説明

画像形成装置、膜厚検出方法及びこれを用いた帯電制御方法

【課題】 使用環境に応じて、感光体の長寿命化と画像欠陥の防止とを両立する最適なバイアス電圧/電流を供給することができる画像形成装置を簡易な構成で安価に提供する。
【解決手段】 感光体2と帯電ロール3との間に生じる放電の電荷量Qを検出する放電電荷量検出手段35と、感光体2の膜厚を検出する膜厚検出手段37と、温度及び湿度を検出する環境検出手段Sと、膜厚検出手段37及び環境検出手段Sの検出結果に基づいて、所定の放電電荷量Qpを設定する放電電荷量設定手段39と、帯電ロール3への印加バイアス電圧/電流を制御する帯電制御手段30と、放電電荷量Qが、放電電荷量設定手段39により設定された所定の放電電荷量Qpとなるように、帯電ロール3への交流印加電圧/電流を変更制御する帯電制御手段30とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置及びその制御方法に関し、特に、感光体の長寿命化を図ると共に、感光体層の磨耗に伴う画像欠陥の防止を図った画像形成装置、感光体の膜厚検出方法及びこれを用いた帯電ロールの帯電制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2002−72633号公報
【特許文献2】特開平05−223513号公報
【0003】
一般に、プリンターや複写機等の画像形成装置においては、近年のオフィス等における使用頻度の上昇や、メンテナンスフリー化の要望等により、その長寿命化が望まれている。そして、画像形成装置の長寿命化を実現するに当っては、感光体の長寿命化が大きな課題となっている。
【0004】
このような課題に対処するために、感光体の帯電制御により長寿命化を試みた画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この特許文献1では、感光体と帯電ロール間に生じる放電電荷量を、感光体の膜厚や帯電ロールの汚れによらず一定に制御し、感光体へのストレスを軽減して、その長寿命化を図った画像形成装置が開示されている。
【0006】
また、感光体の寿命を検知するための感光体膜厚検知方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
この特許文献2では、感光体の全周に亘って、その電位をゼロから所定の電位にした際に流れる電流を測定することにより膜厚を検知する膜厚検出方式が開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述の特許文献に開示された先行技術においては、以下のような問題を有していた。
【0009】
一般に、感光体の磨耗と帯電不良による白点状の画像欠陥は、放電電荷量が主要因であることがわかっている。すなわち、放電電荷量が大きいと、感光体の磨耗が促進され、その寿命が短くなり、一方、放電電荷量が小さいと、帯電不良による白点状の画像欠陥が生じてしまう。このため、特許文献1に開示された先行技術のように、帯電不良による白点状の画像欠陥が発生しない一定の放電電荷量となるよう、帯電ロールに印加する電圧・電流を制御することは、感光体の長寿命化には有効な方式である。
【0010】
しかしながら、特許文献1に開示された先行技術において、感光体表面が初期の厚膜状態から使用に伴って薄膜状態に至った場合、厚膜時に発生する帯電不良による白点状画像欠陥を防止するよう制御目標放電電荷量を決定し、薄膜時にも、この目標放電電荷量を達成するように印加電圧・電流を制御すると、帯電が不十分となり濃度ムラが発生するという問題が生じていた。また、製造段階から存在する感光体の膜厚ムラが磨耗の進行に伴って増幅され、薄膜時においては、この偏磨耗による膜厚ムラによって濃度ムラが顕著に発生するという問題が生じていた。
【0011】
一方、感光体の寿命を検知するために、感光体の膜厚を検知するセンサを設ける場合には、装置が大型化し、コストが増大するといった問題が生じてしまう。これに対して、特許文献2に開示された先行技術によれば、このような問題を回避することができるが、当該先行技術においては、帯電ロールが汚れ、抵抗変化が生じた場合に、正しい膜厚を検知することができないという問題が生じていた。
【0012】
さらに、特許文献2に開示された膜厚検出方法以外にも、感光体電位が0Vの状態から電流が飽和するまでの電荷量により膜厚を検知する方法もが考えられるが、感光体の数周に亘って検知する必要があるため、その間感光体に放電によるストレスを与え続けて磨耗が促進されるという問題が生じていた。
【0013】
そこで、本発明は、上述のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、使用環境に応じて、感光体の長寿命化と画像欠陥の防止とを両立する最適なバイアス電圧/電流を供給することができる画像形成装置を簡易な構成で安価に提供することにある。
【0014】
また、本発明の別の目的は、膜厚検知のための新たなセンサを付加することなく、簡易な構成で安価に感光体の膜厚を検出する膜厚検出方法、及び、この膜厚検出方法を用いて最適なバイアス電圧/電流を供給する帯電制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、その表面に静電潜像が形成される感光体層が被膜された感光体と、直流電圧/電流に交流電圧/電流を重畳したバイアス電圧/電流が印加され、前記感光体を所定の電位に帯電する帯電ロールとを有する画像形成装置において、前記感光体と帯電ロールとの間に生じる放電の電荷量を検出する放電電荷量検出手段と、前記感光体の感光体層の膜厚を検出する膜厚検出手段と、装置内の温度及び湿度を検出する環境検出手段と、前記膜厚検出手段及び環境検出手段の検出結果に基づいて、所定の放電電荷量を設定する放電電荷量設定手段と、前記放電電荷量が、前記放電電荷量設定手段により設定された所定の放電電荷量となるように、前記帯電ロールへの交流印加電圧/電流を変更制御する帯電制御手段とを備えることを特徴とするものである。
【0016】
ここで、所定の放電電荷量とは、帯電不良に伴うトナーの転移不良等による白点状の画像欠陥が発生しない放電電荷量の下限値をいうものとする。
【0017】
このように構成した本発明の画像形成装置においては、所定の放電電荷量が、放電電荷量設定手段により、膜厚検出手段及び環境検出手段の検出結果に基づき設定されるので、感光体の長寿命化と画像欠陥の防止とを両立する放電電荷量を、使用に伴って磨耗して薄膜化する感光体の膜厚状況に応じて最適に設定することが可能となると共に、感光体へのストレスとなる放電電荷量が放電電荷量検出手段により検出され、この放電電荷量が膜厚に応じた所定の放電電荷量となるように、帯電ロールへの交流印加電圧/電流が帯電制御手段により変更制御されるので、感光体の長寿命化と画像欠陥の防止とを両立する最適なバイアス電圧/電流を使用環境に応じて供給することが可能となり、併せて、感光体磨耗が進むことによる偏磨耗による濃度ムラを抑制することが可能となる。
【0018】
また、前記帯電ロールの汚損レベルを設定する汚損グレード設定手段をさらに備え、前記膜厚検出手段は、前記環境検出手段、放電電荷量検出手段及び汚損グレード設定手段の出力に基づいて、当該出力条件における感光体の膜厚を検出してもよい。
【0019】
このように構成した場合には、帯電ロールの汚損レベルを設定する汚損グレード設定手段をさらに備え、膜厚検出手段が、環境検出手段、放電電荷量検出手段及び汚損グレード設定手段の出力に基づいて、当該出力条件における感光体の膜厚を検出するので、帯電ロールの汚損状況や周囲環境の変化及び当該状況における放電電荷量に応じて感光体の膜厚を検出することができ、これにより、使用環境に応じた感光体の膜厚をより適切に検出することが可能となる。
【0020】
さらに、前記汚損グレード設定手段は、前記感光体の履歴情報に基づき前記帯電ロールの汚損グレードを設定してもよい。
【0021】
ここで、感光体の履歴情報とは、感光体の累積帯電履歴情報であり、実質的には、累積プリント枚数や感光体の累積回転数と同等のものである。
【0022】
このように構成した場合には、汚損グレード設定手段が、感光体の履歴情報である、例えば、累積プリント枚数に基づき帯電ロールの汚損グレードを設定するので、帯電ロールの汚損レベルを検知するための新たなセンサを何ら付加することなく、汚損グレードを設定することができ、コストダウンや小型化に寄与することが可能となる。
【0023】
また、前記放電電荷量設定手段は、前記膜厚検出手段により検出された膜厚が規定値以下の場合には、前記目標放電電荷量を演算により算出すると共に、前記膜厚検出手段により検出された膜厚が規定値を超えている場合には、前記目標放電電荷量を所定の値に設定してもよい。
【0024】
一般に、感光体の長寿命化と画像欠陥の防止とを両立する放電電荷量は、膜厚が所定の厚さを越えている場合には一定値であり、所定の厚さ以下になった場合には、膜厚の減少に伴って増大することが判明している。
【0025】
そこで、このように構成した場合には、放電電荷量設定手段が、膜厚検出手段により検出された膜厚が規定値以下の場合には、目標放電電荷量を演算により算出すると共に、膜厚検出手段により検出された膜厚が規定値を超えている場合には、目標放電電荷量を所定の値に設定するので、膜厚の磨耗状況に応じた、より適切な帯電制御を実現すると共に、演算処理の簡略化が可能となる。
【0026】
また、本発明の感光体の膜厚検出方法は、その表面に静電潜像が形成される感光体層が被膜された感光体と、直流電圧/電流に交流電圧/電流を重畳したバイアス電圧/電流が印加され、該感光体を所定の電位に帯電する帯電ロールとを用い、前記感光体の履歴情報に基づき、前記帯電ロールの汚損グレードを設定し、所定のバイアス電圧/電流を前記帯電ロールに印加したときの、前記感光体と該帯電ロールとの間に生じる放電の電荷量、周囲温度及び湿度を測定し、これらの測定結果及び前記汚損グレードに基づいて、前記感光体の膜厚を検出することを特徴とするものである。
【0027】
このように構成した本発明の感光体の膜厚検出方法によれば、帯電ロールの汚損状況や周囲環境の変化及び当該状況における放電電荷量に基づいて感光体の膜厚を検出するので、使用状態に応じた感光体の膜厚を適切に検出することができる。また、放電電荷量により膜厚検出を行うことで、膜厚検出のための検出サイクルを別途設ける必要がなく、帯電制御時における放電電荷量の測定の際に併せて膜厚検出を行うことができ、感光体へのストレスを低減し、感光体の長寿命化が可能となる。
【0028】
また、本発明の帯電ロールの帯電制御方法発明は、上記膜厚検出方法により、感光体の膜厚、周囲温度及び湿度を検出し、この膜厚、周囲温度及び湿度の検出結果に基づき、放電電荷量の目標値を設定し、前記感光体と帯電ロールとの間に生じる放電の電荷量が前記目標値となるように、帯電ロールに印加するバイアス電圧/電流を制御することを特徴とするものである。
【0029】
このように構成した本発明の帯電制御方法によれば、使用状態に応じた感光体の膜厚及び周囲環境の変化に基づき、放電電荷量の目標値を設定し、この目標値となるように、帯電ロールに印加するバイアス電圧/電流を制御するので、帯電ロールの汚損状況を加味した環境変化に応じた最適な放電電荷量を実現し、感光体の長寿命化と画像欠陥の防止とを両立する最適なバイアス電圧/電流を使用環境に応じて供給することが可能となり、併せて、感光体磨耗が進むことによる偏磨耗による濃度ムラを抑制することが可能となる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の画像形成装置によれば、感光体の長寿命化と画像欠陥の防止とを両立する放電電荷量を、使用に伴って磨耗して薄膜化する感光体の膜厚状況に応じて、最適に設定することが可能となると共に、最適なバイアス電圧/電流を使用環境に応じて供給することが可能となり、併せて、感光体磨耗が進むことによる偏磨耗による濃度ムラを抑制することが可能となる。
【0031】
また、本発明の感光体の膜厚検出方法によれば、放電電荷量により膜厚検出を行うことで、帯電制御時における放電電荷量の測定の際に併せて膜厚検出を行うことができ、感光体へのストレスを低減し、感光体の長寿命化が可能となると共に、膜厚検知のための新たなセンサを付加することなく、使用状態に応じた感光体の膜厚を適切に算出することができる。
【0032】
さらに、本発明の帯電ロールの帯電制御方法によれば、使用状態に応じた感光体の膜厚及び周囲環境の変化に基づき、放電電荷量の目標値を算出し、この目標値となるように、帯電ロールに印加するバイアス電圧/電流を制御するので、帯電ロールの汚損状況を加味した環境変化に応じた最適な放電電荷量を実現し、感光体の長寿命化と画像欠陥の防止とを両立する最適なバイアス電圧/電流を使用環境に応じて供給することが可能となり、併せて、感光体磨耗が進むことによる偏磨耗による濃度ムラを抑制することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下に、本発明に係る実施の形態を図面を参照して説明する。
【0034】
まず、本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の概略構成について、図1を参照して説明する。図1は本発明に係わるタンデム型カラー画像形成装置100の概略構成図である。
【0035】
この画像形成装置100においては、画像読取装置102より読み取られたカラー原稿のカラー画像情報、図示しないパーソナルコンピュータや画像データ入力装置等から送られてくるカラー画像情報等が入力され、入力された画像情報に対して画像処理が行われるようになっている。
【0036】
図1において、1Y,1M,1C,1Kは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色トナー画像を形成する画像形成ユニットであり、複数の張架ロールにより張架された無端状の中間転写ベルト9の進行方向に沿って1Y,1M,1C,1Kの順で直列に配設されている。また、中間転写ベルト9は、これらの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kで順次形成された各色のトナー像が、互いに重ね合わされた状態で転写される中間転写体であり、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kに対応する静電潜像担持体である感光体ドラム2Y,2M,2C,2Kのそれぞれに対向して配設される一次転写ロール6Y,6M,6C,6Kとの間に挿通され、矢印方向に循環移動可能に形成されている。そして、中間転写ベルト9上に多重に転写された各色のトナー像は、給紙カセット17等から給紙された記録媒体としての記録用紙18上に一括して転写された後、定着装置15によって記録用紙18上に定着され、カラー画像が形成された記録用紙18が外部に排出されるようになっている。なお、符号CRは、CPU、ROM、RAM等を含んで構成され画像形成装置100における処理全般を制御する装置コントローラである。
【0037】
ここで、画像読取装置102は、プラテンガラス上に載置された原稿を不図示の光源によって照明し、原稿からの反射光像を、走査光学系を介してCCDセンサ等からなる画像読取素子によって所定の解像度で読み取るように構成されている。
【0038】
また、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、同様に構成されており、大別して、矢印方向に沿って所定の回転速度で回転する感光体ドラム2Y,2M,2C,2Kと、この感光体ドラム2Y,2M,2C,2Kの表面を一様に帯電する帯電手段としての帯電ロール3Y,3M,3C,3Kと、当該感光体ドラム2Y,2M,2C,2Kの表面に各色に対応した画像を露光して静電潜像を形成する露光装置4Y,4M,4C,4Kと、感光体ドラム2Y,2M,2C,2K上に形成された静電潜像を現像する現像装置5Y,5M,5C,5Kと、着脱自在に配設され現像装置5Y,5M,5C,5Kに所定の色のトナーを供給するトナーカートリッジ10Y,10M,10C,10Kと、クリーニング装置7Y,7M,7C,7K等とから構成されている。
【0039】
さらに、本実施の形態において、感光体ドラム2Y,2M,2C,2Kは、矢印方向に回転する金属製ドラムの表面に有機系感光材料、アモルファスセレン系感光材料、アモルファスシリコン系感光材料等からなる感光体層が被膜形成されており、帯電ロール3Y,3M,3C,3Kは、この感光体ドラム2Y,2M,2C,2Kの表面と接触し、直流電圧/電流に交流電圧/電流を重畳したバイアスにより、該感光体層を所定の電位に帯電するように構成されている。
【0040】
このように構成した画像形成装置における画像形成工程について、イエロートナー画像を形成する画像形成ユニット1Yを代表例として説明する。
【0041】
まず、感光体ドラム2Yは、所定の直流電圧/電流に交流電圧/電流が重畳されたバイアス電圧/電流が帯電ロール3Yに印加されることにより、その表面(感光体層)が一様に帯電される。次に、例えば、画像読取装置102によって読み取られた画像情報に基づき、露光装置4Yから出力されるレーザービームによりイエロー画像に対応する走査露光がなされ、感光体ドラム2Yの表面(感光体層)にはイエロー画像に対応する静電潜像が形成される。
【0042】
このイエロー画像に対応する静電潜像は現像装置5Yによってイエロートナー像となり、一次転写手段の一部を構成する一次転写ロール6Yの圧接力及び静電吸引力によって中間転写ベルト9上に一次転写される。一次転写後の感光体ドラム2Y上に残留したイエロートナーは、ドラムクリーニング装置7Yよって掻き取られる。その後、感光体ドラム2Yの表面は除電装置8Yによって除電された後、次の画像形成サイクルのために帯電ロール3Yにより再び帯電される。
【0043】
多色のカラー画像形成を行う本画像形成装置100では、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの相対的な位置の違いを考慮したタイミングで、上記と同様の画像形成工程が画像形成ユニット1M,1C,1Kにおいても行われ、中間転写ベルト9上にフルカラートナー像が重ね合わされた状態で形成される。この中間転写ベルト9としては、例えば、可撓性を有するポリイミド等の合成樹脂フィルムを帯状に形成し、この帯状に形成された合成樹脂フィルムの両端を溶着等の手段によって接続することにより、無端ベルト状に形成したものが用いられる。
【0044】
中間転写ベルト9上に一次転写されたフルカラートナー像は、所定のタイミングで二次転写位置へと搬送される記録用紙18上に、中間転写ベルト9を支持するバックアップロール13と、このバックアップロール13に所定のタイミングで圧接する二次転写ロール12との圧接力及び静電吸引力によって二次転写される。
【0045】
一方、記録用紙18は、画像形成装置100内の下部に配置された記録用紙収容部としての給紙カセット17から、所定のサイズのものが給紙ロール17aによって給紙される。給紙された記録用紙18は、複数の搬送ロール19及びレジストロール20によって、所定のタイミングで中間転写ベルト9の二次転写位置まで搬送される。そして、記録用紙18には、上述したように、二次転写手段としてのバックアップロール13と二次転写ロール12とによって、中間転写ベルト9上からフルカラートナー像が一括して転写される。
【0046】
また、中間転写ベルト9上からフルカラートナー像が二次転写された記録用紙18は、中間転写ベルト9から分離された後、二次転写手段の下流側に配設された定着装置15へと搬送され、この定着装置15によって熱及び圧力でトナー像が記録用紙18上に定着されるようになっている。定着後の記録用紙18は、排出ロール23を介して、排出トレイ24上に排出される。
【0047】
さらに、二次転写手段により記録用紙18上に転写できなかった中間転写ベルト9上の残トナーは、そのまま中間転写ベルト9上に付着した状態でベルトクリーニング装置14まで搬送され、このベルトクリーニング装置14により中間転写ベルト9上から除去されて次の画像形成に備える。
【0048】
ところで、上述のように構成した画像形成装置では、帯電ロール3Y,3M,3C,3Kにバイアス電圧/電流を印加する際には、帯電ロール3Y,3M,3C,3Kと、これに対応する感光体ドラム2Y,2M,2C,2Kとの間で放電が生じ、この放電により、感光体ドラム2Y,2M,2C,2Kが所定の電位に帯電される。このバイアス電圧/電流を印加する際、特に、その交流電圧/電流成分を大きくすると放電電荷量が増大し、感光体ドラム2Y,2M,2C,2Kの磨耗が促進されて、その寿命が短くなってしまう。これは、交流成分の振幅により、感光体表面が、傷等のダメージをより被るためであると考えられる。
【0049】
一方、バイアス電圧/電流中の交流電圧/電流成分を小さくすると放電電荷量が減少し、スポット的に帯電不良が発生して、白点状の画像欠陥が生じてしまう。
【0050】
従って、感光体ドラムの長寿命化を図り、帯電不良に伴う白点状の画像欠陥を防止するためには、感光体ドラム2Y,2M,2C,2Kと帯電ロール3Y,3M,3C,3Kとの間に発生する放電の電荷量が所定の放電電荷量となるように、印加バイアス電圧/電流を制御する必要があるが、この所定の放電電荷量は、感光体ドラム2Y,2M,2C,2Kの感光体層の膜厚や、帯電ロール3Y,3M,3C,3Kの汚損状況及び周囲温度/湿度によって変化することが、本発明者らの研究により判明した。
【0051】
そこで、本発明に係る画像形成装置においては、感光体ドラムの感光体層の厚さ(以下、膜厚ともいう)等に応じた所定の放電電荷量を求め、この放電電荷量を実現するように、帯電ロールに印加するバイアス電圧/電流中の直流電圧/電流は一定に維持しつつ交流電圧/電流を変更制御するように構成している。
【0052】
以下に、本発明に係る帯電ロールの帯電制御内容について、図2を参照して説明する。図2は、本発明に係る帯電制御の構成を模式的に示すブロック図である。ここで、各画像形成ユニット1Y〜1Kは同様な構成であり、これらの構成機器(例えば、感光体ドラム2Y〜2K)についても同様な構造であるため、以下、簡単のため、各符号は総称表記(例えば、感光体ドラム2)とする。
【0053】
図2に示されるように、本実施の形態に係る画像形成装置は、感光体ドラム2の表面に接触して、所定のバイアス電圧/電流が印加される接触式の帯電ロール3と、この帯電ロール3にバイアス電圧/電流を供給する高圧電源30a及び、高圧電源30aによる供給電圧/電流を制御する電源コントローラ30bとから構成される帯電制御手段30と、装置内の温度及び湿度を検出する環境センサSと、帯電ロール3の汚損状況に応じてその汚損レベル(グレード)を設定する汚損グレード設定手段33と、バイアス電圧/電流の印加の際、帯電ロール3と感光体ドラム2との間に発生する放電の電荷量を測定する放電電荷量検出手段35と、これらの環境センサS、汚損グレード設定手段33、放電電荷量検出手段35の出力を基に、感光体ドラム2の膜厚を検出する膜厚検出手段37と、環境センサSと膜厚検出手段37の出力を基に、最適な放電電荷量の目標値を設定する放電電荷量設定手段39とを備えている。
【0054】
ここで、帯電ロール3は、ステンレス等の金属からなる芯金3aの表面に、抵抗値が所定の値に調整された導電性の合成樹脂や合成ゴム等からなる導電層3bを被覆して構成されたものであり、必要に応じて、導電層3bの表面に離型層が形成されている。そして、芯金3aに高圧電源30aより、例えば、直流電圧が重畳された交流電圧を印加することによって、帯電ロール3と感光体ドラム2との間の微小ギャップにおいてギャップ放電を発生させ、当該放電によって感光体ドラム2の表面を帯電するようになっている。なお、本実施の形態においては、接触式の帯電ロール3を例示したが、本発明はこのような接触式の帯電ロール3に限定されるものではなく、非接触式の帯電ロールにおいても適用可能である。
【0055】
この帯電ロールに印加する電圧としては、例えば、直流電圧が感光体ドラム2の帯電電位と略等しいDC700〜800V程度、交流電圧が1.5〜2.0kV、周波数が1.3kHz程度に設定されている。これにより、帯電ロール3には、ギャップ放電時、直流成分に交流成分が重畳された交流電流Iacが流れるようになっている。
【0056】
また、放電電荷量検出手段35は、高圧電源30aを介して、帯電ロール3に流れる交流電流Iacを検出し、当該交流電流Iacに基づいて、感光体ドラム2と帯電ロール3との間の放電電荷量を算出するようになっている。
【0057】
すなわち、本実施の形態に係る放電電荷量検出手段35は、放電電荷量を検出するための特別なセンサを何ら付加することなく、ギャップ放電の際の放電電荷量を容易に検出できるように構成されており、これにより、部品点数の削減や、小型化及びコストダウンを可能としている。
【0058】
さらに、汚損グレード設定手段33は、感光体ドラム2の履歴情報に基づき、帯電ロール3の汚損状況に応じた汚損グレードを設定するようになっている。ここで、帯電ロール3の汚損グレードは、感光体ドラム2の累積帯電履歴に応じて設定されるものであり、実質的には、累積プリント枚数や感光体の累積回転数に応じて設定されるものである。そこで、感光体ドラム2の履歴情報としては、例えば、従来公知のプリント枚数カウンタや、感光体ドラム2の累積回転数カウンタの計測結果を用いることができる。
【0059】
すなわち、本実施の形態に係る汚損グレード設定手段33においても、何ら新たなセンサを設けることなく、帯電ロール3の汚損グレードが設定されるようになっている。
【0060】
さらに、放電電荷量設定手段39は、帯電不良による白点が消失する放電電荷量の下限値、すなわち、白点状の画像欠陥が発生しない放電電荷量の下限値を、環境に応じて設定するものである。なお、環境センサSとしては、従来公知の温度/湿度センサを用いることができる。
【0061】
なお、これらの各構成手段の制御機能は、装置コントーローラCRを流用して実現してもよいし、当然に、専用のコントローラを設けて実現してもよい。
【0062】
次に、上述のように構成した各構成手段の具体的な内容及び作用について、図3〜図7を参照して説明する。
【0063】
まず、本発明に係る膜厚検出手段37の構成及び作用について、図3の機能ブロック図を参照して説明する。
【0064】
図3に示されるように、本発明に係る膜厚検出手段37は、環境センサSと、汚損グレード設定手段33と、放電電荷量検出手段35の出力に基づき、感光体ドラム2の膜厚を算出するように構成されている。
【0065】
膜厚を算出するにあたって、本実施の形態に係る画像形成装置においては、図4に示されるような、帯電ロール3の汚損グレードごとに、放電電荷量と感光体膜厚との相関を求めた膜厚データベース(例えば、テーブル、若しくはグラフ)を備えている。
【0066】
この膜厚データべースは、所定の使用範囲(例えば、AC1.5〜2.5kV)内における規定の交流電圧/電流を印加した際の放電電荷量と感光体膜厚との関係を、汚損グレード及び所定の使用環境(温度/湿度)範囲ごとに求めたものである。具体的には、基準となる規定電圧V0に対して、放電電荷量と感光体膜厚との関係を、汚損グレード及び所定の使用環境(温度/湿度)範囲ごとに求めたものであり、例えば、図4に示される関係は、規定電圧V0:AC1.5kV、温度:20℃、湿度:40%の時の汚損グレード(本例では、汚損グレード1,3,5)ごとに、放電電荷量と感光体膜厚との関係を求めたものである。
【0067】
膜厚を検出する際には、まず、帯電制御手段30を構成する電源コントローラ30bを介して、交圧電源30aから、上述した膜厚データベースの基準となる規定の電圧/電流(本例では、規定電圧V0:1.5kV)を帯電ロール3に印加する。
【0068】
そして、この規定電圧V0を印加した際に、感光体ドラム2と帯電ロール3との間に発生する放電電荷量Q0を放電電荷量検出手段35により検出すると共に、環境センサSにより周囲温度/湿度を測定し、併せて、汚損グレード設定手段33により、例えば、図5に示されるような感光体ドラム2の履歴情報を参照して、帯電ロール3の汚損グレードを設定する。なお、図5において、帯電ロール3の汚損グレードは、累積プリント枚数が増大するほど汚損グレードの数値が大きくなり、帯電ロール3の汚損が進んでいる(その抵抗値が増大している)ことを示す。
【0069】
また、図5では、感光体ドラム2の履歴情報の一例である累積プリント枚数に応じて、帯電ロール3の汚損グレードを間接的に設定しているが、例えば、感光体ドラム2の累積回転数に応じて汚損グレードを設定してもよい。また、従来公知の光学センサを用いて帯電ロール3の表面に光を照射して、その反射率を直接測定することにより、直接的に帯電ロール3の汚損グレードを設定してもよい。
【0070】
次に、膜厚検出手段37は、汚損グレード設定手段33及び環境センサSの検出結果、並びに放電電荷量Q0に基づき、使用状態により変化する帯電ロール3の汚損グレード及び周囲環境温度/湿度に応じた感光体膜厚を、上述した放電電荷量と感光体膜厚との関係データベース(図4)を参照することにより検出し、若しくは、このデータベースを基に、補間法等の簡易な演算により適宜算出する。
【0071】
このように本実施の形態に係る膜厚検出手段37によれば、膜厚データベースに対応した規定電圧V0に基づく、放電電荷量Q0により膜厚検出を行うことで、従来のように、膜厚検出のための検知サイクルを別途設ける必要がなく、帯電制御時における放電電荷量の測定の際に併せて膜厚検出を行うことができ、感光体へのストレスを低減し、感光体の長寿命化が可能となる。併せて、膜厚検出のための膜厚検知サンサを特に設ける必要がないので、部品点数の削減による小型化、低コスト化が可能となる。
【0072】
次に、上述のように検出した感光体膜厚に基づいた帯電ロールの帯電制御について、図6のフローチャートを参照してステップごとに説明する。
【0073】
S1:まず、膜厚検出手段37により、使用状態における感光体ドラム2の膜厚を検出し、環境センサSにより、そのときの周囲温度/湿度を検出する。
【0074】
なお、本実施の形態においては、上述のように、膜厚検出手段37を用いて膜厚検出を行っているが、当然に、別途、従来公知の膜厚センサや膜厚検知サイクルを設けて、感光体ドラム2の膜厚を検出してもよい。
【0075】
S2:次に、膜厚検出手段37及び環境センサSの検出結果に基づき、放電電荷量設定手段39により、放電電荷量の目標値を設定する。ここで、放電電荷量の目標値は、以下のような関係に基づいて設定する。
【0076】
一般に、感光体ドラム2にストレスを加えずに、その長寿命化を図り、かつ、帯電不足による帯電不良を防止するための最適な目標放電電荷量Qpは、感光体膜厚に応じて変化する。具体的には、図7に示されるように、感光体膜厚が所定の厚さ(本例では、約25μm)となるまでは、最適な目標放電電荷量Qpは、略一定値(本例では、約50μC)であり、所定の厚さ以下になると、最適な目標放電電荷量Qpは、感光体膜厚の減少量とほぼ比例して、増大していく傾向にある。
【0077】
ここで、図7は、温度:20℃、湿度:40%、許容膜厚範囲(感光体ドラム2が使用可能な膜厚範囲):約15〜40μmの条件で、感光体膜厚と目標放電電荷量Qpとの関係を求めた例である。そして、このような関係は、周囲環境によって変化し、具体的には、周囲温度/湿度が増大すると、図7の折れ線Lが、ほぼ下方に平行移動する。
【0078】
そこで、本実施の形態に係る放電電荷量設定手段39は、このような目標放電電荷量Qpと膜厚との関係を適当な周囲温度/湿度範囲ごとに求めた放電電荷量データベースを備えており、膜厚検出手段37により検出した膜厚と、環境センサSにより検出した周囲温度/湿度より、この放電電荷量データベースを参照して、最適な目標放電電荷量Qpを適宜設定若しくは、補間法等により算出するようになっている。これにより、感光体ドラム2へのストレスを軽減して長寿命化を図ると共に、帯電不良を防止する目標放電電荷量Qpを使用状態に応じて最適に設定することが可能となる。
【0079】
なお、目標放電電荷量Qpの設定に当っては、前述したように感光体膜厚が規定値(本例では、約25μm)となるまでは、最適な目標放電電荷量Qpは、略一定値(本例では、約50μC)となる(図7参照)ため、演算処理を簡略化してCPUの負担軽減を図るという観点から、膜厚検出手段37により検出(算出)された膜厚が、規定値(本例では、約25μm)を超えている場合には、放電電荷量設定手段39により所定の一定値(例えば、約50μC)を設定し、膜厚検出手段37により検出(算出)された膜厚が、上記規定値以下の場合のみ、演算にて膜厚を算出するように構成してもよい。
【0080】
S3:次に、使用範囲内(例えば、本例では、AC1.5〜2.5kV)で、任意の交流電圧を電源コントローラ30b及び高圧電源30aにより、帯電ロール3に印加する。
【0081】
S4:この時の放電電荷量Qを放電電荷量検出手段35により測定する。
【0082】
S5:測定した放電電荷量Qと、目標放電電荷量Qpとを比較し、放電電荷量Qが、目標放電電荷量Qpに達していない場合には、交流バイアス電圧を増大し、目標放電電荷量Qpを超えている場合には、交流バイアス電圧を減少させる。そして、このようなステップを放電電荷量Qが、目標放電電荷量Qpに一致して収束するまで繰り返す。
【0083】
S6:放電電荷量Qが目標放電電荷量Qpと一致した時点で、画像形成をスタートさせる。
【0084】
このように構成した本実施の形態に係る帯電制御方法によれば、使用状態に応じた感光体ドラム2の膜厚及び周囲環境の変化に基づき、放電電荷量の目標値Qpを算出し、この目標値Qpとなるように、帯電ロール3に印加するバイアス電圧/電流を制御するので、帯電ロール3の汚損状況を加味した環境変化に応じた最適な放電電荷量を実現し、感光体ドラム2の長寿命化と画像欠陥の防止とを両立する最適なバイアス電圧/電流を使用環境に応じて供給することが可能となり、併せて、感光体磨耗が進むことによる偏磨耗による濃度ムラを抑制することが可能となる。
【0085】
なお、本実施の形態においては、膜厚及び目標放電電荷量の算出に当って、関連データベースを参照することにより、それぞれを算出設定したが、膜厚及び目標放電電荷量の変化要因の相関関係について、所定の関係式(関数)が設定できる場合には、当然に、この関係式に基づいて、膜厚及び目標放電電荷量を算出してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施の形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る帯電制御の構成を模式的に示すブロック図である。
【図3】本発明に係る膜厚検出の構成及び作用を示す機能ブロック図である。
【図4】所定の環境における放電電荷量と感光体膜厚との関係を示す図である。
【図5】感光体履歴情報の一例である累積プリント枚数と、帯電ロールの汚損グレードとの関係を示す図である。
【図6】本発明に係る帯電制御の内容を示すフローチャートである。
【図7】所定の環境における感光体膜厚と目標放電電荷量との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0087】
1Y-1K:画像形成ユニット、2Y-2K:感光体ドラム、3Y-3K:帯電ロール、3a:芯金、3b:導電層、4Y-4K:露光装置、5Y-5K:現像装置、6Y-6K:一次転写ロール、7Y-7K:ドラムクリーニング装置、8Y-8K:除電装置、9:中間転写ベルト、10Y-10K:トナーカートリッジ、12:二次転写ロール、14:ベルトクリーニング装置、15:定着装置、17:給紙カセット、18:記録用紙、30:帯電制御手段、30a:高圧電源、30b:電源コントローラ、33:汚損グレード設定手段、35:放電電荷量検出手段、37:膜厚検出手段、39:放電電荷量設定手段、100:画像形成装置、CR:装置コントーローラ、Qp:目標放電電荷量、S:環境センサ、V0:規定電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その表面に静電潜像が形成される感光体層が被膜された感光体と、直流電圧/電流に交流電圧/電流を重畳したバイアス電圧/電流が印加され、前記感光体を所定の電位に帯電する帯電ロールとを有する画像形成装置において、
前記感光体と帯電ロールとの間に生じる放電の電荷量を検出する放電電荷量検出手段と、
前記感光体の感光体層の膜厚を検出する膜厚検出手段と、
装置内の温度及び湿度を検出する環境検出手段と、
前記膜厚検出手段及び環境検出手段の検出結果に基づいて、所定の放電電荷量を設定する放電電荷量設定手段と、
前記放電電荷量が、前記放電電荷量設定手段により設定された所定の放電電荷量となるように、前記帯電ロールへの交流印加電圧/電流を変更制御する帯電制御手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記帯電ロールの汚損レベルを設定する汚損グレード設定手段をさらに備え、
前記膜厚検出手段は、前記環境検出手段、放電電荷量検出手段及び汚損グレード設定手段の出力に基づいて、当該出力条件における感光体の膜厚を検出することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記汚損グレード設定手段は、前記感光体の履歴情報に基づき前記帯電ロールの汚損グレードを設定することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記放電電荷量設定手段は、前記膜厚検出手段により検出された膜厚が規定値以下の場合には、前記目標放電電荷量を演算により算出すると共に、前記膜厚検出手段により検出された膜厚が規定値を超えている場合には、前記目標放電電荷量を所定の値に設定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
その表面に静電潜像が形成される感光体層が被膜された感光体と、直流電圧/電流に交流電圧/電流を重畳したバイアス電圧/電流が印加され、該感光体を所定の電位に帯電する帯電ロールとを用い、
前記感光体の履歴情報に基づき、前記帯電ロールの汚損グレードを設定し、
所定のバイアス電圧/電流を前記帯電ロールに印加したときの、前記感光体と該帯電ロールとの間に生じる放電の電荷量、周囲温度及び湿度を測定し、
これらの測定結果及び前記汚損グレードに基づいて、前記感光体の膜厚を検出することを特徴とする感光体の膜厚検出方法。
【請求項6】
請求項5に記載の膜厚検出方法により、感光体の膜厚、周囲温度及び湿度を検出し、
この膜厚、周囲温度及び湿度の検出結果に基づき、放電電荷量の目標値を設定し、
前記感光体と帯電ロールとの間に生じる放電の電荷量が前記目標値となるように、帯電ロールに印加するバイアス電圧/電流を制御することを特徴とする帯電ロールの帯電制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−52301(P2007−52301A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−238126(P2005−238126)
【出願日】平成17年8月19日(2005.8.19)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】