説明

画像処理装置及び画像処理装置の動作モード切替制御方法

【課題】非接触媒体で認証と、動作モードの切り替え可能な画像処理装置において、非接触媒体が誤って画像処理装置側にて読み取られてしまう弊害生を抑制する。
【解決手段】通常電力モードと消費電力を抑えた省電力モードとの間で切替可能な画像処理装置であって、操作パネルと、パネル上に装置の状態やユーザに対する各種の指示を表示する表示部と、装置使用許可のためユーザ識別情報を格納した非接触媒体から識別情報を取得する識別情報取得部と、取得された識別情報から画像処理装置の使用可否を判別する情報判別部と、操作パネルの操作で画像処理装置が省電力モードから通常電力モードに切り替わったかを判別する動作モード判別部と、装置が省電力モード状態でユーザ識別情報を取得した後に通常電力モードに切り替わったことを判別し、かつ情報判別部で装置の使用が許可される旨の判別をした場合には、表示部に画像処理装置が使用可能状態の旨を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動作モードの切り替えが可能な画像処理装置において実行される所定の処理に関する管理を行なう画像処理装置および画像処理装置の動作モード切替制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シートへの画像形成や原稿の画像読み取り等を行なう画像処理装置において、動作モードを通常電力モードと前記通常電力モードよりも消費電力を抑えた省電力モード(いわゆるスリープモード)との間で切替可能とする技術が知られる。また近年、このような画像処理装置においては、非接触ICカード或いは携帯端末などを用いてユーザ認証等を行なう技術が知られている(例えば、特許文献1および2参照。)。
【0003】
非接触ICカードを用いてユーザ認証を行なう画像処理装置では、ユーザが自分のID情報を記憶している非接触ICカードを画像処理装置に備えられているタグリーダにかざす(近接させる)ことにより、画像処理装置側で非接触ICカードの情報を非接触で取得する。非接触ICカードからユーザを識別する情報を取得した画像処理装置は、動作モードが省電力モードになっている場合には、通常電力モードに切り替え、ユーザに対して各種の画像処理機能の使用を許可する。
【0004】
上述のような非接触ICカードを用いてユーザ認証を行なう従来の画像処理装置では、動作モードが省電力モードである状態で非接触ICカードに保持されている識別情報を画像処理装置が取得すると、自動的に動作モードを通常電力モードに切り替え、ユーザ認証が完了した状態(使用制限が解除された状態)となる。
【特許文献1】特開2003−195986号公報
【特許文献2】特開2002−86846号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、画像処理装置の配置状況によっては、当該画像処理装置の使用を意図していない人が画像処理装置付近を通過する際に、その人が保持している非接触ICカードの情報を誤って読み取ってしまう場合がある。
【0006】
このような場合、上記従来の画像処理装置では、画像処理装置の使用を意図していないにも拘らず、当該画像処理装置付近を人が通っただけで、その人のIDでの認証処理が完了してしまう。従って、他人がその人のIDで使用制限が解除された画像処理装置の利用が可能となってしまうという事態が生じ得る。また、当該画像処理装置の使用を意図していない人が画像処理装置付近を通過しただけで、省電力モードから通常電力モードに切り替わってしまうことにより無駄に電力が消費されてしまうという問題もある。
【0007】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、非接触媒体を用いてユーザ認証を行なうとともに、動作モードの切り替えが可能な画像処理装置において、ユーザがもつ非接触媒体が誤って画像処理装置側にて読み取られてしまうことによる弊害の発生を抑制することのできる画像処理装置及び画像処理装置の動作モード切替制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明の一態様に係る画像処理装置は、動作モードを通常電力モードと前記通常電力モードよりも消費電力を抑えた省電力モードとの間で切替可能な画像処理装置であって、前記画像処理装置の動作を実行させるためにユーザによって操作される操作パネルと、前記操作パネル上に前記画像処理装置の状態やユーザに対する各種の指示を表示する表示部と、前記画像処理装置の使用を許可するためのユーザ識別情報を格納した非接触媒体から前記ユーザ識別情報を取得する識別情報取得部と、前記識別情報取得部で取得された前記ユーザ識別情報から前記画像処理装置の使用可否を判別する情報判別部と、前記操作パネルが操作されて前記画像処理装置の動作モードが前記省電力モードから通常電力モードに切り替わったかを判別する動作モード判別部と、前記画像処理装置が前記省電力モードの状態で前記識別情報取得部から前記ユーザ識別情報を取得した後に前記動作モード判別部により前記画像処理装置の動作モードが通常電力モードに切り替わったことを判別し、かつ前記情報判別部で前記画像処理装置の使用が許可される旨の判別をした場合には、前記表示部に前記画像処理装置が使用可能状態の旨を表示するように前記表示部を制御する制御部とを備えてなることを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明に係る画像処理装置は、動作モードを通常電力モードと前記通常電力モードよりも消費電力を抑えた省電力モードとの間で切替可能な画像処理装置であって、前記画像処理装置の動作を実行させるためにユーザによって操作される操作手段と、前記操作手段上に前記画像処理装置の状態やユーザに対する各種の指示を表示する表示手段と、前記画像処理装置の使用を許可するためのユーザ識別情報を格納した非接触媒体から前記ユーザ識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記識別情報取得手段で取得された前記ユーザ識別情報から前記画像処理装置の使用可否を判別する情報判別手段と、前記操作手段が操作されて前記画像処理装置の動作モードが前記省電力モードから通常電力モードに切り替わったかを判別する動作モード判別手段と、前記画像処理装置が前記省電力モードの状態で前記識別情報取得手段から前記ユーザ識別情報を取得した後に前記動作モード判別手段により前記画像処理装置の動作モードが通常電力モードに切り替わったことを判別し、かつ前記情報判別手段で前記画像処理装置の使用が許可される旨の判別をした場合には、前記表示手段に前記画像処理装置が使用可能状態の旨を表示するように前記表示手段を制御する制御手段とを備えてなることを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明に係る画像処理装置の動作モード切替制御方法は、操作パネル及び表示部を有し、かつ動作モードを通常電力モードと前記通常電力モードよりも消費電力を抑えた省電力モードとの間で切替可能な画像処理装置の動作モード切替制御方法であって、前記画像処理装置の動作を実行させるために前記操作パネルへの操作を受入れ、前記表示部に前記画像処理装置の状態やユーザに対する各種の指示を表示し、前記画像処理装置の使用を許可するためのユーザ識別情報を格納した非接触媒体から前記ユーザ識別情報を取得し、前記取得された前記ユーザ識別情報から前記画像処理装置の使用可否を判別し、前記操作パネルでの操作の受入れによって前記画像処理装置の動作モードが前記省電力モードから通常電力モードに切り替わったかを判別し、前記画像処理装置が前記省電力モードの状態で前記ユーザ識別情報を取得した後に前記画像処理装置の動作モードが通常電力モードに切り替わったことが判別され、かつ前記画像処理装置の使用が許可される旨判別された場合には、前記表示部に前記画像処理装置が使用可能状態の旨を表示することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
以上に詳述したように本発明によれば、非接触媒体を用いてユーザ認証を行なうとともに、動作モードの切り替えが可能な画像処理装置において、ユーザがもつ非接触媒体が誤って画像処理装置側にて読み取られてしまうことによる弊害の発生を抑制することのできる画像処理装置及び画像処理装置の動作モード切替制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態による画像処理装置(MFP:Multi Function Peripheral)1について説明するための機能ブロック図である。本実施形態による画像処理装置1は、動作モードを「通常電力モード」と通常電力モードよりも消費電力を抑えた「省電力モード」との間で切り替え可能である。
【0013】
図1に示すように、本実施形態による画像処理装置1は、プリント部10、スキャナ部20、インターフェース部30、CPU(制御部)40、メモリ50、タイマ60及び操作パネル70から構成され、これらはバス80を介して互いに接続されている。
【0014】
制御部40は、動作モード切替部42、動作モード判別部44、処理実行部46および情報判別部47から構成されている。
【0015】
操作パネル70は、ユーザによって操作されるように、処理装置1の本体上面に設けられる。操作パネル70は、プリントを実行させるためにユーザによって押されるスタートキー71、プリント枚数などが設定されるためのテンキー72及び処理装置1を省電力モードに切り替えるために押される節電キー73などを有している。また、操作パネル70には処理装置1の状態や、ユーザに対する各種の指示を文字とイラストで表示する表示部74及び表示された文字やイラストを触れることで処理装置1に対してユーザの指示を入力するタッチパネル75を有している。更に、操作パネル70上には、ユーザが所持する非接触ICカードAが近接されるカードリーダ76を配置している。
【0016】
識別情報取得部としてのカードリーダ76は、ユーザが所持する非接触媒体として非接触ICカードAに格納されている情報を読み取る。カードリーダ76は、ユーザを識別するための識別情報(ユーザIDなど)を格納している非接触ICカードAから該識別情報を非接触で取得する。
【0017】
動作モード切替部42は、操作パネル70への操作入力(タッチパネル75への接触、キーの押下など)に基づいて、画像処理装置1の動作モードの切り替えを行なう。動作モード切替部42は、画像処理装置1が通常電力モードである状態において、所定時間(例えば1分)以上操作入力がない場合に動作モードを自動的に省電力モードに切り替える。タイマ60は、この所定時間をカウントする。節電キー73がユーザによって押されることでも省電力モードに切り替えられる。動作モード切替部42は、画像処理装置1が省電力モードである状態において、操作パネル70から入力があった場合に動作モードを通常電力モードに切り替える。なお、省電力モードでは、一般的にはプリント部10の定着器(図示しない)への電力供給を停止するか、或いは供給電力を下げる。
【0018】
なお、省電力モードには2つの状態がある。1つは、「低電力モード」と呼ばれるもので、画像処理装置1を最後に使用してからタイマ60で所定時間をカウントするとこの低電力モードに移行する。この低電力モード中は操作パネル70の表示部74に「節電しています。スタートボタンを押してください」と表示される。また、この低電力モードでは、プリント部10に設けられた定着器(図示しない)への電力供給を止めるのではなく、ある所定の温度に保っておき、この低電力モードが解除された際に所定時間内に定着可能温度になるように設定されている。
【0019】
他の1つは「スリープモード」と呼ばれるもので、画像処理装置1を最後に使用してからタイマ60で所定時間をカウントするとこのスリープモードに移行する。このスリープモード中は、操作パネル70の表示部74の表示が消え、節電キー73が点灯する。この節電中に画像処理装置1に対してプリントデータ、ファクス、インターネットファクス、Eメールを受信すると、節電モードは解除される。スタートボタンなどを押すことでも解除される。なお、タッチパネル75に触れただけでは節電モードは解除されない。また、スリープモードでは、定着器への電力供給は一切行なわない。
【0020】
動作モード判別部44は、画像処理装置1の動作モードが通常電力モードおよび省電力モードの内いずれであるかを判別する。
【0021】
処理実行部46は、カードリーダ76にて取得された識別情報に基づいて、ユーザ認証処理や識別情報の取得に応じてプリント部10或いはスキャナ部20の起動等の所定の処理を実行する。
【0022】
情報判別部47は、カードリーダ76で取得されたユーザ識別情報から画像処理装置の使用可否を判別する。なお、情報判別部47による画像処理装置の使用可否の判別は、例えばメモリ50に格納されている情報(許可リストなど)に基づいて行うことができる。
【0023】
メモリ50は、例えばHDDやRAM等から構成され、カードリーダ76にて取得された識別情報を記憶する。
【0024】
処理実行部46は、カードリーダ76にて取得された識別情報に基づいて、ユーザ認証処理や識別情報の取得に応じた所定のユニットの起動等の所定の処理を実行する。
【0025】
動作モード切替部42は、操作パネル70への操作入力(タッチパネル75への接触、ボタン、キーの押下など)に基づいて、画像処理装置1の動作モードの切り替えを行なう。動作モード切替部42は、画像処理装置1が通常電力モードである状態において、所定時間以上操作入力がない場合に動作モードを自動的に省電力モードに切り替える。所定時間は、タイマ60によってカウントされる。動作モード切替部42は、画像処理装置1が省電力モードである状態において、ユーザが操作パネル70に対して操作入力をした場合に動作モードを通常電力モードに切り替える。
【0026】
制御部40は、画像処理装置1における各種処理を行なう。また、制御部40は、メモリ50に格納されているプログラムを実行することにより種々の機能を実現する。メモリ50は、例えばROMやRAM等から構成されており、画像処理装置1において利用される種々の情報やプログラムを格納する。
【0027】
図2は、操作パネル70を示す。操作パネル70は、パネル本体上にコピーやスキャンなどをスタートさせるために押されるスタートキー71と、コピー枚数やスキャン枚数などを設定するために押されるテンキー72と、省電力モードに切り替えるために押される節電キー73と、処理装置1の状態や、ユーザに対する各種の指示を文字とイラストで表示する表示部74と、表示された文字やイラストを触れることで処理装置1に対してユーザの指示を入力するタッチパネル75とから構成されている。更に、操作パネル70上には、ユーザが所持する非接触ICカードAが近接されるカードリーダ76を配置している。なお、操作パネル70上にはその他各種ボタン、キーなどが設けられている。
【0028】
図3は、操作パネル70上に設けられた、カードリーダ76に対してICカードAを約4cmにかざす(即ち近づける)ことによってICカードAに格納された識別情報などが読み取られる様子を示す、
【0029】
図4は、操作パネル70上に設けられて表示部74に「カードリーダにICカードをかざして下さい」と表示している様子を示す。
【0030】
図5は、操作パネル70上の表示部74に「コピーできます」などを表示し、タッチパネル75に文字やイラストを表示している様子を示す。
【0031】
図6は、タッチパネル75上に「節電しています。スタートボタンを押して下さい。」と表示している様子を示す。
【0032】
図7は、本実施形態による画像処理装置1が通常モードにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【0033】
画像処理装置1の電源がONされ、その初期化が終了すると、表示部74或いはタッチパネル75には図4に示すように「カードリーダにICカードをかざして下さい」との表示がなされる(ステップS71)。
【0034】
ユーザがカードリーダ76にICカードAをかざし、CPU40がICカードAから識別情報を取得したかどうか判別する(ステップS72)。ステップS72での判別の結果、識別情報が取得されていれば(ステップS72:YES)、CPU40は、取得した識別情報をメモリ50に格納する(ステップS73)。次いで、CPU40は、メモリ50に格納された識別情報の内容を判別し(ステップS74)、その判別の結果、そのユーザが画像処理装置1の使用を許可されているかどうか判別される(ステップS75)。ステップS75での判別の結果、許可されていないユーザであった場合には(ステップS75:NO)、表示部74或いはタッチパネル75に「あなたは許可されていないユーザですのでこの画像処理装置は使用できません」との表示がなされる(ステップS76)。
【0035】
ステップS75での判別の結果、許可されているユーザであった場合には(ステップS75:YES)、表示部74に図5で示すように「コピーできます」と表示して、ユーザによるコピー操作などの入力待ち状態となる(ステップS77)。
【0036】
図8は、本実施形態による画像処理装置1が省電力モードにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【0037】
画像処理装置1の電源がONされ、その初期化が終了すると表示部74或いはタッチパネル75には図4に示すように「カードリーダにICカードをかざして下さい」との表示がなされる。しかし、画像処理装置1の操作が一定時間ユーザによって何も操作されないと自動的に省電力モードに切り替わる。なお、一定時間ユーザに操作されない時間はタイマ60によってカウントされる。省電力モードに切り替わると、図6に示すように「節電しています。スタートボタンを押して下さい。」との表示がなされる(ステップS81)。
【0038】
スタートキー71が押されると(ステップS82:YES)、画像処理装置1を通常モードに切り替える(ステップS83)。スタートキー71が押されなかった場合(ステップS82:NO)には、ユーザがカードリーダ76にICカードAをかざして識別情報がICカードAから取得されたかどうかCPU40が判別する(ステップS84)。識別情報が取得された場合(ステップS84:YES)には、その取得された識別情報をメモリ50に格納する(ステップS85)。
【0039】
この時、タッチパネル75は、図6に示すような表示のままでもよいし、ユーザに対して何らかのキーを操作するように促すメッセージを表示するようにしてもよい。なお、タッチパネル75にユーザによってタッチされることによって省電力モードから通常電力モードに切り替えるようにしてもよい。識別情報が取得されない場合(ステップS84:NO)には、ステップS81に戻り、図6に示すように「節電しています。スタートボタンを押して下さい。」との表示が継続する。
【0040】
次いで、ユーザがスタートキー71或いはその他のキーが所定時間内に押されることにより、省電力モードから通常モードに切り替わったかどうかがCPU40の動作モード判別部44によって判別される(ステップS86)。ステップS85で識別情報を取得してから所定時間経過してもモードの切り替えがなされない場合には(ステップS86:NO)、取得した情報をメモリ50から消去する(ステップS87)。取得した情報をメモリ50から消去後、ステップS81に戻り、図6に示すように「節電しています。スタートボタンを押して下さい。」との表示がされる。
【0041】
省電力モードから通常モードに切り替わったと判別された場合には(ステップS86:YES)、取得した情報の内容を判別する(ステップS88)。ステップS88での判別の結果、そのユーザが画像処理装置1の使用を許可されているかどうか判別される(ステップS89)。ステップS89での判別の結果、許可されていないユーザであった場合には(ステップS89:NO)、表示部74或いはタッチパネル75に「あなたは許可されていないユーザですのでこの画像処理装置は使用できません」との表示がなされる(ステップS90)。次いで、表示部74或いはタッチパネル75には図4に示すように「カードリーダにICカードをかざして下さい」との表示がなされる(ステップS91)。
【0042】
ステップS89での判別の結果、許可されているユーザであった場合には(ステップS89:YES)、表示部74に図5で示すように「コピーできます」と表示して、ユーザによるコピー操作などの入力待ち状態となる(ステップS92)。
【0043】
本発明の実施例によれば、あるユーザが画像処理装置1を利用しようとして操作パネル70への操作入力によって通常電力モードに切り替えた後、他のユーザが画像処理装置1付近を通過したときに当該他のユーザが保持している非接触ICカードAの情報を誤って取得してしまう事態を回避することができる。
【0044】
上述の画像処理装置での処理(画像処理装置の動作モード切替制御方法)における各ステップは、例えばメモリ50に格納されている動作モード切替制御プログラムをCPU40に実行させることにより実現されるものである。
【0045】
本実施の形態では装置内部に発明を実施する機能が予め記録されている場合で説明をしたが、これに限らず同様の機能をネットワークから装置にダウンロードしても良いし、同様の機能を記録媒体に記憶させたものを装置にインストールしてもよい。記録媒体としては、CD−ROM等プログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であっても良い。またこのように予めインストールやダウンロードにより得る機能は装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と共働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0046】
本発明を特定の態様により詳細に説明したが、本発明の精神および範囲を逸脱しないかぎり、様々な変更および改質がなされ得ることは、当業者には自明であろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本実施の形態による画像処理装置について説明するための機能ブロック図である。
【図2】本実施の形態による画像処理装置における操作パネルを示す平面図である。
【図3】カードリーダに非接触ICカードをかざす様子を示す概略図である。
【図4】非接触ICカードをカードリーダにかざすように指示するメッセージを表示する操作パネルの表示部及びタッチパネルを示す平面図である。
【図5】操作パネルの表示部及びイラストを示すタッチパネルを示す平面図である。
【図6】節電状態のメッセージを表示する操作パネルのタッチパネルを示す平面図である。
【図7】通常電力モードにおける画像処理装置の動作フローを示すフローチャートである。
【図8】省電力モードにおける画像処理装置の動作フローを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0048】
1 画像処理装置、10 プリント部、20 スキャナ部、30 インターフェース部、40 CPU、42 動作モード切替部、44 動作モード判別部、46 処理実行部、50 メモリ、60 タイマ、70 操作パネル、71 スタートキー、72 テンキー、73 節電キー、74 表示部、75 タッチパネル、76 カードリーダ、80 バス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作モードを通常電力モードと前記通常電力モードよりも消費電力を抑えた省電力モードとの間で切替可能な画像処理装置であって、
前記画像処理装置の動作を実行させるためにユーザによって操作される操作パネルと、
前記操作パネル上に前記画像処理装置の状態やユーザに対する各種の指示を表示する表示部と、
前記画像処理装置の使用を許可するためのユーザ識別情報を格納した非接触媒体から前記ユーザ識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記識別情報取得部で取得された前記ユーザ識別情報から前記画像処理装置の使用可否を判別する情報判別部と、
前記操作パネルが操作されて前記画像処理装置の動作モードが前記省電力モードから通常電力モードに切り替わったかを判別する動作モード判別部と、
前記画像処理装置が前記省電力モードの状態で前記識別情報取得部から前記ユーザ識別情報を取得した後に前記動作モード判別部により前記画像処理装置の動作モードが通常電力モードに切り替わったことを判別し、かつ前記情報判別部で前記画像処理装置の使用が許可される旨の判別をした場合には、前記表示部に前記画像処理装置が使用可能状態の旨を表示するように前記表示部を制御する制御部と
を備えてなる画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置において、
前記操作パネルは、ユーザによって押されるキー及びタッチされるタッチパネルを含み、前記キーが押される或いはタッチパネルがタッチされることによって前記省電力モードから前記通常電力モードに切り替わる画像処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像処理装置において、
前記制御部は、前記画像処理装置が前記省電力モードの状態で前記識別情報取得部から前記ユーザ識別情報を取得した後に、所定時間の間、前記動作モード判別部が前記画像処理装置の動作モードが省電力モードであると判別した場合は、前記表示部に前記画像処理装置が省電力モードである旨の表示を継続するように前記表示部を制御する画像処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の画像処理装置において、
前記制御部は、前記情報判別部が前記画像処理装置の使用を不許可である旨判別した場合には、ユーザに対して前記表示部に不許可の旨の表示を行なうように制御する画像処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の画像処理装置において、
前記制御部は、所定時間経過後であっても前記動作モード判別部が省電力モードであると判別した場合には、前記識別情報取得部で取得したユーザ識別情報を消去するように制御する画像処理装置。
【請求項6】
請求項1に記載の画像処理装置において、
前記非接触媒体は非接触ICカードを含み、前記識別情報取得部は前記非接触ICカードに格納されたユーザ識別情報を読み取るカードリーダを含む画像処理装置。
【請求項7】
動作モードを通常電力モードと前記通常電力モードよりも消費電力を抑えた省電力モードとの間で切替可能な画像処理装置であって、
前記画像処理装置の動作を実行させるためにユーザによって操作される操作手段と、
前記操作手段上に前記画像処理装置の状態やユーザに対する各種の指示を表示する表示手段と、
前記画像処理装置の使用を許可するためのユーザ識別情報を格納した非接触媒体から前記ユーザ識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記識別情報取得手段で取得された前記ユーザ識別情報から前記画像処理装置の使用可否を判別する情報判別手段と、
前記操作手段が操作されて前記画像処理装置の動作モードが前記省電力モードから通常電力モードに切り替わったかを判別する動作モード判別手段と、
前記画像処理装置が前記省電力モードの状態で前記識別情報取得手段から前記ユーザ識別情報を取得した後に前記動作モード判別手段により前記画像処理装置の動作モードが通常電力モードに切り替わったことを判別し、かつ前記情報判別手段で前記画像処理装置の使用が許可される旨の判別をした場合には、前記表示手段に前記画像処理装置が使用可能状態の旨を表示するように前記表示手段を制御する制御手段と
を備えてなる画像処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の画像処理装置において、
前記操作手段は、ユーザによって押されるキー及びタッチされるタッチパネルを含み、前記キーが押される或いはタッチパネルがタッチされることによって前記省電力モードから前記通常電力モードに切り替わる画像処理装置。
【請求項9】
請求項7に記載の画像処理装置において、
前記制御手段は、前記画像処理装置が前記省電力モードの状態で前記識別情報取得手段から前記ユーザ識別情報を取得した後に、所定時間の間、前記動作モード判別手段が前記画像処理装置の動作モードが省電力モードであると判別した場合は、前記表示手段に前記画像処理装置が省電力モードである旨の表示を継続するように前記表示手段を制御する画像処理装置。
【請求項10】
請求項7に記載の画像処理装置において、
前記制御手段は、前記情報判別手段が前記画像処理装置の使用を不許可である旨判別した場合には、ユーザに対して前記表示手段に不許可の旨の表示を行なうように制御する画像処理装置。
【請求項11】
請求項7に記載の画像処理装置において、
前記制御手段は、所定時間経過後であっても前記動作モード判別手段が省電力モードであると判別した場合には、前記識別情報取得手段で取得したユーザ識別情報を消去するように制御する画像処理装置。
【請求項12】
請求項7に記載の画像処理装置において、
前記非接触媒体は非接触ICカードを含み、前記識別情報取得手段は前記非接触ICカードに格納されたユーザ識別情報を読み取るカードリーダを含む画像処理装置。
【請求項13】
操作パネル及び表示部を有し、かつ動作モードを通常電力モードと前記通常電力モードよりも消費電力を抑えた省電力モードとの間で切替可能な画像処理装置の動作モード切替制御方法であって、
前記画像処理装置の動作を実行させるために前記操作パネルへの操作を受入れ、
前記表示部に前記画像処理装置の状態やユーザに対する各種の指示を表示し、
前記画像処理装置の使用を許可するためのユーザ識別情報を格納した非接触媒体から前記ユーザ識別情報を取得し、
前記取得された前記ユーザ識別情報から前記画像処理装置の使用可否を判別し、
前記操作パネルでの操作の受入れによって前記画像処理装置の動作モードが前記省電力モードから通常電力モードに切り替わったかを判別し、
前記画像処理装置が前記省電力モードの状態で前記ユーザ識別情報を取得した後に前記画像処理装置の動作モードが通常電力モードに切り替わったことが判別され、かつ前記画像処理装置の使用が許可される旨判別された場合には、前記表示部に前記画像処理装置が使用可能状態の旨を表示する画像処理装置の動作モード切替制御方法。
【請求項14】
請求項13に記載の画像処理装置の動作モード切替制御方法において、
前記操作パネルは、ユーザによって押されるキー及びタッチされるタッチパネルを含み、前記キーが押される或いはタッチパネルがタッチされることによって前記省電力モードから前記通常電力モードに切り替わる画像処理装置の動作モード切替制御方法。
【請求項15】
請求項13に記載の画像処理装置の動作モード切替制御方法において、
前記画像処理装置が前記省電力モードの状態で前記ユーザ識別情報を取得した後に、所定時間の間、前記画像処理装置の動作モードが省電力モードであると判別された場合は、前記画像処理装置が省電力モードである旨の表示が継続される画像処理装置の動作モード切替制御方法。
【請求項16】
請求項13に記載の画像処理装置の動作モード切替制御方法において、
前記画像処理装置の使用を不許可である旨判別された場合には、ユーザに対して前記表示部に不許可の旨の表示を行なう画像処理装置の動作モード切替制御方法。
【請求項17】
請求項13に記載の画像処理装置の動作モード切替制御方法において、
前記動作モードが通常電力モードに切り替わっていない旨を判別された場合には、前記取得されたユーザ識別情報を消去する画像処理装置の動作モード切替制御方法。
【請求項18】
請求項13に記載の画像処理装置の動作モード切替制御方法において、
前記非接触媒体は非接触ICカードを含み、前記非接触ICカードに格納されたユーザ識別情報はカードリーダで読み取られる画像処理装置の動作モード切替制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−215167(P2007−215167A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−5475(P2007−5475)
【出願日】平成19年1月15日(2007.1.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】