説明

画像処理装置及びプログラム

【課題】各画素がそれぞれどの画像オブジェクトに属するかを示す制御用画像を参照して画像オブジェクトに応じた画像処理を行う装置において、画像処理のために必要な記憶容量を低減する。
【解決手段】低解像度化部24は、CMYK各版の画像100C,100M,100Y,100Kと制御用画像としてのタグ版の画像100Tとをそれぞれ低解像度化する。色補正部28は、低解像度化されたCMYK各版の画像110C,110M,110Y,110Kの各画素の値を、低解像度化タグ版の画像110Tにおける対応画素の値に基づき画像オブジェクトごとに分類し、画像オブジェクトごとに、同一の画像オブジェクトに属する画素に対し同一の条件で色補正を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷出力時の個々の画像オブジェクトの画質の向上を図るために、文字や写真などといった画像オブジェクトごとに画像処理を切り換えることで、それぞれの画像オブジェクトごとに最適となる画像処理を行って印刷出力する制御が提案されている。
【0003】
例えば特許文献1に開示されたプリントサーバは、スクリーンモードとして写真/文字モードが設定されていると、描画命令置換部で、特色版(TAG)の描画及び、オブジェクトごとの描画命令によって設定しているスクリーン線数に応じたオブジェクト情報が特色版に描画されるように描画命令置換を行う。描画命令展開部では、置換された描画命令に基づいた展開処理を行うことにより、C、M、Y、Kの各色版と、オブジェクト情報が描画された特色版を生成する。この特色版のオブジェクト情報を用いてスクリーン切換えを行うことにより、オブジェクトごとに適正なスクリーン線数でスクリーン処理して画像を形成する。
【0004】
また、特許文献1には、画像中に含まれる異なる写真画像オブジェクトに対してそれぞれ異なる値を特色版に書き込み、この特色版を参照することで写真画像オブジェクトごとにそれぞれ均一な条件で色補正を行う技術も開示されている(段落0155参照)。
【0005】
また、特許文献2の装置は、1枚の画像を文字描画領域とイメージ(写真)描画領域とに分け、画素ごとに、その画素が文字描画領域とイメージ描画領域のどちらに属するかを示す値を文字/イメージ判別領域に記憶する。また、文字描画領域は高解像度が要求されるために解像度を維持するが、イメージ描画領域は解像度よりも階調性が重視されるため画素の間引き等により解像度を低減している。この装置で用いる文字/イメージ判別領域の解像度は、文字描画領域と同じ高解像度である。
【0006】
【特許文献1】特開2005−243003号公報
【特許文献2】特開2005−197993号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、各画素がそれぞれどの画像オブジェクトに属するかを示す制御用画像を参照して画像オブジェクトに応じた画像処理を行う装置において、画像処理のために必要な記憶容量を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、第1の解像度の第1の画像を低解像度化し、第2の解像度の第2の画像を生成する第1の低解像度化手段と、各画素がそれぞれ前記第1の画像における対応画素の属する画像オブジェクトを表す値を有する前記第1の解像度の第1の制御用画像を低解像度化し、前記第2の解像度の第2の制御用画像を生成する第2の低解像度化手段と、前記第2の画像の各画素に対し、それぞれ、当該画素に対応する前記第2の制御用画像における画素の値が表す画像オブジェクトについての共通の処理条件を用いて画像処理を実行する画像処理手段と、を備える画像処理装置である。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記第1の低解像度化手段は、前記第1の画像をあらかじめ定めた数の画素からなる画素ブロック単位に分解し、分解により得られた各画素ブロックをそれぞれ1画素に低解像度化し、前記第2の低解像度化手段は、前記第1の制御用画像を前記画素ブロック単位に分解し、分解により得られた各画素ブロックをそれぞれ1画素に低解像度化する処理において、画素ブロックの中に異なる画像オブジェクトを表す値を持つ画素が混在する場合には、当該画素ブロックに対応する前記第2の制御用画像内の画素の値を、境界を表すあらかじめ定めた値とし、前記画像処理手段は、前記第2の制御用画像において前記境界を表すあらかじめ定めた値を持つ画素に対応する前記第2の画像の画素については、前記第2の制御用画像における当該画素の周囲の各画素の値が表す各画像オブジェクトに対応する処理条件でそれぞれ画像処理を行い、前記各処理条件での画像処理結果の中から、前記周囲の各画素の画像処理結果との比較に基づき、当該画素の画像処理結果として採用するものを選択することを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、前記画像処理手段は、前記第2の制御用画像において前記境界を表すあらかじめ定めた値を持つ画素に対応する前記第2の画像の画素についての前記各処理条件での画像処理結果の中から、前記周囲の各画素のうち当該処理条件に対応する画像オブジェクトに属する画素の画像処理結果との差が最も少ない画像処理結果を当該画素の画像処理結果として採用することを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1項に係る発明において、前記第1の低解像度化手段は、前記第1の画像をあらかじめ定めた数の画素からなる画素ブロックに分解し、分解により得られた各画素ブロックをそれぞれ1画素に低解像度化する処理において、前記画素ブロックのうち前記第1の制御用画像における対応する画素ブロック内にスミベタオブジェクトを表す値を持つ画素が含まれる画素ブロックは、その画素ブロック内でのスミベタオブジェクトに属する画素の配置パターンを表す値を持つ1画素へと低解像度化し、前記画像処理手段は、前記第2の画像に対する前記画像処理手段の画像処理結果の画素のうち、前記第2の制御用画像においてスミベタオブジェクトを表す値を持つ画素を、当該画素の値が表す配置パターンを持つ前記第1の解像度の画像へと高解像度化する高解像度化手段と、前記高解像度化手段が求めた前記スミベタオブジェクトについての前記第1の解像度の画像と、前記スミベタオブジェクト以外の画像オブジェクトについての前記画像処理手段の画像処理結果である前記第2の解像度の画像とを組み合わせて出力用画像を生成する手段と、を備える。
【0012】
請求項5に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1項に係る発明において、前記第2の低解像度化手段は、前記第1の画像中のあらかじめ定めた数の画素からなる各画素ブロックのうち、前記第1の制御用画像内の対応する画素ブロック内にスミベタオブジェクトを表す値を持つ画素が含まれる画素ブロックについては、当該画素ブロックに対応する前記第2の制御用画像の画素の値を当該画素ブロック内でのスミベタオブジェクトに属する画素の配置パターンを表す値とし、前記画像処理手段は、前記第2の画像に対する前記画像処理手段の画像処理結果の画素のうち、前記第2の制御用画像内の対応する画素がスミベタオブジェクトに属する画素の配置パターンを表す値を持つ画素については、当該配置パターンを持つ前記第1の解像度の画像へと高解像度化する高解像度化手段と、前記高解像度化手段が求めた前記スミベタオブジェクトについての前記第1の解像度の画像と、前記スミベタオブジェクト以外の画像オブジェクトについての前記画像処理手段の画像処理結果である前記第2の解像度の画像とを組み合わせて出力用画像を生成する手段と、を備える。
【0013】
請求項6に係る発明は、コンピュータを、第1の解像度の第1の画像を低解像度化し、第2の解像度の第2の画像を生成する第1の低解像度化手段、各画素がそれぞれ前記第1の画像における対応画素の属する画像オブジェクトを表す値を有する前記第1の解像度の第1の制御用画像を低解像度化し、前記第2の解像度の第2の制御用画像を生成する第2の低解像度化手段、前記第2の画像の各画素に対し、それぞれ、当該画素に対応する前記第2の制御用画像における画素の値が表す画像オブジェクトについての共通の処理条件を用いて画像処理を実行する画像処理手段、として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1又は6に係る発明によれば、画像のみならず制御用画像も低解像度化されるので、画像処理手段による画像処理の際にそれら画像及び制御用画像を記憶しておくための記憶容量が、制御用画像を低解像度化しない場合よりも低減できる。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、画像オブジェクト同士の境界部分の画素の画像処理結果を、その画素の周囲の画素の画像処理結果に合わせて選択することができる。
【0016】
請求項3に係る発明によれば、画像オブジェクト同士の境界部分の画素をそれら各画像オブジェクトに対応する処理条件で画像処理した画像処理結果の中から、最も周囲の画素の画像処理結果に適合するものを採用することができる。
【0017】
請求項4又は5に係る発明によれば、制御用画像を低解像度化しても、高解像度が要求されるスミベタオブジェクトの解像度を維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
まず、図1を参照して、本発明の実施の形態を適用したシステムの概略構成を説明する。このシステムは、プリントサーバ10を含んでいる。プリントサーバ10は、ローカルエリアネットワーク等のネットワークを介してパーソナルコンピュータ(PC)等のクライアント装置から印刷ジョブを受け取り、この印刷ジョブをプリンタに印刷させる。プリントサーバ10は、本発明に係る画像処理装置の一実装例である。以下では、本発明に係る画像処理装置をプリントサーバ10として実現した例を説明するが、本発明に係る画像処理装置は、これに限らずクライアント装置とネットワークを介して接続されたファイルサーバ等の各種の中間サーバとして実現してもよいし、プリンタに内蔵してもよい。
【0019】
プリントサーバ10には、用紙に画像を印刷するプリンタ30が接続されている。プリンタ30の形式は特に限定されず、電子写真方式でもインクジェット方式でも、他の方式でもよい。プリントサーバ10は、クライアント装置から出力される印刷ジョブを受信すると、この印刷ジョブに応じた印刷出力のための処理を実行する。
【0020】
プリントサーバ10は、双方向インターフェイス(双方向I/F)14を備えており、この双方向I/F14を介してプリンタ30に接続している。なお、プリントサーバ10に接続するプリンタ30は複数でも良く、使用する双方向I/F14も複数ないし複数種類でも良い。
【0021】
このようなプリントサーバ10は、例えば、PCに所定の機能を備えた制御ボードを追加するなどして構成することができる。また、プリントサーバ10は、キーボード、マウス等の入力デバイスや液晶ディスプレイ等の表示デバイスを備えていてもよい。
プリントサーバ10には、プリンタ30を制御するプリントコントローラ12と共に画像処理部20が設けられている。プリントサーバ10に対しクライアント装置からPDL(ページ記述言語)等で記述された印刷ジョブが入力されると、画像処理部20で、この印刷ジョブから、プリンタ30が取扱可能なラスター画像データを生成する。印刷ジョブからラスター画像データを生成する処理は、RIP(Raster Image Processing)としてよく知られた処理である。
【0022】
なお、プリントサーバ10は、入力された印刷ジョブを処理待ちキューに格納すると共に、処理待ちキューに格納している印刷ジョブを順に読み出して、RIP等の画像処理を実行するという処理キュー管理を行ってもよい。また、プリントサーバ10は、RIP等により得られたラスター画像データを印刷待ちキューに格納して、この印刷待ちキューからプリンタ30へ順に出力するという印刷キュー管理を行ってもよい。また、プリントサーバ10では、印刷処理が指定されていない印刷ジョブ及び印刷処理の実行ができない印刷ジョブを保持キューに格納して保持する保持キュー管理を行ってもよい。これらのキュー管理は従来公知のものであり、この明細書ではこれ以上の説明は省略する。
【0023】
クライアント装置は、アプリケーションが作成した文書や画像をプリンタドライバ等のソフトウエアによりPDLデータに変換し、その変換結果である印刷ジョブをプリントサーバ10へ送信する。プリントサーバ10は、この印刷ジョブに対して指定された画像処理を施してプリンタ30へ出力する。これにより、印刷ジョブに応じた印刷物が得られる。
【0024】
プリントサーバ10の画像処理部20は、印刷ジョブを受信すると、その印刷ジョブのデータ内に記述された各種の印刷機能の設定を行う。また、画像処理部20は、クライアント装置から入力された印刷ジョブに対してRIP処理を実行するRIP部(図示省略)を備える。RIP部は、印刷ジョブのPDL記述を解釈することにより、それらPDL記述が表すラスター画像を生成する。このRIP処理では、設定された印刷機能に基づいた処理が行われる。RIP部の処理により、印刷ジョブの各ページについて、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(黒)の各プロセス色の版のラスター画像データが生成される。
【0025】
画像処理部20は、CMM(カラーマネジメントモジュール:Color Management Module、又はカラーマッチングモジュール:Color Matching Module)(図示省略)を備えていてもよい。CMMは、あるデバイスのための画像の色(すなわち、そのデバイスの色空間での各色成分の値の組)を、別のデバイスでできるだけ同じ色に再現されるように変換するソフトウエア又はハードウエアのモジュールである。CMMの色変換は、例えば印刷シミュレーションのために行われる。すなわち、印刷シミュレーションでは、ある印刷機(ターゲット印刷機と呼ぶ)のための印刷ジョブを、プリンタ30で印刷する場合に、そのターゲット印刷機の色再現特性にできるだけ近い色再現特性で印刷する。RIP部は、RIP処理を実行する際に、CMMに色変換を行わせてもよい。
【0026】
また画像処理部20は、CMYK各版のラスター画像データに加え、タグ版と呼ぶ画像処理の制御のための版の画像データを生成する機能を備える。タグ版は、CMYK各版のラスター画像データと解像度及び画像サイズが同じであり、CMYK各版の画素と一対一に対応する画素を有している。タグ版の画素は、CMYK各版におけるその画素に対応する画素(対応画素と呼ぶ)が属する画像オブジェクトを表す値を有する。CMYKの各版は、例えば1画素あたり8ビット(すなわち256階調)の画像データであり、タグ版も同様に1画素あたり8ビットの画像データを用いることができる。
【0027】
画像オブジェクトは、印刷対象の画像内に存在する、文字、写真画像、線、グラフィックス図形(べた塗りの図形)、又はグラデーション図形などのような画像要素であり、典型的にはPDLデータ上で1つの描画命令で記述される。例えば、PostScript(登録商標)の場合、文字オブジェクトは「show」命令で、写真画像オブジェクトは「image」命令で指示される。1ページの画像には、1個以上の画像オブジェクトが含まれる。写真画像オブジェクトは、CMYK各色からなる連続階調の画像である。
【0028】
タグ版の画素の値は、例えば、当該画素が属する画像オブジェクトの種類(例えば文字か写真かなど)を表すものでよいし、更に印刷対象の画像内に存在する同じ種類の画像オブジェクト同士を識別する情報を含んでいてもよい。例えば、印刷ジョブのPDLデータを先頭から順に解釈していく過程で処理した描画命令を計数し、その計数値に基づき画像オブジェクトを識別する情報を生成すればよい。また処理した描画命令の数を、描画命令の種類(すなわち画像オブジェクトの種類ごと)に計数し、その計数値から同じ種類の画像オブジェクト同士を識別する情報を生成してもよい。また、特定の種類の画像オブジェクト(例えば写真画像オブジェクト)についてのみ、同一種類の画像オブジェクト同士を識別する情報を求め、タグ版の画素値に反映させてもよい。
【0029】
印刷対象の画像の中でいずれの画像オブジェクトにも属さない画素(すなわち空白部分に属する画素)については、タグ版には非画像部分に属することを示す値が格納される。
【0030】
このようなタグ版は、印刷ジョブのPDLデータから、特許文献1又は特許文献2に示される方法などのように従来公知の方法で生成することができる。また、本願出願人が特願2008−117170に示したCMMによりタグ版を生成する方法を用いてもよい。以下に説明するこの実施形態でのタグ版の低解像度化処理及び低解像度タグ版を用いた画像処理は、元のタグ版を生成する方法には依存しない。
【0031】
さて、近年、プリンタにおける出力の高精細化が進んでおり、例えばRIPにて1200dpi(ドット・パー・インチ)といった高解像度のラスター画像を生成する場合が増えてきている。しかし、高解像度にすると、ラスター画像のデータ量が増える。例えば1200dpiのラスター画像は、600dpiのラスター画像の4倍のデータ量となる。このことはタグ版の画像についても当てはまる。
【0032】
また、プリンタ30が600dpi等の低解像度であっても、RIPは1200dpi等の高解像度で行い、生成された高解像度のラスター画像を低解像度化してプリンタ30に供給した方が高い画質が得られる場合があることも知られている。
【0033】
CMYK各版のラスター画像に対し、タグ版に記録された画像オブジェクト情報を参照しながら色補正等の画像処理を行う場合、プリントサーバ10のメインメモリ上にCMYK各版及びタグ版の画像データ全体を展開しておく必要がある。例えば、ラスター画像を副走査方向についてバンド(細い帯状の領域)単位に区切って処理することで、処理に必要なメモリ容量を削減する方法がよく用いられるが、この方法が使用できない処理では、CMYK各版及びタグ版の画像全体をメモリ上に置いておかなければならない。例えば、特許文献1に記載された第2の実施の形態のように、写真画像オブジェクト内の画素に対し、当該オブジェクト全体の画像状態に応じた均一な処理条件で色補正を行う場合、1つの写真画像オブジェクトが複数のバンドに跨る場合も少なからずあるため、バンド分割の手法は利用できない。
【0034】
このようにCMYK各版及びタグ版の画像をプリントサーバ10のメモリ上に展開して画像処理(例えば色補正)を行う場合、画像が1200dpiなどの高解像度であると、大容量のメモリが必要となる。コスト等の観点から、メモリの容量は少ないに越したことはない。
【0035】
なお、以上では、画像処理の際にCMYK各版及びタグ版の画像全体をメモリ上に置いておく場合について説明したが、バンド分割等の手法でそれら画像を分割してメモリ上にロードし、画像処理を行う場合でも、それら画像のデータ量が少ないことはメモリ容量の点で有利である。
【0036】
そこで、この実施形態では、少なくとも、写真画像オブジェクトのように解像度よりも階調再現性が重視される種類のオブジェクトについては、CMYK各版のラスター画像のみならずタグ版の画像の低解像度化し、低解像度化したそれら画像を用いて色補正等の画像処理を実行する。
【0037】
このため、プリントサーバ10の画像処理部20は、低解像度化部24を備える。低解像度化部24は、高解像度(例えば1200dpi)のC版100C、M版100M、Y版100Y、K版100K、及びタグ版100Tのラスター画像をそれぞれ低解像度化し、600dpiなどの低解像度のC版110C、M版110M、Y版110Y、K版110K、及びタグ版110Tのラスター画像を生成する。低解像度化の対象となるC版100C、M版100M、Y版100Y、K版100K、及びタグ版100Tのラスター画像は、当該プリントサーバ10の画像処理部20が生成したものであってもよいし、クライアント装置や他のプリントサーバなどの外部装置が生成したものであってもよい。
【0038】
図1の例では、それら各版100C、100M、100Y、100K及び100Tの画像は、プリントサーバ10が内蔵するHDD(ハードディスクドライブ)22に格納されている。画像処理部20が生成するか、又は外部装置が生成したものを受信することにより得たそれら各版の画像をいったんHDD22に格納し、利用することを想定したものである。ただし、これは一例に過ぎない。画像処理部20がRIP等の処理によりそれら各版100C、100M、100Y、100K及び100Tの画像をメインメモリ上に生成する場合も考えられる。この場合も、例えば色補正部28があるページのラスター画像についての色補正処理を実行するのと同時並行的にRIP部が次のページのラスター画像を生成するような場合は、メインメモリ(メモリ26)は2ページ分の各版の画像を格納する必要がある。したがって、高解像度の画像を低解像度化部24により低解像度化することで、色補正部28が処理するラスター画像のデータ量を低減することには、必要メモリ量の低減の点で意味がある。
【0039】
さて、低解像度化部24は、例えば画素の間引き(サブサンプリング)、バイリニア補間、バイキュービック補間など、公知の低解像度化処理又は公知の解像度変換処理により、CMYK各版の高解像度画像を低解像度化する。特に写真画像オブジェクトのような解像度よりも階調再現性が重視される画像オブジェクトでは、間引きなどの簡単な低解像度化処理でも十分である。一方、文字オブジェクトや線画オブジェクトのように解像度が重視される画像オブジェクトでは、バイキュービック補間などのような高精度の補間法を用いればよい。例えば1200dpiのラスター画像を間引きにより600dpiに低解像度化するには、1200dpiのラスター画像を2×2画素のブロックに分割し、各ブロックの中からあらかじめ定めた位置の画素(例えば左上の画素)の値を、そのブロックに対応する600dpiのタグ版上の画素の値とすればよい。解像度をn分の1(nは2以上の整数)にする低解像度化(例えば1200dpiから600dpiする処理は2分の1tの低解像度化である)では、高解像度の画像をn×n画素のブロックに分割し、そのブロック中の画素群に対し、間引きやバイリニア補間、バイキュービック補間等の解像度変換アルゴリズムを適用し、その結果得られる値を低解像度画像の画素値とすればよい。nは低解像度化する前の画像と後の画像との解像度の比である。
【0040】
また、文字や線画などによく用いられるスミベタ(「K100」とも呼ばれる。K=100%、C=M=Y=0%の色)の画像オブジェクトについては、当該オブジェクトの画素パターンをそのまま保存して低解像度化することも可能である。例えば、図2の例では、高解像度のK版画像中の2×2画素のブロック200aは左上の画素が黒(K100%)でそれ以外の画素が白(非画像)という白黒パターンを有し、ブロック200Bは左上及び左下の画素が黒でそれ以外が白という白黒パターンを有する。2×2画素のブロックの場合、白黒パターンは16種類となる。したがって、ブロックを1画素に低解像度化した場合、その画素にこれら16種類のパターンを識別する値を持たせれば、その画素値から元の高解像度のブロックを復元できる。例えば、ブロック200aは「F1」(16進表現)、ブロック200bは「F6」という値を持つ画素へと低解像度化される。
【0041】
以上は、高解像度のK版画像のスミベタオブジェクトのブロックの白黒パターンを表す値を低解像度のK版画像の画素に持たせる例である。これに限らず、白黒パターンをタグ版に持たせてもよい。すなわち、高解像度のタグ版では、スミベタオブジェクトに属する画素の値はスミベタであることを表すあらかじめ定めた値となっているが、低解像度のタグ版の各画素には、その画素に対応する高解像度K版画像の各ブロックの白黒パターンを識別する値を持たせるのである。
【0042】
なお、白黒パターンを表す値を低解像度のK版画像の画素に持たせる例では、低解像度タグ版内のその画素に対応する画素には、当該画素がスミベタオブジェクトであることを示すあらかじめ定めた値を持たせておけばよい。
【0043】
また、この低解像度のタグ版を用いて、低解像度化したCMYK各版の画像に対して色補正を行うことで、色補正に必要なメモリの容量が少なくて済む。この場合、低解像度のタグ版中で特定の値を持つ画素に対してのみ特別な色処理を施すなどの制御を行ってもよい。例えば、低解像度のタグ版中でスミベタであることを示す値を持つ画素については、スミベタのままとする(すなわち他の画素と同様の色補正は適用しない)といった制御を行ってもよい。
【0044】
さて、タグ版の低解像度化は、例えば以下のように行う(ただし、タグ版におけるスミベタオブジェクトの画素については、上述のような処理で低解像度化してもよい)。
【0045】
この低解像度化処理では、まず高解像度のタグ版画像をラスター画像の低解像度化と同じブロック単位に分割する。そして、ブロックごとに、以下の規則に基づき、そのブロックi(i番目のブロック。iは1から高解像度画像中の全ブロック数までの整数)に対応する低解像度タグ版の画素iの値を決定する。
【0046】
すなわち、まず当該ブロックi中の画素がすべて非画像部分を表す値である場合、低解像度タグ版の画素iの値はその非画像部分を表す値とする。
【0047】
ブロックi中に1つの画像オブジェクトの画素しか含まれない場合(非画像部分の画素を含んでいてもよい)、低解像度タグ版の画素iはその画像オブジェクトの画素値とする。図3がこの規則の適用例である。図3の例ではタグ版は1画素8ビットであるとする。また、図3において、画素値「00」(16進表現。以下、例示するタグ版の画素値は全て16進表現である)は非画像部分を表し、「01」は1番目の写真画像オブジェクトを表すとする。高解像度タグ版のブロック300には、「00」と「01」の画素が混在しているが、画像オブジェクトを表す値は1種類すなわち「01」しかないので、そのブロックに対応する低解像度タグ版の画素310の値はその画像オブジェクトを表す値「01」となる。
【0048】
また、ブロック中に複数の画像オブジェクトの画素が混在する場合には、いくつかの方法が考えられる。
【0049】
1つの方法では、それら複数の画像オブジェクトのうち、RIPのレンダリングにおいて最も上に(すなわち最も後に)描画された画像オブジェクトの値を、低解像度タグ版の対応画素iの値とする。図4の例では、高解像度タグ版400は6×6画素であり、2×2画素のブロックに分割すると9ブロックとなる。例えばブロック402には、画像オブジェクト「01」と「02」を表す画素が混在している。番号が大きい方が上に重ねられる画像を表しているとすると、この方法では、低解像度タグ版の対応画素412の値は「02」となる。6×6画素の高解像度タグ版400全体は、この低解像度化処理により低解像度タグ版410となる。
【0050】
別の方法では、複数の画像オブジェクトの画素が混在するブロックについては、低解像度タグ版における対応画素の値を、画像オブジェクト同士の境界であることを示すあらかじめ定めた値とする。この値は特別の値として確保しておき、画像オブジェクトの種類を識別したり、個々の画像オブジェクトを識別したりするための値としては用いない。図4に示す低解像度タグ版420は、この方法で低解像度化した場合の例である。この例では、複数の画像オブジェクトが混在するブロック402は、低解像度タグ版420ではオブジェクト境界を表す値「F0」を持つ画素422に変換されている。なおオブジェクト境界を表す値として「F0」を用いているが、これは一例に過ぎない。この方法で生成した低解像度タグ版420を用いて色補正等の画像処理を行う場合、オブジェクト境界を表す値を持つ画素については、色補正部28は、周囲の各近傍画素が属する各画像オブジェクトの処理条件でそれぞれ色補正を行い、それら各処理条件での色補正結果の中から、最適なものを選択して当該画素の画素値とする。この色補正処理については後で詳しく説明する。
【0051】
以上のような処理で生成された低解像度のC版110C、M版110M、Y版110Y、K版110K、及びタグ版110Tのラスター画像は、プリントサーバ10のメインメモリ(メモリ26)上に置かれる。
【0052】
色補正部28は、低解像度のタグ版110Tを参照しながら、低解像度のC版110C、M版110M、Y版110Y、K版110Kに対して色補正を行う。色補正部28は、タグ版110Tにおいて画素値が同じ画素群(すなわち同じ(又は同種の)画像オブジェクトに属する画素の集合)については、共通の処理条件(補正条件)で色補正を実行する。例えば、1つの写真画像オブジェクトに属する画素群に対しては、それら画素群の値の統計値を求め、その統計値に応じた共通の補正条件(補正パラメータ)で補正するなどである。このような画像オブジェクト内の各画素を共通の処理条件で色補正する技術は、特許文献1の第2の実施の形態にも示されるように公知の技術なので、これ以上の説明は省略する。なお、補正条件の中には、このように同一画像オブジェクト内の画素間で共通の補正条件項目の他に、それら画素ごとに個別に異なる補正条件項目があってもよい。この場合、各画素の色補正は、共通の補正条件項目については共通のパラメータ値を用い、個別の補正条件項目については当該画素固有のパラメータ値を用いて、補正を実行すればよい。
【0053】
また、図4の低解像度タグ版420のようにオブジェクト境界の画素に特定の値を持たせたタグ版を用いる場合、色補正部28は、その低解像度タグ版420においてオブジェクト境界を表す値「F0」を持つ画素(以下、「F0画素」と呼ぶ)については、例えば以下のような処理を行う(オブジェクト境界でない画素については、上述と同様その画素の値が示す画像オブジェクトの処理条件で色補正を行えばよい)。
【0054】
すなわち、まず低解像度タグ版420において、当該F0画素の周囲の画素の中から、非画像でなく且つオブジェクト境界でもない画素の値を探索する。周囲の画素の探索範囲は、例えば8近傍(上下左右の画素と斜め方向の4つの画素)である。もちろん、8近傍に限るわけではなく、4近傍(上下左右)でもよい。この探索で見つかった画素の値は、当該F0画素に対応する高解像度のブロック内に混在していた画像オブジェクトを表す。
【0055】
次に色補正部28は、当該F0画素に対応する低解像度のC版110C、M版110M、Y版110Y、K版110Kの画素値に対し、探索で見つけた各画素の値に対応する各画像オブジェクトの処理条件(補正条件)で色補正を行う。これによって、当該F0画素の色補正結果の候補値が、見つかった画像オブジェクトの数だけ求められる。色補正部28は、これら候補値の中から、当該F0画素の周囲の画素の色補正結果に最もよく適合するものを、当該F0画素についての色補正結果として選択する。一例では、色補正部28は、上述の探索で見つけた画素ごとに、その画素の色補正結果と、その画素の値に対応する画像オブジェクトの処理条件で当該F0画素を色補正した結果の候補値との差(例えばCMYK空間での距離)を求める。そして、その差が最小となる候補値を当該F0画素についての色補正結果として選択する。
【0056】
なお、写真の場合、色補正の条件がRGB空間で指定される場合がある。そのような場合、色補正部28は、CMYK値をRGB値に変換した後、色補正を施し、その色補正結果を再びCMYK値に変換する処理を行ってもよい。
【0057】
また、色補正部28は、低解像度タグ版420内のスミベタオブジェクトに対応する値を持つ画素については、その画素を、その画素の値(タグ版にブロックの白黒パターンの識別情報を持たせる方式の場合)、又はその画素に対応する低解像度K版画像の画素の値(K版に白黒パターンの識別情報を持たせる方式の場合)、が表す高解像度(例えば1200dpi)の白黒パターンへと置き換える。これにより、スミベタオブジェクトについては高解像度で、それ以外のオブジェクトについては低解像度である出力画像が生成される。この出力画像が、プリントコントローラ12を介してプリンタ30に供給され、印刷される。
【0058】
図4の低解像度タグ版420のようにオブジェクト境界の画素に特定の値を持たせたタグ版を用いる場合、この実施形態の画像処理部20の処理手順をまとめると、図5に示すようなものとなる。すなわち、まず画像処理部20は、入力されたPDLデータをRIP処理して高解像度のCMYK版及びタグ版を生成する(S10)。次に、画像処理部20の低解像度化部24が、それら各版を上述のように低解像度化する(S12)。そして、低解像度化された画像の画素ごとに、色補正部28が、ステップS14〜S20の処理を実行する。すなわち、ステップS14では、色補正部28が、当該画素がオブジェクト境界の画素であるか否かを判定する。この判定は、低解像度タグ版420における当該画素が、オブジェクト境界に該当する値であるか否かを調べることにより行えばよい。当該画素がオブジェクト境界でなければ、ステップS16で、当該画素の値が表す画像オブジェクトについての処理条件で色補正を実行する。当該画素がオブジェクト境界であれば、ステップS18で、当該画素の周囲の各画素の値が表す画像オブジェクトについての処理条件でそれぞれ当該画素の色補正を実行し、候補値を求める。そして、ステップS20で、それら候補値のうち、周囲の各画素の色補正結果と最もよく適合するものを当該画素の色補正結果として選択する。
【0059】
以上では、色補正部28が行う画像オブジェクトごとの色補正において、CMYK各版及びタグ版の低解像度化画像を用いた。しかし、この実施形態の方法の適用対象は、そのような色補正に限るものではない。色補正以外の画像処理、例えば画像フィルタを適用するフィルタ処理などでも、画像オブジェクトごとにフィルタの種類やパラメータを変える場合には、この実施形態の低解像度化を用いた処理は適用できる。
【0060】
以上に説明したプリントサーバ10は、例えば、汎用のコンピュータに上述の各機能モジュールの処理を表すプログラムを実行させることにより実現される。ここで、コンピュータは、例えば、ハードウエアとして、図6に示すように、CPU500等のマイクロプロセッサ、ランダムアクセスメモリ(RAM)502およびリードオンリメモリ(ROM)504等のメモリ(一次記憶)、HDD(ハードディスクドライブ)506を制御するHDDコントローラ508、各種I/O(入出力)インターフェイス510、ローカルエリアネットワークなどのネットワークとの接続のための制御を行うネットワークインターフェイス512等が、たとえばバス514を介して接続された回路構成を有する。また、そのバス514に対し、例えばI/Oインターフェイス510経由で、CDやDVDなどの可搬型ディスク記録媒体に対する読み取り及び/又は書き込みのためのディスクドライブ516、フラッシュメモリなどの各種規格の可搬型の不揮発性記録媒体に対する読み取り及び/又は書き込みのためのメモリリーダ・ライタ518、などが接続されてもよい。上に例示した各機能モジュールの処理内容が記述されたプログラムがCDやDVD等の記録媒体を経由して、又はネットワーク等の通信手段経由で、ハードディスクドライブ等の固定記憶装置に保存され、コンピュータにインストールされる。固定記憶装置に記憶されたプログラムがRAM502に読み出されCPU500等のマイクロプロセッサにより実行されることにより、上に例示した機能モジュール群が実現される。なお、それら機能モジュール群のうちの一部又は全部を、専用LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit、特定用途向け集積回路)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウエア回路として構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】実施形態のプリントシステムの構成例を模式的に示す図である。
【図2】スミベタ(K100)オブジェクトのブロックの低解像度化の例を説明するための図である。
【図3】タグ版において画像オブジェクトと非画像部分とが混在するブロックの低解像度化の例を説明するための図である。
【図4】タグ版において、異なる画像オブジェクトが混在するブロックの低解像度化の例を説明するための図である。
【図5】実施形態の画像処理部の処理手順の例を示すフローチャートである。
【図6】コンピュータのハードウエア構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0062】
10 プリントサーバ、12 プリントコントローラ、14 双方向インターフェイス、20 画像処理部、22 HDD、24 低解像度化部、26 メモリ、28 色補正部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の解像度の第1の画像を低解像度化し、第2の解像度の第2の画像を生成する第1の低解像度化手段と、
各画素がそれぞれ前記第1の画像における対応画素の属する画像オブジェクトを表す値を有する前記第1の解像度の第1の制御用画像を低解像度化し、前記第2の解像度の第2の制御用画像を生成する第2の低解像度化手段と、
前記第2の画像の各画素に対し、それぞれ、当該画素に対応する前記第2の制御用画像における画素の値が表す画像オブジェクトについての共通の処理条件を用いて画像処理を実行する画像処理手段と、
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記第1の低解像度化手段は、前記第1の画像をあらかじめ定めた数の画素からなる画素ブロック単位に分解し、分解により得られた各画素ブロックをそれぞれ1画素に低解像度化し、
前記第2の低解像度化手段は、前記第1の制御用画像を前記画素ブロック単位に分解し、分解により得られた各画素ブロックをそれぞれ1画素に低解像度化する処理において、画素ブロックの中に異なる画像オブジェクトを表す値を持つ画素が混在する場合には、当該画素ブロックに対応する前記第2の制御用画像内の画素の値を、境界を表すあらかじめ定めた値とし、
前記画像処理手段は、前記第2の制御用画像において前記境界を表すあらかじめ定めた値を持つ画素に対応する前記第2の画像の画素については、前記第2の制御用画像における当該画素の周囲の各画素の値が表す各画像オブジェクトに対応する処理条件でそれぞれ画像処理を行い、前記各処理条件での画像処理結果の中から、前記周囲の各画素の画像処理結果との比較に基づき、当該画素の画像処理結果として採用するものを選択する、
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記画像処理手段は、前記第2の制御用画像において前記境界を表すあらかじめ定めた値を持つ画素に対応する前記第2の画像の画素についての前記各処理条件での画像処理結果の中から、前記周囲の各画素のうち当該処理条件に対応する画像オブジェクトに属する画素の画像処理結果との差が最も少ない画像処理結果を当該画素の画像処理結果として採用する、
ことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記第1の低解像度化手段は、前記第1の画像をあらかじめ定めた数の画素からなる画素ブロックに分解し、分解により得られた各画素ブロックをそれぞれ1画素に低解像度化する処理において、前記画素ブロックのうち前記第1の制御用画像における対応する画素ブロック内にスミベタオブジェクトを表す値を持つ画素が含まれる画素ブロックは、その画素ブロック内でのスミベタオブジェクトに属する画素の配置パターンを表す値を持つ1画素へと低解像度化し、
前記画像処理手段は、
前記第2の画像に対する前記画像処理手段の画像処理結果の画素のうち、前記第2の制御用画像においてスミベタオブジェクトを表す値を持つ画素を、当該画素の値が表す配置パターンを持つ前記第1の解像度の画像へと高解像度化する高解像度化手段と、
前記高解像度化手段が求めた前記スミベタオブジェクトについての前記第1の解像度の画像と、前記スミベタオブジェクト以外の画像オブジェクトについての前記画像処理手段の画像処理結果である前記第2の解像度の画像とを組み合わせて出力用画像を生成する手段と、
を備える請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記第2の低解像度化手段は、前記第1の画像中のあらかじめ定めた数の画素からなる各画素ブロックのうち、前記第1の制御用画像内の対応する画素ブロック内にスミベタオブジェクトを表す値を持つ画素が含まれる画素ブロックについては、当該画素ブロックに対応する前記第2の制御用画像の画素の値を当該画素ブロック内でのスミベタオブジェクトに属する画素の配置パターンを表す値とし、
前記画像処理手段は、
前記第2の画像に対する前記画像処理手段の画像処理結果の画素のうち、前記第2の制御用画像内の対応する画素がスミベタオブジェクトに属する画素の配置パターンを表す値を持つ画素については、当該配置パターンを持つ前記第1の解像度の画像へと高解像度化する高解像度化手段と、
前記高解像度化手段が求めた前記スミベタオブジェクトについての前記第1の解像度の画像と、前記スミベタオブジェクト以外の画像オブジェクトについての前記画像処理手段の画像処理結果である前記第2の解像度の画像とを組み合わせて出力用画像を生成する手段と、
を備える請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、
第1の解像度の第1の画像を低解像度化し、第2の解像度の第2の画像を生成する第1の低解像度化手段、
各画素がそれぞれ前記第1の画像における対応画素の属する画像オブジェクトを表す値を有する前記第1の解像度の第1の制御用画像を低解像度化し、前記第2の解像度の第2の制御用画像を生成する第2の低解像度化手段、
前記第2の画像の各画素に対し、それぞれ、当該画素に対応する前記第2の制御用画像における画素の値が表す画像オブジェクトについての共通の処理条件を用いて画像処理を実行する画像処理手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−61363(P2010−61363A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−225986(P2008−225986)
【出願日】平成20年9月3日(2008.9.3)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】