説明

画像出力装置

【課題】先のオーダの処理に次のオーダの処理を割り込ませた際に、割り込ませたオーダの処理を迅速に行い得る画像出力装置を構成する。
【解決手段】画像データ取得手段33がメディアMから画像データを取得する際に1つの画像データの取得を1つのステップとして処理を行い、出力制御手段36で画像データを出力する際に1つの画像データの出力を1つのステップとして処理を行い、割込情報を取得した場合には、割込処理手段37がステップ同士の間で処理を中断して、他のオーダの処理の実行を許容する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データを取得する取得処理の後に、取得した画像データの出力処理を行う一連の処理をオーダとして実行する画像出力装置に関し、詳しくは、処理を中断し、他のオーダの処理を割り込ませ、そのオーダの処理を実現する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のように構成された画像出力装置として、複数の出力処理(オーダ)をタスクの種類に基づいて分類し、この分類からタスクを行うに処理効率が良好な順序で出力処理を行い、緊急度の高いタスクについては、緊急度の高いタスクから順に出力処理を行い、更に、出力処理中に緊急の依頼を受けた場合には、例えば、MOへの出力が完了した時点などにシステムに自動的に割り込みをかけて、緊急の処理を行うものが存在する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平10‐239780号公報 (段落番号〔0018〕、〔0031〕、〔0034〕、図1、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像出力装置として、ミニラボと称せられる写真プリント装置を例に挙げると、このデジタル処理が可能な写真プリント装置では、デジタルカメラで撮影に使用された半導体メディアから取得した画像データ、あるいは、写真フィルムから取得した画像データを印画紙にプリントする処理形態が一般的であり、取得した画像データをCD−R等のメディアに書き込む出力処理も行われている。
【0005】
近年のデジタルカメラの急速な普及に伴い、デジタルカメラで撮影に使用された半導体メディアから画像データを取得して印画紙等のプリント媒体にプリントする処理が一般化している。この半導体メディアの画像データをプリントする処理では、写真フィルムを現像処理する作業や、現像済み写真フィルムをスキャナにセットしてコマ画像を画像データとして取得する作業が不要であり、プリント出力や、CD−R等のメディアに書き込む出力を簡便な処理で実現する。
【0006】
このような理由から、DP店では顧客に再来店を願わずに、その場でオーダの処理を完了して手渡しを行えるように、顧客からの半導体メディアの受付からプリントの仕上げまでを短時間に行うことも行われつつある。
【0007】
また、写真プリント装置での処理としては、仕上げまでに時間的な余裕があるオーダと、早急な仕上げを要求されるオーダとが存在するものであり、仕上げまでに時間的な余裕があるオーダの実行中に、早急な仕上げが要求されるオーダを割り込ませる形態で処理を行いたい面もある。
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載されているように、1つのオーダにおける処理をタスクと捉え、タスクが完了した時点で割込を許すものでは、早急な仕上げを実現し難く改善の余地がある。
【0009】
本発明の目的は、先のオーダの処理に次のオーダの処理を割り込ませた際に、割り込ませたオーダの処理を迅速に行い得る画像出力装置を合理的に構成する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の特徴は、画像データを取得する取得処理の後に、取得した画像データの出力処理を行う一連の処理をオーダとして実行する画像出力装置であって、
前記取得処理と出力処理との少なくとも一方が複数のステップで構成され、このステップの処理の実行中に他のオーダの実行を要求する割込情報を取得した際には、前記ステップ同士の間でオーダの実行を中断し、前記他のオーダの実行を許容する割込処理手段を備えている点にある。
【0011】
この構成により、割込処理手段が、取得処理と出力処理との一方を構成する複数のステップの間で、そのオーダの実行を中断し、他のオーダの実行を許すものとなり、例えば、先のオーダの出力処理が完了する以前に、他のオーダを割り込ませ、この割り込ませたオーダの処理を実現できる。従って、先のオーダの処理に次のオーダの処理を割り込ませ、この割り込ませたオーダの処理を迅速に行い得る画像出力装置が合理的に構成された。
【0012】
本発明は、前記出力処理が、1つの画像データの出力を1つのステップとして処理を行うと共に、前記割込処理手段は、オーダの実行を中断する際に出力済みの画像データと、未出力の画像データとを区別し得る情報を保存し、前記他のオーダの処理を完了した後には、前記中断情報に基づいて未出力の画像データの出力を再開する処理再開手段を備えても良い。これによると、他のオーダの処理を完了した後には、割り込みによって中断していたオーダの処理を処理再開手段が再開することにより、その処理を完了できる。
【0013】
本発明は、前記出力処理として、メディアドライブを用いてメディアに画像データを書き込む処理が行われ、この処理が前記割込処理手段によって中断され、前記他のオーダとして、画像データが保存されているメディアを前記メディアドライブに新たにセットして画像データを取得し、出力処理を行うオーダを実行した後には、処理が中断した際のメディアを前記メディアドライブにセットすることにより、中断したオーダの実行を再開するように前記処理再開手段の処理形態が設定されても良い。これによると、先のオーダではメディアドライブを用いて画像データをメディアに書き込む処理が行われており、この処理を中断して、他のオーダによる割り込み処理としてメディアドライブに新たにメディアをセットして画像データを取得し、出力処理を行うことで、他のオーダの処理が完了した場合には、先のオーダのメディアをメディアドライブにセットすることにより、処理再開手段がメディアドライブに画像データを書込む処理を再開する。特に、先のオーダのメディアをメディアドライブにセットした際に、このようにセットしたメディアが先の処理において処理を中断したメディアであることを確認して表示するように処理形態を設定した場合には、誤ってメディアをセットする不都合を抑制して確実な処理を実現する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔全体構成〕
図1に示すようにオペレート部Aとプリント部Bとを備えて画像出力装置が構成されている。前記オペレート部Aは、コンソール部10に対して写真フィルムF(メディアMの一例)のコマ画像を光電変換によりデジタル信号化された画像データとして取得するフィルムスキャナ11と、各種情報を表示するディスプレイ12と、取得した画像データを出力処理に対応したデータに変換する処理等を実現するコンピュータで成る画像処理ユニット13とを配置している。コンソール部10の上面にはキーボード14と、ポインティングデバイスとして機能するマウス15とを備えている。
【0015】
前記画像処理ユニット13は、半導体型メディアMsからデジタル信号化された画像データを取得するメディアドライブ16と、ディスク型メディアMdからデジタル信号化された画像データを取得するメディアドライブ17とを備えている。
【0016】
尚、半導体型メディアMsとして、コンパクトフラッシュ( Compact Flash・商標)、SDメモリカード(SD memory card・商標)、メモリースティック(Memory Stick・商標)等を想定しており、ディスク型メディアMdとしてCD(Compact Disc)、CD−R(CD−Recordable)、MO(Magnet Optical Disk)等を想定している。
【0017】
前記プリント部Bは、筐体20の内部において、プリントサイズに切断した銀塩式の印画紙Pを露光部に搬送し、この露光部においてレーザビームにより画像データの露光を行い、この露光後の印画紙Pを現像処理槽に搬送して現像処理を行う。次に、この現像処理後の印画紙の乾燥処理を行った後に筐体20の上部から水平方向に送り出し、更に、この印画紙Pを搬送ベルト21からソータ22の複数のトレイ23に対してオーダ単位で仕分けて集積するように構成されている。
【0018】
前記画像処理ユニット13は、前述のようにフィルムスキャナ11によって取り込んだ画像データ、あるいは、前記メディアドライブ16、17を介してメディアM(半導体型メディアMs、ディスク型メディアMdの上位概念)から取り込んだ画像データを半導体メモリ31や、ハードディスクHD(図2を参照)等のストレージに記憶する処理を行う。また、この画像処理ユニット13は、プリント対象となる画像データをディスプレイ12に表示し、前記キーボード14を介してオペレータが入力する情報に基づいてプリント枚数やプリントサイズ等のオーダデータの設定を実現する。特に、本発明の画像処理ユニット13は、メディアMから画像データを取得するものに限らず、例えば、インターネットやLAN等の通信ネットワークから画像データを取得しても良い。
【0019】
〔制御構成〕
図2に示すように、前記画像処理ユニット13は、情報を処理するマイクロプロセッサCPUを備えている。このマイクロプロセッサCPUは、前記ディスプレイ12、キーボード14、マウス15、フィルムスキャナ11、メディアドライブ16、17夫々との間で情報のアクセスを行う。また、このマイクロプロセッサCPUは、RAM等で成る半導体メモリ31、オペレーティングシステム32、画像データ取得手段33、オーダデータ取得手段34、出力データ生成手段35、出力制御手段36、割込処理手段37、処理再開手段38、ハードディスクHD、通信ユニット39夫々の間で情報のアクセスを行う。尚、通信ユニット39は前記プリント部Bとの間で情報のアクセスを行う。
【0020】
画像データ取得手段33、オーダデータ取得手段34、出力データ生成手段35、出力制御手段36、割込処理手段37、処理再開手段38夫々は前記半導体メモリ31に展開されるソフトウエアを想定しているが、ロジック等のハードウエアで構成して良く、また、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせによって構成しても良い。
【0021】
前記オペレーティングシステム32は、半導体メモリ31を管理すると共に、ソフトウエアを半導体メモリ31に展開して処理の実行を実現する。また、このオペレーティングシステム32は、前記キーボード14やマウス15から入力される情報を取得して、実行中の処理に与えるインタフェースとしても機能する。
【0022】
前記画像データ取得手段33は、前記フィルムスキャナ11あるいはメディアドライブ16、17から画像データを取得し、前記半導体メモリ31あるいはハードディスクHDに保存する。
【0023】
前記オーダデータ取得手段34は、前記ディスプレイ12に対してプレジャッジ画面(図示せず)を表示し、このプレジャッジ画面に対して前記画像データ取得手段33が取得した画像データをサムネイル形式で一覧化して表示し、この表示に対するオペレータの操作に基づき出力対象とする画像データを特定する情報、及び、プリント処理におけるプリント枚数等の情報を取得する。
【0024】
前記出力データ生成手段35は、オーダデータに基づいて出力対象の画像データを、出力に適した構造の画像データに変換する。前記出力制御手段36は、出力対象の画像データを前記プリント部Bに出力することにより印画紙Pに対するプリントする(出力する)処理を実現する、又は、画像データを前記メディアドライブ16、17に出力することにより半導体型メディアMs、ディスク型メディアMdに対して画像データを書込む(出力する)処理を実現する。尚、メディアドライブ17にディスク型メディアMdをセットして画像データを書き込む処理は、電子アルバムの作製と称されている。
【0025】
前記割込処理手段37は、この画像出力装置のメディアドライブ16、17において画像データを取得している際、あるいは、プリント部Bにおいて画像データがプリントされている(出力されている)際、あるいは、例えば、メディアドライブ17において画像データがディスク型メディアMdに書き込まれている(出力されている)際において、オペレータの操作に基づいた割込情報を取得した際に、前記画像データの取得、プリント、書き込み等を中断(オーダの実行を中断)し、他のオーダの実行を許容する。
【0026】
前記処理再開手段38は、前記他のオーダを実行した後に、中断されたオーダについて、既に出力が済んでいるものを除き、残りの画像データの出力を実現する。これら割込処理手段37と処理再開手段38との処理は後述する。
【0027】
〔画像処理ユニットの処理の特徴〕
本発明の画像処理ユニット13では、図3のフローチャートに示す処理が行われる。つまり、所定のオーダにおいて画像データを出力する画像出力処理(#100ステップ)の実行時には図7に示すように、実行ダイアログ50が表示される。この実行ダイアログ50には、処理の進捗状況を経過表示部51においてバーグラフ的に表示すると共に、中断ボタン52とキャンセルボタン53とが表示される。
【0028】
この画像出力処理(#100ステップ)とは、後述するように、メディアMから画像データを取得する取得処理の後に、画像データのプリントなどの出力処理を行う一連の処理である。
【0029】
このオーダの処理が完了しないうちに、中断ボタン52をカーソルで選択して操作した場合には(#01ステップ)、前記割込処理手段37が、実行中の画像出力処理を中断すると共に、他のオーダを割り込ませる形態で、その処理の実行を許容する(#02、#03ステップ)。そして、他のオーダの処理が完了した場合には、前記処理再開手段38が、中断しているオーダの処理を再開する再開処理を行い(#200ステップ)、このように再開した処理を完了するまで行う(#04ステップ)。
【0030】
尚、中断ボタン52が操作されない場合には、画像出力処理(#100ステップ)が、そのまま完了するまで行われる。更に、フローチャートには示していないが、キャンセルボタン53が操作された場合には、既に取得されている情報を破棄して処理がキャンセルされる。
【0031】
〔画像出力処理〕
前記画像出力処理(#100ステップ)の処理をサブルーチンとして図4のフローチャートのように示すことが可能である。つまり、この画像出力処理では、メディアMから画像データを取得する取得処理の後、取得した画像データの出力処理を行う一連の処理が行われる。
【0032】
取得処理では、1つの画像データの取得を1つのステップとするステップ単位で取得を行い、取得対象とした画像データの取得が完了する以前に割込情報を取得した場合(前記中断ボタン52が操作された場合)には、前記割込処理手段37が、ステップ同士の間(中間)で処理を中断すると共に、取得した画像データと、中断位置を示す情報とをオーダ情報に関連付けて半導体メモリ31やハードディスクHDに保存する(#101〜#104ステップ)。
【0033】
前記ステップ単位で取得を行う処理形態とは、例えば、複数の画像データを指定して一括して画像データを取得するような処理ではなく、例えば、1つの画像データの取得が完了する毎に、次の処理への移行の可否の判断を割込処理手段37が自動的に行う処理として捉え得るものである。つまり、処理を中断する割込情報は決まったタイミングで取得されるものではなく、所定のステップの処理の実行途中に取得されることもある。このような理由から、割込処理手段37は、夫々のステップの完了時に、次の処理(ステップ)への移行の可否の判断を行うことにより、割込情報の取得タイミングに最も近いタイミングで処理の中断を行える。また、前記中断位置を示す情報とは、中断位置までに処理が行われた画像データの数や、中断位置の直前の画像データを特定し得るファイル名を含むもの等が考えられる。
【0034】
また、画像データの取得が完了した後に、割込情報を取得した場合(前記中断ボタン52が操作された場合)には、前記割込処理手段37が、次の処理への移行を中断すると共に、既に取得している画像データと、中断位置を示す中断情報とをオーダ情報に関連付けて半導体メモリ31やハードディスクHDに保存する(#105、#106ステップ)。
【0035】
このフローチャートでは、前記ディスプレイ12に対してプレジャッジ画面(図示せず)を表示し、このプレジャッジ画面に対して前記画像データ取得手段33が取得した画像データをサムネイル形式で一覧化して表示し、オペレータの操作に基づいて出力対象とする画像データを特定する等の情報を設定する処理(#107ステップ)を、この後に行うように処理順序を記載している。尚、この処理を前記#105ステップの以前に行うものであっても良い。
【0036】
また、出力処理として、この画像出力装置では、プリント部Bにおいて印画紙Pへのプリント処理と、前記メディアドライブ17にCD−RやDVD−R等のディスク型メディアMdをセットして、画像データを書込む処理との少なくとも一方を想定している。何れの処理においても、1つの画像データの出力を1つのステップとして出力するステップ単位での処理を行い、出力対象とした画像データの出力が完了する以前に割込情報を取得した場合(前記中断ボタン52が操作された場合)には、ステップ同士の間(中間)で処理を中断すると共に、取得している画像データと中断位置を示す情報とをオーダ情報に関連付けて半導体メモリ31やハードディスクHDに保存する(#108〜#110ステップ)。
【0037】
特に、前記メディアドライブ17として、記録面の反対側の面に情報をインクジェット方式でプリントするプリントヘッドを備えたものや、記録面に情報を記録する構造を用いて記録面に視認可能な情報を形成する機能(情報の書き込みの有無によって記録面の光線の反射率が変化する特性を利用した機能)を備えているものでは、前述したようにディスク型メディアMdに画像データを書き込む処理を中断する場合に、このディスク型メディアMdの識別を容易にするために、記録面の反対側にオーダを特定し得る情報をプリントすることや、記録面の一部にオーダを特定し得る情報を形成しても良い。
【0038】
前記ステップ単位で出力を行う処理形態とは、例えば、複数の画像データを指定して一括して画像データを出力するような処理ではなく、例えば、1つの画像データの出力が完了する毎に、次の処理への移行の可否の判断を行う処理として捉え得るものである。
【0039】
特に、この中断位置を示す情報が、出力済みの画像データと、未出力の画像データとを区別し得る情報として機能する。また、この中断位置を示す情報とは、前述したものと同様に、中断位置までに処理が行われた画像データの数や、中断位置の直前の画像データを特定し得るファイル名を含むもの等が考えられる。
【0040】
尚、ディスク型メディアMdに画像データを書き込む処理が中断された場合には、図8に示す確認ダイアログ55が表示され、このディスク型メディアMdをメディアドライブ17から取り出した場合には、このディスク型メディアMdをメディアドライブ17に再セットすることで処理を再開する旨のメッセージを表示し、確認のためのOKボタン56を表示する。
【0041】
前述した他のオーダの画像出力処理では、前記メディアドライブ17に対して、画像データが記録されているディスク型メディアMdをセットし、そのディスク型メディアMdから画像データを取得し、その画像データをプリントする等の処理を含むものである。従って、このような処理が割り込んだ場合には、メディアドライブ17からディスク型メディアMdを一旦取り出し、この割り込みによる処理が完了した後に、再度ディスク型メディアMdをセットすることにより、画像出力処理が中断されたメディアMであることの確認が行われ、確認された場合には、ディスプレイ12に確認メッセージを表示した後に処理が再開される。
【0042】
前記再開処理(#200ステップ)では、前記処理再開手段38が中断位置を示す情報を取得し、中断したタイミングを判別する(#201ステップ)。
【0043】
そして、画像データの取得途中に中断したことが判別された場合には、中断位置を示す情報に基づいて、中断位置を示す情報から既に取得している画像データは取得せず、未取得の画像データの取得を行う処理から取得処理を再開する(#202、#203)。
【0044】
具体例を挙げると、半導体型メディアMsとディスク型メディアMdとの何れであっても、画像データを取得する途中で、取得する処理が中断した場合には、この後に割り込んだオーダの処理(他のオーダの処理)が実行され、この割り込んだ処理(前記他のオーダの実行)が完了した後には、メディアドライブにセットされているメディアMから画像データの取得が開始される。また、他のオーダの実行時にメディアドライブからメディアMが取り外されている場合には、割り込んだ処理が完了した後に、処理が中断した際のメディアMをメディアドライブに再びセットすることにより画像データを取得する処理が再開される。
【0045】
尚、メディアドライブにメディアMをセットした際には、既に取得している画像データとメディアMに保存されている画像データとの比較(ファイル名やデータ量を含めた比較)により、処理が中断したメディアMであることが特定され、中断位置の次のステップから画像データの取得が再開される。
【0046】
また、画像データの取得直後に中断したことが判別された場合には、中断位置を示す情報に基づいて、次の処理を再開する(#204、#205ステップ)。
【0047】
この処理ではステップ単位での中断ではないが、割り込んだ処理(前記他のオーダの実行)が完了した後には、中断された位置の次の処理(出力処理)が開始される。
【0048】
また、画像データの出力途中に中断したことが判別された場合には、中断位置を示す情報に基づいて、未出力の画像データの出力を行う処理から出力処理を再開する(#206、#207ステップ)。この#207ステップの処理については具体例を挙げて〔再開処理〕として後述する。
【0049】
尚、#206ステップでも行うべき処理が判定できない場合、つまり、中断位置を示す情報等が消滅している場合にはエラー表示を行う(#208ステップ)。
【0050】
〔再開処理〕
特に、画像出力処理において、所謂、電子アルバムを作成する処理としてメディアドライブ17にCD−RやDVD−R等のディスク型メディアMdをセットして画像データの書き込みを行っている途中で処理が中断され、このメディアドライブ17からディスク型メディアMdを取り出し、割り込んだ処理(前記他のオーダの実行)が実行され、この割り込んだ処理が完了した後には、他のオーダの画像データが保存されたCD等を新たにセットして画像データを取得し、取得した画像データをプリントする等の出力処理が行われるものであり、この処理は、以下のように実行される。
【0051】
つまり、先のオーダの処理を中断して、割り込んだ処理(前記他のオーダの実行)が行われ、この割り込んだ画像出力処理が完了した後には、図6のフローチャートに示すように、そのオーダのディスク型メディアMdをメディアドライブ17から取り出し、先のオーダのディスク型メディアMdをメディアドライブ17にセットすることになる。
【0052】
このようにメディアドライブ17にディスク型メディアMdをメディアドライブ17にセットした場合には、ディスク型メディアMdに既に書き込まれている画像データの存否(書き込みの有無)を判別し、存在しない場合には、未使用のディスク型メディアMdであることを示すメッセージをディスプレイ12に表示する(#301、#302ステップ)。
【0053】
また、ディスク型メディアMdに画像データが存在する場合に、ディスク型メディアMdに既に書き込まれている画像データに基づいてオーダを特定し、処理が中断しているオーダの情報と比較し、一致するオーダが存在しない場合には、一致するオーダが存在しないことを示すメッセージをディスプレイ12に表示する(#303〜#306ステップ)。
【0054】
ディスク型メディアMdに既に存在する画像データに基づいてオーダを特定する場合には、中断位置を示す情報に基づいてディスク型メディアMdに書き込まれている画像データのファイル名と、夫々の画像データのファイルのデータ量とが比較され、一致するものを書き込み処理が中断したディスク型メディアMdと判別する。
【0055】
これによってオーダが一致することが判別された場合には、画像出力処理が中断されたメディアMであることの確認が行われ、一致することが確認された場合には、ディスプレイ12に確認メッセージを表示した後に、そのディスク型メディアMdに対して未書き込みの画像データの書き込みを再開し、書き込み対象とした残りの全ての画像データの書き込みが行われる(#305、#307、#308ステップ)。
【0056】
従って、出力対象の画像データをディスク型メディアMdに書き込む処理の途中で処理が中断した場合でも、そのディスク型メディアMdを再度メディアドライブ17にセットすることにより、そのディスク型メディアMdに既に書き込まれている画像データからディスク型メディアMdが判別され、書き込まれていない画像データの書き込みが行われるのである。
【0057】
〔発明の概念〕
このように、本発明の画像出力装置では、所定のオーダにおいて画像データの取得開始から画像データの出力の完了までの間に、処理を中断して、他のオーダを割り込ませて画像出力処理を可能にすることにより、例えば、仕上げまでに時間的な余裕があるオーダの実行中に、早急な仕上げが要求されるオーダを割り込ませる形態での処理を実現する。また、この割り込みによる画像出力処理が完了した場合には、先に行われていたオーダの出力処理を実現できる。
【0058】
特に、本発明の画像出力処理では、画像データの取得時には1つの画像データを取得する処理を1ステップに設定し、ステップ同士の間で中断を行えるように処理形態を設定すると共に、画像データの出力時にも1つの画像データを出力する処理を1ステップに設定しており、ステップ同士の間で中断を行えるように処理形態を設定している。更に、この中断の後に、他のオーダの出力処理を完了した後には、中断されたオーダの画像出力処理の途中から処理を再開できるので、先に行われていた処理を適正に完了できるものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】画像出力装置の斜視図
【図2】画像処理ユニットの制御系を示すブロック回路図
【図3】画像出力装置の基本的な処理形態を示すフローチャート
【図4】画像出力処理のフローチャート
【図5】再開処理のフローチャート
【図6】メディアをメディアドライブにセットした際の再開処理のフローチャート
【図7】実行ダイアログを示す図
【図8】確認ダイアログを示す図
【符号の説明】
【0060】
16、17 メディアドライブ
37 割込処理手段
38 処理再開手段
M メディア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを取得する取得処理の後に、取得した画像データの出力処理を行う一連の処理をオーダとして実行する画像出力装置であって、
前記取得処理と出力処理との少なくとも一方が複数のステップで構成され、このステップの処理の実行中に他のオーダの実行を要求する割込情報を取得した際には、前記ステップ同士の間でオーダの実行を中断し、前記他のオーダの実行を許容する割込処理手段を備えている画像出力装置。
【請求項2】
前記出力処理が、1つの画像データの出力を1つのステップとして処理を行うと共に、前記割込処理手段は、オーダの実行を中断する際に出力済みの画像データと、未出力の画像データとを区別し得る情報を保存し、前記他のオーダの処理を完了した後には、前記中断情報に基づいて未出力の画像データの出力を再開する処理再開手段を備えている請求項1記載の画像出力装置。
【請求項3】
前記出力処理として、メディアドライブを用いてメディアに画像データを書き込む処理が行われ、この処理が前記割込処理手段によって中断され、前記他のオーダとして、画像データが保存されているメディアを前記メディアドライブに新たにセットして画像データを取得し、出力処理を行うオーダを実行した後には、処理が中断した際のメディアを前記メディアドライブにセットすることにより、中断したオーダの実行を再開するように前記処理再開手段の処理形態が設定されている請求項2記載の画像出力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−71349(P2009−71349A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−234189(P2007−234189)
【出願日】平成19年9月10日(2007.9.10)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】