説明

画像処理装置及びミラーリング判定方法

【課題】ミラーリングで構成された複数の記憶媒体の1つを交換する際に、ミラーリングの復旧を迅速に行える画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像処理装置10は、ミラーリングにより同一データを相互に保存する複数のHDD17,18を備え、HDD18を新しいHDDに交換する際に、正常動作中のHDD17に保存されたデータを新しいHDDに転送する。画像処理装置10は、HDD17から新しいHDDへ全領域コピーによるデータ転送に要する全領域コピー時間を算出し、HDD17から新しいHDDへ外部記憶媒体を用いたバックアップによるデータ転送に要するバックアップ総時間を算出する時間算出部14と、全領域コピー時間とバックアップ総時間とを比較し、全領域コピーによるデータ転送とバックアップによるデータ転送のいずれの方法が速いか判定する制御部11とを備え、制御部11で速いと判定された方法によりミラーリングを復旧可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及びミラーリング判定方法に関し、より詳細には、ミラーリングにより同一データを相互に保存する複数の記憶媒体を備えた画像処理装置及び該装置によるミラーリング判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、MFP(Multi Function Peripheral)などの画像処理装置においても、2系統のハードディスク装置を相互に接続し、両方に同時にデータを書き込むミラーリング方式を採用したものがある。このミラーリングによれば、一方のハードディスク装置が故障しても、他方のハードディスク装置を使用してデータの処理を継続して行うことができる。そして、故障したハードディスク装置を新しいハードディスク装置に交換した場合、他方のハードディスク装置から新しいハードディスク装置にデータを転送することでミラーリングを復旧させている。
【0003】
このようなミラーリング技術に関し、例えば、特許文献1には、システム復旧時のデータ転送量を必要最小限に抑えることで、ミラーリングにかかる時間を短縮させるフォールトトレラントシステムが記載されている。このシステムによれば、ハードディスクの障害以外の要因で第2のコンピュータが停止している間に更新されたデータは差分データとして第1のコンピュータの特別領域に保存される。そして、障害を起こした第2のコンピュータが修復して2系のシステムに復帰し、ディスクデータをリカバリするときは、上記差分データのみが第2のコンピュータのハードディスクに転送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−293389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献1に記載の技術は、ハードディスクの障害以外の要因でコンピュータが停止している場合に限定される。しかし、本来ミラーリングを構築するのは、ハードディスクの障害が発生した場合に片方のハードディスクで動作させ、後から故障したハードディスクを新規のハードディスクに取り替えて、継続的にデータを保護することを目的としている。
【0006】
そして、このように新規のハードディスクが取り付けられた場合に、動作中のハードディスクの全領域を新規のハードディスクにコピーする必要があるが、近年のハードディスク容量の増大に伴い、全領域コピーに要する時間も長くなっている。このため、ミラーリングの復旧に長い時間がかかってしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、ミラーリングで構成された複数の記憶媒体の1つを交換する際に、ミラーリングの復旧を迅速に行える画像処理装置及び該装置によるミラーリング判定方法を提供すること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、ミラーリングにより同一データを相互に保存する複数の記憶媒体を備え、該複数の記憶媒体のうちの1つを新しい記憶媒体に交換する際に、正常動作中の記憶媒体に保存されたデータを前記新しい記憶媒体に転送する画像処理装置であって、前記正常動作中の記憶媒体から前記新しい記憶媒体へ全領域コピーによるデータ転送に要する全領域コピー時間を算出する全領域コピー時間算出部と、前記正常動作中の記憶媒体から前記新しい記憶媒体へ外部記憶媒体を用いたバックアップによるデータ転送に要するバックアップ総時間を算出するバックアップ総時間算出部と、前記全領域コピー時間と前記バックアップ総時間とを比較し、全領域コピーによるデータ転送とバックアップによるデータ転送のいずれの方法が速いか判定する判定部とを備えたことを特徴としたものである。
【0009】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記バックアップ総時間は、前記正常動作中の記憶媒体に保存されたデータを前記外部記憶媒体にバックアップするのに要するバックアップ時間と、前記外部記憶媒体にバックアップされたデータを前記正常動作中の記憶媒体及び前記新しい記憶媒体にリストアするリストア時間と、所定のミラーリング再構築時間とを合計したものであることを特徴としたものである。
【0010】
第3の技術手段は、第2の技術手段において、前記正常動作中の記憶媒体に保存されたデータがどの程度分散しているかを示す分散比率を定量化する定量化部を備え、前記バックアップ時間は、前記正常動作中の記憶媒体に保存されているデータの容量、平均アクセス速度、及び前記定量化部により定量化された分散比率に基づいて算出され、前記リストア時間は、前記外部記憶媒体にバックアップされたデータの容量、平均アクセス速度に基づいて算出されることを特徴としたものである。
【0011】
第4の技術手段は、第3の技術手段において、前記正常動作中の記憶媒体のシーク時間を定期的あるいは任意のタイミングで記憶する記憶部と、前記正常動作中の記憶媒体のシーク時間の変化率とデータの分散比率とを対応付けたデータテーブルとを備え、前記定量化部は、前記記憶部に記憶されているシーク時間と所定の基準値とを比較することにより該シーク時間の変化率を算出し、該算出したシーク時間の変化率に基づいて前記データテーブルを参照することによりデータの分散比率を定量化することを特徴としたものである。
【0012】
第5の技術手段は、第3の技術手段において、前記正常動作中の記憶媒体のデータ保存に使用されているブロック数とブロック位置を記憶する記憶部と、前記正常動作中の記憶媒体のアクセス距離とデータの分散比率とを対応付けたデータテーブルとを備え、前記定量化部は、前記記憶部に記憶されているブロック数とブロック位置から使用中ブロックへのアクセス距離を算出し、該算出したアクセス距離に基づいて前記データテーブルを参照することによりデータの分散比率を定量化することを特徴としたものである。
【0013】
第6の技術手段は、第3〜第5のいずれか1の技術手段において、前記定量化部により分散比率が定量化されるデータは、前記正常動作中の記憶媒体に保存されている画像データであることを特徴としたものである。
【0014】
第7の技術手段は、第1〜第6のいずれか1の技術手段において、前記全領域コピー時間算出部は、前記全領域コピー時間を、前記正常動作中の記憶媒体の記憶容量、平均アクセス速度に基づいて算出することを特徴としたものである。
【0015】
第8の技術手段は、第1〜第7のいずれか1の技術手段において、前記新しい記憶媒体及び前記外部記憶媒体が前記画像処理装置に接続されている場合、前記判定部により速いと判定された方法に従って、前記正常動作中の記憶媒体から前記新しい記憶媒体へのデータ転送を実行することを特徴としたものである。
【0016】
第9の技術手段は、第1〜第7のいずれか1の技術手段において、前記判定部による判定結果と共に、前記バックアップ総時間と前記全領域コピー時間とを表示し、バックアップによるデータ転送と全領域コピーによるデータ転送のいずれかの方法をユーザに選択させる画面を表示する表示部を備えたことを特徴としたものである。
【0017】
第10の技術手段は、ミラーリングにより同一データを相互に保存する複数の記憶媒体を備え、該複数の記憶媒体のうちの1つを新しい記憶媒体に交換する際に、正常動作中の記憶媒体に保存されたデータを前記新しい記憶媒体に転送する画像処理装置によるミラーリング判定方法であって、前記正常動作中の記憶媒体から前記新しい記憶媒体へ全領域コピーによるデータ転送に要する全領域コピー時間を算出する全領域コピー時間算出ステップと、前記正常動作中の記憶媒体から前記新しい記憶媒体へ外部記憶媒体を用いたバックアップによるデータ転送に要するバックアップ総時間を算出するバックアップ総時間算出ステップと、前記全領域コピー時間と前記バックアップ総時間とを比較し、全領域コピーによるデータ転送とバックアップによるデータ転送のいずれの方法が速いか判定する判定ステップとを備えたことを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ミラーリングで構成された複数の記憶媒体の1つを交換する際に、バックアップによるデータ転送と全領域コピーによるデータ転送のいずれの方法が速いか判定し、速いほうの方法を用いることにより、ミラーリングの復旧を迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】画像処理装置が備えるHDD内のデータ領域の一例を概念的に示した図である。
【図3】全領域コピーによるミラーリング復旧方法の一例を説明するための図である。
【図4】バックアップによるミラーリング復旧方法の一例を説明するための図である。
【図5】HDD内に保存されるデータの分散化を説明するための図である。
【図6】データの分散比率の定量化に用いるデータテーブルの一例を示す図である。
【図7】選択画面の一例を示す図である。
【図8】本発明の画像処理装置によるミラーリング判定方法の一例を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の画像処理装置及び該装置によるミラーリング判定方法に係る好適な実施の形態について説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像処理装置の構成例を示すブロック図で、図中、10は画像処理装置を示す。画像処理装置10は、例えば、プリンタ機能、コピー機能、FAX機能等を備えたMFPなどで例示できるが、図1では本発明に係る要部構成のみを示すものとする。すなわち、画像処理装置10は、制御部11、表示・設定部12、定量化部13、時間算出部14、記憶部15、RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disk)制御部16、第1のHDD(ハードディスクドライブ)17、及び第2のHDD18を備える。なお、ここではHDDを2つとしたが、これに限定されるものではなく、3つ以上備える構成であってもよい。
【0022】
制御部11は、画像処理装置10が備える各種機構系を制御すると共に、第1のHDD17及び第2のHDD18に対する画像データの書き込み、第1のHDD17あるいは第2のHDD18からの画像データの読み込みの制御を行い、各種画像処理を制御するモジュールであって、図示しないCPUやメモリなどで構成される。
【0023】
表示・設定部12は、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示部と、タッチパネルや各種操作ボタンなどからなる操作入力部とで構成され、制御部11からの指示に基づいて、所定の表示用データを表示し、タッチパネルから入力された入力情報を制御部11に送信する。
【0024】
RAID制御部16は、画像処理装置10に入力された画像データやユーザデータを受け取ると、これらのデータを第1のHDD17及び第2のHDD18に保存し、また、必要なデータを第1のHDD17あるいは第2のHDD18から読み出すモジュールである。また、RAID制御部16は、1つのHDDが故障し、この故障を検出した場合、故障したHDDへのアクセスを制限し、正常なHDDのみを動作させるように制御するモジュールである。
【0025】
また、RAID制御部16は、上記で故障したHDDをシステムから取り外し、新しいHDDを取り付けた場合は、正常動作中のHDDに保存されているデータを新しいHDDに転送し、データの転送が終わるとミラーリング動作を再開する。すなわち、画像処理装置10は、ミラーリングにより同一データを相互に保存する複数の記憶媒体に相当する第1のHDD17及び第2のHDD18を備え、第1のHDD17及び第2のHDD18のうちの1つを新しいHDDに交換する際に、正常動作中のHDDに保存されたデータを新しいHDDに転送する処理を行う。
【0026】
また、画像処理装置10から画像データやユーザデータなどのデータの保存要求がなされると、制御部11からRAID制御部16にデータ保存要求が発行され、RAID制御部16は、2つのHDDのどちらかが故障している場合、正常動作中のHDDに画像データやユーザデータを保存する。また、2つのHDDが共に正常動作している場合、同じデータを各々のHDDに保存する。そして、画像処理装置10から画像データやユーザデータなどのデータの読み出し要求がなされると、RAID制御部16は正常に動作しているHDDから画像データやユーザデータを読み出す処理を行う。
【0027】
本発明の主たる特徴部分は、ミラーリングで構成された複数の記憶媒体の1つを交換する際に、ミラーリングの復旧を迅速に行えるようにすることにある。このための構成として、画像処理装置10は、正常動作中のHDDから新しいHDDへ全領域コピーによるデータ転送に要する全領域コピー時間を算出する全領域コピー時間算出部と、正常動作中のHDDから新しいHDDへ外部記憶媒体を用いたバックアップによるデータ転送に要するバックアップ総時間を算出するバックアップ総時間算出部と、全領域コピー時間とバックアップ総時間とを比較し、全領域コピーによるデータ転送とバックアップによるデータ転送のいずれの方法が速いか判定する判定部とを備え、判定部で速いと判定された方法によりミラーリングを復旧可能とした。なお、図1の例の場合、上記のバックアップ総時間算出部及び全領域コピー時間算出部は時間算出部14に相当し、判定部は制御部11に相当する。
【0028】
図2は、画像処理装置10が備えるHDD内のデータ領域の一例を概念的に示した図である。ここでは第1のHDD17のデータ領域について示すが、第2のHDD18にも同じデータ領域が形成されているものとする。ERDH(Electric Recirculating Document Handler)領域17aは、電子再循環文書ハンドラー領域といい、一時的に画像処理装置10から読み込んだデータを保存しておき、印刷要求に応じて読み出すデータを保持する領域である。保存したデータは使用したジョブが終了すると自動的に削除要求が発行され、HDDから削除される。
【0029】
ユーザデータ領域17bは、アドレス帳や各ユーザグループの固有設定データなど、ユーザに係るデータを保存しておく領域である。
【0030】
ドキュメントファイル領域17cは、画像データや動作ジョブの設定データなどが保存されている。ドキュメントファイル領域17cにデータを一旦保存するとユーザが明示的に削除しない限り、HDD内に保持され、必要に応じて読み出され、画像処理装置10で印刷されたり、画像処理装置10からネットワークを介してデータが送信される。ドキュメントファイリング領域17cは、主に圧縮された画像データを扱うため、保存する画像データや解像度などによって、サイズが可変になっている。
【0031】
固定データ領域17dは、システムで使用する必要なデータなどを保持している領域である。この領域のデータは変更されることなく、常に同じデータである。
【0032】
図3は、全領域コピーによるミラーリング復旧方法の一例を説明するための図である。図3(A)において、例えば、第2のHDD18が故障した場合には、RAID制御部16が第1のHDD17に対してデータの読み書きを行うように制御しているが、第2のHDD18として、新しい正常なHDDが接続されると、RAID制御部16は新しいHDDが接続されたことを認識し、正常動作中の第1のHDD17から全データをコピーするように動作を開始する(S1)。
【0033】
例えば、図3(B)に示すようなマップの領域の場合、第1のHDD17から、ERDH領域17aから順番にデータを読み出し、新規の第2のHDD18にコピーしていく。HDDのアクセス速度や容量にも依存するが、例えば、160GByteのHDDであれば全領域をコピーするのに、約60分程度の時間がかかる。また、新規の第2のHDD18にデータをコピーしている間に、画像処理装置10からデータ保存要求やデータ読出要求がなされると、例えば、一旦コピー動作を停止し、画像処理装置10からのデータ処理を優先して行うため、画像処理装置10として使用しながらコピー動作を行なうと更に時間がかかることになる。
【0034】
図4は、バックアップによるミラーリング復旧方法の一例を説明するための図である。図4(A)において、第2のHDD18が故障した場合、画像処理装置10に、USB(Universal Serial Bus)付きHDDなどの外部記憶媒体19を接続し、外部記憶媒体19を介して正常に動作している第1のHDD17よりユーザデータのバックアップとドキュメントファイリングデータ(画像データ)のバックアップを行なう(S11)。これらのデータをバックアップする場合は、独自のデータ形式などに則ってバックアップされ、HDD内に保存されているデータの並びとは関係なくバックアップされる。
【0035】
また、図4(B)において、ERDH領域17aはデータがジョブの動作毎に削除されるので、バックアップを取る必要がない。また、固定データ領域17dのデータは常に同じデータなので、事前に同じデータを格納した外部記憶媒体19を準備しておけば、バックアップを取る必要がない。データのバックアップが終了した後、故障した第2のHDD18は新規のHDDに交換される。そして、制御部11からRAID制御部16にRAID再構築命令が送信されると、RAID制御部16は2つのHDDを初期化し、初期のミラーリング状態にする。
【0036】
初期のミラーリング状態は、パーティションの情報や各種ファイルシステムのヘッダなどが2つのHDDで同じ状態であり、その他の領域は各々不定データになっている。そして、RAID再構築後、外部記憶媒体19から固定データ、ユーザデータ、及びドキュメントファイリングデータを2つのHDDにリストアすることで、2つのHDDに同じデータが保存され、ミラーリングを復旧させることができる(S12)。なお、第1のHDD17にはリストアにより上記のデータが上書きされる。
【0037】
図5は、HDD内に保存されるデータの分散化を説明するための図である。HDDに何も保存されていない場合、ドキュメントファイル領域においては順番にデータが保存されていくが、必要がなくなったデータなどを消去すると、途中にデータがない状態になってしまう。この状態で新規にデータの書き込みをする場合、不要データを消去した領域に順番に新規データを書き込んでいくようになり、1つのファイルを構成する複数のデータがHDDのドキュメントファイル領域のあちこちに点在するようになる。
【0038】
図5(A)は、1つのファイルを構成する複数のデータが離れた領域に保存されていることを示す概念図である。このドキュメントファイル領域は、記憶領域の最小単位であるブロック単位で示したもので、HDDの場合、1ブロックが1セクタに相当する。1つのファイルを構成する各データは書き込みブロック単位にヘッダを持っており、複数のデータで1つのファイルが構成されるように紐付けができる状態になっている。このような離れたデータを1つのファイルとして読み出す場合は、d1、d2、d3の順でデータを読み出していくため、HDDなどのシリンダ動作にて読み出す記憶装置では、データ転送時間とシリンダ動作時間(シーク時間及び回転待ち時間)を考慮する必要がある。つまり、図5(A)に示すように、データファイル数が多く、データが分散している状態では、シーク時間が長くなり、バックアップに時間がかかることになる。
【0039】
ここで、一般的に、HDDのアクセス時間は、読み出すデータのあるトラックにヘッドを移動させる時間であるシーク時間と、読み出すデータの先頭がヘッドの下にくるのを待つ時間である回転待ち時間と、読み出すデータが全てヘッドの下を通過してヘッドによりデータが読み出されるデータ転送時間とを合計したものである。なお、上記のシリンダ動作時間には回転待ち時間も含まれるが、シーク時間に対して影響は少ないため、以下では、シリンダ動作時間とシーク時間とが略等しいものとして説明する。
【0040】
図5(B)は、1つのファイルを構成する複数のデータが近い領域に保存されていることを示す概念図である。この場合も、図5(A)と同様に、d1、d2、d3の順でデータを読み出していくが、データが分散していないため、シリンダ動作時間が短く、データ転送時間のみを考慮しておけばよい。
【0041】
前述の図1において、第2のHDD18が故障し、新しいHDDに交換する際に、事前に、全領域コピーによりミラーリングを再構築する方法(図3)とバックアップによりミラーリングを再構築する方法(図4)のどちらの方法が速いかを、全領域コピー時間とバックアップ総時間とを比較することで判定する。まず、図3の全領域コピーの場合、時間算出部14は、正常動作中の第1のHDD17から新しいHDDへ全領域コピーによるデータ転送に要する全領域コピー時間を算出する。具体的には、この全領域コピー時間は、正常動作中の第1のHDD17の記憶容量、平均アクセス速度に基づいて算出することができる。なお、説明の便宜上、新しいHDDには第1のHDD17と同じ仕様のものを用い、第1のHDD17のデータ読み出し速度とデータ書き込み速度は略等しいものとする。
【0042】
例えば、第1のHDD17の記憶容量が160GByteで、平均アクセス速度が50Mbyte/秒とした場合、全領域コピー時間(推定)は、
160GByte÷50MByte/秒=3200秒≒53分
と求めることができる。但し、全領域コピーを実行している間に印刷ジョブなどが実行されると、HDDに対して印刷ジョブアクセスと全領域コピーアクセスとが同時に行われ、上記の全領域コピー時間に影響することが考えられるため、あくまで目安となる値である。
【0043】
なお、第1のHDD17の記憶容量及び平均アクセス速度は第1のHDD17が持つ固有情報等から取得することができる。具体的には、記憶容量は固有のハードディスク情報から取得でき、また、平均アクセス速度は画像データを保存したり(書き込み)、読み出したりする際のデータサイズとアクセス時間から事前に算出することができる。すなわち、HDDにおける平均アクセス速度とは、シリンダ位置に応じた書き込み速度と読み出し速度に基づく平均的なアクセス速度である。
【0044】
ここで、例えば、一方のHDDから他方のHDDへデータをコピーする場合、中間バッファにより、一方のHDDのデータをバッファに読み出して、バッファから他方のHDDへデータの書き込みを行うため、並列で動作させることができるシステム(つまり、2つ以上のバッファを備えるシステム)であれば、読み出し時間または書き込み時間のいずれか一方のみを考慮すればよい。また、後述のバックアップ時間は読み出し時間のみ、リストア時間は書き込み時間のみを考慮すればよい。
【0045】
次に、図4のバックアップの場合、時間算出部14は、正常動作中の第1のHDD17から新しいHDDへ外部記憶媒体19を用いたバックアップによるデータ転送に要するバックアップ総時間を算出する。具体的には、バックアップ総時間は、正常動作中の第1のHDD17に保存されたデータを外部記憶媒体19にバックアップするのに要するバックアップ時間と、外部記憶媒体19にバックアップされたデータを正常動作中の第1のHDD17及び新しいHDDにリストアするリストア時間と、所定のミラーリング再構築時間とを合計したものである。
【0046】
また、画像処理装置10は、正常動作中の第1のHDD17に保存されたデータがどの程度分散しているかを示す分散比率を定量化する定量化部13を備える。この分散比率とは、データの分散によるデータ読み出し速度の補正係数を意味する。上記のバックアップ時間は、正常動作中の第1のHDD17に保存されているデータの容量、平均アクセス速度、及び定量化部13により定量化された分散比率に基づいて算出される。リストア時間は、外部記憶媒体19にバックアップされたデータの容量、平均アクセス速度に基づいて算出される。ミラーリング再構築時間は、クイックフォーマットなどに要する時間であり、予め定められた固定値となる。
【0047】
ここで、定量化部13の処理例について具体的に説明する。例えば、定量化部13により分散比率が定量化されるデータは、正常動作中の第1のHDD17に保存されている画像データ、すなわち、ドキュメントファイリングデータである。上記の分散比率はシーク時間あるいはアクセス距離によって左右される。すなわち、シーク時間あるいはアクセス距離が長いほど、データの分散の程度は大きくなると考えられる。この点に着目してデータの分散比率を定量化する。
【0048】
画像処理装置10は、正常動作中の第1のHDD17のシーク時間を定期的あるいは任意のタイミングで記憶する記憶部15と、正常動作中の第1のHDD17のシーク時間の変化率とデータの分散比率とを対応付けたデータテーブルとを備える。このデータテーブルの例を図6(A)に示す。本例では、第2のHDD18が故障しているため、第1のHDD17について実際のシーク時間を定期的あるいは任意のタイミングで記憶しておく。例えば、記憶部15には第1のHDD17のシーク時間t1、t2、t3、t4が時系列で記憶され、シーク時間t4が直近の値となる。
【0049】
第2のHDD18を新しいHDDに交換する際に、定量化部13は、記憶部15に記憶されている第1のHDD17のシーク時間と所定の基準値とを比較することによりシーク時間の変化率を算出する。本例の場合、所定の基準値として、データの分散がない状態におけるシーク時間(基準シーク時間)を記憶部15に記憶しておく。そして、この基準シーク時間と、記憶部15に記憶されているシーク時間t1〜t4の平均値(あるいは直近のシーク時間t4)とを比較し、シーク時間の変化率を算出する。例えば、基準シーク時間が100msであり、シーク時間t1〜t4の平均値が250msであった場合、シーク時間の変化率は“2.5”と算出される。
【0050】
定量化部13は、上記で算出したシーク時間の変化率に基づいて図6(A)のデータテーブルを参照することによりデータの分散比率を定量化する。本例の場合、シーク時間の変化率が“2.5”であるため、データの分散比率は50%と求めることができる。なお、図6(A)のデータテーブルは、シーク時間の変化率とデータの分散比率との関係を実際に計測し、この計測結果に基づいて作成すればよい。
【0051】
また、定量化部13の他の形態について説明する。画像処理装置10は、正常動作中の第1のHDD17のデータ保存に使用されているブロック数とブロック位置を記憶する記憶部15と、正常動作中の第1のHDD17のアクセス距離とデータの分散比率とを対応付けたデータテーブルとを備える。このデータテーブルの例を図6(B)に示す。本例では、第2のHDD18が故障しているため、第1のHDD17についてデータ保存に使用されているブロック数とブロック位置を記憶しておくが、データの追加や削除があった場合には常に更新され、最新の状態に保持されるようになっている。
【0052】
第2のHDD18を新しいHDDに交換する際に、定量化部13は、記憶部15に記憶されている第1のHDD17のブロック数とブロック位置から使用中ブロックへのアクセス距離を算出する。このアクセス距離は、1つのファイルを保存するために使用される各ブロックにアクセスするために何ブロック移動するかを示す値である。例えば、図5(B)の場合、1つのファイルを構成する各データd1、d2、d3の順番でアクセスするために移動する距離は4ブロックとなる。複数のファイルが保存されている場合には、各ファイルについてアクセス距離を算出し、全てのファイルのアクセス距離を合計したものを使用中ブロックのアクセス距離とする。
【0053】
定量化部13は、上記で算出したアクセス距離に基づいて図6(B)のデータテーブルを参照することによりデータの分散比率を定量化する。本例の場合、アクセス距離が“4”であるため、データの分散比率は0%(分散なし)と求めることができる。なお、図6(B)のデータテーブルは、アクセス距離とデータの分散比率との関係を実際に計測し、この計測結果に基づいて作成すればよい。
【0054】
前述したように、バックアップ時間は、正常動作中の第1のHDD17に保存されているデータの容量、平均アクセス速度、及び定量化部13により定量化された分散比率に基づいて算出される。例えば、データ容量を15GByte(ドキュメントファイリングの総数が1000ファイル程度に相当)、平均アクセス速度を50Mbyte/秒、データの分散比率を50%とした場合、バックアップ時間は、
15GByte÷50MByte/秒÷(100%−50%)=600秒=10分
と求めることができる。
【0055】
また、リストア時間は、外部記憶媒体19にバックアップされたデータの容量、平均アクセス速度に基づいて算出される。リストアする場合は、ファイルを順番に格納しなおすので、分散は発生しない。このためデータの分散比率は0%となる。また、外部記憶媒体19に第1のHDD17と同じHDDを採用した場合、平均アクセス速度は50MByte/秒とみなすことができる。これより、リストア時間は、
15GByte÷50MByte/秒÷(100%−0%)=300秒=5分
と求めることができる。
【0056】
上記において、新しいHDDには第1のHDD17と同じ仕様のものを用い、外部記憶媒体19としては、データ書き込み速度が第1のHDD17のデータ読み出し速度と同等以上であり、データ読み出し速度が新しいHDDのデータ書き込み速度と同等以上のものを用いるものとする。
【0057】
また、ミラーリング再構築時間は、クイックフォーマットなどに要する時間であり、予め定められた固定値となる。例えば、3分とすることができる。時間算出部14は、上記のバックアップ時間(10分)、リストア時間(5分)、さらに、ミラーリング再構築時間(3分)を合計して、バックアップ総時間(18分)を算出する。なお、この合計処理は制御部11で実行しても構わない。
【0058】
このようにして、全領域コピーによるデータ転送に要する全領域コピー時間(53分)と、バックアップによるデータ転送に要するバックアップ総時間(18分)とを算出することができる。そして、制御部11は、全領域コピーとバックアップのいずれの方法が速いかを判定する。上記例ではバックアップによる方法のほうが速いと判定される。
【0059】
この判定結果に基づいて、画像処理装置10は、新しいHDD及び外部記憶媒体19が画像処理装置10に接続されている場合、制御部11により速いと判定された方法に従って、正常動作中の第1のHDD17から新しいHDDへのデータ転送を自動的に実行する。上記例では、バックアップによる方法が選択され、自動的に新しいHDDへのデータ転送が実行されるため、ユーザは面倒な作業を行う必要がなく、ミラーリングを復旧させることができる。
【0060】
また、表示・設定部12は、制御部11による判定結果と共に、バックアップ総時間と全領域コピー時間とを表示し、バックアップによるデータ転送と全領域コピーによるデータ転送のいずれかの方法をユーザに選択させる画面を表示するようにしてもよい。この画面の一例を図7に示す。図7において、選択画面20には、バックアップ総時間18a、全領域コピー時間18b、判定結果20c、線領域コピー抑制ボタン20d、及び閉じるボタン20eが表示される。
【0061】
バックアップ総時間18aは、バックアップ時間(10分)と、リストア時間(5分)と、ミラーリング再構築時間(3分)とを合計したもので、18分と表示される。全領域コピー時間20bは、全領域コピーに要する時間であり、53分と表示される。なお、各時間の算出方法は上述の通りであるため、ここでの説明は省略する。また、判定結果20cとして、「バックアップのほうが速い」というメッセージを表示する。
【0062】
さらに、この選択画面20には、全領域コピー抑制ボタン20dと、閉じるボタン20eとが表示される。ユーザがバックアップを選択する場合には、全領域コピー抑制ボタン20dを押下する。これにより、新しいHDDを接続しても全領域コピーの動作は実行されず、バックアップの動作に移行する。また、ユーザが全領域コピーを選択する場合には、閉じるボタン20eを押下する。これにより、新しいHDDが接続されると、自動的に全領域コピーの動作が実行される。
【0063】
図8は、本発明の画像処理装置によるミラーリング復旧方法の一例を説明するためのフロー図である。本例では第2のHDD18が故障し、新しいHDDに交換する場合について説明する。まず、時間算出部14は、第1のHDD17からHDDの容量及び平均アクセス速度を取得する。HDDの容量はハードディスク情報から取得でき、平均アクセス速度は画像データを保存したり、読み出したりするデータサイズとアクセス時間から事前に算出することができる。例えば、160GByteのHDDで、平均アクセス速度は50Mbyte/秒程度となる(ステップS21)。
【0064】
次に、時間算出部14は、第1のHDD17の容量と平均アクセス速度から全領域コピー時間を算出する。例えば、160Gbyteで50MByte/秒のHDDであれば、
160GByte÷50MByte/秒=3200秒≒53分
と求めることができる(ステップS22)。
【0065】
次に、定量化部13は、正常動作中の第1のHDD17に保存されたデータがどの程度分散しているかを示す分散比率を定量化する。例えば、前述の図6のデータテーブルを用いて50%と求めることができる(ステップS23)。
【0066】
次に、時間算出部14は、正常動作中の第1のHDD17に保存されているデータの容量、平均アクセス速度、及び定量化部13により定量化された分散比率に基づいてバックアップ時間を算出する。例えば、ドキュメントファイリングデータ(画像データ)の総数が1000ファイルでデータ総数が15GByte、分散比率を50%とすると、
15GByte÷50MByte/秒÷(100%−50%)=600秒=10分
と求めることができる(ステップS24)。
【0067】
次に、時間算出部14は、リストア時間についても算出する。リストアする場合は、ファイルを順番に格納しなおすので、データの分散比率を0%とし、
15GByte÷50MByte/秒÷(100%−0%)=300秒=5分
と求めることができる(ステップS25)。
【0068】
次に、時間算出部14または制御部11は、上記ステップで得られたバックアップ時間とリストア時間、さらに、ミラーリング再構築時間を合計してバックアップ総時間を算出する。この場合、バックアップ総時間は、バックアップ時間10分とリストア時間5分、ミラーリング再構築時間3分を加算して、18分となる(ステップS26)。
【0069】
最後に、制御部11は、上記ステップで得られた各データ、すなわち、バックアップ総時間、全領域コピー時間に基づいて、前述の図7に示した選択画面20を生成し、これを表示・設定部12に表示させる(ステップS27)。そして、ユーザが選択画面20から、全領域コピーとバックアップの速いほうの方法を選択してミラーリングを復旧させることができる。
【0070】
なお、本例では、選択画面20を表示させる例について説明したが、制御部11により速いと判定された方法に従って、自動的にミラーリングを復旧させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0071】
10…画像処理装置、11…制御部、12…表示・設定部、13…定量化部、14…時間算出部、15…記憶部、16…RAID制御部、17…第1のHDD、18…第2のHDD、19…外部記憶媒体、20…選択画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミラーリングにより同一データを相互に保存する複数の記憶媒体を備え、該複数の記憶媒体のうちの1つを新しい記憶媒体に交換する際に、正常動作中の記憶媒体に保存されたデータを前記新しい記憶媒体に転送する画像処理装置であって、
前記正常動作中の記憶媒体から前記新しい記憶媒体へ全領域コピーによるデータ転送に要する全領域コピー時間を算出する全領域コピー時間算出部と、前記正常動作中の記憶媒体から前記新しい記憶媒体へ外部記憶媒体を用いたバックアップによるデータ転送に要するバックアップ総時間を算出するバックアップ総時間算出部と、前記全領域コピー時間と前記バックアップ総時間とを比較し、全領域コピーによるデータ転送とバックアップによるデータ転送のいずれの方法が速いか判定する判定部とを備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置において、前記バックアップ総時間は、前記正常動作中の記憶媒体に保存されたデータを前記外部記憶媒体にバックアップするのに要するバックアップ時間と、前記外部記憶媒体にバックアップされたデータを前記正常動作中の記憶媒体及び前記新しい記憶媒体にリストアするリストア時間と、所定のミラーリング再構築時間とを合計したものであることを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像処理装置において、前記正常動作中の記憶媒体に保存されたデータがどの程度分散しているかを示す分散比率を定量化する定量化部を備え、前記バックアップ時間は、前記正常動作中の記憶媒体に保存されているデータの容量、平均アクセス速度、及び前記定量化部により定量化された分散比率に基づいて算出され、前記リストア時間は、前記外部記憶媒体にバックアップされたデータの容量、平均アクセス速度に基づいて算出されることを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像処理装置において、前記正常動作中の記憶媒体のシーク時間を定期的あるいは任意のタイミングで記憶する記憶部と、前記正常動作中の記憶媒体のシーク時間の変化率とデータの分散比率とを対応付けたデータテーブルとを備え、前記定量化部は、前記記憶部に記憶されているシーク時間と所定の基準値とを比較することにより該シーク時間の変化率を算出し、該算出したシーク時間の変化率に基づいて前記データテーブルを参照することによりデータの分散比率を定量化することを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項3に記載の画像処理装置において、前記正常動作中の記憶媒体のデータ保存に使用されているブロック数とブロック位置を記憶する記憶部と、前記正常動作中の記憶媒体のアクセス距離とデータの分散比率とを対応付けたデータテーブルとを備え、前記定量化部は、前記記憶部に記憶されているブロック数とブロック位置から使用中ブロックへのアクセス距離を算出し、該算出したアクセス距離に基づいて前記データテーブルを参照することによりデータの分散比率を定量化することを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項3〜5のいずれか1項に記載の画像処理装置において、前記定量化部により分散比率が定量化されるデータは、前記正常動作中の記憶媒体に保存されている画像データであることを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像処理装置において、前記全領域コピー時間算出部は、前記全領域コピー時間を、前記正常動作中の記憶媒体の記憶容量、平均アクセス速度に基づいて算出することを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像処理装置において、前記新しい記憶媒体及び前記外部記憶媒体が前記画像処理装置に接続されている場合、前記判定部により速いと判定された方法に従って、前記正常動作中の記憶媒体から前記新しい記憶媒体へのデータ転送を実行することを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像処理装置において、前記判定部による判定結果と共に、前記バックアップ総時間と前記全領域コピー時間とを表示し、バックアップによるデータ転送と全領域コピーによるデータ転送のいずれかの方法をユーザに選択させる画面を表示する表示部を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項10】
ミラーリングにより同一データを相互に保存する複数の記憶媒体を備え、該複数の記憶媒体のうちの1つを新しい記憶媒体に交換する際に、正常動作中の記憶媒体に保存されたデータを前記新しい記憶媒体に転送する画像処理装置によるミラーリング判定方法であって、
前記正常動作中の記憶媒体から前記新しい記憶媒体へ全領域コピーによるデータ転送に要する全領域コピー時間を算出する全領域コピー時間算出ステップと、前記正常動作中の記憶媒体から前記新しい記憶媒体へ外部記憶媒体を用いたバックアップによるデータ転送に要するバックアップ総時間を算出するバックアップ総時間算出ステップと、前記全領域コピー時間と前記バックアップ総時間とを比較し、全領域コピーによるデータ転送とバックアップによるデータ転送のいずれの方法が速いか判定する判定ステップとを備えたことを特徴とするミラーリング判定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−103873(P2012−103873A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−251376(P2010−251376)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】