139(P2008−237139)
【出願日】平成20年9月16日(2008.9.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】