説明

画像形成システム及び方法

【課題】分散印刷時に、一部の画像形成装置で正常な印刷を行えない場合においても、ユーザが望む部数だけ正常な印刷をすることが可能な画像形成システム及び方法を提供する。
【解決手段】同一画像について複数部数印刷する指示があった場合に、複数部数の印刷を複数のプリンタ30に振り分けて分散印刷させる画像形成システム1であって、複数の画像形成装置30それぞれに1部だけ印刷させる確認印刷を、少なくとも1台のプリンタ30において正常に行えないと判断された場合、複数のプリンタ30のうち確認印刷が正常に行えたと判断されたプリンタ30に複数部数の印刷を振り分けて分散印刷させる分散プリント管理装置40を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば複数部数の印刷物を作成する指示があった場合に、複数部数の印刷を複数の画像形成装置に振り分けて分散印刷する画像形成システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クライアントPC(Personal Computer)からの指示により、複数部数の印刷物を複数のカラーデジタル複写機に振り分けて分散印刷する画像形成システムが知られている。また、この画像形成システムでは、1つのカラーデジタル複写機により印刷を行うシングル印刷と、複数のカラーデジタル複写機により印刷を行う分散印刷とを切り替え可能となっている。
【0003】
また、この画像形成システムでは、分散印刷時に、ボッシュモードとベストモードとカスタムモードとを選択することができる。ボッシュモードは、複数のカラーデジタル複写機で印刷数を均等に振り分けるモードであり、ベストモードは、複数のカラーデジタル複写機の性能を加味して印刷数の振り分けを行うモードである。カスタムモードは、ユーザが複数のカラーデジタル複写機それぞれに対して印刷部数を設定できるモードである(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−111917号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の画像形成システムでは、分散印刷時において一部のカラーデジタル複写機が正常に印刷をできない状態であった場合、そのカラーデジタル複写機において正常な印刷物を出力できず、ユーザが望む部数だけ、正常な印刷物を得られなくなってしまう。なお、この問題は、印刷物を印刷する機器がカラーデジタル複写機に限られるものでなく、プリンタなどの他の画像形成装置においても共通する問題である。
【0005】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、分散印刷時に、一部の画像形成装置で正常な印刷を行えない場合においても、ユーザが望む部数だけ正常な印刷をすることが可能な画像形成システム及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成システムは、複数部数の印刷物を複数の画像形成装置に振り分けて作成する分散印刷を実行する画像形成システムであって、複数部数の印刷を振り分ける候補としての複数の画像形成装置それぞれについて画質確認のための確認印刷を行った結果、複数の画像形成装置のうち少なくとも1の画像形成装置において確認印刷が正常に行えなかった場合に、複数の画像形成装置のうち確認印刷が正常に行えた画像形成装置に複数部数の印刷を振り分けて分散印刷させる分散プリント管理装置を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る画像形成方法は、複数部数の印刷物を複数の画像形成装置に振り分けて作成する分散印刷を実行する画像形成方法であって、複数部数の印刷を振り分ける候補としての複数の画像形成装置それぞれについて画質確認のための確認印刷を行った結果、複数の画像形成装置のうち少なくとも1の画像形成装置において確認印刷が正常に行えなかった場合に、複数の画像形成装置のうち確認印刷が正常に行えた画像形成装置に複数部数の印刷を振り分けて分散印刷させる分散プリント管理工程を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る画像形成システム及び方法によれば、分散印刷時に、一部の画像形成装置で正常な画質の印刷物を得られない場合においても、ユーザが望む部数だけ正常な画質の印刷をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に本発明の実施の形態に基づいて、本発明を説明するが、本発明は該実施の形態に限られない。また、各実施形態において同一又は同様の構成要素には同一の符号を付して、説明を省略する。
【0010】
図1は、第1実施形態に係る画像形成システムの全体構成を示す制御ブロック図である。本実施形態に係る画像形成システム1は、クライアントPC10と、プリンタコントローラ20と、複数のプリンタ30とを備え、これらがイントラネットによって接続されている。この画像形成システム1は、同一画像について複数部数印刷する指示があった場合に、複数部数の印刷を複数のプリンタ30に振り分けて分散印刷する機能を有している。さらに、画像形成システム1は、分散印刷に先立って、各プリンタ30において正常に印刷できるか否かを確認するための確認印刷をする機能を有している。以下、図1に示す各部について説明する。
【0011】
クライアントPC10は、ユーザによる文書等の作成を受け付けたり、ユーザから印刷指示を受け付けたりする。このクライアントPC10は、OS(Operating System)11と、文書作成アプリケーション12と、プリンタドライバ13と、ネットワークインターフェイス14とを有する。
【0012】
OS11は、クライアントPC10の全体を管理するソフトウェアであって、例えばウィンドウズ(登録商標)やマッキントッシュ(登録商標)が該当する。文章作成アプリケーション12は、ユーザからの文書作成や画像作成を受け付けるソフトであって、例えばワードやエクセルが該当する。
【0013】
プリンタドライバ13は、ユーザからの印刷指示を受け付けると共に、文書作成アプリケーション12によって作成された文書や画像のデータをプリンタコントローラ20が読み取り可能な言語に変換する。また、プリンタドライバ13は、ステープルやパンチなどのフィニッシング処理、印刷部数、分散印刷及び確認印刷についても受付可能であり、これらの情報についてもプリンタコントローラ20が読み取り可能な言語に変換する。プリンタコントローラ20が読み取り可能な言語とは、PCL(Printer Command Language)やPostScriptなどのPDL(Page Description Language)である。
【0014】
ネットワークインターフェイス14は、クライアントPC10とネットワークとを接続する接続部として機能する。クライアントPC10は、プリンタドライバ13によって変換されたPDLデータを、ネットワークインターフェイス14を介してプリンタコントローラ20に送信する。
【0015】
プリンタコントローラ20は、クライアントPC10からのPDLデータに基づいて、複数のプリンタ30のそれぞれ又はいずれかに印刷を指示する。このプリンタコントローラ20は、ネットワークインターフェイス21と、RIP(Raster Image Processor)部22と、処理部23と、HDD(Hard Disk Drive)部24と、操作パネル25と、表示部26と、プリンタインターフェイス27と、分散プリント管理装置40とを有する。
【0016】
ネットワークインターフェイス21は、プリンタコントローラ20とネットワークとを接続する接続部として機能する。又、ネットワークインターフェイス21は、プリンタコントローラ20と複数のプリンタ30とをネットワークを介して接続する接続部として機能する。RIP部22は、クライアントPC10からのPDLデータを解析し、ビットマップデータに展開する。処理部23は、PDLデータに含まれるステープルやパンチなどのフィニッシング処理の情報、及び印刷部数の情報について解析する。また、処理部23は、PDLデータに含まれる分散印刷の情報及び確認印刷の情報を解析する。処理部23は、RIP部22によって展開されたビットマップデータ(好ましくは圧縮されたビットマップデータ)、ステープルやパンチなどの印刷物の出力方法の情報、印刷部数の情報、及び確認印刷を行う旨の情報を、ネットワークインターフェイス21を介して各プリンタ30に送信する。さらに、処理部23は、確認印刷が指示されている場合、必要部数を印刷させるに先立って、印刷実行を行うプリンタ30に所定部数だけ印刷を指示する。尚、分散印刷が指示され、且つ確認印刷が指示されている場合、処理部23は、各プリンタ30に対し、当該プリンタ30に振り分けた部数を印刷させるに先立って所定部数だけ印刷を指示する。尚、確認印刷の所定部数としては単数部であっても良く、更に部を構成するページの一部であってもよい。更に、確認印刷の画像としては、テスト画像であってもよい。
【0017】
HDD部24は、RIP部22により展開されたビットマップデータを保存する。なお、プリンタコントローラ20はHDD部24に代えてRAM(Random Access Memory)などのメモリを有してもよい。操作パネル25は、プリンタコントローラ20に対する各種操作を受け付ける。表示部26は、プリンタコントローラ20の状態や複数のプリンタ30からの情報を表示する。
【0018】
分散プリント管理装置40は、分散印刷の状況を監視すると共に管理する。すなわち、分散プリント管理装置28は、分散印刷時において、少なくとも1台のプリンタ30において確認印刷を正常に行えなかった場合、確認印刷を正常に行えたプリンタ30のみに分散印刷を指示する。尚、「確認印刷を正常に行えなかった」とは、プリンタ30の不具合により確認印刷に基づく印刷出力を得ることができなかった場合、確認印刷に基づく印刷出力を得ることはできたがユーザにより画質に問題があると判断された場合、の何れをも含んでもよい。以下においては、後者の形態を例にして説明を行なうこととし、単に「確認印刷正常」と記載することがある。
【0019】
複数のプリンタ30は、プリンタコントローラ20からの情報に基づいて印刷を実行する画像形成装置である。プリンタ30は図1において3台図示するが、プリンタ30は複数であれば、特に何台であってもよい。
【0020】
第1プリンタ31は、ネットワークインターフェイス31aと、操作パネル31bと、制御部31cと、プリント部31dとを有している。第2プリンタ32及び第3プリンタ33についても、ネットワークインターフェイス32a、33aと、操作パネル32b,32cと、制御部32c,33cと、プリント部32d,33dとを有している。
【0021】
ネットワークインターフェイス31a〜33cは、各プリンタ30とプリンタコントローラ20とネットワークを介して接続する接続部として機能する。操作パネル31b〜33bは、ユーザからの操作を受け付ける。制御部31c〜33cは、操作パネル31b〜33bにより受け付けられた操作に従ってプリント部31d〜33dを制御する。また、制御部31c〜33cは、プリンタコントローラ20からのフィニッシング処理の情報及び印刷部数の情報に従ってプリント部31d〜33dを制御する。プリント部31d〜33dは、制御部31cからの制御に従って印刷を実行する。
【0022】
ここで、画像形成システム1の動作の概略について説明する。まず、ユーザは、文書作成アプリケーション12により印刷を行う原稿を作成する。なお、原稿については他のクライアントPCにおいて作成されてもよい。
【0023】
図2は、プリンタドライバ13の設定画面の一例を示す図である。原稿作成後、ユーザは、設定画面上で印刷部数を入力する。このとき、ユーザは、図2に示す設定画面の部数の欄100に印刷部数を入力する。そして、ユーザは、分散印刷のチェックボックス101をチェックする。そして、ユーザがOKボタン103を操作したとすると、プリンタドライバ13は、原稿のデータをPDLデータに変換すると共に、印刷部数や分散印刷する旨についてもPDLデータに変換する。そして、クライアントPC10は、ネットワークインターフェイス14を介して、PDLデータをプリンタコントローラ20に送信する。
【0024】
次いで、プリンタコントローラ20は、PDLデータを入力し、RIP部22は、PDLデータを解析してビットマップデータに展開する。HDD部24は、このビットマップデータを記憶する。また、処理部23は、印刷部数の情報を解析すると共に、分散印刷が指示されている旨の情報を解析する。
【0025】
そして、処理部23は、複数のプリンタ30に印刷部数を振り分ける。例えば処理部23は、印刷部数が「9」である場合、3台のプリンタ30にそれぞれ3部ずつ振り分ける。そして、プリンタコントローラ20は、振り分けられた印刷部数の情報、及びビットマップデータを、第1〜第3プリンタ31〜33のそれぞれに送信する。各プリンタ30は、ネットワークインターフェイス31a〜33aを介して上記情報を受信し、プリント部31d〜33dは振り分けられた印刷部数だけ印刷を実行する。
【0026】
また、図2に示す設定画面において確認印刷のチェックボックス102がチェックされていた場合、処理部23は、第1〜第3プリンタ31〜33のそれぞれに確認印刷を指示する。これにより、第1〜第3プリンタ31〜33は、所定部数(例えば1部)だけ印刷を実行する。ユーザは、第1〜第3プリンタ31〜33において所定部数だけ印刷された印刷物を確認し、分散印刷に先立って確認印刷を正常に行えるかを判断することとなる。
【0027】
特に、本実施形態において分散プリント管理装置40は、少なくとも1台のプリンタ30において確認印刷を正常に行えない場合、確認印刷を正常に行えたプリンタ30に印刷部数を振り分け直す。例えば、第2プリンタ32が確認印刷を正常に行えない場合、分散プリント管理装置40は、第1プリンタ31と第3プリンタ33に印刷部数を振り分ける。印刷部数が9部である場合、分散プリント管理装置40は、第1プリンタ31に5部の印刷を割り当て、第3プリンタ33に4部の印刷を割り当てて、印刷部数を振り分ける。
【0028】
なお、図2に示す設定画面においてキャンセルボタン104が操作された場合、PDLデータへの変換及びプリンタコントローラ20への送信は中止される。
【0029】
次に、本実施形態に係る画像形成方法について説明する。まず、図2に示したような設定画面において、印刷部数が入力され、分散印刷及び確認印刷が指定され、OKボタン103が操作されたとする。これにより、図3に示すフローチャートが開始する。図3は、第1実施形態に係る画像形成方法を示すフローチャートである。
【0030】
図3に示すように、まずクライアントPC10のプリンタドライバ13は、原稿、印刷部数、分散印刷が指定された旨、及び確認印刷が指定された旨の情報をPDLデータに変換する(S1)。そして、クライアントPC10は、ネットワークインターフェイス14を介してPDLデータをプリンタコントローラ20に送信する(S2)。
【0031】
プリンタコントローラ20の処理部23は、PDLデータに含まれる分散印刷及び確認印刷のコマンドを解析する(S3)。そして、処理部23は、各プリンタ30に確認印刷を指示する(S4)。これにより、各プリンタ30は、1部のみ印刷を実行する(S5)。その後、プリンタ30は待機状態となる。
【0032】
そして、ユーザは各プリンタ30の設置場所に行き、確認印刷の結果を参照する。ここで、操作パネル31b〜33bは、確認印刷を正常に行えたか否かを受け付けるボタン等を有している。このため、例えば第1プリンタ31において確認印刷正常の場合、ユーザは第1プリンタ31の操作パネル31bにその旨を入力する。これにより、第1プリンタ31の制御部31cは、確認印刷を正常に行えたと判断し(S6:YES)、確認印刷正常である旨の情報をプリンタコントローラ20に送信する(S7)。
【0033】
一方、第1プリンタ31において確認印刷を正常に行えなかった場合、ユーザは第1プリンタ31の操作パネル31bにその旨を入力する。これにより、第1プリンタ31の制御部31cは、確認印刷を正常に行えなかったと判断し(S6:NO)、確認印刷正常でない旨の情報をプリンタコントローラ20に送信する(S8)。他のプリンタ32,33についても同様である。
【0034】
次いで、分散プリント管理装置40は、確認印刷の結果を認識すると共に保存する(S9)。この際、分散プリント管理装置40は、確認印刷の結果をHDD部24やその他のメモリに保存する。そして、プリンタコントローラ20の表示部26は、確認印刷の結果を表示する(S10)。
【0035】
図4は、表示部26に表示される表示例を示す図である。図4に示すように、表示部26は、プリンタ名を示す項目105と、「OK」及び「Failed」の確認印刷の結果を示す項目106とを表示する。このような項目によって、表示部26は、確認印刷を正常に行えた旨の操作を受け付けたプリンタ30について、その旨を表示する。また、これにより、ユーザは複数のプリンタ30のうち確認印刷を正常に行えたプリンタ30及び行えなかったプリンタ30について一括的に参照することができる。
【0036】
図5は、表示部26に表示される他の表示例を示す図である。図5に示すように、表示部26は、プリンタ名を示す項目105と確認印刷の結果を示す項目106とに加えて、分散印刷させるプリンタ30を選択する選択項目109を表示する。具体的に表示部26は、確認印刷を正常に行えたプリンタ30についてチェックボックス109aを表示する。ユーザは、チェックボックス109aをチェックすることにより、分散印刷させるプリンタ30を選択することができる。
【0037】
再度、図3を参照する。図4又は図5に示す表示の後、分散プリント管理装置40は、印刷を実行させるプリンタ数をカウントする(S11)。図4に示す例の場合、分散プリント管理装置40は、操作パネル31b〜33bにて確認印刷が正常に行えた旨が入力されたプリンタ30を、印刷を実行させるプリンタ30としてカウントする。また、図5に示す例の場合、分散プリント管理装置40は、チェックボックス109aにチェックされたプリンタ30を、印刷を実行させるプリンタ30としてカウントする。
【0038】
その後、分散プリント管理装置40は、ステップS11においてカウントされたプリンタ30それぞれに印刷させる部数について割り当て計算を実行する(S12)。具体的に、6部の印刷が指定されている場合において、全プリンタ30が、確認印刷が正常に行えた場合、又は、全プリンタ30のチェックボックス109aがチェックされた場合、分散プリント管理装置40は、各プリンタ30に均等に2部ずつの印刷を割り当てる。また、6部の印刷が指定されている場合において、1台のプリンタ30で確認印刷が正常に行えなかった場合、又は、全プリンタ30について確認印刷が正常に行えたが、1台のプリンタ30のチェックボックス109aがチェックされていなかった場合など、分散プリント管理装置40は、他のプリンタ30に均等に3部ずつの印刷を割り当てる。
【0039】
より詳細に分散プリント管理装置40は、以下の演算式に従って、印刷部数を割り当てる。ここで、全印刷部数をmとし、カウントされたプリンタ30の数をnとした場合、分散プリント管理装置40は、m/nなる演算式に従って、カウントされたプリンタ30に印刷部数を割り当てる。なお、m/nが「A.XYZ」(但し、Aは整数であり、XYZは小数点以下の数)であるなど、整数でなかった場合、分散プリント管理装置40は、カウントされたプリンタ30のうちいずれか1台にA+1部数を割り当て、他のプリンタ30にA部数を割り当てる。
【0040】
また、分散プリント管理装置40は、上記のようにして印刷部数を割り当てる場合に限らず、印刷速度を加味して印刷部数を割り当ててもよい。すなわち、分散プリント管理装置40は、印刷速度が高いプリンタ30から順に印刷部数が多くなるように、印刷部数を割り当ててもよい。これにより、各プリンタ30の性能に応じた印刷を行うことができ、印刷の効率化を図ることができる。
【0041】
その後、分散プリント管理装置40は、図4及び図5に示した印刷ボタン107が操作されることにより、ステップS11においてカウントされたプリンタ30に対して、ステップS12において計算した部数の印刷を指示する(S13)。これにより、印刷が指示されたプリンタ30は、割り当てられた部数だけ印刷を実行する(S14)。その後、図3に示す処理は終了する。なお、上記処理過程において、キャンセルボタン108が操作された場合、分散印刷は中止される。
【0042】
このようにして、第1実施形態に係る画像形成システム1及び方法によれば、確認印刷の結果、少なくとも1台のプリンタ30において確認印刷を正常に行えないと判断した場合に、確認印刷を正常に行えたと判断したプリンタ30に複数部数の印刷を振り分けて分散印刷させる分散プリント管理装置40を備えている。このため、分散印刷時に、一部のプリンタ30において正常な印刷を行えない場合であっても、確認印刷を正常に行えたプリンタ30に、印刷すべき部数が振り分けられる。従って、ユーザが望む部数だけ正常な印刷をすることができる。
【0043】
また、分散プリント管理装置40は、各プリンタ30の印刷速度の情報に基づき、印刷速度が高いプリンタ30から順に印刷部数が多くなるように、印刷部数を割り当ててもよい。これにより、各プリンタ30の性能に応じた印刷を行うことができ、印刷の効率化を図ることができる。
【0044】
また、複数のプリンタ30は、確認印刷が正常に行えたか否かの操作をユーザから受け付ける操作パネル31b〜33bをそれぞれ備え、プリンタコントローラ20は、操作パネル31b〜33bにてユーザから確認印刷を正常に行えた旨の操作を受け付けたプリンタ30について、確認印刷正常である旨を表示する表示部26と、確認印刷正常である旨が表示されたプリンタ30に対して複数部数の印刷を振り分けて分散印刷させる印刷ボタン107とをさらに備えている。このため、ユーザは、表示部26を参照することで、分散印刷させるプリンタ30を一括して確認することができ、確認したうで分散印刷を開始させることができる。
【0045】
また、表示部26において確認印刷正常である旨が表示されたプリンタ30のうち、複数部数の印刷を振り分けて分散印刷させるプリンタ30を選択するチェックボックス109aをさらに備え、分散プリント管理装置40は、チェックボックス109aにチェックされたプリンタ30に複数部数の印刷を振り分けて分散印刷させる。このため、確認印刷を正常に行えたプリンタ30の全てを対象に分散印刷させるわけでなく、ユーザによって分散印刷させるプリンタ30を選択でき、利便性を向上させることができる。
【0046】
また、チェックボックス109aは、初期状態において、確認印刷正常である旨が表示されたプリンタ30の全てをチェックした状態となっている。このため、確認印刷を正常に行えたプリンタ30の全てに分散印刷をさせたい場合には、チェックする手間が省けることとなり、一層利便性を向上させることができる。
【0047】
また、複数のプリンタ30はクラスタリング接続されており、分散プリント管理装置40は、プリンタコントローラ内に設けられている。このため、複数のプリンタ30がクラスタリング接続されている場合に、一部のプリンタ30において正常な印刷を行えないときであっても、ユーザが望む部数だけ正常な印刷をすることができる。
【0048】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態に係る画像形成システム2は、第1実施形態と同様であるが、処理内容が一部異なっている。以下、第1実施形態との相違点を説明する。
【0049】
第1実施形態に係る画像形成システム1は、ステップS10においてプリンタコントローラ20の表示部26に確認印刷の結果を表示し、ユーザが印刷ボタン107を操作することにより、該当プリンタ30が印刷を一斉に開始していた。第2実施形態に係る画像形成システム2は、いずれかのプリンタ30が確認印刷を正常に行い、ユーザがその旨を確認して操作パネル31b〜33bに正常に印刷できた旨を入力すると、そのプリンタ30は事前に振り分けられた部数だけ印刷を開始する。すなわち、第2実施形態では、ユーザが印刷ボタン107を操作するまえにプリンタ30は印刷を開始する。
【0050】
さらに、第2実施形態では、ユーザが印刷ボタン107を操作するまえにプリンタ30は印刷を開始するため、少なくとも1台のプリンタ30において確認印刷を正常に行えなかった場合、第1実施形態に係る画像形成システム1とは部数の割り当て計算が異なっている。すなわち、第2実施形態において分散プリント管理装置40は、確認印刷が正常に行われ、既に印刷が開始しているプリンタ30から、既に印刷した部数の情報を受信し、受信した情報を加味して部数の割り当て計算を実行する。
【0051】
図6及び図7は、第2実施形態に係る画像形成方法を示すフローチャートである。図6及び図7に示すフローチャートが開始するにあたっては、図2に示したような設定画面において、印刷部数が入力され、分散印刷及び確認印刷が指定され、OKボタン103が操作されているものとする。また、図6に示すステップS21〜S23の処理は、図3に示したステップS1〜S3の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0052】
図6のステップS23において処理部23は、PDLデータに含まれる分散印刷及び確認印刷のコマンドを解析した後、印刷させる部数について割り当て計算を実行する(S24)。例えば、処理部23は、プリンタドライバ13の設定画面において、300部の分散印刷が設定されている場合、3台のプリンタ30に100部ずつの印刷部数を割り当てる。また、処理部23は、印刷速度を加味して部数を振り分けてもよい。その後、プリンタコントローラ20は、ステップS24において計算した部数の情報を送信すると共に、各プリンタ30に確認印刷を指示する(S25)。これにより、各プリンタ30は、まず1部のみ印刷を実行する(S26)。そして、各プリンタ30は待機状態となる。
【0053】
その後、ユーザは各プリンタ30の設置場所に行き、確認印刷の結果を参照する。そして、例えば第1プリンタ31において確認印刷が正常に行えた場合、ユーザは第1プリンタ31の操作パネル31bにその旨を入力する。これにより、第1プリンタ31の制御部31cは、確認印刷を正常に印刷できたと判断し(S27:YES)、印刷を開始すると共に(S28)、確認印刷正常である旨の情報をプリンタコントローラ20に送信する(S29)。すなわち、第2実施形態に係る画像形成システム2は、確認印刷正常である旨の操作が受け付けられたプリンタ30から順に印刷を開始する。
【0054】
一方、第1プリンタ31において確認印刷を正常に行えなかった場合、ユーザは第1プリンタ31の操作パネル31bにその旨を入力する。これにより、第1プリンタ31の制御部31cは、確認印刷を正常に行えなかったと判断し(S27:NO)、印刷を中止すると共に(S30)、確認印刷正常でない旨の情報をプリンタコントローラ20に送信する(S31)。他のプリンタ32,33についても同様である。
【0055】
次いで、図7に示すように、分散プリント管理装置40は、確認印刷の結果を認識すると共に保存する(S32)。この際、分散プリント管理装置40は、確認印刷の結果をHDD部24やその他のメモリに保存する。そして、分散プリント管理装置40は、ステップS29及びステップS31にて各プリンタ30から送信された情報に基づいて、印刷を実行させるプリンタ数をカウントする(S33)。すなわち、分散プリント管理装置40は、既に印刷を開始しているプリンタ数をカウントする。
【0056】
次に、分散プリント管理装置40は、ステップS33においてカウントされたプリンタ30それぞれに、既に印刷した印刷部数の情報を要求する(S34)。これにより、要求を受けたプリンタ30は、印刷済みの部数を分散プリント管理装置40に通知する(S35)。
【0057】
その後、分散プリント管理装置40は、残りの印刷部数について計算する(S36)。例えば、全部で300部数だけ分散印刷する場合、第1プリンタ31が既に90部数印刷しており、第3プリンタ33が既に120部数印刷しており、第2プリンタ32が正常に確認印刷できず、印刷が中止されたとする。この場合、分散プリント管理装置40は、残りの印刷部数を90部と計算する。
【0058】
その後、分散プリント管理装置40は、部数の割り当てについて再計算する(S37)。このステップS37において分散プリント管理装置40は、ステップS36において計算した残りの印刷部数について割り当てを計算する。残りの印刷部数が90部であり、第2プリンタ32のみが印刷を開始していない場合、分散プリント管理装置40は、例えば第1プリンタ31と第3プリンタ33に45部ずつ均等に振り分ける。また、分散プリント管理装置40は印刷速度を加味して振り分けてもよい。
【0059】
その後、分散プリント管理装置40は、既に印刷を開始しているプリンタ30に対して、ステップS38において計算した部数の印刷を指示する(S38)。これにより、印刷が指示されたプリンタ30は、割り当てられた部数を加算して印刷を追加実行する(S39)。その後、図6及び図7に示す処理は終了する。なお、図6及び図7に示す処理において、プリンタ30全ての確認印刷の結果が正常であった場合、ステップS34〜S39の処理は省略され、図6及び図7に示す処理は終了する。
【0060】
このようにして、第2実施形態に係る画像形成システム2及び方法によれば、第1実施形態と同様に、ユーザが望む部数だけ正常な印刷をすることができる。また、各プリンタ30の性能に応じた印刷を行うことができ、印刷の効率化を図ることができる。
【0061】
さらに、第2実施形態によれば、各プリンタ30は、操作パネル31b〜33bにおいて確認印刷を正常に行えた旨の操作が受け付けられた場合、正常に行えた旨の操作が受け付けられたプリンタ30から順に印刷を開始させる。このため、確認印刷正常であったプリンタ30は、操作後すぐに印刷を開始することとなり、待機時間が短くなって印刷の効率化を図ることができる。
【0062】
また、分散プリント管理装置40は、既に印刷が開始しているプリンタ30から既に印刷した印刷部数の情報を受信し、既に印刷した印刷部数の情報に基づき、残りの印刷部数を振り分ける。このため、既に印刷した印刷部数を加味した印刷を実行でき、一層印刷の効率化を図ることができる。
【0063】
次に、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態に係る画像形成システム2は、第1実施形態と同様であるが、構成及び処理内容が一部異なっている。以下、第1実施形態との相違点を説明する。
【0064】
図8は、第3実施形態に係る画像形成システム3の全体構成を示す制御ブロック図である。図8に示すように、複数のプリンタ30は、それぞれがインターフェイス31a〜33aを有し、これらのインターフェイス31a〜33aを介して、親となる第1プリンタ31から他の第2及び第3プリンタ32,33にかけて直列的な接続関係となるタンデム接続されている。また、分散プリント管理装置40は、タンデム接続された親となる第1プリンタ31内に設けられている。さらに、第1プリンタ31は、表示部31eを有している。なお、第3実施形態において複数のプリンタ30はイントラネットによって接続されているが、第1プリンタ31と第2プリンタ32、及び第2プリンタ32と第3プリンタ33は、IEEE1394やParallelによって接続されてもよい。
【0065】
また、各プリンタ30がタンデム接続されているため第3実施形態に係る画像形成システム3は以下のように動作する。図9及び図10は、第3実施形態に係る画像形成方法を示すフローチャートである。図9及び図10に示すフローチャートが開始するにあたっては、図2に示したような設定画面において、印刷部数が入力され、分散印刷及び確認印刷が指定され、OKボタン103が操作されているものとする。また、図9に示すステップS41〜S43の処理は、図3に示したステップS1〜S3の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0066】
図9に示すステップS43において処理部23は、PDLデータに含まれる分散印刷及び確認印刷のコマンドを解析した後、第1プリンタ31に確認印刷及び分散印刷を指示する(S44)。次いで、第1プリンタ31は自己及び第2及び第3プリンタ32,33に対して確認印刷を指示する(S45)。そして、第1プリンタ31は、1部のみ印刷を実行する(S46)。その後、第1プリンタ31は待機状態となる。
【0067】
そして、ユーザは第1プリンタ31の設置場所に行き、確認印刷の結果を参照する。ここで、例えば確認印刷を正常に行えた場合、ユーザは第1プリンタ31の操作パネル31bにその旨を入力する。これにより、第1プリンタ31の制御部31cは、正常に印刷できたと判断し(S47:YES)、確認印刷正常である旨の情報を分散プリント管理装置40に送信する(S48)。
【0068】
一方、第1プリンタ31において確認印刷を正常に行えなかった場合、ユーザは第1プリンタ31の操作パネル31bにその旨を入力する。これにより、第1プリンタ31の制御部31cは、正常に印刷できなかったと判断し(S47:NO)、確認印刷正常でない旨の情報を分散プリント管理装置40に送信する(S49)。
【0069】
また、第2及び第3プリンタ32,33は、ステップS45における確認印刷の指示を受けると、1部のみ印刷を実行する(S50)。その後、第2及び第3プリンタ32,33は待機状態となる。
【0070】
そして、ユーザは第2及び第3プリンタ32,33の設置場所に行き、確認印刷の結果を参照する。ここで、例えば確認印刷を正常に行えた場合、ユーザは第2及び第3プリンタ32,33の操作パネル32b,33bにその旨を入力する。これにより、第2及び第3プリンタ32,33の制御部32c,33cは、正常に印刷できたと判断し(S51:YES)、確認印刷正常である旨の情報を分散プリント管理装置40に送信する(S52)。
【0071】
一方、第2及び第3プリンタ32,33において確認印刷が正常に行えなかった場合、ユーザは第2及び第3プリンタ32,33の操作パネル32b,33bにその旨を入力する。これにより、第2及び第3プリンタ32,33の制御部32c,33cは、正常に印刷できなかったと判断し(S51:NO)、確認印刷正常でない旨の情報を分散プリント管理装置40に送信する(S53)。
【0072】
次いで、図10に示すように、分散プリント管理装置40は、確認印刷の結果を認識すると共に保存する(S54)。そして、第1プリンタ31の表示部31eは、図4又は図5に示すような確認印刷の結果を表示する(S55)。
【0073】
その後、分散プリント管理装置40は、印刷を実行させるプリンタの数をカウントする(S56)。そして、分散プリント管理装置40は、ステップS56においてカウントされたプリンタ30それぞれに印刷させる部数について割り当て計算を実行する(S57)。この処理において分散プリント管理装置40は、カウントされたプリンタ30に印刷部数を均等に割り当ててもよいし、印刷速度を加味して割り当ててもよい。
【0074】
その後、第1プリンタ31は、図4及び図5に示した印刷ボタン107が操作されることにより、自己に割り当てられた部数だけ印刷する(S58)。さらに、分散プリント管理装置40は、第2及び第3プリンタ32,33のうち、分散印刷を実行させるプリンタ30に対して、印刷を指示すると共に印刷部数の情報を送信する(S59)。これにより、印刷が指示されたプリンタ30は、割り当てられた部数だけ印刷を実行する(S60)。その後、図9及び図10に示す処理は終了する。なお、上記処理過程において、キャンセルボタン108が操作された場合、分散印刷は中止される。また、上記処理過程において第1プリンタ31の確認印刷が正常でなかった場合、ステップS58の処理は省略される。
【0075】
また、第3実施形態に係る画像形成システム3は、第2実施形態に示した画像形成システム2のように、ユーザが印刷ボタン107を操作するまえに印刷を開始してもよい。図11及び図12は、第3実施形態に係る画像形成方法の他の例を示すフローチャートである。図11及び図12に示すフローチャートが開始するにあたっては、図2に示したような設定画面において、印刷部数が入力され、分散印刷及び確認印刷が指定され、OKボタン103が操作されているものとする。また、図11に示すステップS61〜S63の処理は、図6に示したステップS21〜S23の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0076】
図11のステップS63において処理部23は、PDLデータに含まれる分散印刷及び確認印刷のコマンドを解析した後、第1プリンタ31に対して分散印刷及び確認印刷を指示する(S64)。その後、処理部23は、部数の割り当て計算を実行する(S65)。
【0077】
次いで、第1プリンタ31の制御部31cは、ステップS65において計算した部数の情報を第1プリンタ31に送信する。さらに、第1プリンタ31の制御部31cは、自己及び第2及び第3プリンタ32,33に確認印刷を指示する(S66)。これにより、第1プリンタ31は、まず1部のみ印刷を実行する(S67)。そして、第1プリンタ31は待機状態となる。
【0078】
その後、ユーザは第1プリンタ31の設置場所に行き、確認印刷の結果を参照する。そして、第1プリンタ31において確認印刷を正常に行えた場合、ユーザは第1プリンタ31の操作パネル31bにその旨を入力する。これにより、第1プリンタ31の制御部31cは、正常に印刷できたと判断し(S68:YES)、印刷を開始すると共に(S69)、確認印刷正常である旨の情報を分散プリント管理装置40に送信する(S70)。
【0079】
一方、第1プリンタ31において確認印刷を正常に行えなかった場合、ユーザは第1プリンタ31の操作パネル31bにその旨を入力する。これにより、第1プリンタ31の制御部31cは、正常に印刷できなかったと判断し(S68:NO)、印刷を中止すると共に(S71)、確認印刷正常でない旨の情報をプリンタコントローラ20に送信する(S72)。
【0080】
また、第2及び第3プリンタ32,33は、ステップS66における確認印刷の指示を受けると、第2及び第3プリンタ32,33は、1部のみ印刷を実行する(S73)。その後、第2及び第3プリンタ32,33は待機状態となる。
【0081】
そして、ユーザは第2及び第3プリンタ32,33の設置場所に行き、確認印刷の結果を参照する。ここで、例えば確認印刷を正常に行えた場合、ユーザは第2及び第3プリンタ32,33の操作パネル32b,33bにその旨を入力する。これにより、第2及び第3プリンタ32,33の制御部32c,33cは、正常に印刷できたと判断し(S74:YES)、印刷を開始すると共に(S75)、確認印刷正常である旨の情報を分散プリント管理装置40に送信する(S76)。
【0082】
一方、第2及び第3プリンタ32,33において確認印刷を正常に行えなかった場合、ユーザは第2及び第3プリンタ32,33の操作パネル32b,33bにその旨を入力する。これにより、第2及び第3プリンタ32,33の制御部32c,33cは、正常に印刷できなかったと判断し(S74:NO)、印刷を中止すると共に(S77)、確認印刷正常でない旨の情報を分散プリント管理装置40に送信する(S78)。
【0083】
次いで、図12に示すように、分散プリント管理装置40は、確認印刷の結果を認識すると共に保存する(S79)。そして、分散プリント管理装置40は、各プリンタ30から送信された情報に基づいて、印刷を実行させるプリンタの数をカウントする(S80)。すなわち、分散プリント管理装置40は、既に印刷を開始しているプリンタの数をカウントする。
【0084】
次に、分散プリント管理装置40は、ステップS80においてカウントされたプリンタ30それぞれに、既に印刷した印刷部数の情報を要求する(S81)。これにより、要求を受けたプリンタ30は、印刷済みの部数を分散プリント管理装置40に通知する(S82,S83)。
【0085】
その後、分散プリント管理装置40は、残りの印刷部数について計算する(S84)。次に、分散プリント管理装置40は、部数の割り当てについて再計算する(S85)。そして、第1プリンタ31は自己に割り当てられた部数だけ印刷する(S86)。さらに、分散プリント管理装置40は、第2及び第3プリンタ32,33のうち、分散印刷を実行させるプリンタ30に対して、印刷を指示すると共に印刷部数の情報を送信する(S87)。これにより、印刷が指示されたプリンタ30は、割り当てられた部数だけ印刷を実行する(S88)。その後、図11及び図12に示す処理は終了する。なお、上記処理過程において、プリンタ30全ての確認印刷の結果が正常であった場合、ステップS81〜S88の処理は省略され、図11及び図12に示す処理は終了する。また、上記処理過程において第1プリンタ31の確認印刷が正常でなかった場合、ステップS86の処理は省略される。
【0086】
このようにして、第3実施形態に係る画像形成システム3及び方法によれば、第1実施形態と同様に、ユーザが望む部数だけ正常な印刷をすることができる。また、印刷の効率化を図ることができると共に、ユーザは、表示部31eを参照することで、分散印刷させるプリンタ30を一括して確認することができ、確認したうで分散印刷を開始させることができる。
【0087】
また、ユーザによって分散印刷させるプリンタ30を選択でき、利便性を向上させることができると共に、チェックする手間が省けることとなり、一層利便性を向上させることができる。
【0088】
また、第2実施形態と同様に、確認印刷が正常であったプリンタ30は、操作後すぐに印刷を開始することとなり、待機時間が短くなって印刷の効率化を図ることができる。また、既に印刷した印刷部数を加味した印刷を実行でき、一層印刷の効率化を図ることができる。
【0089】
さらに、第3実施形態によれば、複数のプリンタ30はタンデム接続されており、分散プリント管理装置40は、親となる第1プリンタ31内に設けられている。このため、複数のプリンタ30がタンデム接続されている場合に、一部のプリンタ30において正常な印刷を行えないときであっても、ユーザが望む部数だけ正常な印刷をすることができる。
【0090】
次に、本発明の第4実施形態を説明する。第4実施形態に係る画像形成システム4は、第1実施形態と同様であるが、構成及び処理内容が一部異なっている。以下、第1実施形態との相違点を説明する。
【0091】
図13は、第4実施形態に係る画像形成システム4の全体構成を示す制御ブロック図である。図13に示すように、分散プリント管理装置40は、ネットワーク上に設けられたサーバである。このため、第4実施形態に係る分散プリント管理装置40は、少なくとも1台のプリンタ30において確認印刷が正常に行えなかった場合、割り当てる印刷部数を計算した後、プリンタコントローラ20に指示し、プリンタコントローラ20から該当のプリンタ30に印刷部数を送信する。
【0092】
また、第4実施形態に係る画像形成システム4の処理内容は、図3に示した処理内容と同様である。なお、第4実施形態において、図3に示したフローチャートのうち分散プリント管理装置40が実行した処理は、プリンタコントローラ20を経由して実行される。
【0093】
また、第4実施形態に係る画像形成システム4は、第2実施形態の図6及び図7に示す処理ように、ユーザが印刷ボタン107を操作するまえに印刷を開始してもよく、第3実施形態のように、タンデム接続される場合に適用されてもよい。
【0094】
このようにして、第4実施形態に係る画像形成システム4及び方法によれば、第1実施形態と同様に、ユーザが望む部数だけ正常な印刷をすることができる。また、印刷の効率化を図ることができると共に、ユーザは、表示部26を参照することで、分散印刷させるプリンタ30を一括して確認することができ、確認したうで分散印刷を開始させることができる。
【0095】
また、ユーザによって分散印刷させるプリンタ30を選択でき、利便性を向上させることができると共に、チェックする手間が省けることとなり、一層利便性を向上させることができる。
【0096】
また、第2実施形態と同様に、確認印刷が正常であったプリンタ30は、操作後すぐに印刷を開始することとなり、待機時間が短くなって印刷の効率化を図ることができる。また、既に印刷した印刷部数を加味した印刷を実行でき、一層印刷の効率化を図ることができる。
【0097】
さらに、第4実施形態によれば、分散プリント管理装置40は、ネットワーク上に設けられたサーバであるため、複数のプリンタ30がクラスタリング接続される場合であっても、タンデム接続される場合であっても、双方の場合において、一部のプリンタ30において正常な印刷を行えないときであっても、ユーザが望む部数だけ正常な印刷をすることができる。
【0098】
以上、本発明に係る画像形成システム及び方法を実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。
【0099】
例えば、上記実施形態では、プリンタ30を画像形成装置の一例として挙げたが、これに限らず、複合機など他の画像形成装置であってもよい。また、上記実施形態では、分散プリント管理装置40がプリンタコントローラ20内、第1プリンタ31内、及びネットワーク上に設けられている例のみを示したが、これら以外の場所に設置されていても勿論よい。また、表示部26,31eがプリンタコントローラ20又は第1プリンタ31に設けられている例のみを示したが、これに限らず、クライアントPCや分散プリント管理装置40などの他の箇所に設置されていても勿論よい。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】第1実施形態に係る画像形成システムの全体構成を示す制御ブロック図である。
【図2】プリンタドライバの設定画面の一例を示す図である。
【図3】第1実施形態に係る画像形成方法を示すフローチャートである。
【図4】表示部に表示される表示例を示す図である。
【図5】表示部に表示される他の表示例を示す図である。
【図6】第2実施形態に係る画像形成方法を示すフローチャートである。
【図7】第2実施形態に係る画像形成方法を示すフローチャートである。
【図8】第2実施形態に係る画像形成方法を示すフローチャートである。
【図9】第3実施形態に係る画像形成方法を示すフローチャートである。
【図10】第3実施形態に係る画像形成方法を示すフローチャートである。
【図11】第3実施形態に係る画像形成方法の他の例を示すフローチャートである。
【図12】第3実施形態に係る画像形成方法の他の例を示すフローチャートである。
【図13】第4実施形態に係る画像形成システムの全体構成を示す制御ブロック図である。
【符号の説明】
【0101】
1 画像形成システム
10 クライアントPC
11 OS
12 文章作成アプリケーション
13 プリンタドライバ
14 ネットワークインターフェイス
20 プリンタコントローラ
21 ネットワークインターフェイス
22 RIP部
23 処理部
24 HDD部
25 操作パネル
26,31e 表示部
30〜33 プリンタ
31a〜33a コントローラインターフェイス
31b〜33b 操作パネル
31c〜33c 制御部
31d〜33d プリント部
40 分散プリント管理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数部数の印刷物を複数の画像形成装置に振り分けて作成する分散印刷を実行する画像形成システムであって、
複数部数の印刷を振り分ける候補としての前記複数の画像形成装置それぞれについて画質確認のための確認印刷を行った結果、前記複数の画像形成装置のうち少なくとも1の画像形成装置において確認印刷が正常に行えなかった場合に、前記複数の画像形成装置のうち確認印刷が正常に行えた画像形成装置に前記複数部数の印刷を振り分けて分散印刷させる分散プリント管理装置を備える
ことを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記分散プリント管理装置は、確認印刷が正常に行えた画像形成装置それぞれの印刷速度に基づき、印刷速度が高い画像形成装置から順に印刷部数が多くなるように振り分けて分散印刷させる
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記複数の画像形成装置は、確認印刷を正常に行えたか否かの操作をユーザから受け付ける操作部をそれぞれ備え、
前記操作部にてユーザから確認印刷を正常に行えた旨の操作を受け付けた画像形成装置について、確認印刷正常である旨を表示する表示部と、確認印刷正常である旨が表示された画像形成装置に対して複数部数の印刷を振り分けて分散印刷させる分散印刷指示部と、をさらに備える
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記表示部において確認印刷正常である旨が表示された画像形成装置のうち、複数部数の印刷を振り分けて分散印刷させる画像形成装置を選択する選択部をさらに備え、
前記分散プリント管理装置は、前記選択部によって選択された画像形成装置に複数部数の印刷を振り分けて分散印刷させる
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記選択部は、初期状態において、前記表示部において確認印刷正常である旨が表示された画像形成装置の全てを選択した状態となっている
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記複数の画像形成装置は、確認印刷を正常に行えたか否かの操作をユーザから受け付ける操作部それぞれを備え、前記操作部において確認印刷を正常に行えた旨の操作が受け付けられた場合、確認印刷正常である旨の操作が受け付けられた画像形成装置から順に印刷を開始させる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記分散プリント管理装置は、既に印刷が開始している画像形成装置から既に印刷した印刷部数の情報を受信し、既に印刷した印刷部数の情報に基づき、確認印刷正常である旨の操作が受け付けられた画像形成装置それぞれに残りの印刷部数を振り分ける
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記複数の画像形成装置は、それぞれが並列的な接続関係となるクラスタリング接続されており、
前記分散プリント管理装置は、クラスタリング接続された複数の画像形成装置のそれぞれに印刷指示を行うプリンタコントローラ内に設けられている
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記複数の画像形成装置は、親となる画像形成装置から他の画像形成装置にかけて直列的な接続関係となるタンデム接続されており、
前記分散プリント管理装置は、タンデム接続された前記親となる画像形成装置内に設けられている
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項10】
前記分散プリント管理装置は、ネットワーク上に設けられたサーバである
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項11】
複数部数の印刷物を複数の画像形成装置に振り分けて作成する分散印刷を実行する画像形成方法であって、
複数部数の印刷を振り分ける候補としての前記複数の画像形成装置それぞれについて画質確認のための確認印刷を行った結果、前記複数の画像形成装置のうち少なくとも1の画像形成装置において確認印刷が正常に行えなかった場合に、前記複数の画像形成装置のうち確認印刷が正常に行えた画像形成装置に前記複数部数の印刷を振り分けて分散印刷させる分散プリント管理工程を備える
ことを特徴とする画像形成方法。
【請求項12】
前記分散プリント管理工程では、確認印刷が正常に行えた画像形成装置それぞれの印刷速度に基づき、印刷速度が高い画像形成装置から順に印刷部数が多くなるように振り分けて分散印刷させる
ことを特徴とする請求項11に記載の画像形成方法。
【請求項13】
前記複数の画像形成装置それぞれに対し、確認印刷を正常に行えたか否かの操作をユーザから受け付ける操作工程を備え、
前記操作工程にてユーザから確認印刷を正常に行えた旨の操作を受け付けた画像形成装置について、確認印刷正常である旨を表示する表示工程と、確認印刷正常である旨が表示された画像形成装置に対して複数部数の印刷を振り分けて分散印刷させる分散印刷指示工程と、をさらに備える
ことを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の画像形成方法。
【請求項14】
前記表示工程において確認印刷正常である旨が表示された画像形成装置のうち、複数部数の印刷を振り分けて分散印刷させる画像形成装置を選択する選択工程をさらに備え、
前記分散プリント管理工程では、前記選択工程において選択された画像形成装置に複数部数の印刷を振り分けて分散印刷させる
ことを特徴とする請求項13に記載の画像形成方法。
【請求項15】
前記選択工程では、初期状態において、前記表示工程において確認印刷正常である旨が表示された画像形成装置の全てを選択した状態となっている
ことを特徴とする請求項14に記載の画像形成方法。
【請求項16】
前記複数の画像形成装置それぞれに対し、確認印刷を正常に行えたか否かの操作をユーザから受け付ける操作工程を備え、前記操作工程において確認印刷を正常に行えた旨の操作が受け付けられた場合、確認印刷正常である旨の操作が受け付けられた画像形成装置から順に印刷を開始させる
ことを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の画像形成方法。
【請求項17】
前記分散プリント管理工程では、既に印刷が開始している画像形成装置から既に印刷した印刷部数の情報を受信し、既に印刷した印刷部数の情報に基づき、確認印刷正常である旨の層が受け付けられた画像形成装置それぞれに残りの印刷部数を振り分ける
ことを特徴とする請求項16に記載の画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−39794(P2010−39794A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−202480(P2008−202480)
【出願日】平成20年8月6日(2008.8.6)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】