画像形成装置、制御方法、制御プログラム、記録媒体
【課題】 モノクロ画像およびカラー画像のどちらの画像を印刷する場合でも、確実にノコ歯先端をクリーニングすることによって、長期間に渡って高品位の画像を安定して形成することができる画像形成装置およびその制御方法、制御プログラムならびに記録媒体を提供する。
【解決手段】 画像形成装置は、モノクロ印刷指示信号とフルカラー印刷指示信号とに基づいて画像を形成する画像形成手段と、針電極と、ノコ歯保持部材と、クリーニング部材と、クリーニング部材保持体と移動手段と、クリーニング部材保持体のノコ歯の配列方向に沿った移動を制御する制御手段とを含む。制御手段は、前記モノクロ印刷指示信号と前記フルカラー印刷指示信号とに基づき、クリーニング部材保持体の移動頻度を制御する。
【解決手段】 画像形成装置は、モノクロ印刷指示信号とフルカラー印刷指示信号とに基づいて画像を形成する画像形成手段と、針電極と、ノコ歯保持部材と、クリーニング部材と、クリーニング部材保持体と移動手段と、クリーニング部材保持体のノコ歯の配列方向に沿った移動を制御する制御手段とを含む。制御手段は、前記モノクロ印刷指示信号と前記フルカラー印刷指示信号とに基づき、クリーニング部材保持体の移動頻度を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の画像形成に用いられる感光体表面を均一に帯電させる帯電装置において、ノコ歯に付着した汚染物質をクリーニング部材で清掃するクリーニング機構を有する画像形成装置およびその制御方法、制御プログラム、ならびに記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置には、感光体の表面を均一に帯電させる帯電装置が搭載される。帯電装置としては、たとえば感光体の表面に接触しない非接触帯電装置があり、非接触の帯電装置は、高圧電源が印加された電極からの放電により、感光体の表面を帯電させる。非接触の帯電装置としては、複数の針電極を有するノコ歯タイプの帯電装置がある。ノコ歯タイプの帯電装置の課題として、この帯電装置を備える画像形成装置内に浮遊しているトナー、シリカおよび塵が、高圧電界が発生しているノコ歯先端部に吸着し易く、これを放置すると適正な放電が行われず、いわゆる放電不良が発生する。この放電不良によって、感光体が均一に帯電されないため、画像不良が生じてしまう。特に、トナーの外添剤であるシリカに添加されている疎水化処理剤であるHMDS(ヘキサメチルジシラン)が定着工程で加熱され、TMS(トリメチルシラノール)の揮発ガスが発生し、この揮発ガスがノコ歯の先端に付着して堆積すると、放電不良が顕著化する。
【0003】
しかしながら、HMDSはトナーの高温高湿環境下における帯電性低下を防ぐ目的で使用されており、画像形成装置内から無くすことは容易ではない。このため、たとえば定期的にノコ歯先端を清掃ローラで清掃する方法がある。
【0004】
特許文献1には、前述のようにして帯電装置を清掃する場合に、所定サイズ(A4サイズ)の記録紙に所定印字比率(10%)で印刷したときの印字面積を単位面積として、1の用紙毎の単位面積に対する印刷面積の倍数の累積値を取得し、累積値(印刷枚数の積算値)が所定の設定値に達したとき清掃ローラの移動による清掃処理を行い、印刷枚数の増加に伴い清掃の頻度を上げる定着装置が開示されている。特許文献1に開示の帯電装置によれば、印刷枚数の積算値が増加したときでも電極の汚れを所定の許容レベル以下に制御することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-26739号公報(平成20年2月7日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、近年モノクロ画像形成装置からフルカラー画像形成装置に置き換わりが進み、特許文献1に開示の帯電装置では、印刷面積10%のモノクロ画像を4枚印字したときの累積40%印字より、1枚の記録媒体にブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナーおよびイエロートナーをそれぞれ印刷面積10%で印字し、1枚当たりの印字率の高いフルカラー画像を4枚印字したときの累積40%印字の方がノコ歯汚染は加速される。このため、モノクロ印刷時またはフルカラー印刷時のどちらかにおいて帯電装置のクリーニングは不充分となる。
【0007】
したがって、1の用紙毎の単位面積に対する印刷面積の倍数の累積値に応じて清掃ローラを制御するだけでは、ノコ歯先端の汚染の進行を防止できないため、ノコ歯先端のクリーニング不良が発生し、均一な放電特性が安定して得られず、ひいては高品位の画像を長期間に渡って安定して得ることができない。
【0008】
本発明の目的は、モノクロ画像およびカラー画像のどちらの画像を印刷する場合でも、確実にノコ歯先端をクリーニングすることによって、長期間に渡って高品位の画像を安定して形成することができる画像形成装置およびその制御方法、制御プログラムならびに記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、電子写真方式で画像を形成する画像形成装置であって、
単色印刷を指示するモノクロ印刷指示信号と、フルカラー印刷を指示するフルカラー印刷指示信号とに基づいて画像を形成する画像形成手段と、
複数のノコ歯が一方向に配列した針電極と、
ノコ歯に対して垂直にノコ歯を保持するベース面を有するベース部分、およびノコ歯に対して平行にノコ歯を保持する保持部分で針電極を保持するノコ歯保持部材と、
ノコ歯の配列方向に沿って移動するように配置され、その移動時に複数のノコ歯の先端部に順に接することで針電極をクリーニングするクリーニング部材と、
クリーニング部材を支持するクリーニング部材保持体と、
ノコ歯の配列方向に沿ってクリーニング部材保持体を移動させる移動手段と、
クリーニング部材保持体のノコ歯の配列方向に沿った移動を制御する制御手段とを含み、
制御手段は、前記モノクロ印刷指示信号と前記フルカラー印刷指示信号とに基づき、クリーニング部材保持体の移動頻度を制御することを特徴とする画像形成装置である。
【0010】
また本発明は、前記制御手段は、単色印刷時よりもフルカラー印刷時におけるクリーニング部材保持体の移動頻度を高くするよう制御することを特徴とする。
【0011】
また本発明は、前記画像形成手段は、さらに、写真画像の印刷を指示する写真画像印刷モードの印刷指示信号と、文字画像の印刷を指示する文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づいて画像を形成し、
前記制御手段が、さらに前記写真画像印刷モードの印刷指示信号と、前記文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づき、クリーニング部材保持体の移動頻度を制御することを特徴とする。
【0012】
また本発明は、前記制御手段は、文字画像印刷時よりも写真画像印刷時におけるクリーニング部材保持体の移動頻度を高くするよう制御することを特徴とする。
【0013】
また本発明は、電子写真方式で画像を形成する画像形成装置であって、
写真画像の印刷を指示する写真画像印刷モードの印刷指示信号と、文字画像の印刷を指示する文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づいて画像を形成する画像形成手段と、
複数のノコ歯が一方向に配列した針電極と、
ノコ歯に対して垂直にノコ歯を保持するベース面を有するベース部分、およびノコ歯に対して平行にノコ歯を保持する保持部分で針電極を保持するノコ歯保持部材と、
ノコ歯の配列方向に沿って移動するように配置され、その移動時に複数のノコ歯の先端部に順に接することで針電極をクリーニングするクリーニング部材と、
クリーニング部材を回動自在に支持するクリーニング部材保持体と、
ノコ歯の配列方向に沿ってクリーニング部材保持体を移動させる移動手段と、
クリーニング部材保持体のノコ歯の配列方向に沿った移動を制御する制御手段とを含み、
制御手段は、写真画像印刷モードの印刷指示信号と、文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づき、クリーニング部材保持体の移動頻度を制御することを特徴とする画像形成装置である。
【0014】
また本発明は、前記制御手段は、文字画像印刷時よりも写真画像印刷時におけるクリーニング部材保持体の移動頻度を高くするように制御することを特徴とする。
【0015】
また本発明は、前記クリーニング部材保持体は、クリーニング部材をクリーニング部材保持体の一端に圧接する圧接片を含み、前記移動部材によるノコ歯の配列方向に沿った移動に伴い、ベース部分の形状に応じて、ベース面に平行であり、かつノコ歯の配列方向に直交する方向に移動し、
ベース部分は、ベース面に平行な方向に湾曲していることを特徴とする。
【0016】
また本発明は、前記移動手段は、ベース部分の長手方向に渡って設けられるねじ軸の回転によって、ねじ軸に沿って前記クリーニング部材保持体を移動させ、この移動に伴い、クリーニング部材保持体はベース部分の形状に応じて、ベース面に平行であり、かつノコ歯の配列方向に直交する方向に移動し、
ベース部分は一定の幅を有し、
複数のノコ歯は、ねじ軸に対して平行に、かつベース面の長手方向における中心軸に対して非平行に配列されることを特徴とする。
【0017】
また本発明は、前記移動手段は、ベース部分の長手方向に渡って設けられるねじ軸を含み、その回転によってねじ軸に沿ってクリーニング部材保持体を移動させ、
ねじ軸とベース面の長手方向における中心軸とは平行であり、
複数のノコ歯は、前記中心軸およびねじ軸に対して非平行に配列されることを特徴とする。
【0018】
また本発明は、電子写真方式で画像を形成する画像形成装置を動作させる制御方法であって、
画像形成装置は、単色印刷を指示するモノクロ印刷指示信号と、フルカラー印刷を指示するフルカラー印刷指示信号とに基づいて画像を形成する画像形成手段と、
複数のノコ歯が一方向に配列した針電極と、
ノコ歯の配列方向に沿って移動するように配置され、その移動時に複数のノコ歯の先端部に順に接することで針電極をクリーニングするクリーニング部材と、
クリーニング部材を支持するクリーニング部材保持体と、
クリーニング部材保持体のノコ歯の配列方向に沿った移動を制御する制御手段とを含み、
制御手段が、モノクロ印刷指示信号とフルカラー印刷指示信号とに基づき、クリーニング部材保持体の移動頻度を制御することを特徴とする画像形成装置の制御方法である。
【0019】
また本発明は、電子写真方式で画像を形成する画像形成装置を動作させる制御方法であって、
画像形成装置は、写真画像の印刷を指示する写真画像印刷モードの印刷指示信号と、文字画像の印刷を指示する文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づいて画像を形成する画像形成手段と、
複数のノコ歯が一方向に配列した針電極と、
ノコ歯の配列方向に沿って移動するように配置され、その移動時に複数のノコ歯の先端部に順に接することで針電極をクリーニングするクリーニング部材と、
クリーニング部材を支持するクリーニング部材保持体と、
クリーニング部材保持体のノコ歯の配列方向に沿った移動を制御する制御手段とを含み、
制御手段が、写真画像印刷モードの印刷指示信号と文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づき、クリーニング部材保持体の移動頻度を制御することを特徴とする画像形成装置の制御方法である。
【0020】
また本発明は、前記画像形成装置を動作させるためのプログラムであって、コンピュータを前記制御手段として機能させるための制御プログラムである。
【0021】
また本発明は、前記制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、画像形成手段は、単色印刷を指示するモノクロ印刷指示信号と、フルカラー印刷を指示するフルカラー印刷指示信号とに基づいて画像を形成する。ノコ歯保持部材は、複数のノコ歯が一方向に配列した針電極を保持する。クリーニング部材保持体に支持されたクリーニング部材は、複数のノコ歯の配列方向に沿って移動するように配置され、その移動時にノコ歯の先端部に順に接することで針電極をクリーニングする。クリーニング部材保持体は、移動手段によって複数のノコ歯の配列方向に沿って移動する。同じ印字面積の場合、フルカラー印刷はモノクロ印刷より多くのトナーを消費するので、定着工程でトナー材料から発生し、画像形成装置内に充満する揮発ガスの量は、モノクロ印刷時よりフルカラー印刷時が多い。そのため、フルカラー印刷時はモノクロ印刷時よりもノコ歯先端に付着する汚染物質の量が多い。制御手段がモノクロ印刷指示信号とフルカラー印刷指示信号とに基づき、クリーニング部材保持体の移動頻度を制御することによって、モノクロ印刷およびフルカラー印刷によってノコ歯先端に付着する汚染物質の付着量の違いに応じて、モノクロ印刷時よりもフルカラー印刷時のクリーニング部材の移動頻度を多くする制御を行うことができる。したがって、モノクロ印刷およびフルカラー印刷に関わらず、ノコ歯の放電不良による画像不良を防止して長期間に渡って高品位の画像を安定して得ることができる。また汚染物質付着によってノコ歯先端にダメージを与える前に清掃することができるので、ノコ歯の長寿命化を図ることができる。
【0023】
また本発明によれば、制御手段は、モノクロ印刷時よりもフルカラー印刷時におけるクリーニング部材保持体の移動頻度を高くするよう制御する。このようにモノクロ印刷時よりもフルカラー印刷時のクリーニング部材の移動頻度を確実に高くするよう制御することによって、モノクロ印刷およびフルカラー印刷に関わらず、ノコ歯の放電不良による画像不良を防止して長期間に渡って高品位の画像をより安定して得ることができる。
【0024】
また本発明によれば、画像形成手段は、さらに、写真画像の印刷を指示する写真画像印刷モードの印刷指示信号と、文字画像の印刷を指示する文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づいて画像を形成し、制御手段は、さらに前記写真画像印刷モードの印刷指示信号と、前記文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づき、クリーニング部材保持体の移動頻度を制御する。写真画像印刷モードは、文字画像印刷モードより多くのトナーを消費するので、定着工程でトナー材料から発生し、画像形成装置内に充満する揮発ガスの量は、文字画像印刷モードより写真画像印刷モードが多い。そのため、写真画像印刷モードの印刷時は文字画像印刷モードの印刷時よりもノコ歯先端に付着する汚染物質の量が多い。モノクロ印刷およびフルカラー印刷に応じた制御に加え、文字画像印刷モードおよび写真画像印刷モードごとのノコ歯先端に付着する汚染物質の付着量の違いに応じてクリーニング部材の移動頻度を制御することによって、モノクロ印刷およびフルカラー印刷、ならびに印刷モードに関わらず、ノコ歯の放電不良による画像不良を防止して長期間に渡って高品位の画像をより安定して得ることができる。
【0025】
また本発明によれば、制御手段は、文字画像印刷時よりも写真画像印刷時におけるクリーニング部材保持体の移動頻度を高くするよう制御する。このように、モノクロ印刷およびフルカラー印刷に応じた制御に加え、文字画像印刷モードおよび写真画像印刷モードごとのノコ歯先端に付着する汚染物質の付着量の違いに応じてクリーニング部材の移動頻度を確実に高くするよう制御することによって、モノクロ印刷およびフルカラー印刷、ならびに印刷モードに関わらず、ノコ歯の放電不良による画像不良を防止して長期間に渡って高品位の画像をより一層安定して得ることができる。
【0026】
また本発明によれば、画像形成手段は、写真画像の印刷を指示する写真画像印刷モードの印刷指示信号と、文字画像の印刷を指示する文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づいて画像を形成する。ノコ歯保持部材は、複数のノコ歯が一方向に配列した針電極を保持する。クリーニング部材保持体に支持されたクリーニング部材は、複数のノコ歯の配列方向に沿って移動するように配置され、その移動時にノコ歯の先端部に順に接することで針電極をクリーニングする。クリーニング部材保持体は、移動手段によって複数のノコ歯の配列方向に沿って移動する。制御手段が写真画像印刷モードの印刷指示信号と文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づいてクリーニング部材保持体の移動頻度を制御することによって、写真画像印刷モードおよび文字画像印刷モードにおけるノコ歯先端に付着する汚染物質の付着量の違いに応じて、文字画像印刷モードよりも写真画像印刷モードでのクリーニング部材保持体の移動頻度を多くする制御を行うことができる。したがって、印刷モードに関わらず、ノコ歯の放電不良による画像不良を防止して長期間に渡って高品位の画像を安定して得ることができる。また汚染物質付着によってノコ歯先端にダメージを与える前に清掃するので、ノコ歯の長寿命化を図ることができる。
【0027】
また本発明によれば、制御手段は、文字画像印刷時よりも写真画像印刷時におけるクリーニング部材保持体の移動頻度を高くするよう制御する。このように、文字画像印刷モードおよび写真画像印刷モードごとのノコ歯先端に付着する汚染物質の付着量の違いに応じてクリーニング部材の移動頻度を高くするよう制御することによって、モノクロ印刷およびフルカラー印刷、ならびに印刷モードに関わらず、ノコ歯の放電不良による画像不良を防止して長期間に渡って高品位の画像をより安定して得ることができる。
【0028】
また本発明によれば、クリーニング部材保持体は、クリーニング部材をクリーニング部材保持体の一端に圧接する圧接片を含む。クリーニング部材保持体は、移動手段によるノコ歯の配列方向に沿った移動に伴い、ベース部分の形状に応じて、ベース面に平行であり、かつノコ歯の配列方向に直交する方向に移動する。ベース部分は、ベース面に平行な方向に湾曲している。これによって、移動手段によるクリーニング部材保持体の移動に伴い、クリーニング部材保持体は、ベース面に平行であり、かつノコ歯の配列方向に直交する方向に確実に移動するので、クリーニング部材の外周面全域をノコ歯と接触させることができる。したがって、クリーニング部材の外周面全域を用いて確実にノコ歯をクリーニングできるので、針電極の安定したクリーニング性を維持でき、長期間に渡って放電むらのない均一な帯電付与が可能となるので、高品位の画像をより一層安定して得ることができる。また、クリーニングの際にクリーニング部材の一部分のみがノコ歯と接触し続けることを防ぐことができるので、クリーニング部材およびノコ歯のさらなる長寿命化を図ることができる。
【0029】
また本発明によれば、クリーニング部材保持体は、クリーニング部材をクリーニング部材保持体の一端に圧接する圧接片を含む。クリーニング部材保持体は、移動手段によるノコ歯の配列方向に沿った移動に伴い、ベース部分の形状に応じて、ベース面に平行であり、かつノコ歯の配列方向に直交する方向に移動する。移動手段は、ベース部分の長手方向に渡って設けられるねじ軸の回転によって、ねじ軸に沿ってクリーニング部材保持体を移動させ、ベース部分は一定の幅を有し、複数のノコ歯は、ねじ軸に対して平行に、かつベース面の長手方向における中心軸に対して非平行に配列される。これによって、クリーニング部材の外周面全域を用いて確実にノコ歯をクリーニングできる。したがって、長期間に渡って放電むらのない均一な帯電付与が可能となるので、高品位の画像をより一層安定して得ることができる。また、クリーニングの際にクリーニング部材の一部分のみがノコ歯と接触し続けることを防ぐことができるので、クリーニング部材およびノコ歯のさらなる長寿命化を図ることができる。
【0030】
また本発明によれば、移動手段は、ベース部分の長手方向に渡って設けられるねじ軸を含み、その回転によってねじ軸に沿ってクリーニング部材保持体を移動させ、ねじ軸とベース面の長手方向における中心軸とは平行である。複数のノコ歯は前記中心軸およびねじ軸に対して非平行に配列されるので、クリーニング部材保持体をねじ軸に沿って移動させると、クリーニング部材の外周面全域を針電極と接触させることができる。したがって、クリーニング部材の外周面全域を用いて確実にノコ歯をクリーニングできるので、針電極の安定したクリーニング性を維持でき、長期間に渡って放電むらのない均一な帯電付与が可能な帯電装置とすることができる。また、クリーニングの際にクリーニング部材の一部分のみがノコ歯と接触し続けることを防ぐことができるので、クリーニング部材およびノコ歯の長寿命化を図ることができる。
【0031】
また本発明によれば、画像形成装置は、モノクロ印刷指示信号とフルカラー印刷指示信号とに基づいて画像を形成する画像形成手段と、針電極と、クリーニング部材と、クリーニング部材保持体と、制御手段とを含む。制御手段は、モノクロ印刷指示信号とフルカラー印刷指示信号とに基づき、クリーニング部材保持体の移動頻度を制御する。これによって、モノクロ印刷およびフルカラー印刷によってノコ歯先端に付着する汚染物質の付着量の違いに応じて、モノクロ印刷時よりもフルカラー印刷時のクリーニング部材の移動頻度を多くすることができる。したがって、モノクロ印刷およびフルカラー印刷に関わらず、ノコ歯の放電不良による画像不良を防止して長期間に渡って高品位の画像を安定して得ることができる。また汚染物質付着によってノコ歯先端にダメージを与える前に清掃することができるので、ノコ歯の長寿命化を図ることができる。
【0032】
また本発明によれば、画像形成装置は、写真画像印刷モードの印刷指示信号と文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づいて画像を形成する画像形成手段と、針電極と、クリーニング部材と、クリーニング部材保持体と、制御手段とを含む。制御手段は、写真画像印刷モードの印刷指示信号と文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づき、クリーニング部材保持体の移動頻度を制御する。これによって、写真画像印刷モードおよび文字画像印刷モードにおけるノコ歯先端に付着する汚染物質の付着量の違いに応じて、文字画像印刷モードよりも写真画像印刷モードでのクリーニング部材保持体の移動頻度を多くすることができる。したがって、印刷モードに関わらず、ノコ歯の放電不良による画像不良を防止して長期間に渡って高品位の画像を安定して得ることができる。また汚染物質付着によってノコ歯先端にダメージを与える前に清掃するので、ノコ歯の長寿命化を図ることができる。
【0033】
また本発明によれば、制御プログラムは、本発明の画像形成装置を動作させるためのプログラムであって、コンピュータを前記制御手段として機能させる。これによって、モノクロ印刷指示信号ならびにフルカラー印刷指示信号、または印刷モード信号に基づいて、制御手段であるコンピュータがクリーニング部材保持体の移動頻度を制御することができ、本発明の画像形成装置を動作させる方法を汎用的なものにすることができる。
【0034】
また本発明によれば、記録媒体は前記制御プログラムが記録され、コンピュータで読み取り可能であるので、モノクロ印刷指示信号ならびにフルカラー印刷指示信号、または印刷モード信号に基づいて本発明の画像形成装置の動作させるためのプログラムを容易にコンピュータに供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1の実施形態である画像形成装置100の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の画像形成装置100におけるプリンタドライバの設定画面を示す図である。
【図3】本実施形態の画像形成装置100における画像形成部208の具体的な構成の一例を模式的に示す図である。
【図4】図3に示す感光体11の周辺の構造を示す説明図である。
【図5】第1帯電装置301の構成を模式的に示す側面図である。
【図6】第1帯電装置301の構成を模式的に示す底面図である。
【図7】図6に示す第1帯電装置301を切断面線S357−S357から見た断面図である。
【図8】図6に示すクリーニングゴムローラ66周辺の拡大図である。
【図9】図8に示す帯電装置301を切断面線S309−S309から見た断面図である。
【図10】図5に示すクリーニング部材保持体394周辺の拡大図である。
【図11】第2帯電装置1の構成を模式的に示す底面図である。
【図12】図11に示す第2帯電装置1を切断面線S5−S5から見た断面図である。
【図13】図11に示すクリーニングゴムローラ66周辺の拡大図である。
【図14】図11に示す帯電装置1を切断面線S50−S50から見た断面図である。
【図15】クリーニング部材保持体94がノコ歯保持部材62における長手方向の中心まで移動した状態を示す底面図である。
【図16】図15に示す帯電装置1を切断面線S55−S55から見た断面図である。
【図17】クリーニング部材保持体94がノコ歯保持部材62の端まで移動した状態を示す底面図である。
【図18】図17に示す帯電装置1を切断面線S57−S57から見た断面図である。
【図19】第3帯電装置93の構成を模式的に示す底面図である。
【図20】第4帯電装置95に含まれるクリーニングゴムローラ66および案内手段の構成を模式的に示す底面図である。
【0036】
【図21】第5帯電装置101の構成を模式的に示す底面図である。
【図22】図21に示す第5帯電装置101を切断面線S105−S105から見た断面図である。
【図23】図21に示す第5帯電装置101を切断面線S150−S150から見た断面図である。
【図24】クリーニング部材保持体194がノコ歯保持部材162における長手方向の中心まで移動した状態を示す底面図である。
【図25】図24に示す帯電装置101を切断面線S155−S155から見た断面図である。
【図26】クリーニング部材保持体194がノコ歯保持部材162の端まで移動した状態を示す底面図である。
【図27】図26に示す帯電装置101を切断面線S157−S157から見た断面図である。
【図28】本実施形態の画像形成装置100に係るモノクロ印刷指示信号およびフルカラー印刷指示信号に基づくクリーニング部材保持体の移動に関する制御方法を示すフローチャートである。
【図29】本実施形態の画像形成装置100に係る写真画像モード信号および文字画像モード信号に基づくクリーニング部材保持体の移動に関する制御方法を示すフローチャートである。
【図30】本実施形態の画像形成装置100に係るフルカラー印刷指示信号、モノクロ印刷指示信号および印字モードの印刷指示信号に基づくクリーニング部材支持体の移動に関する制御方法示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
1、画像形成装置
(1)画像形成装置の構成
図1は、本発明の第1の実施形態である画像形成装置100の構成を示すブロック図である。
【0038】
画像形成装置100は、たとえばスキャナとプリンタと周辺機器とを備えた複合機であり、読取部206と、画像処理部207と、画像形成部208と、周辺機器制御部209と、操作部と、記憶部203と、制御部202とを含む。
【0039】
読取部206は原稿画像の読み取りを行い、読み取った原稿画像を画像処理部207で適正な電気信号に変換して画像データを生成する。画像形成部208は、生成された画像データを印刷出力する。周辺機器制御部209は、後処理装置であるフィニッシャーやソーターなどの周辺機器を制御する。操作部は、入力部204と表示部205とを備える。
【0040】
記憶部203は、制御手段である制御部202が本発明の制御を行う為のプログラムを格納している記録媒体である。このプログラムおよび記録媒体については、後で詳しく述べる。
【0041】
制御部202は記憶部203に格納しているプログラムに基づいて本発明の制御を行う。制御部202は受信した各信号に基づき、記憶部203に格納しているプログラムと常時交信して受信した信号に最も適切なプログラムを選択して制御を行う。受信する信号としては、たとえばフルカラー印刷指示信号、モノクロ印刷指示信号、印刷モード信号が挙げられる。印刷モード信号としては、写真画像印刷モード信号および文字画像印刷モード信号が挙げられる。コピーの場合において、操作部の入力部204の印刷枚数を設定する図示しないボタンを押下し、入力部204のフルカラー印刷指示信号もしくはモノクロ印刷指示信号、またはモノクロ印刷指示信号もしくは写真画像印刷モード信号に対応した図示しないコピーボタンを押下すると、制御部202は、読取部206にてスキャナに載置された原稿の読取りを制御し、画像処理部207にて印刷に応じた画像処理を制御する。そして、入力部204で選択したフルカラー印刷指示信号もしくはモノクロ印刷指示信号、またはモノクロ印刷指示信号もしくは写真画像印刷モード信号に基づいて画像形成部208での印刷を制御する。
【0042】
(2)操作部
以下、操作部の具体例を挙げる。
【0043】
図2は、本実施形態の画像形成装置100におけるプリンタドライバの設定画面を示す図である。図2には、印刷プロパティメインのプロパティ601の状態を示す。操作部の表示部205には、たとえば図2に示す画面が表示される。ユーザ設定602は、幾種類かの設定が可能で、本例では初期設定状態であることを示す。印刷する部数603は、1−99から選択することが可能で本例では10部に設定している。とじしろ605の設定は、あり、なしのいずれかに設定可能であり、本例では、なしに設定している。両面印刷608の設定は、片面印刷、両面印刷横とじ、両面印刷縦とじ、中とじ印刷のいずれか1つを設定することができ、本例では片面印刷を選択している。
【0044】
N−Up印刷609は、1枚の印刷用紙に並べて印刷するページ数であり、1−4まで選択可能である。本例では一枚の印刷用紙に1ページ印刷する1−Upを選択している。とじ位置604の設定は、左とじ、右とじ、上とじのいずれか1つを設定することができ、本例では左とじを選択している。印刷の向き606の設定は、縦、横のいずれか1つを選択することができ、さらに画像を180°回転して印刷を行う場合にはチェックボックス610をチェックする。本例では回転はさせず、縦向きの印刷を選択している。
【0045】
フルカラー印刷611およびモノクロ印刷613では、フルカラー印刷またはモノクロ印刷を選択可能であり、本例ではフルカラー印刷611のラジオボタンが選択され、フルカラー印刷が指示されている。簡易プレビュー607には、印刷画像のレイアウトや縦向き印刷が選択されていることがグラフィックで表示される。
【0046】
これらの設定を行った後、OK612を選択すると、OK612の信号を図1に示す制御部202が受信し、制御部202は、モノクロ印刷指示信号またはフルカラー印刷指示信号に基づき、画像形成部208に備わる後述するクリーニング部材保持体の移動頻度を制御する。クリーニング部材保持体の移動頻度を制御すると、後述するノコ歯のクリーニング頻度を制御することができる。これらの関係については、後で詳しく述べる。
【0047】
モノクロ印刷指示信号とは、プリンタの場合、モノクロ印刷613のラジオボタンが選択され、OK612が選択されたときの信号を指す。またフルカラー印刷指示信号とは、プリンタの場合、フルカラー印刷611のラジオボタンが選択され、OK612が選択されたときの信号を指す。画像形成装置100は、コピー機としても使用することができる。この場合、モノクロ印刷指示信号とは、モノクロコピーボタンの押下による信号を指し、フルカラー印刷指示信号とは、フルカラーコピーボタンの押下による信号を指す。
【0048】
(3)画像形成部
以下、画像形成手段である画像形成部208の具体的な構成および動作について記載する。
【0049】
図3は、本実施形態の画像形成装置100における画像形成部208の具体的な構成の一例を模式的に示す図である。本実施形態の画像形成装置100は、電子写真方式のフルカラー画像形成装置であり、たとえばネットワークを介して外部から送信されてくる画像データや読取部206によって読み取った画像データに基づいて、記録紙(転写媒体)に対し多色または単色の画像を形成する。
【0050】
図3に示すように、画像形成装置100は、可視像形成ユニット10、供給トレイ20、記録紙搬送手段30および定着装置40を備える。ここでは、可視像形成ユニット10にて現像した像(トナー像)は、記録紙Pに直接転写するものとするが、中間転写ベルト等の中間転写媒体に転写するようになっていてもよい。
【0051】
可視像形成ユニット10には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)の各色に対応して、4つの可視像形成ユニット10Y,10M,10C,10Bが並設される。つまり、可視像形成ユニット10は4つの可視像形成ユニット10Y,10M,10C,10Bからなり、可視像形成ユニット10Yはイエロー(Y)のトナーを用いて画像形成を行い、可視像形成ユニット10Mはマゼンダ(M)のトナーを用いて画像形成を行い、可視像形成ユニット10Cはシアン(C)のトナーを用いて画像形成を行い、可視像形成ユニット10Bはブラック(B)のトナーを用いて画像形成を行う。具体的な配置としては、供給トレイ20から定着装置40へ記録紙Pを搬送する搬送路に沿って、4組の可視像形成ユニット10Y,10M,10C,10Bが配設されており、搬送される記録紙Pに各色のトナーを多重転写する。図3に示すように、可視像形成ユニット10Y,10M,10C,10Bは、それぞれ実質的に同一の構成を有する。すなわち、それぞれに、感光体(感光体ドラム、像担持体)11、帯電装置301、レーザ光照射手段13、現像装置14、転写ローラ15、クリーナユニット16および除電装置17が設けられている。
【0052】
図4は、図3に示す感光体11の周辺の構造を示す説明図である。
レーザ光照射手段13は、帯電装置301によって帯電された感光体11の表面を画像データに応じて露光し、感光体11の表面に静電潜像を形成する。現像装置14は、感光体11の表面に形成された静電潜像を、トナーによって現像してトナー像を形成する。転写ローラ15は、トナーとは逆極性のバイアス電圧を印加されており、感光体11に形成されたトナー像を、記録紙搬送手段30によって搬送される記録紙Pに転写させる。
【0053】
帯電装置301は、感光体11の表面を所定の電位に均一に帯電させるものであり、感光体11の表面から非接触で近接させてコロナ放電とグリッドバイアス制御によって帯電させる非接触帯電方式のコロナ帯電方式の帯電装置を用いている。
【0054】
現像装置14は、感光体11表面を臨むように配置され、感光体11の表面に形成される静電潜像にトナーを供給して現像し、可視像であるトナー像を形成する。感光体11の表面へのトナーの供給に際しては、現像装置14にトナーの帯電電位とは逆極性の電位が現像バイアス電圧として印加される。これによって、トナーが静電潜像に円滑に供給される。
【0055】
転写ローラ15は、トナーとは逆極性のバイアス電圧を印加されており、感光体11に形成されたトナー像を、記録紙搬送手段30によって搬送される記録紙Pに転写させるものである。
【0056】
クリーナユニット16は、転写ローラ15による転写処理の後に、感光体11の表面に残留したトナーを除去および回収する。クリーナユニット16は、ケース54およびクリーニングブレード51を備えている。クリーニングブレード51は、感光体11の表面に残留するトナーを回収するためのものであり、感光体11の軸方向を長手方向とする長尺状のゴム部材によって形成されている。
【0057】
上記の構成の各可視像形成ユニットにおいて、感光体11は除電装置17で除電された後、帯電装置301によって表面が帯電され、帯電した感光体11の表面をレーザ光照射手段13で露光して静電潜像を形成し、静電潜像を現像装置14によって現像し、現像したトナー像を転写ローラ15によって記録紙Pに転写する。転写工程後に感光体11の表面に残ったトナー像は、クリーナユニット16によって除去回収される。そして、このような、記録紙Pに対するトナー像の転写を、各色の可視像形成ユニットにおいて順次行うことで、記録紙Pに各色のトナー像を多重転写する。
【0058】
図3に戻って、記録紙搬送手段30は、駆動ローラ31、アイドリングローラ32および搬送ベルト33を含み、各可視像形成ユニットによって記録紙Pにトナー像が転写されるように、記録紙を搬送する。駆動ローラ31およびアイドリングローラ32は、無端状の搬送ベルト33を張架するものであり、駆動ローラ31が所定の周速度で回転駆動されることで、搬送ベルト33が回転する。また、搬送ベルト33は、外側表面は所定の電位に帯電しており、記録紙Pを静電吸着しながら搬送する。
【0059】
記録紙搬送手段30によって搬送されて各可視像形成ユニットを通過し、トナー像(未定着トナー像)を転写された記録紙は、駆動ローラ31の曲率によって搬送ベルト33から剥離され、定着装置40に搬送される。
【0060】
定着装置40は、記録紙に適度な熱と圧力とを与えて、記録紙P上に転写されたトナーを溶解させて記録紙に定着させ、記録紙を排紙トレイ(図示せず)に排出する。定着装置40の構成は特に限定されるものではなく、たとえば加熱ローラ41と加圧ローラ42とを備え、これら両ローラによって記録紙を挟持しながら搬送する構成のものを用いることができる。これらの動作によって、記録紙Pに画像が形成される。前述のように画像形成装置100は、本発明の帯電装置を組み込んで構成される。本発明の帯電装置は放電むらのない均一な帯電付与が可能なので、このような帯電装置を用いて画像を形成することによって、長期間に渡って良好な画質を安定して形成することができる。
【0061】
なお、画像形成装置100に備えられる上記各部材の動作は、主制御部(図示しない制御用集積回路基板または図示しないコンピュータ)によって制御される。
【0062】
(4)帯電装置
以下、本実施形態の画像形成装置100の画像形成部208にて用いることができる帯電装置の構成例を複数挙げる。
【0063】
(第1帯電装置301)
図5は、第1帯電装置301の構成を模式的に示す側面図である。図6は、第1帯電装置301の構成を模式的に示す底面図である。図7は、図6に示す第1帯電装置301を切断面線S357−S357から見た断面図である。
【0064】
図5,6では省略しているが、図7に示すように、第1帯電装置301(以下「帯電装置301」と記載する)は、帯電ケース300に囲まれており、針電極363と、ノコ歯保持部材362と、クリーニングゴムローラ66と、クリーニング部材保持体394と、移動手段303と、スクリーングリッド64と、端子部350とを含む。
【0065】
針電極363は、薄い帯状の金属材料からなり、その全長に渡って一定の間隔で複数のノコ歯53が下向きに延出している。複数のノコ歯53は、針電極363の長さ方向に平行な矢符B1,B2に沿って一方向に配列している。針電極363からの放電によって後述する感光体11の表面が一様の電位に帯電する。複数のノコ歯53は、感光体11の長手方向に渡って配列しており、ノコ歯53の先端部と感光体11との間には、一定の距離がある。針電極363の長さは、感光体11における周面の軸方向の長さより長い。ノコ歯53には、定電流電源が接続されている。スクリーングリッド64には、定電圧電源が接続されている。
【0066】
複数のノコ歯を保持するノコ歯保持部材362は、ノコ歯53に対して垂直にノコ歯53を保持するベース面308を有するベース部分306、およびノコ歯53に対して平行にノコ歯53を保持する保持部分307で針電極363を保持する。ノコ歯保持部材362の長さは、針電極363の長さより長い。ベース部分306は、ノコ歯53が存在する存在部362aの両端部にノコ歯53が存在しない非存在部362bが一体的に形成されてなる。本実施形態において、存在部362aの長手方向の長さ383は328mmであり、短手方向の長さ384は10mmである。ノコ歯保持部材362は、その長手方向の両端部で帯電装置301の帯電ケース300に固定される。ノコ歯保持部材362は、合成樹脂などの絶縁性材料によって構成される。
【0067】
クリーニング部材であるクリーニングゴムローラ66は、シャフト65の外周において、2つの回転コロ(第1回転コロ67a、第2回転コロ67b)の間に形成される。クリーニングゴムローラ66は、ノコ歯53の先端部と感光体との間において、ノコ歯53の配列方向に沿って移動するように配置され、その移動時に複数のノコ歯53の先端部に順に外周面が接することで針電極363をクリーニングする。
【0068】
図8は、図6に示すクリーニングゴムローラ66周辺の拡大図である。図9は、図8に示す帯電装置301を切断面線S309−S309から見た断面図である。クリーニングゴムローラ66は、その内側から順に円柱状のシャフト65、円筒状の芯金67、弾性層96が形成される3層構造のロール状部材である。シャフト65の材料としては、ポリカーボネートおよびSUS(Stainless Used Steel)材が挙げられる。芯金67の材料としては、ポリカーボネートおよびSUS材が挙げられる。弾性層96の材料としては、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)が挙げられる。クリーニングゴムローラ66の直径は、スクリーングリッド64の周面に接触しない範囲でできるだけ大きくすることができ、たとえば直径が6mmであり、軸線方向の長さが4mmである。クリーニングゴムローラ66は、材料をポリカーボネートとするシャフト65を用い、外径が2mmであり、材料をポリカーボネートとする芯金67を用い、厚さが1.5mm、軸線方向の長さが4mmであり、材料をエチレンプロピレンジエンゴムとする弾性層96を用いて構成される。なお、シャフト65と芯金67とは共に材料をポリカーボネートとする一体成型のものを用いてもよい。
【0069】
図9に示すように、ノコ歯53の先端部がクリーニングゴムローラ66に埋没するようにして順に接することで、コロナ放電に伴う静電気力の集塵作用によりノコ歯53先端部に付着した、浮遊トナー、揮発したTMSおよび塵がクリーニングされる。クリーニングゴムローラ66は、複数のノコ歯53から周面に作用する抵抗によって回転しつつ矢符B1,B2に沿って移動する。後述するクリーニング部材保持体394は、クリーニングゴムローラ66の周面にノコ歯53の先端が0.5mm程度の長さで埋没するようにクリーニングゴムローラ66を保持する。
【0070】
図5,6,7に戻って、クリーニング部材保持体394は、ゴムローラ保持体2と、シャフト65と、2つの回転コロ67a,bと、突起片302a,302bとを含む。クリーニング部材保持体394は、ゴムローラ保持体2にシャフト65の両端部を回転自在に固定することで、クリーニングゴムローラ66を回動自在に支持する。突起片302a,302bは、クリーニング部材保持体394の内面側に形成される。クリーニング部材保持体394は、該内面における上面302cと、突起片302a,302bとでノコ歯保持部材362を上下方向に挟み、該内面における側面302d,302eでノコ歯保持部材362を左右方向に挟む。このためクリーニング部材保持体394は、ベース面308に平行で矢符B1,B2に直交する方向において、回転を含む移動を規制される。針電極363のクリーニング後、クリーニング部材保持体は、印字の妨げとならないノコ歯53の無い位置、すなわち2つの非存在部362bのいずれか一方まで移動手段によって移動する。
【0071】
図10は、図5に示すクリーニング部材保持体394周辺の拡大図である。図10に示すように、移動手段303はスクリューネジ70と移動部材371とを含む。移動部材371には、ねじ軸であるスクリューネジ70から螺合されるねじ穴82が貫通している。スクリューネジ70は、ベース部分306の長手方向に渡って設けられ、その回転によって、スクリューネジ70に沿ってクリーニング部材保持体94を移動させる。スクリューネジ70は、図示しないモータによって回転する。モータは正逆回転が可能である。スクリューネジ70が矢符A1の方向に回転すると、その回転によってクリーニング部材保持体94は矢符B1の方向に移動し、スクリューネジ70が矢符A2の方向に回転すると、その回転によってクリーニング部材保持体94は矢符B2の方向に移動する。スクリューネジ70は、ノコ歯53の配列方向および感光体の軸線方向と平行に構成される。
【0072】
端子部350は、図示しない端子を収納する。端子は、高圧電源と針電極363とを接続する。端子を介して針電極363に高圧電源が印加されると、ノコ歯53の先端部に印加電界が集中し、この部分が放電しやすくなる。これによって、複数のノコ歯53から感光体11の表面に放電され、この放電によって感光体11表面が所定の電位に帯電される。
【0073】
(第2帯電装置1)
以下、帯電装置301とは構成の異なる帯電装置1について記載する。
【0074】
図11は、第2帯電装置1の構成を模式的に示す底面図である。図12は、図11に示す第2帯電装置1を切断面線S5−S5から見た断面図である。図11,12に示すように、第2帯電装置1(以下「帯電装置1」と記載する)は、針電極63と、ノコ歯保持部材62と、クリーニングゴムローラ66と、クリーニング部材保持体94と、移動手段3と、案内手段と、図示しないスクリーングリッドと、図示しない端子部とを含む。スクリーングリッドおよび端子部については、帯電装置301と同一の構成のため記載を省略する。
【0075】
針電極63は、複数のノコ歯53が一方向に配列したものである。針電極63からの放電によって後述する感光体の表面が一様の電位に帯電する。複数のノコ歯53は、感光体の長手方向に渡って配列しており、ノコ歯53の先端部と感光体との間には、一定の距離がある。
【0076】
複数のノコ歯を保持するノコ歯保持部材62は、ノコ歯53に対して垂直にノコ歯53を保持するベース面8を有するベース部分6、およびノコ歯53に対して平行にノコ歯53を保持する保持部分7で針電極63を保持する。図11に示すように、ベース部分6は一定の幅を有し、ベース面8に平行な方向、すなわち矢符A3の方向に湾曲している。ベース部分6は、ノコ歯53が存在する存在部62aの両端部にノコ歯53が存在しない非存在部62bが一体的に形成されてなる。本実施形態において、存在部62aの長手方向の長さ83は328mmであり、短手方向の長さ84は10mmである。ノコ歯保持部材62の曲率は、1.481×10−1(1/m)である。曲率とは、曲線または曲面上の各点における、その曲線または曲面のまがりの程度を示す値である。曲率は、曲率半径の逆数で示す。たとえば曲率半径rの曲率円の曲率は1/rであり、まがりの程度が大きいほど曲率の値は大きくなる。本実施形態において、ノコ歯保持部材62の曲率は、存在部62aにおける中心軸99と、中心軸99の両端部B,Cとからなる円弧によって設定される。円弧BCの長さは329.8mmであり、円弧BCの弦の長さは前記存在部62aの長手方向の長さ83と等しく、円弧BCを含む曲率円の曲率半径は6752mmである。中心軸99の両端部B,Cと曲率中心とから成る角度は2.8°である。ノコ歯保持部材62は、その長手方向の両端部で帯電装置1の図示しない帯電ケースに固定される。
【0077】
クリーニング部材であるクリーニングゴムローラ66は、シャフト65の外周において、2つの回転コロ(第1回転コロ67a、第2回転コロ67b)の間に形成される。クリーニングゴムローラ66は、ノコ歯53の先端部と感光体との間において、ノコ歯53の配列方向に沿って移動するように配置され、その移動時に複数のノコ歯53の先端部に順に外周面が接することで針電極63をクリーニングする。
【0078】
図13は、図11に示すクリーニングゴムローラ66周辺の拡大図である。クリーニングゴムローラ66の構成は、帯電装置301における。クリーニングゴムローラ66の構成と同様である。
【0079】
図11,12に戻って、クリーニング部材保持体94は、ゴムローラ保持体2と、シャフト65と、2つの回転コロ67a,bとを含む。クリーニング部材保持体94は、ゴムローラ保持体2にシャフト65の両端部を回転自在に固定することで、クリーニングゴムローラ66を回動自在に支持する。針電極63のクリーニング後、クリーニング部材保持体は、印字の妨げとならないノコ歯53の無い位置、すなわち2つの非存在部62bのいずれか一方まで移動手段によって移動する。図11に示すようにゴムローラ保持体2がノコ歯保持部材62の一端に存在する時点において、ノコ歯53の先端部はクリーニングゴムローラ66外周面の第1回転コロ67a側の端に接している。
【0080】
図14は、図11に示す帯電装置1を切断面線S50−S50から見た断面図である。図14に示すように、移動手段3はスクリューネジ70と移動部材71とを含む。移動部材71は、基部80と、基部80の下面の逆T字状の案内レール81とが一体的に形成される。基部80には、ねじ軸であるスクリューネジ70から螺合されるねじ穴82が貫通している。スクリューネジ70は、ベース部分6の長手方向に渡って設けられ、その回転によって、スクリューネジ70に沿ってクリーニング部材保持体94を移動させる。スクリューネジ70は、図示しないモータによって回転する。モータは正逆回転が可能である。スクリューネジ70が矢符A1の方向に回転すると、その回転によってクリーニング部材保持体94は矢符B1の方向に移動し、スクリューネジ70が矢符A2の方向に回転すると、その回転によってクリーニング部材保持体94は矢符B2の方向に移動する。スクリューネジ70は、ノコ歯53の配列方向および感光体の軸線方向と平行に構成される。
【0081】
クリーニング部材保持体94を構成するゴムローラ保持体2は、案内溝部89と、案内溝部89の下面の一対の保持部88とが一体的に形成される。一対の保持部88は、ノコ歯保持部材62が収まるよう、C1,C2の方向に間隔を空けて一体的に形成される。案内溝部89は、断面が逆T字状であり、案内溝90を形成する。案内溝90は、断面が逆T字状で、案内レール81がはまり込んでおり、案内レール81がC1,C2の方向に移動できるよう案内する。各保持部には、シャフト65が回転自在に固定される。案内溝部89のC方向における両端部には、図示しない端壁が存在する。そのため、案内レール81は各端壁の間においてCの方向に移動する。なお、図11に示す帯電装置1を側面から見た場合、案内溝90は見えず、ゴムローラ保持体2と移動部材71とは一体的に形成されているように見える。ゴムローラ保持体2および移動手段3が上記のような構成であることによってクリーニング部材保持体94が、ベース面8に平行であり、かつノコ歯53の配列方向に直交する方向、すなわちCの方向に移動可能となる。クリーニング部材保持体94および移動手段3の構造は、Cの方向に移動可能であれば、前記の構造に限定されない。
【0082】
案内手段は、移動手段3によるクリーニング部材保持体94の移動に伴い、ベース面8に平行であり、かつノコ歯53の配列方向に直交する方向、すなわちCの方向にクリーニング部材保持体94を移動させる。本実施形態では、ベース部分6が案内手段に相当する。
【0083】
図12に戻って、一対の保持部88が相互に対面する内面のいずれか一方には、その保持部88と一体的に固定され、各保持部間に挿入されたノコ歯保持部材62の一側面に段発的に当接する圧接片4を有する。圧接片4はノコ歯保持部材62を樹脂弾性で圧接する。前述のように、ベース部分6はベース面8に対して平行な方向に湾曲しており、クリーニング部材保持体94が湾曲したベース部分6を含むノコ歯保持部材62に沿って円滑に移動するためには、ノコ歯保持部材62とゴムローラ保持体2との間においてベース面8に平行な方向にある程度の隙間52が必要となる。しかしながら、隙間52があるとクリーニング部材保持体94は、ベース面8に平行であり、かつノコ歯53の配列する方向に直交する方向に自由に移動することができる。圧接片4を設けてクリーニングゴムローラ66がゴムローラ保持体2の一端に常に接する構造とすることによって、クリーニング部材保持体94が湾曲した形状のノコ歯保持部材62に沿って円滑に移動でき、かつクリーニング部材保持体94を矢符A4,A5の所望の方向に確実に移動させることができる。本実施形態において、隙間52の幅は2mmである。圧接片4の材料はある程度の弾性を有するものであれば特に限定されないが、本実施形態ではポリカーボネート樹脂である。また、圧接片4の形状は、ノコ歯保持部材62をゴムローラ保持体2の一端に圧接することができれば図2に示す形状に限定されないが、ノコ歯保持部材62との摩擦係数が小さく、クリーニング部材保持体94の移動を妨げないような形状が好ましい。
【0084】
図15は、クリーニング部材保持体94がノコ歯保持部材62における長手方向の中心まで移動した状態を示す底面図である。図16は、図15に示す帯電装置1を切断面線S55−S55から見た断面図である。図16に示すようにゴムローラ保持体2がノコ歯保持部材62の中心に存在する時点では、ノコ歯53先端はクリーニングゴムローラ66の第2回転コロ67b側に接している。これは、ノコ歯53の配列方向に沿ったゴムローラ保持体2の移動に伴い、ベース部分6の形状に応じて、ベース面8に平行であり、かつノコ歯53の配列方向に直交する方向にクリーニング部材保持体94が移動したためである。クリーニング部材保持体94がノコ歯保持部材62の中心に移動するまでの間、クリーニングゴムローラ66の外周面において、第1回転コロa側の端から第2回転コロb側の端へとノコ歯53の先端部と接する位置が移動する。
【0085】
図17は、クリーニング部材保持体94がノコ歯保持部材62の端まで移動した状態を示す底面図である。図18は、図17に示す帯電装置1を切断面線S57−S57から見た断面図である。図18に示すようにクリーニング部材保持体94がノコ歯保持部材62の一端に存在する時点では、ノコ歯53先端はクリーニングゴムローラ66の外周面において、第1回転コロ67a側に接している。これは、ノコ歯53の配列方向に沿ったクリーニング部材保持体94の移動に伴い、ベース部分6の形状に応じて、ベース面8に平行であり、かつノコ歯53の配列方向に直交する方向にクリーニング部材保持体94が移動したためである。ゴムローラ保持体2がノコ歯保持部材62の端に移動するまでの間、クリーニングゴムローラ66の外周面において、第2回転コロ67b側の端から第1回転コロ67a側の端へとノコ歯53の先端部と接する位置が移動する。すなわち、クリーニングゴムローラ66の外周面全域が確実にノコ歯53の先端部と接する。
【0086】
このように本実施形態では、移動手段によるクリーニング部材保持体94の移動に伴い、クリーニング部材保持体94は、ベース部分6の形状に応じて、ベース面8に平行であり、かつノコ歯53の配列方向に直交する方向に移動するので、クリーニングゴムローラ66の外周面全域をノコ歯53と接触させることができる。したがって、クリーニングゴムローラ66の外周面全域を用いて確実にノコ歯53をクリーニングできるので、針電極63の安定したクリーニング性を維持でき、長期間に渡って放電むらのない均一な帯電付与が可能な帯電装置1とすることができる。また、クリーニングの際にクリーニングゴムローラ66の一部分のみがノコ歯53と接触し続けることを防ぐことができるので、クリーニングゴムローラ66およびノコ歯53の長寿命化を図ることができる。
【0087】
(第3帯電装置93)
図19は、第3帯電装置93の構成を模式的に示す底面図である。第3帯電装置93(以下「帯電装置93」と記載する)は、ノコ歯保持部材92の形状が異なる以外は帯電装置1の構成と同じである。図19に示すように、本実施形態ではノコ歯保持部材92は一定の幅を有し、複数のノコ歯53の配列方向とベース面の長手方向における中心軸91とは非平行である。このような形状のノコ歯保持部材92を用いても、クリーニングゴムローラ66の外周面全域で確実にノコ歯53のクリーニングを行うことができるので、安定したクリーニング性と画質を維持することができる。また、クリーニングゴムローラ66およびノコ歯53の長寿命化を図ることができる。
【0088】
(第4帯電装置)
図20は、第4帯電装置95に含まれるクリーニングゴムローラ66および案内手段の構成を模式的に示す底面図である。第4帯電装置95(以下「帯電装置95」と記載する)では、案内手段がガイド68である点が帯電装置1および帯電装置93と異なる。また、ノコ歯保持部材の形状が異なり、一定の幅を有するベース面の長手方向における中心軸が、スクリューネジ70およびノコ歯53の配列方向と平行である。それ以外の構成は帯電装置1および帯電装置93と同じであるため、記載を省略する。
【0089】
ガイド68は、第1ガイド部材68aと第2ガイド部材68bとから構成される。第1回転コロ67aは、第1ガイド部材68aに沿って移動し、第2回転コロ67bは第2ガイド部材68bに沿って移動する。一対のガイド部材は、ベース面に平行であり、かつノコ歯53の配列方向と直交する方向に湾曲しており、これによって移動手段によるクリーニング部材保持体の移動に伴い、クリーニング部材保持体は、ベース部分の形状に応じて、ベース面に平行であり、かつノコ歯53の配列方向に直交する方向に移動するので、クリーニングゴムローラ66の外周面全域をノコ歯53と接触させることができる。したがって、クリーニングゴムローラ66の外周面全域を用いて確実にノコ歯53をクリーニングできるので、針電極の安定したクリーニング性を維持でき、長期間に渡って放電むらのない均一な帯電付与が可能な帯電装置1とすることができる。また、クリーニングの際にクリーニングゴムローラ66の一部分のみがノコ歯53と接触し続けることを防ぐことができるので、クリーニングゴムローラ66およびノコ歯53の長寿命化を図ることができる。
【0090】
(第5帯電装置101)
図21は、第5帯電装置101の構成を模式的に示す底面図である。図22は、図21に示す第5帯電装置101を切断面線S105−S105から見た断面図である。図23は、図21に示す第5帯電装置101を切断面線S150−S150から見た断面図である。図21,22に示すように、第5帯電装置101(以下「帯電装置101」と記載する)は、針電極63と、ノコ歯保持部材162と、クリーニングゴムローラ66と、クリーニング部材保持体194と、移動手段103とを含む。帯電装置101では、案内手段を含まない点が帯電装置93と異なる。また、ノコ歯保持部材、クリーニング部材保持体194に含まれるゴムローラ保持部材102および移動部材171の構造も異なる。その他の構成は帯電装置93と同じであるため記載を省略し、図面において同一の参照符号を用いる。
【0091】
ノコ歯保持部材162は、ノコ歯53に対して垂直にノコ歯53を保持するベース面108を有するベース部分106、およびノコ歯53に対して平行にノコ歯53を保持する保持部分107で針電極を保持する。移動手段103は、ベース部分106の長手方向に渡って設けられる、ねじ軸であるスクリューネジ70を含み、その回転によってスクリューネジ70に沿ってクリーニング部材保持体194を移動させる。クリーニング部材保持体194は、クリーニング部材であるクリーニングゴムローラ66を回動自在に支持する。図23に示すように、移動部材171は、図14にて示される断面が逆T字状の案内レール81を含まず、クリーニング部材保持体194は、案内溝部89を含まず、移動部材171の下面にゴムローラ保持部材102が一体的に形成される。そのため、本実施形態ではゴムローラ保持部材102がCの方向に移動することはなく、ゴムローラ保持部材102をノコ歯保持部材162の一側面に圧接させる圧接片4を含まない。
【0092】
帯電装置93では、複数のノコ歯53は、スクリューネジ70に対して平行に、かつベース面の長手方向における中心軸に対して非平行に配列されていたが、帯電装置101では、スクリューネジ70とベース面108の長手方向における中心軸191とは平行であり、複数のノコ歯53は、前記中心軸191およびスクリューネジ70に対して非平行に配列される。具体的には、ノコ歯53の配列方向と、中心軸191との成す角度は、0.5°であり、ノコ歯53はノコ歯保持部材162における矩形の存在部162aの対角線上に配列される。クリーニングゴムローラ66の外周面全域でクリーニングを行う目的で、ノコ歯53の配列方向と中心軸191との角度に調整するので、前記角度は、クリーニングゴムローラ66の軸線方向の長さ、および存在部162aの長手方向の長さによって決まる。
【0093】
図22に示されるように、クリーニング部材保持体194がノコ歯保持部材162の一端に存在する時点では、ノコ歯53先端はクリーニングゴムローラ66の外周面において第1回転コロ67a側の端と接している。
【0094】
図24は、クリーニング部材保持体194がノコ歯保持部材162における長手方向の中心まで移動した状態を示す底面図である。図25は、図24に示す帯電装置101を切断面線S155−S155から見た断面図である。図25に示すようにゴムローラ保持体がノコ歯保持部材の中心に存在する時点では、ノコ歯53先端はクリーニングゴムローラ66の外周面において、クリーニングゴムローラ66軸の中心と接している。これは、ゴムローラ保持部材102はノコ歯53の配列方向に沿って移動するが、中心軸191とノコ歯53の配列方向とが非平行なためである。クリーニング部材保持体194がノコ歯保持部材における長手方向の中心まで移動する間、クリーニングゴムローラ66外周面において、クリーニングゴムローラ66における第1回転コロ67a側の端からクリーニングゴムローラ66軸の中心へとノコ歯53の先端部と接する位置が移動する。
【0095】
図26は、クリーニング部材保持体194がノコ歯保持部材162の端まで移動した状態を示す底面図である。図27は、図26に示す帯電装置101を切断面線S157−S157から見た断面図である。図27に示すようにクリーニング部材保持体194がノコ歯保持部材162の一端に存在する時点では、ノコ歯53先端はクリーニングゴムローラ66の第2回転コロ67b側の端に接している。これは、クリーニング部材保持体194はノコ歯53の配列方向に沿って移動するが、中心軸191とノコ歯53の配列方向とが非平行なためである。クリーニング部材保持体194がノコ歯保持部材162の端まで移動する間、クリーニングゴムローラ66外周面において、クリーニングゴムローラ66軸の中心からクリーニングゴムローラ66における第2回転コロ67b側の端へとノコ歯53の先端部と接する位置が移動する。すなわち、クリーニングゴムローラ66の外周面全域が確実にノコ歯53の先端部と接する。したがって、針電極の安定したクリーニング性を維持でき、長期間に渡って放電むらのない均一な帯電付与が可能な帯電装置101とすることができる。また、クリーニングの際にクリーニングゴムローラ66の一部分のみがノコ歯53と接触し続けることを防ぐことができるので、クリーニングゴムローラ66およびノコ歯53の長寿命化を図ることができる。
【0096】
(5)制御部による制御
以下、制御部202によるクリーニング部材保持体の移動に関する制御方法の具体例を記載する。
【0097】
(フルカラー印刷およびモノクロ印刷に基づく制御方法)
図28は、本実施形態の画像形成装置100に係るモノクロ印刷指示信号およびフルカラー印刷指示信号に基づくクリーニング部材保持体の移動に関する制御方法を示すフローチャートである。図2に示すフルカラー印刷611またはモノクロ印刷613のチェックボックスにチェックされOK612の選択による信号が送信されると、ステップS1で、制御部202は受信した信号がフルカラー印刷指示信号であるかどうか判断する。フルカラー印刷指示信号であれば、ステップS2で印刷を開始し、ステップS3で印字枚数が250枚かどうか判断し、250枚でなければステップS4に進む。すなわち、印字枚数が1枚以上249枚以下であれば、ステップS4に進む。ステップS4で印刷が完了したかどうか判断し、印刷が完了したと判断されれば、ステップS9に進みクリーニング部材保持体を針電極の長手方向に一往復させてノコ歯のクリーニングを行った後、画像形成装置を停止させる。完了していないと判断されればステップS3に戻り、印刷を継続する。
【0098】
印字枚数が250枚に達すると、ステップS5で一旦印刷を中断し、ステップS6でクリーニング部材保持体を針電極の長手方向に一往復させてノコ歯のクリーニングを行う。クリーニングが済み次第、ステップS7で印字枚数250枚をリセットし、ステップS8で残りの印刷を再開してステップS3に戻る。残りの印刷においても印字枚数250枚を閾値とし、ステップS4とステップS3とを繰り返して印字枚数が250枚に達した場合には、一旦印刷を中断してノコ歯をクリーニングし、印刷を再開するというステップS5〜S8の動作を行う。
【0099】
残りの印刷においてステップS3,S4を繰り返し、ステップS4で印刷が完了したと判断されれば、ステップS9でクリーニング部材保持体を移動させてノコ歯のクリーニングを行った後、画像形成装置を停止させる。このように、フルカラー印刷指示信号を受信した場合の閾値は250枚である。
【0100】
このように、フルカラー印刷指示信号を受信した場合、1ジョブ当たりの印字枚数が249枚以下であれば、印刷完了後にのみクリーニング部材保持体を移動させてノコ歯のクリーニングを行う。1ジョブ当たりの印字枚数が250枚以上であれば、印字途中および印刷完了後にクリーニング部材保持体を移動させてノコ歯のクリーニングを行う。印刷中は250枚ごとにクリーニングを行う。
【0101】
ステップS1で、受信した信号がフルカラー印刷指示信号ではないと判断された場合、すなわちモノクロ印刷指示信号であると判断された場合には、ステップS10で印刷を開始し、ステップS11で印字枚数が1000枚かどうか判断する。印字枚数が1000枚に達していないと判断されればステップS14に進み、ステップS14で印字が完了したと判断されればステップS19でノコ歯のクリーニングを行った後、画像形成装置を停止させる。ステップS14で印字が完了されていないと判断されればステップS13に戻り印刷を継続する。ステップS13,14を繰り返し印字枚数が1000枚に達すると、ステップS15〜18で印刷の中断、クリーニング部材保持体の移動、印字枚数のリセットおよび印刷の再開という動作を行い、ステップS13に戻る。このように、モノクロ印刷における閾値は1000枚である。
【0102】
このように、モノクロ印刷指示信号を受信した場合、1ジョブ当たりの印字枚数が999枚以下であれば、印刷完了後にのみクリーニング部材保持体を移動させてノコ歯のクリーニングを行う。1ジョブ当たりの印字枚数が1000枚以上であれば、印字途中および印刷完了後にクリーニング部材保持体を移動させてノコ歯のクリーニングを行う。印刷中は1000枚ごとにクリーニングを行う。
【0103】
同じ印字面積の場合、フルカラー印刷はモノクロ印刷より多くのトナーを消費するので、定着工程でトナー材料から発生し、画像形成装置内に充満する揮発ガスの量は、モノクロ印刷時よりフルカラー印刷時が多い。そのため、フルカラー印刷時はモノクロ印刷時よりもノコ歯先端に付着する汚染物質の量が多い。制御部202がモノクロ印刷指示信号とフルカラー印刷指示信号とに基づき、クリーニング部材保持体の移動頻度を制御することによって、モノクロ印刷およびフルカラー印刷によってノコ歯先端に付着する汚染物質の付着量の違いに応じて、モノクロ印刷時よりもフルカラー印刷時のクリーニング部材の移動頻度を多くする制御を行うことができる。したがって、モノクロ印刷およびフルカラー印刷に関わらず、ノコ歯の放電不良による画像不良を防止して長期間に渡って高品位の画像を安定して得ることができる。また汚染物質付着によってノコ歯先端にダメージを与える前に清掃することができるので、ノコ歯の長寿命化を図ることができる。
【0104】
なお、本制御においてクリーニング部材保持体の移動頻度は画像形成装置で任意の設定が可能である。具体的には、閾値および1回のクリーニング動作におけるクリーニング部材保持体の往復回数などを変更可能である。
【0105】
(印刷モードに基づく制御方法)
図29は、本実施形態の画像形成装置100に係る写真画像モード信号および文字画像モード信号に基づくクリーニング部材保持体の移動に関する制御方法を示すフローチャートである。印刷モード信号とは、たとえば画像形成装置100の操作部における文字画像印刷モードの印刷指示信号またはハーフトーン画像の多い写真画像印刷モードの印刷指示信号を指す。写真画像印刷モードの印刷は、文字画像印刷モードの印刷より多くのトナーを消費するので、定着工程でトナー材料から発生し画像形成装置内に充満する揮発ガスの量は、文字画像印刷モードより写真画像印刷モードが多い。そのため、写真画像印刷モードの印刷時は文字画像印刷モードの印刷時よりもノコ歯先端に付着する汚染物質の量が多い。
【0106】
操作部において文字画像印刷モードの印刷指示信号またはハーフトーン画像の多い写真画像印刷モードの印刷指示信号が送信されると、ステップS31で、制御部202は受信した信号が写真画像印刷モードの印刷指示信号であるかどうか判断する。写真画像印刷モードの印刷指示信号であると判断された場合、ステップS30で印刷を開始し、ステップS31で印字枚数が170枚かどうか判断する。印字枚数が170枚に達していないと判断されればステップS34に進み、ステップS34で印字が完了したと判断されればステップS39でノコ歯のクリーニングを行った後、画像形成装置を停止させる。ステップS34で印字が完了されていないと判断されればステップS33に戻り印刷を継続する。ステップS33,34を繰り返し印字枚数が170枚に達すると、ステップS35〜38で印刷の中断、クリーニング部材保持体の移動、印字枚数のリセットおよび印刷の再開という動作を行い、ステップS33に戻る。このように、写真画像印刷モードにおける閾値は170枚である。
【0107】
このように、写真画像印刷モードの印刷指示信号を受信した場合、1ジョブ当たりの印字枚数が169枚以下であれば、印刷完了後にのみクリーニング部材保持体を移動させてノコ歯のクリーニングを行う。1ジョブ当たりの印字枚数が170枚以上であれば、印字途中および印刷完了後にクリーニング部材保持体を移動させてノコ歯のクリーニングを行う。印刷中は170枚ごとにクリーニングを行う。
【0108】
ステップS4で、受信した信号が写真画像印刷モードの印刷指示信号ではないと判断された場合、すなわち文字画像印刷モードの印刷指示信号であると判断された場合には、ステップS40で印刷を開始し、ステップS41で印字枚数が1000枚かどうか判断する。印字枚数が1000枚に達していないと判断されればステップS44に進み、ステップS44で印字が完了したと判断されればステップS49でノコ歯のクリーニングを行った後、画像形成装置を停止させる。ステップS44で印字が完了されていないと判断されればステップS43に戻り印刷を継続する。ステップS43,44を繰り返し印字枚数が1000枚に達すると、ステップS45〜48で印刷の中断、クリーニング部材保持体の移動、印字枚数のリセットおよび印刷の再開という動作を行い、ステップS43に戻る。このように、文字画像印刷モードにおける閾値は1000枚である。
【0109】
このように、文字画像印刷モードの印刷指示信号を受信した場合、1ジョブ当たりの印字枚数が999枚以下であれば、印刷完了後にのみクリーニング部材保持体を移動させてノコ歯のクリーニングを行う。1ジョブ当たりの印字枚数が1000枚以上であれば、印字途中および印刷完了後にクリーニング部材保持体を移動させてノコ歯のクリーニングを行う。印刷中は1000枚ごとにクリーニングを行う。
【0110】
制御部202が写真画像印刷モードの印刷指示信号と文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づいてクリーニング部材保持体の移動頻度を制御することによって、写真画像印刷モードおよび文字画像印刷モードにおけるノコ歯先端に付着する汚染物質の付着量の違いに応じて、文字画像印刷モードよりも写真画像印刷モードでのクリーニング部材保持体の移動頻度を多くする制御を行うことができる。したがって、印刷モードに関わらず、ノコ歯の放電不良による画像不良を防止して長期間に渡って高品位の画像を安定して得ることができる。また汚染物質付着によってノコ歯先端にダメージを与える前に清掃するので、ノコ歯の長寿命化を図ることができる。
【0111】
(フルカラー印刷指示信号、モノクロ印刷指示信号および印刷モードに基づく制御方法)
図30は、本実施形態の画像形成装置100に係るフルカラー印刷指示信号、モノクロ印刷指示信号および印字モードの印刷指示信号に基づくクリーニング部材支持体の移動に関する制御方法示すフローチャートである。
【0112】
ステップS50で、受信した信号がフルカラー印刷指示信号かどうか判断する。フルカラー印刷指示信号であると判断されれば、ステップS51に進む。ステップS51で、制御部202は受信した信号が写真画像印刷モードの印刷指示信号であるかどうか判断する。写真画像印刷モードの印刷指示信号であると判断された場合、ステップS52で印刷を開始し、ステップS53で印字枚数が40枚かどうか判断する。印字枚数が40枚に達していないと判断されればステップS54に進み、ステップS54で印字が完了したと判断されればステップS59でノコ歯のクリーニングを行った後、画像形成装置を停止させる。ステップS54で印字が完了されていないと判断されればステップS53に戻り印刷を継続する。ステップS53,54を繰り返し印字枚数が40枚に達すると、ステップS55〜58で印刷の中断、クリーニング部材保持体の移動、印字枚数のリセットおよび印刷の再開という動作を行い、ステップS53に戻る。
【0113】
ステップS51で、受信した信号が写真画像印刷モードの印刷指示信号ではないと判断された場合、すなわち文字画像印刷モードの印刷指示信号であると判断された場合には、ステップS62で印刷を開始し、ステップS63で印字枚数が250枚かどうか判断する。印字枚数が250枚に達していないと判断されればステップS64に進み、ステップS64で印字が完了したと判断されればステップS69でノコ歯のクリーニングを行った後、画像形成装置を停止させる。ステップS64で印字が完了されていないと判断されればステップS63に戻り印刷を継続する。ステップS63,64を繰り返し印字枚数が250枚に達すると、ステップS65〜68で印刷の中断、クリーニング部材保持体の移動、印字枚数のリセットおよび印刷の再開という動作を行い、ステップS63に戻る。
【0114】
ステップS50で、受信した信号がフルカラー印刷指示信号ではないと判断された場合、すなわちモノクロ印刷指示信号であると判断された場合には、ステップS71に進む。ステップS71で、制御部202は受信した信号が写真画像印刷モードの印刷指示信号であるかどうか判断する。写真画像印刷モードの印刷指示信号であると判断された場合、ステップS72で印刷を開始し、ステップS73で印字枚数が170枚かどうか判断する。印字枚数が170枚に達していないと判断されればステップS74に進み、ステップS74で印字が完了したと判断されればステップS79でノコ歯のクリーニングを行った後、画像形成装置を停止させる。ステップS74で印字が完了されていないと判断されればステップS73に戻り印刷を継続する。ステップS73,74を繰り返し印字枚数が170枚に達すると、ステップS75〜78で印刷の中断、クリーニング部材保持体の移動、印字枚数のリセットおよび印刷の再開という動作を行い、ステップS73に戻る。
【0115】
ステップS71で、受信した信号が写真画像印刷モードの印刷指示信号ではないと判断された場合、すなわち文字画像印刷モードの印刷指示信号であると判断された場合には、ステップS82で印刷を開始し、ステップS83で印字枚数が1000枚かどうか判断する。印字枚数が1000枚に達していないと判断されればステップS84に進み、ステップS84で印字が完了したと判断されればステップS89でノコ歯のクリーニングを行った後、画像形成装置を停止させる。ステップS84で印字が完了されていないと判断されればステップS83に戻り印刷を継続する。ステップS83,84を繰り返し印字枚数が1000枚に達すると、ステップS85〜88で印刷の中断、クリーニング部材保持体の移動、印字枚数のリセットおよび印刷の再開という動作を行い、ステップS83に戻る。
【0116】
モノクロ印刷およびフルカラー印刷に応じた制御に加え、文字画像印刷モードおよび写真画像印刷モードごとのノコ歯先端に付着する汚染物質の付着量の違いに応じてクリーニング部材の移動頻度を制御することによって、モノクロ印刷およびフルカラー印刷、ならびに印刷モードに関わらず、ノコ歯の放電不良による画像不良を防止して長期間に渡って高品位の画像をより安定して得ることができる。
【0117】
図28〜30のフローチャートは前記第1帯電装置301を用いた場合の制御を示すが、第1帯電装置301の代わりに第2〜5帯電装置1,93,95,101を用いた場合には、ノコ歯のクリーニング効率が向上するため、第1帯電装置301を用いた場合より閾値を大きく設定することができる。すなわち、次のクリーニング動作を行うまでに印刷する枚数を増加させることができる。その結果、印刷途中においてクリーニングのために中断する回数が減少するので印刷時間が短くなり、また帯電装置を交換するまでの期間が長くなる。
【0118】
2、プログラムおよび記録媒体
本発明の第1の実施形態である画像形成装置100の制御部202は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。CPUを用いてソフトウェアによって前記制御手段を実現する場合、制御手段は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(Central Processing
Unit)、前記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、前記プログラムおよび各種データを格納するメモリなどの記憶装置(記録媒体)などを備える。
【0119】
上述した機能を実現するソフトウェアである定着装置の定着制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記定着装置の制御部に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによって、定着ローラ表面の傷の発生を防止できる定着装置を実現することが可能である。
【0120】
前記記録媒体としては、たとえば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R/Blu-ray(登録商標)ディスク等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0121】
また、画像形成装置を通信ネットワークと接続可能に構成し、通信ネットワークを介して上記プログラムコードを供給してもよい。通信ネットワークとしては、特に限定されず、たとえば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。
【0122】
また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、たとえば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0123】
このように、制御プログラムは、本発明の画像形成装置100を動作させるためのプログラムであって、コンピュータを制御部202として機能させることによって、モノクロ印刷指示信号ならびにフルカラー印刷指示信号、または印刷モード信号に基づいて、制御手段であるコンピュータがクリーニング部材保持体の移動頻度を制御することができ、本発明の画像形成装置100を動作させる方法を汎用的なものにすることができる。
【0124】
また、記録媒体は前記制御プログラムが記録され、コンピュータで読み取り可能であるので、モノクロ印刷指示信号ならびにフルカラー印刷指示信号、または印刷モード信号に基づいて本発明の画像形成装置100の動作させるためのプログラムを容易にコンピュータに供給することができる。
【実施例】
【0125】
〔実施例1〕
図28のフローチャートにて示された制御方法で画像の形成を行った。帯電装置には、前記第1帯電装置301を用いた。用いたクリーニングゴムローラは、直径が6mmであり、長手方向の長さが4mmであった。クリーニングゴムローラの弾性層の材料としては、EPDM(硬度JISA90)を使用した。弾性層の内径は3mmであった。画像形成装置には、シャープ株式会社製のフルカラー機MX7001を用いた。本フローチャートにて示すようにクリーニング部材保持体の移動を制御することによって、ノコ歯先端部へ汚染物質が付着して固着することを未然に防ぐことができ、放電不良による画像への影響もなく30万(300K)枚の印字を通じて安定した印字画像が得られた。
【0126】
〔実施例2〕
図29のフローチャートにて示された制御方法を用いたこと以外は実施例1と同様の方法で画像の形成を行った。この結果、写真画像印刷モードにおいて文字画像印刷モードより少ない印字枚数でクリーニング部材保持体の移動させることによって、300K枚印字を通じて安定した印字画像が得られた。
【0127】
〔実施例3〕
図30のフローチャートにて示された制御方法を用いたこと以外は実施例1と同様の方法で画像の形成を行った。この結果、370K枚印字を通じて安定した印字画像が得られた。
【0128】
〔比較例1〕
印字面積を10%に固定して、写真画像印刷モードおよび文字画像印刷モードでモノクロ画像の印字を行い、1000枚目、1900枚目、2700枚目というように、印字枚数の積算値が多くなるほどクリーニングを行うまでの枚数を100枚ずつ少なくするという制御方法を用いたこと以外は実施例1と同様の方法で画像の形成を行った。この結果、写真画像印刷モードにおいて、200枚程度で印字不良が発生したが、文字画像印刷モードでは300K枚の印字を通じて安定した印字画像が得られた。
【0129】
〔比較例2〕
写真画像印刷モードでフルカラー画像を印刷するとき、写真画像印刷モードでモノクロ画像を印刷するとき、文字画像印刷モードでフルカラー画像を印刷するとき、および文字画像印刷モードでモノクロ画像を印刷するときの閾値を全て1000枚に設定する制御方法を用いたこと以外は実施例1と同様の方法で画像の形成を行った。この結果、写真画像印刷モードでフルカラー画像を印字した場合は約60枚で、写真画像印刷モードでモノクロ画像を印字した場合は約200枚程度で、文字画像印刷モードでフルカラー画像を印字した場合は約300枚で印字不良が発生した。文字画像印刷モードでモノクロ画像を印字した場合は印字不良が発生しなかった。
【0130】
本発明の制御方法で画像を印字した実施例1〜3では、長期間にわたって安定した印字画像が得られ、結果が良好であった。
【0131】
写真画像印刷モードと文字画像印刷モードとでクリーニングを行う枚数を同じにした比較例1では、写真画像印刷モードにおいて少ない印字枚数で印字不良が発生し、結果が悪くなった。このことから、写真画像印刷モードでモノクロ画像を印字する際には200枚より少ない枚数でクリーニングを行う必要があることがわかる。
【0132】
写真画像印刷モードでのフルカラー画像およびモノクロ画像の印刷時、ならびに文字画像印刷モードでのフルカラー画像およびモノクロ画像の印刷時でクリーニングを行う枚数を全て1000枚毎に設定した比較例2では、写真画像印刷モードでのフルカラー画像およびモノクロ画像の印字時、ならびに文字画像印刷モードでのフルカラー画像の印刷時において印字不良が発生し、結果が悪くなった。このことから、写真画像印刷モードでフルカラー画像を印字する際には60枚より少ない枚数で、写真画像印刷モードでモノクロ画像を印字する際には200枚より少ない枚数で、文字画像印刷モードでフルカラー画像を印字する際には300枚より少ない枚数でそれぞれクリーニングを行う必要があることがわかる。また文字画像印刷モードでモノクロ画像を印字する際には1000枚毎にクリーニングを行えばよいことがわかる。
【符号の説明】
【0133】
3 移動手段
53 ノコ歯
66 クリーニングゴムローラ
301 第1帯電装置
302 ゴムローラ保持体
306 ベース部分
307 保持部分
308 ベース面
362 ノコ歯保持部材
362a 存在部
362b 非存在部
363 針電極
394 クリーニング部材保持体
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の画像形成に用いられる感光体表面を均一に帯電させる帯電装置において、ノコ歯に付着した汚染物質をクリーニング部材で清掃するクリーニング機構を有する画像形成装置およびその制御方法、制御プログラム、ならびに記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置には、感光体の表面を均一に帯電させる帯電装置が搭載される。帯電装置としては、たとえば感光体の表面に接触しない非接触帯電装置があり、非接触の帯電装置は、高圧電源が印加された電極からの放電により、感光体の表面を帯電させる。非接触の帯電装置としては、複数の針電極を有するノコ歯タイプの帯電装置がある。ノコ歯タイプの帯電装置の課題として、この帯電装置を備える画像形成装置内に浮遊しているトナー、シリカおよび塵が、高圧電界が発生しているノコ歯先端部に吸着し易く、これを放置すると適正な放電が行われず、いわゆる放電不良が発生する。この放電不良によって、感光体が均一に帯電されないため、画像不良が生じてしまう。特に、トナーの外添剤であるシリカに添加されている疎水化処理剤であるHMDS(ヘキサメチルジシラン)が定着工程で加熱され、TMS(トリメチルシラノール)の揮発ガスが発生し、この揮発ガスがノコ歯の先端に付着して堆積すると、放電不良が顕著化する。
【0003】
しかしながら、HMDSはトナーの高温高湿環境下における帯電性低下を防ぐ目的で使用されており、画像形成装置内から無くすことは容易ではない。このため、たとえば定期的にノコ歯先端を清掃ローラで清掃する方法がある。
【0004】
特許文献1には、前述のようにして帯電装置を清掃する場合に、所定サイズ(A4サイズ)の記録紙に所定印字比率(10%)で印刷したときの印字面積を単位面積として、1の用紙毎の単位面積に対する印刷面積の倍数の累積値を取得し、累積値(印刷枚数の積算値)が所定の設定値に達したとき清掃ローラの移動による清掃処理を行い、印刷枚数の増加に伴い清掃の頻度を上げる定着装置が開示されている。特許文献1に開示の帯電装置によれば、印刷枚数の積算値が増加したときでも電極の汚れを所定の許容レベル以下に制御することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-26739号公報(平成20年2月7日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、近年モノクロ画像形成装置からフルカラー画像形成装置に置き換わりが進み、特許文献1に開示の帯電装置では、印刷面積10%のモノクロ画像を4枚印字したときの累積40%印字より、1枚の記録媒体にブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナーおよびイエロートナーをそれぞれ印刷面積10%で印字し、1枚当たりの印字率の高いフルカラー画像を4枚印字したときの累積40%印字の方がノコ歯汚染は加速される。このため、モノクロ印刷時またはフルカラー印刷時のどちらかにおいて帯電装置のクリーニングは不充分となる。
【0007】
したがって、1の用紙毎の単位面積に対する印刷面積の倍数の累積値に応じて清掃ローラを制御するだけでは、ノコ歯先端の汚染の進行を防止できないため、ノコ歯先端のクリーニング不良が発生し、均一な放電特性が安定して得られず、ひいては高品位の画像を長期間に渡って安定して得ることができない。
【0008】
本発明の目的は、モノクロ画像およびカラー画像のどちらの画像を印刷する場合でも、確実にノコ歯先端をクリーニングすることによって、長期間に渡って高品位の画像を安定して形成することができる画像形成装置およびその制御方法、制御プログラムならびに記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、電子写真方式で画像を形成する画像形成装置であって、
単色印刷を指示するモノクロ印刷指示信号と、フルカラー印刷を指示するフルカラー印刷指示信号とに基づいて画像を形成する画像形成手段と、
複数のノコ歯が一方向に配列した針電極と、
ノコ歯に対して垂直にノコ歯を保持するベース面を有するベース部分、およびノコ歯に対して平行にノコ歯を保持する保持部分で針電極を保持するノコ歯保持部材と、
ノコ歯の配列方向に沿って移動するように配置され、その移動時に複数のノコ歯の先端部に順に接することで針電極をクリーニングするクリーニング部材と、
クリーニング部材を支持するクリーニング部材保持体と、
ノコ歯の配列方向に沿ってクリーニング部材保持体を移動させる移動手段と、
クリーニング部材保持体のノコ歯の配列方向に沿った移動を制御する制御手段とを含み、
制御手段は、前記モノクロ印刷指示信号と前記フルカラー印刷指示信号とに基づき、クリーニング部材保持体の移動頻度を制御することを特徴とする画像形成装置である。
【0010】
また本発明は、前記制御手段は、単色印刷時よりもフルカラー印刷時におけるクリーニング部材保持体の移動頻度を高くするよう制御することを特徴とする。
【0011】
また本発明は、前記画像形成手段は、さらに、写真画像の印刷を指示する写真画像印刷モードの印刷指示信号と、文字画像の印刷を指示する文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づいて画像を形成し、
前記制御手段が、さらに前記写真画像印刷モードの印刷指示信号と、前記文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づき、クリーニング部材保持体の移動頻度を制御することを特徴とする。
【0012】
また本発明は、前記制御手段は、文字画像印刷時よりも写真画像印刷時におけるクリーニング部材保持体の移動頻度を高くするよう制御することを特徴とする。
【0013】
また本発明は、電子写真方式で画像を形成する画像形成装置であって、
写真画像の印刷を指示する写真画像印刷モードの印刷指示信号と、文字画像の印刷を指示する文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づいて画像を形成する画像形成手段と、
複数のノコ歯が一方向に配列した針電極と、
ノコ歯に対して垂直にノコ歯を保持するベース面を有するベース部分、およびノコ歯に対して平行にノコ歯を保持する保持部分で針電極を保持するノコ歯保持部材と、
ノコ歯の配列方向に沿って移動するように配置され、その移動時に複数のノコ歯の先端部に順に接することで針電極をクリーニングするクリーニング部材と、
クリーニング部材を回動自在に支持するクリーニング部材保持体と、
ノコ歯の配列方向に沿ってクリーニング部材保持体を移動させる移動手段と、
クリーニング部材保持体のノコ歯の配列方向に沿った移動を制御する制御手段とを含み、
制御手段は、写真画像印刷モードの印刷指示信号と、文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づき、クリーニング部材保持体の移動頻度を制御することを特徴とする画像形成装置である。
【0014】
また本発明は、前記制御手段は、文字画像印刷時よりも写真画像印刷時におけるクリーニング部材保持体の移動頻度を高くするように制御することを特徴とする。
【0015】
また本発明は、前記クリーニング部材保持体は、クリーニング部材をクリーニング部材保持体の一端に圧接する圧接片を含み、前記移動部材によるノコ歯の配列方向に沿った移動に伴い、ベース部分の形状に応じて、ベース面に平行であり、かつノコ歯の配列方向に直交する方向に移動し、
ベース部分は、ベース面に平行な方向に湾曲していることを特徴とする。
【0016】
また本発明は、前記移動手段は、ベース部分の長手方向に渡って設けられるねじ軸の回転によって、ねじ軸に沿って前記クリーニング部材保持体を移動させ、この移動に伴い、クリーニング部材保持体はベース部分の形状に応じて、ベース面に平行であり、かつノコ歯の配列方向に直交する方向に移動し、
ベース部分は一定の幅を有し、
複数のノコ歯は、ねじ軸に対して平行に、かつベース面の長手方向における中心軸に対して非平行に配列されることを特徴とする。
【0017】
また本発明は、前記移動手段は、ベース部分の長手方向に渡って設けられるねじ軸を含み、その回転によってねじ軸に沿ってクリーニング部材保持体を移動させ、
ねじ軸とベース面の長手方向における中心軸とは平行であり、
複数のノコ歯は、前記中心軸およびねじ軸に対して非平行に配列されることを特徴とする。
【0018】
また本発明は、電子写真方式で画像を形成する画像形成装置を動作させる制御方法であって、
画像形成装置は、単色印刷を指示するモノクロ印刷指示信号と、フルカラー印刷を指示するフルカラー印刷指示信号とに基づいて画像を形成する画像形成手段と、
複数のノコ歯が一方向に配列した針電極と、
ノコ歯の配列方向に沿って移動するように配置され、その移動時に複数のノコ歯の先端部に順に接することで針電極をクリーニングするクリーニング部材と、
クリーニング部材を支持するクリーニング部材保持体と、
クリーニング部材保持体のノコ歯の配列方向に沿った移動を制御する制御手段とを含み、
制御手段が、モノクロ印刷指示信号とフルカラー印刷指示信号とに基づき、クリーニング部材保持体の移動頻度を制御することを特徴とする画像形成装置の制御方法である。
【0019】
また本発明は、電子写真方式で画像を形成する画像形成装置を動作させる制御方法であって、
画像形成装置は、写真画像の印刷を指示する写真画像印刷モードの印刷指示信号と、文字画像の印刷を指示する文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づいて画像を形成する画像形成手段と、
複数のノコ歯が一方向に配列した針電極と、
ノコ歯の配列方向に沿って移動するように配置され、その移動時に複数のノコ歯の先端部に順に接することで針電極をクリーニングするクリーニング部材と、
クリーニング部材を支持するクリーニング部材保持体と、
クリーニング部材保持体のノコ歯の配列方向に沿った移動を制御する制御手段とを含み、
制御手段が、写真画像印刷モードの印刷指示信号と文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づき、クリーニング部材保持体の移動頻度を制御することを特徴とする画像形成装置の制御方法である。
【0020】
また本発明は、前記画像形成装置を動作させるためのプログラムであって、コンピュータを前記制御手段として機能させるための制御プログラムである。
【0021】
また本発明は、前記制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、画像形成手段は、単色印刷を指示するモノクロ印刷指示信号と、フルカラー印刷を指示するフルカラー印刷指示信号とに基づいて画像を形成する。ノコ歯保持部材は、複数のノコ歯が一方向に配列した針電極を保持する。クリーニング部材保持体に支持されたクリーニング部材は、複数のノコ歯の配列方向に沿って移動するように配置され、その移動時にノコ歯の先端部に順に接することで針電極をクリーニングする。クリーニング部材保持体は、移動手段によって複数のノコ歯の配列方向に沿って移動する。同じ印字面積の場合、フルカラー印刷はモノクロ印刷より多くのトナーを消費するので、定着工程でトナー材料から発生し、画像形成装置内に充満する揮発ガスの量は、モノクロ印刷時よりフルカラー印刷時が多い。そのため、フルカラー印刷時はモノクロ印刷時よりもノコ歯先端に付着する汚染物質の量が多い。制御手段がモノクロ印刷指示信号とフルカラー印刷指示信号とに基づき、クリーニング部材保持体の移動頻度を制御することによって、モノクロ印刷およびフルカラー印刷によってノコ歯先端に付着する汚染物質の付着量の違いに応じて、モノクロ印刷時よりもフルカラー印刷時のクリーニング部材の移動頻度を多くする制御を行うことができる。したがって、モノクロ印刷およびフルカラー印刷に関わらず、ノコ歯の放電不良による画像不良を防止して長期間に渡って高品位の画像を安定して得ることができる。また汚染物質付着によってノコ歯先端にダメージを与える前に清掃することができるので、ノコ歯の長寿命化を図ることができる。
【0023】
また本発明によれば、制御手段は、モノクロ印刷時よりもフルカラー印刷時におけるクリーニング部材保持体の移動頻度を高くするよう制御する。このようにモノクロ印刷時よりもフルカラー印刷時のクリーニング部材の移動頻度を確実に高くするよう制御することによって、モノクロ印刷およびフルカラー印刷に関わらず、ノコ歯の放電不良による画像不良を防止して長期間に渡って高品位の画像をより安定して得ることができる。
【0024】
また本発明によれば、画像形成手段は、さらに、写真画像の印刷を指示する写真画像印刷モードの印刷指示信号と、文字画像の印刷を指示する文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づいて画像を形成し、制御手段は、さらに前記写真画像印刷モードの印刷指示信号と、前記文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づき、クリーニング部材保持体の移動頻度を制御する。写真画像印刷モードは、文字画像印刷モードより多くのトナーを消費するので、定着工程でトナー材料から発生し、画像形成装置内に充満する揮発ガスの量は、文字画像印刷モードより写真画像印刷モードが多い。そのため、写真画像印刷モードの印刷時は文字画像印刷モードの印刷時よりもノコ歯先端に付着する汚染物質の量が多い。モノクロ印刷およびフルカラー印刷に応じた制御に加え、文字画像印刷モードおよび写真画像印刷モードごとのノコ歯先端に付着する汚染物質の付着量の違いに応じてクリーニング部材の移動頻度を制御することによって、モノクロ印刷およびフルカラー印刷、ならびに印刷モードに関わらず、ノコ歯の放電不良による画像不良を防止して長期間に渡って高品位の画像をより安定して得ることができる。
【0025】
また本発明によれば、制御手段は、文字画像印刷時よりも写真画像印刷時におけるクリーニング部材保持体の移動頻度を高くするよう制御する。このように、モノクロ印刷およびフルカラー印刷に応じた制御に加え、文字画像印刷モードおよび写真画像印刷モードごとのノコ歯先端に付着する汚染物質の付着量の違いに応じてクリーニング部材の移動頻度を確実に高くするよう制御することによって、モノクロ印刷およびフルカラー印刷、ならびに印刷モードに関わらず、ノコ歯の放電不良による画像不良を防止して長期間に渡って高品位の画像をより一層安定して得ることができる。
【0026】
また本発明によれば、画像形成手段は、写真画像の印刷を指示する写真画像印刷モードの印刷指示信号と、文字画像の印刷を指示する文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づいて画像を形成する。ノコ歯保持部材は、複数のノコ歯が一方向に配列した針電極を保持する。クリーニング部材保持体に支持されたクリーニング部材は、複数のノコ歯の配列方向に沿って移動するように配置され、その移動時にノコ歯の先端部に順に接することで針電極をクリーニングする。クリーニング部材保持体は、移動手段によって複数のノコ歯の配列方向に沿って移動する。制御手段が写真画像印刷モードの印刷指示信号と文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づいてクリーニング部材保持体の移動頻度を制御することによって、写真画像印刷モードおよび文字画像印刷モードにおけるノコ歯先端に付着する汚染物質の付着量の違いに応じて、文字画像印刷モードよりも写真画像印刷モードでのクリーニング部材保持体の移動頻度を多くする制御を行うことができる。したがって、印刷モードに関わらず、ノコ歯の放電不良による画像不良を防止して長期間に渡って高品位の画像を安定して得ることができる。また汚染物質付着によってノコ歯先端にダメージを与える前に清掃するので、ノコ歯の長寿命化を図ることができる。
【0027】
また本発明によれば、制御手段は、文字画像印刷時よりも写真画像印刷時におけるクリーニング部材保持体の移動頻度を高くするよう制御する。このように、文字画像印刷モードおよび写真画像印刷モードごとのノコ歯先端に付着する汚染物質の付着量の違いに応じてクリーニング部材の移動頻度を高くするよう制御することによって、モノクロ印刷およびフルカラー印刷、ならびに印刷モードに関わらず、ノコ歯の放電不良による画像不良を防止して長期間に渡って高品位の画像をより安定して得ることができる。
【0028】
また本発明によれば、クリーニング部材保持体は、クリーニング部材をクリーニング部材保持体の一端に圧接する圧接片を含む。クリーニング部材保持体は、移動手段によるノコ歯の配列方向に沿った移動に伴い、ベース部分の形状に応じて、ベース面に平行であり、かつノコ歯の配列方向に直交する方向に移動する。ベース部分は、ベース面に平行な方向に湾曲している。これによって、移動手段によるクリーニング部材保持体の移動に伴い、クリーニング部材保持体は、ベース面に平行であり、かつノコ歯の配列方向に直交する方向に確実に移動するので、クリーニング部材の外周面全域をノコ歯と接触させることができる。したがって、クリーニング部材の外周面全域を用いて確実にノコ歯をクリーニングできるので、針電極の安定したクリーニング性を維持でき、長期間に渡って放電むらのない均一な帯電付与が可能となるので、高品位の画像をより一層安定して得ることができる。また、クリーニングの際にクリーニング部材の一部分のみがノコ歯と接触し続けることを防ぐことができるので、クリーニング部材およびノコ歯のさらなる長寿命化を図ることができる。
【0029】
また本発明によれば、クリーニング部材保持体は、クリーニング部材をクリーニング部材保持体の一端に圧接する圧接片を含む。クリーニング部材保持体は、移動手段によるノコ歯の配列方向に沿った移動に伴い、ベース部分の形状に応じて、ベース面に平行であり、かつノコ歯の配列方向に直交する方向に移動する。移動手段は、ベース部分の長手方向に渡って設けられるねじ軸の回転によって、ねじ軸に沿ってクリーニング部材保持体を移動させ、ベース部分は一定の幅を有し、複数のノコ歯は、ねじ軸に対して平行に、かつベース面の長手方向における中心軸に対して非平行に配列される。これによって、クリーニング部材の外周面全域を用いて確実にノコ歯をクリーニングできる。したがって、長期間に渡って放電むらのない均一な帯電付与が可能となるので、高品位の画像をより一層安定して得ることができる。また、クリーニングの際にクリーニング部材の一部分のみがノコ歯と接触し続けることを防ぐことができるので、クリーニング部材およびノコ歯のさらなる長寿命化を図ることができる。
【0030】
また本発明によれば、移動手段は、ベース部分の長手方向に渡って設けられるねじ軸を含み、その回転によってねじ軸に沿ってクリーニング部材保持体を移動させ、ねじ軸とベース面の長手方向における中心軸とは平行である。複数のノコ歯は前記中心軸およびねじ軸に対して非平行に配列されるので、クリーニング部材保持体をねじ軸に沿って移動させると、クリーニング部材の外周面全域を針電極と接触させることができる。したがって、クリーニング部材の外周面全域を用いて確実にノコ歯をクリーニングできるので、針電極の安定したクリーニング性を維持でき、長期間に渡って放電むらのない均一な帯電付与が可能な帯電装置とすることができる。また、クリーニングの際にクリーニング部材の一部分のみがノコ歯と接触し続けることを防ぐことができるので、クリーニング部材およびノコ歯の長寿命化を図ることができる。
【0031】
また本発明によれば、画像形成装置は、モノクロ印刷指示信号とフルカラー印刷指示信号とに基づいて画像を形成する画像形成手段と、針電極と、クリーニング部材と、クリーニング部材保持体と、制御手段とを含む。制御手段は、モノクロ印刷指示信号とフルカラー印刷指示信号とに基づき、クリーニング部材保持体の移動頻度を制御する。これによって、モノクロ印刷およびフルカラー印刷によってノコ歯先端に付着する汚染物質の付着量の違いに応じて、モノクロ印刷時よりもフルカラー印刷時のクリーニング部材の移動頻度を多くすることができる。したがって、モノクロ印刷およびフルカラー印刷に関わらず、ノコ歯の放電不良による画像不良を防止して長期間に渡って高品位の画像を安定して得ることができる。また汚染物質付着によってノコ歯先端にダメージを与える前に清掃することができるので、ノコ歯の長寿命化を図ることができる。
【0032】
また本発明によれば、画像形成装置は、写真画像印刷モードの印刷指示信号と文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づいて画像を形成する画像形成手段と、針電極と、クリーニング部材と、クリーニング部材保持体と、制御手段とを含む。制御手段は、写真画像印刷モードの印刷指示信号と文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づき、クリーニング部材保持体の移動頻度を制御する。これによって、写真画像印刷モードおよび文字画像印刷モードにおけるノコ歯先端に付着する汚染物質の付着量の違いに応じて、文字画像印刷モードよりも写真画像印刷モードでのクリーニング部材保持体の移動頻度を多くすることができる。したがって、印刷モードに関わらず、ノコ歯の放電不良による画像不良を防止して長期間に渡って高品位の画像を安定して得ることができる。また汚染物質付着によってノコ歯先端にダメージを与える前に清掃するので、ノコ歯の長寿命化を図ることができる。
【0033】
また本発明によれば、制御プログラムは、本発明の画像形成装置を動作させるためのプログラムであって、コンピュータを前記制御手段として機能させる。これによって、モノクロ印刷指示信号ならびにフルカラー印刷指示信号、または印刷モード信号に基づいて、制御手段であるコンピュータがクリーニング部材保持体の移動頻度を制御することができ、本発明の画像形成装置を動作させる方法を汎用的なものにすることができる。
【0034】
また本発明によれば、記録媒体は前記制御プログラムが記録され、コンピュータで読み取り可能であるので、モノクロ印刷指示信号ならびにフルカラー印刷指示信号、または印刷モード信号に基づいて本発明の画像形成装置の動作させるためのプログラムを容易にコンピュータに供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1の実施形態である画像形成装置100の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の画像形成装置100におけるプリンタドライバの設定画面を示す図である。
【図3】本実施形態の画像形成装置100における画像形成部208の具体的な構成の一例を模式的に示す図である。
【図4】図3に示す感光体11の周辺の構造を示す説明図である。
【図5】第1帯電装置301の構成を模式的に示す側面図である。
【図6】第1帯電装置301の構成を模式的に示す底面図である。
【図7】図6に示す第1帯電装置301を切断面線S357−S357から見た断面図である。
【図8】図6に示すクリーニングゴムローラ66周辺の拡大図である。
【図9】図8に示す帯電装置301を切断面線S309−S309から見た断面図である。
【図10】図5に示すクリーニング部材保持体394周辺の拡大図である。
【図11】第2帯電装置1の構成を模式的に示す底面図である。
【図12】図11に示す第2帯電装置1を切断面線S5−S5から見た断面図である。
【図13】図11に示すクリーニングゴムローラ66周辺の拡大図である。
【図14】図11に示す帯電装置1を切断面線S50−S50から見た断面図である。
【図15】クリーニング部材保持体94がノコ歯保持部材62における長手方向の中心まで移動した状態を示す底面図である。
【図16】図15に示す帯電装置1を切断面線S55−S55から見た断面図である。
【図17】クリーニング部材保持体94がノコ歯保持部材62の端まで移動した状態を示す底面図である。
【図18】図17に示す帯電装置1を切断面線S57−S57から見た断面図である。
【図19】第3帯電装置93の構成を模式的に示す底面図である。
【図20】第4帯電装置95に含まれるクリーニングゴムローラ66および案内手段の構成を模式的に示す底面図である。
【0036】
【図21】第5帯電装置101の構成を模式的に示す底面図である。
【図22】図21に示す第5帯電装置101を切断面線S105−S105から見た断面図である。
【図23】図21に示す第5帯電装置101を切断面線S150−S150から見た断面図である。
【図24】クリーニング部材保持体194がノコ歯保持部材162における長手方向の中心まで移動した状態を示す底面図である。
【図25】図24に示す帯電装置101を切断面線S155−S155から見た断面図である。
【図26】クリーニング部材保持体194がノコ歯保持部材162の端まで移動した状態を示す底面図である。
【図27】図26に示す帯電装置101を切断面線S157−S157から見た断面図である。
【図28】本実施形態の画像形成装置100に係るモノクロ印刷指示信号およびフルカラー印刷指示信号に基づくクリーニング部材保持体の移動に関する制御方法を示すフローチャートである。
【図29】本実施形態の画像形成装置100に係る写真画像モード信号および文字画像モード信号に基づくクリーニング部材保持体の移動に関する制御方法を示すフローチャートである。
【図30】本実施形態の画像形成装置100に係るフルカラー印刷指示信号、モノクロ印刷指示信号および印字モードの印刷指示信号に基づくクリーニング部材支持体の移動に関する制御方法示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
1、画像形成装置
(1)画像形成装置の構成
図1は、本発明の第1の実施形態である画像形成装置100の構成を示すブロック図である。
【0038】
画像形成装置100は、たとえばスキャナとプリンタと周辺機器とを備えた複合機であり、読取部206と、画像処理部207と、画像形成部208と、周辺機器制御部209と、操作部と、記憶部203と、制御部202とを含む。
【0039】
読取部206は原稿画像の読み取りを行い、読み取った原稿画像を画像処理部207で適正な電気信号に変換して画像データを生成する。画像形成部208は、生成された画像データを印刷出力する。周辺機器制御部209は、後処理装置であるフィニッシャーやソーターなどの周辺機器を制御する。操作部は、入力部204と表示部205とを備える。
【0040】
記憶部203は、制御手段である制御部202が本発明の制御を行う為のプログラムを格納している記録媒体である。このプログラムおよび記録媒体については、後で詳しく述べる。
【0041】
制御部202は記憶部203に格納しているプログラムに基づいて本発明の制御を行う。制御部202は受信した各信号に基づき、記憶部203に格納しているプログラムと常時交信して受信した信号に最も適切なプログラムを選択して制御を行う。受信する信号としては、たとえばフルカラー印刷指示信号、モノクロ印刷指示信号、印刷モード信号が挙げられる。印刷モード信号としては、写真画像印刷モード信号および文字画像印刷モード信号が挙げられる。コピーの場合において、操作部の入力部204の印刷枚数を設定する図示しないボタンを押下し、入力部204のフルカラー印刷指示信号もしくはモノクロ印刷指示信号、またはモノクロ印刷指示信号もしくは写真画像印刷モード信号に対応した図示しないコピーボタンを押下すると、制御部202は、読取部206にてスキャナに載置された原稿の読取りを制御し、画像処理部207にて印刷に応じた画像処理を制御する。そして、入力部204で選択したフルカラー印刷指示信号もしくはモノクロ印刷指示信号、またはモノクロ印刷指示信号もしくは写真画像印刷モード信号に基づいて画像形成部208での印刷を制御する。
【0042】
(2)操作部
以下、操作部の具体例を挙げる。
【0043】
図2は、本実施形態の画像形成装置100におけるプリンタドライバの設定画面を示す図である。図2には、印刷プロパティメインのプロパティ601の状態を示す。操作部の表示部205には、たとえば図2に示す画面が表示される。ユーザ設定602は、幾種類かの設定が可能で、本例では初期設定状態であることを示す。印刷する部数603は、1−99から選択することが可能で本例では10部に設定している。とじしろ605の設定は、あり、なしのいずれかに設定可能であり、本例では、なしに設定している。両面印刷608の設定は、片面印刷、両面印刷横とじ、両面印刷縦とじ、中とじ印刷のいずれか1つを設定することができ、本例では片面印刷を選択している。
【0044】
N−Up印刷609は、1枚の印刷用紙に並べて印刷するページ数であり、1−4まで選択可能である。本例では一枚の印刷用紙に1ページ印刷する1−Upを選択している。とじ位置604の設定は、左とじ、右とじ、上とじのいずれか1つを設定することができ、本例では左とじを選択している。印刷の向き606の設定は、縦、横のいずれか1つを選択することができ、さらに画像を180°回転して印刷を行う場合にはチェックボックス610をチェックする。本例では回転はさせず、縦向きの印刷を選択している。
【0045】
フルカラー印刷611およびモノクロ印刷613では、フルカラー印刷またはモノクロ印刷を選択可能であり、本例ではフルカラー印刷611のラジオボタンが選択され、フルカラー印刷が指示されている。簡易プレビュー607には、印刷画像のレイアウトや縦向き印刷が選択されていることがグラフィックで表示される。
【0046】
これらの設定を行った後、OK612を選択すると、OK612の信号を図1に示す制御部202が受信し、制御部202は、モノクロ印刷指示信号またはフルカラー印刷指示信号に基づき、画像形成部208に備わる後述するクリーニング部材保持体の移動頻度を制御する。クリーニング部材保持体の移動頻度を制御すると、後述するノコ歯のクリーニング頻度を制御することができる。これらの関係については、後で詳しく述べる。
【0047】
モノクロ印刷指示信号とは、プリンタの場合、モノクロ印刷613のラジオボタンが選択され、OK612が選択されたときの信号を指す。またフルカラー印刷指示信号とは、プリンタの場合、フルカラー印刷611のラジオボタンが選択され、OK612が選択されたときの信号を指す。画像形成装置100は、コピー機としても使用することができる。この場合、モノクロ印刷指示信号とは、モノクロコピーボタンの押下による信号を指し、フルカラー印刷指示信号とは、フルカラーコピーボタンの押下による信号を指す。
【0048】
(3)画像形成部
以下、画像形成手段である画像形成部208の具体的な構成および動作について記載する。
【0049】
図3は、本実施形態の画像形成装置100における画像形成部208の具体的な構成の一例を模式的に示す図である。本実施形態の画像形成装置100は、電子写真方式のフルカラー画像形成装置であり、たとえばネットワークを介して外部から送信されてくる画像データや読取部206によって読み取った画像データに基づいて、記録紙(転写媒体)に対し多色または単色の画像を形成する。
【0050】
図3に示すように、画像形成装置100は、可視像形成ユニット10、供給トレイ20、記録紙搬送手段30および定着装置40を備える。ここでは、可視像形成ユニット10にて現像した像(トナー像)は、記録紙Pに直接転写するものとするが、中間転写ベルト等の中間転写媒体に転写するようになっていてもよい。
【0051】
可視像形成ユニット10には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)の各色に対応して、4つの可視像形成ユニット10Y,10M,10C,10Bが並設される。つまり、可視像形成ユニット10は4つの可視像形成ユニット10Y,10M,10C,10Bからなり、可視像形成ユニット10Yはイエロー(Y)のトナーを用いて画像形成を行い、可視像形成ユニット10Mはマゼンダ(M)のトナーを用いて画像形成を行い、可視像形成ユニット10Cはシアン(C)のトナーを用いて画像形成を行い、可視像形成ユニット10Bはブラック(B)のトナーを用いて画像形成を行う。具体的な配置としては、供給トレイ20から定着装置40へ記録紙Pを搬送する搬送路に沿って、4組の可視像形成ユニット10Y,10M,10C,10Bが配設されており、搬送される記録紙Pに各色のトナーを多重転写する。図3に示すように、可視像形成ユニット10Y,10M,10C,10Bは、それぞれ実質的に同一の構成を有する。すなわち、それぞれに、感光体(感光体ドラム、像担持体)11、帯電装置301、レーザ光照射手段13、現像装置14、転写ローラ15、クリーナユニット16および除電装置17が設けられている。
【0052】
図4は、図3に示す感光体11の周辺の構造を示す説明図である。
レーザ光照射手段13は、帯電装置301によって帯電された感光体11の表面を画像データに応じて露光し、感光体11の表面に静電潜像を形成する。現像装置14は、感光体11の表面に形成された静電潜像を、トナーによって現像してトナー像を形成する。転写ローラ15は、トナーとは逆極性のバイアス電圧を印加されており、感光体11に形成されたトナー像を、記録紙搬送手段30によって搬送される記録紙Pに転写させる。
【0053】
帯電装置301は、感光体11の表面を所定の電位に均一に帯電させるものであり、感光体11の表面から非接触で近接させてコロナ放電とグリッドバイアス制御によって帯電させる非接触帯電方式のコロナ帯電方式の帯電装置を用いている。
【0054】
現像装置14は、感光体11表面を臨むように配置され、感光体11の表面に形成される静電潜像にトナーを供給して現像し、可視像であるトナー像を形成する。感光体11の表面へのトナーの供給に際しては、現像装置14にトナーの帯電電位とは逆極性の電位が現像バイアス電圧として印加される。これによって、トナーが静電潜像に円滑に供給される。
【0055】
転写ローラ15は、トナーとは逆極性のバイアス電圧を印加されており、感光体11に形成されたトナー像を、記録紙搬送手段30によって搬送される記録紙Pに転写させるものである。
【0056】
クリーナユニット16は、転写ローラ15による転写処理の後に、感光体11の表面に残留したトナーを除去および回収する。クリーナユニット16は、ケース54およびクリーニングブレード51を備えている。クリーニングブレード51は、感光体11の表面に残留するトナーを回収するためのものであり、感光体11の軸方向を長手方向とする長尺状のゴム部材によって形成されている。
【0057】
上記の構成の各可視像形成ユニットにおいて、感光体11は除電装置17で除電された後、帯電装置301によって表面が帯電され、帯電した感光体11の表面をレーザ光照射手段13で露光して静電潜像を形成し、静電潜像を現像装置14によって現像し、現像したトナー像を転写ローラ15によって記録紙Pに転写する。転写工程後に感光体11の表面に残ったトナー像は、クリーナユニット16によって除去回収される。そして、このような、記録紙Pに対するトナー像の転写を、各色の可視像形成ユニットにおいて順次行うことで、記録紙Pに各色のトナー像を多重転写する。
【0058】
図3に戻って、記録紙搬送手段30は、駆動ローラ31、アイドリングローラ32および搬送ベルト33を含み、各可視像形成ユニットによって記録紙Pにトナー像が転写されるように、記録紙を搬送する。駆動ローラ31およびアイドリングローラ32は、無端状の搬送ベルト33を張架するものであり、駆動ローラ31が所定の周速度で回転駆動されることで、搬送ベルト33が回転する。また、搬送ベルト33は、外側表面は所定の電位に帯電しており、記録紙Pを静電吸着しながら搬送する。
【0059】
記録紙搬送手段30によって搬送されて各可視像形成ユニットを通過し、トナー像(未定着トナー像)を転写された記録紙は、駆動ローラ31の曲率によって搬送ベルト33から剥離され、定着装置40に搬送される。
【0060】
定着装置40は、記録紙に適度な熱と圧力とを与えて、記録紙P上に転写されたトナーを溶解させて記録紙に定着させ、記録紙を排紙トレイ(図示せず)に排出する。定着装置40の構成は特に限定されるものではなく、たとえば加熱ローラ41と加圧ローラ42とを備え、これら両ローラによって記録紙を挟持しながら搬送する構成のものを用いることができる。これらの動作によって、記録紙Pに画像が形成される。前述のように画像形成装置100は、本発明の帯電装置を組み込んで構成される。本発明の帯電装置は放電むらのない均一な帯電付与が可能なので、このような帯電装置を用いて画像を形成することによって、長期間に渡って良好な画質を安定して形成することができる。
【0061】
なお、画像形成装置100に備えられる上記各部材の動作は、主制御部(図示しない制御用集積回路基板または図示しないコンピュータ)によって制御される。
【0062】
(4)帯電装置
以下、本実施形態の画像形成装置100の画像形成部208にて用いることができる帯電装置の構成例を複数挙げる。
【0063】
(第1帯電装置301)
図5は、第1帯電装置301の構成を模式的に示す側面図である。図6は、第1帯電装置301の構成を模式的に示す底面図である。図7は、図6に示す第1帯電装置301を切断面線S357−S357から見た断面図である。
【0064】
図5,6では省略しているが、図7に示すように、第1帯電装置301(以下「帯電装置301」と記載する)は、帯電ケース300に囲まれており、針電極363と、ノコ歯保持部材362と、クリーニングゴムローラ66と、クリーニング部材保持体394と、移動手段303と、スクリーングリッド64と、端子部350とを含む。
【0065】
針電極363は、薄い帯状の金属材料からなり、その全長に渡って一定の間隔で複数のノコ歯53が下向きに延出している。複数のノコ歯53は、針電極363の長さ方向に平行な矢符B1,B2に沿って一方向に配列している。針電極363からの放電によって後述する感光体11の表面が一様の電位に帯電する。複数のノコ歯53は、感光体11の長手方向に渡って配列しており、ノコ歯53の先端部と感光体11との間には、一定の距離がある。針電極363の長さは、感光体11における周面の軸方向の長さより長い。ノコ歯53には、定電流電源が接続されている。スクリーングリッド64には、定電圧電源が接続されている。
【0066】
複数のノコ歯を保持するノコ歯保持部材362は、ノコ歯53に対して垂直にノコ歯53を保持するベース面308を有するベース部分306、およびノコ歯53に対して平行にノコ歯53を保持する保持部分307で針電極363を保持する。ノコ歯保持部材362の長さは、針電極363の長さより長い。ベース部分306は、ノコ歯53が存在する存在部362aの両端部にノコ歯53が存在しない非存在部362bが一体的に形成されてなる。本実施形態において、存在部362aの長手方向の長さ383は328mmであり、短手方向の長さ384は10mmである。ノコ歯保持部材362は、その長手方向の両端部で帯電装置301の帯電ケース300に固定される。ノコ歯保持部材362は、合成樹脂などの絶縁性材料によって構成される。
【0067】
クリーニング部材であるクリーニングゴムローラ66は、シャフト65の外周において、2つの回転コロ(第1回転コロ67a、第2回転コロ67b)の間に形成される。クリーニングゴムローラ66は、ノコ歯53の先端部と感光体との間において、ノコ歯53の配列方向に沿って移動するように配置され、その移動時に複数のノコ歯53の先端部に順に外周面が接することで針電極363をクリーニングする。
【0068】
図8は、図6に示すクリーニングゴムローラ66周辺の拡大図である。図9は、図8に示す帯電装置301を切断面線S309−S309から見た断面図である。クリーニングゴムローラ66は、その内側から順に円柱状のシャフト65、円筒状の芯金67、弾性層96が形成される3層構造のロール状部材である。シャフト65の材料としては、ポリカーボネートおよびSUS(Stainless Used Steel)材が挙げられる。芯金67の材料としては、ポリカーボネートおよびSUS材が挙げられる。弾性層96の材料としては、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)が挙げられる。クリーニングゴムローラ66の直径は、スクリーングリッド64の周面に接触しない範囲でできるだけ大きくすることができ、たとえば直径が6mmであり、軸線方向の長さが4mmである。クリーニングゴムローラ66は、材料をポリカーボネートとするシャフト65を用い、外径が2mmであり、材料をポリカーボネートとする芯金67を用い、厚さが1.5mm、軸線方向の長さが4mmであり、材料をエチレンプロピレンジエンゴムとする弾性層96を用いて構成される。なお、シャフト65と芯金67とは共に材料をポリカーボネートとする一体成型のものを用いてもよい。
【0069】
図9に示すように、ノコ歯53の先端部がクリーニングゴムローラ66に埋没するようにして順に接することで、コロナ放電に伴う静電気力の集塵作用によりノコ歯53先端部に付着した、浮遊トナー、揮発したTMSおよび塵がクリーニングされる。クリーニングゴムローラ66は、複数のノコ歯53から周面に作用する抵抗によって回転しつつ矢符B1,B2に沿って移動する。後述するクリーニング部材保持体394は、クリーニングゴムローラ66の周面にノコ歯53の先端が0.5mm程度の長さで埋没するようにクリーニングゴムローラ66を保持する。
【0070】
図5,6,7に戻って、クリーニング部材保持体394は、ゴムローラ保持体2と、シャフト65と、2つの回転コロ67a,bと、突起片302a,302bとを含む。クリーニング部材保持体394は、ゴムローラ保持体2にシャフト65の両端部を回転自在に固定することで、クリーニングゴムローラ66を回動自在に支持する。突起片302a,302bは、クリーニング部材保持体394の内面側に形成される。クリーニング部材保持体394は、該内面における上面302cと、突起片302a,302bとでノコ歯保持部材362を上下方向に挟み、該内面における側面302d,302eでノコ歯保持部材362を左右方向に挟む。このためクリーニング部材保持体394は、ベース面308に平行で矢符B1,B2に直交する方向において、回転を含む移動を規制される。針電極363のクリーニング後、クリーニング部材保持体は、印字の妨げとならないノコ歯53の無い位置、すなわち2つの非存在部362bのいずれか一方まで移動手段によって移動する。
【0071】
図10は、図5に示すクリーニング部材保持体394周辺の拡大図である。図10に示すように、移動手段303はスクリューネジ70と移動部材371とを含む。移動部材371には、ねじ軸であるスクリューネジ70から螺合されるねじ穴82が貫通している。スクリューネジ70は、ベース部分306の長手方向に渡って設けられ、その回転によって、スクリューネジ70に沿ってクリーニング部材保持体94を移動させる。スクリューネジ70は、図示しないモータによって回転する。モータは正逆回転が可能である。スクリューネジ70が矢符A1の方向に回転すると、その回転によってクリーニング部材保持体94は矢符B1の方向に移動し、スクリューネジ70が矢符A2の方向に回転すると、その回転によってクリーニング部材保持体94は矢符B2の方向に移動する。スクリューネジ70は、ノコ歯53の配列方向および感光体の軸線方向と平行に構成される。
【0072】
端子部350は、図示しない端子を収納する。端子は、高圧電源と針電極363とを接続する。端子を介して針電極363に高圧電源が印加されると、ノコ歯53の先端部に印加電界が集中し、この部分が放電しやすくなる。これによって、複数のノコ歯53から感光体11の表面に放電され、この放電によって感光体11表面が所定の電位に帯電される。
【0073】
(第2帯電装置1)
以下、帯電装置301とは構成の異なる帯電装置1について記載する。
【0074】
図11は、第2帯電装置1の構成を模式的に示す底面図である。図12は、図11に示す第2帯電装置1を切断面線S5−S5から見た断面図である。図11,12に示すように、第2帯電装置1(以下「帯電装置1」と記載する)は、針電極63と、ノコ歯保持部材62と、クリーニングゴムローラ66と、クリーニング部材保持体94と、移動手段3と、案内手段と、図示しないスクリーングリッドと、図示しない端子部とを含む。スクリーングリッドおよび端子部については、帯電装置301と同一の構成のため記載を省略する。
【0075】
針電極63は、複数のノコ歯53が一方向に配列したものである。針電極63からの放電によって後述する感光体の表面が一様の電位に帯電する。複数のノコ歯53は、感光体の長手方向に渡って配列しており、ノコ歯53の先端部と感光体との間には、一定の距離がある。
【0076】
複数のノコ歯を保持するノコ歯保持部材62は、ノコ歯53に対して垂直にノコ歯53を保持するベース面8を有するベース部分6、およびノコ歯53に対して平行にノコ歯53を保持する保持部分7で針電極63を保持する。図11に示すように、ベース部分6は一定の幅を有し、ベース面8に平行な方向、すなわち矢符A3の方向に湾曲している。ベース部分6は、ノコ歯53が存在する存在部62aの両端部にノコ歯53が存在しない非存在部62bが一体的に形成されてなる。本実施形態において、存在部62aの長手方向の長さ83は328mmであり、短手方向の長さ84は10mmである。ノコ歯保持部材62の曲率は、1.481×10−1(1/m)である。曲率とは、曲線または曲面上の各点における、その曲線または曲面のまがりの程度を示す値である。曲率は、曲率半径の逆数で示す。たとえば曲率半径rの曲率円の曲率は1/rであり、まがりの程度が大きいほど曲率の値は大きくなる。本実施形態において、ノコ歯保持部材62の曲率は、存在部62aにおける中心軸99と、中心軸99の両端部B,Cとからなる円弧によって設定される。円弧BCの長さは329.8mmであり、円弧BCの弦の長さは前記存在部62aの長手方向の長さ83と等しく、円弧BCを含む曲率円の曲率半径は6752mmである。中心軸99の両端部B,Cと曲率中心とから成る角度は2.8°である。ノコ歯保持部材62は、その長手方向の両端部で帯電装置1の図示しない帯電ケースに固定される。
【0077】
クリーニング部材であるクリーニングゴムローラ66は、シャフト65の外周において、2つの回転コロ(第1回転コロ67a、第2回転コロ67b)の間に形成される。クリーニングゴムローラ66は、ノコ歯53の先端部と感光体との間において、ノコ歯53の配列方向に沿って移動するように配置され、その移動時に複数のノコ歯53の先端部に順に外周面が接することで針電極63をクリーニングする。
【0078】
図13は、図11に示すクリーニングゴムローラ66周辺の拡大図である。クリーニングゴムローラ66の構成は、帯電装置301における。クリーニングゴムローラ66の構成と同様である。
【0079】
図11,12に戻って、クリーニング部材保持体94は、ゴムローラ保持体2と、シャフト65と、2つの回転コロ67a,bとを含む。クリーニング部材保持体94は、ゴムローラ保持体2にシャフト65の両端部を回転自在に固定することで、クリーニングゴムローラ66を回動自在に支持する。針電極63のクリーニング後、クリーニング部材保持体は、印字の妨げとならないノコ歯53の無い位置、すなわち2つの非存在部62bのいずれか一方まで移動手段によって移動する。図11に示すようにゴムローラ保持体2がノコ歯保持部材62の一端に存在する時点において、ノコ歯53の先端部はクリーニングゴムローラ66外周面の第1回転コロ67a側の端に接している。
【0080】
図14は、図11に示す帯電装置1を切断面線S50−S50から見た断面図である。図14に示すように、移動手段3はスクリューネジ70と移動部材71とを含む。移動部材71は、基部80と、基部80の下面の逆T字状の案内レール81とが一体的に形成される。基部80には、ねじ軸であるスクリューネジ70から螺合されるねじ穴82が貫通している。スクリューネジ70は、ベース部分6の長手方向に渡って設けられ、その回転によって、スクリューネジ70に沿ってクリーニング部材保持体94を移動させる。スクリューネジ70は、図示しないモータによって回転する。モータは正逆回転が可能である。スクリューネジ70が矢符A1の方向に回転すると、その回転によってクリーニング部材保持体94は矢符B1の方向に移動し、スクリューネジ70が矢符A2の方向に回転すると、その回転によってクリーニング部材保持体94は矢符B2の方向に移動する。スクリューネジ70は、ノコ歯53の配列方向および感光体の軸線方向と平行に構成される。
【0081】
クリーニング部材保持体94を構成するゴムローラ保持体2は、案内溝部89と、案内溝部89の下面の一対の保持部88とが一体的に形成される。一対の保持部88は、ノコ歯保持部材62が収まるよう、C1,C2の方向に間隔を空けて一体的に形成される。案内溝部89は、断面が逆T字状であり、案内溝90を形成する。案内溝90は、断面が逆T字状で、案内レール81がはまり込んでおり、案内レール81がC1,C2の方向に移動できるよう案内する。各保持部には、シャフト65が回転自在に固定される。案内溝部89のC方向における両端部には、図示しない端壁が存在する。そのため、案内レール81は各端壁の間においてCの方向に移動する。なお、図11に示す帯電装置1を側面から見た場合、案内溝90は見えず、ゴムローラ保持体2と移動部材71とは一体的に形成されているように見える。ゴムローラ保持体2および移動手段3が上記のような構成であることによってクリーニング部材保持体94が、ベース面8に平行であり、かつノコ歯53の配列方向に直交する方向、すなわちCの方向に移動可能となる。クリーニング部材保持体94および移動手段3の構造は、Cの方向に移動可能であれば、前記の構造に限定されない。
【0082】
案内手段は、移動手段3によるクリーニング部材保持体94の移動に伴い、ベース面8に平行であり、かつノコ歯53の配列方向に直交する方向、すなわちCの方向にクリーニング部材保持体94を移動させる。本実施形態では、ベース部分6が案内手段に相当する。
【0083】
図12に戻って、一対の保持部88が相互に対面する内面のいずれか一方には、その保持部88と一体的に固定され、各保持部間に挿入されたノコ歯保持部材62の一側面に段発的に当接する圧接片4を有する。圧接片4はノコ歯保持部材62を樹脂弾性で圧接する。前述のように、ベース部分6はベース面8に対して平行な方向に湾曲しており、クリーニング部材保持体94が湾曲したベース部分6を含むノコ歯保持部材62に沿って円滑に移動するためには、ノコ歯保持部材62とゴムローラ保持体2との間においてベース面8に平行な方向にある程度の隙間52が必要となる。しかしながら、隙間52があるとクリーニング部材保持体94は、ベース面8に平行であり、かつノコ歯53の配列する方向に直交する方向に自由に移動することができる。圧接片4を設けてクリーニングゴムローラ66がゴムローラ保持体2の一端に常に接する構造とすることによって、クリーニング部材保持体94が湾曲した形状のノコ歯保持部材62に沿って円滑に移動でき、かつクリーニング部材保持体94を矢符A4,A5の所望の方向に確実に移動させることができる。本実施形態において、隙間52の幅は2mmである。圧接片4の材料はある程度の弾性を有するものであれば特に限定されないが、本実施形態ではポリカーボネート樹脂である。また、圧接片4の形状は、ノコ歯保持部材62をゴムローラ保持体2の一端に圧接することができれば図2に示す形状に限定されないが、ノコ歯保持部材62との摩擦係数が小さく、クリーニング部材保持体94の移動を妨げないような形状が好ましい。
【0084】
図15は、クリーニング部材保持体94がノコ歯保持部材62における長手方向の中心まで移動した状態を示す底面図である。図16は、図15に示す帯電装置1を切断面線S55−S55から見た断面図である。図16に示すようにゴムローラ保持体2がノコ歯保持部材62の中心に存在する時点では、ノコ歯53先端はクリーニングゴムローラ66の第2回転コロ67b側に接している。これは、ノコ歯53の配列方向に沿ったゴムローラ保持体2の移動に伴い、ベース部分6の形状に応じて、ベース面8に平行であり、かつノコ歯53の配列方向に直交する方向にクリーニング部材保持体94が移動したためである。クリーニング部材保持体94がノコ歯保持部材62の中心に移動するまでの間、クリーニングゴムローラ66の外周面において、第1回転コロa側の端から第2回転コロb側の端へとノコ歯53の先端部と接する位置が移動する。
【0085】
図17は、クリーニング部材保持体94がノコ歯保持部材62の端まで移動した状態を示す底面図である。図18は、図17に示す帯電装置1を切断面線S57−S57から見た断面図である。図18に示すようにクリーニング部材保持体94がノコ歯保持部材62の一端に存在する時点では、ノコ歯53先端はクリーニングゴムローラ66の外周面において、第1回転コロ67a側に接している。これは、ノコ歯53の配列方向に沿ったクリーニング部材保持体94の移動に伴い、ベース部分6の形状に応じて、ベース面8に平行であり、かつノコ歯53の配列方向に直交する方向にクリーニング部材保持体94が移動したためである。ゴムローラ保持体2がノコ歯保持部材62の端に移動するまでの間、クリーニングゴムローラ66の外周面において、第2回転コロ67b側の端から第1回転コロ67a側の端へとノコ歯53の先端部と接する位置が移動する。すなわち、クリーニングゴムローラ66の外周面全域が確実にノコ歯53の先端部と接する。
【0086】
このように本実施形態では、移動手段によるクリーニング部材保持体94の移動に伴い、クリーニング部材保持体94は、ベース部分6の形状に応じて、ベース面8に平行であり、かつノコ歯53の配列方向に直交する方向に移動するので、クリーニングゴムローラ66の外周面全域をノコ歯53と接触させることができる。したがって、クリーニングゴムローラ66の外周面全域を用いて確実にノコ歯53をクリーニングできるので、針電極63の安定したクリーニング性を維持でき、長期間に渡って放電むらのない均一な帯電付与が可能な帯電装置1とすることができる。また、クリーニングの際にクリーニングゴムローラ66の一部分のみがノコ歯53と接触し続けることを防ぐことができるので、クリーニングゴムローラ66およびノコ歯53の長寿命化を図ることができる。
【0087】
(第3帯電装置93)
図19は、第3帯電装置93の構成を模式的に示す底面図である。第3帯電装置93(以下「帯電装置93」と記載する)は、ノコ歯保持部材92の形状が異なる以外は帯電装置1の構成と同じである。図19に示すように、本実施形態ではノコ歯保持部材92は一定の幅を有し、複数のノコ歯53の配列方向とベース面の長手方向における中心軸91とは非平行である。このような形状のノコ歯保持部材92を用いても、クリーニングゴムローラ66の外周面全域で確実にノコ歯53のクリーニングを行うことができるので、安定したクリーニング性と画質を維持することができる。また、クリーニングゴムローラ66およびノコ歯53の長寿命化を図ることができる。
【0088】
(第4帯電装置)
図20は、第4帯電装置95に含まれるクリーニングゴムローラ66および案内手段の構成を模式的に示す底面図である。第4帯電装置95(以下「帯電装置95」と記載する)では、案内手段がガイド68である点が帯電装置1および帯電装置93と異なる。また、ノコ歯保持部材の形状が異なり、一定の幅を有するベース面の長手方向における中心軸が、スクリューネジ70およびノコ歯53の配列方向と平行である。それ以外の構成は帯電装置1および帯電装置93と同じであるため、記載を省略する。
【0089】
ガイド68は、第1ガイド部材68aと第2ガイド部材68bとから構成される。第1回転コロ67aは、第1ガイド部材68aに沿って移動し、第2回転コロ67bは第2ガイド部材68bに沿って移動する。一対のガイド部材は、ベース面に平行であり、かつノコ歯53の配列方向と直交する方向に湾曲しており、これによって移動手段によるクリーニング部材保持体の移動に伴い、クリーニング部材保持体は、ベース部分の形状に応じて、ベース面に平行であり、かつノコ歯53の配列方向に直交する方向に移動するので、クリーニングゴムローラ66の外周面全域をノコ歯53と接触させることができる。したがって、クリーニングゴムローラ66の外周面全域を用いて確実にノコ歯53をクリーニングできるので、針電極の安定したクリーニング性を維持でき、長期間に渡って放電むらのない均一な帯電付与が可能な帯電装置1とすることができる。また、クリーニングの際にクリーニングゴムローラ66の一部分のみがノコ歯53と接触し続けることを防ぐことができるので、クリーニングゴムローラ66およびノコ歯53の長寿命化を図ることができる。
【0090】
(第5帯電装置101)
図21は、第5帯電装置101の構成を模式的に示す底面図である。図22は、図21に示す第5帯電装置101を切断面線S105−S105から見た断面図である。図23は、図21に示す第5帯電装置101を切断面線S150−S150から見た断面図である。図21,22に示すように、第5帯電装置101(以下「帯電装置101」と記載する)は、針電極63と、ノコ歯保持部材162と、クリーニングゴムローラ66と、クリーニング部材保持体194と、移動手段103とを含む。帯電装置101では、案内手段を含まない点が帯電装置93と異なる。また、ノコ歯保持部材、クリーニング部材保持体194に含まれるゴムローラ保持部材102および移動部材171の構造も異なる。その他の構成は帯電装置93と同じであるため記載を省略し、図面において同一の参照符号を用いる。
【0091】
ノコ歯保持部材162は、ノコ歯53に対して垂直にノコ歯53を保持するベース面108を有するベース部分106、およびノコ歯53に対して平行にノコ歯53を保持する保持部分107で針電極を保持する。移動手段103は、ベース部分106の長手方向に渡って設けられる、ねじ軸であるスクリューネジ70を含み、その回転によってスクリューネジ70に沿ってクリーニング部材保持体194を移動させる。クリーニング部材保持体194は、クリーニング部材であるクリーニングゴムローラ66を回動自在に支持する。図23に示すように、移動部材171は、図14にて示される断面が逆T字状の案内レール81を含まず、クリーニング部材保持体194は、案内溝部89を含まず、移動部材171の下面にゴムローラ保持部材102が一体的に形成される。そのため、本実施形態ではゴムローラ保持部材102がCの方向に移動することはなく、ゴムローラ保持部材102をノコ歯保持部材162の一側面に圧接させる圧接片4を含まない。
【0092】
帯電装置93では、複数のノコ歯53は、スクリューネジ70に対して平行に、かつベース面の長手方向における中心軸に対して非平行に配列されていたが、帯電装置101では、スクリューネジ70とベース面108の長手方向における中心軸191とは平行であり、複数のノコ歯53は、前記中心軸191およびスクリューネジ70に対して非平行に配列される。具体的には、ノコ歯53の配列方向と、中心軸191との成す角度は、0.5°であり、ノコ歯53はノコ歯保持部材162における矩形の存在部162aの対角線上に配列される。クリーニングゴムローラ66の外周面全域でクリーニングを行う目的で、ノコ歯53の配列方向と中心軸191との角度に調整するので、前記角度は、クリーニングゴムローラ66の軸線方向の長さ、および存在部162aの長手方向の長さによって決まる。
【0093】
図22に示されるように、クリーニング部材保持体194がノコ歯保持部材162の一端に存在する時点では、ノコ歯53先端はクリーニングゴムローラ66の外周面において第1回転コロ67a側の端と接している。
【0094】
図24は、クリーニング部材保持体194がノコ歯保持部材162における長手方向の中心まで移動した状態を示す底面図である。図25は、図24に示す帯電装置101を切断面線S155−S155から見た断面図である。図25に示すようにゴムローラ保持体がノコ歯保持部材の中心に存在する時点では、ノコ歯53先端はクリーニングゴムローラ66の外周面において、クリーニングゴムローラ66軸の中心と接している。これは、ゴムローラ保持部材102はノコ歯53の配列方向に沿って移動するが、中心軸191とノコ歯53の配列方向とが非平行なためである。クリーニング部材保持体194がノコ歯保持部材における長手方向の中心まで移動する間、クリーニングゴムローラ66外周面において、クリーニングゴムローラ66における第1回転コロ67a側の端からクリーニングゴムローラ66軸の中心へとノコ歯53の先端部と接する位置が移動する。
【0095】
図26は、クリーニング部材保持体194がノコ歯保持部材162の端まで移動した状態を示す底面図である。図27は、図26に示す帯電装置101を切断面線S157−S157から見た断面図である。図27に示すようにクリーニング部材保持体194がノコ歯保持部材162の一端に存在する時点では、ノコ歯53先端はクリーニングゴムローラ66の第2回転コロ67b側の端に接している。これは、クリーニング部材保持体194はノコ歯53の配列方向に沿って移動するが、中心軸191とノコ歯53の配列方向とが非平行なためである。クリーニング部材保持体194がノコ歯保持部材162の端まで移動する間、クリーニングゴムローラ66外周面において、クリーニングゴムローラ66軸の中心からクリーニングゴムローラ66における第2回転コロ67b側の端へとノコ歯53の先端部と接する位置が移動する。すなわち、クリーニングゴムローラ66の外周面全域が確実にノコ歯53の先端部と接する。したがって、針電極の安定したクリーニング性を維持でき、長期間に渡って放電むらのない均一な帯電付与が可能な帯電装置101とすることができる。また、クリーニングの際にクリーニングゴムローラ66の一部分のみがノコ歯53と接触し続けることを防ぐことができるので、クリーニングゴムローラ66およびノコ歯53の長寿命化を図ることができる。
【0096】
(5)制御部による制御
以下、制御部202によるクリーニング部材保持体の移動に関する制御方法の具体例を記載する。
【0097】
(フルカラー印刷およびモノクロ印刷に基づく制御方法)
図28は、本実施形態の画像形成装置100に係るモノクロ印刷指示信号およびフルカラー印刷指示信号に基づくクリーニング部材保持体の移動に関する制御方法を示すフローチャートである。図2に示すフルカラー印刷611またはモノクロ印刷613のチェックボックスにチェックされOK612の選択による信号が送信されると、ステップS1で、制御部202は受信した信号がフルカラー印刷指示信号であるかどうか判断する。フルカラー印刷指示信号であれば、ステップS2で印刷を開始し、ステップS3で印字枚数が250枚かどうか判断し、250枚でなければステップS4に進む。すなわち、印字枚数が1枚以上249枚以下であれば、ステップS4に進む。ステップS4で印刷が完了したかどうか判断し、印刷が完了したと判断されれば、ステップS9に進みクリーニング部材保持体を針電極の長手方向に一往復させてノコ歯のクリーニングを行った後、画像形成装置を停止させる。完了していないと判断されればステップS3に戻り、印刷を継続する。
【0098】
印字枚数が250枚に達すると、ステップS5で一旦印刷を中断し、ステップS6でクリーニング部材保持体を針電極の長手方向に一往復させてノコ歯のクリーニングを行う。クリーニングが済み次第、ステップS7で印字枚数250枚をリセットし、ステップS8で残りの印刷を再開してステップS3に戻る。残りの印刷においても印字枚数250枚を閾値とし、ステップS4とステップS3とを繰り返して印字枚数が250枚に達した場合には、一旦印刷を中断してノコ歯をクリーニングし、印刷を再開するというステップS5〜S8の動作を行う。
【0099】
残りの印刷においてステップS3,S4を繰り返し、ステップS4で印刷が完了したと判断されれば、ステップS9でクリーニング部材保持体を移動させてノコ歯のクリーニングを行った後、画像形成装置を停止させる。このように、フルカラー印刷指示信号を受信した場合の閾値は250枚である。
【0100】
このように、フルカラー印刷指示信号を受信した場合、1ジョブ当たりの印字枚数が249枚以下であれば、印刷完了後にのみクリーニング部材保持体を移動させてノコ歯のクリーニングを行う。1ジョブ当たりの印字枚数が250枚以上であれば、印字途中および印刷完了後にクリーニング部材保持体を移動させてノコ歯のクリーニングを行う。印刷中は250枚ごとにクリーニングを行う。
【0101】
ステップS1で、受信した信号がフルカラー印刷指示信号ではないと判断された場合、すなわちモノクロ印刷指示信号であると判断された場合には、ステップS10で印刷を開始し、ステップS11で印字枚数が1000枚かどうか判断する。印字枚数が1000枚に達していないと判断されればステップS14に進み、ステップS14で印字が完了したと判断されればステップS19でノコ歯のクリーニングを行った後、画像形成装置を停止させる。ステップS14で印字が完了されていないと判断されればステップS13に戻り印刷を継続する。ステップS13,14を繰り返し印字枚数が1000枚に達すると、ステップS15〜18で印刷の中断、クリーニング部材保持体の移動、印字枚数のリセットおよび印刷の再開という動作を行い、ステップS13に戻る。このように、モノクロ印刷における閾値は1000枚である。
【0102】
このように、モノクロ印刷指示信号を受信した場合、1ジョブ当たりの印字枚数が999枚以下であれば、印刷完了後にのみクリーニング部材保持体を移動させてノコ歯のクリーニングを行う。1ジョブ当たりの印字枚数が1000枚以上であれば、印字途中および印刷完了後にクリーニング部材保持体を移動させてノコ歯のクリーニングを行う。印刷中は1000枚ごとにクリーニングを行う。
【0103】
同じ印字面積の場合、フルカラー印刷はモノクロ印刷より多くのトナーを消費するので、定着工程でトナー材料から発生し、画像形成装置内に充満する揮発ガスの量は、モノクロ印刷時よりフルカラー印刷時が多い。そのため、フルカラー印刷時はモノクロ印刷時よりもノコ歯先端に付着する汚染物質の量が多い。制御部202がモノクロ印刷指示信号とフルカラー印刷指示信号とに基づき、クリーニング部材保持体の移動頻度を制御することによって、モノクロ印刷およびフルカラー印刷によってノコ歯先端に付着する汚染物質の付着量の違いに応じて、モノクロ印刷時よりもフルカラー印刷時のクリーニング部材の移動頻度を多くする制御を行うことができる。したがって、モノクロ印刷およびフルカラー印刷に関わらず、ノコ歯の放電不良による画像不良を防止して長期間に渡って高品位の画像を安定して得ることができる。また汚染物質付着によってノコ歯先端にダメージを与える前に清掃することができるので、ノコ歯の長寿命化を図ることができる。
【0104】
なお、本制御においてクリーニング部材保持体の移動頻度は画像形成装置で任意の設定が可能である。具体的には、閾値および1回のクリーニング動作におけるクリーニング部材保持体の往復回数などを変更可能である。
【0105】
(印刷モードに基づく制御方法)
図29は、本実施形態の画像形成装置100に係る写真画像モード信号および文字画像モード信号に基づくクリーニング部材保持体の移動に関する制御方法を示すフローチャートである。印刷モード信号とは、たとえば画像形成装置100の操作部における文字画像印刷モードの印刷指示信号またはハーフトーン画像の多い写真画像印刷モードの印刷指示信号を指す。写真画像印刷モードの印刷は、文字画像印刷モードの印刷より多くのトナーを消費するので、定着工程でトナー材料から発生し画像形成装置内に充満する揮発ガスの量は、文字画像印刷モードより写真画像印刷モードが多い。そのため、写真画像印刷モードの印刷時は文字画像印刷モードの印刷時よりもノコ歯先端に付着する汚染物質の量が多い。
【0106】
操作部において文字画像印刷モードの印刷指示信号またはハーフトーン画像の多い写真画像印刷モードの印刷指示信号が送信されると、ステップS31で、制御部202は受信した信号が写真画像印刷モードの印刷指示信号であるかどうか判断する。写真画像印刷モードの印刷指示信号であると判断された場合、ステップS30で印刷を開始し、ステップS31で印字枚数が170枚かどうか判断する。印字枚数が170枚に達していないと判断されればステップS34に進み、ステップS34で印字が完了したと判断されればステップS39でノコ歯のクリーニングを行った後、画像形成装置を停止させる。ステップS34で印字が完了されていないと判断されればステップS33に戻り印刷を継続する。ステップS33,34を繰り返し印字枚数が170枚に達すると、ステップS35〜38で印刷の中断、クリーニング部材保持体の移動、印字枚数のリセットおよび印刷の再開という動作を行い、ステップS33に戻る。このように、写真画像印刷モードにおける閾値は170枚である。
【0107】
このように、写真画像印刷モードの印刷指示信号を受信した場合、1ジョブ当たりの印字枚数が169枚以下であれば、印刷完了後にのみクリーニング部材保持体を移動させてノコ歯のクリーニングを行う。1ジョブ当たりの印字枚数が170枚以上であれば、印字途中および印刷完了後にクリーニング部材保持体を移動させてノコ歯のクリーニングを行う。印刷中は170枚ごとにクリーニングを行う。
【0108】
ステップS4で、受信した信号が写真画像印刷モードの印刷指示信号ではないと判断された場合、すなわち文字画像印刷モードの印刷指示信号であると判断された場合には、ステップS40で印刷を開始し、ステップS41で印字枚数が1000枚かどうか判断する。印字枚数が1000枚に達していないと判断されればステップS44に進み、ステップS44で印字が完了したと判断されればステップS49でノコ歯のクリーニングを行った後、画像形成装置を停止させる。ステップS44で印字が完了されていないと判断されればステップS43に戻り印刷を継続する。ステップS43,44を繰り返し印字枚数が1000枚に達すると、ステップS45〜48で印刷の中断、クリーニング部材保持体の移動、印字枚数のリセットおよび印刷の再開という動作を行い、ステップS43に戻る。このように、文字画像印刷モードにおける閾値は1000枚である。
【0109】
このように、文字画像印刷モードの印刷指示信号を受信した場合、1ジョブ当たりの印字枚数が999枚以下であれば、印刷完了後にのみクリーニング部材保持体を移動させてノコ歯のクリーニングを行う。1ジョブ当たりの印字枚数が1000枚以上であれば、印字途中および印刷完了後にクリーニング部材保持体を移動させてノコ歯のクリーニングを行う。印刷中は1000枚ごとにクリーニングを行う。
【0110】
制御部202が写真画像印刷モードの印刷指示信号と文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づいてクリーニング部材保持体の移動頻度を制御することによって、写真画像印刷モードおよび文字画像印刷モードにおけるノコ歯先端に付着する汚染物質の付着量の違いに応じて、文字画像印刷モードよりも写真画像印刷モードでのクリーニング部材保持体の移動頻度を多くする制御を行うことができる。したがって、印刷モードに関わらず、ノコ歯の放電不良による画像不良を防止して長期間に渡って高品位の画像を安定して得ることができる。また汚染物質付着によってノコ歯先端にダメージを与える前に清掃するので、ノコ歯の長寿命化を図ることができる。
【0111】
(フルカラー印刷指示信号、モノクロ印刷指示信号および印刷モードに基づく制御方法)
図30は、本実施形態の画像形成装置100に係るフルカラー印刷指示信号、モノクロ印刷指示信号および印字モードの印刷指示信号に基づくクリーニング部材支持体の移動に関する制御方法示すフローチャートである。
【0112】
ステップS50で、受信した信号がフルカラー印刷指示信号かどうか判断する。フルカラー印刷指示信号であると判断されれば、ステップS51に進む。ステップS51で、制御部202は受信した信号が写真画像印刷モードの印刷指示信号であるかどうか判断する。写真画像印刷モードの印刷指示信号であると判断された場合、ステップS52で印刷を開始し、ステップS53で印字枚数が40枚かどうか判断する。印字枚数が40枚に達していないと判断されればステップS54に進み、ステップS54で印字が完了したと判断されればステップS59でノコ歯のクリーニングを行った後、画像形成装置を停止させる。ステップS54で印字が完了されていないと判断されればステップS53に戻り印刷を継続する。ステップS53,54を繰り返し印字枚数が40枚に達すると、ステップS55〜58で印刷の中断、クリーニング部材保持体の移動、印字枚数のリセットおよび印刷の再開という動作を行い、ステップS53に戻る。
【0113】
ステップS51で、受信した信号が写真画像印刷モードの印刷指示信号ではないと判断された場合、すなわち文字画像印刷モードの印刷指示信号であると判断された場合には、ステップS62で印刷を開始し、ステップS63で印字枚数が250枚かどうか判断する。印字枚数が250枚に達していないと判断されればステップS64に進み、ステップS64で印字が完了したと判断されればステップS69でノコ歯のクリーニングを行った後、画像形成装置を停止させる。ステップS64で印字が完了されていないと判断されればステップS63に戻り印刷を継続する。ステップS63,64を繰り返し印字枚数が250枚に達すると、ステップS65〜68で印刷の中断、クリーニング部材保持体の移動、印字枚数のリセットおよび印刷の再開という動作を行い、ステップS63に戻る。
【0114】
ステップS50で、受信した信号がフルカラー印刷指示信号ではないと判断された場合、すなわちモノクロ印刷指示信号であると判断された場合には、ステップS71に進む。ステップS71で、制御部202は受信した信号が写真画像印刷モードの印刷指示信号であるかどうか判断する。写真画像印刷モードの印刷指示信号であると判断された場合、ステップS72で印刷を開始し、ステップS73で印字枚数が170枚かどうか判断する。印字枚数が170枚に達していないと判断されればステップS74に進み、ステップS74で印字が完了したと判断されればステップS79でノコ歯のクリーニングを行った後、画像形成装置を停止させる。ステップS74で印字が完了されていないと判断されればステップS73に戻り印刷を継続する。ステップS73,74を繰り返し印字枚数が170枚に達すると、ステップS75〜78で印刷の中断、クリーニング部材保持体の移動、印字枚数のリセットおよび印刷の再開という動作を行い、ステップS73に戻る。
【0115】
ステップS71で、受信した信号が写真画像印刷モードの印刷指示信号ではないと判断された場合、すなわち文字画像印刷モードの印刷指示信号であると判断された場合には、ステップS82で印刷を開始し、ステップS83で印字枚数が1000枚かどうか判断する。印字枚数が1000枚に達していないと判断されればステップS84に進み、ステップS84で印字が完了したと判断されればステップS89でノコ歯のクリーニングを行った後、画像形成装置を停止させる。ステップS84で印字が完了されていないと判断されればステップS83に戻り印刷を継続する。ステップS83,84を繰り返し印字枚数が1000枚に達すると、ステップS85〜88で印刷の中断、クリーニング部材保持体の移動、印字枚数のリセットおよび印刷の再開という動作を行い、ステップS83に戻る。
【0116】
モノクロ印刷およびフルカラー印刷に応じた制御に加え、文字画像印刷モードおよび写真画像印刷モードごとのノコ歯先端に付着する汚染物質の付着量の違いに応じてクリーニング部材の移動頻度を制御することによって、モノクロ印刷およびフルカラー印刷、ならびに印刷モードに関わらず、ノコ歯の放電不良による画像不良を防止して長期間に渡って高品位の画像をより安定して得ることができる。
【0117】
図28〜30のフローチャートは前記第1帯電装置301を用いた場合の制御を示すが、第1帯電装置301の代わりに第2〜5帯電装置1,93,95,101を用いた場合には、ノコ歯のクリーニング効率が向上するため、第1帯電装置301を用いた場合より閾値を大きく設定することができる。すなわち、次のクリーニング動作を行うまでに印刷する枚数を増加させることができる。その結果、印刷途中においてクリーニングのために中断する回数が減少するので印刷時間が短くなり、また帯電装置を交換するまでの期間が長くなる。
【0118】
2、プログラムおよび記録媒体
本発明の第1の実施形態である画像形成装置100の制御部202は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。CPUを用いてソフトウェアによって前記制御手段を実現する場合、制御手段は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(Central Processing
Unit)、前記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、前記プログラムおよび各種データを格納するメモリなどの記憶装置(記録媒体)などを備える。
【0119】
上述した機能を実現するソフトウェアである定着装置の定着制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記定着装置の制御部に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによって、定着ローラ表面の傷の発生を防止できる定着装置を実現することが可能である。
【0120】
前記記録媒体としては、たとえば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R/Blu-ray(登録商標)ディスク等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0121】
また、画像形成装置を通信ネットワークと接続可能に構成し、通信ネットワークを介して上記プログラムコードを供給してもよい。通信ネットワークとしては、特に限定されず、たとえば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。
【0122】
また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、たとえば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0123】
このように、制御プログラムは、本発明の画像形成装置100を動作させるためのプログラムであって、コンピュータを制御部202として機能させることによって、モノクロ印刷指示信号ならびにフルカラー印刷指示信号、または印刷モード信号に基づいて、制御手段であるコンピュータがクリーニング部材保持体の移動頻度を制御することができ、本発明の画像形成装置100を動作させる方法を汎用的なものにすることができる。
【0124】
また、記録媒体は前記制御プログラムが記録され、コンピュータで読み取り可能であるので、モノクロ印刷指示信号ならびにフルカラー印刷指示信号、または印刷モード信号に基づいて本発明の画像形成装置100の動作させるためのプログラムを容易にコンピュータに供給することができる。
【実施例】
【0125】
〔実施例1〕
図28のフローチャートにて示された制御方法で画像の形成を行った。帯電装置には、前記第1帯電装置301を用いた。用いたクリーニングゴムローラは、直径が6mmであり、長手方向の長さが4mmであった。クリーニングゴムローラの弾性層の材料としては、EPDM(硬度JISA90)を使用した。弾性層の内径は3mmであった。画像形成装置には、シャープ株式会社製のフルカラー機MX7001を用いた。本フローチャートにて示すようにクリーニング部材保持体の移動を制御することによって、ノコ歯先端部へ汚染物質が付着して固着することを未然に防ぐことができ、放電不良による画像への影響もなく30万(300K)枚の印字を通じて安定した印字画像が得られた。
【0126】
〔実施例2〕
図29のフローチャートにて示された制御方法を用いたこと以外は実施例1と同様の方法で画像の形成を行った。この結果、写真画像印刷モードにおいて文字画像印刷モードより少ない印字枚数でクリーニング部材保持体の移動させることによって、300K枚印字を通じて安定した印字画像が得られた。
【0127】
〔実施例3〕
図30のフローチャートにて示された制御方法を用いたこと以外は実施例1と同様の方法で画像の形成を行った。この結果、370K枚印字を通じて安定した印字画像が得られた。
【0128】
〔比較例1〕
印字面積を10%に固定して、写真画像印刷モードおよび文字画像印刷モードでモノクロ画像の印字を行い、1000枚目、1900枚目、2700枚目というように、印字枚数の積算値が多くなるほどクリーニングを行うまでの枚数を100枚ずつ少なくするという制御方法を用いたこと以外は実施例1と同様の方法で画像の形成を行った。この結果、写真画像印刷モードにおいて、200枚程度で印字不良が発生したが、文字画像印刷モードでは300K枚の印字を通じて安定した印字画像が得られた。
【0129】
〔比較例2〕
写真画像印刷モードでフルカラー画像を印刷するとき、写真画像印刷モードでモノクロ画像を印刷するとき、文字画像印刷モードでフルカラー画像を印刷するとき、および文字画像印刷モードでモノクロ画像を印刷するときの閾値を全て1000枚に設定する制御方法を用いたこと以外は実施例1と同様の方法で画像の形成を行った。この結果、写真画像印刷モードでフルカラー画像を印字した場合は約60枚で、写真画像印刷モードでモノクロ画像を印字した場合は約200枚程度で、文字画像印刷モードでフルカラー画像を印字した場合は約300枚で印字不良が発生した。文字画像印刷モードでモノクロ画像を印字した場合は印字不良が発生しなかった。
【0130】
本発明の制御方法で画像を印字した実施例1〜3では、長期間にわたって安定した印字画像が得られ、結果が良好であった。
【0131】
写真画像印刷モードと文字画像印刷モードとでクリーニングを行う枚数を同じにした比較例1では、写真画像印刷モードにおいて少ない印字枚数で印字不良が発生し、結果が悪くなった。このことから、写真画像印刷モードでモノクロ画像を印字する際には200枚より少ない枚数でクリーニングを行う必要があることがわかる。
【0132】
写真画像印刷モードでのフルカラー画像およびモノクロ画像の印刷時、ならびに文字画像印刷モードでのフルカラー画像およびモノクロ画像の印刷時でクリーニングを行う枚数を全て1000枚毎に設定した比較例2では、写真画像印刷モードでのフルカラー画像およびモノクロ画像の印字時、ならびに文字画像印刷モードでのフルカラー画像の印刷時において印字不良が発生し、結果が悪くなった。このことから、写真画像印刷モードでフルカラー画像を印字する際には60枚より少ない枚数で、写真画像印刷モードでモノクロ画像を印字する際には200枚より少ない枚数で、文字画像印刷モードでフルカラー画像を印字する際には300枚より少ない枚数でそれぞれクリーニングを行う必要があることがわかる。また文字画像印刷モードでモノクロ画像を印字する際には1000枚毎にクリーニングを行えばよいことがわかる。
【符号の説明】
【0133】
3 移動手段
53 ノコ歯
66 クリーニングゴムローラ
301 第1帯電装置
302 ゴムローラ保持体
306 ベース部分
307 保持部分
308 ベース面
362 ノコ歯保持部材
362a 存在部
362b 非存在部
363 針電極
394 クリーニング部材保持体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真方式で画像を形成する画像形成装置であって、
単色印刷を指示するモノクロ印刷指示信号と、フルカラー印刷を指示するフルカラー印刷指示信号とに基づいて画像を形成する画像形成手段と、
複数のノコ歯が一方向に配列した針電極と、
ノコ歯に対して垂直にノコ歯を保持するベース面を有するベース部分、およびノコ歯に対して平行にノコ歯を保持する保持部分で針電極を保持するノコ歯保持部材と、
ノコ歯の配列方向に沿って移動するように配置され、その移動時に複数のノコ歯の先端部に順に接することで針電極をクリーニングするクリーニング部材と、
クリーニング部材を支持するクリーニング部材保持体と、
ノコ歯の配列方向に沿ってクリーニング部材保持体を移動させる移動手段と、
クリーニング部材保持体のノコ歯の配列方向に沿った移動を制御する制御手段とを含み、
制御手段は、前記モノクロ印刷指示信号と前記フルカラー印刷指示信号とに基づき、クリーニング部材保持体の移動頻度を制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、単色印刷時よりもフルカラー印刷時におけるクリーニング部材保持体の移動頻度を高くするよう制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成手段は、さらに、写真画像の印刷を指示する写真画像印刷モードの印刷指示信号と、文字画像の印刷を指示する文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づいて画像を形成し、
前記制御手段が、さらに前記写真画像印刷モードの印刷指示信号と、前記文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づき、クリーニング部材保持体の移動頻度を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、文字画像印刷時よりも写真画像印刷時におけるクリーニング部材保持体の移動頻度を高くするよう制御することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
電子写真方式で画像を形成する画像形成装置であって、
写真画像の印刷を指示する写真画像印刷モードの印刷指示信号と、文字画像の印刷を指示する文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づいて画像を形成する画像形成手段と、
複数のノコ歯が一方向に配列した針電極と、
ノコ歯に対して垂直にノコ歯を保持するベース面を有するベース部分、およびノコ歯に対して平行にノコ歯を保持する保持部分で針電極を保持するノコ歯保持部材と、
ノコ歯の配列方向に沿って移動するように配置され、その移動時に複数のノコ歯の先端部に順に接することで針電極をクリーニングするクリーニング部材と、
クリーニング部材を回動自在に支持するクリーニング部材保持体と、
ノコ歯の配列方向に沿ってクリーニング部材保持体を移動させる移動手段と、
クリーニング部材保持体のノコ歯の配列方向に沿った移動を制御する制御手段とを含み、
制御手段は、写真画像印刷モードの印刷指示信号と、文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づき、クリーニング部材保持体の移動頻度を制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記制御手段は、文字画像印刷時よりも写真画像印刷時におけるクリーニング部材保持体の移動頻度を高くするように制御することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記クリーニング部材保持体は、クリーニング部材をクリーニング部材保持体の一端に圧接する圧接片を含み、前記移動部材によるノコ歯の配列方向に沿った移動に伴い、ベース部分の形状に応じて、ベース面に平行であり、かつノコ歯の配列方向に直交する方向に移動し、
ベース部分は、ベース面に平行な方向に湾曲していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記移動手段は、ベース部分の長手方向に渡って設けられるねじ軸の回転によって、ねじ軸に沿って前記クリーニング部材保持体を移動させ、この移動に伴い、クリーニング部材保持体はベース部分の形状に応じて、ベース面に平行であり、かつノコ歯の配列方向に直交する方向に移動し、
ベース部分は一定の幅を有し、
複数のノコ歯は、ねじ軸に対して平行に、かつベース面の長手方向における中心軸に対して非平行に配列されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記移動手段は、ベース部分の長手方向に渡って設けられるねじ軸を含み、その回転によってねじ軸に沿ってクリーニング部材保持体を移動させ、
ねじ軸とベース面の長手方向における中心軸とは平行であり、
複数のノコ歯は、前記中心軸およびねじ軸に対して非平行に配列されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項10】
電子写真方式で画像を形成する画像形成装置を動作させる制御方法であって、
画像形成装置は、単色印刷を指示するモノクロ印刷指示信号と、フルカラー印刷を指示するフルカラー印刷指示信号とに基づいて画像を形成する画像形成手段と、
複数のノコ歯が一方向に配列した針電極と、
ノコ歯の配列方向に沿って移動するように配置され、その移動時に複数のノコ歯の先端部に順に接することで針電極をクリーニングするクリーニング部材と、
クリーニング部材を支持するクリーニング部材保持体と、
クリーニング部材保持体のノコ歯の配列方向に沿った移動を制御する制御手段とを含み、
制御手段が、モノクロ印刷指示信号とフルカラー印刷指示信号とに基づき、クリーニング部材保持体の移動頻度を制御することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項11】
電子写真方式で画像を形成する画像形成装置を動作させる制御方法であって、
画像形成装置は、写真画像の印刷を指示する写真画像印刷モードの印刷指示信号と、文字画像の印刷を指示する文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づいて画像を形成する画像形成手段と、
複数のノコ歯が一方向に配列した針電極と、
ノコ歯の配列方向に沿って移動するように配置され、その移動時に複数のノコ歯の先端部に順に接することで針電極をクリーニングするクリーニング部材と、
クリーニング部材を支持するクリーニング部材保持体と、
クリーニング部材保持体のノコ歯の配列方向に沿った移動を制御する制御手段とを含み、
制御手段が、写真画像印刷モードの印刷指示信号と文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づき、クリーニング部材保持体の移動頻度を制御することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項12】
請求項1〜9のいずれか1つに記載の画像形成装置を動作させるためのプログラムであって、コンピュータを前記制御手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項13】
請求項12に記載の制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
電子写真方式で画像を形成する画像形成装置であって、
単色印刷を指示するモノクロ印刷指示信号と、フルカラー印刷を指示するフルカラー印刷指示信号とに基づいて画像を形成する画像形成手段と、
複数のノコ歯が一方向に配列した針電極と、
ノコ歯に対して垂直にノコ歯を保持するベース面を有するベース部分、およびノコ歯に対して平行にノコ歯を保持する保持部分で針電極を保持するノコ歯保持部材と、
ノコ歯の配列方向に沿って移動するように配置され、その移動時に複数のノコ歯の先端部に順に接することで針電極をクリーニングするクリーニング部材と、
クリーニング部材を支持するクリーニング部材保持体と、
ノコ歯の配列方向に沿ってクリーニング部材保持体を移動させる移動手段と、
クリーニング部材保持体のノコ歯の配列方向に沿った移動を制御する制御手段とを含み、
制御手段は、前記モノクロ印刷指示信号と前記フルカラー印刷指示信号とに基づき、クリーニング部材保持体の移動頻度を制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、単色印刷時よりもフルカラー印刷時におけるクリーニング部材保持体の移動頻度を高くするよう制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成手段は、さらに、写真画像の印刷を指示する写真画像印刷モードの印刷指示信号と、文字画像の印刷を指示する文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づいて画像を形成し、
前記制御手段が、さらに前記写真画像印刷モードの印刷指示信号と、前記文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づき、クリーニング部材保持体の移動頻度を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、文字画像印刷時よりも写真画像印刷時におけるクリーニング部材保持体の移動頻度を高くするよう制御することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
電子写真方式で画像を形成する画像形成装置であって、
写真画像の印刷を指示する写真画像印刷モードの印刷指示信号と、文字画像の印刷を指示する文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づいて画像を形成する画像形成手段と、
複数のノコ歯が一方向に配列した針電極と、
ノコ歯に対して垂直にノコ歯を保持するベース面を有するベース部分、およびノコ歯に対して平行にノコ歯を保持する保持部分で針電極を保持するノコ歯保持部材と、
ノコ歯の配列方向に沿って移動するように配置され、その移動時に複数のノコ歯の先端部に順に接することで針電極をクリーニングするクリーニング部材と、
クリーニング部材を回動自在に支持するクリーニング部材保持体と、
ノコ歯の配列方向に沿ってクリーニング部材保持体を移動させる移動手段と、
クリーニング部材保持体のノコ歯の配列方向に沿った移動を制御する制御手段とを含み、
制御手段は、写真画像印刷モードの印刷指示信号と、文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づき、クリーニング部材保持体の移動頻度を制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記制御手段は、文字画像印刷時よりも写真画像印刷時におけるクリーニング部材保持体の移動頻度を高くするように制御することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記クリーニング部材保持体は、クリーニング部材をクリーニング部材保持体の一端に圧接する圧接片を含み、前記移動部材によるノコ歯の配列方向に沿った移動に伴い、ベース部分の形状に応じて、ベース面に平行であり、かつノコ歯の配列方向に直交する方向に移動し、
ベース部分は、ベース面に平行な方向に湾曲していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記移動手段は、ベース部分の長手方向に渡って設けられるねじ軸の回転によって、ねじ軸に沿って前記クリーニング部材保持体を移動させ、この移動に伴い、クリーニング部材保持体はベース部分の形状に応じて、ベース面に平行であり、かつノコ歯の配列方向に直交する方向に移動し、
ベース部分は一定の幅を有し、
複数のノコ歯は、ねじ軸に対して平行に、かつベース面の長手方向における中心軸に対して非平行に配列されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記移動手段は、ベース部分の長手方向に渡って設けられるねじ軸を含み、その回転によってねじ軸に沿ってクリーニング部材保持体を移動させ、
ねじ軸とベース面の長手方向における中心軸とは平行であり、
複数のノコ歯は、前記中心軸およびねじ軸に対して非平行に配列されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項10】
電子写真方式で画像を形成する画像形成装置を動作させる制御方法であって、
画像形成装置は、単色印刷を指示するモノクロ印刷指示信号と、フルカラー印刷を指示するフルカラー印刷指示信号とに基づいて画像を形成する画像形成手段と、
複数のノコ歯が一方向に配列した針電極と、
ノコ歯の配列方向に沿って移動するように配置され、その移動時に複数のノコ歯の先端部に順に接することで針電極をクリーニングするクリーニング部材と、
クリーニング部材を支持するクリーニング部材保持体と、
クリーニング部材保持体のノコ歯の配列方向に沿った移動を制御する制御手段とを含み、
制御手段が、モノクロ印刷指示信号とフルカラー印刷指示信号とに基づき、クリーニング部材保持体の移動頻度を制御することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項11】
電子写真方式で画像を形成する画像形成装置を動作させる制御方法であって、
画像形成装置は、写真画像の印刷を指示する写真画像印刷モードの印刷指示信号と、文字画像の印刷を指示する文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づいて画像を形成する画像形成手段と、
複数のノコ歯が一方向に配列した針電極と、
ノコ歯の配列方向に沿って移動するように配置され、その移動時に複数のノコ歯の先端部に順に接することで針電極をクリーニングするクリーニング部材と、
クリーニング部材を支持するクリーニング部材保持体と、
クリーニング部材保持体のノコ歯の配列方向に沿った移動を制御する制御手段とを含み、
制御手段が、写真画像印刷モードの印刷指示信号と文字画像印刷モードの印刷指示信号とに基づき、クリーニング部材保持体の移動頻度を制御することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項12】
請求項1〜9のいずれか1つに記載の画像形成装置を動作させるためのプログラムであって、コンピュータを前記制御手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項13】
請求項12に記載の制御プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2010−164923(P2010−164923A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−9342(P2009−9342)
【出願日】平成21年1月19日(2009.1.19)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月19日(2009.1.19)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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