画像処理装置
【課題】 印刷対象の画像のサイズに応じて、印刷するロール紙の適切な選択を行なう。
【解決手段】 原稿読み取り機構15の画像読み取り部15bは、原稿セット部15aにセットされた原稿の画像を読み取り、この画像で表現される図形の各辺に対し、予め設定された倍率にしたがった拡大縮小を行なって得た画像データを出力する。CPU11は、原稿読み取り機構15からの画像データをもとに、候補として予め設定されたロール紙種別のうち、拡大縮小を行なった画像が全て収まり、かつ、切り出し・印刷後の余白が最も少なくなるロール紙の種別およびロール紙カット長さを決定する。印刷機構は、決定したロール紙種別およびカット長さにしたがったロール紙カットおよび印刷を行なう。
【解決手段】 原稿読み取り機構15の画像読み取り部15bは、原稿セット部15aにセットされた原稿の画像を読み取り、この画像で表現される図形の各辺に対し、予め設定された倍率にしたがった拡大縮小を行なって得た画像データを出力する。CPU11は、原稿読み取り機構15からの画像データをもとに、候補として予め設定されたロール紙種別のうち、拡大縮小を行なった画像が全て収まり、かつ、切り出し・印刷後の余白が最も少なくなるロール紙の種別およびロール紙カット長さを決定する。印刷機構は、決定したロール紙種別およびカット長さにしたがったロール紙カットおよび印刷を行なう。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばデジタル複写機などの画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばデジタル複写機などの、原稿の画像を読み込んで、これを紙に印刷する画像処理装置では、印刷に用いる紙としてロール紙を用いるタイプの装置がある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
ロール紙を用いたデジタル複写機の給紙機構は、定寸サイズの原稿、ここでは、紙仕上げ寸法であるA0判、A1判、A2判、・・・のいずれかの寸法にしたがった原稿のサイズに合わせたロール紙カット、いわゆる定寸カットを行なう機能、および、非定寸サイズの原稿の各辺のうち、デジタル複写機の原稿読み取り機構による原稿読み取り方向に沿った辺の長さにしたがったロール紙カット、いわゆるシンクロカットを行なう機能を有する。非定寸サイズの原稿とは、一辺の長さのみが紙仕上げ寸法に対応する原稿である。
【0004】
デジタル複写機は、原稿の画像を読み込み、この画像に対し、予め定められた値、または任意の値の倍率による拡大縮小を行ない、この画像をもとにした印刷を行なう機能、いわゆる拡大縮小印刷機能を有する。
【特許文献1】特開2004−90659号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
拡大縮小印刷機能において、等倍による画像の印刷を行なう場合には、短辺の長さが、原稿における原稿読み取り方向と直交した方向に沿った辺の長さと同じであるロール紙を自動で選択し、この選択したロール紙に対する、原稿の、原稿読み取り方向に沿った辺の長さにしたがったロール紙カットを行なう。ここで、切り出し対象のロール紙が装置の給紙機構にセットされていない場合は、メッセージ表示などにより、ユーザに対する、当該切り出し対象のロール紙のセット要求を行なう。
【0006】
ここで、ロール紙の自動選択を行ない、かつ、シンクロカットを行なう場合には、拡大縮小の倍率として設定できる値は、例えば、定寸サイズの原稿が別の定寸サイズになる倍率、例えば、A3判サイズからA0判サイズになる倍率に限られる。
【0007】
具体的な例を以下に説明する。ここでは、デジタル複写機の給紙機構にA0幅ロール紙、A1幅ロール紙、A2幅ロール紙、およびA3幅ロール紙がセットされていると仮定する。A0幅ロール紙とは、短辺の長さ、つまり搬送方向と直交した方向に沿った辺がA0判の短辺長(841ミリメートル)であるロール紙である。
【0008】
ここで、原稿読み取り方向に沿った辺、ここでは長辺に該当する辺の長さL11が800ミリメートルであり、原稿読み取り方向に直交した方向に沿った辺、ここでは短辺に該当する辺の長さW11がA3判の短辺長(297ミリメートル)である原稿31(図8参照)を読み込んで得た画像に対し、この画像で表現される図形の短辺の長さに対する210%(2.1倍)の拡大を行なう場合のロール紙の自動選択について説明する。
【0009】
原稿31を読み込んだ画像に対する拡大処理により得た画像のロール紙への印刷を行ないたい場合、この拡大後の画像で表現される図形32(図8参照)の各辺のうち、原稿31の原稿読み取り方向に沿った辺と同じ位置関係にある辺の長さL12が800ミリメートルであり、原稿31の原稿読み取り方向と直交した方向に沿った辺と同じ位置関係にある辺の長さW12が623.7(=297*2.1)ミリメートルであるので、拡大処理により得た画像32が印刷可能なロール紙は、前述したA0幅ロール紙のみである。
【0010】
しかし、前述したデジタル複写機は、任意の倍率を設定した上で、複数のロール紙のうち、原稿をもとにして生成した拡大処理後の画像を印刷可能なロール紙を自動選択する機能を有しておらず、ユーザは、拡大処理後の画像を印刷可能なロール紙の種別を確認した上で、オペレーションパネルなどに対する操作によりロール紙の種別を指定する必要がある。
【0011】
また、シンクロカットを行なう上で、原稿を読み込んで得た画像に対し、任意の倍率による拡大縮小を行なって得た画像の回転なしの印刷、つまり、原稿の各辺のうち、原稿読み取り方向に沿った辺と、印刷対象のロール紙の印刷方向に沿った辺の位置関係が同じになる印刷を行なう場合には、原稿読み取り機構に対する原稿のセット方向によって、カット・印刷後のロール紙に発生する余白の面積が異なる。
【0012】
具体的には、図8に示すように、原稿読み取り機構に対してセットした原稿31の長辺の方向が原稿読み取り方向に沿っている場合で、かつ、読み取りにより得た画像の短辺に対し210%の拡大を行なった画像32の、前述した回転なしによる印刷対象であるA0幅ロール紙に対する印刷を行なう場合には、図9に示すように、A0幅ロール紙33に対するカット・印刷後のロール紙には、長辺が800ミリメートルで短辺が176.3(841−623.7)ミリメートルの図形に相当する余白33aが発生する。
【0013】
また、図10に示すように、原稿読み取り機構に対してセットした原稿31の短辺の方向が原稿読み取り方向に沿っている場合で、かつ、読み取りにより得た画像の短辺に対し210%の拡大を行なった画像の回転なしの印刷を行なう場合には、図11に示すように、A0幅ロール紙33に対するカット・印刷後のロール紙には、長辺の長さが623.7ミリメートルで、短辺の長さが41(=841−800)ミリメートルである図形に該当する余白33bが発生する。
【0014】
余白33aの面積と余白33bの面積を比較すると、余白33bの面積が余白33aの面積より小さい。よって、ロール紙の無駄な消費を抑えるためには、原稿31は、その短辺の向きが原稿読み取り方向に沿うように原稿読み取り機構にセットすることが望ましいが、このような、余白が少なくなる原稿のセット方向の判断はユーザが行なう必要があった。
【0015】
そこで、本発明の目的は、印刷対象の画像のサイズに応じて、印刷するロール紙の適切な選択を行なうことが可能になる画像処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
すなわち、本発明に係わる画像処理装置は、原稿の画像に等倍または任意の倍率による拡大縮小を行なった画像で表現される図形の各辺のうち、原稿の原稿読み取り方向に沿った辺と同じ位置関係にある辺である第1図形辺、および、この第1図形辺に直交する第2図形辺の長さをそれぞれ検出し、各種ロール紙のうち、短辺の長さが第2図形辺の長さ以上で、かつ、最も短い長さであるロール紙に対し、第1図形辺の長さにしたがった切り出しを行なうことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係わる画像処理装置では、原稿の画像に拡大縮小を行なった画像で表現される図形の、原稿の原稿読み取り方向に沿った辺と同じ位置関係にある辺である第1図形辺、および、この第1図形辺に直交する第2図形辺の長さを検出し、各種ロール紙のうち、短辺の長さが第2図形辺の長さ以上で、かつ、最も短い長さであるロール紙に対し、第1図形辺の長さにしたがった切り出しを行なうので、原稿をもとにして得た画像である、印刷対象の画像のサイズに応じて、印刷するロール紙の適切な選択を行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下図面により本発明の実施形態について説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態にしたがったデジタル複写機の構成例を示すブロック図である。
【0020】
図1に示すように、本発明の実施形態にしたがったデジタル複写機は、装置全体の処理動作を司るCPU11、各種入力操作を受け付ける入力部12、各種処理動作のためのシステムプログラムを記憶するROM13を備える。
【0021】
CPU11は、入力部12からの入力操作信号に応じて起動されるシステムプログラムに従って、各部の動作制御を行なう。図1に示したデジタル複写機は、各種制御用データを一時的に記憶するメモリ14、原稿の画像を読み取る原稿読み取り機構15、および、印刷機構16をさらに備える。
【0022】
原稿読み取り機構15は、原稿をセット(載置)する原稿セット部15a、および、原稿セット部15aにセットした原稿の画像を読み取る画像読み取り部15bを有する。
【0023】
CPU11は、紙仕上げ寸法であるA0判、A1判、A2判、A3判およびA4判の定寸長である長辺長および短辺長を寸法の種別ごとに対応付けて記憶する定寸サイズテーブルを記憶する。図2は、本発明の実施形態にしたがったデジタル複写機のCPU11に記憶される定寸サイズテーブルの一例を表形式で示す図である。定寸サイズテーブルはCPU11に限らず、例えばROM13に記憶してもよい。
【0024】
原稿セット部15aにセットする原稿は、画像読み取り部15bによる原稿読み取り方向(走査方向)に沿った第1の辺、および、この第1の辺に直交した第2の辺を有する。原稿の第2の辺の長さは、A0判の短辺長(841ミリメートル)、A1判の短辺長(594ミリメートル)、A2判の短辺長(420ミリメートル)、A3判の短辺長(297ミリメートル)、および、A4判の短辺長(210ミリメートル)のいずれかであるとする。
【0025】
印刷機構16は、ロール紙セット部(ロール紙取り付け口)16a、搬送部16b、カット部16c、および、印刷部16dを有する。ロール紙セット部16aは、原稿の画像の印刷用紙であるロール紙をセットする。搬送部16bは、ロール紙セット部16aにセットされたロール紙を搬送する。カット部16cは、搬送部16bにより搬送されたロール紙を切り出す(カットする)。印刷部16dは、印刷対象の画像をロール紙に不足なく印刷する。
【0026】
また、印刷機構16は、ロール紙に対してカット部16cによる切り出しを行なった後で、この切り出したロール紙に対して印刷部16dによる印刷を行なう構成であってもよいし、カット部16cによる切り出しを行なう前のロール紙に対して印刷部16dによる印刷を行なった後で、この印刷を行なったロール紙に対してカット部16cによる切り出しを行なう構成であってもよい。
【0027】
ロール紙セット部16aには、複数種類のロール紙を個別にセットできる。具体的には、ロール紙セット部16aは、A0幅ロール紙、A1幅ロール紙、A2幅ロール紙、および、A3幅ロール紙を個別にセットできる。ロール紙セット部16aは、ロール紙を1種類のみセット可能な構成であってもよい。
【0028】
A0幅ロール紙は、短辺の長さ、つまり搬送部16bによる搬送方向に直交した方向に沿った辺の長さがA0判の短辺長であるロール紙である。A1幅ロール紙の短辺の長さはA1判の短辺長である。A2幅ロール紙の短辺の長さはA2判の短辺長である。A3幅ロール紙の短辺の長さはA3判の短辺長である。
【0029】
本発明の実施形態にしたがってデジタル複写機は、原稿読み取り機構15により読み取った原稿の画像に対する拡大または縮小を行ない、この拡大縮小により得た、印刷対象の画像を、印刷機構16によりロール紙に印刷する拡大縮小印刷機能を有する。この機能の詳細については後述する。
【0030】
また、本発明の実施形態にしたがったデジタル複写機は、原稿セット部15aにセットした原稿を読み込んで、かつ、読み込んで得た画像に対して必要に応じて拡大縮小を施した画像である、印刷対象のサイズの種別を自動的に判別し、この判別した種類にしたがったロール紙カット手法を自動で設定する機能を有する。具体的には、CPU11は、印刷対象の画像で表現される図形の各辺の長さを検出することで、当該図形のサイズの種別を検出する。
【0031】
そして、この検出の結果、図形のサイズがA0判サイズ、A1判サイズ、A2判サイズ、A3判サイズおよびA4判サイズの何れかに対応すると判別された場合には、印刷機構16は、各種ロール紙のうち、短辺の長さが、図形サイズと対応する寸法で定義される一方の定寸長と対応するロール紙に対し、対応するサイズの他方の定寸長にしたがったロール紙カット、いわゆる定寸カットを行ない、図形のサイズが、前述した各種サイズに対応しないと判別された場合には、短辺の長さが図形の一辺の長さに対応したロール紙に対し、図形の他辺の長さにしたがったロール紙カット、いわゆるシンクロカットを行なう。本発明の実施形態では、原稿セット部15aにセットした原稿が非定寸原稿であるとして、以後の説明を行なう。
【0032】
また、本発明の実施形態にしたがったデジタル複写機は、前述したような、ロール紙カットの手法を自動的に設定する形態に限らず、入力部12に対する所定の操作を行うことで、定寸カットを行なうかシンクロカットを行なうかを任意に指定する形態であってもよい。ここでは、入力部12に対する所定の操作を行って、ロール紙カット手法がシンクロカットであると指定されたものとして以後の説明を行なう。
【0033】
次に、本発明の実施形態にしたがったデジタル複写機の処理動作について説明する。
【0034】
図3は、本発明の実施形態にしたがったデジタル複写機による原稿サイズの判別にかかる処理動作の一例を示すフローチャートである。
【0035】
図4は、本発明の実施形態にしたがったデジタル複写機の原稿読み取り機構15にセットする原稿の一例を示す図である。
【0036】
図5は、本発明の実施形態にしたがったデジタル複写機にセットする原稿の拡大画像で表現される図形の一例を示す図である。
【0037】
図4に示した、原稿読み取り機構15の原稿セット部15aへのセット対象の原稿21は、画像読み取り部15bによる原稿読み取り方向に沿った辺21aの長さL1が800ミリメートルで、原稿読み取り方向と直交した方向に沿った辺21bの長さW1がA3判の短辺長(297ミリメートル)である原稿、いわゆるA3幅原稿である。
【0038】
本発明の実施形態にしたがったデジタル複写機は、入力部12に対する所定の操作を行なうことで、印刷機構16の原稿セット部16aにセット可能な複数種類のロール紙の種別のうち、切り出し・印刷の対象の種別の候補を任意に設定する機能を有する。CPU11は、前述のように設定されたロール紙種別の候補の情報を記憶し、この記憶されたロール紙種別を切り出し対象のロール紙種別の候補とする。また、これに限らず、ロール紙セット部16aに実際にセットされたロール紙の種別を図示しないセンサを用いて自動的に判別して、セットされていると判別されたロール紙種別を切り出し対象のロール紙種別の候補とする構成であってもよい。
【0039】
そして、原稿読み取り機構15の画像読み取り部15bは、原稿セット部15aにセットされた原稿21(図4参照)の画像を読み取る(ステップS1)。
【0040】
CPU11は、入力部12が、任意の倍率による拡大縮小にかかる操作を受け付けている場合には、この倍率の情報を原稿読み取り機構15に出力する。原稿読み取り機構15は、読み取りにより得た画像データに対し、CPU11から入力した倍率にしたがった拡大縮小処理を行ない、この拡大縮小処理により得た画像データをメモリ14に出力する。
【0041】
ここでは、原稿21の画像で表現される図形の各辺のうち、当該原稿21の辺21aに該当する辺の長さが210%(2.1倍)に拡大された図形22(図5参照)を印刷する設定にかかる操作が入力部12によりなされたものとして以後の処理を説明する。また、出力する画像データは、当該画像データで表現される図形22の各辺のうち、画像読み取り部15bによる原稿読み取り方向に沿った辺を示す情報を含む。
【0042】
図形22の各辺のうち、原稿21の辺21aと同じ位置関係にある辺22a、および、この辺22aと対向する辺22c(第1図形辺)の長さは800ミリメートルである。また、図形22の、原稿21の辺21bと同じ位置関係にある辺22b、および、この辺22bと対向する辺22d(第2図形辺)の長さは、623.7(=297*2.1)ミリメートルである。ここでは原稿21の画像に対し一方向の拡大しか行なっていないが、この方向に直交した方向の拡大をあわせて行なうこともできる。
【0043】
また、入力部12が、拡大縮小にかかる操作を受け付けておらず、原稿読み取り機構15がCPU11から倍率の情報を入力していない場合、または、入力部12が等倍による拡大縮小にかかる操作を受け付けていて、原稿読み取り機構15がCPU11から入力した倍率が100%(等倍)である場合には、読み取りにより得た画像データを、拡大縮小を行なうことなくメモリ14に出力する。
【0044】
CPU11は、メモリ14に入力された画像データを取得して、この画像データで表現される図形22の辺22a、および、辺22aと直交する辺22bの長さを検出する(ステップS2)。図形22のサイズはロール紙への印刷サイズに相当する。
【0045】
次に、CPU11は、原稿読み取り機構15からメモリ14に入力された画像データで表現される図形22の辺22bの長さ、および、定寸サイズテーブル(図2参照)で示される情報のうち、前述のように入力部12に対する操作にしたがって切り出し・印刷対象の候補として設定されたロール紙種別に対応する紙仕上げ寸法の短辺長の情報を照合する。そして、CPU11は、この照合により、図形22の辺22bの長さ以上で、かつ、最も短い長さがを短辺長として定義される紙仕上げ寸法の種別を、切り出し・印刷に適したロール紙種別として計算する(ステップS3)。
【0046】
ステップS3の処理では、図形22の辺22aの長さにしたがったロール紙カット、つまり画像の回転を伴わないロール紙カットを行なう場合に適したロール紙種別の計算を行なう。
【0047】
具体的には、図形22の辺22bの長さは623.7ミリメートルであるので、入力部12に対する操作にしたがって、切り出し・印刷対象の候補として設定されたロール紙種別が、A0幅ロール紙、A1幅ロール紙、および、A2幅ロール紙である場合には、照合対象の短辺長である、A0判の短辺長(841ミリメートル)、A1判の短辺長(594ミリメートル)、および、A1判の短辺長(420ミリメートル)のうち、辺22bの長さ以上で、かつ、最も短い短辺長は、A0判の短辺長であるので。切り出し・印刷対象のロール紙はA0幅ロール紙となる。
【0048】
そして、CPU11は、画像回転を伴わないロール紙カットを行なった際の余白の面積、つまり、切り出し・印刷対象としたA0幅ロール紙の短辺長(841ミリメートル)から図形22の辺22bの長さ(623.7ミリメートル)を減算した値、および、図形22の辺22aの長さ(800ミリメートル)の積である余白面積を計算する。
【0049】
次に、CPU11は、原稿読み取り機構15からメモリ14に入力された画像データで表現される図形22の辺22aの長さ、および、定寸サイズテーブル(図2参照)で示される情報のうち、前述のように設定されたロール紙種別の候補に対応する紙仕上げ寸法の短辺長の情報を照合する。そしてCPU11は、この照合により、図形22の辺22aの長さ以上で、かつ、最も短い長さがを短辺長として定義される紙仕上げ寸法の種別を、切り出し・印刷に適したロール紙種別として計算する(ステップS4)。
【0050】
ステップS4の処理では、図形22の辺22bの長さにしたがったロール紙カット、つまり原稿画像の回転を伴うロール紙カットを行なう場合に適したロール紙種別の計算を行なう。
【0051】
具体的には、図形22の辺22aの長さは800ミリメートルであるので、前述した切り出し・印刷対象のロール紙種別の候補に対応する短辺長のうち、辺22aの長さ以上で、かつ、最も短い短辺長はA0判の短辺長であるので、切り出し・印刷対象のロール紙はA0幅ロール紙となる。
【0052】
そして、CPU11は、画像回転を伴うロール紙カットを行なった際の余白の面積、つまり、切り出し・印刷対象としたA0幅ロール紙の短辺長(841ミリメートル)から図形22の辺22aの長さ(800ミリメートル)を減算した値、および、図形22の辺22bの長さ(623.7ミリメートル)の積である余白面積を計算する。
【0053】
次に、CPU11は、ステップS3の処理で計算した余白面積の値、およびステップS4の処理で計算した余白面積の値を比較することで、切り出し・印刷対象のロール紙種別を決定する(ステップS5)。
【0054】
具体的には、ステップS3の処理で計算した面積が、ステップS4の処理で計算した面積より小さい場合には、CPU11は、ステップS3の処理により切り出し・印刷対象として計算したロール紙種別を、実際の切り出し・印刷対象のロール紙種別として決定する。この決定後は、CPU11は、拡大縮小後の画像で表現される図形の各辺のうち、原稿における原稿読み取り方向に沿った辺と同じ位置関係にある辺の長さをカット長さとして決定し、これら決定したロール紙種別の情報とカット長さの情報を印刷機構16に出力する。
【0055】
また、前述した比較により、ステップS4の処理で計算した面積が、ステップS3の処理で計算した面積より小さい場合には、CPU11は、ステップS4の処理により、切り出し・印刷対象として計算したロール紙種別を、実際の切り出し・印刷対象のロール紙種別として決定する。この決定後は、CPU11は、拡大縮小後の図形の各辺のうち、原稿における原稿読み取り方向に直交した方向に沿った辺と同じ位置関係にある辺の長さをカット長さとして決定し、これら決定したロール紙種別の情報とカット長さの情報を印刷機構16に出力する。
【0056】
印刷機構16のカット部16cは、ロール紙セット部16aにセットされた各種ロール紙のうち、CPU11から入力した情報で示される種別に対応したロール紙に対し、CPU11から入力した情報で示されるカット長さにしたがった切り出しを行ない、印刷部16dは、切り出したロール紙に拡大縮小後の画像を不足なく印刷する(ステップS6)。
【0057】
ただし、切り出し対象のロール紙、つまり、CPU11から入力した情報で示される種別に対応したロール紙がロール紙セット部16aにセットされていない場合には、CPU11は、この切り出し対象のロール紙のロール紙セット部16aに対する取り付けが必要である旨の報知、例えば図示しない表示ランプの点滅がなされるように制御する。
【0058】
また、切り出し対象のロール紙がセットされていない場合には、前述した報知に限らず、CPU11は、前述したように設定されたロール紙種別の宝庫から、セットされていないロール紙の種別を除いた種別を切り出し・印刷の対象の種別の新たな候補として設定し、かつ、前述したステップS3〜S5の処理を再度行なった上で、ステップS6の処理を行なってもよい。
【0059】
ステップS6の処理による印刷では、ステップS3の処理により計算された余白面積が、ステップS4の処理により計算された余白面積より小さい場合には、画像回転なしの印刷、つまり、拡大縮小後の画像で表現される図形の各辺のうち、原稿における原稿読み取り方向と直交した方向に沿った辺と同じ位置関係にある辺を、切り出し・カット対象のロール紙の短辺と対応させた印刷を行なう。
【0060】
一方、ステップS4の処理により計算された余白の面積が、ステップS3の処理により計算された余白の面積より小さい場合には、画像回転ありの印刷、つまり、拡大縮小後の画像で表現される図形の各辺のうち、原稿における原稿読み取り方向に沿った辺と同じ位置関係にある辺を、切り出し・カット対象のロール紙の短辺と対応させた印刷を行なう。
【0061】
図6は、本発明の実施形態にしたがったロール紙カットの一例を示す図である。
【0062】
原稿読み取り機構15にセットした原稿が原稿21(図4参照)であり、拡大縮小後の画像で表現される図形が図形22(図5参照)である場合には、A0幅ロール紙に対し、前述した画像回転を伴う切り出し・印刷を行なった方が、切り出し・印刷後のロール紙の余白の面積が小さいので、カット部16cは、A0幅ロール紙23に対し、図形22の辺22bの長さ(623.7ミリメートル)にしたがった切り出しを行なう。
【0063】
以上説明したように、本発明の実施形態にしたがったデジタル複写機では、原稿読み取り機構15にセットした原稿を読み込んで得た画像に、予め設定された倍率による拡大縮小を行なった画像を解析することで、候補として予め設定されたロール紙種別のうち、切り出し・印刷に最適なロール紙種別、つまり印刷対象の画像が全て収まり、かつ、切り出し・印刷後の余白面積が最も少なくなるロール紙種別を自動的に計算して、この計算した種別に対応するロール紙に対し、計算済みのカット長さにしたがった切り出しと印刷を行なうので、原稿セット部15aにセットした原稿のサイズ、および、拡大縮小の形態に応じて、適切なロール紙種別の選択を行なった上での、ロール紙カットおよび印刷を行なうことができる。よって、ユーザは、原稿のセットにあたり、原稿の画像が全て収まり、かつ、余白が少なくなるロール紙種別を自分で選択する必要がなくなる。
【0064】
また、本発明の実施形態にしたがったデジタル複写機では、入力部12に対する所定の操作を行なうことで、前述した画像回転を伴う印刷を行なうか否かを設定でき、画像回転を伴う印刷を行なわない設定がなされている場合には、前述したステップS3における余白の計算、および、ステップS4の処理を省略し、ステップS3の処理により、画像回転を伴わない場合の印刷に最適であると計算したロール紙種別を、実際の印刷対象のロール紙種別として決定する。
【0065】
図7は、本発明の実施形態にしたがったロール紙カットの変形例を示す図である。
【0066】
例えば、セットした原稿が原稿21であり、かつ、画像回転を伴う印刷を行なわない設定がなされていた場合には、CPU11は、切り出し・印刷に最適なロール紙はA0幅ロール紙であり、カット長さは図形22の辺22aに沿った長さであると計算する。印刷機構16は、CPU11による計算結果にしたがって、A0幅ロール紙23に対し、図形22の辺22aに沿った長さ(800ミリメートル)にしたがったロール紙カットを行ない(図7参照)、この切り出したロール紙に対し、画像回転を伴わない印刷、つまり、図形22の辺22b、または辺22bと向かい合う辺22dとA0幅ロール紙23の辺23aの位置関係が同じになる印刷を行なう。
【0067】
なお、この発明は、前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を省略してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施形態にしたがったデジタル複写機の構成例を示すブロック図。
【図2】本発明の実施形態にしたがったデジタル複写機のCPUに記憶される定寸サイズテーブルの一例を表形式で示す図。
【図3】本発明の実施形態にしたがったデジタル複写機による原稿サイズの判別にかかる処理動作の一例を示すフローチャート。
【図4】本発明の実施形態にしたがったデジタル複写機にセットする原稿の一例を示す図。
【図5】本発明の実施形態にしたがったデジタル複写機にセットする原稿の拡大画像で表現される図形の一例を示す図。
【図6】本発明の実施形態にしたがったロール紙カットの一例(その1)を示す図。
【図7】本発明の実施形態にしたがったロール紙カットの一例(その2)を示す図。
【図8】従来のデジタル複写機にセットする原稿、および、この原稿の拡大画像の一例を示す図。
【図9】従来のデジタル複写機によるロール紙カットの一例(その1)を示す図。
【図10】従来のデジタル複写機にセットする原稿の一例を示す図。
【図11】従来のデジタル複写機によるロール紙カットの一例(その2)を示す図。
【符号の説明】
【0069】
11…CPU、12…入力部、13…ROM、14…メモリ、15…原稿読み取り機構、15a…原稿セット部、15b…画像読み取り部、16…印刷機構、16a…ロール紙セット部、16b…搬送部、16c…カット部、16d…印刷部、21,31…原稿、22,32…拡大画像、23,33…A0幅ロール紙。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばデジタル複写機などの画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばデジタル複写機などの、原稿の画像を読み込んで、これを紙に印刷する画像処理装置では、印刷に用いる紙としてロール紙を用いるタイプの装置がある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
ロール紙を用いたデジタル複写機の給紙機構は、定寸サイズの原稿、ここでは、紙仕上げ寸法であるA0判、A1判、A2判、・・・のいずれかの寸法にしたがった原稿のサイズに合わせたロール紙カット、いわゆる定寸カットを行なう機能、および、非定寸サイズの原稿の各辺のうち、デジタル複写機の原稿読み取り機構による原稿読み取り方向に沿った辺の長さにしたがったロール紙カット、いわゆるシンクロカットを行なう機能を有する。非定寸サイズの原稿とは、一辺の長さのみが紙仕上げ寸法に対応する原稿である。
【0004】
デジタル複写機は、原稿の画像を読み込み、この画像に対し、予め定められた値、または任意の値の倍率による拡大縮小を行ない、この画像をもとにした印刷を行なう機能、いわゆる拡大縮小印刷機能を有する。
【特許文献1】特開2004−90659号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
拡大縮小印刷機能において、等倍による画像の印刷を行なう場合には、短辺の長さが、原稿における原稿読み取り方向と直交した方向に沿った辺の長さと同じであるロール紙を自動で選択し、この選択したロール紙に対する、原稿の、原稿読み取り方向に沿った辺の長さにしたがったロール紙カットを行なう。ここで、切り出し対象のロール紙が装置の給紙機構にセットされていない場合は、メッセージ表示などにより、ユーザに対する、当該切り出し対象のロール紙のセット要求を行なう。
【0006】
ここで、ロール紙の自動選択を行ない、かつ、シンクロカットを行なう場合には、拡大縮小の倍率として設定できる値は、例えば、定寸サイズの原稿が別の定寸サイズになる倍率、例えば、A3判サイズからA0判サイズになる倍率に限られる。
【0007】
具体的な例を以下に説明する。ここでは、デジタル複写機の給紙機構にA0幅ロール紙、A1幅ロール紙、A2幅ロール紙、およびA3幅ロール紙がセットされていると仮定する。A0幅ロール紙とは、短辺の長さ、つまり搬送方向と直交した方向に沿った辺がA0判の短辺長(841ミリメートル)であるロール紙である。
【0008】
ここで、原稿読み取り方向に沿った辺、ここでは長辺に該当する辺の長さL11が800ミリメートルであり、原稿読み取り方向に直交した方向に沿った辺、ここでは短辺に該当する辺の長さW11がA3判の短辺長(297ミリメートル)である原稿31(図8参照)を読み込んで得た画像に対し、この画像で表現される図形の短辺の長さに対する210%(2.1倍)の拡大を行なう場合のロール紙の自動選択について説明する。
【0009】
原稿31を読み込んだ画像に対する拡大処理により得た画像のロール紙への印刷を行ないたい場合、この拡大後の画像で表現される図形32(図8参照)の各辺のうち、原稿31の原稿読み取り方向に沿った辺と同じ位置関係にある辺の長さL12が800ミリメートルであり、原稿31の原稿読み取り方向と直交した方向に沿った辺と同じ位置関係にある辺の長さW12が623.7(=297*2.1)ミリメートルであるので、拡大処理により得た画像32が印刷可能なロール紙は、前述したA0幅ロール紙のみである。
【0010】
しかし、前述したデジタル複写機は、任意の倍率を設定した上で、複数のロール紙のうち、原稿をもとにして生成した拡大処理後の画像を印刷可能なロール紙を自動選択する機能を有しておらず、ユーザは、拡大処理後の画像を印刷可能なロール紙の種別を確認した上で、オペレーションパネルなどに対する操作によりロール紙の種別を指定する必要がある。
【0011】
また、シンクロカットを行なう上で、原稿を読み込んで得た画像に対し、任意の倍率による拡大縮小を行なって得た画像の回転なしの印刷、つまり、原稿の各辺のうち、原稿読み取り方向に沿った辺と、印刷対象のロール紙の印刷方向に沿った辺の位置関係が同じになる印刷を行なう場合には、原稿読み取り機構に対する原稿のセット方向によって、カット・印刷後のロール紙に発生する余白の面積が異なる。
【0012】
具体的には、図8に示すように、原稿読み取り機構に対してセットした原稿31の長辺の方向が原稿読み取り方向に沿っている場合で、かつ、読み取りにより得た画像の短辺に対し210%の拡大を行なった画像32の、前述した回転なしによる印刷対象であるA0幅ロール紙に対する印刷を行なう場合には、図9に示すように、A0幅ロール紙33に対するカット・印刷後のロール紙には、長辺が800ミリメートルで短辺が176.3(841−623.7)ミリメートルの図形に相当する余白33aが発生する。
【0013】
また、図10に示すように、原稿読み取り機構に対してセットした原稿31の短辺の方向が原稿読み取り方向に沿っている場合で、かつ、読み取りにより得た画像の短辺に対し210%の拡大を行なった画像の回転なしの印刷を行なう場合には、図11に示すように、A0幅ロール紙33に対するカット・印刷後のロール紙には、長辺の長さが623.7ミリメートルで、短辺の長さが41(=841−800)ミリメートルである図形に該当する余白33bが発生する。
【0014】
余白33aの面積と余白33bの面積を比較すると、余白33bの面積が余白33aの面積より小さい。よって、ロール紙の無駄な消費を抑えるためには、原稿31は、その短辺の向きが原稿読み取り方向に沿うように原稿読み取り機構にセットすることが望ましいが、このような、余白が少なくなる原稿のセット方向の判断はユーザが行なう必要があった。
【0015】
そこで、本発明の目的は、印刷対象の画像のサイズに応じて、印刷するロール紙の適切な選択を行なうことが可能になる画像処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
すなわち、本発明に係わる画像処理装置は、原稿の画像に等倍または任意の倍率による拡大縮小を行なった画像で表現される図形の各辺のうち、原稿の原稿読み取り方向に沿った辺と同じ位置関係にある辺である第1図形辺、および、この第1図形辺に直交する第2図形辺の長さをそれぞれ検出し、各種ロール紙のうち、短辺の長さが第2図形辺の長さ以上で、かつ、最も短い長さであるロール紙に対し、第1図形辺の長さにしたがった切り出しを行なうことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係わる画像処理装置では、原稿の画像に拡大縮小を行なった画像で表現される図形の、原稿の原稿読み取り方向に沿った辺と同じ位置関係にある辺である第1図形辺、および、この第1図形辺に直交する第2図形辺の長さを検出し、各種ロール紙のうち、短辺の長さが第2図形辺の長さ以上で、かつ、最も短い長さであるロール紙に対し、第1図形辺の長さにしたがった切り出しを行なうので、原稿をもとにして得た画像である、印刷対象の画像のサイズに応じて、印刷するロール紙の適切な選択を行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下図面により本発明の実施形態について説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態にしたがったデジタル複写機の構成例を示すブロック図である。
【0020】
図1に示すように、本発明の実施形態にしたがったデジタル複写機は、装置全体の処理動作を司るCPU11、各種入力操作を受け付ける入力部12、各種処理動作のためのシステムプログラムを記憶するROM13を備える。
【0021】
CPU11は、入力部12からの入力操作信号に応じて起動されるシステムプログラムに従って、各部の動作制御を行なう。図1に示したデジタル複写機は、各種制御用データを一時的に記憶するメモリ14、原稿の画像を読み取る原稿読み取り機構15、および、印刷機構16をさらに備える。
【0022】
原稿読み取り機構15は、原稿をセット(載置)する原稿セット部15a、および、原稿セット部15aにセットした原稿の画像を読み取る画像読み取り部15bを有する。
【0023】
CPU11は、紙仕上げ寸法であるA0判、A1判、A2判、A3判およびA4判の定寸長である長辺長および短辺長を寸法の種別ごとに対応付けて記憶する定寸サイズテーブルを記憶する。図2は、本発明の実施形態にしたがったデジタル複写機のCPU11に記憶される定寸サイズテーブルの一例を表形式で示す図である。定寸サイズテーブルはCPU11に限らず、例えばROM13に記憶してもよい。
【0024】
原稿セット部15aにセットする原稿は、画像読み取り部15bによる原稿読み取り方向(走査方向)に沿った第1の辺、および、この第1の辺に直交した第2の辺を有する。原稿の第2の辺の長さは、A0判の短辺長(841ミリメートル)、A1判の短辺長(594ミリメートル)、A2判の短辺長(420ミリメートル)、A3判の短辺長(297ミリメートル)、および、A4判の短辺長(210ミリメートル)のいずれかであるとする。
【0025】
印刷機構16は、ロール紙セット部(ロール紙取り付け口)16a、搬送部16b、カット部16c、および、印刷部16dを有する。ロール紙セット部16aは、原稿の画像の印刷用紙であるロール紙をセットする。搬送部16bは、ロール紙セット部16aにセットされたロール紙を搬送する。カット部16cは、搬送部16bにより搬送されたロール紙を切り出す(カットする)。印刷部16dは、印刷対象の画像をロール紙に不足なく印刷する。
【0026】
また、印刷機構16は、ロール紙に対してカット部16cによる切り出しを行なった後で、この切り出したロール紙に対して印刷部16dによる印刷を行なう構成であってもよいし、カット部16cによる切り出しを行なう前のロール紙に対して印刷部16dによる印刷を行なった後で、この印刷を行なったロール紙に対してカット部16cによる切り出しを行なう構成であってもよい。
【0027】
ロール紙セット部16aには、複数種類のロール紙を個別にセットできる。具体的には、ロール紙セット部16aは、A0幅ロール紙、A1幅ロール紙、A2幅ロール紙、および、A3幅ロール紙を個別にセットできる。ロール紙セット部16aは、ロール紙を1種類のみセット可能な構成であってもよい。
【0028】
A0幅ロール紙は、短辺の長さ、つまり搬送部16bによる搬送方向に直交した方向に沿った辺の長さがA0判の短辺長であるロール紙である。A1幅ロール紙の短辺の長さはA1判の短辺長である。A2幅ロール紙の短辺の長さはA2判の短辺長である。A3幅ロール紙の短辺の長さはA3判の短辺長である。
【0029】
本発明の実施形態にしたがってデジタル複写機は、原稿読み取り機構15により読み取った原稿の画像に対する拡大または縮小を行ない、この拡大縮小により得た、印刷対象の画像を、印刷機構16によりロール紙に印刷する拡大縮小印刷機能を有する。この機能の詳細については後述する。
【0030】
また、本発明の実施形態にしたがったデジタル複写機は、原稿セット部15aにセットした原稿を読み込んで、かつ、読み込んで得た画像に対して必要に応じて拡大縮小を施した画像である、印刷対象のサイズの種別を自動的に判別し、この判別した種類にしたがったロール紙カット手法を自動で設定する機能を有する。具体的には、CPU11は、印刷対象の画像で表現される図形の各辺の長さを検出することで、当該図形のサイズの種別を検出する。
【0031】
そして、この検出の結果、図形のサイズがA0判サイズ、A1判サイズ、A2判サイズ、A3判サイズおよびA4判サイズの何れかに対応すると判別された場合には、印刷機構16は、各種ロール紙のうち、短辺の長さが、図形サイズと対応する寸法で定義される一方の定寸長と対応するロール紙に対し、対応するサイズの他方の定寸長にしたがったロール紙カット、いわゆる定寸カットを行ない、図形のサイズが、前述した各種サイズに対応しないと判別された場合には、短辺の長さが図形の一辺の長さに対応したロール紙に対し、図形の他辺の長さにしたがったロール紙カット、いわゆるシンクロカットを行なう。本発明の実施形態では、原稿セット部15aにセットした原稿が非定寸原稿であるとして、以後の説明を行なう。
【0032】
また、本発明の実施形態にしたがったデジタル複写機は、前述したような、ロール紙カットの手法を自動的に設定する形態に限らず、入力部12に対する所定の操作を行うことで、定寸カットを行なうかシンクロカットを行なうかを任意に指定する形態であってもよい。ここでは、入力部12に対する所定の操作を行って、ロール紙カット手法がシンクロカットであると指定されたものとして以後の説明を行なう。
【0033】
次に、本発明の実施形態にしたがったデジタル複写機の処理動作について説明する。
【0034】
図3は、本発明の実施形態にしたがったデジタル複写機による原稿サイズの判別にかかる処理動作の一例を示すフローチャートである。
【0035】
図4は、本発明の実施形態にしたがったデジタル複写機の原稿読み取り機構15にセットする原稿の一例を示す図である。
【0036】
図5は、本発明の実施形態にしたがったデジタル複写機にセットする原稿の拡大画像で表現される図形の一例を示す図である。
【0037】
図4に示した、原稿読み取り機構15の原稿セット部15aへのセット対象の原稿21は、画像読み取り部15bによる原稿読み取り方向に沿った辺21aの長さL1が800ミリメートルで、原稿読み取り方向と直交した方向に沿った辺21bの長さW1がA3判の短辺長(297ミリメートル)である原稿、いわゆるA3幅原稿である。
【0038】
本発明の実施形態にしたがったデジタル複写機は、入力部12に対する所定の操作を行なうことで、印刷機構16の原稿セット部16aにセット可能な複数種類のロール紙の種別のうち、切り出し・印刷の対象の種別の候補を任意に設定する機能を有する。CPU11は、前述のように設定されたロール紙種別の候補の情報を記憶し、この記憶されたロール紙種別を切り出し対象のロール紙種別の候補とする。また、これに限らず、ロール紙セット部16aに実際にセットされたロール紙の種別を図示しないセンサを用いて自動的に判別して、セットされていると判別されたロール紙種別を切り出し対象のロール紙種別の候補とする構成であってもよい。
【0039】
そして、原稿読み取り機構15の画像読み取り部15bは、原稿セット部15aにセットされた原稿21(図4参照)の画像を読み取る(ステップS1)。
【0040】
CPU11は、入力部12が、任意の倍率による拡大縮小にかかる操作を受け付けている場合には、この倍率の情報を原稿読み取り機構15に出力する。原稿読み取り機構15は、読み取りにより得た画像データに対し、CPU11から入力した倍率にしたがった拡大縮小処理を行ない、この拡大縮小処理により得た画像データをメモリ14に出力する。
【0041】
ここでは、原稿21の画像で表現される図形の各辺のうち、当該原稿21の辺21aに該当する辺の長さが210%(2.1倍)に拡大された図形22(図5参照)を印刷する設定にかかる操作が入力部12によりなされたものとして以後の処理を説明する。また、出力する画像データは、当該画像データで表現される図形22の各辺のうち、画像読み取り部15bによる原稿読み取り方向に沿った辺を示す情報を含む。
【0042】
図形22の各辺のうち、原稿21の辺21aと同じ位置関係にある辺22a、および、この辺22aと対向する辺22c(第1図形辺)の長さは800ミリメートルである。また、図形22の、原稿21の辺21bと同じ位置関係にある辺22b、および、この辺22bと対向する辺22d(第2図形辺)の長さは、623.7(=297*2.1)ミリメートルである。ここでは原稿21の画像に対し一方向の拡大しか行なっていないが、この方向に直交した方向の拡大をあわせて行なうこともできる。
【0043】
また、入力部12が、拡大縮小にかかる操作を受け付けておらず、原稿読み取り機構15がCPU11から倍率の情報を入力していない場合、または、入力部12が等倍による拡大縮小にかかる操作を受け付けていて、原稿読み取り機構15がCPU11から入力した倍率が100%(等倍)である場合には、読み取りにより得た画像データを、拡大縮小を行なうことなくメモリ14に出力する。
【0044】
CPU11は、メモリ14に入力された画像データを取得して、この画像データで表現される図形22の辺22a、および、辺22aと直交する辺22bの長さを検出する(ステップS2)。図形22のサイズはロール紙への印刷サイズに相当する。
【0045】
次に、CPU11は、原稿読み取り機構15からメモリ14に入力された画像データで表現される図形22の辺22bの長さ、および、定寸サイズテーブル(図2参照)で示される情報のうち、前述のように入力部12に対する操作にしたがって切り出し・印刷対象の候補として設定されたロール紙種別に対応する紙仕上げ寸法の短辺長の情報を照合する。そして、CPU11は、この照合により、図形22の辺22bの長さ以上で、かつ、最も短い長さがを短辺長として定義される紙仕上げ寸法の種別を、切り出し・印刷に適したロール紙種別として計算する(ステップS3)。
【0046】
ステップS3の処理では、図形22の辺22aの長さにしたがったロール紙カット、つまり画像の回転を伴わないロール紙カットを行なう場合に適したロール紙種別の計算を行なう。
【0047】
具体的には、図形22の辺22bの長さは623.7ミリメートルであるので、入力部12に対する操作にしたがって、切り出し・印刷対象の候補として設定されたロール紙種別が、A0幅ロール紙、A1幅ロール紙、および、A2幅ロール紙である場合には、照合対象の短辺長である、A0判の短辺長(841ミリメートル)、A1判の短辺長(594ミリメートル)、および、A1判の短辺長(420ミリメートル)のうち、辺22bの長さ以上で、かつ、最も短い短辺長は、A0判の短辺長であるので。切り出し・印刷対象のロール紙はA0幅ロール紙となる。
【0048】
そして、CPU11は、画像回転を伴わないロール紙カットを行なった際の余白の面積、つまり、切り出し・印刷対象としたA0幅ロール紙の短辺長(841ミリメートル)から図形22の辺22bの長さ(623.7ミリメートル)を減算した値、および、図形22の辺22aの長さ(800ミリメートル)の積である余白面積を計算する。
【0049】
次に、CPU11は、原稿読み取り機構15からメモリ14に入力された画像データで表現される図形22の辺22aの長さ、および、定寸サイズテーブル(図2参照)で示される情報のうち、前述のように設定されたロール紙種別の候補に対応する紙仕上げ寸法の短辺長の情報を照合する。そしてCPU11は、この照合により、図形22の辺22aの長さ以上で、かつ、最も短い長さがを短辺長として定義される紙仕上げ寸法の種別を、切り出し・印刷に適したロール紙種別として計算する(ステップS4)。
【0050】
ステップS4の処理では、図形22の辺22bの長さにしたがったロール紙カット、つまり原稿画像の回転を伴うロール紙カットを行なう場合に適したロール紙種別の計算を行なう。
【0051】
具体的には、図形22の辺22aの長さは800ミリメートルであるので、前述した切り出し・印刷対象のロール紙種別の候補に対応する短辺長のうち、辺22aの長さ以上で、かつ、最も短い短辺長はA0判の短辺長であるので、切り出し・印刷対象のロール紙はA0幅ロール紙となる。
【0052】
そして、CPU11は、画像回転を伴うロール紙カットを行なった際の余白の面積、つまり、切り出し・印刷対象としたA0幅ロール紙の短辺長(841ミリメートル)から図形22の辺22aの長さ(800ミリメートル)を減算した値、および、図形22の辺22bの長さ(623.7ミリメートル)の積である余白面積を計算する。
【0053】
次に、CPU11は、ステップS3の処理で計算した余白面積の値、およびステップS4の処理で計算した余白面積の値を比較することで、切り出し・印刷対象のロール紙種別を決定する(ステップS5)。
【0054】
具体的には、ステップS3の処理で計算した面積が、ステップS4の処理で計算した面積より小さい場合には、CPU11は、ステップS3の処理により切り出し・印刷対象として計算したロール紙種別を、実際の切り出し・印刷対象のロール紙種別として決定する。この決定後は、CPU11は、拡大縮小後の画像で表現される図形の各辺のうち、原稿における原稿読み取り方向に沿った辺と同じ位置関係にある辺の長さをカット長さとして決定し、これら決定したロール紙種別の情報とカット長さの情報を印刷機構16に出力する。
【0055】
また、前述した比較により、ステップS4の処理で計算した面積が、ステップS3の処理で計算した面積より小さい場合には、CPU11は、ステップS4の処理により、切り出し・印刷対象として計算したロール紙種別を、実際の切り出し・印刷対象のロール紙種別として決定する。この決定後は、CPU11は、拡大縮小後の図形の各辺のうち、原稿における原稿読み取り方向に直交した方向に沿った辺と同じ位置関係にある辺の長さをカット長さとして決定し、これら決定したロール紙種別の情報とカット長さの情報を印刷機構16に出力する。
【0056】
印刷機構16のカット部16cは、ロール紙セット部16aにセットされた各種ロール紙のうち、CPU11から入力した情報で示される種別に対応したロール紙に対し、CPU11から入力した情報で示されるカット長さにしたがった切り出しを行ない、印刷部16dは、切り出したロール紙に拡大縮小後の画像を不足なく印刷する(ステップS6)。
【0057】
ただし、切り出し対象のロール紙、つまり、CPU11から入力した情報で示される種別に対応したロール紙がロール紙セット部16aにセットされていない場合には、CPU11は、この切り出し対象のロール紙のロール紙セット部16aに対する取り付けが必要である旨の報知、例えば図示しない表示ランプの点滅がなされるように制御する。
【0058】
また、切り出し対象のロール紙がセットされていない場合には、前述した報知に限らず、CPU11は、前述したように設定されたロール紙種別の宝庫から、セットされていないロール紙の種別を除いた種別を切り出し・印刷の対象の種別の新たな候補として設定し、かつ、前述したステップS3〜S5の処理を再度行なった上で、ステップS6の処理を行なってもよい。
【0059】
ステップS6の処理による印刷では、ステップS3の処理により計算された余白面積が、ステップS4の処理により計算された余白面積より小さい場合には、画像回転なしの印刷、つまり、拡大縮小後の画像で表現される図形の各辺のうち、原稿における原稿読み取り方向と直交した方向に沿った辺と同じ位置関係にある辺を、切り出し・カット対象のロール紙の短辺と対応させた印刷を行なう。
【0060】
一方、ステップS4の処理により計算された余白の面積が、ステップS3の処理により計算された余白の面積より小さい場合には、画像回転ありの印刷、つまり、拡大縮小後の画像で表現される図形の各辺のうち、原稿における原稿読み取り方向に沿った辺と同じ位置関係にある辺を、切り出し・カット対象のロール紙の短辺と対応させた印刷を行なう。
【0061】
図6は、本発明の実施形態にしたがったロール紙カットの一例を示す図である。
【0062】
原稿読み取り機構15にセットした原稿が原稿21(図4参照)であり、拡大縮小後の画像で表現される図形が図形22(図5参照)である場合には、A0幅ロール紙に対し、前述した画像回転を伴う切り出し・印刷を行なった方が、切り出し・印刷後のロール紙の余白の面積が小さいので、カット部16cは、A0幅ロール紙23に対し、図形22の辺22bの長さ(623.7ミリメートル)にしたがった切り出しを行なう。
【0063】
以上説明したように、本発明の実施形態にしたがったデジタル複写機では、原稿読み取り機構15にセットした原稿を読み込んで得た画像に、予め設定された倍率による拡大縮小を行なった画像を解析することで、候補として予め設定されたロール紙種別のうち、切り出し・印刷に最適なロール紙種別、つまり印刷対象の画像が全て収まり、かつ、切り出し・印刷後の余白面積が最も少なくなるロール紙種別を自動的に計算して、この計算した種別に対応するロール紙に対し、計算済みのカット長さにしたがった切り出しと印刷を行なうので、原稿セット部15aにセットした原稿のサイズ、および、拡大縮小の形態に応じて、適切なロール紙種別の選択を行なった上での、ロール紙カットおよび印刷を行なうことができる。よって、ユーザは、原稿のセットにあたり、原稿の画像が全て収まり、かつ、余白が少なくなるロール紙種別を自分で選択する必要がなくなる。
【0064】
また、本発明の実施形態にしたがったデジタル複写機では、入力部12に対する所定の操作を行なうことで、前述した画像回転を伴う印刷を行なうか否かを設定でき、画像回転を伴う印刷を行なわない設定がなされている場合には、前述したステップS3における余白の計算、および、ステップS4の処理を省略し、ステップS3の処理により、画像回転を伴わない場合の印刷に最適であると計算したロール紙種別を、実際の印刷対象のロール紙種別として決定する。
【0065】
図7は、本発明の実施形態にしたがったロール紙カットの変形例を示す図である。
【0066】
例えば、セットした原稿が原稿21であり、かつ、画像回転を伴う印刷を行なわない設定がなされていた場合には、CPU11は、切り出し・印刷に最適なロール紙はA0幅ロール紙であり、カット長さは図形22の辺22aに沿った長さであると計算する。印刷機構16は、CPU11による計算結果にしたがって、A0幅ロール紙23に対し、図形22の辺22aに沿った長さ(800ミリメートル)にしたがったロール紙カットを行ない(図7参照)、この切り出したロール紙に対し、画像回転を伴わない印刷、つまり、図形22の辺22b、または辺22bと向かい合う辺22dとA0幅ロール紙23の辺23aの位置関係が同じになる印刷を行なう。
【0067】
なお、この発明は、前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を省略してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施形態にしたがったデジタル複写機の構成例を示すブロック図。
【図2】本発明の実施形態にしたがったデジタル複写機のCPUに記憶される定寸サイズテーブルの一例を表形式で示す図。
【図3】本発明の実施形態にしたがったデジタル複写機による原稿サイズの判別にかかる処理動作の一例を示すフローチャート。
【図4】本発明の実施形態にしたがったデジタル複写機にセットする原稿の一例を示す図。
【図5】本発明の実施形態にしたがったデジタル複写機にセットする原稿の拡大画像で表現される図形の一例を示す図。
【図6】本発明の実施形態にしたがったロール紙カットの一例(その1)を示す図。
【図7】本発明の実施形態にしたがったロール紙カットの一例(その2)を示す図。
【図8】従来のデジタル複写機にセットする原稿、および、この原稿の拡大画像の一例を示す図。
【図9】従来のデジタル複写機によるロール紙カットの一例(その1)を示す図。
【図10】従来のデジタル複写機にセットする原稿の一例を示す図。
【図11】従来のデジタル複写機によるロール紙カットの一例(その2)を示す図。
【符号の説明】
【0069】
11…CPU、12…入力部、13…ROM、14…メモリ、15…原稿読み取り機構、15a…原稿セット部、15b…画像読み取り部、16…印刷機構、16a…ロール紙セット部、16b…搬送部、16c…カット部、16d…印刷部、21,31…原稿、22,32…拡大画像、23,33…A0幅ロール紙。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
短辺の長さが、予め定められた複数種類の紙仕上げ寸法のうちいずれかの寸法の短辺長と対応するロール紙を複数種類取り付けるロール紙取り付け口と、
原稿の画像を読み取る読み取り手段と、
この読み取り手段により読み取った画像に対し等倍または任意の倍率による拡大縮小を行なう拡大縮小手段と、
この拡大縮小手段による拡大縮小を行なった画像で表現される図形の各辺のうち、前記原稿の前記読み取り手段による走査方向に沿った辺と同じ位置関係にある辺である第1図形辺の長さ、および、この第1図形辺に直交する第2図形辺の長さをそれぞれ検出する図形解析手段と、
前記取り付け口に取り付け可能なロール紙種別のうち、短辺の長さが、前記検出した第2図形辺の長さ以上で、かつ、最も短い長さであるロール紙種別を選択する選択手段と、
この選択した種別に対応するロール紙に対し、前記検出した第1図形辺の長さにしたがった切り出しを行なう切り出し手段と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
短辺の長さが、予め定められた複数種類の紙仕上げ寸法のうちいずれかの寸法の短辺長と対応するロール紙を複数種類取り付けるロール紙取り付け口と、
原稿の画像を読み取る読み取り手段と、
この読み取り手段により読み取った画像に対し等倍または任意の倍率による拡大縮小を行なう拡大縮小手段と、
この拡大縮小手段による拡大縮小を行なった画像で表現される図形の各辺のうち、前記原稿の前記読み取り手段による原稿読み取り方向に沿った辺と同じ位置関係にある辺である第1図形辺、および、この第1図形辺に直交する第2図形辺の長さをそれぞれ検出する図形解析手段と、
前記取り付け口に取り付け可能なロール紙種別のうち、短辺の長さが、前記検出した第2図形辺の長さ以上で、かつ、最も短い長さである第1のロール紙種別、および、短辺の長さが、前記検出した第1図形辺の長さ以上で、かつ、最も短い長さである第2のロール紙種別をそれぞれ選択する選択手段と、
この選択手段により選択した第1のロール紙種別に対応するロール紙の短辺の長さと前記第2図形辺の長さの差分と前記第1図形辺の長さとの積である第1の面積、および、前記選択手段により選択した第2のロール紙種別に対応するロール紙の短辺の長さと前記第1図形辺の長さとの差分と前記第2図形辺の長さとの積である第2の面積をそれぞれ計算する計算手段と、
前記第1の面積が前記第2の面積より小さい場合には、前記第1のロール紙種別と対応するロール紙に対し、前記第1図形辺の長さにしたがった切り出しを行ない、前記第2の面積が前記第1の面積より小さい場合には、前記第2のロール紙種別と対応するロール紙に対し、前記第2図形辺の長さにしたがった切り出しを行なう切り出し手段と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
前記選択手段による選択、および、前記計算手段による計算の有無を設定する設定手段をさらに備え、
前記切り出し手段は、
前記設定手段により、前記選択手段による選択、および、前記計算手段による計算を行なわない設定がなされた場合に、前記第1のロール紙種別と対応するロール紙に対し、前記第1図形辺の長さにしたがった切り出しを行なう
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記選択手段は、
前記取り付け口に取り付け可能なロール紙種別のうち予め定めた種別のなかから、前記ロール紙種別の選択を行なう
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記取り付け口に取り付けられるロール紙の種別を判別する判別手段をさらに備え、
前記選択手段は、
前記取り付け口に取り付け可能なロール紙種別のうち、前記取り付け口に取り付けられていると前記判別手段により判別された種別のなかから、前記ロール紙種別の選択を行なう
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項1】
短辺の長さが、予め定められた複数種類の紙仕上げ寸法のうちいずれかの寸法の短辺長と対応するロール紙を複数種類取り付けるロール紙取り付け口と、
原稿の画像を読み取る読み取り手段と、
この読み取り手段により読み取った画像に対し等倍または任意の倍率による拡大縮小を行なう拡大縮小手段と、
この拡大縮小手段による拡大縮小を行なった画像で表現される図形の各辺のうち、前記原稿の前記読み取り手段による走査方向に沿った辺と同じ位置関係にある辺である第1図形辺の長さ、および、この第1図形辺に直交する第2図形辺の長さをそれぞれ検出する図形解析手段と、
前記取り付け口に取り付け可能なロール紙種別のうち、短辺の長さが、前記検出した第2図形辺の長さ以上で、かつ、最も短い長さであるロール紙種別を選択する選択手段と、
この選択した種別に対応するロール紙に対し、前記検出した第1図形辺の長さにしたがった切り出しを行なう切り出し手段と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
短辺の長さが、予め定められた複数種類の紙仕上げ寸法のうちいずれかの寸法の短辺長と対応するロール紙を複数種類取り付けるロール紙取り付け口と、
原稿の画像を読み取る読み取り手段と、
この読み取り手段により読み取った画像に対し等倍または任意の倍率による拡大縮小を行なう拡大縮小手段と、
この拡大縮小手段による拡大縮小を行なった画像で表現される図形の各辺のうち、前記原稿の前記読み取り手段による原稿読み取り方向に沿った辺と同じ位置関係にある辺である第1図形辺、および、この第1図形辺に直交する第2図形辺の長さをそれぞれ検出する図形解析手段と、
前記取り付け口に取り付け可能なロール紙種別のうち、短辺の長さが、前記検出した第2図形辺の長さ以上で、かつ、最も短い長さである第1のロール紙種別、および、短辺の長さが、前記検出した第1図形辺の長さ以上で、かつ、最も短い長さである第2のロール紙種別をそれぞれ選択する選択手段と、
この選択手段により選択した第1のロール紙種別に対応するロール紙の短辺の長さと前記第2図形辺の長さの差分と前記第1図形辺の長さとの積である第1の面積、および、前記選択手段により選択した第2のロール紙種別に対応するロール紙の短辺の長さと前記第1図形辺の長さとの差分と前記第2図形辺の長さとの積である第2の面積をそれぞれ計算する計算手段と、
前記第1の面積が前記第2の面積より小さい場合には、前記第1のロール紙種別と対応するロール紙に対し、前記第1図形辺の長さにしたがった切り出しを行ない、前記第2の面積が前記第1の面積より小さい場合には、前記第2のロール紙種別と対応するロール紙に対し、前記第2図形辺の長さにしたがった切り出しを行なう切り出し手段と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
前記選択手段による選択、および、前記計算手段による計算の有無を設定する設定手段をさらに備え、
前記切り出し手段は、
前記設定手段により、前記選択手段による選択、および、前記計算手段による計算を行なわない設定がなされた場合に、前記第1のロール紙種別と対応するロール紙に対し、前記第1図形辺の長さにしたがった切り出しを行なう
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記選択手段は、
前記取り付け口に取り付け可能なロール紙種別のうち予め定めた種別のなかから、前記ロール紙種別の選択を行なう
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記取り付け口に取り付けられるロール紙の種別を判別する判別手段をさらに備え、
前記選択手段は、
前記取り付け口に取り付け可能なロール紙種別のうち、前記取り付け口に取り付けられていると前記判別手段により判別された種別のなかから、前記ロール紙種別の選択を行なう
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−116919(P2006−116919A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−310147(P2004−310147)
【出願日】平成16年10月25日(2004.10.25)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月25日(2004.10.25)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
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