画像形成装置、記録媒体およびプログラム
【課題】多色を重ね合わせて多色画像を形成するときの書き込み開始位置のずれ(色ずれ)を低減し、高品質の画像を得ることのできる画像形成装置、記録媒体およびプログラムを提供する。
【解決手段】第1および第2の画像形成ユニット20、20′で形成された4色のトナー像を2回転で順次重ねて転写し、カラー画像を形成するための中間転写ベルト1と、中間転写ベルト1に形成されたカラー画像を転写紙に転写する転写部と、を備えた画像形成装置100において、1回転目に、第1色目(A色)と第2色目(B色)の先頭画像より前の非画像領域に双方の位置合わせ用トナー像を形成し、2回転目に対応する第3色目(C色)の感光体ドラム14、14′への光書き込み開始より前にA色とB色の色ずれ量を検出し、これに基づいて2回転目に対応する第4色目(D色)の光書き込み開始タイミングを決定する。
【解決手段】第1および第2の画像形成ユニット20、20′で形成された4色のトナー像を2回転で順次重ねて転写し、カラー画像を形成するための中間転写ベルト1と、中間転写ベルト1に形成されたカラー画像を転写紙に転写する転写部と、を備えた画像形成装置100において、1回転目に、第1色目(A色)と第2色目(B色)の先頭画像より前の非画像領域に双方の位置合わせ用トナー像を形成し、2回転目に対応する第3色目(C色)の感光体ドラム14、14′への光書き込み開始より前にA色とB色の色ずれ量を検出し、これに基づいて2回転目に対応する第4色目(D色)の光書き込み開始タイミングを決定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体ドラムなどの像担持体に形成されるトナー像を中間転写体に転写し、この転写された画像をシート状記録媒体に転写する機能を有する画像形成装置、記録媒体およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の多色画像形成装置においては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナー像を中間転写ベルト等の中間転写体上に重ね合わせて形成し、前記トナー像をシート状記録媒体上に転写して、フルカラー印刷を行う。このフルカラー印刷を行うときに各色の書き込み位置がずれていると、重ね合わせて形成したトナー像をシート状記録媒体上に転写したときに、色ずれとなり画質が低下してしまうため、画像の書き込み開始位置を合わせる位置制御が必要となる。
【0003】
そこで、従来の画像形成装置には、中間転写体(例えば、中間転写ベルト)上の所定位置に記されたマークを検出するマーク検出手段と、中間転写体に2色以上の画像を形成する画像形成手段と、システムクロックのクロック信号とマーク検出手段からのマーク検出信号に基づいて、画像形成手段に対して画像形成タイミングを指示するタイミング指示信号を発生するタイミング指示手段と、を備え、タイミング指示手段は、マーク検出手段がマークを検出する度にタイミング指示信号を初期化しているものがある(例えば、特許文献1参照)。前記タイミング指示手段は、マーク検出信号が入力されるとクロック信号を初期化してカウントを開始し、所定時間が経過する度にタイミング指示信号(同期信号)を出力し、さらにマーク検出信号が入力されない間はカウント値が所定値に達する度に同期信号を出力するため、中間転写体の長さが経時変化した場合でも、画像形成タイミングへの影響が小さくなる。よって、画像の転写位置のずれを防ぎ、高品質の画像を形成することが期待される。
【0004】
ここで、特許文献1記載のものを、例えば、第1色(基準色)用、第3色用の第1の画像形成ユニットと、第2色用、第4色用の第2の画像形成ユニットが、中間転写ベルトの転写面に沿って連続して対向配置された構成に適用すると、マーク検出タイミングを基準として第1色の光書き込み開始タイミングを決定し、第1色の光書き込み開始タイミングから双方の画像形成ユニット間を中間転写体が移動する所定時間に基づいて、第2色の光書き込み開始タイミングを決定することになる。この後、中間転写体が1周した後、再びマーク検出タイミングを基準として第3色の光書き込み開始タイミングを決定し、第3色の光書き込み開始タイミングから双方の画像形成ユニット間を中間転写体が移動する所定時間に基づいて、第4色の光書き込み開始タイミングを決定することになる。
【0005】
また、従来の画像形成装置には、中間転写ベルト上に色ごとの測定用パターン画像を形成するためのパターン用画像信号を発生するパターン用画像信号発生手段と、中間転写ベルトの近傍で、前記測定用パターン画像の通過を検知する検知手段と、検知手段による検知タイミングに基づいて測定用パターン画像間の中間転写ベルト駆動量をカウントするカウント手段と、カウント手段による中間転写ベルト駆動量に基づいて取得された測定用パターン画像の間隔と予め設定された測定用パターン画像の間隔(設定値)とのずれ量を算出する演算手段と、演算手段によるずれ量に基づいて色ごとの書き出しタイミング信号を発生する色書き出しタイミング信号発生手段と、を備え、各色の画像書き出しタイミングを転写後の位置ずれ量に応じて変更しているものもある(例えば、特許文献2参照)。ここで、パターン出力による書き出しタイミングの補正は、1複写ごと、設定枚数ごと、あるいはメインスイッチのオンごとに行ってもよい旨、記載されている。前述の構成により、部品コスト、組立コストを抑制しつつ、色ずれを低減するという効果が期待される。
【特許文献1】特公平7−19084号公報(第2頁、第3頁、第2図、第3図など)
【特許文献2】特開2000−310929号公報(第9頁、第16頁、第5図、第6図など)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献1記載の画像形成装置を前記構成に適用すると、第1色目と第3色目の光書き込み開始タイミングはマーク検出に基づいてほぼ一致するが(すなわち、画像形成位置はほぼ一致するが)、中間転写体に速度変動が生じたときには、第1色目に対して、第2色目と第4色目の画像形成位置がそれぞれずれてしまう場合が想定される。この場合に、第1色目に対して、第2色目の光書き込み開始タイミングを、第3色目に対して、第4色目の光書き込み開始タイミングをそれぞれ調整することについて、前記特許文献1には具体的な記載および示唆がない。また、前記特許文献2についても、前記構成において、第1色目に対して、第2色目の光書き込み開始タイミングを、第3色目に対して、第4色目の光書き込み開始タイミングをそれぞれ調整することについて、具体的な記載および示唆がない。
【0007】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、前記構成において、多色を重ね合わせて多色画像を形成するときの書き込み開始位置のずれ(色ずれ)を低減し、高品質の画像を得ることのできる画像形成装置、記録媒体およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る本発明の画像形成装置は、1色ごとにトナー像を形成する第1および第2の画像形成ユニットと、第1および第2の画像形成ユニットで形成された4色のトナー像を2回転で順次重ね合わせて転写し、フルカラー画像を形成するための中間転写体と、前記中間転写体に形成されたフルカラー画像をシート状記録媒体に転写する転写手段と、前記4色のトナー像の各々に相当する前記走査型書き込み手段の書き込みタイミングを制御する制御手段と、を備え、前記第1および第2の画像ユニットの各々には、単一の像担持体と、前記像担持体に対向して配置され、前記像担持体を走査して潜像を形成する走査型書き込み手段と、前記走査型書き込み手段により形成した潜像を2色の現像剤のうち1色で現像する二つの現像手段と、を備えた画像形成装置において、前記制御手段は、前記中間転写体の1回転目に、第1色目と第2色目の先頭画像より前の非画像領域に、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像を形成させ、前記中間転写体の2回転目に対応する前記走査型書き込み手段の第3色目の書き込み開始より前に、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像の色ずれ量を検出し、前記検出した色ずれ量に基づいて、前記中間転写体の2回転目に対応する前記走査型書き込み手段の第4色目の書き込み開始タイミングを決定する構成を有している。
この構成により、中間転写体を2回転させて4色の画像を形成し、第1色目と第2色目、第3色目と第4色目の画像形成位置(位置合わせ用トナー像の位置)をそれぞれ検出して位置ずれ量(色ずれ量)を確認し、書き込み開始位置を調整することができる。すなわち、第1色目の基準色に対して、第2色目の書き込み開始タイミング(光書き込み開始タイミング)を、第3色目の基準色に対して、第4色目の書き込み開始タイミングをそれぞれ調整することができる。ここで、各色の先頭画像は、各色の画像領域の先頭に相当する。
また、請求項2に係る本発明の画像形成装置は、請求項1において、前記中間転写体に複数回繰り返してフルカラー画像を形成するとき、nは0以上の整数とすると、前記制御手段は、前記中間転写体の「2n+1」回転目に、第1色目と第2色目の先頭画像より前の非画像領域に、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像を形成させ、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像の色ずれ量を検出し、前記検出した色ずれ量に基づいて、前記中間転写体の「2n+3」回転目に対応する前記走査型書き込み手段の第2色目の書き込み開始タイミングを決定し、前記中間転写体の「2n+2」回転目に、第3色目と第4色目の先頭画像より前の非画像領域に、第3色目と第4色目の位置合わせ用トナー像を形成させ、第3色目と第4色目の位置合わせ用トナー像の色ずれ量を検出し、前記検出した色ずれ量に基づいて、前記中間転写体の「2n+4」回転目に対応する前記走査型書き込み手段の第4色目の書き込み開始タイミングを決定する構成を有している。
この構成により、中間転写体の「2n+3」回転目の第1色目と第2色目の色ずれ量が所定の許容範囲内となるように、第2色目の書き込み開始タイミングを決定することが可能となる。また、中間転写体の「2n+4」回転目の第3色目と第4色目の色ずれ量が所定の許容範囲内となるように、第4色目の書き込み開始タイミングを決定することが可能となる。
また、請求項3に係る本発明の画像形成装置は、請求項1または請求項2において、前記第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像の色ずれ量が所定の許容範囲内にないとき、前記制御手段は、前記像担持体への書き込み動作および現像動作を停止すると共に、既に前記中間転写体に形成した第1色目と第2色目の合成トナー画像をクリーニング手段にクリーニングさせ、再度、第1色目と第2色目の先頭画像より前の非画像領域に、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像を形成させ、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像の色ずれ量を検出して位置合わせを行った後に、画像形成シーケンスを行う構成を有している。ここで、位置合わせ用トナー像の色ずれ量は、先頭画像の色ずれ量に相当する。
【0009】
この構成により、画像の出力前に色ずれを検出して書き込み動作および現像動作を停止するので、シート状記録媒体およびトナーの無駄な消費を抑えることができる。
また、請求項4に係る本発明の画像形成装置は、請求項3において、前記所定の許容範囲を任意に設定する設定手段を備え、前記制御手段は、前記設定手段により設定された許容範囲に基づいて前記走査型書き込み手段の第2色目または第4色目の書き込みタイミングを制御する構成を有している。
【0010】
この構成により、色ずれの許容範囲を任意に設定できるので、所望の画質に適した値を設定し、画像形成装置を効率的に使用することが期待される。
【0011】
また、請求項5に係る本発明の画像形成装置は、請求項1において、前記中間転写体と他部材との接離による負荷の変動に基づいて、第1色目の書き込み開始タイミングを基準としたときの第2色目の書き込み開始タイミングと、第3色目の書き込み開始タイミングを基準としたときの第4色目の書き込み開始タイミングに差分があるとき、前記制御手段は、前記差分に応じて前記中間転写体の2回転目に対応する前記走査型書き込み手段の第4色目の書き込み開始タイミングを補正する構成を有している。
【0012】
この構成により、予測可能な中間転写体の速度変動に応じて適切な書き込み開始タイミングを決定することができる。
【0013】
また、請求項6に係る本発明の画像形成装置は、請求項1から請求項5のいずれか1項において、前記中間転写体に一度に複数枚のフルカラー画像を形成するとき、前記制御手段は、2枚目以降の画像形成において、各フルカラー画像の先頭より前のシート状記録媒体間に位置合わせ用トナー像を形成させる構成を有している。
【0014】
この構成により、中間転写体の回転ごとに、先頭画像より前の非画像領域の複数箇所で色ずれ量を検出することができるので、一度に複数枚のフルカラー画像を形成する場合も、各フルカラー画像ごとに第1色目に対する第2色目の書き込み開始タイミング、および第3色目に対する第4色目の書き込み開始タイミングをそれぞれ調整することができる。
さらに、請求項7に係る本発明のプログラムは、コンピュータを、第1および第2の画像形成ユニットの各々で、単一の像担持体に対向して配置された走査型書き込み手段に、前記像担持体を走査して潜像を形成させ、二つの現像手段の各々に前記走査型書き込み手段により形成された潜像を2色の現像剤のうち1色で現像させて、1色ごとにトナー像を形成させる画像形成制御手段、中間転写体を2回転させ、この間に第1および第2の画像形成ユニットで形成された4色のトナー像を順次重ね合わせて中間転写体に転写させ、フルカラー画像を形成させる中間転写制御手段、転写手段に前記中間転写体に形成されたフルカラー画像をシート状記録媒体に転写させる転写制御手段、前記4色のトナー像の各々に対応する前記走査型書き込み手段の書き込みタイミングを制御する書込制御手段、として機能させるためのプログラムであって、前記書込制御手段は、前記中間転写体の1回転目に、第1色目と第2色目の先頭画像より前の非画像領域に、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像を形成させ、前記中間転写体の2回転目に対応する前記走査型書き込み手段の第3色目の書き込み開始より前に、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像の色ずれ量を検出し、前記検出した色ずれ量に基づいて、中間転写体の2回転目に対応する前記走査型書き込み手段の第4色目の書き込み開始タイミングを決定するものである。
【0015】
また、請求項8に係る本発明の記録媒体は、請求項7に記載のプログラムを記録している。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、1色ごとにトナー像を形成する第1および第2の画像形成ユニットと、第1および第2の画像形成ユニットで形成された4色のトナー像を2回転で順次重ね合わせて転写し、フルカラー画像を形成するための中間転写体と、前記中間転写体に形成されたフルカラー画像をシート状記録媒体に転写する転写手段と、前記4色のトナー像の各々に相当する前記走査型書き込み手段の書き込みタイミングを制御する制御手段と、を備え、前記第1および第2の画像ユニットの各々には、単一の像担持体と、前記像担持体に対向して配置され、前記像担持体を走査して潜像を形成する走査型書き込み手段と、前記走査型書き込み手段により形成した潜像を2色の現像剤のうち1色で現像する二つの現像手段と、を備えた画像形成装置において、前記制御手段は、前記中間転写体の1回転目に、第1色目と第2色目の先頭画像より前の非画像領域に、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像を形成させ、前記中間転写体の2回転目に対応する前記走査型書き込み手段の第3色目の書き込み開始より前に、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像の色ずれ量を検出し、前記検出した色ずれ量に基づいて、前記中間転写体の2回転目に対応する前記走査型書き込み手段の第4色目の書き込み開始タイミングを決定することにより、多色を重ね合わせて多色画像を形成するときの書き込み開始位置のずれを低減し、高品質の画像が得られるという効果を有する画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態に係る画像形成装置について、図面を用いて説明する。
【0018】
本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の要部を図1に示す。
【0019】
図1において、画像形成装置100は、第1の画像形成ユニット20、第2の画像形成ユニット20′を備え、フルカラー画像を形成する画像形成部と、中間転写ベルト1(中間転写体)、転写ローラ6を備え、中間転写ベルト1上のトナー像(例えば、フルカラー画像)を不図示の転写紙P(シート状記録媒体に相当する)に転写する転写部45(図2に示す)と、転写紙Pに転写されたトナー像を加熱定着する定着装置50(図2に示す)と、定着装置50から送り出された転写紙Pを排紙トレイ53(図2に示す)に収容する排紙部と、転写部45へ転写紙Pを供給する給紙装置(不図示)と、送りローラ対43(図2に示す)などを備え、転写紙Pを前記給紙装置から転写部45へ給送する給送部と、を有する構成である。
【0020】
第1、第2の画像形成ユニット20、20′において、像担持体としてドラム状の感光体14、14′(以下、感光体ドラムという)を用い、この感光体ドラム14、14′の周りに、帯電手段15、15′、光書き込み装置(光書き込み手段に相当する)16、16′、現像手段13、13′、クリーニング手段(図示せず)などの手段を配置している。この画像形成ユニット20、20′は、中間転写ベルト1の同一移動面に沿って一定の間隔をおいて配置されている。ここで、画像の形成プロセスは、一つの画像形成ユニットに着目すれば、一般の静電記録方式に準じていて、暗中にて帯電器により一様に帯電された感光体ドラム上に光書き込み手段により、ある色の静電潜像を書き込み、この静電潜像を現像手段により可視像化して中間転写ベルトに転写するものである。各画像形成ユニットにおける現像手段について、それぞれ2つの異なる色のトナーによる可視像化機能を有するものとすると、3原色にブラックを加えて4色となるので、これらの色を各現像手段に分担すれば、フルカラー画像を形成することができる。
【0021】
したがって、中間転写ベルト上の同一画像形成領域が2つの画像形成ユニット20、20′を順次通過する間に、各画像形成ユニットによりそれぞれ1色ずつトナー像を重ねて転写するようにし、この中間転写ベルト上の2色重ねて転写された画像領域がもう一度前記2つの画像形成ユニットを順次通過する間に、各画像形成ユニットによりそれぞれ先程とは異なる色のトナー像を重ねて転写するようにすれば、前記同一画像形成領域が各画像形成ユニットを2回通過した時点で、フルカラートナー像が重ねて転写されていることとなる。このフルカラートナー像をシート状記録媒体としての転写紙に転写すれば、転写紙上にフルカラー画像を得ることができる。この転写紙上のトナー像を定着手段により定着して、転写紙上にフルカラーの最終画像を得ることができる。
【0022】
この画像形成装置100は、中間転写ベルト1の回転に同期して、高速なプリント出力を得ることを可能とするもので、像担持体としての感光体ドラム14、14′、光書き込み装置16、16′としてLEDと集束性光伝送体とを組み合わせたものを用いているが、この変形応用例として、像担持体として無端ベルト状のものを使用してもよいし、光書き込み手段としてレーザ光源を使用してもよい。さらに、像担持体として、感光体に限られるものではなく、光以外の作用だけで潜像を形成し得る媒体、また、そのような像担持体に光以外の作用により電気的磁気的な変化を与え得る書き込み手段を使用することもできる。例えば、感光体ドラムに代えて磁気的な記録ドラムを用いるタイプの場合には、光書き込み手段に代えて磁気的な書き込み手段を用いる。
【0023】
このように、像担持体に少なくともA色、B色、C色の三原色のトナー像を形成し、これらのトナー像を中間転写ベルトに転写し、この中間転写ベルト1上のカラー画像を転写手段(図2の45に相当する)により転写紙Pに転写する画像形成方法を実現するため、感光体ドラム14、14′、帯電手段15、15′、現像手段13、13′をそれぞれ有する第1の画像形成手段10および第2の画像形成手段10′が、矢印aの向きに走行する中間転写ベルト1の同一移動面に沿って一定の間隔を置いて配置されている。この構成により、中間転写ベルト1上にトナー像を転写し、中間転写ベルト1上に得られたカラー画像を転写手段で転写紙Pに転写する。第1の画像形成手段10は第1の画像形成ユニット20に、第2の画像形成手段10′は第2の画像形成ユニット20′にそれぞれ配置されている。双方の画像形成手段10、10′は、同一構成を有し、電子写真方式でトナー像を形成する。
【0024】
また、中間転写体としての中間転写ベルト1は、エンドレスベルトであり、図中、矢印方向に回転自在に支持された各軸(図示せず)に取り付けられた駆動ローラ2と、従動ローラ3とに掛け渡され張設されていて、矢印aで示す回転方向に回転駆動されるようになっている。この中間転写ベルト1の上面の、回転方向aと直交する幅方向の一端側の非画像形成領域には、矢印aで示す回転方向に沿って中間転写ベルト1上の基準位置となるマークMが設けられている。
【0025】
マークMは、単一のものが設けられる場合あるいは複数のものが設けられる場合がある。マークMは、ライン状をなしていて、この部分のみ他の部分と比べて、光をよく反射するようになっている。マークMの通過領域の上方には、検出手段としてのマーク検出センサ5が支持部材(不図示)に支持されて所定位置に固設されている。また、詳細に図示していないが、マーク検出センサ5は、LEDなどの発光素子からなる発光器と、ホトセンサなどの受光素子からなる受光器との対からなる。なお、マーク検出センサ5の前記以外の細部構成は、例えば、特開2000−305417号公報の図2から図4に記載されている検出手段(5)に相当し、公知のものであるため、これ以上の説明を省略する。前記発光器から出た光が中間転写ベルト1と共に移動しているマークMにより反射されると、その反射光が受光器で受光され、後述する制御手段(図4に示す)によりマークMの検出、制御が行われる。
【0026】
前述の画像形成装置100の詳細な構成を図2に示す。
【0027】
図2において、中間転写ベルト1は、テンションローラ60により最適の張力が付与されている。中間転写ベルト1の下側走行面には、中間転写ベルト1の走行方向に沿って、前述の第1の画像形成手段10を包含する第1の画像形成ユニット20と、第2の画像形成手段10′を包含する第2の画像形成ユニット20′とが所定の間隔をおいて配置されている。また、中間転写ベルト1は、画像形成装置100に使用される最大サイズの転写紙Pの移動方向の長さよりも非画像形成領域分だけ長いものである。
【0028】
第1の画像形成ユニット20において、像担持体としての感光体ドラム14の周りには、矢印で示す回転方向順に、感光体ドラム14の表面を一様に帯電するブラシ状の帯電手段15と、感光体ドラム14の帯電表面に静電潜像を光書き込みする光書き込み手段16と、静電潜像(以下、単に「潜像」という)をトナーで現像する現像手段13と、感光体ドラム14をクリーニングするクリーニング手段21とが配置されている。現像手段13は、C色用の現像器11とA色用の現像器12とからなる。現像器11と現像器12とは所定の切替手段により択一的に切り替えて駆動することができる。
第1の画像形成ユニット20と同様に、第2の画像形成ユニット20′において、像担持体としての感光体ドラム14′の周りには、矢印で示す回転方向順に、帯電手段15′と、光書き込み装置16′と、現像手段13′と、クリーニング手段31とが配置されている。現像手段13′は、B色用の現像器11′とD色用の現像器12′とからなる。A色はシアン、B色はマゼンタ、C色はイエロー、D色はブラックである。現像器11′と現像器12′とは、所定の切替手段(不図示)により択一的に切り替えて駆動することができる。第2の画像形成ユニット20′は、第1の画像形成ユニット20と同じ姿勢で装置本体に装着されている。
【0029】
第1の画像形成ユニット20における感光体ドラム14と、第2の画像形成ユニット20′における感光体ドラム14′とは、形状、大きさ、材質など全く同じものが使用されていて、部品の共通化が図られている。感光体ドラム14と感光体ドラム14′とは、同じ周速度で回転駆動される。
また、画像形成ユニット20、20′は、装置本体に対し、それぞれ着脱自在に設けられている。感光体ドラム14、14′の回転は中間転写ベルト1の走行と同期しており、その周速度は、中間転写ベルト1の走行速度と一致するように定められている。帯電手段15、15′に代えて、コロナ放電器またはローラによる帯電手段を採用することができる。
【0030】
現像器11、12、11′、12′は、2成分現像剤を使用している。A色用の現像器12はシアントナーおよびキャリアを、B色用の現像器12′はイエロートナーおよびキャリアを、C色用の現像器11はマゼンタトナーおよびキャリアを、D色用の現像器11′はブラックトナーおよびキャリアをそれぞれ収容しており、帯電手段15、15′と光書き込み装置16、16′とにより、周知の方法で形成された感光体ドラム14、14′上の潜像を、現像ローラ32、33、34、35により現像する。これらの現像ローラ32、33、34、35は、それぞれが現像手段であって、固定磁石の周りを非磁性のスリーブを回転させる形式のものを使用した磁気ブラシ現像方式を採用している。また、現像器11、12、11′、12′は、それぞれ現像剤撹拌器であるパドルやトナー補給器である搬送スクリュー等を具備する同様の構成を有し、例えば、特開平8−160697号公報に記載された周知のカラー現像器を採用することができる。
搬送スクリュー4C、4M、4Y、4Kは、羽根を螺旋状に巻いたような構造を有している。パドル8C、8M、8Y、8Kは、現像剤の撹拌機能と搬送機能を持たせるために、螺旋状の羽根9Mと、8枚の放射状の板を有している。パドル8Cと搬送スクリュー4Cとは、それぞれ回転により軸方向上互いに逆向きに現像剤を搬送し、現像ローラ32の軸長手方向上に均等に現像剤を分布させる。他のパドル8M、8Y、8Kと搬送スクリュー4M、4Y、4Kも、前記と同様である。
【0031】
感光体ドラム14、14′には、転写用のバイアス電圧が印加される転写装置としての第1の転写ブラシ41および第2の転写ブラシ42が、中間転写ベルト1を挟んでそれぞれ接離自在に、また従動ローラ3には、転写用のバイアス電圧を印加される転写ローラ6が、中間転写ベルト1を介して接離自在にそれぞれ設けられている。なお、第1、第2の転写ブラシ41、42に代えて転写ローラまたはコロナ放電器を使用することができる。
また、感光体ドラム14、14′は、通常、中間転写ベルト1から下方に僅かに離れており、また第1の転写ブラシ41および第2の転写ブラシ42は、中間転写ベルト1から上方に僅かに離れており、各感光体ドラム14、14′上のトナー像を中間転写ベルト1に転写する工程で、第1の転写ブラシ41および第2の転写ブラシ42により中間転写ベルト1を感光体ドラム14および感光体ドラム14′に接触させる。
従動ローラ3と転写ローラ6は、カラー画像の転写部45を構成している。ここで、転写ローラ6に代えて、コロナ放電器または転写ブラシによる転写手段を採用することができる。駆動ローラ2には中間転写ベルト1の表面に残存するトナーを除去するクリーニング装置61が接離自在に設けられている。
【0032】
ここで、フルカラー画像の形成に際しては、第1の画像形成手段10、第2の画像形成手段10′により中間転写ベルト1上に、順次トナー像を形成し、中間転写ベルト1上に得られたカラー画像を転写ローラ6で転写紙Pに転写する。画像形成手段10、10′における感光体ドラム14、14′の回転は、中間転写ベルト1の回転による走行と同期しており、その周速度は中間転写ベルト1の走行速度と一致するように定められている。感光体ドラム14、14′は通常、中間転写ベルト1から僅かに離れていて、これらの感光体ドラム14、14′上のトナー像を中間転写ベルト1に転写する工程で、第1の転写ブラシ41、第2の転写ブラシ42により中間転写ベルト1が感光体ドラム14、14′に接触させられる。中間転写ベルト1上に転写されたトナー像は転写装置を構成する転写ローラ6により転写紙Pに転写される。
【0033】
また、第1、第2の画像ユニット20、20′の下方には、積載された転写紙Pを一枚ずつ送り出す給紙装置(不図示)が配置される。この給紙装置から送り出された一枚の転写紙Pは、送りローラ対43と、一対のレジストローラ44によって転写部45に給送される。転写部45の斜め上方には、定着装置50が配置されている。この定着装置50は、矢印bの向きに回転駆動される加熱ローラ47と、この加熱ローラ47に圧接して回転する加圧ローラ48とからなる。加熱ローラ47には、この加熱ローラ47の表面にオフセット防止液を塗布するローラ51が必要に応じて当接し、また、転写紙剥離用の爪52を接触させている。
また、定着装置50の下流側には、定着装置50から送り出される転写紙Pを排紙トレイ53上に送り出す排紙ローラ対54が配置されている。ここで、排熱用の排気ファン55は、排紙トレイ53の下位に収められる電装部品(不図示)が定着装置50の熱の影響で加熱されるのを防止している。
【0034】
以上の構成により、最終的にA色、B色、C色、D色のカラー画像(トナー像)が中間転写ベルト1に形成される頃に、給紙部(不図示)から送り出された転写紙Pに、転写部45でカラー画像が転写され、定着される。カラー画像の転写が終わると、クリーニング装置61によって中間転写ベルト1上の残存トナーの除去が行われる。
【0035】
ここで、前述の光書き込み装置16、16′の詳細な構成を図3に示す。ここでは、レーザ走査光学系を用いている。
【0036】
図3において、光書き込み装置16、16′は、光ビーム(レーザビーム)を出射する光源161、161′と、光ビームを平行光線束とするコリメートレンズ165、165′と、光ビームで感光体ドラム14、14′を走査するための回転多面鏡162、162′と、回転多面鏡162、162′で偏向反射された光ビームを絞り込むための結像レンズ163、163′と、結像レンズ163、163′を透過した光ビームを検出する主走査同期信号検出センサ(受光素子に相当する)164、164′と、を有する構成である。
【0037】
光源161、161′は、変調手段(不図示)によりシアン、イエロー、マゼンタ、ブラックの各色の画像情報に応じて順次変調され、シアン、イエロー、マゼンタ、ブラックの各色のレーザビームを出射する。この光源161、161′からのレーザビームは、コリメートレンズ165、165′によりコリメートされた後、走査手段としての回転多面鏡162、162′によりその偏向反射面で偏向される。この回転多面鏡162、162′は、駆動手段(不図示)により回転駆動されることにより、レーザビームを主走査方向に繰り返して走査することを可能としている。回転多面鏡162、162′からのレーザビームは結像レンズ163、163′により絞り込まれて感光体ドラム14、14′上にレーザスポットとして結像される。このレーザスポットは、回転多面鏡162、162′が前記駆動手段により回転駆動されることで、感光体ドラム14、14′を主走査方向に繰り返して走査して感光体ドラム14、14′上に静電潜像を形成するものである。
【0038】
ここで、主走査同期信号発生手段としての主走査同期信号検出センサ164、164′は、レーザビーム走査範囲内における画像範囲外に配置され、回転多面鏡162、162′からのレーザビームを受光してこれを検出し、主走査方向の記録開始位置(横レジスト)を決定する主走査同期信号を発生する。一方、副走査方向の画像形成開始位置を決定する副走査方向の画像形成開始信号は、前述のマーク検出センサ5が中間転写ベルト1上に設けられたマークMを検出したことにより発生するものである。主走査同期信号検出センサ164、164′からの主走査同期信号およびマーク検出センサ5からの副走査方向の画像形成開始信号は、後述する図3のCPU(中央演算処理装置)80に送られ、CPU80は、主走査同期信号検出センサ164、164′からの主走査同期信号およびマーク検出センサ5からの副走査方向の画像形成開始信号に従い、感光体ドラム14、14′に対する光書き込みを行うように光書き込み装置16、16′を制御する。
【0039】
前述した画像形成装置100の制御系の構成を図4に示す。
図4において、画像形成装置100の制御手段70は、不図示のI/O(入出力)ポートと、画像形成に関する制御プログラム(動作プログラム)や各種データを記憶したROM(読み出し専用記憶装置)86と、ROM86に記憶された制御プログラムに従い、色ずれ量判定手段81の処理を含む各種の処理を実行するCPU80と、外付けされたタイマ90と、ROM86に記憶された制御プログラムをCPU80で実行するときの一時記憶手段として用いられる不揮発性のRAM(記憶保持動作が可能で読み書き可能な記憶装置)85と、を有し、これらが信号バス(不図示)によって接続された構成を有するマイクロコンピュータを具備している。
【0040】
ここで、色ずれ量判定手段81は、色ずれ量検出センサ7により検出された、例えば、第1色目の位置合わせ調整用のトナー像と第2色目の位置合わせ調整用のトナー像の色ずれ量を算出する。なお、色ずれ量の計算方法としては、例えば特公平7−19084号公報(第2頁、第3頁、第3図など)に記載されたものを適用してもよい。ここでは、転写ベルト上に転写された第1のパターン像(位置合わせ調整用のトナー像に相当する)を反射型センサで検知し、この反射型センサの信号に基づいてカウンタがカウントを開始し、この後、第2のパターン像を前記反射型センサで検知するとカウントを停止する。ここで、得られたカウント値と予め設定された設定値との差をずれ量(色ずれ量に相当する)として算出している。この色ずれ量に基づいて、色ずれ量判定手段81(またはCPU80)は、例えば第1色目のトナー像と、第2色目のトナー像が重なり合うような、感光体ドラム14、14′への第2色目の光書き込み開始タイミング、すなわち、第1色目の光書き込み開始から第2色目の光書き込み開始までの時間を、例えば中間転写ベルト1の所定時間当たりの駆動量に基づいて算出する。このほかに、色ずれ量判定手段81は、前述のように算出した色ずれ量(または、第1色目の光書き込み開始から第2色目の光書き込み開始までの時間)と、予め設定された所定の許容範囲(数値範囲)とを比較し、前記色ずれ量が前記所定の範囲にあるか否かを判断する(例えば、後述する図8のステップS711に相当する)。
【0041】
制御手段70は、装置本体内の制御基板配置部に設けられている。ここで、制御手段70は、画像形成装置100の主として画像書き込み時の動作を制御する他、画像形成装置100全般の動作も制御している。また、制御手段70には、画像形成装置100に対する画像形成条件等を指示する操作スイッチ、キー等を具備した操作パネル22や、マーク検出センサ5、主走査同期信号検出センサ164、164′からの情報(信号)が入力されるようになっている。また、制御手段70は、第1の画像形成手段10および第2の画像形成手段10′、その他の被制御対象23に対して画像形成に必要な制御上の情報(制御信号)を出力する。ここで、画像形成装置100が所定のインタフェースを介してホストコンピュータ(例えば、パーソナルコンピュータ)に接続されているとき、制御手段70は、前記ホストコンピュータからのプリント指示信号に基づいて画像形成に必要な制御信号を出力する。なお、中間転写ベルト1に替えてドラム状の中間転写ドラムが使用される場合には、中間転写ベルト駆動系40に代えて中間転写ドラム駆動系に対して制御信号が出力されることになる。
【0042】
タイマ90は、いわゆる外部タイマ90であって、マーク検出センサ5によるマークMの検出時に初期化、すなわちリセットされて経過時間のカウントを開始するカウント手段としてのカウンタ機能を有する。このカウンタ機能は、外部タイマ90に限らず、CPU80内に備えられているいわゆる内部タイマに設けてもよいし、あるいは外部タイマと内部タイマとに適宜分担させてもかまわない。
また、CPU80は、操作パネル22からの各種信号、マーク検出センサ5からのマーク検出信号、主走査同期信号検出センサ114からの主走査同期信号およびROM86から呼び出された動作プログラムに基づいて、第1、第2の画像形成手段10、10′、中間転写ベルト駆動系40およびその他の被制御対象23の作動等を制御し、画像形成装置100全体の動作を制御する。
【0043】
また、ROM86には、前述のように画像形成装置100全体の動作プログラムや必要なデータ等が記憶されており、この動作プログラムはCPU80によって適宜呼び出される。また、RAM85は、CPU80の計算結果を一時的に記憶および保持する機能、操作パネル22からの各種信号、マーク検出センサ5からのマーク検出信号、主走査同期信号検出センサ114からの主走査同期信号およびオン/オフ信号を随時記憶する機能等を有している。
【0044】
以上のように構成された画像形成装置100について、図5を用いてその動作を説明する。
ここで、制御手段70は、ホストコンピュータ(不図示)からプリント指示信号を受けると、指令信号を出力して、画像形成装置100にプリント開始を指令する。この指令により、第1、第2の画像形成手段10、10′、中間転写ベルト駆動系40が駆動され、ここで感光体ドラム14、14′および中間転写ベルト1が駆動する(ステップS1)。中間転写ベルト1が駆動されると、マークMがマーク検出センサ5で検出されてマーク検出信号がCPU80に出力される。第1、第2の画像形成手段10、10′は、中間転写ベルト1の周速度が定速に達した後に最初に検出されるマーク検出信号を基準として、画像形成動作を開始する。中間転写ベルト1の周速度の定速への到達は、予め定速到達時間を求めておいて、中間転写ベルト1の駆動時間を計測することで判断する(ステップS2)という公知の制御方法が用いられる。
【0045】
さらに、中間転写ベルト1上に設けられているマークMをマーク検出センサ5で検出したタイミングで(ステップS3)、第1の画像形成手段10により第1色目のA色の画像形成を開始し、中間転写ベルト1の画像領域に、第1色目のA色のトナー像を形成する。具体的には、第1の画像形成手段10において、光書き込み装置16により、第1色目のA色の光書き込みが開始され、感光体ドラム14に潜像が形成される。この潜像を現像手段13の現像器12で現像し、感光体ドラム14上に第1色目のA色のトナー像を形成する。このトナー像は、中間転写ベルト1に転写され、中間転写ベルト1上に、第1色目のA色のトナー像が形成される。
【0046】
ここでは、まず、感光体ドラム14において、前記A色のトナー像より前に位置合わせ調整を行うための第1色目のトナー像を形成し(ステップS4、S5)、この位置合わせ調整用のトナー像(「位置合わせ用トナー像」に相当する)を中間転写ベルト1において先頭画像(前記A色のトナー像に相当する)が形成される所定の画像領域(画像部)より前の非画像領域に転写する(ステップS6)。続いて、感光体ドラム14において、フルカラー印刷用の第1色目のトナー像を形成し(ステップS7、S8)、このフルカラー印刷用のトナー像を中間転写ベルト1の所定の画像領域に転写する(ステップS9)。すなわち、中間転写ベルト1に2種類のトナー像が順次、転写されることになる。なお、第1色目のA色の潜像の現像が終了すると、現像器12を現像器11に切り替えて第3色目のC色の現像に備える。
【0047】
次に、中間転写ベルト1の画像領域に形成した第1色目のA色のトナー像に重なり合うようなタイミングで、第2の画像形成手段10′において、光書き込み装置16′により第2色目のB色の光書き込みが開始され、感光体ドラム14′に潜像が形成される。この潜像を現像手段13′の現像器12′で現像し、感光体ドラム14′上に第2色目のB色のトナー像を形成する。このトナー像は、第1色目のA色のトナー像上に重なり合うように、中間転写ベルト1に転写され、中間転写ベルト1の画像領域に、第1色目のA色と、第2色目のB色の合成トナー像が形成される。
ここでは、前述したマークMの検出から所定時間経過後に(ステップS10)、まず、感光体ドラム14′において、位置合わせ調整を行うための第2色目のB色のトナー像を形成し(ステップS11、S12)、中間転写ベルト1における第2色目の先頭画像より前の非画像領域に位置合わせ調整用のトナー像を転写する(ステップS13)。続いて、感光体ドラム14′において、フルカラー印刷用の第2色目のB色のトナー像を形成し(ステップS14、S15)、このフルカラー印刷用のトナー像を中間転写ベルト1における画像領域に転写する(ステップS16)。なお、光書き込みのタイミングを決める前記所定時間は、予め例えばRAM85またはROM86に設定されている。また、第2色目のB色の潜像の現像が終了すると、現像器12′を現像器11′に切り替えて第4色目のD色の現像に備える。
【0048】
次に、色ずれ量検出センサ7により、第1色目の位置合わせ調整を行うためのトナー像と、第2色目の位置合わせ調整を行うためのトナー像を検出し(ステップS17)、双方の色ずれ量を算出する(ステップS18)。この色ずれ量に基づいて、第1色目のトナー像と、第2色目のトナー像が重なり合うような、第2色目の光書き込み開始タイミング、すなわち、第1色目の光書き込み開始から第2色目の光書き込み開始までの時間を算出する。この時間は例えばRAM85に記憶される。なお、ステップS18の処理は、CPU81の色ずれ量判定手段81により行われる。
【0049】
この後、中間転写ベルト1が1周して2回転目に再びマークMがマーク検出センサ5で検出されると(ステップS20)、第1の画像形成手段10において、光書き込み装置16により第3色目のC色の光書き込みが開始され、感光体ドラム14に潜像が形成される(ステップS21)。この潜像を現像手段13の現像器11で現像し(ステップS22)、感光体ドラム14にフルカラー印刷用の第3色目のC色のトナー像を形成する。このトナー像は、中間転写ベルト1の画像領域に転写され(ステップS23)、中間転写ベルト1の画像領域には、第1色目のA色と第2色目のB色と第3色目のC色のフルカラー印刷用の合成トナー像が形成される。
【0050】
次に、中間転写ベルト1の2回転目にマークMがマーク検出センサ5で検出されてから、中間転写ベルト1回転目のステップS18で算出した、第1色目の光書き込み開始から第2色目の光書き込み開始までの時間と同じ時間をおいたタイミングで(ステップS24)、第2の画像形成手段10′において、光書き込み手段16′により第4色目のD色の光書き込みが開始され、感光体ドラム14′に潜像が形成される(ステップS25)。
【0051】
続いて、現像手段13′の現像器11′で前記潜像を現像し(ステップS26)、感光体ドラム14′上に第4色目のD色のトナー像を形成する。このトナー像は、第1色目のA色と第2色目のB色と第3色目のC色の合成トナー像上に重なり合うように、中間転写ベルト1の画像領域に転写され(ステップS27)、中間転写ベルト1の画像領域には、第1色目のA色と第2色目のB色と第3色目のC色と第4色目のD色のフルカラー印刷用のフルカラートナー像が形成される。
【0052】
この後、中間転写ベルト1に形成されたフルカラー画像(フルカラートナー像)を前記転写部45で転写紙Pに転写し、さらに定着装置50で定着することになる。
このような本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置100によれば、制御手段70は、中間転写ベルト1の1回転目に、第1色目と第2色目の画像領域の先頭(先頭画像に相当する)より前の非画像領域に、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像(位置合わせ調整用トナー像)を形成させ(ステップS4〜S6、ステップS11〜S13)、中間転写ベルト1の2回転目における第3色目の光書き込み開始より前に、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像の色ずれ量を検出し(ステップS18)、前記検出した色ずれ量に基づいて、中間転写ベルト1の2回転目における第4色目の光書き込み開始タイミングを決定する(ステップS24)制御手段として機能する。この構成は、請求項1に係る本発明の実施の一形態に相当する。
【0053】
前述の機能により、第1の画像形成ユニット20と第2の画像形成ユニット20′で形成されるフルカラー印刷用のトナー像を中間転写ベルト1の回転ごとに(すなわち2色の画像形成ごとに)、光書き込み手段16′による光書き込み開始タイミングを調整しながら中間転写ベルト1上に形成することができる。すなわち、画像の作像中に所定の動作ごと(中間転写ベルト1の回転ごと)に、第1色目の位置合わせ調整用のトナー像と、第2色目の位置合わせ調整用のトナー像の色ずれ量を算出するという簡易かつ短時間で済む方法で色ずれ調整を行い、高品位なフルカラー画像が得られる。
【0054】
次に、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置の動作を図6、図7に示す。ここで、画像形成装置の構成は第1の実施形態と同様であるため、図1から図4を用いると共に同一構成には同一符号を付与して説明を省略する。
【0055】
第1の実施形態を適用し、制御手段70は、ホストコンピュータ(不図示)からプリント指示信号を受けると、指令信号を出力して、画像形成装置100にプリント開始を指令する。この指令により、第1、第2の画像形成手段10、10′、中間転写ベルト駆動系40が駆動され、マークMがマーク検出センサ5で検出されると、第1の画像形成手段10により感光体ドラム14において第1色目のA色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第1色目の先頭画像より前の非画像領域に位置合わせ調整を行うためのトナー像を形成し、さらに位置合わせ調整用のトナー像より後の所定の画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS1〜S9)。
【0056】
次いで、前記マークMの検出から所定時間経過後に、制御手段70の制御により、第2の画像形成手段10′の感光体ドラム14′において第2色目のB色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第2色目の先頭画像より前の非画像領域に位置合わせ調整を行うためのトナー像を形成し、さらに位置合わせ調整用のトナー像より後の画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS10〜S16)。なお、光書き込みのタイミングを決める前記所定時間は、予め例えばRAM85またはROM86に設定されている。
【0057】
次いで、色ずれ量検出センサ7により、第1色目の位置合わせ調整用のトナー像と、第2色目の位置合わせ調整用のトナー像が検出されると(ステップS17)、制御手段70は、色ずれ量判定手段81によって双方の色ずれ量を算出する(ステップS18)。この色ずれ量に基づいて、第1色目のフルカラー印刷用のトナー像と、第2色目のフルカラー印刷用のトナー像が重なり合うような、第2色目の光書き込み開始タイミング、すなわち、第1色目の光書き込み開始(マーク検出)から第2色目の光書き込み開始までの時間を算出する。この時間は例えばRAM85に記憶される。
【0058】
この後、中間転写ベルト1が1周して2回転目に再びマークMがマーク検出センサ5で検出されると(ステップS20)、このタイミングで制御手段70の制御により、第1の画像形成手段10の感光体ドラム14において第3色目のC色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第3色目の先頭画像より前の非画像領域に位置合わせ調整用のトナー像を形成し(ステップS31〜S33)、さらに位置合わせ調整用のトナー像より後の画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS21〜S23)。
【0059】
次いで、再びマーク検出センサ5でマークMが検出されてから所定時間経過後(ステップS24)、制御手段70の制御により、第2の画像形成手段10′の感光体ドラム14′において第4色目のD色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第4色目の先頭画像より前の非画像領域に位置合わせ調整用のトナー像を形成し(ステップS34〜S36)、さらに位置合わせ調整用のトナー像より後の画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS25〜S27)。なお、光書き込みのタイミングを決める前記所定時間は、ステップS18の色ずれ量算出処理に基づいて例えばRAM85に設定されたものである。
【0060】
次いで、色ずれ量検出センサ7により、第3色目の位置合わせ調整用のトナー像と、第4色目の位置合わせ調整用のトナー像が検出されると(ステップS37)、制御手段70は、色ずれ量判定手段81によって双方の色ずれ量を算出する(ステップS38)。この色ずれ量に基づいて、第3色目のトナー像と、第4色目のトナー像が重なり合うような、第4色目の光書き込み開始タイミング、すなわち、第3色目の光書き込み開始から第4色目の光書き込み開始までの時間を算出する。この時間は例えばRAM85に記憶される。
【0061】
この後、中間転写ベルト1が1周して3回転目に再びマークMがマーク検出センサ5で検出されると(ステップS40)、このタイミングで制御手段70の制御により、第1の画像形成手段10の感光体ドラム14において第1色目のA色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第1色目の先頭画像より前の非画像領域に位置合わせ調整用のトナー像を形成し(ステップS41〜S43)、さらに位置合わせ調整用のトナー像より後の画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS44〜S46)。
【0062】
次いで、3回転目に再びマーク検出センサ5でマークMが検出されてから所定時間経過後(ステップS47)、制御手段70の制御により、第2の画像形成手段10′の感光体ドラム14′において第2色目のB色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第2色目の先頭画像より前の非画像領域に位置合わせ調整用のトナー像を形成し、さらに位置合わせ調整用のトナー像より後の画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS48〜S53)。なお、光書き込みのタイミングを決める前記所定時間は、ステップS18の色ずれ量算出処理に基づいて例えばRAM85に設定されたものである。
【0063】
次いで、色ずれ量検出センサ7により、第1色目の位置合わせ調整用のトナー像と、第2色目の位置合わせ調整用のトナー像が検出されると(ステップS54)、制御手段70は、色ずれ量判定手段81によって双方の色ずれ量を算出する(ステップS55)。この色ずれ量に基づいて、第1色目のトナー像と、第2色目のトナー像が重なり合うような、第2色目の光書き込み開始タイミング、すなわち、第1色目の光書き込み開始から第2色目の光書き込み開始までの時間を算出する。この時間は、ステップS18の色ずれ量算出処理に基づいて例えばRAM85に設定されたものに上書きされ、更新される。
【0064】
この後、中間転写ベルト1が1周して4回転目に再びマークMがマーク検出センサ5で検出されると(ステップS57)、このタイミングで制御手段70の制御により、第1の画像形成手段10の感光体ドラム14において第3色目のC色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第3色目の先頭画像より前の非画像領域に位置合わせ調整用のトナー像を形成し(ステップS58〜S60)、さらに位置合わせ調整用のトナー像より後の画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS61〜S63)。
【0065】
次いで、4回転目に再びマーク検出センサ5でマークMが検出されてから所定時間経過後(ステップS64)、制御手段70の制御により、第2の画像形成手段10′の感光体ドラム14′において第4色目のD色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第4色目の先頭画像より前の非画像領域に位置合わせ調整用のトナー像を形成し、さらに位置合わせ調整用のトナー像より後の画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS65〜S70)。こうして、中間転写ベルト1上の所定の画像領域に、第1色目のA色と、第2色目のB色と、第3色目のC色と、第4色目のD色のフルカラー印刷用の合成トナー像が形成される。なお、光書き込みのタイミングを決める前記所定時間は、ステップS38の色ずれ量算出処理に基づいて例えばRAM85に設定されたものである。
【0066】
次いで、色ずれ量検出センサ7により、第3色目の位置合わせ調整用のトナー像と、第4色目の位置合わせ調整用のトナー像が検出されると(ステップS71)、制御手段70は、色ずれ量判定手段81によって双方の色ずれ量を算出する(ステップS72)。この色ずれ量に基づいて、第3色目のトナー像と、第4色目のトナー像が重なり合うような、第4色目の光書き込み開始タイミング、すなわち、第3色目の光書き込み開始から第4色目の光書き込み開始までの時間を算出する。この時間は、ステップS38の色ずれ量算出処理に基づいて例えばRAM85に設定されたものに上書きされ、更新される。
この後、中間転写ベルト1に形成されたフルカラー画像(フルカラートナー像)を前記転写部45で転写紙Pに転写し、さらに定着装置50で定着することになる。
【0067】
なお、さらに連続して印刷を行うときは、前述した中間転写ベルト1の3回転目と4回転目の画像形成動作を繰り返すことになる。
【0068】
このような本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置100によれば、中間転写ベルト1に複数回繰り返してフルカラー画像を形成するとき、制御手段70は、中間転写ベルト1の1回転目に、第1色目と第2色目の画像領域の先頭(先頭画像に相当する)より前の非画像領域に、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像(位置合わせ調整用トナー像)を形成させ(ステップS4〜S6、ステップS11〜S13)、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像の色ずれ量を検出し(ステップS18)、前記検出した色ずれ量に基づいて、中間転写ベルト1の3回転目の第2色目の光書き込み開始タイミングを決定し(ステップS47)、中間転写ベルト1の2回転目に、第3色目と第4色目の画像領域の先頭より前の非画像領域に、第3色目と第4色目の位置合わせ用トナー像を形成させ(ステップS31〜S33、ステップS34〜S36)、第3色目と第4色目の位置合わせ用トナー像の色ずれ量を検出し(ステップS38)、前記検出した色ずれ量に基づいて、中間転写ベルト1の4回転目の第4色目の光書き込み開始タイミングを決定する(ステップS64)制御手段として機能する。この構成は、請求項2に係る本発明の実施の一形態に相当する。
【0069】
前述の機能により、第1の画像形成ユニット20と第2の画像形成ユニット20′で形成されるトナー像(位置合わせ調整用のトナー像、フルカラー印刷用のトナー像)を中間転写ベルト1の同一色を形成する回転ごとに、光書き込み開始タイミングを調整しながら中間転写ベルト1上に形成することができる。すなわち、画像作像中の2色のトナー像形成ごと(「第1色と第2色の位置合わせ調整用のトナー像が検出されるごと」、および「第3色と第4色の位置合わせ調整用のトナー像が検出されるごと」に相当する)に、色ずれ量算出処理に基づいて光書き込み開始タイミングを調整するという簡易かつ短時間で済む方法で色ずれ調整を行いながら、高品位なフルカラー画像が得られる。
【0070】
次に、本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置の動作を図8、図9に示す。ここで、画像形成装置の構成は第1の実施形態と同様であるため、図1から図4を用いると共に同一構成には同一符号を付与して説明を省略する。
【0071】
第1の実施形態を適用し、制御手段70は、ホストコンピュータ(不図示)からプリント指示信号を受けると、指令信号を出力して、画像形成装置100にプリント開始を指令する。この指令により、第1、第2の画像形成手段10、10′、中間転写ベルト駆動系40が駆動され、マークMがマーク検出センサ5で検出されると、第1の画像形成手段10により感光体ドラム14において第1色目のA色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第1色目の先頭画像より前の非画像領域に位置合わせ調整を行うためのトナー像を形成し、さらに画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS1〜S9)。
【0072】
次いで、前記マークMの検出から所定時間経過後に、制御手段70の制御により、第2の画像形成手段10′の感光体ドラム14′において第2色目のB色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第2色目の先頭画像より前の非画像領域に位置合わせ調整用のトナー像を形成し、さらに画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS10〜S16)。なお、光書き込みのタイミングを決める前記所定時間は、予め例えばRAM85またはROM86に設定されている。
【0073】
次いで、色ずれ量検出センサ7により、第1色目の位置合わせ調整用のトナー像と、第2色目の位置合わせ調整用のトナー像が検出されると(ステップS17)、制御手段70は、色ずれ量判定手段81によって双方の色ずれ量を算出する(ステップS18)。この色ずれ量に基づいて、第1色目のトナー像と、第2色目のトナー像が重なり合うような、第2色目の光書き込み開始タイミング、すなわち、第1色目の光書き込み開始から第2色目の光書き込み開始までの時間を算出する。この時間は例えばRAM85に記憶される。
【0074】
次いで、制御手段70は色ずれ量判定手段81によって、前述の色ずれ量(または、この色ずれ量に基づいて算出された、第1色目の光書き込み開始から第2色目の光書き込み開始までの時間)が、所定の許容範囲にあるか否かを判断する(ステップS711)。ここで、所定の許容範囲は、予め例えばRAM85またはROM86に設定されている。あるいは、後述の設定手段によって設定されたものが、例えばRAM85に記憶されている。
【0075】
ここで、所定の許容範囲にある場合(ステップS711のYES)、中間転写ベルト1が1周して2回転目に再びマークMがマーク検出センサ5で検出されると(ステップS20)、このタイミングで制御手段70の制御により、第1の画像形成手段10の感光体ドラム14において第3色目のC色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第3色目の画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS21〜S23)。
【0076】
次いで、再びマーク検出センサ5でマークMが検出されてから所定時間経過後(ステップS24)、制御手段70の制御により、第2の画像形成手段10′の感光体ドラム14′において第4色目のD色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第4色目の画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS25〜S27)。なお、光書き込みのタイミングを決める前記所定時間は、予め例えばRAM85またはROM86に設定されている。
【0077】
一方、1回転目の色ずれ量算出処理(ステップS18)で算出された色ずれ量(または、この色ずれ量に基づいて算出された、第1色目の光書き込み開始から第2色目の光書き込み開始までの時間)が、所定の許容範囲にない場合(ステップS711のNO)には、制御手段70の制御により、第1の画像形成手段10、第2の画像形成手段10′による第1色目のA色、第2色目のB色の光書き込みを中止し(ステップS721)、クリーニング手段61によって中間転写ベルト1上に形成された第1色目のA色のトナー像と第2色目のB色のトナー像を消去する(ステップS73)。
【0078】
この後、再びマークMがマーク検出センサ5で検出されると(ステップS74)、第1の画像形成手段10により感光体ドラム14において第1色目のA色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第1色目の先頭画像より前の非画像領域に位置合わせ調整用のトナー像を形成し、さらに位置合わせ調整用のトナー像より後の画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS75〜S80)。この一連の処理は、前述のステップS4〜S9に相当する。ここでは、画像サイズ、マーク検出位置などの関係により、2回転目あるいは3回転目で再びマークMが検出される場合がある。
【0079】
次いで、前記マークMの検出から所定時間経過後に(ステップS81)、制御手段70の制御により、第2の画像形成手段10′の感光体ドラム14′において第2色目のB色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第2色目の先頭画像より前の非画像領域に位置合わせ調整用のトナー像を形成し、さらに画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS82〜S87)。この一連の処理は、前述のステップS10〜S16に相当する。なお、光書き込みのタイミングを決める前記所定時間は、ステップS18の色ずれ量算出処理に基づいて例えばRAM85に設定されたものである。
【0080】
次いで、色ずれ量検出センサ7により、第1色目の位置合わせ調整用のトナー像と、第2色目の位置合わせ調整用のトナー像が検出されると(ステップS88)、制御手段70は、色ずれ量判定手段81によって双方の色ずれ量を算出する(ステップS89)。この色ずれ量に基づいて、第1色目のトナー像と、第2色目のトナー像が重なり合うような、第2色目の光書き込み開始タイミング、すなわち、第1色目の光書き込み開始から第2色目の光書き込み開始までの時間を算出する。この時間は例えばRAM85に記憶される。
【0081】
この後、再びマークMがマーク検出センサ5で検出されると(ステップS91)、第1の画像形成手段10により感光体ドラム14において第3色目のC色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第3色目の画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS92〜S94)。この一連の処理は、前述のステップS20〜S23に相当する。ここで、画像サイズ、マーク検出位置などの関係により、3回転目あるいは4回転目で再びマークMが検出される場合がある。
【0082】
次いで、前記マークMの検出から所定時間経過後に(ステップS95)、制御手段70の制御により、第2の画像形成手段10′の感光体ドラム14′において第4色目のD色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第4色目の画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS96〜S98)。この一連の処理は、前述のステップS24〜S27に相当する。なお、光書き込みのタイミングを決める前記所定時間は、予め例えばRAM85またはROM86に設定されている。
【0083】
この後、中間転写ベルト1に形成されたフルカラー画像(フルカラートナー像)を前記転写部45で転写紙Pに転写し、さらに定着装置50で定着することになる。
【0084】
このような本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置100によれば、第1色目と第2色目の画像領域の色ずれ量が所定の許容範囲を超えたとき、制御手段70は、感光体ドラム14、14′への光書き込み動作および現像動作を停止し(ステップS72)、既に中間転写ベルト1に形成した第1色目と第2色目の合成トナー画像をクリーニング装置61にクリーニングさせ(ステップS73)、再度、第1色目と第2色目の画像領域の先頭(先頭画像に相当する)より前の非画像領域に、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像を形成させ(ステップS75〜S77、ステップS82〜S84)、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像の色ずれ量を検出して位置合わせを行った後に(ステップS89)、画像形成シーケンスを行う制御手段として機能する。この構成は、請求項3に係る本発明の実施の一形態に相当する。
前述の機能により、第1色目と第2色目の画像形成時に許容範囲を超えた色ずれが発生した場合(ステップS711のNO)、第1色目と第2色目のトナー像をクリーニングして画像形成動作を再試行するので、色ずれ画像の出力を極力低減することができる。また、色ずれが生じたときの用紙およびトナーの消費量を最小限に抑えることができる。
【0085】
なお、前述した実施形態では、第1色目と第2色目の画像形成時に許容範囲を超えた色ずれが発生したとき、第1色目と第2色目のトナー像をクリーニングして画像形成動作を再試行した場合について説明したが、本発明はこのほかに、第1色目と第2色目の色ずれ量の許容範囲を設定する設定手段(例えば、操作パネル22)と、この設定手段で設定された許容範囲の情報を記憶する記憶手段(例えば、RAM85)と、を設け、前記許容範囲を任意に設定しても同様の効果が得られるものである。この構成は、請求項4係る本発明の実施の一形態に相当する。この構成により、画像形成装置100の使用状況に応じて前記許容範囲を設定することができ、さらに画質と印刷効率を考慮した画像形成を行うことが期待される。
さらに、第1色目と第2色目の画像形成時に許容範囲を超えた色ずれが発生した場合(ステップS711のNO)、操作パネル22の表示部に「エラー表示」を出力させ、予め所定の項目(例えば、画質、印刷枚数など)と対応づけて記憶された複数種類の許容範囲のいずれかが選択されると、ステップS711の処理を再試行するようにしてもよい。
【0086】
次に、本発明の第4の実施形態に係る中間転写ベルトの周長当りに、A4サイズの画像を2枚形成したときの動作タイミングを図10に示し、画像形成装置の動作を図11に示す。この画像形成装置の構成は第1の実施形態と同様であるため、図1から図4を用いると共に同一構成には同一符号を付与して説明を省略する。
【0087】
図10において、時間軸の動作時間が、4000(sec)で中間転写ベルト1は1回転する。すなわち、中間転写ベルト2回転、8000(sec)で、1サイクルのフルカラー画像を形成する。この動作タイミングによれば、画像形成装置100において、中間転写ベルト1回転目の第1色目のA色と、第2色目のB色の、光書き込みと、現像と、トナー像の中間転写ベルト1への転写は、中間転写ベルト2回転目の第3色目のC色と、第4色目のD色の、光書き込みと、現像と、トナー像の中間転写ベルト1への転写と、それぞれ時間差4000(sec)をおいて行われる。
【0088】
ここでは、中間転写ベルト1の1回転目と2回転目において、中間転写ベルト1に接離する、クリーニング手段61と、転写ローラ6が、中間転写ベルト1に対して、1回転目と2回転目で異なるタイミングで接離する場合を想定する。この場合、クリーニング手段61と、転写ローラ6の接離により、中間転写ベルト1に負荷変動が生じることがある。その結果、中間転写ベルト1に僅かな速度変動が生じることが想定される。
このような中間転写ベルト1の速度変動が生じるような場合において、第1の実施形態の画像形成方法を繰り返し行ったとき、中間転写ベルト1の1回転目における、第1色目の位置合わせ調整を行うためのトナー像と、第2色目の位置合わせ調整を行うためのトナー像を検出して、色ずれ量を算出し(図5のステップS18)、この色ずれ量より、第1色目のトナー像と、第2色目のトナー像が重なり合うような、第2色目の光書き込み開始タイミング、すなわち、第1色目の光書き込み開始から第2色目の光書き込み開始までの時間で(ステップS24)、中間転写ベルト1の2回転目における、第4色目の書き込みを行う(ステップS25)と、色ずれが生じることがあり得る。
【0089】
そこで、本実施形態においては、予めこの負荷変動による速度変動量が判明している場合、この変動量に相当する光書き込み開始タイミング時間の差分を例えばRAM85またはROM86に記憶保持して、第4色目の光書き込み開始タイミング設定時に読み出して、第4色目の光書き込み開始タイミングを補正する。
図11では、第1の実施形態を適用し、制御手段70は、ホストコンピュータ(不図示)からプリント指示信号を受けると、指令信号を出力して、画像形成装置100にプリント開始を指令する。この指令により、第1、第2の画像形成手段10、10′、中間転写ベルト駆動系40が駆動され、マークMがマーク検出センサ5で検出されると、第1の画像形成手段10により感光体ドラム14において第1色目のA色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第1色目の先頭画像より前の非画像領域に位置合わせ調整を行うためのトナー像を形成し、さらに画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS1〜S9)。
【0090】
次いで、前記マークMの検出から所定時間経過後に、制御手段70の制御により、第2の画像形成手段10′の感光体ドラム14′において第2色目のB色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第2色目の先頭画像より前の非画像領域に位置合わせ調整用のトナー像を形成し、さらに画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS10〜S16)。なお、光書き込みのタイミングを決める前記所定時間は、予め例えばRAM85またはROM86に設定されている。
【0091】
次いで、色ずれ量検出センサ7により、第1色目の位置合わせ調整用のトナー像と、第2色目の位置合わせ調整用のトナー像が検出されると(ステップS17)、制御手段70は、色ずれ量判定手段81によって双方の色ずれ量を算出する(ステップS18)。この色ずれ量に基づいて、第1色目のトナー像と、第2色目のトナー像が重なり合うような、第2色目の光書き込み開始タイミング、すなわち、第1色目の光書き込み開始から第2色目の光書き込み開始までの時間を算出する。この時間は例えばRAM85に記憶される。
【0092】
この後、中間転写ベルト1が1周して2回転目に再びマークMがマーク検出センサ5で検出されると(ステップS20)、このタイミングで制御手段70の制御により、第1の画像形成手段10の感光体ドラム14において第3色目のC色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第3色目の画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS21〜S23)。
【0093】
さらに、制御手段70においては、例えばRAM85またはROM86の所定の記憶領域を参照し、前記変動量に相当する光書き込み開始タイミング時間の差分の情報が記憶されているか否かを判断する(ステップS101)。
【0094】
ここで、前記差分の情報が記憶されている場合は、この差分の情報に基づいて第4色目の光書き込み開始タイミングを補正し、2回転目でマーク検出センサ5によりマークMが検出されてから補正後の所定時間経過後(ステップS102)、制御手段70の制御により、第2の画像形成手段10′の感光体ドラム14′において第4色目のD色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第4色目の画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS25〜S27)。なお、光書き込みのタイミングを決める前記補正後の所定時間は、ステップS18の色ずれ量算出処理に基づいて例えばRAM85に設定された時間を前記差分に基づいて上書き更新したものである。
【0095】
また、前記変動量に相当する光書き込み開始タイミング時間の差分がない場合(ステップS101のNO)には、第1の実施形態を適用し、光書き込みのタイミングを補正することなく、2回転目でマーク検出センサ5によりマークMが検出されてから所定時間経過後(ステップS24)、制御手段70の制御により、第2の画像形成手段10′の感光体ドラム14′において第4色目のD色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第4色目の画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS25〜S27)。なお、光書き込みのタイミングを決める所定時間は、ステップS18の色ずれ量算出処理に基づいて例えばRAM85に設定されたものである。
この後、中間転写ベルト1に形成されたフルカラー画像(フルカラートナー像)を前記転写部45で転写紙Pに転写し、さらに定着装置50で定着することになる。
【0096】
このような本発明の第4の実施形態に係る画像形成装置100によれば、中間転写ベルト1と他部材(例えば、クリーニング装置61、転写ローラ6)との接離による回転ごとの負荷変動(例えば、1回転目と2回転目の負荷変動)に基づいて、第1色目の光書き込み開始タイミングを基準としたときの第2色目の光書き込み開始タイミングと、第3色目の光書き込み開始タイミングを基準としたときの第4色目の光書き込み開始タイミングに差分があるとき、制御手段70は、前記差分に応じて中間転写ベルト1の2回転目における第4色目の光書き込み開始タイミング(書き込み開始タイミング)を補正する制御手段として機能する。この構成は、請求項5に係る本発明の実施の一形態に相当する。
【0097】
前述の機能により、中間転写ベルト1に回転間で速度変動があるときにおいても、予め設定された前記差分の情報に基づいて光書き込み開始タイミングを補正するという簡易で且つ、短時間で済む方法で色ずれ調整を行いながら、高品位なフルカラー画像が得られる。
【0098】
なお、前述した第1および第2の実施形態では、各色の先頭画像より前の非画像領域に、位置合わせ調整を行うための各色のトナー像を形成し、中間転写ベルト1の回転ごとに色ずれ量検出センサ7により、位置合わせ調整用のトナー像を検出して、色ずれ量を算出した場合(すなわち、前記先頭画像より前の非画像領域の1箇所で色ずれ量を算出した場合)について説明したが、本発明はこのほかに、前記先頭画像より前の非画像領域の複数箇所で色ずれ量を算出しても同様の効果が得られるものである。これは、中間転写ベルト1の周長当りに、一度に複数の画像を形成するとき、この位置合わせ調整を行うためのトナー像の形成を、先頭画像より前の非画像部以外に、複数形成する画像間の非画像部に形成して、フルカラー印刷用のトナー像ごとに位置合わせ調整を行うためである。この構成は、請求項6に係る本発明の実施の一形態に相当する。この構成によれば、中間転写ベルト1に一度に複数の画像を形成するときも、画像ごとに画像の作像中に常に色ずれ調整を行うことにより、簡易な方法で且つ、短時間の調整で高品位な画像が得られる。
【0099】
また、前述した第3から第5の実施形態では、第1の実施形態を適用した場合を示したが、これに限らず、第2の実施形態を適用しても同様の効果が得られるものである。
【0100】
ここで、前述した実施形態では、中間転写ベルト1が中間転写体に相当する。転写部45が転写手段に相当する。また、例えば図5のステップS3、S4、S10、S11、S17、S18の処理を実行する手段としての制御手段70が、制御手段、書込制御手段に相当する。例えば、図5のステップS4、S5、S7、S8、S11、S12、S14、S15の処理を実行する手段としての制御手段70が、画像形成制御手段に相当する。図5のステップS6、S9、S13、S16の処理を実行する手段としての制御手段70が、中間転写制御手段に相当する。さらに、前述のように中間転写ベルト1に形成されたフルカラー画像(フルカラートナー像)を前記転写部45によって転写紙Pに転写させ、さらに定着装置50によって定着させる制御手段70が、転写制御手段に相当する。また、現像手段13、13′が現像手段に相当する。光書き込み装置16、16′が走査型書き込み手段に相当する。操作パネル22が設定手段に相当する。感光体ドラム14、14′が像担持体に相当する。クリーニング装置61がクリーニング手段に相当する。ROM86が本発明の記録媒体に相当する。画像形成に関する制御プログラム(例えば、図5から図9、図11のフローチャートに示す動作を実現するもの)が本発明のプログラムに相当する。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の要部を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る光書き込み装置の構成を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る制御系の構成を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置の動作を示すフローチャート(その1)である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置の動作を示すフローチャート(その2)である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置の動作を示すフローチャート(その1)である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置の動作を示すフローチャート(その2)である。
【図10】本発明の第4の実施形態に係る画像形成装置の動作ごとのタイミングチャートである。
【図11】本発明の第4の実施形態に係る画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0102】
1 中間転写ベルト(中間転写体)
2 駆動ローラ
3 従動ローラ
5 マーク検出センサ
6 転写ローラ
7 色ずれ量検出センサ
10 第1の画像形成手段
10′ 第2の画像形成手段
11 C色用の現像器
12 A色用の現像器
11′ D色用の現像器
12′ B色用の現像器
13、13′ 現像手段
14、14′ 感光体ドラム
15、15′ 帯電手段
16、16′ 光書き込み装置(光書き込み手段)
20 第1の画像形成ユニット
20′ 第2の画像形成ユニット
100 画像形成装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体ドラムなどの像担持体に形成されるトナー像を中間転写体に転写し、この転写された画像をシート状記録媒体に転写する機能を有する画像形成装置、記録媒体およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の多色画像形成装置においては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナー像を中間転写ベルト等の中間転写体上に重ね合わせて形成し、前記トナー像をシート状記録媒体上に転写して、フルカラー印刷を行う。このフルカラー印刷を行うときに各色の書き込み位置がずれていると、重ね合わせて形成したトナー像をシート状記録媒体上に転写したときに、色ずれとなり画質が低下してしまうため、画像の書き込み開始位置を合わせる位置制御が必要となる。
【0003】
そこで、従来の画像形成装置には、中間転写体(例えば、中間転写ベルト)上の所定位置に記されたマークを検出するマーク検出手段と、中間転写体に2色以上の画像を形成する画像形成手段と、システムクロックのクロック信号とマーク検出手段からのマーク検出信号に基づいて、画像形成手段に対して画像形成タイミングを指示するタイミング指示信号を発生するタイミング指示手段と、を備え、タイミング指示手段は、マーク検出手段がマークを検出する度にタイミング指示信号を初期化しているものがある(例えば、特許文献1参照)。前記タイミング指示手段は、マーク検出信号が入力されるとクロック信号を初期化してカウントを開始し、所定時間が経過する度にタイミング指示信号(同期信号)を出力し、さらにマーク検出信号が入力されない間はカウント値が所定値に達する度に同期信号を出力するため、中間転写体の長さが経時変化した場合でも、画像形成タイミングへの影響が小さくなる。よって、画像の転写位置のずれを防ぎ、高品質の画像を形成することが期待される。
【0004】
ここで、特許文献1記載のものを、例えば、第1色(基準色)用、第3色用の第1の画像形成ユニットと、第2色用、第4色用の第2の画像形成ユニットが、中間転写ベルトの転写面に沿って連続して対向配置された構成に適用すると、マーク検出タイミングを基準として第1色の光書き込み開始タイミングを決定し、第1色の光書き込み開始タイミングから双方の画像形成ユニット間を中間転写体が移動する所定時間に基づいて、第2色の光書き込み開始タイミングを決定することになる。この後、中間転写体が1周した後、再びマーク検出タイミングを基準として第3色の光書き込み開始タイミングを決定し、第3色の光書き込み開始タイミングから双方の画像形成ユニット間を中間転写体が移動する所定時間に基づいて、第4色の光書き込み開始タイミングを決定することになる。
【0005】
また、従来の画像形成装置には、中間転写ベルト上に色ごとの測定用パターン画像を形成するためのパターン用画像信号を発生するパターン用画像信号発生手段と、中間転写ベルトの近傍で、前記測定用パターン画像の通過を検知する検知手段と、検知手段による検知タイミングに基づいて測定用パターン画像間の中間転写ベルト駆動量をカウントするカウント手段と、カウント手段による中間転写ベルト駆動量に基づいて取得された測定用パターン画像の間隔と予め設定された測定用パターン画像の間隔(設定値)とのずれ量を算出する演算手段と、演算手段によるずれ量に基づいて色ごとの書き出しタイミング信号を発生する色書き出しタイミング信号発生手段と、を備え、各色の画像書き出しタイミングを転写後の位置ずれ量に応じて変更しているものもある(例えば、特許文献2参照)。ここで、パターン出力による書き出しタイミングの補正は、1複写ごと、設定枚数ごと、あるいはメインスイッチのオンごとに行ってもよい旨、記載されている。前述の構成により、部品コスト、組立コストを抑制しつつ、色ずれを低減するという効果が期待される。
【特許文献1】特公平7−19084号公報(第2頁、第3頁、第2図、第3図など)
【特許文献2】特開2000−310929号公報(第9頁、第16頁、第5図、第6図など)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献1記載の画像形成装置を前記構成に適用すると、第1色目と第3色目の光書き込み開始タイミングはマーク検出に基づいてほぼ一致するが(すなわち、画像形成位置はほぼ一致するが)、中間転写体に速度変動が生じたときには、第1色目に対して、第2色目と第4色目の画像形成位置がそれぞれずれてしまう場合が想定される。この場合に、第1色目に対して、第2色目の光書き込み開始タイミングを、第3色目に対して、第4色目の光書き込み開始タイミングをそれぞれ調整することについて、前記特許文献1には具体的な記載および示唆がない。また、前記特許文献2についても、前記構成において、第1色目に対して、第2色目の光書き込み開始タイミングを、第3色目に対して、第4色目の光書き込み開始タイミングをそれぞれ調整することについて、具体的な記載および示唆がない。
【0007】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、前記構成において、多色を重ね合わせて多色画像を形成するときの書き込み開始位置のずれ(色ずれ)を低減し、高品質の画像を得ることのできる画像形成装置、記録媒体およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る本発明の画像形成装置は、1色ごとにトナー像を形成する第1および第2の画像形成ユニットと、第1および第2の画像形成ユニットで形成された4色のトナー像を2回転で順次重ね合わせて転写し、フルカラー画像を形成するための中間転写体と、前記中間転写体に形成されたフルカラー画像をシート状記録媒体に転写する転写手段と、前記4色のトナー像の各々に相当する前記走査型書き込み手段の書き込みタイミングを制御する制御手段と、を備え、前記第1および第2の画像ユニットの各々には、単一の像担持体と、前記像担持体に対向して配置され、前記像担持体を走査して潜像を形成する走査型書き込み手段と、前記走査型書き込み手段により形成した潜像を2色の現像剤のうち1色で現像する二つの現像手段と、を備えた画像形成装置において、前記制御手段は、前記中間転写体の1回転目に、第1色目と第2色目の先頭画像より前の非画像領域に、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像を形成させ、前記中間転写体の2回転目に対応する前記走査型書き込み手段の第3色目の書き込み開始より前に、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像の色ずれ量を検出し、前記検出した色ずれ量に基づいて、前記中間転写体の2回転目に対応する前記走査型書き込み手段の第4色目の書き込み開始タイミングを決定する構成を有している。
この構成により、中間転写体を2回転させて4色の画像を形成し、第1色目と第2色目、第3色目と第4色目の画像形成位置(位置合わせ用トナー像の位置)をそれぞれ検出して位置ずれ量(色ずれ量)を確認し、書き込み開始位置を調整することができる。すなわち、第1色目の基準色に対して、第2色目の書き込み開始タイミング(光書き込み開始タイミング)を、第3色目の基準色に対して、第4色目の書き込み開始タイミングをそれぞれ調整することができる。ここで、各色の先頭画像は、各色の画像領域の先頭に相当する。
また、請求項2に係る本発明の画像形成装置は、請求項1において、前記中間転写体に複数回繰り返してフルカラー画像を形成するとき、nは0以上の整数とすると、前記制御手段は、前記中間転写体の「2n+1」回転目に、第1色目と第2色目の先頭画像より前の非画像領域に、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像を形成させ、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像の色ずれ量を検出し、前記検出した色ずれ量に基づいて、前記中間転写体の「2n+3」回転目に対応する前記走査型書き込み手段の第2色目の書き込み開始タイミングを決定し、前記中間転写体の「2n+2」回転目に、第3色目と第4色目の先頭画像より前の非画像領域に、第3色目と第4色目の位置合わせ用トナー像を形成させ、第3色目と第4色目の位置合わせ用トナー像の色ずれ量を検出し、前記検出した色ずれ量に基づいて、前記中間転写体の「2n+4」回転目に対応する前記走査型書き込み手段の第4色目の書き込み開始タイミングを決定する構成を有している。
この構成により、中間転写体の「2n+3」回転目の第1色目と第2色目の色ずれ量が所定の許容範囲内となるように、第2色目の書き込み開始タイミングを決定することが可能となる。また、中間転写体の「2n+4」回転目の第3色目と第4色目の色ずれ量が所定の許容範囲内となるように、第4色目の書き込み開始タイミングを決定することが可能となる。
また、請求項3に係る本発明の画像形成装置は、請求項1または請求項2において、前記第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像の色ずれ量が所定の許容範囲内にないとき、前記制御手段は、前記像担持体への書き込み動作および現像動作を停止すると共に、既に前記中間転写体に形成した第1色目と第2色目の合成トナー画像をクリーニング手段にクリーニングさせ、再度、第1色目と第2色目の先頭画像より前の非画像領域に、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像を形成させ、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像の色ずれ量を検出して位置合わせを行った後に、画像形成シーケンスを行う構成を有している。ここで、位置合わせ用トナー像の色ずれ量は、先頭画像の色ずれ量に相当する。
【0009】
この構成により、画像の出力前に色ずれを検出して書き込み動作および現像動作を停止するので、シート状記録媒体およびトナーの無駄な消費を抑えることができる。
また、請求項4に係る本発明の画像形成装置は、請求項3において、前記所定の許容範囲を任意に設定する設定手段を備え、前記制御手段は、前記設定手段により設定された許容範囲に基づいて前記走査型書き込み手段の第2色目または第4色目の書き込みタイミングを制御する構成を有している。
【0010】
この構成により、色ずれの許容範囲を任意に設定できるので、所望の画質に適した値を設定し、画像形成装置を効率的に使用することが期待される。
【0011】
また、請求項5に係る本発明の画像形成装置は、請求項1において、前記中間転写体と他部材との接離による負荷の変動に基づいて、第1色目の書き込み開始タイミングを基準としたときの第2色目の書き込み開始タイミングと、第3色目の書き込み開始タイミングを基準としたときの第4色目の書き込み開始タイミングに差分があるとき、前記制御手段は、前記差分に応じて前記中間転写体の2回転目に対応する前記走査型書き込み手段の第4色目の書き込み開始タイミングを補正する構成を有している。
【0012】
この構成により、予測可能な中間転写体の速度変動に応じて適切な書き込み開始タイミングを決定することができる。
【0013】
また、請求項6に係る本発明の画像形成装置は、請求項1から請求項5のいずれか1項において、前記中間転写体に一度に複数枚のフルカラー画像を形成するとき、前記制御手段は、2枚目以降の画像形成において、各フルカラー画像の先頭より前のシート状記録媒体間に位置合わせ用トナー像を形成させる構成を有している。
【0014】
この構成により、中間転写体の回転ごとに、先頭画像より前の非画像領域の複数箇所で色ずれ量を検出することができるので、一度に複数枚のフルカラー画像を形成する場合も、各フルカラー画像ごとに第1色目に対する第2色目の書き込み開始タイミング、および第3色目に対する第4色目の書き込み開始タイミングをそれぞれ調整することができる。
さらに、請求項7に係る本発明のプログラムは、コンピュータを、第1および第2の画像形成ユニットの各々で、単一の像担持体に対向して配置された走査型書き込み手段に、前記像担持体を走査して潜像を形成させ、二つの現像手段の各々に前記走査型書き込み手段により形成された潜像を2色の現像剤のうち1色で現像させて、1色ごとにトナー像を形成させる画像形成制御手段、中間転写体を2回転させ、この間に第1および第2の画像形成ユニットで形成された4色のトナー像を順次重ね合わせて中間転写体に転写させ、フルカラー画像を形成させる中間転写制御手段、転写手段に前記中間転写体に形成されたフルカラー画像をシート状記録媒体に転写させる転写制御手段、前記4色のトナー像の各々に対応する前記走査型書き込み手段の書き込みタイミングを制御する書込制御手段、として機能させるためのプログラムであって、前記書込制御手段は、前記中間転写体の1回転目に、第1色目と第2色目の先頭画像より前の非画像領域に、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像を形成させ、前記中間転写体の2回転目に対応する前記走査型書き込み手段の第3色目の書き込み開始より前に、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像の色ずれ量を検出し、前記検出した色ずれ量に基づいて、中間転写体の2回転目に対応する前記走査型書き込み手段の第4色目の書き込み開始タイミングを決定するものである。
【0015】
また、請求項8に係る本発明の記録媒体は、請求項7に記載のプログラムを記録している。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、1色ごとにトナー像を形成する第1および第2の画像形成ユニットと、第1および第2の画像形成ユニットで形成された4色のトナー像を2回転で順次重ね合わせて転写し、フルカラー画像を形成するための中間転写体と、前記中間転写体に形成されたフルカラー画像をシート状記録媒体に転写する転写手段と、前記4色のトナー像の各々に相当する前記走査型書き込み手段の書き込みタイミングを制御する制御手段と、を備え、前記第1および第2の画像ユニットの各々には、単一の像担持体と、前記像担持体に対向して配置され、前記像担持体を走査して潜像を形成する走査型書き込み手段と、前記走査型書き込み手段により形成した潜像を2色の現像剤のうち1色で現像する二つの現像手段と、を備えた画像形成装置において、前記制御手段は、前記中間転写体の1回転目に、第1色目と第2色目の先頭画像より前の非画像領域に、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像を形成させ、前記中間転写体の2回転目に対応する前記走査型書き込み手段の第3色目の書き込み開始より前に、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像の色ずれ量を検出し、前記検出した色ずれ量に基づいて、前記中間転写体の2回転目に対応する前記走査型書き込み手段の第4色目の書き込み開始タイミングを決定することにより、多色を重ね合わせて多色画像を形成するときの書き込み開始位置のずれを低減し、高品質の画像が得られるという効果を有する画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態に係る画像形成装置について、図面を用いて説明する。
【0018】
本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の要部を図1に示す。
【0019】
図1において、画像形成装置100は、第1の画像形成ユニット20、第2の画像形成ユニット20′を備え、フルカラー画像を形成する画像形成部と、中間転写ベルト1(中間転写体)、転写ローラ6を備え、中間転写ベルト1上のトナー像(例えば、フルカラー画像)を不図示の転写紙P(シート状記録媒体に相当する)に転写する転写部45(図2に示す)と、転写紙Pに転写されたトナー像を加熱定着する定着装置50(図2に示す)と、定着装置50から送り出された転写紙Pを排紙トレイ53(図2に示す)に収容する排紙部と、転写部45へ転写紙Pを供給する給紙装置(不図示)と、送りローラ対43(図2に示す)などを備え、転写紙Pを前記給紙装置から転写部45へ給送する給送部と、を有する構成である。
【0020】
第1、第2の画像形成ユニット20、20′において、像担持体としてドラム状の感光体14、14′(以下、感光体ドラムという)を用い、この感光体ドラム14、14′の周りに、帯電手段15、15′、光書き込み装置(光書き込み手段に相当する)16、16′、現像手段13、13′、クリーニング手段(図示せず)などの手段を配置している。この画像形成ユニット20、20′は、中間転写ベルト1の同一移動面に沿って一定の間隔をおいて配置されている。ここで、画像の形成プロセスは、一つの画像形成ユニットに着目すれば、一般の静電記録方式に準じていて、暗中にて帯電器により一様に帯電された感光体ドラム上に光書き込み手段により、ある色の静電潜像を書き込み、この静電潜像を現像手段により可視像化して中間転写ベルトに転写するものである。各画像形成ユニットにおける現像手段について、それぞれ2つの異なる色のトナーによる可視像化機能を有するものとすると、3原色にブラックを加えて4色となるので、これらの色を各現像手段に分担すれば、フルカラー画像を形成することができる。
【0021】
したがって、中間転写ベルト上の同一画像形成領域が2つの画像形成ユニット20、20′を順次通過する間に、各画像形成ユニットによりそれぞれ1色ずつトナー像を重ねて転写するようにし、この中間転写ベルト上の2色重ねて転写された画像領域がもう一度前記2つの画像形成ユニットを順次通過する間に、各画像形成ユニットによりそれぞれ先程とは異なる色のトナー像を重ねて転写するようにすれば、前記同一画像形成領域が各画像形成ユニットを2回通過した時点で、フルカラートナー像が重ねて転写されていることとなる。このフルカラートナー像をシート状記録媒体としての転写紙に転写すれば、転写紙上にフルカラー画像を得ることができる。この転写紙上のトナー像を定着手段により定着して、転写紙上にフルカラーの最終画像を得ることができる。
【0022】
この画像形成装置100は、中間転写ベルト1の回転に同期して、高速なプリント出力を得ることを可能とするもので、像担持体としての感光体ドラム14、14′、光書き込み装置16、16′としてLEDと集束性光伝送体とを組み合わせたものを用いているが、この変形応用例として、像担持体として無端ベルト状のものを使用してもよいし、光書き込み手段としてレーザ光源を使用してもよい。さらに、像担持体として、感光体に限られるものではなく、光以外の作用だけで潜像を形成し得る媒体、また、そのような像担持体に光以外の作用により電気的磁気的な変化を与え得る書き込み手段を使用することもできる。例えば、感光体ドラムに代えて磁気的な記録ドラムを用いるタイプの場合には、光書き込み手段に代えて磁気的な書き込み手段を用いる。
【0023】
このように、像担持体に少なくともA色、B色、C色の三原色のトナー像を形成し、これらのトナー像を中間転写ベルトに転写し、この中間転写ベルト1上のカラー画像を転写手段(図2の45に相当する)により転写紙Pに転写する画像形成方法を実現するため、感光体ドラム14、14′、帯電手段15、15′、現像手段13、13′をそれぞれ有する第1の画像形成手段10および第2の画像形成手段10′が、矢印aの向きに走行する中間転写ベルト1の同一移動面に沿って一定の間隔を置いて配置されている。この構成により、中間転写ベルト1上にトナー像を転写し、中間転写ベルト1上に得られたカラー画像を転写手段で転写紙Pに転写する。第1の画像形成手段10は第1の画像形成ユニット20に、第2の画像形成手段10′は第2の画像形成ユニット20′にそれぞれ配置されている。双方の画像形成手段10、10′は、同一構成を有し、電子写真方式でトナー像を形成する。
【0024】
また、中間転写体としての中間転写ベルト1は、エンドレスベルトであり、図中、矢印方向に回転自在に支持された各軸(図示せず)に取り付けられた駆動ローラ2と、従動ローラ3とに掛け渡され張設されていて、矢印aで示す回転方向に回転駆動されるようになっている。この中間転写ベルト1の上面の、回転方向aと直交する幅方向の一端側の非画像形成領域には、矢印aで示す回転方向に沿って中間転写ベルト1上の基準位置となるマークMが設けられている。
【0025】
マークMは、単一のものが設けられる場合あるいは複数のものが設けられる場合がある。マークMは、ライン状をなしていて、この部分のみ他の部分と比べて、光をよく反射するようになっている。マークMの通過領域の上方には、検出手段としてのマーク検出センサ5が支持部材(不図示)に支持されて所定位置に固設されている。また、詳細に図示していないが、マーク検出センサ5は、LEDなどの発光素子からなる発光器と、ホトセンサなどの受光素子からなる受光器との対からなる。なお、マーク検出センサ5の前記以外の細部構成は、例えば、特開2000−305417号公報の図2から図4に記載されている検出手段(5)に相当し、公知のものであるため、これ以上の説明を省略する。前記発光器から出た光が中間転写ベルト1と共に移動しているマークMにより反射されると、その反射光が受光器で受光され、後述する制御手段(図4に示す)によりマークMの検出、制御が行われる。
【0026】
前述の画像形成装置100の詳細な構成を図2に示す。
【0027】
図2において、中間転写ベルト1は、テンションローラ60により最適の張力が付与されている。中間転写ベルト1の下側走行面には、中間転写ベルト1の走行方向に沿って、前述の第1の画像形成手段10を包含する第1の画像形成ユニット20と、第2の画像形成手段10′を包含する第2の画像形成ユニット20′とが所定の間隔をおいて配置されている。また、中間転写ベルト1は、画像形成装置100に使用される最大サイズの転写紙Pの移動方向の長さよりも非画像形成領域分だけ長いものである。
【0028】
第1の画像形成ユニット20において、像担持体としての感光体ドラム14の周りには、矢印で示す回転方向順に、感光体ドラム14の表面を一様に帯電するブラシ状の帯電手段15と、感光体ドラム14の帯電表面に静電潜像を光書き込みする光書き込み手段16と、静電潜像(以下、単に「潜像」という)をトナーで現像する現像手段13と、感光体ドラム14をクリーニングするクリーニング手段21とが配置されている。現像手段13は、C色用の現像器11とA色用の現像器12とからなる。現像器11と現像器12とは所定の切替手段により択一的に切り替えて駆動することができる。
第1の画像形成ユニット20と同様に、第2の画像形成ユニット20′において、像担持体としての感光体ドラム14′の周りには、矢印で示す回転方向順に、帯電手段15′と、光書き込み装置16′と、現像手段13′と、クリーニング手段31とが配置されている。現像手段13′は、B色用の現像器11′とD色用の現像器12′とからなる。A色はシアン、B色はマゼンタ、C色はイエロー、D色はブラックである。現像器11′と現像器12′とは、所定の切替手段(不図示)により択一的に切り替えて駆動することができる。第2の画像形成ユニット20′は、第1の画像形成ユニット20と同じ姿勢で装置本体に装着されている。
【0029】
第1の画像形成ユニット20における感光体ドラム14と、第2の画像形成ユニット20′における感光体ドラム14′とは、形状、大きさ、材質など全く同じものが使用されていて、部品の共通化が図られている。感光体ドラム14と感光体ドラム14′とは、同じ周速度で回転駆動される。
また、画像形成ユニット20、20′は、装置本体に対し、それぞれ着脱自在に設けられている。感光体ドラム14、14′の回転は中間転写ベルト1の走行と同期しており、その周速度は、中間転写ベルト1の走行速度と一致するように定められている。帯電手段15、15′に代えて、コロナ放電器またはローラによる帯電手段を採用することができる。
【0030】
現像器11、12、11′、12′は、2成分現像剤を使用している。A色用の現像器12はシアントナーおよびキャリアを、B色用の現像器12′はイエロートナーおよびキャリアを、C色用の現像器11はマゼンタトナーおよびキャリアを、D色用の現像器11′はブラックトナーおよびキャリアをそれぞれ収容しており、帯電手段15、15′と光書き込み装置16、16′とにより、周知の方法で形成された感光体ドラム14、14′上の潜像を、現像ローラ32、33、34、35により現像する。これらの現像ローラ32、33、34、35は、それぞれが現像手段であって、固定磁石の周りを非磁性のスリーブを回転させる形式のものを使用した磁気ブラシ現像方式を採用している。また、現像器11、12、11′、12′は、それぞれ現像剤撹拌器であるパドルやトナー補給器である搬送スクリュー等を具備する同様の構成を有し、例えば、特開平8−160697号公報に記載された周知のカラー現像器を採用することができる。
搬送スクリュー4C、4M、4Y、4Kは、羽根を螺旋状に巻いたような構造を有している。パドル8C、8M、8Y、8Kは、現像剤の撹拌機能と搬送機能を持たせるために、螺旋状の羽根9Mと、8枚の放射状の板を有している。パドル8Cと搬送スクリュー4Cとは、それぞれ回転により軸方向上互いに逆向きに現像剤を搬送し、現像ローラ32の軸長手方向上に均等に現像剤を分布させる。他のパドル8M、8Y、8Kと搬送スクリュー4M、4Y、4Kも、前記と同様である。
【0031】
感光体ドラム14、14′には、転写用のバイアス電圧が印加される転写装置としての第1の転写ブラシ41および第2の転写ブラシ42が、中間転写ベルト1を挟んでそれぞれ接離自在に、また従動ローラ3には、転写用のバイアス電圧を印加される転写ローラ6が、中間転写ベルト1を介して接離自在にそれぞれ設けられている。なお、第1、第2の転写ブラシ41、42に代えて転写ローラまたはコロナ放電器を使用することができる。
また、感光体ドラム14、14′は、通常、中間転写ベルト1から下方に僅かに離れており、また第1の転写ブラシ41および第2の転写ブラシ42は、中間転写ベルト1から上方に僅かに離れており、各感光体ドラム14、14′上のトナー像を中間転写ベルト1に転写する工程で、第1の転写ブラシ41および第2の転写ブラシ42により中間転写ベルト1を感光体ドラム14および感光体ドラム14′に接触させる。
従動ローラ3と転写ローラ6は、カラー画像の転写部45を構成している。ここで、転写ローラ6に代えて、コロナ放電器または転写ブラシによる転写手段を採用することができる。駆動ローラ2には中間転写ベルト1の表面に残存するトナーを除去するクリーニング装置61が接離自在に設けられている。
【0032】
ここで、フルカラー画像の形成に際しては、第1の画像形成手段10、第2の画像形成手段10′により中間転写ベルト1上に、順次トナー像を形成し、中間転写ベルト1上に得られたカラー画像を転写ローラ6で転写紙Pに転写する。画像形成手段10、10′における感光体ドラム14、14′の回転は、中間転写ベルト1の回転による走行と同期しており、その周速度は中間転写ベルト1の走行速度と一致するように定められている。感光体ドラム14、14′は通常、中間転写ベルト1から僅かに離れていて、これらの感光体ドラム14、14′上のトナー像を中間転写ベルト1に転写する工程で、第1の転写ブラシ41、第2の転写ブラシ42により中間転写ベルト1が感光体ドラム14、14′に接触させられる。中間転写ベルト1上に転写されたトナー像は転写装置を構成する転写ローラ6により転写紙Pに転写される。
【0033】
また、第1、第2の画像ユニット20、20′の下方には、積載された転写紙Pを一枚ずつ送り出す給紙装置(不図示)が配置される。この給紙装置から送り出された一枚の転写紙Pは、送りローラ対43と、一対のレジストローラ44によって転写部45に給送される。転写部45の斜め上方には、定着装置50が配置されている。この定着装置50は、矢印bの向きに回転駆動される加熱ローラ47と、この加熱ローラ47に圧接して回転する加圧ローラ48とからなる。加熱ローラ47には、この加熱ローラ47の表面にオフセット防止液を塗布するローラ51が必要に応じて当接し、また、転写紙剥離用の爪52を接触させている。
また、定着装置50の下流側には、定着装置50から送り出される転写紙Pを排紙トレイ53上に送り出す排紙ローラ対54が配置されている。ここで、排熱用の排気ファン55は、排紙トレイ53の下位に収められる電装部品(不図示)が定着装置50の熱の影響で加熱されるのを防止している。
【0034】
以上の構成により、最終的にA色、B色、C色、D色のカラー画像(トナー像)が中間転写ベルト1に形成される頃に、給紙部(不図示)から送り出された転写紙Pに、転写部45でカラー画像が転写され、定着される。カラー画像の転写が終わると、クリーニング装置61によって中間転写ベルト1上の残存トナーの除去が行われる。
【0035】
ここで、前述の光書き込み装置16、16′の詳細な構成を図3に示す。ここでは、レーザ走査光学系を用いている。
【0036】
図3において、光書き込み装置16、16′は、光ビーム(レーザビーム)を出射する光源161、161′と、光ビームを平行光線束とするコリメートレンズ165、165′と、光ビームで感光体ドラム14、14′を走査するための回転多面鏡162、162′と、回転多面鏡162、162′で偏向反射された光ビームを絞り込むための結像レンズ163、163′と、結像レンズ163、163′を透過した光ビームを検出する主走査同期信号検出センサ(受光素子に相当する)164、164′と、を有する構成である。
【0037】
光源161、161′は、変調手段(不図示)によりシアン、イエロー、マゼンタ、ブラックの各色の画像情報に応じて順次変調され、シアン、イエロー、マゼンタ、ブラックの各色のレーザビームを出射する。この光源161、161′からのレーザビームは、コリメートレンズ165、165′によりコリメートされた後、走査手段としての回転多面鏡162、162′によりその偏向反射面で偏向される。この回転多面鏡162、162′は、駆動手段(不図示)により回転駆動されることにより、レーザビームを主走査方向に繰り返して走査することを可能としている。回転多面鏡162、162′からのレーザビームは結像レンズ163、163′により絞り込まれて感光体ドラム14、14′上にレーザスポットとして結像される。このレーザスポットは、回転多面鏡162、162′が前記駆動手段により回転駆動されることで、感光体ドラム14、14′を主走査方向に繰り返して走査して感光体ドラム14、14′上に静電潜像を形成するものである。
【0038】
ここで、主走査同期信号発生手段としての主走査同期信号検出センサ164、164′は、レーザビーム走査範囲内における画像範囲外に配置され、回転多面鏡162、162′からのレーザビームを受光してこれを検出し、主走査方向の記録開始位置(横レジスト)を決定する主走査同期信号を発生する。一方、副走査方向の画像形成開始位置を決定する副走査方向の画像形成開始信号は、前述のマーク検出センサ5が中間転写ベルト1上に設けられたマークMを検出したことにより発生するものである。主走査同期信号検出センサ164、164′からの主走査同期信号およびマーク検出センサ5からの副走査方向の画像形成開始信号は、後述する図3のCPU(中央演算処理装置)80に送られ、CPU80は、主走査同期信号検出センサ164、164′からの主走査同期信号およびマーク検出センサ5からの副走査方向の画像形成開始信号に従い、感光体ドラム14、14′に対する光書き込みを行うように光書き込み装置16、16′を制御する。
【0039】
前述した画像形成装置100の制御系の構成を図4に示す。
図4において、画像形成装置100の制御手段70は、不図示のI/O(入出力)ポートと、画像形成に関する制御プログラム(動作プログラム)や各種データを記憶したROM(読み出し専用記憶装置)86と、ROM86に記憶された制御プログラムに従い、色ずれ量判定手段81の処理を含む各種の処理を実行するCPU80と、外付けされたタイマ90と、ROM86に記憶された制御プログラムをCPU80で実行するときの一時記憶手段として用いられる不揮発性のRAM(記憶保持動作が可能で読み書き可能な記憶装置)85と、を有し、これらが信号バス(不図示)によって接続された構成を有するマイクロコンピュータを具備している。
【0040】
ここで、色ずれ量判定手段81は、色ずれ量検出センサ7により検出された、例えば、第1色目の位置合わせ調整用のトナー像と第2色目の位置合わせ調整用のトナー像の色ずれ量を算出する。なお、色ずれ量の計算方法としては、例えば特公平7−19084号公報(第2頁、第3頁、第3図など)に記載されたものを適用してもよい。ここでは、転写ベルト上に転写された第1のパターン像(位置合わせ調整用のトナー像に相当する)を反射型センサで検知し、この反射型センサの信号に基づいてカウンタがカウントを開始し、この後、第2のパターン像を前記反射型センサで検知するとカウントを停止する。ここで、得られたカウント値と予め設定された設定値との差をずれ量(色ずれ量に相当する)として算出している。この色ずれ量に基づいて、色ずれ量判定手段81(またはCPU80)は、例えば第1色目のトナー像と、第2色目のトナー像が重なり合うような、感光体ドラム14、14′への第2色目の光書き込み開始タイミング、すなわち、第1色目の光書き込み開始から第2色目の光書き込み開始までの時間を、例えば中間転写ベルト1の所定時間当たりの駆動量に基づいて算出する。このほかに、色ずれ量判定手段81は、前述のように算出した色ずれ量(または、第1色目の光書き込み開始から第2色目の光書き込み開始までの時間)と、予め設定された所定の許容範囲(数値範囲)とを比較し、前記色ずれ量が前記所定の範囲にあるか否かを判断する(例えば、後述する図8のステップS711に相当する)。
【0041】
制御手段70は、装置本体内の制御基板配置部に設けられている。ここで、制御手段70は、画像形成装置100の主として画像書き込み時の動作を制御する他、画像形成装置100全般の動作も制御している。また、制御手段70には、画像形成装置100に対する画像形成条件等を指示する操作スイッチ、キー等を具備した操作パネル22や、マーク検出センサ5、主走査同期信号検出センサ164、164′からの情報(信号)が入力されるようになっている。また、制御手段70は、第1の画像形成手段10および第2の画像形成手段10′、その他の被制御対象23に対して画像形成に必要な制御上の情報(制御信号)を出力する。ここで、画像形成装置100が所定のインタフェースを介してホストコンピュータ(例えば、パーソナルコンピュータ)に接続されているとき、制御手段70は、前記ホストコンピュータからのプリント指示信号に基づいて画像形成に必要な制御信号を出力する。なお、中間転写ベルト1に替えてドラム状の中間転写ドラムが使用される場合には、中間転写ベルト駆動系40に代えて中間転写ドラム駆動系に対して制御信号が出力されることになる。
【0042】
タイマ90は、いわゆる外部タイマ90であって、マーク検出センサ5によるマークMの検出時に初期化、すなわちリセットされて経過時間のカウントを開始するカウント手段としてのカウンタ機能を有する。このカウンタ機能は、外部タイマ90に限らず、CPU80内に備えられているいわゆる内部タイマに設けてもよいし、あるいは外部タイマと内部タイマとに適宜分担させてもかまわない。
また、CPU80は、操作パネル22からの各種信号、マーク検出センサ5からのマーク検出信号、主走査同期信号検出センサ114からの主走査同期信号およびROM86から呼び出された動作プログラムに基づいて、第1、第2の画像形成手段10、10′、中間転写ベルト駆動系40およびその他の被制御対象23の作動等を制御し、画像形成装置100全体の動作を制御する。
【0043】
また、ROM86には、前述のように画像形成装置100全体の動作プログラムや必要なデータ等が記憶されており、この動作プログラムはCPU80によって適宜呼び出される。また、RAM85は、CPU80の計算結果を一時的に記憶および保持する機能、操作パネル22からの各種信号、マーク検出センサ5からのマーク検出信号、主走査同期信号検出センサ114からの主走査同期信号およびオン/オフ信号を随時記憶する機能等を有している。
【0044】
以上のように構成された画像形成装置100について、図5を用いてその動作を説明する。
ここで、制御手段70は、ホストコンピュータ(不図示)からプリント指示信号を受けると、指令信号を出力して、画像形成装置100にプリント開始を指令する。この指令により、第1、第2の画像形成手段10、10′、中間転写ベルト駆動系40が駆動され、ここで感光体ドラム14、14′および中間転写ベルト1が駆動する(ステップS1)。中間転写ベルト1が駆動されると、マークMがマーク検出センサ5で検出されてマーク検出信号がCPU80に出力される。第1、第2の画像形成手段10、10′は、中間転写ベルト1の周速度が定速に達した後に最初に検出されるマーク検出信号を基準として、画像形成動作を開始する。中間転写ベルト1の周速度の定速への到達は、予め定速到達時間を求めておいて、中間転写ベルト1の駆動時間を計測することで判断する(ステップS2)という公知の制御方法が用いられる。
【0045】
さらに、中間転写ベルト1上に設けられているマークMをマーク検出センサ5で検出したタイミングで(ステップS3)、第1の画像形成手段10により第1色目のA色の画像形成を開始し、中間転写ベルト1の画像領域に、第1色目のA色のトナー像を形成する。具体的には、第1の画像形成手段10において、光書き込み装置16により、第1色目のA色の光書き込みが開始され、感光体ドラム14に潜像が形成される。この潜像を現像手段13の現像器12で現像し、感光体ドラム14上に第1色目のA色のトナー像を形成する。このトナー像は、中間転写ベルト1に転写され、中間転写ベルト1上に、第1色目のA色のトナー像が形成される。
【0046】
ここでは、まず、感光体ドラム14において、前記A色のトナー像より前に位置合わせ調整を行うための第1色目のトナー像を形成し(ステップS4、S5)、この位置合わせ調整用のトナー像(「位置合わせ用トナー像」に相当する)を中間転写ベルト1において先頭画像(前記A色のトナー像に相当する)が形成される所定の画像領域(画像部)より前の非画像領域に転写する(ステップS6)。続いて、感光体ドラム14において、フルカラー印刷用の第1色目のトナー像を形成し(ステップS7、S8)、このフルカラー印刷用のトナー像を中間転写ベルト1の所定の画像領域に転写する(ステップS9)。すなわち、中間転写ベルト1に2種類のトナー像が順次、転写されることになる。なお、第1色目のA色の潜像の現像が終了すると、現像器12を現像器11に切り替えて第3色目のC色の現像に備える。
【0047】
次に、中間転写ベルト1の画像領域に形成した第1色目のA色のトナー像に重なり合うようなタイミングで、第2の画像形成手段10′において、光書き込み装置16′により第2色目のB色の光書き込みが開始され、感光体ドラム14′に潜像が形成される。この潜像を現像手段13′の現像器12′で現像し、感光体ドラム14′上に第2色目のB色のトナー像を形成する。このトナー像は、第1色目のA色のトナー像上に重なり合うように、中間転写ベルト1に転写され、中間転写ベルト1の画像領域に、第1色目のA色と、第2色目のB色の合成トナー像が形成される。
ここでは、前述したマークMの検出から所定時間経過後に(ステップS10)、まず、感光体ドラム14′において、位置合わせ調整を行うための第2色目のB色のトナー像を形成し(ステップS11、S12)、中間転写ベルト1における第2色目の先頭画像より前の非画像領域に位置合わせ調整用のトナー像を転写する(ステップS13)。続いて、感光体ドラム14′において、フルカラー印刷用の第2色目のB色のトナー像を形成し(ステップS14、S15)、このフルカラー印刷用のトナー像を中間転写ベルト1における画像領域に転写する(ステップS16)。なお、光書き込みのタイミングを決める前記所定時間は、予め例えばRAM85またはROM86に設定されている。また、第2色目のB色の潜像の現像が終了すると、現像器12′を現像器11′に切り替えて第4色目のD色の現像に備える。
【0048】
次に、色ずれ量検出センサ7により、第1色目の位置合わせ調整を行うためのトナー像と、第2色目の位置合わせ調整を行うためのトナー像を検出し(ステップS17)、双方の色ずれ量を算出する(ステップS18)。この色ずれ量に基づいて、第1色目のトナー像と、第2色目のトナー像が重なり合うような、第2色目の光書き込み開始タイミング、すなわち、第1色目の光書き込み開始から第2色目の光書き込み開始までの時間を算出する。この時間は例えばRAM85に記憶される。なお、ステップS18の処理は、CPU81の色ずれ量判定手段81により行われる。
【0049】
この後、中間転写ベルト1が1周して2回転目に再びマークMがマーク検出センサ5で検出されると(ステップS20)、第1の画像形成手段10において、光書き込み装置16により第3色目のC色の光書き込みが開始され、感光体ドラム14に潜像が形成される(ステップS21)。この潜像を現像手段13の現像器11で現像し(ステップS22)、感光体ドラム14にフルカラー印刷用の第3色目のC色のトナー像を形成する。このトナー像は、中間転写ベルト1の画像領域に転写され(ステップS23)、中間転写ベルト1の画像領域には、第1色目のA色と第2色目のB色と第3色目のC色のフルカラー印刷用の合成トナー像が形成される。
【0050】
次に、中間転写ベルト1の2回転目にマークMがマーク検出センサ5で検出されてから、中間転写ベルト1回転目のステップS18で算出した、第1色目の光書き込み開始から第2色目の光書き込み開始までの時間と同じ時間をおいたタイミングで(ステップS24)、第2の画像形成手段10′において、光書き込み手段16′により第4色目のD色の光書き込みが開始され、感光体ドラム14′に潜像が形成される(ステップS25)。
【0051】
続いて、現像手段13′の現像器11′で前記潜像を現像し(ステップS26)、感光体ドラム14′上に第4色目のD色のトナー像を形成する。このトナー像は、第1色目のA色と第2色目のB色と第3色目のC色の合成トナー像上に重なり合うように、中間転写ベルト1の画像領域に転写され(ステップS27)、中間転写ベルト1の画像領域には、第1色目のA色と第2色目のB色と第3色目のC色と第4色目のD色のフルカラー印刷用のフルカラートナー像が形成される。
【0052】
この後、中間転写ベルト1に形成されたフルカラー画像(フルカラートナー像)を前記転写部45で転写紙Pに転写し、さらに定着装置50で定着することになる。
このような本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置100によれば、制御手段70は、中間転写ベルト1の1回転目に、第1色目と第2色目の画像領域の先頭(先頭画像に相当する)より前の非画像領域に、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像(位置合わせ調整用トナー像)を形成させ(ステップS4〜S6、ステップS11〜S13)、中間転写ベルト1の2回転目における第3色目の光書き込み開始より前に、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像の色ずれ量を検出し(ステップS18)、前記検出した色ずれ量に基づいて、中間転写ベルト1の2回転目における第4色目の光書き込み開始タイミングを決定する(ステップS24)制御手段として機能する。この構成は、請求項1に係る本発明の実施の一形態に相当する。
【0053】
前述の機能により、第1の画像形成ユニット20と第2の画像形成ユニット20′で形成されるフルカラー印刷用のトナー像を中間転写ベルト1の回転ごとに(すなわち2色の画像形成ごとに)、光書き込み手段16′による光書き込み開始タイミングを調整しながら中間転写ベルト1上に形成することができる。すなわち、画像の作像中に所定の動作ごと(中間転写ベルト1の回転ごと)に、第1色目の位置合わせ調整用のトナー像と、第2色目の位置合わせ調整用のトナー像の色ずれ量を算出するという簡易かつ短時間で済む方法で色ずれ調整を行い、高品位なフルカラー画像が得られる。
【0054】
次に、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置の動作を図6、図7に示す。ここで、画像形成装置の構成は第1の実施形態と同様であるため、図1から図4を用いると共に同一構成には同一符号を付与して説明を省略する。
【0055】
第1の実施形態を適用し、制御手段70は、ホストコンピュータ(不図示)からプリント指示信号を受けると、指令信号を出力して、画像形成装置100にプリント開始を指令する。この指令により、第1、第2の画像形成手段10、10′、中間転写ベルト駆動系40が駆動され、マークMがマーク検出センサ5で検出されると、第1の画像形成手段10により感光体ドラム14において第1色目のA色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第1色目の先頭画像より前の非画像領域に位置合わせ調整を行うためのトナー像を形成し、さらに位置合わせ調整用のトナー像より後の所定の画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS1〜S9)。
【0056】
次いで、前記マークMの検出から所定時間経過後に、制御手段70の制御により、第2の画像形成手段10′の感光体ドラム14′において第2色目のB色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第2色目の先頭画像より前の非画像領域に位置合わせ調整を行うためのトナー像を形成し、さらに位置合わせ調整用のトナー像より後の画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS10〜S16)。なお、光書き込みのタイミングを決める前記所定時間は、予め例えばRAM85またはROM86に設定されている。
【0057】
次いで、色ずれ量検出センサ7により、第1色目の位置合わせ調整用のトナー像と、第2色目の位置合わせ調整用のトナー像が検出されると(ステップS17)、制御手段70は、色ずれ量判定手段81によって双方の色ずれ量を算出する(ステップS18)。この色ずれ量に基づいて、第1色目のフルカラー印刷用のトナー像と、第2色目のフルカラー印刷用のトナー像が重なり合うような、第2色目の光書き込み開始タイミング、すなわち、第1色目の光書き込み開始(マーク検出)から第2色目の光書き込み開始までの時間を算出する。この時間は例えばRAM85に記憶される。
【0058】
この後、中間転写ベルト1が1周して2回転目に再びマークMがマーク検出センサ5で検出されると(ステップS20)、このタイミングで制御手段70の制御により、第1の画像形成手段10の感光体ドラム14において第3色目のC色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第3色目の先頭画像より前の非画像領域に位置合わせ調整用のトナー像を形成し(ステップS31〜S33)、さらに位置合わせ調整用のトナー像より後の画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS21〜S23)。
【0059】
次いで、再びマーク検出センサ5でマークMが検出されてから所定時間経過後(ステップS24)、制御手段70の制御により、第2の画像形成手段10′の感光体ドラム14′において第4色目のD色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第4色目の先頭画像より前の非画像領域に位置合わせ調整用のトナー像を形成し(ステップS34〜S36)、さらに位置合わせ調整用のトナー像より後の画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS25〜S27)。なお、光書き込みのタイミングを決める前記所定時間は、ステップS18の色ずれ量算出処理に基づいて例えばRAM85に設定されたものである。
【0060】
次いで、色ずれ量検出センサ7により、第3色目の位置合わせ調整用のトナー像と、第4色目の位置合わせ調整用のトナー像が検出されると(ステップS37)、制御手段70は、色ずれ量判定手段81によって双方の色ずれ量を算出する(ステップS38)。この色ずれ量に基づいて、第3色目のトナー像と、第4色目のトナー像が重なり合うような、第4色目の光書き込み開始タイミング、すなわち、第3色目の光書き込み開始から第4色目の光書き込み開始までの時間を算出する。この時間は例えばRAM85に記憶される。
【0061】
この後、中間転写ベルト1が1周して3回転目に再びマークMがマーク検出センサ5で検出されると(ステップS40)、このタイミングで制御手段70の制御により、第1の画像形成手段10の感光体ドラム14において第1色目のA色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第1色目の先頭画像より前の非画像領域に位置合わせ調整用のトナー像を形成し(ステップS41〜S43)、さらに位置合わせ調整用のトナー像より後の画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS44〜S46)。
【0062】
次いで、3回転目に再びマーク検出センサ5でマークMが検出されてから所定時間経過後(ステップS47)、制御手段70の制御により、第2の画像形成手段10′の感光体ドラム14′において第2色目のB色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第2色目の先頭画像より前の非画像領域に位置合わせ調整用のトナー像を形成し、さらに位置合わせ調整用のトナー像より後の画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS48〜S53)。なお、光書き込みのタイミングを決める前記所定時間は、ステップS18の色ずれ量算出処理に基づいて例えばRAM85に設定されたものである。
【0063】
次いで、色ずれ量検出センサ7により、第1色目の位置合わせ調整用のトナー像と、第2色目の位置合わせ調整用のトナー像が検出されると(ステップS54)、制御手段70は、色ずれ量判定手段81によって双方の色ずれ量を算出する(ステップS55)。この色ずれ量に基づいて、第1色目のトナー像と、第2色目のトナー像が重なり合うような、第2色目の光書き込み開始タイミング、すなわち、第1色目の光書き込み開始から第2色目の光書き込み開始までの時間を算出する。この時間は、ステップS18の色ずれ量算出処理に基づいて例えばRAM85に設定されたものに上書きされ、更新される。
【0064】
この後、中間転写ベルト1が1周して4回転目に再びマークMがマーク検出センサ5で検出されると(ステップS57)、このタイミングで制御手段70の制御により、第1の画像形成手段10の感光体ドラム14において第3色目のC色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第3色目の先頭画像より前の非画像領域に位置合わせ調整用のトナー像を形成し(ステップS58〜S60)、さらに位置合わせ調整用のトナー像より後の画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS61〜S63)。
【0065】
次いで、4回転目に再びマーク検出センサ5でマークMが検出されてから所定時間経過後(ステップS64)、制御手段70の制御により、第2の画像形成手段10′の感光体ドラム14′において第4色目のD色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第4色目の先頭画像より前の非画像領域に位置合わせ調整用のトナー像を形成し、さらに位置合わせ調整用のトナー像より後の画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS65〜S70)。こうして、中間転写ベルト1上の所定の画像領域に、第1色目のA色と、第2色目のB色と、第3色目のC色と、第4色目のD色のフルカラー印刷用の合成トナー像が形成される。なお、光書き込みのタイミングを決める前記所定時間は、ステップS38の色ずれ量算出処理に基づいて例えばRAM85に設定されたものである。
【0066】
次いで、色ずれ量検出センサ7により、第3色目の位置合わせ調整用のトナー像と、第4色目の位置合わせ調整用のトナー像が検出されると(ステップS71)、制御手段70は、色ずれ量判定手段81によって双方の色ずれ量を算出する(ステップS72)。この色ずれ量に基づいて、第3色目のトナー像と、第4色目のトナー像が重なり合うような、第4色目の光書き込み開始タイミング、すなわち、第3色目の光書き込み開始から第4色目の光書き込み開始までの時間を算出する。この時間は、ステップS38の色ずれ量算出処理に基づいて例えばRAM85に設定されたものに上書きされ、更新される。
この後、中間転写ベルト1に形成されたフルカラー画像(フルカラートナー像)を前記転写部45で転写紙Pに転写し、さらに定着装置50で定着することになる。
【0067】
なお、さらに連続して印刷を行うときは、前述した中間転写ベルト1の3回転目と4回転目の画像形成動作を繰り返すことになる。
【0068】
このような本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置100によれば、中間転写ベルト1に複数回繰り返してフルカラー画像を形成するとき、制御手段70は、中間転写ベルト1の1回転目に、第1色目と第2色目の画像領域の先頭(先頭画像に相当する)より前の非画像領域に、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像(位置合わせ調整用トナー像)を形成させ(ステップS4〜S6、ステップS11〜S13)、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像の色ずれ量を検出し(ステップS18)、前記検出した色ずれ量に基づいて、中間転写ベルト1の3回転目の第2色目の光書き込み開始タイミングを決定し(ステップS47)、中間転写ベルト1の2回転目に、第3色目と第4色目の画像領域の先頭より前の非画像領域に、第3色目と第4色目の位置合わせ用トナー像を形成させ(ステップS31〜S33、ステップS34〜S36)、第3色目と第4色目の位置合わせ用トナー像の色ずれ量を検出し(ステップS38)、前記検出した色ずれ量に基づいて、中間転写ベルト1の4回転目の第4色目の光書き込み開始タイミングを決定する(ステップS64)制御手段として機能する。この構成は、請求項2に係る本発明の実施の一形態に相当する。
【0069】
前述の機能により、第1の画像形成ユニット20と第2の画像形成ユニット20′で形成されるトナー像(位置合わせ調整用のトナー像、フルカラー印刷用のトナー像)を中間転写ベルト1の同一色を形成する回転ごとに、光書き込み開始タイミングを調整しながら中間転写ベルト1上に形成することができる。すなわち、画像作像中の2色のトナー像形成ごと(「第1色と第2色の位置合わせ調整用のトナー像が検出されるごと」、および「第3色と第4色の位置合わせ調整用のトナー像が検出されるごと」に相当する)に、色ずれ量算出処理に基づいて光書き込み開始タイミングを調整するという簡易かつ短時間で済む方法で色ずれ調整を行いながら、高品位なフルカラー画像が得られる。
【0070】
次に、本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置の動作を図8、図9に示す。ここで、画像形成装置の構成は第1の実施形態と同様であるため、図1から図4を用いると共に同一構成には同一符号を付与して説明を省略する。
【0071】
第1の実施形態を適用し、制御手段70は、ホストコンピュータ(不図示)からプリント指示信号を受けると、指令信号を出力して、画像形成装置100にプリント開始を指令する。この指令により、第1、第2の画像形成手段10、10′、中間転写ベルト駆動系40が駆動され、マークMがマーク検出センサ5で検出されると、第1の画像形成手段10により感光体ドラム14において第1色目のA色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第1色目の先頭画像より前の非画像領域に位置合わせ調整を行うためのトナー像を形成し、さらに画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS1〜S9)。
【0072】
次いで、前記マークMの検出から所定時間経過後に、制御手段70の制御により、第2の画像形成手段10′の感光体ドラム14′において第2色目のB色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第2色目の先頭画像より前の非画像領域に位置合わせ調整用のトナー像を形成し、さらに画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS10〜S16)。なお、光書き込みのタイミングを決める前記所定時間は、予め例えばRAM85またはROM86に設定されている。
【0073】
次いで、色ずれ量検出センサ7により、第1色目の位置合わせ調整用のトナー像と、第2色目の位置合わせ調整用のトナー像が検出されると(ステップS17)、制御手段70は、色ずれ量判定手段81によって双方の色ずれ量を算出する(ステップS18)。この色ずれ量に基づいて、第1色目のトナー像と、第2色目のトナー像が重なり合うような、第2色目の光書き込み開始タイミング、すなわち、第1色目の光書き込み開始から第2色目の光書き込み開始までの時間を算出する。この時間は例えばRAM85に記憶される。
【0074】
次いで、制御手段70は色ずれ量判定手段81によって、前述の色ずれ量(または、この色ずれ量に基づいて算出された、第1色目の光書き込み開始から第2色目の光書き込み開始までの時間)が、所定の許容範囲にあるか否かを判断する(ステップS711)。ここで、所定の許容範囲は、予め例えばRAM85またはROM86に設定されている。あるいは、後述の設定手段によって設定されたものが、例えばRAM85に記憶されている。
【0075】
ここで、所定の許容範囲にある場合(ステップS711のYES)、中間転写ベルト1が1周して2回転目に再びマークMがマーク検出センサ5で検出されると(ステップS20)、このタイミングで制御手段70の制御により、第1の画像形成手段10の感光体ドラム14において第3色目のC色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第3色目の画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS21〜S23)。
【0076】
次いで、再びマーク検出センサ5でマークMが検出されてから所定時間経過後(ステップS24)、制御手段70の制御により、第2の画像形成手段10′の感光体ドラム14′において第4色目のD色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第4色目の画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS25〜S27)。なお、光書き込みのタイミングを決める前記所定時間は、予め例えばRAM85またはROM86に設定されている。
【0077】
一方、1回転目の色ずれ量算出処理(ステップS18)で算出された色ずれ量(または、この色ずれ量に基づいて算出された、第1色目の光書き込み開始から第2色目の光書き込み開始までの時間)が、所定の許容範囲にない場合(ステップS711のNO)には、制御手段70の制御により、第1の画像形成手段10、第2の画像形成手段10′による第1色目のA色、第2色目のB色の光書き込みを中止し(ステップS721)、クリーニング手段61によって中間転写ベルト1上に形成された第1色目のA色のトナー像と第2色目のB色のトナー像を消去する(ステップS73)。
【0078】
この後、再びマークMがマーク検出センサ5で検出されると(ステップS74)、第1の画像形成手段10により感光体ドラム14において第1色目のA色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第1色目の先頭画像より前の非画像領域に位置合わせ調整用のトナー像を形成し、さらに位置合わせ調整用のトナー像より後の画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS75〜S80)。この一連の処理は、前述のステップS4〜S9に相当する。ここでは、画像サイズ、マーク検出位置などの関係により、2回転目あるいは3回転目で再びマークMが検出される場合がある。
【0079】
次いで、前記マークMの検出から所定時間経過後に(ステップS81)、制御手段70の制御により、第2の画像形成手段10′の感光体ドラム14′において第2色目のB色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第2色目の先頭画像より前の非画像領域に位置合わせ調整用のトナー像を形成し、さらに画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS82〜S87)。この一連の処理は、前述のステップS10〜S16に相当する。なお、光書き込みのタイミングを決める前記所定時間は、ステップS18の色ずれ量算出処理に基づいて例えばRAM85に設定されたものである。
【0080】
次いで、色ずれ量検出センサ7により、第1色目の位置合わせ調整用のトナー像と、第2色目の位置合わせ調整用のトナー像が検出されると(ステップS88)、制御手段70は、色ずれ量判定手段81によって双方の色ずれ量を算出する(ステップS89)。この色ずれ量に基づいて、第1色目のトナー像と、第2色目のトナー像が重なり合うような、第2色目の光書き込み開始タイミング、すなわち、第1色目の光書き込み開始から第2色目の光書き込み開始までの時間を算出する。この時間は例えばRAM85に記憶される。
【0081】
この後、再びマークMがマーク検出センサ5で検出されると(ステップS91)、第1の画像形成手段10により感光体ドラム14において第3色目のC色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第3色目の画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS92〜S94)。この一連の処理は、前述のステップS20〜S23に相当する。ここで、画像サイズ、マーク検出位置などの関係により、3回転目あるいは4回転目で再びマークMが検出される場合がある。
【0082】
次いで、前記マークMの検出から所定時間経過後に(ステップS95)、制御手段70の制御により、第2の画像形成手段10′の感光体ドラム14′において第4色目のD色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第4色目の画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS96〜S98)。この一連の処理は、前述のステップS24〜S27に相当する。なお、光書き込みのタイミングを決める前記所定時間は、予め例えばRAM85またはROM86に設定されている。
【0083】
この後、中間転写ベルト1に形成されたフルカラー画像(フルカラートナー像)を前記転写部45で転写紙Pに転写し、さらに定着装置50で定着することになる。
【0084】
このような本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置100によれば、第1色目と第2色目の画像領域の色ずれ量が所定の許容範囲を超えたとき、制御手段70は、感光体ドラム14、14′への光書き込み動作および現像動作を停止し(ステップS72)、既に中間転写ベルト1に形成した第1色目と第2色目の合成トナー画像をクリーニング装置61にクリーニングさせ(ステップS73)、再度、第1色目と第2色目の画像領域の先頭(先頭画像に相当する)より前の非画像領域に、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像を形成させ(ステップS75〜S77、ステップS82〜S84)、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像の色ずれ量を検出して位置合わせを行った後に(ステップS89)、画像形成シーケンスを行う制御手段として機能する。この構成は、請求項3に係る本発明の実施の一形態に相当する。
前述の機能により、第1色目と第2色目の画像形成時に許容範囲を超えた色ずれが発生した場合(ステップS711のNO)、第1色目と第2色目のトナー像をクリーニングして画像形成動作を再試行するので、色ずれ画像の出力を極力低減することができる。また、色ずれが生じたときの用紙およびトナーの消費量を最小限に抑えることができる。
【0085】
なお、前述した実施形態では、第1色目と第2色目の画像形成時に許容範囲を超えた色ずれが発生したとき、第1色目と第2色目のトナー像をクリーニングして画像形成動作を再試行した場合について説明したが、本発明はこのほかに、第1色目と第2色目の色ずれ量の許容範囲を設定する設定手段(例えば、操作パネル22)と、この設定手段で設定された許容範囲の情報を記憶する記憶手段(例えば、RAM85)と、を設け、前記許容範囲を任意に設定しても同様の効果が得られるものである。この構成は、請求項4係る本発明の実施の一形態に相当する。この構成により、画像形成装置100の使用状況に応じて前記許容範囲を設定することができ、さらに画質と印刷効率を考慮した画像形成を行うことが期待される。
さらに、第1色目と第2色目の画像形成時に許容範囲を超えた色ずれが発生した場合(ステップS711のNO)、操作パネル22の表示部に「エラー表示」を出力させ、予め所定の項目(例えば、画質、印刷枚数など)と対応づけて記憶された複数種類の許容範囲のいずれかが選択されると、ステップS711の処理を再試行するようにしてもよい。
【0086】
次に、本発明の第4の実施形態に係る中間転写ベルトの周長当りに、A4サイズの画像を2枚形成したときの動作タイミングを図10に示し、画像形成装置の動作を図11に示す。この画像形成装置の構成は第1の実施形態と同様であるため、図1から図4を用いると共に同一構成には同一符号を付与して説明を省略する。
【0087】
図10において、時間軸の動作時間が、4000(sec)で中間転写ベルト1は1回転する。すなわち、中間転写ベルト2回転、8000(sec)で、1サイクルのフルカラー画像を形成する。この動作タイミングによれば、画像形成装置100において、中間転写ベルト1回転目の第1色目のA色と、第2色目のB色の、光書き込みと、現像と、トナー像の中間転写ベルト1への転写は、中間転写ベルト2回転目の第3色目のC色と、第4色目のD色の、光書き込みと、現像と、トナー像の中間転写ベルト1への転写と、それぞれ時間差4000(sec)をおいて行われる。
【0088】
ここでは、中間転写ベルト1の1回転目と2回転目において、中間転写ベルト1に接離する、クリーニング手段61と、転写ローラ6が、中間転写ベルト1に対して、1回転目と2回転目で異なるタイミングで接離する場合を想定する。この場合、クリーニング手段61と、転写ローラ6の接離により、中間転写ベルト1に負荷変動が生じることがある。その結果、中間転写ベルト1に僅かな速度変動が生じることが想定される。
このような中間転写ベルト1の速度変動が生じるような場合において、第1の実施形態の画像形成方法を繰り返し行ったとき、中間転写ベルト1の1回転目における、第1色目の位置合わせ調整を行うためのトナー像と、第2色目の位置合わせ調整を行うためのトナー像を検出して、色ずれ量を算出し(図5のステップS18)、この色ずれ量より、第1色目のトナー像と、第2色目のトナー像が重なり合うような、第2色目の光書き込み開始タイミング、すなわち、第1色目の光書き込み開始から第2色目の光書き込み開始までの時間で(ステップS24)、中間転写ベルト1の2回転目における、第4色目の書き込みを行う(ステップS25)と、色ずれが生じることがあり得る。
【0089】
そこで、本実施形態においては、予めこの負荷変動による速度変動量が判明している場合、この変動量に相当する光書き込み開始タイミング時間の差分を例えばRAM85またはROM86に記憶保持して、第4色目の光書き込み開始タイミング設定時に読み出して、第4色目の光書き込み開始タイミングを補正する。
図11では、第1の実施形態を適用し、制御手段70は、ホストコンピュータ(不図示)からプリント指示信号を受けると、指令信号を出力して、画像形成装置100にプリント開始を指令する。この指令により、第1、第2の画像形成手段10、10′、中間転写ベルト駆動系40が駆動され、マークMがマーク検出センサ5で検出されると、第1の画像形成手段10により感光体ドラム14において第1色目のA色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第1色目の先頭画像より前の非画像領域に位置合わせ調整を行うためのトナー像を形成し、さらに画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS1〜S9)。
【0090】
次いで、前記マークMの検出から所定時間経過後に、制御手段70の制御により、第2の画像形成手段10′の感光体ドラム14′において第2色目のB色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第2色目の先頭画像より前の非画像領域に位置合わせ調整用のトナー像を形成し、さらに画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS10〜S16)。なお、光書き込みのタイミングを決める前記所定時間は、予め例えばRAM85またはROM86に設定されている。
【0091】
次いで、色ずれ量検出センサ7により、第1色目の位置合わせ調整用のトナー像と、第2色目の位置合わせ調整用のトナー像が検出されると(ステップS17)、制御手段70は、色ずれ量判定手段81によって双方の色ずれ量を算出する(ステップS18)。この色ずれ量に基づいて、第1色目のトナー像と、第2色目のトナー像が重なり合うような、第2色目の光書き込み開始タイミング、すなわち、第1色目の光書き込み開始から第2色目の光書き込み開始までの時間を算出する。この時間は例えばRAM85に記憶される。
【0092】
この後、中間転写ベルト1が1周して2回転目に再びマークMがマーク検出センサ5で検出されると(ステップS20)、このタイミングで制御手段70の制御により、第1の画像形成手段10の感光体ドラム14において第3色目のC色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第3色目の画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS21〜S23)。
【0093】
さらに、制御手段70においては、例えばRAM85またはROM86の所定の記憶領域を参照し、前記変動量に相当する光書き込み開始タイミング時間の差分の情報が記憶されているか否かを判断する(ステップS101)。
【0094】
ここで、前記差分の情報が記憶されている場合は、この差分の情報に基づいて第4色目の光書き込み開始タイミングを補正し、2回転目でマーク検出センサ5によりマークMが検出されてから補正後の所定時間経過後(ステップS102)、制御手段70の制御により、第2の画像形成手段10′の感光体ドラム14′において第4色目のD色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第4色目の画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS25〜S27)。なお、光書き込みのタイミングを決める前記補正後の所定時間は、ステップS18の色ずれ量算出処理に基づいて例えばRAM85に設定された時間を前記差分に基づいて上書き更新したものである。
【0095】
また、前記変動量に相当する光書き込み開始タイミング時間の差分がない場合(ステップS101のNO)には、第1の実施形態を適用し、光書き込みのタイミングを補正することなく、2回転目でマーク検出センサ5によりマークMが検出されてから所定時間経過後(ステップS24)、制御手段70の制御により、第2の画像形成手段10′の感光体ドラム14′において第4色目のD色の画像形成を開始し、順次、現像および転写して、中間転写ベルト1における第4色目の画像領域にフルカラー印刷用のトナー像を形成する(ステップS25〜S27)。なお、光書き込みのタイミングを決める所定時間は、ステップS18の色ずれ量算出処理に基づいて例えばRAM85に設定されたものである。
この後、中間転写ベルト1に形成されたフルカラー画像(フルカラートナー像)を前記転写部45で転写紙Pに転写し、さらに定着装置50で定着することになる。
【0096】
このような本発明の第4の実施形態に係る画像形成装置100によれば、中間転写ベルト1と他部材(例えば、クリーニング装置61、転写ローラ6)との接離による回転ごとの負荷変動(例えば、1回転目と2回転目の負荷変動)に基づいて、第1色目の光書き込み開始タイミングを基準としたときの第2色目の光書き込み開始タイミングと、第3色目の光書き込み開始タイミングを基準としたときの第4色目の光書き込み開始タイミングに差分があるとき、制御手段70は、前記差分に応じて中間転写ベルト1の2回転目における第4色目の光書き込み開始タイミング(書き込み開始タイミング)を補正する制御手段として機能する。この構成は、請求項5に係る本発明の実施の一形態に相当する。
【0097】
前述の機能により、中間転写ベルト1に回転間で速度変動があるときにおいても、予め設定された前記差分の情報に基づいて光書き込み開始タイミングを補正するという簡易で且つ、短時間で済む方法で色ずれ調整を行いながら、高品位なフルカラー画像が得られる。
【0098】
なお、前述した第1および第2の実施形態では、各色の先頭画像より前の非画像領域に、位置合わせ調整を行うための各色のトナー像を形成し、中間転写ベルト1の回転ごとに色ずれ量検出センサ7により、位置合わせ調整用のトナー像を検出して、色ずれ量を算出した場合(すなわち、前記先頭画像より前の非画像領域の1箇所で色ずれ量を算出した場合)について説明したが、本発明はこのほかに、前記先頭画像より前の非画像領域の複数箇所で色ずれ量を算出しても同様の効果が得られるものである。これは、中間転写ベルト1の周長当りに、一度に複数の画像を形成するとき、この位置合わせ調整を行うためのトナー像の形成を、先頭画像より前の非画像部以外に、複数形成する画像間の非画像部に形成して、フルカラー印刷用のトナー像ごとに位置合わせ調整を行うためである。この構成は、請求項6に係る本発明の実施の一形態に相当する。この構成によれば、中間転写ベルト1に一度に複数の画像を形成するときも、画像ごとに画像の作像中に常に色ずれ調整を行うことにより、簡易な方法で且つ、短時間の調整で高品位な画像が得られる。
【0099】
また、前述した第3から第5の実施形態では、第1の実施形態を適用した場合を示したが、これに限らず、第2の実施形態を適用しても同様の効果が得られるものである。
【0100】
ここで、前述した実施形態では、中間転写ベルト1が中間転写体に相当する。転写部45が転写手段に相当する。また、例えば図5のステップS3、S4、S10、S11、S17、S18の処理を実行する手段としての制御手段70が、制御手段、書込制御手段に相当する。例えば、図5のステップS4、S5、S7、S8、S11、S12、S14、S15の処理を実行する手段としての制御手段70が、画像形成制御手段に相当する。図5のステップS6、S9、S13、S16の処理を実行する手段としての制御手段70が、中間転写制御手段に相当する。さらに、前述のように中間転写ベルト1に形成されたフルカラー画像(フルカラートナー像)を前記転写部45によって転写紙Pに転写させ、さらに定着装置50によって定着させる制御手段70が、転写制御手段に相当する。また、現像手段13、13′が現像手段に相当する。光書き込み装置16、16′が走査型書き込み手段に相当する。操作パネル22が設定手段に相当する。感光体ドラム14、14′が像担持体に相当する。クリーニング装置61がクリーニング手段に相当する。ROM86が本発明の記録媒体に相当する。画像形成に関する制御プログラム(例えば、図5から図9、図11のフローチャートに示す動作を実現するもの)が本発明のプログラムに相当する。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の要部を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る光書き込み装置の構成を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る制御系の構成を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置の動作を示すフローチャート(その1)である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置の動作を示すフローチャート(その2)である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置の動作を示すフローチャート(その1)である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置の動作を示すフローチャート(その2)である。
【図10】本発明の第4の実施形態に係る画像形成装置の動作ごとのタイミングチャートである。
【図11】本発明の第4の実施形態に係る画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0102】
1 中間転写ベルト(中間転写体)
2 駆動ローラ
3 従動ローラ
5 マーク検出センサ
6 転写ローラ
7 色ずれ量検出センサ
10 第1の画像形成手段
10′ 第2の画像形成手段
11 C色用の現像器
12 A色用の現像器
11′ D色用の現像器
12′ B色用の現像器
13、13′ 現像手段
14、14′ 感光体ドラム
15、15′ 帯電手段
16、16′ 光書き込み装置(光書き込み手段)
20 第1の画像形成ユニット
20′ 第2の画像形成ユニット
100 画像形成装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1色ごとにトナー像を形成する第1及び第2の画像形成ユニットと、第1及び第2の画像形成ユニットで形成された4色のトナー像を2回転で順次重ね合わせて転写し、フルカラー画像を形成するための中間転写体と、前記中間転写体に形成されたフルカラー画像をシート状記録媒体に転写する転写手段と、前記4色のトナー像の各々に相当する前記走査型書き込み手段の書き込みタイミングを制御する制御手段と、を備え、前記第1及び第2の画像ユニットの各々には、単一の像担持体と、前記像担持体に対向して配置され、前記像担持体を走査して潜像を形成する走査型書き込み手段と、前記走査型書き込み手段により形成した潜像を2色の現像剤のうち1色で現像する二つの現像手段と、を備えた画像形成装置において、
前記制御手段は、前記中間転写体の1回転目に、第1色目と第2色目の先頭画像より前の非画像領域に、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像を形成させ、前記中間転写体の2回転目に対応する前記走査型書き込み手段の第3色目の書き込み開始より前に、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像の色ずれ量を検出し、前記検出した色ずれ量に基づいて、前記中間転写体の2回転目に対応する前記走査型書き込み手段の第4色目の書き込み開始タイミングを決定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記中間転写体に複数回繰り返してフルカラー画像を形成するとき、nは0以上の整数とすると、前記制御手段は、前記中間転写体の「2n+1」回転目に、第1色目と第2色目の先頭画像より前の非画像領域に、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像を形成させ、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像の色ずれ量を検出し、前記検出した色ずれ量に基づいて、前記中間転写体の「2n+3」回転目に対応する前記走査型書き込み手段の第2色目の書き込み開始タイミングを決定し、前記中間転写体の「2n+2」回転目に、第3色目と第4色目の先頭画像より前の非画像領域に、第3色目と第4色目の位置合わせ用トナー像を形成させ、第3色目と第4色目の位置合わせ用トナー像の色ずれ量を検出し、前記検出した色ずれ量に基づいて、前記中間転写体の「2n+4」回転目に対応する前記走査型書き込み手段の第4色目の書き込み開始タイミングを決定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像の色ずれ量が所定の許容範囲内にないとき、前記制御手段は、前記像担持体への書き込み動作及び現像動作を停止すると共に、既に前記中間転写体に形成した第1色目と第2色目の合成トナー画像をクリーニング手段にクリーニングさせ、再度、第1色目と第2色目の先頭画像より前の非画像領域に、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像を形成させ、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像の色ずれ量を検出して位置合わせを行った後に、画像形成シーケンスを行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記所定の許容範囲を任意に設定する設定手段を備え、
前記制御手段は、前記設定手段により設定された許容範囲に基づいて前記走査型書き込み手段の第2色目又は第4色目の書き込みタイミングを制御することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記中間転写体と他部材との接離による負荷の変動に基づいて、第1色目の書き込み開始タイミングを基準としたときの第2色目の書き込み開始タイミングと、第3色目の書き込み開始タイミングを基準としたときの第4色目の書き込み開始タイミングに差分があるとき、前記制御手段は、前記差分に応じて前記中間転写体の2回転目に対応する前記走査型書き込み手段の第4色目の書き込み開始タイミングを補正することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記中間転写体に一度に複数枚のフルカラー画像を形成するとき、前記制御手段は、2枚目以降の画像形成において、各フルカラー画像の先頭より前のシート状記録媒体間に位置合わせ用トナー像を形成させることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
コンピュータを、第1及び第2の画像形成ユニットの各々で、単一の像担持体に対向して配置された走査型書き込み手段に、前記像担持体を走査して潜像を形成させ、二つの現像手段の各々に前記走査型書き込み手段により形成された潜像を2色の現像剤のうち1色で現像させて、1色ごとにトナー像を形成させる画像形成制御手段、中間転写体を2回転させ、この間に第1及び第2の画像形成ユニットで形成された4色のトナー像を順次重ね合わせて中間転写体に転写させ、フルカラー画像を形成させる中間転写制御手段、転写手段に前記中間転写体に形成されたフルカラー画像をシート状記録媒体に転写させる転写制御手段、前記4色のトナー像の各々に対応する前記走査型書き込み手段の書き込みタイミングを制御する書込制御手段、として機能させるためのプログラムであって、
前記書込制御手段は、前記中間転写体の1回転目に、第1色目と第2色目の先頭画像より前の非画像領域に、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像を形成させ、前記中間転写体の2回転目に対応する前記走査型書き込み手段の第3色目の書き込み開始より前に、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像の色ずれ量を検出し、前記検出した色ずれ量に基づいて、中間転写体の2回転目に対応する前記走査型書き込み手段の第4色目の書き込み開始タイミングを決定することを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
1色ごとにトナー像を形成する第1及び第2の画像形成ユニットと、第1及び第2の画像形成ユニットで形成された4色のトナー像を2回転で順次重ね合わせて転写し、フルカラー画像を形成するための中間転写体と、前記中間転写体に形成されたフルカラー画像をシート状記録媒体に転写する転写手段と、前記4色のトナー像の各々に相当する前記走査型書き込み手段の書き込みタイミングを制御する制御手段と、を備え、前記第1及び第2の画像ユニットの各々には、単一の像担持体と、前記像担持体に対向して配置され、前記像担持体を走査して潜像を形成する走査型書き込み手段と、前記走査型書き込み手段により形成した潜像を2色の現像剤のうち1色で現像する二つの現像手段と、を備えた画像形成装置において、
前記制御手段は、前記中間転写体の1回転目に、第1色目と第2色目の先頭画像より前の非画像領域に、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像を形成させ、前記中間転写体の2回転目に対応する前記走査型書き込み手段の第3色目の書き込み開始より前に、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像の色ずれ量を検出し、前記検出した色ずれ量に基づいて、前記中間転写体の2回転目に対応する前記走査型書き込み手段の第4色目の書き込み開始タイミングを決定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記中間転写体に複数回繰り返してフルカラー画像を形成するとき、nは0以上の整数とすると、前記制御手段は、前記中間転写体の「2n+1」回転目に、第1色目と第2色目の先頭画像より前の非画像領域に、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像を形成させ、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像の色ずれ量を検出し、前記検出した色ずれ量に基づいて、前記中間転写体の「2n+3」回転目に対応する前記走査型書き込み手段の第2色目の書き込み開始タイミングを決定し、前記中間転写体の「2n+2」回転目に、第3色目と第4色目の先頭画像より前の非画像領域に、第3色目と第4色目の位置合わせ用トナー像を形成させ、第3色目と第4色目の位置合わせ用トナー像の色ずれ量を検出し、前記検出した色ずれ量に基づいて、前記中間転写体の「2n+4」回転目に対応する前記走査型書き込み手段の第4色目の書き込み開始タイミングを決定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像の色ずれ量が所定の許容範囲内にないとき、前記制御手段は、前記像担持体への書き込み動作及び現像動作を停止すると共に、既に前記中間転写体に形成した第1色目と第2色目の合成トナー画像をクリーニング手段にクリーニングさせ、再度、第1色目と第2色目の先頭画像より前の非画像領域に、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像を形成させ、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像の色ずれ量を検出して位置合わせを行った後に、画像形成シーケンスを行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記所定の許容範囲を任意に設定する設定手段を備え、
前記制御手段は、前記設定手段により設定された許容範囲に基づいて前記走査型書き込み手段の第2色目又は第4色目の書き込みタイミングを制御することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記中間転写体と他部材との接離による負荷の変動に基づいて、第1色目の書き込み開始タイミングを基準としたときの第2色目の書き込み開始タイミングと、第3色目の書き込み開始タイミングを基準としたときの第4色目の書き込み開始タイミングに差分があるとき、前記制御手段は、前記差分に応じて前記中間転写体の2回転目に対応する前記走査型書き込み手段の第4色目の書き込み開始タイミングを補正することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記中間転写体に一度に複数枚のフルカラー画像を形成するとき、前記制御手段は、2枚目以降の画像形成において、各フルカラー画像の先頭より前のシート状記録媒体間に位置合わせ用トナー像を形成させることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
コンピュータを、第1及び第2の画像形成ユニットの各々で、単一の像担持体に対向して配置された走査型書き込み手段に、前記像担持体を走査して潜像を形成させ、二つの現像手段の各々に前記走査型書き込み手段により形成された潜像を2色の現像剤のうち1色で現像させて、1色ごとにトナー像を形成させる画像形成制御手段、中間転写体を2回転させ、この間に第1及び第2の画像形成ユニットで形成された4色のトナー像を順次重ね合わせて中間転写体に転写させ、フルカラー画像を形成させる中間転写制御手段、転写手段に前記中間転写体に形成されたフルカラー画像をシート状記録媒体に転写させる転写制御手段、前記4色のトナー像の各々に対応する前記走査型書き込み手段の書き込みタイミングを制御する書込制御手段、として機能させるためのプログラムであって、
前記書込制御手段は、前記中間転写体の1回転目に、第1色目と第2色目の先頭画像より前の非画像領域に、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像を形成させ、前記中間転写体の2回転目に対応する前記走査型書き込み手段の第3色目の書き込み開始より前に、第1色目と第2色目の位置合わせ用トナー像の色ずれ量を検出し、前記検出した色ずれ量に基づいて、中間転写体の2回転目に対応する前記走査型書き込み手段の第4色目の書き込み開始タイミングを決定することを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−183441(P2007−183441A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−1980(P2006−1980)
【出願日】平成18年1月10日(2006.1.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月10日(2006.1.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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