説明

画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム、および該画像形成プログラムを格納する記憶媒体

【課題】トナーの濃度調整を可能にして利便性および操作性を向上させる。
【解決手段】印刷データの用途とトナーの標準濃度とを対応づけた標準濃度情報155と、トナーカートリッジに付与されたトナー識別情報に基づいてトナーの用途を識別するトナー識別部101と、印刷データの内容に基づいて印刷データの用途を識別する印刷データ識別部102と、識別されたトナーの用途と印刷データの用途とが一致するか否かを判断する用途判断部103と、トナーの用途と印刷データの用途とが一致する場合、標準濃度情報155から印刷データの用途に対応するトナーの標準濃度を取得する濃度取得部104と、トナーの用途と印刷データの用途とが一致する場合、印刷濃度を取得した標準濃度に設定する濃度設定部105と、標準濃度に設定された印刷濃度で印刷データを印刷する印刷部106とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナーを用いて印刷データの印刷処理を行う画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム、および該画像形成プログラムを格納する記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プリンタなどの画像形成装置では、常に良好な画像濃度で印刷が行なえるようにトナーの濃度調整を行うが、通常のトナーとは性質が異なる特殊なトナーに交換して画像を印刷する場合がある。このような場合に、通常のトナーの性質に合わせた濃度調整による濃度設定値のまま印刷を行なってしまうと、通常のトナーとの性質の差によって、適正な濃度で印刷ができない場合がある。
【0003】
そこで、トナーの種別を認識し、製造元が品質を保証しているものとそれ以外のものとで異なる濃度調整を行う画像形成装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、この特許文献1では、濃度調整対象のトナーカートリッジが品質を保証された品であるか否かを識別し、品質を保証された品であった場合は通常の濃度調整処理を行い、品質を保証されていない品であった場合はその保証されていない品用の濃度調整制御を行うものである。
【0004】
また、トナーカートリッジを別の画像形成装置に装着した場合であっても、適切な濃度で印刷が可能となるように濃度調整を行う画像形成装置、およびトナーカートリッジが開示されている(例えば、特許文献2)。この特許文献2では、定期的に感光体の表面電位や画像濃度を検出して、適正値となるように帯電や現像の出力を調整してプロセス制御の最適化を図り、調整した値をトナーカートリッジの不揮発性メモリに蓄積することで、他の機械に装着した場合でも該不揮発性メモリにより最適な画像出力を得ることが可能となっている。
【0005】
【特許文献1】特開2006−30514号公報
【特許文献2】特開2003−84513号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、製造元が品質を保証したトナーカートリッジか否かによって適切な濃度調整を行うことは可能であるが、特殊な用途のトナーを使用して印刷する場合については記載されていない。また、上記特許文献2の技術では、トナーカートリッジ側に情報を持たせることで、そのトナーカートリッジをいずれの画像形成装置に装着した場合でもトナーカートリッジ側で蓄積している情報に基づいて適切な濃度調整を行うことは可能であるが、特許文献1と同様に、特殊な用途のトナーを使用して印刷する場合については記載されていない。さらに、上記特許文献1、2の技術では、装着されたトナーカートリッジのトナーに応じた濃度調整を行っているが、印刷データの用途を考慮して印刷制御を変更することはできなかった。
【0007】
つまり、特許文献1、2の画像形成装置では、特殊な用途の印刷データを、特殊な用途のトナーを使用して印刷する場合や、特殊な用途のトナーカートリッジが装着された状態で、特殊な用途以外の印刷データを印刷する場合には、トナーの濃度調整ができず、利用者によるトナーの濃度調整が必要となり利便性および操作性が悪いという問題があった。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、特殊な用途のトナーを使用して、特殊な用途の印刷データまたは特殊な用途以外の印刷データを印刷する場合でも、トナーの濃度調整を可能にして、利便性および操作性を向上させた画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム、および該画像形成プログラムを格納する記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、印刷データの用途と、印刷時のトナーの標準濃度とを対応づけた標準濃度情報を記憶する標準濃度記憶手段と、トナーを収容するトナーカートリッジに付与されたトナー識別情報に基づいてトナーの用途を識別するトナー識別手段と、印刷対象である印刷データの内容に基づいて前記印刷データの用途を識別する印刷データ識別手段と、識別された前記トナーの用途と前記印刷データの用途とが一致するか否かを判断する用途判断手段と、識別された前記トナーの用途と前記印刷データの用途とが一致する場合、前記標準濃度情報から、識別された前記印刷データの用途に対応する前記トナーの標準濃度を取得する濃度取得手段と、識別された前記トナーの用途と前記印刷データの用途とが一致する場合、印刷時におけるトナーの濃度である印刷濃度を、取得した前記標準濃度に設定する濃度設定手段と、前記標準濃度に設定された前記印刷濃度で、用途が識別された前記印刷データを印刷する印刷手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置である。
【0010】
また、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記標準濃度が設定された前記印刷濃度を、所定の濃度微調整値により調整する濃度調整手段をさらに備え、前記印刷手段は、調整された前記印刷濃度で、用途が識別された前記印刷データを印刷し、前記濃度調整手段は、識別された前記トナーの用途と前記印刷データの用途とが一致する場合であって、前記印刷データの用途が所定の通常用途でなかった場合には、前記標準濃度が設定された前記印刷濃度を前記濃度微調整値により調整しないことを特徴とする。
【0011】
また、請求項3にかかる発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、印刷データの用途と、トナーの標準濃度に対して微調整可能な範囲を示す微調整可能範囲とを対応づけた微調整範囲情報を記憶する微調整範囲記憶手段と、前記微調整範囲情報から、識別された前記印刷データの用途に対応する前記微調整可能範囲を取得し、前記標準濃度が設定された前記印刷濃度を、取得した前記微調整可能範囲内で所定の濃度微調整値により調整する濃度調整手段をさらに備え、前記印刷手段は、調整された前記印刷濃度で、用途が識別された前記印刷データを印刷することを特徴とする。
【0012】
また、請求項4にかかる発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、印刷データの用途と前記標準濃度の所定の濃度微調整値とを対応づけた微調整濃度情報を記憶する微調整濃度記憶手段と、前記微調整濃度情報から、識別された前記印刷データの用途に対応する前記濃度微調整値を取得し、前記標準濃度が設定された前記印刷濃度を、取得した前記濃度微調整値により調整する濃度調整手段をさらに備え、前記印刷手段は、調整された前記印刷濃度で、用途が識別された前記印刷データを印刷することを特徴とする。
【0013】
また、請求項5にかかる発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記標準濃度情報は、印刷データの用途と、トナーの用途と印刷データの用途とが一致する場合における印刷時のトナーの標準濃度と、トナーの用途と印刷データの用途とが一致しない場合における印刷時のトナーの標準濃度とを対応づけており、前記濃度取得手段は、識別された前記トナーの用途と前記印刷データの用途とが一致する場合、前記標準濃度情報から、識別された前記印刷データの用途に対応し、かつトナーの用途と印刷データの用途とが一致する場合における前記トナーの標準濃度を取得し、識別された前記トナーの用途と前記印刷データの用途とが一致しない場合、前記標準濃度情報から、識別された前記印刷データの用途に対応し、かつトナーの用途と印刷データの用途とが一致しない場合における前記トナーの標準濃度を取得し、前記濃度設定手段は、前記印刷濃度を、取得した前記標準濃度に設定することを特徴とする。
【0014】
また、請求項6にかかる発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、トナーカートリッジ内のトナーの残量を検知する残量検知手段と、識別された前記トナーの用途と前記印刷データの用途とが一致する場合であって、前記印刷データの用途が所定の通常用途でなかった場合において、トナーの残量が所定の閾値よりも減少していた場合、トナーの残量なしとみなす旨の判断をする残量判断手段と、トナーの残量なしとみなされた場合、トナーの補給もしくはトナーカートリッジの交換を促す旨を表示部に表示する表示制御手段と、をさらに備え、前記印刷手段は、前記トナーの残量が所定の閾値よりも増加していた場合、用途が識別された印刷データを印刷することを特徴とする。
【0015】
また、請求項7にかかる発明は、請求項1〜5のいずれか一つに記載の画像形成装置において、トナーカートリッジ内のトナーの残量を検知する残量検知手段と、印刷データの用途と、トナーの残量なしとみなすか否かの情報とを対応づけた残量判断情報を記憶する残量情報記憶手段とを備え、識別された前記トナーの用途と前記印刷データの用途とが一致する場合において、トナーの残量が所定の閾値よりも減少していた場合、前記残量判断情報から前記印刷データの用途に対応する情報を取得して、取得した情報によりトナーの残量なしとみなすか否かの判断をする残量判断手段と、トナーの残量なしとみなされた場合、トナーの補給もしくはトナーカートリッジの交換を促す旨を表示部に表示する表示制御手段と、をさらに備え、前記印刷手段は、前記トナーの残量が所定の閾値よりも増加していた場合、用途が識別された印刷データを印刷することを特徴とする。
【0016】
また、請求項8にかかる発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、トナーカートリッジ内のトナーの残量を検知する残量検知手段と、識別された前記トナーの用途と前記印刷データの用途とが一致する場合において、トナーの残量が所定の閾値よりも減少していた場合、識別された前記印刷データの用途に対応する前記トナーの標準濃度が、前記印刷データの用途が所定の通常用途であった場合の前記トナーの標準濃度より濃い場合に、トナーの残量なしとみなす旨の判断をする残量判断手段と、トナーの残量なしとみなされた場合、トナーの補給もしくはトナーカートリッジの交換を促す旨を表示部に表示する表示制御手段と、をさらに備え、前記印刷手段は、前記トナーの残量が所定の閾値よりも増加していた場合、用途が識別された印刷データを印刷することを特徴とする。
【0017】
また、請求項9にかかる発明は、画像形成装置で実行される画像形成方法において、前記画像形成装置は、印刷データの用途と、印刷時のトナーの標準濃度とを対応づけた標準濃度情報を記憶する標準濃度記憶手段を備え、トナーを収容するトナーカートリッジに付与されたトナー識別情報に基づいてトナーの用途を識別するトナー識別ステップと、印刷対象である印刷データの内容に基づいて前記印刷データの用途を識別する印刷データ識別ステップと、識別された前記トナーの用途と前記印刷データの用途とが一致するか否かを判断する用途判断ステップと、識別された前記トナーの用途と前記印刷データの用途とが一致する場合、前記標準濃度情報から、識別された前記印刷データの用途に対応する前記トナーの標準濃度を取得する濃度取得ステップと、識別された前記トナーの用途と前記印刷データの用途とが一致する場合、印刷時におけるトナーの濃度である印刷濃度を、取得した前記標準濃度に設定する濃度設定ステップと、前記標準濃度に設定された前記印刷濃度で、用途が識別された前記印刷データを印刷する印刷ステップと、を含むことを特徴とする。
【0018】
また、請求項10にかかる発明は、請求項9の画像形成方法を実行する画像形成プログラムである。
【0019】
また、請求項11にかかる発明は、請求項10の画像形成プログラムを格納する記憶媒体である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、印刷データの用途とトナーの用途とが一致した場合に、印刷データの用途に対応するトナーの標準濃度で印刷データを印刷するため、特殊な用途のトナーを使用して特殊な用途の印刷データの印刷を行なう場合でも、トナーの濃度調整を可能にして、利便性および操作性を向上させることができるという効果を奏する。
【0021】
また、本発明によれば、トナーの印刷濃度を適切な濃度微調整値により調整することで、適正な濃度により印刷データを印刷することができる。
【0022】
また、本発明によれば、印刷データの用途とトナーの用途とが一致しない場合において印刷を行なう場合に、印刷データの用途に対応し、かつトナーの用途と印刷データの用途とが一致しない場合におけるトナーの標準濃度で印刷データを印刷するため、例えば、印刷物が認識できる範囲でもっとも薄く印刷されるようなトナーの濃度調整を可能にし、特殊なトナーをなるべく使用せずに印刷を行うなど、利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム、および該画像形成プログラムを格納する記憶媒体の最良な実施の形態を詳細に説明する。以下の実施の形態では、画像形成装置をプリンタに適用した例を示すが、これに限定されることはなく、例えば、トナーを使用して印刷を行う機能を備えた複写機、ファクシミリ装置、コピー、ファックス、プリンタなどの複数の機能を一つの筐体に収納した複合機(MFP:Multi Function Peripherals)等であれば本発明を適用することができる。
【0024】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかるプリンタを含むシステム構成図である。図1に示すように、プリンタ100は、ホストコンピュータであるPC(Personal Computer)1a、1b、1c等と通信媒体2を介して接続されており、PC1a、1b、1cから送信された印刷データを受信して、受信した印刷データを印刷するものである。なお、図1におけるプリンタ100には、3台のPCが接続されている状態を示しているが、台数を増減して接続してもよい。
【0025】
図2は、実施の形態1にかかるプリンタの構成を示すブロック図である。図2に示すように、プリンタ100では、PDL(Page Description Language)解析部301と、ジョブ管理部302と、サービス提供群308とを主に備えている。そして、サービス提供群308には、ネットワーク管理部303と、メモリ管理部304と、印刷管理部305と、システム管理部306と、操作パネル管理部307とを主に備えている。
【0026】
PDL解析部301は、プリンタ100が受信した印刷データ(PDLデータ)を解析して印刷画像を生成するものである。つまり、PDL解析部301は、ジョブ管理部302の仲介によって、ネットワーク管理部303よりPC等から受信した印刷データを受け取り、メモリ管理部304から確保したメモリ上に印刷画像を生成する。また、印刷画像生成の際には機器構成情報、例えば給紙トレイ、排紙トレイの構成や、給紙トレイ内の用紙サイズといった情報が必要になるが、PDL解析部301は、これらの情報をジョブ管理部302の仲介により、システム管理部306から得る。
【0027】
ジョブ管理部302は、PDL処理全般に関わる制御を行っており、主にPDL解析部301側が必要とする処理を仲介し、他の構成部に対して要求を行うものである。つまり、ジョブ管理部302は、ネットワーク管理部303が受信した印刷データをPDL解析部301へ受け渡す仲介、PDL解析部301がシステム管理部306により管理される機器情報を取得する仲介、PDL解析部301がメモリ管理部304から必要なメモリを確保する仲介、PDL解析部301が作成した印刷画像に関し印刷管理部305に対する印刷要求の発行等を行う。
【0028】
サービス提供群308は、ネットワーク管理部303、メモリ管理部304、印刷管理部305、システム管理部306、操作パネル管理部307の各種サービスを提供する構成部の総称である。これらの構成部は互いに通信し合ってプリンタ100の基本動作を分担し、協力して上位層からの要求に対応する。
【0029】
ネットワーク管理部303は、ネットワークコントローラの管理と、ネットワークコントローラから得られる印刷データなどの受信データの処理を制御するものである。つまり、ホストコンピュータであるPCからのデータ受信の際に欠かせないFTP(File Transfer Protocol)やLPR(Line PRinter daemon protocol)などの通信プロトコルを制御してネットワークコントローラからデータを受信し、他の構成部へ受信したデータを受け渡す。
【0030】
メモリ管理部304は、メモリおよび外部記憶装置を管理するものであり、他の構成部の要求に応じてメモリおよび外部記憶装置の割り当て、解放を行う。
【0031】
印刷管理部305は、PDL解析部301が生成した印刷画像の印刷処理に関する制御を行うものである。つまり、印刷管理部305は、メモリ管理部304が管理するメモリ/外部記憶装置内に格納された印刷画像を、エンジンに印刷させるために必要な各種処理を実行するものであり、給排紙命令の発行、後処理実行命令の発行、印刷に関わるエラー状態の検知と他の構成部への通知などを行う。
【0032】
システム管理部306は、プリンタ100の機器構成情報や機器状態を管理、制御するものである。ここで、機器構成情報とは、給紙トレイや排紙トレイの着脱の情報や給紙トレイ内の用紙構成などの情報である。また、機器状態とは、印刷中、待機中、ジャムや用紙切れなどのエラー発生中といった状態である。こうした情報を他の構成部へ通知する他、利用者による機器設定(設定により動作を変化させるカスタマイズ可能項目)の管理を行う。
【0033】
操作パネル管理部307は、操作パネル(不図示)の表示および利用者によるパネル操作の管理を行うものである。つまり、操作パネル管理部307は、他の構成部からの要求等に基づいて、操作パネルにプリンタ100の状態を表示したり、システム管理部306が管理する機器設定の変更を行うメニュー画面を表示したり、エラー画面を表示して利用者に適切な対処を促す。また、操作パネル管理部307は、メニュー画面やエラー画面などで操作ボタンを表示した場合には、押下された操作ボタンを認識して他の構成部へ通知する。
【0034】
次に、プリンタによる印刷について説明する。プリンタでは様々な用途の印刷データを印刷するが、それらの印刷データには特殊な用途のトナーを必要とするものがある。こうした特殊な用途の印刷データの印刷においては、専用のトナー(特殊な用途のトナー)を使用することで正しい印刷物を得ている。
【0035】
このような特殊な用途の印刷データの印刷は常に行われるわけではないので、プリンタおよび印刷データを送信するホスト側(PC側)の環境を、特殊用途の印刷専用とすることができず、オフィス文書等を印刷するような通常用途と切り替えて使用する場合が多い。特殊な用途の印刷データの印刷を行おうとする場合には、専用のトナーに入れ替えることになるが、特殊な用途のトナーは通常の用途のトナーと性質が異なるため、通常用途で適正になるように調整した濃度設定では、正しい濃度による印刷ができない場合がある。従って、正しい濃度が得られない場合、利用者はトナーを入れ替える度に、適正な濃度になるように濃度の補正値を設定し直す必要があり、これは非常に労力を必要とするため、利便性や操作性が悪くなってしまう。
【0036】
そこで、本実施の形態のプリンタでは、特殊な用途のトナーに入れ替えられた場合でも、適正なトナーの標準濃度で印刷データを印刷することで、上記問題の解決を図るものである。図3は、実施の形態1にかかるプリンタの印刷管理部305の構成を示すブロック図である。図3に示すように、印刷管理部305は、用途情報150と、標準濃度情報155とに接続され、トナー識別部101と、印刷データ識別部102と、用途判断部103と、濃度取得部104と、濃度設定部105と、印刷部106とを主に備えている。
【0037】
用途情報150は、印刷対象の印刷データに埋め込まれたマジックナンバーと、印刷データの用途(ID)とを対応づけたものであり、HDD(Hard Disk Drive)やメモリ等の記憶媒体に記憶されている。
【0038】
図4は、用途情報の一例を示す説明図である。図4に示すように、用途情報150は、印刷データに埋め込まれたマジックナンバー「なし」「101」「102」等と、印刷データの用途のID「0(通常用途)」「1(用途A)」「2(用途B)」等とが対応づけられている。
【0039】
標準濃度情報155は、印刷データの用途(ID)と、該用途の印刷データを印刷する場合のトナーの標準濃度とを対応づけたものであり、HDDやメモリ等の記憶媒体に記憶されている。
【0040】
図5は、標準濃度情報の一例を示す説明図である。図5に示すように、標準濃度情報155は、印刷データの用途のID「0(通常用途)」「1(用途A)」等と、該用途の印刷データを印刷する場合のトナーの標準濃度「5」「7」等とが対応づけられている。ここで、トナーの標準濃度を1〜10までの10段階で調整したものであり、通常用途を「5」とした場合の例であり、以下の実施の形態においても同様とする。
【0041】
トナー識別部101は、トナーを収容するトナーカートリッジに付与されたトナー識別情報に基づいてトナーの用途を識別するものである。具体的には、例えば、特殊な用途のトナーとの交換を想定したプリンタにおいては、トナーを入れる容器(トナーカートリッジ)や感光帯などがまとまって1つのユニットとして取り外し可能なものになっていることが多く、このユニットにトナーの用途を識別する用途識別情報を記憶したICチップを装備し、トナー識別部101は、そのユニットに装備されたICチップの値を読込むことで、トナーの用途を識別する。
【0042】
ここで、特殊な用途の例としては、北米でよく利用されているMICR(Magnetic Ink Character Recognition)などが挙げられる。MICRの印刷においては、小切手で用いられる磁性体トナーを利用するため、通常とは性質の異なる特殊なトナーとなっている。
【0043】
印刷データ識別部102は、印刷対象である印刷データの内容に基づいて印刷データの用途を識別するものである。印刷データの用途を識別する方法としては、印刷データの先頭にマジックナンバーを埋め込むことで自身の用途を示す方法や、PJLや各プリンタ言語にコマンドを追加する方法などがある。例えば、マジックナンバーの場合で識別方法を説明すると、印刷データ識別部102は、印刷データに埋め込まれたバックナンバーを抽出し、用途情報150(図4)を参照し、抽出したバックナンバーをキーとして検索し、該バックナンバーに対応する印刷データの用途(ID)を取得する。そして、印刷データ識別部102は、取得したIDによって、通常用途や用途Aなどの印刷データの用途を認識する。
【0044】
用途判断部103は、トナー識別部101により識別されたトナーの用途と、印刷データ識別部102により識別された印刷データの用途とが一致するか否かを判断するものである。
【0045】
濃度取得部104は、用途判断部103により、トナー識別部101により識別されたトナーの用途と、印刷データ識別部102により識別された印刷データの用途とが一致すると判断された場合、標準濃度情報155(図5)を参照し、識別された印刷データの用途をキーとして検索し、該印刷データの用途に対応するトナーの標準濃度を取得する。例えば、濃度取得部104は、印刷データの用途が「2(用途B)」と認識している場合、標準濃度情報155を参照し、「2(用途B)」に対応する標準濃度「3」を取得する。
【0046】
また、濃度取得部104は、用途判断部103により、トナー識別部101により識別されたトナーの用途と、印刷データ識別部102により識別された印刷データの用途とが一致しないと判断された場合、標準濃度情報155(図5)を参照し、印刷データの用途が通常用途である場合のトナーの標準濃度を取得する。例えば、図5を参照すると、濃度取得部104は、「0(通常用途)」に対応する標準濃度「5」を取得する。
【0047】
濃度設定部105は、用途判断部103により、トナー識別部101により識別されたトナーの用途と、印刷データ識別部102により識別された印刷データの用途とが一致すると判断された場合、濃度取得部104により取得した印刷データの用途に対応する標準濃度をメモリ等の記憶媒体(不図示)に記憶することで、印刷時におけるトナーの濃度である印刷濃度として設定するものである。
【0048】
また、濃度設定部105は、用途判断部103により、トナー識別部101により識別されたトナーの用途と、印刷データ識別部102により識別された印刷データの用途とが一致しないと判断された場合、濃度取得部104により取得した通常用途に対応する標準濃度をメモリ等の記憶媒体(不図示)に記憶することで、印刷時におけるトナーの濃度である印刷濃度として設定するものである。
【0049】
印刷部106は、濃度設定部105により設定された印刷濃度で、用途が識別された印刷データを印刷するものである。
【0050】
次に、以上のように構成されたプリンタ100によるトナー識別処理について説明する。図6は、実施の形態1にかかるプリンタによるトナー識別処理の手順を示すフローチャートである。
【0051】
図6に示すように、プリンタ100の起動時、またはトナーカートリッジの交換時において、トナー識別部101はトナーの用途の識別する(ステップS1)。そして、識別したトナーの用途は、メモリ等の記憶媒体に保存しておく。
【0052】
次に、プリンタ100による印刷処理について説明する。図7は、実施の形態1にかかるプリンタによる印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【0053】
まず、ネットワーク管理部303によりPCから印刷対象の印刷データを受信する(ステップS10)。印刷データ識別部102は、受信した印刷データの用途を識別する(ステップS11)。用途判断部103は、トナー識別部101により識別されたトナーの用途と、印刷データ識別部102により識別された印刷データの用途とが一致するか否かを判断する(ステップS12)。
【0054】
トナーの用途と印刷データの用途とが一致すると判断された場合(ステップS12:Yes)、濃度取得部104は、標準濃度情報155を参照して、識別した印刷データの用途に対応する標準濃度を取得し、濃度設定部105は、取得した標準濃度を印刷濃度として設定する(ステップS13)。
【0055】
一方、トナーの用途と印刷データの用途とが一致しないと判断された場合(ステップS12:No)、濃度取得部104は、標準濃度情報155を参照して、通常用途に対応する標準濃度を取得し、濃度設定部105は、取得した標準濃度を印刷濃度として設定する(ステップS14)。
【0056】
そして、印刷部106は、設定された印刷濃度(標準濃度)で、用途が識別された印刷データを印刷する(ステップS15)。
【0057】
このように、実施の形態1にかかるプリンタ100は、トナーの用途と印刷データの用途とが一致する場合、印刷データの用途に対応する標準濃度を印刷濃度として設定して印刷を行なう。また、トナーの用途と印刷データの用途とが一致しない場合、印刷データの通常用途に対応する標準濃度を印刷濃度として設定して印刷を行なう。従って、特殊な用途のトナーを使用して特殊な用途の印刷データの印刷を行なう場合でも、印刷データの用途に対応するトナーの標準濃度を取得することにより、トナーの濃度調整を可能にして、利便性および操作性を向上させることができる。
【0058】
また、実施の形態1にかかるプリンタ100では、通常のトナーから特殊なトナーとトナーカートリッジを交換した場合であっても、印刷データの用途に合う適正な濃度標準を印刷濃度として設定できるため、利用者は、トナーカートリッジの交換のたびに濃度調整を行う必要がなく、利便性を向上させることができる。また、適正な濃度標準の設定を失念することによる無駄な印刷を防止することができる。
【0059】
(実施の形態2)
実施の形態1のプリンタでは、トナーの用途と印刷データの用途とが一致するか否かを判断し、一致する場合は用途に対応する適正な標準濃度で印刷データを印刷できるものであった。しかしながら、利用者が印刷濃度を調整可能なパラメータとして濃度微調整値を持つプリンタも多く、濃度微調整値が設定されている場合には、該濃度微調整値を単純に標準濃度の調整値として利用してしまうと、トナーの性質上問題になる場合がある。そこで、本実施の形態では、印刷データの用途が通常用途ではない場合、この濃度微調整値を無効にするものである。
【0060】
実施の形態2にかかるプリンタを含むシステム構成図、およびプリンタの構成を示すブロック図は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する(図1、2参照)。
【0061】
図8は、実施の形態2にかかるプリンタの印刷管理部305の構成を示すブロック図である。図8に示すように、印刷管理部305は、用途情報150と、標準濃度情報155とに接続され、トナー識別部101と、印刷データ識別部102と、用途判断部103と、濃度取得部104と、濃度設定部105と、印刷部106と、濃度調整部107とを主に備えている。ここで、用途情報150と、標準濃度情報155と、トナー識別部101と、印刷データ識別部102と、用途判断部103と、濃度取得部104と、濃度設定部105の構成および機能は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0062】
濃度調整部107は、用途判断部103により、トナー識別部101により識別されたトナーの用途と、印刷データ識別部102により識別された印刷データの用途とが一致しないと判断された場合、またはトナー識別部101により識別されたトナーの用途と、印刷データ識別部102により識別された印刷データの用途とが一致すると判断され、かつ印刷データ識別部102により印刷データの用途が通常用途であると識別された場合、濃度設定部105により標準濃度が設定された印刷濃度を、予め定められた所定の濃度微調整値により調整するものである。
【0063】
また、濃度調整部107は、用途判断部103により、トナー識別部101により識別されたトナーの用途と、印刷データ識別部102により識別された印刷データの用途とが一致すると判断された場合、かつ印刷データ識別部102により印刷データの用途が通常用途以外であると識別された場合に、濃度設定部105により標準濃度が設定された印刷濃度を、予め定められた濃度微調整値によって調整しない。
【0064】
印刷部106は、実施の形態1の機能に加え、濃度調整部107により調整された印刷濃度で、用途が識別された印刷データを印刷するものである。
【0065】
次に、以上のように構成されたプリンタ100による印刷処理について説明する。図9は、実施の形態2にかかるプリンタによる印刷処理の手順を示すフローチャートである。なお、プリンタ100によるトナー識別処理は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する(図6参照)。
【0066】
まず、ネットワーク管理部303によりPCから印刷対象の印刷データを受信する(ステップS20)。印刷データ識別部102は、受信した印刷データの用途を識別する(ステップS21)。用途判断部103は、トナー識別部101により識別されたトナーの用途と、印刷データ識別部102により識別された印刷データの用途とが一致し、かつ印刷データ識別部102により印刷データの用途が通常用途以外であるか否かを判断する(ステップS22)。
【0067】
トナーの用途と印刷データの用途とが一致し、かつ印刷データの用途が通常用途以外であると判断された場合(ステップS22:Yes)、濃度取得部104は、標準濃度情報155を参照して、識別した印刷データの用途に対応する標準濃度を取得し、濃度設定部105は、取得した標準濃度を印刷濃度として設定する(ステップS23)。なお、ここでは、濃度調整部107による調整は行われない。
【0068】
一方、トナーの用途と印刷データの用途とが一致しないと判断された場合、またはトナーの用途と印刷データの用途が一致すると判断され、かつ印刷データの用途が通常用途である場合(ステップS22:No)、濃度取得部104は、標準濃度情報155を参照して、通常用途に対応する標準濃度を取得し、濃度設定部105は、取得した標準濃度を印刷濃度として設定する(ステップS24)。そして、濃度調整部107は、濃度設定部105により標準濃度が設定された印刷濃度を所定の濃度微調整値により調整する(ステップS25)。
【0069】
そして、印刷部106は、設定された印刷濃度、または調整された印刷濃度で、用途が識別された印刷データを印刷する(ステップS26)。
【0070】
このように、実施の形態2にかかるプリンタ100は、トナーの用途と印刷データの用途とが一致し、かつ印刷データの用途が通常用途以外である場合には、標準濃度が設定された印刷濃度を濃度微調整値により調整せずに印刷を行なう。従って、実施の形態1の効果に加え、通常用途以外の特殊な用途の印刷データを印刷する場合には、濃度微調整値により調整されることによって、印刷結果(印刷物)に問題が生じることを防止することができる。
【0071】
(実施の形態3)
実施の形態2のプリンタでは、トナーの用途と印刷データの用途とが一致し、かつ印刷データの用途が通常用途ではない場合、この濃度微調整値による調整を行わないものであった。しかし、印刷データの用途によっては許容される調整の範囲が狭いだけで、濃度微調整値による調整を完全に無効にする必要がない場合もある。そこで、本実施の形態では、印刷データの用途ごとに濃度微調整値の微調整が可能な範囲を設け、その範囲内において濃度微調整値の調整を行うものである。
【0072】
実施の形態3にかかるプリンタを含むシステム構成図、およびプリンタの構成を示すブロック図は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する(図1、2参照)。
【0073】
図10は、実施の形態3にかかるプリンタの印刷管理部305の構成を示すブロック図である。図10に示すように、印刷管理部305は、用途情報150と、標準濃度情報155と、微調整範囲情報160とに接続され、トナー識別部101と、印刷データ識別部102と、用途判断部103と、濃度取得部104と、濃度設定部105と、印刷部106と、濃度調整部108とを主に備えている。ここで、用途情報150と、標準濃度情報155と、トナー識別部101と、印刷データ識別部102と、用途判断部103と、濃度取得部104と、濃度設定部105の構成および機能は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0074】
微調整範囲情報160は、印刷データの用途(ID)と、トナーの標準濃度に対して微調整が可能な範囲を示す微調整可能範囲とを対応づけたものであり、HDDやメモリ等の記憶媒体に記憶されている。
【0075】
図11は、微調整範囲情報の一例を示す説明図である。図11に示すように、微調整範囲情報160は、印刷データの用途のID「0(通常用途)」「1(用途A)」等と、微調整可能範囲の上限値(濃い方)「+3」「+1」等と、微調整可能範囲の下限値(薄い方)「−3」「−1」等とが対応づけられている。
【0076】
濃度調整部108は、微調整範囲情報160(図11)を参照し、識別された印刷データの用途をキーとして検索し、該印刷データの用途に対応する微調整可能範囲を取得する。そして、濃度調整部108は、標準濃度が設定された印刷濃度を、取得した微調整可能範囲内で所定の濃度微調整値により調整するものである。
【0077】
すなわち、濃度調整部108は、取得した微調整可能範囲内に、濃度微調整値が入っている場合はそのままの値により印刷濃度の調整を行い、オーバーしている場合は微調整可能範囲内に納まる最大の値により調整を行う。例えば、濃度調整部108は、微調整可能範囲が−2〜+2である場合、濃度微調整値が+1であった場合はそのまま+1の値により印刷濃度の調整を行い、濃度微調整値が+3であった場合は+2の値により、濃度微調整値が−3であった場合は−2の値により、それぞれ印刷情報の調整を行う。また、実施の形態2で示したように、印刷濃度の調整を行わせたくない用途の場合は、その用途の微調整可能範囲を0〜0にしておけばよい。
【0078】
印刷部106は、実施の形態1の機能に加え、濃度調整部108により調整された印刷濃度で、用途が識別された印刷データを印刷するものである。
【0079】
次に、以上のように構成されたプリンタ100による印刷処理について説明する。図12は、実施の形態3にかかるプリンタによる印刷処理の手順を示すフローチャートである。なお、プリンタ100によるトナー識別処理は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する(図6参照)。
【0080】
まず、PCからの印刷データの受信から、取得した標準濃度による印刷濃度の設定までの処理(ステップS30〜S34)は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する(ステップS10〜S14参照)。
【0081】
次に、濃度調整部108は、識別された印刷データの用途に対応する微調整可能範囲を取得し、濃度微調整値が取得した微調整可能範囲内か否かを判断する(ステップS35)。濃度微調整値が取得した微調整可能範囲内である場合(ステップS35:Yes)、濃度調整部108は、濃度微調整値により印刷濃度を調整する(ステップS36)。
【0082】
一方、濃度微調整値が取得した微調整可能範囲内でない場合(ステップS35:No)、濃度調整部108は、濃度微調整値を微調整可能範囲内に納めるようにして印刷濃度を調整する。すなわち、濃度調整部108は、濃度微調整値が、微調整可能範囲の濃い方にオーバーしていた場合は濃い方の最大値を、薄い方にオーバーしていた場合は薄い方の最大値により印刷濃度を調整する(ステップS37)。
【0083】
そして、印刷部106は、設定された印刷濃度、または調整された印刷濃度で、用途が識別された印刷データを印刷する(ステップS38)。
【0084】
このように、実施の形態3にかかるプリンタ100は、印刷データの用途に対応する微調整可能範囲内において、標準濃度が設定された印刷濃度を濃度微調整値により調整して印刷を行なう。従って、実施の形態1の効果に加え、いずれの用途の印刷データを印刷する場合であっても、印刷濃度の濃度調整を適正な調整範囲で行うことができる。
【0085】
(実施の形態4)
実施の形態3のプリンタでは、印刷データの用途ごとに微調整可能範囲を設け、その範囲内において濃度微調整値の調整を行うため、唯一の濃度微調整値を利用して、すべての用途の濃度調整を行うものであった。しかし、装置全体として濃度を濃くしたい、薄くしたいという設定は、すべての用途で必ずしも同一の方向性を示すとは限らない。そこで、本実施の形態では、濃度微調整値を用途ごとに持たせるものである。
【0086】
実施の形態4にかかるプリンタを含むシステム構成図、およびプリンタの構成を示すブロック図は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する(図1、2参照)。
【0087】
図13は、実施の形態4にかかるプリンタの印刷管理部305の構成を示すブロック図である。図13に示すように、印刷管理部305は、用途情報150と、標準濃度情報155と、微調整濃度情報165とに接続され、トナー識別部101と、印刷データ識別部102と、用途判断部103と、濃度取得部104と、濃度設定部105と、印刷部106と、濃度調整部109とを主に備えている。ここで、用途情報150と、標準濃度情報155と、トナー識別部101と、印刷データ識別部102と、用途判断部103と、濃度取得部104と、濃度設定部105の構成および機能は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0088】
微調整濃度情報165は、印刷データの用途(ID)と、標準濃度の所定の濃度微調整値とを対応づけたものであり、HDDやメモリ等の記憶媒体に記憶されている。
【0089】
図14は、微調整濃度情報の一例を示す説明図である。図14に示すように、微調整濃度情報165は、印刷データの用途のID「0(通常用途)」「1(用途A)」等と、濃度微調整値「+1」「−1」等とが対応づけられている。
【0090】
濃度調整部109は、微調整濃度情報(図14)を参照し、識別された印刷データの用途をキーとして検索し、該印刷データの用途に対応する濃度微調整値を取得し、標準濃度が設定された印刷濃度を、取得した濃度微調整値により調整するものである。
【0091】
印刷部106は、実施の形態1の機能に加え、濃度調整部109により調整された印刷濃度で、用途が識別された印刷データを印刷するものである。
【0092】
次に、以上のように構成されたプリンタ100による印刷処理について説明する。図15は、実施の形態4にかかるプリンタによる印刷処理の手順を示すフローチャートである。なお、プリンタ100によるトナー識別処理は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する(図6参照)。
【0093】
まず、ネットワーク管理部303によりPCから印刷対象の印刷データを受信する(ステップS40)。印刷データ識別部102は、受信した印刷データの用途を識別する(ステップS41)。用途判断部103は、トナー識別部101により識別されたトナーの用途と、印刷データ識別部102により識別された印刷データの用途とが一致するか否かを判断する(ステップS42)。
【0094】
トナーの用途と印刷データの用途とが一致すると判断された場合(ステップS42:Yes)、濃度取得部104は、標準濃度情報155を参照して、識別した印刷データの用途に対応する標準濃度を取得し、濃度設定部105は、取得した標準濃度を印刷濃度として設定する(ステップS43)。濃度調整部109は、微調整濃度情報165を参照して、識別した印刷データの用途に対応する濃度微調整値を取得し、取得した濃度微調整値により印刷濃度を調整する(ステップS44)。
【0095】
一方、トナーの用途と印刷データの用途とが一致しないと判断された場合(ステップS42:No)、濃度取得部104は、標準濃度情報155を参照して、通常用途に対応する標準濃度を取得し、濃度設定部105は、取得した標準濃度を印刷濃度として設定する(ステップS45)。濃度調整部109は、微調整濃度情報165を参照して、通常用途に対応する濃度微調整値を取得し、取得した濃度微調整値により印刷濃度を調整する(ステップS46)。
【0096】
そして、印刷部106は、調整された印刷濃度で、用途が識別された印刷データを印刷する(ステップS47)。
【0097】
このように、実施の形態4にかかるプリンタ100は、それぞれの印刷データの用途に対応する濃度微調整値により、印刷濃度を調整して印刷を行なう。従って、実施の形態1の効果に加え、いずれの用途の印刷データを印刷する場合であっても、濃度微調整値による印刷濃度の濃度調整を行うことができる。
【0098】
(実施の形態5)
実施の形態1のプリンタでは、トナーの用途と印刷データの用途とが一致するか否かを判断し、一致する場合は用途に対応する適正な標準濃度で印刷データを印刷できるものであった。しかし、現実には必ずしもトナーの用途に合った印刷データが送信されてくるとは限らない。特に、ネットワークで共有されたプリンタを一時的に特殊な用途で使用するような場合は、利用者全員が現在装着されているトナーを把握して印刷データの送信の可否を決めてもらうようにすることは困難であるので、装着されたトナーの用途と異なる用途の印刷データが送信されてくる場合もある。
【0099】
本来であれば、こうしたトナーの用途と一致しない用途の印刷データは、印刷せずにジョブキャンセルしてしまうことが望ましいが、試し印刷などのように故意に用途の異なる印刷データが送信されてくる場合もあるため、一概にジョブキャンセルがよいとは言えない。しかしながら、もしジョブキャンセルせずに印刷する場合に、トナーの用途と印刷データの用途が一致している場合と同じ標準濃度で印刷を行ってしまうと、特殊な用途のトナーは高価である場合も多いので、無駄に高価なトナーを消費する結果となってしまう。そこで、本実施の形態では、用途が一致しない場合に設定する標準濃度も併せて記憶し、文書が読める程度に薄い標準濃度の設定など、状況に適合する標準濃度で印刷を行なうものである。
【0100】
実施の形態5にかかるプリンタを含むシステム構成図、およびプリンタの構成を示すブロック図は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する(図1、2参照)。
【0101】
また、本実施の形態では、実施の形態1にかかるプリンタの印刷管理部305の構成を示すブロック図(図3)を参照して構成を説明する。ここで、用途情報150と、トナー識別部101と、印刷データ識別部102と、用途判断部103と、濃度設定部105の構成および機能は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0102】
標準濃度情報155は、印刷データの用途(ID)と、トナーの用途と印刷データの用途とが一致する場合における印刷時のトナーの標準濃度と、トナーの用途と印刷データの用途とが一致しない場合における印刷時のトナーの標準濃度とを対応づけたものであり、HDDやメモリ等の記憶媒体に記憶されている。
【0103】
図16は、標準濃度情報の一例を示す説明図である。図16に示すように、標準濃度情報155は、印刷データの用途のID「0(通常用途)」「1(用途A)」等と、トナーの用途と印刷データの用途が一致した場合のトナーの標準濃度「5」「7」等と、トナーの用途と印刷データの用途が一致しない場合のトナーの標準濃度「5」「3」等とが対応づけられている。
【0104】
濃度取得部104は、用途判断部103により、トナー識別部101により識別されたトナーの用途と、印刷データ識別部102により識別された印刷データの用途とが一致すると判断された場合、標準濃度情報155から、識別された印刷データの用途に対応し、かつトナーの用途と印刷データの用途とが一致する場合におけるトナーの標準濃度を取得するものである。例えば、濃度取得部104は、印刷データの用途が「2(用途B)」と認識している場合、標準濃度情報155を参照し、「2(用途B)」に対応する標準濃度「3」を取得する。
【0105】
また、濃度取得部104は、用途判断部103により、トナー識別部101により識別されたトナーの用途と、印刷データ識別部102により識別された印刷データの用途とが一致しないと判断された場合、標準濃度情報155から、識別された印刷データの用途に対応し、かつトナーの用途と印刷データの用途とが一致しない場合におけるトナーの標準濃度を取得する。例えば、濃度取得部104は、印刷データの用途が「2(用途B)」と認識している場合、標準濃度情報155を参照し、「2(用途B)」に対応する標準濃度「2」を取得する。
【0106】
濃度設定部105は、用途判断部103により、トナー識別部101により識別されたトナーの用途と、印刷データ識別部102により識別された印刷データの用途とが一致すると判断された場合、濃度取得部104により取得した印刷データの用途に対応する用途が一致した場合の標準濃度をメモリ等の記憶媒体(不図示)に記憶することで、印刷時におけるトナーの濃度である印刷濃度として設定するものである。
【0107】
また、濃度設定部105は、用途判断部103により、トナー識別部101により識別されたトナーの用途と、印刷データ識別部102により識別された印刷データの用途とが一致しないと判断された場合、濃度取得部104により取得した印刷データの用途に対応する用途が一致ない場合の標準濃度をメモリ等の記憶媒体(不図示)に記憶することで、印刷時におけるトナーの濃度である印刷濃度として設定するものである。
【0108】
次に、以上のように構成されたプリンタ100による印刷処理について説明する。図17は、実施の形態5にかかるプリンタによる印刷処理の手順を示すフローチャートである。なお、プリンタ100によるトナー識別処理は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する(図6参照)。
【0109】
まず、ネットワーク管理部303によりPCから印刷対象の印刷データを受信する(ステップS50)。印刷データ識別部102は、受信した印刷データの用途を識別する(ステップS51)。用途判断部103は、トナー識別部101により識別されたトナーの用途と、印刷データ識別部102により識別された印刷データの用途とが一致するか否かを判断する(ステップS52)。
【0110】
トナーの用途と印刷データの用途とが一致すると判断された場合(ステップS52:Yes)、濃度取得部104は、標準濃度情報155を参照して、識別した印刷データの用途に対応し、かつ用途が一致した場合の標準濃度を取得し、濃度設定部105は、取得した標準濃度を印刷濃度として設定する(ステップS53)。
【0111】
一方、トナーの用途と印刷データの用途とが一致しないと判断された場合(ステップS52:No)、濃度取得部104は、標準濃度情報155を参照して、通常用途に対応し、かつ用途が一致しない場合の標準濃度を取得し、濃度設定部105は、取得した標準濃度を印刷濃度として設定する(ステップS54)。
【0112】
そして、印刷部106は、設定された印刷濃度(標準濃度)で、用途が識別された印刷データを印刷する(ステップS55)。
【0113】
このように、実施の形態5にかかるプリンタ100は、トナーの用途と印刷データの用途とが一致する場合と一致しない場合とに対応するトナー標準濃度により印刷データの印刷を行なう。従って、実施の形態1の効果に加え、トナーの用途と印刷データの用途が一致しない場合におけるトナーの標準濃度として所望の濃度を設定できるため、例えば、印刷物が認識できる範囲でもっとも薄く印刷されるようなトナーの濃度調整を可能にし、特殊なトナーをなるべく使用せずに印刷を行うなど、高価なトナーの無駄な消費を防止して、利便性を向上させることができる。
【0114】
なお、本実施の形態におけるトナーの用途と印刷データの用途が一致しない場合処理は、本実施の形態2〜4の濃度微調整値に関する処理に適用することで、トナーの用途と印刷データの用途が一致しない場合における印刷でも、濃度調整値による調整を可能とすることができる。
【0115】
(実施の形態6)
トナーの残量が少なくなってくると、微妙な差ではあっても多少薄くなって印刷データが印刷されてしまう場合がある。通常用途の場合では、こうした差はあまり問題にならない場合がほとんどであるが、特殊な用途の場合、例えばMICRのように印刷物を機械で読み取って認識させるような場合には、致命的な差になってしまう場合もある。そこで、本実施の形態では、通常用途以外の用途で印刷を行なう際にトナー残量が僅少となった場合、トナー残量なしとみなすものである。
【0116】
実施の形態6にかかるプリンタを含むシステム構成図、およびプリンタの構成を示すブロック図は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する(図1、2参照)。
【0117】
図18は、実施の形態6にかかるプリンタの印刷管理部305の構成を示すブロック図である。図18に示すように、印刷管理部305は、用途情報150と、標準濃度情報155と、残量検知センサ190とに接続され、トナー識別部101と、印刷データ識別部102と、用途判断部103と、濃度取得部104と、濃度設定部105と、印刷部106と、残量判断部110とを主に備えている。ここで、用途情報150と、標準濃度情報155と、トナー識別部101と、印刷データ識別部102と、濃度取得部104と、濃度設定部105の構成および機能は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。また、用途判断部103の構成および機能は、実施の形態2と同様であるため、説明を省略する。
【0118】
残量検知センサ190は、プリンタ100に装着されたトナーカートリッジ内におけるトナーの残量を検知するセンサである。
【0119】
残量判断部110は、用途判断部103により、トナー識別部101により識別されたトナーの用途と、印刷データ識別部102により識別された印刷データの用途とが一致すると判断され、かつ印刷データ識別部102により印刷データの用途が通常用途以外であると識別された場合において、残量検知センサ190により検知されるトナーの残量が予め定めた所定の閾値よりも減少していた場合(トナーの残量が僅少である場合)、トナーの残量なしとみなす旨の判断をするものである。また、残量判断部110は、その後に残量検知センサ190により検知されるトナーの残量が予め定めた所定の閾値よりも増加していた場合、トナーの残量ありとの判断をする。
【0120】
印刷部106は、実施の形態1の機能に加え、トナーの残量が所定の閾値よりも増加していた場合、用途が識別された印刷データを印刷するものである。
【0121】
また、図2における操作パネル管理部307は、残量判断部110によりトナーの残量なしとみなされた場合、トナーの補給もしくはトナーカートリッジの交換を促す旨のエラーメッセージを操作パネル(不図示)に表示するものである。
【0122】
次に、以上のように構成されたプリンタ100による印刷処理について説明する。図19は、実施の形態6にかかるプリンタによる印刷処理の手順を示すフローチャートである。なお、本実施の形態における印刷処理は、実施の形態1〜5におけるの「印刷開始」において行う処理とする。
【0123】
残量判断部110は、残量検知センサ190による検知によって、トナーの残量が僅少であるか否かの判断をする(ステップS60)。トナーの残量が僅少でなかった場合、すなわちトナーの残量が所定の閾値より多い場合(ステップS60:No)、印刷部106は、用途が識別された印刷データを印刷する(ステップS64)。
【0124】
一方、トナーの残量が僅少である場合、すなわちトナーの残量が所定の閾値より少ない場合(ステップS60:Yes)、用途判断部103は、トナー識別部101により識別されたトナーの用途と、印刷データ識別部102により識別された印刷データの用途とが一致し、かつ印刷データ識別部102により印刷データの用途が通常用途以外であるか否かを判断する(ステップS61)。
【0125】
トナーの用途と印刷データの用途とが一致しないと判断された場合、またはトナーの用途と印刷データの用途が一致すると判断され、かつ印刷データの用途が通常用途である場合(ステップS61:No)、印刷部106は、用途が識別された印刷データを印刷する(ステップS64)。
【0126】
一方、トナーの用途と印刷データの用途とが一致し、かつ印刷データの用途が通常用途以外であると判断された場合(ステップS61:Yes)、残量判断部110は、トナーの残量なしとみなす旨の判断をし、操作パネル管理部307は、トナーの補給もしくはトナーカートリッジの交換を促す旨のエラーメッセージを操作パネル(不図示)に表示する(ステップS62)。
【0127】
そして、残量判断部110は、トナーの残量が所定の閾値よりも増加したか否かの判断をすることにより、トナーの補給またはトナーカートリッジが交換されたか否かの判断をする(ステップS63)。トナーの補給またはトナーカートリッジが交換されていない場合(ステップS63:No)、トナーの補給またはトナーカートリッジが交換されるまで待機する。
【0128】
一方、トナーの補給またはトナーカートリッジが交換された場合(ステップS63:Yes)、印刷部106は、用途が識別された印刷データを印刷する(ステップS64)。
【0129】
このように、実施の形態6にかかるプリンタ100は、トナーの残量が僅少である場合に、トナーの用途と印刷データの用途とが一致し、かつ印刷データの用途が通常用途以外である場合、トナーの残量をなしとみなして、トナー補給もしくはトナーカートリッジの交換を促すエラーメッセージを表示する。従って、トナーの補給もしくは新たなトナーカートリッジが装着されないと印刷データの印刷ができなくなるため、常に残量の少ないトナーによる印刷が行なわれることなく、安定した品質で印刷を行うことができる。
【0130】
(実施の形態7)
実施の形態6では、印刷データの用途が通常用途以外のすべてにおいて、トナー残量が僅少をもってトナー残量なしと判断するようにしたが、通常用途以外のすべての用途でこのような制御が必要でない場合もある。そこで、本実施の形態では、トナーの残量が僅少であると検知された場合、トナーの残量なしとして扱うか否かを印刷データの用途ごとに設定しておき、印刷データの用途に合わせた処理を行うものである。
【0131】
実施の形態7にかかるプリンタを含むシステム構成図、およびプリンタの構成を示すブロック図は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する(図1、2参照)。
【0132】
図20は、実施の形態7にかかるプリンタの印刷管理部305の構成を示すブロック図である。図20に示すように、印刷管理部305は、用途情報150と、標準濃度情報155と、残量判断情報170と、残量検知センサ190とに接続され、トナー識別部101と、印刷データ識別部102と、用途判断部103と、濃度取得部104と、濃度設定部105と、印刷部106と、残量判断部111とを主に備えている。ここで、用途情報150と、標準濃度情報155と、トナー識別部101と、印刷データ識別部102と、用途判断部103と、濃度取得部104と、濃度設定部105の構成および機能は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。また、残量検知センサ190、印刷部106、図2における操作パネル管理部307の構成および機能は、実施の形態6と同様であるため、説明を省略する。
【0133】
残量判断情報170は、印刷データの用途(ID)と、トナーの残量なしとみなすか否かを示すトナー残量情報とを対応づけたものであり、HDDやメモリ等の記憶媒体に記憶されている。
【0134】
図21は、残量判断情報の一例を示す説明図である。図21に示すように、残量判断情報170は、印刷データの用途のID「0(通常用途)」「1(用途A)」等と、トナー残量情報「残量僅少」「残量なし」等とが対応づけられている。
【0135】
残量判断部111は、用途判断部103により、トナー識別部101により識別されたトナーの用途と、印刷データ識別部102により識別された印刷データの用途とが一致すると判断された場合であって、残量検知センサ190により検知されるトナーの残量が予め定めた所定の閾値よりも減少していた場合、残量判断情報170を参照して、印刷データの用途をキーに検索し、該印刷データの用途に対応するトナー残量情報を取得して、取得したトナー残量情報によりトナーの残量なしとみなすか否かを判断する。
【0136】
次に、以上のように構成されたプリンタ100による印刷処理について説明する。図22は、実施の形態7にかかるプリンタによる印刷処理の手順を示すフローチャートである。なお、本実施の形態における印刷処理は、実施の形態1〜5におけるの「印刷開始」において行う処理とする。
【0137】
残量判断部111は、残量検知センサ190による検知によって、トナーの残量が僅少であるか否かの判断をする(ステップS70)。トナーの残量が僅少でなかった場合、すなわちトナーの残量が所定の閾値より多い場合(ステップS70:No)、印刷部106は、用途が識別された印刷データを印刷する(ステップS75)。
【0138】
一方、トナーの残量が僅少である場合、すなわちトナーの残量が所定の閾値より少ない場合(ステップS70:Yes)、用途判断部103は、トナー識別部101により識別されたトナーの用途と、印刷データ識別部102により識別された印刷データの用途とが一致するか否かを判断する(ステップS71)。
【0139】
トナーの用途と印刷データの用途とが一致しないと判断された場合(ステップS71:No)、印刷部106は、用途が識別された印刷データを印刷する(ステップS75)。
【0140】
一方、トナーの用途と印刷データの用途とが一致すると判断された場合(ステップS71:Yes)、残量判断情報170を参照して、印刷データの用途に対応するトナー残量情報により、トナー残量なしとみなすか否かを判断する(ステップS72)。トナー残量なしとみなさないと判断された場合、すなわち、トナー残量僅少であると判断された場合(ステップS72:No)、印刷部106は、用途が識別された印刷データを印刷する(ステップS75)。
【0141】
一方、トナー残量なしとみなすと判断された場合(ステップS72:Yes)、残量判断部111は、トナーの残量なしとみなし、操作パネル管理部307は、トナーの補給もしくはトナーカートリッジの交換を促す旨のエラーメッセージを操作パネル(不図示)に表示する(ステップS73)。
【0142】
そして、残量判断部111は、トナーの残量が所定の閾値よりも増加したか否かの判断をすることにより、トナーの補給またはトナーカートリッジが交換されたか否かの判断をする(ステップS74)。トナーの補給またはトナーカートリッジが交換されていない場合(ステップS74:No)、トナーの補給またはトナーカートリッジが交換されるまで待機する。
【0143】
一方、トナーの補給またはトナーカートリッジが交換された場合(ステップS74:Yes)、印刷部106は、用途が識別された印刷データを印刷する(ステップS75)。
【0144】
このように、実施の形態7にかかるプリンタ100は、トナーの残量が僅少である場合に、トナーの用途と印刷データの用途とが一致し、かつトナー残量情報によりトナー残量なしとみなすと判断された場合、トナーの残量をなしとみなして、トナー補給もしくはトナーカートリッジの交換を促すエラーメッセージを表示する。従って、トナー残量が僅少である場合でも、印刷データの用途に応じて、トナー残量なしとみなすか否かの適切な処理を行うことができる。また、トナー残量なしとみなす場合は、トナーの補給もしくは新たなトナーカートリッジが装着されないと印刷データの印刷ができなくなるため、常に残量の少ないトナーによる印刷が行なわれることなく、安定した品質で印刷を行うことができる。
【0145】
(実施の形態8)
実施の形態6、7では、常に安定した品質による印刷データの印刷が可能となったが、トナーが微妙に薄くなってしまう現象は、濃度が濃い印刷の場合ほど発生しやすい傾向がある。そこで、本実施の形態では、実施の形態1〜5において、印刷データの用途に対応する標準濃度が、通常用途の標準濃度を超えている場合のみ、トナー残量の僅少をもってトナー残量なしとみなすものである。
【0146】
実施の形態8にかかるプリンタを含むシステム構成図、およびプリンタの構成を示すブロック図は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する(図1、2参照)。
【0147】
また、本実施の形態では、実施の形態6にかかるプリンタの印刷管理部305の構成を示すブロック図(図18)を参照して構成を説明する。ここで、用途情報150と、標準濃度情報155と、残量検知センサ190と、トナー識別部101と、印刷データ識別部102と、用途判断部103と、濃度取得部104と、濃度設定部105、印刷部106と、図2における操作パネル管理部307の構成および機能は、実施の形態6と同様であるため、説明を省略する。
【0148】
残量判断部110は、用途判断部103により、トナー識別部101により識別されたトナーの用途と、印刷データ識別部102により識別された印刷データの用途とが一致すると判断された場合、残量検知センサ190により検知されるトナーの残量が予め定めた所定の閾値よりも減少していた場合、識別された印刷データの用途に対応するトナーの標準濃度が、印刷データの用途が通常用途であった場合のトナーの標準濃度より濃い場合に、トナーの残量なしとみなす旨の判断をする。
【0149】
次に、以上のように構成されたプリンタ100による印刷処理について説明する。図23は、実施の形態8にかかるプリンタによる印刷処理の手順を示すフローチャートである。なお、本実施の形態における印刷処理は、実施の形態1〜5におけるの「印刷開始」において行う処理とする。
【0150】
残量判断部110は、残量検知センサ190による検知によって、トナーの残量が僅少であるか否かの判断をする(ステップS80)。トナーの残量が僅少でなかった場合、すなわちトナーの残量が所定の閾値より多い場合(ステップS80:No)、印刷部106は、用途が識別された印刷データを印刷する(ステップS85)。
【0151】
一方、トナーの残量が僅少である場合、すなわちトナーの残量が所定の閾値より少ない場合(ステップS80:Yes)、用途判断部103は、トナー識別部101により識別されたトナーの用途と、印刷データ識別部102により識別された印刷データの用途とが一致するか否かを判断する(ステップS81)。
【0152】
トナーの用途と印刷データの用途とが一致しないと判断された場合(ステップS81:No)、印刷部106は、用途が識別された印刷データを印刷する(ステップS85)。
【0153】
一方、トナーの用途と印刷データの用途とが一致すると判断された場合(ステップS81:Yes)、残量判断部110は、識別された印刷データの用途に対応するトナーの標準濃度が、印刷データの用途が通常用途であった場合のトナーの標準濃度より濃いか否かを判断する(ステップS82)。印刷データの用途に対応するトナーの標準濃度が通常用途のトナーの標準濃度より濃くない場合、すなわち薄い場合(ステップS82:No)、印刷部106は、用途が識別された印刷データを印刷する(ステップS85)。
【0154】
印刷データの用途に対応するトナーの標準濃度が通常用途のトナーの標準濃度より濃い場合(ステップS82:Yes)、残量判断部110は、トナーの残量なしとみなし、操作パネル管理部307は、トナーの補給もしくはトナーカートリッジの交換を促す旨のエラーメッセージを操作パネル(不図示)に表示する(ステップS83)。
【0155】
そして、残量判断部110は、トナーの残量が所定の閾値よりも増加したか否かの判断をすることにより、トナーの補給またはトナーカートリッジが交換されたか否かの判断をする(ステップS84)。トナーの補給またはトナーカートリッジが交換されていない場合(ステップS84:No)、トナーの補給またはトナーカートリッジが交換されるまで待機する。
【0156】
一方、トナーの補給またはトナーカートリッジが交換された場合(ステップS84:Yes)、印刷部106は、用途が識別された印刷データを印刷する(ステップS85)。
【0157】
このように、実施の形態8にかかるプリンタ100は、トナーの残量が僅少である場合に、トナーの用途と印刷データの用途とが一致し、かつ印刷データの用途に対応する標準濃度が通常用途に対応する標準濃度より濃い場合、トナーの残量をなしとみなして、トナー補給もしくはトナーカートリッジの交換を促すエラーメッセージを表示する。従って、印刷データの用途に応じて、トナー残量なしとみなすか否かの適切な処理を行うことができる。また、トナー残量なしとみなす場合は、トナーの補給もしくは新たなトナーカートリッジが装着されないと印刷データの印刷ができなくなるため、常に残量の少ないトナーによる印刷が行なわれることなく、安定した品質で印刷を行うことができる。さらに、用途ごとにトナーの残量なしとみなすか否かを記憶することが不要となるため、メモリ等の容量を軽減できて、プリンタの製造費用を削減することができる。
【0158】
なお、上記に示した用途情報150、標準濃度情報155、微調整範囲情報160、微調整濃度情報165、および残量判断情報170は、プリンタ100の外側から与えるような方式をとることも可能である。例えば、SDカードスロットを持つプリンタであれば、SDカードによりで用途情報150、標準濃度情報155、微調整範囲情報160、微調整濃度情報165、および残量判断情報170を提供し、印刷管理部305がそれを参照する形にすることも可能である。また、ネットワークを介して印刷データとは別個に用途情報150、標準濃度情報155、微調整範囲情報160、微調整濃度情報165、および残量判断情報170を制御する制御データを渡すことにより、NV−RAMやHDDなどの不揮発性記憶装置に書き込んでそれを参照するという方式も考えられる。
【0159】
図24は、実施の形態1〜8にかかるプリンタのハードウェア構成を示すブロック図である。本図に示すように、このプリンタ100は、コントローラ10とエンジン部(Engine)60とをPCI(Peripheral Component Interconnect)バスで接続した構成となる。コントローラ10は、プリンタ100全体の制御と描画、通信、図示しない操作部からの入力を制御するコントローラである。エンジン部60は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンなどであり、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニットなどである。なお、このエンジン部60には、プロッタなどのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
【0160】
コントローラ10は、CPU11と、ノースブリッジ(NB)13と、システムメモリ(MEM−P)12と、サウスブリッジ(SB)14と、ローカルメモリ(MEM−C)17と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)16と、ハードディスクドライブ(HDD)18とを有し、ノースブリッジ(NB)13とASIC16との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス15で接続した構成となる。また、MEM−P12は、ROM(Read Only Memory)12aと、RAM(Random Access Memory)12bとをさらに有する。
【0161】
CPU11は、プリンタ100の全体制御をおこなうものであり、NB13、MEM−P12およびSB14からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0162】
NB13は、CPU11とMEM−P12、SB14、AGP15とを接続するためのブリッジであり、MEM−P12に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0163】
MEM−P12は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM12aとRAM12bとからなる。ROM12aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM12bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
【0164】
SB14は、NB13とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB14は、PCIバスを介してNB13と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェース(I/F)部なども接続される。
【0165】
ASIC16は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGP15、PCIバス、HDD18およびMEM−C17をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC16は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC16の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C17を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部60との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC16には、PCIバスを介してFCU(Fax Control Unit)30、USB(Universal Serial Bus)40、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インターフェース50が接続される。操作表示部20はASIC16に直接接続されている。
【0166】
MEM−C17は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD18は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
【0167】
AGP15は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P12に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
【0168】
なお、本実施の形態1〜8のプリンタ100で実行される画像形成プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
【0169】
本実施の形態1〜8のプリンタ100で実行される画像形成プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0170】
さらに、本実施の形態1〜8のプリンタ100で実行される画像形成プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態1〜8のプリンタ100で実行される画像形成プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0171】
本実施の形態1〜8のプリンタ100で実行される画像形成プログラムは、上述した各部(トナー識別部101、印刷データ識別部102、用途判断部103、濃度取得部104、濃度設定部105、印刷部106)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから画像形成プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、トナー識別部101、印刷データ識別部102、用途判断部103、濃度取得部104、濃度設定部105、印刷部106が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0172】
【図1】実施の形態1にかかるプリンタを含むシステム構成図である。
【図2】実施の形態1にかかるプリンタの構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1にかかるプリンタの印刷管理部305の構成を示すブロック図である。
【図4】用途情報の一例を示す説明図である。
【図5】標準濃度情報の一例を示す説明図である。
【図6】実施の形態1にかかるプリンタによるトナー識別処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態1にかかるプリンタによる印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態2にかかるプリンタの印刷管理部305の構成を示すブロック図である。
【図9】実施の形態2にかかるプリンタによる印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】実施の形態3にかかるプリンタの印刷管理部305の構成を示すブロック図である。
【図11】微調整範囲情報の一例を示す説明図である。
【図12】実施の形態3にかかるプリンタによる印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】実施の形態4にかかるプリンタの印刷管理部305の構成を示すブロック図である。
【図14】微調整濃度情報の一例を示す説明図である。
【図15】実施の形態4にかかるプリンタによる印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図16】標準濃度情報の一例を示す説明図である。
【図17】実施の形態5にかかるプリンタによる印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図18】実施の形態6にかかるプリンタの印刷管理部305の構成を示すブロック図である。
【図19】実施の形態6にかかるプリンタによる印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図20】実施の形態7にかかるプリンタの印刷管理部305の構成を示すブロック図である。
【図21】残量判断情報の一例を示す説明図である。
【図22】実施の形態7にかかるプリンタによる印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図23】実施の形態8にかかるプリンタによる印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図24】実施の形態1〜8にかかるプリンタのハードウェア構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0173】
100 プリンタ
101 トナー識別部
102 印刷データ識別部
103 用途判断部
104 濃度取得部
105 濃度設定部
106 印刷部
107、108、109 濃度調整部
110、111 残量判断部
150 用途情報
155 標準濃度情報
160 微調整範囲情報
165 微調整濃度情報
170 残量判断情報
190 残量検知センサ
301 PDL解析部
302 ジョブ管理部
303 ネットワーク管理部
304 メモリ管理部
305 印刷管理部
306 システム管理部
307 操作パネル管理部
308 サービス提供群

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷データの用途と、印刷時のトナーの標準濃度とを対応づけた標準濃度情報を記憶する標準濃度記憶手段と、
トナーを収容するトナーカートリッジに付与されたトナー識別情報に基づいてトナーの用途を識別するトナー識別手段と、
印刷対象である印刷データの内容に基づいて前記印刷データの用途を識別する印刷データ識別手段と、
識別された前記トナーの用途と前記印刷データの用途とが一致するか否かを判断する用途判断手段と、
識別された前記トナーの用途と前記印刷データの用途とが一致する場合、前記標準濃度情報から、識別された前記印刷データの用途に対応する前記トナーの標準濃度を取得する濃度取得手段と、
識別された前記トナーの用途と前記印刷データの用途とが一致する場合、印刷時におけるトナーの濃度である印刷濃度を、取得した前記標準濃度に設定する濃度設定手段と、
前記標準濃度に設定された前記印刷濃度で、用途が識別された前記印刷データを印刷する印刷手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記標準濃度が設定された前記印刷濃度を、所定の濃度微調整値により調整する濃度調整手段をさらに備え、
前記印刷手段は、調整された前記印刷濃度で、用途が識別された前記印刷データを印刷し、
前記濃度調整手段は、識別された前記トナーの用途と前記印刷データの用途とが一致する場合であって、前記印刷データの用途が所定の通常用途でなかった場合には、前記標準濃度が設定された前記印刷濃度を前記濃度微調整値により調整しないことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
印刷データの用途と、トナーの標準濃度に対して微調整可能な範囲を示す微調整可能範囲とを対応づけた微調整範囲情報を記憶する微調整範囲記憶手段と、
前記微調整範囲情報から、識別された前記印刷データの用途に対応する前記微調整可能範囲を取得し、前記標準濃度が設定された前記印刷濃度を、取得した前記微調整可能範囲内で所定の濃度微調整値により調整する濃度調整手段をさらに備え、
前記印刷手段は、調整された前記印刷濃度で、用途が識別された前記印刷データを印刷することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
印刷データの用途と前記標準濃度の所定の濃度微調整値とを対応づけた微調整濃度情報を記憶する微調整濃度記憶手段と、
前記微調整濃度情報から、識別された前記印刷データの用途に対応する前記濃度微調整値を取得し、前記標準濃度が設定された前記印刷濃度を、取得した前記濃度微調整値により調整する濃度調整手段をさらに備え、
前記印刷手段は、調整された前記印刷濃度で、用途が識別された前記印刷データを印刷することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記標準濃度情報は、印刷データの用途と、トナーの用途と印刷データの用途とが一致する場合における印刷時のトナーの標準濃度と、トナーの用途と印刷データの用途とが一致しない場合における印刷時のトナーの標準濃度とを対応づけており、
前記濃度取得手段は、識別された前記トナーの用途と前記印刷データの用途とが一致する場合、前記標準濃度情報から、識別された前記印刷データの用途に対応し、かつトナーの用途と印刷データの用途とが一致する場合における前記トナーの標準濃度を取得し、識別された前記トナーの用途と前記印刷データの用途とが一致しない場合、前記標準濃度情報から、識別された前記印刷データの用途に対応し、かつトナーの用途と印刷データの用途とが一致しない場合における前記トナーの標準濃度を取得し、
前記濃度設定手段は、前記印刷濃度を、取得した前記標準濃度に設定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
トナーカートリッジ内のトナーの残量を検知する残量検知手段と、
識別された前記トナーの用途と前記印刷データの用途とが一致する場合であって、前記印刷データの用途が所定の通常用途でなかった場合において、トナーの残量が所定の閾値よりも減少していた場合、トナーの残量なしとみなす旨の判断をする残量判断手段と、
トナーの残量なしとみなされた場合、トナーの補給もしくはトナーカートリッジの交換を促す旨を表示部に表示する表示制御手段と、をさらに備え、
前記印刷手段は、前記トナーの残量が所定の閾値よりも増加していた場合、用途が識別された印刷データを印刷することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
トナーカートリッジ内のトナーの残量を検知する残量検知手段と、
印刷データの用途と、トナーの残量なしとみなすか否かの情報とを対応づけた残量判断情報を記憶する残量情報記憶手段とを備え、
識別された前記トナーの用途と前記印刷データの用途とが一致する場合において、トナーの残量が所定の閾値よりも減少していた場合、前記残量判断情報から前記印刷データの用途に対応する情報を取得して、取得した情報によりトナーの残量なしとみなすか否かの判断をする残量判断手段と、
トナーの残量なしとみなされた場合、トナーの補給もしくはトナーカートリッジの交換を促す旨を表示部に表示する表示制御手段と、をさらに備え、
前記印刷手段は、前記トナーの残量が所定の閾値よりも増加していた場合、用途が識別された印刷データを印刷することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の画像形成装置。
【請求項8】
トナーカートリッジ内のトナーの残量を検知する残量検知手段と、
識別された前記トナーの用途と前記印刷データの用途とが一致する場合において、トナーの残量が所定の閾値よりも減少していた場合、識別された前記印刷データの用途に対応する前記トナーの標準濃度が、前記印刷データの用途が所定の通常用途であった場合の前記トナーの標準濃度より濃い場合に、トナーの残量なしとみなす旨の判断をする残量判断手段と、
トナーの残量なしとみなされた場合、トナーの補給もしくはトナーカートリッジの交換を促す旨を表示部に表示する表示制御手段と、をさらに備え、
前記印刷手段は、前記トナーの残量が所定の閾値よりも増加していた場合、用途が識別された印刷データを印刷することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
画像形成装置で実行される画像形成方法において、
前記画像形成装置は、
印刷データの用途と、印刷時のトナーの標準濃度とを対応づけた標準濃度情報を記憶する標準濃度記憶手段を備え、
トナーを収容するトナーカートリッジに付与されたトナー識別情報に基づいてトナーの用途を識別するトナー識別ステップと、
印刷対象である印刷データの内容に基づいて前記印刷データの用途を識別する印刷データ識別ステップと、
識別された前記トナーの用途と前記印刷データの用途とが一致するか否かを判断する用途判断ステップと、
識別された前記トナーの用途と前記印刷データの用途とが一致する場合、前記標準濃度情報から、識別された前記印刷データの用途に対応する前記トナーの標準濃度を取得する濃度取得ステップと、
識別された前記トナーの用途と前記印刷データの用途とが一致する場合、印刷時におけるトナーの濃度である印刷濃度を、取得した前記標準濃度に設定する濃度設定ステップと、
前記標準濃度に設定された前記印刷濃度で、用途が識別された前記印刷データを印刷する印刷ステップと、
を含むことを特徴とする画像形成方法。
【請求項10】
請求項9の画像形成方法を実行する画像形成プログラム。
【請求項11】
請求項10の画像形成プログラムを格納する記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2009−223000(P2009−223000A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−67485(P2008−67485)
【出願日】平成20年3月17日(2008.3.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】