説明

画像形成システム

【課題】ユーザーの経済性や利便性、保守作業の作業効率性に資するとともに、機密性も持ち合わせるという、従来の用紙への印刷では提供でき得ない機能を持った印刷システムを提供する。
【解決手段】画像形成装置100と、この装置に設けられていて同装置に関する保守情報を記憶する記憶手段2と、記憶手段に記憶されている保守情報を人間が理解可能な表現形態で可視化でき、かつ繰り返し表示可能な表示手段5と、記憶手段に記憶されている保守情報の出力先として表示手段を選択設定可能な出力先設定手段3と、出力先設定手段で選択された出力先となる表示手段に保守情報を伝送する手段4と、出力先設定手段により選択設定された出力先が表示手段の場合、記憶手段に記憶されている保守情報を表示手段に出力するように伝送手段を制御するとともに、出力した保守情報が人間に理解可能な表現形態で可視化するように表示手段を制御する制御手段20を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムに関し、特に装置の保守管理に関わる情報の出力に関する。
【0002】
適用可能分野としては、インキを用いる印刷装置、インキやトナーを用いる複写機(PPC)、複合機能プリンタ(MFP)などに適用可能である。
【背景技術】
【0003】
発色(顕色)剤の熱的な履歴(ヒステリシス)を利用して、繰り返し画像形成を可能にするいわゆるリライタブルペーパーや、書き込み時/消去時には電力を必要とするものの、無給電で表示画像を記憶するいわゆる電子ペーパーが、近年マイクロカブセル、液晶、電子粉流体など種々の方式で開発されており、ラベル、商品の値札、広告やガイドなどに利用されている。かかる発明の例としては特許文献1が挙げられる。また、電子ペーパーを、複写機やレーザビームプリンタなどの画像形成装置の補助表示装置として使い、本体の電源オフ時でも、カウンタや使用履歴、消耗品情報を得られるようにしたものが特許文献2で提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開2005−352830号公報
【特許文献2】特開2006−201460号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そもそもリライタブルペーパーや電子ペーパーは、用紙のような形態や機能を求められながら用紙ではなく、また用紙に取って代わることを目指して開発されているものである。このため、用紙とは対極にあるものと捉えられていることが多く、そのため複写機やレーザビームプリンタはもとより孔版印刷装置のような用紙の存在が本質的に必要不可欠である画像形成装置との協調について考慮されたものはほとんど皆無である。
しかしながら、このような画像形成装置であっても、リライタブルペーパーや電子ペーパーと協調をとることにより、そのメリット享受することが十分可能で領域がある。例えば、画像形成装置として孔版印刷装置を引き合いに出して説明すると、保守エンジニアが孔版印刷装置の故障時や保守点検時に、装置に記憶されているログ履歴、サービスコール履歴、装置の調整値、アクセス履歴、印刷履歴などの保守点検に関わる各種保守情報を出力することがある。
【0006】
この時の出力媒体は、通常、孔版印刷装置の給紙部にセットされている用紙である。それら保守情報の印刷のためには、マスタ、用紙、インキなどのサプライ品を使用するので消費することになるが、この消費するサプライ品は、孔版印刷装置を所有するユーザーのものであることが多い。例え故障時や保守点検時とはいえ、本来これらの消費した分は、修理会社または保守管理会社が負担すべきものであり、ユーザーの経済性を損なってしまう。しかも用紙に出力した様々な保守情報の中には、誰が何をいつ何枚出力したかという機密性を有するものもある。
また、用紙のジャム発生時や操作説明時に、孔版印刷装置に設けられているタッチパネルなどで構成された操作パネルなどに、画像や動画を表示することは可能であるが、孔版印刷装置に装着されている操作パネルなどは、もっぱら装置の操作やメッセージ表示のためのものであり、画像を表示させるものではない。
しかし、技術的には不可能ではないため、画像を表示させる事はできるが、パネルサイズの関係から縮小表示にせざるを得ず、非常に見にくいものとなってしまう。仮に、等倍表示させるにしても、表示サイズの問題から、スクロール操作を伴ってしまうため、今度は操作性や全体を把握しにくい概観性に劣ったものになる。さらに孔版印刷装置を保守するエンジニアもしくはユーザーには、色覚が通常の人とは異なる人もいるにもかかわらず、そのような人に対して考慮がなされていないことが多い。
本発明は、上記のような現状を鑑みてなされたものであり、用紙への画像形成を主たる機能とする画像形成装置を備えた画像形成システムにおいて、リライタブルペーパーや電子ペーパーとの協調動作を行わせることにより、ユーザーの経済性や利便性、保守作業の作業効率性に資するとともに、機密性も持ち合わせるという、従来の用紙への印刷では提供でき得ない機能を持った印刷システムを提供することを、その目的とする。
本発明は、上記目的とともに、色覚が通常の人とは異なる人にも配慮した印刷システムを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成システムは、画像形成装置と、画像形成装置に設けられていて、同画像形成装置に関する保守情報を記憶する記憶手段と、画像形成装置に着脱可能であり、記憶手段に記憶されている保守情報を人間が理解可能な表現形態で可視化でき、かつ繰り返し表示可能な表示手段と、記憶手段に記憶されている保守情報の出力先として表示手段を選択設定可能な出力先設定手段と、出力先設定手段で選択された出力先となる表示手段に保守情報を伝送する手段と、出力先設定手段により選択設定された出力先が表示手段の場合、記憶手段に記憶されている保守情報を表示手段に出力するように伝送手段を制御するとともに、出力した保守情報が人間に理解可能な表現形態で可視化するように表示手段を制御する制御手段を有することを特徴としている。
【0008】
本発明に係る画像形成システムにおいて、表示手段は、電子ペーパー、リライタブルペーパー、フラットパネルディスプレイの何れかであることを特徴としている。
【0009】
本発明に係る画像形成システムにおいて、画像形成装置が、出力先設定手段で選択された表示手段に伝送する保守情報に対して機密機能を設定する機密設定手段と、機密設定手段で設定された機密機能を、出力先設定手段で選択された表示手段に伝送する機密情報伝送手段を有することを特徴としている。
【0010】
本発明に係る画像形成システムにおいて、機密記憶機能とは、保守情報を機密にするか否か、機密にした場合の機密設定期間、機密設定期間を経過した保守情報の扱いに関する情報であることを特徴としている。
【0011】
本発明に係る画像形成システムにおいて、制御手段は、保守情報を表示手段に出力する際に、機密設定手段で設定された機密機能を表示手段に出力するように、機密情報伝送手段を制御することを特徴としている。
【0012】
本発明に係る画像形成システムにおいて、表示手段が、画像形成装置から伝送されてきた保守情報と機密機能を受ける受付手段と、受付手段で受け付けられた保守情報と機密機能を記憶する記憶部と、記憶部に記憶されている保守情報の内容を表示する表示部と、記憶部に記憶されている保守情報に対して設定された機密機能の解除を行う機密解除手段を有することを特徴としている。
【0013】
本発明に係る画像形成システムにおいて、制御手段は、記憶部に記憶されている保守情報の機密機能が時限制限情報の場合に時限制限内であるか否かを判定し、保守情報が時限制限内の場合には当該保守情報の内容を非表示し、保守情報が時限制限切れの場合には当該保守情報の内容を表示すべく表示部の駆動部を制御することを特徴としている。
【0014】
本発明に係る画像形成システムにおいて、表示手段が、画像読取手段による画像読取動作を検知する画像読取検知手段と、画像読取検知手段が読取動作を検知したときに記憶部に記憶された保守情報のうち、機密機能が設定されている保守情報の内容を非表示とする消去手段を有することを特徴としている。
【0015】
本発明に係る画像形成システムにおいて、制御手段は、機密機能が設定されている保守情報の内容が表示部に表示された状態で、画像読取検知手段が読取動作を検知した場合、表示されている保守情報の内容を非表示とするように消去手段を制御することを特徴としている。
【0016】
本発明に係る画像形成システムにおいて、画像形成装置が、記憶手段に記憶されている保守情報の表示色をカラーユニバーサルデザインに対応する表示色に変換するか否か、あるいはどのような変換を施すかのモードを設定するカラーデザイン変換設定手段と、カラーデザイン変換設定手段によりカラーユニバーサルデザインへの変換モードが選択されている場合に、保守情報の表示色を選択された変換モードに応じた表示色に変換するカラーデザイン変換手段を有することを特徴としている。
【0017】
本発明に係る画像形成システムにおいて、制御手段は、保守情報を表示手段に出力して人間が理解可能な表現形態で可視化するときに、カラーデザイン変換設定手段により設定された変換モードの設定状態を参照し、変換モードが設定されている場合には、保守情報の表示色を変換モードに応じた表示色に変換するようにカラーデザイン変換手段を制御することを特徴としている。
【0018】
本発明に係る画像形成システムにおいて、表示手段が、記憶部に記憶されている保守情報の表示色をカラーユニバーサルデザインに対応する表示色に変換するか否か、あるいはどのような変換を施すかのモードを設定するカラーデザイン変換設定手段と、カラーデザイン変換設定手段によりカラーユニバーサルデザインへの変換モードが選択されている場合に、保守情報の表示色を選択された変換モードに応じた表示色に変換するカラーデザイン変換手段を有することを特徴としている。
【0019】
本発明に係る画像形成システムにおいて、制御手段は、保守情報を人間が理解可能な表現形態で可視化するときに、カラーデザイン変換設定手段により設定された変換モードの設定状態を参照し、変換モードが設定されている場合には、保守情報の表示色を変換モードに応じた表示色に変換するようにカラーデザイン変換手段を制御することを特徴としている。
【0020】
本発明に係る画像形成システムにおいて、保守情報は、記憶手段に記憶される画像形成装置のログ履歴、サービスコール履歴、装置調整値、アクセス履歴、印刷履歴、操作説明の少なくとも1つであることを特徴としている。
【0021】
本発明に係る画像形成システムにおいて、画像形成装置は、インキが充填された印刷ドラムの外周に製版済みのマスタを装填し、マスタが装填された印刷ドラムを回転させ、給紙部から給紙された用紙と圧接させることにより可視画像を用紙に形成する孔版印刷装置であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、画像形成装置に設けた記憶手段に記憶された保守情報が、画像形成装置に着脱可能であり記憶手段に記憶されている保守情報を人間が理解可能な表現形態で可視化でき、かつ繰り返し表示可能な表示手段に対して伝送手段を介して出力されるので、従来のようにユーザーが所有するサプライ品を使わなくて済ので、ユーザーの経済性や利便性を向上することができるとともに、保守エンジニアが重い紙媒体の説明書を持ち歩く必要のなくなるので、保守作業の作業効率も向上する。
【0023】
本発明によれば、画像形成装置側で、表示手段に伝送する保守情報に対して機密設定手段で機密機能を設定できるので、保守情報に機密性も付与することができ、セキュリティーが向上する。
【0024】
本発明によれば、画像形成装置から伝送されて受付手段を介して記憶部に記憶された保守情報に設定されている機密機能を、表示手段に設けた機密解除手段で解除をできるので、表示手段に保持されて表示される保守情報の取り扱いを表示手段側でも調整できるので、保守時の作業性を向上することができる。
【0025】
本発明によれば、記憶部に記憶されている保守情報の機密機能が時限制限情報の場合において、保守情報が時限制限内の場合には当該保守情報の内容を非表示とするので、機密設定された保守情報の内容表示を確実に防止でき、セキュリティー性能を高めることができる。
【0026】
本発明によれば、表示手段に設けた画像読取検知手段が読取動作を検知したときに、記憶部に記憶された保守情報のうち、機密機能が設定されている保守情報の内容を非表示とするので、保守情報が表示されている表示手段を画像読取装置で複写しようとしても、その動作が検知されると保守情報は表示されなくなる。このため、保守情報に機密性も付与しながら、同時に複写による情報の漏洩を防止でき、よりセキュリティー性能を高めることができる。
【0027】
本発明によれば、画像形成装置あるいは表示手段に、保守情報の表示色をカラーユニバーサルデザインに対応する表示色に変換するか否か、あるいはどのような変換を施すかのモードを設定するカラーデザイン変換設定手段と、カラーデザイン変換設定手段によりカラーユニバーサルデザインへの変換モードが選択されている場合に、保守情報の表示色を選択された変換モードに応じた表示色に変換するカラーデザイン変換手段を設けているので、色覚が通常の人とは異なる人にも保守情報を知らせることができ、多数の人に使い易い印刷システムとなって利便性が向上する。
【0028】
本発明によれば、画像形成装置が孔版印刷装置の場合には、複写機などの場合と比べて、画像形成に用いるサプライ品となるマスタを保守情報の出力時に使用しないので、よりユーザーの経済性を損なう事がなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて順に説明する。各実施形態において、第1の実施形態と同一の機能を有する構成要素には、第1の実施形態と同一の符号を付し、第2の実施形態以降での重複説明は極力省略する。本発明にかかる印刷システムは、画像形成装置の一形態としてデジタル式の孔版印刷装置を備えている。画像形成装置としては孔版印刷装置に限定されるものではなく、電子写真方式やインクジェット方式の画像形成装置を用いてもよい。また、孔版印刷装置の機種としては、片面印刷や両面印刷機、単色印刷や多色印刷の何れであってもよい。
【0030】
図1を用いて各実施形態で用いる印刷システム1を構成する孔版印刷装置の共通な基本構成について説明する。孔版印刷装置100は、その装置本体内部に、マスタ107が外周面に巻着される印刷ドラム101と、印圧部材となるプレスローラ102と、製版装置となるプロッタ103と、排版手段104とを備え、装置本体の右側に配置された給紙手段105から給紙される用紙106をプレスローラ102で印刷ドラム101に押し当てることで、印刷ドラム101に巻着されたマスタ107の画像を用紙106に転写し、画像転写された用紙106を搬送手段108で装置本体左側に配置された排紙手段109へと搬送する周知の構成を採る。装置本体上部には、画像読取手段となるスキャナ110が配置されていて、原稿の画像を読取り、製版に用いる画像データを取得できるように構成されている。
装置本体上部正面には、孔版印刷装置100の操作部となる操作パネル111が配設されている。操作パネル111には、印刷や製版の切り替えキー113、スタートキー114、表示部115、初期設定/プリンタ設定キー116、印刷位置調整キー117、プリントスピード設定キー118などが配備されている。表示部115は、LCDのタッチパネルで構成されていて、その画面には各種案内情報や各種操作画面が適宜表示され、操作画面が保守エンジニアやユーザーによって操作されると、各画面に表示されたスイッチに対応した内容が装置本体内に配置された制御手段20に設定される。
制御手段20は、周知のコンピュータで構成されていて、図2に示すように、実装基板となるACU200(Application Control Unit)とECU300(Engine Control Unit)の二つに大きく分かれている。
ACU200は、孔版印刷装置100の操作パネル111が接続される操作パネル用インターフェース205、携帯型記憶装置となるメモリーカードなどの記憶メディアが接続されるインターフェース(メディアI/F)206、大容量記憶装置となるハードディスク(以下HDDと記す)207が接続されるインターフェース208、USB用インターフェース209A,209B、パソコンなどの情報端末210が備えるネットワーク基板211がLANやインターネットなどのネットワークを介して接続される通信インターフェース(NIC I/F)212、無線LANカード213が接続される外部通信インターフェース214(無線LAN I/F)、ECU300側が接続されるECUインターフェース215と、中央演算回路となるCPU216、記憶手段となるRAM217とROM(フラッシュROM)218が、ASIC220(Application Specific Integrated Circuit)に接続されている。
【0031】
ACU200は、孔版印刷装置100の製版制御等を行い、最終的に製版データを作成したのち、ECU300に転送するという働きを受け持ちつつも、本発明の主要機能となる保守情報の出力に関する機能は、主にこのACU200に属する。
【0032】
ECU300は、中央演算回路となるCPU301、記憶手段となるRAM302とROM303、ACU200が有するECUインターフェース215と接続されるACUインターフェース304、スキャナ110が接続されるスキャナインターフェース305、プロッタ103が接続されるプロッタインターフェース306が、それぞれASIC307に接続されている。ECU300は、ACU200により作成された製版データを基に周知の孔版原紙となる図示しないマスタの感熱孔版フィルムに熱的プロセスによって穿孔を行うことにより製版済みのマスタ107を作成し、この製版済みのマスタ107を印刷ドラム101の外周面に巻装し、インキをドラム内部より供給しながら印刷ドラム101を回転させ、それに呼応させるように用紙106を給紙することにより印刷成果物を得るという一連のデジタル式の孔版印刷装置100の製版から印刷に至る動作全般を制御するものである。
【0033】
図3は、孔版印刷装置100に関する保守情報を人間が理解可能な表現形態で可視化でき、かつ繰り返し表示が可能な表示手段の一形態となる電子ペーパー5のハードウェアの概略を示す。この電子ペーパー5は、その面積の大半を占める表示パネル50と当該電子ペーパー5を制御する制御部51を備えている。電子ペーパー5は、その性質上から、表示パネル50は無電力、すなわち表示パネル50から電力を取り去っても表示されている画像が保持される周知の構成とされている。また、制御部51は、後述する受付手段として機能する外部I/F52(ここでは、USBI/F)、外部I/F52を介して受信する保守情報などを記憶する記憶部となるメモリ部53、電子ペーパー5を起動/設定するための操作部54、表示パネル50を駆動するパネル駆動部55、外部IF52〜パネル駆動部55が接続する、電子ペーパー5の制御手段となる中央演算回路であるCPU56及び制御部51の動作に必要な電力を供給するバッテリ57(太陽電池付き)などから構成されている。なお、符号58,59は、後述する計測手段となるタイマ/RTC(Read Time Clock)と消去手段をそれぞれ示し、これらタイマ/RTC58と消去手段59もCPU56に接続されている。タイマ/RTC58及び消去手段59は通常は備えておらず、本発明に対応するように個別に追加した構成である。
【0034】
表示手段としては電子ペーパー5ではなく、周知のリライタブルペーパー、フラットパネルディスプレイであってもよく、フラットパネルディスプレイとしては、液晶ディスプレイパネルやプラズマディスプレイであっても良い。
(第1の実施形態)
本形態に係る印刷システム1は、孔版印刷装置100と電子ペーパー5とを備えていて、孔版印刷装置100に関する様々な保守情報を、電子ペーパー5に出力するものである。以下に、第1の実施形態にかかる印刷システム1の特徴的構成と動作概略を図4,図5を中心にして説明する。
【0035】
本発明にかかる印刷システム1は、図4に示すように、保守情報が記憶される記憶手段2と、記憶手段2に保持されている保守情報の出力先を選択設定する出力先設定手段3と、出力先設定手段3で選択された出力先となる電子ペーパー5に保守情報を伝送する伝送手段となる外部通信手段4と、これら記憶手段2、出力先設定手段3、外部通信手段4が接続された制御手段20とを、画像形成装置100が備えている。
【0036】
記憶手段2としては、図2に示すROM(フラッシュROM)218が用いられ、外部通信手段4としてはUSB I/F209Aが用いられる。USB I/F209Aには電子ペーパー5の外部I/F52が周知のUSBケーブルで接続されることで、孔版印刷装置100側から電子ペーパー5に対して保守情報が伝送可能とされる。出力先設定手段3は表示部115に表示される各種スイッチであって、出力先として電子ペーパー5を選択設定可能な構成とされている。
【0037】
本形態では保守情報の記憶する記憶手段2としてROM(フラッシュROM)218を用いているが、例えばメディアI/F206に装着される記憶メディアやHDD207を記憶手段2として用いても良い。本形態において、保守情報としてはサービスコール(SC)履歴情報の1つであるシステム設定リストの情報が電子ペーパー5に伝送される。
【0038】
制御手段20は、出力先設定手段3により選択設定された出力先が電子ペーパー5の場合、記憶手段2に記憶されている保守情報を電子ペーパー5に出力するように伝送手段となる外部通信手段4を制御する。
【0039】
また、電子ペーパー5の制御手段となるCPU57は、保守情報が外部通信手段4を介して伝送されてくると、メモリ部53に記憶するとともに、その情報を人間が理解可能な表現形態で可視化して図5に示すシステム設定リストの状態で表示されるように、表示部50を制御する機能を備えている。
【0040】
図4に示すように、画像形成装置100には、出力先設定手段3で選択された電子ペーパー5に伝送する保守情報(システム設定リストの情報)に対して機密機能を設定する機密設定手段7と、機密設定手段7で設定された機密機能に関する情報、指示、設定の少なくとも1つを含む制御情報を出力先設定手段3で選択された電子ペーパー5に伝送する機密情報伝送手段8を備えている。本形態において、機密情報伝送手段8は外部通信手段4が兼用するが、外部通信手段4と機密情報伝送手段8とを個別に設ける形態であっても良い。
【0041】
ここでいう、機密保持機能とは、電子ペーパー5に伝送する保守情報に対して機密保持機能を働かせるかどうか、電子ペーパー5で機密保持機能に使用する設定/解除用のキー、機密保持期間、機密保持期間後の保守情報の扱いなどの情報や指示を示すものであり、機密記憶設定手段7は、後述する様に、これら単数あるいは複数の内容を設定するものである。また、制御情報とは保守情報以外に電子ペーパー5に伝送されて、電子ペーパー5での保守情報の制御に利用される制御データを指す。
【0042】
本形態における電子ペーパー5は、メモリ部53に記憶されている保守情報に対して機密機能の解除を行う機密解除手段9と、機密解除手段9で機密機能の解除をされたメモリ部53に記憶されている保守情報を表示部50に非表示とする消去手段59(図3参照)を備えている。機密解除手段9は、電子ペーパー5自体で完結するユーザー認証などを行う機能を有している。
【0043】
本形態において、電子ペーパー側の制御手段となるCPU56は、メモリ部53に記憶されている保守情報と制御情報に基づき、保守情報を人間に理解可能な表現形態で可視化するように表示パネル50を制御するとともに、機密設定手段50で機密機能の設定された保守情報をメモリ部53から削除するように消去手段59を制御する機能を備えている。あるいは表示パネル50のパネル駆動部55を制御して、機密機能の設定された保守情報の内容を非表示とするように制御しても良い。
【0044】
図6は、孔版印刷装置100の表示部115(以下、「タッチパネル」、「LCD」等と呼称する場合もある)に表示される表示画面の一例である。ここでは、図示しない「システム初期値設定」スイッチが操作されて、「基本設定」項目スイッチ61を選択した時のシステム初期設定画面60を表示している。ここにおいて、ユーザーあるいは保守エンジニアは、孔版印刷装置100の基本的な設定を行うことができる。
システム初期設定画面60には、複数の設定項目スイッチ61〜65と、項目スイッチ66,67,68と、項目内容スイッチ66a,67a,68aと、システム初期値設定を終了する「終了」スイッチ69が表示される。システム初期設定画面60において、「各種保守情報出力」項目スイッチ68をユーザーまたは保守エンジニアが選択操作すると、図7に示すようなサブメニュー画面70が表示部115に表示される。当該サブメニュー画面70には、保守情報出力先を選択設定するための選択スイッチ71,72,73と、サブメニュー画面70での操作内容の取り消しと設定を確定するスイッチ74,75が表示される。選択スイッチ71は保守情報の出力先として表示部115(LCD)を選択設定する際に、選択スイッチ72は保守情報の出力先として電子ペーパー5を選択設定する際に、選択スイッチ73は保守情報の出力先としてリライタブルペーパーを選択設定する際に、それぞれ操作するものである。「取消」スイッチ74を操作すると選択スイッチ71,72,73で選択した内容はキャンセルされて1つ前の画面60に表示部115が切替られ、「設定」スイッチ75を操作すると選択スイッチ71,72,73で選択した内容が確定されて、その内容が制御手段20のRAMに記憶されて、次の画面へと表示部115が切替られる。
【0045】
図7では、選択スイッチ72が操作されて出力先として電子ペーパー5が選択設定された状態を示している。なお、本形態においては、保守情報の出力先の選択肢として上記3種類を挙げているが、これに限定されるものではない。
サブメニュー画面70において、出力先として「電子ペーパー」選択スイッチ72を操作すると、図8に示すようなサブメニュー画面80が表示部115に表示される。このサブメニュー画面80には、電子ペーパー5に出力する保守情報に対する機密保持機能の設定内容の項目を選択する選択スイッチ81,82,83と、その設定内容84,85,86と、サブメニュー画面80での操作内容の取り消しと設定を確定するスイッチ74,75が表示される。本形態では、選択スイッチ81,82,83が孔版印刷装置100側の機密設定手段7として機能する。選択スイッチ81は認証設定を行う場合に、選択スイッチ82は時限設定を行う場合に、選択スイッチ83は時限設定後の処理を設定する場合にそれぞれ操作するものであり、各スイッチ81〜83の操作後に「設定」スイッチ75を操作すると、各設定内容が確定されて制御手段20のROM(フラッシュROM)218に記憶されて、図7に示すサブメニュー画面80へと表示部115が切替えられる。
【0046】
保守情報にこのような機密設定をするのは、孔版印刷装置100の動作に起因した情報であるため、機密のレベルは学校の試験問題程ではないが、誰が何の文書を何枚出力したかなどの個人情報も含まれるため、それなりの機密性が要求されるためである。
【0047】
図8のサブメニュー画面80に示される「時限設定」選択スイッチ82を操作すると図9に示すサブメニュー画面90が、「時限後の処理」選択スイッチ83を操作すると図10に示すサブメニュー画面400がそれぞれ表示部115に表示される。
【0048】
図9のサブメニュー画面90には、機密保持機能として時限設定をするか否かを選択するスイッチ91,92と、解除日付の入力欄93と、入力欄93でのカーソルを移動する移動キー94と、入力欄93へ入力した値をクリアするクリアキー95と、サブメニュー画面90での操作内容の取り消しと設定を確定するスイッチ74,75が表示され、「設定」スイッチ75が操作されることで、サブメニュー画面90での各設定内容が確定されて制御手段20のROM(フラッシュROM)218に記憶される。
【0049】
図10のサブメニュー画面400には、機密保持機能として時限後の処理を設定するか否かを選択するスイッチ401,402と、処理内容を選択する選択スイッチ403,404と、サブメニュー画面400での操作内容の取り消しと設定を確定するスイッチ74,75が表示され、「設定」スイッチ75が操作されることで、サブメニュー画面400での各設定内容が確定されて制御手段20のROM(フラッシュROM)218に記憶される。
【0050】
本形態では、図8のサブメニュー画面80の選択スイッチ82により「時限設定」が選択されて「設定」スイッチ75が操作され、図9のサブメニュー画面90の「時限設定」スイッチ91を操作して入力欄93に解除日時として「2007年12月03日」が入力している。また、図10のサブメニュー画面400の選択スイッチ401が操作されて解除後の処理としてスイッチ404が操作されて「データ消去」が選択されて設定されているとともに、図示しない画面メニューでパスワードを設定している。図8において「****」はパスワードが設定されたことを示している。なお、本形態において、図10に示すように、時限後の処理形態として2種類を挙げているが、これに限定されるものではない。
このような構成の印刷システム1においては、保守エンジニアが予め用意した電子ペーパー5を保守対象となる孔版印刷装置100のUSBI/F209A(図2参照)に図示しないUSBケーブルを介して接続した後、上述したシステム初期設定画面60において保守情報に関する初期設定を行い、保守情報の出力を行う。
次に保守情報を電子ペーパー5に出力する場合の制御処理の流れを図11に示すフローチャートを基に説明する。図11において、保守情報のうち、特定の情報、例えばシステム設定リストを出力したい場合には、図示しない保守情報出力メニューに表示される「システム設定リスト」の項目スイッチを選択し、このとき表示部115に表示される「出力」ボタンを押下する(ステップST1)。制御装置20は、ステップST2において保守情報出力先の設定を参照し、ステップST3において出力先を判定する。本実施形態では出力先として電子ペーパー5に設定されているためステップST4に進む。出力先としては、電子ペーパー5以外にも、図7に示すサブメニュー画面70の選択スイッチ71または73を操作することでLCD(表示部)115またはリライタブルペーパーへ設定可能である。
【0051】
ステップST4では、制御手段20のROM(フラッシュROM)218に記憶されている電子ペーパー5の制御情報(ここでは、前述した機密設定情報)を参照し、ステップST5に進んでこれから伝送する各種保守情報を制御のための電子ペーパー制御データを作成し、ステップST6においてこの電子ペーパー制御データを電子ペーパー5に伝送する。制御手段20では、ステップST7において電子ペーパー5用の出力データ、即ち、伝送すべき保守情報となるシステム設定リストの伝送用データを作成し、ステップST8において電子ペーパー5に当該データを転送(出力)する。
【0052】
保守エンジニアは、電子ペーパー5に出力された保守情報を、電子ペーパー5を孔版印刷装置100から取り外して持ち帰り、保守や故障解析などの用途に使用する。しかも、保守情報の出力の設定は、通常の製版/印刷とは別設定になるとともに、保守情報出力のために用紙、マスタ、インキを使用しないため、ユーザーが何らかの作業の途中であっても、紙サイズや方向などの製版/印刷設定を変えずに済むため、出力取得作業のために一時中断して再設定して作業を再開するなどという無駄な操作も生じる事がなく、効率的に作業を行える。
【0053】
電子ペーパー5との接続インターフェースをUSB I/F209Aにしているのは、無線LANやBluetooth等の無線インターフェースにした場合、端末(電子ペーパー5)の認識から行わなければならず、保守作業が煩雑となるためである。電子ペーパー5側の外部I/Fとして無線LANやBluetoothなどに対応するインターフェースを備える場合には、画像形成装置100側の対応するインターフェースとの間で保守情報や制御情報の伝送手段や機密情報伝送手段として、このような無線インターフェースを用いても無論構わない。
【0054】
次に、出力先として図示しないリライタブルペーパーやLCD115が選択された場合も処理についても簡単に説明しておく。ステップST3において、保守情報の出力先としてリライタブルペーパーが設定されている場合には、ステップST9においてリライタブル用の保守情報印刷データを作成し、ステップST10においてリライタブルペーパーをプロッタ103にセットする表示を表示部115に表示し、セット後にステップST11において製版スタートキーを押下する。するとステップST12においてプロッタ103が製版するときと同様に図示しないサーマルヘッドの熱によってリライタブルペーパーに印刷が実行される。
【0055】
ステップST3において、保守情報の出力先としてLCD(表示部115)が設定されている場合には、ステップST13においてLCD用の保守情報の印刷データが作成され、ステップST14においてLCD115の大きさとデータの大きさから表示領域の設定が行われ、ステップST15においてLCD(表示部115)に従来のように保守情報が表示される。
【0056】
次に制御情報と保守情報が伝送された電子ペーパー5での処理について、図12に示すフローチャートを基に説明する。電子ペーパー5の操作部54となる、例えば電源ボタンをオンあるいは表示ボタンをオンすると、表示パネル50が起動されるとともに、CPU56によってステップST21において時限設定の有無が確認される。上述のように、本形態では時限設定と認証設定(パスワード認証)を行うように(図8から図10参照)設定したので、ステップST22においてメモリ部53に記憶された時限設定データ(制御情報)を参照する。電子ペーパー5は、自身で持っているタイマ/RTC58と制御設定されている時限設定データを参照し、ステップST23において期限切れの有無を確認する。ここで、有効期限内であれば、ステップST24に進んで認証設定の有無を調べ、認証設定されている場合にはステップST25においてパスワード入力処理を行い、ステップST26に進んで入力したパスワードと設定されているパスワードとが適合するかどうか判別する。ここで認証に適合、もしくはステップST24で認証設定がされていない場合には、ステップST27に進んで電子ペーパー5に保守情報が表示される。
【0057】
ステップST23において有効期限が切れている場合には、ステップST28においてメモリ部53に記憶された時限後処理設定データを参照する。そしてステップST29において、時限経過後の後処内容が判断され、認証解除の場合であればステップST30に進んで時限後処理認証設定を解除して無効化する。この無効化処理以後は、保守情報が認証なしで表示されることになる。
ステップST29において、時限経過後の後処内容としてデータ消去が設定されている場合には、ステップST31に進んで認証設定の有無を判断し、認証設定がされていればステップST32に進んでそれを解除、無効化した後、ステップST33において、消去手段59により保守情報をメモリ部53から削除する。従って、これ以後は電子ペーパー5に保守情報を表示することはできなくなる。
【0058】
一方、ステップST21において時限設定無しの場合には、ステップST34に進んで認証設定の有無を判断し、認証設定ありの場合には、ステップST35においてパスワード入力処理を行い、ステップST36において入力したパスワードと設定されているパスワードとが適合するかどうか判定する。ここでパスワードが認証に適合する場合にはステップST27に進んで電子ペーパー5に保守情報が表示される。
【0059】
このような機能を備えた印刷システム1によると、機密性の維持はもとより、電子ペーパー5に伝送した保守情報の消し忘れや、電子ペーパー5の紛失による機密情報の漏洩防止という効果だけでなく、例えばプレゼンテーション時の配布資料のような一時的な必要とされる配布媒体として電子ペーパー5を活用することもでき、従来にない柔軟な電子ペーパー5の使用に対応することができるとともに、用紙の使用枚数を抑えられ、環境に配慮したエコな印刷システムとなる。
本形態では、認証として自己完結で実施できるパスワード認証を採用しているが、機密保持の観点からすると、生体認証や認証サーバなどによる認証と比較すると劣る面がある。しかし、仮に認証サーバによる認証処理とすると機密性は高まるが、大掛かりなものとなり、かえって可用性が損なわれるとともに導入時のコストアップとなるため、本形態では、その点を鑑みて自己完結式を採用した。
【0060】
本形態では、保守情報の例としてシステム設定リストを例示したが、電子ペーパー5に出力する保守情報としては、ログ履歴、履歴、孔版印刷装置の調整値、アクセス履歴、印刷履歴、操作説明など、通常の印刷時には使用しないが、必要に応じて閲覧が必要になる情報を保守情報として電子ペーパー5に出力しても良い。特に操作説明を電子ペーパー5に出力する場合には、保守エンジニアが機種毎に異なる分厚く、重量のあるサービスマニュアルの紙ファイルを持ち歩く必要がなくなるので、保守エンジニアにとっての大きな負担を低減することができる。
【0061】
保守情報を操作説明文書だけでなく、ユーザー向けの取扱説明書や動作説明書と広く解釈すれば、孔版印刷装置100の動作習得やユーザー教育用に、保守情報が出力された電子ペーパー5を使用することもでき、利用範囲の拡大につながる。このような利用範囲の拡大は、電子ペーパー5の使用枚数の拡大につながり、電子ペーパー5の導入コストを抑えられる。このため、電子ペーパー5の導入コストがネックになって、その使用を控えていた潜在ユーザーに対して低コストで電子ペーパー5を提供することができるので、既存の孔版印刷装置に対して、本形態の出力制御にかかる構成をオプションとして追加するように構成することで、既存ユーザーにも本発明のメリットを提供することができる。
【0062】
このように、保守情報の出力を電子ペーパー5などの繰り返し表示可能なデバイスに出力することにより、ユーザー所有の用紙やマスタを使用することがないため、ユーザーの経済性や利便性、保守作業の作業効率性に資するとともに、柔軟な機密性をも実現することができる。
また、孔版印刷装置100から伝送されてきて受付手段52で受け付けられてメモリ部53に記憶された保守情報に対して電子ペーパー5に設けた機密設定操作手段9で機密機能の設定/解除を行えるので、孔版印刷装置100側で機密設定がなされていない場合でも電子ペーパー5側で保守情報に機密性も付与することができる。また、機密設定操作手段9で機密機能の設定されたメモリ部53に記憶されている保守情報を消去手段59で表示部50に非表示とできるので、機密性の高い保守情報が表示されることがなく、セキュリティー性能を高めることができる。
(第2の実施形態)
図13から図17を用いて本発明の第2の実施形態を説明する。図13は、電子ペーパー5Aと孔版印刷装置100を備えた印刷システム1Aの簡易的なブロック図である。図4に示す第1の実施形態にかかる印刷システム1との違いは、表示手段となる電子ペーパーの構成に、図14に示す画像読取手段となるスキャナ110による原稿読取り動作を検知する原稿読取り検知手段となる光センサ10を組み込んだ電子ペーパー5Aを用いる点にある。この電子ペーパー5Aは、スキャナ110の原稿読取面に載置され、原稿読取り時に一般的に行われる光学走査時に、検知した光量やその変化量と、配置された光センサ10の光量変化のパターンをCPU56(図3参照)で解析して、電子ペーパー5Aに対して光学走査が実施されたか否かを判断することができる。この場合、メモリ部56には光学走査が実施されたか否かを判断するための基準値が予め設定されていて、CPU56は、その基準値と光センサ10の検知出力とを比較することで、光学走査が実施されたか否かを判断する。
【0063】
この仕組みを使った保守情報の出力時の機密保持を行うには、図15に示すように、図8に示すサブメニュー画面80と同様に、孔版印刷装置100の表示部115に表示される電子ペーパー設定メニュー画面410から設定を行う。電子ペーパー設定メニュー画面410には、電子ペーパー5に出力する保守情報に対して機密保持機能の設定内容の項目を選択する選択スイッチ411,412,413と、その設定内容414,415,416と、電子ペーパー設定メニュー画面410での操作内容の取り消しと設定を確定するスイッチ417,418が表示される。
【0064】
そして、電子ペーパー設定メニュー画面410において、「機密設定」選択スイッチ411を操作すると、図16に示すサブメニュー画面420が表示部115に表示される。このサブメニュー画面420には、機密設定をするか否かを選択するスイッチ421,422と、機密設定をした場合の機密内容を選択するための選択キー423,424と、サブメニュー画面420の操作内容の取り消しと設定を確定するスイッチ417,418が表示される。ここでは、「設定する」スイッチ421を操作して機密設定を行うと共に選択キー424が操作されて「電子ペーパー固有」が選択されて設定している。このような設定により、機密保持は電子ペーパー5Aが保有する固有の方法に委ねることができる。
【0065】
本形態において、孔版印刷装置100から電子ペーパー5Aへは、保守情報と、制御情報として機密設定の有無とその内容、すなわち電子ペーパー固有モードであるか否かが伝送され、既にこれら保守情報と制御情報とが電子ペーパー5Aのメモリ部53に記憶されているものとする。
【0066】
次に、図17に基づいて、保守情報出力時の機密保持動作について説明する。
メモリ部53に格納されている保守情報を表示部50に表示している電子ペーパー5Aがスキャナ110にセットされ、ステップST41において光センサ10で原稿読取動作が検出されると、ステップST42において機密設定の有無を参照して機密設定の有無を判断する。ここで機密設定が設定ありの場合にはステップST43に進んで設定内容を判断する。ここで電子ペーパー固有モードが設定されている場合にはステップST44に進んで現在表示している保守情報を直ちに非表示にし、ステップST45においてタイマ58をスタートさせる。一方、機密設定がなされていても、ステップST43において電子ペーパー固有モード以外の場合には、特に何もしないでこの制御を終える。ここでのタイマ/RTC58は、スキャナ110による画像読取時間となるロックアウト時間を計測するものであり、予めメモリ部53に設定された一定時間が経過すると、ステップST46においてタイムアウトとなり、ステップST47において電子ペーパー5Aは、保守情報を再び表示する。このような動作により、電子ペーパー5Aに表示されている保守情報を、用紙あるいは他のメディアあるいはデータファイルにコピーされることを防止することができる。
【0067】
本形態では、光センサ10が読取動作を検知すると、電子ペーパー5Aに表示された保守情報の表示を取りやめる、すなわち、非表示とする手法を用いたが、第1の実施形態と同様に、消去手段59を用いて保守情報をメモリ部53から消去するという方法をとってもよく、本形態に制限されるものではない。電子ペーパー固有モードは、機密保持機能付き電子ペーパー5Aが持つ固有の機能に委ねるという意味であり、特定の動作を規定するものではない。また、本形態では、原稿読取検知手段として光センサ10とその検出パターンを使用しているが、他の方法によって電子ペーパー5Aに対する読取動作を検知するようにしても良い。
【0068】
このように、保守情報の出力を電子ペーパー5A等の繰り返し表示可能なデバイスに出力することにより、ユーザー所有の用紙やマスタを使用することがないため、ユーザーの経済性や利便性、保守作業の作業効率性に資するとともに、柔軟な機密性をも実現することができる。
つまり、本形態では、光センサ10が画像読取動作を検知すると、保守情報の表示を非表示とする画像制限モードを電子ペーパー固有モードが達成し、このモードを設定する画像制限手段が、スイッチ421と選択キー424で達成される。
(第3の実施の形態)
図18〜図22を用いて本発明の第3の実施形態について説明する。図18は、電子ペーパー5と孔版印刷装置100Bを備えた印刷システム1Bの簡易的なブロック図である。図4に示す第1の実施形態にかかる印刷システム1との違いは、孔版印刷装置100Bが、電子ペーパー5での表示色をカラーユニバーサルデザインに対応した表示色に変換するか否かを設定するカラーデザイン変換設定手段11と、カラーデザイン変換設定手段11によりカラーユニバーサルデザインへの変換モードが選択されている場合に、保守情報の表示色を選択された変換モードに応じた表示色に変換するカラーデザイン変換手段12を備えている点にある。カラーデザイン変換設定手段11は表示部115にメニューとして表示されるスイッチで構成されていて、制御手段20と信号線を介して接続されている。カラーデザイン変換手段12はソフトウェアによるカラー変換処理によって実現されるもので、制御手段20のROMに格納されている。なお、本形態において電子ペーパー5は孔版印刷装置100Bに対して第1の実施形態同様に、図示しないUSBケーブルで接続されて伝送可能状態とされている。
【0069】
図19は、表示色をカラーユニバーサルデザインに対応した表示色に変換するか否かを設定するためのカラーデザイン変換設定手段11の一部がタッチパネル(表示部115)に表示されたメニュー画面430の一例である。このメニュー画面430は、図6に示すシステム初期設定画面60に対してカラーデザイン変換設定手段11を構成する項目スイッチ11Aと、カラーデザインモードの選択内容11Bが追加された形態となっている。「カラーデザイン変換」項目スイッチ11Aを操作すると、図20に示すサブメニュー画面440がタッチパネル(表示部115)に表示される。
【0070】
サブメニュー画面440には、表示色をカラーユニバーサルデザインに対応した表示色に変換するか否かを設定する項目スイッチ441,442と、6つの変換モードを選択する選択スイッチ443〜448と、サブメニュー画面440の操作内容の取り消しと設定を確定するスイッチ449A,449Bが表示される。
【0071】
サブメニュー画面440において、選択スイッチ441が操作されると、カラーユニバーサルデザインに対応した表示色に変換を実行し、選択スイッチ442が操作されると、設定されているカラーユニバーサルデザインの変換の設定が取り消される。選択スイッチ443〜448はカラーユニバーサルデザインに対応した表示色のパターンを決定するための変換選択スイッチであって、選択するスイッチに対応して異なる配色パターンが予め制御手段20内に記憶されており、何れかのスイッチを操作すると、そのスイッチに対応する配色パターンが設定される。図20においては、選択スイッチ441が操作されて変換モードが選択され、かつ選択スイッチ445が操作されてtype2−3の配色パターンが選択されており、この状態で「設定」スイッチ449Bを操作することで、制御手段20のROM(フラッシュROM)218内に選択された内容が制御情報として記憶されるとともに、図19のメニュー画面430に表示部115が切り替わる。
【0072】
メニュー画面430の「保守情報出力」項目スイッチ68が操作されると、図7に示すサブメニュー画面70が表示されて保守情報の出力先が表示され、選択スイッチ72を操作して出力先として電子ペーパー5を選択されると、図21に示すサブメニュー画面450が表示部115に表示される。このサブメニュー画面450は、図8で既に説明したサブメニュー画面80に対して、スイッチ87とその内容88が追加されているものである。本形態では既にtype2−3が設定されているので、内容88には、その内容が表示されている。ここで変換モードにおける配色パターンを変更する場合には、「カラーデザイン」スイッチ87を操作すると、図20に示すサブメニュー画面440へと画面が切り替わり、選択スイッチ443〜448の何れかを操作し、「設定」スイッチ449Bを操作することで、配色パターンが変更されて制御手段20のROM(フラッシュROM)218に記憶される設定することができる。
【0073】
ここで配色パターンについて説明すると、例えばtype2−3の配色とは、異常3色覚の2型3色覚を表している。異常3色覚とは、赤・緑・青の視細胞が一般の人と違う働きをしており、2型とは、緑の視細胞が正常でないことを示している(いわゆる色弱といわれるものである)。本形態では便宜的にtype2−3の表現形式としたが、例えば2型3色覚などの他の表現形式であってもよく、本形態の形式に制限されるものではない。
また、図20に示すサブメニュー画面440では、異常3色覚(Type*−3)と、2色覚、すなわち赤・緑・青の視細胞の内の何れかひとつが働いていない(いわゆる色盲といわれるものである)タイプであるtype*−2が選択肢として予め用意されているが、これらの構成についても、前述した通り、必ずしもこのような構成、あるいは名称、あるいは分類である必要はない。このような設定により、電子ペーパー5を含む印刷システム1Bは、カラーユニバーサルデザインに対応することができる。
【0074】
次に、図22に示すフローチャートに基づいて、保守情報出力時のカラーユニバーサルデザイン対応動作について説明する。図22の基本的な動作の流れは、第1の実施形態で説明した図11に示すフローチャートの内容とほぼ同様である。すなわち、図22のステップST51〜ステップST57は、図11のステップST1〜ステップST7と対応しているので、ここではカラーユニバーサル変換の部分を中心に説明する。
【0075】
制御手段20は、ステップST57において電子ペーパー用の保守情報データを作成した後、ステップST58に進んで孔版印刷装置100B側で設定されたカラーデザイン変換設定を参照する。そして、ステップST59において変換の有無が判断され、「変換する」という設定であればステップST60に進んで電子ペーパー用の保守情報データを、指定された配色パターンのタイプ(ここではtype2−3)に適応するようカラーデザイン変換手段12で変換する。変換方法は、カラーマッピングによる方法やマトリクスによる方法によって適宜実現可能である。変換された保守情報データはステップST61において、電子ペーパー5に伝送される。このため、電子ペーパー5には、カラーユニバーサルデザインに対応するカラー変換された保守情報が表示される。
【0076】
次に、出力先として図示しないリライタブルペーパーやLCD115が選択された場合も処理についても簡単に説明しておく。ステップST53において、保守情報の出力先としてリライタブルペーパーが設定されている場合には、ステップST62においてリライタブル用の保守情報印刷データを作成し、ステップST63においてリライタブルペーパーをプロッタ103にセットする表示を表示部115に表示し、セット後にステップST64において製版スタートキーを押下する。するとステップST65においてプロッタ103が製版するときと同様に図示しないサーマルヘッドの熱によってリライタブルペーパーに印刷が実行される。
【0077】
一方ステップST53において、保守情報の出力先としてLCD(表示部115)が設定されている場合には、ステップST66においてLCD用の保守情報の印刷データが作成され、ステップST67において孔版印刷装置100B側で設定されたカラーデザイン変換設定を参照する。そして、ステップST68において変換の有無が判断され、「変換する」という設定であればステップST69に進んで電子ペーパー用の保守情報データを、指定された配色パターンのタイプ(ここではtype2−3)に適応するようカラーデザイン変換手段12で変換する。そしてステップS70においてLCD115の大きさとデータの大きさから表示領域の設定が行われ、ステップS71においてLCD(表示部115)に従来のように保守情報を出力すると、LCD(表示部115)には、カラーユニバーサルデザインに対応するカラー変換された保守情報が表示されることになる。
【0078】
このような構成の印刷システム1Bによると、保守情報の出力を電子ペーパー5などの繰り返し表示可能なデバイスに出力することにより、ユーザー所有の用紙やマスタを使用することがないため、ユーザーの経済性や利便性、保守作業の作業効率を向上することができる。また、孔版印刷装置100Bに、保守情報の表示色をカラーユニバーサルデザインに対応する表示色に変換するか否か、あるいはどのような変換を施すかのモードを設定するカラーデザイン変換設定手段11と、カラーデザイン変換設定手段11によりカラーユニバーサルデザインへの変換モードが選択されている場合に、保守情報の表示色を選択された変換モードに応じた表示色に変換するカラーデザイン変換手段12を設けているので、色覚が通常の人とは異なる人にも保守情報を知らせることができ、多数の人に使い易い印刷システムとなり、利便性が向上する。
【0079】
本形態では、孔版印刷装置100B側でカラーユニバーサルデザインの対応が可能な場合を示したが、仮に孔版印刷装置100Bからの保守情報の出力データがカラーユニバーサルデザインに対応した表示色になっていない、あるいは第1及び第2の実施形態のように孔版印刷装置自体にカラーユニバーサルデザイン対応機能がないという場合も想定される。
【0080】
このような場合には、図23に示す印刷システム1Cのように、表示手段となる電子ペーパー5Bに、少なくともカラーデザイン変換設定手段11とカラーデザイン変換手段12を設け、これらの処理は図3に示すCPU56で処理するようにし、配色パターンはメモリ部53に予め記憶しておくことでカラーユニバーサルカラーデザインに対応することができ、電子ペーパー5B単独であっても、色覚が通常の人とは異なる人に対して配慮した表示とすることができる。この場合、カラーデザイン変換設定手段11は操作部54に統合する形態としても良いし、表示パネル50上に表示する形態としても良い。
【0081】
あるいは図24に示す印刷システム1Dように、孔版印刷装置100Bと電子ペーパー5Bを組合せて、双方にモード設定手段11とデザイン変更手段12を備えた構成とすることで、より柔軟にカラーユニバーサルカラーデザインに対応することができ、色覚が通常の人とは異なる人にも保守情報を知らせることができ、多数の人に使い易い印刷システムとなって利便性をより向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明にかかる画像形成システムを構成する画像形成装置の一形態である孔版印刷装置と表示手段の一形態である電子ペーパーの概略構成を示す図である。
【図2】図1に示す孔版印刷装置の制御手段の基本構成を示すブロック図である。
【図3】表示手段となる電子ペーパーの基本構成を示すブロック図である。
【図4】本発明にかかる画像形成システムの第1の実施形態を示すブロック図である。
【図5】表示手段の一形態である電子ペーパーと、このペーパーに表示された保守情報の一例を示す図である。
【図6】第1の実施形態に係る印刷システムの動作時に装置本体の表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【図7】第1の実施形態に係る出力先設定手段となるスイッチが表示された画面の一例を示す図である。
【図8】第1の実施形態に係る機密設定手段となるスイッチが表示された画面の一例を示す図である。
【図9】第1の実施形態に係る機密設定手段となるスイッチが表示された別な画面の一例を示す図である。
【図10】第1の実施形態に係る機密設定手段となるスイッチが表示された別な画面の一例を示す図である。
【図11】第1の実施形態に係る保守情報の出力制御の処理内容の一形態を示すフローチャートである。
【図12】表示手段となる電子ペーパー内での保守情報の処理内容の一形態を示すフローチャートである。
【図13】本発明にかかる画像形成システムの第2の実施形態を示すブロック図である。
【図14】第2の実施形態で用いる画像読取検知手段を備えた表示手段の一形態を示す概念図である。
【図15】第2の実施形態で用いる機密設定手段となるスイッチが表示された画面の一例を示す図である。
【図16】第2の実施形態で用いる機密設定手段となるスイッチが表示された画面の別な画面を示す図である。
【図17】第2の実施形態に係る保守情報の出力制御の処理内容の一形態を示すフローチャートである。
【図18】本発明にかかる画像形成システムの第3の実施形態を示すブロック図である。
【図19】第3の実施形態に係るカラーデザイン変換設定手段となるスイッチが表示された画面の一例を示す図である。
【図20】第3の実施形態に係るカラーデザイン変換設定手段と、変換モードの種類を選択するスイッチが表示された画面の一例を示す図である。
【図21】第3の実施形態に係るカラーデザイン変換設定手段によって選択されたモードと変換モードの種類が表示された画面の一例を示す図である。
【図22】第3の実施形態に係る保守情報の出力制御の処理内容の一形態を示すフローチャートである。
【図23】本発明にかかる画像形成システムの第3の実施形態の変形例を示すブロック図である。
【図24】本発明にかかる画像形成システムの第3の実施形態の変形例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0083】
1,1(A〜D) 画像形成システム
2 保守情報の記憶手段
3 出力先設定手段
4 伝送手段
5 表示手段
7 機密設定手段
8 機密情報伝送手段
9 機密解除手段
10 画像読取検知手段
11,11A カラーデザイン変換設定手段
12,12A カラーデザイン変換手段
20,56 制御手段
50 表示部
52 受付手段
53 記憶部
59 消去手段
100 画像形成装置
100(A,B) 画像形成装置
101 印刷ドラム
105 給紙部
106 用紙
107 製版のマスタ
110 画像読取手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置と、
前記画像形成装置に設けられていて、同画像形成装置に関する保守情報を記憶する記憶手段と、
前記画像形成装置に着脱可能であり、前記記憶手段に記憶されている保守情報を、人間が理解可能な表現形態で可視化でき、かつ繰り返し表示可能な表示手段と、
前記記憶手段に記憶されている保守情報の出力先として前記表示手段を選択設定可能な出力先設定手段と、
前記出力先設定手段で選択された出力先となる表示手段に前記保守情報を伝送する伝送手段と、
前記出力先設定手段により選択設定された出力先が表示手段の場合、前記記憶手段に記憶されている保守情報を前記表示手段に出力するように前記伝送手段を制御するとともに、出力した保守情報が人間に理解可能な表現形態で可視化するように前記表示手段を制御する制御手段を有することを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記表示手段が、電子ペーパー、リライタブルペーパー、フラットパネルディスプレイの何れかであることを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記画像形成装置が、
前記出力先設定手段で選択された表示手段に伝送する保守情報に対して機密機能を設定する機密設定手段と、
前記機密設定手段で設定された機密機能を、前記出力先設定手段で選択された表示手段に伝送する機密情報伝送手段を有することを特徴とする請求項1または2記載の画像形成システム。
【請求項4】
機密記憶機能とは、前記保守情報を機密にするか否か、機密にした場合の機密設定期間、機密設定期間を経過した保守情報の扱いに関する情報であることを特徴とする請求項3記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記制御手段は、前記保守情報を前記表示手段に出力する際に、前記機密設定手段で設定された機密機能を前記表示手段に出力するように、前記機密情報伝送手段を制御することを特徴とする請求項3または4記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記表示手段が、
前記画像形成装置から伝送されてきた保守情報と機密機能を受ける受付手段と、
前記受付手段で受け付けられた保守情報と機密機能を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されている保守情報の内容を表示する表示部と、
前記記憶部に記憶されている保守情報に対して設定された機密機能の解除を行う機密解除手段を有することを特徴とする請求項4または5記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記制御手段は、前記記憶部に記憶されている保守情報の機密機能が時限制限情報の場合に時限制限内であるか否かを判定し、前記保守情報が時限制限内の場合には当該保守情報の内容を非表示し、前記保守情報が時限制限切れの場合には当該保守情報の内容を表示すべく前記表示部の駆動部を制御することを特徴とする請求項6記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記表示手段が、
画像読取手段による画像読取動作を検知する画像読取検知手段と、
前記画像読取検知手段が読取動作を検知したときに、前記記憶部に記憶された保守情報のうち、機密機能が設定されている保守情報の内容を非表示とする消去手段を有することを特徴とする請求項4または5記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記制御手段は、機密機能が設定されている保守情報の内容が前記表示部に表示された状態で、前記画像読取検知手段が読取動作を検知した場合、表示されている保守情報の内容を非表示とするように前記消去手段を制御することを特徴とする請求項8記載の画像形成システム。
【請求項10】
前記画像形成装置が、
前記記憶手段に記憶されている保守情報の表示色をカラーユニバーサルデザインに対応する表示色に変換するか否か、あるいはどのような変換を施すかのモードを設定するカラーデザイン変換設定手段と、
前記カラーデザイン変換設定手段によりカラーユニバーサルデザインへの変換モードが選択されている場合に、前記保守情報の表示色を選択された変換モードに応じた表示色に変換するカラーデザイン変換手段を有することを特徴とする請求項1ないし9の何れかに記載の画像形成システム。
【請求項11】
前記制御手段は、前記保守情報を前記表示手段に出力して人間が理解可能な表現形態で可視化するときに、前記カラーデザイン変換設定手段により設定された変換モードの設定状態を参照し、前記変換モードが設定されている場合には、前記保守情報の表示色を前記変換モードに応じた表示色に変換するように前記カラーデザイン変換手段を制御する特徴とする請求項10記載の画像形成システム。
【請求項12】
前記表示手段が、
前記記憶部に記憶されている保守情報の表示色をカラーユニバーサルデザインに対応する表示色に変換するか否か、あるいはどのような変換を施すかのモードを設定するカラーデザイン変換設定手段と、
前記カラーデザイン変換設定手段によりカラーユニバーサルデザインへの変換モードが選択されている場合に、前記保守情報の表示色を選択された変換モードに応じた表示色に変換するカラーデザイン変換手段を有することを特徴とする請求項1ないし9の何れかに記載の画像形成システム。
【請求項13】
前記制御手段は、前記保守情報を人間が理解可能な表現形態で可視化するときに、前記カラーデザイン変換設定手段により設定された変換モードの設定状態を参照し、前記変換モードが設定されている場合には、前記保守情報の表示色を前記変換モードに応じた表示色に変換するように前記カラーデザイン変換手段を制御する特徴とする請求項12記載の画像形成システム。
【請求項14】
前記保守情報は、前記記憶手段に記憶される画像形成装置のログ履歴、サービスコール履歴、装置調整値、アクセス履歴、印刷履歴、操作説明の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1ないし13の何れかに記載の画像形成システム。
【請求項15】
前記画像形成装置は、インキが充填された印刷ドラムの外周に製版済みのマスタを装填し、前記マスタが装填された印刷ドラムを回転させ、給紙部から給紙された用紙と圧接させることにより可視画像を用紙に形成する孔版印刷装置であることを特徴とする請求項1ないし14の何れかに記載の画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2009−248492(P2009−248492A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−101045(P2008−101045)
【出願日】平成20年4月9日(2008.4.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000221937)東北リコー株式会社 (509)
【Fターム(参考)】