説明

画像処理装置及び方法並びに画像表示装置

【課題】高周波数成分側に折り返し成分を含むカラー画像、或いは高周波数成分を十分に含まないカラー画像が入力された場合でも、有彩色部分のエッジの近傍で色の濃淡を変化させることなく強調処理画像を得る。
【解決手段】カラー画像の輝度画像(YIN)から特定の周波数帯域の成分を取り出して第1の中間画像(D1)を生成し(1)、第1の中間画像(D1)をもとに第2の中間画像(D2)を生成し(2)、第1の中間画像(D1)と第2の中間画像(D2)を加算して高周波数成分加算画像(D4)を生成するとともに、輝度画像(YIN)に高周波数成分加算画像(D4)を加算して出力輝度画像(YOUT)を生成し(4)、高周波数成分加算画像(D4)の各画素値に基づいて、カラー画像の色差画像(CRIN、CBIN)の各画素値を増減させる(5)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力画像に対し強調処理する画像処理装置及び方法並びにこれらを用いた画像表示装置に関し、例えば入力画像として、元となる画像を拡大した拡大画像が入力された際に、高周波数成分の生成及び加算をすることによって、解像感の高い出力画像を得るよう画像の強調処理を行うものである。
【背景技術】
【0002】
一般に画像を表す画像信号に対し適宜画像処理を施した後、画像を再生表示するということが行われている。また、カラー画像に画像の強調処理を行う場合、輝度信号に画像強調処理を行っている。
【0003】
例えば特許文献1に記載された画像処理装置においては、多重解像度に変換された細部画像に対して、所望の周波数帯域の細部画像に対する強調係数をその所望の周波数帯域よりも低周波数帯域の細部画像の信号に基づいて設定することにより、所望の周波数帯域を強調している。
【0004】
さらに特許文献2に記載された鮮鋭度強調回路においては、入力した映像信号の輝度成分に対して、その輝度成分の最も高い高域の成分が含まれる周波数帯を中心として強調する第1の強調回路と、第1の強調回路よりも低い中心周波数で映像信号の輝度成分を強調する第2の強調回路を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−44651号公報
【特許文献2】特開2000−115582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、多重解像度に変換された細部画像に対して、所望の周波数帯域の細部画像に対する強調係数を適宜設定する画像処理装置では、入力画像によっては強調処理が不適切あるいは不十分となり、適正な画質の出力画像を得ることができないことがあった。
【0007】
例えば、入力画像として拡大処理を受けた画像が入力される場合、入力画像の周波数スペクトルの高周波数成分側には、拡大処理前の画像の周波数スペクトルの一部が折り返した成分(折り返し成分)が現れる。したがって単純に高周波数成分を強調すると、この折り返し成分を強調してしまい、不適切な処理となる。また、周波数帯域を限定し、折り返し成分を含まない周波数帯域のみを強調すると、周波数スペクトルで考えた場合、高周波数成分側の強調を避けることになり、結果的に不十分な強調処理となってしまう。
【0008】
また、入力画像としてノイズ処理を受けた画像が入力される場合、高周波数成分側の周波数スペクトルはノイズ処理によって失われている。したがって高周波数成分を取り出そうとしても、取り出すことができず、十分に画像の強調処理を行えないことがある。
【0009】
また、入力した映像信号の輝度成分に対して、強調処理を行う場合、有彩色部分(彩度が比較的高い部分)のエッジ付近で色の濃淡が変化することがある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の画像処理装置は、
カラー画像が入力される画像処理装置であって、
前記カラー画像の輝度信号を表す輝度画像から特定の周波数帯域の成分を取り出した第1の中間画像を生成する第1の中間画像生成手段と、
前記第1の中間画像をもとに第2の中間画像を生成する第2の中間画像生成手段と、
前記第1の中間画像と前記第2の中間画像を加算した高周波数成分加算画像と、前記輝度画像に前記高周波数成分加算画像を加算した出力輝度画像を生成する加算手段と、
前記高周波数成分加算画像の各画素値に基づいて、前記カラー画像の色差信号を表す色差画像の各画素値を増減させる色差増減手段と
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、入力画像がその周波数スペクトルにおいて、高周波数成分側に折り返し成分を含んでいる場合や、高周波数成分を十分に含んでいない場合でもオーバーシュートの発生を防止しつつ、十分に画像の強調処理を行うことができ、さらに有彩色部分のエッジ付近で色の濃淡が不自然に変化することがない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1による画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の第1の中間画像生成手段1の構成例を示すブロック図である。
【図3】図1の第2の中間画像生成手段2の構成例を示すブロック図である。
【図4】図1の色差増減手段5の構成例を示すブロック図である。
【図5】図3の水平方向非線形処理手段2Ahの構成例を示すブロック図である。
【図6】図3の垂直方向非線形処理手段2Avの構成例を示すブロック図である。
【図7】(A)〜(C)は、高周波数成分加算画像D4、入力CR画像CRIN、及び入力CB画像CBINの画素の配置を示す図である。
【図8】高周波数成分加算画像D4の画素値Lと増幅率決定手段5Aで決定される増幅率GAINの関係の一例を表す図である。
【図9】本発明による画像処理装置を用いた画像表示装置の構成例を示すブロック図である。
【図10】図9の画像拡大手段U1の構成例を示すブロック図である。
【図11】(A)〜(E)は、図10の画像拡大手段U1の動作を示す画素配置図である。
【図12】(A)〜(D)は、図10の画像拡大手段U1の動作を説明するための周波数応答及び周波数スペクトルを示す図である。
【図13】(A)〜(E)は、第1の中間画像生成手段1の動作を説明するための周波数応答及び周波数スペクトルを示す図である。
【図14】(A)〜(C)は、第2の中間画像生成手段2の動作を説明するための周波数応答及び周波数スペクトルを示す図である。
【図15】(A)〜(C)は、ステップエッジとステップエッジをサンプリング間隔S1でサンプリングしたときに得られる、相連続する画素の信号の値を示す図である。
【図16】(A)〜(C)は、ステップエッジとステップエッジをサンプリング間隔S2でサンプリングしたときに得られる、相連続する画素の信号の値を示す図である。
【図17】(A)〜(F)は、第1の中間画像生成手段1及び第2の中間画像生成手段2の動作を説明するための、相連続する画素の信号の値を示す図である。
【図18】(A)及び(B)は、高周波数成分の加算に適度に行うことによって、画像の鮮鋭感を増した場合、及び高周波数成分の加算を過度に行った結果、画質の低下を招いた場合の、相連続する画素の信号の値を示す図である。
【図19】高周波数成分加算画像D4の画素値Lと増幅率決定手段5Aで決定される増幅率GAINの関係の他の例を表す図である。
【図20】本発明の実施の形態2による画像処理方法における処理を示すフロー図である。
【図21】図20の第1の中間画像生成ステップST1における処理を示すフロー図である。
【図22】図20の第2の中間画像生成ステップST2における処理を示すフロー図である。
【図23】図22の水平方向非線形処理ステップST2Ahにおける処理を示すフロー図である。
【図24】図22の垂直方向非線形処理ステップST2Avにおける処理を示すフロー図である。
【図25】図20の増幅率決定ステップST5における処理を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による画像処理装置の構成を表す図であり、図示の画像処理装置は、例えば画像表示装置の一部として用いることができる。
【0014】
図示の画像処理装置には、入力画像IMGINが入力され、出力画像IMGOUTが出力される。入力画像IMGINはカラー画像であり、輝度成分を表す信号YIN(以下、入力輝度画像YINと呼ぶ)と色差成分を表す信号CRIN及びCBINから成る。信号CRIN(以下、入力CR画像CRINと呼ぶ)は色差成分のうちCr成分を表し、信号CBIN(以下、入力CB画像CBINと呼ぶ)は色差成分のうちCb成分を表す。出力画像IMGOUTもカラー画像であり、輝度成分を表す信号YOUT(以下、出力輝度画像YOUTと呼ぶ)と色差成分を表す信号CROUT及びCBOUTから成る。信号CROUT(以下、出力CR画像CROUTと呼ぶ)は色差成分のうちCr成分を表し、信号CBOUT(以下、入力CB画像CBOUTと呼ぶ)は色差成分のうちCb成分を表す。
【0015】
図示の画像処理装置は、第1の中間画像生成手段1と、第2の中間画像生成手段2と、加算手段4と、色差増減手段5とを有する。
第1の中間画像生成手段1は、入力輝度画像YINから特定の周波数帯域の成分(即ち第1の周波数(第1の所定の周波数)から第2の周波数(第2の所定の周波数)までの成分)を取り出した中間画像(第1の中間画像)D1を生成する。
第2の中間画像生成手段2は、中間画像D1に後述する処理を行った中間画像(第2の中間画像)D2を生成する。
加算手段4は、入力輝度画像YINと、中間画像D1と、中間画像D2を加算する。
色差増減手段5は、入力CR画像CRIN及び入力CB画像CBINに後述する処理を行う。
加算手段4の出力画像が出力輝度画像YOUTに相当し、色差増減手段5の出力が、出力CR画像CROUT及び出力CB画像CBOUTに相当する。
【0016】
図2は第1の中間画像生成手段1の構成例を示した図であり、図示の第1の中間画像生成手段1は、入力輝度画像YINから第1の周波数以上の高周波数成分のみを取り出した画像D1Aを生成する高周波数成分画像生成手段1Aと、画像D1Aの第2の周波数以下の低周波数成分のみを取り出した画像D1Bを生成する低周波数成分画像生成手段1Bとを有する。第2の周波数は第1の周波数より高く、高周波数成分画像生成手段1Aと低周波数成分画像生成手段1Bとで、特定の周波数帯域の成分を取り出す帯域通過フィルタ手段が構成されている。第1の中間画像生成手段1からは画像D1Bが中間画像D1として出力される。
【0017】
図3は第2の中間画像生成手段2の構成例を示した図であり、図示の第2の中間画像生成手段2は、中間画像D1に対し、後述する非線形処理を行った画像D2Aを出力する非線形処理手段2Aと、画像D2Aの第3の周波数(第3の所定の周波数)以上の高周波数成分のみを取り出した画像D2Bを出力する高周波数成分画像生成手段2Bを有する。第2の中間画像生成手段2からは画像D2Bが中間画像D2として出力される。
【0018】
加算手段4は、中間画像D1と中間画像D2を加算した結果を高周波数成分加算画像D4として出力する。また、入力輝度画像YINに対し、高周波数成分加算画像D4を加算した結果(即ち、中間画像D1及び中間画像D2を加算した結果)を、出力輝度画像YOUTとして出力する。
【0019】
図4は色差増減手段5の構成例を示した図であり、図示の色差増減手段5は、増幅率決定手段5Aと、色差Cr乗算手段(第1の色差乗算手段)5B1と、色差Cb乗算手段(第2の色差乗算手段)5B2とを備える。
増幅率決定手段5Aは、高周波数成分加算画像D4に基づいて増幅率D5Aを決定する。
色差Cr乗算手段5B1は、増幅率D5Aの値に基づいて、入力CR画像CRINの各画素値を増減し、その結果を画像D5B1として出力する。
色差Cb乗算手段5B2は、増幅率D5Aの値に基づいて、入力CB画像CBINの各画素値を増減し、その結果を画像D5B2として出力する。
【0020】
以下、本発明の実施の形態1による画像処理装置の詳細な動作について説明を行う。
まず、第1の中間画像生成手段1の詳細な動作について説明する。
第1の中間画像生成手段1は、高周波数成分画像生成手段1Aにおいて、入力輝度画像YINの第1の周波数以上の高周波数成分のみを取り出した画像D1Aを生成する。
高周波数成分の取り出しは、ハイパスフィルタ処理を行うことで可能である。高周波数成分の取り出しは画像の水平方向及び垂直方向それぞれについて行う。即ち高周波数成分画像生成手段1Aは、入力輝度画像YINに対し、水平方向のハイパスフィルタ処理を行って水平方向についてのみ第1の水平方向周波数(第1の所定の水平方向周波数)以上の高周波数成分を取り出した画像D1Ahを生成する水平方向高周波数成分画像生成手段1Ahと、垂直方向のハイパスフィルタ処理を行って垂直方向についてのみ第1の垂直方向周波数(第1の所定の垂直方向周波数)以上の高周波数成分を取り出した画像D1Avを生成する垂直方向高周波数成分画像生成手段1Avを有し、画像D1Aは画像D1Ahと画像D1Avから成る。
【0021】
次に、第1の中間画像生成手段1は、低周波数成分画像生成手段1Bにおいて、画像D1Aの第2の周波数以下の低周波数成分のみを取り出した画像D1Bを生成する。低周波数成分の取り出しは、ローパスフィルタ処理を行うことで可能である。低周波数成分の取り出しは水平方向及び垂直方向それぞれについて行う。即ち低周波数成分画像生成手段1Bは、画像D1Ahに対し水平方向のローパスフィルタ処理を行って水平方向についてのみ第2の水平方向周波数(第2の所定の水平方向周波数)以下の低周波数成分を取り出した画像D1Bhを生成する水平方向低周波数成分画像生成手段1Bhと、画像D1Avに対し垂直方向のローパスフィルタ処理を行って垂直方向についてのみ第2の垂直方向周波数(第2の所定の垂直方向周波数)以下の低周波数成分を取り出した画像D1Bvを生成する垂直方向低周波数成分画像生成手段1Bvとを有し、画像D1Bは画像D1Bhと画像D1Bvから成る。第1の中間画像生成手段1からは、画像D1Bが中間画像D1として出力される。なお、中間画像D1は、画像D1Bhに相当する画像D1hと、画像D1Bvに相当する画像D1vから成る。
【0022】
次に、第2の中間画像生成手段2の詳細な動作について説明する。
まず、第2の中間画像生成手段2は、非線形処理手段2Aにおいて、中間画像D1に対して後述する非線形処理を行った画像D2Aを生成する。非線形処理は、水平方向及び垂直方向それぞれについて行う。即ち非線形処理手段2Aは、画像D1hに対して後述する非線形処理を行って画像D2Ahを生成する水平方向非線形処理手段2Ahと、画像D1vに対して後述する非線形処理を行って画像D2Avを生成する垂直方向非線形処理手段2Avとを有し、画像D2Aは画像D2Ahと画像D2Avから成る。
【0023】
非線形処理手段2Aの動作についてさらに詳しく説明する。非線形処理手段2Aは互いに同様の構成から成る水平方向非線形処理手段2Ahと、垂直方向非線形処理手段2Avを備える。水平方向非線形処理手段2Ahは水平方向の処理を行い、垂直方向非線形処理手段2Avは垂直方向の処理を行う。
【0024】
図5は水平方向非線形処理手段2Ahの構成例を表す図である。図示の水平方向非線形処理手段2Ahはゼロクロス判定手段311hと、信号増幅手段312hとを備える。非線形処理手段2Ahには、画像D1hが入力画像DIN311hとして入力される。
【0025】
ゼロクロス判定手段311hは入力画像DIN311hにおける画素値の変化を水平方向に沿って確認する。そして画素値が正の値から負の値へ、あるいは負の値から正の値へと変化する箇所をゼロクロス点として捉え、信号D311hによってゼロクロス点の前後にある画素(前後において隣接する画素)の位置を信号増幅手段312hに伝達する。ここで「前後」とは信号が供給される順序における前後であり、水平方向に左から右に画素の信号が供給されるときは「左右」を意味し、垂直方向に上から下に画素の信号が供給されるときは「上下」を意味する。ゼロクロス判定手段311hでは、水平方向非線形処理手段2Ah内のゼロクロス判定手段311hでは、ゼロクロス点の左右に位置する画素がゼロクロス点の前後に位置する画素として認識される。
【0026】
信号増幅手段312hは信号D311hをもとにゼロクロス点の前後にある画素(前後において隣接する画素)を特定し、ゼロクロス点の前後にある画素についてのみその画素値を増幅させた(絶対値を大きくした)非線形処理画像D312hを生成する。即ち、ゼロクロス点前後にある画素の画素値に対しては増幅率を1より大きな値とし、それ以外の画素の画素値に対しての増幅率は1とする。
水平方向非線形処理手段2Ahからは画像D2Ahとして非線形処理画像D312hが出力される。
【0027】
図6は垂直方向非線形処理手段2Avの構成例を表す図である。図示の垂直方向非線形処理手段2Avはゼロクロス判定手段311vと、信号増幅手段312vとを備える。非線形処理手段2Avには、画像D1vが入力画像DIN311vとして入力される。
【0028】
ゼロクロス判定手段311vは入力画像DIN311vにおける画素値の変化を垂直方向に沿って確認する。そして画素値が正の値から負の値へ、あるいは負の値から正の値へと変化する箇所をゼロクロス点として捉え、信号D311vによってゼロクロス点の前後にある画素(前後において隣接する画素)の位置を信号増幅手段312vに伝達する。垂直方向非線形処理手段2Av内のゼロクロス判定手段311vでは、ゼロクロス点の上下に位置する画素がゼロクロス点の前後に位置する画素として認識される。
【0029】
信号増幅手段312vは信号D311vをもとにゼロクロス点の前後にある画素(前後において隣接する画素)を特定し、ゼロクロス点の前後にある画素についてのみその画素値を増幅させた(絶対値を大きくした)非線形処理画像D312vを生成する。即ち、ゼロクロス点前後にある画素の画素値に対しては増幅率を1より大きな値とし、それ以外の画素の画素値に対しての増幅率は1とする。
以上が非線形処理手段2Aの動作である。
【0030】
次に第2の中間画像生成手段2は、高周波数成分画像生成手段2Bにおいて、画像D2Aの第3の周波数(第3の所定の周波数)以上の高周波数成分のみを取り出した画像D2Bを生成する。高周波数成分の取り出しは、ハイパスフィルタ処理を行うことで可能である。高周波数成分の取り出しは画像の水平方向及び垂直方向それぞれについて行う。即ち高周波数成分画像生成手段2Bは、画像D2Ahに対し水平方向のハイパスフィルタ処理を行って水平方向についてのみ第3の水平方向周波数(第3の所定の水平方向周波数)以上の高周波数成分を取り出した画像D2Bhを生成する水平方向高周波数成分画像生成手段2Bhと、画像D2Avに対し垂直方向のハイパスフィルタ処理を行って垂直方向についてのみ第3の垂直方向周波数(第3の所定の垂直方向周波数)以上の高周波数成分を取り出した画像D2Bvを生成する垂直方向高周波数成分画像生成手段2Bvとを有し、画像D2Bは画像D2Bhと画像D2Bvとから成る。第2の中間画像生成手段2からは、画像D2Bが中間画像D2として出力される。中間画像D2は画像D2Bhに相当する画像D2hと、画像D2Bvに相当する画像D2vとから成る。
【0031】
次に加算手段4の動作について説明する。加算手段4は中間画像D1及び中間画像D2を加算した結果を高周波数成分加算画像D4として出力する。また、入力輝度画像YINに対し、高周波数成分加算画像D4を加算した結果(即ち、中間画像D1及び中間画像D2を加算した結果)を、出力輝度画像YOUTとして出力する。出力輝度画像YOUTは最終的な出力画像IMGOUTの一部として、画像処理装置から出力される。
【0032】
中間画像D1は画像D1h及び画像D1vから成っており、中間画像D2は画像D2h及び画像D2vから成っているので、中間画像D1、及び中間画像D2を加算するとは、画像D1h、D1v、D2h、及びD2vの全てを加算することを意味する。
【0033】
ここで、加算手段4での加算処理は単純加算に限らず重み付け加算を行なっても良い。即ち、画像D1h、D1v、D2h、及びD2vの各々をそれぞれ異なる増幅率で増幅してから加算したものを高周波数成分加算画像D4としてもよい。
【0034】
次に色差増減手段5の詳細な動作について説明する。まず、色差増減手段5は増幅率決定手段5Aにおいて高周波数成分加算画像D4をもとに増幅率D5Aを決定する。ここで、増幅率D5Aの決定は画素ごとに行われる。
【0035】
図7(A)〜(C)は高周波数成分加算画像D4、入力CR画像CRIN、及び入力CB画像CBINの画素の配置を示す図であり、図7(A)が高周波数成分加算画像D4を、図7(B)が入力CR画像CRINを、図7(C)が入力CB画像CBINを表している。また、図7(A)〜(C)では画像の水平方向及び垂直方向に合わせて水平座標及び垂直座標が表されている。さらに、高周波数成分加算画像D4については、水平座標x、垂直座標yの位置にある画素の画素値がL(xy)という記号で表されており、入力CR画像CRINについては、水平座標x、垂直座標yの位置にある画素の画素値がCr(xy)という記号で表されており、入力CB画像CBINについては、水平座標x、垂直座標yの位置にある画素の画素値がCb(xy)という記号で表されている。
【0036】
増幅率決定手段5Aは入力CR画像CRIN及び入力CB画像CBINの各画素に対する増幅率を高周波数成分加算画像D4の同一座標の画素値に基づいて決定する。即ち、画素値Cr(11)及びCb(11)に対する増幅率は画素値L(11)をもとに決定し、画素値Cr(12)及びCb(12)に対する増幅率は画素値L(12)をもとに決定し、一般化すれば、画素値Cr(xy)及びCb(xy)に対する増幅率は画素値L(xy)をもとに決定し、という様に高周波数成分加算画像D4の同一座標の画素値をもとに増幅率を決定し、その結果を増幅率D5Aとして出力する。
【0037】
図8は、高周波数成分加算画像D4の画素値(以下、Lと表す)と増幅率決定手段5Aで決定される増幅率(以下、GAINと表す)の関係を表す図である。
図示のように、Lがゼロの場合、GAINは1となり、Lが正の値の場合、GAINは1より大きな値となり、Lが負の場合、GAINは1より小さい正の値となる。このようなLとGAINの関係は例えば、以下の式
【数1】

で表すことが出来る。ここでkp、kmは正の値をとる予め定められた係数であり、kpは図8の曲線のL>0の領域における傾きを表し、kmは図8の曲線のL<0の領域における傾きを表す。
【0038】
なお、GAINは必ず正の値をとる。式(1)によってGAINを計算する場合、Lのとりうる値に対してkmの値を十分小さくすれば、GAINの値が常に正の値となるようにすることが出来る。例えばLを符号付きの8ビット整数値とした場合、Lの取りうる値は−128以上127以下である。したがってkmは1/128より小さな値とすればよい。一般化すれば、Lのとりうる値が−ML以上(MLは正の値)であれば、kmの値を1/ML以下とすればよく、これによりGAINが負の値とならないようにすることができる。このようにkmに対する制限はLの取りうる値の最小値から容易に考えることが出来る。
【0039】
色差Cr乗算手段5B1は増幅率D5Aを入力CR画像CRINの画素値に対してかけた結果を画像D5B1として出力する。増幅率D5Aが1より大きい場合、入力CR画像CRINの画素値は増幅され、増幅率D5Aが1より小さい場合、入力CR画像CRINの画素値は減少され、増幅率D5Aが1の場合、入力CR画像CRINの画素値は維持されることになる。なお、増幅率D5Aの値は、高周波数成分加算画像D4の画素値が正の場合、1より大きくなり、負の場合、1より小さくなり、ゼロの場合、1となるので、結局、入力CR画像CRINの画素値は、高周波数成分加算画像D4の画素値が正の場合、増幅され、負の場合、減少され、ゼロの場合、維持される。
【0040】
同様に、色差Cb乗算手段5B2は増幅率D5Aを入力CB画像CBINの画素値に対してかけた結果を画像D5B2として出力する。増幅率D5Aが1より大きい場合、入力CB画像CBINの画素値は増幅され、増幅率D5Aが1より小さい場合、入力CB画像CBINの画素値は減少され、増幅率D5Aが1の場合、入力CB画像CBINの画素値は維持されることになる。なお、増幅率D5Aの値は、高周波数成分加算画像D4の画素値が正の場合、1より大きくなり、負の場合、1より小さくなり、ゼロの場合、1となるので、結局、入力CB画像CBINの画素値は、高周波数成分加算画像D4の画素値が正の場合、増幅され、負の場合、減少され、ゼロの場合、維持される。
【0041】
そして、画像D5B1が出力CR画像CROUTとして出力され、画像D5B2が出力CB画像CBOUTとして出力される。また、出力CR画像CROUT及び出力CB画像CBOUTは最終的な出力画像IMGOUTの一部として、画像処理装置から出力される。
以上が色差増減手段5の動作である。
【0042】
以下、本発明における画像処理装置を画像表示装置の一部として利用する例について説明する。この説明を通じて、本発明における画像処理装置の作用、効果も明らかなものとなるであろう。なお、以下の説明では特に断らない限り、Fnという記号は入力画像IMGINのナイキスト周波数を表す。
【0043】
図9は本発明における画像処理装置を利用した画像表示装置を示し、図示の画像表示装置においては、モニタU3上に原画IMGORGに対応した画像が表示される。
【0044】
カラー画像拡大手段U1は、原画IMGORGの画像サイズがモニタU3の画像サイズより小さい場合、原画IMGORGを拡大した画像IMGU1を出力する。ここで画像を拡大する手段としては、バイキュービック法などを用いることができる。
【0045】
本発明における画像処理装置U2は、画像IMGU1を入力画像IMGINとし、入力画像IMGINに対し、先に説明した処理を行った画像DU2を出力する。そしてモニタU3上には画像DU2が表示される。
【0046】
なお、画像DU2は輝度信号(Y)と色差信号(Cr、Cb)に分かれている(以下、YCbCr形式と呼ぶこともある)ので、通常、モニタU3に表示される前に赤(R)、緑(G)、青(B)の色信号(以下RGB形式と呼ぶこともある)に変換される。YCbCr形式とRGB形式の間の変換は例えば国際電気通信連合による勧告ITU−R.BT601等に記載されており、RGB形式からYCbCr形式への変換は
Y=0.299R+0.587G+0.114B
Cr=0.500R−0.419G−0.081B
Cb=−0.169R−0.331G+0.500B
…(2)
により行なわれ、YCbCr形式からRGB形式への変換は
R=1.000Y+1.402Cr+0.000Cb
G=1.000Y−0.714Cr−0.344Cb
B=1.000Y+0.000Cr+1.772Cb
…(3)
により行なわれる。なお、式(2)、式(3)に示した係数は一例であって、本発明はこれに限定されない。また、入力画像が8ビットデータの場合、Cr、Cbの値は通常−128以上127以下の範囲に丸め込まれる。
【0047】
以下、原画IMGORGは、水平方向及び垂直方向ともにその画素数がモニタU3の画素数の半分であるとして、まずカラー画像拡大手段U1の動作、作用について説明を行う。
【0048】
カラー画像拡大手段U1は原画IMGORGの輝度成分を表す画像YORGを拡大した画像DU1Yを生成する画像拡大手段U1Yと、Cr成分を表す画像CRORGを拡大した画像DU1CRを生成する画像拡大手段U1CRと、Cb成分を表す画像CBORGを拡大した画像DU1CBを生成する画像拡大手段U1CBとを有する。なお、画像拡大手段U1Y、画像拡大手段U1CR、及び画像拡大手段U1CBの構成はいずれも、図10に示す画像拡大手段U1と同じにすることができる。
【0049】
図10は画像拡大手段U1の構成例を表す図であり、画像拡大手段U1は水平方向ゼロ挿入手段U1Aと、水平方向低周波数成分通過手段U1Bと、垂直方向ゼロ挿入手段U1Cと、垂直方向低周波数成分通過手段U1Dとを有する。
また、画像拡大手段U1への入力画像を原画DORGとして表す。
水平方向ゼロ挿入手段U1Aは原画DORGの水平方向に関して画素値0を持つ画素を適宜挿入した(原画DORGの水平方向に隣接する画素列相互間に、画素値0の画素から成る画素列を1列ずつ挿入した)画像DU1Aを生成する。
水平方向低周波数成分通過手段U1Bはローパスフィルタ処理により画像DU1Aの低周波数成分のみを取り出した画像DU1Bを生成する。
垂直方向ゼロ挿入手段U1Cは画像DU1Bの垂直方向に関して画素値0を持つ画素を適宜挿入した(画像DU1Bの垂直方向に隣接した画素行相互間に、画素値0の画素から成る画素行を1行ずつ挿入した)画像DU1Cを生成する。
垂直方向低周波数成分通過手段DU1Dは画像DU1Cの低周波数成分のみを取り出した画像DU1Dを生成する。
画像DU1Dが原画DORGを水平方向及び垂直方向ともに2倍した画像DU1として、画像拡大手段U1から出力される。
【0050】
図11(A)〜(E)は画像拡大手段U1の動作を詳しく説明するための図であり、図11(A)は原画DORGを、図11(B)は画像DU1Aを、図11(C)は画像DU1Bを、図11(D)は画像DU1Cを、図11(E)は画像DU1Dを表す。図11(A)〜(E)に関して、四角(升目)は画素を表し、その中に書かれた記号あるいは数値は各画素の画素値を表す。
【0051】
水平方向ゼロ挿入手段U1Aは図11(A)に示す原画DORGに対して、水平方向の1画素につき1個、画素値0をもった画素を挿入し(即ち、原画DORGの水平方向に隣接する画素列相互間に一つの、画素値0の画素から成る画素列を挿入し)、図11(B)に示す画像DU1Aを生成する。水平方向低周波数成分通過手段U1Bは図11(B)に示す画像DU1Aに対して、ローパスフィルタ処理を施し、図11(C)に示す画像DU1Bを生成する。
垂直方向ゼロ挿入手段U1Cは図11(C)に示す画像DU1Bに対して、垂直方向の1画素につき1個、画素値0をもった画素を挿入し(即ち、画像DU1Bの垂直方向に隣接する画素行相互間に一つの、画素値0の画素から成る画素行を挿入し)、図11(D)に示す画像DU1Cを生成する。垂直方向低周波数成分通過手段U1Dは図11(D)に示す画像DU1Cに対して、ローパスフィルタ処理を施し、図11(E)に示す画像DU1Dを生成する。
以上の処理により原画DORGを水平方向及び垂直方向ともも2倍に拡大した画像DU1Dが生成される。
【0052】
図12(A)〜(D)は画像拡大手段U1による処理の作用を周波数空間上で表したものであり、図12(A)は原画DORGの周波数スペクトル、図12(B)は画像DU1Aの周波数スペクトル、図12(C)は水平方向周波数成分通過手段U1Bの周波数応答、図12(D)は画像DU1Bの周波数スペクトルを表している。なお、図12(A)〜(D)において横軸は水平方向の空間周波数を表す周波数軸であり、縦軸は周波数スペクトルもしくは周波数応答の強度を表している。
原画DORGの画素数は水平方向及び垂直方向とも画像DU1の半分であり、言い換えると原画DORGのサンプリング間隔は画像DU1のサンプリング間隔の2倍である。したがって原画DORGのナイキスト周波数は画像DU1のナイキスト周波数の半分である。
一方、画像拡大手段U1(あるいは画像拡大手段U1Y、画像拡大手段U1CR、画像拡大手段U1CB)の出力する画像IMGU1が入力画像IMGINとして用いられるので、明らかに、画像DU1の画素数と入力画像IMGINの画素数は同じである。即ち画像DU1のナイキスト周波数もFnである。したがって原画DORGのナイキスト周波数は入力画像入力画像IMGINのナイキスト周波数の半分即ち、Fn/2である。
【0053】
なお、図12では表記を簡単にするため、1本の周波数軸しか用いていない。しかしながら、通常、画像データは2次元平面状に並んだ画素配列上に与えられた画素値から成り、その周波数スペクトルも水平方向の周波数軸及び垂直方向の周波数軸で張られる平面上に与えられるものである。したがって原画DORG等の周波数スペクトル等を正確に表すためには、水平方向の周波数軸及び垂直方向の周波数軸の両方を記載する必要がある。しかしながらその周波数スペクトルの形状は通常、周波数軸上の原点を中心に等方的に広がったものであり、周波数軸1本で張られる空間上での周波数スペクトルを示しさえすれば、そこから周波数軸2本で張られる空間へ拡張して考察することは当業者にとって容易である。したがって以降の説明でも特に断らない限り、周波数空間上での説明は、1本の周波数軸で張られる空間を用いて行う。
【0054】
また、原画DORGとして入力される信号としては、輝度成分を表す画像YORGと、色差成分を表す画像CRORG及び画像CBORGがある。しかし、人間の目には色差成分の急峻な変化(或いは色差信号の持つ高周波数成分)については感度が低い。したがって、原画DORGとして色差成分を表す画像CRORG及び画像CBORGが入力される場合、以下で説明するような折り返し成分は通常問題とならない。以上の理由から以下で説明する現象は原画DORGとして輝度成分を表す画像YORGが入力された場合に、顕著に現れる。したがって以下の説明では原画DORGとして、原画IMGORGの輝度成分を表す画像YORGが入力される場合を前提にしている。
【0055】
まず、原画DORGの周波数スペクトルについて説明する。通常、自然画像が原画DORGとして入力されるが、その場合にはその輝度成分のスペクトル強度は周波数空間の原点周辺に集中している。したがって原画DORGの周波数スペクトルは図12(A)のスペクトルSPOのようになる。
【0056】
次に、画像DU1Aのスペクトル強度について説明する。画像DU1Aは、原画DORGに対して、水平方向に1画素につき1画素、画素値0を持った画素を挿入することで生成される。このような処理を行うと周波数スペクトルには原画DORGのナイキスト周波数を中心にした折り返しが発生する。即ち周波数±Fn/2を中心にスペクトルSPOが折り返したスペクトルSPMが発生するので、画像DU1Aの周波数スペクトルは図12(B)のように表される。
【0057】
次に、水平方向低周波数成分通過手段U1Bの周波数応答について説明する。水平方向低周波数成分通過手段はローパスフィルタによって実現されるので、その周波数応答は図12(C)に示すように周波数が高くなるほど低くなる。
【0058】
最後に、画像DU1Bの周波数スペクトルについて説明する。図12(B)に示す周波数スペクトルを持った画像DU1Aに対し、図12(C)に示した周波数応答を持ったローパスフィルタ処理を行うことで、図12(D)に示す画像DU1Bが得られる。
したがって画像DU1Bの周波数スペクトルは画像DU1Bに示すように、スペクトルSPMの強度がある程度落ちたスペクトルSP2と、スペクトルSPOの強度がある程度落ちたスペクトルSP1から成る。なお一般に、ローパスフィルタの周波数応答は周波数が高くなるほど低くなる。従って、スペクトルSP1の強度をスペクトルSPOと比較すると、水平方向低周波数成分通過手段U1Bによって、高周波数成分側、即ち周波数が±Fn/2の近傍でのスペクトル強度が減少したものとなる。
【0059】
また、画像拡大手段U1による処理のうち、垂直方向ゼロ挿入手段U1C及び垂直方向低周波数成分通過手段U1Dによる処理について、その周波数空間上での作用についての説明は省略するが、その処理の内容から、垂直方向の空間周波数を表す軸方向に対して、図12(A)〜(D)を参照して説明した内容と同様の作用があることは容易に理解できる。即ち、画像DU1Dの周波数スペクトルは、図12(D)に示した周波数スペクトルが2次元状に広がったものとなる。
【0060】
また、以降の説明ではスペクトルSP2のことを折り返し成分と呼ぶ。この折り返し成分は、画像上では、比較的高い周波数成分を持ったノイズあるいは偽の信号として現れる。そのようなノイズあるいは偽の信号としてジャギー、リンギング等が挙げられる。
【0061】
以下、本発明における画像処理装置の作用、効果について説明する。
図13(A)〜(E)は入力画像IMGIN(もしくは画像IMGU1)として原画IMGORGを拡大して得られた画像IMGU1が入力された場合の、入力輝度画像YINから中間画像D1を生成する際の作用、効果を模式的に表した図であり、
図13(A)は入力輝度画像YINの周波数スペクトルを、図13(B)は高周波数成分画像生成手段1Aの周波数応答を、図13(C)は低周波数成分画像生成手段1Bの周波数応答を、図13(D)は第1の中間画像生成手段1の周波数応答を、図13(E)は中間画像D1の周波数スペクトルを表す。なお、図13(A)〜(E)においても図12(A)〜(D)と同様の理由で周波数軸は1本しか用いていない。
【0062】
さらに図13(A)〜(E)では、空間周波数が0以上となる範囲でのみ周波数スペクトルあるいは周波数応答の強度を表しているが、以下の説明での周波数スペクトルあるいは周波数応答は、周波数軸上の原点を中心に対称的な形状となる。したがって説明に用いる図は、空間周波数が0以上となる範囲のみを示したもので十分である。
【0063】
まず、入力輝度画像YINの周波数スペクトルについて説明する。画像拡大手段U1Yにおける拡大処理によって生成された画像IMGU1が入力輝度画像YINとして入力されるので、入力輝度画像YINの周波数スペクトルは図13(A)に示すように、図12(D)で説明したものと同じ形状となり、原画IMGORGのスペクトルSPOの強度がある程度落ちたスペクトルSP1と折り返し成分となるスペクトルSP2から成る。
【0064】
次に、高周波数成分画像生成手段1Aの周波数応答について説明する。高周波数成分画像生成手段1Aはハイパスフィルタにより構成されているので、その周波数応答は図13(B)に示すように周波数が低くなるほど低くなる。
【0065】
次に、低周波数成分画像生成手段1Bの周波数応答について説明する。低周波数成分画像生成手段1Bはローパスフィルタにより構成されているので、その周波数応答は図13(C)に示すように周波数が高くなるほど低くなる。
【0066】
次に、第1の中間画像生成手段1の周波数応答について説明する。入力輝度画像YINが持つ周波数成分のうち、図13(D)に示された低周波数成分側の領域(「第1の周波数FL1」よりも低い周波数の帯域)RL1の周波数成分については、第1の中間画像生成手段1内の高周波数成分画像生成手段1Aで弱められる。一方、図13(D)に示された高周波数成分側の領域(第2の周波数FL2よりも高い周波数の帯域)RH1の周波数成分については、第1の中間画像生成手段1内の低周波数成分画像生成手段1Bで弱められる。したがって、第1の中間画像生成手段1の周波数応答は、図13(D)に示すように、低周波数成分側の領域RL1と高周波数成分側の領域RH1によって帯域を制限された中間の領域(特定の周波数帯域)RM1内にピークを持ったものとなる。
【0067】
次に、中間画像D1の周波数スペクトルについて説明する。図13(A)に示す周波数スペクトルを持つ入力輝度画像YINが、図13(D)に示した周波数応答を持つ第1の中間画像生成手段1を通過することで、図13(E)に示す中間画像D1が得られる。そして第1の中間画像生成手段1の周波数応答は、低周波数成分側の領域RL1と高周波数成分側の領域RH1によって帯域制限された中間の領域RM1にピークを持ったものなので、中間画像D1の周波数スペクトルは、入力輝度画像YINの周波数スペクトルのうち、低周波数成分側の領域RL1と高周波数成分側の領域RH1に含まれる部分の強度が弱くなったものとなる。従って中間画像D1は入力輝度画像YINの持つ高周波数成分から折り返し成分となるスペクトルSP2を取り除いたものとなる。即ち第1の中間画像生成手段1には、入力輝度画像YINのもつ高周波数成分から折り返し成分となるスペクトルSP1を取り除いた中間画像D1を生成するという効果がある。
【0068】
図14(A)〜(C)は第2の中間画像生成手段2の作用、効果を表した図であり、図14(A)は非線形処理画像D2Aの周波数スペクトルを、図14(B)は高周波数成分画像生成手段2Bの周波数応答を、図14(C)は画像D2Bの周波数スペクトルを表す。なお、図14(A)〜(C)では、図13(A)〜(E)と同様の理由で、空間周波数が0以上となる範囲でのみ周波数スペクトルあるいは周波数応答を表している。
【0069】
後述するように非線形処理画像D2Aでは、高周波数成分側の領域RH2に相当する高周波数成分が生成される。図14(A)はその様子を模式的に表した図である。図14(C)に示す画像D2Bは非線形処理画像D2Aが高周波数成分画像生成手段2Bを通過することで生成される。高周波数成分画像生成手段2Bは第3の周波数FL3以上の成分を通過させるハイパスフィルタで構成されており、その周波数応答は図14(B)に示すように周波数が高くなるほど高いものとなる。従って画像D2Bの周波数スペクトルは図14(C)に示すように非線形処理画像D2Aの周波数スペクトルから低周波数成分側の領域RL2に相当する成分(第3の周波数FL3よりも低い周波数成分)を取り除いたものとなる。言い換えると、非線形処理手段2Aには高周波数成分側の領域RH2に相当する高周波数成分を生成する効果があり、高周波数成分画像生成手段2Bには非線形処理手段2Aで生成された高周波数成分のみを取り出す効果がある。なお、図示の例では、第3の周波数FL3は、Fn/2に略等しい。
【0070】
上記の作用、効果についてさらに詳しく説明する。
図15(A)〜(C)及び図16(A)〜(C)はステップエッジをサンプリングした際に得られる輝度信号について表した図である。
図15(A)はステップエッジとサンプリング間隔S1を表しており、図15(B)はステップエッジをサンプリング間隔S1でサンプリングした際に得られる輝度信号を表しており、図15(C)は図15(B)に表された信号の高周波数成分を表している。一方、図16(A)はステップエッジとサンプリング間隔S1より間隔の広いサンプリング間隔S2を表しており、図16(B)はステップエッジをサンプリング間隔S2でサンプリングした際に得られる信号を表しており、図16(C)は図16(B)に表された信号の高周波数成分を表している。なお、以下の説明ではサンプリング間隔S2の長さはサンプリング間隔S1の長さの2倍であるとする。
【0071】
図15(C)及び図16(C)に表されるようにステップエッジの中央は高周波数成分を表す信号においてゼロクロス点Zとして現れる。また、高周波数成分を表す信号のゼロクロス点Zの近傍での傾きは、サンプリング間隔が短いほど急になり、かつゼロクロス点Zの近傍での局所的な最大値、最小値を与える点の位置も、サンプリング間隔が短いほどゼロクロス点Zに近づく。
【0072】
即ち、サンプリング間隔が変わっても、エッジの近傍において高周波数成分を表す信号のゼロクロス点の位置は変化しないが、サンプリング間隔が小さくなるほど(あるいは解像度が上がるほど)エッジの近傍での高周波数成分の傾きは急になり、局所的な最大値、最小値を与える点の位置はゼロクロス点に近づく。
【0073】
図17(A)〜(F)はステップエッジをサンプリング間隔S2でサンプリングした信号が2倍に拡大された後、本発明における画像処理装置に入力された際の作用、効果を表す図であり、特に第1の中間画像生成手段1及び第2の中間画像生成手段2の作用、効果を表している。なお、先に述べた通り、第1の中間画像生成手段1及び第2の中間画像生成手段2内部の処理は水平方向及び垂直方向のそれぞれについて行われるのでその処理は一次元的に行われる。したがって図17(A)〜(F)では一次元信号を用いて処理の内容を表している。
【0074】
図17(A)は、図16(B)と同様ステップエッジをサンプリング間隔S2でサンプリングした際の輝度信号を示す。図17(B)は、図17(A)に示される信号を2倍に拡大した信号を示す。即ち、原画DORGに図17(A)に示すようなエッジが含まれる場合、入力輝度画像YINとして図17(B)に示すような信号が入力される。なお、信号を2倍に拡大するとサンプリング間隔は拡大前の半分になるため、図17(B)に示される信号のサンプリング間隔は図14(A)〜(C)中のサンプリング間隔S1と同じになる。また、図17(A)において座標P3で表される位置はステップエッジの低輝度側(エッジ信号の低レベル側)の境界部分であり、座標P4で表される位置はステップエッジの高輝度側(エッジ信号の高レベル側)の境界である。
【0075】
図17(C)は図17(B)に示される信号の高周波数成分を表す信号、即ち高周波数成分画像生成手段1Aから出力される画像D1Aに相当する信号を示す。なお、画像D1Aは、入力輝度画像YINの高周波数成分を取り出したものなので、その中には折り返し成分も含まれている。
【0076】
図17(D)は図17(C)に示される信号の低周波数成分を表す信号、即ち低周波数成分画像生成手段1Bから出力される画像D1Bに相当する信号を示す。なお先に述べたとおり画像D1Bが中間画像D1として出力されるので、図17(D)は中間画像D1にも相当する。図17(D)に示すとおり、中間画像D1においてゼロクロス点Zの近傍の局所的な最小値は座標P3に、局所的な最大値は座標P4に表れ、その様子は図16(C)に示した、ステップエッジをサンプリング間隔S2でサンプリングした信号から取り出した高周波数成分と一致する。また、画像D1Aに含まれていた折り返し成分は、低周波数成分画像生成手段1Bで行うローパスフィルタ処理によって取り除かれる。
【0077】
図17(E)は、図17(D)に示される信号が非線形処理手段2Aに入力された際の出力信号、即ち、中間画像D1が入力された場合に非線形処理手段2Aから出力される画像D2Aを表している。非線形処理手段2Aではゼロクロス点Zの前後の(前後において隣接する)座標P1、P2の信号値が増幅される。したがって、画像D2Aは図17(E)に示すように座標P1、P2での信号値の大きさが他の値に比べ大きくなり、ゼロクロス点Zの近傍で、局所的な最小値の現れる位置が座標P3からよりゼロクロス点Zに近い座標P1に、局所的な最大値の現れる位置が座標P4からよりゼロクロス点Zに近い座標P2へと変化する。これは非線形処理手段2Aにおける、ゼロクロス点Zの前後の画素の値を増幅するという非線形処理によって、高周波数成分が生成されたことを意味する。このように画素ごとに適応的に増幅率を変える、あるいは画素に応じて処理の内容を適宜変えることで、高周波数成分を生成することが可能になる。即ち非線形処理手段2Aには、中間画像D1には含まれない高周波数成分、すわなち、図14(A)に示した高周波数成分側の領域RH2に相当する高周波数成分を生成する効果がある。
【0078】
図17(F)は図17(E)に示される信号の高周波数成分を表す信号、即ち高周波数成分画像生成手段2Bから出力される画像D2Bに相当する信号である。画像D2Bのより正確な形状については後述するが、図17(F)に示すとおり、画像D2Bにおいてゼロクロス点Zの近傍の局所的な最小値(負側のピーク)は座標P1に、最大値(正側のピーク)は座標P2に現れ、その様子は図15(C)に示した、ステップエッジをサンプリング間隔S1でサンプリングした信号から取り出した高周波数成分と一致する。これは非線形処理手段2Aにおいて生成された高周波数成分が高周波数成分画像生成手段2Bによって取り出され、画像D2Bとして出力されることを意味する。
また、取り出された画像D2Bはサンプリング間隔S1に対応した周波数成分を含む信号であるといえる。言い換えると、高周波数成分画像生成手段2Bには非線形処理手段2Aで生成された高周波数成分のみを取り出す効果がある。
【0079】
以上が第2の中間画像生成処理手段2の効果であり、まとめると、第2の中間画像生成処理手段2内の非線形処理手段2Aには高周波数成分側の領域RH2に相当する高周波数成分を生成する効果があり、第2の中間画像生成処理手段2内の高周波数成分画像生成手段2Bには非線形処理手段2Aで生成された高周波数成分のみを取り出す効果がある。そして画像D2Bが中間画像D2として出力されるので、第2の中間画像生成手段2は、サンプリング間隔S1に対応した高周波数成分を持った中間画像D2を出力することができる。
【0080】
ここで中間画像D1及び中間画像D2を入力輝度画像YINに加算することで画像の強調処理を行うことが可能である。
【0081】
まず、中間画像D1を加算することの効果について述べる。先に述べたとおり中間画像D1は入力輝度画像YINの持つ高周波数成分から折り返し成分を取り除いたものであり、図13(E)に示すように原画DORGのナイキスト周波数の近傍の高周波数成分に対応している。図12(D)で説明したとおり、原画DORGのナイキスト周波数の近傍のスペクトル強度は画像拡大手段U1での拡大処理によって弱められているので、中間画像D1を加算することで、拡大処理によって弱められたスペクトル強度を補うことができる。また、中間画像D1から、折り返し成分は取り除かれているので、ジャギー、リンギング等の偽の信号を強調することはない。
【0082】
次に中間画像D2を加算することの効果について述べる。先に述べたとおり中間画像D2はサンプリング間隔S1に対応した高周波数成分である。したがって画像D2を加算することで原画DORGのナイキスト周波数以上の帯域の高周波数成分を与えることがでるので、画像の解像感を増すことができる。
【0083】
まとめると中間画像D1と中間画像D2を入力輝度画像YINに加算することで、折り返し成分を強調することなく高周波数成分を加算することが可能となり、画像の解像感を高めることが可能となる。
【0084】
ところで、上記の説明の様にして生成した高周波数成分を入力画像に加算することで画像の鮮鋭感を増し、画質を向上することが可能であるが、高周波数成分の加算を過度に行うとかえって画質の低下を招くことがある。
【0085】
図18(A)及び(B)は高周波数成分の加算による画質の低下について説明するための図であり、図18(A)は高周波数成分の加算に適度に行うことによって、画像の鮮鋭感を増した場合を、図18(B)は高周波数成分の加算を過度に行った結果、画質の低下を招いた場合を表す。
【0086】
図18(A)は、図17(B)に示された入力輝度画像YINに対して図17(D)に示した中間画像D1及び図17(F)に示した中間画像D2を加算した結果を示す図であり、図17(A)において座標P3で表されたステップエッジの低輝度側の境界部分が、図18(A)では座標P1で表される位置へと修正され、図17(A)において座標P4で表されたステップエッジの高輝度側の境界部分が、図18(A)では座標P2で表される位置へと修正され、その結果、図17(A)と図18(A)を比較すると、図18(A)の方が図16(A)に示すステップエッジへと近づいていることがわかる。これは高周波数成分の加算に適度に行うことによってステップエッジを再現し、画像の鮮鋭感を増したことを表す。
【0087】
一方、図18(B)も、図17(B)に示された入力輝度画像YINに対して図17(D)に示した中間画像D1及び図17(F)に示した中間画像D2を加算した結果を表す図であるが、図18(A)の場合とは異なり、高周波数成分の加算が過度に行われた場合を表している。図18(A)と比較すると座標P1、P3で表される位置の輝度がその周辺と比べて不自然に低くなったり(アンダーシュート)、座標P2、P4で表される位置の輝度がその周辺と比べて不自然に高くなったり(オーバーシュート)して、画質が低下していることがわかる。
【0088】
特に入力輝度画像YINにおいてオーバーシュートが発生すると輝度信号が必要以上に大きくなる。式(3)から、輝度信号(Y)の値が大きくなるとRGB形式へ変換した場合、R、G、Bを表す各式の右辺の第1項が大きくなるので、結果的にR、G、Bとも大きな値になることがわかる。
【0089】
R、G、Bとも大きな値になるということは白色に近づくことを意味する。白色に近づくとは言い換えれば色が薄くなるということである。もともと無彩色に近い部分で色が薄くなっても相対的に目立たないが、有彩色部分(彩度が比較的高い部分)のエッジ付近で色が薄くなると、エッジの周りのみ色が薄くなり、不自然な感じを与える。
【0090】
言い換えると、有彩色の部分に中間画像D1や中間画像D2(あるいは高周波数成分加算画像D4)によって加算される輝度の大きさ(以下、補正量)が必要以上に大きくなると、色差に対し、輝度が相対的に大きくなりすぎ、色が薄くなるという問題が起きうる。また、上と逆の議論から、補正量が必要以上に小さな負の値になった場合、色差に対し、輝度が相対的に小さくなりすぎ、色が濃くなりすぎるという問題が起きうる。つまり有彩色部分のエッジの近傍で色の濃淡が変化するという問題がある。
【0091】
上記の問題は、補正量が正の値の場合は色差が輝度に対し相対的に小さくなってしまうことが、補正量が負の値の場合は色差が輝度に対し相対的に大きくなってしまうということが原因である。
【0092】
そこで本発明は、補正量に応じて色差信号を適宜増減させることで、色差が輝度に対し相対的に小さくなったり大きくなったりすることを防止することとしている。
【0093】
即ち、補正量が正の値の場合は、色差が相対的に小さくなるのを防止するために、色差信号を増幅し、補正量が負の値の場合は、色差が相対的に大きくなるのを防止するために、色差信号を減少させる。
【0094】
本発明の画像処理装置においては色差増減手段5で高周波成分加算画像D4の画素値に応じて、色差信号の値を増減させることとしている。即ち、高周波成分加算画像D4の画素値が正の場合は増幅率決定手段5Aから増幅率D5Aとして1より大きい値を出力し、色差Cr乗算手段5B1及び色差Cb乗算手段5B2で色差信号が増幅される。また、高周波成分加算画像D4の画素値が負の場合は増幅率決定手段5Aから増幅率D5Aとして1より小さい値が出力され、色差Cr乗算手段5B1及び色差Cb乗算手段5B2で色差信号が減少される。したがって上述した問題を未然に防ぐことが可能である。
【0095】
以上のように本発明の実施の形態1による画像処理装置では、有彩色部分のエッジ付近で色の濃淡が変化するという不具合の発生を抑えつつ、画像の強調処理を行うことができる。有彩色部分のエッジ付近で色の濃淡が変化すると視覚特性上不自然に感じられるので、本発明の実施の形態1による画像処理装置は、視覚特性上も非常に好ましい効果が得られる。
【0096】
また、入力CR画像CRIN及び入力CB画像CBINの各画素値に対して同じ増幅率D5Aをかけることで色の濃淡(あるいは彩度)は変化するが、入力CR画像CRIN及び入力CB画像CBINの各画素値の比は変化しないので、色相が変化することはない。したがって実施の形態1による画像処理装置では、色相を変化させることなく、エッジ付近で発生する色の濃淡を補正することが可能である。
【0097】
さらに、本発明における画像処理装置では、第1の中間画像生成手段1及び第2の中間画像生成手段2において、画像の水平方向に関する処理及び垂直方向に関する処理を並列に行っているので、画像の水平方向のみ、あるいは垂直方向のみに限らず任意の方向に関して上記の効果を得ることができる。
【0098】
また、本発明における画像処理装置では周波数空間で考えて原点からFnに渡る周波数帯域のうち、原画DORGのナイキスト周波数±Fn/2の近傍(あるいは特定の周波数帯域)に入力輝度画像YINが持っている成分をもとに、入力輝度画像YINのナイキスト周波数±Fnの近傍の高周波数成分に対応した画像D2Bを生成している。したがってなんらかの理由で、入力輝度画像YIN(あるいは入力画像IMGIN)において、ナイキスト周波数±Fnの近傍の周波数成分が失われていたとしても、画像D2Bにより、ナイキスト周波数±Fnの近傍の周波数成分を与えることが可能になる。言い換えると、入力輝度画像YINに対し、より高周波数成分側の周波数成分を与えられることになるので、出力輝度画像YOUT(あるいは出力画像IMGOUT)の解像感を増すことができる。
【0099】
なお、特定の周波数帯域として用いる箇所は、±Fn/2の近傍に限定されるものではない。即ち高周波数成分画像生成手段1A及び低周波数成分画像生成手段1Bの周波数応答を適宜変更することで、利用する周波数帯域を変更することができる。
【0100】
上記の説明ではナイキスト周波数Fnの近傍の周波数成分が失われる例として画像の拡大処理を挙げたが、入力輝度画像YINに対してナイキスト周波数Fnの近傍の周波数成分が失われる原因はそれに限らず、他にもノイズ除去処理等が考えられる。したがって本発明における画像処理装置の用途は画像拡大処理後に限定されるものではない。
【0101】
また、増幅率決定手段5Aで決定される増幅率5Aと高周波数成分加算画像D4の画素値の関係は式(1)に示したものに限られず、高周波数成分加算画像D4の画素値が正の場合は1より大きい値をとり、負の場合は1より小さい正の値をとるものであればよい。但し、色差信号に対する補正をより効果的にするには、高周波数成分加算画像D4の画素値がより大きな正の値になるほど、増幅率5Aもより大きな値にし、高周波数成分加算画像D4の画素値がより小さな負の値になるほど、増幅率5Aもより小さな1より小さい正の値にした方がよい。
しかしながら、そのようでなくとも、高周波数成分加算画像D4の画素値に対して増幅率5Aが単調に増加するものであればよい。
また、色差信号に対する過補正を防止するために増幅率D5Aの範囲に制限を設けてもよい。即ち閾値TH1、TH2(TH1>1、1>TH2>0とする)を設け、増幅率(GAIN)と輝度色差加算画像YCの画素値(L)の関係を例えば
【数2】

と定義してもよい。式(4)におけるkp、kmは式(1)について説明したのと同じものである。式(4)で表される増幅率GAINと画素値Lの関係は図19に示されるごとくである。
このように閾値によって増幅率(GAIN)の値に上限、下限を設けることで、色差増減手段5で色差成分に対して過補正がかかることを防止できる。
【0102】
なお、GAINとLの関係は式(1)、式(4)以外にも様々な変形例が考えられる。また、上述の説明では色差Cr増幅手段5B1及び色差Cb増幅手段5B2で同じ増幅率を用いているが、色差Cr乗算手段5B1と色差Cb乗算手段5B2とで異なる増幅率を用いるようにしてもよい。
【0103】
実施の形態2.
図20は本発明の実施の形態2による画像処理方法のフローを表す図であり、本発明の実施の形態2による画像処理方法は、第1の中間画像生成ステップST1、第2の中間画像生成ステップST2、加算ステップST4、及び色差増減ステップST5を含む。
【0104】
なお、実施の形態2による画像処理方法も実施の形態1と同様YCbCr形式で入力される入力画像IMGINに対して画像処理を行う。即ち、図示しない画像入力ステップで入力される入力画像IMGINはカラー画像であり、輝度成分を表す信号YIN(以下、入力輝度画像YINと呼ぶ)と、色差成分を表す信号CRIN及びCBINとから成る。信号CRIN(以下、入力CR画像CRINと呼ぶ)は色差成分のうちCr成分を表し、信号CBIN(以下、入力CB画像CBINと呼ぶ)は色差成分のうちCb成分を表す。
入力画像YINに対して以下に示す説明に従った処理を行うことによって生成された出力輝度画像YOUT、出力CR画像CROUT、及び出力CB画像CBOUTから成る出力画像IMGOUTが図示されない画像出力ステップによって最終的な出力画像として出力される。
【0105】
第1の中間画像生成ステップST1は、図21に示すように、高周波数成分画像生成ステップST1A、及び低周波数成分画像生成ステップST1Bを含む。
【0106】
高周波数成分画像生成ステップST1Aは、水平方向高周波数成分画像生成ステップST1Ah、及び垂直方向高周波数成分画像生成ステップST1Avを含み、低周波数成分画像生成ステップST1Bは、水平方向低周波数成分画像生成ステップST1Bh、及び垂直方向高周波巣成分画像ST1Bvを含む。
【0107】
第2の中間画像生成ステップST2は、図22に示すように、非線形処理ステップST2A、及び高周波数成分画像生成ステップST2Bを含む。
【0108】
非線形処理ステップST2Aは、水平方向非線形処理ステップST2Ah、及び垂直方向非線形処理ステップST2Avを含み、高周波数成分画像生成ステップST2Bは、水平方向高周波数成分通過ステップST2Bh、及び垂直方向高周波数成分通過ステップST2Bvを含む。
【0109】
水平方向非線形処理ステップST2Ahは、図23に示すように、ゼロクロス判定ステップST311h、及び信号増幅ステップST312hを含み、垂直方向非線形処理ステップST2Avは、図24に示すように、ゼロクロス判定ステップST311v、及び信号増幅ステップST312vを含む。
【0110】
まず、図21のフローに従って第1の中間画像生成ステップST1の動作について説明する。
高周波数成分画像生成ステップST1Aでは、入力輝度画像YINに対し、以下のような処理が行われる。
まず、水平方向高周波数成分画像生成ステップST1Ahでは、水平方向のハイパスフィルタ処理によって、入力輝度画像YINから水平方向の高周波数成分を取り出した画像D1Ahを生成する。
垂直方向高周波数成分画像ステップST1Avでは、垂直方向のハイパスフィルタ処理によって、入力輝度画像YINから垂直方向の高周波数成分を取り出した画像D1Avを生成する。
即ち、高周波数成分画像生成ステップST1Aは、入力輝度画像YINから、画像D1Ah及び画像D1Avから成る画像D1Aを生成する。この動作は高周波数成分画像生成手段1Aと同等である。
【0111】
低周波数成分画像生成ステップST1Bでは、画像D1Aに対し、以下のような処理が行われる。まず、水平方向低周波数成分画像生成ステップST1Bhでは、水平方向のローパスフィルタ処理によって、画像D1Ahから水平方向の低周波数成分を取り出した画像D1Bhを生成する。
垂直方向低周波数成分画像生成ステップST1Bvでは、垂直方向のローパスフィルタ処理によって、画像D1Avから垂直方向の低周波数成分を取り出した画像D1Bvを生成する。
即ち、低周波数成分画像生成ステップST1Bは、画像D1Aから、画像D1Bh及び画像D1Bvから成る画像D1Bを生成する。この動作は低周波数成分画像生成手段1Bと同等である。
【0112】
以上が第1の中間画像生成ステップST1の動作であり、第1の中間画像生成ステップST1は画像D1Bhを画像D1hとし、画像D1Bvを画像D1vとし、画像D1h及び画像D1vから成る中間画像D1を出力する。以上の動作は第1の中間画像生成手段1と同等である。
【0113】
次に図22〜図24のフローに従って第2の中間画像生成ステップST2の動作について説明する。
まず、非線形処理ステップST2Aでは中間画像D1に対し、以下のような処理を行う。
【0114】
まず、水平方向非線形処理ステップST2Ahでは、図23に示すフローに従った処理で画像D1hから画像D2Ahを生成する。図23に示すフローでの処理は以下の通りである。まず、ゼロクロス判定ステップST311hでは、画像D1hにおける画素値の変化を水平方向に沿って確認する。そして画素値が正の値から負の値へ、あるいは負の値から正の値へと変化する箇所をゼロクロス点として捉え、ゼロクロス点の左右に位置する画素を信号増幅ステップST312hに通知する。信号増幅ステップST312hでは画像D1hについて、ゼロクロス点の左右に位置すると通知された画素の画素値を増幅し、その画像を画像D2Ahとして出力する。即ち、非線形処理ステップST2Ahは、画像D1hに対し、水平方向非線形処理手段2Ahと同様の処理を行い、画像D2Ahを生成する。
【0115】
次に、垂直方向非線形処理ステップST2Avでは、図24に示すフローに従った処理で画像D1vから画像D2Avを生成する。図24に示すフローでの処理は以下の通りである。まず、ゼロクロス判定ステップST311vでは、画像D1vにおける画素値の変化を垂直方向に沿って確認する。そして画素値が正の値から負の値へ、あるいは負の値から正の値へと変化する箇所をゼロクロス点として捉え、ゼロクロス点の上下に位置する画素を信号増幅ステップST312vに通知する。信号増幅ステップST312vでは画像D1vについて、ゼロクロス点の上下に位置すると通知された画素の画素値を増幅し、その画像を画像D2Avとして出力する。即ち、非線形処理ステップST2Avは、画像D1vに対し、垂直方向非線形処理手段2Avと同様の処理を行い、画像D2Avを生成する。
【0116】
以上が非線形処理ステップST2Aの動作であり、非線形処理ステップST2Aは画像D2Ah及び画像D2Avから成る画像D2Aを生成する。その動作は非線形処理手段2Aと同等である。
【0117】
次に、高周波数成分画像生成ステップST2Bでは画像D2Aに対し、以下の様な処理を行う。
まず、水平方向高周波数成分画像生成ステップST2Bhでは、画像D2Ahに対し水平方向のハイパスフィルタ処理を行った画像D2Bhを生成する。即ち、水平方向高周波数成分画像生成ステップST2Bhは、水平方向高周波数成分画像生成手段2Bhと同様の処理を行う。
【0118】
次に、垂直方向高周波数成分画像生成ステップST2Bvでは、画像D2Avに対し垂直方向のハイパスフィルタ処理を行った画像D2Bvを生成する。即ち、垂直方向高周波数成分画像生成ステップST2Bvは、垂直方向高周波数成分画像生成手段2Bvと同様の処理を行う。
【0119】
以上が高周波数成分画像生成ステップST2Bの動作であり、高周波数成分画像生成ステップST2Bは画像D2Bh及び画像D2Bvから成る画像D2Bを生成する。その動作は高周波数成分画像生成手段2Bと同等である。
【0120】
以上が第2の中間画像生成ステップST2の動作であり、第2の中間画像生成ステップST2は画像D2Bを中間画像D2として出力する。即ち、画像D2Bhを画像D2hとし、画像D2Bvを画像D2vとした中間画像D2を出力する。この動作は第2の中間画像生成手段2と同等である。
【0121】
次に加算ステップST4の動作について説明する。
加算ステップST4は入力輝度画像YIN、中間画像D1、及び中間画像D2を加算した結果を高周波数成分加算画像D4として出力する。また、入力輝度画像YINに対し、高周波数成分加算画像D4を加算した結果(即ち、中間画像D1及び中間画像D2を加算した結果)を、出力輝度画像YOUTとして出力する。
なお、中間画像D1は画像D1h及び画像D1vから成り、中間画像D2は画像D2h及び画像D2vから成るので、加算ステップST4では画像D1h、D1v、D2h、及びD2vの全てを加算し、高周波数成分加算画像D4を生成する。この際画像D1h、D1v、D2h、及びD2vを単純に加算してもよいし、重み付け加算してもよい。そして出力輝度画像YOUTが本発明における画像処理方法の最終出力画像の一部として出力される。以上が加算ステップST4の動作であり、この動作は加算手段4の動作と同等である。
【0122】
次に図25のフローに従って輝度色差加算ステップST5の動作について説明する。
輝度色差加算ステップST5ではまず、増幅率決定ステップST5Aにおいて、入力CR画像CRIN及び入力CB画像CBINの各画素に対する増幅率を高周波数成分加算画像D4の同一座標の画素値に基づいて決定する。高周波数成分加算画像D4の画素値と増幅率決定手段5Aで決定される増幅率の関係は実施の形態1と同様の関係を用いる。
【0123】
次に、色差Cr乗算ステップST5B1は増幅率D5Aで与えられる増幅率を入力CR画像CRINの画素値に対してかけた結果を画像D5B1として出力する。
【0124】
次に、色差Cb乗算ステップST5B2は増幅率D5Aで与えられる増幅率を入力CB画像CBINの画素値に対してかけた結果を画像D5B2として出力する。
【0125】
そして、画像D5B1が出力CR画像CROUTとして出力され、画像D5B2が出力CB画像CBOUTとして出力される。出力CR画像CROUT及び出力CB画像CBOUTは最終的な出力画像IMGOUTの一部として用いられる。
以上が色差増幅ステップST5の動作であり、その動作は色差増幅手段5と同等である。
以上が本発明における画像処理方法の動作である。
【0126】
本発明における画像処理方法の動作はその説明から明らかなように、本発明の実施の形態1における画像処理装置と同等である。したがって本発明における画像処理方法は、本発明の実施の形態1における画像処理装置と同様の効果を持つ。また、図9に示す画像表示装置において、例えば画像処理装置U2内部で上記の画像処理方法を実施することで、上記の画像処理方法で処理された画像を、図9に示す画像表示装置で表示することもできる。
【符号の説明】
【0127】
1 第1の中間画像生成手段、 2 第2の中間画像生成手段、 4 加算手段、 5 色差増減手段、 IMGIN 入力画像、 YIN 入力輝度画像、 CRIN 入力CR画像、 CBIN 入力CB画像、 D1 中間画像、 D2 中間画像、 D4 高周波数成分加算画像、 IMGOUT 出力画像、 YOUT 出力輝度画像、 CROUT 出力CR画像、 CBOUT 出力CB画像。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラー画像が入力される画像処理装置であって、
前記カラー画像の輝度信号を表す輝度画像から特定の周波数帯域の成分を取り出した第1の中間画像を生成する第1の中間画像生成手段と、
前記第1の中間画像をもとに第2の中間画像を生成する第2の中間画像生成手段と、
前記第1の中間画像と前記第2の中間画像を加算した高周波数成分加算画像と、前記輝度画像に前記高周波数成分加算画像を加算した出力輝度画像を生成する加算手段と、
前記高周波数成分加算画像の各画素値に基づいて、前記カラー画像の色差信号を表す色差画像の各画素値を増減させる色差増減手段と
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記色差増減手段は、
前記高周波数成分加算画像の各画素値に基づいて、前記色差画像の各画素値に対する増幅率を決定する増幅率決定手段と、前記増幅率決定手段により決定された増幅率を、前記色差画像の各画素値にかけた値を出力する色差乗算手段を備え、
前記増幅率決定手段は、
前記高周波数成分加算画像の画素値が正の場合、前記増幅率を1より大きな値とし、
前記高周波数成分加算画像の画素値が負の場合、前記増幅率を1より小さな値とし、
前記高周波数成分加算画像の画素値が零の場合、前記増幅率を1とする
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記増幅率は、
前記高周波数成分加算画像の画素値に対して単調に増加する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記第1の中間画像生成手段は、
前記入力画像の第1の所定の周波数以上の高周波数成分のみを取り出した第1の高周波数成分画像を生成する第1の高周波数成分画像生成手段と、
前記第1の高周波数成分画像の第2の所定の周波数以下の低周波数成分のみを取り出す低周波数成分画像生成手段を有する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記第1の高周波数成分画像生成手段は、
前記入力画像の各画素の水平方向の近傍に存在する画素を用いて第1の所定の水平方向周波数以上の高周波数成分を取り出した第1の水平方向高周波数成分画像を生成する第1の水平方向高周波数成分画像生成手段と、
前記入力画像の各画素の垂直方向の近傍に存在する画素を用いて第1の所定の垂直方向周波数以上の高周波数成分を取り出した第1の垂直方向高周波数成分画像を生成する第1の垂直方向高周波数成分画像生成手段を有し、
前記低周波数成分画像生成手段は、
前記第1の水平方向高周波数成分画像の第2の所定の水平方向周波数以下の低周波数成分のみを取り出した第1の水平方向中間画像を生成する水平方向低周波数成分画像生成手段と、
前記第1の垂直方向高周波数成分画像の第2の所定の垂直方向周波数以下の低周波数成分のみを取り出した第1の垂直方向中間画像を生成する垂直方向低周波数成分画像生成手段を有する
ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記第2の中間画像生成手段は、
前記第1の中間画像の画素値を画素に応じて変化させた増幅率で増幅させた非線形処理画像を生成する非線形処理手段を有する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記第2の中間画像生成手段は、
前記非線形処理画像の第3の所定の周波数以上の高周波数成分のみを取り出した第2の高周波数成分画像を生成する第2の高周波数成分画像生成手段をさらに有する
ことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記第1の中間画像が、
前記第1の水平方向中間画像及び前記第1の垂直方向中間画像から成り、
前記非線形処理手段は、
前記第1の水平方向中間画像の各画素値を画素に応じて変化させた増幅率で増幅した水平方向非線形処理画像を生成する水平方向非線形処理手段と、
前記第1の垂直方向中間画像の各画素値を画素に応じて変化させた増幅率で増幅した垂直方向非線形処理画像を生成する垂直方向非線形処理手段を有し、
前記第2の高周波数成分画像生成手段は、
前記水平方向非線形処理画像の第3の所定の水平方向周波数以上の高周波数成分のみを取り出した第2の水平方向高周波数成分画像を生成する第2の水平方向高周波数成分画像生成手段と、
前記垂直方向非線形処理画像の第3の所定の垂直方向周波数以上の高周波数成分のみを取り出した第2の垂直方向高周波数成分画像を生成する第2の垂直方向高周波数成分画像生成手段を有する
ことを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記水平方向非線形処理手段は、
前記第1の水平方向中間画像の画素値が正から負もしくは負から正へと変化する箇所をゼロクロス点として判定する水平方向ゼロクロス判定手段と、
前記水平方向ゼロクロス判定手段の判定結果に応じて前記第1の水平方向中間画像の各画素に対する増幅率を決定する水平方向信号増幅手段を有し、
前記垂直方向非線形処理手段は、
前記第1の垂直方向中間画像の画素値が正から負もしくは負から正へと変化する箇所をゼロクロス点として判定する垂直方向ゼロクロス判定手段と、
前記垂直方向ゼロクロス判定手段の判定結果に応じて前記第1の垂直方向中間画像の各画素に対する増幅率を決定する垂直方向信号増幅手段を有する
ことを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の画像処理装置を備えたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項11】
カラー画像を処理する画像処理方法であって、
前記カラー画像の輝度信号を表す輝度画像から特定の周波数帯域の成分を取り出した第1の中間画像を生成する第1の中間画像生成ステップと、
前記第1の中間画像をもとに第2の中間画像を生成する第2の中間画像生成ステップと、
前記第1の中間画像と前記第2の中間画像を加算した高周波数成分加算画像と、前記輝度画像に高周波数成分加算画像を加算した出力輝度画像を生成する加算ステップと、
前記高周波数成分加算画像の各画素値に基づいて、前記カラー画像の色差信号を表す色差画像の各画素値を増減させる色差ステップと
を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項12】
請求項11に記載の画像処理方法により処理された画像を表示することを特徴とする画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2010−165096(P2010−165096A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−5549(P2009−5549)
【出願日】平成21年1月14日(2009.1.14)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】