画像形成システム
【課題】セキュリティーの向上を図る。
【解決手段】複数の複合機がネットワークを介してデータ通信可能に接続されている画像形成システムにおいて、一の複合機にユーザーAのユーザー名及びパスワードが入力され(ステップS1)、一の複合機に対してユーザーAのログインが許可されている場合には(ステップS2;YES)、ユーザーAの一の複合機に対するログインが行われる(ステップS3)。次に、ネットワーク下の他の複合機に、ユーザーAのログイン状態の問い合わせが行われ(ステップS4)、問い合わせの結果に基づいて、ユーザーAが既にログインしている他の複合機があるか否かが判断される(ステップS5)。ユーザーAがログインしている他の複合機がある場合には(ステップS5;YES)、ユーザーAがログインしている複合機に対して、ユーザーAのログアウトを行う指示が送信される(ステップS6)。
【解決手段】複数の複合機がネットワークを介してデータ通信可能に接続されている画像形成システムにおいて、一の複合機にユーザーAのユーザー名及びパスワードが入力され(ステップS1)、一の複合機に対してユーザーAのログインが許可されている場合には(ステップS2;YES)、ユーザーAの一の複合機に対するログインが行われる(ステップS3)。次に、ネットワーク下の他の複合機に、ユーザーAのログイン状態の問い合わせが行われ(ステップS4)、問い合わせの結果に基づいて、ユーザーAが既にログインしている他の複合機があるか否かが判断される(ステップS5)。ユーザーAがログインしている他の複合機がある場合には(ステップS5;YES)、ユーザーAがログインしている複合機に対して、ユーザーAのログアウトを行う指示が送信される(ステップS6)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワーク下に複数の画像形成装置が接続された環境において、設置場所や使用したい機能/性能に応じて、複数の画像形成装置を使い分けることが行われている。また、画像形成装置を使用する際に、ログイン操作を必要とし、登録されたユーザーにのみ画像形成装置の使用が許可されている場合もある。例えば、同じユーザーが複数の画像形成装置に同時にログインした場合に、適切に課金制御を行う課金管理装置が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−176631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ある画像形成装置にログインしたユーザーが他の画像形成装置にログインし、先にログインしていた画像形成装置でのログアウトを忘れた状態のまま放置してしまうと、先にログインしていた画像形成装置を別のユーザーが使用できてしまう。これでは、登録されたユーザーにのみ使用を許可している意味がなくなり、セキュリティー上問題があった。また、その場にいないユーザーが不必要に画像形成装置にログインしていると、他の者がその画像形成装置にログインすることができず、この画像形成装置を正当に使用することができないという問題もあった。
【0005】
本発明は上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、セキュリティーの向上を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数の画像形成装置がネットワークを介してデータ通信可能に接続されている画像形成システムであって、前記複数の画像形成装置のそれぞれは、当該画像形成装置にログインを許可されたユーザーに対応する第1の認証情報を記憶する記憶部と、第2の認証情報を入力するための操作部と、前記操作部から入力された第2の認証情報が前記記憶部に記憶されている第1の認証情報と一致した場合に、当該画像形成装置に対するログインを許可する制御部と、を備え、一のユーザーが前記複数の画像形成装置のうち一の画像形成装置にログインした場合に、当該一の画像形成装置の制御部は、前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置があるか否かを判断し、前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置がある場合には、当該他の画像形成装置に対し、前記一のユーザーのログアウトを行う指示を送信する。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、前記一の画像形成装置の制御部は、前記複数の画像形成装置のうち他の全ての画像形成装置に対して前記一のユーザーがログインしているか否かの問い合わせを行った結果に基づいて、前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置があるか否かを判断する。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像形成システムにおいて、前記他
の画像形成装置の制御部は、前記一の画像形成装置から前記一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、前記一のユーザーのジョブを実行中であるか否かを判断し、前記一のユーザーのジョブを実行中である場合には、当該実行中のジョブが完了した後に、前記一のユーザーのログアウトを行う。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成システムにおいて、前記他の画像形成装置の制御部は、前記一の画像形成装置から前記一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、前記他の画像形成装置が所定の機能設定状態であるか否かを判断し、前記他の画像形成装置が所定の機能設定状態である場合には、ログイン状態を維持する。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成システムにおいて、前記所定の機能設定状態は、デフォルト設定と異なる状態である。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成システムにおいて、前記所定の機能設定状態は、予め定められた数以上の設定項目についてデフォルト値から変更された状態である。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成システムにおいて、前記所定の機能設定状態は、予め定められた設定項目についてデフォルト値から変更された状態である。
【0013】
請求項8に記載の発明は、複数の画像形成装置と、サーバーと、がネットワークを介してデータ通信可能に接続されている画像形成システムであって、前記サーバーは、前記複数の画像形成装置のそれぞれにログインを許可されたユーザーに対応する第1の認証情報を記憶する記憶部と、前記複数の画像形成装置のうちいずれかの画像形成装置から受信された第2の認証情報が前記記憶部に記憶されている第1の認証情報と一致したか否かを示す認証結果を前記第2の認証情報の送信元の画像形成装置に送信する第1の制御部と、を備え、前記複数の画像形成装置のそれぞれは、前記第2の認証情報を入力するための操作部と、前記操作部から入力された第2の認証情報を前記サーバーに送信し、前記サーバーから受信された認証結果に基づいて、当該画像形成装置に対するログインを許可するか否かを判断する第2の制御部と、を備え、前記第1の制御部は、前記複数の画像形成装置のうち一の画像形成装置から受信された一のユーザーの第2の認証情報が前記記憶部に記憶されている第1の認証情報と一致した場合に、前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置があるか否かを判断し、前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置がある場合には、当該他の画像形成装置に対し、前記一のユーザーのログアウトを行う指示を送信する。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の画像形成システムにおいて、前記サーバーは、前記複数の画像形成装置のそれぞれに対するユーザーのログイン状態を示すログイン状態情報を記憶する第2の記憶部を備え、前記複数の画像形成装置のそれぞれの第2の制御部は、当該画像形成装置においてユーザーがログイン又はログアウトした旨の情報を前記サーバーに送信し、前記第1の制御部は、前記複数の画像形成装置のうちいずれかの画像形成装置から受信された当該画像形成装置においてユーザーがログイン又はログアウトした旨の情報に基づいて、前記第2の記憶部に記憶されているログイン状態情報を更新し、前記第2の記憶部に記憶されているログイン状態情報に基づいて、前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置があるか否かを判断する。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項8又は9に記載の画像形成システムにおいて、前記他の画像形成装置の第2の制御部は、前記サーバーから前記一のユーザーのログアウトを
行う指示を受信した場合に、前記一のユーザーのジョブを実行中であるか否かを判断し、前記一のユーザーのジョブを実行中である場合には、当該実行中のジョブが完了した後に、前記一のユーザーのログアウトを行う。
【0016】
請求項11に記載の発明は、請求項8から10のいずれか一項に記載の画像形成システムにおいて、前記他の画像形成装置の第2の制御部は、前記サーバーから前記一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、前記他の画像形成装置が所定の機能設定状態であるか否かを判断し、前記他の画像形成装置が所定の機能設定状態である場合には、ログイン状態を維持する。
【0017】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の画像形成システムにおいて、前記所定の機能設定状態は、デフォルト設定と異なる状態である。
【0018】
請求項13に記載の発明は、請求項11に記載の画像形成システムにおいて、前記所定の機能設定状態は、予め定められた数以上の設定項目についてデフォルト値から変更された状態である。
【0019】
請求項14に記載の発明は、請求項11に記載の画像形成システムにおいて、前記所定の機能設定状態は、予め定められた設定項目についてデフォルト値から変更された状態である。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載の発明によれば、他の画像形成装置がログインされた状態で放置されることを防ぐことができ、セキュリティーの向上を図ることができる。
【0021】
請求項2に記載の発明によれば、他の全ての画像形成装置に対して問い合わせを行うことにより、一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置があるか否かを判断することができる。
【0022】
請求項3に記載の発明によれば、ジョブが完了しないままログアウトすることを防ぐことができる。
【0023】
請求項4に記載の発明によれば、他の画像形成装置の状態に応じて、ログアウトするか否かを決定することができる。
【0024】
請求項5に記載の発明によれば、他の画像形成装置において設定変更がある場合には、その設定状態を維持することができる。
【0025】
請求項6に記載の発明によれば、他の画像形成装置において予め定められた数以上の設定項目について設定変更がある場合には、その設定状態を維持することができる。
【0026】
請求項7に記載の発明によれば、他の画像形成装置において予め定められた設定項目について設定変更がある場合には、その設定状態を維持することができる。
【0027】
請求項8に記載の発明によれば、他の画像形成装置がログインされた状態で放置されることを防ぐことができ、セキュリティーの向上を図ることができる。
【0028】
請求項9に記載の発明によれば、ログイン状態情報に基づいて、一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置があるか否かを判断することができる。
【0029】
請求項10に記載の発明によれば、ジョブが完了しないままログアウトすることを防ぐことができる。
【0030】
請求項11に記載の発明によれば、他の画像形成装置の状態に応じて、ログアウトするか否かを決定することができる。
【0031】
請求項12に記載の発明によれば、他の画像形成装置において設定変更がある場合には、その設定状態を維持することができる。
【0032】
請求項13に記載の発明によれば、他の画像形成装置において予め定められた数以上の設定項目について設定変更がある場合には、その設定状態を維持することができる。
【0033】
請求項14に記載の発明によれば、他の画像形成装置において予め定められた設定項目について設定変更がある場合には、その設定状態を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】第1の実施の形態の画像形成システムのシステム構成図である。
【図2】複合機の機能的構成を示すブロック図である。
【図3】操作部の構成を示す図である。
【図4】第1の実施の形態の複合機において実行されるログイン処理を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施の形態の複合機において実行されるログアウト処理を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施の形態の変形例1におけるログアウト処理を示すフローチャートである。
【図7】画質調整画面の例である。
【図8】拡大連写機能を説明するための図である。
【図9】拡大連写設定画面の例である。
【図10】第1の実施の形態の変形例2におけるログアウト処理を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施の形態の画像形成システムのシステム構成図である。
【図12】サーバーの機能的構成を示すブロック図である。
【図13】第2の実施の形態の複合機において実行されるログイン処理を示すフローチャートである。
【図14】第2の実施の形態のサーバーにおいて実行されるログイン状態管理処理を示すフローチャートである。
【図15】第2の実施の形態のサーバーにおいて実行されるログアウト指示処理を示すフローチャートである。
【図16】第2の実施の形態の複合機において実行されるログアウト処理を示すフローチャートである。
【図17】第2の実施の形態の変形例1におけるログアウト処理を示すフローチャートである。
【図18】第2の実施の形態の変形例2におけるログアウト処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
[第1の実施の形態]
まず、本発明に係る画像形成システムの第1の実施の形態について説明する。
図1に、第1の実施の形態の画像形成システム100のシステム構成を示す。図1に示すように、画像形成システム100は、画像形成装置としての複合機(MFP:Multi-fu
nctional Peripheral)10a,10b,・・・,10nがネットワークNを介してデータ通信可能に接続されて構成されている。
【0036】
複合機10a,10b,・・・,10nは、プリンター機能、コピー機能、スキャナー機能、ファクシミリ機能を有する多目的画像形成装置である。
【0037】
図2に、複合機10aの機能的構成を示す。図2に示すように、複合機10aは、制御部としてのCPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、記憶部14、操作部15、表示部16、画像読取部17、画像形成部18、後処理部19、ネットワークI/F(InterFace)部20、USB(Universal Serial Bus) I/F部21、公衆回線I/F部22等を備えて構成され、各部はバス23により接続されている。
【0038】
CPU11は、複合機10aの各部の処理動作を統括的に制御する。CPU11は、ROM12に格納されている各種処理プログラムを読み出してRAM13に展開し、当該プログラムとの協働により、プリンター機能、コピー機能、スキャナー機能、ファクシミリ機能等の各機能についての全体制御を行う。
【0039】
ROM12は、不揮発性の半導体メモリ等により構成され、各種処理プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等を記憶している。
【0040】
RAM13は、CPU11により実行される各種処理プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成する。
例えば、RAM13には、ジョブの実行を指示したユーザーと対応付けられて、実行前のジョブのデータが記憶される。ジョブとは、画像形成に関する一連の動作であり、例えば、所定ページの原稿からなる複写物を作成する場合には、所定ページの原稿の画像形成に関する一連の動作をいい、複数部の画像形成を行う場合には、複数部の画像形成に関する一連の動作をいう。
【0041】
記憶部14は、不揮発性の半導体メモリやハードディスク等の記憶装置からなり、各種処理に関するデータ等を記憶する。
記憶部14には、予め複合機10aにログインを許可されたユーザー(登録ユーザー)に対応する第1の認証情報(ユーザー名、パスワード)が記憶されている。
また、記憶部14には、複合機10aにおいて、現在指定されている機能モード(コピーモード、スキャンモード、FAXモード等)を示す機能モード情報が記憶される。
また、記憶部14には、複合機10aにおける設定情報が記憶される。設定情報には、設定項目毎に、設定値と、デフォルト値からの変更の有無を示す情報と、が含まれる。設定情報には、画像形成条件(用紙、部数、倍率、両面/片面、集約等)、後処理条件(ソート、ステープル、パンチ等)等、複合機10aにおいて設定される様々な情報が含まれる。
また、記憶部14には、登録ユーザー毎に、スキャンモード、FAXモードにおける送信宛先情報が記憶されている。
【0042】
操作部15は、ユーザーによる操作を受け付ける機能部であり、図3に示すように、表示部16のディスプレイ上に透明電極が格子状に配置された感圧式のタッチパネル15aと、ハードキー15bと、から構成される。操作部15は、ユーザーの指先やタッチペン等により当接されたタッチパネル15a上の位置を検出して、位置信号をCPU11に出力する。また、操作部15は、押下されたハードキー15bの押下信号をCPU11に出力する。例えば、操作部15は、第2の認証情報(ユーザー名、パスワード)を入力する際に用いられる。
【0043】
ハードキー15bには、モード切替キー31、リセットキー32、テンキー33、スタートキー34、ストップキー35、ユーティリティーキー36が含まれる。
モード切替キー31は、FAX、スキャン、フォルダー、コピー等のモードを切り替えるためのキーである。フォルダーモードとは、記憶部14の所定のフォルダー内に保存されている画像データを選択して画像形成を行うモードをいう。
リセットキー32は、設定を初期設定値に戻すためのキーである。
テンキー33は、数値や文字を入力するためのキーである。
スタートキー34は、コピーや印刷、送信等の動作をスタートさせるためのキーである。
ストップキー35は、動作状態を停止させるためのキーである。
ユーティリティーキー36は、複合機10a本体のシステム設定や調整を行うためのキーである。
【0044】
表示部16は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等により構成され、CPU11から入力される表示信号に従って、各種操作画面や処理結果等を表示する。
【0045】
画像読取部17は、原稿を光走査し、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサにより光電変換して原稿画像を読み取り、赤(R)、緑(G)、青(B)の画像データを生成するIR(Image Reader)、原稿を自動搬送するADF(Auto Document Feeder)を備える。
【0046】
画像形成部18は、画像読取部17により生成された画像データ、ネットワークI/F部20により受信された画像データ、公衆回線I/F部22により受信されたFAX用画像データ等に基づいて、用紙上に画像形成を行う。例えば、画像形成部18は、電子写真方式の画像形成を行うものであり、感光体ドラム、感光体ドラムの帯電を行う帯電部、画像データに基づいて感光体ドラム表面を露光走査する露光部、感光体ドラムにトナーを付着させる現像部、感光体ドラム上に形成されたトナー像を印刷用紙に転写する転写部、印刷用紙上に形成されたトナー像を定着させる定着部等から構成される。
【0047】
後処理部19は、画像形成後の用紙に対して、ソート処理、ステープル処理、パンチ処理等の後処理を行う。
【0048】
ネットワークI/F部20は、NIC(Network Interface Card)等により構成され、ネットワークNを介して外部装置との間でデータの送受信を行う。
【0049】
USB I/F部21は、USBインターフェースを備えた外部機器と接続するためのインターフェースである。
【0050】
公衆回線I/F部22は、公衆回線に接続し、FAXの送受信を行う。公衆回線I/F部22は、受信したアナログ信号を複合機10a側で処理可能なデジタル信号に変換するためのモデム、自動音声応答機能を有するTEL応答モジュールを備える。
【0051】
CPU11は、操作部15から入力された第2の認証情報(ユーザー名とパスワードの組み合わせ)が記憶部14に記憶されている第1の認証情報(ユーザー名とパスワードの組み合わせ)と一致した場合に、複合機10aに対するログインを許可する。
【0052】
CPU11は、一のユーザーが複合機10aにログインした場合に、一のユーザーが既にログインしている他の複合機があるか否かを判断する。具体的には、CPU11は、複
数の複合機10a,10b,・・・,10nのうち他の全ての複合機に対して一のユーザーがログインしているか否かの問い合わせを行い、この問い合わせの結果に基づいて、一のユーザーが既にログインしている他の複合機があるか否かを判断する。
CPU11は、一のユーザーが既にログインしている他の複合機がある場合には、ネットワークI/F部20を介して、当該他の複合機に対し、一のユーザーのログアウトを行う指示を送信する。
【0053】
CPU11は、ネットワークI/F部20を介して、一の複合機から一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、一のユーザーのジョブを実行中であるか否かを判断し、一のユーザーのジョブを実行中である場合には、当該実行中のジョブが完了した後に、一のユーザーのログアウトを行う。
【0054】
CPU11は、ネットワークI/F部20を介して、一の複合機から一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、複合機10a(自装置)が所定の機能設定状態であるか否かを判断し、複合機10aが所定の機能設定状態である場合には、ログイン状態を維持する。例えば、CPU11は、複合機10aがデフォルト設定と異なる状態である場合には、ログイン状態を維持する。
【0055】
複合機10a以外の複合機10b,・・・,10nについても、複合機10aと同様の構成であるため、同一の符号を用い、説明を省略する。
【0056】
次に、画像形成システム100における動作について説明する。
ユーザーAが、設置場所や使用したい機能/性能の都合上、複合機10aでコピーしたかったが、他のユーザーが使用していたため、しかたなく他の複合機10bにログインしてコピーしようとした。そのコピー実行前に、他のユーザーによる複合機10aの使用が終了した場合、ユーザーAが空いた複合機10aに移動する、といった場面が想定できる。ここでは、ユーザーAが新たに複合機10aにログインする場合を例にして説明する。
【0057】
図4は、複合機10aにおいて実行されるログイン処理を示すフローチャートである。この処理は、CPU11と、ROM12に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0058】
まず、ユーザーの操作部15からの操作により、ユーザーAのユーザー名及びパスワード(第2の認証情報)が入力されると(ステップS1)、CPU11により、複合機10aに対してユーザーAのログインが許可されているか否かが判断される(ステップS2)。具体的には、CPU11により、操作部15から入力された第2の認証情報と、記憶部14に記憶されている第1の認証情報と、の間で一致するものがあるか否かが判断される。
【0059】
複合機10aに対してユーザーAのログインが許可されている場合(ステップS2;YES)、すなわち、操作部15から入力された第2の認証情報が記憶部14に記憶されている第1の認証情報と一致した場合に、CPU11により、ユーザーAの複合機10aに対するログインが行われる(ステップS3)。
【0060】
次に、CPU11により、ネットワークI/F部20を介して、ネットワークN下の他の全ての複合機10b,・・・,10nに、ユーザーAのログイン状態(ユーザーAがログインしているか否か)の問い合わせが行われる(ステップS4)。そして、CPU11により、ネットワークI/F部20を介して、他の複合機10b,・・・,10nから、各複合機10b,・・・,10nにおいてユーザーAがログインしているか否かを示す情報が受信される。
【0061】
次に、CPU11により、ステップS4の問い合わせの結果に基づいて、ユーザーAが既にログインしている他の複合機10b,・・・,10nがあるか否かが判断される(ステップS5)。ユーザーAがログインしている他の複合機10b,・・・,10nがある場合には(ステップS5;YES)、CPU11により、ネットワークI/F部20を介して、ユーザーAがログインしている複合機(以下、対象複合機という。)に対して、ユーザーAのログアウトを行う指示が送信される(ステップS6)。
【0062】
ステップS2において、複合機10aに対してユーザーAのログインが許可されていない場合(ステップS2;NO)、ステップS5において、ユーザーAがログインしている他の複合機10b,・・・,10nがない場合(ステップS5;NO)、又は、ステップS6の後、ログイン処理が終了する。
【0063】
図5は、複合機10a以外の複合機10b,・・・,10nのうち、複合機10bにおいて実行されるログアウト処理を示すフローチャートである。この処理は、複合機10aからユーザーAのログイン状態の問い合わせが行われた後に実行される処理であって、CPU11と、ROM12に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0064】
複合機10bでは、CPU11により、ユーザーAがログイン状態であるか否かが判断される(ステップS11)。ユーザーAがログイン状態でない場合には(ステップS11;NO)、そのまま処理が終了する。
【0065】
ステップS11において、ユーザーAがログイン状態である場合には(ステップS11;YES)、CPU11により、ネットワークI/F部20を介して、複合機10aに対して、ユーザーAがログイン状態である旨が通知される(ステップS12)。
【0066】
次に、CPU11により、ネットワークI/F部20を介して、複合機10aから、複合機10bにおいてユーザーAのログアウトを行う指示が受信されたか否かが判断される(ステップS13)。ユーザーAのログアウトを行う指示が受信されない状態で、操作部15から所定時間入力がない場合には、CPU11により、ユーザーAのログアウトが行われる。
【0067】
複合機10aから、複合機10bにおいてユーザーAのログアウトを行う指示が受信された場合には(ステップS13;YES)、CPU11により、ユーザーAについて実行中のジョブがあるか否かが判断される(ステップS14)。ユーザーAについて実行中のジョブがある場合には(ステップS14;YES)、そのジョブが完了するまで待機状態となる。
【0068】
ステップS14において、ユーザーAについて実行中のジョブがない場合には(ステップS14;NO)、CPU11により、記憶部14に記憶されている機能モード情報が参照され、複合機10bがFAXモード又はスキャンモードであるか否かが判断される(ステップS15)。複合機10bがFAXモード又はスキャンモードである場合には(ステップS15;YES)、CPU11により、ユーザーAのログアウトが行われる(ステップS18)。
【0069】
ステップS15において、複合機10bがFAXモード又はスキャンモードでない場合には(ステップS15;NO)、CPU11により、ログイン状態が維持される。そして、CPU11により、記憶部14に記憶されている設定情報が参照され、複合機10bがデフォルト設定と異なる状態であるか否かが判断される(ステップS16)。具体的には
、CPU11により、デフォルト値からの変更がある設定項目が一つ以上ある場合には、デフォルト設定と異なる状態であると判断される。一方、全ての設定項目についてデフォルト値からの変更がない場合には、デフォルト設定状態であると判断される。複合機10bがデフォルト設定状態である場合には(ステップS16;NO)、CPU11により、ユーザーAのログアウトが行われる(ステップS18)。
【0070】
ステップS16において、複合機10bがデフォルト設定と異なる状態である場合には(ステップS16;YES)、CPU11により、ログイン状態が維持される。そして、CPU11により、操作部15からの操作入力がないまま所定時間が経過したか否かが判断される(ステップS17)。操作部15からの操作入力がないまま所定時間が経過していない場合には(ステップS17;NO)、ステップS15に戻る。
【0071】
ステップS17において、操作部15からの操作入力がないまま所定時間が経過した場合には(ステップS17;YES)、CPU11により、ユーザーAのログアウトが行われる(ステップS18)。
以上で、複合機10bにおいて実行されるログアウト処理が終了する。
【0072】
なお、複合機10a以外の複合機10b,・・・,10nのうち、複合機10bを例に説明したが、他の複合機についても同様である。
【0073】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、ネットワークN下に複数の複合機10a,10b,・・・,10nが接続された環境において、ある複合機にログインしていたユーザーが別の複合機にログインした場合、新たにログインした複合機から先にログインしていた複合機に対してログアウトを行う指示を送信するので、複合機がログインされた状態で放置されることを防ぐことができ、セキュリティーの向上を図ることができる。
【0074】
また、新たにログインした複合機から他の全ての複合機に対して問い合わせを行うことにより、新たにログインした複合機と同一のユーザーが既にログインしている他の複合機があるか否かを判断することができる。
【0075】
また、ある複合機でジョブを実行中に、別の複合機にログインした場合、新たな複合機を使用しつつも、先にログインしていた複合機でのジョブは完了させたいはずであると考えられる。すなわち、先にログインしていた複合機においていきなりジョブを停止させてログアウトさせてしまうと、ユーザーに不利益を与えてしまう。第1の実施の形態によれば、ログアウトを行う指示を受信した複合機において、該当するユーザーのジョブを実行中である場合には、当該実行中のジョブが完了した後にログアウトを行うので、ジョブが完了しないままログアウトすることを防ぐことができる。
【0076】
また、ログアウトを行う指示を受信した他の複合機が所定の機能設定状態である場合には、ログイン状態を維持するので、他の複合機の状態に応じて、ログアウトするか否かを決定することができる。具体的には、他の複合機がデフォルト設定と異なる状態である場合には、ログイン状態を維持するので、他の複合機において設定変更がある場合には、その設定状態を維持することができる。
【0077】
また、FAXモード、スキャンモードが選択された状態で複合機が放置されると、他のユーザーに送信宛先情報が漏れるおそれがあるが、第1の実施の形態によれば、ログアウトを行う指示を受信した他の複合機がFAXモード又はスキャンモードの場合には、すぐにログアウトするので、送信宛先情報等が漏れるのを防ぐことができる。
【0078】
[変形例1]
次に、第1の実施の形態の変形例1について説明する。
第1の実施の形態では、一の複合機から一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、他の複合機がデフォルト設定と異なる状態であるときに、ログイン状態を維持することとしたが、変形例1では、一の複合機から一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、他の複合機において所定数(例えば「3」)以上の設定項目についてデフォルト値から変更されているときに、ログイン状態を維持する。この所定数については、任意に変更可能とする。その他の構成及び処理については、第1の実施の形態と同様である。
【0079】
図6は、一の複合機(複合機10aとする。)からユーザーAのログイン状態の問い合わせが行われた複合機(複合機10bとする。)において実行されるログアウト処理を示すフローチャートである。この処理は、CPU11と、ROM12に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0080】
図6のステップS21〜ステップS25の処理は、図5のステップS11〜ステップS15の処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS25において、複合機10bがFAXモード又はスキャンモードでない場合には(ステップS25;NO)、CPU11により、記憶部14に記憶されている設定情報が参照され、設定項目毎のデフォルト値からの変更の有無を示す情報に基づいて、複合機10bにおいて所定数以上の設定項目についてデフォルト値から変更があるか否かが判断される(ステップS26)。所定数以上の設定項目についてデフォルト値から変更がない場合には(ステップS26;NO)、CPU11により、ユーザーAのログアウトが行われる(ステップS28)。
【0081】
ステップS26において、所定数以上の設定項目についてデフォルト値から変更がある場合には(ステップS26;YES)、CPU11により、ログイン状態が維持される。そして、CPU11により、操作部15からの操作入力がないまま所定時間が経過したか否かが判断される(ステップS27)。操作部15からの操作入力がないまま所定時間が経過していない場合には(ステップS27;NO)、ステップS25に戻る。
【0082】
ステップS27において、操作部15からの操作入力がないまま所定時間が経過した場合には(ステップS27;YES)、CPU11により、ユーザーAのログアウトが行われる(ステップS28)。
以上で、変形例1におけるログアウト処理が終了する。
【0083】
以上説明したように、変形例1によれば、第1の実施の形態と同様の効果に加え、ログアウトを行う指示を受信した他の複合機が予め定められた数以上の設定項目についてデフォルト値から変更された状態である場合には、ログイン状態を維持するので、他の複合機において予め定められた数以上の設定項目について設定変更がある場合には、その設定状態を維持することができる。
【0084】
[変形例2]
次に、第1の実施の形態の変形例2について説明する。
第1の実施の形態では、一の複合機から一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、他の複合機がデフォルト設定と異なる状態であるときに、ログイン状態を維持することとしたが、変形例2では、一の複合機から一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、他の複合機において所定の設定項目についてデフォルト値から変更されているときに、ログイン状態を維持する。この所定の設定項目については、任意に変更可能とする。その他の構成及び処理については、第1の実施の形態と同様である。
【0085】
例えば、一のユーザーが既にログインしている他の複合機において、画質調整に関する設定項目について、デフォルト設定状態から変更がある場合には、ユーザーが望む画質になるように微調整した状態を無駄にしないように、ログアウト対象外とする。図7に、画質調整画面161の例を示す。画質調整画面161には、濃度設定領域P1、明度設定領域P2、コントラスト設定領域P3、彩度設定領域P4が含まれる。各設定領域P1〜P4では、濃度、明度、コントラスト、彩度のそれぞれについて、デフォルト値を中心として段階的に増加又は減少させることができる。
【0086】
また、一のユーザーが既にログインしている他の複合機において、複数の設定項目の組み合わせで成り立つ機能の設定が完了している場合には、複数の設定項目について設定した状態を無駄にしないように、ログアウト対象外とする。複数の設定項目の組み合わせで成り立つ機能として、拡大連写が挙げられる。
拡大連写とは、図8に示すように、原稿の画像をA0サイズやB0サイズ等、複合機にセットできる用紙サイズを超えるサイズに拡大コピーする機能をいう。原稿サイズとできあがりサイズ(拡大コピー後のサイズ)を指定してコピーすると、原稿の画像を分割したものが、それぞれ別々の用紙に拡大コピーされる。この分割画像のコピーをつなぎ合わせると、できあがりサイズの拡大コピーが完成する。例えば、A3サイズの用紙8枚に分割コピーし、この8枚をつなぎ合わせて、A0サイズのポスターを作ることができる。
【0087】
図9に、拡大連写設定画面162の例を示す。拡大連写設定画面162には、原稿サイズ設定領域Q1、使用用紙設定領域Q2、できあがり設定領域Q3が含まれる。原稿サイズ設定領域Q1は、原稿サイズを設定するための領域である。使用用紙設定領域Q2は、使用用紙(サイズ・紙種)を設定するための領域である。できあがり設定領域Q3は、画像サイズ、用紙サイズ又は倍率を指定することにより、拡大連写のできあがり状態を設定するための領域である。
【0088】
「できあがりの画像サイズ」が指定された場合には、原稿サイズ設定領域Q1で設定された原稿サイズの画像が、できあがり設定領域Q3で設定された画像サイズに拡大(変倍)される。例えば、A3(420×297mm)の原稿を、A3(420×297mm)の用紙を用いて、画像サイズB3(514×364mm)に変倍する場合、A3用紙4枚の上に、1.224倍(B3/A3)に拡大した画像が形成される。
【0089】
「できあがりの用紙サイズ」が指定された場合には、原稿サイズ設定領域Q1で設定された原稿サイズの画像が、できあがり設定領域Q3で設定された用紙サイズに拡大(変倍)される。例えば、レターサイズ(279.4×215.9mm)の原稿を、A3(420×297mm)の用紙を用いて、用紙サイズA2(594×420mm)に変倍する場合、A3用紙2枚の上に、画像がちょうど収まる倍率、すなわち、長辺方向の倍率(594/279.4=1.414倍)と短辺方向の倍率(420/215.9=1.945倍)のうち小さい方の倍率で拡大した画像が形成される。
【0090】
「倍率」が指定された場合には、できあがり設定領域Q3で設定された倍率の画像が、使用用紙設定領域Q2で設定された使用用紙を用いてちょうど収まるように形成される。例えば、A3(420×297mm)の原稿を、A3(420×297mm)の用紙を用いて、倍率2倍で変倍する場合、A3用紙4枚を組み合わせたA1(840×594mm)に拡大した画像が形成される。
【0091】
図10は、一の複合機(複合機10aとする。)からユーザーAのログイン状態の問い合わせが行われた複合機(複合機10bとする。)において実行されるログアウト処理を示すフローチャートである。この処理は、CPU11と、ROM12に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0092】
図10のステップS31〜ステップS35の処理は、図5のステップS11〜ステップS15の処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS35において、複合機10bがFAXモード又はスキャンモードでない場合には(ステップS35;NO)、CPU11により、記憶部14に記憶されている設定情報が参照され、設定項目毎のデフォルト値からの変更の有無を示す情報に基づいて、複合機10bにおいて所定の設定項目についてデフォルト値から変更があるか否かが判断される(ステップS36)。例えば、画質調整に関する設定項目、拡大連写等の複数の設定項目の組み合わせで成り立つ設定項目について、デフォルト値から変更があるか否かが判断される。所定の設定項目についてデフォルト値から変更がない場合には(ステップS36;NO)、CPU11により、ユーザーAのログアウトが行われる(ステップS38)。
【0093】
ステップS36において、所定の設定項目についてデフォルト値から変更がある場合には(ステップS36;YES)、CPU11により、ログイン状態が維持される。そして、CPU11により、操作部15からの操作入力がないまま所定時間が経過したか否かが判断される(ステップS37)。操作部15からの操作入力がないまま所定時間が経過していない場合には(ステップS37;NO)、ステップS35に戻る。
【0094】
ステップS37において、操作部15からの操作入力がないまま所定時間が経過した場合には(ステップS37;YES)、CPU11により、ユーザーAのログアウトが行われる(ステップS38)。
以上で、変形例2におけるログアウト処理が終了する。
【0095】
以上説明したように、変形例2によれば、第1の実施の形態と同様の効果に加え、ログアウトを行う指示を受信した他の複合機が予め定められた設定項目についてデフォルト値から変更された状態である場合には、ログイン状態を維持するので、他の複合機において予め定められた設定項目について設定変更がある場合には、その設定状態を維持することができる。
【0096】
[第2の実施の形態]
次に、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。
図11に、第2の実施の形態の画像形成システム200のシステム構成を示す。図11に示すように、画像形成システム200は、画像形成装置としての複合機10a,10b,・・・,10nと、サーバー40と、がネットワークNを介してデータ通信可能に接続されて構成されている。
【0097】
複合機10a,10b,・・・,10nについては、第1の認証情報をサーバー40が管理する点が異なるが、他の構成については第1の実施の形態と同様であるため、図2を援用し、その構成については図示及び説明を省略する。以下、第2の実施の形態に特徴的な構成及び処理について説明する。
【0098】
第2の制御部としての複合機10aのCPU11は、ネットワークI/F部20を介して、操作部15から入力された第2の認証情報をサーバー40に送信する。
複合機10aのCPU11は、ネットワークI/F部20を介して、サーバー40から受信された認証結果に基づいて、複合機10aに対するログインを許可するか否かを判断する。
【0099】
複合機10aのCPU11は、複合機10aにおいてユーザーがログイン又はログアウトした場合に、ネットワークI/F部20を介して、複合機10aにおいてユーザーがログイン又はログアウトした旨の情報をサーバー40に送信する。
【0100】
複合機10aのCPU11は、ネットワークI/F部20を介して、サーバー40から一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、一のユーザーのジョブを実行中であるか否かを判断し、一のユーザーのジョブを実行中である場合には、当該実行中のジョブが完了した後に、一のユーザーのログアウトを行う。
【0101】
複合機10aのCPU11は、ネットワークI/F部20を介して、サーバー40から一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、複合機10a(自装置)が所定の機能設定状態であるか否かを判断し、複合機10aが所定の機能設定状態である場合には、ログイン状態を維持する。例えば、CPU11は、複合機10aがデフォルト設定と異なる状態である場合には、ログイン状態を維持する。
【0102】
複合機10a以外の複合機10b,・・・,10nについても、複合機10aと同様の構成であるため、同一の符号を用い、説明を省略する。
【0103】
サーバー40は、一般のPC(Personal Computer)により構成される。
図12に、サーバー40の機能的構成を示す。図12に示すように、サーバー40は、第1の制御部としてのCPU41、ROM42、RAM43、記憶部44、操作部45、表示部46、ネットワークI/F部47等を備えて構成され、各部はバス48により接続されている。
【0104】
CPU41は、サーバー40の各部の処理動作を統括的に制御する。CPU41は、ROM42又は記憶部44に格納されている各種処理プログラムを読み出してRAM43に展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を実行する。
【0105】
ROM42は、不揮発性の半導体メモリ等により構成され、各種処理プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等を記憶している。
【0106】
RAM43は、CPU41により実行される各種処理プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0107】
記憶部44は、不揮発性の半導体メモリやハードディスク等の記憶装置からなり、各種処理プログラムや各種処理に関するデータ等を記憶する。
記憶部44には、予め各複合機10a,10b,・・・,10nにログインを許可されたユーザー(登録ユーザー)に対応する第1の認証情報(ユーザー名、パスワード)が記憶されている。
また、記憶部44には、複数の複合機10a,10b,・・・,10nのそれぞれに対するユーザーのログイン状態を示すログイン状態情報が記憶されている。ログイン状態情報には、複合機毎に、ログインしているユーザーの有無を示す情報、ログインしているユーザーがいる場合にはそのユーザー名が含まれる。
【0108】
操作部45は、カーソルキー、文字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、ユーザーによる操作入力を受け付ける。操作部45は、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号をCPU41に出力する。
【0109】
表示部46は、LCDを備え、CPU41から入力される表示信号に従って、各種操作画面や各種処理結果を表示する。
【0110】
ネットワークI/F部47は、ネットワークNを介して外部装置との間でデータの送受
信を行う。
【0111】
CPU41は、ネットワークI/F部47を介して複数の複合機10a,10b,・・・,10nのうちいずれかの複合機から受信された第2の認証情報が記憶部44に記憶されている第1の認証情報と一致したか否かを示す認証結果を、第2の認証情報の送信元の複合機に送信する。
【0112】
CPU41は、ネットワークI/F部47を介して複数の複合機10a,10b,・・・,10nのうちいずれかの複合機から受信された当該複合機においてユーザーがログイン又はログアウトした旨の情報に基づいて、記憶部44に記憶されているログイン状態情報を更新する。
【0113】
CPU41は、ネットワークI/F部47を介して複数の複合機10a,10b,・・・,10nのうちいずれかの複合機から受信された一のユーザーの第2の認証情報が記憶部44に記憶されている第1の認証情報と一致した場合に、一のユーザーが既にログインしている他の複合機があるか否かを判断する。具体的には、CPU41は、記憶部44に記憶されている複合機毎のログイン状態情報に基づいて、一のユーザーが既にログインしている他の複合機があるか否かを判断する。
CPU41は、一のユーザーが既にログインしている他の複合機がある場合には、ネットワークI/F部47を介して当該他の複合機に対し、一のユーザーのログアウトを行う指示を送信する。
【0114】
次に、画像形成システム200における動作について説明する。
ここでは、ユーザーAが新たに複合機10aにログインする場合を例にして説明する。
【0115】
図13は、複合機10aにおいて実行されるログイン処理を示すフローチャートである。この処理は、CPU11と、ROM12に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0116】
まず、ユーザーの操作部15からの操作により、ユーザーAのユーザー名及びパスワード(第2の認証情報)が入力されると(ステップS41)、CPU11により、ネットワークI/F部20を介して、操作部15から入力されたユーザーAのログイン入力情報(第2の認証情報)がサーバー40に送信される(ステップS42)。
【0117】
次に、CPU11により、ネットワークI/F部20を介して、ユーザーAの認証結果がサーバー40から受信されると(ステップS43)、CPU11により、複合機10aに対してユーザーAのログインが許可されているか否かが判断される(ステップS44)。具体的には、CPU11により、サーバー40から受信された認証結果に基づいて、ユーザーAに、複合機10aに対するログインを許可するか否かが判断される。
【0118】
複合機10aに対してユーザーAのログインが許可されている場合には(ステップS44;YES)、CPU11により、ユーザーAの複合機10aに対するログインが行われ(ステップS45)、ネットワークI/F部20を介して、複合機10aにユーザーAがログインした旨の情報がサーバー40に通知される(ステップS46)。
【0119】
ステップS44において、複合機10aに対してユーザーAのログインが許可されていない場合(ステップS44;NO)、又は、ステップS46の後、ログイン処理が終了する。
【0120】
図14は、サーバー40において実行されるログイン状態管理処理を示すフローチャー
トである。この処理は、CPU41と、記憶部44に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0121】
ネットワークI/F部47により、複数の複合機10a,10b,・・・,10nのうちいずれかの複合機から、当該複合機において、あるユーザーがログインした旨の情報が受信されると(ステップS51;YES)、CPU41により、記憶部44に記憶されている当該複合機のログイン状態情報が更新される(ステップS52)。具体的には、CPU41により、当該複合機のログイン状態情報に含まれる「ログインしているユーザーの有無を示す情報」が「ログインユーザーあり」に変更され、当該複合機にログインしているユーザーのユーザー名が追加される。
【0122】
ステップS51において、あるユーザーがログインした旨の情報が受信されない場合(ステップS51;NO)、又は、ステップS52の後、ネットワークI/F部47により、複数の複合機10a,10b,・・・,10nのうちいずれかの複合機から、当該複合機において、あるユーザーがログアウトした旨の情報が受信されると(ステップS53;YES)、CPU41により、記憶部44に記憶されている当該複合機のログイン状態情報が更新される(ステップS54)。具体的には、CPU41により、当該複合機のログイン状態情報に含まれる「ログインしているユーザーの有無を示す情報」が「ログインユーザーなし」に変更され、当該複合機にログインしていたユーザーのユーザー名が削除される。
【0123】
ステップS53において、あるユーザーがログアウトした旨の情報が受信されない場合(ステップS53;NO)、又は、ステップS54の後、ステップS51に戻り、処理が繰り返される。
【0124】
図15は、サーバー40において実行されるログアウト指示処理を示すフローチャートである。この処理は、複合機10aにおいてユーザーAがログインする際に実行される処理であって、CPU41と、記憶部44に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0125】
まず、ネットワークI/F部47により、ユーザーAのログイン入力情報(第2の認証情報)が複合機10aから受信されると(ステップS61;YES)、CPU41により、ユーザーAの認証判断が行われる(ステップS62)。具体的には、CPU41により、複合機10aから受信された第2の認証情報と、記憶部44に記憶されている第1の認証情報と、の間で一致するものがあるか否かが判断される。
【0126】
次に、CPU41により、ネットワークI/F部47を介して、ユーザーAの認証結果が、ログイン入力情報の送信元の複合機10aに通知される(ステップS63)。
【0127】
次に、CPU41により、ユーザーAのログインが許可されているか否かが判断される(ステップS64)。ユーザーAのログインが許可されている場合(ステップS64;YES)、すなわち、複合機10aから受信された第2の認証情報が記憶部44に記憶されている第1の認証情報と一致した場合には、CPU41により、記憶部44に記憶されているログイン状態情報に基づいて、ユーザーAが既にログインしている他の複合機10b,・・・,10nがあるか否かが判断される(ステップS65)。
【0128】
ユーザーAがログインしている他の複合機10b,・・・,10nがある場合には(ステップS65;YES)、CPU41により、ネットワークI/F部47を介して、ユーザーAがログインしている対象複合機に対して、ユーザーAのログアウトを行う指示が送信される(ステップS66)。
【0129】
ステップS61において、ユーザーAのログイン入力情報が複合機10aから受信されない場合(ステップS61;NO)、ステップS64において、ユーザーAのログインが許可されていない場合(ステップS64;NO)、ステップS65において、ユーザーAがログインしている他の複合機10b,・・・,10nがない場合(ステップS65;NO)、又は、ステップS66の後、ログアウト指示処理が終了する。
【0130】
図16は、複合機10a以外の複合機10b,・・・,10nのうち、ユーザーAが複合機10aにログインする前に既にユーザーAがログインしていた複合機(ここでは、複合機10bを例にして説明する。)において実行されるログアウト処理を示すフローチャートである。この処理は、CPU11と、ROM12に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0131】
まず、CPU11により、ネットワークI/F部20を介して、サーバー40から、複合機10bにおいてユーザーAのログアウトを行う指示が受信されたか否かが判断される(ステップS71)。ユーザーAのログアウトを行う指示が受信されない状態で、操作部15から所定時間入力がない場合には、CPU11により、ユーザーAのログアウトが行われる。
【0132】
サーバー40から、複合機10bにおいてユーザーAのログアウトを行う指示が受信された場合には(ステップS71;YES)、CPU11により、ユーザーAについて実行中のジョブがあるか否かが判断される(ステップS72)。ユーザーAについて実行中のジョブがある場合には(ステップS72;YES)、そのジョブが完了するまで待機状態となる。
【0133】
ステップS72において、ユーザーAについて実行中のジョブがない場合には(ステップS72;NO)、CPU11により、記憶部14に記憶されている機能モード情報が参照され、複合機10bがFAXモード又はスキャンモードであるか否かが判断される(ステップS73)。複合機10bがFAXモード又はスキャンモードである場合には(ステップS73;YES)、CPU11により、ユーザーAのログアウトが行われる(ステップS76)。
【0134】
ステップS73において、複合機10bがFAXモード又はスキャンモードでない場合には(ステップS73;NO)、CPU11により、ログイン状態が維持される。そして、CPU11により、記憶部14に記憶されている設定情報が参照され、複合機10bがデフォルト設定と異なる状態であるか否かが判断される(ステップS74)。具体的には、CPU11により、デフォルト値からの変更がある設定項目が一つ以上ある場合には、デフォルト設定と異なる状態であると判断される。一方、全ての設定項目についてデフォルト値からの変更がない場合には、デフォルト設定状態であると判断される。複合機10bがデフォルト設定状態である場合には(ステップS74;NO)、CPU11により、ユーザーAのログアウトが行われる(ステップS76)。
【0135】
ステップS74において、複合機10bがデフォルト設定と異なる状態である場合には(ステップS74;YES)、CPU11により、ログイン状態が維持される。そして、CPU11により、操作部15からの操作入力がないまま所定時間が経過したか否かが判断される(ステップS75)。操作部15からの操作入力がないまま所定時間が経過していない場合には(ステップS75;NO)、ステップS73に戻る。
【0136】
ステップS75において、操作部15からの操作入力がないまま所定時間が経過した場合には(ステップS75;YES)、CPU11により、ユーザーAのログアウトが行わ
れる(ステップS76)。
【0137】
ステップS76の後、CPU11により、ネットワークI/F部20を介して、複合機10bからユーザーAがログアウトした旨の情報がサーバー40に通知される(ステップS77)。
以上で、複合機10bにおいて実行されるログアウト処理が終了する。
【0138】
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、サーバー40において、複数の複合機10a,10b,・・・,10nのうち一の複合機から受信された一のユーザーの第2の認証情報がサーバー40の記憶部44に記憶されている第1の認証情報と一致した場合に、一のユーザーが既にログインしている他の複合機に対し、一のユーザーのログアウトを行う指示を送信するので、他の複合機がログインされた状態で放置されることを防ぐことができ、セキュリティーの向上を図ることができる。
【0139】
また、サーバー40は、記憶部44に記憶されているログイン状態情報に基づいて、一のユーザーが既にログインしている他の複合機があるか否かを判断することができる。
【0140】
また、ログアウトを行う指示を受信した複合機において、該当するユーザーのジョブを実行中である場合には、当該実行中のジョブが完了した後にログアウトを行うので、ジョブが完了しないままログアウトすることを防ぐことができる。
【0141】
また、ログアウトを行う指示を受信した他の複合機が所定の機能設定状態である場合には、ログイン状態を維持するので、他の複合機の状態に応じて、ログアウトするか否かを決定することができる。具体的には、他の複合機がデフォルト設定と異なる状態である場合には、ログイン状態を維持するので、他の複合機において設定変更がある場合には、その設定状態を維持することができる。
【0142】
[変形例1]
次に、第2の実施の形態の変形例1について説明する。
第2の実施の形態では、サーバー40から一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、他の複合機がデフォルト設定と異なる状態であるときに、ログイン状態を維持することとしたが、変形例1では、サーバー40から一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、他の複合機において所定数以上の設定項目についてデフォルト値から変更されているときに、ログイン状態を維持する。この所定数については、任意に変更可能とする。その他の構成及び処理については、第2の実施の形態と同様である。
【0143】
図17は、複合機10a以外の複合機10b,・・・,10nのうち、ユーザーAが複合機10aにログインする前に既にユーザーAがログインしていた複合機(ここでは、複合機10bを例にして説明する。)において実行されるログアウト処理を示すフローチャートである。この処理は、CPU11と、ROM12に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0144】
図17のステップS81〜ステップS83の処理は、図16のステップS71〜ステップS73の処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS83において、複合機10bがFAXモード又はスキャンモードでない場合には(ステップS83;NO)、CPU11により、記憶部14に記憶されている設定情報が参照され、設定項目毎のデフォルト値からの変更の有無を示す情報に基づいて、複合機10bにおいて所定数以上の設定項目についてデフォルト値から変更があるか否かが判断される(ステップS84)。所定数以上の設定項目についてデフォルト値から変更がない場合には(ステップS84;NO)、CPU11により、ユーザーAのログアウトが行
われる(ステップS86)。
【0145】
ステップS84において、所定数以上の設定項目についてデフォルト値から変更がある場合には(ステップS84;YES)、CPU11により、ログイン状態が維持され、ステップS85に移行する。
図17のステップS85〜ステップS87の処理は、図16のステップS75〜ステップS77の処理と同様であるため、説明を省略する。
以上で、変形例1におけるログアウト処理が終了する。
【0146】
以上説明したように、変形例1によれば、第2の実施の形態と同様の効果に加え、ログアウトを行う指示を受信した他の複合機が予め定められた数以上の設定項目についてデフォルト値から変更された状態である場合には、ログイン状態を維持するので、他の複合機において予め定められた数以上の設定項目について設定変更がある場合には、その設定状態を維持することができる。
【0147】
[変形例2]
次に、第2の実施の形態の変形例2について説明する。
第2の実施の形態では、サーバー40から一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、他の複合機がデフォルト設定と異なる状態であるときに、ログイン状態を維持することとしたが、変形例2では、サーバー40から一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、他の複合機において所定の設定項目についてデフォルト値から変更されているときに、ログイン状態を維持する。この所定の設定項目については、任意に変更可能とする。その他の構成及び処理については、第2の実施の形態と同様である。
【0148】
図18は、複合機10a以外の複合機10b,・・・,10nのうち、ユーザーAが複合機10aにログインする前に既にユーザーAがログインしていた複合機(ここでは、複合機10bを例にして説明する。)において実行されるログアウト処理を示すフローチャートである。この処理は、CPU11と、ROM12に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0149】
図18のステップS91〜ステップS93の処理は、図16のステップS71〜ステップS73の処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS93において、複合機10bがFAXモード又はスキャンモードでない場合には(ステップS93;NO)、CPU11により、記憶部14に記憶されている設定情報が参照され、設定項目毎のデフォルト値からの変更の有無を示す情報に基づいて、複合機10bにおいて所定の設定項目についてデフォルト値から変更があるか否かが判断される(ステップS94)。所定の設定項目についてデフォルト値から変更がない場合には(ステップS94;NO)、CPU11により、ユーザーAのログアウトが行われる(ステップS96)。
【0150】
ステップS94において、所定の設定項目についてデフォルト値から変更がある場合には(ステップS94;YES)、CPU11により、ログイン状態が維持され、ステップS95に移行する。
図18のステップS95〜ステップS97の処理は、図16のステップS75〜ステップS77の処理と同様であるため、説明を省略する。
以上で、変形例2におけるログアウト処理が終了する。
【0151】
以上説明したように、変形例2によれば、第2の実施の形態と同様の効果に加え、ログアウトを行う指示を受信した他の複合機が予め定められた設定項目についてデフォルト値から変更された状態である場合には、ログイン状態を維持するので、他の複合機において
予め定められた設定項目について設定変更がある場合には、その設定状態を維持することができる。
【0152】
なお、第2の実施の形態、第2の実施の形態の変形例1及び2では、各複合機10a,10b,・・・,10nにおいてログイン又はログアウトが行われた場合に、各複合機からその都度サーバー40に通知することとしたが、サーバー40において、いずれかの複合機から受信された一のユーザーの第2の認証情報が記憶部44に記憶されている第1の認証情報と一致した場合に、他の全ての複合機に対して一のユーザーのログイン状態を問い合わせることとしてもよい。
【0153】
また、上記各実施の形態における記述は、本発明に係る画像形成システムの例であり、これに限定されるものではない。システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0154】
例えば、画像形成システム内の複合機毎に、ログインを許可されているユーザーの組み合わせが異なることとしてもよい。
【0155】
以上の説明では、各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体として半導体メモリやハードディスク等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
【符号の説明】
【0156】
10a,10b,・・・,10n 複合機
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 記憶部
15 操作部
16 表示部
17 画像読取部
18 画像形成部
19 後処理部
20 ネットワークI/F部
21 USB I/F部
22 公衆回線I/F部
40 サーバー
41 CPU
42 ROM
43 RAM
44 記憶部
45 操作部
46 表示部
47 ネットワークI/F部
100 画像形成システム
200 画像形成システム
N ネットワーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワーク下に複数の画像形成装置が接続された環境において、設置場所や使用したい機能/性能に応じて、複数の画像形成装置を使い分けることが行われている。また、画像形成装置を使用する際に、ログイン操作を必要とし、登録されたユーザーにのみ画像形成装置の使用が許可されている場合もある。例えば、同じユーザーが複数の画像形成装置に同時にログインした場合に、適切に課金制御を行う課金管理装置が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−176631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ある画像形成装置にログインしたユーザーが他の画像形成装置にログインし、先にログインしていた画像形成装置でのログアウトを忘れた状態のまま放置してしまうと、先にログインしていた画像形成装置を別のユーザーが使用できてしまう。これでは、登録されたユーザーにのみ使用を許可している意味がなくなり、セキュリティー上問題があった。また、その場にいないユーザーが不必要に画像形成装置にログインしていると、他の者がその画像形成装置にログインすることができず、この画像形成装置を正当に使用することができないという問題もあった。
【0005】
本発明は上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、セキュリティーの向上を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数の画像形成装置がネットワークを介してデータ通信可能に接続されている画像形成システムであって、前記複数の画像形成装置のそれぞれは、当該画像形成装置にログインを許可されたユーザーに対応する第1の認証情報を記憶する記憶部と、第2の認証情報を入力するための操作部と、前記操作部から入力された第2の認証情報が前記記憶部に記憶されている第1の認証情報と一致した場合に、当該画像形成装置に対するログインを許可する制御部と、を備え、一のユーザーが前記複数の画像形成装置のうち一の画像形成装置にログインした場合に、当該一の画像形成装置の制御部は、前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置があるか否かを判断し、前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置がある場合には、当該他の画像形成装置に対し、前記一のユーザーのログアウトを行う指示を送信する。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、前記一の画像形成装置の制御部は、前記複数の画像形成装置のうち他の全ての画像形成装置に対して前記一のユーザーがログインしているか否かの問い合わせを行った結果に基づいて、前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置があるか否かを判断する。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像形成システムにおいて、前記他
の画像形成装置の制御部は、前記一の画像形成装置から前記一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、前記一のユーザーのジョブを実行中であるか否かを判断し、前記一のユーザーのジョブを実行中である場合には、当該実行中のジョブが完了した後に、前記一のユーザーのログアウトを行う。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成システムにおいて、前記他の画像形成装置の制御部は、前記一の画像形成装置から前記一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、前記他の画像形成装置が所定の機能設定状態であるか否かを判断し、前記他の画像形成装置が所定の機能設定状態である場合には、ログイン状態を維持する。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成システムにおいて、前記所定の機能設定状態は、デフォルト設定と異なる状態である。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成システムにおいて、前記所定の機能設定状態は、予め定められた数以上の設定項目についてデフォルト値から変更された状態である。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成システムにおいて、前記所定の機能設定状態は、予め定められた設定項目についてデフォルト値から変更された状態である。
【0013】
請求項8に記載の発明は、複数の画像形成装置と、サーバーと、がネットワークを介してデータ通信可能に接続されている画像形成システムであって、前記サーバーは、前記複数の画像形成装置のそれぞれにログインを許可されたユーザーに対応する第1の認証情報を記憶する記憶部と、前記複数の画像形成装置のうちいずれかの画像形成装置から受信された第2の認証情報が前記記憶部に記憶されている第1の認証情報と一致したか否かを示す認証結果を前記第2の認証情報の送信元の画像形成装置に送信する第1の制御部と、を備え、前記複数の画像形成装置のそれぞれは、前記第2の認証情報を入力するための操作部と、前記操作部から入力された第2の認証情報を前記サーバーに送信し、前記サーバーから受信された認証結果に基づいて、当該画像形成装置に対するログインを許可するか否かを判断する第2の制御部と、を備え、前記第1の制御部は、前記複数の画像形成装置のうち一の画像形成装置から受信された一のユーザーの第2の認証情報が前記記憶部に記憶されている第1の認証情報と一致した場合に、前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置があるか否かを判断し、前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置がある場合には、当該他の画像形成装置に対し、前記一のユーザーのログアウトを行う指示を送信する。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の画像形成システムにおいて、前記サーバーは、前記複数の画像形成装置のそれぞれに対するユーザーのログイン状態を示すログイン状態情報を記憶する第2の記憶部を備え、前記複数の画像形成装置のそれぞれの第2の制御部は、当該画像形成装置においてユーザーがログイン又はログアウトした旨の情報を前記サーバーに送信し、前記第1の制御部は、前記複数の画像形成装置のうちいずれかの画像形成装置から受信された当該画像形成装置においてユーザーがログイン又はログアウトした旨の情報に基づいて、前記第2の記憶部に記憶されているログイン状態情報を更新し、前記第2の記憶部に記憶されているログイン状態情報に基づいて、前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置があるか否かを判断する。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項8又は9に記載の画像形成システムにおいて、前記他の画像形成装置の第2の制御部は、前記サーバーから前記一のユーザーのログアウトを
行う指示を受信した場合に、前記一のユーザーのジョブを実行中であるか否かを判断し、前記一のユーザーのジョブを実行中である場合には、当該実行中のジョブが完了した後に、前記一のユーザーのログアウトを行う。
【0016】
請求項11に記載の発明は、請求項8から10のいずれか一項に記載の画像形成システムにおいて、前記他の画像形成装置の第2の制御部は、前記サーバーから前記一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、前記他の画像形成装置が所定の機能設定状態であるか否かを判断し、前記他の画像形成装置が所定の機能設定状態である場合には、ログイン状態を維持する。
【0017】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の画像形成システムにおいて、前記所定の機能設定状態は、デフォルト設定と異なる状態である。
【0018】
請求項13に記載の発明は、請求項11に記載の画像形成システムにおいて、前記所定の機能設定状態は、予め定められた数以上の設定項目についてデフォルト値から変更された状態である。
【0019】
請求項14に記載の発明は、請求項11に記載の画像形成システムにおいて、前記所定の機能設定状態は、予め定められた設定項目についてデフォルト値から変更された状態である。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載の発明によれば、他の画像形成装置がログインされた状態で放置されることを防ぐことができ、セキュリティーの向上を図ることができる。
【0021】
請求項2に記載の発明によれば、他の全ての画像形成装置に対して問い合わせを行うことにより、一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置があるか否かを判断することができる。
【0022】
請求項3に記載の発明によれば、ジョブが完了しないままログアウトすることを防ぐことができる。
【0023】
請求項4に記載の発明によれば、他の画像形成装置の状態に応じて、ログアウトするか否かを決定することができる。
【0024】
請求項5に記載の発明によれば、他の画像形成装置において設定変更がある場合には、その設定状態を維持することができる。
【0025】
請求項6に記載の発明によれば、他の画像形成装置において予め定められた数以上の設定項目について設定変更がある場合には、その設定状態を維持することができる。
【0026】
請求項7に記載の発明によれば、他の画像形成装置において予め定められた設定項目について設定変更がある場合には、その設定状態を維持することができる。
【0027】
請求項8に記載の発明によれば、他の画像形成装置がログインされた状態で放置されることを防ぐことができ、セキュリティーの向上を図ることができる。
【0028】
請求項9に記載の発明によれば、ログイン状態情報に基づいて、一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置があるか否かを判断することができる。
【0029】
請求項10に記載の発明によれば、ジョブが完了しないままログアウトすることを防ぐことができる。
【0030】
請求項11に記載の発明によれば、他の画像形成装置の状態に応じて、ログアウトするか否かを決定することができる。
【0031】
請求項12に記載の発明によれば、他の画像形成装置において設定変更がある場合には、その設定状態を維持することができる。
【0032】
請求項13に記載の発明によれば、他の画像形成装置において予め定められた数以上の設定項目について設定変更がある場合には、その設定状態を維持することができる。
【0033】
請求項14に記載の発明によれば、他の画像形成装置において予め定められた設定項目について設定変更がある場合には、その設定状態を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】第1の実施の形態の画像形成システムのシステム構成図である。
【図2】複合機の機能的構成を示すブロック図である。
【図3】操作部の構成を示す図である。
【図4】第1の実施の形態の複合機において実行されるログイン処理を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施の形態の複合機において実行されるログアウト処理を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施の形態の変形例1におけるログアウト処理を示すフローチャートである。
【図7】画質調整画面の例である。
【図8】拡大連写機能を説明するための図である。
【図9】拡大連写設定画面の例である。
【図10】第1の実施の形態の変形例2におけるログアウト処理を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施の形態の画像形成システムのシステム構成図である。
【図12】サーバーの機能的構成を示すブロック図である。
【図13】第2の実施の形態の複合機において実行されるログイン処理を示すフローチャートである。
【図14】第2の実施の形態のサーバーにおいて実行されるログイン状態管理処理を示すフローチャートである。
【図15】第2の実施の形態のサーバーにおいて実行されるログアウト指示処理を示すフローチャートである。
【図16】第2の実施の形態の複合機において実行されるログアウト処理を示すフローチャートである。
【図17】第2の実施の形態の変形例1におけるログアウト処理を示すフローチャートである。
【図18】第2の実施の形態の変形例2におけるログアウト処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
[第1の実施の形態]
まず、本発明に係る画像形成システムの第1の実施の形態について説明する。
図1に、第1の実施の形態の画像形成システム100のシステム構成を示す。図1に示すように、画像形成システム100は、画像形成装置としての複合機(MFP:Multi-fu
nctional Peripheral)10a,10b,・・・,10nがネットワークNを介してデータ通信可能に接続されて構成されている。
【0036】
複合機10a,10b,・・・,10nは、プリンター機能、コピー機能、スキャナー機能、ファクシミリ機能を有する多目的画像形成装置である。
【0037】
図2に、複合機10aの機能的構成を示す。図2に示すように、複合機10aは、制御部としてのCPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、記憶部14、操作部15、表示部16、画像読取部17、画像形成部18、後処理部19、ネットワークI/F(InterFace)部20、USB(Universal Serial Bus) I/F部21、公衆回線I/F部22等を備えて構成され、各部はバス23により接続されている。
【0038】
CPU11は、複合機10aの各部の処理動作を統括的に制御する。CPU11は、ROM12に格納されている各種処理プログラムを読み出してRAM13に展開し、当該プログラムとの協働により、プリンター機能、コピー機能、スキャナー機能、ファクシミリ機能等の各機能についての全体制御を行う。
【0039】
ROM12は、不揮発性の半導体メモリ等により構成され、各種処理プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等を記憶している。
【0040】
RAM13は、CPU11により実行される各種処理プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成する。
例えば、RAM13には、ジョブの実行を指示したユーザーと対応付けられて、実行前のジョブのデータが記憶される。ジョブとは、画像形成に関する一連の動作であり、例えば、所定ページの原稿からなる複写物を作成する場合には、所定ページの原稿の画像形成に関する一連の動作をいい、複数部の画像形成を行う場合には、複数部の画像形成に関する一連の動作をいう。
【0041】
記憶部14は、不揮発性の半導体メモリやハードディスク等の記憶装置からなり、各種処理に関するデータ等を記憶する。
記憶部14には、予め複合機10aにログインを許可されたユーザー(登録ユーザー)に対応する第1の認証情報(ユーザー名、パスワード)が記憶されている。
また、記憶部14には、複合機10aにおいて、現在指定されている機能モード(コピーモード、スキャンモード、FAXモード等)を示す機能モード情報が記憶される。
また、記憶部14には、複合機10aにおける設定情報が記憶される。設定情報には、設定項目毎に、設定値と、デフォルト値からの変更の有無を示す情報と、が含まれる。設定情報には、画像形成条件(用紙、部数、倍率、両面/片面、集約等)、後処理条件(ソート、ステープル、パンチ等)等、複合機10aにおいて設定される様々な情報が含まれる。
また、記憶部14には、登録ユーザー毎に、スキャンモード、FAXモードにおける送信宛先情報が記憶されている。
【0042】
操作部15は、ユーザーによる操作を受け付ける機能部であり、図3に示すように、表示部16のディスプレイ上に透明電極が格子状に配置された感圧式のタッチパネル15aと、ハードキー15bと、から構成される。操作部15は、ユーザーの指先やタッチペン等により当接されたタッチパネル15a上の位置を検出して、位置信号をCPU11に出力する。また、操作部15は、押下されたハードキー15bの押下信号をCPU11に出力する。例えば、操作部15は、第2の認証情報(ユーザー名、パスワード)を入力する際に用いられる。
【0043】
ハードキー15bには、モード切替キー31、リセットキー32、テンキー33、スタートキー34、ストップキー35、ユーティリティーキー36が含まれる。
モード切替キー31は、FAX、スキャン、フォルダー、コピー等のモードを切り替えるためのキーである。フォルダーモードとは、記憶部14の所定のフォルダー内に保存されている画像データを選択して画像形成を行うモードをいう。
リセットキー32は、設定を初期設定値に戻すためのキーである。
テンキー33は、数値や文字を入力するためのキーである。
スタートキー34は、コピーや印刷、送信等の動作をスタートさせるためのキーである。
ストップキー35は、動作状態を停止させるためのキーである。
ユーティリティーキー36は、複合機10a本体のシステム設定や調整を行うためのキーである。
【0044】
表示部16は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等により構成され、CPU11から入力される表示信号に従って、各種操作画面や処理結果等を表示する。
【0045】
画像読取部17は、原稿を光走査し、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサにより光電変換して原稿画像を読み取り、赤(R)、緑(G)、青(B)の画像データを生成するIR(Image Reader)、原稿を自動搬送するADF(Auto Document Feeder)を備える。
【0046】
画像形成部18は、画像読取部17により生成された画像データ、ネットワークI/F部20により受信された画像データ、公衆回線I/F部22により受信されたFAX用画像データ等に基づいて、用紙上に画像形成を行う。例えば、画像形成部18は、電子写真方式の画像形成を行うものであり、感光体ドラム、感光体ドラムの帯電を行う帯電部、画像データに基づいて感光体ドラム表面を露光走査する露光部、感光体ドラムにトナーを付着させる現像部、感光体ドラム上に形成されたトナー像を印刷用紙に転写する転写部、印刷用紙上に形成されたトナー像を定着させる定着部等から構成される。
【0047】
後処理部19は、画像形成後の用紙に対して、ソート処理、ステープル処理、パンチ処理等の後処理を行う。
【0048】
ネットワークI/F部20は、NIC(Network Interface Card)等により構成され、ネットワークNを介して外部装置との間でデータの送受信を行う。
【0049】
USB I/F部21は、USBインターフェースを備えた外部機器と接続するためのインターフェースである。
【0050】
公衆回線I/F部22は、公衆回線に接続し、FAXの送受信を行う。公衆回線I/F部22は、受信したアナログ信号を複合機10a側で処理可能なデジタル信号に変換するためのモデム、自動音声応答機能を有するTEL応答モジュールを備える。
【0051】
CPU11は、操作部15から入力された第2の認証情報(ユーザー名とパスワードの組み合わせ)が記憶部14に記憶されている第1の認証情報(ユーザー名とパスワードの組み合わせ)と一致した場合に、複合機10aに対するログインを許可する。
【0052】
CPU11は、一のユーザーが複合機10aにログインした場合に、一のユーザーが既にログインしている他の複合機があるか否かを判断する。具体的には、CPU11は、複
数の複合機10a,10b,・・・,10nのうち他の全ての複合機に対して一のユーザーがログインしているか否かの問い合わせを行い、この問い合わせの結果に基づいて、一のユーザーが既にログインしている他の複合機があるか否かを判断する。
CPU11は、一のユーザーが既にログインしている他の複合機がある場合には、ネットワークI/F部20を介して、当該他の複合機に対し、一のユーザーのログアウトを行う指示を送信する。
【0053】
CPU11は、ネットワークI/F部20を介して、一の複合機から一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、一のユーザーのジョブを実行中であるか否かを判断し、一のユーザーのジョブを実行中である場合には、当該実行中のジョブが完了した後に、一のユーザーのログアウトを行う。
【0054】
CPU11は、ネットワークI/F部20を介して、一の複合機から一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、複合機10a(自装置)が所定の機能設定状態であるか否かを判断し、複合機10aが所定の機能設定状態である場合には、ログイン状態を維持する。例えば、CPU11は、複合機10aがデフォルト設定と異なる状態である場合には、ログイン状態を維持する。
【0055】
複合機10a以外の複合機10b,・・・,10nについても、複合機10aと同様の構成であるため、同一の符号を用い、説明を省略する。
【0056】
次に、画像形成システム100における動作について説明する。
ユーザーAが、設置場所や使用したい機能/性能の都合上、複合機10aでコピーしたかったが、他のユーザーが使用していたため、しかたなく他の複合機10bにログインしてコピーしようとした。そのコピー実行前に、他のユーザーによる複合機10aの使用が終了した場合、ユーザーAが空いた複合機10aに移動する、といった場面が想定できる。ここでは、ユーザーAが新たに複合機10aにログインする場合を例にして説明する。
【0057】
図4は、複合機10aにおいて実行されるログイン処理を示すフローチャートである。この処理は、CPU11と、ROM12に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0058】
まず、ユーザーの操作部15からの操作により、ユーザーAのユーザー名及びパスワード(第2の認証情報)が入力されると(ステップS1)、CPU11により、複合機10aに対してユーザーAのログインが許可されているか否かが判断される(ステップS2)。具体的には、CPU11により、操作部15から入力された第2の認証情報と、記憶部14に記憶されている第1の認証情報と、の間で一致するものがあるか否かが判断される。
【0059】
複合機10aに対してユーザーAのログインが許可されている場合(ステップS2;YES)、すなわち、操作部15から入力された第2の認証情報が記憶部14に記憶されている第1の認証情報と一致した場合に、CPU11により、ユーザーAの複合機10aに対するログインが行われる(ステップS3)。
【0060】
次に、CPU11により、ネットワークI/F部20を介して、ネットワークN下の他の全ての複合機10b,・・・,10nに、ユーザーAのログイン状態(ユーザーAがログインしているか否か)の問い合わせが行われる(ステップS4)。そして、CPU11により、ネットワークI/F部20を介して、他の複合機10b,・・・,10nから、各複合機10b,・・・,10nにおいてユーザーAがログインしているか否かを示す情報が受信される。
【0061】
次に、CPU11により、ステップS4の問い合わせの結果に基づいて、ユーザーAが既にログインしている他の複合機10b,・・・,10nがあるか否かが判断される(ステップS5)。ユーザーAがログインしている他の複合機10b,・・・,10nがある場合には(ステップS5;YES)、CPU11により、ネットワークI/F部20を介して、ユーザーAがログインしている複合機(以下、対象複合機という。)に対して、ユーザーAのログアウトを行う指示が送信される(ステップS6)。
【0062】
ステップS2において、複合機10aに対してユーザーAのログインが許可されていない場合(ステップS2;NO)、ステップS5において、ユーザーAがログインしている他の複合機10b,・・・,10nがない場合(ステップS5;NO)、又は、ステップS6の後、ログイン処理が終了する。
【0063】
図5は、複合機10a以外の複合機10b,・・・,10nのうち、複合機10bにおいて実行されるログアウト処理を示すフローチャートである。この処理は、複合機10aからユーザーAのログイン状態の問い合わせが行われた後に実行される処理であって、CPU11と、ROM12に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0064】
複合機10bでは、CPU11により、ユーザーAがログイン状態であるか否かが判断される(ステップS11)。ユーザーAがログイン状態でない場合には(ステップS11;NO)、そのまま処理が終了する。
【0065】
ステップS11において、ユーザーAがログイン状態である場合には(ステップS11;YES)、CPU11により、ネットワークI/F部20を介して、複合機10aに対して、ユーザーAがログイン状態である旨が通知される(ステップS12)。
【0066】
次に、CPU11により、ネットワークI/F部20を介して、複合機10aから、複合機10bにおいてユーザーAのログアウトを行う指示が受信されたか否かが判断される(ステップS13)。ユーザーAのログアウトを行う指示が受信されない状態で、操作部15から所定時間入力がない場合には、CPU11により、ユーザーAのログアウトが行われる。
【0067】
複合機10aから、複合機10bにおいてユーザーAのログアウトを行う指示が受信された場合には(ステップS13;YES)、CPU11により、ユーザーAについて実行中のジョブがあるか否かが判断される(ステップS14)。ユーザーAについて実行中のジョブがある場合には(ステップS14;YES)、そのジョブが完了するまで待機状態となる。
【0068】
ステップS14において、ユーザーAについて実行中のジョブがない場合には(ステップS14;NO)、CPU11により、記憶部14に記憶されている機能モード情報が参照され、複合機10bがFAXモード又はスキャンモードであるか否かが判断される(ステップS15)。複合機10bがFAXモード又はスキャンモードである場合には(ステップS15;YES)、CPU11により、ユーザーAのログアウトが行われる(ステップS18)。
【0069】
ステップS15において、複合機10bがFAXモード又はスキャンモードでない場合には(ステップS15;NO)、CPU11により、ログイン状態が維持される。そして、CPU11により、記憶部14に記憶されている設定情報が参照され、複合機10bがデフォルト設定と異なる状態であるか否かが判断される(ステップS16)。具体的には
、CPU11により、デフォルト値からの変更がある設定項目が一つ以上ある場合には、デフォルト設定と異なる状態であると判断される。一方、全ての設定項目についてデフォルト値からの変更がない場合には、デフォルト設定状態であると判断される。複合機10bがデフォルト設定状態である場合には(ステップS16;NO)、CPU11により、ユーザーAのログアウトが行われる(ステップS18)。
【0070】
ステップS16において、複合機10bがデフォルト設定と異なる状態である場合には(ステップS16;YES)、CPU11により、ログイン状態が維持される。そして、CPU11により、操作部15からの操作入力がないまま所定時間が経過したか否かが判断される(ステップS17)。操作部15からの操作入力がないまま所定時間が経過していない場合には(ステップS17;NO)、ステップS15に戻る。
【0071】
ステップS17において、操作部15からの操作入力がないまま所定時間が経過した場合には(ステップS17;YES)、CPU11により、ユーザーAのログアウトが行われる(ステップS18)。
以上で、複合機10bにおいて実行されるログアウト処理が終了する。
【0072】
なお、複合機10a以外の複合機10b,・・・,10nのうち、複合機10bを例に説明したが、他の複合機についても同様である。
【0073】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、ネットワークN下に複数の複合機10a,10b,・・・,10nが接続された環境において、ある複合機にログインしていたユーザーが別の複合機にログインした場合、新たにログインした複合機から先にログインしていた複合機に対してログアウトを行う指示を送信するので、複合機がログインされた状態で放置されることを防ぐことができ、セキュリティーの向上を図ることができる。
【0074】
また、新たにログインした複合機から他の全ての複合機に対して問い合わせを行うことにより、新たにログインした複合機と同一のユーザーが既にログインしている他の複合機があるか否かを判断することができる。
【0075】
また、ある複合機でジョブを実行中に、別の複合機にログインした場合、新たな複合機を使用しつつも、先にログインしていた複合機でのジョブは完了させたいはずであると考えられる。すなわち、先にログインしていた複合機においていきなりジョブを停止させてログアウトさせてしまうと、ユーザーに不利益を与えてしまう。第1の実施の形態によれば、ログアウトを行う指示を受信した複合機において、該当するユーザーのジョブを実行中である場合には、当該実行中のジョブが完了した後にログアウトを行うので、ジョブが完了しないままログアウトすることを防ぐことができる。
【0076】
また、ログアウトを行う指示を受信した他の複合機が所定の機能設定状態である場合には、ログイン状態を維持するので、他の複合機の状態に応じて、ログアウトするか否かを決定することができる。具体的には、他の複合機がデフォルト設定と異なる状態である場合には、ログイン状態を維持するので、他の複合機において設定変更がある場合には、その設定状態を維持することができる。
【0077】
また、FAXモード、スキャンモードが選択された状態で複合機が放置されると、他のユーザーに送信宛先情報が漏れるおそれがあるが、第1の実施の形態によれば、ログアウトを行う指示を受信した他の複合機がFAXモード又はスキャンモードの場合には、すぐにログアウトするので、送信宛先情報等が漏れるのを防ぐことができる。
【0078】
[変形例1]
次に、第1の実施の形態の変形例1について説明する。
第1の実施の形態では、一の複合機から一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、他の複合機がデフォルト設定と異なる状態であるときに、ログイン状態を維持することとしたが、変形例1では、一の複合機から一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、他の複合機において所定数(例えば「3」)以上の設定項目についてデフォルト値から変更されているときに、ログイン状態を維持する。この所定数については、任意に変更可能とする。その他の構成及び処理については、第1の実施の形態と同様である。
【0079】
図6は、一の複合機(複合機10aとする。)からユーザーAのログイン状態の問い合わせが行われた複合機(複合機10bとする。)において実行されるログアウト処理を示すフローチャートである。この処理は、CPU11と、ROM12に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0080】
図6のステップS21〜ステップS25の処理は、図5のステップS11〜ステップS15の処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS25において、複合機10bがFAXモード又はスキャンモードでない場合には(ステップS25;NO)、CPU11により、記憶部14に記憶されている設定情報が参照され、設定項目毎のデフォルト値からの変更の有無を示す情報に基づいて、複合機10bにおいて所定数以上の設定項目についてデフォルト値から変更があるか否かが判断される(ステップS26)。所定数以上の設定項目についてデフォルト値から変更がない場合には(ステップS26;NO)、CPU11により、ユーザーAのログアウトが行われる(ステップS28)。
【0081】
ステップS26において、所定数以上の設定項目についてデフォルト値から変更がある場合には(ステップS26;YES)、CPU11により、ログイン状態が維持される。そして、CPU11により、操作部15からの操作入力がないまま所定時間が経過したか否かが判断される(ステップS27)。操作部15からの操作入力がないまま所定時間が経過していない場合には(ステップS27;NO)、ステップS25に戻る。
【0082】
ステップS27において、操作部15からの操作入力がないまま所定時間が経過した場合には(ステップS27;YES)、CPU11により、ユーザーAのログアウトが行われる(ステップS28)。
以上で、変形例1におけるログアウト処理が終了する。
【0083】
以上説明したように、変形例1によれば、第1の実施の形態と同様の効果に加え、ログアウトを行う指示を受信した他の複合機が予め定められた数以上の設定項目についてデフォルト値から変更された状態である場合には、ログイン状態を維持するので、他の複合機において予め定められた数以上の設定項目について設定変更がある場合には、その設定状態を維持することができる。
【0084】
[変形例2]
次に、第1の実施の形態の変形例2について説明する。
第1の実施の形態では、一の複合機から一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、他の複合機がデフォルト設定と異なる状態であるときに、ログイン状態を維持することとしたが、変形例2では、一の複合機から一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、他の複合機において所定の設定項目についてデフォルト値から変更されているときに、ログイン状態を維持する。この所定の設定項目については、任意に変更可能とする。その他の構成及び処理については、第1の実施の形態と同様である。
【0085】
例えば、一のユーザーが既にログインしている他の複合機において、画質調整に関する設定項目について、デフォルト設定状態から変更がある場合には、ユーザーが望む画質になるように微調整した状態を無駄にしないように、ログアウト対象外とする。図7に、画質調整画面161の例を示す。画質調整画面161には、濃度設定領域P1、明度設定領域P2、コントラスト設定領域P3、彩度設定領域P4が含まれる。各設定領域P1〜P4では、濃度、明度、コントラスト、彩度のそれぞれについて、デフォルト値を中心として段階的に増加又は減少させることができる。
【0086】
また、一のユーザーが既にログインしている他の複合機において、複数の設定項目の組み合わせで成り立つ機能の設定が完了している場合には、複数の設定項目について設定した状態を無駄にしないように、ログアウト対象外とする。複数の設定項目の組み合わせで成り立つ機能として、拡大連写が挙げられる。
拡大連写とは、図8に示すように、原稿の画像をA0サイズやB0サイズ等、複合機にセットできる用紙サイズを超えるサイズに拡大コピーする機能をいう。原稿サイズとできあがりサイズ(拡大コピー後のサイズ)を指定してコピーすると、原稿の画像を分割したものが、それぞれ別々の用紙に拡大コピーされる。この分割画像のコピーをつなぎ合わせると、できあがりサイズの拡大コピーが完成する。例えば、A3サイズの用紙8枚に分割コピーし、この8枚をつなぎ合わせて、A0サイズのポスターを作ることができる。
【0087】
図9に、拡大連写設定画面162の例を示す。拡大連写設定画面162には、原稿サイズ設定領域Q1、使用用紙設定領域Q2、できあがり設定領域Q3が含まれる。原稿サイズ設定領域Q1は、原稿サイズを設定するための領域である。使用用紙設定領域Q2は、使用用紙(サイズ・紙種)を設定するための領域である。できあがり設定領域Q3は、画像サイズ、用紙サイズ又は倍率を指定することにより、拡大連写のできあがり状態を設定するための領域である。
【0088】
「できあがりの画像サイズ」が指定された場合には、原稿サイズ設定領域Q1で設定された原稿サイズの画像が、できあがり設定領域Q3で設定された画像サイズに拡大(変倍)される。例えば、A3(420×297mm)の原稿を、A3(420×297mm)の用紙を用いて、画像サイズB3(514×364mm)に変倍する場合、A3用紙4枚の上に、1.224倍(B3/A3)に拡大した画像が形成される。
【0089】
「できあがりの用紙サイズ」が指定された場合には、原稿サイズ設定領域Q1で設定された原稿サイズの画像が、できあがり設定領域Q3で設定された用紙サイズに拡大(変倍)される。例えば、レターサイズ(279.4×215.9mm)の原稿を、A3(420×297mm)の用紙を用いて、用紙サイズA2(594×420mm)に変倍する場合、A3用紙2枚の上に、画像がちょうど収まる倍率、すなわち、長辺方向の倍率(594/279.4=1.414倍)と短辺方向の倍率(420/215.9=1.945倍)のうち小さい方の倍率で拡大した画像が形成される。
【0090】
「倍率」が指定された場合には、できあがり設定領域Q3で設定された倍率の画像が、使用用紙設定領域Q2で設定された使用用紙を用いてちょうど収まるように形成される。例えば、A3(420×297mm)の原稿を、A3(420×297mm)の用紙を用いて、倍率2倍で変倍する場合、A3用紙4枚を組み合わせたA1(840×594mm)に拡大した画像が形成される。
【0091】
図10は、一の複合機(複合機10aとする。)からユーザーAのログイン状態の問い合わせが行われた複合機(複合機10bとする。)において実行されるログアウト処理を示すフローチャートである。この処理は、CPU11と、ROM12に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0092】
図10のステップS31〜ステップS35の処理は、図5のステップS11〜ステップS15の処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS35において、複合機10bがFAXモード又はスキャンモードでない場合には(ステップS35;NO)、CPU11により、記憶部14に記憶されている設定情報が参照され、設定項目毎のデフォルト値からの変更の有無を示す情報に基づいて、複合機10bにおいて所定の設定項目についてデフォルト値から変更があるか否かが判断される(ステップS36)。例えば、画質調整に関する設定項目、拡大連写等の複数の設定項目の組み合わせで成り立つ設定項目について、デフォルト値から変更があるか否かが判断される。所定の設定項目についてデフォルト値から変更がない場合には(ステップS36;NO)、CPU11により、ユーザーAのログアウトが行われる(ステップS38)。
【0093】
ステップS36において、所定の設定項目についてデフォルト値から変更がある場合には(ステップS36;YES)、CPU11により、ログイン状態が維持される。そして、CPU11により、操作部15からの操作入力がないまま所定時間が経過したか否かが判断される(ステップS37)。操作部15からの操作入力がないまま所定時間が経過していない場合には(ステップS37;NO)、ステップS35に戻る。
【0094】
ステップS37において、操作部15からの操作入力がないまま所定時間が経過した場合には(ステップS37;YES)、CPU11により、ユーザーAのログアウトが行われる(ステップS38)。
以上で、変形例2におけるログアウト処理が終了する。
【0095】
以上説明したように、変形例2によれば、第1の実施の形態と同様の効果に加え、ログアウトを行う指示を受信した他の複合機が予め定められた設定項目についてデフォルト値から変更された状態である場合には、ログイン状態を維持するので、他の複合機において予め定められた設定項目について設定変更がある場合には、その設定状態を維持することができる。
【0096】
[第2の実施の形態]
次に、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。
図11に、第2の実施の形態の画像形成システム200のシステム構成を示す。図11に示すように、画像形成システム200は、画像形成装置としての複合機10a,10b,・・・,10nと、サーバー40と、がネットワークNを介してデータ通信可能に接続されて構成されている。
【0097】
複合機10a,10b,・・・,10nについては、第1の認証情報をサーバー40が管理する点が異なるが、他の構成については第1の実施の形態と同様であるため、図2を援用し、その構成については図示及び説明を省略する。以下、第2の実施の形態に特徴的な構成及び処理について説明する。
【0098】
第2の制御部としての複合機10aのCPU11は、ネットワークI/F部20を介して、操作部15から入力された第2の認証情報をサーバー40に送信する。
複合機10aのCPU11は、ネットワークI/F部20を介して、サーバー40から受信された認証結果に基づいて、複合機10aに対するログインを許可するか否かを判断する。
【0099】
複合機10aのCPU11は、複合機10aにおいてユーザーがログイン又はログアウトした場合に、ネットワークI/F部20を介して、複合機10aにおいてユーザーがログイン又はログアウトした旨の情報をサーバー40に送信する。
【0100】
複合機10aのCPU11は、ネットワークI/F部20を介して、サーバー40から一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、一のユーザーのジョブを実行中であるか否かを判断し、一のユーザーのジョブを実行中である場合には、当該実行中のジョブが完了した後に、一のユーザーのログアウトを行う。
【0101】
複合機10aのCPU11は、ネットワークI/F部20を介して、サーバー40から一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、複合機10a(自装置)が所定の機能設定状態であるか否かを判断し、複合機10aが所定の機能設定状態である場合には、ログイン状態を維持する。例えば、CPU11は、複合機10aがデフォルト設定と異なる状態である場合には、ログイン状態を維持する。
【0102】
複合機10a以外の複合機10b,・・・,10nについても、複合機10aと同様の構成であるため、同一の符号を用い、説明を省略する。
【0103】
サーバー40は、一般のPC(Personal Computer)により構成される。
図12に、サーバー40の機能的構成を示す。図12に示すように、サーバー40は、第1の制御部としてのCPU41、ROM42、RAM43、記憶部44、操作部45、表示部46、ネットワークI/F部47等を備えて構成され、各部はバス48により接続されている。
【0104】
CPU41は、サーバー40の各部の処理動作を統括的に制御する。CPU41は、ROM42又は記憶部44に格納されている各種処理プログラムを読み出してRAM43に展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を実行する。
【0105】
ROM42は、不揮発性の半導体メモリ等により構成され、各種処理プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等を記憶している。
【0106】
RAM43は、CPU41により実行される各種処理プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0107】
記憶部44は、不揮発性の半導体メモリやハードディスク等の記憶装置からなり、各種処理プログラムや各種処理に関するデータ等を記憶する。
記憶部44には、予め各複合機10a,10b,・・・,10nにログインを許可されたユーザー(登録ユーザー)に対応する第1の認証情報(ユーザー名、パスワード)が記憶されている。
また、記憶部44には、複数の複合機10a,10b,・・・,10nのそれぞれに対するユーザーのログイン状態を示すログイン状態情報が記憶されている。ログイン状態情報には、複合機毎に、ログインしているユーザーの有無を示す情報、ログインしているユーザーがいる場合にはそのユーザー名が含まれる。
【0108】
操作部45は、カーソルキー、文字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、ユーザーによる操作入力を受け付ける。操作部45は、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号をCPU41に出力する。
【0109】
表示部46は、LCDを備え、CPU41から入力される表示信号に従って、各種操作画面や各種処理結果を表示する。
【0110】
ネットワークI/F部47は、ネットワークNを介して外部装置との間でデータの送受
信を行う。
【0111】
CPU41は、ネットワークI/F部47を介して複数の複合機10a,10b,・・・,10nのうちいずれかの複合機から受信された第2の認証情報が記憶部44に記憶されている第1の認証情報と一致したか否かを示す認証結果を、第2の認証情報の送信元の複合機に送信する。
【0112】
CPU41は、ネットワークI/F部47を介して複数の複合機10a,10b,・・・,10nのうちいずれかの複合機から受信された当該複合機においてユーザーがログイン又はログアウトした旨の情報に基づいて、記憶部44に記憶されているログイン状態情報を更新する。
【0113】
CPU41は、ネットワークI/F部47を介して複数の複合機10a,10b,・・・,10nのうちいずれかの複合機から受信された一のユーザーの第2の認証情報が記憶部44に記憶されている第1の認証情報と一致した場合に、一のユーザーが既にログインしている他の複合機があるか否かを判断する。具体的には、CPU41は、記憶部44に記憶されている複合機毎のログイン状態情報に基づいて、一のユーザーが既にログインしている他の複合機があるか否かを判断する。
CPU41は、一のユーザーが既にログインしている他の複合機がある場合には、ネットワークI/F部47を介して当該他の複合機に対し、一のユーザーのログアウトを行う指示を送信する。
【0114】
次に、画像形成システム200における動作について説明する。
ここでは、ユーザーAが新たに複合機10aにログインする場合を例にして説明する。
【0115】
図13は、複合機10aにおいて実行されるログイン処理を示すフローチャートである。この処理は、CPU11と、ROM12に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0116】
まず、ユーザーの操作部15からの操作により、ユーザーAのユーザー名及びパスワード(第2の認証情報)が入力されると(ステップS41)、CPU11により、ネットワークI/F部20を介して、操作部15から入力されたユーザーAのログイン入力情報(第2の認証情報)がサーバー40に送信される(ステップS42)。
【0117】
次に、CPU11により、ネットワークI/F部20を介して、ユーザーAの認証結果がサーバー40から受信されると(ステップS43)、CPU11により、複合機10aに対してユーザーAのログインが許可されているか否かが判断される(ステップS44)。具体的には、CPU11により、サーバー40から受信された認証結果に基づいて、ユーザーAに、複合機10aに対するログインを許可するか否かが判断される。
【0118】
複合機10aに対してユーザーAのログインが許可されている場合には(ステップS44;YES)、CPU11により、ユーザーAの複合機10aに対するログインが行われ(ステップS45)、ネットワークI/F部20を介して、複合機10aにユーザーAがログインした旨の情報がサーバー40に通知される(ステップS46)。
【0119】
ステップS44において、複合機10aに対してユーザーAのログインが許可されていない場合(ステップS44;NO)、又は、ステップS46の後、ログイン処理が終了する。
【0120】
図14は、サーバー40において実行されるログイン状態管理処理を示すフローチャー
トである。この処理は、CPU41と、記憶部44に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0121】
ネットワークI/F部47により、複数の複合機10a,10b,・・・,10nのうちいずれかの複合機から、当該複合機において、あるユーザーがログインした旨の情報が受信されると(ステップS51;YES)、CPU41により、記憶部44に記憶されている当該複合機のログイン状態情報が更新される(ステップS52)。具体的には、CPU41により、当該複合機のログイン状態情報に含まれる「ログインしているユーザーの有無を示す情報」が「ログインユーザーあり」に変更され、当該複合機にログインしているユーザーのユーザー名が追加される。
【0122】
ステップS51において、あるユーザーがログインした旨の情報が受信されない場合(ステップS51;NO)、又は、ステップS52の後、ネットワークI/F部47により、複数の複合機10a,10b,・・・,10nのうちいずれかの複合機から、当該複合機において、あるユーザーがログアウトした旨の情報が受信されると(ステップS53;YES)、CPU41により、記憶部44に記憶されている当該複合機のログイン状態情報が更新される(ステップS54)。具体的には、CPU41により、当該複合機のログイン状態情報に含まれる「ログインしているユーザーの有無を示す情報」が「ログインユーザーなし」に変更され、当該複合機にログインしていたユーザーのユーザー名が削除される。
【0123】
ステップS53において、あるユーザーがログアウトした旨の情報が受信されない場合(ステップS53;NO)、又は、ステップS54の後、ステップS51に戻り、処理が繰り返される。
【0124】
図15は、サーバー40において実行されるログアウト指示処理を示すフローチャートである。この処理は、複合機10aにおいてユーザーAがログインする際に実行される処理であって、CPU41と、記憶部44に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0125】
まず、ネットワークI/F部47により、ユーザーAのログイン入力情報(第2の認証情報)が複合機10aから受信されると(ステップS61;YES)、CPU41により、ユーザーAの認証判断が行われる(ステップS62)。具体的には、CPU41により、複合機10aから受信された第2の認証情報と、記憶部44に記憶されている第1の認証情報と、の間で一致するものがあるか否かが判断される。
【0126】
次に、CPU41により、ネットワークI/F部47を介して、ユーザーAの認証結果が、ログイン入力情報の送信元の複合機10aに通知される(ステップS63)。
【0127】
次に、CPU41により、ユーザーAのログインが許可されているか否かが判断される(ステップS64)。ユーザーAのログインが許可されている場合(ステップS64;YES)、すなわち、複合機10aから受信された第2の認証情報が記憶部44に記憶されている第1の認証情報と一致した場合には、CPU41により、記憶部44に記憶されているログイン状態情報に基づいて、ユーザーAが既にログインしている他の複合機10b,・・・,10nがあるか否かが判断される(ステップS65)。
【0128】
ユーザーAがログインしている他の複合機10b,・・・,10nがある場合には(ステップS65;YES)、CPU41により、ネットワークI/F部47を介して、ユーザーAがログインしている対象複合機に対して、ユーザーAのログアウトを行う指示が送信される(ステップS66)。
【0129】
ステップS61において、ユーザーAのログイン入力情報が複合機10aから受信されない場合(ステップS61;NO)、ステップS64において、ユーザーAのログインが許可されていない場合(ステップS64;NO)、ステップS65において、ユーザーAがログインしている他の複合機10b,・・・,10nがない場合(ステップS65;NO)、又は、ステップS66の後、ログアウト指示処理が終了する。
【0130】
図16は、複合機10a以外の複合機10b,・・・,10nのうち、ユーザーAが複合機10aにログインする前に既にユーザーAがログインしていた複合機(ここでは、複合機10bを例にして説明する。)において実行されるログアウト処理を示すフローチャートである。この処理は、CPU11と、ROM12に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0131】
まず、CPU11により、ネットワークI/F部20を介して、サーバー40から、複合機10bにおいてユーザーAのログアウトを行う指示が受信されたか否かが判断される(ステップS71)。ユーザーAのログアウトを行う指示が受信されない状態で、操作部15から所定時間入力がない場合には、CPU11により、ユーザーAのログアウトが行われる。
【0132】
サーバー40から、複合機10bにおいてユーザーAのログアウトを行う指示が受信された場合には(ステップS71;YES)、CPU11により、ユーザーAについて実行中のジョブがあるか否かが判断される(ステップS72)。ユーザーAについて実行中のジョブがある場合には(ステップS72;YES)、そのジョブが完了するまで待機状態となる。
【0133】
ステップS72において、ユーザーAについて実行中のジョブがない場合には(ステップS72;NO)、CPU11により、記憶部14に記憶されている機能モード情報が参照され、複合機10bがFAXモード又はスキャンモードであるか否かが判断される(ステップS73)。複合機10bがFAXモード又はスキャンモードである場合には(ステップS73;YES)、CPU11により、ユーザーAのログアウトが行われる(ステップS76)。
【0134】
ステップS73において、複合機10bがFAXモード又はスキャンモードでない場合には(ステップS73;NO)、CPU11により、ログイン状態が維持される。そして、CPU11により、記憶部14に記憶されている設定情報が参照され、複合機10bがデフォルト設定と異なる状態であるか否かが判断される(ステップS74)。具体的には、CPU11により、デフォルト値からの変更がある設定項目が一つ以上ある場合には、デフォルト設定と異なる状態であると判断される。一方、全ての設定項目についてデフォルト値からの変更がない場合には、デフォルト設定状態であると判断される。複合機10bがデフォルト設定状態である場合には(ステップS74;NO)、CPU11により、ユーザーAのログアウトが行われる(ステップS76)。
【0135】
ステップS74において、複合機10bがデフォルト設定と異なる状態である場合には(ステップS74;YES)、CPU11により、ログイン状態が維持される。そして、CPU11により、操作部15からの操作入力がないまま所定時間が経過したか否かが判断される(ステップS75)。操作部15からの操作入力がないまま所定時間が経過していない場合には(ステップS75;NO)、ステップS73に戻る。
【0136】
ステップS75において、操作部15からの操作入力がないまま所定時間が経過した場合には(ステップS75;YES)、CPU11により、ユーザーAのログアウトが行わ
れる(ステップS76)。
【0137】
ステップS76の後、CPU11により、ネットワークI/F部20を介して、複合機10bからユーザーAがログアウトした旨の情報がサーバー40に通知される(ステップS77)。
以上で、複合機10bにおいて実行されるログアウト処理が終了する。
【0138】
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、サーバー40において、複数の複合機10a,10b,・・・,10nのうち一の複合機から受信された一のユーザーの第2の認証情報がサーバー40の記憶部44に記憶されている第1の認証情報と一致した場合に、一のユーザーが既にログインしている他の複合機に対し、一のユーザーのログアウトを行う指示を送信するので、他の複合機がログインされた状態で放置されることを防ぐことができ、セキュリティーの向上を図ることができる。
【0139】
また、サーバー40は、記憶部44に記憶されているログイン状態情報に基づいて、一のユーザーが既にログインしている他の複合機があるか否かを判断することができる。
【0140】
また、ログアウトを行う指示を受信した複合機において、該当するユーザーのジョブを実行中である場合には、当該実行中のジョブが完了した後にログアウトを行うので、ジョブが完了しないままログアウトすることを防ぐことができる。
【0141】
また、ログアウトを行う指示を受信した他の複合機が所定の機能設定状態である場合には、ログイン状態を維持するので、他の複合機の状態に応じて、ログアウトするか否かを決定することができる。具体的には、他の複合機がデフォルト設定と異なる状態である場合には、ログイン状態を維持するので、他の複合機において設定変更がある場合には、その設定状態を維持することができる。
【0142】
[変形例1]
次に、第2の実施の形態の変形例1について説明する。
第2の実施の形態では、サーバー40から一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、他の複合機がデフォルト設定と異なる状態であるときに、ログイン状態を維持することとしたが、変形例1では、サーバー40から一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、他の複合機において所定数以上の設定項目についてデフォルト値から変更されているときに、ログイン状態を維持する。この所定数については、任意に変更可能とする。その他の構成及び処理については、第2の実施の形態と同様である。
【0143】
図17は、複合機10a以外の複合機10b,・・・,10nのうち、ユーザーAが複合機10aにログインする前に既にユーザーAがログインしていた複合機(ここでは、複合機10bを例にして説明する。)において実行されるログアウト処理を示すフローチャートである。この処理は、CPU11と、ROM12に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0144】
図17のステップS81〜ステップS83の処理は、図16のステップS71〜ステップS73の処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS83において、複合機10bがFAXモード又はスキャンモードでない場合には(ステップS83;NO)、CPU11により、記憶部14に記憶されている設定情報が参照され、設定項目毎のデフォルト値からの変更の有無を示す情報に基づいて、複合機10bにおいて所定数以上の設定項目についてデフォルト値から変更があるか否かが判断される(ステップS84)。所定数以上の設定項目についてデフォルト値から変更がない場合には(ステップS84;NO)、CPU11により、ユーザーAのログアウトが行
われる(ステップS86)。
【0145】
ステップS84において、所定数以上の設定項目についてデフォルト値から変更がある場合には(ステップS84;YES)、CPU11により、ログイン状態が維持され、ステップS85に移行する。
図17のステップS85〜ステップS87の処理は、図16のステップS75〜ステップS77の処理と同様であるため、説明を省略する。
以上で、変形例1におけるログアウト処理が終了する。
【0146】
以上説明したように、変形例1によれば、第2の実施の形態と同様の効果に加え、ログアウトを行う指示を受信した他の複合機が予め定められた数以上の設定項目についてデフォルト値から変更された状態である場合には、ログイン状態を維持するので、他の複合機において予め定められた数以上の設定項目について設定変更がある場合には、その設定状態を維持することができる。
【0147】
[変形例2]
次に、第2の実施の形態の変形例2について説明する。
第2の実施の形態では、サーバー40から一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、他の複合機がデフォルト設定と異なる状態であるときに、ログイン状態を維持することとしたが、変形例2では、サーバー40から一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、他の複合機において所定の設定項目についてデフォルト値から変更されているときに、ログイン状態を維持する。この所定の設定項目については、任意に変更可能とする。その他の構成及び処理については、第2の実施の形態と同様である。
【0148】
図18は、複合機10a以外の複合機10b,・・・,10nのうち、ユーザーAが複合機10aにログインする前に既にユーザーAがログインしていた複合機(ここでは、複合機10bを例にして説明する。)において実行されるログアウト処理を示すフローチャートである。この処理は、CPU11と、ROM12に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0149】
図18のステップS91〜ステップS93の処理は、図16のステップS71〜ステップS73の処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS93において、複合機10bがFAXモード又はスキャンモードでない場合には(ステップS93;NO)、CPU11により、記憶部14に記憶されている設定情報が参照され、設定項目毎のデフォルト値からの変更の有無を示す情報に基づいて、複合機10bにおいて所定の設定項目についてデフォルト値から変更があるか否かが判断される(ステップS94)。所定の設定項目についてデフォルト値から変更がない場合には(ステップS94;NO)、CPU11により、ユーザーAのログアウトが行われる(ステップS96)。
【0150】
ステップS94において、所定の設定項目についてデフォルト値から変更がある場合には(ステップS94;YES)、CPU11により、ログイン状態が維持され、ステップS95に移行する。
図18のステップS95〜ステップS97の処理は、図16のステップS75〜ステップS77の処理と同様であるため、説明を省略する。
以上で、変形例2におけるログアウト処理が終了する。
【0151】
以上説明したように、変形例2によれば、第2の実施の形態と同様の効果に加え、ログアウトを行う指示を受信した他の複合機が予め定められた設定項目についてデフォルト値から変更された状態である場合には、ログイン状態を維持するので、他の複合機において
予め定められた設定項目について設定変更がある場合には、その設定状態を維持することができる。
【0152】
なお、第2の実施の形態、第2の実施の形態の変形例1及び2では、各複合機10a,10b,・・・,10nにおいてログイン又はログアウトが行われた場合に、各複合機からその都度サーバー40に通知することとしたが、サーバー40において、いずれかの複合機から受信された一のユーザーの第2の認証情報が記憶部44に記憶されている第1の認証情報と一致した場合に、他の全ての複合機に対して一のユーザーのログイン状態を問い合わせることとしてもよい。
【0153】
また、上記各実施の形態における記述は、本発明に係る画像形成システムの例であり、これに限定されるものではない。システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0154】
例えば、画像形成システム内の複合機毎に、ログインを許可されているユーザーの組み合わせが異なることとしてもよい。
【0155】
以上の説明では、各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体として半導体メモリやハードディスク等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
【符号の説明】
【0156】
10a,10b,・・・,10n 複合機
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 記憶部
15 操作部
16 表示部
17 画像読取部
18 画像形成部
19 後処理部
20 ネットワークI/F部
21 USB I/F部
22 公衆回線I/F部
40 サーバー
41 CPU
42 ROM
43 RAM
44 記憶部
45 操作部
46 表示部
47 ネットワークI/F部
100 画像形成システム
200 画像形成システム
N ネットワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像形成装置がネットワークを介してデータ通信可能に接続されている画像形成システムであって、
前記複数の画像形成装置のそれぞれは、
当該画像形成装置にログインを許可されたユーザーに対応する第1の認証情報を記憶する記憶部と、
第2の認証情報を入力するための操作部と、
前記操作部から入力された第2の認証情報が前記記憶部に記憶されている第1の認証情報と一致した場合に、当該画像形成装置に対するログインを許可する制御部と、
を備え、
一のユーザーが前記複数の画像形成装置のうち一の画像形成装置にログインした場合に、
当該一の画像形成装置の制御部は、
前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置があるか否かを判断し、
前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置がある場合には、当該他の画像形成装置に対し、前記一のユーザーのログアウトを行う指示を送信する画像形成システム。
【請求項2】
前記一の画像形成装置の制御部は、
前記複数の画像形成装置のうち他の全ての画像形成装置に対して前記一のユーザーがログインしているか否かの問い合わせを行った結果に基づいて、前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置があるか否かを判断する、
請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記他の画像形成装置の制御部は、
前記一の画像形成装置から前記一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、前記一のユーザーのジョブを実行中であるか否かを判断し、
前記一のユーザーのジョブを実行中である場合には、当該実行中のジョブが完了した後に、前記一のユーザーのログアウトを行う、
請求項1又は2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記他の画像形成装置の制御部は、
前記一の画像形成装置から前記一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、前記他の画像形成装置が所定の機能設定状態であるか否かを判断し、
前記他の画像形成装置が所定の機能設定状態である場合には、ログイン状態を維持する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記所定の機能設定状態は、デフォルト設定と異なる状態である、
請求項4に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記所定の機能設定状態は、予め定められた数以上の設定項目についてデフォルト値から変更された状態である、
請求項4に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記所定の機能設定状態は、予め定められた設定項目についてデフォルト値から変更された状態である、
請求項4に記載の画像形成システム。
【請求項8】
複数の画像形成装置と、サーバーと、がネットワークを介してデータ通信可能に接続されている画像形成システムであって、
前記サーバーは、
前記複数の画像形成装置のそれぞれにログインを許可されたユーザーに対応する第1の認証情報を記憶する記憶部と、
前記複数の画像形成装置のうちいずれかの画像形成装置から受信された第2の認証情報が前記記憶部に記憶されている第1の認証情報と一致したか否かを示す認証結果を前記第2の認証情報の送信元の画像形成装置に送信する第1の制御部と、
を備え、
前記複数の画像形成装置のそれぞれは、
前記第2の認証情報を入力するための操作部と、
前記操作部から入力された第2の認証情報を前記サーバーに送信し、
前記サーバーから受信された認証結果に基づいて、当該画像形成装置に対するログインを許可するか否かを判断する第2の制御部と、
を備え、
前記第1の制御部は、
前記複数の画像形成装置のうち一の画像形成装置から受信された一のユーザーの第2の認証情報が前記記憶部に記憶されている第1の認証情報と一致した場合に、前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置があるか否かを判断し、
前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置がある場合には、当該他の画像形成装置に対し、前記一のユーザーのログアウトを行う指示を送信する画像形成システム。
【請求項9】
前記サーバーは、
前記複数の画像形成装置のそれぞれに対するユーザーのログイン状態を示すログイン状態情報を記憶する第2の記憶部を備え、
前記複数の画像形成装置のそれぞれの第2の制御部は、
当該画像形成装置においてユーザーがログイン又はログアウトした旨の情報を前記サーバーに送信し、
前記第1の制御部は、
前記複数の画像形成装置のうちいずれかの画像形成装置から受信された当該画像形成装置においてユーザーがログイン又はログアウトした旨の情報に基づいて、前記第2の記憶部に記憶されているログイン状態情報を更新し、
前記第2の記憶部に記憶されているログイン状態情報に基づいて、前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置があるか否かを判断する、
請求項8に記載の画像形成システム。
【請求項10】
前記他の画像形成装置の第2の制御部は、
前記サーバーから前記一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、前記一のユーザーのジョブを実行中であるか否かを判断し、
前記一のユーザーのジョブを実行中である場合には、当該実行中のジョブが完了した後に、前記一のユーザーのログアウトを行う、
請求項8又は9に記載の画像形成システム。
【請求項11】
前記他の画像形成装置の第2の制御部は、
前記サーバーから前記一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、前記他の画像形成装置が所定の機能設定状態であるか否かを判断し、
前記他の画像形成装置が所定の機能設定状態である場合には、ログイン状態を維持する、
請求項8から10のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項12】
前記所定の機能設定状態は、デフォルト設定と異なる状態である、
請求項11に記載の画像形成システム。
【請求項13】
前記所定の機能設定状態は、予め定められた数以上の設定項目についてデフォルト値から変更された状態である、
請求項11に記載の画像形成システム。
【請求項14】
前記所定の機能設定状態は、予め定められた設定項目についてデフォルト値から変更された状態である、
請求項11に記載の画像形成システム。
【請求項1】
複数の画像形成装置がネットワークを介してデータ通信可能に接続されている画像形成システムであって、
前記複数の画像形成装置のそれぞれは、
当該画像形成装置にログインを許可されたユーザーに対応する第1の認証情報を記憶する記憶部と、
第2の認証情報を入力するための操作部と、
前記操作部から入力された第2の認証情報が前記記憶部に記憶されている第1の認証情報と一致した場合に、当該画像形成装置に対するログインを許可する制御部と、
を備え、
一のユーザーが前記複数の画像形成装置のうち一の画像形成装置にログインした場合に、
当該一の画像形成装置の制御部は、
前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置があるか否かを判断し、
前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置がある場合には、当該他の画像形成装置に対し、前記一のユーザーのログアウトを行う指示を送信する画像形成システム。
【請求項2】
前記一の画像形成装置の制御部は、
前記複数の画像形成装置のうち他の全ての画像形成装置に対して前記一のユーザーがログインしているか否かの問い合わせを行った結果に基づいて、前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置があるか否かを判断する、
請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記他の画像形成装置の制御部は、
前記一の画像形成装置から前記一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、前記一のユーザーのジョブを実行中であるか否かを判断し、
前記一のユーザーのジョブを実行中である場合には、当該実行中のジョブが完了した後に、前記一のユーザーのログアウトを行う、
請求項1又は2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記他の画像形成装置の制御部は、
前記一の画像形成装置から前記一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、前記他の画像形成装置が所定の機能設定状態であるか否かを判断し、
前記他の画像形成装置が所定の機能設定状態である場合には、ログイン状態を維持する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記所定の機能設定状態は、デフォルト設定と異なる状態である、
請求項4に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記所定の機能設定状態は、予め定められた数以上の設定項目についてデフォルト値から変更された状態である、
請求項4に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記所定の機能設定状態は、予め定められた設定項目についてデフォルト値から変更された状態である、
請求項4に記載の画像形成システム。
【請求項8】
複数の画像形成装置と、サーバーと、がネットワークを介してデータ通信可能に接続されている画像形成システムであって、
前記サーバーは、
前記複数の画像形成装置のそれぞれにログインを許可されたユーザーに対応する第1の認証情報を記憶する記憶部と、
前記複数の画像形成装置のうちいずれかの画像形成装置から受信された第2の認証情報が前記記憶部に記憶されている第1の認証情報と一致したか否かを示す認証結果を前記第2の認証情報の送信元の画像形成装置に送信する第1の制御部と、
を備え、
前記複数の画像形成装置のそれぞれは、
前記第2の認証情報を入力するための操作部と、
前記操作部から入力された第2の認証情報を前記サーバーに送信し、
前記サーバーから受信された認証結果に基づいて、当該画像形成装置に対するログインを許可するか否かを判断する第2の制御部と、
を備え、
前記第1の制御部は、
前記複数の画像形成装置のうち一の画像形成装置から受信された一のユーザーの第2の認証情報が前記記憶部に記憶されている第1の認証情報と一致した場合に、前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置があるか否かを判断し、
前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置がある場合には、当該他の画像形成装置に対し、前記一のユーザーのログアウトを行う指示を送信する画像形成システム。
【請求項9】
前記サーバーは、
前記複数の画像形成装置のそれぞれに対するユーザーのログイン状態を示すログイン状態情報を記憶する第2の記憶部を備え、
前記複数の画像形成装置のそれぞれの第2の制御部は、
当該画像形成装置においてユーザーがログイン又はログアウトした旨の情報を前記サーバーに送信し、
前記第1の制御部は、
前記複数の画像形成装置のうちいずれかの画像形成装置から受信された当該画像形成装置においてユーザーがログイン又はログアウトした旨の情報に基づいて、前記第2の記憶部に記憶されているログイン状態情報を更新し、
前記第2の記憶部に記憶されているログイン状態情報に基づいて、前記一のユーザーが既にログインしている他の画像形成装置があるか否かを判断する、
請求項8に記載の画像形成システム。
【請求項10】
前記他の画像形成装置の第2の制御部は、
前記サーバーから前記一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、前記一のユーザーのジョブを実行中であるか否かを判断し、
前記一のユーザーのジョブを実行中である場合には、当該実行中のジョブが完了した後に、前記一のユーザーのログアウトを行う、
請求項8又は9に記載の画像形成システム。
【請求項11】
前記他の画像形成装置の第2の制御部は、
前記サーバーから前記一のユーザーのログアウトを行う指示を受信した場合に、前記他の画像形成装置が所定の機能設定状態であるか否かを判断し、
前記他の画像形成装置が所定の機能設定状態である場合には、ログイン状態を維持する、
請求項8から10のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項12】
前記所定の機能設定状態は、デフォルト設定と異なる状態である、
請求項11に記載の画像形成システム。
【請求項13】
前記所定の機能設定状態は、予め定められた数以上の設定項目についてデフォルト値から変更された状態である、
請求項11に記載の画像形成システム。
【請求項14】
前記所定の機能設定状態は、予め定められた設定項目についてデフォルト値から変更された状態である、
請求項11に記載の画像形成システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−252615(P2012−252615A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125902(P2011−125902)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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