説明

画像形成ユニット及びそれを装着可能な画像形成装置

【課題】出荷時に画像形成部材のCセット変形の発生等を防止するとともに、離間部材の除去忘を防止する。
【解決手段】画像形成装置に着脱可能な画像形成ユニットであって、感光体となる感光ドラム2と、該感光ドラム2に当接して画像形成処理の少なくとも一部を行う画像形成部材となる帯電ローラ3と、該帯電ローラ3を感光ドラム2から離間させる離間部材100と、帯電ローラ3が感光ドラム2に当接するように画像形成装置から入力された駆動力を離間部材100へ伝達することにより該離間部材100を退避させる退避手段となる軸の両端に設けられたギア30と、該軸の両端に設けられたギア30により退避した離間部材100が該軸の両端に設けられたギア30と再度駆動連結しないように離間部材100の位置を維持する維持手段となるドラムギアとを有する構成としたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真プロセスを用いる複写機、レーザビームプリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に装着される画像形成ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザビームプリンタ等の画像形成装置においては、レーザ光等によって描かれた潜像を現像せしめる現像装置を備える。そして、現像装置により現像されたトナー像を記録材に転写せしめる転写手段と、転写されたトナー像を記録材上に定着せしめる定着器とを備えたものが主流となっている。図1はその代表例としての従来のレーザビームプリンタである。以下、図1のレーザビームプリンタの構成部品を説明する。画像形成装置となるプリンタ本体内には、レーザスキャナ1、感光ドラム2と、帯電ローラ3と現像ローラ4を含む印字プロセスユニット5、転写ローラ6、定着器7、搬送ローラ対8、給送カセット9と給送ローラ10等が設置されている。
【0003】
給送カセット9内に積載収納されたシート状の記録材Pは、図1の反時計方向に回転する給送ローラ10により給送され、搬送板金11に導かれて搬送ローラ対8のニップ部へ送られる。次いで、記録材Pは搬送ローラ対8によって感光ドラム2と転写ローラ6との間に送られる。感光ドラム2は図1の時計方向に回転しており、帯電ローラ3で所望の電位に帯電されている。そして、その外周面には、レーザスキャナ1のレーザ光Lにより静電潜像が順次形成され、続いてその静電潜像が現像ローラ4で現像され、トナー像が形成される。感光ドラム2と転写ローラ6との間に送られた記録材Pには、感光ドラム2上のトナー像が転写ローラ6により順次転写される。転写時に感光ドラム2上に残ったトナーや紙紛等はクリーニング部材12により取り除かれる。
【0004】
このようにしてトナー像が転写された記録材Pは、定着器7へ送られ、ここで加熱、加圧されてトナー像が記録材Pに定着する。その後、記録材Pは定着排出搬送ローラ対13により排出ローラ14へ送られ、次いで該排出ローラ14によりプリンタ本体上面の排出トレイ15上に排出される。そして、この従来のレーザビームプリンタでは、プロセスカートリッジである印字プロセスユニット5、定着器7等のユニットは、消耗部品であり、その製品のライフの中に数回の交換が必要である。上述した定着器7としては、熱ローラ方式やフィルム加熱方式の装置が広く用いられている。
【0005】
図2は従来の画像形成装置の転写部の側面図を示している。図2に示す2は、アルミシリンダ表面に有機感光体(OPC)層を設けた感光ドラムである。感光ドラム2は、帯電ローラ3により均一帯電された後、像露光されて潜像を形成し、現像ローラ4により反転現像を行うことでその表面にトナー像を形成する。トナー像は、転写ガイド16に沿って搬送されてきた紙等の記録材Pに転写される。転写は、金属製の芯金17上に導電性の弾性層18を有した転写ローラ6に高圧電源19よりトナー像の帯電極性と逆極性の電圧を印加することにより感光ドラム2と転写ローラ6とで形成する転写ニップNで行われる。転写ローラ6に印加する電圧は、CPU(中央演算装置)20で転写ローラ6の抵抗値によってその大小を変更したり、転写時と非転写時又は停止時にその大きさを切り替えて制御する。
【0006】
昨今では、画像形成装置にプロセスカートリッジを装着した状態で、輸送してユーザへ提供するカートリッジ装着同梱包が主流となってきている。この場合、画像形成装置の出荷時からエンドユーザへ届くまでの間、長期間、画像形成装置が使用されない。プロセスカートリッジが装着された状態で、画像形成装置が長期間使用されない場合、プロセスカートリッジ内では感光ドラム2と帯電ローラ3間において下記のような問題が発生する。
【0007】
(1)感光ドラム2の汚染
帯電ローラ3内に存在する材料ゴムの低分子量成分や加硫剤・可塑剤等が転写ローラ6表面に滲出する。帯電ローラ3が感光ドラム2と圧接固定した状態のまま長時間置かれた場合、感光ドラム2表面に滲出した物質が付着して画像を乱す。又、ひどい場合には感光ドラム2表面が反応・改質されて白化してしまい、以降の画像を全て乱してしまうという問題がある。
【0008】
(2)帯電ローラ3のCセット変形
帯電ローラ3は感光ドラム2という剛体に弾性ローラの同一箇所を長時間押し付けるため、弾性部材が局部的に永久変形して、断面C形状に変形する(以下、「Cセット変形」という)が発生する。このCセット変形は、帯電不良の原因になり、又、Cセット変形したフラット部分が一瞬早く回転するため、高印字率の画像においては、ローラ周期で横スジが発生するようになる。更に、プロセスカートリッジ装着同梱包本体は、輸送時において、高温高湿環境等、苛酷な環境に置かれることもしばしばあり、上記の問題点はより顕著に発生し易くなっている。そのため、感光ドラム2とCセット変形する可能性の有る帯電ローラ3との間にシート材を挟んだり、スペーサを挿入することにより感光ドラム2と帯電ローラ3とを軽圧状態若しくは離間状態にするという出荷形態が採られることが多い。
【0009】
この問題に対し、帯電ローラ3を感光ドラム2の表面から離間させる手段が数多く提案されており、主に、特許文献1(特開2002−251051号公報)にて示される離間部材を用いた方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2002−251051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記従来例では、以下のような欠点があった。即ち、感光ドラム2と帯電ローラ3との間にシート材やスペーサを挟んでいる場合には、画像形成装置を使用する前にユーザがシート材やスペーサを外すという煩雑な作業を行う必要がある。もしユーザがシート材やスペーサを外すことを忘れたまま、即ち、感光ドラム2と帯電ローラ3とを正規の転写圧で圧接させないまま画像形成装置の使用を開始した場合には、紙詰まりや転写不良等の画像不良が発生する原因となる。また、製品出荷時の運送時、振動落下による振動/衝撃でシート材やスペーサ等の離間部材が外れてしまい、ユーザの所に着くまでに感光ドラム2と帯電ローラ3との離間が外れてしまうといった問題もあった。
【0012】
また、従来、プリント後に感光ドラム2を一旦停止し、再回転時にクリーニングブレードのエッジ部に溜まったトナーが該クリーニングブレードをすり抜けて画像不良となる問題があり、対策として感光ドラム2を逆回転に回す制御を度々行っている。しかし、感光ドラム2を逆回転させた時、シート材やスペーサ等の離間部材も逆回転してしまい、帯電ローラ3を再離間させ動作不良を招くという問題もあった。
【0013】
そこで、本発明の目的は、使用前に画像形成部材が変形してしまうのを離間部材により防止するとともに、使用時にこの離間部材により画像形成部材が離間したままとなってしまうのを防止することができる画像形成ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するための本発明に係る画像形成ユニットの代表的な第1の構成は、画像形成装置に着脱可能な画像形成ユニットであって、感光体と、前記感光体に当接して画像形成処理の少なくとも一部を行う画像形成部材と、前記画像形成部材を前記感光体から離間させる離間部材と、前記画像形成部材が前記感光体に当接するように前記画像形成装置から入力された駆動力を前記離間部材へ伝達することにより前記離間部材を退避させる退避手段と、前記退避手段により退避した前記離間部材が前記退避手段と再度駆動連結しないように前記離間部材の位置を維持する維持手段とを有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る画像形成ユニットの代表的な第2の構成は、画像形成装置に着脱可能な画像形成ユニットであって、感光体と、前記感光体に当接して画像形成処理の少なくとも一部を行う画像形成部材と、前記画像形成部材を前記感光体から離間させる離間部材と、前記画像形成部材が前記感光体に当接するように前記画像形成装置から入力された駆動力を前記離間部材へ伝達することにより前記離間部材を退避させる退避手段と、前記退避手段により退避した前記離間部材が自重によりその位置が維持されることで前記退避手段と再度駆動連結しないように前記離間部材を回動可能に構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、使用前に画像形成部材が変形してしまうのを離間部材により防止するとともに、使用時にこの離間部材により画像形成部材が離間したままとなってしまうのを防止することができる。更に、ユーザが画像形成装置を使用する際に離間部材を除去する必要がないため、ユーザビリティの向上にも繋がる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】画像形成装置の構成を示す模式断面図である。
【図2】画像形成装置の転写部の構成を示す模式断面図である。
【図3】本発明の制御ユニット構成を概略的に示すブロック図である。
【図4】本発明の駆動伝達機構を示す概略斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態の離間構成を示す概略図である。
【図6】本発明によって実行される自動離間処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2実施形態の離間構成を示す概略図である。
【図8】本発明の第3実施形態の離間構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に実施形態を挙げて、本発明を具体的に説明する。尚、これら実施形態は本発明における最良の実施形態の一例ではあるものの、本発明はこれら実施形態により限定されるものではない。
【実施例1】
【0019】
図1〜図6に示すように、本実施形態の画像形成装置となるレーザビームプリンタに着脱可能な画像形成ユニットは、現像剤を静電現像し像を担持する感光体となる感光ドラム2を備えている。また、該感光ドラム2に当接して画像形成処理の少なくとも一部を行う画像形成部材となる帯電ローラ3を備えている。更に、該帯電ローラ3を感光ドラム2に押圧する押圧部材となる加圧バネ21と、帯電ローラ3を感光ドラム2から離間させる離間部材100を備えている。更に感光ドラム2を回転させる感光体駆動源となる現像モータ31を備えている。更に、該現像モータ31に係合され、帯電ローラ3が感光ドラム2に当接するように画像形成装置から入力された駆動力を離間部材100へ伝達することにより該離間部材を退避させる退避手段となる、軸の両端に設けられたギア30を備えている。更に、軸の両端に設けられたギア30により退避した離間部材100が該軸の両端に設けられたギア30と再度駆動連結しないように該離間部材100の位置を維持する維持手段となるドラムギア32等のギア列を備えている。また、レーザ光Lによって描かれた潜像を現像せしめる現像装置と、現像されたトナー像を記録材Pに転写せしめる転写手段と、転写されたトナー像を記録材P上に定着せしめる定着器7とを備えている。
【0020】
図3は制御ユニット構成を概略的に示すブロック図である。図1のレーザビームプリンタのプリンタ本体内には、レーザスキャナ1、感光体となる感光ドラム2と、画像形成部材となる帯電ローラ3と現像ローラ4を含む印字プロセスユニット5が設けられる。また、転写ローラ6、定着器7、搬送ローラ対8、給送カセット9と給送ローラ10、感光ドラム2からの駆動力を伝達する図3及び図4に示す駆動伝達部材23等が設置されている。給送カセット9内に積載収納されたシート状の記録材Pは、図1の反時計方向に回転する給送ローラ10により給送され、搬送板金11に導かれて搬送ローラ対8のニップ部へ送られる。なお、図3中、モータ25は駆動手段となるギア列26を介して転写ローラ6を回転駆動する。
【0021】
次いで、記録材Pは搬送ローラ対8によって感光ドラム2と転写ローラ6との間に送られる。感光ドラム2は画像形成装置から入力された駆動力により図1の時計方向に回転しており、帯電ローラ3で所望の電位に帯電されている。そして、その外周面には、レーザスキャナ1のレーザ光Lにより静電潜像が順次形成され、続いてその静電潜像が現像ローラ4で現像され、トナー像が形成される。感光ドラム2と転写ローラ6との間に送られた記録材Pには、感光ドラム2上のトナー像が転写ローラ6により順次転写される。転写時に感光ドラム2上に残ったトナーや紙紛等はクリーニング部材12により取り除かれる。
【0022】
このようにしてトナー像が転写された記録材Pは、定着器7へ送られ、ここで加熱、加圧されてトナー像が記録材Pに定着する。その後、記録材Pは定着排出搬送ローラ対13により排出ローラ14へ送られ、次いで該排出ローラ14によりプリンタ本体上面の排出トレイ15上に排出される。そして、このレーザビームプリンタでは、プロセスカートリッジとなる印字プロセスユニット5、定着器7等のユニットは、消耗部品であり、その製品のライフの中に数回の交換が必要である。上述した定着器7としては、熱ローラ方式やフィルム加熱方式の装置が広く用いられている。
【0023】
次に、本実施形態の離間部材100による画像形成部材となる帯電ローラ3と、感光体となる感光ドラム2との自動離間の構成について、図3のブロック図と、感光体駆動源となるモータ31からの駆動系を示した図4及び図5を用いて説明する。図3に示す制御手段となるCPU(中央演算装置)20によって実行されるプログラムをドライバ24が受け、感光体駆動源となる現像モータ31を駆動させる。現像モータ31の駆動は駆動手段となるギア列29によって感光ドラム2に伝えられる。ギア列29の対向側には、退避手段となる軸の両端に設けられたギア30が配置され、該軸の両端に設けられたギア30によって駆動伝達部材23を介して離間部材100に駆動力を伝達する。即ち、離間部材100は軸の両端に設けられたギア30と係合しており、感光ドラム2に駆動力が入ることと連動し、離間解除の動作をする。
【0024】
図5は本実施形態における帯電ローラ3の動作を示す図である。本実施形態の帯電ローラ3は、出荷時は感光ドラム2と離間しており、動作時は感光ドラム2と従動回転を行うようになっている。図5(a)は画像形成装置使用時の感光ドラム2と転写ローラ6の位置関係を示す図である(以後、「状態A」と呼ぶ)。帯電ローラ3には、加圧バネ21により加圧軸受22を介して、感光ドラム2への当接圧が掛かっている。状態Aにおいては、図5(a)に示したように、加圧バネ21により感光ドラム2への帯電ローラ3の当接圧が掛かっている。ここで感光ドラム2と帯電ローラ3の軸中心2a,3aの離間距離をXと定義する。状態Aの当接圧がプリント時の転写圧となる。図5中、32は維持手段となるギア列の一部を構成するドラムギアである。
【0025】
図5(b)は帯電ローラ3の両端部に離間部材100が配置されており、該離間部材100には、軸の両端に設けられたギア30と係合するギア部となる欠け歯形状部100aを具備している。そして、ギア部となる欠け歯形状部100aは退避動作に伴い、退避手段となる軸の両端に設けられたギア30との係合が外れるように離間部材100の一部に形成されている。また、離間部材100は帯電ローラ3と同軸上に配置され、該離間部材100の回動中心100bを帯電ローラ3の軸中心3aとしている。そして、感光体駆動源となる現像モータ31からの駆動力が入ることで離間部材100が軸の両端に設けられたギア30と連動して画像形成部材となる帯電ローラ3と同軸中心に回動する。離間部材100は感光ドラム2と画像形成部材となる帯電ローラ3の軸部間に差し込まれる差し込み部100cを有して構成される。このため、現像ローラ4が設けられる現像容器側に離間部材100を回動させるための新たな軸を設置する必要が無く、省スペース、且つ、シンプルな構成になっている。図5(a)のポジションから、帯電ローラ3の芯金両端部を加圧バネ21に抗して押し下げて、離間部材100を図5(a)中、矢印Cと反対方向に移動させることで、帯電ローラ3を図5(b)のポジションに設定することが可能である(以後、「状態B」と呼ぶ)。図5(b)に示す状態Bに設定している場合には、図5(a)に示す状態Aと比べて帯電ローラ3は感光ドラム2に対して完全に離間状態となっており当接圧は掛かっていない。ここでの感光ドラム2と帯電ローラ3との軸中心2a,3aの離間距離をYと定義する。状態Aでは、図5(a)に示すように、感光ドラム2に対して帯電ローラ3が当接している状態となる。このため、感光ドラム2の軸中心2aと、帯電ローラ3の軸中心3aとの離間距離はXであり、離間部材100の回動中心100bと、該離間部材100へ駆動力を伝える軸の両端に設けられたギア30の回動中心30aとの間の離間距離はX´である。
【0026】
一方、状態Bでは、図5(b)に示すように、感光ドラム2に対する帯電ローラ3は離間している状態で、離間部材100の差し込み部100cが挟まっている状態となっている。このため、感光ドラム2の軸中心2aと、帯電ローラ3の軸中心3aとの離間距離はYであり、離間部材100の回動中心100bと、該離間部材100へ駆動力を伝える軸の両端に設けられたギア30の回動中心30aとの間の離間距離はY´である。つまり感光ドラム2の軸中心2aと、帯電ローラ3の軸中心3aとの離間距離は上記状態変化で、X<Yとなり、それに伴いX´<Y´となる。又、状態Bにおいては、図5(b)に示したように、離間部材100と軸の両端に設けられたギア30が係合しており、軸の両端に設けられたギア30に駆動力が入らない限り離間部材100は維持手段となるドラムギア32等のギア列によって固定されている。
【0027】
図5(b)に示す状態Bにおいて、画像形成装置に電源投入したときの前多回転時、若しくは最初にプリントするときの前回転時に図3に示す現像モータ31より駆動力が入る。そして、離間部材100は図5(a)に示すように帯電ローラ3の軸中心3aで図5(a)中、矢印C方向に回転する。よって、帯電ローラ3の軸中心3aと同軸上の離間部材100の回動中心100bと、軸の両端に設けられたギア30の回動中心30aとの離間距離は、前述したようにX´<Y´となるため、離間解除後、再度係合することはない。一例をあげるならば、従来、感光ドラム2はクリーニングブレードのトナーすり抜け対策としてプリント終了後に感光ドラム2を逆回転に回すことがある。この時、感光ドラム2、及び、帯電ローラ3が逆回転し、離間部材100が連れ回りして離間する方向へ回転してもX´<Y´である。これにより、離間部材100は軸の両端に設けられたギア30と再度係合することは不可能であり、図5(b)のポジションに戻ることはなく、この種の不具合を解決することが出来る。更に例をあげるなら、実動作中に振動等で離間部材100の欠け歯形状部100aが軸の両端に設けられたギア30の係合部に近づいても、前記同様再係合することはない。
【0028】
即ち、離間部材100が図5(b)に示す第1の姿勢(状態B)から図5(a)に示す第2の姿勢(状態A)に姿勢変化することで感光体となる感光ドラム2と、画像形成部材となる帯電ローラ3との離間距離が変化する。そして、軸の両端に設けられたギア30と、離間部材100の該軸の両端に設けられたギア30に対する係合部となる欠け歯形状部100aとの離間距離が変化する。これにより軸の両端に設けられたギア30と、離間部材100の軸の両端に設けられたギア30に対する係合部となる欠け歯形状部100aとが再度係合しない。本実施形態では、図5(b)に示す第1の姿勢(状態B)において、軸の両端に設けられたギア30と、離間部材100の該軸の両端に設けられたギア30に対する係合部となる欠け歯形状部100aとの係合は、歯車の噛み合わせにより係合される。
【0029】
尚、本実施例では図示はしていないが、離間解除後の離間部材100にはバネによる付勢力が掛かり感光ドラム2に接触しないようになっている。図5(b)に示す第1の姿勢(状態B)の離間時にもバネによる付勢力は掛かっている。しかし、離間部材100は状態Bにおいて、維持手段となるドラムギア32等のギア列により固定された軸の両端に設けられたギア30の歯車と離間部材100の欠け歯形状部100aとが係合している。これにより、バネの力で離間解除されることはなく、画像形成装置からの駆動力が入るまで解除されることはない。
【0030】
図5(a)に示す状態Aから図5(b)に示す状態Bに自動離間処理する一例を図6に示す。図6は自動離間処理を示すフローチャートである。まず、ステップS1において、画像形成装置本体にプロセスカートリッジからなる画像形成ユニットを装着する。その後、画像形成装置本体の電源を入れると前多回転動作が始まる。その際、ステップS2において、制御手段となるCPU20は帯電ローラ3の姿勢を判断する。図6のステップS2において、制御手段となるCPU20は画像形成ユニットに具備されているICタグに書き込まれている情報を読み取り、画像形成ユニットの新旧判断を行う。よってステップS2で画像形成ユニットが新品であった場合は、ステップS3の前多回転初期動作に移り、初期シーケンスを流すと共に帯電ローラ3が離間解除され、ステップS5のスタンバイ状態に移る。また、ステップS2で画像形成装置が旧品であった場合は、ステップS6の前多回転動作に移り、ステップS5のスタンバイ状態に移る。
【0031】
図5(b)に示すように帯電ローラ3が離間部材100によって離間されている状態Bの場合、ステップS3に進んで前多回転動作で感光ドラム2が回転する。そして、ファーブラシに駆動力が入り、離間部材100は連動して動作し、帯電ローラ3は図5(a)に示すように離間解除状態(状態A)となり(ステップS4)、スタンバイ状態に移る(ステップS5)。尚、前記ステップS2において、図5(a)に示すように、既に帯電ローラ3が離間解除している状態Aのプロセスカートリッジからなる画像形成ユニットを画像形成装置本体に装着する。この場合は、そのまま前多回転動作(ステップS6)の後、スタンバイ状態に移る(ステップS5)。ステップS5のスタンバイ後、プリント動作中、感光ドラム2は正回転し(ステップS7)、プリント動作終了と共に感光ドラム2の回転は停止する(ステップS8)。
【0032】
その後、クリーニングブレードに溜まったトナーが次回プリント時にすり抜けてしまう画像不良を防ぐために感光ドラム2は逆回転方向に回転する(ステップS9)。感光ドラム2は一定時間逆回転した後、停止し(ステップS10)、再びスタンバイ状態に戻る(ステップS5)。製品の出荷時、帯電ローラ3を図5(b)に示す状態Bに設定する。このためには、前述のように、帯電ローラ3の芯金両端部を加圧バネ21の加圧力に抗して押し下げて、離間部材100を帯電ローラ3の回転方向(図5(b)中、矢印D方向)に移動させるという操作を行う。本実施形態の画像形成装置では、画像形成ユニットを装着同梱包出荷する場合や、画像形成ユニットを単品で輸送する場合には、図5(b)に示す状態Bに設定する。これにより、画像形成装置を長期間使用しないときの感光ドラム2の汚染や帯電ローラ3のCセット変形を防止することができる。
【0033】
本実施形態によれば、画像形成装置の設置後、もしくは画像形成ユニットの交換後、初期の前多回転時に自動的に離間部材100が外れ、プリント時の帯電圧が掛かる。このため、ユーザが圧解除機構を解除せずにプリントを行った場合の紙詰まりや帯電不良等の画像不良の発生を防止することができ、ユーザビリティの向上が実現できる。又、本実施形態によれば、1種類の離間部材100を帯電ローラ3と同軸上に回動可能に取り付け、感光ドラム2と連動する軸の両端に設けられたギア30を利用して帯電ローラ3を離間保持/解除することができる自動離間構成になっている。このため、離間部材100が再度係合することを防止することができ、簡易的、且つ、省スペース化が実現できるコストメリットとの両立を図っている。又、本実施形態の圧解除機構であれば、図5(b)に示す状態Bにおいて、離間部材100は軸の両端に設けられたギア30の駆動列の歯車と、離間部材100の欠け歯形状部100aが係合している。これにより、軸の両端に設けられたギア30に駆動力が入るまで外れることはなく、画像形成ユニット装着同梱包輸送時の感光ドラム2の汚染や帯電ローラ3のCセット変形を防止することができる。
【0034】
即ち、離間部材100は、感光体となる感光ドラム2に対して画像形成部材となる帯電ローラ3を離間保持する図5(b)に示す第1の姿勢(状態B)を持つ。更に、該感光ドラム2に対して帯電ローラ3を離間解除し当接している図5(a)に示す第2の姿勢(状態A)を持つ。そして、図5(b)に示す第1の姿勢(状態B)では離間部材100は、軸の両端に設けられたギア30に係合され固定保持している。図5(a)に示す第2の姿勢(状態A)では離間部材100は感光体駆動源となる現像モータ31からの駆動力が入ることで軸の両端に設けられたギア30により連動して姿勢変化する。そして、感光ドラム2と帯電ローラ3との離間距離が図5(b)に示す第1の姿勢(状態B)よりも短くなり、維持手段により離間部材100が軸の両端に設けられたギア30に再度係合しない。
【0035】
本実施形態では離間部材100と軸の両端に設けられたギア30との係合にギアの噛み合せを用いた。しかし、離間部材100と、軸の両端に設けられたギア30との係合手段、また動作させる手段として、部品同士の摩擦抵抗や引っ掛け爪等の手段を用いることが出来る。これにより前記同様、画像形成部材となる帯電ローラ3と同軸上の離間部材100の回動中心100bと、軸の両端に設けられたギア30の回動中心30aとの間の離間距離変化を利用することができる。そして、自動離間構成、及び、離間部材100が再度係合することを防止しても良い。また、本実施形態では画像形成部材として感光体となる感光ドラム2に帯電処理を行う帯電体となる帯電ローラ3を用いた。しかし、転写ローラ6、帯電ブラシ、帯電ファーブラシ、感光体となる感光ドラム2に清掃処理を行うクリーニングブレードであっても良い。
【実施例2】
【0036】
本実施形態は前記第1実施形態の変形例である。図7(a)は画像形成装置の使用時の感光ドラム2と帯電ローラ3の位置関係を示す図である(以後、「状態A」と呼ぶ)。帯電ローラ3には、加圧バネ21により加圧軸受22を介して、感光ドラム2への当接圧が掛かっている。状態Aにおいては、図7(a)に示したように、加圧バネ21により感光ドラム2への帯電ローラ3の当接圧が掛かっている。ここで感光ドラム2と帯電ローラ3の軸中心2a,3a相互の離間距離をXと定義する。状態Aの当接圧がプリント時の転写圧となる。
【0037】
図7(b)に示すように、帯電ローラ3の両端部には離間部材100が配置されており、該離間部材100は、軸の両端に設けられたギア30と係合する欠け歯形状部100aを具備した片と差し込み部100cを有する片とがV字形状に形成されている。また、離間部材100は感光ドラム2と同軸上に配置され、該離間部材100の回動中心100bを感光ドラム2の軸中心2aとしている。このため、現像ローラ4が設けられた現像容器側に離間部材100を回動させるための新たな軸を設置すること無く、省スペース、且つ、シンプルな構成になっている。即ち、本実施形態では、離間部材100は、感光体となる感光ドラム2と同軸上に配置され、感光体駆動源となる現像モータ31からの駆動力が入ることで離間部材100が軸の両端に設けられたギア30と連動して感光体となる感光ドラム2の同軸中心に回動する。図7(a)のポジションから、帯電ローラ3の芯金両端部を加圧バネ21の加圧力に抗して押し下げて、離間部材100を図7(b)中、矢印F方向に移動させる。これにより、帯電ローラ3を図7(b)のポジションに設定することが可能である(以後、「状態B」と呼ぶ)。状態Bに設定している場合には、状態Aと比べて帯電ローラ3は感光ドラム2に対して完全に離間状態となっており当接圧は掛かっていない。ここでの感光ドラム2と帯電ローラ3の軸中心2a,3a相互の離間距離をYと定義する。状態Aでは、図7(a)に示すように、感光ドラム2に対して帯電ローラ3が当接している状態となるため、感光ドラム2の軸中心2aと、帯電ローラ3の軸中心3aとの離間距離はXである。また、離間部材100の回動中心100bと、離間部材100へ駆動力を伝える軸の両端に設けられたギア30の回動中心30aとの間の離間距離はX´である。
【0038】
一方、状態Bでは、図7(b)に示すように、感光ドラム2に対する帯電ローラ3は離間している状態で、離間部材100の差し込み部100cが挟まっている状態となっている。このため、感光ドラム2の軸中心2aと、帯電ローラ3の軸中心3aとの離間距離はYであり、離間部材100の回動中心100bと、該離間部材100へ駆動力を伝える軸の両端に設けられたギア30の回動中心30aとの間の離間距離はY´である。つまり感光ドラム2の軸中心2aと、帯電ローラ3の軸中心3aとの間の離間距離は上記状態変化で、X<Yとなり、それに伴いX´<Y´となる。また、状態Bにおいては、図7(b)に示したように、離間部材100の欠け歯形状部100aと軸の両端に設けられたギア30とが係合している。そして、該軸の両端に設けられたギア30に駆動力が入らない限り離間部材100は維持手段となるギア列によって固定されている。
【0039】
状態Bにおいて、画像形成装置に電源投入したときの前多回転時、若しくは最初にプリントするときの前回転時に駆動力が入り、離間部材100は図7(a)に示すように感光ドラム2の軸中心2aで図7(a)中、矢印E方向に回転する。よって、軸の両端に設けられたギア30の回動中心30aと、離間部材100の回動中心100bとの離間距離は、前述したようにX´<Y´となるため、離間部材100の離間解除後、再度係合することはない。一例をあげるならば、従来、感光ドラム2はクリーニングブレードのトナーすり抜け対策として逆回転に回すことがある。この時、感光ドラム2、及び、帯電ローラ3が逆回転し、離間部材100が連れ回りして離間する方向へ回転してもX´<Y´であるので、離間部材100の欠け歯形状部100aは軸の両端に設けられたギア30と再係合することは不可能である。これにより、図7(b)のポジションに戻ることはなく、この種の不具合を解決することが出来る。更に例をあげるなら、実動作中に振動等で離間部材100の欠け歯形状部100aが軸の両端に設けられたギア30の係合部に近づいても、前記同様、再係合することはない。
【0040】
尚、本実施例では図示はしていないが、離間解除後の離間部材100にはバネによる付勢力が掛かり感光ドラム2に接触しないようになっている。図7(b)に示す状態Bの離間時にもバネによる付勢力は掛かっている。しかし、離間部材100は状態Bにおいて、維持手段となるギア列により固定された、軸の両端に設けられたギア30の歯車と離間部材100の欠け歯形状部100aが係合している。これにより、バネの力で離間解除されることはなく、画像形成装置の駆動力が入るまで解除されることはない。
【0041】
製品出荷時、帯電ローラ3を図7(b)に示す状態Bに設定するためには、前述のように、帯電ローラ3の芯金両端部を加圧バネ21の加圧力に抗して押し下げて、離間部材100を図7(b)中、矢印F方向に移動させるという操作を行う。本実施形態の画像形成装置では、画像形成ユニットを装着同梱包出荷する場合や、画像形成ユニットを単品で輸送する場合には、図7(b)に示す状態Bに設定する。これにより、画像形成装置を長期間使用しないときの感光ドラム2の汚染や帯電ローラ3のCセット変形を防止することができる。
【0042】
本実施形態によれば、画像形成装置の設置後、もしくは画像形成ユニット交換後、初期の前多回転時に自動的に離間部材100が外れ、プリント時の転写圧が掛かる。このため、ユーザが転写圧解除機構を解除せずにプリントを行った場合の紙詰まりや転写不良等の画像不良の発生を防止することができ、ユーザビリティの向上が実現できる。又、本実施形態によれば、1種類の離間部材100を感光ドラム2の軸中心2aと同軸上に回動可能に取り付け、感光ドラム2に連動する軸の両端に設けられたギア30を利用して離間保持/解除することができる自動離間構成になっている。このため、離間部材100が再度係合することを防止することができ、簡易的、且つ、省スペース化が実現できるコストメリットとの両立を図っている。
【0043】
また、本実施形態の転写圧解除機構であれば、図7(b)に示す状態Bにおいて、離間部材100は維持手段となるギア列により固定された軸の両端に設けられたギア30の歯車と離間部材100の欠け歯形状部100aが係合している。これにより、軸の両端に設けられたギア30に駆動力が入るまで外れることはない。これにより、画像形成ユニット装着同梱包輸送時の感光ドラム2の汚染や帯電ローラ3のCセット変形を防止することができる。本実施形態では離間部材100と軸の両端に設けられたギア30との係合にギアの噛み合せを用いた。しかし、離間部材100と軸の両端に設けられたギア30との係合手段、また動作させる手段として、部品同士の摩擦抵抗や引っ掛け爪等の手段を用いても良い。これにより前記同様、軸の両端に設けられたギア30の回動中心30aと、離間部材100の回動中心100bとの間の離間距離変化を利用し、自動離間構成、及び、離間部材100が再度係合することを防止しても良い。また、画像形成部材として帯電ローラ3を用いたが、転写ローラ6、帯電ブラシ、帯電ファーブラシ、クリーニングブレードであっても良い。他の構成は前記第1実施形態と同様に構成され、同様の効果を有するものである。
【実施例3】
【0044】
本実施形態の基本構成は前記第1実施形態と同様である。本実施形態では、軸の両端に設けられたギア30により退避した離間部材100が該軸の両端に設けられたギア30と再度駆動連結しないように該離間部材100の自重により該離間部材100の位置を維持するように配置したものである。図8は本実施形態における帯電ローラ3の動作を示す図である。本実施形態の帯電ローラ3は、出荷時は感光ドラム2と離間しており、動作時は感光ドラム2と従動回転を行うようになっている。
【0045】
図8(a)は画像形成装置使用時の感光ドラム2と帯電ローラ3との位置関係を示す図である(以後、「状態A」と呼ぶ)。帯電ローラ3には、加圧バネ21により加圧軸受22を介して、感光ドラム2への当接圧が掛かっている。状態Aにおいては、図8(a)に示したように、加圧バネ21により感光ドラム2への帯電ローラ3の当接圧が掛かっている。ここで感光ドラム2と帯電ローラ3の軸中心2a,3a相互の離間距離をXと定義する。図8(a)に示す状態Aの当接圧がプリント時の転写圧となる。
【0046】
図8(b)に示すように、帯電ローラ3の両端部に離間部材100が配置されており、該離間部材100には、軸の両端に設けられたギア30と係合する欠け歯形状部100aと差し込み部100cを具備している。また、離間部材100は帯電ローラ3と同軸上に配置され、回動中心100bを帯電ローラ3の軸中心3aとしている。このため、現像ローラ4が設けられる現像容器側に離間部材100を回動させるための新たな軸を設置すること無く、省スペース、且つ、シンプルな構成になっている。
【0047】
図8(a)のポジションから、帯電ローラ3の芯金両端部を加圧バネ21の加圧力に抗して押し下げて、離間部材100を図8(b)中、矢印H方向に移動させる。これにより、帯電ローラ3を図8(b)のポジションに設定することが可能である(以後、「状態B」と呼ぶ)。図8(b)に示す状態Bに設定している場合には、図8(a)に示す状態Aと比べて帯電ローラ3は感光ドラム2に対して完全に離間状態となっており当接圧は掛かっていない。ここでの感光ドラム2と帯電ローラ3の軸中心2a,3a相互の離間距離をYと定義する。
【0048】
状態Aでは、図8(a)に示すように、感光ドラム2に対して帯電ローラ3が当接している状態となる。このため、感光ドラム2の軸中心2aと、帯電ローラ3の軸中心3aとの離間距離はXであり、離間部材100の回動中心100bと、該離間部材100へ駆動力を伝える軸の両端に設けられたギア30の回動中心30aとの間の離間距離はX´である。
【0049】
一方、状態Bでは、図8(b)に示すように、感光ドラム2に対する帯電ローラ3は離間している状態で、離間部材100の差し込み部100cが挟まっている状態となっている。このため、感光ドラム2の軸中心2aと、帯電ローラ3の軸中心3aとの離間距離はYであり、該離間部材100の回動中心100bと、該離間部材100へ駆動力を伝える軸の両端に設けられたギア30の回動中心30aとの間の離間距離はY´である。
【0050】
つまり感光ドラム2の軸中心2aと、帯電ローラ3の軸中心3aとの離間距離は上記状態変化で、X<Yとなり、それに伴いX´<Y´となる。又、状態Bにおいては、図8(b)に示したように、離間部材100と軸の両端に設けられたギア30が係合しており、画像形成装置からの駆動力が入らない限り離間部材100は維持手段となるドラムギア32等のギア列によって固定されている。
【0051】
図8(b)に示す状態Bにおいて、画像形成装置に電源投入したときの前多回転時、若しくは最初にプリントするときの前回転時に図3に示す現像モータ31より駆動力が入る。そして、離間部材100は図8(a)に示すように帯電ローラ3の軸中心3aと同軸上の回動中心100bで図8(a)中、矢印G方向に回転する。よって、帯電ローラ3の軸中心3aと同軸上の離間部材100の回動中心100bと、軸の両端に設けられたギア30の回動中心30aとの間の離間距離は、前述したようにX´<Y´となるため、離間解除後、再度係合することはない。一例をあげるならば、従来、感光ドラム2はクリーニングブレードのトナーすり抜け対策としてプリント終了後に感光ドラム2を逆回転に回すことがある。この時、感光ドラム2、及び、帯電ローラ3が逆回転し、離間部材100が連れ回りして離間する方向へ回転してもX´<Y´である。これにより、離間部材100は軸の両端に設けられたギア30と再度係合することは不可能であり、図8(b)のポジションに戻ることはなく、この種の不具合を解決することが出来る。更に例をあげるなら、実動作中に振動等で離間部材100の欠け歯形状部100aが軸の両端に設けられたギア30の係合部に近づいても、前述と同様に再係合することはない。尚、本実施形態では離間解除後の離間部材100は該離間部材100の自重によって回転し、容器側に設けられたストッパー(図示せず)に突き当たり、感光ドラム2に接触しない位置に退避する。よって本実施形態によれば、離間部材100を付勢する力に重力を用いることで、該離間部材100が軸の両端に設けられたギア30に再度係合することを防止することができ、更なる簡易的、且つ、省スペース化が実現できるコストメリットとの両立を図っている。他の構成は前記各実施形態と同様に構成され同様の効果を得ることができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明の活用例として、電子写真プロセスを用いる複写機、レーザビームプリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に着脱可能な画像形成ユニットに適用可能である。
【符号の説明】
【0053】
2 …感光ドラム
3 …帯電ローラ
30 …軸の両端に設けられたギア(退避手段)
100 …離間部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に着脱可能な画像形成ユニットであって、
感光体と、
前記感光体に当接して画像形成処理の少なくとも一部を行う画像形成部材と、
前記画像形成部材を前記感光体から離間させる離間部材と、
前記画像形成部材が前記感光体に当接するように前記画像形成装置から入力された駆動力を前記離間部材へ伝達することにより前記離間部材を退避させる退避手段と、
前記退避手段により退避した前記離間部材が前記退避手段と再度駆動連結しないように前記離間部材の位置を維持させる維持手段と、
を有することを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項2】
前記離間部材は、前記感光体と前記画像形成部材の軸部間に差し込まれる差し込み部と、前記退避手段と係合するギア部と、を有し、前記ギア部は退避動作に伴い前記退避手段との係合が外れるように前記離間部材の一部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成ユニット。
【請求項3】
前記画像形成部材は、前記感光体に帯電処理を行う帯電体、前記感光体に清掃処理を行うブレードのうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成ユニット。
【請求項4】
画像形成装置に着脱可能な画像形成ユニットであって、
感光体と、
前記感光体に当接して画像形成処理の少なくとも一部を行う画像形成部材と、
前記画像形成部材を前記感光体から離間させる離間部材と、
前記画像形成部材が前記感光体に当接するように前記画像形成装置から入力された駆動力を前記離間部材へ伝達することにより前記離間部材を退避させる退避手段と、
前記退避手段により退避した前記離間部材が自重によりその位置が維持されることで前記退避手段と再度駆動連結しないように前記離間部材を回動可能に構成したことを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項5】
前記画像形成装置から入力された駆動力により前記感光体が回転することを特徴とする請求項4に記載の画像形成ユニット。
【請求項6】
前記画像形成部材は、前記感光体に帯電処理を行う帯電体、前記感光体に清掃処理を行うブレードのうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項4又は5に記載の画像形成ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−243771(P2010−243771A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−92205(P2009−92205)
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】