説明

画像合成装置、及び、画像合成方法

【課題】画像データとフレーム画像データとを合成する場合に、常に双方のバランスがよい合成を可能にすることである。
【解決手段】画像データ内における表示対象の位置を判別する判別手段と、この判別手段によって判別された表示対象の位置に合わせて予め用意されたフレーム画像データを変形させる変形手段と、前記表示対象がこの変形されたフレーム画像データの枠内に収まるように、前記画像データと前記フレーム画像データとを合成して表示する表示手段とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影画像データとフレーム画像データとを合成する画像合成装置、及び、画像合成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラやカメラ機能付き携帯電話が普及しており、多くの場面で撮影が行われるようになっている。また、最近では、被写体を撮影するだけでなく、フレーム画像データを合成して撮影画像データの印刷や保存をする機能が一般化されつつある。例えば、複数のフレーム画像データを記憶し、すでに撮影済みの画像データと合成する場合、ユーザは複数の画像データの中から最もお気に入りの画像データを選択し、その画像データとフレーム画像データとを合成することができる撮影装置が開示されている(特許文献1、参照。)。
【特許文献1】特開2001−352505号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の撮影装置では、フレーム画像データの選択や画像データの選択、変更は可能であっても、フレームサイズは既定であるため変更できず、フレームサイズと画像サイズのバランスが悪い合成画像ができてしまうという問題があった。
【0004】
本発明の課題は、画像データとフレーム画像データとを合成する場合に、常に双方のバランスがよい合成を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、画像データ内における表示対象の位置を判別する判別手段と、この判別手段によって判別された表示対象の位置に合わせて予め用意されたフレーム画像データを変形させる変形手段と、前記表示対象がこの変形されたフレーム画像データの枠内に収まるように、前記画像データと前記フレーム画像データとを合成して表示する表示手段とを備えたことを特徴としている。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像合成装置において、前記画像合成装置は、撮像手段を更に備え、前記画像データは、前記撮像手段によって撮像されたものであることを特徴としている。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像合成装置において、前記表示対象は前記撮像手段によって撮像された被写体像であることを特徴としている。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3の何れか一項に記載の画像合成装置において、前記フレーム画像データは、複数の色領域を有し、前記変形手段は、前記複数の色領域のそれぞれを前記被写体像の位置に合わせて変形させることを特徴としている。
【0009】
請求項5に記載の発明は、画像データ内における表示対象の位置を判別する判別ステップと、この判別ステップにて判別された前記表示対象の位置に合わせて予め用意されたフレーム画像データを変形させる変形ステップと、前記表示対象がこの変形されたフレーム画像データの枠内の収まるように、前記画像データと前記変形されたフレーム画像データとを合成して表示させる表示ステップとからなることを特徴としている。
【0010】
請求項6に記載の発明は、コンピュータに、画像データ内における表示対象の位置を判別する判別手段、この判別手段によって判別された前記表示対象の位置に合わせて予め用意されたフレーム画像データを変形させる変形手段、前記表示対象がこの変形されたフレーム画像データの枠内に収まるように、前記画像データと前記変形されたフレーム画像データとを合成して表示させる表示手段として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、画像データとフレーム画像データを合成する際に、画像データから抽出した表示対象の位置に合わせて、フレーム画像データを変形させることにより、画像データとフレーム画像データとのバランスがよい合成画像データを作成することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0013】
図1に、本発明の実施形態に係る画像合成装置100の主要部構成を示す。なお、本実施形態においては、画像合成装置100としてカメラ機能付き携帯電話の構成としたが、これに限られず、別の構成としてもよい。図1に示すように、画像合成装置(以下、携帯電話)100は、アンテナ1、通信部2、音声処理部3、CPU(Central Processing Unit)4、ROM(Read Only Memory)5、RAM(Random Access Memory)6、撮影用センサ7、キー入力部8、表示ドライバ9、表示部10、スピーカー11、マイク12等により構成される。
【0014】
アンテナ1は、携帯電話100と基地局との間で行われる無線通信により送受信される信号を受信する。そして、受信した信号を通信部2へ出力する。
【0015】
通信部2は、アンテナ1から信号が入力されると、その信号を音声処理部3及びCPU4へ出力する。
【0016】
音声処理部3は、通信部2から信号が入力されると、その信号に制御処理を施し、スピーカー11に出力することでユーザに音声を伝える。また、マイク12は、ユーザにより音声が入力されると、その信号を音声処理部3に入力する。
【0017】
CPU4は、通信部2やその他各部から入力される指示に応じて所定のプログラムに基づいた処理を実行し、各機能部への指示やデータの転送を行う中央演算装置である。具体的にCPU4は、キー入力部8から入力される操作信号に応じて、ROM5に格納されたプログラムを読み出し、当該プログラムに従った処理を実行する。そして、その処理結果を表示ドライバ9を介して表示部10に表示させる。例えば、携帯電話100のキー入力部8から撮影を開始する指示が入力されると、ROM5に記憶されているプログラムに従って、撮像部7の動作を制御する。
【0018】
ROM5は、携帯電話100の動作に必要なプログラムの実行に係るデータを格納する。例えば、キー入力信号処理、フレームサイズ変更処理、撮影処理等の各種制御プログラムを格納する。これらのプログラムは何れも、書き換える必要のないプログラムや、書き換えてはいけないプログラムである。
【0019】
RAM6は、CPU4によって実行される各種プログラムをプログラム格納エリアに展開する。また、RAM6は、各種プログラムの実行時に生じる処理結果等のデータをワークエリアに一時的に記憶する。さらに、RAM6は、表示部10に被写体像を映し出すと、そのモニタ画像データを一時的に保存する。また、そのモニタ画像データに対応付けて
生成されたフレーム画像データを一時的に格納する領域を備える(図2、参照。)。
【0020】
撮像部7は、CPU4による指示に従って撮影を行い、撮影画像データを取得する。また、撮像部7は撮影用センサ7aを有し、撮影用センサ7aによって撮影画像データの色の濃度変化を滑らかに、豊かに表現でき、優れた画像を取得する。
【0021】
キー入力部8は、ボタンキー等の各種機能キーを備え、キーの押下操作に対応する操作信号をCPU4に出力する。フレーム画像データの位置、サイズ等の変更や、フレーム画像データと合成する被写体像の抽出等の操作は、このキー入力部8より実行される。
【0022】
表示部10は、表示ドライバ9を備えて構成される。表示ドライバ9は、CPU4から入力される表示データに基づいて表示部10に各種画像データ等を表示させる。表示部10は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示画面を備え、すべての操作を行うために必要な画面である。例えば、撮像部7により被写体が撮影されると、撮影画像データを表示する。さらに、その撮影画像データに合成するフレーム画像データを表示し、撮影画像データとのバランス等の設定の際は、表示画面を見ながら操作を行う。
【0023】
記憶部13は、プログラムやデータ等が予め記憶されている記録媒体(図示省略)を有しており、この記録媒体は、磁気的、光学的記録媒体若しくは半導体メモリで構成されている。この記録媒体は、各種処理プログラム及び各種処理プログラムで処理されたデータを記憶する。また、この記憶部13は、例えば、フレーム画像データを生成する為に必要な基準フレームデータを記憶する。この基準フレームデータの数は限定されず、複数記憶することで複数パターンのフレーム画像データの生成が可能となる。
【0024】
図2(a)に、RAM6に一時的に記憶されるデータの一例を示す。図2(a)に示すように、RAM6は、複数のフレーム情報領域601〜603、モニタ画像一時保存領域610、撮影画像一時保存領域620、フレーム画像一時保存領域630、フレーム画像ビットマップ領域640等の各領域により構成される。
【0025】
複数のフレーム情報領域601〜603の各領域には、図2(b)に示すような詳細なフレーム情報が格納されている。フレーム情報の詳細な説明は後述するが、フレーム情報1に格納されるフレーム画像データは複数の色領域を有し、これらを組み合わせることにより複数のフレーム画像データを構成している。例えば、図2(b)に示すフレーム情報には、PATTERN(以下、パターン)A、パターンB、パターンCの色領域(以下、フレームデザイン)から成るフレーム画像データを格納する。なお、フレームデザインの種類及び数はこれに限られず、他の構成としてもよい。以下、実施例はこれらの3パターンの組み合わせにより構成されるフレーム画像データについて説明する。
【0026】
モニタ画像一時保存領域610は、カメラを起動させたときに、表示部10に映し出される被写体像を一時的に保存する。複数のフレーム画像データから、ユーザが所望するフレーム画像データが選択されると、このモニタ画像一時保存領域610から、一時的に保存されているモニタ画像データを取得すると、ユーザはキー入力部8を操作することにより、そのモニタ画像データからフレーム画像データと合成する領域を抽出する。
【0027】
撮像部7により撮影された撮影画像データは、撮影画像一時保存領域620に一時的に保存され、フレーム画像と合成する際には、この領域に保存された撮影画像データの中からユーザは所望する撮影画像データを選択する。
【0028】
ユーザによりモニタ画像データから、フレーム画像データと合成する表示対象を含む領
域が抽出されると、CPU4は、その表示対象の位置を読み出し、フレーム画像データの位置、サイズ等を決定し、フレーム画像データを生成する。ここで、表示対象の位置とは、図5に示すように、ユーザにより抽出される被写体像を含む領域Bの位置情報であり、CPU4は、この領域Bの位置情報を読み出し、この情報に基づいてフレーム画像データを生成する。また、この領域Bの読み出しの際には、サイズ情報も合わせて読み出す。この生成したフレーム画像データを一時的に保存するのがフレーム画像一時保存領域630である。この生成したフレーム画像データと、モニタ画像データを重ね合わせ表示し、ユーザに確認させるが、この確認の際に、ユーザによりフレーム画像データの位置、サイズ等が変更された場合は、フレーム画像一時保存領域630に保存しているフレーム画像データを変更後のフレーム画像データに更新して保存する。
【0029】
フレーム画像ビットマップ領域640は、フレーム画像データの図形や文字等の表示イメージを、大きさ及び色を持った点の集合として保存する領域である。選択されたフレーム画像データを保存すると、このフレーム画像ビットマップ領域640に保存し、このデータと、撮影画像データを重ね合わせて表示画面に表示する。ユーザは、重ね合わせ表示を確認して、フレーム画像データの変更、もしくは、確定をする。
【0030】
図3を参照して、フレーム情報領域につてい詳細に説明する。なお、以下、ベクトル座標は、横軸をx軸、縦軸をy軸とする。
【0031】
まず、図3(a)に、ROM5に格納されているフレーム情報の詳細を示す。まず、フレーム情報の最初に記載されるframe_size(x,y)は、フレーム画像データ全体の基準サイズを設定するものであり、ベクトル横x、縦yで設定される。ベクトル横x、縦yにそれぞれ数値を入力すると、フレーム画像データ全体の基準サイズが設定される。各フレーム情報のframe_size(x,y)について、ベクトル横x、縦yを異なった値で複数設定すると、さまざまな大きさのフレーム画像データを設定できる。
【0032】
次に、図2に示したフレーム情報1の2行目〜5行目の設定内容について説明する。この基本となるコマンドが、図3(a)に示す、

rectangle((x,y),(dx,dy),flexible,draw_type,pattern,priority)

である。
【0033】
(x,y)は、矩形始点座標であり、(dx,dy)は、矩形終点移動量である。これらの座標により形成される矩形Pを図3(b)に示す。矩形始点座標(x,y)を(0,0)、矩形終点移動量(dx、dy)を(a,b)とすると、横辺がa、縦辺がbの矩形Pが生成される。矩形Pに重ねて、別の矩形を生成する場合は、矩形始点座標及び矩形終点移動量の設定変更をすることにより実行できる。
【0034】
図3(c)に、矩形始点座標を(0,0)、矩形終点移動量を(120,100)と設定した場合に生成される、横辺120、縦辺100から成る矩形Rの中央に重ねて、横辺100、縦辺80から成る矩形Qを生成する図を示す。まず、矩形始点座標の値を設定する。矩形Qの横辺を100にするためには、矩形始点座標を(10,10)に設定する。そして、この始点座標から、x軸方向に距離100、y軸方向に距離80移動させる、つまり、矩形終点移動量(x,y)を(100,80)に設定することにより、矩形Qが生成される。これらの座標設定により、矩形が生成され、矩形領域が確定される。
【0035】
flexibleは、矩形始点座標及び矩形終点移動量で確定された矩形領域が、変形
可能か否かを示すものである。FIXの場合は、固定設定であるため矩形領域の変更はできず、FLEXの場合は変形が可能である。ここで、フレーム画像データの変形とは、ユーザにより抽出された表示対象を含む領域の位置情報に対応付けて、フレーム画像データを構成する矩形領域を変更する処理である(図7参照。)。フレーム画像データは、複数の色領域から成る矩形領域であるフレームデザインにより構成されており、モニタ画像データより抽出された領域の位置やサイズ等の情報に対応づけて、それぞれのフレームデザインの形状を変更する。形状を変更するフレームデザインは設定により異なり、フレーム画像データのコマンドにより設定する。従って、flexibleをFLEXと設定すると、抽出された領域に対応付けてフレームデザインの位置やサイズ等を変更することができる。
【0036】
draw_typeは、確定された矩形領域において、その矩形内を塗りつぶすか、もしくは、フレームの枠を描写するかの設定である。BOXと設定されると、確定された矩形領域の外周を描写する。FILLと設定されると、確定された矩形領域を設定されたパターンで塗りつぶす。WINDOWと設定されると、確定された矩形領域をフレーム画像の透過部として定義する。つまり、WINDOWと設定された領域に、被写体の画像データを合成する。以下、WINDOW設定された領域を窓領域と称す。
【0037】
patternは、フレームデザインの種類の設定であり、図2に示した3パターンの何かが設定される。ここで、nullと設定すると、何れのパターンでも塗りつぶさない。従って、空白の状態となる。
【0038】
priorityは、フレーム画像を構成するデータの表示優先度の設定である。図3(d)に示すように、priority1として三角形のフレーム画像データ、priority2として円形のフレーム画像データが設定されている場合、番号の早い方、つまり、priority1である三角形のフレーム画像データの方が表示優先度が高く、図のように合成される。つまり、priorityの番号が早い画像データから優先して重畳表示される。
【0039】
図4(a)に、本実施形態の携帯電話100の基準となるフレーム情報を示し、図4(b)に、図4(a)のフレーム情報に基づいて生成される基準フレーム画像データを示す。
【0040】
図4(a)に示すフレーム情報は、本実施形態に係る携帯電話100のROM5に格納されるフレーム情報の基準設定である。基準となるフレームサイズは、

frame_size(120,100)

の設定より、x軸方向に120、y軸方向に100で構成されるフレームサイズ、つまり、横×縦が120×100のサイズである。フレームデザインは、図に示すような3パターンで構成される。
【0041】
rectangle((0,0),(120,100),FIX,FILL,PATTERN_A,4)・・・(1)
の設定により構成されるフレーム画像データ20は、矩形始点座標(0,0)から矩形終点移動量(120,100)の設定により形成される矩形において、位置を固定し(FIX)、その矩形内をパターンデザインAで塗りつぶす(FILL)ことにより生成される。

rectangle((10,10),(100,80),FIX,FILL,PATT
ERN_B,3)・・・(2)
の設定により構成されるフレーム画像データ21は、矩形始点座標(10,10)から矩形終点移動量(100,80)の設定により形成される矩形において、位置を固定し(FIX)、矩形内をパターン種類Bで塗りつぶす(FILL)ことにより生成される。

rectangle((20,20),(80,60),FLEX,FILL,PATTERN_C,2)・・・(3)
の設定により構成されるフレーム画像データ22は、矩形始点座標(20,20)から矩形終点移動量(80,60)の設定により形成される矩形において、矩形は変形可能であり(FLEX)、矩形内をパターン種類Cで塗りつぶす(FILL)ことにより生成される。

rectangle((30,30),(60,40),FLEX,FILL,WINDOW,null,1)・・・(4)
の設定により構成されるフレーム画像データ23は、矩形始点座標(30,30)から矩形終点移動量(60,40)の設定により形成される矩形において、矩形は変形可能であり(FLEX)、確定された矩形内をフレーム画像の透過部として定義、つまり、どのパターンでも塗りつぶさないことにより生成される。
【0042】
以上のフレーム画像設定(1)〜(4)において、priority(表示優先度)の設定は、順に(4)、(3)、(2)、(1)であるため、フレーム画像設定(4)により生成されるフレーム23が一番優先的に表示され、フレーム画像設定(1)により生成されるフレーム画像データ20が一番背面に表示される。従って、この設定により図4(b)の基準フレームが生成される。(1)、(2)、(3)、(4)それぞれの設定を変更して保存することにより、複数の基準フレームが設定可能である。ユーザは、複数の基準フレームの中から所望するフレーム画像データを選択する。以下、図4(b)に示すフレーム画像データと撮影画像データを合成する場合について説明する。
【0043】
図5に、撮影画像データとフレーム画像データとの合成方法の一例を示す。
【0044】
先ずユーザが、合成したいフレーム画像データを選択するために携帯電話100のキー入力部8より所定の操作を行うと、この操作を検出することにより、CPU4はROM5よりロードされたプログラムに基づいて、モニタ表示されたモニタ画像データAから抽出したい表示対象である被写体像を含む領域Bを抽出する。なお、本実施例では、人物のみを抽出する構成とするが、これに限らず、例えば、モニタ画像データAにおいて、木と人物を含む領域を抽出するとしてもよい。そしてユーザにより、領域Bが抽出されると、その領域の位置を判別し、フレーム画像データの位置、サイズが決定される。ここで必要とされる携帯電話100が格納する基準フレームは、上述したように、フレーム画像データ20及びフレーム画像データ21が位置固定、フレーム画像データ22及びフレーム画像データ23が位置変更可能と設定されている。CPU4は、領域Bが抽出されることにより、フレーム画像データの位置、サイズを決定すると、決定した情報を基に基準フレームを変更する。このとき、変更するフレームは位置変更可能なフレーム画像データ22及びフレーム画像データ23である。この処理により生成するフレーム画像データが、図5に示すフレーム画像データCである。
【0045】
図5で生成したフレーム画像データCとモニタ画像から抽出した領域Bを重ね合わせ表示した画像データを図6に示す。フレーム画像データCを生成すると、CPU4は、図6に示すように、モニタ画像データと重ね合わせた画像データを表示することにより、ユーザに画像データの確認をさせる。ユーザはこの重ね合わせ表示された画像データを確認し、更に、フレーム画像データCの位置、サイズを変更することが可能である。変更する際
は、キー入力部8からの操作信号により実行する。
【0046】
以上のように、フレーム画像データとモニタ画像を合成する場合に、ユーザがフレーム画像データと合成する画像領域を自由に設定することができることにより、所望する被写体像のみフレーム内に収めることが可能である。従って、フレーム画像データと合成することにより、風景が切れてしまったり、フレーム内に収めたくない被写体像までフレーム内に入ってしまうということを回避でき、ユーザが最も所望する画像データを作成することができる。
【0047】
次に、図7のフレーム画像データを参照して、フレーム画像データCを変更する処理について説明する。ユーザは、重ね合わせ表示された画像データを確認した後、例えば、もう少し領域Bを拡張したいと所望すると、キー入力部8を操作することにより拡張したい方向及び大きさに領域Bを変更し、変更後の領域Eに基づいてフレーム画像データDを生成する。フレーム画像データ22の領域Fは可変であり、CPU4は、この可変領域Fについて、窓領域と、外周へ向かって一番近いフレーム画像データであるフレーム画像データ21の領域G間の比が同じになるように、可変領域Fの領域を設定し直す。
【0048】
具体的には、フレーム画像データCにおいて、フレーム画像データ23の左辺30とフレーム画像データ22の左辺40間の距離をbとする。そして、左辺40とフレーム画像データ21の左辺50間の距離をaとする。一方、フレーム画像データDにおいて、フレーム画像データ23の左辺31とフレーム画像データ22の左辺41間の距離をd、左辺41とフレーム画像データ21の左辺51間の距離をcとする。また、下辺も同様に、フレーム画像データCにおいて、フレーム画像データ23の下辺32とフレーム画像データ22の下辺42間の距離をeとする。そして、下辺42とフレーム画像データ21の下辺52間の距離をfとする。一方、フレーム画像データDにおいて、フレーム画像データ23の下辺33とフレーム画像データ22の下辺43間の距離をg、左辺43とフレーム画像データ21の下辺53間の距離をhとする。窓領域を領域Bから領域Eに変更するときは、a、b、c、dの距離をa:b=c:d、且つ、e、f、g、hの距離をe:f=g:hとなるように変更する。
【0049】
以上のように、フレームの位置やサイズを変更する場合に、フレーム領域の比を一定にすることにより、合成する画像データによって、フレームのバランスが悪くなることを避けることができ、常に、フレームデザインのバランスが良いフレーム画像データを作成することが可能となる。
【0050】
次に、図8のフローチャートを参照して、撮影画像データとフレーム画像データを合成する処理について説明する。
【0051】
まず、携帯電話100のモードを切換えることにより、携帯電話100の撮像部であるカメラを起動させる(ステップS1)。ステップS1において、カメラを起動させると、表示部10(以下、表示画面)に被写体をモニタ表示する(ステップS2)。カメラ起動前に、フレーム画像データを選択することが可能であり、予めフレーム画像データが選択されている場合には、ステップS1において、カメラを起動させた後、フレーム画像データを被写体像にオーバーレイ表示する。ステップS2において、表示画面に被写体をモニタ表示すると(フレーム画像データが選択されている場合は、オーバーレイ表示)、機能選択ボタンが操作されたか否かを判定する(ステップS3)。この機能選択ボタン押下により、複数のフレーム画像データが表示され、ユーザはこの中から、所望するフレーム画像データを選択できる。
【0052】
ステップS3において、機能選択ボタンが操作されたと判定すると(ステップS3;Y
ES)、フレーム画像データが格納されたRAM6(以下、メモリ)から複数のフレーム画像データを取得し(ステップS4)、表示画面にフレーム選択画面を表示する(ステップS5)。ステップS5において、表示画面にフレーム選択画面を表示すると、ユーザによりフレーム選択操作がされたか否かを判定する(ステップS6)。ステップS6において、フレーム選択操作がされなかったと判定すると(ステップS6;NO)、ステップS2に戻り、再度、被写体をモニタ表示する。
【0053】
ステップS6において、フレーム選択操作がされたと判定すると(ステップS6;YES)、ステップS2でモニタ表示した被写体を、撮像手段により撮像されたモニタ画像データとして、携帯電話100のメモリ内のモニタ画像一時保存領域610に一時的に取得する。
(ステップS7)。ステップS7において、ステップS2でモニタ表示したモニタ画像データを一時的に取得すると、この一時的に取得したモニタ画像データからフレーム画像データと合成する人物エリア(表示対象)を抽出できたか否かを判別する(ステップS8)。この人物エリア抽出の判別は、ユーザにより設定されたフレーム画像データと合成する被写体像を含む領域の位置情報を読み出すことにより実行する。ステップS8において、一時的に取得したモニタ画像データからフレーム画像データと合成する人物エリアを抽出できなかったと判別すると(ステップS8;NO)、ユーザが設定した領域の位置情報の読み出しができなかったと判断できるため、人物エリアにおけるデフォルト値を設定することにより、人物エリアの抽出を実行する(ステップS9)。
【0054】
ステップS8において、一時的に取得したモニタ画像データからフレーム画像データと合成する人物エリアを抽出できたと判別する(ステップS8;YES)か又はステップS9において、人物エリアにおけるデフォルト値の設定を行うと、フレーム画像データと抽出した人物エリアの位置やサイズ等の情報により、フレーム画像データの窓領域の位置及びサイズを決定する(ステップS10)。ステップS10において、フレーム画像データと抽出した人物エリアの位置やサイズ等の情報により、フレーム画像データの窓領域の位置及びサイズを決定すると、決定した位置及びサイズよりフレーム画像データを変形し、変形後のフレーム画像データをフレーム画像一時保存領域630に保存する(ステップS11)。
【0055】
ステップS11において、変形したフレーム画像データをフレーム画像一時保存領域630に保存すると、保存したフレーム画像データをビットマップ変換し、フレーム画像ビットマップメモリに保存する(ステップS12)。ステップS12において、ビットマップ変換したフレーム画像を、フレーム画像ビットマップ領域640に保存すると、そのフレーム画像データと、ステップS7で取得したモニタ画像データを重ね合わせて表示画面に表示する(ステップS13)。このとき、抽出した人物エリアが変形したフレーム画像データの枠内に収まるように重ね合わせて表示する。ステップS13において、フレーム画像データとモニタ画像データを重ね合わせて表示すると、その表示を確認したユーザにより、フレーム画像データの位置、サイズ等の変更操作又は確認キーが押下されたか否かを判定する(ステップS14)。
【0056】
ステップS14において、重ね合わせ表示を確認したユーザにより、フレーム画像データの位置、サイズ等の変更操作があったと判定すると(ステップS14;変更操作)、入力された指示に従って、フレーム画像データの位置、サイズ等の情報を変更する(ステップS15)。ステップS15において、フレーム画像データの位置、サイズ等の情報を変更すると、再度、ステップS11に戻り、ステップS11〜S14の処理を繰り返す。ステップS14において、確認キー押下があったと判定すると(ステップS14;確認キー)、ステップS2に戻り、確定されたフレーム画像データとモニタ画像データをオーバーレイ表示し、ステップS2〜S3の処理を繰り返す。
【0057】
ステップS3において、機能選択ボタンが操作されなかったと判定すると(ステップS3;NO)、ユーザにより撮影ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS16)。ステップS16において、ユーザにより撮影ボタンが押下されなかったと判定すると(ステップS16;NO)、再度、ステップS2に戻り、ステップS2〜S3の処理を繰り返す。ステップS16において、ユーザにより撮影ボタンが押下されたと判定すると(ステップS16;YES)、撮影された撮影画像データを撮影画像一時保存領域620へ一時的に格納する(ステップS17)。ステップS17において、撮影された撮影画像データを撮影画像一時保存領域620へ一時的に格納すると、フレーム画像データがすでに選択されているか否かを判定する(ステップS18)。
【0058】
ステップS18において、フレーム画像データがすでに選択されていると判定すると(ステップS18;YES)、ステップS17で撮影画像一時保存領域620に一時的に保存した撮影画像データに、選択されているフレーム画像データを合成する(ステップS19)。ステップS18において、フレーム画像データがまだ選択されていないと判定すると(ステップS18;NO)又はステップS19において、撮影画像データにフレーム画像データを合成すると、撮影画像データ又は合成画像データを表示画面に表示し、ユーザによる撮影画像確認の結果がOKであったか否かを判定する(ステップS20)。ステップS20において、ユーザによる撮影画像確認がOKではないと判定すると(ステップS20;NO)、ステップS2に戻り、再度、表示画面に被写体像をモニタ表示する。ステップS20において、ユーザによる撮影画像確認の結果がOKであったと判定すると(ステップS20;YES),撮影画像データを圧縮した後、携帯電話100のメモリに保存し(ステップS21)、処理を終了する。尚、この保存処理が完了した撮像画像データは従来の撮像画像データと同様にメールに添付して送信したり、ネットワーク(不図示)に任意に無線送信することが可能である。
【0059】
以上のように、予め撮影するメモリ画像データを一時的に保存し、そのデータを基にフレーム画像データとのバランスを確認しながら、ユーザはフレーム画像データを自由に変更できることにより、被写体像を確実にフレーム内に収めることができ、また、被写体像とフレームとのバランスのよい画像データを生成することが可能である。さらに、フレーム画像データの位置、サイズ等の変更は複数回実行可能であり、表示画面で何度も確認しながら、ユーザは最適なフレーム画像データと画像データとの合成画像を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本実施形態に係る画像合成装置の主要部構成を示す。
【図2】(a)は、本実施形態に係る画像合成装置のRAMの記憶内容を示した図、(b)は、フレーム情報領域に記憶されるデータの一例である。
【図3】フレーム画像領域の一例を示す。
【図4】本実施形態に係る画像合成装置が記憶する基準となるフレーム情報及びその情報に基づいて生成されるフレーム画像を示す。
【図5】撮影画像データとフレーム画像データとの合成方法の一例を示す。
【図6】フレーム画像データとモニタ画像から抽出した領域を重ね合わせ表示した画像データの一例を示す。
【図7】抽出する領域が異なったフレーム画像データの一例を示す。
【図8】撮影画像データとフレーム画像データを合成する処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0061】
1 アンテナ
2 通信部
3 音声処理部
4 CPU(判別手段、変形手段)
5 ROM
6 RAM
7 撮像部(撮像手段)
7a 撮影用センサ(撮像手段)
8 キー入力部
9 表示ドライバ
10 表示部(表示手段)
11 スピーカー
12 マイク
13 記憶部
100 携帯電話(画像合成装置)
601、602、603 フレーム情報領域
610 モニタ画像一時保存領域
620 撮影画像一時保存領域
630 フレーム画像一時保存領域
640 フレーム画像ビットマップ領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データ内における表示対象の位置を判別する判別手段と、
この判別手段によって判別された表示対象の位置に合わせて予め用意されたフレーム画像データを変形させる変形手段と、
前記表示対象がこの変形されたフレーム画像データの枠内に収まるように、前記画像データと前記フレーム画像データとを合成して表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする画像合成装置。
【請求項2】
前記画像合成装置は、撮像手段を更に備え、
前記画像データは、前記撮像手段によって撮像されたものであることを特徴とする請求項1に記載の画像合成装置。
【請求項3】
前記表示対象は前記撮像手段によって撮像された被写体像であることを特徴とする請求項2に記載の画像合成装置。
【請求項4】
前記フレーム画像データは、複数の色領域を有し、
前記変形手段は、前記複数の色領域のそれぞれを前記被写体像の位置に合わせて変形させることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の画像合成装置。
【請求項5】
画像データ内における表示対象の位置を判別する判別ステップと、
この判別ステップにて判別された前記表示対象の位置に合わせて予め用意されたフレーム画像データを変形させる変形ステップと、
前記表示対象がこの変形されたフレーム画像データの枠内の収まるように、前記画像データと前記変形されたフレーム画像データとを合成して表示させる表示ステップとからなることを特徴とする画像合成方法。
【請求項6】
コンピュータに、
画像データ内における表示対象の位置を判別する判別手段、
この判別手段によって判別された前記表示対象の位置に合わせて予め用意されたフレーム画像データを変形させる変形手段、
前記表示対象がこの変形されたフレーム画像データの枠内に収まるように、前記画像データと前記変形されたフレーム画像データとを合成して表示させる表示手段
として機能させる画像合成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−311302(P2006−311302A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−132527(P2005−132527)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】