説明

画像形成システム、そのシート搬送制御方法、画像形成装置およびシート供給装置

【課題】画像形成装置およびシート給送装置間のシートの受け渡しタイミングを高精度に制御することが可能である画像形成システムを提供する。
【解決手段】画像形成装置301の画像形成制御部401、およびこの直上流のシート供給装置310の給送制御部410間には、受渡しタイミング信号線440が接続される。シート搬送制御によってシート供給装置310のプレレジAの位置にシートが待機し、シート受け渡し準備が完了する。この後、受渡しタイミング信号線440からの受渡しタイミング信号440aを起点として、シート供給装置310から画像形成装置301へのシートの受渡しが行われる。また、画像形成制御部401および複数の給送制御部410、420、430間には、バス450が接続される。このバス450を経由したコマンドにより複数のシート供給装置310、320、330間でシートの搬送が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのシート給送装置が画像形成装置に接続された画像形成システム、そのシート搬送制御方法、画像形成装置およびシート供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、オフィス向け複写機などの電子写真方式の画像形成装置を有する画像形成システムでは、つぎのような構成がとられている。すなわち、画像形成装置に、シートを給送するための付随装置として、シート給送装置が接続される場合、シート給送装置の搬送制御に関しては、画像形成装置内のCPUが直接制御する構成となっていた。
【0003】
しかし、画像形成装置および付随装置が大規模となり、装置内部や装置間を高速にシート搬送することが必要となる印刷機などの画像形成システムでは、画像形成装置に接続される付随装置も多種多様である。従って、付随装置に対し直接制御を行う場合、CPUの動作性能を大幅に向上させる必要があり、コスト的に不利であった。
【0004】
また、直接制御を行うためのハーネス長が装置規模に応じて長大となってしまい、EMI(電磁雑音)による誤動作、メンテナンス性などの点で、システムの信頼性を損ね、同様にコスト的に不利であった。
【0005】
そこで、各付随装置内に、例えばシート給送装置内に自装置を制御するためのCPUを設け、このCPUと画像形成装置内のCPUとをシリアルバス等により接続することで、ハーネスを簡素化し、各々の装置状態をシリアルバス上で通知し合うことが行われた。これにより、CPUの性能を向上させることなく、画像形成システムを制御することが一般的となった。
【0006】
しかし、印刷分野における画像形成システムでは、シート搬送の更なる高速化、高生産性が求められている。シート間の搬送間隔の短縮やシートの搬送速度の高速化について、シリアルバスを用いてシート給送装置からの給紙タイミングを通知すると、通信ディレイにより、シート給紙間隔がディレイ量に応じて伸縮してしまい、シート搬送の生産性の低下を招く。また、必ずしも一定とならない通信ディレイによるタイミングずれを許容するタイミングマージンを増やした場合、本来の搬送精度が損なわれる。この結果、下流にある画像形成装置において、画像位置ずれやJAMなどの問題が生じ、画像形成システム全体としての品質が損なわれるおそれがあった。よって、通信ディレイを加味した生産性で高速搬送性能となっていた。
【0007】
これに対し、特許文献1で公開されている画像形成装置は、複数の給紙部が接続可能な画像形成装置であり、給紙部およびプリンタ部で各々CPUを有し、給紙部およびプリンタ部間がバス(例えばシリアルバス)で接続されるものである。この画像形成装置は、給紙部の駆動負荷あるいはセンサ入力などの制御信号線をバスに集約することで、ハーネスを簡素化する。一方、給紙搬送の制御は、下流の画像形成装置における作像タイミングに影響を与える。このため、給紙動作のタイミング制御の精度を損なうことが無いように、バスとは別に、個別の給紙動作開始のタイミング信号がそれぞれ給紙部およびプリンタ部間に別途設けられた。
【特許文献1】特開2002−287578号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の画像形成装置の構成を、前述した印刷分野における画像形成システムに適用した場合、つぎのような問題があった。すなわち、シート給送装置へ給送動作開始をタイミング信号で通知し、シート収納庫からシートを給紙して画像形成装置に受け渡すまでの搬送経路が長大となる。このため、給紙時や搬送時のローラ滑りによる搬送遅延等により、結果として画像形成装置の作像タイミングに対して高精度にシート給送装置から画像形成装置へシートを受け渡すことが困難であった。
【0009】
そして、そのまま画像形成装置において作像を行った場合、タイミング誤差が大きくなってしまい、JAMや画像位置ずれが生じるおそれがあった。また、それぞれのシート給送装置に対し、給紙動作のタイミング信号を渡す必要があった。この場合、画像形成装置やシート給送装置自体が大規模であるので、少数の信号線であっても長大な物となり、EMIによる誤動作の影響を受けやすくなり、装置の信頼性が損なわれるおそれがあった。
【0010】
また、給送動作の起点となる給紙開始タイミング信号の信号線に、断線、筐体板金とのショート、コネクタ接触不良などの異常が発生した場合、給送制御の起点を失い、エラー状態としてシステム全体の停止を招く可能性があった。システム復帰を図るためには、専門作業者による修理メンテナンスを行う他なく、それら作業が完了するまで使用できない状態となり、ユーザに多大な損失を与える原因となる。このような信号異常を防止するために、信号配線経路と筐体板金エッジとの干渉防止や、信号線の絶縁被膜強化などの対策が考えられるが、設計上の制約が増す。また、コストアップの原因となるので、対策を施したとしても、前述した異常を根絶することは困難である。
【0011】
そこで、本発明は、画像形成装置およびシート給送装置間のシートの受け渡しタイミングを高精度に制御することが可能である画像形成システム、そのシート搬送制御方法、画像形成装置およびシート供給装置を提供することを目的とする。また、本発明は、受渡しタイミングの信号の異常時、システム全体を停止させることなく継続してユーザが使用可能である画像形成システム、そのシート搬送制御方法、画像形成装置およびシート供給装置を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の画像形成システムは、シートに画像を形成する画像形成装置と、前記画像形成装置にシートを供給するシート供給装置とを備えた画像形成システムにおいて、前記画像形成装置に前記シート供給装置を接続し、前記画像形成装置および前記シート供給装置間でやり取りされる情報が経由する伝送路と、前記伝送路とは別に、前記画像形成装置に前記シート供給装置を接続し、前記画像形成装置から前記シート供給装置への信号を伝達する信号線と、前記伝送路を経由した情報に基づき、前記シート供給装置によってシートが搬送されるシート搬送制御を行う搬送制御手段と、前記シート搬送制御によって前記シート供給装置の受け渡し準備が完了した後、前記信号線に伝達される信号を起点として、前記シート供給装置から前記画像形成装置にシートが受け渡されるシート受渡し制御を行う受渡し制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明の画像形成システムは、シートに画像を形成する画像形成装置と、前記画像形成装置にシートを直接供給する第1のシート供給装置および前記第1のシート供給装置を経由して前記画像形成装置にシートを供給する少なくとも1つの第2のシート供給装置からなる複数のシート供給装置とを備えた画像形成システムにおいて、前記画像形成装置に前記複数のシート供給装置を多重に接続し、前記画像形成装置および前記複数のシート供給装置間でやり取りされる情報が経由する伝送路と、前記伝送路とは別に、前記画像形成装置に前記第1のシート供給装置を直接接続し、前記画像形成装置から前記第1のシート供給装置への信号を伝達する信号線と、前記伝送路を経由した情報に基づき、前記複数のシート供給装置によってシートが搬送されるシート搬送制御を行う搬送制御手段と、前記シート搬送制御によって前記第1のシート供給装置の受け渡し準備が完了した後、前記信号線に伝達される信号を起点として、前記第1のシート供給装置から前記画像形成装置にシートが受け渡されるシート受渡し制御を行う受渡し制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
本発明の画像形成システムのシート搬送制御方法は、シートに画像を形成する画像形成装置と、前記画像形成装置にシートを直接供給する第1のシート供給装置および前記第1のシート供給装置を経由して前記画像形成装置にシートを供給する少なくとも1つの第2のシート供給装置からなる複数のシート供給装置とを備えた画像形成システムのシート搬送制御方法において、前記画像形成装置に前記複数のシート供給装置を多重に接続した伝送路を経由した情報に基づき、前記複数のシート供給装置によってシートが搬送されるシート搬送制御を行う搬送制御ステップと、前記シート搬送制御によって前記第1のシート供給装置の受け渡し準備が完了した後、前記伝送路とは別に、前記画像形成装置に前記第1のシート供給装置を直接接続した信号線に伝達される前記画像形成装置から前記第1のシート供給装置への信号を起点として、前記第1のシート供給装置から前記画像形成装置にシートが受け渡されるシート受渡し制御を行う受渡し制御ステップとを有することを特徴とする。
【0015】
本発明の画像形成装置は、シートを供給する第1のシート供給装置および前記第1のシート供給装置を経由してシートを供給する少なくとも1つの第2のシート供給装置からなる複数のシート供給装置から供給されたシートに画像を形成する画像形成装置において、前記画像形成装置に前記複数のシート供給装置を多重に接続し、前記複数のシート供給装置とやり取りされる情報が経由する伝送路と、前記伝送路とは別に、前記画像形成装置に前記第1のシート供給装置を直接接続し、前記第1のシート供給装置への信号を伝達する信号線と、前記伝送路を経由した情報に基づき、前記複数のシート供給装置によってシートが搬送されるシート搬送制御を、前記複数のシート供給装置に行わせる搬送制御手段と、前記シート搬送制御によって前記第1のシート供給装置の受け渡し準備が完了した後、 前記信号線に伝達される信号を起点として、前記第1のシート供給装置から前記画像形成装置にシートが受け渡されるシート受渡し制御を行う受渡し制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
本発明のシート供給装置は、シートに画像を形成する画像形成装置にシートを直接供給するとともに、他のシート供給装置からシートを受け取って前記画像形成装置に供給するシート供給装置において、前記画像形成装置に前記シート供給装置を前記他のシート供給装置とともに多重に接続し、前記画像形成装置とやり取りされる情報が経由する伝送路と、前記伝送路とは別に、前記画像形成装置に前記シート供給装置を直接接続し、前記画像形成装置からの信号を伝達する信号線と、前記伝送路を経由した前記画像形成装置からの情報に基づき、前記シート給送装置および前記他のシート給送装置でシートが搬送されるシート搬送制御を行う搬送制御手段と、前記シート搬送制御によって受け渡し準備が完了した後、前記信号線に伝達される信号を起点として、前記シート供給装置から前記画像形成装置にシートが受け渡されるシート受渡し制御を行う受渡し制御手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の請求項1、2に係る画像形成システムは、シート搬送制御によってシート供給装置の受け渡し準備が完了した後、信号線に伝達される信号を起点として、シート供給装置から画像形成装置にシートが受け渡されるシート受渡し制御を行う。これにより、画像形成装置およびシート給送装置間のシートの受け渡しタイミングを高精度に制御することが可能である。従って、搬送タイミングのずれによる生産性の低下、JAMや画像位置ずれが生じなくなる。この結果、シート間隔を詰めてシートを給送することができる。また、信号線数の増加を抑え、ハーネスのみで簡素に構築することが可能であるので、装置の信頼性やメンテナンス性が向上し、低コスト化を図ることができる。また、画像形成装置に複数のシート給送装置が接続されても、直上流のシート給送装置に対してのみ受け渡しタイミングを制御することで、同様の効果が得られる。
【0018】
請求項3に係る画像形成システムによれば、信号の異常時、伝送路を経由した情報を起点として、シート受渡し制御を行うことで、システム全体を停止させることなく継続してユーザが使用可能である。従って、ユーザの損失を低減させることができる。このように、給紙開始(受渡し)タイミングの信号の異常時、システム全体が搬送シーケンスを確保できるレベルまでシート搬送速度を低下させ、伝送路を経由して給紙開始タイミングの信号の代替制御が行われる。これにより、システム全体を停止させることなく継続してユーザが使用可能となることで、ユーザの損失が低減する。また、代替信号を別途設ける必要がなく、既存の伝送路を使用するので、コストアップを招かずに実現することが可能である。
【0019】
請求項4に係る画像形成システムによれば、信号線に伝達される信号に何らかの異常で遅延が生じても、シート受渡しの生産性の低下を抑制することができる。また、速やかなシートの受渡しが可能となる。
【0020】
請求項5に係る画像形成システムによれば、シート供給装置の所定の待機位置に待機しているシートを画像形成装置に受け渡すことで、シートの受渡しをスムーズに行うことができる。
【0021】
請求項6に係る画像形成システムによれば、複数のシート供給装置でシートの供給の開始および停止を行うとともに、複数のシート供給装置間でシートの受渡しを行うことで、第2のシート供給装置からも後続するシートの供給を継続して行うことができる。
【0022】
請求項7、8に係る画像形成システムによれば、複数のシート供給装置間でのシートの受渡しに際してシート搬送速度を変更するので、伝送路経由でシート搬送を行う際の通信遅れによる搬送遅延や後続紙の搬送停止に伴う遅れを吸収することができる。
【0023】
請求項9に係る画像形成システムによれば、それぞれCPUを有する画像形成制御部および供給制御部を用いることで、シートの供給・受渡しを簡単かつ変更自在に制御することができる。
【0024】
請求項10に係る画像形成システムによれば、汎用のシリアルバスを用いることで、システムが簡素化される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の画像形成システム、そのシート搬送制御方法、画像形成装置およびシート供給装置の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態の画像形成システムは、複数のシート給送装置が画像形成装置にシートを供給可能に接続された画像形成システムに適用される。
【0026】
[第1の実施形態]
図1は第1の実施形態における画像形成システムの全体構成を示す図である。この画像形成システムは、3台のシート給送装置310、320、330が画像形成装置301に接続された構成を有する。特に、シート給送装置310は画像形成装置301に直接接続されている。図2は図1の画像形成装置301の内部構成を示す図である。図3は図1のシート給送装置310、320、330の内部構成を示す図である。なお、3台のシート給送装置310、320、330の構成はほぼ同様であるので、シート給送装置310の構成を主に説明する。
【0027】
シート給送装置310(第1のシート供給装置)は2段の給紙部311、312を有する。各給紙部311、312には、それぞれシート束を格納する収納庫3111、3121が設けられる。シート給送装置310は、収納庫3111、3121に格納されたシート束から随時、シートを画像形成装置301に給紙(直接供給)する。
【0028】
シートが搬送される各搬送経路上には、シートの通過を検知する搬送センサ340(図中、黒塗りの三角で表現される)が複数設けられている。給紙動作は、各給紙部311、312に設けられた給紙搬送部316により行われる。ここで、上方の給紙部311を上給紙部と呼び、下方の給紙部312を下給紙部と呼ぶ。本実施形態では、エア給紙制御が行われるので、給紙搬送部316には、ファン(図示せず)が複数配置されている。給紙動作時、収納庫3111、3121内のシートに対し、搬送方向上流からシート間に空気を送り込むように、ファンが制御される。シートが捌かれると、無端ベルト内部に配置されたシート吸引用のファンにより無端ベルトに吸い付けられ、シートは1枚ずつ給紙・搬送される。
【0029】
上給紙部311の場合、搬送後のシートは、上部搬送部317によって継続して搬送される。一方、下給紙部312の場合、搬送後のシートは、下部搬送部318によって継続して搬送され、上部搬送部317と合流する合流搬送部319によってそれぞれ継続して搬送される。上部搬送部317、下部搬送部318および合流搬送部319の各搬送部には、それぞれ搬送用のステッピングモータ(図示せず)が設けられている。搬送制御部は、各ステッピングモータを制御し、ステッピングモータの駆動力を機械的に伝達して各搬送部に設けられた搬送ローラ360を回転させることで、シート搬送を行う。
【0030】
また、各搬送部には、シート搬送制御において、シートの搬送順序や搬送タイミングの整合をとるための一時的なシート待機位置(プレレジ)350(図中、白塗りの三角で表現されている)が複数設定されている。
【0031】
上部搬送部317では、プレレジCが設定されている。また、下部搬送部318では、プレレジDが設定されている。また、合流搬送部319では、プレレジA、Bが設定されている。各プレレジ350は、それぞれのプレレジの直上流に配置された、搬送センサ340の検知位置から所定の距離に設定され、シートの待機位置として搬送制御に使用される。
【0032】
前述したように、シート給送装置310の構成と、その上流に接続されているシート給送装置320、330の構成とは同様である。すなわち、これらのシート給送装置において、給紙部、搬送経路、プレレジ位置設定および搬送センサ位置は同様である。なお、これらの符号は、図に明記されているとおり、シート給送装置ごとに変更されている。
【0033】
ただし、シート給送装置310とシート給送装置320の間に設けられた、シート給送装置310の接続部323と、シート給送装置320とシート給送装置330の間に設けられた、シート給送装置320の接続部333とは、異なる構成を有する。これらの接続部323、333は、それぞれシート給送装置320、330に接続される。接続部323、333の内部には、モータおよび搬送センサ340が設けられており、接続先のシート給送装置により制御される。接続部323、333は、それぞれ接続されたシート給送装置の合流搬送部329、339からシートを受けとり、それぞれ下流のシート給送装置310、320の合流搬送部319、329にシートを受け渡す搬送動作を行う。なお、この接続部323、333にもプレレジが設定されている。
【0034】
画像形成制御部401(図4参照)は、受信した画像データに応じて、シート給送装置310、320、330、あるいは画像形成装置301の下流側に接続された排紙処理装置304に対し、バス経由で情報を送受信し、順次画像形成を行う。排紙処理装置304は、画像形成後のシートに対して折り、裁断、ステイプル、穴あけ等の後処理を行う。
【0035】
また、画像形成装置301の上部には、ユーザが画像形成システムに対して動作設定を行うための操作部302、および原稿画像を読み取るためのリーダスキャナ(リーダ部)303が配置されている。
【0036】
画像形成装置301は、その直上流に接続されているシート給送装置310からシートを受けとった後、各搬送部を制御してシート搬送を行い、画像基準センサ305によるシート検知を起点として、作像部307で受信した画像データに基づく画像形成動作を行う。画像形成動作では、画像形成制御部401によりレーザスキャナユニット354内の半導体レーザの点灯および光量制御が行われる。また、画像形成制御部401によりポリゴンミラー(図示せず)の回転を制御するスキャナモータが制御され、画像データに基づいたレーザ光により感光体ドラム353上に潜像画像が形成される。
【0037】
トナーボトル351からトナーが供給される現像部352により、感光体ドラム353上の潜像画像はトナーで現像される。この現像されたトナー画像は感光体ドラム353から中間転写ベルト355に1次転写される。
【0038】
中間転写ベルト355に1次転写されたトナー画像はシートに2次転写されることで、シート上にトナー画像が形成される。2次転写位置の直前にレジ制御部306が設けられている。レジ制御部306は、転写位置直前のシートに対し、シートの持つ斜行補正や、中間転写ベルト355に形成されたトナー画像とシート先端位置を微調整して合せるシート搬送制御を、シートを停止させることなく行う。
【0039】
2次転写後のシートは定着部308に搬送される。定着部308は、熱と圧力をシートに加えてトナーを溶融し、シートに定着させる。定着後のシートは、裏面を継続して印字する場合、あるいはシートの表裏反転が必要な場合、反転搬送部309に搬送され、一方、印字終了である場合、下流の排紙処理装置304に継続して搬送される。
【0040】
図4は画像形成システムにおけるシート給送に係わる制御部の構成を示すブロック図である。画像形成装置301に対するJOB要求は、操作部302、ネットワーク(図示せず)、USB(図示せず)等を介して、PC外部入力としてユーザにより行われる。
【0041】
コピー時にリーダ部303から、あるいはプリント時にネットワークから、画像形成装置301内のコントローラ404に画像情報が送られてくる。コントローラ404内部では、送られてきた画像情報に対し、ユーザ指定の画像加工および画像形成装置301に適応した画像形態とするべく、画像処理が行われる。
【0042】
また、画像処理後の画像データと共に、画像サイズ、ページ情報、使用する給紙部情報、排紙処理情報などの種々のステータス情報が、画像形成装置301内の画像形成制御部401に送信される。画像形成装置301、これと接続される複数のシート給送装置310、320、330および排紙処理装置304は、それぞれバス450で接続されている。バス450は、I2C(商標)やARCNET(登録商標)などの多重接続可能な汎用のシリアルバスによって構成される。すなわち、バス450は、画像形成装置301に複数のシート給送装置310、320、330および排紙処理装置304を多重に接続している。
【0043】
また、バス450とは別に、画像形成装置301と、この直上流に接続されるシート給送装置310との間にのみ、受渡しタイミング信号440aが伝達される受渡しタイミング信号線440が接続されている。受渡しタイミング信号440aは、シート給送装置310の最下流のプレレジであるプレレジAに待機しているシートを画像形成装置301に受渡し搬送する際に起点となる信号である。それ以外のプレレジ、つまりプレレジF、Kで待機しているシートのシート給送装置間の受渡し搬送は、バス450経由でシート受渡しタイミングを通知することで行われる。その他のプレレジに存在するシートは、各シート給送装置内の給送制御部により搬送される。
【0044】
バス450経由によるプレレジF、Kからの受渡し搬送は、通信ディレイによる搬送タイミングの遅れを吸収するため、受渡しタイミング信号440aによる受渡し搬送速度よりも十分に早い速度で行われる。受渡しタイミング信号440aによる受渡し搬送速度は、画像形成装置301内の搬送速度と同一である。この画像形成装置301内の搬送速度は、定着性、転写性などの画像形成品位を満足可能な範囲で最も速い速度となっている。シート給送装置では、このような制約が少ないので、画像形成装置に比べて、高速な搬送速度の設定が容易である。
【0045】
また、画像形成制御部401には、CPU403が設けられている。CPU403は、コントローラ404と通信により接続され、ステータス情報のやり取りを行うと共に、ASIC400を介してコントローラ404との画像データの授受およびそのタイミングを制御する。
【0046】
また、CPU403は、通信制御部405を介してバス450に接続され、各シート給送装置のステータス情報のやり取りや搬送制御を行う。また、CPU403は、ASIC406を介して、画像形成装置301内の作像部307、定着部308、搬送部409などの各装置内ユニットに制御指令を出すと共に、状態検知を行い、画像形成制御、およびそれに伴うシート搬送制御を行う。ここで、搬送部409は、レジ制御部306、反転搬送部309などを含む、シートの受け取りからシートの搬送に係わる部分である。
【0047】
ASIC400は、作像部307にも接続され、コントローラ404からの画像データをレーザ制御信号に変換して送出する。
【0048】
シート給送装置310の内部に設けられた給送制御部410は、シート給送装置310の全ての負荷およびセンサ情報を基に給送制御を行う。給送制御部410内にはCPU411が設けられている。CPU411は、画像形成装置301からの受渡しタイミング信号440aが入力されると、この信号を起点として画像形成装置301およびシート給送装置310間のシート受渡し搬送を行う。さらに、CPU411は、通信制御部413を介して接続された周辺装置とのステータス情報のやり取りや搬送制御を行う。また、CPU411は、ASIC412を介して、給紙制御を行う給紙部311、312からなる給紙部414、および給紙後のシート搬送を行う上部搬送部317、下部搬送部318および合流搬送部319からなる搬送部415に対し、搬送制御を行う。
【0049】
なお、シート給送装置320、330のシート給送に係わる制御部においても、受渡しタイミング信号線440以外の構成は、シート給送装置310と同一である。ただし、シート給送装置310、320、330はそれぞれ別装置であるので、同一機能を有する部分であっても、図中、それらの符号は変更して明記されている。
【0050】
図5は画像形成装置301の各シート給送装置に対するシート給送動作手順を示すフローチャートである。この処理プログラムは画像形成制御部401内の記憶媒体に格納されており、電源投入後、CPU403によって実行される。
【0051】
画像形成制御部401は、電源投入後、所定の初期制御を行う。すなわち、画像形成制御部401は、初期制御の1つとして、各シート給送装置の装置状態に異常があるか否かをバス450経由で問合せ、アラームおよびエラーのデータを受信し、アラームあるいはエラーが発生しているか否かを判別する(ステップS1)。
【0052】
ここで、アラームとは、給紙部内の一部のセンサ出力異常や、シート給送装置内部の通信異常など、画像形成システム全体を停止させる必要がない程度の装置異常状態を示している。また、エラーとは、電源異常や給紙部において、破壊に至る可能性のある異常を検出した状態であり、シート給送装置全体を停止させる必要がある装置異常状態を示している。
【0053】
アラームあるいはエラーが発生している場合、画像形成制御部401は、アラームのみ発生しているか否かを判別する(ステップS2)。アラームのみの発生である場合、画像形成制御部401は、アラーム発生箇所の給紙部を使用禁止とし、ユーザが選択不可となるように設定する(ステップS4)。また、このとき、画像形成制御部401は操作部302に使用禁止となる給紙部の表示を行う。この後、画像形成制御部401はステップS6の処理に進む。
【0054】
一方、ステップS2でエラーが発生している場合、画像形成制御部401は、エラー情報をユーザに通知する(ステップS3)。エラーの場合、装置に異常が発生していることが考えられるので、深刻度に応じて、ユーザに通知される情報は変更される。また、ユーザへの通知は、操作部302上の表示、あるいはネットワーク経由にてプリンタドライバ上で行われる。この後、画像形成制御部401は本処理を終了する。
【0055】
一方、ステップS1で異常が検知されなかった場合、画像形成制御部401は、バス450経由で各シート給送装置の情報をそれぞれ受信する(ステップS5)。ここで、シート給送装置の情報とは、用紙の有り無し、用紙残量などの情報である。その他のシート情報は、ユーザがシート給送装置にシートを設置した後、画像形成装置301の操作部302、あるいはネットワークに接続されたプリンタドライバから入力され、コントローラ経由で画像形成制御部401に通知されている。その他のシート情報として、用紙サイズ、坪量、表面性などが挙げられる。
【0056】
初期制御完了後、画像形成制御部401はスタンバイ状態に移行する(ステップS6)。画像形成制御部401は、コントローラ404からJOB要求を受信したか否かを判別する(ステップS7)。JOB要求を受信していない場合、画像形成制御部401はステップS6の処理に戻る。
【0057】
一方、JOB要求を受信すると、画像形成制御部401は、そのJOBに対応し、画像形成に伴いバス450経由でシート給送装置に給紙開始要求を送信する(ステップS8)。ここで、給紙開始要求には、用紙サイズ、坪量、表面性およびページIDが付与されている。JOB枚数に相当する回数が指定給紙部に該当するシート給送装置に対して送信される。ページIDとは、JOB中の何ページ目であるかを示す情報であり、このページIDの順にプレレジAに到着するように制御される。
【0058】
シート給送装置では、給紙開始要求の受信後、ページIDに従い、各シート給送装置の給紙部からシートが給紙され、バス450経由で各シート給送装置間において受渡し制御が行われる。各シート給送装置間の受渡し制御については、JOB例を挙げて後述する。
【0059】
画像形成装置301の直上流のシート給送装置310は、受渡し準備完了を画像形成制御部401にバス450経由で通知する。画像形成制御部401は、シート給送装置310から受渡し準備完了を受信するまで、画像形成動作を待機させる(ステップS9)。
【0060】
受渡し準備完了を受信すると、画像形成制御部401は、画像形成装置301の直上流に位置するシート給送装置310に対し、受渡しタイミング信号440aを送出する(ステップS10)。画像形成制御部401は、受渡しタイミング信号440aを送出すると共に、画像形成装置301側の搬送部409に対し、シート給送装置310からのシート受け取りのための搬送制御を行う。
【0061】
シート給送装置310は、受渡しタイミング信号440aを受信すると、プレレジAの位置に待機していたシート1枚を画像形成装置301に送出する。また、シート給送装置は、複数枚のJOBである場合、同様に、搬送経路上流のプレレジの位置に待機していた後続紙も搬送し、一段下流のプレレジの位置で再度待機させる。シート給送装置310は、受渡し準備が完了した旨を画像形成装置301にバス450経由で再び通知する。
【0062】
そして、画像形成制御部401は、JOBの所定ページ枚数の受渡し搬送終わりであるJOB完了となったか否かを判別し(ステップS11)、JOB完了となるまで、ステップS9からステップS11までの処理を繰り返す。JOB完了後、画像形成制御部401は、ステップS5の処理に戻り、同様の処理を繰り返すことで、継続して複数のシート給送装置から画像形成装置301へのシート給紙・搬送を行う。
【0063】
図6および図7はシート給送装置310の画像形成装置301へのシート給紙および装置間の受渡し搬送の動作手順を示すフローチャートである。この処理プログラムは、シート給送装置310の給送制御部410内の記憶媒体に格納されており、CPU411によって実行される。
【0064】
電源投入後、給送制御部410は、各給紙部の風量調整、リフタ位置調整、用紙残量の検知などの給紙プレ制御を行う(ステップS21)。給送制御部410は、装置内にアラームやエラーなどの異常が発生しているか否かを、各センサ信号、アナログ値等を所定値と比較することで確認する(ステップS22)。
【0065】
給送制御部410は、異常が発生している場合、アラームのみ異常が発生しているか否かを判別する(ステップS23)。アラームのみの発生である場合、給送制御部410は、対象となる給紙部を使用禁止とするべく、その供給電力を停止し、電源OFF状態とする(ステップS25)。そして、給送制御部410は、バス450経由で画像形成装置301にアラーム情報を送信する(ステップS26)。
【0066】
一方、ステップS23でエラーが確認された場合、給送制御部410は、エラー情報をバス450経由で送信し、エラーに応じた対応制御を行い、処理を停止させる(ステップS24)。この後、給送制御部410は、本処理を終了する。また、これ以後、給送制御部410は、電源再投入などのエラー復帰条件を満たさない限り、給紙制御を受け付けない。
【0067】
ステップS26でアラーム情報を送信した後、あるいはステップS22で異常が発生していない場合、給送制御部410は、その他の給紙部情報(用紙有無、用紙残量、ステータス情報)をバス450経由で送信する(ステップS27)。
【0068】
給送制御部410は、待機(スタンバイ)状態を維持する(ステップS28)。そして、給送制御部410は、画像形成装置301からバス450経由で給紙開始要求を受信するまで、スタンバイ状態を継続する(ステップS29)。ステップS29で給紙開始要求を受信すると、給送制御部410は、指定された給紙部、ページID順に、各シート給送装置とシリアルバスでデータ授受を行いながら、指定された給紙部から給紙搬送を行う(ステップS30)。
【0069】
給送制御部410は、画像形成装置301への受渡し準備が完了したか否かを判別する(ステップS31)。ここで、受渡し準備完了とは、給紙・搬送された先頭紙がシート給送装置310の最下流のプレレジAの位置に到達した時点で、上流に位置するそれぞれの後続紙も各プレレジの位置で搬送を停止し、ページID順に待機状態になることである。
【0070】
受渡し準備が完了すると、給送制御部410は、受渡し準備完了をバス450経由で画像形成装置301に送信する(ステップS32)。
【0071】
ここで、ステップS31、S32における画像形成装置301およびシート給送装置310間の受渡し搬送制御を、JOBを例に挙げて説明する。
【0072】
一例として、つぎのように、ページIDが設定された場合を示す。すなわち、給紙部311より1ページ目(P1)、給紙部321より2ページ目(P2)、給紙部331より3ページ目(P3)、給紙部312より4ページ目(P4)、給紙部322より5ページ目(P5)、給紙部332より6ページ目(P6)とする。この6ページを1JOBとするシーケンスについて、以下に説明する。
【0073】
シートP1はページIDの先頭紙であるので、シート給送装置310の給紙部311から給紙され、プレレジC、Bを通過し、プレレジAの位置まで搬送されて待機する。これと同時に、シートP4はシート給送装置310の給紙部312から、シートP2、P5はそれぞれシート給送装置320の給紙部321、322から、シートP3、P6はそれぞれシート給送装置330の給紙部331、332から給紙される。
【0074】
そして、シートP4はプレレジDに、シートP2はプレレジH、Gを通過してプレレジFに、シートP5はプレレジIに、シートP3はプレレジM、Lを通過してプレレジKに、シートP6は最終紙であるので、プレレジNを通過してプレレジLにそれぞれ待機する。
【0075】
先頭紙P1がプレレジAに到達し、後続紙P2以降のシートがプレレジB以降の上流プレレジの位置に待機することが完了した時点で、給送制御部410は、ステップS31における受渡し準備完了と判断する。
【0076】
給送制御部410は、画像形成装置301にバス450経由で受渡し準備完了を通知する(ステップS32)。画像形成制御部401は、ステップS9において、この受渡し準備完了を給送制御部410から受信した後、ステップS10における任意のタイミングで受渡しタイミング信号440aを送出する。
【0077】
給送制御部410は、受渡しタイミング信号440aを受信(検知)するまで待つ(ステップS33)。給送制御部410は、受渡しタイミング信号440aを受信すると、この受信を起点として搬送経路のプレレジAで待機していた先頭紙P1を画像形成装置301へと受渡し搬送を行う(ステップS34)。
【0078】
この時の、シート給送装置310における合流搬送部319のシート搬送速度は、画像形成装置301と同一の搬送速度Xである。先頭紙P1以外のシートはそれぞれのプレレジ位置で待機したままである。
【0079】
一方、画像形成制御部401においても、受渡しタイミング信号440aを送出した後に、シート給送装置310からシート(先頭紙)P1を受けとるべく、搬送制御を開始するように搬送部409に通知する。そして、搬送部409により受け取り搬送制御が行われる。
【0080】
給送制御部410は、シートP1の後端がシート給送装置310の合流搬送部319の最下流搬送センサを通過して受渡し搬送が完了するまで待つ(ステップS35)。
【0081】
受渡し搬送完了後、給送制御部410は、JOB完了の最終紙であったか否かを判断する(ステップS36)。JOB完了の最終紙でないと判断した場合、給送制御部410は、再度、ステップS30の処理に戻り、プレレジBで待機していた後続紙P2を搬送し、一段下流のプレレジAの位置に再度待機させる。
【0082】
同様に、給送制御部410は、ページIDに従い、各プレレジ位置で待機していたシートP3以降のシートを搬送し、1つ下流のプレレジの位置に再度待機させる。この時のシート搬送は、搬送速度Xよりも速い搬送速度Yで行われる。給送制御部410は、受渡し準備を完了した旨を画像形成装置301にバス450経由で再び通知する。
【0083】
給送制御部410は、JOB完了となるまで前述のステップS30からステップS36の処理を繰り返し行う。給送制御部410は、指定されたシート枚数のシートを給紙・搬送し、画像形成装置301への受け渡しが完了した時点で、JOB完了を画像形成制御部401に送信する(ステップS37)。送信後、給送制御部410は、前述したステップS28のスタンバイ状態に移行し、再度、給紙開始要求を継続して受信するまで待機する。
【0084】
図8および図9はシート給送装置310、320間のシート受渡し搬送制御の動作手順を示すフローチャートである。この処理プログラムは、シート給送装置320の給送制御部420内の記憶媒体に格納されており、CPU421によって実行される。
【0085】
ステップS41からS49までの処理は、画像形成装置301およびシート給送装置310間の受渡し搬送時の動作における図6のステップS21からS29までの処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0086】
給送制御部420は、ステップS49で画像形成装置301から給紙開始要求を受信すると、対象となる給紙部から給紙搬送制御を実行する(ステップS50)。同様に、給送制御部410は、対象となる給紙部から給紙搬送制御を実行する。
【0087】
前述のJOBの例を同様に考えると、シート給送装置310は、給紙部311からシートP1をプレレジAの位置へ、給紙部312からシートP4をプレレジDの位置へ給紙・搬送する。同様に、シート給送装置320は、シートP2を給紙部321からプレレジH、Gを通過してプレレジFの位置へ、シートP5を給紙部322からプレレジIの位置へ給紙・搬送を行う。この状態は、シート給送装置320の最終プレレジFに、シート給送装置320内で、ページIDに沿った先頭紙に相当するシートが到達した状態である。給送制御部420は、この状態となるまで、すなわちシート給送装置320からシート給送装置310への受渡し準備完了となるまでステップS50の処理を繰り返す(ステップS51)。
【0088】
受渡し準備完了となると、給送制御部420は、バス経由でシート給送装置310に受渡し準備完了を通知する(ステップS52)。シート給送装置310は、シート給送装置320からの受渡し準備完了を受信すると、自装置内の状態を確認する。この時、前述したように、画像形成装置301への受渡し搬送中である場合、シート給送装置310は、搬送速度Xで制御中である。このため、シート給送装置310は、それ以外のシートを各プレレジ位置で待機させる必要があるので、シート給送装置320への受渡し搬送許可を送信して待機する。また、シート給送装置310は、画像形成装置301へのシート受渡し搬送が完了した時点で、搬送速度Yで搬送制御可能となる。このため、シート給送装置310は、シート給送装置320に受渡し搬送許可を送信すると共に、シート給送装置310内の接続部323および合流搬送部319の搬送制御を行い、シート給送装置320からのシート受渡し準備を行う。
【0089】
ここで、シート給送装置間のシート搬送速度Yは、画像形成装置301内の搬送速度Xに比べて十分に速い速度に設定される。これにより、シート給送装置間の受渡しタイミング信号をバス450経由で行う際、通信遅れによる搬送遅延や後続紙の搬送停止に伴う遅れが吸収可能となる。すなわち、シート給送装置間でシートを受け渡す際のタイミング調整が可能となる。本実施形態では、搬送速度は、Y=2Xの関係を有する。
【0090】
給送制御部420は、シート給送装置310からの受渡し搬送許可をバス450経由で受信するまで待つ(ステップS53)。受渡し搬送許可を受信すると、給送制御部420は、プレレジFから接続部323へシートP2の受渡し搬送を行い、プレレジEを通過させ、下部搬送部318および合流搬送部319を経由してプレレジBまでシートP2を搬送させる(ステップS54)。ここで、シートP2をプレレジEで待機させず、その搬送を継続させたが、これは、前述したとおり、先行紙がプレレジBを既に通過しているためである。なお、先行紙がプレレジBに存在する場合、シートP2をプレレジEで待機させる制御が行われる。通常、プレレジFからプレレジEまでの受渡し搬送が、ステップS54におけるシート給送装置310、320間の受渡し搬送制御にあたる。
【0091】
この後、給送制御部420はJOB完了であるか否かを判別する(ステップS55)。プレレジFからシートP2を搬送する際、シートP2がJOBの最終紙にあたる場合、JOB完了であることが判断される。JOB完了でない場合、給送制御部420はステップS50の処理に戻る。
【0092】
一方、JOB完了である場合、給送制御部420は、バス450経由で画像形成装置301にJOB完了を送信する(ステップS56)。この後、給送制御部420は、ステップS48に戻り、スタンバイ状態に移行する。そして、給送制御部420は、最終紙でない場合、受渡し搬送と同時に、搬送速度Yで後続紙も同時に、ステップS50において下流の所定のプレレジの位置まで搬送制御を行う。このように、JOBが完了と判断されるまで、ステップS50からステップS55までの一連の制御が繰り返し行われる。
【0093】
なお、ここでは、シート給送装置310およびシート給送装置320の間におけるシート給送装置間の受渡し搬送制御を想定したが、さらに上流のシート給送装置320およびシート給送装置330間の受渡し搬送制御の場合においても、同様の制御が行われる。その説明については省略する。
【0094】
このように、第1の実施形態の画像形成システムでは、シート搬送制御によってシート供給装置310のプレレジAの位置にシートが待機し、シート受け渡し準備が完了する。この後、受渡しタイミング信号線440からの受渡しタイミング信号440aを起点として、シート供給装置310から画像形成装置301へのシートの受渡しが行われる。これにより、画像形成装置およびシート給送装置間のシートの受け渡しタイミングを高精度に制御することが可能である。従って、搬送タイミングのずれによる生産性の低下、JAMや画像位置ずれが生じなくなる。この結果、シート間隔を詰めてシートを給送することができる。また、信号線数の増加を抑え、ハーネスのみで簡素に構築することが可能であるので、装置の信頼性やメンテナンス性が向上し、低コスト化を図ることができる。また、画像形成装置に複数のシート給送装置が接続されても、直上流のシート給送装置に対してのみ受け渡しタイミングを制御することで、同様の効果が得られる。
【0095】
また、画像形成装置と複数のシート給送装置間には、カスケードに装置接続可能なシリアルバスケーブル(バス450)と、画像形成装置から直上流のシート給送装置への受渡しタイミング信号のハーネス(受渡しタイミング信号線440)が設けられる。このように簡素に構築されるので、装置のメンテナンス性や信頼性の向上、低コスト化に効果がある。
【0096】
また、シート供給装置のプレレジAの位置に待機しているシートを画像形成装置に受け渡すことで、シートの受渡しをスムーズに行うことができる。また、複数のシート供給装置でシートの供給開始および停止を行うとともに、複数のシート供給装置間でシートの受渡しを行うことで、直上流以外のシート供給装置からも後続するシートの供給を継続して行うことができる。
【0097】
また、複数のシート供給装置間でのシートの受渡しに際してシート搬送速度を変更するので、バス経由でシート搬送を行う際の通信遅れによる搬送遅延や後続紙の搬送停止に伴う遅れを吸収することができる。
【0098】
また、それぞれCPUを有する画像形成制御部および供給制御部を用いることで、シートの供給を簡単かつ変更自在に制御することができる。また、汎用のシリアルバスを用いることで、システムを簡単に実現することができる。
【0099】
なお、上記実施形態では、受渡しタイミング信号440aを起点として、シート給送装置310から画像形成装置301へのシート受渡しタイミングが決定されたが、このタイミングはつぎのようにして決定されてもよい。すなわち、画像形成制御部401がバス450経由で給送制御部410にシート受渡しコマンドを送信する(送信手段)。そして、給送制御部410が、受渡しタイミング信号440aとシート受渡しコマンドのいずれか早い方を受信すると、その先行信号を起点として、シート受渡しタイミングが決定されてもよい。これにより、受渡しタイミング信号に何らかの異常で遅延が生じても、シート受渡しの生産性の低下を抑制することができる。また、速やかなシートの受渡しが可能となる。
【0100】
[第2の実施形態]
第2の実施形態の画像形成システムの構成は前記第1の実施形態と同じであるので、同一の符号を用いることによりその説明を省略する。第2の実施形態では、第1の実施形態と異なり、受け渡しタイミング信号440aの異常の可否が判断される。
【0101】
図10は画像形成制御部401における画像形成制御部401および給送制御部410間の受渡しタイミング信号440aの異常可否判断手順を示すフローチャートである。この処理プログラムは画像形成制御部401内の記憶媒体に格納されており、CPU403によって実行される。また、この処理は、画像形成装置301の電源オン後、画像形成装置301とこの直上流のシート給送装置310との間で行われる初期制御の1つとして行われる。
【0102】
画像形成装置301内の画像形成制御部401は、シート給送装置310内の給送制御部410に対し、バス450経由で受渡しタイミング信号のテスト送信を行う旨を通知する(ステップS71)。
【0103】
画像形成制御部401は、給送制御部410から送信可能を受信するまでステップS71の処理を繰り返し、定期的に前述した通知を行う(ステップS72)。そして、画像形成制御部401は、送信可能を受信すると、バス450とは別の受渡しタイミング信号線440を介して、受渡しタイミング信号440aのテスト送信を行う(ステップS73)。
【0104】
テスト送信後、画像形成制御部401は、給送制御部410から受渡しタイミング信号440aのテスト送信が正常に受信されたか否かを確認する(ステップS74)。テスト送信が正常に受信されたことの確認をバス450経由で受信した場合、画像形成制御部401は、つぎのような送信を行う(ステップS75)。すなわち、画像形成制御部401は、受渡しタイミング信号440aを使用する通常制御で画像形成装置301と直上流のシート給送装置310間のシート受渡し搬送を行う旨を、直上流のシート給送装置310に対してバス450経由で送信する。
【0105】
画像形成制御部401は、前述した図5の通常制御で受渡し搬送制御を行うべく、CPU403内に設けられたフラグFGをリセットのままにする(ステップS76)。なお、このフラグFGは初期状態においてリセットされている。この後、画像形成制御部401は本処理を終了する。そして、前述した図5の通常制御で受渡し搬送制御が行われる。
【0106】
一方、ステップS74でテスト受信結果が異常であった場合、画像形成制御部401は、受渡しタイミング信号440aに異常発生を示すアラームコードを乗せ、アラーム発生に伴い生産性が低下する旨の通知を操作部302に表示する(ステップS77)。なお、操作部302に表示する代わりに、ネットワークで接続されたプリンタドライバ上に表示するようにしてもよい。なお、ステップS73、S74、S77の処理、あるいは後述するステップS86、S87、S91、S92の処理は異常検知手段の一例である。
【0107】
画像形成制御部401は、ユーザ通知を行った後、画像形成装置301の直上流に位置するシート給送装置310に対し、受渡し搬送時に受渡しタイミング信号440aを使用しないバス使用モードで制御することを、バス450経由で通知する(ステップS78)。
【0108】
そして、画像形成制御部401は、後述する図13のバス使用制御で受渡し搬送制御を行うべく、フラグFGをセットする(ステップS79)。この後、画像形成制御部401は本処理を終了する。
【0109】
図11および図12は給送制御部410における画像形成制御部401および給送制御部410間の受渡しタイミング信号440aの異常可否判断手順を示すフローチャートである。この処理プログラムは、図10に対応しており、給送制御部410内の記憶媒体に格納され、CPU411によって実行される。
【0110】
給送制御部410は、シート給送装置310の電源オン後、初期制御として、各給紙段の風量調整、リフタ位置調整、用紙残量の検知などの給紙プレ制御を行う(ステップS81)。さらに、給送制御部410は、ステップS81において、アラームやエラーなどの装置異常が発生しているか否かを確認する。なお、ステップS81の処理は前述したステップS21の処理と同一である。
【0111】
給送制御部410は、初期制御の1つとして、定期的に画像形成制御部401から受け渡しタイミング信号440aのテスト送信の確認を行い、テスト送信を受信したか否かを判別する(ステップS82)。受信していない場合、給送制御部410は、ステップS81の処理に戻り、初期制御を継続する。
【0112】
一方、テスト送信を受信した場合、給送制御部410は、初期制御を終了したか否かを判別する(ステップS83)。初期制御が終了していない場合、給送制御部410は、初期制御の終了まで受渡しタイミング信号のテスト送信を待つように、テスト送信不可能を画像形成制御部401に通知する(ステップS84)。この後、給送制御部410はステップS81の処理に戻る。
【0113】
一方、ステップS84で初期制御が完了している場合、給送制御部410は、画像形成制御部401に対し、受渡しタイミング信号440aのテスト送信可能を通知する(ステップS85)。そして、給送制御部410は、テスト信号受信待ちタイマを開始させる(ステップS86)。
【0114】
給送制御部410は、受渡しタイミング信号線440経由で受渡しタイミング信号440aのテスト送信を受信したか否かを判別する(ステップS87)。受渡しタイミング信号440aのテスト送信の受信が正常に検知される場合、給送制御部410は、受渡しタイミング信号440aの受信正常をバス450経由で画像形成制御部401に通知する(ステップS88)。
【0115】
給送制御部410は、それを受けた画像形成制御部401から、受渡しタイミング信号440aを使用した通常制御で画像形成装置301および直上流のシート給送装置310間のシート受渡し搬送制御を行うことをバス450経由で通知する(ステップS89)。
【0116】
給送制御部410は、前述した図6および図7の通常制御で受渡し搬送制御を行うべく、CPU411内に設けられたフラグFSをリセットのままにする(ステップS90)。なお、このフラグFSは初期状態においてリセットされている。この後、給送制御部410は本処理を終了する。そして、前述した図6および図7の通常制御で受渡し搬送制御が行われる。
【0117】
一方、ステップS87で受渡しタイミング信号440aが正常に検知されなかった場合、給送制御部410は、テスト信号受信待ちタイマが所定カウント値以内であるか否かを判別する(ステップS91)。所定カウント値以内である場合、給送制御部410は、ステップS87の処理に戻り、再度、正常検知待ちとなる。一方、テスト信号受信待ちタイマが所定カウント値を超えてもテスト信号が検知できなかった場合、給送制御部410は、タイマオーバーフローとなる。この場合、受渡しタイミング信号線440に何らかの異常が発生しているので、給送制御部410は、検知不可能であることをバス450経由で画像形成制御部401に通知する(ステップS92)。
【0118】
給送制御部410は、それを受けた画像形成制御部401から、受渡しタイミング信号440aを非使用とする旨を、バス450経由で受信する(ステップS93)。そして、給送制御部410は、後述する図14および図15のバス使用制御で受渡し搬送制御を行うべく、フラグFSをセットする(ステップS94)。この後、給送制御部410は本処理を終了する。
【0119】
図13は受渡しタイミング信号440aが異常と判断されてバスを使用する場合の、画像形成装置301における各シート給送装置に対するシート給送動作手順を示すフローチャートである。この処理プログラムは画像形成制御部401内の記憶媒体に格納されており、電源投入後、フラグFGがセットされている場合、CPU403によって実行される。なお、ステップS1〜S8の処理は前記第1の実施形態と同一であるので、その説明を省略する。ここでは、前述した画像形成制御部における通常制御のうちステップS8からステップS5までの一部の制御がバス使用制御に変更されている。
【0120】
ステップS8で画像形成制御部401から給紙開始要求が画像形成装置301の直上流のシート給送装置310に対して送信されると、シート給送装置310は、受渡し準備完了を画像形成制御部401にバス450経由で通知する。
【0121】
画像形成制御部401は、シート給送装置310から受渡し準備完了を受信するまで画像形成動作を待機させる(ステップS9A)。受渡し準備完了を受信すると、画像形成制御部401は、画像形成装置301の直上流のシート給送装置310に対し、受渡しタイミング信号440aに代わる受渡しコマンドをバス450経由で送出する(ステップS10A)。
【0122】
画像形成制御部401は、給送制御部410から受渡しコマンドを正常に受信した旨の通知を受信すると共に、画像形成装置301側の搬送部409に対し、シート給送装置310からシートを受け取るための搬送制御を行わせる(ステップS10B)。
【0123】
画像形成制御部401は、JOB完了となったか否かを判別し(ステップS11A)、JOB完了となっていない場合、JOB完了となるまでステップS9AからS11Aまでの処理を繰り返す。JOB完了後、画像形成制御部401は、通常制御と同様、ステップS5の処理に戻る。
【0124】
図14および図15は受渡しタイミング信号440aが異常と判断されてバスを使用する場合の、シート給送装置310における画像形成装置301へのシート給紙および装置間の受渡し搬送の動作手順を示すフローチャートである。この処理プログラムは、シート給送装置310の給送制御部410内の記憶媒体に格納されており、フラグFSがセットされている場合、CPU411によって実行される。ここでは、給送制御部410における、通常制御のステップS29からステップS36までの一部の処理がバス使用制御に変更されている。
【0125】
給送制御部410は、ステップS29において、画像形成装置301からバス450経由で給紙開始要求を受信するまで、スタンバイ状態を継続する。給紙開始要求を受信すると、給送制御部410は、指定された給紙段、ページID順に、各シート給送装置とシリアルバスでデータ授受を行いながら、指定された給紙段から給紙・搬送を行う(ステップS30A)。
【0126】
給送制御部410は、受渡し準備が完了するまで待つ(ステップS31A)。給紙・搬送された先頭紙が画像形成装置301の直上流にあたるシート給送装置310のプレレジAの待機位置に到達した時点で、それより上流に位置するそれぞれの後続紙の給紙・搬送も各プレレジ待機位置(図3参照)で停止する。先頭紙および後続紙がページID順に待機状態になり、受渡し準備が完了すると、給送制御部410は、受渡し準備完了をバス450経由で画像形成装置301に送信する(ステップS32A)。これらのシート給送装置間の搬送制御および受渡し準備完了までの制御の動作は、前記第1の実施形態における通常制御で説明したステップS31、S32の処理と同様である。
【0127】
そして、画像形成制御部401は給送制御部410からの受渡し準備完了を受信した後、任意のタイミングで受渡しタイミング信号440aに代わる受渡しコマンドをバス450経由で送出する。給送制御部410は、画像形成制御部401からの受渡しコマンドを受信する(ステップS33A)。そして、給送制御部410は、受渡しコマンドを正常に受信した旨の通知を画像形成制御部401に送信する(ステップS34A)。
【0128】
これと同時に、給送制御部410は、搬送経路のプレレジAで待機していたシートP1を画像形成装置301に受け渡す受渡し搬送を行う(ステップS35A)。給送制御部410は、これ以降、JOB完了となるまで前述したステップS31AからS36Aまでの処理を繰り返す(ステップS36A)。給送制御部410は、指定されたシート枚数のシートを給紙・搬送し、画像形成装置301への受け渡しを完了した時点、つまりJOB完了後、通常制御と同様のステップS37の処理に進む。
【0129】
バス制御では、受渡し搬送制御で通信ディレイによるタイミング遅れが通常制御と比べて発生する。このため、シート搬送時の非通紙期間が長くなり、通常シーケンスでのスループットは上がらない。しかしながら、システム全体の制御は、前述した通常シーケンスと同一の制御となり、JAM、不良画像などの問題が発生しない。
【0130】
第2の実施形態の画像形成システムは、前記第1の実施形態で示した効果の他、つぎのような効果を有する。給紙開始(受渡し)タイミング信号の異常時、バスを経由した受渡しコマンドを起点として、シート受渡し制御を行うことで、システム全体を停止させることなく継続してユーザが使用可能である。従って、ユーザの損失を低減させることができる。このように、給紙開始(受渡し)タイミング信号の異常時、システム全体が搬送シーケンスを確保できるレベルまでシート搬送速度を低下させ、バスを経由して給紙開始タイミング信号の代替制御が行われる。これにより、システム全体を停止させることなく継続してユーザが使用可能となることで、ユーザの損失が低減する。また、代替信号を別途設ける必要がなく、既存のバスを使用するので、コストアップを招かずに実現することが可能である。
【0131】
すなわち、給紙搬送タイミング信号に異常が発生した場合においても、生産性はダウンする可能性があるが、画像形成システムを停止させることなく継続して使用することができる。
【0132】
また、ユーザにシステムの異常発生をアラームとして通知し、ユーザの任意のタイミングで修理を行うことが可能である。従って、ユーザの損失の軽減に繋がる。また、代替信号を別途設ける必要がなく、既存の通信接続部(シリアルバス)を使用するので、コストアップを招かずに実現することが可能である。
【0133】
なお、上記実施形態は本発明の好適な実施形態の一例を示すものである。本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変形が可能である。
【0134】
例えば、上記実施形態では、1台の画像形成装置に3台のシート供給装置が接続された場合を示したが、シート供給装置の接続台数は特に限定されないことは勿論である。画像形成システムの一例として、1台の画像形成装置に1台のシート供給装置が接続されたものであってもよく、この場合においても、受渡しタイミング信号線とシリアルバスの両方をシート搬送・受渡しに用いることができる。
【0135】
画像形成装置として、本来の印刷装置の他、印刷機能を有するファクシミリ装置、印刷機能、コピー機能、スキャナ機能等を有する複合機(MFP)であってもよいことは勿論である。
【0136】
また、上記実施形態では、画像形成装置として、中間転写体を使用し、この中間転写体にトナー像を転写し、この中間転写体に担持されたトナー像を記録媒体に転写する、モノクロの画像形成装置を例示しているが、カラーの画像形成装置であってもよい。また、この転写方式に限定されるものではなく、記録媒体担持体を使用し、この記録媒体担持体に担持された記録媒体に各色のトナー像を順次重ねて転写するカラーの画像形成装置であってもよい。
【0137】
また、上記実施形態に記載されている構成部品の形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、本発明の範囲は上記例示するもののみに限定されものではない。
【0138】
上記実施の形態では、複合装置の印刷方式を電子写真方式とした場合を例に挙げたが、本発明は、電子写真方式に限定されるものではなく、インクジェット方式、熱転写方式、感熱方式、静電方式、放電破壊方式など各種印刷方式に適用することができる。
【0139】
また、画像形成装置には、その機能を拡張する多種多様なオプション装置(アクセサリあるいは付属装置ともいう)が利用者の要求に応じて任意に接続可能である。例えば、オプション装置として、画像が形成された用紙を綴じるステイプル装置が挙げられる。また、用紙を折り曲げる折り装置や、用紙を仕分けするソート装置が挙げられる。また、用紙に綴じ穴をあける穴あけ装置や、用紙の両面に画像を形成するための自動両面搬送装置が挙げられる。また、用紙間に別の用紙を挿入する中挿し装置や、大量の用紙を同時に裁断可能な裁断装置が挙げられる。また、原稿を自動的にスキャナに送り込む自動原稿送り装置や、出力画像を高品位に処理する定着後処理装置が挙げられる。
【0140】
また、シートとしては、紙媒体、OHPシート、厚紙用紙など、特に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】第1の実施形態における画像形成システムの全体構成を示す図である。
【図2】図1の画像形成装置301の内部構成を示す図である。
【図3】図1のシート給送装置310、320、330の内部構成を示す図である。
【図4】画像形成システムにおけるシート給送に係わる制御部の構成を示すブロック図である。
【図5】画像形成装置301の各シート給送装置に対するシート給送動作手順を示すフローチャートである。
【図6】シート給送装置310の画像形成装置301へのシート給紙および装置間の受渡し搬送の動作手順を示すフローチャートである。
【図7】図6につづくシート給送装置310の画像形成装置301へのシート給紙および装置間の受渡し搬送の動作手順を示すフローチャートである。
【図8】シート給送装置310、320間のシート受渡し搬送制御の動作手順を示すフローチャートである。
【図9】図8につづくシート給送装置310、320間のシート受渡し搬送制御の動作手順を示すフローチャートである。
【図10】画像形成制御部401における画像形成制御部401および給送制御部410間の受渡しタイミング信号440aの異常可否判断手順を示すフローチャートである。
【図11】給送制御部410における画像形成制御部401および給送制御部410間の受渡しタイミング信号440aの異常可否判断手順を示すフローチャートである。
【図12】図11につづく給送制御部410における画像形成制御部401および給送制御部410間の受渡しタイミング信号440aの異常可否判断手順を示すフローチャートである。
【図13】受渡しタイミング信号440aが異常と判断されてバスを使用する場合の、画像形成装置301における各シート給送装置に対するシート給送動作手順を示すフローチャートである。
【図14】受渡しタイミング信号440aが異常と判断されてバスを使用する場合の、シート給送装置310における画像形成装置301へのシート給紙および装置間の受渡し搬送の動作手順を示すフローチャートである。
【図15】図14につづく受渡しタイミング信号440aが異常と判断されてバスを使用する場合の、シート給送装置310における画像形成装置301へのシート給紙および装置間の受渡し搬送の動作手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0142】
301 画像形成装置
310、320、330 シート供給装置
350 シート待機位置(プレレジ)
401 画像形成制御部
403、411 CPU
410、420、430 給送制御部
440 受渡しタイミング信号線
440a 受渡しタイミング信号
450 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに画像を形成する画像形成装置と、前記画像形成装置にシートを供給するシート供給装置とを備えた画像形成システムにおいて、
前記画像形成装置に前記シート供給装置を接続し、前記画像形成装置および前記シート供給装置間でやり取りされる情報が経由する伝送路と、
前記伝送路とは別に、前記画像形成装置に前記シート供給装置を接続し、前記画像形成装置から前記シート供給装置への信号を伝達する信号線と、
前記伝送路を経由した情報に基づき、前記シート供給装置によってシートが搬送されるシート搬送制御を行う搬送制御手段と、
前記シート搬送制御によって前記シート供給装置の受け渡し準備が完了した後、前記信号線に伝達される信号を起点として、前記シート供給装置から前記画像形成装置にシートが受け渡されるシート受渡し制御を行う受渡し制御手段とを備えたことを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
シートに画像を形成する画像形成装置と、前記画像形成装置にシートを直接供給する第1のシート供給装置および前記第1のシート供給装置を経由して前記画像形成装置にシートを供給する少なくとも1つの第2のシート供給装置からなる複数のシート供給装置とを備えた画像形成システムにおいて、
前記画像形成装置に前記複数のシート供給装置を多重に接続し、前記画像形成装置および前記複数のシート供給装置間でやり取りされる情報が経由する伝送路と、
前記伝送路とは別に、前記画像形成装置に前記第1のシート供給装置を直接接続し、前記画像形成装置から前記第1のシート供給装置への信号を伝達する信号線と、
前記伝送路を経由した情報に基づき、前記複数のシート供給装置によってシートが搬送されるシート搬送制御を行う搬送制御手段と、
前記シート搬送制御によって前記第1のシート供給装置の受け渡し準備が完了した後、前記信号線に伝達される信号を起点として、前記第1のシート供給装置から前記画像形成装置にシートが受け渡されるシート受渡し制御を行う受渡し制御手段とを備えたことを特徴とする画像形成システム。
【請求項3】
前記信号の異常を検知する異常検知手段を備え、
前記受渡し制御手段は、前記異常検知手段によって前記信号の異常が検知された場合、前記伝送路を経由した情報を起点として、前記シート受渡し制御を行うことを特徴とする請求項1または2記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記画像形成装置から前記シート受渡し制御を行うための情報を前記伝送路を経由して前記複数のシート供給装置に送信する送信手段を備え、
前記受渡し制御手段は、前記信号線に伝達される信号と前記送信手段によって送信された情報とのいずれか早い方を起点として、前記シート受渡し制御を行うことを特徴とする請求項2記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記受渡し制御手段は、前記第1のシート供給装置が前記画像形成装置から前記信号線を介して伝達される信号を検知することを起点として、前記第1のシート供給装置の所定の待機位置に待機しているシートを前記画像形成装置に受け渡すことにより前記シート受渡し制御を行うことを特徴とする請求項2記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記搬送制御手段は、前記シート搬送制御として、前記複数のシート供給装置でシートの給送の開始および停止を行うとともに、前記複数のシート供給装置間でシートを受け渡すことを特徴とする請求項2記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記伝送路を経由した情報に基づき、前記複数のシート供給装置間でシートを受け渡す際、前記シート搬送制御におけるシート搬送速度を変更するタイミング調整手段を備えたことを特徴とする請求項6記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記シート搬送制御におけるシート搬送速度は、前記シート受渡し制御におけるシート搬送速度に比べて速いことを特徴とする請求項7記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記画像形成装置はCPUを有する画像形成制御部を備え、
前記複数のシート給送装置はそれぞれCPUを有する給送制御部を備え、
前記伝送路は前記画像形成制御部に前記複数のシート供給装置の前記給送制御部を多重に接続し、前記信号線は前記画像形成制御部に前記第1のシート供給装置の前記給送制御部を接続したことを特徴とする請求項2記載の画像形成システム。
【請求項10】
前記伝送路は汎用のシリアルバスであることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成システム。
【請求項11】
シートに画像を形成する画像形成装置と、前記画像形成装置にシートを直接供給する第1のシート供給装置および前記第1のシート供給装置を経由して前記画像形成装置にシートを供給する少なくとも1つの第2のシート供給装置からなる複数のシート供給装置とを備えた画像形成システムのシート搬送制御方法において、
前記画像形成装置に前記複数のシート供給装置を多重に接続した伝送路を経由した情報に基づき、前記複数のシート供給装置によってシートが搬送されるシート搬送制御を行う搬送制御ステップと、
前記シート搬送制御によって前記第1のシート供給装置の受け渡し準備が完了した後、前記伝送路とは別に、前記画像形成装置に前記第1のシート供給装置を直接接続した信号線に伝達される前記画像形成装置から前記第1のシート供給装置への信号を起点として、前記第1のシート供給装置から前記画像形成装置にシートが受け渡されるシート受渡し制御を行う受渡し制御ステップとを有することを特徴とする画像形成システムのシート搬送制御方法。
【請求項12】
シートを供給する第1のシート供給装置および前記第1のシート供給装置を経由してシートを供給する少なくとも1つの第2のシート供給装置からなる複数のシート供給装置から供給されたシートに画像を形成する画像形成装置において、
前記画像形成装置に前記複数のシート供給装置を多重に接続し、前記複数のシート供給装置とやり取りされる情報が経由する伝送路と、
前記伝送路とは別に、前記画像形成装置に前記第1のシート供給装置を直接接続し、前記第1のシート供給装置への信号を伝達する信号線と、
前記伝送路を経由した情報に基づき、前記複数のシート供給装置によってシートが搬送されるシート搬送制御を、前記複数のシート供給装置に行わせる搬送制御手段と、
前記シート搬送制御によって前記第1のシート供給装置の受け渡し準備が完了した後、
前記信号線に伝達される信号を起点として、前記第1のシート供給装置から前記画像形成装置にシートが受け渡されるシート受渡し制御を行う受渡し制御手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
シートに画像を形成する画像形成装置にシートを直接供給するとともに、他のシート供給装置からシートを受け取って前記画像形成装置に供給するシート供給装置において、
前記画像形成装置に前記シート供給装置を前記他のシート供給装置とともに多重に接続し、前記画像形成装置とやり取りされる情報が経由する伝送路と、
前記伝送路とは別に、前記画像形成装置に前記シート供給装置を直接接続し、前記画像形成装置からの信号を伝達する信号線と、
前記伝送路を経由した前記画像形成装置からの情報に基づき、前記シート給送装置および前記他のシート給送装置でシートが搬送されるシート搬送制御を行う搬送制御手段と、
前記シート搬送制御によって受け渡し準備が完了した後、前記信号線に伝達される信号を起点として、前記シート供給装置から前記画像形成装置にシートが受け渡されるシート受渡し制御を行う受渡し制御手段とを備えたことを特徴とするシート供給装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2010−72208(P2010−72208A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−238077(P2008−238077)
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】