画像形成方法及び装置
【課題】バルジの発生を抑制するとともに、描画前に不良を検出し、効率的に画像を形成する。
【解決手段】液体を液滴として記録媒体に向けて吐出する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体の間に前記記録媒体と平行に配置された、描画パターンと同じ密度及び配置で液体吐出用の穴が形成された中間ノズルアレイプレートと、前記中間ノズルアレイプレートの前記液体吐出用の穴から、前記記録媒体に向けて前記液体を一斉に吐出させる手段と、を有し、前記液体吐出ヘッドから、前記中間ノズルアレイプレートの描画データに対応した前記液体吐出用の穴に向けて液体を吐出して前記穴を前記液体で充填して前記中間ノズルアレイプレートに描画パターンを形成した後、中間ノズルアレイプレートの前記液体が充填された前記液体吐出用の穴から前記記録媒体に向けて、一斉に前記液体を吐出して、前記記録媒体上に描画パターンを形成することを特徴とする。
【解決手段】液体を液滴として記録媒体に向けて吐出する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体の間に前記記録媒体と平行に配置された、描画パターンと同じ密度及び配置で液体吐出用の穴が形成された中間ノズルアレイプレートと、前記中間ノズルアレイプレートの前記液体吐出用の穴から、前記記録媒体に向けて前記液体を一斉に吐出させる手段と、を有し、前記液体吐出ヘッドから、前記中間ノズルアレイプレートの描画データに対応した前記液体吐出用の穴に向けて液体を吐出して前記穴を前記液体で充填して前記中間ノズルアレイプレートに描画パターンを形成した後、中間ノズルアレイプレートの前記液体が充填された前記液体吐出用の穴から前記記録媒体に向けて、一斉に前記液体を吐出して、前記記録媒体上に描画パターンを形成することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成方法及び装置に係り、特に、インクジェット装置により配線や線状の画像を高精度に形成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体装置の製造においては、レジスト膜を使用してホトリソグラフィ法により微細な回路パターンを形成していた。これに対し、近年では、導電性微粒子を分散媒に分散させた液体(分散液)をインクジェット装置により液滴として基板上に吐出して回路パターンを形成する液滴吐出法が用いられるようになっている。
【0003】
しかし、液滴吐出法では、基板上に液滴を吐出して配線を形成していく際、先に打滴された液滴と、後から打滴された液滴とが基板上で干渉し、液滴が一方に寄って液溜まり(バルジ)が発生することがある。このように液滴が寄ってバルジが発生すると、液滴が寄って膨らんだ部分では短絡が生じたり、その一方で液滴が少なくなる部分が生じ、そこでは断線が生じたりする等の不具合の原因となるという問題がある。
【0004】
そこで、液滴吐出法において、バルジを抑えて高精度に配線パターンを形成することが望まれていた。これに対し、例えば、液滴吐出法で配線パターンを形成する際、バルジ等の不都合の発生を抑えて幅広化を実現するパターンの形成方法が知られている(例えば、特許文献1等参照)。これは、基板に液滴を吐出して、まず配線パターンの線幅方向中央部を形成し、次に中央部に対して一方の側部を形成し、次に中央部の他方の側部を形成するものであり、それぞれ各部(中央部、一方の側部、他方の側部)を形成する際も、同じラインを複数回走査し、最初の走査で所定間隔をあけて吐出し、次の走査でその間に吐出するようにして、基板上に打滴された液滴同士が乾燥する前に接触して干渉するのを防ぐことによってバルジの発生を抑制するものである。
【特許文献1】特開2004−290958号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の方法では、バルジの発生を防ぐために、隣り合った液滴を同時に打滴しないように、打滴を何回かにわけて、1本のラインを形成するのに複数回走査しているため、非常に効率が悪いという問題がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、バルジの発生を抑制するとともに、描画前に不良を検出し、効率的に画像を形成することのできる画像形成方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、液体を液滴として記録媒体に向けて吐出する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体の間に前記記録媒体と平行に配置された、描画パターンと同じ密度及び配置で液体吐出用の穴が形成された中間ノズルアレイプレートと、前記中間ノズルアレイプレートの前記液体吐出用の穴から、前記記録媒体に向けて前記液体を一斉に吐出させる手段と、を有し、前記液体吐出ヘッドから、前記中間ノズルアレイプレートの描画データに対応した前記液体吐出用の穴に向けて液体を吐出して前記穴を前記液体で充填して前記中間ノズルアレイプレートに描画パターンを形成した後、中間ノズルアレイプレートの前記液体が充填された前記液体吐出用の穴から前記記録媒体に向けて、一斉に前記液体を吐出して、前記記録媒体上に描画パターンを形成することを特徴とする画像形成装置を提供する。
【0008】
これにより、記録媒体上に形成される液滴ドットがすべて同じ状態となるため、バルジの発生を抑制することが可能となり、また効率的に描画パターンを形成することができる。
【0009】
また、請求項2に示したように、前記液体は導電性の液体であり、前記中間ノズルアレイプレートの前記液体吐出用の穴から、前記記録媒体に向けて前記液体を一斉に吐出させる手段は、前記中間ノズルアレイプレートと前記記録媒体を支持するプレートとの間に電圧を印加することにより前記液体を前記記録媒体に吐出させることを特徴とする。
【0010】
これにより、中間ノズルアレイプレートから記録媒体上に液滴を簡単に同時に一気に吐出することが可能となり、バルジの発生が抑制できる。
【0011】
また、請求項3に示したように、前記中間ノズルアレイプレートの前記液体吐出用の穴は、テーパ状に形成され、前記液体吐出ヘッドから吐出された液体の径をd1、前記穴の前記液体吐出ヘッド側の径をd2、前記穴の前記記録媒体側の径をd3とするとき、d2>d1>d3が成り立つことを特徴とする。
【0012】
これにより、疎な液体吐出ヘッドから密な中間ノズルアレイプレートに対し確実に液体を充填することができる。
【0013】
また、請求項4に示すように、前記中間ノズルアレイプレートの前記液体吐出用の穴のテーパ部の内部表面は親液性であり、かつ前記記録媒体側の表面は撥液性であることを特徴とする。
【0014】
これにより、中間ノズルアレイプレートは、充填された液体を確実に保持するとともに、液体を記録媒体に吐出する際、液滴が中間ノズルアレイプレート表面に付着することを防止できる。
【0015】
また、請求項5に示したように、請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置であって、さらに、前記中間ノズルアレイプレートに描画パターンを形成した後、前記中間ノズルアレイプレートから前記記録媒体に向けて一斉に前記液体を吐出する前に前記中間ノズルアレイプレートに形成された前記描画パターンを検査する手段を備えたことを特徴とする。
【0016】
これにより、事前に不良を検知できるため、良好な描画パターンを形成することができる。
【0017】
また、同様に前記目的を達成するために、請求項6に記載の発明は、液体を液滴として記録媒体に向けて吐出する液体吐出ヘッドと前記記録媒体の間に描画パターンと同じ密度及び配置で液体吐出用の穴が形成された中間ノズルアレイプレートを配置する工程と、前記液体吐出ヘッドから前記中間ノズルアレイプレートの前記液体吐出用の穴に向けて描画データに対応して液体を吐出して前記穴を前記液体で充填する工程と、前記中間ノズルアレイプレートの前記液体が充填された前記液体吐出用の穴から、前記記録媒体に向けて一斉に前記液体を吐出する工程と、を有することを特徴とする画像形成方法を提供する。
【0018】
これにより、記録媒体上に形成される液滴ドットがすべて同じ状態となるため、バルジの発生を抑制することが可能となり、また効率的に描画パターンを形成することができる。
【0019】
また、請求項7に示すように、前記液体は導電性の液体であり、前記中間ノズルアレイプレートの前記液体が充填された前記液体吐出用の穴から、前記記録媒体に向けて一斉に前記液体を吐出する工程は、前記中間ノズルアレイプレートと前記記録媒体を支持するプレートとの間に電圧を印加することにより前記液体を前記記録媒体に吐出するようにしたことを特徴とする。
【0020】
これにより、中間ノズルアレイプレートから記録媒体上に液滴を簡単に同時に一気に吐出することが可能となり、バルジの発生が抑制できる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によれば、記録媒体上に形成される液滴ドットがすべて同じ状態となるため、バルジの発生を抑制することが可能となり、また効率的に描画パターンを形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る画像形成方法及び装置について詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明に係る画像形成装置の第1実施形態の概略を示す全体構成図である。本実施形態の画像形成装置は、導電性微粒子を分散媒に分散させた液体(分散液)を液体吐出ヘッドから液滴として基板上に吐出して配線パターンを形成するものである。
【0024】
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置10は、基板上に配線パターンを形成するものであり、液体吐出ヘッド12、液体吐出ヘッド12に液体を供給する液体貯蔵/装填部14と、基板16を供給する供給部18と、その上で基板16に対して配線パターンが形成される土台プレート20と、配線パターンが印字された基板16を排出する排出部22と、基板16を供給部18から土台プレート20上に搬送するとともに、基板16を土台プレート20から排出部22に搬送する搬送部24とを備えている。
【0025】
基板16は、土台プレート20上に載置されて配線パターンが形成される。土台プレート20上に載置された基板16の上方には液体吐出ヘッド12が配置されており、基板16と液体吐出ヘッド12との間には、中間ノズルアレイプレート26が配置されている。詳しくは後述するが、この中間ノズルアレイプレート26は、描画パターンのドット密度と同等で同じ配置の液滴吐出用の穴が形成されたプレートである。
【0026】
液体吐出ヘッド12から配線パターンに従って中間ノズルプレート26の穴に液滴が吐出され、各穴は液滴で充填される。各穴は液滴を表面張力によって保持する。中間ノズルアレイプレート26に配線パターンが形成されるようになっている。上述したようにこの液体は導電性微粒子を分散媒に分散させた液体であり、土台プレート20と中間ノズルアレイプレート26との間に電圧を印加すると、中間ノズルアレイプレート26の各穴に保持され配線パターンを形成している液滴が一斉に土台プレート20上の基板16に向けて吐出される。これにより、基板16上に配線パターンが一気に形成される。
【0027】
このように、中間ノズルアレイプレート26に配線パターンを一旦形成しておき、これを一気に基板16向けて吐出して基板16上に配線パターンを形成することによって、バルジの発生を抑制することができる。
【0028】
これは、液滴の基板16上への着弾に時間差があると、例えば先に着弾している液滴が広がる途中のところへ後から着弾した液滴が接触して、先に着弾している液滴の方へ引き寄せられてバルジが発生すると考えられているため、同時に全ての液滴を打滴することで全ての液滴を同じ状態とし、液滴の移動をなくすことでバルジが抑制されると考えられるからである。
【0029】
また、画像形成装置10は、この他に、中間ノズルアレイプレート26上(の穴)に吐出された配線パターンが正しく形成されているか検査する印字検出部28と、中間ノズルアレイプレート26上に配線パターンが正しく形成されていない場合に、これを修正するメンテナンス部32及び基板16上に吐出された液滴で形成された配線パターンを乾燥し定着させるための乾燥部34とを有している。
【0030】
印字検出部28は、基板16上に吐出された液滴で形成された配線パターンを撮像するCCD29と、CCD29が撮像して得られた画像信号を処理して配線パターンが正しく形成されているか判定する画像処理部30とから構成されている。
【0031】
図2は、本実施形態の画像形成装置10の液体吐出ヘッド12、土台プレート20及び中間ノズルアレイプレート26の部分を示す斜視図である。
【0032】
図2に示すように、土台プレート20上に置かれた基板16の上方にこれと平行に中間ノズルアレイプレート26が配置され、その上を図中の矢印のように液体吐出ヘッド12が走査するようになっている。
【0033】
中間ノズルアレイプレート26は、基板と同じ平面サイズを有し、描画パターンと同じ密度で、同じ配置の多数の穴(液滴吐出穴)40が形成されている。中間ノズルアレイプレート26及び土台プレート20は、それぞれ上面に導電性の金属薄膜が形成され、これらは導線42で接続され、中間ノズルアレイプレート26と土台プレート20との間に電圧が印加されるようになっている。なお、中間ノズルアレイプレート26及び土台プレート20は、その表面に金属薄膜を形成する代わりに、プレートそのものが導電性のある物質で構成されていてもよい。
【0034】
このとき、液体吐出ヘッド12から中間ノズルアレイプレート26の各液滴吐出穴40の中に、描画パターンに応じて液滴44を吐出し、中間ノズルアレイプレート26の液滴吐出穴40中に吐出された液滴によって描画パターンが形成される。
【0035】
中間ノズルアレイプレート26に描画パターンが形成されたら、導線42により中間ノズルアレイプレート26と土台プレート20の間に電圧を印加すると、中間ノズルアレイプレート26の液滴吐出穴40の中の導電性微粒子を含む液体が、電界の作用により基板16上に引き寄せられる。これにより、中間ノズルアレイプレート26の(その中に液体が充填されている)液滴吐出穴40から基板16に向けて一斉に液滴46が吐出されるようになっている。
【0036】
図に示す液体吐出ヘッド12は、中間ノズルアレイプレート26の全幅を担う幅を有する長尺のラインヘッドである。しかし必ずしもこのようなフルラインヘッドに限定されるものではなく、シャトルスキャン(シリアルスキャン)型のヘッドであってもよい。しかし、フルラインヘッドの場合には、図中の矢印のように1回走査(シングルパススキャン)を行えば中間ノズルアレイプレート26の全面に一度で描画することができるので好ましい。
【0037】
図3に、液体吐出ヘッド12の平面透視図を示す。
【0038】
図3に示すように、本実施形態の液体吐出ヘッド12は、導電性微粒子を含む液体を液滴として吐出するノズル51、液体を吐出する際、液体に圧力を付与する圧力室52、図示を省略した供給液室から圧力室52に液体を供給する液体供給口53を含んで構成される圧力室ユニット54が千鳥状の2次元マトリクス状に配列され、ノズル51の高密度化が図られている。
【0039】
図3に示す例においては、各圧力室52を上方から見た場合に、その平面形状は略正方形をしているが、圧力室52の形状はこのような正方形状に限定されるものではない。圧力室52には、図3に示すように、その対角線の一方の端にノズル51が形成され、他方の端の側に液体供給口53が設けられている。
【0040】
また、図3中の4A−4B線に沿った断面図を図4に示す。
【0041】
図4に示すように、圧力室ユニット54は、ノズル51と連通する圧力室52によって主に形成されている。圧力室52は、ノズル51と連通するとともに、液体供給口53を介して液体を供給する供給液室55と連通する。圧力室52の一面(図では天面)は振動板56で構成され、その上部には、振動板56に圧力を付与して振動板56を変形させる圧電素子58が接合され、圧電素子58の上面には個別電極57が形成されている。また、振動板56は、共通電極を兼ねている。
【0042】
圧電素子58は、共通電極(振動板)56と個別電極57によって挟まれており、これら2つの電極56、57に駆動電圧を印加することによって変形する。圧電素子58の変形によって振動板56が押され、圧力室52の容積が縮小されてノズル51から液体が吐出されるようになっている。2つの電極56、57の間への電圧印加が解除されると、圧電素子58がもとに戻り、圧力室52の容積が元の大きさに回復し、供給液室55から液体供給口53を通って新しい液体が圧力室52に供給されるようになっている。
【0043】
図5は、画像形成装置10における液体供給系の構成を示した概要図である。
【0044】
液体タンク60は、液体吐出ヘッド12に液体を供給するための基タンクであり、図1で説明した液体貯蔵/装填部14に設置される。液体タンク60の形態には、液体残量が少なくなった場合に、補充口(図示省略)から液体を補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じて液体種類を変える場合に、カートリッジ方式が適している。この場合、液体の種類情報をバーコード等で識別して、液体種類に応じて液体吐出ヘッド12の制御を行うことが好ましい。なお、図5の液体タンク60は、先に記載した図1の液体貯蔵/装填部14と等価なものである。
【0045】
図5に示したように、液体タンク60と液体吐出ヘッド12を繋ぐ管路の中間には、異物や気泡を除去するために、フィルタ62が設けられている。なお、図5には示さないが、液体吐出ヘッド12の近傍または液体吐出ヘッド12と一体にサブタンクを設けるようにしてもよい。サブタンクは、ヘッドの内圧変動を防止するダンパー効果及びリフィルを改善する機能を有している。
【0046】
また、画像形成装置10には、ノズルの乾燥防止又はノズル近傍の液体粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ64と、ノズル面(液体吐出ヘッド12のノズル51が形成されている側の面)12Aの清掃手段としてのクリーニングブレード66とが設けられている。
【0047】
これらキャップ64及びクリーニングブレード66を含む液体吐出ヘッド12の回復手段は、図示を省略した移動機構によって液体吐出ヘッド12に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置から液体吐出ヘッド12下方の回復処理位置に移動される。
【0048】
キャップ64は、図示しない昇降機構によって液体吐出ヘッド12に対して相対的に昇降変位される。昇降機構は、電源OFF時や印刷待機時にキャップ64を所定の上昇位置まで上昇させ、液体吐出ヘッド12に密着させることにより、ノズル面12Aのノズル領域をキャップ64で覆うようになっている。
【0049】
クリーニングブレード66は、ゴムなどの弾性部材で構成されており、図示を省略したブレード移動機構により液体吐出ヘッド12のインク吐出面(ノズル面12A)に摺動可能である。ノズル面12Aにインク液滴又は異物が付着した場合、クリーニングブレード66をノズル面12Aに摺動させることでノズル面12Aを拭き取り、ノズル面12Aを清浄するようになっている。
【0050】
印字中又は待機中において、特定のノズル51の使用頻度が低くなり、そのノズル51近傍のインク粘度が上昇した場合、粘度が上昇して劣化したインクを排出すべく、キャップ64に向かって予備吐出が行われる。
【0051】
また、液体吐出ヘッド12内のインク(圧力室52内のインク)に気泡が混入した場合、液体吐出ヘッド12にキャップ64を当て、吸引ポンプ67で圧力室52内のインク(気泡が混入したインク)を吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク68へ送液する。この吸引動作は、初期のインクのヘッドへの装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも行われ、粘度が上昇して固化した劣化インクが吸い出され除去される。
【0052】
すなわち、液体吐出ヘッド12は、ある時間以上吐出しない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してノズル近傍のインクの粘度が高くなってしまい、吐出駆動用の圧力発生手段(図示省略、後述)が動作してもノズル51からインクが吐出しなくなる。したがって、この様な状態になる手前で(圧力発生手段の動作によってインク吐出が可能な粘度の範囲内で)、インク受けに向かって圧力発生手段を動作させ、粘度が上昇したノズル近傍のインクを吐出させる「予備吐出」が行われる。また、ノズル面12Aの清掃手段として設けられているクリーニングブレード66等のワイパーによってノズル面12Aの汚れを清掃した後に、このワイパー摺擦動作によってノズル51内に異物が混入するのを防止するためにも予備吐出が行われる。なお、予備吐出は、「空吐出」、「パージ」、「唾吐き」などと呼ばれる場合もある。
【0053】
また、ノズル51や圧力室52内に気泡が混入したり、ノズル51内のインクの粘度上昇があるレベルを超えたりすると、上記予備吐出ではインクを吐出できなくなるため、上述したような吸引動作を行う。
【0054】
すなわち、ノズル51や圧力室52のインク内に気泡が混入した場合、或いはノズル51内のインク粘度があるレベル以上に上昇した場合には、圧力発生手段を動作させてもノズル51からインクを吐出できなくなる。このような場合、液体吐出ヘッド12のノズル面12Aに、キャップ64を当てて圧力室52内の気泡が混入したインク又は増粘インクをポンプ67で吸引する動作が行われる。
【0055】
ただし、上記の吸引動作は、圧力室52内のインク全体に対して行われるためインク消費量が大きい。したがって、粘度上昇が少ない場合はなるべく予備吐出を行うことが好ましい。なお、図5で説明したキャップ64は、吸引手段として機能するとともに、予備吐出のインク受けとしても機能し得る。
【0056】
また、好ましくは、キャップ64の内側が仕切壁によってノズル列に対応した複数のエリアに分割されており、これら仕切られた各エリアをセレクタ等によって選択的に吸引できる構成とする。
【0057】
図6に、中間ノズルアレイプレート26の液滴吐出穴40に液体吐出ヘッド12のノズル51から液滴44を吐出する様子を示す。
【0058】
図6に示すように、液体吐出ヘッド12のノズル51から吐出された液滴44が正確に入るように、中間ノズルアレイプレート26の液滴吐出穴40は、テーパ状に形成され、液体吐出ヘッド12側に向いた上面側が広く、また後で液滴を吐出する下側が狭く形成されている。
【0059】
このとき、ノズル51から吐出された液滴44の直径をd1、液滴吐出穴40の上側の直径をd2、液滴吐出穴40の下側の直径をd3とするとき、d2>d1>d3という関係が成り立つことが好ましい。
【0060】
これにより、ノズル51から吐出された液滴44が液滴吐出穴40に入りやすくなり、また、後に液滴吐出穴40から基板に向けて液滴を吐出して基板上に配線パターンを形成する際、精細なパターンを描画することができる。
【0061】
図7に、中間ノズルアレイプレート26の液滴吐出穴40を拡大して断面図で示す。
【0062】
図7に示すように、中間ノズルアレイプレート26は、上面(液体吐出ヘッド12側)には導電性の金属薄膜48が形成され、下面(基板16側)には撥液膜49が形成されている。また、液滴吐出穴40の、ノズル51から吐出された液滴が充填され保持される部分の表面40aは親液性表面となるように形成されている。また、液滴吐出穴40の液滴吐出側の表面40bは撥液性表面となっている。
【0063】
これにより、液滴吐出穴40は、ノズル51から吐出された液滴を確実に保持し、液滴吐出穴40から液滴が下に垂れるようなことはない。また、液滴吐出穴40から基板16に向けて液滴を吐出するときには(図2参照)、吐出した液滴の一部が液滴吐出穴40の下側表面への付着が抑制される。
【0064】
また、本実施形態の画像形成装置10においては、液体吐出ヘッド12から中間ノズルアレイプレート26に描画パターンに応じて液滴を吐出した後、それを一度に基板16上に吐出する前に、中間ノズルアレイプレート26上に形成された描画パターンの検査が行われる。
【0065】
図8に、その描画パターンの検査の様子を示す。
【0066】
液体吐出ヘッド12から中間ノズルアレイプレート26に液滴を吐出して描画パターン(配線パターン)を形成した後、液体吐出ヘッド12は退避し、それに変わって印字検出部28のCCD29が中間ノズルアレイプレート26上に移動する。そして、CCD29は中間ノズルアレイプレート26上を走査して撮像を行う。撮像信号は画像処理部30に送信される。画像処理部30は、送られた撮像信号を画像処理して描画されるべきパターンと比較し、中間ノズルアレイプレート26上に形成されたパターンを検査する。
【0067】
このとき、検査しやすいように、透明の液体には機能を阻害しない範囲で色をつけるようにしてもよい。
【0068】
これにより、図8に示すように、中間ノズルアレイプレート26上の液滴吐出穴40のうち、誤って余剰な液滴がある液滴吐出穴40−1や、逆に誤って液滴が充填されていない液滴吐出穴40−2が検出される。
【0069】
検査の結果、このような不具合が検出された場合には、以下のような修正作業(修復処理)が行われる。
【0070】
すなわち、誤って余剰な液滴がある液滴吐出穴40−1の存在が検出された場合には、その液滴吐出穴40−1から余剰な液滴を除去するようにする。
【0071】
例えば、図9に示すように、メンテナンス部32の棒47の先端部47aに吸液性のある材質を保持し、この棒47をXY平面方向、Z軸高さ方向の所定の位置に移動可能に構成して、余剰な液滴がある液滴吐出穴40−1の位置までこの棒47を移動し、その先端部47aを液滴吐出穴40−1中の液滴に接触させて液滴を吸収することにより、余剰な液滴を除去するようにしてもよい。
【0072】
また、誤って液滴が充填されていない液滴吐出穴40−2の存在が検出された場合には、図10に示すように、その液滴吐出穴40−2に対して液体吐出ヘッド12から再度液滴44を吐出して充填するようにする。
【0073】
図11は、本実施形態に係る画像形成装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。
【0074】
図11に示すように、画像形成装置10は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、画像メモリ74、吐出制御部76、メンテナンス制御部78、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84等を備えている。
【0075】
通信インターフェース70は、ホストコンピュータ86から送られてくる描画パターンを示す画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース70にはUSB、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(図示省略)を搭載してもよい。ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェース70を介して画像形成装置10に取り込まれ、一旦画像メモリ74に記憶される。画像メモリ74は、通信インターフェース70を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなどの磁気媒体を用いてもよい。
【0076】
システムコントローラ72は、通信インターフェース70、画像メモリ74、搬送部24、乾燥部34等の各部を制御する制御部である。システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、ホストコンピュータ86との間の通信制御、画像メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、搬送部24のモータや乾燥部34のヒーターを制御する制御信号を生成する。
【0077】
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御に従い、画像メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字制御信号(印字データ)をヘッドドライバ84に供給する制御部である。プリント制御部80において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ84を介して液体吐出ヘッド12の液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
【0078】
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ82に一時的に格納される。なお、図11において画像バッファメモリ82はプリント制御部80に付随する態様で示されているが、画像メモリ74と兼用することも可能である。また、プリント制御部80とシステムコントローラ72とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
【0079】
ヘッドドライバ84はプリント制御部80から与えられる印字データに基づいて液体吐出ヘッド12の圧力発生手段を駆動する。ヘッドドライバ84にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
【0080】
印字検出部28は、図1で説明したように、CCD29及び画像処理部30を含むブロックであり、中間ノズルアレイプレート26に印字された画像(描画パターン)を読み取り、所要の信号処理などを行って印字状況(吐出の有無など)を検出し、その検出結果をプリント制御部80に提供するものである。
【0081】
プリント制御部80は、必要に応じて印字検出部28から得られる情報に基づいてメンテナンス制御部78を介して中間ノズルアレイプレート26に形成された描画パターンの不具合を修正するようになっている。
【0082】
また、吐出制御部76は、中間ノズルアレイプレート26に描画パターンが正しく形成されると、導線42を介して中間ノズルアレイプレート26と土台プレート20との間に電圧を印加して、中間ノズルアレイプレート26の液滴が充填されている液滴吐出穴40から一斉に液滴を基板16上に吐出し、基板16上に描画パターンを形成する。
【0083】
次に、本実施形態の作用を図12のフローチャート及び図13〜図15の説明図に沿って説明する。
【0084】
まず、図12のステップS100において、プリント制御部80は、システムコントローラ72により描画データ(描画パターン)を取得し、信号処理を施し、ヘッドドライバ84を介して液体吐出ヘッド12を制御する。
【0085】
次のステップS110において、描画データに基づいて、液体吐出ヘッド12から中間ノズルアレイプレート26に向けて液滴を吐出する。
【0086】
このとき、図13に示すように、液体吐出ヘッド12の各ノズル51から、描画パターンに対応した中間ノズルアレイプレート26の液滴吐出穴40に対してのみ打滴される。液体吐出ヘッド12のノズル密度は疎であり、これに対して中間ノズルアレイプレート26の液滴吐出穴40はこれより密に配置されており、液体吐出ヘッド12を走査して、中間ノズルアレイプレート26上の一部の液滴吐出穴40に対して打滴し、描画パターンに対応した液滴吐出穴40を液滴44で充填する。このとき、液滴が乾燥しやすい場合には、処理時間を短くするためには、シングルスキャンが望ましい。
【0087】
また、このとき図6に示したように、各径の寸法が、d2>d1>d3となるように液滴吐出穴40を構成したため、充填された液滴吐出穴40からは、表面張力により液滴44が自然には垂れないようになっている。なお、この条件をみたすためにも、図6等に示すように液滴吐出穴40は吐出側にいくほど径が小さくなるようなテーパ状に形成することが重要である。さらに、液滴吐出穴40の内部は親液性表面で形成され、液滴吐出側の表面は撥液性表面で形成されていることで、液滴44を確実に液滴吐出穴40内に保持することができる。
【0088】
次に、ステップS120において、中間ノズルアレイプレート26上に形成された描画パターンを印字検出部28で検査する。中間ノズルアレイプレート26への描画パターン形成が終了すると、ステップS130において、液体吐出ヘッド12に代わり印字検出部28のCCD29が中間ノズルアレイプレート26上に移動し、中間ノズルアレイプレート26上を走査して画像を撮影し、撮影された画像信号は画像処理部30に送られ、画像処理部30で画像処理を行い、中間ノズルアレイプレート26に形成された描画パターンに、必要がないところに余剰な液滴が充填された液滴吐出穴40や、液滴が必要なのに充填されていない液滴吐出穴40が存在しないかという不具合がないか判定する。
【0089】
判定の結果、不具合があった場合には、ステップS140で、その不具合に応じた修復処理(メンテナンス処理)をそれぞれ図9あるいは図10に示したようにして行う。
【0090】
ステップS150において、中間ノズルアレイプレート26上に描画パターンが正しく形成されたら、吐出制御部76は、中間ノズルアレイプレート26上の金属膜48と土台プレート20との間をつなぐ導線42により中間ノズルアレイプレート26と基板16の間に電圧をかけ、中間ノズルアレイプレート26の液滴吐出穴40に充填された全ての液滴44を基板16側に引き寄せて、一斉に基板16上に吐出し、一気に描画パターンを基板16に形成する。これは静電吸引型インクジェット方式の応用である。
【0091】
また、このときの印加電圧は5000V程度であり、液体は前述したように導電性の液体を使用する。また、溶媒は、水系でも有機系でもよいが、溶質を含めた溶液状態で吐出に足りる導電性を有するものとする。また、103〜1012[Ω・cm]程度の比抵抗率を有するものとする。そして、中間ノズルアレイプレート26の上面に形成された金属薄膜と、基板16を載せる土台プレート20との間に電圧を印加する。
【0092】
このように、中間ノズルアレイプレート26から基板16上に一斉に液滴を吐出することにより、隣接ドットが同時に基板16上に着弾することになり、その結果、一方の液滴が他方に引き寄せられて膨らむことがなく、バルジが抑制される。
【0093】
最後に、ステップS160において、乾燥部34で基板16を加熱して、図15に示すように、基板16上に着弾した液滴46を乾燥させ、描画パターンを定着させる。さらに、このとき必要なら焼結して機能化するようにしてもよい。
【0094】
このように、本実施形態においては、中間ノズルアレイプレートに一旦配線パターンを形成した後、基板上に一斉に液滴を吐出して一気に配線パターンを基板上に形成するようにしたため、基板上に着弾する液滴ドットはすべて同じ状態であり、これによりバルジの発生が抑制できる。
【0095】
また、中間ノズルアレイプレート上に配線パターンを形成した後、基板上に一気に吐出する前に、描画の不良を検出することが可能となった。
【0096】
また、このように中間ノズルアレイプレートに形成された配線パターンを一気に基板上に吐出することにより効率的に配線パターンを形成することが可能となった。
【0097】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0098】
本第2実施形態は、本発明をグラフィックに適用したものであり、複数の色のインクを用い、記録紙上にカラー画像を形成するものである。本第2実施形態も前述した第1実施形態と同様に、中間ノズルアレイプレートに一旦画像を形成した後、一斉に記録紙上に吐出してカラー画像を形成するものである。
【0099】
図16に、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す。
【0100】
図16に示すように、本実施形態の画像形成装置100は、中間ノズルアレイプレート150に対してインクを吐出する、インクの色毎に設けられた複数の液体吐出ヘッド112K、112C、112M、112Yを有する印字部112と、各液体吐出ヘッド112K、112C、112M、112Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部114と、記録紙116を供給する給紙部118と、記録紙116のカールを除去するデカール処理部120と、前記中間ノズルアレイプレート150の下面に対向して配置され、記録紙116の平面性を保持しながら記録紙116を搬送する吸着ベルト搬送部122と、印字部112による中間ノズルアレイプレート150に対する印字結果を読み取る印字検出部124と、中間ノズルアレイプレート150に対する印字結果に不具合があった場合にその修復処理を行うメンテナンス部152と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部126とを備えている。
【0101】
なお、中間ノズルアレイプレート150は、前述した第1実施形態と同様の構成で、描画パターンのドット密度と同等で同じ配置の穴が形成されたプレートであり、その上面には導電性の金属膜が形成されている。
【0102】
図16では、給紙部118の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
【0103】
ロール紙を使用する装置構成の場合、図16のように、裁断用のカッター128が設けられており、該カッター128によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター128は、記録紙116の搬送路幅以上の長さを有する固定刃128Aと、該固定刃128Aに沿って移動する丸刃128Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃128Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃128Bが配置されている。なお、カット紙を使用する場合には、カッター128は不要である。
【0104】
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコードあるいは無線タグ等の情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
【0105】
給紙部118から送り出される記録紙116はマガジンに装填されていたことによる巻き癖が残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部120においてマガジンの巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム130で記録紙116に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
【0106】
デカール処理後、カットされた記録紙116は、吸着ベルト搬送部122へと送られる。吸着ベルト搬送部122は、ローラー131、132間に無端状のベルト133が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部112のノズル面及び印字検出部124のセンサ面に対向する部分が平面(フラット面)をなすように構成されている。
【0107】
ベルト133は、記録紙116幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(図示省略)が形成されている。図16に示したとおり、ローラー131、132間に掛け渡されたベルト133の内側において印字部112のノズル面及び印字検出部124のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバー134が設けられており、この吸着チャンバー134をファン135で吸引して負圧にすることによってベルト133上の記録紙116が吸着保持される。また、ベルト133は第1実施形態における土台プレートの役割りを果たすものであり、その表面に導電性膜が形成されているか、あるいはベルト133自体が導電性材料で構成されている。そして、中間ノズルアレイプレート150表面の金属薄膜とベルト133との間に電圧が印加されるようになっている。
【0108】
ベルト133が巻かれているローラー131、132の少なくとも一方にモータ(図示省略)の動力が伝達されることにより、ベルト133は図16において、時計回り方向に駆動され、ベルト133上に保持された記録紙116は、図16の左から右へと搬送される。
【0109】
吸着ベルト搬送部122により形成される用紙搬送路上において印字部112の上流側には、加熱ファン140が設けられている。加熱ファン140は、印字前の記録紙116に加熱空気を吹きつけ、記録紙116を加熱する。印字直前に記録紙116を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
【0110】
印字部112は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている。
【0111】
図16に示したように、インク貯蔵/装填部114は、各液体吐出ヘッド112K、112C、112M、112Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは図示を省略した管路を介して各液体吐出ヘッド112K、112C、112M、112Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部114は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
【0112】
本実施形態においては、インクは導電性のインクが用いられ、液体吐出ヘッド112K、112C、112M、112Yを中間ノズルアレイプレート150上を走査させて、描画パターンに対応した中間ノズルアレイプレート150上に形成された穴に対してインクを吐出して描画パターンを形成する。この描画パターンの形成は、各色インクを異なる穴に対して吐出し、最終的に記録紙116上に各色のドットを並べて人の見た目で色をまぜるようにしてもよいし、各色を同じ穴に吐出して中間ノズルアレイプレート150の穴で色を混ぜるようにしてもよい。
【0113】
中間ノズルアレイプレート150に描画パターンに従って画像を形成した後、印字検出部124で検査を行う。中間ノズルアレイプレート150に対する画像形成が終了した後、印字部112を退避させ、その代わりに印字検出部124を中間ノズルアレイプレート150上に移動させる。
【0114】
印字検出部124は、印字部112の中間ノズルアレイプレート150に対する打滴結果を撮像するためのCCD(イメージセンサ)を含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像から中間ノズルアレイプレート150に形成された穴に描画パターンに対応してインクが充填されているか否かを検査する。
【0115】
印字検出部124の後段には、中間ノズルアレイプレート150に形成された描画パターンに不具合が検出された場合に、修復処理を行うメンテナンス部152が設けられている。
【0116】
その後、中間ノズルアレイプレート150の真下に記録紙116を搬送し、中間ノズルアレイプレート150と記録紙116を載せているベルト133との間に電圧を印加し、描画データに応じて中間ノズルアレイプレート150の各穴に充填されている導電性のインクを、一斉に記録紙116に向けて吐出させることにより、記録紙116上に画像を形成する。
【0117】
また、その後段には後乾燥部142が設けられている。後乾燥部142は、記録紙116に印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹きつける方式が好ましい。
【0118】
多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
【0119】
後乾燥部142の後段には、加熱・加圧部144が設けられている。加熱・加圧部144は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラー145で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
【0120】
このようにして生成されたプリント物は、排紙部126から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。この画像形成装置100では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部126A、126Bへと送るために排紙経路を切り換える選別手段(図示省略)が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)148によってテスト印字の部分を切り離す。カッター148は、排紙部126の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に、本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター148の構造は前述した第1のカッター128と同様であり、固定刃148Aと丸刃148Bとから構成されている。
【0121】
また、図示を省略したが、本画像の排出部126Aには、オーダー別に画像を集積するソーターを設けるようにしてもよい。
【0122】
このように、本実施形態においても、一旦中間ノズルアレイプレート上に画像を形成した後、一斉に記録紙上にインクを吐出するようにしているため、バルジの発生を防ぎながら、記録紙に画像を描画する前にその不良を検出し、効率的にカラー画像を形成することができる。
【0123】
以上、本発明の画像形成方法及び装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】本発明に係る画像形成装置の第1実施形態の概略を示す全体構成図である。
【図2】本実施形態の画像形成装置の液体吐出ヘッド、土台プレート及び中間ノズルアレイプレートの部分を示す斜視図である。
【図3】液体吐出ヘッドの平面透視図である。
【図4】圧力室ユニットの構造を示すための図3中の4A−4B線に沿った断面図である。
【図5】画像形成装置10における液体供給系の構成を示した概要図である。
【図6】中間ノズルアレイプレートの液滴吐出穴に液滴が吐出される様子を示す断面図である。
【図7】中間ノズルアレイプレートの液滴吐出穴の断面図である。
【図8】中間ノズルアレイプレートに形成されたパターンを検査する様子を示す斜視図である。
【図9】余剰な液滴を除去する様子を示す説明図である。
【図10】必要な液滴が充填されなかった液滴吐出穴に対して液滴を補充打滴する様子を示す説明図である。
【図11】本実施形態に係る画像形成装置のシステム構成を示す要部ブロック図である。
【図12】本実施形態の画像形成装置の作用を示すフローチャートである。
【図13】中間ノズルアレイプレートに液滴を打滴する様子を示す説明図である。
【図14】中間ノズルアレイプレートから基板上に液滴を一斉に吐出する様子を示す説明図である。
【図15】基板上に形成された描画パターンを定着させる様子を示す説明図である。
【図16】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の概略を示す全体構成図である。
【符号の説明】
【0125】
10…画像形成装置、12…液体吐出ヘッド、14…液体貯蔵/装填部、16…基板、18…供給部、20…土台プレート、22…排出部、24…搬送部、26…中間ノズルアレイプレート、28…印字検出部、29…CCD、30…画像処理部、32…メンテナンス部、34…乾燥部、76…吐出制御部、78…メンテナンス制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成方法及び装置に係り、特に、インクジェット装置により配線や線状の画像を高精度に形成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体装置の製造においては、レジスト膜を使用してホトリソグラフィ法により微細な回路パターンを形成していた。これに対し、近年では、導電性微粒子を分散媒に分散させた液体(分散液)をインクジェット装置により液滴として基板上に吐出して回路パターンを形成する液滴吐出法が用いられるようになっている。
【0003】
しかし、液滴吐出法では、基板上に液滴を吐出して配線を形成していく際、先に打滴された液滴と、後から打滴された液滴とが基板上で干渉し、液滴が一方に寄って液溜まり(バルジ)が発生することがある。このように液滴が寄ってバルジが発生すると、液滴が寄って膨らんだ部分では短絡が生じたり、その一方で液滴が少なくなる部分が生じ、そこでは断線が生じたりする等の不具合の原因となるという問題がある。
【0004】
そこで、液滴吐出法において、バルジを抑えて高精度に配線パターンを形成することが望まれていた。これに対し、例えば、液滴吐出法で配線パターンを形成する際、バルジ等の不都合の発生を抑えて幅広化を実現するパターンの形成方法が知られている(例えば、特許文献1等参照)。これは、基板に液滴を吐出して、まず配線パターンの線幅方向中央部を形成し、次に中央部に対して一方の側部を形成し、次に中央部の他方の側部を形成するものであり、それぞれ各部(中央部、一方の側部、他方の側部)を形成する際も、同じラインを複数回走査し、最初の走査で所定間隔をあけて吐出し、次の走査でその間に吐出するようにして、基板上に打滴された液滴同士が乾燥する前に接触して干渉するのを防ぐことによってバルジの発生を抑制するものである。
【特許文献1】特開2004−290958号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の方法では、バルジの発生を防ぐために、隣り合った液滴を同時に打滴しないように、打滴を何回かにわけて、1本のラインを形成するのに複数回走査しているため、非常に効率が悪いという問題がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、バルジの発生を抑制するとともに、描画前に不良を検出し、効率的に画像を形成することのできる画像形成方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、液体を液滴として記録媒体に向けて吐出する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体の間に前記記録媒体と平行に配置された、描画パターンと同じ密度及び配置で液体吐出用の穴が形成された中間ノズルアレイプレートと、前記中間ノズルアレイプレートの前記液体吐出用の穴から、前記記録媒体に向けて前記液体を一斉に吐出させる手段と、を有し、前記液体吐出ヘッドから、前記中間ノズルアレイプレートの描画データに対応した前記液体吐出用の穴に向けて液体を吐出して前記穴を前記液体で充填して前記中間ノズルアレイプレートに描画パターンを形成した後、中間ノズルアレイプレートの前記液体が充填された前記液体吐出用の穴から前記記録媒体に向けて、一斉に前記液体を吐出して、前記記録媒体上に描画パターンを形成することを特徴とする画像形成装置を提供する。
【0008】
これにより、記録媒体上に形成される液滴ドットがすべて同じ状態となるため、バルジの発生を抑制することが可能となり、また効率的に描画パターンを形成することができる。
【0009】
また、請求項2に示したように、前記液体は導電性の液体であり、前記中間ノズルアレイプレートの前記液体吐出用の穴から、前記記録媒体に向けて前記液体を一斉に吐出させる手段は、前記中間ノズルアレイプレートと前記記録媒体を支持するプレートとの間に電圧を印加することにより前記液体を前記記録媒体に吐出させることを特徴とする。
【0010】
これにより、中間ノズルアレイプレートから記録媒体上に液滴を簡単に同時に一気に吐出することが可能となり、バルジの発生が抑制できる。
【0011】
また、請求項3に示したように、前記中間ノズルアレイプレートの前記液体吐出用の穴は、テーパ状に形成され、前記液体吐出ヘッドから吐出された液体の径をd1、前記穴の前記液体吐出ヘッド側の径をd2、前記穴の前記記録媒体側の径をd3とするとき、d2>d1>d3が成り立つことを特徴とする。
【0012】
これにより、疎な液体吐出ヘッドから密な中間ノズルアレイプレートに対し確実に液体を充填することができる。
【0013】
また、請求項4に示すように、前記中間ノズルアレイプレートの前記液体吐出用の穴のテーパ部の内部表面は親液性であり、かつ前記記録媒体側の表面は撥液性であることを特徴とする。
【0014】
これにより、中間ノズルアレイプレートは、充填された液体を確実に保持するとともに、液体を記録媒体に吐出する際、液滴が中間ノズルアレイプレート表面に付着することを防止できる。
【0015】
また、請求項5に示したように、請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置であって、さらに、前記中間ノズルアレイプレートに描画パターンを形成した後、前記中間ノズルアレイプレートから前記記録媒体に向けて一斉に前記液体を吐出する前に前記中間ノズルアレイプレートに形成された前記描画パターンを検査する手段を備えたことを特徴とする。
【0016】
これにより、事前に不良を検知できるため、良好な描画パターンを形成することができる。
【0017】
また、同様に前記目的を達成するために、請求項6に記載の発明は、液体を液滴として記録媒体に向けて吐出する液体吐出ヘッドと前記記録媒体の間に描画パターンと同じ密度及び配置で液体吐出用の穴が形成された中間ノズルアレイプレートを配置する工程と、前記液体吐出ヘッドから前記中間ノズルアレイプレートの前記液体吐出用の穴に向けて描画データに対応して液体を吐出して前記穴を前記液体で充填する工程と、前記中間ノズルアレイプレートの前記液体が充填された前記液体吐出用の穴から、前記記録媒体に向けて一斉に前記液体を吐出する工程と、を有することを特徴とする画像形成方法を提供する。
【0018】
これにより、記録媒体上に形成される液滴ドットがすべて同じ状態となるため、バルジの発生を抑制することが可能となり、また効率的に描画パターンを形成することができる。
【0019】
また、請求項7に示すように、前記液体は導電性の液体であり、前記中間ノズルアレイプレートの前記液体が充填された前記液体吐出用の穴から、前記記録媒体に向けて一斉に前記液体を吐出する工程は、前記中間ノズルアレイプレートと前記記録媒体を支持するプレートとの間に電圧を印加することにより前記液体を前記記録媒体に吐出するようにしたことを特徴とする。
【0020】
これにより、中間ノズルアレイプレートから記録媒体上に液滴を簡単に同時に一気に吐出することが可能となり、バルジの発生が抑制できる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によれば、記録媒体上に形成される液滴ドットがすべて同じ状態となるため、バルジの発生を抑制することが可能となり、また効率的に描画パターンを形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る画像形成方法及び装置について詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明に係る画像形成装置の第1実施形態の概略を示す全体構成図である。本実施形態の画像形成装置は、導電性微粒子を分散媒に分散させた液体(分散液)を液体吐出ヘッドから液滴として基板上に吐出して配線パターンを形成するものである。
【0024】
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置10は、基板上に配線パターンを形成するものであり、液体吐出ヘッド12、液体吐出ヘッド12に液体を供給する液体貯蔵/装填部14と、基板16を供給する供給部18と、その上で基板16に対して配線パターンが形成される土台プレート20と、配線パターンが印字された基板16を排出する排出部22と、基板16を供給部18から土台プレート20上に搬送するとともに、基板16を土台プレート20から排出部22に搬送する搬送部24とを備えている。
【0025】
基板16は、土台プレート20上に載置されて配線パターンが形成される。土台プレート20上に載置された基板16の上方には液体吐出ヘッド12が配置されており、基板16と液体吐出ヘッド12との間には、中間ノズルアレイプレート26が配置されている。詳しくは後述するが、この中間ノズルアレイプレート26は、描画パターンのドット密度と同等で同じ配置の液滴吐出用の穴が形成されたプレートである。
【0026】
液体吐出ヘッド12から配線パターンに従って中間ノズルプレート26の穴に液滴が吐出され、各穴は液滴で充填される。各穴は液滴を表面張力によって保持する。中間ノズルアレイプレート26に配線パターンが形成されるようになっている。上述したようにこの液体は導電性微粒子を分散媒に分散させた液体であり、土台プレート20と中間ノズルアレイプレート26との間に電圧を印加すると、中間ノズルアレイプレート26の各穴に保持され配線パターンを形成している液滴が一斉に土台プレート20上の基板16に向けて吐出される。これにより、基板16上に配線パターンが一気に形成される。
【0027】
このように、中間ノズルアレイプレート26に配線パターンを一旦形成しておき、これを一気に基板16向けて吐出して基板16上に配線パターンを形成することによって、バルジの発生を抑制することができる。
【0028】
これは、液滴の基板16上への着弾に時間差があると、例えば先に着弾している液滴が広がる途中のところへ後から着弾した液滴が接触して、先に着弾している液滴の方へ引き寄せられてバルジが発生すると考えられているため、同時に全ての液滴を打滴することで全ての液滴を同じ状態とし、液滴の移動をなくすことでバルジが抑制されると考えられるからである。
【0029】
また、画像形成装置10は、この他に、中間ノズルアレイプレート26上(の穴)に吐出された配線パターンが正しく形成されているか検査する印字検出部28と、中間ノズルアレイプレート26上に配線パターンが正しく形成されていない場合に、これを修正するメンテナンス部32及び基板16上に吐出された液滴で形成された配線パターンを乾燥し定着させるための乾燥部34とを有している。
【0030】
印字検出部28は、基板16上に吐出された液滴で形成された配線パターンを撮像するCCD29と、CCD29が撮像して得られた画像信号を処理して配線パターンが正しく形成されているか判定する画像処理部30とから構成されている。
【0031】
図2は、本実施形態の画像形成装置10の液体吐出ヘッド12、土台プレート20及び中間ノズルアレイプレート26の部分を示す斜視図である。
【0032】
図2に示すように、土台プレート20上に置かれた基板16の上方にこれと平行に中間ノズルアレイプレート26が配置され、その上を図中の矢印のように液体吐出ヘッド12が走査するようになっている。
【0033】
中間ノズルアレイプレート26は、基板と同じ平面サイズを有し、描画パターンと同じ密度で、同じ配置の多数の穴(液滴吐出穴)40が形成されている。中間ノズルアレイプレート26及び土台プレート20は、それぞれ上面に導電性の金属薄膜が形成され、これらは導線42で接続され、中間ノズルアレイプレート26と土台プレート20との間に電圧が印加されるようになっている。なお、中間ノズルアレイプレート26及び土台プレート20は、その表面に金属薄膜を形成する代わりに、プレートそのものが導電性のある物質で構成されていてもよい。
【0034】
このとき、液体吐出ヘッド12から中間ノズルアレイプレート26の各液滴吐出穴40の中に、描画パターンに応じて液滴44を吐出し、中間ノズルアレイプレート26の液滴吐出穴40中に吐出された液滴によって描画パターンが形成される。
【0035】
中間ノズルアレイプレート26に描画パターンが形成されたら、導線42により中間ノズルアレイプレート26と土台プレート20の間に電圧を印加すると、中間ノズルアレイプレート26の液滴吐出穴40の中の導電性微粒子を含む液体が、電界の作用により基板16上に引き寄せられる。これにより、中間ノズルアレイプレート26の(その中に液体が充填されている)液滴吐出穴40から基板16に向けて一斉に液滴46が吐出されるようになっている。
【0036】
図に示す液体吐出ヘッド12は、中間ノズルアレイプレート26の全幅を担う幅を有する長尺のラインヘッドである。しかし必ずしもこのようなフルラインヘッドに限定されるものではなく、シャトルスキャン(シリアルスキャン)型のヘッドであってもよい。しかし、フルラインヘッドの場合には、図中の矢印のように1回走査(シングルパススキャン)を行えば中間ノズルアレイプレート26の全面に一度で描画することができるので好ましい。
【0037】
図3に、液体吐出ヘッド12の平面透視図を示す。
【0038】
図3に示すように、本実施形態の液体吐出ヘッド12は、導電性微粒子を含む液体を液滴として吐出するノズル51、液体を吐出する際、液体に圧力を付与する圧力室52、図示を省略した供給液室から圧力室52に液体を供給する液体供給口53を含んで構成される圧力室ユニット54が千鳥状の2次元マトリクス状に配列され、ノズル51の高密度化が図られている。
【0039】
図3に示す例においては、各圧力室52を上方から見た場合に、その平面形状は略正方形をしているが、圧力室52の形状はこのような正方形状に限定されるものではない。圧力室52には、図3に示すように、その対角線の一方の端にノズル51が形成され、他方の端の側に液体供給口53が設けられている。
【0040】
また、図3中の4A−4B線に沿った断面図を図4に示す。
【0041】
図4に示すように、圧力室ユニット54は、ノズル51と連通する圧力室52によって主に形成されている。圧力室52は、ノズル51と連通するとともに、液体供給口53を介して液体を供給する供給液室55と連通する。圧力室52の一面(図では天面)は振動板56で構成され、その上部には、振動板56に圧力を付与して振動板56を変形させる圧電素子58が接合され、圧電素子58の上面には個別電極57が形成されている。また、振動板56は、共通電極を兼ねている。
【0042】
圧電素子58は、共通電極(振動板)56と個別電極57によって挟まれており、これら2つの電極56、57に駆動電圧を印加することによって変形する。圧電素子58の変形によって振動板56が押され、圧力室52の容積が縮小されてノズル51から液体が吐出されるようになっている。2つの電極56、57の間への電圧印加が解除されると、圧電素子58がもとに戻り、圧力室52の容積が元の大きさに回復し、供給液室55から液体供給口53を通って新しい液体が圧力室52に供給されるようになっている。
【0043】
図5は、画像形成装置10における液体供給系の構成を示した概要図である。
【0044】
液体タンク60は、液体吐出ヘッド12に液体を供給するための基タンクであり、図1で説明した液体貯蔵/装填部14に設置される。液体タンク60の形態には、液体残量が少なくなった場合に、補充口(図示省略)から液体を補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じて液体種類を変える場合に、カートリッジ方式が適している。この場合、液体の種類情報をバーコード等で識別して、液体種類に応じて液体吐出ヘッド12の制御を行うことが好ましい。なお、図5の液体タンク60は、先に記載した図1の液体貯蔵/装填部14と等価なものである。
【0045】
図5に示したように、液体タンク60と液体吐出ヘッド12を繋ぐ管路の中間には、異物や気泡を除去するために、フィルタ62が設けられている。なお、図5には示さないが、液体吐出ヘッド12の近傍または液体吐出ヘッド12と一体にサブタンクを設けるようにしてもよい。サブタンクは、ヘッドの内圧変動を防止するダンパー効果及びリフィルを改善する機能を有している。
【0046】
また、画像形成装置10には、ノズルの乾燥防止又はノズル近傍の液体粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ64と、ノズル面(液体吐出ヘッド12のノズル51が形成されている側の面)12Aの清掃手段としてのクリーニングブレード66とが設けられている。
【0047】
これらキャップ64及びクリーニングブレード66を含む液体吐出ヘッド12の回復手段は、図示を省略した移動機構によって液体吐出ヘッド12に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置から液体吐出ヘッド12下方の回復処理位置に移動される。
【0048】
キャップ64は、図示しない昇降機構によって液体吐出ヘッド12に対して相対的に昇降変位される。昇降機構は、電源OFF時や印刷待機時にキャップ64を所定の上昇位置まで上昇させ、液体吐出ヘッド12に密着させることにより、ノズル面12Aのノズル領域をキャップ64で覆うようになっている。
【0049】
クリーニングブレード66は、ゴムなどの弾性部材で構成されており、図示を省略したブレード移動機構により液体吐出ヘッド12のインク吐出面(ノズル面12A)に摺動可能である。ノズル面12Aにインク液滴又は異物が付着した場合、クリーニングブレード66をノズル面12Aに摺動させることでノズル面12Aを拭き取り、ノズル面12Aを清浄するようになっている。
【0050】
印字中又は待機中において、特定のノズル51の使用頻度が低くなり、そのノズル51近傍のインク粘度が上昇した場合、粘度が上昇して劣化したインクを排出すべく、キャップ64に向かって予備吐出が行われる。
【0051】
また、液体吐出ヘッド12内のインク(圧力室52内のインク)に気泡が混入した場合、液体吐出ヘッド12にキャップ64を当て、吸引ポンプ67で圧力室52内のインク(気泡が混入したインク)を吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク68へ送液する。この吸引動作は、初期のインクのヘッドへの装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも行われ、粘度が上昇して固化した劣化インクが吸い出され除去される。
【0052】
すなわち、液体吐出ヘッド12は、ある時間以上吐出しない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してノズル近傍のインクの粘度が高くなってしまい、吐出駆動用の圧力発生手段(図示省略、後述)が動作してもノズル51からインクが吐出しなくなる。したがって、この様な状態になる手前で(圧力発生手段の動作によってインク吐出が可能な粘度の範囲内で)、インク受けに向かって圧力発生手段を動作させ、粘度が上昇したノズル近傍のインクを吐出させる「予備吐出」が行われる。また、ノズル面12Aの清掃手段として設けられているクリーニングブレード66等のワイパーによってノズル面12Aの汚れを清掃した後に、このワイパー摺擦動作によってノズル51内に異物が混入するのを防止するためにも予備吐出が行われる。なお、予備吐出は、「空吐出」、「パージ」、「唾吐き」などと呼ばれる場合もある。
【0053】
また、ノズル51や圧力室52内に気泡が混入したり、ノズル51内のインクの粘度上昇があるレベルを超えたりすると、上記予備吐出ではインクを吐出できなくなるため、上述したような吸引動作を行う。
【0054】
すなわち、ノズル51や圧力室52のインク内に気泡が混入した場合、或いはノズル51内のインク粘度があるレベル以上に上昇した場合には、圧力発生手段を動作させてもノズル51からインクを吐出できなくなる。このような場合、液体吐出ヘッド12のノズル面12Aに、キャップ64を当てて圧力室52内の気泡が混入したインク又は増粘インクをポンプ67で吸引する動作が行われる。
【0055】
ただし、上記の吸引動作は、圧力室52内のインク全体に対して行われるためインク消費量が大きい。したがって、粘度上昇が少ない場合はなるべく予備吐出を行うことが好ましい。なお、図5で説明したキャップ64は、吸引手段として機能するとともに、予備吐出のインク受けとしても機能し得る。
【0056】
また、好ましくは、キャップ64の内側が仕切壁によってノズル列に対応した複数のエリアに分割されており、これら仕切られた各エリアをセレクタ等によって選択的に吸引できる構成とする。
【0057】
図6に、中間ノズルアレイプレート26の液滴吐出穴40に液体吐出ヘッド12のノズル51から液滴44を吐出する様子を示す。
【0058】
図6に示すように、液体吐出ヘッド12のノズル51から吐出された液滴44が正確に入るように、中間ノズルアレイプレート26の液滴吐出穴40は、テーパ状に形成され、液体吐出ヘッド12側に向いた上面側が広く、また後で液滴を吐出する下側が狭く形成されている。
【0059】
このとき、ノズル51から吐出された液滴44の直径をd1、液滴吐出穴40の上側の直径をd2、液滴吐出穴40の下側の直径をd3とするとき、d2>d1>d3という関係が成り立つことが好ましい。
【0060】
これにより、ノズル51から吐出された液滴44が液滴吐出穴40に入りやすくなり、また、後に液滴吐出穴40から基板に向けて液滴を吐出して基板上に配線パターンを形成する際、精細なパターンを描画することができる。
【0061】
図7に、中間ノズルアレイプレート26の液滴吐出穴40を拡大して断面図で示す。
【0062】
図7に示すように、中間ノズルアレイプレート26は、上面(液体吐出ヘッド12側)には導電性の金属薄膜48が形成され、下面(基板16側)には撥液膜49が形成されている。また、液滴吐出穴40の、ノズル51から吐出された液滴が充填され保持される部分の表面40aは親液性表面となるように形成されている。また、液滴吐出穴40の液滴吐出側の表面40bは撥液性表面となっている。
【0063】
これにより、液滴吐出穴40は、ノズル51から吐出された液滴を確実に保持し、液滴吐出穴40から液滴が下に垂れるようなことはない。また、液滴吐出穴40から基板16に向けて液滴を吐出するときには(図2参照)、吐出した液滴の一部が液滴吐出穴40の下側表面への付着が抑制される。
【0064】
また、本実施形態の画像形成装置10においては、液体吐出ヘッド12から中間ノズルアレイプレート26に描画パターンに応じて液滴を吐出した後、それを一度に基板16上に吐出する前に、中間ノズルアレイプレート26上に形成された描画パターンの検査が行われる。
【0065】
図8に、その描画パターンの検査の様子を示す。
【0066】
液体吐出ヘッド12から中間ノズルアレイプレート26に液滴を吐出して描画パターン(配線パターン)を形成した後、液体吐出ヘッド12は退避し、それに変わって印字検出部28のCCD29が中間ノズルアレイプレート26上に移動する。そして、CCD29は中間ノズルアレイプレート26上を走査して撮像を行う。撮像信号は画像処理部30に送信される。画像処理部30は、送られた撮像信号を画像処理して描画されるべきパターンと比較し、中間ノズルアレイプレート26上に形成されたパターンを検査する。
【0067】
このとき、検査しやすいように、透明の液体には機能を阻害しない範囲で色をつけるようにしてもよい。
【0068】
これにより、図8に示すように、中間ノズルアレイプレート26上の液滴吐出穴40のうち、誤って余剰な液滴がある液滴吐出穴40−1や、逆に誤って液滴が充填されていない液滴吐出穴40−2が検出される。
【0069】
検査の結果、このような不具合が検出された場合には、以下のような修正作業(修復処理)が行われる。
【0070】
すなわち、誤って余剰な液滴がある液滴吐出穴40−1の存在が検出された場合には、その液滴吐出穴40−1から余剰な液滴を除去するようにする。
【0071】
例えば、図9に示すように、メンテナンス部32の棒47の先端部47aに吸液性のある材質を保持し、この棒47をXY平面方向、Z軸高さ方向の所定の位置に移動可能に構成して、余剰な液滴がある液滴吐出穴40−1の位置までこの棒47を移動し、その先端部47aを液滴吐出穴40−1中の液滴に接触させて液滴を吸収することにより、余剰な液滴を除去するようにしてもよい。
【0072】
また、誤って液滴が充填されていない液滴吐出穴40−2の存在が検出された場合には、図10に示すように、その液滴吐出穴40−2に対して液体吐出ヘッド12から再度液滴44を吐出して充填するようにする。
【0073】
図11は、本実施形態に係る画像形成装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。
【0074】
図11に示すように、画像形成装置10は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、画像メモリ74、吐出制御部76、メンテナンス制御部78、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84等を備えている。
【0075】
通信インターフェース70は、ホストコンピュータ86から送られてくる描画パターンを示す画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース70にはUSB、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(図示省略)を搭載してもよい。ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェース70を介して画像形成装置10に取り込まれ、一旦画像メモリ74に記憶される。画像メモリ74は、通信インターフェース70を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなどの磁気媒体を用いてもよい。
【0076】
システムコントローラ72は、通信インターフェース70、画像メモリ74、搬送部24、乾燥部34等の各部を制御する制御部である。システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、ホストコンピュータ86との間の通信制御、画像メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、搬送部24のモータや乾燥部34のヒーターを制御する制御信号を生成する。
【0077】
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御に従い、画像メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字制御信号(印字データ)をヘッドドライバ84に供給する制御部である。プリント制御部80において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ84を介して液体吐出ヘッド12の液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
【0078】
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ82に一時的に格納される。なお、図11において画像バッファメモリ82はプリント制御部80に付随する態様で示されているが、画像メモリ74と兼用することも可能である。また、プリント制御部80とシステムコントローラ72とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
【0079】
ヘッドドライバ84はプリント制御部80から与えられる印字データに基づいて液体吐出ヘッド12の圧力発生手段を駆動する。ヘッドドライバ84にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
【0080】
印字検出部28は、図1で説明したように、CCD29及び画像処理部30を含むブロックであり、中間ノズルアレイプレート26に印字された画像(描画パターン)を読み取り、所要の信号処理などを行って印字状況(吐出の有無など)を検出し、その検出結果をプリント制御部80に提供するものである。
【0081】
プリント制御部80は、必要に応じて印字検出部28から得られる情報に基づいてメンテナンス制御部78を介して中間ノズルアレイプレート26に形成された描画パターンの不具合を修正するようになっている。
【0082】
また、吐出制御部76は、中間ノズルアレイプレート26に描画パターンが正しく形成されると、導線42を介して中間ノズルアレイプレート26と土台プレート20との間に電圧を印加して、中間ノズルアレイプレート26の液滴が充填されている液滴吐出穴40から一斉に液滴を基板16上に吐出し、基板16上に描画パターンを形成する。
【0083】
次に、本実施形態の作用を図12のフローチャート及び図13〜図15の説明図に沿って説明する。
【0084】
まず、図12のステップS100において、プリント制御部80は、システムコントローラ72により描画データ(描画パターン)を取得し、信号処理を施し、ヘッドドライバ84を介して液体吐出ヘッド12を制御する。
【0085】
次のステップS110において、描画データに基づいて、液体吐出ヘッド12から中間ノズルアレイプレート26に向けて液滴を吐出する。
【0086】
このとき、図13に示すように、液体吐出ヘッド12の各ノズル51から、描画パターンに対応した中間ノズルアレイプレート26の液滴吐出穴40に対してのみ打滴される。液体吐出ヘッド12のノズル密度は疎であり、これに対して中間ノズルアレイプレート26の液滴吐出穴40はこれより密に配置されており、液体吐出ヘッド12を走査して、中間ノズルアレイプレート26上の一部の液滴吐出穴40に対して打滴し、描画パターンに対応した液滴吐出穴40を液滴44で充填する。このとき、液滴が乾燥しやすい場合には、処理時間を短くするためには、シングルスキャンが望ましい。
【0087】
また、このとき図6に示したように、各径の寸法が、d2>d1>d3となるように液滴吐出穴40を構成したため、充填された液滴吐出穴40からは、表面張力により液滴44が自然には垂れないようになっている。なお、この条件をみたすためにも、図6等に示すように液滴吐出穴40は吐出側にいくほど径が小さくなるようなテーパ状に形成することが重要である。さらに、液滴吐出穴40の内部は親液性表面で形成され、液滴吐出側の表面は撥液性表面で形成されていることで、液滴44を確実に液滴吐出穴40内に保持することができる。
【0088】
次に、ステップS120において、中間ノズルアレイプレート26上に形成された描画パターンを印字検出部28で検査する。中間ノズルアレイプレート26への描画パターン形成が終了すると、ステップS130において、液体吐出ヘッド12に代わり印字検出部28のCCD29が中間ノズルアレイプレート26上に移動し、中間ノズルアレイプレート26上を走査して画像を撮影し、撮影された画像信号は画像処理部30に送られ、画像処理部30で画像処理を行い、中間ノズルアレイプレート26に形成された描画パターンに、必要がないところに余剰な液滴が充填された液滴吐出穴40や、液滴が必要なのに充填されていない液滴吐出穴40が存在しないかという不具合がないか判定する。
【0089】
判定の結果、不具合があった場合には、ステップS140で、その不具合に応じた修復処理(メンテナンス処理)をそれぞれ図9あるいは図10に示したようにして行う。
【0090】
ステップS150において、中間ノズルアレイプレート26上に描画パターンが正しく形成されたら、吐出制御部76は、中間ノズルアレイプレート26上の金属膜48と土台プレート20との間をつなぐ導線42により中間ノズルアレイプレート26と基板16の間に電圧をかけ、中間ノズルアレイプレート26の液滴吐出穴40に充填された全ての液滴44を基板16側に引き寄せて、一斉に基板16上に吐出し、一気に描画パターンを基板16に形成する。これは静電吸引型インクジェット方式の応用である。
【0091】
また、このときの印加電圧は5000V程度であり、液体は前述したように導電性の液体を使用する。また、溶媒は、水系でも有機系でもよいが、溶質を含めた溶液状態で吐出に足りる導電性を有するものとする。また、103〜1012[Ω・cm]程度の比抵抗率を有するものとする。そして、中間ノズルアレイプレート26の上面に形成された金属薄膜と、基板16を載せる土台プレート20との間に電圧を印加する。
【0092】
このように、中間ノズルアレイプレート26から基板16上に一斉に液滴を吐出することにより、隣接ドットが同時に基板16上に着弾することになり、その結果、一方の液滴が他方に引き寄せられて膨らむことがなく、バルジが抑制される。
【0093】
最後に、ステップS160において、乾燥部34で基板16を加熱して、図15に示すように、基板16上に着弾した液滴46を乾燥させ、描画パターンを定着させる。さらに、このとき必要なら焼結して機能化するようにしてもよい。
【0094】
このように、本実施形態においては、中間ノズルアレイプレートに一旦配線パターンを形成した後、基板上に一斉に液滴を吐出して一気に配線パターンを基板上に形成するようにしたため、基板上に着弾する液滴ドットはすべて同じ状態であり、これによりバルジの発生が抑制できる。
【0095】
また、中間ノズルアレイプレート上に配線パターンを形成した後、基板上に一気に吐出する前に、描画の不良を検出することが可能となった。
【0096】
また、このように中間ノズルアレイプレートに形成された配線パターンを一気に基板上に吐出することにより効率的に配線パターンを形成することが可能となった。
【0097】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0098】
本第2実施形態は、本発明をグラフィックに適用したものであり、複数の色のインクを用い、記録紙上にカラー画像を形成するものである。本第2実施形態も前述した第1実施形態と同様に、中間ノズルアレイプレートに一旦画像を形成した後、一斉に記録紙上に吐出してカラー画像を形成するものである。
【0099】
図16に、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す。
【0100】
図16に示すように、本実施形態の画像形成装置100は、中間ノズルアレイプレート150に対してインクを吐出する、インクの色毎に設けられた複数の液体吐出ヘッド112K、112C、112M、112Yを有する印字部112と、各液体吐出ヘッド112K、112C、112M、112Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部114と、記録紙116を供給する給紙部118と、記録紙116のカールを除去するデカール処理部120と、前記中間ノズルアレイプレート150の下面に対向して配置され、記録紙116の平面性を保持しながら記録紙116を搬送する吸着ベルト搬送部122と、印字部112による中間ノズルアレイプレート150に対する印字結果を読み取る印字検出部124と、中間ノズルアレイプレート150に対する印字結果に不具合があった場合にその修復処理を行うメンテナンス部152と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部126とを備えている。
【0101】
なお、中間ノズルアレイプレート150は、前述した第1実施形態と同様の構成で、描画パターンのドット密度と同等で同じ配置の穴が形成されたプレートであり、その上面には導電性の金属膜が形成されている。
【0102】
図16では、給紙部118の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
【0103】
ロール紙を使用する装置構成の場合、図16のように、裁断用のカッター128が設けられており、該カッター128によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター128は、記録紙116の搬送路幅以上の長さを有する固定刃128Aと、該固定刃128Aに沿って移動する丸刃128Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃128Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃128Bが配置されている。なお、カット紙を使用する場合には、カッター128は不要である。
【0104】
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコードあるいは無線タグ等の情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
【0105】
給紙部118から送り出される記録紙116はマガジンに装填されていたことによる巻き癖が残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部120においてマガジンの巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム130で記録紙116に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
【0106】
デカール処理後、カットされた記録紙116は、吸着ベルト搬送部122へと送られる。吸着ベルト搬送部122は、ローラー131、132間に無端状のベルト133が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部112のノズル面及び印字検出部124のセンサ面に対向する部分が平面(フラット面)をなすように構成されている。
【0107】
ベルト133は、記録紙116幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(図示省略)が形成されている。図16に示したとおり、ローラー131、132間に掛け渡されたベルト133の内側において印字部112のノズル面及び印字検出部124のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバー134が設けられており、この吸着チャンバー134をファン135で吸引して負圧にすることによってベルト133上の記録紙116が吸着保持される。また、ベルト133は第1実施形態における土台プレートの役割りを果たすものであり、その表面に導電性膜が形成されているか、あるいはベルト133自体が導電性材料で構成されている。そして、中間ノズルアレイプレート150表面の金属薄膜とベルト133との間に電圧が印加されるようになっている。
【0108】
ベルト133が巻かれているローラー131、132の少なくとも一方にモータ(図示省略)の動力が伝達されることにより、ベルト133は図16において、時計回り方向に駆動され、ベルト133上に保持された記録紙116は、図16の左から右へと搬送される。
【0109】
吸着ベルト搬送部122により形成される用紙搬送路上において印字部112の上流側には、加熱ファン140が設けられている。加熱ファン140は、印字前の記録紙116に加熱空気を吹きつけ、記録紙116を加熱する。印字直前に記録紙116を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
【0110】
印字部112は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている。
【0111】
図16に示したように、インク貯蔵/装填部114は、各液体吐出ヘッド112K、112C、112M、112Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは図示を省略した管路を介して各液体吐出ヘッド112K、112C、112M、112Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部114は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
【0112】
本実施形態においては、インクは導電性のインクが用いられ、液体吐出ヘッド112K、112C、112M、112Yを中間ノズルアレイプレート150上を走査させて、描画パターンに対応した中間ノズルアレイプレート150上に形成された穴に対してインクを吐出して描画パターンを形成する。この描画パターンの形成は、各色インクを異なる穴に対して吐出し、最終的に記録紙116上に各色のドットを並べて人の見た目で色をまぜるようにしてもよいし、各色を同じ穴に吐出して中間ノズルアレイプレート150の穴で色を混ぜるようにしてもよい。
【0113】
中間ノズルアレイプレート150に描画パターンに従って画像を形成した後、印字検出部124で検査を行う。中間ノズルアレイプレート150に対する画像形成が終了した後、印字部112を退避させ、その代わりに印字検出部124を中間ノズルアレイプレート150上に移動させる。
【0114】
印字検出部124は、印字部112の中間ノズルアレイプレート150に対する打滴結果を撮像するためのCCD(イメージセンサ)を含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像から中間ノズルアレイプレート150に形成された穴に描画パターンに対応してインクが充填されているか否かを検査する。
【0115】
印字検出部124の後段には、中間ノズルアレイプレート150に形成された描画パターンに不具合が検出された場合に、修復処理を行うメンテナンス部152が設けられている。
【0116】
その後、中間ノズルアレイプレート150の真下に記録紙116を搬送し、中間ノズルアレイプレート150と記録紙116を載せているベルト133との間に電圧を印加し、描画データに応じて中間ノズルアレイプレート150の各穴に充填されている導電性のインクを、一斉に記録紙116に向けて吐出させることにより、記録紙116上に画像を形成する。
【0117】
また、その後段には後乾燥部142が設けられている。後乾燥部142は、記録紙116に印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹きつける方式が好ましい。
【0118】
多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
【0119】
後乾燥部142の後段には、加熱・加圧部144が設けられている。加熱・加圧部144は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラー145で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
【0120】
このようにして生成されたプリント物は、排紙部126から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。この画像形成装置100では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部126A、126Bへと送るために排紙経路を切り換える選別手段(図示省略)が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)148によってテスト印字の部分を切り離す。カッター148は、排紙部126の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に、本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター148の構造は前述した第1のカッター128と同様であり、固定刃148Aと丸刃148Bとから構成されている。
【0121】
また、図示を省略したが、本画像の排出部126Aには、オーダー別に画像を集積するソーターを設けるようにしてもよい。
【0122】
このように、本実施形態においても、一旦中間ノズルアレイプレート上に画像を形成した後、一斉に記録紙上にインクを吐出するようにしているため、バルジの発生を防ぎながら、記録紙に画像を描画する前にその不良を検出し、効率的にカラー画像を形成することができる。
【0123】
以上、本発明の画像形成方法及び装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】本発明に係る画像形成装置の第1実施形態の概略を示す全体構成図である。
【図2】本実施形態の画像形成装置の液体吐出ヘッド、土台プレート及び中間ノズルアレイプレートの部分を示す斜視図である。
【図3】液体吐出ヘッドの平面透視図である。
【図4】圧力室ユニットの構造を示すための図3中の4A−4B線に沿った断面図である。
【図5】画像形成装置10における液体供給系の構成を示した概要図である。
【図6】中間ノズルアレイプレートの液滴吐出穴に液滴が吐出される様子を示す断面図である。
【図7】中間ノズルアレイプレートの液滴吐出穴の断面図である。
【図8】中間ノズルアレイプレートに形成されたパターンを検査する様子を示す斜視図である。
【図9】余剰な液滴を除去する様子を示す説明図である。
【図10】必要な液滴が充填されなかった液滴吐出穴に対して液滴を補充打滴する様子を示す説明図である。
【図11】本実施形態に係る画像形成装置のシステム構成を示す要部ブロック図である。
【図12】本実施形態の画像形成装置の作用を示すフローチャートである。
【図13】中間ノズルアレイプレートに液滴を打滴する様子を示す説明図である。
【図14】中間ノズルアレイプレートから基板上に液滴を一斉に吐出する様子を示す説明図である。
【図15】基板上に形成された描画パターンを定着させる様子を示す説明図である。
【図16】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の概略を示す全体構成図である。
【符号の説明】
【0125】
10…画像形成装置、12…液体吐出ヘッド、14…液体貯蔵/装填部、16…基板、18…供給部、20…土台プレート、22…排出部、24…搬送部、26…中間ノズルアレイプレート、28…印字検出部、29…CCD、30…画像処理部、32…メンテナンス部、34…乾燥部、76…吐出制御部、78…メンテナンス制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を液滴として記録媒体に向けて吐出する液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体の間に前記記録媒体と平行に配置された、描画パターンと同じ密度及び配置で液体吐出用の穴が形成された中間ノズルアレイプレートと、
前記中間ノズルアレイプレートの前記液体吐出用の穴から、前記記録媒体に向けて前記液体を一斉に吐出させる手段と、
を有し、前記液体吐出ヘッドから、前記中間ノズルアレイプレートの描画データに対応した前記液体吐出用の穴に向けて液体を吐出して前記穴を前記液体で充填して前記中間ノズルアレイプレートに描画パターンを形成した後、中間ノズルアレイプレートの前記液体が充填された前記液体吐出用の穴から前記記録媒体に向けて、一斉に前記液体を吐出して、前記記録媒体上に描画パターンを形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記液体は導電性の液体であり、前記中間ノズルアレイプレートの前記液体吐出用の穴から、前記記録媒体に向けて前記液体を一斉に吐出させる手段は、前記中間ノズルアレイプレートと前記記録媒体を支持するプレートとの間に電圧を印加することにより前記液体を前記記録媒体に吐出させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記中間ノズルアレイプレートの前記液体吐出用の穴は、テーパ状に形成され、前記液体吐出ヘッドから吐出された液体の径をd1、前記穴の前記液体吐出ヘッド側の径をd2、前記穴の前記記録媒体側の径をd3とするとき、d2>d1>d3が成り立つことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記中間ノズルアレイプレートの前記液体吐出用の穴のテーパ部の内部表面は親液性であり、かつ前記記録媒体側の表面は撥液性であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置であって、さらに、前記中間ノズルアレイプレートに描画パターンを形成した後、前記中間ノズルアレイプレートから前記記録媒体に向けて一斉に前記液体を吐出する前に前記中間ノズルアレイプレートに形成された前記描画パターンを検査する手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
液体を液滴として記録媒体に向けて吐出する液体吐出ヘッドと前記記録媒体の間に描画パターンと同じ密度及び配置で液体吐出用の穴が形成された中間ノズルアレイプレートを配置する工程と、
前記液体吐出ヘッドから前記中間ノズルアレイプレートの前記液体吐出用の穴に向けて描画データに対応して液体を吐出して前記穴を前記液体で充填する工程と、
前記中間ノズルアレイプレートの前記液体が充填された前記液体吐出用の穴から、前記記録媒体に向けて一斉に前記液体を吐出する工程と、
を有することを特徴とする画像形成方法。
【請求項7】
前記液体は導電性の液体であり、前記中間ノズルアレイプレートの前記液体が充填された前記液体吐出用の穴から、前記記録媒体に向けて一斉に前記液体を吐出する工程は、前記中間ノズルアレイプレートと前記記録媒体を支持するプレートとの間に電圧を印加することにより前記液体を前記記録媒体に吐出するようにしたことを特徴とする請求項6に記載の画像形成方法。
【請求項1】
液体を液滴として記録媒体に向けて吐出する液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体の間に前記記録媒体と平行に配置された、描画パターンと同じ密度及び配置で液体吐出用の穴が形成された中間ノズルアレイプレートと、
前記中間ノズルアレイプレートの前記液体吐出用の穴から、前記記録媒体に向けて前記液体を一斉に吐出させる手段と、
を有し、前記液体吐出ヘッドから、前記中間ノズルアレイプレートの描画データに対応した前記液体吐出用の穴に向けて液体を吐出して前記穴を前記液体で充填して前記中間ノズルアレイプレートに描画パターンを形成した後、中間ノズルアレイプレートの前記液体が充填された前記液体吐出用の穴から前記記録媒体に向けて、一斉に前記液体を吐出して、前記記録媒体上に描画パターンを形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記液体は導電性の液体であり、前記中間ノズルアレイプレートの前記液体吐出用の穴から、前記記録媒体に向けて前記液体を一斉に吐出させる手段は、前記中間ノズルアレイプレートと前記記録媒体を支持するプレートとの間に電圧を印加することにより前記液体を前記記録媒体に吐出させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記中間ノズルアレイプレートの前記液体吐出用の穴は、テーパ状に形成され、前記液体吐出ヘッドから吐出された液体の径をd1、前記穴の前記液体吐出ヘッド側の径をd2、前記穴の前記記録媒体側の径をd3とするとき、d2>d1>d3が成り立つことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記中間ノズルアレイプレートの前記液体吐出用の穴のテーパ部の内部表面は親液性であり、かつ前記記録媒体側の表面は撥液性であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置であって、さらに、前記中間ノズルアレイプレートに描画パターンを形成した後、前記中間ノズルアレイプレートから前記記録媒体に向けて一斉に前記液体を吐出する前に前記中間ノズルアレイプレートに形成された前記描画パターンを検査する手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
液体を液滴として記録媒体に向けて吐出する液体吐出ヘッドと前記記録媒体の間に描画パターンと同じ密度及び配置で液体吐出用の穴が形成された中間ノズルアレイプレートを配置する工程と、
前記液体吐出ヘッドから前記中間ノズルアレイプレートの前記液体吐出用の穴に向けて描画データに対応して液体を吐出して前記穴を前記液体で充填する工程と、
前記中間ノズルアレイプレートの前記液体が充填された前記液体吐出用の穴から、前記記録媒体に向けて一斉に前記液体を吐出する工程と、
を有することを特徴とする画像形成方法。
【請求項7】
前記液体は導電性の液体であり、前記中間ノズルアレイプレートの前記液体が充填された前記液体吐出用の穴から、前記記録媒体に向けて一斉に前記液体を吐出する工程は、前記中間ノズルアレイプレートと前記記録媒体を支持するプレートとの間に電圧を印加することにより前記液体を前記記録媒体に吐出するようにしたことを特徴とする請求項6に記載の画像形成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2009−78231(P2009−78231A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−249984(P2007−249984)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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